JPWO2020066987A1 - 好塩菌が産生するpha共重合体の分子量制御技術 - Google Patents
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Abstract
Description
このような問題の解決策としてバイオマスプラスチック、生分解プラスチックが挙げられる。バイオマスプラスチックは、原料が化石燃料ではなくトウモロコシやサトウキビなどの搾りかすや木質などのバイオマスであるプラスチックであり、生分解プラスチックは、使用後に環境中で微生物の力で水と二酸化炭素にまで分解されるプラスチックである。
PHAとして最初に発見されたのはポリ[3−ヒドロキシブタン酸](「P(3HB)」と表記されることがある)であるが、ポリ[3−ヒドロキシブタン酸]は硬くて脆い性質を示す。さらにポリ[3−ヒドロキシブタン酸]は、融点付近で熱分解するため溶融加工温度領域が狭く、実用化は難しいとされてきた。
しかし最近になって、これらの解決策として共重合体化や超高分子量化による物性改善に関する報告が多数されている。物性が改善された共重合体は、モノマー成分として3−ヒドロキシブタン酸(「3HB」と表記されることがある)以外に第2成分として3−ヒドロキシバレリル酸(「3HV」と表記されることがある)、3−ヒドロキシヘキサン酸(「3HH」と表記されることがある)、4−ヒドロキシブタン酸(「4HB」と表記されることがある)などを取り込んだPHAである。第2成分の導入によりPHAは軟らかくなり、融点が下がることから、第2成分の導入には溶融加工温度領域が広がるというメリットがある。さらに、PHA中の第2成分の量によって物性は大きく変わることが知られており、例えば3HVが8.2mol%の場合には融点は141℃であり、25.9%の場合には108.4℃(非特許文献6:Biomacromolecules, 2018, 19, 996)であるように、モル分率によって熱物性を制御することができることが知られている。
特許文献3には側鎖にフェニル構造、チオフェン構造、シクロヘキシル構造を有する残基を含む特殊なPHAの分子量制御方法として特殊なカルボン酸を加えることを特徴とするPHAの分子量制御技術が開示され、特許文献4には高度好塩菌で培養後にPHAを取り出す際に、水で洗うと菌体が溶けてポリエステルのみを回収できるといったことが開示されている。
非特許文献2には微生物によりPHAを産生させる際の炭素源としてwhey sugars(乳清)であることや、生産されたPHAがPHBV((3−ヒドロキシブタン酸−co−3−ヒドロキシバレリル酸重合体)である場合、その重量平均分子量は105万であり、3HV分率は6%であったこと等が開示されている。また非特許文献3には乳清を炭素源として微生物によりPHBVを生産した場合、得られたPHBVの分子量が69.6万、3HV分率が8〜10%であったこと等が開示されている。
非特許文献4には窒素固定菌に、酢酸とプロピオン酸を炭素源としてPHAを生産した場合、得られたPHAの分子量は327万で、3HV分率は8.2%であったこと等が開示されている。
非特許文献5にはHaloferax mediterranei ATCC 33500を遺伝子組み換えにより改変した株を用い、炭素源としてグルコースにバレリル酸を加えると、3HV分率が上がることや、重量平均分子量は98万から200万であり、3HV分率は8.9%から60.3%までの値をとるといったことが記載されている。
非特許文献6にはHaloferax mediterranei DSM1411を用い、炭素源としてのカルボン酸の炭素数を2〜11まで変えることにより、得られるPHBVの分子量を46万から361万まで制御できることや、3HV分率を0〜99.5%まで制御可能であるといったことが開示されている。
非特許文献7にはPHAを作らせる遺伝子を導入した大腸菌の培養時に、アルコールを添加すると分子量が低下することが開示されている。非特許文献8には、組み換え大腸菌を用いて分子量が1100万を超えるP(3HB)が生産されたことが記載されている。
特許文献5ならびに非特許文献9及び10にはPHAの強度について記載されている。
したがって、本発明は361万を超える分子量を有するPHBVを提供すること、及び/又はPHBVを包含するPHAの製造を、必要に応じて分子量を制御しつつ行う方法を提供することを課題とした。
[1]
重量平均分子量が361万より大きい、3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体。
[2]
共重合体を構成する3−ヒドロキシブタン酸のモル数と3−ヒドロキシバレリル酸のモル数の総和に対する3−ヒドロキシバレリル酸のモル数の割合(3HV分率)が5.0%〜40.0%である上記[1]の共重合体。
[3]
微生物を培養し、培養産物としてポリヒドロキシアルカン酸を得ることを含むポリヒドロキシアルカン酸の製造方法であって、
前記培養における炭素源が糖を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
重量平均分子量が100万以上であるポリヒドロキシアルカン酸を得る、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
[4]
(b)又は(c)におけるキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上がキシロース及び/又はセロビオースである上記[3]の製造方法。
[5]
微生物が高度好塩菌である上記[3]又は[4]の製造方法。
[6]
高度好塩菌がHaloferax mediterraneiである[5]の製造方法。
[7]
ポリヒドロキシアルカン酸の重量平均分子量が361万より大きい、上記[3]〜[6]のいずれかの製造方法。
[8]
得られるポリヒドロキシアルカン酸の重量平均分子量が600万以下である上記[3]〜[7]のいずれかの製造方法。
[9]
ポリヒドロキシアルカン酸が3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体である上記[3]〜[8]のいずれかの製造方法。
[10] 微生物を培養し、培養産物として得られるポリヒドロキシアルカン酸の分子量を制御する方法であって、
前記培養における炭素源が糖を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
製造されるポリヒドロキシアルカン酸の重量平均分子量を100万から600万の間で制御する、方法。
[11] ポリヒドロキシアルカン酸が3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体である上記[10]の方法。
[12]
微生物を培養し、培養産物としてポリヒドロキシアルカン酸を得ることを含むポリヒドロキシアルカン酸の製造方法であって、
前記培養における炭素源が糖及びフルフラール系化合物を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
ポリヒドロキシアルカン酸を得る、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
[13]
ポリヒドロキシアルカン酸の分子量が20万から600万の間である上記[12]の製造方法。
[14]
フルフラール系化合物がフルフラール及び/又は5−ヒドロキシメチルフルフラール又はそれらの誘導体である、上記[12]又は[13]の製造方法。
[15]
ポリヒドロキシアルカン酸が3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体である上記[12]〜[14]のいずれかの製造方法。
[16]
微生物を培養し、培養産物として得られるポリヒドロキシアルカン酸の分子量を制御する方法であって、
前記培養における炭素源が糖及びフルフラール系化合物を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
製造されるポリヒドロキシアルカン酸の重量平均分子量を制御する、方法。
[17]
ポリヒドロキシアルカン酸の分子量が20万から600万の間である、上記[16]の方法。
[18]
フルフラール系化合物がフルフラール及び/又は5−ヒドロキシメチルフルフラール又はそれらの誘導体である、上記[16]又は[17]の方法。
[19]
ポリヒドロキシアルカン酸が3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体である上記[16]〜[18]のいずれかの方法。
[20]
3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した、重量平均分子量が361万より大きい共重合体を冷延伸したフィルム。
[21]
冷延伸が以下の工程を含む、上記[20]のフィルム:
(1)3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体を溶融させて溶融フィルムを得る
(2)(1)で得られた溶融フィルムを氷水中で急冷し、非晶フィルムを作製する
(3)(2)で得られた非晶フィルムをそのまま氷水中で10倍の長さまで延伸し非晶フィルムを配向させる
(4)(3)で得られた配向後のフィルムに緊張熱処理を行い結晶化させ、冷延伸したフィルムを得る。
[22]
3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体における3HV分率が5%〜15%である、上記[20]又は[21]のフィルム。
本発明によれば、特定の糖質を炭素源として含有させることにより重量平均分子量が361万を超え、500万を超えることも可能な超高分子量共重合体としてのPHBVが提供される。かかるPHAは補強材、超高強度繊維など従来の分子量では適用できなかった用途への応用が可能である。
PHAとして分子量が400万を超えるPHBHや(特許文献1)分子量が1000万を超えるP(3HB)(非特許文献8)については知られている。しかしながら公知のPHBVの分子量はせいぜい361万である。すなわちこれまでに分子量が361万を超えるPHBVは知られていなかった。
これに対して本願発明によれば、361万より大きい分子量を有するPHBVが与えられる。
本発明の製造方法のうち、炭素源としてのフルフラール系化合物を添加することをさらに含む製造方法によれば、さらに広範囲な分子量にPHAの分子量を制御することができる。フルフラール系化合物を添加することをさらに含む本発明の製造方法によれば、得られるPHAの分子量制御をさらに容易にして、所望の量のPHAを得ることができる。すなわち、フルフラール系化合物を添加することをさらに含む本発明の製造方法においては、該添加により生じるPHAの生産量の変化は小さい。
本発明の製造方法によれば、原料及び炭素源となる糖質の種類を適宜選択することにより、PHAの分子量のみならず第2成分のモル分率も制御できる。
また本発明の製造方法によれば、分子量制御のための炭素源として中性であり水溶解度が高い糖質が用いられるため、培養液を中和する必要がなく、また高密度培養も可能になる。カルボン酸で微生物を培養した場合、高濃度で培養すると培養液が酸性となり、プラントを腐食してしまうおそれがある上に、酸性下では微生物が生育できないという問題がある。かかる問題を解決するためには培養液を中和する必要があるが、そのための操作には手間がかかるうえに水酸化ナトリウムなどの塩基を大量に用いることになるため、工業的には採用しがたい手法である。本発明の製造方法によれば、このようなカルボン酸を用いることに伴う問題を生じさせることなくPHAの製造を行うことができるといった効果も奏される。
高濃度塩化ナトリウム水溶液中でのみ生きる高度好塩菌と呼ばれるタイプの中にもPHAを生産する微生物がいることが知られている。高濃度塩化ナトリウム水溶液中でPHAを生産する菌体は、生産後低濃度塩化ナトリウム水溶液中又は水中で溶菌し、中に蓄えているPHAを取り出せることが知られている(特許文献4)。通常、PHAは菌体から回収する際に有機溶媒や界面活性剤などを大量に使用するが、高度好塩菌の場合は水のみで回収できるため、コスト面でのメリットが大きい。
高度好塩菌でのPHA生産において分子量を制御する先行技術としては、例えば、Anna Ferre-Guellらはカルボン酸を炭素源としたHaloferax mediterraneiでの超高分子量体の製造方法を提供し、さらに46万〜361万までの間で幅広い分子量をもつPHBVの生産方法を発表した(非特許文献6)。この方法では、分子量を制御するときに炭素源として、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸が用いられている。
特許文献1には特定の微生物を用いることにより分子量が400万を超えるPHBHが生産された旨記載されている。しかしながら同文献に記載されているのは高分子量のPHAを合成する方法に留まり、同文献には高分子量のPHAを、分子量を制御しつつ得ることやそのための手法については記載されていない。
本発明の製造方法においては、PHAの分子量を広範囲に制御しつつ該PHAを得ることができることは、従来技術からは予測不能な優れた効果である。
本発明により新規なPHA共重合体である重量平均分子量が361万を超える、3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体が提供され、さらに該共重合体を包含するPHAの製造方法が提供される。
PHAを製造するための本発明の製造方法は、製造されるPHAの分子量を制御し、また第2成分のモル分率も制御できる。本発明の製造方法においてこのような制御が可能であるのは、炭素源として用いられる糖類、すなわちグルコース又はその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体のうち、微生物(とくに高度好塩菌)における消費スピードはグルコース又はその誘導体の消費スピードが最も大きく、キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース又はスクロース又はその誘導体についての消費スピードはグルコース又はその誘導体の消費スピードより小さいため、これらの各糖類についての消費スピードの相違を利用し、供給する炭素源全体の消費スピードを調節することに基礎を置くものであると考えることが可能である。本発明の原理は、かかる理論に束縛されるものではない。
本明細書においてポリマーの分子量を数値により表す場合、本技術分野における当業者により理解される数値の幅を含むことにより特定される数値が意図される。
PHAを製造するための本発明の製造方法(以下において「本発明の製造方法」ということがある)の一つは、重量平均分子量が361万を超えるPHAを製造することを可能にする、下記のものである:
微生物を培養し、培養産物としてポリヒドロキシアルカン酸を得ることを含むポリヒドロキシアルカン酸を製造する方法であって、
前記培養における炭素源が糖を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
重量平均分子量が100万以上であるポリヒドロキシアルカン酸を得る、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
上記糖には、例えば酵母エキスのような他の栄養源に含有される糖は包含されない。上記糖は、酵母エキスのような他の栄養源とは別に供給される糖を指す。
本発明の製造方法において用いられる糖には、上記各糖の誘導体も包含される。糖の誘導体としては、上記糖がエーテル化、エステル化されたものが想定され、とくにエーテル化されたものとしてはメトキシ化されてなる誘導体が、エステル化されたものとしてはアセチル化されてなる誘導体が、それぞれ例示される。
本発明の製造方法は、上述のとおり、製造されるPHAの分子量を制御し、また第2成分のモル分率も制御できる。本発明の製造方法においてこのような制御が可能である原理として考えられる原理についても上述のとおり(炭素源として微生物に用いられる各糖類についての消費スピードの相違を利用し、供給する炭素源全体の消費スピードを調節することに基礎を置く)である。
なお、本発明の製造方法においては、例えば100万〜600万の重量平均分子量に、PHAの分子量を制御してPHAを製造することができるところ、炭素源としてのフルフラール系化合物をさらに添加することによりPHAとしてより低分子量のものが得られ、さらに広範囲な分子量を有するPHAを製造することができる。炭素源としてのフルフラール系化合物をさらに添加する本発明の製造方法においては、製造されるPHAの分子量は限定されないところ、例えば20万〜600万の重量平均分子量に、PHAの分子量を制御してPHAを製造することができる。フルフラール系化合物が用いられる本発明の方法については、さらに後述する。
本発明の製造方法として、PHAの分子量を100万〜575万の重量平均分子量に制御してPHA製造する方法は好ましい。
本発明の製造方法における上記炭素源として
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
を用いると、生成されるPHAの分子量は大きくなる傾向にあり、
上記炭素源として
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、
を用いると、生成されるPHAの分子量は上記(a)の場合より小さくなる傾向にあり、
上記炭素源として
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上を用いグルコース及び/又はその誘導体を用いないことにより、生成されるPHAの分子量は上記(b)の場合よりさらに小さくなる傾向にある。
このような炭素源としての糖を選択することにより、PHAの分子量を制御する方法も本発明により提供される。本発明によるPHAの分子量を制御する方法は、培養における炭素源が糖を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
製造されるポリヒドロキシアルカン酸の重量平均分子量を100万から600万の間で制御する、方法である。
本発明の制御する方法として、PHAの分子量を100万〜575万の重量平均分子量に制御する方法は好ましい。
本発明の製造方法において、用いられる糖は複数回に分けて投入されてよい。投入される回数及びタイミングは限定されず、回数としては2回、3回、4回、5回、又は6回以上であってよい。
投入されるタイミングは、培養開始後約20時間〜約30時間後、約30時間〜約40時間後、約40時間〜約50時間後、約50時間〜約60時間後、約60時間〜約70時間後、約70時間〜約80時間後、又は約80時間後以降から選択してよく、選択されたタイミングでの糖の投入を組み合わせて実施してよい。
●微生物を培養し、培養産物としてポリヒドロキシアルカン酸を得ることを含むポリヒドロキシアルカン酸の製造方法であって、
前記培養における炭素源が糖及びフルフラール系化合物を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
ポリヒドロキシアルカン酸を得る、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。
●微生物を培養し、培養産物として得られるポリヒドロキシアルカン酸の分子量を制御する方法であって、
前記培養における炭素源が糖及びフルフラール系化合物を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
製造されるポリヒドロキシアルカン酸の重量平均分子量を制御する、方法。
本発明における「フルフラール系化合物」とは、フルフラール及び5−ヒドロキシメチルフルフラール、ならびにそれらの誘導体を意味する。
本発明においては、上記糖類、とくにグルコース及び/又はその誘導体、なかんずくグルコースのみを炭素源として、フルフラール系化合物をさらに用いることにより、得られるPHAの分子量をさらに低下させ制御することができる。例えばフルフラール系化合物をさらに用いることにより、得られるPHAの分子量を20万〜550万に制御することができ、また20万〜400万、あるいは20万〜361万に制御することができる。
理論に束縛されるものではないが、フルフラール系化合物によりさらに広範囲な分子量にPHAの分子量を制御してPHAを製造することができる理由は、フルフラール系化合物が、重合により生成されたポリマー鎖の移動反応を起こしやすくすることによるものである可能性がある。重合によりポリマーが生成するときに、フルフラール系化合物により比較的低い分子量のポリマー鎖の成長末端が移動を促進されることにより該ポリマー鎖の伸長は停止され、該ポリマーとは別異の次のポリマー鎖の伸長が開始されることとなるため、得られるPHAの分子量はフルフラール系化合物を用いない場合より小さくなると考えることができる。
糖がグルコース及びその誘導体、ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上であり、フルフラール系化合物がフルフラール及び/又は5−ヒドロキシメチルフルフラール又はそれらの誘導体である本発明の製造方法又は本発明の制御方法は、好ましい。
用いられるフルフラール系化合物の量の糖の量に対する割合は限定されず、約0.0025〜約0.6が例示される。用いられるフルフラール系化合物の量の糖の量に対する割合が、0.01〜0.2である本発明の製造方法又は本発明の制御方法は好ましい。
本発明の製造方法においては、微生物を公知の方法により培養することにより、PHAを製造できる。
本発明の製造方法において用いられる微生物は限定されないところ、該微生物として高度好塩菌は好適である。PHAの生産能が高いばかりでなく、生産されたPHAの回収が容易だからである。
高度好塩菌のうちHaloferax属、Halalkalicoccus属、Haloarchaeobius属、Haloarcula属、Halobacterium属、Halobaculum属、Halococcus属、Halogranum属、Halomarina属、Halorubrum属、Haloterrigena属、Natrialba属、Natronobacterium属は好ましく、Haloferax mediterraneiはとくに好ましい。
本発明の制御方法においても、本発明の製造方法に用いられる微生物を用いることができる。
本発明のPHAの製造方法における微生物の培養に関し、上記炭素源及び微生物以外の条件については限定されず、本技術分野において通常用いられる条件や公知の条件を用いてよい。
また本発明の製造方法における培養に用いられる培地としては、固体であっても液体であってもゲル状であっても構わないが、生産スピードの観点から液体培地であることは好ましい。
また本発明の製造方法における培養において、総塩濃度としては例えば100g/L〜300g/Lが挙げられる。総塩濃度が150g/L〜250g/Lであることは好ましい。
用いられる培地としては、例えばNH4Cl、KH2PO4、FeCl3、NaCl、MgCl2、MgSO4、CaCl2、KCl、NaHCO3及びNaBr等の無機塩類を含有するものが挙げられる。これらの無機塩類の種類と量は限定されず、例えばNH4Cl、KH2PO4、FeCl3、KCl、NaHCO3、NaBr及びNaClについては、それぞれ以下の量(g/L)が例示される:
NH4Cl:1.5〜2.5、KH2PO4:0.005〜0.35、FeCl3 :0.001〜0.01、KCl:3〜7、NaHCO3 :0.1〜1、NaBr:0.3〜0.7、 NaCl: 100〜300。
本発明のPHAの製造方法において用いられる培地として、NBRC(独立行政法人製品評価技術基盤機構バイオテクノロジーセンター)がウェブサイトにおいて公開している培地一覧(https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/cultures/culture-list.html)におけるNo.1380の培地は好ましい。当該No.1380の培地組成を上記培地一覧から引用して示す:
アミノ酸類として、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、リシン、ロイシン;
アルコール類として、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、グリセロール;
油脂類として、パーム油、パーム核油、コーン油、やし油、オリーブ油、大豆油、及び菜種油;
脂肪酸類として、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、及びクロトン酸とそのナトリウム塩やアンモニウム塩などの脂肪酸塩。脂肪酸類が用いられる場合、該脂肪酸類の量は少量であることが好ましい。
窒素源としては、例えばアンモニア、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム等のアンモニウム塩のほか、ペプトン、肉エキス、酵母エキス等が挙げられる。
無機塩類としては、例えばリン酸2水素カリウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム等が挙げられる。
本発明の製造方法において、炭素源、無機塩類、有機栄養源を添加するタイミングに関しては限定されないところ、一般的に用いられている回分培養、流加培養、連続培養等の方法を目的に応じて適宜選択して用いることができる。
本発明の製造方法における微生物の培養時間としては、回分培養では24時間〜168時間、流加培養では72時間〜14日間、連続培養では14日間を超える長期間が例示されるが、これらの時間に限定されない。
本発明の製造方法において培地のpHは限定されないところ、培地の初期のpHを約6.5〜約7.5とすることは好ましい。培地の初期のpHを約6.5〜約7.5とし、培養中の培地のpHを約6.5〜約7.5に維持することはより好ましい。これらのpHを約7.0〜約7.4にすることはさらに好ましい。
本発明の製造方法における生成物であるPHAの種類は限定されないところ、PHBV及び/又はP(3HB)(3−ヒドロキシブタン酸重合体)が好適な生成物である。
本発明の製造方法において微生物が産生するPHAの生産量と3HV分率は、GC−MS法等の公知の方法を用いて測定してよい。本発明の製造方法により得られるPHAがPHBVである場合、3HV分率もGC−MS法等の公知の方法を用いて決定してよい。
グルコース又はその誘導体やその他の糖質、フルフラール系化合物の濃度の測定には、市販の濃度測定キットによる測定や、HPLC法などの公知の方法を用いてよい。
本発明の製造方法において微生物が培養された際の微生物菌体の生産量を特定することが必要な場合には、微生物菌体の生産量は吸光度法や乾燥菌体重量測定法などの公知の方法で測定してよい。
本発明の方法で製造されるPHAの重量平均分子量は、フルフラール系化合物を用いない場合には約100万から約600万であり、フルフラール系化合物を用いる場合には約20万から約600万である。それぞれの範囲において得られるPHAの分子量を、本発明の製造方法においては制御又は調節することができる。
本発明により3−ヒドロキシブタン酸(3HB)と3−ヒドロキシバレリル酸(3HV)とがランダムに共重合した共重合体(以下「PHBV」ということがある)も提供され、かかるPHBVは重量平均分子量が361万を超えるものであり、好ましくは分子量が400万を超えるものである。本発明のPHBVとして分子量が500万を超えるものはより好ましく、分子量が570万を超えるものは一層好ましい。
本発明のPHBVは、以下で示される構造単位を、PHBV全体の分子量が361万を超える任意の組み合わせとして含む(下式においてm及びnは整数を表す):
本発明のPHBVの構造、モノマーの組成及び分子量は限定されず、分子量が361万を超えるものであればよい。本発明のPHBVは線状であり、少なくとも実質的に直鎖状である本発明のPHBVは好ましい。
本発明のPHBVは上記のとおり3HBと3HVとがランダムに共重合した共重合体であるところ、3HBと3HVとの交互共重合又はブロック共重合により生成される共重合体も包含される。
本発明のPHBVのうち、冷延伸により引張強度が一層優れたものになるものも好ましい。冷延伸後の引張強度が240MPa以上であるものは好ましく、該引張強度が250MPa以上であるものはより好ましく、該引張強度が255MPa以上であるものは一層より好ましい。
本発明により、3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した、重量平均分子量が361万より大きい共重合体を冷延伸したフィルムも提供される。かかるフィルムは重量平均分子量が100万の通常分子量PHBVと比べ引張強度に優れるといった特徴がある。
本発明の上記フィルムのうち、引張強度が240MPa以上であるものは好ましく、該引張強度が250MPa以上であるものはより好ましく、該引張強度が255MPa以上であるものは一層より好ましい。
また、冷延伸が以下の工程を含む上記フィルムは、引張強度に優れるフィルムがより確実に得られるため好ましい:
(1)3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体を溶融させて溶融フィルムを得る
(2)(1)で得られた溶融フィルムを氷水中で急冷し、非晶フィルムを作製する
(3)(2)で得られた非晶フィルムをそのまま氷水中で10倍の長さまで延伸し非晶フィルムを配向させる
(4)(3)で得られた配向後のフィルムに緊張熱処理を行い結晶化させ、冷延伸したフィルムを得る。
冷延伸による引張強度の向上を考慮すると、3HV分率が5%以上であるものは冷延伸による引張強度の向上が顕著であるため好ましい。これは、3HV成分を5%以上の割合で含んだ結晶がPHBと同等の強度を発揮する上に、170℃での融解が可能になるからであると推定されるが、本発明が効果を発揮するメカニズムについてはかかる理論に拘束されるものではない。3HV分率が5%〜15%である本発明のPHBVは、より好ましい。
かかる方法として、微生物を培養し、培養産物として本発明のPHBVを得る方法が例示されるところ、前記培養における微生物として高度好塩菌を用い、炭素源としてグルコース及び/又はその誘導体を用いる方法は好ましく、グルコースを用いる方法はとくに好ましい。これらの方法によれば、重量平均分子量が361万を超えるPHBVを効率的に製造することができ、また製造されたPHBVを簡便に回収することができるからである。
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ、又は
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、
であってよい。
本発明のPHBVは、酵母エキスを用い、酵母エキスに含有されるアミノ酸などの炭素源以外の炭素源を添加しなくても製造される。酵母エキスに含有されるアミノ酸などの炭素源以外の炭素源を用いることにより、より小さいコストで本発明のPHBVを製造することができる。
すべての実施例において他に記載がない限りNBRCより提供の菌株 Haloferax mediterranei NBRC 14739を用いて実験を行った。
すべての実施例において他に記載がない限り、上記菌を各例の項において示される方法・条件にて培養後、培養により得られたPHA(PHBV)の分子量をポリスチレン標準を用いたGPC(ゲルろ過クロマトグラフィー)により測定し、分子量として示した。
GPC測定には、東ソー株式会社製EcoSEC HLC-8320GPCを使用した。ガードカラムはTSKgel guardcolumn SuperHZ-Hを、カラムはTSKgel Super HZM-H2本を直列につないで用いた。移動相にはクロロホルム(0.6mL/min)を用い、カラム温度は40℃とした。サンプル濃度は約0.5 mg/mLとし、サンプル注入量は10μLとした。検量線の作成には、ポリスチレン標準を用いた。
共重合体の3-ヒドロキシバレリル酸(3HV)分率とPHBV生産量の測定はガスクロマトグラフィー-質量分析(GC-MS法)を用いて以下のように行った(機器名:Agilent 6890 / 5973 GCMS System )。すなわち、乾燥菌体の約2mg〜25mgに2mlの硫酸−メタノール混液(15:85)と2mlのクロロホルムを添加して密栓し、100℃で140分間加熱することでポリエステル分解物のメチルエステルを得て、これに水1mLを加えて攪拌後、クロロホルム層をGC-MS法により分析して行った。
これらのPHAの生産量、分子量、3HV分率の測定方法は、PHAの生産量、分子量、3HV分率を特定するための手法として本技術分野において通常用いられるものである。また、これらの方法により特定されたPHAの生産量、分子量及び3HV分率の数値は公知文献に記載されているPHAの生産量、分子量及び3HV分率の数値と、その大小をそれぞれ正確に比較することができるものである。
乾燥菌体重量は、凍結乾燥法などの公知の方法により測定することができる。乾燥菌体に含まれる無機塩を定量したいときは、高温で無機塩以外の有機物をすべて熱分解する方法を用いてもよい。
●(材料と方法)300 mL三角フラスコに、培養液総量を50 mLにして以下の各成分を加えて72 h、37 ℃、200 rpmで振とう培養を行った。初期pHは 7.2に合わせた。
培地中の成分(g/L):NH4Cl 2、KH2PO4 0.0375、FeCl3 0.005、NaCl 194、
MgCl2 16、MgSO4 24、CaCl2 1、KCl 5、NaHCO3 0.2、
NaBr 0.5、酵母エキス 5
上記成分からなる培地(BSM培地)に、炭素源として、下表に示す糖を所定量入れて、72 hの培養を行った。
●(結果)各条件で生産されたPHBVの3HV分率と重量平均分子量、多分散度、乾燥菌体重量、PHBV生産量を下表に示す。
●(材料と方法)5 L容ジャーファーメンターを用いて、以下の各成分を加えて146 h、2 L、37 ℃、初期グルコース濃度20 g/Lで培養を行った。培養中、12 %アンモニア水を用いてpHを7.2に保ち、グルコースをすべて消費させるまで培養を行った。
培地中の成分(g/L):NH4Cl 2、KH2PO4 0.0375、FeCl3 0.005、NaCl 194、
MgCl2 16、MgSO4 24、CaCl2 1、KCl 5、NaHCO3 0.2、
NaBr 0.5、酵母エキス5
●(結果・考察)時間ごとのPHBVの3HV分率と重量平均分子量、多分散度、乾燥菌体重量、PHBV生産量を下表に示す。
上表に示すとおり、培養容器の規模が拡大されたこと、培養中にpHの制御を行ったことによりPHBVの生産量は増大し、生産効率は向上した。
●(材料と方法)5 L容ジャーファーメンターを用いて、以下の各成分を加えて288 h、37 ℃、2 L、初期グルコース濃度20 g/Lで培養を行った。培養中、12 %アンモニア水を用いてpHを7.2に保ち、培養開始96 hにグルコース40 gを、168 hにKH2PO40.075 gを追加して加えた。
培地中の成分(g/L):NH4Cl 2、KH2PO4 0.0375、FeCl3 0.005、NaCl 194、
MgCl2 16、MgSO4 24、CaCl2 1、KCl 5、NaHCO3 0.2、
NaBr 0.5、酵母エキス5
●(結果)時間ごとのPHBVの3HV分率と重量平均分子量、多分散度、乾燥菌体重量、PHBV生産量を下表に示す。
実施例12−1と比較してPHBVの分子量は増大した。また、グルコースの追加を行ったことによりPHBVの生産量はさらに増大し、培養開始175時間後〜176時間後に最大値に達した。
●(材料と方法)5 L容ジャーファーメンターを用いて、以下の各成分を加えて168 h、2 L、37 ℃、初期グルコース濃度40 g/Lで培養を行った。培養中、12 %アンモニア水を用いてpHを7.2に保った。
培地中の成分(g/L):NH4Cl 2、KH2PO4 0.0375、FeCl3 0.005、NaCl 194、
MgCl2 16、MgSO4 24、CaCl2 1、KCl 5、NaHCO3 0.2、
NaBr 0.5、酵母エキス 5
●(結果)時間ごとのPHBVの3HV分率と重量平均分子量、多分散度、乾燥菌体重量、PHBV生産量を下表に示す。
上表に示すとおり、実施例12−2と比較してPHBVの生産効率は向上した。培養開始時の糖の量を増大させたためであると考えられた。
●(材料と方法)5 L容ジャーファーメンターを用いて、以下の各成分を加えて288 h、2 L、37 ℃、初期グルコース濃度80 g/Lで培養を行った。培養中、12 %アンモニア水を用いてpHを7.2に保った。
培地中の成分(g/L):NH4Cl 2、KH2PO4 0.0375、FeCl3 0.005、NaCl 194、
MgCl2 16、MgSO4 24、CaCl2 1、KCl 5、NaHCO3 0.2、
NaBr 0.5、酵母エキス 5
●(結果・考察)時間ごとのPHBVの3HV分率と重量平均分子量、多分散度、乾燥菌体重量、PHBV生産量を下表に示す。
上表に示すとおり、実施例12−3と比較してPHBVの生産効率の向上はなかった。
実施例A
(材料と方法)5L容ジャーファーメンターを用いて、以下の各成分を加えて144h、2L、37℃、初期グルコース濃度10 g/Lで培養を行った。培養中、12%アンモニア水を用いてpHを7.2に保ち、途中栄養源や無機塩類を適宜添加した。
培養開始時の培地中の成分(g/L):グルコース 10、酵母エキス0.1、
カザミノ酸 0.1、
グルタミン酸ナトリウム1水和物 1、
クエン酸ナトリウム2水和物 1、
KCl 2、K2HPO40.3、
CaCl2・2H2O 0.15、NH4Cl 1、
MgSO4・7H2O 50、NaCl 200、
その他微量金属元素
その他微量金属元素としては、NBRC公開の指定培地No.1380に含有されるものを用いた。すなわち、ニトリロ三酢酸 12.8 g、塩化鉄(III)6水和物 1.35 g 、塩化マンガン4水和物 0.1 g、塩化コバルト6水和物 0.024 g、塩化カルシウム 2水和物 0.1 g、塩化亜鉛 0.1 g、塩化銅(II)2水和物 0.025 g、ホウ酸 0.01g、モリブデン酸ナトリウム2水和物 0.024g、塩化ナトリウム1g、塩化ニッケル6水和物 0.12 g、水 1 LをpHを7.0になるように溶解したものを2 mL/L(培養液)の濃度で加えた。
添加された成分(g/L)は、
培養開始 30 h後;グルコース 10
48 h後;グルコース 10
56 h後;グルコース 10
74 h後;グルコース 10、酵母エキス0.1、
カザミノ酸 0.1、
グルタミン酸ナトリウム1水和物 1、
クエン酸ナトリウム2水和物 1、KCl 2、
CaCl2・2H2O 0.15
80 h後;グルコース 10
であった。
●(結果)下表に示すとおりであった。
かかる結果から、重量平均分子量は最高で572万、11.58 g/LのPHBVを生産することが明らかになった。
実施例B
(材料と方法)5L容ジャーファーメンターを用いて、以下の各成分を加えて144h、2L、37℃、初期グルコース濃度10 g/Lで培養を行った。培養中、12%アンモニア水を用いてpHを7.2に保ち、途中栄養源や無機塩類を適宜添加した。
培養開始時の培地中の成分(g/L):グルコース10、酵母エキス0.1、
カザミノ酸 0.1、
グルタミン酸ナトリウム1水和物 1、
クエン酸ナトリウム2水和物 1、
KCl 2、K2HPO40.3、
CaCl2・2H2O 0.15、NH4Cl 1、
MgSO4・7H2O 50、NaCl 200、
その他微量金属元素
その他微量金属元素としては、NBRC公開の指定培地No.1380に含有される上記のとおりのものを用いた。
添加(g/L)は、培養開始30 h後;グルコース20
54 h後;グルコース20、酵母エキス0.1、
カザミノ酸 0.1、
グルタミン酸ナトリウム1水和物 1、
クエン酸ナトリウム2水和物 1、
KCl 2、CaCl2・2H2O 0.15
79 h後;グルコース 30。
●(結果)下表に示すとおりであった。
かかる結果から、重量平均分子量は最高で541万、12.3g/LのPHBVを少なくとも生産できることが明らかになった。
(材料と方法)5L容ジャーファーメンターを用いて、以下の各成分を加えて72h、2L、37℃、初期グルコース濃度6.8g/Lで培養を行った。初期pHを7.2に保ち、培養中にpHコントロールと栄養源や無機塩類の添加は行わなかった。
培養開始時の培地中の成分(g/L):グルコース 6.8、酵母エキス0.1、
カザミノ酸 0.1、
グルタミン酸ナトリウム1水和物 1、
クエン酸ナトリウム2水和物 1、
KCl 2、CaCl2・2H2O 0.15、NH4Cl 1、
MgSO4・7H2O 50、NaCl 200、
その他微量金属元素
その他微量金属元素としては、NBRC公開の指定培地No.1380に記載の上記のとおりのものを用いた。
●(結果)下表に示すとおりであった。
かかる結果から、pHコントロールを行わないことにより、3HV分率の高いPHBVが生産されることが明らかになった。
●(材料と方法)300 mL三角フラスコに、培養液総量を50 mLにして以下の各成分を加えて72 h、37 ℃、200 rpmで振とう培養を行った。初期 pHは 7.2に合わせた。
培地中の成分(g/L):NH4Cl 2、KH2PO4 0.0375、FeCl3 0.005、NaCl 194、
MgCl2 16、 MgSO4 24、CaCl2 1、KCl 5、NaHCO3 0.2、
NaBr 0.5
上記成分からなる培地に、酵母エキスと糖を所定量加えて、72 hの培養を行った。
●(結果・考察)各条件で生産したPHBVの3HV分率と重量平均分子量、多分散度、乾燥菌体重量、PHBV生産量を同表に示す。
酵母エキスのみを用い糖を添加しない場合であっても本発明のPHBVは製造された。
●(材料と方法) Haloferax mediterraneiについて、表10に示す高度好塩菌用のNBRC指定培地+5g/Lのグルコースを用いて、300 mL三角フラスコに、培養液総量を50 mLにして培養を行った。指定培地中にグルコースが含まれている場合には、もともと含まれているグルコース以外にさらに5 g/Lのグルコースを追加した。
各指定培地の成分は、NBRCがウェブサイトにおいて公開している培地一覧(https://www.nite.go.jp/nbrc/cultures/cultures/culture-list.html)を引用して以下に示す。
●(結果)下表に示すとおりであった。
培地を変更することにより、重量平均分子量の範囲が130万〜540万であるPHAを生産することが可能であった。
またNBRCNo.1380の培地では、PHA生産量が高いうえに、3HV分率、分子量が高くこれまでにないタイプのPHAを生産可能であることが明らかになった。
フルフラール系化合物をさらに用いた以外は実施例1〜11と同様の方法で、初期グルコース濃度を10 g/L、フルフラール濃度、HMF(5-ヒドロキシメチルフルフラール)濃度をそれぞれ0.06g/Lから1.6g/Lまで変化させ、Haloferax mediterranei NBRC14739のフラスコ培養を行った。より具体的には以下のとおりである。
●(材料と方法)300 mL三角フラスコに、培養液総量を50 mLにして以下の各成分を加えて72 h、37 ℃、200 rpmで振とう培養を行った。初期pHは 7.2に合わせた。
培地中の成分(g/L):NH4Cl 2、KH2PO4 0.0375、FeCl3 0.005、NaCl 194、
MgCl2 16、MgSO4 24、CaCl2 1、KCl 5、NaHCO3 0.2、
NaBr 0.5、酵母エキス 5
上記成分からなる培地に、炭素源として、下表に示す糖質とフルフラール系化合物を所定量入れて、72 hの培養を行った。
●(結果)各条件で生産されたPHBVの3HV分率と重量平均分子量、多分散度、乾燥菌体重量、PHBV生産量を下表に示す。
フルフラールの濃度及びHMF濃度を変化させることで、様々な分子量のPHBVを製造し、分子量を制御できること明らかになった。フルフラール又はHMFといったフルフラール系化合物による製造されるPHBVの分子量の制御は、グルコース以外の糖が用いられた場合においてもなされると考えられる。
●(材料と方法)300 mL三角フラスコに、培養液総量を50 mLにして以下の各成分を加えて72 h、37 ℃、200 rpmで振とう培養を行った。初期 pHは 7.2に合わせた。
培地中の成分(g/L):NH4Cl 2、KH2PO4 0.0375、FeCl3 0.005、NaCl 194、
MgCl2 16、 MgSO4 24、CaCl2 1、KCl 5、NaHCO3 0.2、
NaBr 0.5、
上記成分からなる培地に、酵母エキス(g/L)と糖(グルコース 5 g/L(「G」:実施例26)、キシロース 5 g/L(「X」:実施例27)又はセロビオース 5 g/L(「C」:実施例28)を加えて、72 hの培養を行った。微生物としてHaloferax mediterranei NBRC14739を用いた。
●(結果)各条件で生産されたPHBV生産量、PHBVの3HV分率と重量平均分子量を図1に示す。同図に示されるように、グルコース(「G」:実施例26)、キシロース(「X」:実施例27)又はセロビオース(「C」:実施例28)のみを用いることにより、得られるPHBVの分子量を、少なくとも約450万(グルコースのみを用いた場合)〜約110万(キシロースのみ)の間に調節できることが明らかになった。また3HV分率も用いる糖の種類により異なり、グルコースのみを用いた場合には12mol%、キシロースのみを用いた場合には25mol%、セロビオースのみを用いた場合には17mol%であった。
分子鎖を同じ方向に配向させると、配向方向に対して引張強度が向上することが知られている。そこで冷延伸と称される方法(例えば特許文献5に記載されている方法)で本発明のPHAの分子鎖の配向を行い本発明のPHAの引張強度の向上の度合いを調べ、従来技術との対比を行った。
各サンプルは、超高分子量PHBV( Mw= 3.07×106, Mw/Mn=1.87, 3HV分率8.4 %)のキャストフィルムを、カッターで10 mm×30 mmに切り出して作製した。同サンプルについて、10倍に冷延伸したフィルムを異なる温度で熱処理(結晶化)させて3日以上放置した後のフィルムの引張強度を測定した。具体的な方法は以下のとおりであった:
(1)各サンプルについて、170℃又は200℃(非特許文献9に示されている、より高融点であるPHBについての結果との対比のため)の温度で30秒間、3MPaの熱プレスを行い完全に溶融させる
(2)(1)で得た溶融フィルムを氷水中で急冷し、非晶フィルムを作製
(3)そのまま氷水中で10倍の長さまで延伸し非晶フィルムを配向させる
(4)25℃、60℃、80℃、100℃又は120℃の温度で2時間緊張熱処理を行い結晶化
(5)3日間以上室温で保管し、引張強度測定用の冷延伸フィルムとした。
引張強度の測定にはEZ Test EZ-LXを用いた。測定は、初期長さ30mm、引張速度は20mm/minとし、1条件につき3回の測定を実施した。なお、冷延伸前の引張強度は29.9MPaであった。
なお、物性解析を行う際には、分子量表記に絶対分子量を用いることがある。例えば特許文献5及び非特許文献9においても分子量表記に絶対分子量を用いていることから、本実施例でも絶対分子量表記を用いた。
PHAの絶対分子量は、
(絶対分子量)=(PS換算のGPC分子量)×0.7
で算出可能であることが知られているため、本実施例でもこの計算式を用いて算出した絶対分子量の値を、分子量の値として用いた。
結果は下表及び図2に示すとおりであった。
さらに、非特許文献10において通常分子量PHBV(Mw=1.0×106)において同様の処理(10倍冷延伸)を行った場合のデータが開示されているところ、10倍延伸して75℃で2h熱処理した場合の引張強度は117MPaである。これに対し本試験においては、非特許文献10に示されている熱処理温度である75℃近傍の温度(60℃及び80℃)で2h熱処理した場合において、253.7MPa及び245.9MPaであった。すなわち本発明のPHBVは、超高分子量であることにより、従来技術の引張強度を100%を超える割合で増大させた。
これらの結果及び知見から、本発明の3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体を冷延伸したフィルムは、引張強度に優れることが明らかになった。また、本願発明のPHAにおいては、超高分子量であることが引張強度を向上させる効果を奏することも明らかになった。
Claims (16)
- 重量平均分子量が361万より大きい、3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体。
- 共重合体を構成する3−ヒドロキシブタン酸のモル数と3−ヒドロキシバレリル酸のモル数の総和に対する3−ヒドロキシバレリル酸のモル数の割合(3HV分率)が5.0%〜40.0%である請求項1に記載の共重合体。
- 微生物を培養し、培養産物としてポリヒドロキシアルカン酸を得ることを含むポリヒドロキシアルカン酸の製造方法であって、
前記培養における炭素源が糖を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
重量平均分子量が100万以上であるポリヒドロキシアルカン酸を得る、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。 - (b)又は(c)におけるキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上がキシロース及び/又はセロビオースである請求項3に記載の製造方法。
- 微生物が高度好塩菌である請求項3又は4に記載の製造方法。
- 高度好塩菌がHaloferax mediterraneiである請求項5に記載の製造方法。
- ポリヒドロキシアルカン酸の重量平均分子量が361万より大きい、請求項3〜6のいずれかに記載の製造方法。
- 得られるポリヒドロキシアルカン酸の重量平均分子量が600万以下である請求項3〜7のいずれかに記載の製造方法。
- ポリヒドロキシアルカン酸が3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体である請求項3〜8のいずれかに記載の製造方法。
- 微生物を培養し、培養産物として得られるポリヒドロキシアルカン酸の分子量を制御する方法であって、
前記培養における炭素源が糖を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
製造されるポリヒドロキシアルカン酸の重量平均分子量を100万から600万の間で制御する、方法。 - ポリヒドロキシアルカン酸が3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体である請求項10に記載の方法。
- 微生物を培養し、培養産物としてポリヒドロキシアルカン酸を得ることを含むポリヒドロキシアルカン酸の製造方法であって、
前記培養における炭素源が糖及びフルフラール系化合物を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
ポリヒドロキシアルカン酸を得る、ポリヒドロキシアルカン酸の製造方法。 - 微生物を培養し、培養産物として得られるポリヒドロキシアルカン酸の分子量を制御する方法であって、
前記培養における炭素源が糖及びフルフラール系化合物を含有し、該糖を
(a)グルコース及び/又はその誘導体のみ
(b)グルコース及びその誘導体ならびにキシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上、又は
(c)キシロース、セロビオース、グルクロン酸、アラビノース、マンノース、ガラクトース、スクロース及びそれらの誘導体からの1種もしくは2種以上
にして、
製造されるポリヒドロキシアルカン酸の重量平均分子量を制御する、方法。 - 3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した、重量平均分子量が361万より大きい共重合体を冷延伸したフィルム。
- 冷延伸が以下の工程を含む、請求項14に記載のフィルム:
(1)3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体を溶融させて溶融フィルムを得る
(2)(1)で得られた溶融フィルムを氷水中で急冷し、非晶フィルムを作製する
(3)(2)で得られた非晶フィルムをそのまま氷水中で10倍の長さまで延伸し非晶フィルムを配向させる
(4)(3)で得られた配向後のフィルムに緊張熱処理を行い結晶化させ、冷延伸したフィルムを得る。 - 3−ヒドロキシブタン酸と3−ヒドロキシバレリル酸とがランダムに共重合した共重合体における3HV分率が5%〜15%である、請求項14又は15に記載のフィルム。
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