JPWO2020049786A1 - 組み合わせ医薬、ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化の予防または抑制薬、および疾患の処置方法 - Google Patents
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Abstract
Description
(1) ピリミジン代謝拮抗剤と、
5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物とを含む、組み合わせ医薬であって、
5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の一回の投与量が50〜500mg/m2であり、一日の投与量が100〜1000mg/m2である、組み合わせ医薬。
(2) ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化が予防または抑制される、(1)に記載の組み合わせ医薬。
(3) 投与された患者が、以下の少なくとも1つの改善が見られる、(1)または(2)に記載の組み合わせ医薬。
(a)AML移行または死亡までの期間の中央値が、14.0カ月以上である。
(b)AML移行までの期間の中央値が、21.0カ月以上である。
(c)赤血球輸血依存から非依存となった患者の割合が、48%以上である。
(d)血小板輸血依存から非依存となった患者の割合が、45%以上である。
(4) 前記ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化が予防また抑制できる期間が、3カ月以上である、(2)に記載の組み合わせ医薬。
(5) ピリミジン代謝拮抗剤がアザシチジン、デシタビン、シタラビンおよびゲムシタビンの群から選ばれる化合物もしくはその塩またはその水和物である、(1)から(4)の何れか一に記載の組み合わせ医薬。
(6) 5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の一回の投与量が370〜430mg/m2である、(1)から(5)の何れか一に記載の組み合わせ医薬。
(8) ピリミジン代謝拮抗剤がアザシチジンもしくはその塩またはその水和物であり、アザシチジンもしくはその塩またはその水和物を、7日間以上投与する、(1)から(7)の何れか一に記載の組み合わせ医薬。
(9) ピリミジン代謝拮抗剤がアザシチジンもしくはその塩またはその水和物であり、アザシチジンもしくはその塩またはその水和物を、7日間の投与期間とその後の休薬期間とを1サイクルとして、複数回のサイクルで投与する、(1)から(8)の何れか一に記載の組み合わせ医薬。
(10) 5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を、14日間〜28日間投与する、(1)から(9)の何れか一に記載の組み合わせ医薬。
(11) ピリミジン代謝拮抗剤の投与の1日以上前もしくは同日に5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を投与する、(1)から(10)の何れか一に記載の組み合わせ医薬。
(12) ピリミジン代謝拮抗剤を点滴により静脈投与し、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を点滴により静脈投与するか、経口投与する、(1)から(11)の何れか一に記載の組み合わせ医薬。
(14) 骨髄異形成症候群(MDS)または急性骨髄性白血病(AML)の処置のための、(1)から(13)の何れか一に記載の組み合わせ医薬。
(15) ピリミジン代謝拮抗剤と、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物とが、同一のまたは別個の医薬組成物として提供される、(1)から(14)の何れか一に記載の組み合わせ医薬。
(16) 5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を含有する、ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化の予防または抑制薬。
(17) アザシチジンもしくはその塩またはその水和物と、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物とを投与することを含む、疾患の処置方法であって、アザシチジンもしくはその塩またはその水和物の一日投与量が70〜80mg/m2であり、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の一回投与量が50〜500mg/m2であり、一日投与量が100〜1000mg/m2である方法。
本発明に使用される%は、特に断らない限り、質量百分率を意味する。本発明において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値および最大値として含む範囲を示す。さらに本発明において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明に使用される「mg/m2」は、体表面積当たりの投与量を意味する。
治療とは、対象となる疾患または状態の改善または進行の抑制などを意味する。
処置とは、各種疾患に対する予防または治療などを意味する。
ピリミジン塩基は、細胞増殖に必要とされるDNAの成分である。ピリミジン代謝拮抗剤は、ピリミジン塩基と同様の構造を有し、DNA合成過程において、ピリミジン塩基の代わりにDNA鎖に取り込まれることにより、細胞増殖抑制効果を示すことができる。
・アザシチジン(5−アザシチジンとも称される)(4−アミノ−1−β−D−リボフラノシル−1、3、5−トリアジン−2(1H)−オン)
・デシタビン(5−アザ−2’−デオキシシチジン)
・シタラビン(アラビノシルシトシン)
・ゲムシタビン(2’−デオキシ−2’、2’−ジフルオロシチジン)
・ゼブラリン(2(1H)−ピリミジン−リボシド)
・エムトリバ(2’、3’−ジデオキシ−5−フルオロ−3’−チアシチジン)
・カペシタビン(N4−ペンチルオキシカルボニル−5’−デオキシ−5−フルオロシチジン)
・2’−シクロシチジン、
・アラビノフラノシル(arabinofuanosyl)−5−アザシチジン
・ジヒドロ−5−アザシチジン
・N4−オクタデシル−シタラビン
・エライジン酸シタラビン、および
・シトシン1−β−D−アラビノフラノシド
塩基性基の塩としては、例えば、塩酸、臭化水素、リン酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩ならびにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩などが挙げられる。
さらに、上記の塩の中で好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
ピリミジン代謝拮抗剤がアザシチジンもしくはその塩またはその水和物である場合、アザシチジンもしくはその塩またはその水和物は、7日間の投与期間とその後の休薬期間とを1サイクルとして、複数回のサイクルで投与することが好ましい。休薬期間は、7日間〜28日間であればよく、14日間〜28日間でもよく、18日間〜24日間でもよい。
ピリミジン代謝拮抗剤がシタラビンもしくはその塩またはその水和物である場合、シタラビンもしくはその塩またはその水和物は、5〜6日間の投与期間とその後の休薬期間とを1サイクルとして、複数回のサイクルで投与することが好ましい。休薬期間は、7日間〜28日間であればよく、14日間〜28日間でもよく、18日間〜24日間でもよい。
ピリミジン代謝拮抗剤がデシタビンもしくはその塩またはその水和物である場合、デシタビンもしくはその塩またはその水和物は、4日間〜6日間の投与期間とその後の休薬期間とを1サイクルとして、複数回のサイクルで投与することが好ましい。休薬期間は、7日間〜28日間であればよく、14日間〜28日間でもよく、22日間〜24日間でもよい。
抗酸化剤には、亜硫酸塩およびメタ重亜硫酸ナトリウムが含まれる。
局所麻酔薬には、プロカイン塩酸塩が含まれるが、これに限定されない。
懸濁および分散剤は、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
乳化剤には、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80、およびオレイン酸トリエタノールアミンなどが挙げられる。
金属イオン封鎖剤またはキレート剤には、EDTAが含まれるが、これに限定されない。
pH調整剤には、水酸化ナトリウム、塩酸、クエン酸、および乳酸が含まれるが、これらに限定されない。
錯化剤には、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、スルホブチルエーテル-β-シクロデキストリン、およびスルホブチルエーテル7-β-シクロデキストリンなどのシクロデキストリン類が含まれるが、これらに限定されない。
本発明において、化合物Aもしくはその塩またはその水和物の一回投与量は50〜500mg/m2であり、好ましくは370〜430mg/m2であり、より好ましくは390〜410mg/m2である。副作用の低減を図りつつ、十分なピリミジン代謝拮抗剤の耐性化を予防または抑制効果を得られる観点から、一回投与量は好ましくは100〜350mg/m2であり、好ましくは180〜320mg/m2であり、好ましくは200〜300mg/m2である。この場合の好ましい一回投与量は200mg/m2または300mg/m2である。
塩基性基の塩としては、例えば、塩酸、臭化水素、リン酸および硫酸などの鉱酸との塩;酒石酸、ギ酸、酢酸、フマル酸、マレイン酸、クエン酸、トリクロロ酢酸およびトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸との塩ならびにメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メシチレンスルホン酸およびナフタレンスルホン酸などのスルホン酸との塩などが挙げられる。
さらに、上記、塩の中で化合物Aの好ましい塩としては、薬理学的に許容される塩が挙げられる。
化合物Aを含む医薬組成物の形態としては錠剤が好ましい。化合物Aもしくはその塩またはその水和物の含有率は、錠剤質量の0.3〜95%とすることができ、20〜90%が好ましく、40〜85%がより好ましい。
好ましい錠剤は、化合物A・3/4水和物、二酸化ケイ素及び結晶セルロースを含有する。結晶セルロースを添加することにより錠剤がキャップ状に剥離するキャッピングを防止できる。
結晶セルロースを添加する場合、化合物A・3/4水和物の含有量は、錠剤質量の60〜80質量%が好ましく、65〜75質量%がより好ましい。
上記の錠剤には、国際公開第2014/112530号に記載の他の添加剤をさらに含有させてもよく、添加剤として好適な種類及び量は、国際公開第2014/112530号の記載を援用及び参酌できる。
本発明によれば、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド(化合物A)もしくはその塩またはその水和物を含有する、ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化の予防または抑制薬が提供される。ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化の予防または抑制薬の形態についての詳細については、上記[2]において記載した通りである。予防または抑制薬として使用する場合、ピリミジン代謝拮抗剤と同時に投与してもよいし、ピリミジン代謝拮抗剤の投与よりも前に投与してもよい。予防または抑制薬として使用する場合、一日投与量は、上記のピリミジン代謝拮抗剤と併用する場合と同様でもよい。また一回投与量は、50〜500mg/m2であり、50〜420mg/m2でもよく、50〜320mg/m2でもよく、50〜220mg/m2でもよい。上記一回投与量を一日二回投与することが好ましく、一日投与量は、上記の一回投与量の倍量となる。
好ましい一回投与量は200mg/m2または300mg/m2であり、この場合には副作用の低減を図りつつ、ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化を予防または抑制する効果を十分に得られる。
本発明の組み合わせ医薬の用途は、特には限定されないが、好ましくは、血液がんの処置のために使用することができ、より好ましくは骨髄異形成症候群(MDS)または急性骨髄性白血病(AML)の処置のために使用することができ、特に好ましくはMDSのために使用することができる。
本発明において、「白血病」とは、腫瘍化した造血細胞が無制限に増殖して血液中に出現する疾患の総称である。白血病においては、腫瘍細胞が分化能を失ったものを急性白血病、腫瘍細胞が分化能を保っているものを慢性白血病と呼ぶ。また、腫瘍の起源となった細胞が骨髄系の細胞である場合は骨髄性白血病、またはリンパ球系の細胞である場合はリンパ性白血病と分類される。このことから白血病は大きくは急性骨髄性白血病(acute myelogenous leukemia;AML)、慢性骨髄性白血病(chronic myelogenous leukemia;CML)、急性リンパ性白血病(acute lymphoid leukemia;ALL)、慢性リンパ性白血病(chronic lymphoid leukemia;CLL)の4種類に分類され、急性前骨髄球性白血病(APL)、非定型的白血病(AUL)、骨髄単球性白血病(AMMoL)、および若年型慢性骨髄性白血病(JCML)もこれらの分類に含まれる。また、急性単球性白血病(AMoL)、慢性単球性白血病(CMoL)、赤白血病、好酸球性白血病、好塩基球性白血病、巨核芽球性白血病、形質細胞性白血病、緑色腫、慢性好中球性白血病、成人T細胞白血病、リンパ肉腫細胞性白血病、hairy cell leukemia、および前リンパ球性白血病も白血病の種類として挙げることができる。
本発明によれば、アザシチジンもしくはその塩またはその水和物と、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物とを投与することを含む、疾患の処置方法であって、アザシチジンもしくはその塩またはその水和物の一日投与量が70〜80mg/m2であり、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の一回投与量が、50〜500mg/m2であり、一日投与量が100〜1000mg/m2であり、アザシチジンもしくはその塩またはその水和物と、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物とを同時に投与するか、アザシチジンもしくはその塩またはその水和物の投与に先立って5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を投与する方法が提供される。好適な一回投与量及び一日投与量は上記[2]と同様である。
赤外吸収スペクトル(以下、IRという。)は、ATR法(Attenuated Total Reflection法)により測定した。
含水率は、カールフィッシャー法により測定した。
実施例及び比較例で用いた種晶は、国際公開第2013/047758号に記載の方法と同様にして製造した。
国際公開第2013/047758号の実施例12(1)に記載の方法と同様にして、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物15.0gを用い、淡黄色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物13.9gを得た。
窒素雰囲気下、0.45mol/L塩酸120mLに参考例1に記載の方法に従い製造した5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド塩酸塩二水和物10.0gを加え、47℃に加熱して溶解させた。得られた溶液に46〜47℃で1.5mol/Lのリン酸二水素一カリウム水溶液10mLを滴下した。得られた溶液に5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物50mgを種晶として添加し、46〜48℃で30分間撹拌した。反応混合物の結晶の析出を確認した後、この溶液に47〜48℃で1.5mol/Lのリン酸二水素一カリウム水溶液60mLを滴下した。反応混合物を0℃に冷却後、1時間撹拌し、析出した結晶を濾取した。
得られた結晶を2分割し、一方の結晶を風乾することで、白色の結晶として5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物の未洗浄品3.23gを得た。
含水率:未洗浄品:9.8%、洗浄品:8.8%
IR(cm−1):3437、 1618、 1587、 1436
以下の実施例1においては、合成例1に記載の方法に準じて製造した化合物Aの3/4水和物を使用した。
白血病細胞株としてSKM−1(医薬基盤・健康・栄養研究所)を用いた。細胞培養は1%ペニシリン/ストレプトマイシンおよび10%ウシ胎児血清(FBS)を含有するRPMI1640培地(Life technologies社)中にて、37℃、5%CO2、水蒸気飽和の環境で行った。
対照:未処置のSKM−1細胞。
Aza:アザシチジンの処置濃度を漸次的に上げながら(50nmol/L〜1.6μmol/L)4カ月間処置したSKM−1細胞。
Aza+A1:Aza群の処置に加え、化合物Aを処置期間を通して1μmol/L加えたSKM−1細胞。
Aza+A10:Aza群の処置に加え、化合物Aを処置期間を通して1μmol/L加えたSKM−1細胞。
有効成分である5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミド・3/4水和物276.59gに乳糖水和物(Pharmatose200M、DMV−Fonterra Excipients社製)39.46g、カルメロースカルシウム(ECG−505、ニチリン化学工業(株)製)32.01g及び結晶セルロース(KG−1000、旭化成(株)製)20.01gを加え、混合物を得た。ヒドロキシプロピルセルロース(HPC−L、日本曹達(株)製)12.00gを水456.00gに溶解させ、さらに軽質無水ケイ酸(アエロジル−200、日本アエロジル(株)製)12.00gを分散させた水溶液を調製した。調製した水溶液を得られた混合物に噴霧し、流動層造粒機(FD−MP−01、(株)パウレック製)で造粒した後、乾燥し、造粒末を得た。得られた造粒末360.38gに目開き180μmの篩で篩過したステアリン酸マグネシウム(メルク社製)7.35gを加え、V型混合機(混合器S−5形、筒井理化学器械(株)製)で30rpm、60分間、混合し、混合末を得た。得られた混合末を錠剤径8.5mmのダブルアール(12R×3Rmm)面の杵を用いたロータリー型打錠機(PICCOLA B−10、RIVA社製)により打錠圧10kNで打錠し、1錠あたり320mgの円形の素錠を得た。素錠の有効成分量は200mgだった。素錠の錠剤硬度は、錠剤硬度計8M(シュロイニゲル社製)を使用し、測定した結果、76Nであった。
MDS患者(18歳以上)に、化合物Aを400mg/m2の1回投与量で1日2回14日間投与し、化合物Aの投与開始日と同日にアザシチジンの投与を開始する。アザシチジンを75mg/m2の投与量で皮下投与または静脈内投与により7日間投与する。1回の治療サイクルは28日間とする。7日間投与後に、21日間休薬する。本実施例により、ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化の予防または抑制効果が確認できる。
MDS患者(18歳以上)に、化合物Aを400mg/m2の1回投与量で1日2回21日間投与し、アザシチジンを75mg/m2の投与量で皮下投与または静脈内投与により7日間投与する。1回の治療サイクルは28日間とする。7日間投与後に、21日間休薬する。本実施例により、ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化の予防または抑制効果が確認できる。
MDS患者(18歳以上)に、化合物Aを300mg/m2の1回投与量で1日2回14日間投与し、化合物Aの投与開始日と同日にアザシチジンの投与を開始する。アザシチジンを75mg/m2の投与量で皮下投与または静脈内投与により7日間投与する。1回の治療サイクルは28日間とする。7日間投与後に、21日間休薬する。本実施例により、ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化の予防または抑制効果が確認できる。実施例4の場合には、患者での副作用が低減できる。化合物Aの投与開始日は、アザシチジンの投与開始日よりも早くてもよい。また、実施例3と同様に、1日2回21日間投与することもできる。
MDS患者(18歳以上)に、化合物Aを200mg/m2の1回投与量で1日2回14日間投与し、化合物Aの投与開始日と同日にアザシチジンの投与を開始する。アザシチジンを75mg/m2の投与量で皮下投与または静脈内投与により7日間投与する。1回の治療サイクルは28日間とする。7日間投与後に、21日間休薬する。本実施例により、ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化の予防または抑制効果が確認できる。実施例4の場合には、患者での副作用が低減できる。化合物Aの投与開始日は、アザシチジンの投与開始日よりも早くてもよい。また、実施例3と同様に、1日2回21日間投与することもできる。
生存期間(中央値)。AZA−001試験でのアザシチジンの成績は24.5カ月であるが、本発明ではそれを上回ると想定される。生存期間は25カ月以上であることが好ましく、26カ月以上であることが好ましく、28カ月以上であることが好ましい。
2年生存率。AZA−001試験でのアザシチジンの成績は50.8%であった。本発明ではそれを上回ると想定される。2年生存率は51%以上であることが好ましく、53%以上であることが好ましく、55%以上であることが好ましい。
AML移行または死亡までの期間の中央値。
AZA−001試験でのアザシチジンの成績は13.0カ月であるが、本発明ではそれを上回ると想定される。AML移行または死亡までの期間の中央値は、14.0カ月以上であることが好ましく、15.0カ月以上であることが好ましく、17.0カ月以上であることが好ましく、20.0カ月以上であることが好ましい。
AML移行までの期間の中央値。
AZA−001試験でのアザシチジンの成績は20.7カ月であるが、本発明ではそれを上回ると想定される。AML移行までの期間の中央値は、21.0カ月以上であることが好ましく、22.0カ月以上であることが好ましく、24.0カ月以上であることが好ましく、27.0カ月以上であることが好ましい。
生存率。
本発明では、AZA−001試験でのアザシチジンの成績(生存期間のカプランマイヤー曲線)を上回ると想定される。1年後の生存率が70%を超えることが好ましく、71%を超えることが好ましく、72%を超えることが好ましく、75%を超えることが好ましく、80%を超えることが好ましい。
IWG判定基準(2000年版)による血液学的寛解率。
AZA−001試験でのアザシチジンの成績、血液学的寛解率6.7%であったが、本発明ではこれを上回ると想定される。血液学的寛解率は7%以上であることが好ましく、8%以上であることが好ましく、9%以上であることが好ましい。
IWG判定基準(2000年版)による血液学的改善率。
AZA−001試験でのアザシチジンの成績、血液学的改善率49.2%であったが、本発明ではこれを上回ると想定される。
血液学的改善率は、50%以上であることが好ましく、52%以上であることが好ましく、54%以上であることが好ましい。
赤血球輸血の必要性。
AZA−001試験でのアザシチジンの成績、赤血球輸血依存から非依存となった、すなわち試験期間中に56日以上連続して赤血球輸血を受けなかった患者の割合、45.0%。本発明ではそれを上回ると想定される。
赤血球輸血依存から非依存となった患者の割合は、48%以上であることが好ましく、50%以上であることが好ましく、55%以上であることが好ましく、60%以上であることが好ましい。
血小板輸血の必要性。
AZA−001試験でのアザシチジンの成績、血小板輸血依存から非依存となった、すなわち試験期間中に56日以上連続して血小板輸血を受けなかった患者の割合、42.1%。本発明ではそれを上回ると想定される。
血小板輸血依存から非依存となった患者の割合は、45%以上であることが好ましく、50%以上であることが好ましく、55%以上であることが好ましく、60%以上であることが好ましい。
Claims (17)
- ピリミジン代謝拮抗剤と、
5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物とを含む、組み合わせ医薬であって、
5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の一回投与量が50〜500mg/m2であり、一日投与量が100〜1000mg/m2である、
組み合わせ医薬。 - ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化が予防または抑制される、請求項1に記載の組み合わせ医薬。
- 投与された患者が、以下の少なくとも1つの改善が見られる、請求項1または2に記載の組み合わせ医薬。
(a)AML移行または死亡までの期間の中央値が、14.0カ月以上である。
(b)AML移行までの期間の中央値が、21.0カ月以上である。
(c)赤血球輸血依存から非依存となった患者の割合が、48%以上である。
(d)血小板輸血依存から非依存となった患者の割合が、45%以上である。 - 前記ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化が予防また抑制できる期間が、3カ月以上である、請求項2に記載の組み合わせ医薬。
- ピリミジン代謝拮抗剤がアザシチジン、デシタビン、シタラビンおよびゲムシタビンの群から選ばれる化合物もしくはその塩またはその水和物である、請求項1から4の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。
- 5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の一回投与量が370〜430mg/m2である、請求項1から5の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。
- ピリミジン代謝拮抗剤がアザシチジンもしくはその塩またはその水和物であり、
アザシチジンもしくはその塩またはその水和物の一日投与量が70〜80mg/m2である、請求項1から6の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。 - ピリミジン代謝拮抗剤がアザシチジンもしくはその塩またはその水和物であり、アザシチジンもしくはその塩またはその水和物を、7日間投与する、請求項1から7の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。
- ピリミジン代謝拮抗剤がアザシチジンもしくはその塩またはその水和物であり、アザシチジンもしくはその塩またはその水和物を、7日間の投与期間とその後の休薬期間とを1サイクルとして、複数回のサイクルで投与する、請求項1から8の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。
- 5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を、14日間〜28日間投与する、請求項1から9の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。
- ピリミジン代謝拮抗剤の投与の1日以上前に、もしくは同日に5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を投与する、請求項1から10の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。
- ピリミジン代謝拮抗剤を皮下投与、または点滴により静脈投与し、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を点滴により静脈投与するか、経口投与する、請求項1から11の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。
- 血液がんの処置のための、請求項1から12の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。
- 骨髄異形成症候群または急性骨髄性白血病の処置のための、請求項1から13の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。
- ピリミジン代謝拮抗剤と、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物とが、同一のまたは別個の医薬組成物として提供される、請求項1から14の何れか一項に記載の組み合わせ医薬。
- 5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物を含有する、ピリミジン代謝拮抗剤の耐性化の予防または抑制薬。
- アザシチジンもしくはその塩またはその水和物と、5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物とを投与することを含む、疾患の処置方法であって、
アザシチジンもしくはその塩またはその水和物の一日投与量が70〜80mg/m2であり、
5−ヒドロキシ−1H−イミダゾール−4−カルボキサミドもしくはその塩またはその水和物の一回投与量が50〜500mg/m2であり、一日投与量が100〜1000mg/m2である、
方法。
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