JPWO2020049661A1 - 医療用ガイドワイヤ - Google Patents
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Abstract
Description
また、折り曲げられた部分の曲率半径が大きいため、この部分を先頭にしてガイドワイヤを血管や病変部に押し進める際の抵抗が大きくなり、硬い病変部では通過できないこともある。
前記コアワイヤの前記先端部には、第1位置と、その基端側にある第2位置との間に、下記条件を満たし、実質的に一定の比率で拡径する1つのテーパ部が形成されていることを特徴とする。
・0.003≦(D2−D1)/(L2−L1)≦0.012
・0.05mm≦ D1 ≦0.1mm
・3mm≦ L1 ≦20mm
・5mm≦ L2−L1 ≦30mm
L2:前記第2位置の前記コアワイヤの先端からの離間距離
D1:前記第1位置における前記コアワイヤの直径
D2:前記第2位置における前記コアワイヤの直径
これにより、第1位置を先頭にして血管や病変部に押し進めることで血管の穿孔を防止することができるとともに、血管や病変部に押し進める際の抵抗が小さくなり、硬い病変部であっても通過することができる。
また、第1テーパ部111の基端側には、第2位置IIから基端方向に向けて、第2テーパ部112、第3テーパ部113、第2ストレート部114、第4テーパ部115および第3ストレート部116が形成されている。
コアワイヤ10の先端からの第1位置Iの離間距離L1は、通常3〜20mmとされ、好ましくは12〜16mm、好適な一例を示せば14mmとされる。
他方、離間距離L1が20mmを超えると、第1位置Iの先端側に位置する小径の部分が長くなり過ぎるので病変に捕捉(トラップ)されやすくなる。また、曲率半径の小さい折り曲げ形状を形成することができない(後述する比較例2参照)。
他方、この直径D1が0.1mmを超えると、折り曲げ形状によって血管の穿孔を防止する効果を十分に発揮することができない。
また、本発明の医療用ガイドワイヤを構成するコアワイヤの先端部において、上記の拡径率が0.003未満であるテーパ部が形成されていてもよい。
・第1ストレート部1101:直径=0.075mm
:長さ=3mm
・第1テーパ部111 :先端(第1位置)の直径=0.075mm
:基端(第2位置)の直径=0.152mm
:長さ=15mm
:拡径率=0.0051
・第2テーパ部112 :先端(第2位置)の直径=0.152mm
:基端の直径=0.196mm
:長さ=27mm
:拡径率=0.0016
・第3テーパ部113 :先端の直径=0.196mm
:基端の直径=0.220mm
:長さ=40mm
:拡径率=0.0006
・第2ストレート部114 :直径=0.220mm
:長さ=30mm
・第4テーパ部115 :先端の直径=0.220mm
:基端の直径=0.310mm
:長さ=40mm
:拡径率=0.0023
・第3ストレート部116 :直径=0.310mm
:長さ=30mm
これにより、同側順行性アプローチによる膝下(BTK)病変の治療に使用するガイドワイヤとして十分な柔軟性、耐久性を発揮することができるととに、基端部12の長さを十分に確保することができる。
基端部12の長さは1300〜2800mmであることが好ましく、更に好ましくは2000〜2300mm、好適な一例を示せば2154mmである。
これにより、コアワイヤ10の全長に占める基端部12の長さを十分に確保することができるので、ガイドワイヤ10全体としての剛性が高いものとなり、優れたプッシャビリティやトルク伝達性を確保することができる。
撥水性樹脂層を構成する樹脂としては、医療用として用いられる樹脂であって、撥水性を有するものをすべて用いることができ、好適な樹脂としてPTFEなどのフッ素系樹脂を挙げることができる。
コイルスプリング20は、先端側コイル21と、基端側コイル22とからなる。
コイルスプリング20の長さは50〜250mmであることが好ましく、好適な一例を示せば120mmである。
先端側コイル21の長さは20〜50mmであることが好ましく、好適な一例を示せば30mmである。
先端側コイル21は、先端側小径部211(先端から20mmの長さ)とテーパ部212と基端側大径部213とからなる。
先端側小径部211のコイル外径としては、通常0.011インチ以下とされ、好適な一例を示せば0.010インチである。
基端側大径部213のコイル外径としては、通常0.018インチ以下とされ、好適な一例を示せば0.014インチである。
基端側コイル22の長さは10〜200mmであることが好ましく、好適な一例を示せば90mmである。
基端側コイル22のコイル外径としては、通常0.018インチ以下とされ、好適な一例を示せば0.014インチである。
コイルスプリング20の内部には硬化樹脂が充填されているとともに、その外周に、この硬化樹脂による樹脂層(コイル線材を被覆する硬化樹脂の層)が形成され、この樹脂層の表面に、親水性樹脂被覆層が積層形成されている。
図1〜図4に示す形状を有し、好適な一例として示した個々の寸法を有する本発明の医療用ガイドワイヤを製造した。
下記表1に示す形状(寸法)を有するコアワイヤと、実施例1と同様のコイルスプリングとを備えた比較用のガイドワイヤを準備した。ここに、比較例1および比較例2は従来品である。
コアワイヤの先端部におけるテーパ部(複数ある場合には、拡径率が最大のもの)について、L1、L2、L2−L1、D1、D2、D2−D1、(D2−D1)/(L2−L1)、Ni−Ti系合金からなる先端部の長さ、ステンレス鋼からなる基端部の長さの数値を下記表1に示す。
実施例1および比較例1〜6で得られた医療用ガイドワイヤの各々について、血管を模した内径20mmのチューブ内で回転と押し引きの操作(ナックルワイヤテクニック)により折り曲げ形状を形成した。
実施例1および比較例1〜6に係るガイドワイヤの各々について、支点間距離を20mmとし、その中間に曲げ荷重をかけて2mm撓ませたときの当該曲げ荷重を、長さ方向に
沿って測定し、ガイドワイヤの先端からの距離と曲げ荷重(腰の強さ)との関係を求めた。結果を図5に示す。
また、比較例2および比較例3により得られたガイドワイヤは、その全長にわたって曲げ剛性が低く、サポート性に劣るものである。
10 コアワイヤ
11 コアワイヤの先端部
1101 第1ストレート部
1102 テーパ部
1103 板状部
111 第1テーパ部
112 第2テーパ部
113 第3テーパ部
114 第2ストレート部
115 第4テーパ部
116 第3ストレート部
12 コアワイヤの基端部
120 ストレート部
121 テーパ部121
122 ストレート部
20 コイルスプリング
21 先端側コイル
22 基端側コイル
211 先端側小径部
212 テーパ部
213 基端側大径部
31,32,33 はんだ
Claims (6)
- 超弾性合金からなる先端部を有するコアワイヤと、前記コアワイヤの前記先端部の外周に装着されたコイルスプリングとを有し、
前記コアワイヤの前記先端部には、第1位置と、その基端側にある第2位置との間に、下記条件を満たし、実質的に一定の比率で拡径する1つのテーパ部が形成されていることを特徴とする医療用ガイドワイヤ。
(条件)
・0.003≦(D2−D1)/(L2−L1)≦0.012
・0.05mm≦ D1 ≦0.1mm
・3mm≦ L1 ≦20mm
・5mm≦ L2−L1 ≦30mm
ここで、L1:前記第1位置の前記コアワイヤの先端からの離間距離
L2:前記第2位置の前記コアワイヤの先端からの離間距離
D1:前記第1位置における前記コアワイヤの直径
D2:前記第2位置における前記コアワイヤの直径 - 前記コアワイヤは、前記先端部と、前記先端部を構成する超弾性合金よりも弾性率が低くて強度が高い金属材料からなる基端部とが接合されてなることを特徴とする請求項1に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記コアワイヤの前記先端部がNi−Ti系合金から構成され、前記基端部がステンレス鋼から構成されていることを特徴とする請求項2に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 前記コアワイヤの長さが1500〜3000mmであり、前記先端部の長さが100〜300mmであることを特徴とする請求項3に記載の医療用ガイドワイヤ。
- 先端から20mmの位置における前記コイルスプリングの外径が0.011インチ以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の医療用ガイドワイヤ。
- 同側順行性アプローチによる膝下(BTK)病変の治療の際に使用される請求項1〜5の何れかに記載の医療用ガイドワイヤ。
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