JPWO2020022524A1 - セルロースモノリスの製法および該方法によって得られるセルロースモノリス - Google Patents

セルロースモノリスの製法および該方法によって得られるセルロースモノリス Download PDF

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Abstract

本発明は、セルロースアシレート溶液を、水と脱アシル化剤とを含む媒体に接触させ、水と溶媒交換しつつ脱アシル化する、または、セルロースホルメート溶液を、水と脱ホルミル化剤とを含む媒体に接触させ、水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化するセルロースモノリスの製法、また、セルロースモノリスを尿素とリン酸(塩)存在下に加熱処理することを特徴とするセルロースモノリスの製法、さらに着色粒子を含む白色セルロースモノリス等を提供する。

Description

本発明は新規なセルロースモノリスの製法および該方法によって得られるセルロースモノリスに関する。
近年、資源問題や廃棄物処理、環境保全の観点から、様々な分野において再生可能材料の開発と応用が求められてきている。その資源として注目されている材料の一つにセルロースがある。セルロースは地球上で最も生産量の多い生物の作る高分子材料であり、再生可能な高分子資源である。セルロースは親水性であり、化学的にも物理的にも安定な化合物で、修飾することでその表面に様々な官能基を付加させることも可能である。このセルロースを活用する方法の一つに、セルロースの特性を活かしたままその比表面積を大きくさせるといった試みが数多くなされてきている。その一つとして、セルロースをモノリス化し、その高比表面積マトリックスを活用し、吸着剤、酵素固定、触媒担体等への適用、更にその表面を化学修飾することで吸着のみならずクロマトグラフィー用充填剤、センサー、イオン交換樹脂等の分離機能を付与するという試みがある。尚、本発明におけるモノリスとは、骨格と空隙をそれぞれ連続に有する一塊の多孔体であり、高い空隙率(例えば空隙の割合が20容積%以上)と比表面積(例えば10m/g以上)を有する材料を指す。従って、モノリスは高通気性・高通液性・高強度・軽量といった特性も合わせ持つ材料である。またセルロースモノリスとはモノリスを形成する骨格が主として(例えば骨格の90質量%以上)セルロース材料でできているものを指す。
これまで、多孔質球状セルロースを含むセルロースモノリスの製造方法としては、例えば、
(1)非特許文献1、2、特許文献1〜4等に記載されるセルロースアセテート溶液を水性媒体に滴下し、次いで脱アセチル化する方法、
(2)非特許文献3、特許文献5〜7等に記載される予め水と酸および又はアルカリを添加したセルロースアセテート溶液を水性媒体に滴下する方法、
(3)特許文献8等に記載される、セルロースアセテート溶液からW/Oエマルションを形成せしめ、脱アセチル化する方法、
(4)特許文献9〜10等に記載されるチオシアン酸カルシウム塩を用いた溶液から作る方法、
(5)特許文献11〜12等に記載される、微粒子状セルローススラリーをスプレードライして多孔性微粒子セルロース粒子を得る方法、
(6)特許文献13等に記載される、セルロースアセテート溶液を乳化せしめ、その後脱アセチル化する方法、
(7)特許文献14等に記載される、セルロースアセテート水溶液を界面活性剤存在下に有機溶媒に分散させ、水を加えた後、脱アセチル化する方法およびそれで得られるクロマトグラフィー用充填剤、
(8)特許文献15等に記載される、炭酸カルシウム入りビスコース水分散液を凝固と同時に発泡させる方法、
(9)非特許文献4、特許文献16〜17等に記載されるセルロースのイオン性液体を有機溶媒や水性媒体に分散凝固させる方法、
(10)非特許文献5、特許文献18〜19等に記載される、アルカリセルロース溶液を懸濁させて粒子化する方法、
(11)特許文献20等に記載される、セルロースのアルカリ/尿素溶液を貧溶媒中でヒドロゲルセルロース多孔質膜に転化する方法、等が知られている。
また、特許文献21には、セルロースアセテート溶液と脱アセチル化剤と触媒とを低温混合して得られる多孔質セルロース媒体が開示されているが、媒体自身のゲル化は脱アセチル化により起こるものであり、そのためには触媒が必要である。またこの方法で粒子状のものを得るには界面活性剤や流動パラフィンのような分散媒が必要で工程も煩雑となるといったような問題がある。
特公昭55−39565号公報 特公昭55−40618号公報 特開昭63−95237号公報 特開昭62−277401等号公報 特開昭57−38801号公報 WO2016/159334号公報 WO2016/012368号公報 特開昭63−83144号公報 特公昭63−62252号公報 特開2003−326145号公報 特開平2−84401号公報 特開平9−132601号公報 特開平6−145202号公報 WO2015/029790号公報 特開2001−323095号公報 特開2011−214003号公報 特開2012−87202号公報 特開2011−209221号公報 特開2016−153449号公報 特開2012−206063号公報 WO2017/195884号公報
L.F.Chen et.al.,Biotechnol.Bioeng.18(1976),1507、 K.Ono et.al.,Koubunshi Ronbunshu 42(1985),219 Yong−Xao Bai et.al.,Carbohydrate Polymers 64(2006)402 K.Du,J.Chromatogr.A,40(2017)1494 Na Zhang et.al,J.Appl.Polym.Sci.131(2014),40987
これら公知のセルロースモノリスの製法は、セルロースアセテートの脱アセチル化によりゲル化させてモノリスを形成する、或いは溶解セルロースからモノリスを形成する、もしくはモノリス形成後に脱アセチル化するという方法である。より簡単にセルロースモノリスを作る方法が嘱望されている。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、セルロースアシレートから一段階で任意形状のセルロースモノリスが作れるという画期的な製法を提供するものである。すなわち本発明のセルロースモノリスの製法では、下記の各発明を提供する。
(1)セルロースアシレート溶液を、水と脱アシル化剤とを含む媒体に接触させ、水と溶媒交換しつつ脱アシル化する、または、セルロースホルメート溶液を、水と脱ホルミル化剤とを含む媒体に接触させ、水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化することを特徴とするセルロースモノリスの製法。
(2)セルロースアシレート溶液を、撹拌下の水と脱アシル化剤とを含む媒体に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アシル化して、セルロースモノリス粒子を得る、または、セルロースホルメート溶液を、撹拌下の水と脱ホルミル化剤とを含む媒体に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化して、セルロースモノリス粒子を得ることを特徴とするセルロースモノリスの製法。
(3)成形されたセルロースアシレート溶液を、水と脱アシル化剤とを含む媒体に接触させ、水と溶媒交換しつつ脱アシル化して、セルロースモノリス成形体を得る、または、成形されたセルロースホルメート溶液を、水と脱ホルミル化剤とを含む媒体に接触させ、水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化して、セルロースモノリス成形体を得ることを特徴とするセルロースモノリスの製法。
(4)セルロースアシレート溶液をその融点未満の温度に冷却して成形したセルロースアシレート成形品を、水を含む媒体に接触させる、または、セルロースホルメート溶液をその融点未満の温度に冷却して成形したセルロースホルメート成形品を、水を含む媒体に接触させることを特徴とするセルロースモノリスの製法。
(5)セルロースモノリスを尿素とリン酸(塩)存在下に加熱処理することを特徴とするセルロースモノリスの製法。
また、本発明のセルロースモノリスでは、下記の各発明を提供する。
(i)セルロースモノリス層に、他の一層以上のセルロースモノリス層が積層されたセルロースモノリス。
(ii)着色粒子を含む白色セルロースモノリス。
(iii)カルバモイル基を有するセルロースモノリス。上記セルロースモノリス(iii)は、さらにリン酸基を有していても良い。
(iv)生理食塩水に対する保持吸水量が少なくとも8g/gであるセルロースモノリス。
さらに、本発明は、セルロースアシレート溶液、または、セルロースホルメート溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを混合した流動性の不均一組成物を提供する。
さらにまた、本発明は、セルロースアシレート溶液および/またはセルロースホルメート溶液をその融点未満の温度に冷却して成形した成形品を提供する。
本発明によれば、セルロースアシレート溶液を出発物質として、1)モノリスを形成する骨格が主として(例えば90質量%以上)セルロース材料でできているモノリスを、2)任意の形状で、3)一段階で、4)加熱等のエネルギーを必要とせず室温で、5)安全に、6)シンプルに作れるという特徴を有する。上記モノリスとしては、100%ピュアのセルロース骨格からなるモノリスが好ましい。
実施例1で得られた本発明の一実施態様のセルロースモノリス粒子の粒子表面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例1で得られた本発明の一実施態様のセルロースモノリス粒子内部のSEM写真である。 比較例1で得られたセルロースモノリス粒子の粒子表面のSEM写真である。 比較例1で得られたセルロースモノリス粒子の粒子内部のSEM写真である。 実施例1で得られた本発明の一実施態様のセルロースモノリス粒子と比較例1で得られたセルロースモノリス粒子のFT−IRのチャートである。 実施例16で得られたシート状セルロースモノリス成形体の内部のSEM写真である。 実施例25で得られたセルロースモノリス粒子(14)の外観の実体顕微鏡写真である。 実施例25で得られたセルロースモノリス粒子(14)の吸水後の断面の実体顕微鏡写真である。 実施例25で得られた別のセルロースモノリス粒子(14)の断面およびコンゴーレッド水溶液で染色後の断面の実体顕微鏡写真である。 実施例25で得られた別のセルロースモノリス粒子(14)の断面およびコンゴーレッド水溶液で染色後の断面の実体顕微鏡写真である。 実施例26で得られた活性炭および酸化チタンを含有するセルロースモノリス粒子断面の実体顕微鏡写真である。 実施例28で得られた内部に活性炭を含むセルロースモノリス成形体とその断面の実体顕微鏡写真である。 実施例28で得られた内部に活性炭を含むセルロースモノリス成形体を染料で染色した断面の実体顕微鏡写真である。 実施例36で得られたバタフライ状セルロースモノリス成形体の写真である。 実施例45で得られた活性炭内包セルロースモノリス粒子の光学顕微鏡写真である。 実施例45で得られた活性炭内包セルロースモノリス粒子の断面の光学顕微鏡写真である。
高分子モノリスの作り方として、高分子溶液の相分離を利用する方法が知られている。このような相分離法として、非溶媒(水)の取り込み(溶媒交換)により相分離を誘起する非溶媒誘起相分離法(NIPS法、Non−solvent Induced Phase Separation)、冷却により相分離を誘起する熱誘起相分離法(TIPS法、Thermally Induced Phase Separation)、重合反応と共に相分離が進行する重合(反応)誘起相分離法(PIPS)等が知られている。本発明において、モノリスは溶媒交換、いわゆるNIPS法によって作られ、その際に脱アシル化剤を含む水(水と脱アシル化剤とを含む媒体)を使って脱アシル化を伴うこと、または、脱ホルミル化剤を含む水(水と脱ホルミル化剤とを含む媒体)を使って脱ホルミル化を伴うことを特徴とする。
本発明の原料として使用されるセルロースアシレートは、水と溶媒交換してモノリスを形成するものであればいかなるものであってもよい。そのような化合物としては、セルロースモノアセテート、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートプロピオネート及びセルロースアセテートブチレート等を挙げることが出来る。中でも工業的に入手が容易なセルロースアセテートが好適に使用できる。
本発明の原料として使用されるセルロースホルメートとしては、セルロースモノホルメート、セルロースジホルメート等を挙げることが出来る。
セルロースアセテートまたはセルロースホルメートの代表的物性としては、重合度と置換度を挙げることができる。重合度については、得られるセルロースモノリスの機械的強度を高め、使用時の溶媒への溶出を防止する観点から、本発明においては質量平均で50以上であることが好ましい。一方、上限については入手可能なものであれば如何なるものも使用可能である。置換度はセルロースアセテートまたはセルロースホルメートの溶解性に影響を与える。アセチルセルロースまたはセルロースホルメートにおける置換度とは、セルロースの有するグルコース繰り返し単位当たり3個の水酸基のうち、何個がエステル化(アセチル化またはホルミル化)されているかを示す数値である。一般的には、アセチル基による置換度が2.8〜2.9付近のものがトリアセテート、2.4〜2.5付近のものがジアセテートとして工業的に広く使用されている。本発明においては、水と溶媒置換してモノリスを形成するものであればセルロースアセテートまたはセルロースホルメートはいかなるものであってもよい。
本発明においてセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液を形成する溶媒としては、セルロースアシレートまたはセルロースホルメートに対する溶解力が高く、水と溶媒交換してモノリスを形成する溶媒であることが必要である。予めセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液に水を加えることは相分離を誘発する可能性とセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液の貯蔵安定性の観点から好ましくない。よって、本発明ではセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液作成中に新たに水を加えてはならないが、市販されている溶媒は含まれる水の上限が設定されており、溶液作成時に水と溶媒交換してモノリスを形成しない限りそれらの溶媒は精製することなく使用することが可能である。そのような溶媒としては、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、スルホラン、ジメチルイミダゾリジノン、テトラメチルウレア、ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド(DMAc)等の非プロトン性極性有機溶媒;、テトラヒドロフラン、ジメチルエーテル(DME)、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、アセトアミド、ホルムアミド等の極性有機溶媒、およびこれらの混合溶媒を挙げることが出来る。本発明においては、成形体を作る際にエネルギーを多く必要としない、融点が0℃以上の溶媒が好ましく、上記溶媒中、融点が19℃であるDMSOが好ましい。
セルロースアシレート溶液は、上記セルロースホルメートを含むことが好ましい。
本発明におけるセルロースアシレート溶液中のセルロースアシレートの濃度は50質量%〜0.1質量%の範囲であり、好ましくは15質量%〜1質量%の範囲である。また、本発明におけるセルロースホルメート溶液中のセルロースホルメートの濃度は50質量%〜0.1質量%の範囲であり、好ましくは15質量%〜1質量%の範囲である。濃度が50質量%を超える場合は得られるモノリスの吸水量が低下し、濃度が0.1質量%よりも低いと、得られるモノリスの強度が低下するので好ましくない。また本発明のセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液は水と溶媒交換する前に予め脱気しておくことが好ましい。予め脱気しておくことで、均質な細孔を有するモノリスを得ることができる。
本発明のセルロースモノリスの製法(1)においては、セルロースアシレート溶液を水と溶媒交換しつつ脱アシル化することが重要であり、その為にセルロースアシレート溶液を接触させる「水を含む媒体」は脱アシル化剤を含む。そのような脱アシル化剤としては、例えば水溶性の酸性化合物や塩基性化合物が使用できる。そのような化合物としては、例えば塩酸、硫酸、硝酸、アンモニア、ヒドラジン及びそれらのアルキル置換体、グアニジン類やアミジン類およびその置換体、ジアミン類、ヒドロキシルアミン、エタノールアミン等のヒドロキシルアミン類、エチルアミン、プロピルアミン等のアルキルアミン類、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、水酸化四級アンモニウム、金属アルコラート、ヒドロキサム酸塩などのような無機塩基を挙げることができる。中でも、水との溶媒交換速度と脱アシル化速度のバランスの観点から、脱アシル化剤としては水酸化ナトリウムが好ましく、「水と脱アシル化剤とを含む媒体」としては脱アシル化剤の水溶液が好ましく、水酸化ナトリウム水溶液が好適である。
上記脱アシル化剤の水溶液中の脱アシル化剤の濃度は0.001質量%〜1質量%の範囲が好ましい。脱アシル化剤の濃度がこれよりも低い場合は脱アシル化速度が遅く、水との溶媒交換速度とのバランスが取れず好ましくない。一方濃度がこの範囲よりも高すぎる場合にも、脱アシル化速度が速すぎて適切な細孔を有するモノリスが得られず好ましくない。より好ましい脱アシル化剤の濃度範囲は0.005質量%〜0.5質量%の範囲である。
セルロースアシレート溶液を、「水と脱アシル化剤とを含む媒体」と接触させて水と溶媒交換しつつ脱アシル化する方法としては特に限定されず、水は溶液の形であっても、ミストや水蒸気の形であっても、セルロースアシレート溶液を水と溶媒交換しつつ脱アシル化するのであればどのような形であっても良い。
同様に本発明のセルロースモノリスの製法(1)においては、セルロースホルメート溶液を水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化することが重要であり、その為にセルロースホルメート溶液を接触させる「水を含む媒体」は脱ホルミル化剤を含む。そのような脱ホルミル化剤としては、例えば水溶性の酸性化合物や塩基性化合物が使用できる。そのような化合物としては、例えば上記脱アシル化剤として例示したのと同様の化合物を挙げることができる。
上記脱ホルミル化剤の水溶液中の脱ホルミル化剤の濃度は0.001質量%〜1質量%の範囲が好ましい。脱ホルミル化剤の濃度がこれよりも低い場合は脱ホルミル化速度が遅く、水との溶媒交換速度とのバランスが取れず好ましくない。一方濃度がこの範囲よりも高すぎる場合にも、脱ホルミル化速度が速すぎて適切な細孔を有するモノリスが得られず好ましくない。より好ましい脱ホルミル化剤の濃度範囲は0.005質量%〜0.5質量%の範囲である。
セルロースホルメート溶液を、「水と脱ホルミル化剤とを含む媒体」と接触させて水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化する方法としては特に限定されず、水は溶液の形であっても、ミストや水蒸気の形であっても、セルロースホルメート溶液を水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化するのであればどのような形であっても良い。
セルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液と水の比率は溶液中の溶媒が水と溶媒交換できるのであれば特に制限されないが、通常は出発原料であるセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液に使用される溶媒よりも多い量の水を使用することが好ましい。水の量が溶媒よりも少ない量である場合には水による溶媒交換が不十分になる場合がある。従って、本発明においては水と溶媒の量は容積比で水が過剰となる量以上であることが好ましく、当該量以上であれば特に制限されない。好ましくは使用される水の量は溶媒の5倍体積以上、より好ましくは10倍体積以上である。
本発明において、水と溶媒交換しつつ脱アシル化または脱ホルミル化する温度は水が液体で存在する温度範囲を選ぶことが可能であるが、10℃〜50℃の範囲が好ましく、経済性の観点から室温(例えば25±5℃)がより好ましい。また水と溶媒交換しつつ脱アシル化または脱ホルミル化する反応時間は、得るモノリスの大きさや温度、必要な脱アシル化度または脱ホルミル化度にも依存するが、室温の場合、通常は1分〜240時間の範囲であり、好ましくは2分〜100時間、より好ましくは、5分〜50時間、さらに好ましくは10分〜24時間である。
本発明において得られたセルロースモノリスは、水やエタノールで洗浄し、アルコール等の防腐剤を加えて湿潤状態で保存できる。本発明では使用された水の廃水を考慮して、セルロースモノリス形成後に水を中和しても良い。その後必要に応じて水やエタノールで更に洗浄する。水洗浄後にエタノールやヘキサン等の低沸点溶媒で水を置換し、減圧乾燥する方法も採用できる。乾燥方法は減圧に限らず、凍結乾燥、熱風乾燥やマイクロ波乾燥等公知の乾燥方法を採用できる。また、乾燥させる場合には例えばグリセリン、蔗糖、トレハロース、水あめ等の糖類や糖アルコール、各種アミド、DMSO等の極性溶媒や尿素等を適量加えることが出来る。これらの添加に依り、得られたセルロースモノリスに柔軟性等を付与出来る。本発明において得られたセルロースモノリスは、金属を含まない場合、マイクロ波乾燥等の簡易な方法で乾燥できる。
本発明において、セルロースモノリスの大きさ、細孔径、比表面積、吸水量、湿潤時の圧縮エネルギーは例えば、セルロースアシレートまたはセルロースホルメートの重合度、セルロースアシレートまたはセルロースホルメートの置換度、セルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液の濃度、セルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液に使用される溶媒、セルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液と溶媒交換する水のpH等、種々の条件を任意に変更することで制御可能である。
本発明のセルロースモノリスの製法(2)においては、得られるものがセルロースモノリス粒子であり、その大きさは、滴下するセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液の粘度や大きさ、撹拌効率等により制御できる。セルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液の粘度はセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液中のセルロースアシレートまたはセルロースホルメートの濃度が低い程小さくなる。従って、同じ撹拌回転数の場合、セルロースアシレートまたはセルロースホルメートの濃度が低い程、撹拌効率が良くなるため粒子の大きさは小さくなる。また、本発明において粒子を得る場合、撹拌は通常の撹拌羽根やスターラーが使用できるが、滴下されるセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液を撹拌できるのであれば、超音波振動等の方法も用いることができる。
本発明では界面活性剤を使わなくても粒子が得られる。必要により公知のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤のような界面活性剤を使っても良い。アニオン性界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、N−アシルアミノ酸、アルキルエーテルカルボン酸等を挙げることが出きる。また、カチオン性界面活性剤としては例えば脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩のような化合物を挙げることが出来る。ノニオン性界面活性剤としてはポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシプロピレン鎖とポリオキシエチレン鎖を有するブロック共重合体等を挙げることができる。
本発明で得られるセルロースモノリス粒子の大きさは、その使用目的によって異なるが、例えば長径が1μm〜10,000μmの範囲の球状、略球状、または不定形の粒子である。これよりも大きなものや、成形されたセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液から製造したものは本発明においては成形体と呼ぶ。成形体の形状としては、シート状、フィルム状、立方体、直方体、円柱状、棒状等、様々な注型を使用することで任意の形状のモノリスを作ることが可能である。
本発明のセルロースモノリスの製法(3)において、セルロースアシレート溶液からセルロースモノリス成形体を得るには、予め成形されたセルロースアシレート溶液を水と溶媒交換しつつ脱アシル化する。脱アシル化は、水と溶媒交換後に行っても良い。セルロースアシレート溶液を成形するには、種々の形状をした容器或いは注型にセルロースアシレート溶液を入れ、水と溶媒交換する方法を通常採用できる。例えば、ガラスプレート上にセルロースアシレート溶液を塗布しておき、これを脱アシル化剤を含む水、或いは水に浸漬することで得ることが出来る。より好ましい方法は、種々の形状をした容器或いは注型にセルロースアシレート溶液を入れ、溶液の融点未満の温度に冷却した後、固化した成形溶液(成形品)を取り出し、脱アセチル化剤を含む水溶液、或いは水に、固化成形されたセルロースアシレート溶液(成形品)を浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アシル化、或いは水と溶媒交換後に脱アシル化する方法である。この方法により、任意形状のモノリス成形体をその形状を崩すことなく容易に得ることが出来る。セルロースアシレート溶液を、溶液の融点未満の温度に冷却して成形したセルロースアシレート成形品を製造する方法としては、−10℃程度の冷凍庫を使用すると、短時間で「成形されたセルロースアシレート溶液(セルロースアシレート成形品)」を製造できる。
同様に、本発明のセルロースモノリスの製法(3)において、セルロースホルメート溶液からセルロースモノリス成形体を得るには、予め成形されたセルロースホルメート溶液を水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化する。脱ホルミル化は、水と溶媒交換後に行っても良い。セルロースホルメート溶液を成形するには、種々の形状をした容器或いは注型にセルロースホルメート溶液を入れ、水と溶媒交換する方法を通常採用できる。例えば、ガラスプレート上にセルロースホルメート溶液を塗布しておき、これを脱ホルミル化剤を含む水、或いは水に浸漬することで得ることが出来る。より好ましい方法は、種々の形状をした容器或いは注型にセルロースホルメート溶液を入れ、溶液の融点未満の温度に冷却した後、固化した成形溶液(成形品)を取り出し、脱ホルミル化剤を含む水溶液、或いは水に、固化成形されたセルロースホルメート溶液(成形品)を浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化、或いは水と溶媒交換後に脱ホルミル化する方法である。この方法により、任意形状のモノリス成形体をその形状を崩すことなく容易に得ることが出来る。セルロースホルメート溶液を、溶液の融点未満の温度に冷却して成形したセルロースホルメート成形品を製造する方法としては、−10℃程度の冷凍庫を使用すると、短時間で「成形されたセルロースホルメート溶液(セルロースホルメート成形品)」を製造できる。
本発明において、出発原料であるセルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液には、得られるセルロースモノリスに更なる機能を付与するために種々の機能性物質を添加しておいても良い。そのような機能性物質として、例えば、PEG200、PEG600、ポリアクリル酸(塩)、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンのような水溶性高分子が挙げられる。
また、上記機能性物質として、活性炭;カオリナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、セリサイト、イライト、グローコナイト、クロライト、タルク、ゼオライト等の粘土鉱物;セルロースモノリス、酸化セルロース、パルプ等のセルロース材料;二酸化ケイ素等のケイ素化合物、酸化チタン等の金属酸化物;酸化チタンナノ粒子等のナノ粒子等を挙げることが出来る。これらの添加に依り、得られるセルロースモノリスに脱臭性等を付与できる。例えば、活性炭入りセルロースモノリス粒子では、比表面積を100m/g以上、好ましくは300m/g以上、より好ましくは500m/g以上、さらに好ましくは1000m/g以上とすることができる。比表面積の上限としては特に限定されないが、10000m/g程度である。
上記機能性物質としては、その他、カーボンナノチューブ、カーボンブラック等の炭素材料、光触媒、香料、活性炭、抗菌剤、吸着剤、防臭剤、消泡剤、レベリング剤、光安定剤、紫外線吸収剤、表面調整剤、顔料、染料などの着色剤、膜特性の改良や接着性を改良するためのポリマー成分、撥水剤、撥油剤、化学結合を伴う架橋剤、マット化剤、シランカップリング剤、充填剤、滑剤、可塑剤、離型剤、酸化防止剤、難燃剤、界面活性剤、pH調整剤、帯電防止剤、耐候安定剤、耐熱安定剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、発泡剤、結晶化助剤、防曇剤、(透明)核剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、衝撃改良剤、架橋剤、共架橋剤、架橋助剤、粘着剤、軟化剤、加工助剤などを挙げることが出来る。
上記機能性物質は、1種以上任意に添加可能である。上記機能性物質の添加量としては、セルロースアシレート溶液中のセルロースアシレート100質量部に対し、例えば0〜80質量部、好ましくは0〜70質量部、または、セルロースホルメート溶液中のセルロースホルメート100質量部に対し、例えば0〜80質量部、好ましくは0〜70質量部とすることができる。
本発明のセルロースモノリスの製法では、内部に機能性物質が分散したセルロースモノリスを簡便かつ容易に製造できる。たとえは、活性炭を内包・分散させたセルロースモノリスでは、アンモニアやメチルメルカプタン等の臭気を除去でき、また、インク等の吸着能にも優れ、汚染水の浄化にも優れている。上記臭気除去、汚染水浄化等は、使用する量にもよるが、好ましくは1分以内、より好ましくは30秒以内に効果を発揮できる。活性炭は、微粉であっても、本発明のセルロースモノリスに内包・分散させることにより、消臭等の機能を保持しながら取扱い性に優れたものとなる。
また、本発明では、セルロースモノリス層に、他の一層以上のセルロースモノリス層を積層したセルロースモノリス(i)を提供する。好ましくは、上記活性炭等の粒子状の機能性物質を添加する場合に、該機能性物質を添加して形成したセルロースモノリス層に、他の一層以上のセルロースモノリス層を積層したセルロースモノリスを提供できる。
また、本発明では、着色粒子を含む白色セルロースモノリス(ii)を提供する。上記機能性物質を添加して成形したセルロースモノリス層では、活性炭等の比重の大きい機能性物質は、該層の下部に沈んで層を形成する。このため、機能性物質が偏在した側の面に上記他の一層以上のセルロースモノリス層を積層することにより、濃い色を有する活性炭等の機能性物質を、積層されたセルロースモノリスの内部に収納することができる。このため、濃い色を有する活性炭等の機能性物質等の着色粒子を有しながら、ほとんど白色であり、好ましくは白色のシート状の白色セルロースモノリスを簡単に作成することができる。さらに、着色剤等を添加することにより着色や染色して自由にカラーリングできる。
また、本発明のセルロースモノリスの製法によれば、上記機能性物質の周囲にセルロースモノリス層を形成することができ、マイクロカプセル化することも可能である。この場合にも、濃い色を有する活性炭等の機能性物質を有しながら、ほとんど白色であり、好ましくは白色の粒子状の白色セルロースモノリスを作成することができる。さらに、着色剤等を添加することにより粒子を着色や染色して自由にカラーリングできる。
本発明において、セルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液に水と反応して炭酸ガスを発生させるような化合物を予め固体状で添加しておき、水と溶媒交換しつつ脱アシル化または脱ホルミル化する際に発泡させて更に比表面積の大きなモノリスを形成させることも出来る。
本発明において、得られたセルロースモノリスは、セルロースの水酸基と反応する化合物と反応させてセルロースモノリスの表面修飾を行っても良い。このような化合物としては、特に限定されず、クエン酸やポリアクリル酸等のカルボキシル基を有する化合物、酸無水物、アシルハライド基等のアシル基を有する化合物、エポキシ基を有する化合物、イソシアネート基を有する化合物、ビニル基を有する化合物、オキサゾリン基を有する化合物、オキシラン基を有する化合物等、これらの官能基を1種以上有する化合物等を挙げることが出来る。
カルボキシル基を有する化合物には、脂肪族カルボン酸、芳香族カルボン酸、脂環式カルボン酸などが含まれる。具体的には、例えば、クエン酸やポリアクリル酸以外に、酢酸、プロピオン酸、酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、(メタ)アクリル酸、桂皮酸、トリフルオロ酢酸などの置換基を有していてもよい脂肪族カルボン酸;安息香酸、1−ナフチルカルボン酸、2−ナフチルカルボン酸、m−メチル安息香酸、p−メチル安息香酸、m−メトキシ安息香酸、p−メトキシ安息香酸、3,5−ジメトキシ安息香酸、3,4,5−トリメトキシ安息香酸、2,4,6−トリメチル安息香酸、m−シアノ安息香酸、p−シアノ安息香酸、m−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、m−フルオロ安息香酸、p−フルオロ安息香酸、2,5−ジクロロ安息香酸、p−アセチル安息香酸、p−フェニル安息香酸、p−ホルミル安息香酸、p−t−ブチル安息香酸、p−ブトキシ安息香酸、m−アセトキシ安息香酸、p−アセトキシ安息香酸、m−メトキシカルボニル安息香酸、p−メトキシカルボニル安息香酸、m−ベンジルオキシ安息香酸、p−ベンジルオキシ安息香酸、p−シクロヘキシル安息香酸、p−メタンスルホニルアミノ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、m−ニトロ安息香酸、m−アセトアミノ安息香酸、p−アセトアミノ安息香酸、m−ベンゾイルアミノ安息香酸、p−ベンゾイルアミノ安息香酸、m−ベンゾイルオキシ安息香酸、p−ベンゾイルオキシ安息香酸、m−ベンジル安息香酸、p−ベンジル安息香酸、m−(N−フェニルカルバモイルオキシ)安息香酸、p−(N−フェニルカルバモイルオキシ)安息香酸、p−(エトキシカルボニルアミノ)安息香酸、p−メチルチオ安息香酸、p−フェニルチオ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、p−(4−ピリジル)安息香酸などの置換基を有していてもよい芳香族カルボン酸;シクロヘキサンカルボン酸等の置換基を有していてもよい脂環式カルボン酸等を挙げることができる。これらのカルボン酸は置換基を有していてもよい。
上記置換基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シリル基、シリルオキシ基、炭素数1〜12のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、t−ブチル基等)、炭素数1〜12のアルコキシ基(メトキシ、エトキシ、プロポキシ基等)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル、ナフチル基等)、炭素数6〜20のアリールオキシ基(フェニルオキシ、ナフチルオキシ基等)、炭素数1〜20のアシル基(アセチル、プロピオニル、ベンゾイル基等)、炭素数1〜20の置換又は無置換カルバモイル基、炭素数1〜20の置換又は無置換カルバモイルオキシ基、炭素数1〜20のスルファモイル基、炭素数1〜20のスルファモイルオキシ基、ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスホノ基、ホスフィニルオキシ基、ホスホノオキシ基、ホスフィニルアミノ基、ホスホノアミノ基、炭素数1〜20のウレイド基、カルボキシル基、炭素数1〜20の置換オキシカルボニル基(アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基等)等を挙げることができる。
酸無水物としては、上記カルボン酸に対応するカルボン酸無水物が挙げられる。アシルハライド基等のアシル基を有する化合物としては、上記カルボン酸に対応するカルボン酸クロライド、カルボン酸ブロマイドなどが挙げられる。
イソシアネート基を有する化合物には、芳香族イソシアネート、脂肪族イソシアネート、脂環式イソシアネートなどが含まれる。具体的には、例えば、フェニルイソシアネート、1−ナフチルイソシアネート、2−ナフチルイソシアネート、2−メチルフェニルイソシアネート、3−メチルフェニルイソシアネート、4−メチルフェニルイソシアネート、3,5−ジメチルフェニルイソシアネート、2−クロロフェニルイソシアネート、3−クロロフェニルイソシアネート、4−クロロフェニルイソシアネート、2−メトキシフェニルイソシアネート、3−メトキシフェニルイソシアネート、4−メトキシフェニルイソシアネート、2−ニトロフェニルイソシアネート、3−ニトロフェニルイソシアネート、4−ニトロフェニルイソシアネート等の芳香族イソシアネート;メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、ブチルイソシアネートなどの脂肪族イソシアネート等を挙げることができる。これらのイソシアネートは置換基を有していてもよい。置換基としては上記カルボン酸が有していてもよい置換基と同様の置換基が挙げられる。
ビニル基を有する化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸のエステル化合物、ビニルアルコール、ビニルピロリドン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルシクロヘキサン等を挙げることができる。
エポキシ基を有する化合物としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、ジクロロヒドリン等のハロヒドリン;2官能性ビスエポキシド(ビスオキシラン);多官能性ポリエポキシド(ポリオキシラン)等を挙げることができる。
そのほかに、本発明で用いることのできるエポキシ基を有する化合物としては、レソルシノールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヒドロゲナートビスフェノールAジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテル、ジグリシジルテレフタレート、ジグリシジルオルトフタレート、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等を例示できる。
オキサゾリン基を有する化合物としては、例えば、(株)日本触媒のエポクロスK1010E、K1020E、K1030E、CX−K2010E、CX−K2020E、CX−K2030E等を挙げることができる。
本発明において、表面修飾剤が例えばオキシラン化合物のようにアルカリ条件下での反応効率の良い化合物を使用する場合には、脱アシル化によりセルロースモノリスが形成された反応溶液に、必要によりpH調整をしながら直接オキシラン化合物を添加させて反応を行い、その後水洗して表面修飾されたセルロースモノリスを得ることもできる。添加されるオキシラン化合物の量は通常、得られるセルロースモノリスの体積の0.01倍以上10倍以下の範囲である。セルロースモノリスの体積の0.01倍未満の場合、目的とする強度アップが達成できないことがあり、10倍よりも多く使用してもコストに見合った効果が得られない。この範囲で使用することにより、セルロースモノリスの強度を向上でき、例えば吸着精製等の目的に上記セルロースモノリスを使用する場合には、精製目的物の吸着量が大きくできるので好ましい。
抗体のタンパク質の分離用には、プロテインA、プロテインG、プロテインL等のたんぱく質ならびにこれらの機能性変異体を用いて、セルロースモノリスの表面修飾を行っても良い。上記たんぱく質等による表面修飾は、例えば、特許文献21に記載の方法が適用できる。また、細菌の副産物や細菌片などの外因性発熱物質または発熱因子の除去用には、ヒスチジン、ヒスタミン、シトシン、アデニン、第1級アミノ基、第2級アミノ基を含む化合物およびポリミキシンなどの含窒素化合物を表面修飾してもよい。
本発明において得られるセルロースモノリスは、反応における脱アシル化度やセルロースアシレートの濃度、脱アシル化剤の種類や量、または、反応における脱ホルミル化度やセルロースホルメートの濃度、脱ホルミル化剤の種類や量等を制御することにより、吸水性のセルロースモノリスとすることが可能である。上記制御技術により、本発明において吸水量の異なる吸水性セルロースモノリスを簡便に製造することが可能となった。また、前述の成形体を作る方法により、得られる吸水剤は粒状・シート状・短冊状・棒状等任意の形状とすることが可能である。従ってその形状によって、紙おむつや生理用ナプキン等の吸水性を必要とする任意の部分に使用することが可能である。更に、本発明で得られる吸水性セルロースモノリスは、内部に連続する細孔を有することから、シート状や短冊状、棒状のものは水を垂直方向に吸い上げる能力を有する。よってペーパークロマトのような用途にも使用可能である。また本発明の吸水性セルロースモノリスは内部に活性炭やゼオライトのような消臭機能を有する材料を入れておくことで、消臭性を有する吸水性セルロースモノリスとすることも可能である。
本発明における、セルロースアシレート溶液を水と溶媒交換しつつ脱アシル化する、または、セルロースホルメート溶液を水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化することにより得られる組成物は、セルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液が水と溶媒交換することでセルロースアシレートまたはセルロースホルメートがモノリスを形成し、流動性がある不均一な組成物(ゲルを含む)を形成する。よって本発明の別の形態は、セルロースアシレート溶液またはセルロースホルメート溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを混合した流動性の不均一組成物をも提供するものである。
また、本発明は、セルロースモノリスを尿素とリン酸(塩)存在下に加熱処理することを特徴とするセルロースモノリスの製法(5)を提供する。上記製法(5)において、尿素の使用量は、セルロースモノリス100質量部に対し10〜1000質量部であることが好ましく、20〜500質量部であることがより好ましい。また、リン酸(塩)の使用量は、セルロースモノリス100質量部に対し10〜100質量部であることが好ましく、15〜80質量部であることがより好ましい。
また、本発明では、カルバモイル基を有するセルロースモノリス(iii)を提供する。セルロースモノリス(iii)はさらにリン酸基を有していても良い。このセルロースモノリス(iii)は、上記製法(5)により得られる。カルバモイル基とリン酸基を有するセルロースモノリス(モノリス状セルロースカルバメートホスフェート)は、ノニオンならびアニオンを有しており、水や生理食塩水等の保持吸水量に優れている。また、リン酸(塩)で架橋されているため、強度に優れている。保持吸水量については後で詳述する。
また、本発明では、生理食塩水に対する保持吸水量が少なくとも8g/gであるセルロースモノリス(iv)を提供する。このセルロースモノリス(iv)は、好ましくは、上記セルロースモノリス(iii)である。なお、上記セルロースモノリス(iii)(iv)は水膨潤性に優れる。以下において、上記セルロースモノリス(iii)(iv)を水膨潤性セルロースモノリスと称する場合がある。上記生理食塩水に対する保持吸水量は、10g/g以上であることが好ましく、12g/g以上であることがより好ましい。
本明細書においては、「吸水量」と「保持吸水量」とは、明確に区別される。「吸水量」は、モノリスを水に浸漬し、無荷重下でモノリス表面の余剰の水を除いた吸水後のモノリスの質量(g)を水に浸漬前のモノリスの質量(g/g)で除して吸水量(単位:g/g)として得られる値である。これに対し、「保持吸水量」は、セルロースモノリスを媒体中に浸漬して自由膨潤させ、その後、遠心分離機(250G)で3分間水切りした後の吸水量(単位:g/g)として得られる値である。上記媒体としては、水、生理食塩水が好ましい。
<用途>
本発明のセルロースモノリスは、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料、化粧品、鮮度保持剤、土壌改質剤、吸着剤、消臭剤、水浄化剤、金属イオン除去、ゲルろ過クロマトグラフィー担体、徐放性薬剤担体、海水の淡水化、イオン交換クロマトグラフ担体、アフィニティクロマトグラフ担体等の様々な分野に応用できる。
以下に、実施例および比較例を用いて本発明を詳細に説明する。但し、本発明は実施例に限定されない。尚、実施例および比較例で使用したセルロースアセテートは特に記載しない限り、シグマ−アルドリッチ社から購入した分子量50,000、アセチル量39.2〜40.2質量%のアセチルセルロースを使用した。
<吸水量(g/g)>
得られたモノリスを水に浸漬し、無荷重下でモノリス表面の余剰の水を除いた吸水後のモノリスの質量(g)を水に浸漬前のモノリスの質量(g/g)で除して吸水量(g/g)とした。
<モノリスの圧縮エネルギー>
サンプルとして吸水したセルロースモノリスを用い、カトーテック(株)の圧縮試験機KES−G5を使用して圧縮率(%)および圧縮剛さを測定した。
<比表面積>
Microtrac BEL社製BELSORP−MR6を使用して測定した。
<IR>
Thermo社製 iS50R FT−IR を使用し、ダイヤモンドATRで測定した。
<SEM画像>
日立ハイテクノロジー社製 FE−SEM SU8020を使用して撮影した。
<顕微鏡写真>
ライカ社製 Z6 APOを使用して撮影した。
<実体顕微鏡写真>
Carton社製 DSZ−44FT(品番MS4572)を使用し、iPhone7(登録商標、アップル社製)で撮影した。
<水膨潤性セルロースモノリスの保持吸水量>
水膨潤性セルロースモノリスの保持吸水量は、EDANA法(ERT441.2−02)に準拠して測定した。具体的には、水膨潤性セルロースモノリス0.2gを不織布製の袋に入れた後、大過剰の0.9重量%塩化ナトリウム水溶液中に30分間浸漬して自由膨潤させ、その後、遠心分離機(250G)で3分間水切りした後の吸水量(単位:g/g)として得た。同様の操作を0.9重量%塩化ナトリウム水溶液の代わりに脱イオン水を用い、脱イオン水に対する吸水量も測定した。尚、脱イオン水の場合の水膨潤性セルロースモノリスの量は0.05gとした。
[実施例1]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し18時間撹拌を続けた。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(1)を得た。得られたセルロースモノリス粒子(1)について、図1に粒子表面、図2に粒子内部の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。セルロースモノリス粒子(1)の吸水量は5.2g/g、圧縮率(%)は45%および圧縮剛さは0.87、比表面積は31.96m/gであった。
図5に、セルロースモノリス粒子(1)のFT−IRのチャートを示す。図5にみられるように、セルロースモノリス粒子(1)は原料アセチチルセルロースのエステル基由来の1735cm−1の吸収が消失し、代わりに水酸基由来の3400cm−1付近および2900cm−1の吸収が増加しており、脱アセチル化が完了していた。
[比較例1]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)を30mLの脱イオン水に撹拌下に滴下し、18時間撹拌を続けた。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して比較セルロースモノリス粒子(1)を得た。得られた比較セルロースモノリス粒子(1)について、図3に粒子表面、図4に粒子内部の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を示す。比較セルロースモノリス粒子(1)の吸水量は1.7g/g、圧縮率(%)は2%および圧縮剛さは0.85、比表面積は19.43m/gであった。
図5に、比較例1で得られた比較セルロースモノリス粒子(1)のFT−IRのチャートを示す。図5にみられるように比較セルロースモノリス粒子(1)は原料アセチルセルロースのエステル基由来の1735cm−1が残っており、吸水量も低かった。また、比較セルロースモノリス粒子(1)は、図3〜図4にみられるようにモノリス表面およびその内部構造が本発明の一形態であるセルロースモノリス粒子(1)(図1〜図2)と大きく異なっていた。
[実施例2]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら18時間撹拌を続けた。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(2)を得た。セルロースモノリス粒子(2)の吸水量は8.3g/g、比表面積は26.37m/gであった。
[実施例3]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら6時間撹拌を続けた。6時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(3)を得た。セルロースモノリス粒子(3)の吸水量は5.5g/g、比表面積は25.01m/gであった。
[実施例4]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら4時間撹拌を続けた。4時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(4)を得た。セルロースモノリス粒子(4)の吸水量は8.1g/g、圧縮率(%)は52%および圧縮剛さは0.76であった。
[実施例5]シート状モノリス
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)をガラス板に塗布後、50mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し18時間放置した。18時間後、得られたセルロースモノリスシートを、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリスシート内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して長さ40mm、幅15mmの本発明の一実施形態のセルロースモノリスシート(1)を得た。長軸に沿って短冊状に切ったセルロースモノリスシート(1)の吸水量は10.5g/gであった。短冊状に切ったモノリスシート(長さ40mm×幅4mm)を長軸方向を上下方向にして吊るし、水を溜めたシャーレに下端を漬けたところ、水を上端まで吸い上げた。
[実施例6]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら90時間撹拌を続けた。90時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(5)を得た。セルロースモノリス粒子(5)の吸水量は8.3g/g、比表面積は25.41m/gであった。
[実施例7]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら90時間撹拌を続けた。90時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、600Wの電子レンジで一分間加熱乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(6)を得た。セルロースモノリス粒子(6)の吸水量は8.5g/gであった。
[実施例8]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度5.4質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら18時間撹拌を続けた。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(7)を得た。セルロースモノリス粒子(7)の吸水量は15.5g/g、比表面積は23.61m/g、圧縮率(%)は81%および圧縮剛さは0.34であった。
[実施例9]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度5.4質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら2時間撹拌を続けた。2時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(8)を得た。セルロースモノリス粒子(8)の吸水量は15.5g/g、比表面積は25.51m/g、圧縮率(%)は80%および圧縮剛さは0.30であった。
[比較例2]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度5.4質量%)を30mLの脱イオン水に撹拌下に滴下し、2時間撹拌を続けた。2時間後、得られたセルロースモノリス粒子を水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して比較セルロースモノリス粒子(2)を得た。比較セルロースモノリス粒子(2)の吸水量は2.5g/g、比表面積は22.05m/gであった。
[比較例3]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度5.4質量%)を30mLの脱イオン水に撹拌下に滴下し、2時間撹拌を続けた。2時間後、得られたセルロースモノリス粒子を水洗し、ろ過した後、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬して2時間撹拌を行った。ろ液が中性になるまで水洗した後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して比較セルロースモノリス粒子(3)を得た。比較セルロースモノリス粒子(3)の吸水量は14.1g/g、圧縮率(%)は79%および圧縮剛さは0.35、比表面積は15.08m/gであった。
[実施例10]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)に、炭酸ナトリウム粉末および無水硫酸ナトリウム粉末をそれぞれ、セルロースアセテートに対して質量比で12質量%、50質量%加えて、これら粒子が均一に分散した溶液を作成した。この溶液を0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液30mLに撹拌下に滴下し、4時間撹拌を行った。4時間後に粒子を吸引ろ過した。ろ液が中性になるまで水洗した後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(9)を得た。セルロースモノリス粒子(9)の吸水量は7.6g/g、比表面積は27.03m/gであった。
[比較例4]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)に、炭酸ナトリウム粉末および無水硫酸ナトリウム粉末をそれぞれ、セルロースアセテートに対して質量比で12質量%、50質量%加えてこれら粒子が均一に分散した溶液を作成した。この溶液を脱イオン水30mLに撹拌下に滴下し、4時間撹拌を行った。4時間後に粒子を吸引ろ過し、その後エタノール溶媒置換を行い、減圧乾燥して比較セルロースモノリス粒子(4)を得た。比較セルロースモノリス粒子(4)の吸水量は2.1g/g、比表面積は20.22m/gであった。
[比較例5]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)に、炭酸ナトリウム粉末および無水硫酸ナトリウム粉末をそれぞれ、セルロースアセテートに対して質量比で12質量%、50質量%加えて、これら粒子が均一に分散した溶液を作成した。この溶液を脱イオン水30mLに撹拌下に滴下し、4時間撹拌を行った。4時間後に粒子を吸引ろ過した。得られた粒子を0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液30mLに加えて、64時間撹拌を行った。64時間後に粒子を吸引ろ過した。ろ液が中性になるまで水洗した後、粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して比較セルロースモノリス粒子(5)を得た。比較セルロースモノリス粒子(5)の吸水量は7.8g/g、比表面積は12.22m/gであった。
[実施例11]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化カリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら1時間撹拌を続けた。1時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、0.1mol/L塩酸水溶液で中和し水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(10)を得た。セルロースモノリス粒子(10)の吸水量は5.7g/gであった。
[実施例12]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)を30mLの0.1mol/L炭酸ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら18時間撹拌を続けた。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(11)を得た。セルロースモノリス粒子(11)の吸水量は4.8g/gであった。
[実施例13]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)0.825gを容量6mL(容器サイズは底辺18mm×18mm、高さ30mm)のポリエチレン製容器に入れた。このものを容器ごと一時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。一時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器から固化して成形されたシート状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を190時間行った。190時間後、得られたシート状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(2)を得た。セルロースモノリス成形体(2)の吸水量は10.5g/g、比表面積は17.43m/gであった。
[実施例14]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)0.799gをU字状にしたポリプロピレン製ストローの内部に入れた。このものをストローごと一時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。一時間後にストローを冷凍庫から取り出し、ストロー内部から固化して成形された棒状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を190時間行った。190時間後、得られた棒状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して棒状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(3)を得た。セルロースモノリス成形体(3)の吸水量は12.5g/g、比表面積は23.66m/gであった。
[実施例15]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)19.85gを幅55mm、長さ105mm、高さ22mmのシリコン製直方体容器の内部に流し込んだ。容器の蓋をして水平に保ちながら4時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。4時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器内部から固化して成形されたシート状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、400mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を20時間行った。20時間後、得られたシート状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してシート状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(4)を得た。セルロースモノリス成形体(4)の吸水量は9.2g/g、比表面積は14.4m/gであった。
セルロースモノリス成形体(4)の一部をカットし、10質量%のグリセリン水溶液に浸漬した。その後、余剰のグリセリン水溶液を紙で拭き取ってから90℃の熱風乾燥器で乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(5)を得た。セルロースモノリス成形体(5)は乾燥後も柔軟なシートであった。
[実施例16]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)0.9gを幅18mm、長さ30mm、高さ13mmのポリエチレン製直方体容器の内部に流し込んだ。容器の蓋をして水平に保ちながら4時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。4時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器内部から固化して成形されたシート状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、40mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を38時間行った。38時間後、得られたシート状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してシート状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(6)を得た。セルロースモノリス成形体(6)の吸水量は9.2g/g、比表面積は23.03m/gであった。セルロースモノリス成形体(6)の内部のSEM画像を図6に示す。
得られたセルロースモノリス成形体(6)に1質量%コンゴーレッド水溶液をかけた。その結果、赤く染色されたセルロースモノリス成形体(6’)が得られた。
[実施例17]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度5.4質量%)14.66gを幅55mm、長さ105mm、高さ22mmのシリコン製直方体容器の内部に流し込んだ。容器の蓋をして水平に保ちながら16時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。16時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器内部から固化して成形されたシート状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、300mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を22時間行った。22時間後、得られたシート状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、90℃の熱風乾燥器内で30分間乾燥してシート状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(7)を得た。セルロースモノリス成形体(7)の吸水量は11.7g/gであった。
セルロースモノリス成形体(7)を10質量%のグリセリン水溶液に浸漬し、余剰のグリセリン水溶液を紙で拭き取ってから90℃の熱風乾燥器で30分間乾燥した所、乾燥後も柔軟なシート状態を保っていた。
[実施例18]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度4.0質量%)1.7gを幅18mm、長さ30mm、高さ13mmのポリエチレン製直方体容器の内部に流し込んだ。容器の蓋をして水平に保ちながら2時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。2時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器内部から固化して成形されたシート状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を15時間行った。15時間後、得られたシート状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してシート状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(8)を得た。セルロースモノリス成形体(8)の吸水量は20.1g/g、比表面積は27.99m/gであった。
[実施例19]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度14.5質量%)0.72gを幅18mm、長さ30mm、高さ13mmのポリエチレン製直方体容器の内部に流し込んだ。容器の蓋をして水平に保ちながら2時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。2時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器内部から固化して成形されたシート状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を15時間行った。15時間後、得られたシート状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してシート状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(9)を得た。セルロースモノリス成形体(9)の吸水量は5.7g/g、比表面積は16.71m/gであった。
[実施例20]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度5.4質量%)2.25gを容量6mL(容器サイズは底辺18mm×18mm、高さ30mm)のポリエチレン製容器に入れた。このものを容器ごと4時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。4時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器から固化して成形されたサイコロ状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を62時間行った。62時間後、得られたサイコロ状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してサイコロ状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(10)を得た。セルロースモノリス成形体(10)の吸水量は12.0g/g、比表面積は14.98m/gであった。
[実施例21]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度5.4質量%)2.15gを容量6mL(容器サイズは底辺18mm×18mm、高さ30mm)のポリエチレン製容器に入れた。このものを容器ごと4時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。4時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器から固化して成形されたサイコロ状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、30mLの脱イオン水に浸漬し、水と溶媒交換し反応を62時間行った。62時間後、得られたサイコロ状のセルロースモノリス成形体を水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してサイコロ状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(11)を得た。セルロースモノリス成形体(11)の吸水量は7.0g/g、比表面積は8.85m/gであった。
[実施例22]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度5.4質量%)2.01gを容量6mL(容器サイズは底辺18mm×18mm、高さ30mm)のポリエチレン製容器に入れた。このものを容器ごと4時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。4時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器から固化して成形されたサイコロ状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、30mLの脱イオン水に浸漬し、水と溶媒交換し反応を62時間行った。62時間後、得られたサイコロ状のセルロースモノリス成形体を水洗し、0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した。20時間水酸化ナトリウム水溶液に浸漬した後、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してサイコロ状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(12)を得た。セルロースモノリス成形体(12)の吸水量は10.0g/g、比表面積は15.62m/gであった。
[実施例23]
三酢酸セルロースのDMSO溶液(三酢酸セルロース濃度10.8質量%)を30mlの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら2時間撹拌を続けた。2時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(12)を得た。セルロースモノリス粒子(12)の吸水量は6.7g/g、比表面積は39.51m/gであった。
[実施例24]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)に活性炭(フタムラ化学社製「太閤350SZ」)を溶液中のセルロースアセテートの質量の1/2の質量を加え、均一に撹拌して活性炭入りセルロースアセテート溶液を作った。得られた活性炭入りセルロースアセテート溶液を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら18時間撹拌を続けた。18時間後、得られた活性炭入りセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(13)を得た。セルロースモノリス粒子(13)の吸水量は3.6g/g、圧縮率(%)は45%および圧縮剛さは0.93、比表面積は592.2m/gであった。得られたセルロースモノリス粒子(13)の断面を観察すると、内部に活性炭(黒粒子)を含んでいた。尚、活性炭(フタムラ化学社製「太閤350SZ」)単独の比表面積は1378.8m/gであった。
セルロースモノリス粒子(13)32mgを、50mlのポリプロピレン製容器(バイアル瓶(マレム社製PV−7))中の40mlのトルイジンブルー水溶液(初期濃度12.5mg/L)に添加し、30℃で100rpmの緩やかな攪拌下に保った。種々の吸着時間で試料を採取し、0.2μmフィルター(アドバンテック社製、DISMIC−13HP)を用いて濾過し、分光透過率計(島津製作所製UV−1650PC)を用いて試料の残留トルイジンブルー濃度を630nmで測定した。測定に際しては、630nmの透過率が15〜99.9%の範囲となるように、必要に応じて試料を水で希釈した。
異なる吸着時間における溶液中のトルイジンブルー平衡濃度を透過率から決定し、そしてセルロースモノリス粒子(13)によって吸着されたトルイジンブルーの量を次式により計算した。吸着試験は遮光下で行った。
Q=(Co−Ct)V/m
ここで、Qは平衡吸着量(mg/g)、CoとCtはトルイジンブルーの異なる時点での溶液中の初期濃度と平衡濃度を示す。Vはトルイジンブルー水溶液の体積であり、そしてmはセルロースモノリス粒子(13)の重量である。
セルロースモノリス粒子(13)の吸着量は最初の10時間で急激に増加し、75%の平衡吸着量に達し、96時間で平衡に達した。初期濃度が12.5mg/Lのとき、セルロースモノリス粒子(13)は最終的に14.8mg/gの吸着容量を示し、溶液はトルイジンブルーの完全吸着の結果として透明となった。
窒素で希釈した122ppmのアンモニアガス(岩谷ファインケミカルズより購入)5Lをアルミ製のガスバッグ(AL:AA−5、GLサイエンス社製)に封入した。アルミニウム製のガスバッグの端部5cmに切り込みを入れ、2.00gのセルロースモノリス粒子(13)をガスバッグに挿入した後、この切り込みを密閉クリップ(アズワン社製、CL−15−10)で固定した。袋を25℃に保ちながら、アンモニアのガス検知管(ガステック社製、3Laと3Lを使用。3Laは70ppm以上で使用し、3Lは70ppm未満で使用した)を用いてガス濃度を種々の吸着時間で測定した。吸着剤を添加せずに同様の操作を行ってブランクを作製した。ブランクは48時間後に96ppmであったのに対し、セルロースモノリス粒子(13)を使用した場合は、ガスバッグ中のアンモニアガス濃度は2.6ppmまで減少した。
窒素ガスで希釈した80ppmメチルメルカプタンガス(岩谷ファインケミカルズより購入)5Lをアルミ製のガスバッグ(AL:AA−5、ジーエルサイエンス社製)に封入した。AC含有モノリシックビーズ(CAMB)を挿入することができるアルミニウムガスバッグの端部5cmに切り込みを入れ、0.800gのセルロースモノリス粒子(13)をガスバッグに挿入し、次いでこの切り込みを、シール付きクリップ(アズワン社製CL−15−10)を使用して固定した。袋を25℃に保ちながら、メチルメルカプタンのガス検知管(ガステック社製、71)を用いてガス濃度を種々の吸着時間で測定した。吸着剤を添加せずに同様の操作を行ってブランクを作製した。セルロースモノリス粒子(13)はほぼ10時間でメチルメルカプタンを全て吸着し、ガスバッグ中のメチルメルカプタン濃度はゼロとなった。
これらの結果から、活性炭含有セルロースモノリス粒子(13)は優れたトルイジンブルー吸着量のみならずアンモニアやメチルカプタン等のガスを吸着除去できることが分かった。
[実施例25]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)に活性炭(フタムラ化学社製「太閤350SZ」)を溶液中のセルロースアセテートの質量と同じ質量を加え、均一に撹拌して活性炭入りセルロースアセテート溶液を作った。得られた活性炭入りセルロースアセテート溶液を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら18時間撹拌を続けた。18時間後、得られた活性炭を含むセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して活性炭入りセルロースモノリス粒子を得た。
次いで、この活性炭入りモノリス粒子をセルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)に浸漬し、得られたセルロースアセテート溶液に被覆された活性炭入りモノリス粒子を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら18時間撹拌を続けた。得られたセルロースモノリスで被覆された活性炭入りモノリス粒子をろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリスで被覆された活性炭入りモノリス粒子の水をエタノール置換し、減圧乾燥して白い本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(14)を得た。セルロースモノリス粒子(14)の吸水量は4.4g/gであった。
図7、8にセルロースモノリス粒子(14)の外観および吸水後の断面顕微鏡写真を示すが、得られた外観は白く、内部に活性炭を含む白い粒子であることが分かる。また図9、10には別のセルロースモノリス粒子(14)の断面およびコンゴーレッド水溶液で染色した断面を示すが、セルロースモノリス粒子(14)は先に得た活性炭入りモノリス粒子の外側に新しいモノリス構造が形成された、二層に連続細孔が形成された粒子であることが分かる。従って、本法により多層構造のモノリスを形成することも可能であり、また、公知のマイクロカプセル化装置を用いることにより着色材料を含む白いセルロースモノリス粒子を作ることも可能である。
[実施例26]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度8.5質量%)に活性炭(フタムラ化学社製「太閤350SZ」)および酸化チタン(日本アエロジル(株)製 AEOXIDE P25)を溶液中のセルロースアセテートの質量と同じ質量を加え、均一に撹拌して活性炭及び酸化チタン入りセルロースアセテート溶液を作った。セルロースアセテート溶液を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら4時間撹拌を続けた。4時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して活性炭及び酸化チタンを含む本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(15)を得た。本発明のセルロースモノリス粒子(15)の吸水量は2.8g/g、比表面積は467.94m/gであった。図11に本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(15)の断面顕微鏡写真を示した。
[実施例27]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)に活性炭(フタムラ化学社製「太閤350SZ」)を溶液中のセルロースアセテートの質量の1/2の質量を加え、均一に撹拌して活性炭入りセルロースアセテート溶液を作った。このセルロースアセテート溶液をシャーレ中で予め0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で湿らせたろ紙の上に展開し、展開した溶液を追加の0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液で浸して、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化を18時間行った。18時間後、得られた活性炭入りセルロースモノリス成形体をろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して活性炭を含む本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(13)を得た。セルロースモノリス成形体(13)の吸水量は2.8g/g、圧縮率は45%、圧縮剛さは0.68であった。
[実施例28]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)に活性炭(フタムラ化学社製「太閤350SZ」)を溶液中のセルロースアセテートの質量と同じ質量を加え、均一に撹拌して活性炭入りセルロースアセテート溶液を作った。このセルロースアセテート溶液1.0gを幅18mm、長さ30mm、高さ13mmのポリエチレン製直方体容器の内部に流し込んだ。容器の蓋をして水平に保ちながら2時間静置することで、活性炭粒子が容器下部に沈降した。この状態で容器を2時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。2時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器内部から固化して成形されたシート状の活性炭入りセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を18時間行った。18時間後、得られたシート状の活性炭入りセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してシート状で活性炭粒子が下部に固着されたセルロースモノリス成形体(活性炭側の面は黒く反対側の面は白い)を得た。
次いで、活性炭側の面にセルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)を塗布し、その状態で0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を18時間行った。得られた活性炭入りセルロースモノリス成形体をろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して活性炭を含む本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(14)を得た。セルロースモノリス成形体(14)の吸水量は6.8g/gであった。図12に本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(14)の外観、断面の実体顕微鏡写真を示すが、活性炭が白いモノリスで覆われていた。
得られたセルロースモノリス成形体(14)に1質量%コンゴーレッド水溶液をかけた。その結果、赤く染色されたセルロースモノリス成形体(14’)が得られた。図13にセルロースモノリス成形体(14’)の断面の実体顕微鏡写真を示すが、活性炭が赤いモノリスで覆われていた。
[実施例29]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)に活性炭(フタムラ化学社製「太閤350SZ」)を溶液中のセルロースアセテートの質量と同じ質量を加え、均一に撹拌して活性炭入りセルロースアセテート溶液を作った。得られた活性炭入りセルロースアセテート溶液を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら4時間撹拌を続けた4時間後、得られた活性炭入りセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(16)を得た。セルロースモノリス粒子(16)の吸水量は2.3g/g、比表面積は545.69m/gであった。この粒子46mgを0.0025質量%のトルイジンブルー水溶液10gに加え、16時間撹拌したところ、トルイジンブルー水溶液は透明になった。
[実施例30]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)にノニオン性界面活性剤(商品名:プルオニックP103)を溶液に対して1質量%加え均一な溶液を得た。この溶液を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し18時間撹拌を続けた。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(17)を得た。セルロースモノリス粒子(17)の吸水量は6.3g/gであった。
[実施例31]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度10.2質量%)にノニオン性界面活性剤(商品名:プルオニックP108)を溶液に対して1質量%加え均一な溶液を得た。この溶液1.26gを幅18mm、長さ30mm、高さ18mmのポリエチレン製直方体容器の内部に流し込み、容器の蓋をして水平に保ちながら2時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた(このものを凍結シート(1)とする)。
同じ溶液1.17gを幅18mm、長さ30mm、高さ18mmのポリエチレン製直方体容器の内部に流し込み、容器の蓋をして水平に保ちながら2時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた(このものを凍結シート(2)とする)。
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度4.0質量%)1.57gを幅18mm、長さ30mm、高さ18mmのポリエチレン製直方体容器の内部に流し込み、容器の蓋をして水平に保ちながら2時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた(このものを凍結シート(3)とする)。
1時間後に、凍結シート(1)〜(3)を冷凍庫から取り出し、室温で(1)、(3)、(2)の順に重ね合わせ、3つのシートが重ね合わされた状態でポリエチレンフィルムで覆って、再度1時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。1時間後、3つのシートが重ね合された凍結シートを冷凍庫から取り出し、成形したセルロースアシレート成形品を得た。得られたセルロースアシレート成形品を200mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を18時間行った。18時間後、得られたシート状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してシート状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(15)を得た。
セルロースモノリス成形体(15)の吸水量は11.2g/gであり、セルロースモノリス成形体(15)は吸水して垂直方向に優先的に膨らんだ。
[実施例32]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度4.0質量%)1.7gを幅18mm、長さ30mm、高さ13mmのポリエチレン製直方体容器の内部に流し込んだ。容器の蓋をして水平に保ちながら20時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。20時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器内部から固化して成形されたシート状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を5時間行った。5時間後、得られたシート状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してシート状の本発明の一実施形態のセルロースモノリス成形体(16)を得た。セルロースモノリス成形体(16)の吸水量は19.8g/gであった。
[実施例33]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度5.4質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら12時間撹拌を続けた。12時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(18)を得た。セルロースモノリス粒子(18)の吸水量は14.0g/g、比表面積は35.50m/g、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液中に対する保持吸水量は6.4g/g、脱イオン水に対する保持吸水量は6.2g/gであった。
[実施例34]
セルロースモノリス粒子(18)100部に対し、尿素150部、リン酸二水素ナトリウム2水和物20部、脱イオン水700部からなる水溶液を添加し、145℃で20分間加熱処理した。加熱処理物をメタノール/純水の混合溶媒(メタノールと純水の体積混合比3:1)で洗浄し、洗浄物を再度メタノール洗浄した後、吸引ろ過、減圧乾燥して本発明の水膨潤性セルロースモノリス(1)を得た。本発明の一実施形態の水膨潤性セルロースモノリス(1)の比表面積は54.02m/g、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液中に対する保持吸水量は12.4g/g、脱イオン水に対する保持吸水量は48.1g/gであった。水膨潤性セルロースモノリス(1)はそのFT−IRチャートからセルロースカルバメートホスフェート構造を有することが確認できた。また、SEM画像からモノリス構造を有することも確認できた。
[実施例35]
セルローストリアセテート(富士フィルム和光純薬株式会社より購入した試薬)のDMSO溶液(セルローストリアセテート濃度5.4質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化しながら16時間撹拌を続けた。16時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(19)を得た。セルロースモノリス粒子(18)の吸水量は12.0g/g、比表面積は29.97m/g、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液中に対する保持吸水量は5.2g/g、脱イオン水に対する保持吸水量は4.8g/gであった。
[実施例36]
セルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度7.8質量%)に活性炭(フタムラ化学社製「太閤350SZ」)を溶液中のセルロースアセテートの質量と同じ質量を加え、均一に撹拌して活性炭入りセルロースアセテート溶液を作った。得られた活性炭入りセルロースアセテートのDMSO溶液をキャンドゥで購入したシリコンモールド(バタフライ)の内部に流し込んだ。表面をポリエチレンフィルムで覆い、モールド容器を水平に保ちながら20時間冷凍庫に入れ、凍結固化させた。20時間後に容器を冷凍庫から取り出し、容器内部から固化して成形されたバタフライ状のセルロースアセテートのDMSO溶液成形体を取り出し、150mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に浸漬し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し反応を16時間行った。16時間後、得られたバタフライ状のセルロースモノリス成形体を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス成形体内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥してシート状の本発明の一実施形態の活性炭含有セルロースモノリス成形体(17)を得た。セルロースモノリス成形体(17)の吸水量は8.0g/g、重量は0.9gであった。図14にバタフライ状セルロースモノリス成形体(17)の画像を示した。
セルロースモノリス成形体(17)を重量190gのフィリピンバナナと一緒にポリエチレン袋に入れ、袋を密閉した。比較の為、187gのフィリピンバナナをポリエチレン袋に入れ、袋を密閉した。セルロースモノリス成形体(17)を含むフィリピンバナナと含まないフィリピンバナナを同時に冷蔵庫に入れ、一週間冷蔵し、一週間後にバナナを取り出し、皮を剥いてバナナの傷み具合を比較した所、セルロースモノリス成形体(17)を一緒に袋に入れたバナナは黒色化した部分が無かったが、セルロースモノリス成形体(17)を含まないバナナは黒色化していた。活性炭含有セルロースモノリス成形体(17)はガス吸着と水分吸着するため、鮮度保持効果があった。
[実施例37]
セルロースモノリス粒子(19)100部に対し、尿素152部、リン酸二水素ナトリウム2水和物50部、脱イオン水600部からなる水溶液を添加し、145℃で20分間加熱処理した。加熱処理物をメタノール/純水の混合溶媒(メタノールと純水の体積混合比3:1)で洗浄し、洗浄物を再度メタノール洗浄した後、吸引ろ過、減圧乾燥して本発明の水膨潤性セルロースモノリス(2)を得た。本発明の一実施形態の水膨潤性セルロースモノリス(2)の比表面積は29.84m/g、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液中に対する保持吸水量は11.1g/g、脱イオン水に対する保持吸水量は36.5g/gであった。水膨潤性セルロースモノリス(2)はそのFT−IRチャートからカルバモイル基とリン酸基を有するセルロースカルバメートホスフェート構造を有することが確認できた。また、SEM画像からモノリス構造を有することも確認できた。
[実施例38]セルロースホルメートの合成例(1)
粉砕パルプ4.86g、ギ酸(88%)156.9g、リン酸279.3g、水30gをフラスコに仕込み、室温で3日間撹拌した。その撹拌物450gをアセトン1350gに滴下し、10分間撹拌した。このものを減圧濾過後、濾物をアセトンで3回洗浄し、減圧乾燥後して、セルロースホルメート(1)を得た。セルロースホルメート(1)はそのFT−IRチャートにおいてホルミル基由来の1715cm−1に吸収が確認できた。
[実施例39]セルロースホルメートの合成例(2)
粉砕パルプ4.86g、ギ酸(88%)156.9g、リン酸279.3g、水30gをフラスコに仕込み、ホモジナイザー(Hsiang Tai社製、本体型番:HG−200、ジェネレーター型番:K−12S)を用いて、60℃以下で16000rpmで15分間撹拌し、更に、20000rpmで15分間撹拌した。その撹拌物450gをアセトン1350gに滴下し、10分間撹拌した。このものを減圧濾過後、濾物をアセトンで3回洗浄し、減圧乾燥後して、セルロースホルメート(2)を得た。
[実施例40]
セルロースホルメート(1)の溶解したDMSO溶液(セルロースホルメートの濃度7.8質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、0.2時間撹拌後、18時間静置し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化した。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(20)を得た。得られたセルロースモノリス粒子(20)の吸水量は3.8g/g、圧縮率(%)は49%および圧縮剛さは0.76であった。
[実施例41]
セルロースホルメート(1)およびセルロースアセテートの溶解したDMSO溶液(セルロースホルメートの濃度5.8質量%、セルロースアセテートの濃度2.0質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、0.2時間撹拌後、18時間静置し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化した。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(21)を得た。得られたセルロースモノリス粒子(21)の吸水量は13.9g/g、圧縮率は70%および圧縮剛さは0.45であった。
[実施例42]
セルロースホルメート(1)およびセルロースアセテートの溶解したDMSO溶液(セルロースホルメートの濃度3.9質量%、セルロースアセテートの濃度3.9質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し18時間撹拌を続けた。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(22)を得た。得られたセルロースモノリス粒子(22)の吸水量は9.7g/g、圧縮率(%)は48%および圧縮剛さは0.69であった。
[実施例43]
セルロースホルメート(1)およびセルロースアセテートの溶解したDMSO溶液(ホセルロースホルメートの濃度2.7質量%、セルロースアセテート濃度2.7質量%)を30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し18時間撹拌を続けた。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(23)を得た。得られたセルロースモノリス粒子(23)の吸水量は18.5g/gであった。
[実施例44]
セルロースホルメート(2)およびセルロースアセテートの溶解したDMSO溶液(セルロースホルメートの濃度2.7質量%、セルロースアセテートの濃度2.7質量%)30mLの0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に撹拌下に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アセチル化し18時間撹拌を続けた。18時間後、得られたセルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、セルロースモノリス粒子内部の水をエタノール置換し、減圧乾燥して本発明の一実施形態のセルロースモノリス粒子(24)を得た。得られたセルロースモノリス粒子(24)の吸水量は6.8g/gであった。
[実施例45]
カプセル化装置Encapusulator B−390(ビュッヒ社製)を用いて、活性炭内包セルロースモノリス粒子を作製した。活性炭SA1000(フタムラ化学社製)10.4gをシクロヘキサン100mLに分散させた活性炭分散液を同心ノズル(内包物用のコアノズル(内径450μm)を連続的に通過させながら、同時にセルロースアセテートのDMSO溶液(セルロースアセテート濃度5.4質量%)をシェル液として膜材用のシェルノズル(内径900μm))を通過させた。活性炭分散液を内包したセルロースアセテートのDMSO溶液の液滴を連続的に、撹拌された0.1mol/L水酸化ナトリウム水溶液に10分間滴下し、その後水酸化ナトリウム水溶液中で形成された粒子を18時間放置した。18時間後、得られた活性炭内包セルロースモノリス粒子を、ろ液が中性になるまで水洗した。水洗後、活性炭内包セルロースモノリス粒子をエタノール洗浄し、減圧乾燥して直径約800μmの本発明の一実施形態の活性炭内包セルロースモノリス粒子を得た。得られた粒子は図15のように表面は白いセルロースモノリスで覆われ、断面図16のように内部に活性炭粒子を内包していた。
[実施例46]
セルロースモノリス粒子(2)100部に対し、クエン酸200部、脱イオン水380部からなる水溶液を添加し、120℃で60分間加熱処理した。加熱処理物を純水で洗浄し、洗浄物を再度メタノール洗浄した後、吸引ろ過、減圧乾燥して本発明の一実施形態のカルボキシル基含有セルロースモノリス(1)を得た。カルボキシル基含有セルロースモノリス(1)はそのFT−IRチャートからカルボキシル基を有することが確認できた。また、滴定により上記カルボキシル基含有セルロースモノリス(1)はカルボキシル基をグラムあたり0.45ミリモル有していた。
本発明のセルロースモノリスの製法および該製法によって得られるセルロースモノリスは、紙おむつや生理用ナプキン等の衛生材料、化粧品、鮮度保持剤、土壌改質剤、吸着剤、消臭剤、水浄化剤、金属イオン除去、ゲルろ過クロマトグラフィー担体、徐放性薬剤担体、海水の淡水化、イオン交換クロマトグラフ担体、アフィニティクロマトグラフ担体等の様々な分野に応用できる。

Claims (16)

  1. セルロースアシレート溶液を、水と脱アシル化剤とを含む媒体に接触させ、水と溶媒交換しつつ脱アシル化する、または、セルロースホルメート溶液を、水と脱ホルミル化剤とを含む媒体に接触させ、水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化することを特徴とするセルロースモノリスの製法。
  2. セルロースアシレート溶液を、撹拌下の水と脱アシル化剤とを含む媒体に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱アシル化して、セルロースモノリス粒子を得る、または、セルロースホルメート溶液を、撹拌下の水と脱ホルミル化剤とを含む媒体に滴下し、水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化して、セルロースモノリス粒子を得ることを特徴とするセルロースモノリスの製法。
  3. 成形されたセルロースアシレート溶液を、水と脱アシル化剤とを含む媒体に接触させ、水と溶媒交換しつつ脱アシル化して、セルロースモノリス成形体を得る、または、成形されたセルロースホルメート溶液を、水と脱ホルミル化剤とを含む媒体に接触させ、水と溶媒交換しつつ脱ホルミル化して、セルロースモノリス成形体を得ることを特徴とするセルロースモノリスの製法。
  4. 前記水と脱アシル化剤、または、前記水と脱ホルミル化剤とを含む媒体が水酸化ナトリウム水溶液である、請求項1〜3の何れか1項に記載のセルロースモノリスの製法。
  5. 前記脱アシル化、または、前記脱ホルミル化が室温で行われる、請求項1〜4の何れか1項に記載のセルロースモノリスの製法。
  6. 前記成形されたセルロースアシレート溶液がセルロースアシレート溶液をその融点未満の温度に冷却することにより得られたもの、または、前記成形されたセルロースホルメート溶液がセルロースホルメート溶液をその融点未満の温度に冷却することにより得られたものである、請求項3〜5の何れか1項に記載のセルロースモノリスの製法。
  7. セルロースアシレート溶液をその融点未満の温度に冷却して成形したセルロースアシレート成形品を、水を含む媒体に接触させる、または、セルロースホルメート溶液をその融点未満の温度に冷却して成形したセルロースホルメート成形品を、水を含む媒体に接触させることを特徴とするセルロースモノリスの製法。
  8. 前記セルロースアシレート溶液がセルロースホルメートを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載のセルロースモノリスの製法。
  9. セルロースモノリスを尿素とリン酸(塩)存在下に加熱処理することを特徴とするセルロースモノリスの製法。
  10. セルロースモノリス層に、他の一層以上のセルロースモノリス層が積層されたセルロースモノリス。
  11. 着色粒子を含む白色セルロースモノリス。
  12. カルバモイル基を有するセルロースモノリス。
  13. さらにリン酸基を有する、請求項12に記載のセルロースモノリス。
  14. 生理食塩水に対する保持吸水量が少なくとも8g/gであるセルロースモノリス。
  15. セルロースアシレート溶液および/またはセルロースホルメート溶液と、水酸化ナトリウム水溶液とを混合した流動性の不均一組成物。
  16. セルロースアシレート溶液および/またはセルロースホルメート溶液をその融点未満の温度に冷却して成形した成形品。
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