JPWO2020022106A1 - 多層フィルム及び包装体 - Google Patents

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Abstract

表面層となるように設けられたシーラント層(2)を、少なくとも備え、前記シーラント層(2)が、少なくとも直鎖状低密度ポリエチレンを含み、かつ、前記直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.93以上である多層フィルム(1)、及び、前記多層フィルム(1)と、滅菌紙と、を備え、前記多層フィルム(1)のシーラント層(2)の少なくとも一部が前記滅菌紙の表面にヒートシールされた包装体。

Description

本発明は、多層フィルム及び包装体に関する。
本願は、2018年7月23日に、日本に出願された特願2018−137395号、2019年3月6日に、日本に出願された特願2019−40869号、及び、2019年7月2日に、日本に出願された特願2019−123818号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、医療用包装体として、深絞り成形された包装体(以下、「深絞り包装体」ともいう)が用いられている。深絞り包装体は、中央部に凹部が形成された多層フィルムからなる底材と、ポリエチレン製不織布や滅菌紙等(以下、「PE製不織布等」ともいう)からなる蓋材とがヒートシール等によって接合されている。そして、上述した凹部に、業務用ガーゼや綿棒、医療器具等が収容される。
従来、医療用包装体に用いる底材としては、ポリエステル系フィルムやナイロン系フィルムと、ヒートシール可能な樹脂フィルムとをラミネート(ラミネート法)させた多層フィルムが広く一般に使用されている。一方、蓋材としては、滅菌工程における滅菌ガスの通気性の観点から、上述のように、ポリエチレン製不織布や滅菌紙が使用されている。
ところで、医療用包装体には、その使用態様により、易開封性が要求されている。また、医療用包装体の蓋材としては、衛生性が重視されるという観点から、ポリエチレン製不織布が選定される。接着剤を塗工し易開封性を付与したポリエチレン製不織布は高価であり、ガス透過性も低下することから、易剥離性機能はポリエチレン製不織布とシールされる多層フィルム側へ付与される。医療用包装体に易開封性を付与するため、底材として用いる多層フィルムとして、PE製不織布等とのシール側に易剥離性の樹脂層(以下、「イージーピール層」ともいう)を設ける構成が知られている(特許文献1)。また、ポリアミド樹脂、135℃以下でポリエチレン製不織布又は滅菌紙とヒートシール可能なシール層、及びシール層との層間剥離性を有するイージーピール層とを有する深絞り成形用共押出多層フィルムが知られている(特許文献2)。
特開2014−162162号公報 特開2014−19006号公報
医療用包装体に用いる底材としての多層フィルムは、蓋材としての滅菌紙とヒートシールする際に、適切なシール強度が必要であるが、滅菌紙を剥離した際に、底材の剥離面に滅菌紙の一部が残る、いわゆる紙残りが発生すると、医療用包装体に収納されている医療器具等に紙の繊維が付着して体内に入る可能性や、繊維が舞ってクリーン度が下がる等の衛生上の問題が生じる。
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、滅菌紙とヒートシールした際に、適切なシール強度を担保しつつ、剥離面に紙残りが発生しない底材として利用可能な多層フィルム、及び包装体を提供することを課題とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]表面層となるように設けられたシーラント層を、少なくとも備え、
前記シーラント層が、少なくとも直鎖状低密度ポリエチレンを含み、かつ、前記直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.93以上である、多層フィルム。
[2]前記シーラント層が、さらに、低密度ポリエチレンを含み、前記直鎖状低密度ポリエチレンと前記低密度ポリエチレンとの質量比が、50:50〜99:1の範囲である、[1]に記載の多層フィルム。
[3]前記シーラント層と隣接するように設けられ、ポリエチレン系樹脂を含む基材層を備える、[1]又は[2]に記載の多層フィルム。
[4]前記基材層が、直鎖状低密度ポリエチレンを含む、[3]に記載の多層フィルム。
[5]前記シーラント層と前記基材層との厚みの比が、1:0.5〜1:15の範囲である、[3]又は[4]に記載の多層フィルム。
[6]前記シーラント層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの低分子量揮発成分が0.1wt%以下である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[7]前記シーラント層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの分子量分布(Mw/Mn)が7.0以下であり、かつ、前記直鎖状低密度ポリエチレンの数平均分子量Mnが20000以上である、[1]〜[6]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[8]135〜155℃の範囲で、滅菌紙とヒートシールが可能である、[1]〜[7]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[9][1]〜[8]のいずれか一項に記載の多層フィルムと、滅菌紙と、を備え、
前記多層フィルムのシーラント層の少なくとも一部が前記滅菌紙の表面にヒートシールされた、包装体。
[10]前記多層フィルムと、前記滅菌紙と、のシール強度が、1.0〜7.7(N/15mm)である、[9]に記載の包装体。
以上説明したように、本発明の多層フィルムは、表面層となるように設けられたシーラント層を、少なくとも備え、前記シーラント層が、少なくとも直鎖状低密度ポリエチレンを含み、かつ、前記直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.93以上であるため、前記多層フィルムと滅菌紙とをヒートシールした包装体は、適切なシール強度を担保しつつ、滅菌紙を剥離した際に、底材の剥離面に滅菌紙の一部が残る、いわゆる紙残りが発生するのを抑制させることができ、衛生上問題のない包装体を提供できるという優れた効果を有する。
本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。 本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。
以下、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム及び包装体について詳細に説明する。なお、以下の説明で用いる図面は、特徴をわかりやすくするために、便宜上特徴となる部分を拡大して示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際と同じであるとは限らない。
<多層フィルム>
先ず、本発明を適用した一実施形態である多層フィルムの構成について説明する。図1は、本発明を適用した一実施形態である多層フィルム1の断面模式図である。図1に示すように、本実施形態の多層フィルム1は、表面層として設けられたシーラント層2と、シーラント層2と隣接するように設けられた基材層3とを備えて、概略構成されている。また、本実施形態の多層フィルム1は、図2に示すように、表面層として設けられたシーラント層2と、シーラント層2と隣接するように設けられた基材層3と、基材層3上に積層された他の樹脂層とを備えて、概略構成されていてもよい。本実施形態の多層フィルム1は、包装体、特に医療用包装体の底材用のフィルムとして用いることができる。
(シーラント層)
シーラント層2は、接合の対象となる滅菌紙とヒートシールによって接合するとともに、易開封性を付与するために設けられた樹脂層である。シーラント層2は、少なくとも直鎖状低密度ポリエチレンを含み、かつ前記直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.93以上、好ましくは、0.93以上0.98以下、より好ましくは0.93以上0.95以下である。前記直鎖状低密度ポリエチレンの密度が上記範囲の下限値以上であると、滅菌紙と、適切なシール強度のヒートシールが可能であり、かつ、滅菌紙を剥離した際に、剥離面に紙残りが発生するのを抑制させることができる。一方、上記範囲の上限値以下であると、滅菌紙とヒートシールし易くなる。
シーラント層2に用いることが可能な樹脂としては、上記密度を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む樹脂であれば特に制限されないが、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)を含む樹脂が好ましい。
上記密度を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、GC−MSでの低分子量揮発成分検出量が少ない樹脂が好ましい。低分子量揮発成分が少ないと成形時にガスが発生せず、設備汚染を防ぐことができる。低分子量揮発成分検出量は0.1wt%以下が好ましく、0.05wt%以下がより好ましい。
また、上記密度を有する直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、GPCでの分子量分布(Mw/Mn)で低分子量成分含有量が少ない樹脂が好ましい。低分子量成分含有量が少ないと成形時に成形熱板上へ付着異物が発生せず、設備汚染を防ぐことができる。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)についてはGPCによる分子量分布(Mw/Mn)の値で7.0以下が好ましく、4.5以下がより好ましい。且つ、数平均分子量Mnは20000以上が好ましく、23000以上がより好ましい。
また、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は、DSC測定の融点ピークは1つでもよいし、2つ以上のピークを有してもよく、最も高い融点ピーク温度が120℃以上であることが好ましい。より好ましくは、最も高い融点ピーク温度が120℃以上であり、最も低い融点ピークが100℃以下に存在しない樹脂が好ましい。更に好ましくは最も高い融点ピーク温度が120℃以上であり、最も低い融点ピークが110℃以下に存在しない樹脂が好ましい。上記であると、成形時の加熱で樹脂が融けず、設備汚染を防ぐことができる。
また、シーラント層2には、さらに低密度ポリエチレンを含んでもよい。
シーラント層2が、さらに低密度ポリエチレンを含む場合、シーラント層2を構成する樹脂中の直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの質量比は、50:50〜99:1の範囲が好ましく、60:40〜99:1の範囲がより好ましく、80:20〜99:1の範囲がさらに好ましい。
シーラント層2を構成する全樹脂中、直鎖状低密度ポリエチレンの含有量は、30〜100質量%が好ましく、50〜100質量%であることがより好ましい。シーラント層2が、さらに低密度ポリエチレンを含む場合は、直鎖状低密度ポリエチレンと低密度ポリエチレンとの合計含有量が、30〜100質量%であることが好ましく、50〜100質量%であることがより好ましい。
直鎖状低密度ポリエチレンの含有量が上記好ましい範囲内であると、ヒートシール強度がより安定し、滅菌紙を剥離した際に、シーラント層2への紙残りがより抑制される。
シーラント層2は、低温ヒートシール性を向上させる観点から、添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、例えば、テルペン系樹脂(例えば、ヤスハラケミカル社製「ヒロダインシリーズ」)等が挙げられる。
シーラント層2の厚みは、3〜70μmであることが好ましく、5〜45μmであることがより好ましい。上記厚みが好ましい範囲の下限値以上であると、滅菌紙とヒートシールした際に、より高いシール強度が得られ、上限値以下であると、開封する際、易開封性の効果がより高くなる。
(基材層)
基材層(コア層ともいう)3は、多層フィルム1に柔軟性を付与することを目的として、上述したシーラント層2と隣接するように設けられた樹脂層である。基材層3に用いることが可能な樹脂としては、上記機能を付与することが可能な樹脂であれば特に制限されないが、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
ポリエチレン系樹脂としては、例えば、低密度ポリエチレン(LDPE)樹脂、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂、中密度ポリエチレン(MDPE)樹脂、高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂等のエチレンの単独重合体;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、エチレン−メチルメタクリレート共重合体(EMMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)樹脂、エチレン−メチルアクリレート共重合体(EMA)樹脂、エチレン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MAH)樹脂、エチレン−アクリル酸共重合体(EAA)樹脂、エチレン−メタクリル酸共重合体(EMAA)樹脂等のエチレン系コポリマー;アイオノマー(ION)樹脂などが、単体でまたは2種類以上混合して用いられる。
ポリエチレン樹脂としては、好ましいのは、上記LLDPEである。基材層3が含む樹脂としてLLDPEを用いることにより、より安定したヒートシール強度(シーラント層2で用いた直鎖状低密度ポリエチレンを含む樹脂との相乗効果)が得られる。
基材層3は、1層のみでもよいし、図2に示したように、2層以上の複数層でもよい。例えば、基材層3を、異なる材質の複数層からなるものとすることで、基材層3の硬さ等の特性を調節できる。2層以上の基材層としては、例えば、LDPEとLLDPEの2層を有する基材層等が挙げられる。
基材層3の厚みは、15〜150μmであることが好ましく、30〜100μmであることがより好ましい。上記厚みが好ましい範囲の下限値以上であると、多層フィルム1の柔軟性が向上し、上限値以下であると、より安定したシール強度が得られる。
本実施形態の多層フィルム1においては、上述したシーラント層2と基材層3との厚みの比が、1:0.5〜1:15の範囲であることが好ましく、1:0.5〜1:10の範囲であることがより好ましく、1:2〜1:10の範囲であることがより好ましい。上述した比が上記好ましい範囲の下限値以上であると、包装体のカール防止の効果が得られ、上限値以下であると、より安定したシール強度が得られる。
本実施形態の多層フィルム1は、上述したシーラント層2及び基材層3以外に、本発明の効果を損なわない範囲において、他の樹脂層を備えていてもよい。図2に示す多層フィルム1は、基材層3上に、他の樹脂層として、接着性樹脂層4と耐ピンホール層5とが積層されている。
(接着性樹脂層)
接着性樹脂層4は、上述したシーラント層2と基材層3との層間以外の、多層フィルム1を構成する各樹脂層の層間強度を高めるために設けられた樹脂層である。
接着性樹脂層4に適用可能な接着性樹脂としては、公知の接着性のオレフィン系樹脂、例えば、接着性ポリプロピレン系樹脂、接着性ポリエチレン系樹脂などが用いられる。接着性樹脂層4は、その酸化を防止するために、酸化防止剤を含有していてもよい。酸化防止剤としては、公知の酸化防止剤、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤などが、単体でまたは2種類以上混合して用いられる。また、接着性樹脂層4は、接着性や機械的特性の向上の観点から、セルロースナノファイバーを含有していてもよい。
接着樹脂層4の厚みは、各層を必要な接着強度で接合できれば特に制限されないが、2〜30μmが好ましく、5〜25μmがより好ましい。
(耐ピンホール層)
耐ピンホール層5は、多層フィルム1に耐ピンホール性を付与するために設けられた樹脂層である。耐ピンホール層5は、耐ピンホール性を向上させる観点から、ポリアミド樹脂を含むものが好ましい。耐ピンホール層5に含まれるポリアミド樹脂としては、例えば、4−ナイロン、6−ナイロン、7−ナイロン、11−ナイロン、12−ナイロン、46−ナイロン、66−ナイロン、69−ナイロン、610−ナイロン、611−ナイロン、612−ナイロン、6T−ナイロン、6Iナイロン、6−ナイロンと66−ナイロンのコポリマー(ナイロン6/66)、6−ナイロンと610−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと611−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと12−ナイロンのコポリマー(ナイロン6/12)、6−ナイロンと612ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと6T−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと66−ナイロンと610−ナイロンのコポリマー、6−ナイロンと66−ナイロンと12−ナイロンのコポリマー(ナイロン6/66/12)、6−ナイロンと66−ナイロンと612−ナイロンのコポリマー、66−ナイロンと6T−ナイロンのコポリマー、66−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、6T−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、及び66−ナイロンと6T−ナイロンと6I−ナイロンのコポリマー、非晶性ナイロン等が挙げられる。中でも、耐熱性、機械的強度、及び入手の容易性の点から、6−ナイロン、12−ナイロン、66−ナイロン、ナイロン6/66、ナイロン6/12、及びナイロン6/66/12等が好ましく、6−ナイロンがより好ましい。
耐ピンホール層5の総厚は、特に制限されないが、10〜90μmが好ましく、12〜50μmがより好ましい。
(添加剤)
本実施形態の多層フィルム1は、上述したシーラント層2及び基材層3中に、必要に応じて滑り性やブロッキングを防止、防曇性を付与する目的で適宜、公知の滑剤や添加剤を付与してもよい。滑り性やブロッキング防止の目的では、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド等の有機系滑剤、シリカ、ゼオライト、炭酸カルシウム等の無機系滑剤を挙げることができる。また、防曇性を付与する為には、既に公知の界面活性剤等を適宜使用することができる。
<多層フィルムの製造方法>
次に、上述した多層フィルム1の製造方法の一例について説明する。
上述した多層フィルム1の製造方法は、特に限定されるものではないが、数台の押出機により、原料となる樹脂等を溶融押出するフィードブロック法やマルチマニホールド法等の共押出Tダイ法、空冷式又は水冷式共押出インフレーション法、及びラミネート法が挙げられる。この中でも、共押出Tダイ法で製膜する方法が各層の厚さ制御に優れる点で特に好ましい。
ラミネート法としては、各層を形成する単層のシート又はフィルムを適当な接着剤を用いて貼り合せるドライラミネート法、押出ラミネート法、ホットメルトラミネート法、ウエットラミネート法、サーマル(熱)ラミネート法等、及びそれらの方法を組み合わせて用いることができる。また、コーティングによる方法で積層してもよい。
<包装体>
次に、上述した多層フィルム1を用いた、包装体の一例について説明する。
本実施形態の包装体は、上述した多層フィルムと、滅菌紙とを備え、多層フィルムのシーラント層の少なくとも一部が滅菌紙の表面にヒートシールされている。
本実施形態の包装体に適用可能な滅菌紙としては、シーラント層とヒートシール可能であり、通気性を有し、これを介した菌の透過を防止し(遮菌性を有し)、滅菌処理を施すことが可能な、紙を主たる構成材料とするシートであれば、特に限定されない。前記滅菌紙としては、「メディカD(王子エフテックス製)」等が挙げられる。
本実施形態の包装体を医療用包装体として用いる場合、滅菌紙は、通気性及び遮菌性を発揮し得る程度の小孔を有することが好ましい。具体的には、0.0001〜20dtexの範囲内の繊維で構成されるとともに、目付が10〜300g/mの滅菌紙であることが好ましい。
本実施形態の包装体は、底材を深絞り成形した後、ガーゼ等の内容物を充填し、その上に蓋材を被せてヒートシールすることにより、深絞り包装体として用いることができる。特に、上述した多層フィルムを深絞り包装体の底材として用いるとともに、滅菌紙を蓋材として用いる場合、良好な深絞り包装体を得ることができる。
本実施形態の包装体は、底材として用いる多層フィルムと、蓋材として用いる滅菌紙とを、ヒートシール等の接着手段により接着することにより作製することができる。具体的には、多層フィルムと滅菌紙との、好ましくは135〜155℃の温度範囲でのヒートシールにより、包装体を作製することができる。
また、本実施形態の包装体は、多層フィルム1と、滅菌紙と、のシール強度が、1.0〜7.7N/15mmであることが好ましく、1.2〜6.0N/15mmであることがより好ましい。上述したシール強度が、上記好ましい範囲の下限値以上であると、包装体の密封性がより高くなり、上限値以下であると、より良好な開封性(剥離時の繊維の裂けやケバ立ちの抑制)が得られる。
以上説明したように、本実施形態の多層フィルムによれば、表面層となるように設けられたシーラント層が、少なくとも直鎖状低密度ポリエチレンを含み、かつ、前記直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.93以上であるため、前記多層フィルムと滅菌紙とをヒートシールした包装体は、適切なシール強度を担保しつつ、滅菌紙を剥離した際に、底材の剥離面に紙残りが発生するのを抑制させることができ、衛生上問題のない包装体を提供できるという優れた効果を有する。
本実施形態の包装体は、多層フィルム1と滅菌紙とを備える構成であり、多層フィルム1と、滅菌紙と、のシール強度が、1.0〜7.7(N/15mm)である場合には、シール強度と易剥離性の点で、さらに優れたものとなる。
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。例えば、図1に示す多層フィルム1は、シーラント層2及び基材層3が、この順に積層された構成を有するが、これは一例であり、これに限定されるものではない。例えば、本発明の一実施形態に係る多層フィルムは、図2に示すように、シーラント層2、基材層30、基材層31、接着性樹脂層4及び耐ピンホール層5がこの順に積層された構造を有していてもよく、また、接着性樹脂層4及び耐ピンホール層5が、交互に2層ずつ積層したものであってもよいし、3層以上を交互に積層したものであってもよい。
また、多層フィルム1には、各層の間やシーラント層2と反対側の最表層に、別の機能を有する層を新たに設けてもよい。例えば、多層フィルム1に酸素ガスバリア性を付与する観点から、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂からなる樹脂層を設けてもよい。また、多層フィルム1に強度を付与する観点から、ポリプロピレン系樹脂(PP)からなる樹脂層を設けてもよい。また、多層フィルム1に柔軟性を付与する観点から、エチレン−酢酸ビニル共重合体層(EVA層)、又はポリエチレン層(PE層)からなる樹脂層を設けてもよい。
以下、実施例および比較例に基づき本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
<多層フィルムの作製>
(実施例1)
図1に示す構成を有し、さらに、図2に示す積層順で接着性樹脂層及び耐ピンホール層を備えた多層フィルムを、以下の手順で作製した。
先ず、耐ピンホール層に含まれる樹脂として、ナイロン(宇部興産社製、品番:1022B)を用意した。
また、接着性樹脂層(以下、単に「接着層」という)に含まれる樹脂として、接着性ポリエチレン系樹脂(三井化学株式会社製、品番:NF536)を用意した。
また、基材層に含まれる樹脂として、ポリエチレン(宇部丸善ポリエチレン社製、品番:F222NH)を用意した。
また、シーラント層に含まれる樹脂として、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、品番:4040FC、融点126℃)と、低密度ポリエチレン(LDPE)(宇部丸善ポリエチレン社製、品番:F222NH、融点110℃)とを用意し、これらを80:20の割合となるように混合(混練)した。得られたシーラント層に含まれる樹脂の密度(g/cm)は、0.938g/cmであった。
次に、シーラント層/基材層/接着性樹脂層/耐ピンホール層の順の4層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製(積層)した。
シーラント層の厚みは、12μmであり、基材層の厚みは、68μmであり、接着性樹脂層の厚みは、14μmであり、耐ピンホール層の厚みは、16μmであった。
なお、シーラント層に含まれる樹脂の密度は、JIS K7112の密度勾配管法に基づいて、比重測定装置(柴山科学器械製作所)を用いて測定した。
なお、融点は、示差走査熱量測定(DSC、日立ハイテクサイエンス社製、DSC6200)により、窒素雰囲気下で25℃〜300℃まで、昇温速度5℃/minで昇温後、25℃まで昇温速度−50℃/minで冷却し、再度25℃〜300℃まで昇温速度5℃/minで昇温し、再昇温時に測定して得た。
(実施例2)
シーラント層に含まれる樹脂として、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、品番:4040FC)の代わりに、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂(住友化学社製、品番:FV407、融点:124℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、シーラント層/基材層/接着性樹脂層/耐ピンホール層の順の4層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製(積層)した。得られたシーラント層に含まれる樹脂の密度(g/cm)は、0.930g/cmであった。
シーラント層の厚みは、14μmであり、基材層の厚みは、68μmであり、接着性樹脂層の厚みは、14μmであり、耐ピンホール層の厚みは、16μmであった。
(実施例3)
シーラント層に含まれる樹脂として、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、品番:4040FC)の代わりに、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂(プライムポリマー社製、品番:SP3530、融点:97、121、125℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、シーラント層/基材層/接着性樹脂層/耐ピンホール層の順の4層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製(積層)した。得られたシーラント層に含まれる樹脂の密度(g/cm)は、0.931g/cmであった。
シーラント層の厚みは、14μmであり、基材層の厚みは、68μmであり、接着性樹脂層の厚みは、14μmであり、耐ピンホール層の厚みは、16μmであった。
(実施例4)
シーラント層に含まれる樹脂として、低密度ポリエチレン(LDPE)を使用せず、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、品番:4040FC、融点126℃、密度0.938g/cm)のみを使用した以外は、実施例1と同様にして、シーラント層/基材層/接着性樹脂層/耐ピンホール層の順の4層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製(積層)した。得られたシーラント層に含まれる樹脂の密度(g/cm)は、0.938g/cmであった。
シーラント層の厚みは、12μmであり、基材層の厚みは、68μmであり、接着性樹脂層の厚みは、14μmであり、耐ピンホール層の厚みは、16μmであった。
(比較例1)
シーラント層に含まれる樹脂として、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、品番:4040FC)の代わりに、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂(ダウ・ケミカル社製、品番:5220G、融点:102、113、124℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、シーラント層/基材層/接着性樹脂層/耐ピンホール層の順の4層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製(積層)した。得られたシーラント層に含まれる樹脂の密度(g/cm)は、0.915g/cmであった。
シーラント層の厚みは、14μmであり、基材層の厚みは、68μmであり、接着性樹脂層の厚みは、14μmであり、耐ピンホール層の厚みは、16μmであった。
(比較例2)
シーラント層に含まれる樹脂として、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、品番:4040FC)の代わりに、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)樹脂(プライムポリマー社製、品番:2540R、融点:121℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、シーラント層/基材層/接着性樹脂層/耐ピンホール層の順の4層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製(積層)した。得られたシーラント層に含まれる樹脂の密度(g/cm)は、0.923g/cmであった。
シーラント層の厚みは、14μmであり、基材層の厚みは、68μmであり、接着性樹脂層の厚みは、14μmであり、耐ピンホール層の厚みは、16μmであった。
(比較例3)
シーラント層に含まれる樹脂として、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン(mLLDPE)樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、品番:4040FC)の代わりに、メタロセン触媒直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(宇部丸善ポリエチレン社製、品番:1540F、融点:114℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、シーラント層/基材層/接着性樹脂層/耐ピンホール層の順の4層構成の多層フィルムを押し出し加工にて作製(積層)した。得られたシーラント層に含まれる樹脂の密度(g/cm)は、0.913g/cmであった。
シーラント層の厚みは、14μmであり、基材層の厚みは、68μmであり、接着性樹脂層の厚みは、14μmであり、耐ピンホール層の厚みは、16μmであった。
<包装体の製造>
実施例及び比較例で得られた多層フィルムと、滅菌紙とを、滅菌紙側を熱板側になるように重ね、テフロン(登録商標)シートを乗せた後、オートカップシーラーを用いて下記の条件でシールして包装体の評価用サンプルを作製した。剥離はフィルムのMD方向及びTD方向で行った。
・シール圧力:2.0kgf/cm(0.2MPa)
・シール時間:3.0秒
・シール温度:130℃、140℃、150℃(10℃間隔にて、3条件)
<評価>
実施例及び比較例で得られた包装体の評価サンプルについて、ヒートシール性(シール強度)、剥離面の紙残りの評価、低分子量揮発成分の評価、設備汚染の評価、分子量分布の評価、及び熱板付着の評価を行った。
(ヒートシール性の評価)
ヒートシール性の評価は、引張試験機(株式会社エー・アンド・デイ社製、TENSILON RTG−1310)を用いて、シール幅15mmでのシール強度を測定することにより行った。剥離速度は、200mm/分で行なった。表1に、実施例及び比較例について、各シール温度で作製した評価サンプルのシール強度を示す。
(剥離面の紙残りの評価)
紙残りの評価は、5枚の上記の評価サンプルを用い、評価サンプルとなる包装体の蓋材と底材とを引き剥がすことにより行った。
評価は、引き剥がした後の蓋材と底材との剥離面をそれぞれ観察し、底材の剥離面の紙残りの有無を判定した。表1に、実施例及び比較例について、各シール温度で作製した評価サンプル中の紙残りがあるサンプルの数を示す。
Figure 2020022106
(低分子量揮発成分の評価)
低分子量揮発成分の評価は熱分解−GC−MS(熱分解装置:フロンティア・ラボ社製、PY−2020iD型加熱炉型熱分解装置、GC:アジレントテクノロジー社製、6890N型ガスクロマトグラフ、MS:アジレントテクノロジー社製、5975B型質量検出器)を用いてシーラント層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレン試料約27mg、加熱条件120℃×10分、加熱雰囲気ヘリウムで行った。検出成分の定量については、既知濃度のn−デカンのアセトン希釈用液を用いてGC−MS測定を行い、発生ガス成分のピーク面積値を比較することによって標準試料に対する換算定量値を合計し、試料重量に対する重量分率として算出した。表2に、実施例及び比較例について、各直鎖状低密度ポリエチレンの試料重量に対する重量分率を示す。
(設備汚染の評価)
設備汚染の評価は、実施例及び比較例で得られた多層フィルムを10cm角にカットし、アルミ箔と重ね、プレス機を用いて下記条件でプレスし、アルミ箔に移行する低分子量成分を観察することにより行った。
・プレス圧:10MPa
・プレス時間:10分
・プレス温度:110℃
評価基準を下記に示す。
A:アルミ箔に対し、低分子量成分の移行面積がアルミ箔全体の5%以下
B:アルミ箔に対し、低分子量成分の移行面積がアルミ箔全治の5%より多い
表2に、実施例及び比較例で得られた多層フィルムについて、評価結果を示す。なお、表中、「−」は、未評価であることを示す。
Figure 2020022106
(分子量分布の評価)
実施例および比較例の直鎖状低密度ポリエチレンの分子量分布(Mw/Mn)はGPC装置(装置:Agilent製PL−GPC220、カラム:Agilent PLgel Olexis×2本+Guard)を用いて、実施例および比較例の直鎖状低密度ポリエチレンをオルトジクロロベンゼンで溶離した後、温度145℃、濃度0.1wt/vol%、流速1.0ml/minでカラムに注入し示差屈折計にて溶出量を検出し、得られた溶出曲線から求めた。表3に、実施例及び比較例の直鎖状低密度ポリエチレンの分子量分布(Mw/Mn)及び数平均分子量(Mn)を示す。なお、表中、「−」は、未評価であることを示す。
(熱板付着の評価)
熱板付着の評価はGEA PowerPak ST 420を使用し、成形熱板をアルコールで清掃後、成形温度108℃、加熱時間9.9秒、シールなしの条件で7時間稼働させた後に、熱板表面をヘラで擦り付着物堆積の有無を確認した。表3に、実施例及び比較例について、熱板付着物堆積の有無を示す。
Figure 2020022106
表1に示すように、実施例1〜4では、シール温度140℃及び150℃の全ての評価サンプルにおいて、シール強度が1.2N/15mm以上であり、140℃及び150℃の温度範囲でヒートシール可能であって、ヒートシール性に優れていることが確認された。また、シール温度130℃及び140℃の全ての評価サンプルにおいて、剥離した際に剥離面に紙残りがなく、シール温度150℃でも、剥離面の紙残りは少なく、剥離面の紙残りが抑制されていることが確認された。
一方、シール温度が140℃及び150℃の場合には、シール温度が130℃の場合よりも、シール強度が高かった。このように、シール強度の高さと、剥離面の紙残りの抑制効果と、の両方に特に優れているのは、シール温度が140℃及び150℃の場合であった。
これに対して、比較例1〜3では、シール温度130℃以上の評価サンプルのいずれかにおいて、剥離面の顕著な紙残りが発生していた。とくに比較例3では、シール温度130℃以上の全ての評価サンプルにおいて、剥離面に顕著な紙残りが発生していた。
また、実施例1、3および4について、熱分解−GC−MSの結果を表2に示す。この結果より、実施例1および実施例4は実施例3と比較してGC−MSでの低分子量揮発成分量が少ないため、成形時にガスの発生が少なく、より設備汚染を防ぐことができると推察される。
また、実施例1〜3および比較例1〜3について、プレス機での設備汚染評価を表2に示す。この結果より、実施例1よりGC−MSでの低分子量揮発成分が多い実施例3は低分子量揮発成分の移行が多く、設備汚染しやすいことがわかる。
また、実施例1〜4および比較例1〜3について、DSC測定結果に基づく融点(融点ピーク温度)を表2に示す。この結果より、実施例1、2および4は実施例3と比較して、最も高い融点ピーク温度が120℃以上であり、最も低い融点ピークが100℃以下に存在しないため、より設備汚染を防ぐことができると推察される。
さらに、表3に示した、GPCによる分子量分布(Mw/Mn)の結果より、実施例1および4は、実施例3と比較して分子量分布が狭く、低分子量成分量が少ないため、成形時に熱板への付着異物の発生が少なく設備稼働時間が長くなっても付着異物の発生が無く、生産設備汚染を防ぐことができると考えられる。
本発明の多層フィルム、及び包装体は、ガーゼ、カテーテル等の医療用器具や医療用機器の包装体として利用可能性を有する。
1…多層フィルム
2…シーラント層
3…基材層
30…基材層1
31…基材層2
4…接着性樹脂層
5…耐ピンホール層
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
[1]表面層となるように設けられたシーラント層を、少なくとも備え、
前記シーラント層が、少なくとも直鎖状低密度ポリエチレンを含み、かつ、前記直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.93以上であり、
前記シーラント層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの分子量分布(Mw/Mn)が7.0以下であり、かつ、前記直鎖状低密度ポリエチレンの数平均分子量Mnが20000以上である、多層フィルム。
[2]前記シーラント層が、さらに、低密度ポリエチレンを含み、前記直鎖状低密度ポリエチレンと前記低密度ポリエチレンとの質量比が、50:50〜99:1の範囲である、[1]に記載の多層フィルム。
[3]前記シーラント層と隣接するように設けられ、ポリエチレン系樹脂を含む基材層を備える、[1]又は[2]に記載の多層フィルム。
[4]前記基材層が、直鎖状低密度ポリエチレンを含む、[3]に記載の多層フィルム。
[5]前記シーラント層と前記基材層との厚みの比が、1:0.5〜1:15の範囲である、[3]又は[4]に記載の多層フィルム。
[6]前記シーラント層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの低分子量揮発成分が0.1wt%以下である、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
[7]135〜155℃の範囲で、滅菌紙とヒートシールが可能である、[1]〜[]のいずれか一項に記載の多層フィルム。
][1]〜[]のいずれか一項に記載の多層フィルムと、滅菌紙と、を備え、
前記多層フィルムのシーラント層の少なくとも一部が前記滅菌紙の表面にヒートシールされた、包装体。
]前記多層フィルムと、前記滅菌紙と、のシール強度が、1.0〜7.7(N/15mm)である、[]に記載の包装体。

Claims (10)

  1. 表面層となるように設けられたシーラント層を、少なくとも備え、
    前記シーラント層が、少なくとも直鎖状低密度ポリエチレンを含み、かつ、前記直鎖状低密度ポリエチレンの密度が0.93以上である、多層フィルム。
  2. 前記シーラント層が、さらに、低密度ポリエチレンを含み、前記直鎖状低密度ポリエチレンと前記低密度ポリエチレンとの質量比が、50:50〜99:1の範囲である、請求項1に記載の多層フィルム。
  3. 前記シーラント層と隣接するように設けられ、ポリエチレン系樹脂を含む基材層を備える、請求項1又は2に記載の多層フィルム。
  4. 前記基材層が、直鎖状低密度ポリエチレンを含む、請求項3に記載の多層フィルム。
  5. 前記シーラント層と前記基材層との厚みの比が、1:0.5〜1:15の範囲である、請求項3又は4に記載の多層フィルム。
  6. 前記シーラント層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの低分子量揮発成分が0.1wt%以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  7. 前記シーラント層に含まれる直鎖状低密度ポリエチレンの分子量分布(Mw/Mn)が7.0以下であり、かつ、前記直鎖状低密度ポリエチレンの数平均分子量Mnが20000以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  8. 135〜155℃の範囲で、滅菌紙とヒートシールが可能である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の多層フィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載の多層フィルムと、滅菌紙と、を備え、
    前記多層フィルムのシーラント層の少なくとも一部が前記滅菌紙の表面にヒートシールされた、包装体。
  10. 前記多層フィルムと、前記滅菌紙と、のシール強度が、1.0〜7.7(N/15mm)である、請求項9に記載の包装体。
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