JPWO2020012978A1 - 接着剤組成物、積層体及び接着シート - Google Patents

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Abstract

(A)下記一般式(1)で表されるビスマレイミド樹脂と、(B)下記一般式(2)で表されるエポキシ樹脂と、(C)硬化促進剤と、を含有する接着剤組成物。【化1】[式(1)中、R1はダイマー酸に由来する2価の炭化水素基を示し、Qは置換又は非置換の炭素数1〜100の脂肪族基、置換又は非置換の芳香族基、或いは、置換又は非置換のヘテロ芳香族基を示し、nは0〜100の整数を示す。]【化2】[式(2)中、R2は水素原子又はメチル基を示し、mは0〜30の整数を示す。]

Description

本開示は、接着剤組成物、積層体及び接着シートに関する。より詳しくは、本開示は、樹脂基材と樹脂基材又は金属基材との接着に用いられる接着剤組成物に関し、特に液晶ポリマー(以下、「LCP」と略す)等の低誘電特性を有する基材との接着に用いられる接着剤組成物に関する。
近年、プリント配線板における伝送信号の高速化に伴い、信号の高周波化が進んでいる。これに伴い、フレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」と略す)には、高周波領域での低誘電特性(低誘電率、低誘電正接)の要求が高まっている。このような要求に対して、FPCに用いられる基材フィルムとして、従来のポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、低誘電特性を有するLCP、シンジオタクチックポリスチレン(SPS)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等の基材フィルムが提案されている。
しかしながら、低誘電特性を有する基材フィルムは、低極性のため、従来のエポキシ系接着剤又はアクリル系接着剤を用いた場合、接着力が弱く、カバーレイフィルム及び積層板等のFPC用部材の作製が困難であった。また、エポキシ系接着剤及びアクリル系接着剤は、低誘電特性に優れず、FPCの誘電特性を損なうという問題がある。
一方、ポリオレフィン樹脂は、低誘電特性を有することが知られている。そこで、ポリオレフィン樹脂を用いたFPC用接着剤組成物が提案されている。例えば、特許文献1では、FPCの電気特性を高めるために、オレフィン骨格を導入した変性ポリアミド接着剤組成物が提案されている。また、特許文献2では、芳香族オレフィンオリゴマー型改質剤とエポキシ樹脂を用いた接着剤及びフレキシブルプリント配線板用カバーレイが提案されている。
特開2007−284515号公報 特開2007−63306号公報
しかしながら、特許文献1及び2に記載された接着剤組成物は、ポリイミドフィルムとの接着性は得られるものの、LCP等の低誘電特性を有する基材フィルムとの接着性が得られ難いという問題がある。また、特許文献1及び2に記載された接着剤組成物は、誘電特性が劣るという問題がある。
また、LCP基材を用いる場合は、接着剤を用いずにLCPを溶融させ、銅箔と貼り合せて2層基板を作製する方法がある。しかしながらこの方法は、高温で貼り合せる装置又は機台が必要であったり、加工時にシワが入りやすく、歩留まりが低下したりするという問題がある。
本開示は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、LCP等の基材と良好な接着性を有し、且つ低誘電特性にも優れた接着剤組成物、それを用いた積層体及び接着シートを提供することを目的とする。
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、ダイマー酸に由来する構造を有する特定のビスマレイミド樹脂を含有し、さらに特定の構造を持ったエポキシ樹脂と、硬化促進剤とを含有する接着剤組成物が、優れた低誘電特性を発現するとともに、LCP等の低誘電特性を有する樹脂基材と高い接着性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本開示は、以下の発明を提供する。
[1](A)下記一般式(1)で表されるビスマレイミド樹脂と、(B)下記一般式(2)で表されるエポキシ樹脂と、(C)硬化促進剤と、を含有する接着剤組成物。
Figure 2020012978
[式(1)中、Rはダイマー酸に由来する2価の炭化水素基を示し、Qは置換又は非置換の炭素数1〜100の脂肪族基、置換又は非置換の芳香族基、或いは、置換又は非置換のヘテロ芳香族基を示し、nは0〜100の整数を示す。]
Figure 2020012978
[式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、nは0〜30の整数を示す。]
[2]上記(C)成分が、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩化合物、イミダゾール化合物及びアミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、上記[1]に記載の接着剤組成物。
[3]上記(B)成分の含有量が、上記(A)成分及び上記(B)成分の総量を100質量部として10〜40質量部である、上記[1]又は[2]に記載の接着剤組成物。
[4]上記(C)成分の含有量が、上記(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜5.0質量部である、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の接着剤組成物。
[5]樹脂基材と、樹脂基材又は金属基材との接着に用いられる、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の接着剤組成物。
[6]基材と、該基材上に上記[1]〜[5]のいずれかに記載の接着剤組成物を用いて形成された接着剤層と、を備える積層体。
[7]上記[1]〜[5]のいずれかに記載の接着剤組成物によって接着された、樹脂基材と、樹脂基材又は金属基材とを備える積層体。
[8]上記[6]又は[7]に記載の積層体を備える接着シート。
本開示によれば、LCP等の基材と良好な接着性を有し、且つ低誘電特性にも優れた接着剤組成物、それを用いた積層体及び接着シートを提供することができる。
以下、本開示をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
[接着剤組成物]
本実施形態の接着剤組成物は、(A)一般式(1)で表されるビスマレイミド樹脂(以下、「(A)成分」ともいう)と、(B)一般式(2)で表されるエポキシ樹脂(以下、「(B)成分」ともいう)と、(C)硬化促進剤(以下、「(C)成分」ともいう)と、を含有する。また、本実施形態の接着剤組成物は、(D)有機溶剤(以下、「(D)成分」ともいう)を含有していてもよい。
<(A)成分:ビスマレイミド樹脂>
(A)ビスマレイミド樹脂は、下記一般式(1)で表される化合物であり、ダイマー酸から誘導されたジアミンであるダイマージアミンとテトラカルボン酸二無水物とマレイン酸無水物とを反応させて得ることができる。
Figure 2020012978
式(1)中、Rはダイマー酸に由来する2価の炭化水素基を示し、Qは置換又は非置換の炭素数1〜100の脂肪族基、置換又は非置換の芳香族基、或いは、置換又は非置換のヘテロ芳香族基を示し、nは0〜100の整数を示す。式(1)中のQは、LCP等の低誘電特性を有する樹脂基材に対するより優れた接着性、及び、より優れた低誘電特性を得る観点から、非置換の芳香族基であることが好ましい。また、式(1)中のnは、LCP等の低誘電特性を有する樹脂基材に対するより優れた接着性、及び、より優れた低誘電特性を得る観点から、5〜30の整数であることが好ましい。
ダイマージアミンは、例えば、特開平9−12712号公報に記載されているように、オレイン酸等の不飽和脂肪酸の二量体であるダイマー酸から誘導される化合物である。本実施形態では、公知のダイマージアミンを特に制限なく使用できるが、例えば下記一般式(3)及び/又は一般式(4)で表されるものが好ましい。
Figure 2020012978
Figure 2020012978
式(3)及び(4)中、p、q、r及びsはそれぞれ、p+q=6〜17、r+s=8〜19となるように選ばれる1以上の整数を示し、1〜12の整数であってもよい。また、式(3)及び(4)中、破線で示した結合は、炭素−炭素単結合又は炭素−炭素二重結合を意味する。但し、破線で示した結合が炭素−炭素二重結合である場合、式(3)及び(4)は、炭素−炭素二重結合を構成する各炭素原子に結合する水素原子の数を、式(3)及び(4)に示した数から1つ減じた構造となる。
ダイマージアミンとしては、得られるビスマレイミド樹脂の有機溶剤溶解性、及び、当該ビスマレイミド樹脂を接着剤組成物の材料に用いた場合の接着剤組成物の耐熱性、耐熱接着性、低粘度等の観点から、上記一般式(4)で表されるものが好ましく、特に下記式(4−1)で表される化合物が好ましい。
Figure 2020012978
ダイマージアミンの市販品としては、例えば、PRIAMINE1075、PRIAMINE1074(いずれもクローダジャパン株式会社製)等が挙げられる。
テトラカルボン酸二無水物としては、例えば、無水ピロメリット酸;1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物;1,4,5,8−ナフタレンテトラカルボン酸二無水物;3,4,9,10−ペリレンテトラカルボン酸二無水物;ビシクロ(2.2.2)オクト−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物;ジエチレントリアミンペンタ酢酸二無水物;エチレンジアミン四酢酸二無水物;3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;4,4’−オキシジフタル酸無水物;3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物;4,4’−ビスフェノールA ジフタル酸無水物;5−(2,5−ジオキシテトラヒドロ)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン無水物;エチレングリコールビス(トリメリット酸無水物);ヒドロキノンジフタル酸無水物;アリルナディック酸無水物(allyl nadic anhydride);2−オクテン−1−イルコハク酸無水物;1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物;3,4,5,6−テトラヒドロフタル酸無水物等が挙げられる。なかでも、耐熱性の観点から無水ピロメリット酸が好ましい。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
(A)ビスマレイミド樹脂の重量平均分子量は、LCP等の低誘電特性を有する樹脂基材に対するより優れた接着性、及び、より優れた低誘電特性を得る観点から、3000〜70000であることが好ましく、5000〜50000であることがより好ましく、7000〜30000であることが更に好ましい。
(A)ビスマレイミド樹脂は、市販の化合物を用いることもでき、具体的には例えば、DESIGNER MOLECURES Inc.製のBMI−3000(ダイマージアミン、ピロメリット酸二無水物及びマレイン酸無水物より合成)、BMI−1500、BMI−1700、BMI−5000等を好適に用いることができる。
<(B)成分:エポキシ樹脂>
(B)エポキシ樹脂は、下記一般式(2)で表されるものであれば、特に限定されないが、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。(B)エポキシ樹脂としては、(A)ビスマレイミド樹脂との相溶性の観点から、液状のビスフェノールA型エポキシ樹脂又は液状のビスフェノールF型エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
Figure 2020012978
式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは0〜30の整数を示す。式(2)中のmは、LCP等の低誘電特性を有する樹脂基材に対するより優れた接着性、及び、より優れた低誘電特性を得る観点から、0〜10の整数であることが好ましい。
(B)エポキシ樹脂の含有量としては、(A)成分及び(B)成分の総量を100質量部として、10〜40質量部であることが好ましく、10〜30質量部であることがより好ましく、12〜25質量部であることがさらに好ましく、15〜20質量部であることが特に好ましい。(B)成分の含有量が10質量部以上であると、LCP基材とのより優れた接着強度が得られ易い傾向があり、40質量部以下であると、より優れた低誘電特性が得られ易い傾向がある。
<(C)成分:硬化促進剤>
(C)硬化促進剤は、特に限定されないが、例えば、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩化合物、イミダゾール化合物及びアミン化合物等が挙げられる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでもホスホニウム塩化合物又はイミダゾール化合物が、特に優れた触媒としての機能を有するものであることから好ましい。
ホスフィン化合物としては、例えば、エチルホスフィン、プロピルホスフィンのようなアルキルホスフィン、フェニルホスフィン等の1級ホスフィン;ジメチルホスフィン、ジエチルホスフィンのようなジアルキルホスフィン、ジフェニルホスフィン、メチルフェニルホスフィン、エチルフェニルホスフィン等の2級ホスフィン;トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリオクチルホスフィンのようなトリアルキルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリフェニルホスフィン、アルキルジフェニルホスフィン、ジアルキルフェニルホスフィン、トリベンジルホスフィン、トリトリルホスフィン、トリ−p−スチリルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、トリ−4−メチルフェニルホスフィン、トリ−4−メトキシフェニルホスフィン、トリ−2−シアノエチルホスフィン等の3級ホスフィンなどが挙げられる。なかでも、3級ホスフィンが好ましく使用される。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
ホスホニウム塩化合物としては、テトラフェニルホスホニウム、アルキルトリフェニルホスホニウム、テトラアルキルホスホニウム等を有する化合物が挙げられ、具体的には、テトラフェニルホスホニウム−チオシアネート、テトラフェニルホスホニウム−テトラ−p−メチルフェニルボレート、ブチルトリフェニルホスホニウム−チオシアネート、テトラフェニルホスホニウム−フタル酸、テトラブチルホスホニウム−1,2−シクロへキシルジカルボン酸、テトラブチルホスホニウム−1,2−シクロへキシルジカルボン酸、テトラブチルホスホニウム−ラウリン酸等が挙げられる。
イミダゾール化合物としては、例えば、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ビニル−2−メチルイミダゾール、1−プロピル−2−メチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノメチル−2−メチル−イミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。これらの中でも、イミダゾール化合物としては、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、及び2−エチル−4−メチルイミダゾールが好ましい。これらの化合物を用いることにより、(A)ビスマレイミド樹脂の反応がより促進され、更にLCP等の低誘電特性を有する樹脂基材に対するより高い接着性が得られ易い。
アミン化合物としては、例えば、トリエチルアミン、ジメチルベンジルアミン、トリエチレンジアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン等が挙げられる。
(C)硬化促進剤の含有量は、特に限定されないが、LCP等の基材との接着性、及び、得られる硬化物の耐熱性をより向上する観点から、(A)成分のビスマレイミド樹脂と(B)成分のエポキシ樹脂との総量100質量部に対して、0.1〜5.0質量部であることが好ましく、1.0〜3.0質量部であることがより好ましい。
<(D)成分:有機溶剤>
本実施形態の接着剤組成物は、さらに(D)有機溶剤を含有することができる。本実施形態で用いる有機溶剤は、(A)ビスマレイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂、及び(C)硬化促進剤を溶解させるものであれば、特に限定されない。(D)有機溶剤として具体的には、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族系炭化水素;シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロへキサン等の脂環族炭化水素;トリクロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベンゼン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素;メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、プロパンジオール、フェノール等のアルコール系溶剤;アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系溶剤;メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のセルソルブ類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、ギ酸ブチル等のエステル系溶剤;エチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノiso−ブチルエーテル、エチレングリコールモノtert−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノiso−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノn−ブチルエーテ等のグリコールエーテル系溶剤などを使用することができる。これらは1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい態様としては、芳香族炭化水素であり、なかでもトルエン又はキシレンを用いることが好ましい。
本実施形態の接着剤組成物の調製は、一般的に採用されている方法に準じて実施される。調製方法としては例えば、溶融混合、粉体混合、溶液混合等の方法が挙げられる。また、この際には、本実施形態の必須成分以外の、例えば、無機充填材、離型剤、難燃剤、イオントラップ剤、酸化防止剤、接着付与剤、低応力剤、着色剤、カップリング剤等を、本開示の効果を損なわない範囲において配合してもよい。
<無機充填材>
無機充填材は、接着剤組成物の熱膨張率低下及び耐湿信頼性向上のために添加される。
該無機充填材としては、例えば、溶融シリカ、結晶性シリカ、クリストバライト等のシリカ類、アルミナ、窒化珪素、窒化アルミニウム、ボロンナイトライド、酸化チタン、ガラス繊維、酸化マグネシウムなどが挙げられる。これらの無機充填材の平均粒径及び形状は、用途に応じて選択することができる。なかでも球状アルミナ、球状溶融シリカ、ガラス繊維等が好ましい。
<離型剤>
離型剤は、金型からの離型性を向上させるために添加される。該離型剤としては、例えば、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ポリエチレン、酸化ポリエチレン、ポリプロピレン、モンタン酸、モンタン酸と飽和アルコール、2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)エタノール、エチレングリコール、グリセリン等とのエステル化合物であるモンタンワックス、ステアリン酸、ステアリン酸エステル、ステアリン酸アミドなど、公知のものを全て使用することができる。
<難燃剤>
難燃剤は、難燃性を付与するために添加される。該難燃剤は公知のものを全て使用することができ、特に制限されない。該難燃剤としては、例えば、ホスファゼン化合物、シリコーン化合物、モリブデン酸亜鉛担持タルク、モリブデン酸亜鉛担持酸化亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化モリブデン等が挙げられる。
<イオントラップ剤>
イオントラップ剤は、液状の接着剤組成物中に含まれるイオン不純物を捕捉し、熱劣化及び吸湿劣化を防ぐために添加される。イオントラップ剤は公知のものを全て使用することができ、特に制限されない。イオントラップ剤としては、例えば、ハイドロタルサイト類、水酸化ビスマス化合物、希土類酸化物等が挙げられる。
[積層体]
本実施形態の積層体は、基材に接着剤組成物を積層したもの(基材/接着剤層の2層積層体)、又は、さらに基材を貼り合わせたもの(基材/接着剤層/基材の3層積層体)である。ここで、接着剤層とは、本実施形態の接着剤組成物を基材に塗布し、乾燥させた後の接着剤組成物の層をいう。本実施形態の接着剤組成物を、常法に従い、各種基材に塗布、乾燥すること、及びさらに他の基材を積層することにより、本実施形態の積層体を得ることができる。
<基材>
本実施形態において基材とは、本実施形態の接着剤組成物を塗布、乾燥し、接着剤層を形成できるものであれば特に限定されるものではないが、フィルム状樹脂等の樹脂基材、金属板及び金属箔等の金属基材、紙類などを挙げることができる。
樹脂基材の材質としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリオレフィン系樹脂、及びフッ素系樹脂等を例示することができる。樹脂基材として好ましくは、フィルム状樹脂(以下、「基材フィルム層」ともいう)である。
金属基材としては、回路基板に使用可能な任意の従来公知の導電性材料が使用可能である。素材としては、SUS、銅、アルミニウム、鉄、スチール、亜鉛、ニッケル等の各種金属、及びそれぞれの合金、めっき品、亜鉛又はクロム化合物等の他の金属で処理した金属などを例示することができる。金属基材として好ましくは金属箔であり、より好ましくは銅箔である。金属箔の厚さについては特に限定はないが、好ましくは1μm以上であり、より好ましくは3μm以上であり、さらに好ましくは10μm以上である。また、金属箔の厚さは、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは30μm以下であり、さらに好ましくは20μm以下である。厚さが薄すぎる場合には、回路の充分な電気的性能が得られにくい場合があり、一方、厚さが厚すぎる場合には回路作製時の加工能率等が低下する場合がある。金属箔は、通常、ロール状の形態で提供されているが、後述するようなプリント配線板を製造する際に使用される金属箔の形態は特に限定されない。リボン状の形態の金属箔を用いる場合、その長さは特に限定されない。また、その幅も特に限定されないが、250〜500cm程度であることが好ましい。
紙類としては、上質紙、クラフト紙、ロール紙、グラシン紙等を例示することができる。また、複合素材として、ガラスエポキシ等を例示することができる。
接着剤組成物との接着力、耐久性の観点から、基材の材質としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、SUS鋼板、銅箔、アルミ箔、又はガラスエポキシが好ましい。
<接着シート>
本実施形態の接着シートは、上述した積層体を備えるものであり、例えば、上記積層体と離型基材とを接着剤組成物を介して積層したものである。具体的な構成態様としては、積層体(基材/接着剤層)/離型基材、積層体(基材/接着剤層/基材)/接着剤層/離型基材、又は離型基材/接着剤層/積層体(基材/接着剤層/基材)/接着剤層/離型基材などが挙げられる。離型基材を積層することで接着シートを構成する接着剤層の保護層として機能する。また、離型基材を使用することで、接着シートから離型基材を離型して、さらに別の基材に接着剤層を転写することができる。
本実施形態の接着シートは、本実施形態の接着剤組成物を、常法に従い、各種積層体に塗布、乾燥することにより得ることができる。また、乾燥後、接着剤層に離型基材を貼付けると、積層体を構成する基材への裏移りを起こすことなく巻き取りが可能になり、操業性に優れるとともに、接着剤層が保護されることから保存性に優れ、使用も容易となる。
また、離型基材に接着剤組成物を塗布、乾燥後、必要に応じて別の離型基材を貼付すれば、接着剤層そのものを他の基材に転写することも可能になる。
<離型基材>
離型基材としては、特に限定されるものではないが、例えば、上質紙、クラフト紙、ロール紙、グラシン紙等の紙の両面に、クレー、ポリエチレン、ポリプロピレン等の目止剤の塗布層を設け、さらにその各塗布層の上にシリコーン系、フッ素系、アルキド系の離型剤が塗布されたものが挙げられる。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体等の各種オレフィンフィルム単独、及びポリエチレンテレフタレート等のフィルム上に上記離型剤を塗布したものも挙げられる。離型基材と接着剤層との離型力、シリコーンが電気特性に悪影響を与える等の理由から、上質紙の両面にポリプロピレン目止処理しその上にアルキド系離型剤を用いたもの、又はポリエチレンテレフタレート上にアルキド系離型剤を用いたものが好ましい。
なお、本実施形態において接着剤組成物を基材上にコーティングする方法としては、特に限定されないが、コンマコーター、リバースロールコーター等が挙げられる。もしくは、必要に応じて、プリント配線板の構成材料である圧延銅箔、又はポリイミドフィルムに直接もしくは転写法で接着剤層を設けることもできる。乾燥後の接着剤層の厚さは、必要に応じて、適宜変更されるが、好ましくは5〜200μmの範囲である。接着剤層の厚さが5μm未満では、接着強度が不十分となる場合がある。厚さが200μm以上では乾燥が不十分で残留溶剤が多くなる場合があり、プリント配線板製造のプレス時にフクレを生じるおそれがあるという問題点が挙げられる。乾燥条件は特に限定されないが、乾燥後の残留溶剤率は1質量%以下が好ましい。1質量%超では、プリント配線板製造のプレス時に残留溶剤が発泡して、フクレを生じ易いという問題点が挙げられる。
<プリント配線板>
本実施形態におけるプリント配線板は、導体回路を形成する金属箔と樹脂基材とから形成された積層体を構成要素として含むものである。プリント配線板は、例えば、金属張積層体を用いてサブトラクティブ法等の従来公知の方法により製造することができる。本実施形態におけるプリント配線板は、必要に応じて金属箔によって形成された導体回路を、部分的、或いは全面的にカバーフィルム又はスクリーン印刷インキ等を用いて被覆した、いわゆるフレキシブル回路板(FPC)、フラットケーブル、テープオートメーティッドボンディング(TAB)用の回路板などを総称している。
本実施形態のプリント配線板は、プリント配線板として採用され得る任意の積層構成とすることができる。例えば、基材フィルム層、金属箔層、接着剤層、及びカバーフィルム層の4層から構成されるプリント配線板とすることができる。また例えば、基材フィルム層、接着剤層、金属箔層、接着剤層、及びカバーフィルム層の5層から構成されるプリント配線板とすることができる。
さらに、必要に応じて、上記のプリント配線板を2つもしくは3つ以上積層した構成とすることもできる。
本実施形態の接着剤組成物は、プリント配線板の各接着剤層に好適に使用することが可能である。特に本実施形態の接着剤組成物を接着剤として使用すると、プリント配線板を構成する従来のポリイミド、ポリエステルフィルム、銅箔だけでなく、LCP等の低極性の樹脂基材と高い接着性を有し、耐はんだリフロー性を得ることができ、接着剤層自身が低誘電特性に優れる。そのため、カバーレイフィルム、積層板、樹脂付き銅箔及びボンディングシートに用いる接着剤組成物として好適である。
本実施形態のプリント配線板において、基材フィルムとしては、従来からプリント配線板の基材として使用されている任意の樹脂フィルムが使用可能である。基材フィルムの樹脂としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリオレフィン系樹脂、及びフッ素系樹脂等を例示することができる。本実施形態の接着剤組成物は、特に、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリオレフィン系樹脂等の低極性基材に対しても、優れた接着性を有する。
<カバーフィルム>
カバーフィルムとしては、プリント配線板用の絶縁フィルムとして従来公知の任意の絶縁フィルムが使用可能である。例えば、ポリイミド、ポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、アラミド、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリイミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、ポリフェニレンスルフィド、シンジオタクチックポリスチレン、ポリオレフィン系樹脂等の各種ポリマーから製造されるフィルムが使用可能である。より好ましくは、ポリイミドフィルム又は液晶ポリマーフィルムである。
以下、実施例及び比較例に基づいて本開示をより具体的に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
[物性評価方法]
<重量平均分子量(Mw)>
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した。テトラヒドロフラン(THF)にビスマレイミド樹脂を濃度3質量%となるように溶解させたサンプルを、30℃に加温されたカラム(GL−R420(株式会社日立ハイテクフィールディング製)×1本、GL−R430(株式会社日立ハイテクフィールディング製)×1本、GL−R440(株式会社日立ハイテクフィールディング製)×1本)に50μL注入し、展開溶媒としてTHFを用い、流速1.6mL/minの条件で測定を行った。なお、検出器には、L−3350 RI検出器(株式会社日立製作所製)を用い、溶出時間から標準ポリスチレン(東ソー株式会社製)を用いて作製した分子量/溶出時間曲線により重量平均分子量(Mw)を換算した。
<相溶性>
相溶性とは、(A)ビスマレイミド樹脂、(B)エポキシ樹脂、(C)硬化促進剤、及び(D)有機溶剤を配合し、後述する実施例1の条件で攪拌した後の配合物を目視で観察した状態を指す。相溶性が良好な場合、析出物等がなく、基材への塗布等が可能であることを指し、相溶性が悪い場合、析出物等があり、基材への塗布等が困難となることを指す。相溶性が悪いものについては、フィルム化が困難であることから、他の物性評価を行わなかった。
(評価基準)
○:析出物無し(透明)
△:析出物無し(濁り有り)
×:析出物有り
<樹脂フィルムの作製>
後述する実施例及び比較例で得られた接着剤組成物を、アプリケータを用いて、ピューレックス(登録商標)A31(ポリエステルフィルム、帝人デュポン株式会社製、商品名)の上に乾燥後の厚さが65μmとなるように塗布し、オーブンを用いて130℃、10分間の乾燥処理を行い、樹脂フィルムを作製した。
<接着強度>
ピューレックスA31を剥離した樹脂フィルムと、厚さ0.7mmのガラス板と、厚さ75μmのLCPフィルム(株式会社クラレ製、商品名「ベクスター」)とを、樹脂フィルムが真ん中になるように積層し、熱プレスにて200℃、2MPa、1時間の条件で熱圧着し、ガラス板、樹脂フィルムの硬化物、LCPフィルムがこの順に積層されてなる積層体を得た。得られた積層体のLCPフィルムを剥離することで接着強度を測定した。剥離強度は、90°剥離測定機(株式会社山電製、商品名「RHEONER II CREEP METER RE2−3305B」)を用いて、常温で引張速度5mm/sで測定した。また、剥離時の剥離位置(剥離モード)を観察した。剥離モードは、「界面剥離」よりも「基材破壊」の方が、接着強度が高いことを意味する。
<誘電率及び誘電正接>
ピューレックスA31を剥離した樹脂フィルムと、2枚の銅箔(商品名「F2WS−18」、古河電工株式会社製)とを、銅箔の粗化面が樹脂フィルムと対面するように積層し、熱プレスにて200℃、2MPa、1時間の条件で熱圧着し、銅箔、樹脂フィルムの硬化物、銅箔がこの順に積層されてなる銅箔積層体を得た。得られた銅箔積層体の両面の銅箔をエッチングにより除去し、130℃で30分乾燥させた後、5cm×5cmの試験片を作製し、誘電率測定機(アジレント・テクノロジー社製、商品名「E4980A プレシジョンLCRメータ」)にて周波数1MHzでの誘電率及び誘電正接を測定した。
[ビスマレイミド樹脂の合成]
<合成例1>
冷却器、窒素導入管、熱伝対、攪拌機を備えた1Lのフラスコ容器に、ピロメリット酸二無水物(株式会社ダイセル製)60.8質量部、メシチレン(東洋合成工業株式会社製)400.4質量部、及びエタノール(和光純薬工業株式会社製)90.7質量部を投入した。投入後、80℃に昇温し、0.5時間保温し、ダイマージアミン(商品名「PRIAMINE1075」、クローダジャパン株式会社製)201.3質量部を滴下した。滴下後、メタンスルホン酸(和光純薬工業株式会社製)4.3質量部を加えた。その後165℃に昇温し、165℃で1時間脱水閉環反応を行い、反応液中の水とエタノールを除去し、中間体のポリイミド樹脂を得た。続いて、得られたポリイミド樹脂を80℃に冷却し、無水マレイン酸(扶桑化学工業株式会社製)27.3質量部を加え、160℃に昇温し、160℃で2時間脱水閉環反応を行い、反応液中の水を除去し、ビスマレイミド樹脂を得た。
得られたビスマレイミド樹脂を分液ロートに入れ、純水1000質量部を投入し、分液ロートを振り混ぜ、静置させた。静置後、水層と有機層が分離した後、有機層のみを回収した。回収した有機層を冷却器、窒素導入管、熱伝対、攪拌機、真空ポンプを備えた1Lのガラス製容器に投入し、88〜93℃に昇温し、水を除去した後、150℃に昇温し、大気圧から0.1MPa減圧した状態で1時間溶剤を除去し、(A)成分のビスマレイミド樹脂(A−1)(重量平均分子量16000)を得た。
<合成例2>
テトラカルボン酸二無水物として、ピロメリット酸二無水物の代わりに4,4’−オキシジフタル酸無水物を86.4質量部用いたこと以外は、合成例1と同様にして、(A)成分のビスマレイミド樹脂(A−2)(重量平均分子量17000)を得た。
[実施例1]
撹拌機を備えた500mlの四つ口フラスコに、合成例1で得られたビスマレイミド樹脂(A−1)を90質量部、エポキシ樹脂(商品名「jER−825」、三菱ケミカル株式会社製)を10質量部、トルエンを100質量部仕込み、3時間撹拌した。得られた溶液に、硬化促進剤(商品名「TBP−3S」、北興化学株式会社製)を2質量部配合し、さらに0.5時間攪拌して、接着剤組成物を得た。各成分の配合量、及び、物性評価結果を表1に示す。なお、表1において、(A)〜(D)成分の量は質量部を示す。
[実施例2〜12、比較例1〜13]
ビスマレイミド樹脂、エポキシ樹脂、又は硬化促進剤の種類及び配合量を、表1又は表2に示す内容に変更したこと以外は実施例1と同様にして、実施例2〜12、比較例1〜13の接着剤組成物を得た。各成分の配合量、及び、物性評価結果を表1及び表2に示す。なお、表1及び表2において、(A)〜(D)成分の量は質量部を示す。また、(A)〜(D)成分の詳細は以下の通りである。(B)成分において、(B−1)〜(B−2)は一般式(2)を満たすエポキシ樹脂であり、(B−3)〜(B−13)は一般式(2)を満たさないエポキシ樹脂である。
(A)成分:ビスマレイミド樹脂
(A−1)合成例1のビスマレイミド樹脂(重量平均分子量16000)
(A−2)合成例2のビスマレイミド樹脂(重量平均分子量17000)
(B)成分:エポキシ樹脂
(B−1)ビスフェノールA型エポキシ樹脂:jER−825(三菱ケミカル株式会社製)
(B−2)ビスフェノールF型エポキシ樹脂:YDF−8170C(新日鉄住金化学株式会社製)
(B−3)4,4’−メチレンビス(N,N−ジグリシジルアニリン)(東京化成工業株式会社製)(以下、「MBDGA」と略す)
(B−4)ナフタレン骨格変性多官能型エポキシ樹脂:HP−5000(DIC株式会社製)
(B−5)ナフタレン型エポキシ樹脂:HP−6000(DIC株式会社製)
(B−6)クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:N−670(DIC株式会社製)
(B−7)ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂:NC−3000H(日本化薬株式会社製)
(B−8)ビスフェノール型柔軟性エポキシ樹脂:EXA−4850−150(DIC株式会社製)
(B−9)ナフタレン型エポキシ樹脂:HP−4710(DIC株式会社製)
(B−10)ナフタレン型エポキシ樹脂:NC−7000L(日本化薬株式会社製)
(B−11)ビスフェノールS型エポキシ樹脂:EXA−1514(DIC株式会社製)(B−12)o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂:YDCN−700−10(新日鉄住金化学株式会社製)
(B−13)トリフェノールメタン型エポキシ樹脂:HPPN−501H(日本化薬株式会社製)
(C)成分:硬化促進剤
(C−1)テトラブチルホスホニウム−1,2−シクロへキシルジカルボン酸(カチオン種:アニオン種=1:1):TBP−3S(北興化学株式会社製)
(C−2)1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール:2PZCN(四国化成株式会社製)
(C−3)1,2−ジメチルイミダゾール:1,2−DMZ(四国化成株式会社製)
(C−4)ジメチルベンジルアミン:DMBA(富士フィルム和光純薬株式会社製)
Figure 2020012978
Figure 2020012978
表1及び表2において、接着強度「>2.0kN/m」は装置の測定限界を示す。但し、接着強度が「>2.0kN/m」であったものについても、手で引っ張ること等により少なくとも一部を剥離させ、その時の破壊モードを評価した。
表1及び表2に示した結果から明らかなように、本開示のビスマレイミド樹脂とエポキシ樹脂と硬化促進剤とを含有する接着剤組成物(実施例)は、LCPと高い接着強度を示すことが確認された。さらに、本開示の接着剤組成物(実施例)は、誘電率及び誘電正接も低く、低誘電特性に優れていることが確認された。
本開示で接着剤組成物がLCPと高い接着強度を示したメカニズムとしては、ビスマレイミド樹脂とエポキシ樹脂の相溶性が関係していると考えている。ビスマレイミド樹脂とエポキシ樹脂の相溶性が良い場合、マレイミド基とエポキシ基が均一に共重合し、ヒドロキシ基が分散することでLCPとヒドロキシ基が相互作用して高い接着強度を示すことができると考えている。反対にビスマレイミド樹脂とエポキシ樹脂の相溶性が悪い場合、ビスマレイミド樹脂とエポキシ樹脂が各々反応し、ミクロ相分離を起こし、ヒドロキシ基が分散せずにヒドロキシ基同士で相互作用してしまい、LCPと相互作用できないため接着強度が低くなると考えている。
本開示により、従来のポリイミドより優れた低誘電特性を有するLCP等の低極性樹脂基材と高い接着性を有し、さらに低誘電特性に優れる接着剤組成物、これを用いて接着した積層体及び接着性シートを得ることができる。上記特性により、本開示の接着剤組成物は、フレキシブルプリント配線板用途、特に高周波領域での低誘電特性(低誘電率、低誘電正接)が求められるFPC用途において有用である。

Claims (8)

  1. (A)下記一般式(1)で表されるビスマレイミド樹脂と、(B)下記一般式(2)で表されるエポキシ樹脂と、(C)硬化促進剤と、を含有する接着剤組成物。
    Figure 2020012978
    [式(1)中、Rはダイマー酸に由来する2価の炭化水素基を示し、Qは置換又は非置換の炭素数1〜100の脂肪族基、置換又は非置換の芳香族基、或いは、置換又は非置換のヘテロ芳香族基を示し、nは0〜100の整数を示す。]
    Figure 2020012978
    [式(2)中、Rは水素原子又はメチル基を示し、mは0〜30の整数を示す。]
  2. 前記(C)成分が、ホスフィン化合物、ホスホニウム塩化合物、イミダゾール化合物及びアミン化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 前記(B)成分の含有量が、前記(A)成分及び前記(B)成分の総量を100質量部として10〜40質量部である、請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 前記(C)成分の含有量が、前記(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.1〜5.0質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  5. 樹脂基材と、樹脂基材又は金属基材との接着に用いられる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の接着剤組成物。
  6. 基材と、該基材上に請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物を用いて形成された接着剤層と、を備える積層体。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の接着剤組成物によって接着された、樹脂基材と、樹脂基材又は金属基材とを備える積層体。
  8. 請求項6又は7に記載の積層体を備える接着シート。
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