JPWO2020004442A1 - 熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シート - Google Patents

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Abstract

(A)液状シリコーンと、(B)熱伝導性充填剤とを含む熱伝導性シリコーン組成物であって、(A)成分が少なくとも2種類以上のシリコーン混合物であり、そのうち少なくとも2種類は互いに非相溶性を示すことを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。

Description

本発明は、熱伝導性が高く、放熱性に優れたシリコーン組成物に関するものである。
電子部品の多くは使用中に熱が発生するので、その電子部品を適切に機能させるためには、その電子部品から熱を取り除くことが必要である。特にパーソナルコンピューターに使用されているCPU等の集積回路素子は、動作周波数の高速化により発熱量が増大しており、熱対策が重要な問題となっている。
この熱を除去する手段として多くの方法が提案されている。特に発熱量の多い電子部品では、電子部品とヒートシンク等の部材の間に熱伝導性グリースや熱伝導性シートの熱伝導性材料を介在させて熱を逃がす方法が提案されている(特開昭56−28264号公報:特許文献1、特開昭61−157587号公報:特許文献2参照)。
また、この熱伝導性材料としては、シリコーンオイルをベースとし、酸化亜鉛やアルミナ粉末を配合した放熱グリースが知られている(特公昭52−33272号公報:特許文献3、特公昭59−52195号公報:特許文献4参照)。
さらに、熱伝導性を向上させるため、窒化アルミニウム粉末を用いたものとして、上記特開昭56−28264号公報(特許文献1)には、液状オルガノシリコーンキャリアとシリカファイバー、及びデンドライト状酸化亜鉛、薄片状窒化アルミニウム、薄片状窒化ホウ素から選択される少なくとも1種からなる揺変性熱伝導材料が開示されている。また、特開平2−153995号公報(特許文献5)には、特定のオルガノポリシロキサンに一定粒径範囲の球状六方晶系窒化アルミニウム粉末を配合したシリコーングリース組成物が、特開平3−14873号公報(特許文献6)には、粒径の細かい窒化アルミニウム粉末と粒径の粗い窒化アルミニウム粉末を組み合わせた熱伝導性シリコーングリースが、特開平10−110179号公報(特許文献7)には、窒化アルミニウム粉末と酸化亜鉛粉末を組み合わせた熱伝導性シリコーングリースが、特開2000−63872号公報(特許文献8)には、オルガノシランで表面処理した窒化アルミニウム粉末を用いた熱伝導性グリース組成物が開示されている。
窒化アルミニウムの熱伝導率は70〜270W/mKであり、これより熱伝導性の高い材料として熱伝導率900〜2,000W/mKのダイヤモンドがある。特開2002−30217号公報(特許文献9)には、シリコーン樹脂に、ダイヤモンド、酸化亜鉛、分散剤を用いた熱伝導性シリコーン組成物が開示されている。
また、特開2000−63873号公報(特許文献10)や、特開2008−222776号公報(特許文献11)には、シリコーンオイル等の基油に金属アルミニウム粉末を混合した熱伝導性グリース組成物が開示されている。
しかし、いずれの熱伝導性材料や熱伝導性グリースも、最近のCPU等の集積回路素子の発熱量には不十分なものとなってきている。
特開昭56−28264号公報 特開昭61−157587号公報 特公昭52−33272号公報 特公昭59−52195号公報 特開平2−153995号公報 特開平3−14873号公報 特開平10−110179号公報 特開2000−63872号公報 特開2002−30217号公報 特開2000−63873号公報 特開2008−222776号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、熱伝導性が高く、放熱性に優れた熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シートを提供することを目的とする。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、お互いに非相溶性の2種類以上の液状シリコーン混合物をベースオイルとして用いることで、熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率が飛躍的に向上することを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は下記発明を提供する。
1.(A)液状シリコーンと、(B)熱伝導性充填剤とを含む熱伝導性シリコーン組成物であって、(A)成分が少なくとも2種類以上の液状シリコーン混合物であり、そのうち少なくとも2種類は互いに非相溶性を示すことを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。
2.(A)成分が、下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は互いに独立に、炭素数1〜18の非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基であり、1.8≦a≦2.2である。)
で表され、25℃における動粘度が10〜500,000mm2/sのオルガノポリシロキサンを含有する1記載の熱伝導性シリコーン組成物。
3.(A)成分が、(A−1)炭素数7〜18のアルキル基を有するアルキル変性シリコーンと、(A−1)と非相溶性を示す液状シリコーンとを含有する液状シリコーン混合物である1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
4.(A)成分が、(A−2)アリール変性シリコーンと、(A−2)と非相溶性を示す液状シリコーンとを含有する液状シリコーン混合物である1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
5.(A)成分が、(A−3)フッ素変性シリコーンと、(A−3)と非相溶性を示す液状シリコーンとを含有する液状シリコーン混合物である1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
6.(A)成分が、(A−4−2)下記一般式(II)
Figure 2020004442
(式中、R2は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は互いに独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、bは5〜120の整数である。)
で表される加水分解性基含有オルガノポリシロキサンを、(A)液状シリコーン混合物の合計質量に対して10〜90質量%含有する1〜5のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物。
7.(B)成分の配合量が、(A)液状シリコーン混合物100質量部に対して、300〜5,000質量部である1〜6のいずれかに記載の熱伝導性シリコーン組成物。
8.硬化性である1〜7のいずれか1に記載の熱伝導性シリコーン組成物。
9・8記載の熱伝導性シリコーン組成物を成型した熱伝導性シート。
熱伝導性が高く、放熱性に優れた熱伝導性シリコーン組成物及び熱伝導性シートを提供することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
[(A)成分]
(A)成分は少なくとも2種類以上の液状シリコーン混合物であり、そのうち少なくとも2種類は互いに非相溶性を示すものである。(A)液状シリコーン混合物の25℃での動粘度は10〜500,000mm2/sが好ましく、30〜10,000mm2/sがより好ましい。(A)液状シリコーン混合物の動粘度が上記下限値より低いと、オイルブリードが出やすくなるおそれがある。また、上記上限値より大きいと、熱伝導性シリコーン組成物(以下、単にシリコーン組成物と記載する場合がある。)の伸展性が乏しくなるおそれがある。なお、本発明において、動粘度はオストワルド粘度計で測定した25℃の値である。以下(A)成分の例示を示すが、特に明記がない場合、各例示成分の動粘度も上記(A)液状シリコーン混合と同じ範囲が好ましい。(A)成分の液状シリコーン混合物を構成する液状シリコーンとしては、分子構造は特に限定されず、直鎖状、分岐鎖状及び環状等のいずれであってもよい。
(A)成分の液状シリコーン混合物を構成する液状シリコーンとしては、下記平均組成式(I)
1 aSiO(4-a)/2 (I)
(式中、R1は互いに独立に、炭素数1〜18の非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基であり、1.8≦a≦2.2である。)
で表される液状オルガノポリシロキサンが例示される。
上記式(I)中、R1は互いに独立に、炭素数1〜18、好ましくは1〜14の非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基である。1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、及びオクタデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、及びアリル基等のアルケニル基;フェニル基及びトリル基等のアリール基;2−フェニルエチル基、2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基;又はこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等が挙げられる。
上記式(I)中、aは1.8〜2.2の範囲であり、1.9〜2.1の範囲が好ましい。aが上記範囲内にあることにより、得られるシリコーン組成物は良好な粘度を有することができる。
上記式(I)で表される液状シリコーンとして、下記(A−1)〜(A−3)が挙げられる。さらに(A−4):(A−1)〜(A−3)の液状シリコーンと非相溶性を示す液状シリコーンが挙げられる。(A)成分は少なくとも2種類以上のシリコーン混合物であり、そのうち少なくとも2種類は互いに非相溶性を示すものであればよく、そのような組み合わせであれば、特に限定されない。具体的には、(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4)のグループの中から、2つ以上のグループから選択して組み合わせることが好ましい。2つ以上のグループから選択されるのであれば、3つ以上のグループからでもよく、各グループから2種類以上用いてもよい。なお、2種類以上選択される液状シリコーンは(A)液状シリコーン混合物中、熱伝導率の向上の点から、グループ毎にそれぞれ10質量%以上含有することが好ましく、20〜100質量%が好ましい。なお、非相溶性の定義は、ガラス瓶等に2種類のオイルを混合した後、静置すると2層分離するということであり、具体的には混合は同じ体積とするとよい。
[(A−1)成分]
(A−1)成分は下記平均組成式(III)で表されるオルガノポリシロキサンである。
4 cSiO(4-c)/2 (III)
(式中、R4は互いに独立に、炭素数1〜18、好ましくは1〜14の、非置換又は置換の飽和又は不飽和の1価炭化水素基であり、アリール基及びフッ素含有基は含まない。R4の少なくとも5モル%は炭素数7〜14のアルキル基である。cは1.8〜2.2である。)
上記式(III)において、R4は互いに独立に、炭素数1〜18、好ましくは1〜14の、非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基であり、アリール基及びフッ素含有基は含まない。また、R4の少なくとも5モル%、好ましくは20〜100モル%は炭素数7〜14のアルキル基である。炭素数7〜14のアルキル基としては、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。残りの基は、経済面からメチル基が好ましい。
cは1.8〜2.2であり、1.9〜2.1が好ましい。cが上記範囲内にあることにより、得られるシリコーン組成物は、使用性に優れた良好な粘度を有することができる。
上記平均組成式(III)で表されるオルガノポリシロキサンとしては、下記式(IV)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。なお、括弧内に示される各シロキサン単位の結合順序は、下記に制限されるものではない。以下同様。)
Figure 2020004442
(式中、R5は炭素数7〜14のアルキル基であり、R6は炭素数1〜6の置換又は非置換のアルキル基である。X1は0〜200、X2は1〜100の整数である。)
5は炭素数7〜14、好ましくは炭素数10〜14のアルキル基であり、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基等が挙げられる。R6は炭素数1〜6の置換又は非置換のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基である。X1は0〜200、好ましくは0〜100、より好ましくは1〜50の整数であり、X2は1〜100、好ましくは5〜50の整数である。
[(A−2)成分]
(A−2)成分は下記平均組成式(V)で表されるオルガノポリシロキサンである。
7 dSiO(4-d)/2 (V)
(式中、R7は互いに独立に、炭素数1〜18の非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基であり、炭素数7以上のアルキル基及びフッ素含有基は含まない。R7の少なくとも5モル%はアリール基である。dは1.8〜2.2である。)
7は互いに独立に、炭素数1〜18、好ましくは1〜14の非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基であり、炭素数7以上のアルキル基及びフッ素含有基は含まない。また、R7の少なくとも5モル%、好ましくは20〜100モル%はアリール基であり、フェニル基、トリル基等が挙げられる。残りの基は経済面からメチル基が好ましい。
dは1.8〜2.2であり、1.9〜2.1が好ましい。dが上記範囲内にあることにより、得られるシリコーン組成物は、使用性に優れた良好な粘度を有することができる。
上記平均組成式(V)で表されるオルガノポリシロキサンとしては、下記式(VI)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
Figure 2020004442
(式中、R7は炭素数6〜10のアリール基であり、R8は炭素数1〜6の非置換又は置換のアルキル基である。Y1は0〜200の整数であり、Y2は1〜100の整数である。)
7は炭素数6〜10のアリール基であり、好ましくはフェニル基である。R8は炭素数1〜6の非置換又は置換のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基である。Y1は0〜200、好ましくは0〜100、さらに好ましくは1〜50の整数であり、Y2は1〜100、好ましくは5〜50の整数である。
[(A−3)成分]
(A−3)成分は下記平均組成式(VII)で表されるオルガノポリシロキサンである。
8 eSiO(4-e)/2 (VII)
(式中、R8は互いに独立に、炭素数1〜18の非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基であり、炭素数7以上のアルキル基及びアリール基を含まない。R8の少なくとも5モル%はフッ素含有基であり、eは1.8〜2.2である。
7は互いに独立に、炭素数1〜18、好ましくは1〜14の非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基であり、炭素数7以上のアルキル基及びアリール基を含まない。また、R8の少なくとも5モル%、好ましくは20〜80モル%がフッ素含有基である。フッ素含有基としては、3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基等が挙げられる。残りの基は経済面からメチル基が好ましい。
eは1.8〜2.2であり、1.9〜2.1が好ましい。eが上記範囲内にあることにより、得られるシリコーン組成物は、使用性に優れた良好な粘度を有することができる。
上記平均組成式(VII)で表されるオルガノポリシロキサンとしては、下記式(VIII)で表される直鎖状オルガノポリシロキサンが好ましい。
Figure 2020004442
(式中、R9はフッ素含有基であり、R10は炭素数1〜6の非置換又は置換のアルキル基である。Z1は0〜200の整数であり、Z2は1〜100の整数である。)
9はフッ素含有基であり、好ましくは3,3,3−トリフロロプロピル基である。R10は炭素数1〜6の非置換又は置換のアルキル基である。特に好ましくは、メチル基である。Z1は0〜200、好ましくは0〜100、さらに好ましくは0〜50の整数であり、Z2は1〜100、好ましくは5〜50の整数である。
[(A−4)成分]
(A−1)〜(A−3)成分それぞれに非相溶な液状シリコーン(A−4)としては、例えば、(A−4−1)、(A−4−2)が挙げられる。
[(A−4−1)]
(A−4−1)は炭素数が7個以上のアルキル基、アリール基、フッ素含有基のいずれも有しないジメチルポリシロキサンである。中でも、主鎖がジオルガノシロキサン単位の繰り返しからなり、分子鎖両末端がトリメチルシリル基で封鎖された直鎖状構造を有するオルガノポリシロキサンが好ましい。
[(A−4−2)]
下記一般式(II)で表される
Figure 2020004442
(式中、R2は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は互いに独立に、炭素数1〜6の非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基であり、bは5〜120の整数である。)
加水分解性基含有オルガノポリシロキサン。
上記式(II)で表される加水分解性基含有オルガノポリシロキサンは、シリコーン組成物中に熱伝導性充填剤を高充填することを補助する。さらに、シリコーン組成物が該オルガノポリシロキサンを含有することにより、熱伝導性充填剤の表面が該オルガノポリシロキサンで覆われ、熱伝導性充填剤同士の凝集が起こりにくくなる。この効果は高温下でも持続するため、シリコーン組成物の耐熱性が向上する。また、このオルガノポリシロキサンによって熱伝導性充填剤の表面を疎水化処理することもできる。
2は炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基等が挙げられる。中でも、メチル基、エチル基が好ましい。R3は、互いに独立に、炭素数1〜6の、非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基である。この1価炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基及びオクタデシル基等のアルキル基、シクロペンチル基、及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基及びアリル基等のアルケニル基、フェニル基、及びトリル基等のアリール基、2−フェニルエチル基及び2−メチル−2−フェニルエチル基等のアラルキル基、又はこれらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、臭素、塩素等のハロゲン原子、シアノ基等で置換したもの、例えば、3,3,3−トリフロロプロピル基、2−(パーフロロブチル)エチル基、2−(パーフロロオクチル)エチル基、p−クロロフェニル基等が挙げられる。中でも、特にメチル基が好ましい。上記式(II)中、bは5〜120の整数であり、好ましくは10〜90の整数である。
(A−4−2)の加水分解性基含有オルガノポリシロキサンを含む場合、その量は、(A)液状シリコーン混合物の合計質量に対して10〜90質量%の量が好ましく、20〜80質量%がより好ましい。
[(B)成分]
熱伝導性充填剤は、熱伝導率が10W/(m・K)以上であることが好ましい。熱伝導率が10W/(m・K)未満であると、熱伝導性シリコーン組成物の熱伝導率そのものが小さくなる。熱伝導率の上限は、熱伝導性充填剤に用いる材料によっても変化するが、特に上限はない。熱伝導率が10W/(m・K)以上の熱伝導性充填剤としては、例えば、アルミニウム粉末、銅粉末、銀粉末、ニッケル粉末、金粉末、酸化アルミニウム(アルミナ)粉末、酸化亜鉛粉末、酸化マグネシウム粉末、窒化アルミニム粉末、窒化ホウ素粉末、窒化珪素粉末、ダイヤモンド粉末、カーボン粉末等の粉末や粒状物が挙げられ、これらを1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
熱伝導性充填剤として粉末や粒状物を用いる場合に、その形状は不定形でも球形でもいかなる形状でも構わないが、平均粒径0.1〜100μmのものを用いるのが好ましく、より好ましくは0.5〜50μmである。平均粒径が0.1μm未満であると、得られるシリコーン組成物が、使用性に優れた良好な粘度を有するものにならず伸展性に乏しくなるおそれがあり、100μmを超えると組成物の均一性が乏しくなるおそれがある。なお、平均粒径とは、マイクロトラック(レーザー回折錯乱法)による体積基準の累積平均径(D50)である。
(B)成分の配合量は、(A)成分100質量部に対して、300〜5,000質量部が好ましく、500〜3,000質量部がより好ましい。(B)成分の配合量が、(A)成分100質量部に対して300質量部未満であると、必要な熱伝導率が得られないおそれがあり、5,000質量部を超えると、シリコーン組成物が使用性に優れた良好な粘度を有するものにならず伸展性に乏しくなるおそれがある。
[硬化性熱伝導性シリコーン組成物]
本発明のシリコーン組成物は硬化性シリコーン組成物とすることができる。
以下、[I]付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物、[II]縮合反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物、[III]有機過酸化物硬化型熱伝導性シリコーン組成物に分けて説明する。
[I]付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物
付加反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物とする場合、上記(A)液状シリコーン混合物の構成成分として、(A−I−1)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(A−I−2)1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサンを含み、白金族金属系硬化触媒をさらに含むものである。なお、(A−I−1)、(A−I−2)成分は、上記(A)成分と重複する場合や、非相溶ではない場合があり得るが、(A)液状シリコーン混合物として、2種類はお互いに非相溶性であるように選定される。
(A−I−1)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、上記平均組成式(I)で表され、1分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜5個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するものが挙げられる。アルケニル基としては、ビニル基、アリル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基等が例示されるが、合成のし易さ、コストの面からビニル基が好ましい。ケイ素原子に結合するアルケニル基は、オルガノポリシロキサンの分子鎖の末端、途中のいずれに存在してもよいが、少なくとも末端に存在することが好ましい。
アルケニル基以外の基としては、上記R1で例示されたものが挙げられるが、アルキル基、アリール基が好ましく、メチル基、フェニル基がより好ましい。
(A−I−1)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンを含む場合、その配合量は、(A)液状シリコーン混合物の合計質量に対して10〜90質量%の量が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
(A−I−2)1分子中に平均2個以上のケイ素原子に結合した水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロキサン
ケイ素原子に結合した水素原子以外のケイ素原子に結合する残余の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基等のアリール基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基等の炭素数1〜12、好ましくは1〜8の脂肪族不飽和結合を有さない1価炭化水素基が例示され、メチル基、フェニル基が好ましい。
(A−I−2)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの分子構造は限定されず、例えば、直鎖状、分岐鎖状、一部分岐を有する直鎖状、環状、樹枝状(デンドリマー状)が挙げられる。このオルガノポリシロキサンは、例えば、これらの分子構造を有する単一重合体、これらの分子構造からなる共重合体、又はこれらの混合物であってもよい。このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、例えば、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサンコポリマー、式:(CH33SiO1/2で表されるシロキサン単位と、式:(CH32HSiO1/2で表されるシロキサン単位と、式:SiO4/2で表されるシロキサン単位からなるオルガノシロキサンコポリマー等が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
(A−I−2)オルガノハイドロジェンポリシロキサンの25℃における動粘度は1〜100,000mm2/sの範囲内であることが好ましく、1〜5,000mm2/sの範囲内がより好ましい。
(A−I−2)オルガノハイドロジェンポリシロキサンを含む場合、その配合量は、硬化に必要な量であり、具体的には、(A−I−1)成分中のケイ素原子に結合したアルケニル基1モルに対して、ケイ素原子に結合した水素原子が0.1〜10モルの範囲内となる量であることが好ましく、さらに、0.1〜5モルの範囲内となる量であることがより好ましく、0.1〜3モルの範囲内となる量であることがさらに好ましい。本成分の配合量が上記範囲の下限未満となる量であると、得られる硬化性シリコーン組成物が十分に硬化しなくなるおそれがあり、一方、上記範囲の上限を超えると、得られるシリコーン硬化物が非常に硬質となり、表面に多数のクラックを生じたりするおそれがある。
白金族金属系硬化触媒としては、例えば、塩化白金酸、塩化白金酸のアルコール溶液、白金のオレフィン錯体、白金のアルケニルシロキサン錯体、白金のカルボニル錯体が挙げられ、1種単独で又は2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。
白金族金属系硬化触媒を配合する場合、その配合量は、硬化性シリコーン組成物中、本組成物の硬化に必要な量であり、具体的には、(A−I−1)成分に対して、白金金属としての量が質量単位で0.01〜1,000ppmの範囲となる量が好ましく、0.1〜500ppmの範囲となる量であることがより好ましい。本成分の配合量が上記範囲の下限未満であると、得られる硬化性シリコーン組成物が十分に硬化しなくなるおそれがあり、一方、上記範囲の上限を超える量を配合しても、硬化性シリコーン組成物の硬化速度は顕著に向上しなくなる傾向がある。
また、硬化性シリコーン組成物には、本組成物の硬化速度を調節し、取扱作業性を向上させるため、2−メチル−3−ブチン−2−オール、2−フェニル−3−ブチン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレン系化合物;3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等のエン−イン化合物;その他、ヒドラジン系化合物、フォスフィン系化合物、メルカプタン系化合物等の硬化反応抑制剤を配合することが好ましい。
硬化反応抑制剤を配合する場合、その配合量は限定されないが、(A−I−1)成分100質量部に対して0.0001〜1.0質量部が好ましい。
[II]縮合反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物
縮合反応硬化型熱伝導性シリコーン組成物とする場合、上記(A)液状シリコーン混合物の構成成分として、(A−II−1)Si−OH基を有するオルガノポリシロキサン、(A−II−2)1分子中に少なくとも3個のケイ素原子に結合する加水分解性基を有するシラン又はシロキサンオリゴマーを含み、さらに必要に応じて縮合反応用硬化触媒を含むものである。なお、(A−II−1)、(A−II−2)成分は、上記(A)成分と非相溶ではない場合があり得るが、(A)液状シリコーン混合物として、2種類はお互いに非相溶性であるように選定される。
上記ケイ素原子に結合する加水分解性基としては、アルコキシ基、アルコキシアルコキシ基、アシロキシ基、ケトオキシム基、アルケノキシ基、アミノ基、アミノキシ基、アミド基が例示される。また、このシランもしくはシロキサンオリゴマーのケイ素原子には上記の加水分解性基以外に、例えば、直鎖状アルキル基、分岐鎖状アルキル基、環状アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン化アルキル基を結合していてもよい。このようなシランもしくはシロキサンオリゴマーとしては、例えば、テトラエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン、ビニルトリアセトキシシラン、エチルオルソシリケートが挙げられる。
(A−II−1)オルガノポリシロキサンを含む場合、(A)液状シリコーン混合物の合計質量に対して10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、30〜70質量%がさらに好ましい。
(A−II−2)シラン又はシロキサンオリゴマーを配合する場合、その配合量は、本組成物の硬化に必要な量であり、具体的には、(A−II−1)成分100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。シラン又はシロキサンオリゴマーの配合量が上記範囲の下限未満の量であると、得られる硬化性シリコーン組成物の貯蔵安定性が低下したり、また、接着性が低下するおそれがあり、一方、上記範囲の上限をこえる量であると、得られる組成物の硬化が著しく遅くなったりするおそれがある。
縮合反応用硬化触媒は任意の成分であり、例えば、アミノキシ基、アミノ基、ケトオキシム基等の加水分解性基を有するシランを用いる場合には必須ではない。このような縮合反応用触媒としては、例えば、テトラブチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等の有機チタン酸エステル;ジイソプロポキシビス(アセチルアセテート)チタン、ジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)チタン等の有機チタンキレート化合物;アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)等の有機アルミニウム化合物;ジルコニウムテトラ(アセチルアセトネート)、ジルコニウムテトラブチレート等の有機ジルコニウム化合物;ジブチルスズジオクトエート、ジブチルスズジラウレート、ブチルスズ−2−エチルヘキソエート等の有機スズ化合物;ナフテン酸スズ、オレイン酸スズ、ブチル酸スズ、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸亜鉛等の有機カルボン酸の金属塩;ヘキシルアミン、燐酸ドデシルアミン等のアミン化合物、及びその塩;ベンジルトリエチルアンモニウムアセテート等の4級アンモニウム塩;酢酸カリウム等のアルカリ金属の低級脂肪酸塩;ジメチルヒドロキシルアミン、ジエチルヒドロキシルアミン等のジアルキルヒドロキシルアミン;グアニジル基含有有機ケイ素化合物が挙げられる。
縮合反応用硬化触媒を配合する場合、その配合量は任意量であり、本組成物の硬化に必要な量であればよく、具体的には、(A−II−1)成分100質量部に対して0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましい。この触媒が必須である場合、この触媒の配合量が上記範囲の下限未満の量であると、得られる硬化性シリコーン組成物が十分に硬化しなくなるおそれがあり、一方、上記範囲の上限をこえると、得られる硬化性シリコーン組成物の貯蔵安定性が低下するおそれがある。
[III]有機過酸化物硬化型熱伝導性シリコーン組成物
有機過酸化物硬化型熱伝導性シリコーン組成物とする場合、上記(A)液状シリコーン混合物の構成成分として、(A−I−1)1分子中に少なくとも2個のケイ素原子に結合したアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンを含み、有機過酸化物をさらに含むものである。なお、(A−I−1)成分は、上記(A)成分と重複する場合や、非相溶ではない場合があり得るが、(A)液状シリコーン混合物として、2種類はお互いに非相溶性であるように選定される。
有機過酸化物としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ジ(p−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジ(o−メチルベンゾイル)パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート等が挙げられる。この有機過酸化物の配合量は、本組成物の硬化に必要な量であり、具体的には、(A−I−1)成分100質量部に対して0.1〜5質量部が好ましい。
硬化性シリコーン組成物の場合、硬化させる方法は限定されず、例えば、本組成物を成形後、室温で放置する方法、本組成物を成形後、50〜200℃に加熱する方法が挙げられる。また、このようにして得られるシリコーン硬化物の性状は限定されないが、例えば、ゲル状、低硬度のゴム状、あるいは高硬度のゴム状が挙げられる。例えば、得られるシリコーン硬化物は放熱材料として部材に十分に密着させることができる。
[製造方法]
本発明のシリコーン組成物の製造方法は、特に制限されるものでない。例えば、上記(A)及び(B)成分、及び必要に応じてその他の成分を、トリミックス、ツウィンミックス、プラネタリーミキサー(いずれも井上製作所(株)製混合機、登録商標)、ウルトラミキサー(みずほ工業(株)製混合機、登録商標)、ハイビスディスパーミックス(特殊機化工業(株)製混合機、登録商標)等の混合機にて30分〜4時間混合することにより製造することができる。また、必要に応じて、50〜200℃の範囲、好ましくは50〜150℃の範囲の温度で加熱しながら混合してもよい。
[シリコーン組成物の物性]
本発明のシリコーン組成物の25℃にて測定される絶対粘度は、10〜600Pa・sが好ましく、50〜500Pa・sがより好ましく、50〜400Pa・sがさらに好ましく、50〜350Pa・sが特に好ましい。シリコーン組成物の絶対粘度が上記範囲内であることにより、使用性及び作業性により優れた粘度を有することができる。絶対粘度が上記上限値より高いと作業性が悪くなるおそれがある。絶対粘度が上記下限値より小さいと、各種基材上に塗布した後、組成物が流れ出してしまい耐ズレ性の効果が発揮できないおそれがある。絶対粘度は、各成分を上述した配合量で調整することにより得ることができる。上記絶対粘度は、例えば、株式会社マルコム社製の型番PC−1TL(10rpm)を用いて測定される。
本発明のシリコーン組成物は、25℃にて3.0W/(m・K)以上の高い熱伝導率を有することが好ましい。熱伝導率の上限は特に制限されないが、通常10W/(m・K)未満、特には8W/(m・K)未満とすることができる。該熱伝導率は、熱伝導率計、例えば、京都電子工業株式会社製のTPA−501を用いて測定できる。
本発明のシリコーン組成物はペーストとして使用することができる。本発明のシリコーン組成物をペーストとして使用する態様は特に制限されるものでなく、従来の放熱用(熱伝導性)シリコーンペーストと同様の方法で使用すればよい。なお、本発明において、ペーストには、従来グリースと称されるもの等をも含む。使用方法としては、例えば、LSI等の電気・電子部品やその他の発熱部材と、冷却部材又は放熱部材との間に該シリコーン組成物を挟み、発熱部材からの熱を冷却部材や放熱部材に伝熱して放熱する態様にて好適に用いることができる。本発明のシリコーン組成物は、低粘度であり、熱伝導率が高く、かつ耐ズレ性が極めて優れているため、高品位機種の半導体装置等に対する放熱用(熱伝導性)ペーストとして好適に使用することができる。
[熱伝導性シート]
本発明のシリコーン組成物は、シート成型物として使用することもできる。上記硬化性シリコーン組成物を公知の方法で硬化させるとよい。使用する態様は特に制限されるものではなく、例えば、LSI等の電気・電子部品やその他の発熱部材と、冷却部材又は放熱部材との間に該シリコーン組成物を挟み、発熱部材からの熱を冷却部材や放熱部材に伝熱して放熱する態様にて好適に用いることができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
下記実施例及び比較例の組成物に用いられる各成分を下記に示す。
[(A)成分]
(A−1)下記一般式で表される動粘度390mm2/sの液状シリコーン
Figure 2020004442
(X1及びX2は整数、X2/(X1+X2)=0.4である上記粘度を満たす数である。)
(A−2)下記一般式で表される動粘度400mm2/sの液状シリコーン
Figure 2020004442
(Y1及びY2は整数、Y2/(Y1+Y2)=0.25である上記粘度を満たす数である。)
(A−3)下記一般式で表される動粘度1,000mm2/sの液状シリコーン
Figure 2020004442
(Z2は整数で、上記粘度を満たす数である。)
(A−4−1)
両末端がトリメチルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が5,000mm2/sのジメチルポリシロキサン。
(A−4−2)
下記一般式で表される動粘度35mm2/sの液状シリコーン。
Figure 2020004442
(A−4−1)及び(A−4−2)は、(A−1)〜(A−3)何れにも含まれず、(A−1)、(A−2)、(A−3)、(A−4−1)、(A−4−2)は何れも互いに非相溶である。
(A−I−1)
両末端がジメチルビニルシリル基で封鎖され、25℃における動粘度が600mm2/sのジメチルポリシロキサン
(A−I−2)
下記一般式で表される25℃における動粘度が、100mm2/sのハイドロジェンポリシロキサン
Figure 2020004442
[(B)成分]
(B−1)酸化アルミニウム(アルミナ粉末):平均粒径1.0μm
(B−2)酸化アルミニウム(アルミナ粉末):平均粒径40μm
(B)成分の熱伝導性充填剤の平均粒径は、日機装株式会社製の粒度分析計であるマイクロトラックMT3300EXを用いて測定した体積基準の累積平均径(D50)である。
[実施例1〜8、比較例1〜4]
上記(A)〜(B)成分を、表1,2に示す組成及び配合量に従い、容量5リットルのプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製、登録商標)に投入し、150℃にて1時間撹拌してシリコーン組成物を製造した。
上記方法で得られた各シリコーン組成物について、下記の方法に従い、粘度、熱伝導率を測定した。結果を表1,2に示す。
[粘度]
各組成物の絶対粘度を、株式会社マルコム社製の型番PC−1TL(10rpm)を用いて25℃にて測定した。
[熱伝導率]
各組成物の熱伝導率を、京都電子工業株式会社製のTPA−501を用いて25℃にて測定した。
Figure 2020004442
Figure 2020004442
[実施例9]
〈熱伝導性シートの作製〉
(A−1)30g、(A−2)30g、(A−I−1)40g、(B−1)300g及び(B−2)700gを、容量5リットルのプラネタリーミキサー(井上製作所(株)製、登録商標)に投入し、150℃にて1時間撹拌して混合物を得た。その混合物の冷却後、1−エチニル−1−シクロヘキサノールの50質量%トルエン溶液0.45g、白金−ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体を(A−I−1)と同じジメチルポリシロキサンに溶解した溶液(白金原子配合量:1質量%)0.15gを順次添加し、各15分間攪拌した。さらに、(A−I−2)を1.2g添加し、シリコーン組成物を得た。このシリコーン組成物を、金型を用いてプレス成型(150℃/60分間)によりシート化して、熱伝導性シート(厚み2.0mm)を作製した。
[比較例5]
「(A−1)を30g及び(A−2)を30g」を、「(A−4−1)を60g」にした以外は、全て実施例9と全く同じ操作を行った。なお、(A−4−1)、(A−I−1)、(A−I−2)は、互いに相溶性のある液状シリコーンである。
(評価)
上記熱伝導性シートについて熱伝導率を測定した。尚、熱伝導率は、2mmシートを5枚重ねて、同様に京都電子工業株式会社製のTPA−501を用いて25℃にて測定した。
Figure 2020004442
上記結果から明らかであるように、熱伝導性充填剤の添加量が同じ場合でも実施例のほうが明らかに高い熱伝導率を示した。

Claims (9)

  1. (A)液状シリコーンと、(B)熱伝導性充填剤とを含む熱伝導性シリコーン組成物であって、(A)成分が少なくとも2種類以上の液状シリコーン混合物であり、そのうち少なくとも2種類は互いに非相溶性を示すことを特徴とする熱伝導性シリコーン組成物。
  2. (A)成分が、下記平均組成式(I)
    1 aSiO(4-a)/2 (I)
    (式中、R1は互いに独立に、炭素数1〜18の非置換又は置換の飽和又は不飽和1価炭化水素基であり、1.8≦a≦2.2である。)
    で表され、25℃における動粘度が10〜500,000mm2/sのオルガノポリシロキサンを含有する請求項1記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  3. (A)成分が、(A−1)炭素数7〜18のアルキル基を有するアルキル変性シリコーンと、(A−1)と非相溶性を示す液状シリコーンとを含有する液状シリコーン混合物である請求項1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  4. (A)成分が、(A−2)アリール変性シリコーンと、(A−2)と非相溶性を示す液状シリコーンとを含有する液状シリコーン混合物である請求項1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  5. (A)成分が、(A−3)フッ素変性シリコーンと、(A−3)と非相溶性を示す液状シリコーンとを含有する液状シリコーン混合物である請求項1又は2記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  6. (A)成分が、(A−4−2)下記一般式(II)
    Figure 2020004442
    (式中、R2は炭素数1〜6のアルキル基であり、R3は互いに独立に炭素数1〜6のアルキル基であり、bは5〜120の整数である。)
    で表される加水分解性基含有オルガノポリシロキサンを、(A)液状シリコーン混合物の合計質量に対して10〜90質量%含有する請求項1〜5のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  7. (B)成分の配合量が、(A)液状シリコーン混合物100質量部に対して、300〜5,000質量部である請求項1〜6のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  8. 硬化性である請求項1〜7のいずれか1項記載の熱伝導性シリコーン組成物。
  9. 請求項8記載の熱伝導性シリコーン組成物を成型した熱伝導性シート。
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