JPWO2020004357A1 - アルツハイマー病の治療、予防又は改善用組成物、脳神経細胞死の抑制用組成物、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物、及び、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1β産生の抑制用組成物 - Google Patents

アルツハイマー病の治療、予防又は改善用組成物、脳神経細胞死の抑制用組成物、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物、及び、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1β産生の抑制用組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、ウコンに由来する成分を有効成分とする、アルツハイマー病の治療、予防又は改善等に有用な組成物を提供する。本発明は、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物、又は、ターメロノールA及びターメロノールBから選択される少なくとも一種を有効成分とする、アルツハイマー病の治療用組成物、脳神経細胞死の抑制用組成物、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物、或いは、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1β産生の抑制用組成物に関する。

Description

本発明は、アルツハイマー病の治療、予防又は改善用組成物、脳神経細胞死の抑制用組成物、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物、或いは、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1β産生の抑制用組成物に関する。
アルツハイマー病は、認知症のうち50〜75%を占める主要な疾患である。
アルツハイマー病患者の脳内では、アミロイドβペプチドを主成分とする老人斑、タウ蛋白を主成分とする神経原線維変化、神経細胞死等が観察される。アルツハイマー病は、認知機能の低下をはじめ多様な症状を呈するが、その発症の機序は未解明であり、治療や予防への課題は多い(非特許文献1)。
アルツハイマー病の原因物質のうちの一つであるアミロイドβペプチドの蓄積は、神経細胞の細胞死を引き起こすだけでなく、マクロファージ細胞の一種であるミクログリアを活性化させることによってアルツハイマー病を進行させる。
ミクログリアが活性化すると、プロスタグランジンE2(PGE2)を産生する。PGE2は神経細胞に作用し、興奮毒性を発揮して神経細胞死を誘導する(非特許文献2)。アルツハイマー病患者の脳内ではPGE2が増加しており、PGE2はアミロイドβペプチドをさらに増加させる(非特許文献3)。このため、ミクログリアによるPGE2の産生を抑制することは、アルツハイマー病の進行抑制に有効であると考えられる。
また、ミクログリアが活性化すると、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、インターロイキン−1β(IL−1β)を産生する。TNF−αは、神経細胞に作用して、細胞死を誘導する細胞内シグナル伝達経路を活性化したり、アミロイドβペプチドが誘導する神経細胞死を促進する。このため、ミクログリアによるTNF−α、IL−1βの産生を抑制することは、アルツハイマー病の進行抑制に有効であると考えられる。非特許文献4には、アミロイドβペプチドの存在下で活性化されたミクログリアが、TNF−α等の液性因子を放出し、当該液性因子が神経細胞の細胞死を誘導することが開示されている。
更に、アルツハイマー病の発生、進行に酸化ストレスが大きく関与していると考えられている。そのメカニズムとしては、神経細胞内に放出されるアミロイドβペプチドがミトコンドリアに蓄積し、酸化ストレスを引き起こして細胞死に至る経路などが考えられている(非特許文献5、6)。
一方、ウコンには、多数の生理活性物質が含まれることが知られている。
例えば特許文献1には、ウコン由来のウコン油が、複数のビサボランセスキテルペノイドを含み、てんかん等の、アルツハイマー病を除く中枢神経系の障害における抗痙攣剤として使用できることが記載されている。
特許文献2には、超臨界二酸化炭素による、クルクミノイドを含むウコン種抽出物を、アミロイド斑凝集又は原線維形成に罹患している被験体、特に、アルツハイマー病に罹患している被験体に投与することが記載されている。
特許文献3には、ウコン種の根茎および葉の脂溶性抽出物が、神経脳血管障害の治療に有効であることが記載されている。特許文献3によれば、この神経脳血管障害はアルツハイマー病を含む疾患である。
特表2014−518241号公報 特表2009−530305号公報 特表2005−516930号公報
2010年3月 医療の俯瞰報告書〜認知症(特にアルツハイマー型認知症)について〜(https://www.jst.go.jp/crds/report/report05/CRDS-FY2009-WR-09.html) 神経化学Vol.55 (No.3), 2016, p42-51 実験医学 vol.29 No.10(増刊) ,2011 ,169(1647)-173(1651) Clin Neurol 2014;54:1119-1121 YAKUGAKU ZASSHI 127(8) 1199-1205(2007) Journal of Neurochemistry, 2006, 96, 1-13
本発明は、ウコンに由来する成分を有効成分とする、アルツハイマー病の治療、予防又は改善、脳神経細胞死の抑制、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制、或いは、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1β産生の抑制のための組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、マクロファージ細胞を、アミロイドβペプチドの凝集物の存在下で培養すると、PGE2、TNF−α及びIL−1βの産生が促進されるのに対して、水溶性のウコン抽出物、並びに、該抽出物に含まれるターメロノールA及びターメロノールBにより処理されたマクロファージ細胞では、アミロイドβペプチドの凝集物の存在下で培養したときのPGE2、TNF−α及びIL−1βの産生が抑制されること、水溶性のウコン抽出物及びターメロノールBが、アミロイドβペプチド存在下のマクロファージ細胞の培養上清による、脳神経細胞のモデル細胞であるヒト神経芽腫細胞SHSY5Yの細胞死の誘導を抑制する作用を有すること、並びに、水溶性のウコン抽出物が、酸化ストレスが誘導するSHSY5Yの細胞死を抑制する作用を有することを見出し、以下の本発明を完成するに至った。
(1)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アルツハイマー病の治療、予防又は改善用組成物。
(2)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アルツハイマー病の治療、予防又は改善用組成物。
(3)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を含有する、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、(2)に記載の組成物。
(4)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、脳神経細胞死の抑制用組成物。
(5)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、脳神経細胞死の抑制用組成物。
(6)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を含有する、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、(5)に記載の組成物。
(7)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物。
(8)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物。
(9)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を含有する、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、(8)に記載の組成物。
(10)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2産生の抑制用組成物。
(11)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2産生の抑制用組成物。
(12)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を含有する、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、(11)に記載の組成物。
(13)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるTNF−α産生の抑制用組成物。
(14)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるTNF−α産生の抑制用組成物。
(15)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を含有する、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、(14)に記載の組成物。
(16)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるIL−1β産生の抑制用組成物。
(17)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるIL−1β産生の抑制用組成物。
(18)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を含有する、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、(17)に記載の組成物。
(19)アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化が、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアによるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を含む、(7)、(8)又は(9)に記載の組成物。
(20)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制用組成物。
(21)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制用組成物。
(22)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を含有する、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、(21)に記載の組成物。
(23)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の、アルツハイマー病の治療、予防又は改善用組成物の製造のための使用。
(24)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種の、アルツハイマー病の治療、予防又は改善用組成物の製造のための使用。
(25)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の、アルツハイマー病の治療、予防又は改善用医薬の製造のための使用。
(26)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種の、アルツハイマー病の治療、予防又は改善用医薬の製造のための使用。
(27)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を、アルツハイマー病の治療、予防又は改善を必要とする対象に投与すること、及び
前記対象においてアルツハイマー病を治療、予防又は改善すること
を含む、アルツハイマー病を治療、予防又は改善する方法。
(28)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、アルツハイマー病の治療、予防又は改善を必要とする対象に投与すること、及び
前記対象においてアルツハイマー病を治療、予防又は改善すること
を含む、アルツハイマー病を治療、予防又は改善する方法。
(29)アルツハイマー病の治療、予防又は改善を必要とする対象において、アルツハイマー病を治療、予防又は改善するための、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物。
(30)アルツハイマー病の治療、予防又は改善を必要とする対象において、アルツハイマー病を治療、予防又は改善するための、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種。
(31)前記ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種が、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の形態である、(24)に記載の使用、(26)に記載の使用、(28)に記載の方法、又は、(30)に記載のターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種。
(32)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の、脳神経細胞死の抑制用組成物の製造のための使用。
(33)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種の、脳神経細胞死の抑制用組成物の製造のための使用。
(34)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の、脳神経細胞死の抑制用医薬の製造のための使用。
(35)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種の、脳神経細胞死の抑制用医薬の製造のための使用。
(36)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を、脳神経細胞に、生体内又は生体外で投与すること、及び
前記脳神経細胞の細胞死を抑制すること
を含む、生体内又は生体外で脳神経細胞の細胞死を抑制する方法。
(37)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、脳神経細胞に、生体内又は生体外で投与すること、及び
前記脳神経細胞の細胞死を抑制すること
を含む、生体内又は生体外で脳神経細胞の細胞死を抑制する方法。
(38)生体内又は生体外で脳神経細胞の細胞死を抑制するための、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物。
(39)生体内又は生体外で脳神経細胞の細胞死を抑制するための、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種。
(40)前記ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種が、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の形態である、(33)に記載の使用、(35)に記載の使用、(37)に記載の方法、又は、(39)に記載のターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種。
(41)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物の製造のための使用。
(42)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種の、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物の製造のための使用。
(43)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用医薬の製造のための使用。
(44)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種の、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用医薬の製造のための使用。
(45)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を、ミクログリアに、生体内又は生体外で投与すること、及び
前記ミクログリアのアミロイドβペプチドで誘導される活性化を抑制すること
を含む、生体内又は生体外で、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化を抑制する方法。
(46)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、ミクログリアに、生体内又は生体外で投与すること、及び
前記ミクログリアのアミロイドβペプチドで誘導される活性化を抑制すること
を含む、生体内又は生体外で、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化を抑制する方法。
(47)生体内又は生体外で、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化を抑制するための、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物。
(48)生体内又は生体外で、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化を抑制するための、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種。
(49)前記ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種が、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の形態である、(42)に記載の使用、(44)に記載の使用、(46)に記載の方法、又は、(48)に記載のターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種。
(50)アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化が、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアによるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を含む、(41)、(42)又は(49)に記載の使用、(43)、(44)又は(49)に記載の使用、(45)、(46)又は(49)に記載の方法、或いは、(47)、(48)又は(49)に記載のターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種。
(51)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制用組成物の製造のための使用。
(52)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種の、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制用組成物の製造のための使用。
(53)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制用医薬の製造のための使用。
(54)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種の、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制用医薬の製造のための使用。
(55)水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制を必要とする対象に投与すること、及び
前記対象において、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を抑制すること
を含む、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を抑制する方法。
(56)ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制を必要とする対象に投与すること、及び
前記対象において、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を抑制すること
を含む、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を抑制する方法。
(57)アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制を必要とする対象において、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を抑制するための、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物。
(58)アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制を必要とする対象において、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を抑制するための、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種。
(59)前記ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種が、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の形態である、(52)に記載の使用、(54)に記載の使用、(56)に記載の方法、又は、(58)に記載のターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種。
本明細書は本願の優先権の基礎となる日本国特許出願番号2018−124502号の開示内容を包含する。
水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分とする、アルツハイマー病の治療、予防又は改善、脳神経細胞死の抑制、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制、或いは、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1β産生の抑制のための組成物が提供される。
図1には、THP−1細胞から分化したマクロファージ細胞が、アミロイドβペプチド凝集物の処理によって活性化し、PGE2の産生が増加すること、並びに、50〜200μg/mLのウコン抽出物、及び、12.5〜100μMのターメロノールA、ターメロノールBがPGE2の産生増加を抑制することが示されている。 図2には、THP−1細胞から分化したマクロファージ細胞が、アミロイドβペプチド凝集物の処理によって活性化し、TNF−αの産生が増加すること、並びに、50、100μMがTNF−αの産生増加を抑制することが示されている。 図3には、THP−1細胞から分化したマクロファージ細胞が、アミロイドβペプチド凝集物の処理によって活性化し、IL−1βの産生が増加すること、並びに、50、100μMがIL−1βの産生増加を抑制することが示されている。 図4の結果は、THP−1細胞から分化したマクロファージ細胞の、アミロイドβペプチド凝集物含有培地中での培養上清が、神経細胞死を誘導するのに対して、ウコン水抽出物又はターメロノールBにより予め処理したマクロファージ細胞では、アミロイドβペプチド凝集物含有培地の培養上清がヒト神経芽腫細胞SHSY5Yの細胞死を誘導する作用が抑制されていることを示す。 図5の結果は、ヒト神経芽腫細胞SHSY5Yの、酸化ストレスによる細胞死が、ウコン水抽出物により抑制されることを示す。
<ウコン抽出物>
本発明においてウコン抽出物とは、ショウガ科ウコン属の植物に由来する植物原料の抽出溶媒による抽出物(ウコンエキス)をいう。ウコン抽出物は、抽出溶媒による抽出により得られた溶媒抽出物に限らず、溶媒抽出物を更に、カラムクロマトグラフィ等で分画精製したものをも包含する。本発明で用いるウコン抽出物は、抽出操作(分画精製を行う場合は分画精製操作も含む)の完了した抽出液、抽出液から溶媒を部分的に除去した濃縮物、或いは、抽出液から溶媒を除去した乾燥物の形態であることができる。抽出物からの溶媒の除去は、加熱及び/又は減圧等により溶媒を揮発することにより行うことができる。これらの加熱、減圧の方法は特に限定されず、例えば従来公知の方法を使用することができる。
前記植物原料としては、ショウガ科ウコン属の植物であるCurcuma longa(ウコン)、Curcuma aromatica、Curcuma zedoaria、Curcuma phaeocaulis、Curcuma kwangsiensis、Curcuma wenyujin、及び/又は、Curcuma xanthorrhizaの根茎等が挙げられ、特に、Curcuma longaの根茎等が好適である。根茎は土中から採取したものを使用してよく、根茎の適当な部位を原型のまま、あるいは適当な寸法又は形状にカットしたもの、あるいは粉砕物の形態にしたものを使用することができる。これらの植物原料は適宜乾燥されたものであってよい。
抽出溶媒としては、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒としては、水、親水性有機溶媒、水と親水性有機溶媒の混合溶媒のいずれであってもよい。親水性有機溶媒は複数種の親水性有機溶媒の混合溶媒であってもよい。「水」とは熱水も包含する。熱水としては例えば95℃以上の熱水が使用できる。親水性有機溶媒としては少なくとも1種のアルコール(複数種のアルコールの混合溶媒であってもよい)が挙げられ、アルコールとしては、特に限定されないが、エタノールが好ましい。抽出溶媒としてアルコールと水との混合溶媒を用いる場合の混合比は特に限定されないが、例えば重量比で10:90〜90:10の範囲が好ましく、20:80〜50:50の範囲がより好ましい。
また、抽出溶媒として、超臨界二酸化炭素を用いることもできる。
植物原料からのウコン抽出物の抽出方法は特に限定されない。
本発明では、ウコン抽出物として、ターメロノールA及びターメロノールBを含有する、前記抽出溶媒によるウコン抽出物を用いることが好ましい。
ターメロノールA及びターメロノールBは、それぞれ、以下の平面構造を有する化合物である。
Figure 2020004357
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<ターメロノールA及びターメロノールB>
本発明で用いるターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種(以下「活性化合物」という場合がある)は植物に由来するものであってもよいし、人為的に合成されたものであってもよい。例えば光学活性の(+)−ターメロノールAは、Biosci Biotechnol Biochem. 1993;57(7):1137−40に記載の方法により合成することできる。
ウコン抽出物から分離される天然物において、ターメロノールA及びターメロノールBは、2−メチル−2−ヘプテン−4−オンの部分構造における6位炭素の立体配置がS体であることが公知である。しかし、本発明においてターメロノールA及びターメロノールBは上記の平面構造を有していればよく、前記立体配置がS体であってもよいし、R体であってもよいし、S体とR体との混合物であってもよい。
本発明で用いる活性化合物はより好ましくは植物原料に由来するものであり、より好ましくは、ショウガ科ウコン属植物に由来するものである。ショウガ科ウコン属植物及びその部位の具体例は上記の通りである。ショウガ科ウコン属の植物の根茎等の部位から活性化合物を得ることができる。
活性化合物は、それを含む植物原料から抽出することができる。抽出方法は既述の通りである。活性化合物は、植物抽出物、特に、水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物の形態であってよい。
また、活性化合物を含む植物抽出物から、活性化合物を高純度化した画分を、本発明に使用してもよく、本発明の組成物に配合してもよい。例えば、活性化合物を含む植物抽出物を酢酸エチル/水の液液分配に供し、酢酸エチル画分に活性化合物を高純度化することができる。また、活性化合物を含む植物抽出物又はその画分を、クロマトグラフィによる精製処理に供して、高純度化した活性化合物を得ることもできる。クロマトグラフィとしては、逆相カラムクロマトグラフィ、順相薄層クロマトグラフィ等を使用することができる。
活性化合物を含む植物抽出物又はその画分は、常法により、乾燥、粉末化、顆粒化、溶液化等の加工を施したものであってもよい。
<本発明の組成物>
本発明の組成物の一態様は、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アルツハイマー病の治療、予防又は改善用組成物に関する。本態様に係る本発明の組成物を、ヒト等の対象に投与することで、前記対象においてアルツハイマー病を治療、予防又は改善することができる。ここで、前記の各有効成分は、アルツハイマー病の治療、予防又は改善のための有効量で投与される。投与経路としては経口投与、経鼻投与、脳内投与又は髄腔内投与が好ましく、経口又は経鼻投与がより好ましく、経口投与が特に好ましい。本発明の組成物は、脳内で、アミロイドβペプチドにより活性化されたミクログリアによるPGE2、TNF−α又はIL−1βの産生、及び、これらの物質が関与する神経細胞死の誘導を抑制することで、アルツハイマー病を治療、予防又は改善することができる。
本発明の組成物の別の一態様は、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物に関する。本態様に係る本発明の組成物を、ヒト等の対象に投与することで、前記対象においてアミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化を抑制することができる。ここで、前記の各有効成分は、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化を抑制するための有効量で投与される。投与経路としては経口投与、経鼻投与、脳内投与又は髄腔内投与が好ましく、経口又は経鼻投与がより好ましく、経口投与が特に好ましい。アルツハイマー病患者の脳内では、アミロイドβペプチドがミクログリアを活性化し、活性化されたミクログリアが、PGE2、TNF−α又はIL−1βを産生し、脳神経細胞死を誘導すると推定されている。本発明の組成物によれば、アミロイドβペプチドがミクログリアを活性化することを抑制することができる。
本発明の組成物の別の一態様は、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、脳神経細胞死の抑制用組成物に関する。アミロイドβペプチド存在下で培養したマクロファージ細胞の培養上清が、脳神経細胞または中枢神経細胞のモデル細胞であるヒト神経芽腫細胞SHSY5Yの細胞死を誘導するのに対して、マクロファージ細胞を予め前記ウコン抽出物又はターメロノールBにより処理した後にアミロイドβペプチド存在下で培養したマクロファージ細胞の培養上清は、ヒト神経芽腫細胞SHSY5Yの細胞死を誘導する作用が抑制されていることを本発明者らは見出した。また、前記ウコン抽出物が、酸化ストレスが誘導するSHSY5Yの細胞死を抑制する作用を有することを本発明者らは見出した。これらの知見から、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種が、脳神経細胞又は中枢神経細胞の、酸化ストレスによる細胞死又はアミロイドβペプチドにより活性化されたミクログリアによる細胞死を抑制する作用を有することが裏付けられる。本態様に係る本発明の組成物を、ヒト等の対象に投与することで、前記対象において脳神経細胞又は中枢神経細胞の細胞死、特に、アミロイドβペプチドにより活性化されたミクログリアが産生するPGE2、TNF−α又はIL−1βが関与する脳神経細胞又は中枢神経細胞の細胞死、或いは、酸化ストレスが関与する脳神経細胞又は中枢神経細胞の細胞死を抑制することができる。ここで、前記の各有効成分は、脳神経細胞死又は中枢神経細胞死を抑制するための有効量で投与される。投与経路としては経口投与、経鼻投与、脳内投与又は髄腔内投与が好ましく、経口又は経鼻投与がより好ましく、経口投与が特に好ましい。
本発明の組成物の別の一態様は、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1βの産生の抑制用組成物に関する。本態様に係る本発明の組成物を、ヒト等の対象に投与することで、前記対象においてアミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1βの産生、特に、アミロイドβペプチドで活性化されたミクログリアによるPGE2、TNF−α又はIL−1βの産生を抑制することができる。ここで、前記の各有効成分は、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1βの産生を抑制するための有効量で投与される。投与経路としては経口投与、経鼻投与、脳内投与又は髄腔内投与が好ましく、経口又は経鼻投与がより好ましく、経口投与が特に好ましい。
本発明の組成物は、医薬品、飲食品、飼料、食品添加剤、飼料添加剤等の各形態の組成物であってよく、医薬品又は飲食品であることがより好ましい。飲食品は、機能性表示食品、特定保健用食品、栄養補給のためのサプリメント等の形態のものも包含する。本発明の組成物は、好ましくは、経口又は経鼻により摂取又は投与される組成物の形態であり、より好ましくは、経口により摂取又は投与される組成物の形態である。
有効成分として前記ウコン抽出物を含む実施形態に係る本発明の組成物での前記ウコン抽出物の含有量は、本発明の組成物の1日の摂取または投与量当たり、好ましくはヒト1人、特に成人1人に対する1日の摂取又は投与量当たり、前記ウコン抽出物をターメロノールAとして80μg以上かつターメロノールBとして20μg以上となるように含有することが、アルツハイマー病の治療、予防又は改善作用、脳神経細胞死の抑制作用、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制作用、及び、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1β産生の抑制作用を効果的に得る点で好ましい。ここで「1日の摂取又は投与量」とは経口又は経鼻による、好ましくは経口による、摂取又は投与の場合に、典型的には、本発明の組成物の量として0.1g〜500gである。本発明の組成物は、継続的に摂取又は投与してもよいし、必要時に摂取又は投与して用いてもよい。
有効成分として前記ウコン抽出物を含む実施形態に係る本発明の組成物は、前記ウコン抽出物自体であってもよいし、前記ウコン抽出物と、少なくとも1種の他の成分とを含む組成物であってもよい。本発明の組成物が、前記ウコン抽出物と、少なくとも1種の他の成分とを含む場合、前記ウコン抽出物と、少なくとも1種の他の成分とを混合した組成物であってもよいし、前記ウコン抽出物と、少なくとも1種の他の成分とを適当な手段で製剤化した組成物であってもよいし、前記ウコン抽出物と、少なくとも1種の他の成分との製剤化した組成物を、更に他の成分と混合した組成物であってもよい。
有効成分としてターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を含む実施形態に係る本発明の組成物は、1日の摂取または投与量当たり、好ましくはヒト1人、特に成人1人に対する1日の摂取又は投与量当たり、ターメロノールA及びターメロノールBの合計量として100μg以上となるように、ターメロノールA及びターメロノールBから選択される少なくとも1種を含有する。有効成分としてターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を含む実施形態に係る本発明の組成物はまた、1日の摂取または投与量当たり、好ましくはヒト1人、特に成人1人に対する1日の摂取又は投与量当たり、ターメロノールAが80μg以上、及び/又は、ターメロノールBが20μg以上となるように、より好ましくは、ターメロノールAが80μg以上、及び、ターメロノールBが20μg以上となるように、ターメロノールA及びターメロノールBから選択される少なくとも1種を含有する。これらの実施形態によれば、アルツハイマー病の治療、予防又は改善作用、脳神経細胞死の抑制作用、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制作用、及び、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α又はIL−1β産生の抑制作用を効果的に得ることができる。ここで「1日の摂取又は投与量」とは経口又は経鼻による、好ましくは経口による、摂取又は投与の場合に、典型的には、本発明の組成物の量として0.1g〜500gである。本発明の組成物は、継続的に摂取又は投与してもよいし、必要時に摂取又は投与して用いてもよい。
有効成分としてターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を含む実施形態に係る本発明の組成物は、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種の化合物自体であってもよいし、前記化合物と、少なくとも1種の他の成分とを含むものであってもよい。本発明の組成物が、前記化合物と、少なくとも1種の他の成分とを含む場合、前記化合物と、少なくとも1種の他の成分とを混合した組成物であってもよいし、前記化合物と、少なくとも1種の他の成分とを適当な手段で製剤化した組成物であってもよいし、前記化合物と、少なくとも1種の他の成分との製剤化した組成物を、更に他の成分と混合した組成物であってもよい。
本発明の組成物の形状は、特に限定されず、例えば、液体状、流動状、ゲル状、半固形状、又は固形状などの何れの形状であってもよい。
本発明の組成物が含み得る、少なくとも1種の他の成分としては、特に限定されないが、好ましくは、医薬品、飲食品、飼料、食品添加剤、飼料添加剤等の最終的な形態において許容される成分であって、経口摂取可能な成分が例示できる。
このような他の成分としては例えば、甘味料、酸味料、ビタミン類、ミネラル類、増粘剤、乳化剤、酸化防止剤、水等が挙げられる。また、必要により、色素、香料、保存料、防腐剤、防かび剤、更なる生理活性物質等を添加してもよい。
甘味料としては、ブドウ糖、果糖、ショ糖、乳糖、麦芽糖、パラチノース、トレハロース、キシロース等の単糖や二糖、異性化糖(ブドウ糖果糖液糖、果糖ブドウ糖液糖、砂糖混合異性化糖等)、糖アルコール(エリスリトール、キシリトール、ラクチトール、パラチニット、ソルビトール、還元水飴等)、はちみつ、高甘味度甘味料(スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン、ステビア、アスパルテーム等)等が挙げられる。
酸味料としては、クエン酸、リンゴ酸、グルコン酸、酒石酸、乳酸、リン酸、又はこれらの塩等があり、これらのうちの1種又は2種以上を利用することができる。
ビタミン類としては、ビタミンA、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンE、ナイアシン、イノシトール等が挙げられる。
ミネラル類としては、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄等が挙げられる。
増粘剤としては、カラギーナン、ジェランガム、キサンタンガム、アラビアガム、タマリンドガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、寒天、ゼラチン、ペクチン、大豆多糖類、カルボキシメチルセルロース(CMC)等が挙げられる。
乳化剤としては、グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、レシチン、植物性ステロール、サポニン等が挙げられる。
酸化防止剤としては、ビタミンC、トコフェロール(ビタミンE)、酵素処理ルチン等が挙げられる。
前記他の成分は、それぞれ当業者が飲食品、医薬品等の組成物に通常採用する範囲内の量で適宜配合することができる。
本発明の組成物と、少なくとも1種の他の成分とを適当な手段で製剤化した組成物の形態は、粉末、顆粒、カプセル剤、錠剤(糖衣錠等のコーティング錠又は多層錠、口中崩壊剤、チュアブル錠等を含む)等の固形組成物の形態であってもよいし、溶液剤等の液体組成物の形態であってもよい。
<アルツハイマー病を治療、予防又は改善する方法>
本発明の更なる一態様は、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、アルツハイマー病の治療、予防又は改善を必要とする対象に投与すること、及び
前記対象においてアルツハイマー病を治療、予防又は改善すること
を含む、アルツハイマー病を治療、予防又は改善する方法に関する。
本態様に係る方法で用いる前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種は、本発明の組成物の上述した形態であることができる。
本態様に係る方法での対象としては、典型的にはヒトであるが、ヒト以外の哺乳動物であってもよい。
本態様に係る方法において、投与経路としては経口投与、経鼻投与、脳内投与又は髄腔内投与が好ましく、経口又は経鼻投与がより好ましく、経口投与が特に好ましい。
本態様に係る方法において、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、対象に投与する投与量は、アルツハイマー病の治療、予防又は改善のための有効量であれば良く特に限定されない。例えば、対象が成人である場合、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、成人1人に対し1日あたり、好ましくは、ターメロノールA及びターメロノールBの合計量として100μg以上となるように、より好ましくは、ターメロノールAが80μg以上、及び/又は、ターメロノールBが20μg以上となるように、特に好ましくは、ターメロノールAが80μg以上、及び、ターメロノールBが20μg以上となるように投与することが好ましい。
<脳神経細胞の細胞死を抑制する方法>
本発明の更なる一態様は、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、脳神経細胞に、生体内又は生体外で投与すること、及び
前記脳神経細胞の細胞死を抑制すること
を含む、生体内又は生体外で脳神経細胞の細胞死を抑制する方法に関する。
本態様に係る方法で用いる前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種は、本発明の組成物の上述した形態であることができる。
本態様に係る方法で用いる脳神経細胞の起源生物は、典型的にはヒトであるが、ヒト以外の哺乳動物、例えばラット、マウス、ウシ等であってもよい。
脳神経細胞は、脳神経細胞又は中枢神経細胞に由来する細胞株であってもよく、例えば、ヒト神経芽腫細胞SHSY5Yであってもよい。
本態様に係る方法において、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、脳神経細胞に生体外で投与する方法としては、脳神経細胞を培養する培地中に、適当な濃度の前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を添加する方法が挙げられる。前記培地中への添加濃度は特に限定されないが、前記ウコン抽出物を投与する場合、好ましくは10μg/mL以上、より好ましくは20μg/mL以上、特に好ましくは50μg/mL以上であることができ、好ましくは1,000μg/mL以下、より好ましくは500μg/mL以下であることができる。ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を投与する場合、ターメロノールA及びターメロノールBの合計の添加濃度が好ましくは1μM以上、より好ましくは10μM以上、特に好ましくは20μM以上、最も好ましくは50μM以上であることができ、好ましくは1,000μM以下、より好ましくは500μM以下、特に好ましくは200μM以下であることができる。
本態様に係る方法において、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、脳神経細胞に生体内で投与する方法として、生体内の脳神経細胞に送達できる方法であれば特に限定されないが、例えば、経口投与、経鼻投与、脳内投与又は髄腔内投与が好ましく、経口又は経鼻投与がより好ましく、経口投与が特に好ましい。生体内の脳神経細胞に投与する場合、投与量は、脳神経細胞の細胞死を抑制できる有効量であれば良く特に限定されない。例えば、成人に投与する場合、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、成人1人に対し1日あたり、好ましくは、ターメロノールA及びターメロノールBの合計量として100μg以上となるように、より好ましくは、ターメロノールAが80μg以上、及び/又は、ターメロノールBが20μg以上となるように、特に好ましくは、ターメロノールAが80μg以上、及び、ターメロノールBが20μg以上となるように投与することが好ましい。
本態様に係る方法では、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、生体内又は生体外で脳神経細胞に投与したのち、適当な時間、例えば5時間以上、好ましくは12時間以上、より好ましくは20時間以上、特に好ましくは24時間以上、好ましくは72時間以下、より好ましくは48時間以下、特に好ましくは36時間以下の時間、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種と脳神経細胞との接触状態を維持することにより、前記脳神経細胞の細胞死を抑制することができる。
<アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化を抑制する方法>
本発明の更なる一態様は、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、ミクログリアに、生体内又は生体外で投与すること、及び
前記ミクログリアのアミロイドβペプチドで誘導される活性化を抑制すること
を含む、生体内又は生体外で、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化を抑制する方法に関する。
本態様に係る方法で用いるミクログリアの起源生物は、典型的にはヒトであるが、ヒト以外の哺乳動物、例えばラット、マウス、ウシ等であってもよい。
ミクログリアは、ミクログリアと同等の機能を有する細胞であってもよく、例えば、単球から分化したマクロファージ細胞であってもよい。
本態様に係る方法において、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、ミクログリアに生体外で投与する方法としては、ミクログリアを培養する培地中に、適当な濃度の前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を添加する方法が挙げられる。前記培地中への添加濃度は特に限定されないが、前記ウコン抽出物を投与する場合、好ましくは10μg/mL以上、より好ましくは20μg/mL以上、特に好ましくは50μg/mL以上であることができ、好ましくは1,000μg/mL以下、より好ましくは500μg/mL以下であることができる。ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を投与する場合、ターメロノールA及びターメロノールBの合計の添加濃度が好ましくは1μM以上、より好ましくは10μM以上、特に好ましくは20μM以上、最も好ましくは50μM以上であることができ、好ましくは1,000μM以下、より好ましくは500μM以下、特に好ましくは200μM以下であることができる。
本態様に係る方法において、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、ミクログリアに生体内で投与する方法として、生体内のミクログリアに送達できる方法であれば特に限定されないが、例えば、経口投与、経鼻投与、脳内投与又は髄腔内投与が好ましく、経口又は経鼻投与がより好ましく、経口投与が特に好ましい。生体内のミクログリアに投与する場合、投与量は、ミクログリアのアミロイドβペプチドに誘導される活性化を抑制できる有効量であれば良く特に限定されない。例えば、成人に投与する場合、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、成人1人に対し1日あたり、好ましくは、ターメロノールA及びターメロノールBの合計量として100μg以上となるように、より好ましくは、ターメロノールAが80μg以上、及び/又は、ターメロノールBが20μg以上となるように、特に好ましくは、ターメロノールAが80μg以上、及び、ターメロノールBが20μg以上となるように投与することが好ましい。
本態様に係る方法では、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、生体内又は生体外でミクログリアに投与したのち、適当な時間、例えば5時間以上、好ましくは12時間以上、より好ましくは20時間以上、特に好ましくは24時間以上、好ましくは72時間以下、より好ましくは48時間以下、特に好ましくは36時間以下の時間、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種とミクログリアとの接触状態を維持することにより、前記ミクログリアのアミロイドβペプチドで誘導される活性化を抑制することができる。
アミロイドβペプチドは、典型的には、ミクログリアと同じ生物種に由来するアミロイドβペプチドである。
「ミクログリアのアミロイドβペプチドで誘導される活性化」とは、例えば、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアからのPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生であり、本態様ではこれらの物質の産生を抑制することができる。
<アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を抑制する方法>
本発明の更なる一態様は、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生の抑制を必要とする対象に投与すること、及び
前記対象において、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を抑制すること
を含む、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を抑制する方法に関する。
本態様に係る方法で用いる前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種は、本発明の組成物の上述した形態であることができる。
本態様に係る方法での対象としては、典型的にはヒトであるが、ヒト以外の哺乳動物であってもよい。
本態様に係る方法において、投与経路として経口投与、経鼻投与、脳内投与又は髄腔内投与が好ましく、経口又は経鼻投与がより好ましく、経口投与が特に好ましい。
本態様に係る方法において、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、対象に投与する投与量は、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2、TNF−α及びIL−1βから選択される1以上の産生を抑制するための有効量であれば良く特に限定されない。例えば、対象が成人である場合、前記ウコン抽出物、或いは、ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を、成人1人に対し1日あたり、好ましくは、ターメロノールA及びターメロノールBの合計量として100μg以上となるように、より好ましくは、ターメロノールAが80μg以上、及び/又は、ターメロノールBが20μg以上となるように、特に好ましくは、ターメロノールAが80μg以上、及び、ターメロノールBが20μg以上となるように投与することが好ましい。
<1.実験1>
1.1.ウコン抽出物の作製方法
ウコン抽出物は、ウコン(Curcuma longa)の根茎部分を水にて抽出し、得られた抽出液を減圧加熱乾燥して水分を除去することにより調製した。ウコン抽出物中のターメロノールA及びターメロノールBの量を、後述する手順によりLC/MSを用いて測定した。ウコン抽出物中のターメロノールAの量は189μg/g、ターメロノールBの量は24μg/gであることを確認した。
1.2.ターメロノールA及びターメロノールBの分析
ウコン抽出物を秤量し、水と酢酸エチルを加え、遠心分離して得られた上清を活性炭カラムに通した後、窒素濃縮し、アセトニトリルに溶解した。得られた液を測定試料として、LC/MS分析に供した。LC/MS分析は以下の条件で行った。
分析装置:Thermo Fisher Scientific社 Orbitrap LCMS(Orbitrap Velos Pro)
流速:0.5mL/分
移動相:アセトニトリル、0.1%ギ酸水溶液
送液グラジエント:
Figure 2020004357

使用カラム:UNISON UK−C18(250mm×4.6mm、3μm)
カラム温度:30℃
1.3.ターメロノールA及びターメロノールBの入手
ターメロノールA及びターメロノールBは、長良サイエンス株式会社の市販品を購入し、ジメチルスルホキシドに溶解して試験に用いた。
1.4.アミロイドβが誘導するマクロファージ細胞の活性化を抑制する作用の評価
ヒト単球細胞株THP−1をRPMI1640(10%FBS)培地に懸濁し、8.0×10セル数になるように96穴プレートに播種して100nMの12−O−Tetradecanoylphorbol 13−acetate(PMA,分化誘導因子)を添加し、5%CO下で24時間培養して細胞をマクロファージ細胞に分化させた。その後、ウコン抽出物(50,100,200μg/mL)、ターメロノールA(12.5,25,50,100μM)、ターメロノールB(12.5,25,50,100μM)のいずれかを含むRPMI1640(10%FBS)培地に交換し、5%CO下で24時間培養して各検体で細胞を処理した。その後、25μMのアミロイドβペプチドの凝集物(Aβ)を含むRPMI1640(2%FBS)培地に交換し、5%CO下で24時間培養して細胞を活性化させた。その後、ELISA法を用いて培地に放出されたプロスタグランジンE2(PGE2)、腫瘍壊死因子α(TNF−α)、インターロイキン−1β(IL−1β)を測定した。
図1には、Aβの処理によってTHP−1細胞から分化したマクロファージ細胞が活性化しPGE2の産生が増加すること、および50〜200μg/mLのウコン抽出物、12.5〜100μMのターメロノールA、BがPGE2の産生増加を抑制することが示されている。図2には、Aβの処理によってTHP−1細胞から分化したマクロファージ細胞が活性化しTNF−αの産生が増加すること、および50、100μMのターメロノールA、BがTNF−αの産生増加を抑制することが示されている。図3には、Aβの処理によってTHP−1細胞から分化したマクロファージ細胞が活性化しIL−1βの産生が増加すること、および50、100μMのターメロノールA、BがIL−1βの産生増加を抑制することが示されている。
なお、マクロファージ細胞は、発現するマーカー等から、ミクログリアとほぼ同じとみなすことができ、イン・ビトロの試験でミクログリアの代替として用いられる(Frontiers in Pharmacology/Neuropharmacology, E. Solito et al, 2012-2|Volume3|Article14、International Journal of Alzheimer’s Disease, Volume 2012, Article ID 314185, 11 pages等)。アルツハイマー病患者では、Aβにより活性化されたミクログリアが、PGE2、TNF−α、IL−1β等を産生し、脳神経細胞死を誘導していると推定される。このため、Aβにより活性化されたマクロファージ細胞によるPGE2、TNF−α、IL−1βの産生を、ウコン抽出物、ターメロノールA及びターメロノールBが抑制するという上記の実験結果は、ウコン抽出物、ターメロノールA及びターメロノールBが、アルツハイマー病患者において、Aβにより活性化されたミクログリアによる、PGE2、TNF−α、IL−1βの産生、及び、脳神経細胞死の誘導を抑制することを裏付ける。
<2.実験2>
2.1.方法
ヒト単球細胞株THP−1をRPMI1640(10%FBS)培地に懸濁し、8.0×10セル数になるように96穴プレートに播種して100nMの12−O−Tetradecanoylphorbol 13−acetate(PMA,分化誘導因子)を添加し、5%CO下で24時間培養して細胞をマクロファージ細胞に分化させた。その後、実験1で使用したのと同じウコン抽出物(100μg/mL)、ターメロノールB(50μM)(長良サイエンス株式会社)のいずれかを含むRPMI1640(10%FBS)培地に交換し、5%CO下で24時間培養して、各濃度のウコン抽出物又はターメロノールBにより細胞を処理した。その後、25μMのアミロイドβ(Aβ)ペプチドの凝集物を含むRPMI1640(2%FBS)培地に交換し、5%CO下で12時間培養してマクロファージ細胞を活性化させた。その培養上清を回収し、調製培地とした。別途、ヒト神経芽腫細胞SHSY5YをDMEM(10%FBS)培地に懸濁し、3×10セル数になるように96穴プレートに播種して5%CO下で24時間培養した。その後、ヒト神経芽腫細胞の培地を前記調製培地に交換し、5%CO下で48時間培養して前記調製培地で細胞を処理した。その後、WST−1アッセイを用いて細胞活性を測定した。
WST−1アッセイは、WST−1(2−(4−インドフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム,モノソジウム塩;同仁化学研究所製)を、細胞を含む各ウェルに添加し、炭酸ガス培養器内にて所定時間培養して生細胞のミトコンドリアの脱水素酵素によりWST−1から水溶性ホルマザンを生成させ、生成したホルマザン濃度を測定することを含む。生成したホルマザン濃度は、細胞活性の指標である。ホルマザン濃度は、マイクロプレートリーダーにて測定波長450nmの吸光度により測定した(参照波長630nm)。
対照試験の手順は以下の通りである。THP−1から分化させた前記マクロファージ細胞を、ウコン抽出物及びターメロノールBを含まないRPMI1640(10%FBS)培地中で5%CO下24時間培養し、その後、25μMのアミロイドβ(Aβ)ペプチドの凝集物を含むRPMI1640(2%FBS)培地(Aβ+)、或いは、前記凝集物を含まないRPMI1640(2%FBS)培地(Aβ−)に交換し、5%CO下で12時間培養し、その培養上清を回収した。回収した培養上清を、前記調製培地の代わりに、ヒト神経芽腫細胞の処理に使用した。
2.2.結果
結果を図4に示す。縦軸はアッセイの結果得られた吸光度であり、細胞活性を示す。
対照試験(Aβ+)では、前記マクロファージ細胞にアミロイドβペプチドを添加し、一定時間培養した後、その培養上清を回収してSHSY5Yに添加すると、細胞死が誘導された。一方アミロイドβペプチドを用いない対照試験(Aβ−)では、細胞死が誘導されなかった。このことから、アミロイドβペプチドを添加した培地中で培養したマクロファージ細胞は培養上清に液性因子を放出しており、当該液性因子が脳神経細胞の細胞死を誘導していることが推測された。
これに対して、ウコン抽出物又はターメロノールBにより予め処理したマクロファージ細胞では、アミロイドβペプチド存在下での培養上清が脳神経細胞の細胞死を誘導する作用が、対照試験(Aβ+)よりも抑制された。このことは、ウコン抽出物及びターメロノールBが、アミロイドβペプチド存在下のマクロファージ細胞による前記液性因子の放出を抑制することを示す。
<3.実験3>
3.1.方法
脳神経細胞を過酸化水素Hで処理すると酸化ストレスが生じ細胞死が生じることが知られている。以下の実験では、実験1で調製したウコン抽出物の、酸化ストレスによる脳神経細胞の細胞死を抑制する作用を確認した。
ヒト神経芽腫細胞SHSY5YをDMEM(10%FBS)培地に懸濁し、3×10セル数になるように96穴プレートに播種して5%CO下で24時間培養した。その後、実験1に記載のウコン抽出物(25,50,100,200μg/mL)を含むDMEM(FBS Free)培地に交換し、5%CO下で24時間培養し、各濃度のウコン抽出物により細胞を処理した。その後、60μMのHを含むDMEM(FBS Free)培地に交換し、5%CO下で24時間培養して細胞を刺激した。その後、実験2と同様にWST−1アッセイを用いて細胞活性を測定した。
対照試験(H+)では、上記の所定濃度のウコン抽出物を含むDMEM(FBS Free)培地に代えて、ウコン抽出物を含まないDMEM(FBS Free)培地を用いた以外は上記と同様の操作を行った。対照試験(H−)では、上記の所定濃度のウコン抽出物を含むDMEM(FBS Free)培地に代えて、ウコン抽出物を含まないDMEM(FBS Free)培地を用い、且つ、上記の60μMのHを含むDMEM(FBS Free)培地に代えて、Hを含まないDMEM(FBS Free)培地を用いた以外は上記と同様の操作を行った。
3.2.結果
結果を図5に示す。縦軸はアッセイの結果得られた吸光度であり、細胞活性を示す。エラーバーは標準偏差を示す。
対照(H+)に対してスチューデントのT検定を行い、有意差を確認した。**:p<0.01、*:p<0.05。
この結果は、ヒト神経芽腫細胞SHSY5Yの、酸化ストレスによる細胞死が、実験1で調製したウコン抽出物により抑制されることを示す。
本明細書で引用した全ての刊行物、特許及び特許出願はそのまま引用により本明細書に組み入れられるものとする。

Claims (12)

  1. 水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アルツハイマー病の治療、予防又は改善用組成物。
  2. ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アルツハイマー病の治療、予防又は改善用組成物。
  3. 水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、脳神経細胞死の抑制用組成物。
  4. ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、脳神経細胞死の抑制用組成物。
  5. 水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物。
  6. ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるミクログリアの活性化の抑制用組成物。
  7. 水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2産生の抑制用組成物。
  8. ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるPGE2産生の抑制用組成物。
  9. 水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるTNF−α産生の抑制用組成物。
  10. ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるTNF−α産生の抑制用組成物。
  11. 水及び親水性有機溶媒からなる群から選択される少なくとも1種の抽出溶媒によるウコン抽出物を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるIL−1β産生の抑制用組成物。
  12. ターメロノールA及びターメロノールBの少なくとも1種を有効成分として含有する、アミロイドβペプチドで誘導されるIL−1β産生の抑制用組成物。
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