JPWO2020003416A1 - 空調装置、空調システム及び温度計測方法 - Google Patents

空調装置、空調システム及び温度計測方法 Download PDF

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Abstract

空調装置(1)において、空調部(50)は、空調空気の吹き出し口にルーバー(18)を有し、空調空気を吹き出し口から吹き出すことにより空調エリアを空調する。第1の撮像部(6)は、空調エリアにおける第1の範囲を撮像することにより、空調エリアにおける対象物の位置を示す第1の画像を取得する。第2の撮像部(7)は、ルーバー(18)に設置され、空調エリアにおける第1の範囲よりも狭い第2の範囲を撮像することにより、対象物の温度を示す第2の画像を取得する。第2の撮像部(7)の光軸の向きは、ルーバー(18)の向きの変化に連動して変化することにより、第1の撮像部(6)により取得された第1の画像により示される対象物の位置の方に向けられる。

Description

本発明は、空調装置、空調システム及び温度計測方法に関する。
空調エリアにおける温度情報を取得する技術が知られている。例えば特許文献1は、赤外線カメラにより検出した乗員の皮膚温度に基づいて空調を制御する車両用空調装置を開示している。具体的に説明すると、特許文献1には、空調風の吹き出し方向を左右に変化させるルーバーに赤外線カメラを設置し、ルーバーの向きに連動して赤外線カメラの光軸を変化させることが開示されている。このように赤外線カメラの光軸をルーバーに連動させて変化させることにより、複数台の赤外線カメラ又は広い画角の赤外線カメラを用いることなく、1台の安価な赤外線カメラによって広い範囲の温度を精度良く検出することができる。
特開2005−59821号公報
上記のように撮像手段をルーバーに設置し、ルーバーの向きの変化に連動させて撮像手段の光軸を変化させると、撮像手段の光軸を変化させている間は、空調装置からの空調空気の吹き出し方向を空調目的のために制御できなくなる。そして、空調エリアにおける広い範囲に亘って撮像手段を走査させると、それに伴って空調空気の吹き出し方向を制御できない時間も長くなる。その結果として、空調エリアにおける快適性の低下を招く。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたものであり、快適性の低下を抑制しつつ、空調エリアにおける温度情報を精度良く取得することが可能な空調装置等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る空調装置は、
空調空気の吹き出し口にルーバーを有し、前記空調空気を前記吹き出し口から吹き出すことにより空調エリアを空調する空調手段と、
前記空調エリアにおける第1の範囲を撮像することにより、前記空調エリアにおける対象物の位置を示す第1の画像を取得する第1の撮像手段と、
前記ルーバーに設置され、前記空調エリアにおける前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲を撮像することにより、前記対象物の温度を示す第2の画像を取得する第2の撮像手段と、を備え、
前記第2の撮像手段の光軸の向きは、前記ルーバーの向きの変化に連動して変化することにより、前記第1の撮像手段により取得された前記第1の画像により示される前記対象物の位置の方に向けられる。
本発明に係る空調装置は、空調エリアにおける第1の範囲を撮像することにより、空調エリアにおける対象物の位置を示す第1の画像を取得する第1の撮像手段と、ルーバーに設置され、空調エリアにおける第1の範囲よりも狭い第2の範囲を撮像することにより、対象物の温度を示す第2の画像を取得する第2の撮像手段と、を備え、第2の撮像手段の光軸の向きは、ルーバーの向きの変化に連動して変化することにより、第1の撮像手段により取得された第1の画像により示される対象物の位置の方に向けられる。従って、本発明によれば、快適性の低下を抑制しつつ、空調エリアの温度情報を精度良く取得することができる。
本発明の実施の形態1に係る空調装置が設置された空調エリアの例を示す図 実施の形態1に係る空調装置の構成を示す図 実施の形態1に係る空調装置の室内機を側方から見た図 実施の形態1に係る室内機制御部のハードウェア構成を示すブロック図 実施の形態1に係る空調装置の機能的な構成を示すブロック図 実施の形態1において第1の撮像部により撮像された第1の画像の例を示す図 実施の形態1においてルーバーの向きを変化させる様子を示す図 実施の形態1においてルーバーの向きの変化に連動して第2の撮像部による撮像範囲が変化する様子を示す図 実施の形態1において第2の撮像部により撮像された第2の画像の例を示す図 実施の形態1に係る空調装置によって実行される空調制御処理の流れを示すフローチャート 本発明の実施の形態2に係る空調システムが適用される空調エリアの例を示す図 実施の形態2に係る空調システムの機能的な構成を示すブロック図
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付す。
(実施の形態1)
図1に、実施の形態1に係る空調装置1の概略を示す。空調装置1は、空調対象の空間である空調エリア4を空調する設備である。空調とは、空調対象の空間の空気の温度、湿度、清浄度又は気流等を調整することであって、具体的には、暖房、冷房、除湿、加湿、空気清浄等を含む。
空調エリア4は、例えば戸建て住宅、集合住宅、オフィスビル、工場、車両等における一室であって、空調装置1の室内機3が設置されたエリアである。図1の例では、空調エリア4は、ユーザUが居る部屋である。空調装置1は、図示しない商用電源、発電設備又は蓄電設備から電力の供給を得て動作し、空調エリア4を空調する。
図2に、空調装置1の構成を示す。空調装置1は、CO(二酸化炭素)、HFC(ハイドロフルオロカーボン)等を冷媒として用いたヒートポンプ式の空調設備である。図2に示すように、空調装置1は、室外、すなわち空調エリア4外に設置される室外機2と、室内、すなわち空調エリア4内に設置される室内機3と、空調エリア4内のユーザUによって操作されるリモコン40と、を備える。室外機2と室内機3とは、冷媒が流れる冷媒回路10及び通信線21を介して接続されている。
室外機2は、圧縮機11と、四方弁12と、室外熱交換器13と、膨張弁14と、室外ファン16と、室外機制御部20と、を備える。室内機3は、室内熱交換器15と、室内ファン17と、ルーバー18と、室内機制御部30と、を備える。冷媒回路10は、圧縮機11と、四方弁12と、室外熱交換器13と、膨張弁14と、室内熱交換器15と、を環状に接続している。これにより、冷凍サイクルが構成されている。
圧縮機11は、冷媒を圧縮して冷凍サイクルを循環させる。具体的に説明すると、圧縮機11は、低温且つ低圧の冷媒を圧縮し、高圧及び高温となった冷媒を四方弁12に吐出する。圧縮機11は、駆動周波数に応じて運転容量を変化させることができるインバータ回路を備える。運転容量とは、圧縮機11が単位時間当たりに冷媒を送り出す量である。圧縮機11は、室外機制御部20からの指示に従って駆動周波数を調整することによって運転容量を変更する。
四方弁12は、圧縮機11の吐出側に設置されている。四方弁12は、空調装置1の運転が冷房又は除湿運転であるか暖房運転であるかに応じて、冷媒回路10中の冷媒の流れる方向を切り換える。
室外熱交換器13は、冷媒回路10を流れる冷媒と、空調エリア4外の空気と、の間で熱交換を行う第1の熱交換器である。室外ファン16は、室外熱交換器13の傍に設けられており、空調エリア4外の空気を室外熱交換器13に送る第1の送風機である。室外ファン16は、送風動作を開始すると、室外機2の内部に負圧が生じて、空調エリア4外の空気を吸い込む。吸い込まれた空気は、室外熱交換器13に供給され、冷媒回路10を流れる冷媒により供給される冷温熱との間で熱交換された後、空調エリア4外に吹き出される。
膨張弁14は、室外熱交換器13と室内熱交換器15との間に設置されており、冷媒回路10を流れる冷媒を減圧して膨張させる。膨張弁14は、その開度が可変に制御可能な電子式膨張弁である。膨張弁14は、室外機制御部20からの指示に従って開度を変更して、冷媒の圧力を調整する。
室内熱交換器15は、冷媒回路10を流れる冷媒と、空調エリア4内の空気と、の間で熱交換を行う第2の熱交換器である。室内ファン17は、室内熱交換器15の傍に設けられており、空調エリア4内の空気を室内熱交換器15に送る第2の送風機である。室内ファン17は、送風動作を開始すると、室内機3の内部に負圧が生じて空調エリア4内の空気を吸い込む。吸い込まれた空気は、室内熱交換器15に供給され、冷媒回路10を流れる冷媒より供給される冷温熱との間で熱交換された後、空調エリア4に吹き出される。
室内熱交換器15で熱交換された空気は、空調空気として吹き出し口19から吹き出されて、空調エリア4に供給される。これにより、空調エリア4が空調される。室内熱交換器15における冷媒と空気との熱交換量が大きいほど、空調装置1の空調能力は上がる。ここで、空調能力とは、空調装置1による空調の強さを示す指標である。以下、冷房時の空調能力を冷房能力と呼び、暖房時の空調能力を暖房能力と呼ぶ。
ルーバー18は、空調装置1によって空調された空気が吹き出される吹き出し口19に設置されている。ルーバー18は、細長い板状の部材である少なくとも1つの羽板を有し、羽板の向きにより、吹き出し口19から吹き出される空気の流路を形成する。これにより、ルーバー18は、空調空気が吹き出し口19から吹き出される向きを調整する。
具体的に図3に、室内機3を側方から見た様子を示す。図3に示すように、ルーバー18を構成する少なくとも1つの羽板は、室内機3の吹き出し口19において、隙間を空けて平行に設けられている。羽板は、上下方向及び左右方向、すなわち図1において十字状の矢印で示す方向に向きを変えることができる。ここで、上下方向は、鉛直方向、すなわち図3におけるZ方向に相当し、左右方向は、水平方向、すなわち図3におけるX方向に相当する。羽板が上下方向及び左右方向に向きを変えることにより、ルーバー18は、空調された空気が吹き出し口19から吹き出される向きを様々に変化させることができる。
図2に戻って、室外機制御部20は、いずれも図示しないが、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、通信インタフェース、及び、読み書き可能な不揮発性の半導体メモリを備える。室外機制御部20において、CPUがRAMをワークメモリとして用いながらROMに格納された制御プログラムを実行することにより、室外機2の動作を制御する。
室内機制御部30は、室内機3の動作を制御する。図4に示すように、室内機制御部30は、制御部31と、記憶部32と、計時部33と、画像処理部34と、通信部38と、を備える。これら各部はバス39を介して接続されている。
制御部31は、CPU、ROM及びRAMを備える。CPUは、中央処理装置、中央演算装置、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP(Digital Signal Processor)等ともいう。制御部31において、CPUは、ROMに格納されたプログラム及びデータを読み出し、RAMをワークエリアとして用いて、室内機制御部30を統括制御する。
記憶部32は、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)等の不揮発性の半導体メモリであって、いわゆる二次記憶装置又は補助記憶装置としての役割を担う。記憶部32は、制御部31が各種処理を行うために使用するプログラム及びデータ、並びに、制御部31が各種処理を行うことにより生成又は取得するデータを記憶する。
計時部33は、RTC(Real Time Clock)を備えており、室内機制御部30の電源がオフの間も計時を継続する計時デバイスである。
画像処理部34は、DSP、GPU(Graphics Processing Unit)等の画像処理用のプロセッサと、処理される画像を一時的に保存するバッファメモリと、を備える。画像処理部34は、第1、第2の撮像部6,7により撮像された画像を加工する加工処理、及び、画像に含まれる人、人の顔、物体等を認識する画像認識処理を実行する。
通信部38は、室外機制御部20及びリモコン40と通信するための通信インタフェースを備える。通信部38は、ユーザから受け付けられた操作情報を、リモコン40から受信し、ユーザに報知するための報知情報をリモコン40に送信する。また、通信部38は、室外機2の運転指令を室外機制御部20に送信し、室外機2の状態を示す状態情報を室外機制御部20から受信する。
室内機制御部30は、有線、無線又は他の通信媒体である通信線21によって室外機制御部20と接続されている。室内機制御部30は、室外機制御部20と通信線21を介して各種信号を授受することにより協調動作し、空調装置1全体を制御する。具体的に説明すると、室外機制御部20は、圧縮機11の駆動周波数、四方弁12の切り換え、室外ファン16の回転速度、及び、膨張弁14の開度を制御する。また、室内機制御部30は、室内ファン17の回転速度を制御する。このように、室内機制御部30と室外機制御部20とは、空調装置1に与えられた運転指令に応じて、各装置に動作指令を出力する。
図2に戻って、リモコン40は、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、パーソナルコンピュータ等、ユーザによって操作される操作端末である。リモコン40は、室内機制御部30との間で各種信号を送受信する。ユーザUは、リモコン40を操作することで、空調装置1に運転指令を入力する。運転指令として、例えば、運転と停止との切換指令、運転モード(冷房、暖房、除湿、加湿、保湿、空気清浄、送風等)の切換指令、目標温度の切換指令、目標湿度の切換指令、風量の切換指令、風向の切換指令、又はタイマーの切換指令等が挙げられる。空調装置1は、入力された運転指令に従って運転を開始する。
<冷房運転における冷凍サイクル>
第1に、「冷房」の運転モードについて説明する。室外機制御部20は、「冷房」の運転指令を受信すると、圧縮機11から吐出された冷媒が室外熱交換器13に流入するように四方弁12の流路を切り換え、膨張弁14を開き、そして圧縮機11と室外ファン16とを駆動させる。また、室内機制御部30は、「冷房」の運転指令を受信すると、室内ファン17を駆動させる。
圧縮機11が駆動すると、圧縮機11から吐出された冷媒は、四方弁12を通過して室外熱交換器13へと流入する。室外熱交換器13に流入した冷媒は、空調エリア4外から吸い込まれた室外空気と熱交換して凝縮液化し、膨張弁14へと流入する。膨張弁14に流入した冷媒は、膨張弁14で減圧された後、室内熱交換器15へと流入する。室内熱交換器15に流入した冷媒は、空調エリア4から吸い込まれた室内空気と熱交換して蒸発した後、四方弁12を通過して、再び圧縮機11に吸入される。このようにして冷媒が流れることで、空調エリア4から吸い込まれた室内空気が室内熱交換器15で冷却される。室内熱交換器15における冷媒と室内空気との熱交換量を、冷房能力と呼ぶ。
<暖房運転における冷凍サイクル>
第2に、「暖房」の運転モードについて説明する。室外機制御部20は、「暖房」の運転指令を受信すると、圧縮機11から吐出された冷媒が室内熱交換器15に流入するように四方弁12の流路を切り換え、膨張弁14を開き、そして圧縮機11と室外ファン16とを駆動させる。また、室内機制御部30は、「暖房」の運転指令を受信すると、室内ファン17を駆動させる。
圧縮機11が駆動すると、圧縮機11から吐出された冷媒は、四方弁12を通過して室内熱交換器15へと流入する。室内熱交換器15に流入した冷媒は、空調エリア4から吸い込まれた室内空気と熱交換して凝縮液化し、膨張弁14へと流入する。膨張弁14に流入した冷媒は、膨張弁14で減圧された後、室外熱交換器13へと流入する。室外熱交換器13に流入した冷媒は、空調エリア4外から吸い込まれた室外空気と熱交換して蒸発した後、四方弁12を通過して、再び圧縮機11に吸入される。このようにして冷媒が流れることで、空調エリア4から吸い込まれた室内空気が室内熱交換器15で加熱される。室内熱交換器15における冷媒と室内空気との熱交換量を、暖房能力と呼ぶ。
また、図1から図3に示すように、空調装置1は、第1の撮像部6と、第2の撮像部7と、を更に備えている。
第1の撮像部6は、空調エリア4内を可視光により撮像するカメラである。第1の撮像部6は、空調装置1の筐体の予め定められた場所に固定されて設置されており、空調エリア4における第1の範囲R1を撮像する。第1の範囲R1は、第1の撮像部6が有する画角によって定められる範囲であって、具体的には図1及び図3において破線で示す範囲である。第1の範囲R1は、第1の撮像部6が空調エリア4内の広い範囲を一度に撮像できるように、空調エリア4における相対的に広い範囲に設定されている。
第1の撮像部6は、空調エリア4における第1の範囲R1を撮像することにより、空調エリア4内の様子を表す第1の画像を取得する。例えば図1に示すように、空調エリア4内にユーザUが存在しており、且つ、ユーザUが第1の範囲R1内に位置している場合には、第1の撮像部6は、空調エリア4におけるユーザUの位置を示す第1の画像を取得する。
第2の撮像部7は、空調エリア4内を赤外線により撮像するカメラである。第2の撮像部7は、室内機3のルーバー18に設置されており、空調エリア4における第2の範囲R2を撮像する。第2の範囲R2は、第2の撮像部7が有する画角によって定められる範囲であって、具体的には図1及び図3において一点鎖線で示す範囲である。第2の撮像部7の画角が第1の撮像部6の画角よりも狭い理由は、広い画角を有する赤外線カメラは同程度の画角を有する可視光のカメラに比べて一般的に高価であり、なるべく安価な構成によって空調エリア4内における所望の位置の温度を精度良く計測することができるようにするためである。
第2の撮像部7は、空調エリア4における第2の範囲R2を撮像することにより、空調エリア4内の温度分布を表す第2の画像を取得する。例えば図1に示すように、空調エリア4内にユーザUが存在しており、且つ、ユーザUが第2の範囲R2内に位置している場合には、第2の撮像部7は、ユーザUの温度を示す第2の画像を取得する。
第2の撮像部7は、図3に示すように、ルーバー18の羽板上に設置されている。そのため、第2の撮像部7の光軸8の向きは、ルーバー18の向きが変化することに連動して変化する。言い換えると、第2の撮像部7は、ルーバー18が羽板の向きを変化させることに伴って、撮像対象となる第2の範囲R2を変化させることができる。このように第2の撮像部7がルーバー18に設置されていることにより、第2の撮像部7の光軸8の向きを変化させる駆動装置を別個に設ける必要が無くなるため、構成を簡略化することができ、低コスト化につながる。
第1、第2の撮像部6,7は、室内機制御部30と図示しない通信線によって接続されており、撮像によって得られた第1、第2の画像を室内機制御部30に送信する。第1、第2の撮像部6,7は、それぞれ第1、第2の撮像手段として機能する。
次に、図5を参照して、空調装置1の機能的な構成について説明する。図5に示すように、空調装置1は、室内機3において、第1の撮像部6と、第2の撮像部7と、室内機制御部30と、空調部50と、を備える。
第1の撮像部6は、第1の画像センサ51と、第1の画像生成部52と、を備える。第1の画像センサ51は、図示しないレンズによる集光位置に配置された、可視光に感度を有する撮像素子である。第1の画像センサ51は、具体的には、CCD(Charge Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等のマトリックス状に配置された複数の画素を有する撮像素子である。第1の画像センサ51は、被写体から射出され、レンズによって集光された可視光の光束を複数の画素のそれぞれで検出する。そして、第1の画像センサ51は、複数の画素のそれぞれで検出された光束を光電変換することにより、被写体の光学像を表す電気信号を取得する。
第1の画像生成部52は、第1の画像センサ51により検出された各画素のセンサ値に基づいて、撮像画像を生成する。具体的に説明すると、第1の画像生成部52は、A/D(Analog/Digital)変換器によって、第1の画像センサ51の各画素において取得された電気信号をデジタルデータに変換する。これにより、第1の画像生成部52は、空調エリア4における第1の範囲R1を可視光により撮像した撮像画像を生成する。第1の画像生成部52は、CPU、プロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP等の演算装置、及びA/D変換器によって実現される。
図6に、第1の画像生成部52により生成される撮像画像である第1の画像P1の例を示す。第1の撮像部6は、空調エリア4における第1の範囲R1を撮像することにより、空調エリア4内の比較的広い範囲の様子を示す第1の画像P1を取得する。例えば図6に示すように空調エリア4内にユーザUが在室している場合には、第1の撮像部6は、第1の画像P1として、ユーザUが撮像された撮像画像を取得する。
図5に戻って、室内機制御部30は、機能的に、第1の画像解析部55と、第2の画像解析部56と、空調制御部57と、を備える。これらの各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、又は、ソフトウェアとファームウェアとの組み合わせによって実現される。ソフトウェア及びファームウェアは、プログラムとして記述され、室内機制御部30のROM又は記憶部32に格納される。そして、室内機制御部30の制御部31において、CPUが、ROM又は記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、室内機制御部30の各機能を実現する。
第1の画像解析部55は、第1の画像生成部52により生成された第1の画像P1を解析することにより、空調エリア4におけるユーザUの位置情報を取得する。第1の画像解析部55は、制御部31が画像処理部34と協働することによって実現される。第1の画像解析部55は、第1の画像解析手段として機能する。
具体的に説明すると、第1の画像解析部55は、第1の撮像部6により取得された第1の画像P1に基づいて、空調エリア4における対象物の有無を判定する。対象物は、第2の撮像部7により温度を計測する対象であって、具体的には、空調エリア4内に存在するユーザU等の人である。第1の画像解析部55は、顔認識、物体認識等の周知の画像認識技術を用いて第1の画像P1を解析し、第1の画像P1内に人が含まれているか否かを判定する。例えば図6に示したように、空調エリア4にユーザUが在室している場合には、第1の画像解析部55は、空調エリア4に対象物が存在していると判定する。
空調エリア4に対象物が存在している場合、第1の画像解析部55は、空調エリア4における対象物の位置を特定する。例えば図6に示したように、空調エリア4にユーザUが在室している場合には、第1の画像解析部55は、X軸とZ軸とを用いた座標系におけるユーザUの位置座標(X1,Z1)を特定する。特定されるユーザUの位置座標(X1,Z1)は、例えば、ユーザUの顔の中心、又は体の中心である。或いは、特定されるユーザUの位置座標(X1,Z1)は、第1の画像P1のうちのユーザUの領域として認識された部分の重心の位置であっても良い。
このようにして、第1の画像解析部55は、空調エリア4に対象物としてユーザUが存在している場合に、第1の撮像部6により取得された第1の画像P1に基づいて、ユーザUの位置情報を取得する。第1の画像解析部55は、ユーザUの位置情報を取得すると、取得した位置情報を空調制御部57に通知する。
空調制御部57は、空調部50の動作を制御する。空調部50は、図5に示すように、ルーバー駆動部58と、ルーバー18と、ファン駆動部59と、室内ファン17と、を有する。空調部50は、室内熱交換器15により冷媒と熱交換された空調空気を室内ファン17が吹き出し口19から吹き出すことにより、空調エリア4を空調する空調手段として機能する。
また、空調制御部57は、通信部38を介して室外機制御部20と通信し、圧縮機11、四方弁12、膨張弁14及び室外ファン16を制御する。空調制御部57は、制御部31が通信部38と協働することによって実現される。空調制御部57は、空調制御手段として機能する。
空調制御部57は、ルーバー駆動部58を制御することにより、ルーバー18の向きを変更する。ルーバー駆動部58は、ルーバー18の向きを変更するためのモータ、アクチュエータ等の駆動部材を備える。ルーバー駆動部58は、空調制御部57からの指示に基づいて駆動部材を駆動させて、ルーバー18の羽板の角度を上下方向又は左右方向に調整する。
具体的に図7に、ルーバー18の羽板の向きを上下方向に動かした場合の例を示す。空調制御部57は、ルーバー18の向きを変化させることにより、室内機3の吹き出し口19から吹き出される空調空気の向きを変化させる。このように空調空気が吹き出される向きを変化させることで、空調エリア4内の重点的に空調される部分を調整することができる。
また、図7に示すように、ルーバー18の向きが変化すると、ルーバー18の羽板上に設置されている第2の撮像部7の光軸8も変化する。空調制御部57は、ルーバー18の向きを変化させることにより、第2の撮像部7の光軸8の向きを、第1の画像解析部55により特定された対象物の位置の方に向くように変化させる。
具体的に図8に、第1の撮像部6により取得された第1の画像P1において、ルーバー18の向きの変化に伴って、第2の撮像部7により撮像される第2の範囲R2が変化する例を示す。第2の撮像部7により撮像される現在の第2の範囲R2が、図8において破線で示す範囲のように、対象物であるユーザUの位置から外れている場合、空調制御部57は、ルーバー18の向きを変化させることにより、第2の範囲R2を、図8において太い実線で示すユーザUの位置を含む範囲に変更する。
具体的に説明すると、空調制御部57は、第2の範囲R2をユーザUの位置を含む範囲に変更するためのルーバー18の向きを変化させる度合いとして、上下方向(Z方向)における角度αと、左右方向(X方向)における角度βを決定する。そして、空調制御部57は、ルーバー18の向きを、上下方向に角度αだけ変化させ、左右方向に角度βだけ変化させる。これにより、第2の撮像部7の光軸8がユーザUを撮像可能な向きに調整される。
より詳細に説明すると、空調制御部57は、第1の画像解析部55により特定されたユーザUの位置が、第2の撮像部7による撮像範囲である第2の範囲R2の内側か外側かを判定する。判定の結果、ユーザUの位置が第2の範囲R2の内側である場合には、第2の撮像部7により対象物を撮像するために、その光軸8の向きを変更する必要が無い。そのため、この場合、空調制御部57は、ルーバー18の向きを変化させない。
これに対して、ユーザUの位置が第2の範囲R2の外側である場合には、第2の撮像部7でユーザUを撮像するために、第2の撮像部7の光軸8をユーザUの方に向くように調整する必要がある。そのため、この場合、空調制御部57は、ルーバー18の向きを、ユーザUの位置が第2の撮像部7による撮像範囲である第2の範囲R2の内側に収まる向きに変化させる。
図5に戻って、第2の撮像部7は、第2の画像センサ53と、第2の画像生成部54と、を備える。第2の画像センサ53は、図示しないレンズの集光位置に配置された、赤外線に感度を有する撮像素子である。第2の画像センサ53は、具体的には、CCD、CMOS等のマトリックス状に配置された複数の画素を有する撮像素子である。或いは、第2の画像センサ53は、焦電型、サーモパイル型等の赤外線センサであっても良い。第2の画像センサ53は、被写体から射出され、レンズによって集光された赤外線の光束を複数の画素のそれぞれで検出する。これにより、第2の画像センサ53は、被写体の赤外線像を表す電気信号を取得する。
第2の画像生成部54は、第2の画像センサ53により検出された各画素のセンサ値に基づいて、撮像画像を生成する。具体的に説明すると、第2の画像生成部54は、A/D変換器によって、第2の画像センサ53の各画素において取得された電気信号をデジタルデータに変換する。これにより、第2の画像生成部54は、空調エリア4における第2の範囲R2を赤外線により撮像した撮像画像を生成する。第2の画像生成部54は、CPU、プロセッサ、マイクロコンピュータ、DSP等の演算装置、及びA/D変換器によって実現される。
図9に、第2の画像生成部54により生成される撮像画像である第2の画像P2の例を示す。人及び物はその温度及び素材に応じて赤外線を放射しているため、赤外線により撮像された第2の画像P2は、第2の範囲R2における熱の分布、すなわち温度分布を表している。具体的には図9に示すように、第2の画像P2のうちのユーザUが撮像された部分、すなわち図9において斜線を付した部分の温度は、人の体温の影響により、それ以外の部分の温度に比べて相対的に高い。このように、第2の撮像部7は、赤外線により空調エリア4を撮像することにより、ユーザUの温度情報を示す第2の画像P2を取得する。
図5に戻って、室内機制御部30において、第2の画像解析部56は、第2の撮像部7の撮像により取得された第2の画像P2を解析することにより、空調エリア4におけるユーザUの温度情報を取得する。第2の画像解析部56は、制御部31が画像処理部34と協働することによって実現される。第2の画像解析部56は、第2の画像解析手段として機能する。
ユーザUの温度情報を取得するために、第2の画像解析部56は、第1に、第2の画像P2のうちからユーザUが撮像された部分を切り出す。具体的に説明すると、第2の画像解析部56は、第2の画像P2において周囲と比べて温度が高い部分を、ユーザUが撮像された部分であると特定する。或いは、第2の画像解析部56は、顔認識、人認識等の手法を用いて、第2の画像P2のうちからユーザUの顔部分又は体部分を特定しても良い。第2の画像解析部56は、第2の画像P2における特定されたユーザUの部分以外の部分を除去することで、第2の画像P2のうちからユーザUの部分を抽出する。
第2の画像P2のうちからユーザUが撮像された部分を切り出すと、第2の画像解析部56は、第2に、切り出した部分における画素値を温度に換算する。具体的に説明すると、第2の画像解析部56は、切り出された部分における画素値を、予め定められた換算式に従って換算する。換算式は、画素値と温度との対応関係を定めた関係式である。例えば、第2の画像解析部56は、切り出された部分における画素値に予め定められた係数を乗算することにより、画素値を温度に換算する。
第2の画像解析部56は、温度に換算するための画素値として、切り出された部分の中央の画素の画素値を用いても良いし、切り出された部分全体の画素値の平均値を用いても良い。このようにして、第2の画像解析部56は、光軸8がユーザUの位置の方に向けられた第2の撮像部7によって撮像された第2の画像P2に基づいて、ユーザUの温度情報を取得する。第2の画像解析部56は、ユーザUの温度情報を取得すると、取得した温度情報を空調制御部57に通知する。
このように、第2の撮像部7は、ルーバー18に設置されており、その光軸8の向きは、ルーバー18の向きの変化に連動して変化し、第1の撮像部6による第1の範囲R1の撮像によって特定されたユーザUの位置の方に向けられる。このように広い画角を有する第1の撮像部6と狭い画角を有する第2の撮像部7とを組み合わせることで、第2の撮像部7の画角を絞ることができる。これにより、第2の撮像部7における1画素当たりで捉えることができる対象物のサイズを小さくする、すなわち空間分解能を良くすることができる。その結果として、遠距離に位置する対象物に対しても、その温度を精度良く計測することができる。
より詳細に説明すると、空調制御部57は、室内ファン17が駆動しており、且つ、第1の画像解析部55により空調エリア4における対象物の位置が特定された場合、室内ファン17を停止させてからルーバー18の向きを変化させる。室内ファン17が駆動している場合とは、室内機3の吹き出し口19から空調空気が空調エリア4に吹き出されている場合に相当する。
空調空気が吹き出されている最中にルーバー18の向きが変化すると、空調空気が吹き出される方向も変化する。特に、空調空気が吹き出されている最中に、第2の撮像部7によりユーザUを撮像するためにルーバー18の向きをユーザUの方に向けると、例えば風避け設定をしていても送風がユーザUの方に当たるようになる等、ユーザUが意図せずに直接空調空気を受けることになる。そのため、ユーザUに不快感を与えるおそれがある。
このような事態を避けるために、空調制御部57は、ルーバー18の向きを変化させる前に、ファン駆動部59を制御して、室内ファン17を停止させる。これにより、空調制御部57は、ルーバー18の向きを変更している最中に空調空気が空調エリア4に吹き出されないようにする。
図5に戻って、空調部50において、ファン駆動部59は、室内ファン17を駆動させるためのモータ、アクチュエータ等の駆動部材を備える。ファン駆動部59は、空調制御部57からの指示に基づいて、室内ファン17のオンとオフとを切り替える。また、ファン駆動部59は、室内ファン17の回転の強さを調整することで、室内機3の吹き出し口19から冷風又は温風が送り出される強さを調整することができる。
空調制御部57は、第2の画像解析部56により第2の画像P2から対象物の温度情報が取得されると、取得された対象物の温度情報に応じて、空調部50による空調エリア4の空調を制御する。具体的に説明すると、空調制御部57は、対象物の温度に応じてルーバー駆動部58を制御することにより、ルーバー18の向きを調整する。
第1に、冷房時において、空調制御部57は、対象物の温度が第1の閾値よりも高いか否かを判定する。第1の閾値は、対象物に対する冷房を弱めるか否かの境界となる温度であって、予め設定されて記憶部32に記憶されている。
対象物の温度が第1の閾値よりも高い場合、対象物の温度が相対的に高い状態であるため、対象物の温度を低下させることが望まれる。そのため、この場合、空調制御部57は、ルーバー18の向きを対象物の位置に向けたまま変化させない。これにより、室内機3の吹き出し口19から吹き出される冷風が対象物に当てられるため、対象物が効率的に冷却される。
これに対して、冷房時において、対象物の温度が第1の閾値よりも低い場合、対象物の温度が相対的に低い状態であるため、対象物の冷却を弱めることが望まれる。そのため、この場合、空調制御部57は、ルーバー18の向きを、対象物とは異なる位置の方に変化させる。これにより、室内機3の吹き出し口19から吹き出される冷風が対象物に直接当たらなくなるため、対象物の冷却が弱められる。
第2に、暖房時において、空調制御部57は、対象物の温度が第2の閾値よりも高いか否かを判定する。第2の閾値は、対象物に対する暖房を弱めるか否かの境界となる温度であって、予め設定されて記憶部32に記憶されている。第2の閾値は、第1の閾値と同じであっても良いし、異なっていても良い。
対象物の温度が第2の閾値よりも低い場合、対象物の温度が相対的に低い状態であるため、対象物の温度を高めることが望まれる。そのため、この場合、空調制御部57は、ルーバー18の向きを対象物の位置に向けたまま変化させない。これにより、室内機3の吹き出し口19から吹き出される温風が対象物に当てられるため、対象物が効率的に加温される。
これに対して、暖房時において、対象物の温度が第2の閾値よりも高い場合、対象物の温度が相対的に高い状態であるため、対象物の加温を弱めることが望まれる。そのため、この場合、空調制御部57は、ルーバー18の向きを、対象物とは異なる位置の方に変化させる。これにより、室内機3の吹き出し口19から吹き出される温風が対象物に直接当たらなくなるため、対象物の加温が弱められる。
このように、空調制御部57は、対象物の温度に応じてルーバー18の向きを変化させることにより、空調空気が吹き出される向きを対象物の状況に応じて的確に制御することができる。そのため、空調エリア4における快適性の向上及び省エネにつながる。
以上のように構成された空調装置1において実行される空調制御処理の流れについて、図10に示すフローチャートを参照して説明する。空調装置1は、図10に示すフローチャートの処理を実行することにより、温度計測方法を実行する。
室内機制御部30において、制御部31は、図10に示す空調制御処理を、空調装置1が空調エリア4を空調している最中に規定の周期で繰り返し実行する。規定の周期は、例えば数10秒、数分等に予め設定される。或いは、制御部31は、規定の周期が到来したタイミング以外であっても、予め定められた条件が成立した場合に、図10に示す空調制御処理を実行しても良い。
図10に示す空調制御処理を開始すると、制御部31は、第1の撮像部6により空調エリア4を撮像することにより、第1の画像P1を取得する(ステップS1)。具体的に説明すると、第1の撮像部6は、規定の周期で空調エリア4を撮像し、第1の画像P1を生成する。或いは、第1の撮像部6は、制御部31から適宜のタイミングで発せられた指令に従って空調エリア4を撮像し、第1の画像P1を生成しても良い。制御部31は、第1の撮像部6によって生成された第1の画像P1を取得する。
第1の画像P1を取得すると、制御部31は、取得した第1の画像P1に基づいて、空調エリア4に対象物が存在しているか否かを判定する(ステップS2)。具体的に説明すると、制御部31は、第1の画像P1を解析し、第1の画像P1内に温度計測の対象である人の画像が含まれているか否かを判定する。これにより、制御部31は、空調エリア4における対象物の有無を判定する。
空調エリア4に対象物が存在していない場合には(ステップS2;NO)、現在の空調エリア4には、温度を計測する対象が存在しない。そのため、この場合、制御部31は、ステップS3以降の処理を実行せずに、図10に示す空調制御処理を終了する。
これに対して、空調エリア4に対象物が存在している場合(ステップS2;YES)、制御部31は、対象物の位置情報を取得する(ステップS3)。そして、制御部31は、対象物の位置が第2の撮像部7の画角内であるか否かを判定する(ステップS4)。具体的に説明すると、制御部31は、第1の画像P1内における対象物の現在の位置座標を特定する。そして、制御部31は、特定した対象物の現在の位置座標が、第2の撮像部7により撮像可能な第2の範囲R2内に収まっているか否かを判定する。これにより、制御部31は、第2の撮像部7により対象物を撮像するために、その光軸8の向きを変更する必要があるか否かを判定する。
対象物の位置が第2の撮像部7の画角内でない場合(ステップS4;NO)、制御部31は、第2の撮像部7により対象物を撮像するためにルーバー18の向きを調整する処理を実行する。そのために、制御部31は、まず室内ファン17を停止させる(ステップS5)。具体的に説明すると、制御部31は、ファン駆動部59に室内ファン17を停止させる指令を送信する。これにより、制御部31は、ルーバー18の向きを変化させる際に、冷風又は温風が室内機3から吹き出されないようにする。
室内ファン17を停止させると、制御部31は、ルーバー18の向きを調整する(ステップS6)。具体的に説明すると、制御部31は、ルーバー駆動部58を制御することにより、第2の撮像部7の光軸8の向きが、ステップS3で取得した位置情報により示される対象物の位置の方に向けられるように、ルーバー18の向きを変化させる。
これに対して、対象物の位置が第2の撮像部7の画角内である場合(ステップS4;YES)、第2の撮像部7により対象物を撮像するために、その光軸8の向きを変更する必要が無い。そのため、この場合、制御部31は、ステップS5,S6の処理をスキップする。
ステップS6においてルーバー18の向きを調整した後、又は、ステップS4において対象物の位置が第2の撮像部7の画角内であると判定した場合、制御部31は、第2の撮像部7を用いて対象物を撮像することにより、第2の画像P2を取得する(ステップS7)。具体的に説明すると、制御部31は、第2の撮像部7に指令を送信し、空調エリア4における第2の範囲R2を赤外線により撮像させる。そして、制御部31は、第2の撮像部7によって撮像された第2の画像P2を取得する。
第2の画像P2を取得すると、制御部31は、生成した第2の画像P2のうちから対象物の部分を切り出す(ステップS8)。具体的に説明すると、制御部31は、第2の画像P2のうちの人が撮像された部分を特定し、特定した部分以外の部分を除去することで、第2の画像P2のうちから対象物の部分を切り出す。
第2の画像P2のうちから対象物の部分を切り出すと、制御部31は、対象物の温度情報を取得する(ステップS9)。具体的に説明すると、制御部31は、予め定められた換算式に従って、切り出した部分の画素値を温度に換算することで、対象物の温度情報を取得する。このようにして、制御部31は、光軸8の向きが対象物の位置の方に向けられた第2の撮像部7によって対象物を撮像することにより、対象物の温度を計測する。
対象物の温度情報を取得すると、制御部31は、対象物の温度に応じて空調を制御する(ステップS10)。具体的に説明すると、制御部31は、対象物の温度が閾値よりも高いか低いかに応じて、ルーバー18の向きを調整する。
例えば、冷房時において、制御部31は、対象物の温度が第1の閾値よりも高い場合、ルーバー18を対象物の方に向けたまま変化させず、対象物の温度が第1の閾値よりも低い場合、ルーバー18の向きを対象物の方から逸らす。一方で、暖房時において、制御部31は、対象物の温度が第2の閾値よりも低い場合、ルーバー18を対象物の方に向けたまま変化させず、対象物の温度が第2の閾値よりも高い場合、ルーバー18の向きを対象物の方から逸らす。
このようにルーバー18の向きを調整した後において、ステップS5で室内ファン17の駆動を停止させた場合には、制御部31は、ファン駆動部59を介して室内ファン17の駆動を再開させる。これにより、室内ファン17を停止する前と同様に、室内機3の吹き出し口19から空調空気が吹き出される。以上により、図10に示した空調制御処理は終了する。
以上説明したように、実施の形態1に係る空調装置1は、空調エリア4における第1の範囲R1を可視光により撮像する第1の撮像部6と、ルーバー18に設置され、空調エリア4における第1の範囲R1よりも狭い第2の範囲R2を赤外線により撮像する第2の撮像部7と、を備える。そして、実施の形態1に係る空調装置1は、第1の撮像部6により空調エリア4における対象物の位置を示す第1の画像P1を取得し、第2の撮像部7の光軸8が第1の画像P1により示される対象物の位置の方に向けられるようにルーバー18の向きを変化させてから、第2の撮像部7により対象物の温度を示す第2の画像P2を取得する。
このように、実施の形態1に係る空調装置1は、画角が広い第1の撮像部6によって対象物の位置を特定してから、画角が狭い第2の撮像部7の光軸8を対象物の位置の方に向けるため、対象物の位置を特定するために第2の撮像部7を空調エリア4の広い範囲に亘って走査する必要が無い。これにより、空調空気の吹き出し方向を空調目的のために制御できない時間を短くすることができる。その結果、快適性の低下を抑制しつつ、空調エリア4における温度情報を取得することが可能になる。また、高解像度且つ広画角を有する高価な赤外線カメラ、及び、第2の撮像部7の光軸8の向きを変化させる独自の駆動装置を必要としないため、実施の形態1に係る空調装置1は、簡易な構成で、空調エリア4の広い範囲における温度情報を精度良く取得することができる。
また、実施の形態1に係る空調装置1は、室内ファン17が駆動している際に第2の撮像部7の光軸8の向きを変化させる場合、室内ファン17を停止させてから、ルーバー18の向きを変化させる。これにより、ユーザUの意図に反して空調空気を当てることでユーザUに不快感を与えることを抑制することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2について説明する。実施の形態2において、実施の形態1と同一の又は対応する構成要素には同一の符号を付す。また、実施の形態1と同様の構成については適宜説明を省略する。
実施の形態1では、第1の撮像部6と第2の撮像部7とは、共に空調装置1に設置されていた。これに対して、実施の形態2では、第1の撮像部6は、空調装置1aには設置されておらず、空調装置1aとは別の場所に設置された撮像装置60に設置される。
図11に、実施の形態2に係る空調システム100の概略を示す。空調システム100は、空調エリア4における対象物の温度を計測する温度計測システムである。図11に示すように、空調システム100は、空調装置1aと、撮像装置60と、を備える。
空調装置1aは、空調対象の空間である空調エリア4を空調する設備である。空調装置1aの室内機3は、空調対象の空間である空調エリア4内の適宜の場所に設置されている。図11に示すように、空調装置1aは、空調空気が吹き出される吹き出し口19に設置されたルーバー18に、空調エリア4における第2の範囲R2を赤外線により撮像する第2の撮像部7を備える。
撮像装置60は、第1の撮像部6を備え、空調エリア4における第1の範囲R1を可視光により撮像する。撮像装置60は、空調エリア4内における室内機3の筐体とは別の場所に設置されている。より詳細には、撮像装置60は、第1の撮像部6により空調エリア4内の全体の様子を撮像することができるように、例えば天井、又は壁の天井に近い位置のような死角が少ない場所に設置されている。
撮像装置60は、いずれも図示しないが、CPU、ROM、RAM等の制御部と、通信インタフェースと、読み書き可能な不揮発性の半導体メモリと、を備える。撮像装置60において、CPUがRAMをワークメモリとして用いながらROMに格納された制御プログラムを実行することにより、撮像装置60の動作を制御する。
図12に、実施の形態2に係る空調システム100の機能的な構成を示す。図12に示すように、撮像装置60は、第1の撮像部6と、第1の画像解析部55と、送信部61と、を備える。撮像装置60において、第1の撮像部6及び第1の画像解析部55は、実施の形態1において空調装置1に備えられていたものと同様である。そのため、説明を省略する。
送信部61は、第1の撮像部6により取得された第1の画像P1により示される対象物の位置情報を、空調装置1aに送信する。具体的に説明すると、送信部61は、通信インタフェースを介して撮像装置60と通信する。撮像装置60と空調装置1aとは、USB(Universal Serial Bus)、Ethernet、エコーネットライト(ECHONET Lite)、又は独自の通信方式で通信可能に接続されている。そして、送信部61は、空調装置1aからの要求に応答する方式で、或いは、予め定められた送信タイミングが到来した場合に、第1の画像解析部55により特定された対象物の位置を示す位置情報を、空調装置1aに送信する。送信部61は、撮像装置60において制御部が通信インタフェースと協働するによって実現される。送信部61は、送信手段として機能する。
図12に示すように、空調装置1aは、室内機3において、第2の撮像部7と、室内機制御部30aと、空調部50と、を備える。空調装置1aは、実施の形態1における空調装置1と比較して、第1の撮像部6を備えておらず、また、室内機制御部30aにおいて第1の画像解析部55の代わりに受信部62を備えている。空調装置1aにおけるこれら以外の構成及び機能は、実施の形態1における空調装置1と同様である。そのため、説明を省略する。
受信部62は、撮像装置60から送信された、空調エリア4における対象物の位置情報を受信する。受信部62は、通信部38を介して撮像装置60と通信し、送信部61により位置情報が送信されたことに応答して、送信された位置情報を受信する。これにより、受信部62は、撮像装置60が空調エリア4における第1の範囲R1を撮像することにより取得された対象物の位置情報を取得する。受信部62は、制御部31が通信部38と協働することによって実現される。受信部62は、受信手段として機能する。
空調制御部57は、ルーバー18の向きを変化させることにより、第2の撮像部7の光軸8の向きを、受信部62により受信された位置情報により示される対象物の位置の方に向くように変化させる。第2の撮像部7は、光軸8が対象物の位置の方に向けられた状態で、空調エリア4における第2の範囲R2を赤外線により撮像する。これにより、第2の撮像部7は、対象物の温度を示す第2の画像P2を取得する。そして、第2の画像解析部56は、第2の撮像部7により取得された第2の画像P2を解析することにより、対象物の温度情報を取得する。
このように、実施の形態2に係る空調システム100は、空調装置1aとは別の場所に設置された第1の撮像部6の撮像により空調エリア4における対象物の位置情報を取得し、第2の撮像部7の光軸8の向きが取得された位置情報により示される対象物の位置の方に向くように、ルーバー18の向きを変化させる。そして、空調システム100は、光軸8の向きが対象物の位置の方に向けられた第2の撮像部7によって対象物を撮像することにより、対象物の温度を計測する。第1の撮像部6が空調装置1aとは分離された別の装置である撮像装置60に設置されているため、第1の撮像部6を、空調装置1aとは独立して自由に設置することができる。そのため、第1の撮像部6を、例えば空調装置1aの位置からは死角となる場所を撮像可能な位置も含めて、空調エリア4の全体を広く撮像して対象物の位置を特定し易い位置に設置することができる。
(変形例)
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明を実施するにあたっては、種々の形態による変形及び応用が可能である。
例えば、上記実施の形態では、第1の撮像部6は、可視光に感度を有する第1の画像センサ51を用いて、空調エリア4におけるユーザUの位置を示す第1の画像P1を取得した。しかしながら、本発明において、第1の撮像部6は、空調エリア4における対象物の位置情報を取得することができるものであれば、可視光以外の手段を用いて空調エリア4を撮像しても良い。
例えば、第1の撮像部6は、赤外線に感度を有する第1の画像センサ51を用いて空調エリア4を撮像することにより第1の画像P1を取得しても良い。言い換えると、第1、第2の撮像部6,7は、どちらも赤外線で撮像する赤外線カメラであっても良い。この場合、第1の撮像部6は、第1の画像P1として、空調エリア4内の相対的に広い範囲R1の温度分布を示す熱画像を取得し、第1の画像解析部55は、この熱画像を解析することにより対象物の位置情報を取得する。このように、第1の撮像部6は、第2の撮像部7に比べて広い画角を有する必要があるが、その代わり、対象物の位置情報を取得することができるものであれば、第2の撮像部7に比べて対象物の温度を高精度に計測できるものでなくても良い。
上記実施の形態では、第2の撮像部7は、マトリックス状に配置された複数の画素を有する第2の画像センサ53を用いて、空調エリア4におけるユーザUの温度を示す第2の画像P2を取得した。しかしながら、本発明において、第1の画像P1によって特定されたユーザUの位置の温度情報を取得することができるものであれば、第2の画像センサ53の画素数は複数ではなく1つであっても良い。言い換えると、第2の撮像部7は、1つの画素のみを用いて第2の画像P2を取得しても良い。このように第2の撮像部7における画素数を少なくすることにより、構成を簡略化することができる。
上記実施の形態では、第2の撮像部7により温度を計測される対象となる対象物として、ユーザUを例にとって説明した。しかしながら、本発明において、対象物は、ユーザUのような人であっても良いし、建物の壁、家具、機器等のような人以外の物であっても良い。例えば、対象物は、パーソナルコンピュータ、サーバ等の情報機器であっても良い。対象物が情報機器である場合、第2の撮像部7は、ルーバー18の向きが調整されることで情報機器の方に光軸8が向けられた状態で情報機器を撮像することにより、情報機器の温度情報を取得する。これにより、例えば温度が高い情報機器に向けて室内機3から効率的に冷風を送ることができ、情報機器の温度が上がりすぎることを抑制することができる。
なお、第2の撮像部7により撮像された第2の画像P2における画素値と温度との関係は、対象物の種類、素材等によって異なる。そのため、対象物が情報機器である場合、第2の画像解析部56は、対象物が人である場合とは異なる換算式を用いて、第2の画像P2から温度情報を取得する。例えば、第2の画像解析部56は、対象物の情報機器がパーソナルコンピュータであるかサーバであるか等に応じて異なる換算式を用いて、すなわち対象物毎に異なる換算式を用いて、第2の画像P2から温度情報を取得しても良い。また、第1の画像解析部55は、第1の画像P1を解析することによって空調エリア4に存在する対象物が人であるか人以外の物であるか等の種類を特定し、第2の画像解析部56は、第1の画像解析部55により特定された対象物の種類に応じて異なる換算式を用いて第2の画像P2から温度情報を取得しても良い。
上記実施の形態では、ルーバー18は、その向きを上下方向及び左右方向に変化させることができた。しかしながら、本発明において、ルーバー18は、上下方向及び左右方向という2次元の方向にその向きを変化させられるものに限らず、上下方向のみ、左右方向のみ等の1次元の方向のみにその向きを変化させるものであっても良い。但し、ルーバー18が1次元の方向のみに向きを変化させるものである場合、第2の撮像部7の光軸8はこの1次元の方向と交差する方向には動かせない。そのため、1つの第2の撮像部7では、空調エリア4内の広い範囲に光軸8を向けることができない。これを解決するために、例えば、ルーバー18が向きを変化可能な1次元の方向と交差する方向に第2の撮像部7を複数個並べて設置することで、複数個の第2の撮像部7によって空調エリア4内の広い範囲をカバーして撮像できるようにしても良い。
上記実施の形態では、空調制御部57は、第2の撮像部7により取得された対象物の温度情報に応じて、ルーバー18の向きを調整した。しかしながら、本発明において、空調制御部57は、ルーバー18の向きを調整することに代えて、又はルーバー18の向きを調整することと共に、対象物の温度に応じてファン駆動部59を制御することにより、室内ファン17による送風の強さを調整しても良い。
具体的に説明すると、冷房時において、空調制御部57は、対象物の温度が第1の閾値よりも高い場合、室内ファン17による送風を強め、対象物の温度が第1の閾値よりも低い場合、室内ファン17による送風を弱めても良い。このようにして、制御部31は、対象物の温度に応じて、対象物に向けて送られる冷房空気の強さを調整することができる。これにより、対象物をより冷却することが望まれる場合に対象物を効果的に冷却し、そうでない場合に対象物の冷却を弱めることができる。
これに対して、暖房時において、空調制御部57は、対象物の温度が第2の閾値よりも低い場合、室内ファン17による送風を強め、対象物の温度が第2の閾値よりも高い場合、室内ファン17による送風を弱めても良い。このようにして、制御部31は、対象物の温度に応じて、対象物に向けて送られる暖房空気の強さを調整することができる。これにより、対象物をより温めることが望まれる場合に対象物を効果的に温め、そうでない場合に対象物の加温を弱めることができる。
なお、上記のように室内ファン17の送風の強さを調整する場合において、送風を弱めるとは、送風を停止させる、すなわち室内ファン17の駆動を停止させることを含む。例えば、ルーバー18の向きを変化させる際に室内ファン17の駆動を停止させた場合において、対象物の温度により室内ファン17による送風を弱める必要があると判定された場合、空調制御部57は、室内ファン17の駆動を停止させたままの状態を維持しても良い。また、ルーバー18の向きを変化させる際に室内ファン17の駆動を停止させた場合において、対象物の温度により室内ファン17による送風を強める必要があると判定された場合、空調制御部57は、室内ファン17の駆動を再開させ、且つ、室内ファン17による送風の強さを停止前よりも強める。
上記実施の形態では、室内機制御部30,30aが空調制御部57の機能を備えていた。しかしながら、本発明において、室外機制御部20が空調制御部57の機能を備えていても良い。或いは、空調装置1,1a以外の外部の装置が空調制御部57の機能を備えていても良い。例えば、空調装置1,1aが設置された住宅、施設等の電力を管理するHEMS(Home Energy Management System)コントローラ、又は、住宅、施設等の外部に設置されたサーバが、空調制御部57の機能を備えていても良い。
同様に、第1の画像解析部55及び第2の画像解析部56の機能は、室内機制御部30,30a以外の場所に備えられていても良い。例えば、第1の撮像部6が、第1の画像解析部55の機能を備えており、第1の画像P1を解析して対象物の位置情報を取得しても良い。或いは、第2の撮像部7が、第2の画像解析部56の機能を備えており、第2の画像P2を解析して対象物の温度情報を取得しても良い。
また、上記実施の形態2では、第1の画像解析部55の機能は、撮像装置60に備えられていたが、空調装置1aに備えられていても良い。空調装置1aが第1の画像解析部55の機能を備える場合、撮像装置60において、送信部61は、第1の撮像部6の撮像により取得された対象物の位置情報として、第1の画像P1そのものを空調装置1aに送信する。空調装置1aにおいて、受信部62は、撮像装置60から送信された第1の画像P1を受信し、第1の画像解析部55は、受信部62により受信された第1の画像P1を解析することにより、対象物の位置を特定する。
上記実施の形態では、制御部31において、CPUがROM又は記憶部32に記憶されたプログラムを実行することによって、第1の画像解析部55、第2の画像解析部56及び空調制御部57の各部として機能した。しかしながら、本発明において、制御部31は、専用のハードウェアであってもよい。専用のハードウェアとは、例えば単一回路、複合回路、プログラム化されたプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、又は、これらの組み合わせ等である。制御部31が専用のハードウェアである場合、各部の機能それぞれを個別のハードウェアで実現してもよいし、各部の機能をまとめて単一のハードウェアで実現してもよい。
また、各部の機能のうち、一部を専用のハードウェアによって実現し、他の一部をソフトウェア又はファームウェアによって実現してもよい。このように、制御部31は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、これらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
本発明に係る空調装置1,1aの動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータ又は情報端末装置等のコンピュータに適用することで、当該コンピュータを、本発明に係る空調装置1,1aとして機能させることも可能である。また、本発明に係る温度計測方法は、上述した空調装置1,1a及び空調システム100により実施可能である。
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk ROM)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、又は、メモリカード等のコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネット等の通信ネットワークを介して配布してもよい。
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。すなわち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、請求の範囲によって示される。そして請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
本発明は、空調システム等に好適に採用され得る。
1,1a 空調装置、2 室外機、3 室内機、4 空調エリア、6 第1の撮像部、7 第2の撮像部、8 光軸、10 冷媒回路、11 圧縮機、12 四方弁、13 室外熱交換器、14 膨張弁、15 室内熱交換器、16 室外ファン、17 室内ファン、18 ルーバー、19 吹き出し口、20 室外機制御部、21 通信線、30,30a 室内機制御部、31 制御部、32 記憶部、33 計時部、34 画像処理部、38 通信部、39 バス、40 リモコン、50 空調部、51 第1の画像センサ、52 第1の画像生成部、53 第2の画像センサ、54 第2の画像生成部、55 第1の画像解析部、56 第2の画像解析部、57 空調制御部、58 ルーバー駆動部、59 ファン駆動部、60 撮像装置、61 送信部、62 受信部、100 空調システム、P1 第1の画像、P2 第2の画像、R1 第1の範囲、R2 第2の範囲、U ユーザ

Claims (11)

  1. 空調空気の吹き出し口にルーバーを有し、前記空調空気を前記吹き出し口から吹き出すことにより空調エリアを空調する空調手段と、
    前記空調エリアにおける第1の範囲を撮像することにより、前記空調エリアにおける対象物の位置を示す第1の画像を取得する第1の撮像手段と、
    前記ルーバーに設置され、前記空調エリアにおける前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲を撮像することにより、前記対象物の温度を示す第2の画像を取得する第2の撮像手段と、を備え、
    前記第2の撮像手段の光軸の向きは、前記ルーバーの向きの変化に連動して変化することにより、前記第1の撮像手段により取得された前記第1の画像により示される前記対象物の位置の方に向けられる、
    空調装置。
  2. 前記第2の撮像手段により取得された前記第2の画像により示される前記対象物の温度に応じて、前記空調手段による前記空調エリアの空調を制御する空調制御手段、を更に備える、
    請求項1に記載の空調装置。
  3. 前記空調制御手段は、
    冷房時において、前記対象物の温度が第1の閾値よりも高い場合、前記ルーバーの向きを前記対象物の位置に向けたまま変化させず、前記対象物の温度が前記第1の閾値よりも低い場合、前記ルーバーの向きを前記対象物とは異なる位置の方に変化させ、
    暖房時において、前記対象物の温度が第2の閾値よりも低い場合、前記ルーバーの向きを前記対象物の位置に向けたまま変化させず、前記対象物の温度が前記第2の閾値よりも高い場合、前記ルーバーの向きを前記対象物とは異なる位置の方に変化させる、
    請求項2に記載の空調装置。
  4. 前記空調制御手段は、
    冷房時において、前記対象物の温度が第1の閾値よりも高い場合、前記空調手段による前記空調エリアへの送風を強め、前記対象物の温度が前記第1の閾値よりも低い場合、前記空調手段による前記空調エリアへの送風を弱め、
    暖房時において、前記対象物の温度が第2の閾値よりも低い場合、前記空調手段による前記空調エリアへの送風を強め、前記対象物の温度が前記第2の閾値よりも高い場合、前記空調手段による前記空調エリアへの送風を弱める、
    請求項2又は3に記載の空調装置。
  5. 前記第1の撮像手段により取得された前記第1の画像に基づいて、前記空調エリアにおける前記対象物の位置を特定する第1の画像解析手段、を更に備え、
    前記空調制御手段は、前記ルーバーの向きを変化させることにより、前記第2の撮像手段の前記光軸を前記第1の画像解析手段により特定された前記対象物の位置の方に向ける、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の空調装置。
  6. 前記空調手段は、前記空調空気を前記吹き出し口から前記空調エリアに吹き出すファンを有し、
    前記空調制御手段は、前記ファンが駆動しており、且つ、前記第1の画像解析手段により前記空調エリアにおける前記対象物の位置が特定された場合、前記ファンを停止させてから前記ルーバーの向きを変化させる、
    請求項5に記載の空調装置。
  7. 前記空調制御手段は、前記第1の画像解析手段により特定された前記対象物の位置が前記第2の範囲の外側である場合、前記ルーバーの向きを、前記対象物の位置が前記第2の範囲の内側に収まる向きに変化させる、
    請求項5又は6に記載の空調装置。
  8. 前記第2の撮像手段により取得された前記第2の画像に基づいて、前記対象物の温度情報を取得する第2の画像解析手段、を更に備え、
    前記空調制御手段は、前記第2の画像解析手段により取得された前記対象物の温度情報に応じて、前記空調手段による前記空調エリアの空調を制御する、
    請求項2から7のいずれか1項に記載の空調装置。
  9. 前記第1の撮像手段は、可視光又は赤外線により前記空調エリアにおける前記第1の範囲を撮像し、
    前記第2の撮像手段は、赤外線により前記空調エリアにおける前記第2の範囲を撮像する、
    請求項1から8のいずれか1項に記載の空調装置。
  10. 撮像装置と空調装置とを備える空調システムであって、
    前記撮像装置は、
    空調エリアにおける第1の範囲を撮像することにより、前記空調エリアにおける対象物の位置を示す第1の画像を取得する第1の撮像手段と、
    前記第1の撮像手段により取得された前記第1の画像により示される前記対象物の位置情報を前記空調装置に送信する送信手段と、を備え、
    前記空調装置は、
    空調空気の吹き出し口にルーバーを有し、前記空調空気を前記吹き出し口から吹き出すことにより前記空調エリアを空調する空調手段と、
    前記ルーバーに設置され、前記空調エリアにおける前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲を撮像することにより、前記対象物の温度を示す第2の画像を取得する第2の撮像手段と、
    前記撮像装置から送信された前記位置情報を受信する受信手段と、を備え、
    前記第2の撮像手段の光軸の向きは、前記ルーバーの向きの変化に連動して変化することにより、前記受信手段により受信された前記位置情報により示される前記対象物の位置の方に向けられる、
    空調システム。
  11. 空調エリアにおける第1の範囲を第1の撮像手段によって撮像することにより、前記空調エリアにおける対象物の位置情報を取得し、
    空調空気が前記空調エリアに吹き出される吹き出し口に設置されたルーバーの向きを変化させることにより、前記ルーバーに設置され、前記空調エリアにおける前記第1の範囲よりも狭い第2の範囲を撮像する前記第2の撮像手段の光軸の向きを、取得した前記位置情報により示される前記対象物の位置の方に向け、
    前記光軸の向きが前記対象物の位置の方に向けられた前記第2の撮像手段によって前記対象物を撮像することにより、前記対象物の温度を計測する、
    温度計測方法。
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