JPWO2019230319A1 - 車輌用灯具 - Google Patents

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Abstract

視認方向に拘わらず高い被視認性を確保する。光を出光する光源と、光源から出光された光が入射される入射面と入射面から入射された光を出射する複数の出射面とを有する導光体とを備え、複数の出射面が存在する領域が出射領域として形成され、複数の出射面は少なくとも一つずつが第1の出射面と第2の出射面と第3の出射面として形成され、第1の出射面の出射角度が所定の軸を基準として所定の角度以下にされ、第2の出射面と第3の出射面の出射角度がそれぞれ所定の軸を基準として所定の角度より大きくされ、第2の出射面の出射方向と第3の出射面の出射方向とが異なる方向にされ、出射領域の少なくとも半分の領域に第2の出射面と第1の出射面と第3の出射面が順に隣り合って存在する。

Description

本発明は、光源から出光された光を制御する導光体を備えた車輌用灯具についての技術分野に関する。
車輌用灯具には、光源から出光された光を所定の方向へ向けて出射する導光体が設けられ、導光体が複数の出射面を有する構成にされたものがある(例えば、特許文献1参照)。
このような車輌用灯具においては、光源から出光された光が導光体によって導かれ各出射面から所定の方向へ出射されて外部へ向けて照射される。
特開2015−153619号公報
ところで、特許文献1に記載された導光体を有する車輌用灯具においては、導光体の複数の出射面が同じ向きで形成されており、歩行者や他の車輌の搭乗者等によって車輌用灯具の点灯状態が視認されたときに、各出射面において光って見える位置が視認する角度に応じて一律に移動されるように認識される。
例えば、車輌用灯具が正面から視認されたときには各出射面において光って見える位置が各出射面のそれぞれ中央部であるように認識され、車輌用灯具が斜め側方(左右側方)から視認されたときには、各出射面において光って見える位置が各出射面の中央部よりそれぞれ左方又は右方に寄った位置であるように認識される。
従って、車輌用灯具が視認されたときに光の照射状態が視認する角度に応じて単調に変化するようにしか認識されず、被視認性が乏しくなってしまう。
また、車輌用灯具が正面に対して斜め方向から視認されたときに、車輌用灯具から斜め方向へ照射される光量が少なく、視認方向によっては光が見え難くなり被視認性が低下するおそれがある。
そこで、本発明は、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することを目的とする。
第1に、本発明に係る車輌用灯具は、光を出光する光源と、前記光源から出光された光が入射される入射面と前記入射面から入射された光を出射する複数の出射面とを有する導光体とを備え、前記複数の出射面が存在する領域が出射領域として形成され、前記複数の出射面は少なくとも一つずつが第1の出射面と第2の出射面と第3の出射面として形成され、前記第1の出射面の出射角度が所定の軸を基準として所定の角度以下にされ、前記第2の出射面と前記第3の出射面の出射角度がそれぞれ前記所定の軸を基準として前記所定の角度より大きくされ、前記第2の出射面の出射方向と前記第3の出射面の出射方向とが異なる方向にされ、前記出射領域の少なくとも半分の領域に前記第2の出射面と前記第1の出射面と前記第3の出射面が順に隣り合って存在するものである。
これにより、出射領域の少なくとも半分の領域に、光を第2の出射面及び第3の出射面の出射角度より小さな角度で出射する第1の出射面と、第1の出射面の出射角度より大きな角度で光を出射する第2の出射面と、第1の出射面の出射角度より大きな角度で第2の出射面の出射方向と異なる方向へ光を出射する第3の出射面とが存在する。
第2に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記複数の出射面のうち少なくとも一つの前記出射面は出射角度が隣り合う全ての前記出射面の出射角度と異なるようにされることが望ましい。
これにより、少なくとも一つの出射面の出射角度とその出射面に隣り合う全ての出射面の出射角度とが異なるため、当該一つの出射面とその周囲の出射面とが存在する領域を視認したときに視認角度に応じて見え方が変化する。
第3に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記複数の出射面のうち任意の前記出射面は出射角度又は出射方向が隣り合う全ての前記出射面の出射角度又は出射方向と異なるようにされることが望ましい。
これにより、導光体の何れの出射面においても出射角度又は出射方向が隣り合う全ての出射面の出射角度又は出射方向と異なるため、出射領域を視認したときに視認角度に応じて見え方が変化する。
第4に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記出射領域は複数の区分領域によって形成され、前記複数の区分領域にはそれぞれ少なくとも前記第2の出射面と前記第3の出射面が存在し、前記複数の区分領域のうち前記光源に最も近い前記区分領域における前記第2の出射面と前記第3の出射面の前記所定の軸に対する出射角度が、全ての前記出射面の前記所定の軸に対する出射角度の中で最大にされることが望ましい。
これにより、光源に最も近い区分領域において光が大きな出射角度で出射される。
第5に、別の本発明に係る車輌用灯具は、光を出光する光源と、前記光源から出光された光が入射される入射面と前記入射面から入射された光を内面反射する複数の反射面と前記複数の反射面でそれぞれ内面反射された光を出射する出射面とを有する導光体とを備え、前記複数の反射面が存在する領域が反射領域として形成され、前記複数の反射面は少なくとも一つずつが第1の反射面と第2の反射面と第3の反射面として形成され、前記第1の反射面の反射角度が所定の軸を基準として所定の角度以下にされ、前記第2の反射面と前記第3の反射面の反射角度がそれぞれ前記所定の軸を基準として前記所定の角度より大きくされ、前記第2の反射面の反射方向と前記第3の反射面の反射方向とが異なる方向にされ、前記反射領域の少なくとも半分の領域に前記第2の反射面と前記第1の反射面と前記第3の反射面が順に隣り合って存在するものである。
これにより、反射領域の少なくとも半分の領域に、光を第2の反射面及び第3の反射面の反射角度より小さな角度で反射する第1の反射面と、第1の反射面の反射角度より大きな角度で光を反射する第2の反射面と、第1の反射面の反射角度より大きな角度で第2の反射面の反射方向と異なる方向へ光を反射する第3の反射面とが存在する。
第6に、上記した別の本発明に係る車輌用灯具においては、前記複数の反射面のうち少なくとも一つの前記反射面は反射角度が隣り合う全ての前記反射面の反射角度と異なるようにされることが望ましい。
これにより、少なくとも一つの反射面の反射角度とその反射面に隣り合う全ての反射面の反射角度とが異なるため、当該一つの反射面とその周囲の反射面とが存在する領域を視認したときに視認角度に応じて見え方が変化する。
第7に、上記した別の本発明に係る車輌用灯具においては、前記複数の反射面のうち任意の前記反射面は反射角度又は反射方向が隣り合う全ての前記反射面の反射角度又は反射方向と異なるようにされることが望ましい。
これにより、導光体の何れの反射面においても反射角度又は反射方向が隣り合う全ての反射面の反射角度又は反射方向と異なるため、反射領域を視認したときに視認角度に応じて見え方が変化する。
第8に、上記した別の本発明に係る車輌用灯具においては、前記反射領域は複数の区分領域によって形成され、前記複数の区分領域にはそれぞれ少なくとも前記第2の反射面と前記第3の反射面が存在し、前記複数の区分領域のうち前記光源に最も近い前記区分領域における前記第2の反射面と前記第3の反射面の前記所定の軸に対する反射角度が、全ての前記反射面の前記所定の軸に対する反射角度の中で最大にされることが望ましい。
これにより、光源に最も近い区分領域において光が大きな反射角度で反射される。
本発明によれば、出射領域又は反射領域の少なくとも半分の領域に、光を異なる角度で又は異なる方向へ出射又は反射する出射面又は反射面が存在するため、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
図2乃至図18と共に本発明車輌用灯具の実施の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の概略断面図である。 光源とともに示す導光体の概略縦断面図である。 光源とともに示す導光体の概略横断面図である。 出射領域の構成の一例を示す概念図である。 出射面の出射角度の割合の一例を示す図である。 出射面の出射角度の一例を示す図である。 左右方向の出射と上下方向の出射とを考慮した場合の一例を示す概念図である。 出射面が三角形状に形成された場合の構成の一例を示す概念図である。 出射面が六角形状に形成された場合の構成の一例を示す概念図である。 図11乃至図14と共に光によって文字や模様等が認識される構成の例を示すものであり、本図は、光の進行方向を示す概念図である。 第1の出射面から出射される光によって文字が認識される例を示す概念図である。 第2の出射面から出射される光によって模様が認識される例を示す概念図である。 第3の出射面から出射される光によって模様が認識される例を示す概念図である。 配光の一例を示す図である。 光源とともに示す別の導光体の概略縦断面図である。 光源とともに示す別の導光体の概略横断面図である。 導光体の奥側に光制御部材が配置された例を示す概略平面図である。 湾曲された導光体の例を示す側面図である。
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
以下の説明にあっては、光の出射方向の基準となる軸が前後方向に延びる軸であるとして前後上下左右の方向を示すものとする。但し、以下に示す前後上下左右の方向は説明の便宜上のものであり、本発明の実施に関しては、これらの方向に限定されることはない。
車輌用灯具1は、例えば、車体の左右両端部にそれぞれ取り付けられて配置されている。車輌用灯具1は前方に開口された凹部を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている(図1参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成されている。灯具外筐4の内部空間は灯室5として形成されている。尚、図1は、車輌用灯具1の構成を概念的に示す図であり、車輌用灯具1を構成する各部の具体的な形状や大きさを示すものではない。
灯室5には光を出射する光源6と光源6から出射された光を出射する導光体7とが配置されている。光源6としては、例えば、発光ダイオード(LED: Light Emitting Diode)が用いられている。導光体7は、例えば、前下がりに傾斜された状態で配置され、後面が後方に凸の曲面状に形成された入射面8として形成されている(図1及び図2参照)。導光体7は上面が出射領域10として形成されている。光源6は入射面8に対向して配置されている。
尚、光源6は複数が入射面8に対向して配置されていてもよく、例えば、左右に離隔したり上下に離隔して配置されていてもよい。但し、以下の説明は、説明を簡略化するために、一つの光源6が入射面8の左右方向における中央部に対向して位置されている例で行う。
車輌用灯具1は光の出射方向の基準となる所定の軸が、例えば、前後方向に延びる軸Jにされている(図2参照)。また、以下には、光の拡散角度や出射方向や出射角度等を軸Jを基準として示すが、本発明においては基準となる所定の軸が軸Jに限られることはなく、所定の軸が、例えば、光源6から出光される光の光軸や光軸以外の他の軸にされていてもよい。
出射領域10は複数の出射面20、20、・・・を有している(図2及び図3参照)。出射面20、20、・・・は、例えば、平面に形成されている。但し、出射面20、20、・・・には軸Jを基準とした拡散角度が、例えば、5度以内の拡散ステップが形成されていてもよい。尚、図2及び図3は、導光体7の構成を概念的に示す図であり、導光体7に形成された出射面20、20、・・・の実際の向きや大きさや配列状態を示すものではない。
出射面20、20、・・・は、前後方向において離隔して位置され、出射面20、20、・・・間にはそれぞれ平面状の非出射面21、21、・・・が形成されている(図2参照)。出射面20、20、・・・は、例えば、左右方向において離隔して位置された状態で形成されている(図3参照)。但し、出射面20、20、・・・は、左右方向において連続して位置された状態で形成されていてもよい。
上記のように構成された車輌用灯具1において、光源6から光が出光されると、出光された光は入射面8から導光体7の内部に入射され、入射面8によって平行光にされる。入射面8から入射された光は導光体7で導かれ各一部がそれぞれ出射面20、20、・・・に到達し、出射面20、20、・・・で屈折されてそれぞれ所定の各方向へ向けて出射されカバー3を透過されて外部へ照射される。
以下に、導光体7における出射領域10の具体的な構成について説明する(図4乃至図6参照)。尚、出射領域10の以下の説明において参照する各図に示された記号の意味は以下の通りである。
「・」は出射方向が軸Jを基準として10度以下であることを示し、「→」は出射方向が左方向であり軸Jを基準として10度より大きいことを示し、「←」は出射方向が右方向であり軸Jを基準として10度より大きいことを示す。
出射領域10は、例えば、上下左右に均等に区分された四つのベース領域11、11、・・・によって構成されている(図4参照)。図4においては、ベース領域11、11、・・・が太い実線によって区分されて示されている。尚、出射領域10に設けられるベース領域11の区分の方向及びベース領域11の数は任意である。
ベース領域11は、例えば、上下左右に均等に区分された九つの区分領域12、12、・・・によって構成されている。図4においては、区分領域12、12、・・・が細い実線によって区分されて示されている。尚、ベース領域11に設けられる区分領域12の区分の方向及び区分領域12の数は任意である。
区分領域12は、例えば、上下左右に均等に区分された九つの出射面20、20、・・・によって構成されている。図4においては、出射面20、20、・・・が点線によって区分されて示されている。尚、区分領域12に設けられる出射面20の区分の方向及び出射面20の数は任意である。
また、図4には、出射領域10とベース領域11と区分領域12と出射面20が何れも正方形にされている例を示しているが、出射領域10とベース領域11と区分領域12と出射面20の形状は任意であり、長方形や平行四辺形や菱形や三角形等の正方形以外の多角形であってもよい。また、図4には、便宜上、出射面20、20、・・・を同じ大きさにして示しているが、出射面20、20、・・・は異なる大きさにされていてもよい。
導光体7において、各出射面20から出射される光の出射方向を所定の範囲毎に分けると、各範囲に含まれる出射面20の面積の割合が、出射領域10の面積に対して以下のようにされている(図5参照)。
範囲は、例えば、範囲1から範囲6まで六つに分けると、出射方向が軸Jに平行にされた範囲(角度0度)が範囲1であり、出射方向を10度毎に分けた各範囲が範囲2から範囲6である。図5において、範囲2から範囲6に「左」又は「右」とあるのは、それぞれ出射方向が左方又は右方であることを示している。
範囲1の割合は10%前後にされており、例えば、11%にされている。範囲2から範囲6までの各範囲の割合は、範囲1の割合の数値に対して10以内の数値になるようにされている。例えば、範囲1の割合が11%の場合には、範囲2から範囲6までの「左」と「右」のそれぞれの割合が1%以上21%以下になるようにされている。
出射面20、20、・・・はそれぞれ3種類の出射面のうち何れか1種類の出射面として形成されている(図4及び図5参照)。この3種類の出射面は第1の出射面20Aと第2の出射面20Bと第3の出射面20Cとされ、第1の出射面20Aと第2の出射面20Bと第3の出射面20Cは異なる方向へ光を出射する出射面である。
第1の出射面20Aは出射角度が軸Jを基準として所定の角度、例えば、10度以下にされている(図5参照)。第2の出射面20Bは出射角度が軸Jを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を左方へ出射する出射面である。第3の出射面20Cは出射角度が軸Jを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を右方へ出射する出射面である。
尚、上記した所定の角度は10度に限られることはなく、他の角度でもよい。但し、所定の角度は10度に近い角度が望ましく、例えば、5度から15度までの任意の角度を用いることが可能である。
導光体7においては、出射領域10の少なくとも半分の領域に第2の出射面20Bと第1の出射面20Aと第3の出射面20Cが順に隣り合って存在する(図4参照)。出射領域10の半分の領域は二つのベース領域11、11が占有する領域である。
具体的には、導光体7においては、各区分領域12のそれぞれに第2の出射面20Bと第1の出射面20Aと第3の出射面20Cが順に隣り合って存在するように構成されている。
例えば、図4に抽出して示した区分領域12Aにおいては、中段に第1の出射面20Aを挟んだ左右両側に第2の出射面20Bと第3の出射面20Cが第1の出射面20Aに隣接して位置され、第2の出射面20Bと第1の出射面20Aと第3の出射面20Cが順に隣り合って位置されている。
また、例えば、区分領域12Aにおいては、中列に第1の出射面20Aを挟んだ上下両側に第3の出射面20Cと第2の出射面20Bが第1の出射面20Aに隣接して位置され、第2の出射面20Bと第1の出射面20Aと第3の出射面20Cが順に隣り合って位置されている。
さらに、各区分領域12のそれぞれは、例えば、三つの第1の出射面20A、20A、20Aと三つの第2の出射面20B、20B、20Bと三つの第3の出射面20C、20C、20Cとによって構成されている。
さらにまた、導光体7においては、少なくとも一つの出射面20の出射角度が隣り合う全ての出射面20、20、・・・の出射角度と異なるようにされている。
例えば、図4に抽出して示した区分領域12Aにおいては、中央に第1の出射面20Aが位置され上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・が位置されており、この上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・が第2の出射面20B、20Bと第3の出射面20C、20Cとされている。従って、中央に位置された第1の出射面20Aの出射角度が上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・の出射角度と異なるようにされている。
また、例えば、図4に抽出して示した隣り合う四つの区分領域12、12、・・・に跨がる領域Bにおいては、中央に第1の出射面20Aが位置され上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・が位置されており、この上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・が第2の出射面20B、20Bと第3の出射面20C、20Cとされている。従って、中央に位置された第1の出射面20Aの出射角度が上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・の出射角度と異なるようにされている。
導光体7においては、何れの出射面20を基準としたときにも、この基準にした出射面20の出射角度又は出射方向が、隣り合う全ての出射面20、20、・・・と異なるようにされている。
例えば、図4に抽出して示した区分領域12Cにおいては、中央に第2の出射面20Bが位置され上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・が位置されており、この上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・が第1の出射面20A、20Aと第3の出射面20C、20Cとされている。従って、中央に位置された第2の出射面20Bの出射角度又は出射方向が上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・の出射角度又は出射方向と異なるようにされている。
また、例えば、図4に抽出して示した領域Bにおいては、中央に第1の出射面20Aが位置され上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・が位置されており、この上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・が第2の出射面20B、20Bと第3の出射面20C、20Cとされている。従って、中央に位置された第1の出射面20Aの出射角度が上下左右に隣り合う四つの出射面20、20、・・・の出射角度と異なるようにされている。
次に、出射面20、20、・・・の各出射角度について説明する(図6参照)。
図6において、右側の上段の図は第1の出射面20Aの出射角度を示し、右側の下段の図は第2の出射面20Bと第3の出射面20Cの出射角度を示す。各図において、数値が示されている各部分はそれぞれ区分領域12、12、・・・である。尚、上段の図において「左」又は「右」とあるのは、それぞれ出射方向が左方又は右方であることを示している。
例えば、区分領域12Cにおいては、出射面20、20、・・・の各出射角度が0度(軸Jに平行)又は20度にされており、第1の出射面20A、20A、20Aの出射角度が0度にされ、第2の出射面20B、20B、20Bの出射角度が左方へ20度にされ、第3の出射面20C、20C、20Cの出射角度が右方へ20度にされている。
区分領域12、12、・・・のうち光源6に最も近い区分領域12B、12Bにおける第2の出射面20B、20B、・・・と第3の出射面20C、20C、・・・の出射角度は、全ての出射面20、20、・・・の出射角度の中で最大にされている。具体的には、区分領域12B、12Bにおける第2の出射面20B、20B、・・・と第3の出射面20C、20C、・・・の出射角度は、例えば、40度にされている。
尚、第2の出射面20Bと第3の出射面20Cの出射角度の最小値は11度にされているが、第2の出射面20Bと第3の出射面20Cの出射角度の最小値を、例えば、10度にすることも可能である。
上記のように、車輌用灯具1においては、光源6に最も近い区分領域12B、12Bにおける第2の出射面20Bと第3の出射面20Cの軸Jに対する出射角度が、全ての出射面20の軸Jに対する出射角度の中で最大にされている。
従って、光源6に最も近い区分領域12B、12Bにおいて光が大きな出射角度で出射されるため、光源6の近傍において他の領域に対して特に輝度が高く視認される所謂点光りの現象の発生が抑制され、出射領域10を視認したときに均一な出射状態が認識され、被視認性の向上を図ることができる。
尚、上記に示した出射方向の「左方向」を左斜め上方や左斜め下方をも含む方向とし、出射方向の「右方向」を右斜め上方や右斜め下方をも含む方向とすることも可能である。
次いで、上下の出射方向をも考慮した例について説明する(図7参照)。尚、図7には、説明を簡略化するために一つのベース領域のみを示す。図7において、「↑」は出射方向が上方向であり軸Jを基準として10度より大きいことを示し、「↓」は出射方向が下方向であり軸Jを基準として10度より大きいことを示す。
図7においては、上段の左側に、左右の出射方向を考慮した場合のベース領域11を示し、上段の右側に、上下の出射方向を考慮した場合のベース領域11Pを示す。
左右の出射方向に加えて上下の出射方向をも考慮しベース領域11にベース領域11Pを足し合わせる概念で各出射面20を形成することにより、上下左右に対して斜め方向へも光が出射される構成にされたベース領域11Qを形成することが可能である(図7の下段参照)。
例えば、同一の出射面20において、左方への出射と下方への出射を足し合わせることにより、光を左斜め下方へ出射する出射面20を形成する。
このような足し合わせを考慮した出射領域を形成することにより、配光制御の自由度の向上を図ることができる。尚、車輌用灯具1においては、左右方向のみを考慮した出射領域が形成されていてもよく、上下方向のみを考慮した出射領域が形成されていてもよい。
以上に記載した通り、車輌用灯具1にあっては、第1の出射面20Aの出射角度が軸Jを基準として所定の角度以下にされ、第2の出射面20Bと第3の出射面20Cの出射角度がそれぞれ軸Jを基準として所定の角度より大きくされ、第2の出射面20Bの出射方向と第3の出射面20Cの出射方向とが異なる方向にされ、出射領域10の少なくとも半分の領域に第2の出射面20Bと第1の出射面20Aと第3の出射面20Cが順に隣り合って存在する。
従って、出射領域10の少なくとも半分の領域に、光を第2の出射面20B及び第3の出射面20Cの出射角度より小さな角度で出射する第1の出射面20Aと、第1の出射面20Aの出射角度より大きな角度で光を出射する第2の出射面20Bと、第1の出射面20Aの出射角度より大きな角度で第2の出射面20Bの出射方向と異なる方向へ光を出射する第3の出射面20Cとが存在するため、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
特に、視認角度や視認方向によって光って見える出射面20、20、・・・の位置が様々に変化する所謂キラキラ感が生じ、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
また、車輌用灯具1から軸Jに対して斜め方向へ照射される光量が増え、光の視認範囲が広がるため、被視認性の向上を図ることができる。
さらに、第2の出射面20Bが光を左方へ出射する出射面にされ、第3の出射面20Cが光を右方へ出射する出射面にされている。
従って、出射領域10の少なくとも半分の領域に、光を第2の出射面20B及び第3の出射面20Cの出射角度より小さな角度で出射する第1の出射面20Aと、第1の出射面20Aの出射角度より大きな角度で光を左方へ出射する第2の出射面20Bと、第1の出射面20Aの出射角度より大きな角度で光を右方へ出射する第3の出射面20Cとが存在するため、左右方向において視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
さらにまた、所定の角度が10度にされることにより、第1の出射面20Aで出射された光が光軸方向に平行な方向又は光軸方向に対して大きく離隔しない方向へ向けて照射されるため、より必要とされる照明範囲への照射量を高めた上で、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
また、複数の出射面20、20、・・・が平面に形成されることにより、複数の出射面20、20、・・・が簡素な形状に形成されるため、製造コストの高騰を来すことなく被視認性の向上を図ることができる。
さらに、複数の出射面20、20、・・・のうち少なくとも一つの出射面20は、出射角度が隣り合う全ての出射面20、20、・・・の出射角度と異なるようにされている。
従って、少なくとも一つの出射面20の出射角度とその出射面20に隣り合う全ての出射面20、20、・・・の出射角度とが異なるため、当該一つの出射面20とその周囲の出射面20、20、・・・とが存在する領域を視認したときに視認角度に応じて見え方が変化し、被視認性の向上を図ることができる。
加えて、複数の出射面20、20、・・・のうち任意の出射面20は、出射角度又は出射方向が隣り合う全ての出射面20、20、・・・の出射角度又は出射方向と異なるようにされている。
従って、導光体7の何れの出射面20においても出射角度又は出射方向が隣り合う全ての出射面20、20、・・・の出射角度又は出射方向と異なるため、出射領域10を視認したときに視認角度に応じて見え方が変化し、被視認性の一層の向上を図ることができる。
上記には、出射面の形状が矩形状である例を示したが、以下に、出射面が三角形状に形成された例及び六角形状に形成された例について説明する(図8及び図9参照)。尚、三角形状に形成された例と六角形状に形成された例は、上記と同様に、足し合わせる概念で各出射面を形成した例である。但し、以下の例についても、左右の出射方向のみ又は上下の出射方向のみを考慮して出射面を形成することも可能である。尚、図8及び図9においても、説明を簡略化するために一つのベース領域のみを示す。
先ず、出射面が三角形状に形成された例について説明する(図8参照)。
ベース領域11Xは、例えば、上下左右に区分された九つの区分領域12X、12X、・・・によって構成されている。尚、ベース領域11Xに設けられる区分領域12Xの区分の方向及び区分領域12Xの数は任意である。
区分領域12Xは、例えば、六つに区分された正三角形状の九つの出射面20X、20X、・・・によって構成されている。尚、区分領域12Xに設けられる出射面20Xの区分の方向及び出射面20Xの数は任意である。また、図8には、出射面20Xが正三角形状にされている例を示しているが、出射面20Xの形状は他の三角形状であってもよい。また、図8には、便宜上、出射面20X、20X、・・・を同じ大きさにして示しているが、出射面20X、20X、・・・は異なる大きさにされていてもよい。
三角形状の出射面20X、20X、・・・を有する導光体においても、出射領域の少なくとも半分の領域に第2の出射面20XBと第1の出射面20XAと第3の出射面20XCが順に隣り合って存在する。第1の出射面20XAは出射角度が軸Jを基準として所定の角度、例えば、10度以下にされている。第2の出射面20XBは出射角度が軸Jを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を左方(左斜め上方と左斜め下方を含む方向)へ出射する出射面である。第3の出射面20XCは出射角度が軸Jを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を右方(右斜め上方と右斜め下方を含む方向)へ出射する出射面である。尚、上記した所定の角度は10度に限られることはなく、他の角度でもよい。
また、出射面20X、20X、・・・によって構成された導光体においては、少なくとも一つの出射面20Xの出射角度が隣り合う全ての出射面20X、20X、・・・の出射角度と異なるようにされている。
例えば、図8に抽出して示した隣り合う区分領域12X、12Xに跨がる領域Dにおいては、中央に第1の出射面20XAが位置され上下左右に隣り合う三つの出射面20X、20X、20Xが位置されており、この隣り合う三つの出射面20X、20X、20Xが第2の出射面20XB、20XBと第3の出射面20XCとされている。従って、中央に位置された第1の出射面20XAの出射角度が隣り合う三つの出射面20X、20X、20Xの出射角度と異なるようにされている。
尚、出射面20X、20X、・・・によって構成された出射領域においても、光源6に最も近い区分領域12Xにおける第2の出射面20XBと第3の出射面20XCの出射角度を、全ての出射面20X、20X、・・・の出射角度の中で最大にすることが可能である。
次に、出射面が六角形状に形成された例について説明する(図9参照)。
ベース領域11Yは、例えば、上下左右に区分された九つの区分領域12Y、12Y、・・・によって構成されている。尚、ベース領域11Yに設けられる区分領域12Yの区分の方向及び区分領域12Yの数は任意である。
区分領域12Yは、例えば、正六角形状の九つの出射面20Y、20Y、・・・によって構成されている。尚、区分領域12Yに設けられる出射面20Yの区分の方向及び出射面20Yの数は任意である。また、図9には、出射面20Yが正六角形状にされている例を示しているが、出射面20Yの形状は他の六角形状であってもよい。また、図9には、便宜上、出射面20Y、20Y、・・・を同じ大きさにして示しているが、出射面20Y、20Y、・・・は異なる大きさにされていてもよい。
六角形状の出射面20Y、20Y、・・・を有する導光体においても、出射領域の少なくとも半分の領域に第2の出射面20YBと第1の出射面20YAと第3の出射面20YCが順に隣り合って存在する。第1の出射面20YAは出射角度が軸Jを基準として所定の角度、例えば、10度以下にされている。第2の出射面20YBは出射角度が軸Jを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を左方(左斜め上方と左斜め下方を含む方向)へ出射する出射面である。第3の出射面20YCは出射角度が軸Jを基準として所定の角度、例えば、10度より大きくされ、光を右方(右斜め上方と右斜め下方を含む方向)へ出射する出射面である。尚、上記した所定の角度は10度に限られることはなく、他の角度でもよい。
また、出射面20Y、20Y、・・・によって構成された導光体においては、少なくとも一つの出射面20Yの出射角度が隣り合う全ての出射面20Y、20Y、・・・の出射角度と異なるようにされている。
例えば、図9に抽出して示した隣り合う三つの区分領域12Y、12Y、12Yに跨がる領域Eにおいては、中央に第1の出射面20YAが位置され周囲において隣り合う六つの出射面20Y、20Y、・・・が位置されており、この隣り合う六つの出射面20Y、20Y、・・・が四つの第2の出射面20YB、20YB、・・・と二つの第2の出射面20YC、20YCとされている。従って、中央に位置された第1の出射面20YAの出射角度が隣り合う六つの出射面20Y、20Y、・・・の出射角度と異なるようにされている。
尚、出射面20Y、20Y、・・・によって構成された出射領域においても、光源6に最も近い区分領域12Yにおける第2の出射面20YBと第3の出射面20YCの出射角度を、全ての出射面20Y、20Y、・・・の出射角度の中で最大にすることが可能である。
上記には、出射面20、20、・・・から光が左右方向又は上下方向において様々な角度で出射される例を示したが、例えば、出射面20、20、・・・から出射される光の出射方向を以下のように制御し、視認者において文字や図形や模様等が認識されるようにすることも可能である(図10乃至図14参照)。
例えば、出射面20、20、・・・から異なる三つの方向へ光が出射されるように構成することが可能である(図10参照)。例えば、第1の出射面20A、20A、・・・からは光が正面方向へ出射され、第2の出射面20B、20B、・・・からは光が正面方向に対して左方へ所定の角度で出射され、第3の出射面20C、20C、・・・からは光が正面方向に対して右方へ所定の角度で出射される。
尚、図10に示す出射面20、20、・・・の範囲は、例として、図11乃至図13において破線で囲んだ範囲を示している。また、図11乃至図13の黒塗りの部分は光って見える部分を示している。
このような構成にすることにより、正面方向から車輌用灯具1が視認されたときには、第1の出射面20A、20A、・・・から正面方向へ出射された光のみが視認され、例えば、第1の出射面20A、20A、・・・から出射された光によって表現される文字が認識される(図11参照)。
一方、正面方向に対して左右の一方から車輌用灯具1が視認されたときには、第2の出射面20B、20B、・・・から正面方向に対して左方の所定の角度で出射された光のみが視認され、例えば、第2の出射面20B、20B、・・・から出射された光によって表現される模様が認識される(図12参照)。
また、正面方向に対して左右の他方から車輌用灯具1が視認されたときには、第3の出射面20C、20C、・・・から正面方向に対して右方の所定の角度で出射された光のみが視認され、例えば、第3の出射面20C、20C、・・・から出射された光によって表現される模様が認識される(図13参照)。
このように出射面20、20、・・・から出射される光の出射方向を制御することにより、それぞれ特定の方向から車輌用灯具1が視認されたときに、視認者において文字や図形や模様等を認識させることが可能になり、被視認性の向上を図ることができる。特に、車輌用灯具1が標識灯として用いられる場合には、文字や図形や模様等によって視認者に対して標識や注意喚起等の表現を認識させることが可能になり、車輌用灯具1の機能性の向上を図ることができる。
尚、上記には、第1の出射面20A、20A、・・・から正面方向へ出射される光によって文字が表現され、第2の出射面20B、20B、・・・と第3の出射面20C、20C、・・・から正面方向に対して左方又は右方へ出射される光によって模様が表現される例を示したが、これらの各方向へ出射される光によって文字や図形や模様等の何れが表現されるようにしてもよい。例えば、第1の出射面20A、20A、・・・から出射される光によって模様が表現され、第2の出射面20B、20B、・・・と第3の出射面20C、20C、・・・から出射される光によって文字や図形が表現されるようにしてもよく、第1の出射面20A、20A、・・・と第2の出射面20B、20B、・・・と第3の出射面20C、20C、・・・から出射される光によってそれぞれ異なる模様が表現されるようにしてもよい。
また、第1の出射面20A、20A、・・・と第2の出射面20B、20B、・・・と第3の出射面20C、20C、・・・から出射される光の各出射方向は任意である。
さらに、上記には、三つの異なる方向へ光が出射されて文字や図形や模様等が表現される例を示したが、光が出射される方向は三つの方向に限られることはなく、光が二つ以上の異なる方向へ出射されて文字や図形や模様等が表現される構成にされていればよい。
尚、上記のような文字や図形や模様等が表現される構成においては、それぞれ特定の方向から視認されたときに文字や図形や模様等が表現されるようにするために、第1の出射面20A、20A、・・・と第2の出射面20B、20B、・・・と第3の出射面20C、20C、・・・からそれぞれ出射される光の拡散角度が小さいことが望ましく、例えば、拡散角度が5°以内にされることが望ましい。また、文字や図形や模様等が複数表現される構成にされてもよく、この場合には、複数の文字や図形や模様等がそれぞれ所望の範囲に表現されるような光の出射状態を確保するために、第1の出射面20A、20A、・・・と第2の出射面20B、20B、・・・と第3の出射面20C、20C、・・・からそれぞれ出射される光の拡散角度が5°より大きくされてもよい。
しかしながら、拡散角度が小さくなると必要とされる配光を確保し難くなるが、車輌用灯具1においては、第1の出射面20A、20A、・・・と第2の出射面20B、20B、・・・と第3の出射面20C、20C、・・・からそれぞれ出射される光が補い合うことにより所定の配光が確保されている(図14参照)。例えば、図14において、第1の出射面20A、20A、・・・から出射される光のみによって得られる配光が配光Pであり、第2の出射面20B、20B、・・・から出射される光のみによって得られる配光が配光Qであり、第3の出射面20C、20C、・・・から出射される光のみによって得られる配光が配光Rであり、これらの配光Pと配光Qと配光Rが合算された配光が車輌用灯具1において必要とされる配光Tとされている。
従って、拡散角度を小さくして文字や図形や模様等を表現し被視認性の向上を図った上で車輌用灯具1において必要とされる配光Tを確保して適正な照射状態を確保することができる。
次に、導光体7とは別の導光体7Aについて説明する(図15及び図16参照)。
尚、上記した導光体7においては光を出射面で制御し、導光体7Aにおいては光を反射面で制御し、光を制御する面が異なるが、導光体7Aにおける光の制御の方法は一部を除き導光体7と同様であるため、以下の説明において導光体7と同様の内容については詳細な説明は省略する。
導光体7Aは導光体7に代えて灯室5に配置される。導光体7Aは、例えば、前下がりに傾斜された状態で配置され、後面が後方に凸の曲面状に形成された入射面8Aとして形成されている。導光体7Aは上面が出射面9として形成されている。導光体7Aは下面が反射領域30として形成されている。
反射領域30は、例えば、上下左右に並ぶ複数の反射面40、40、・・・を有している。反射面40、40、・・・は、例えば、平面に形成されている。但し、反射面40、40、・・・には軸Jを基準とした拡散角度が、例えば、5度以内の拡散ステップが形成されていてもよい。尚、図15及び図16は、導光体7Aの構成を概念的に示す図であり、導光体7Aに形成された反射面40、40、・・・の実際の向きや大きさや配列状態を示すものではない。
反射面40、40、・・・は、前後方向において離隔して位置され、反射面40、40、・・・間にはそれぞれ平面状の非反射面41、41、・・・が形成されている(図15参照)。反射面40、40、・・・は、例えば、左右方向において離隔して位置された状態で形成されている(図16参照)。但し、反射面40、40、・・・は、左右方向において連続して位置された状態で形成されていてもよい。
導光体7Aを有する車輌用灯具1において、光源6から光が出光されると、出光された光は入射面8Aから導光体7Aの内部に入射され、入射面8Aによって平行光にされる。入射面8Aから入射された光は導光体7Aで導かれ各一部がそれぞれ反射面40、40、・・・に到達し、反射面40、40、・・・で全反射(内面反射)されてそれぞれ所定の各方向へ向かい出射面9から出射されカバー3を透過されて外部へ照射される。出射面9から光が出射されるときには、所定の方向へ屈折されて光が出射される。
導光体7Aにおける反射領域30の具体的な構成は、導光体7における出射領域10の具体的な構成と同様にされている(図4乃至図6参照)。即ち、導光体7Aの反射面40、40、・・・は、それぞれ図4乃至図6に示す導光体7の出射面20、20、・・・と同じにされ、例えば、第1の反射面と第2の反射面と第3の反射面によって構成されている。従って、導光体7Aの反射面40、40、・・・は、それぞれ図4乃至図6に示す導光体7の各出射面20、20、・・・をそれぞれ反射面40、40、・・・に置き換えた構成にされ、「出射方向」と「出射角度」がそれぞれ「反射方向」と「反射角度」に読み替えられる構成にされている。但し、導光体7Aにおいては、反射面40、40、・・・で内面反射された光が出射面9で屈折されるため、出射面9での屈折を考慮して反射面40、40、・・・での反射方向が考慮されている。
上記のように、導光体7Aの反射領域30は導光体7の出射領域10と同様な構成にされているため、導光体7Aが設けられた車輌用灯具1は導光体7が設けられた車輌用灯具1と同様の上記した作用効果を奏する。
特に、第1の反射面の反射角度が軸Jを基準として所定の角度以下にされ、第2の反射面と第3の反射面の反射角度がそれぞれ軸Jを基準として所定の角度より大きくされ、第2の反射面の反射方向と第3の反射面の反射方向とが異なる方向にされ、反射領域30の少なくとも半分の領域に第2の反射面と第1の反射面と第3の反射面が順に隣り合って存在する。
従って、反射領域30の少なくとも半分の領域に、光を第2の反射面及び第3の反射面の反射角度より小さな角度で反射する第1の反射面と、第1の反射面の反射角度より大きな角度で光を反射する第2の反射面と、第1の反射面の反射角度より大きな角度で第2の反射面の反射方向と異なる方向へ光を反射する第3の反射面とが存在するため、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
特に、視認角度や視認方向によって光って見える反射面40、40、・・・の位置が様々に変化する所謂キラキラ感が生じ、視認方向に拘わらず高い被視認性を確保することができる。
また、車輌用灯具1から軸Jに対して斜め方向へ照射される光量が増え、光の視認範囲が広がるため、被視認性の向上を図ることができる。
さらに、導光体7Aが設けられた車輌用灯具1においては、導光体7Aの下面に反射領域30が形成され、反射領域30で内面反射された光が出射面9から出射される構成にされているため、出射面9の奥側で光が各方向に反射され、視認者に奥行き感のある出射状態を認識させることができる。
尚、導光体7Aが設けられた車輌用灯具1においても、導光体7が設けられた車輌用灯具1と同様に、反射面40の形状が矩形状以外の他の形状、例えば、三角形状や六角形状等に形成されていてもよい(図8及び図9参照)。
また、車輌用灯具1においては、透明部材である導光体7又は導光体7Aが用いられているため、導光体7又は導光体7Aの奥側に光を制御する他の光制御部材50が配置されていてもよい(図17参照)。
光制御部材50は、例えば、入射された光を2回内面反射して導光体7又は導光体7A側へ出射させる機能を有している。この場合に、導光体7又は導光体7Aにおいて、光制御部材50から出射された光が透過される部分(図17に示す白抜きの部分)45、45には、出射領域10又は反射領域30が形成されないようにしてもよい。このとき光制御部材50によって制御された光は導光体7又は導光体7Aによっては制御されず、導光体7又は導光体7Aに対向して位置された光源6、6、6から出射された光が導光体7の出射領域10又は導光体7Aの反射領域30で制御される。
但し、導光体7又は導光体7Aの部分45、45にも出射領域10又は反射領域30が形成され、光制御部材50によって制御された光が導光体7の出射領域10又は導光体7Aの反射領域30によっても制御される構成にすることも可能である。
さらに、導光体7Aが設けられた車輌用灯具1においても、導光体7が設けられた車輌用灯具1と同様に、反射面40、40、・・・で反射される光の反射方向を制御し、視認者において文字や図形や模様等が認識されるようにすることも可能である(図10乃至図14参照)。
また、車輌用灯具1においては、上面に出射領域10が形成され下面に反射領域30が形成された導光体を用い、反射領域30によって制御された光が出射領域10によって制御されて外部へ向けて照射される構成にすることも可能である。
さらにまた、上記には、略平板状の導光体7と導光体7Aを例として示したが、導光体7と導光体7Aは湾曲された形状、例えば、斜め下方に凸になるように湾曲された形状に形成されてもよい(図18参照)。このような形状の導光体7又は導光体7Aを用いることにより、導かれる光が平行光でない場合においても出射領域10の各出射面20、20、・・・又は反射領域30の各反射面40、40、・・・に光を導き易くなり、光の制御に関する容易化を図ることが可能になる。
また、導光体7、7Aを湾曲された形状に形成することにより、平板状の導光体7、7Aより前後方向、上下方向又は左右方向のうち少なくとも一つの方向における全長を小さくすることが可能になり、導光体7、7Aの小型化による車輌用灯具1の小型化を図ることができる。
1…車輌用灯具、6…光源、7…導光体、8…入射面、10…出射領域、12…区分領域、12A…区分領域、12B…区分領域、20…出射面、20A…第1の出射面、20B…第2の出射面、20C…第3の出射面、12X…区分領域、20XA…第1の出射面、20XB…第2の出射面、20XC…第3の出射面、12Y…区分領域、20YA…第1の出射面、20YB…第2の出射面、20YC…第3の出射面、7A…導光体、8A…入射面、9…出射面、30…反射領域、40…反射面

Claims (8)

  1. 光を出光する光源と、
    前記光源から出光された光が入射される入射面と前記入射面から入射された光を出射する複数の出射面とを有する導光体とを備え、
    前記複数の出射面が存在する領域が出射領域として形成され、
    前記複数の出射面は少なくとも一つずつが第1の出射面と第2の出射面と第3の出射面として形成され、
    前記第1の出射面の出射角度が所定の軸を基準として所定の角度以下にされ、
    前記第2の出射面と前記第3の出射面の出射角度がそれぞれ前記所定の軸を基準として前記所定の角度より大きくされ、
    前記第2の出射面の出射方向と前記第3の出射面の出射方向とが異なる方向にされ、
    前記出射領域の少なくとも半分の領域に前記第2の出射面と前記第1の出射面と前記第3の出射面が順に隣り合って存在する
    車輌用灯具。
  2. 前記複数の出射面のうち少なくとも一つの前記出射面は出射角度が隣り合う全ての前記出射面の出射角度と異なるようにされた
    請求項1に記載の車輌用灯具。
  3. 前記複数の出射面のうち任意の前記出射面は出射角度又は出射方向が隣り合う全ての前記出射面の出射角度又は出射方向と異なるようにされた
    請求項2に記載の車輌用灯具。
  4. 前記出射領域は複数の区分領域によって形成され、
    前記複数の区分領域にはそれぞれ少なくとも前記第2の出射面と前記第3の出射面が存在し、
    前記複数の区分領域のうち前記光源に最も近い前記区分領域における前記第2の出射面と前記第3の出射面の前記所定の軸に対する出射角度が、全ての前記出射面の前記所定の軸に対する出射角度の中で最大にされた
    請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用灯具。
  5. 光を出光する光源と、
    前記光源から出光された光が入射される入射面と前記入射面から入射された光を内面反射する複数の反射面と前記複数の反射面でそれぞれ内面反射された光を出射する出射面とを有する導光体とを備え、
    前記複数の反射面が存在する領域が反射領域として形成され、
    前記複数の反射面は少なくとも一つずつが第1の反射面と第2の反射面と第3の反射面として形成され、
    前記第1の反射面の反射角度が所定の軸を基準として所定の角度以下にされ、
    前記第2の反射面と前記第3の反射面の反射角度がそれぞれ前記所定の軸を基準として前記所定の角度より大きくされ、
    前記第2の反射面の反射方向と前記第3の反射面の反射方向とが異なる方向にされ、
    前記反射領域の少なくとも半分の領域に前記第2の反射面と前記第1の反射面と前記第3の反射面が順に隣り合って存在する
    車輌用灯具。
  6. 前記複数の反射面のうち少なくとも一つの前記反射面は反射角度が隣り合う全ての前記反射面の反射角度と異なるようにされた
    請求項5に記載の車輌用灯具。
  7. 前記複数の反射面のうち任意の前記反射面は反射角度又は反射方向が隣り合う全ての前記反射面の反射角度又は反射方向と異なるようにされた
    請求項6に記載の車輌用灯具。
  8. 前記反射領域は複数の区分領域によって形成され、
    前記複数の区分領域にはそれぞれ少なくとも前記第2の反射面と前記第3の反射面が存在し、
    前記複数の区分領域のうち前記光源に最も近い前記区分領域における前記第2の反射面と前記第3の反射面の前記所定の軸に対する反射角度が、全ての前記反射面の前記所定の軸に対する反射角度の中で最大にされた
    請求項5、請求項6又は請求項7に記載の車輌用灯具。
JP2020521818A 2018-05-30 2019-05-09 車輌用灯具 Active JP7216875B2 (ja)

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