JPWO2019230240A1 - 印刷装置およびインク吐出装置 - Google Patents

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Abstract

印刷装置(100)は、記録媒体(7)を送る送り動作と送り動作の停止とを繰り返す搬送動作を行う搬送装置(3)と、版装置(2)と、インク吐出装置(1)と、を備え、インク吐出装置(1)は、送り動作が停止されているときに、ヘッド(8)を移動させる走査を行い、搬送装置(3)は、1回分の走査が完了するごとに送り動作を1回行い、搬送装置(3)は、1回分の送り動作で送る記録媒体(7)の送り量を変更することが可能に構成されている。

Description

本発明は、記録媒体に印刷を行う印刷装置およびインク吐出装置に関する。
従来、記録媒体としての布素材に対して印刷を行う場合がある。布素材に対して印刷を行う場合、布素材にインクが塗布される。布素材へのインクの塗布後、インクの定着が行われる。
ここで、布素材に対する印刷にインクジェット印刷機が用いられる場合がある。インクジェット印刷機を用いて布素材に印刷を行う技術は、たとえば、特許文献1に開示されている。
特表2007−525339号公報
インクジェット印刷機を用いて布素材に印刷を行う場合には、版を用いて布素材に印刷を行う場合に比べて、詳細な画像を印刷し易いというメリットがある。また、色数が多くても、多数の版を用意しなくて済む。
一方で、インクジェット印刷機にも不利な点がある。インクジェット印刷機は、微小なインク(液滴)を布素材に吹き付けることによって布素材に画像を印刷する。このため、濃度が出難い傾向がある。また、同じ濃度で一定領域の印刷(ベタ画像の印刷)を行う場合、色ムラが生じることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、布素材などの記録媒体に対して高濃度の画像を高画質で色ムラなく印刷することが可能な印刷装置およびインク吐出装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の第1の局面による印刷装置は、記録媒体を送る送り動作と送り動作の停止とを繰り返す搬送動作を行うことによって記録媒体を搬送する搬送装置と、記録媒体に版を用いて印刷を行う版装置と、記録媒体にインクを吐出することによって記録媒体に印刷を行うインク吐出装置と、を備え、インク吐出装置は、記録媒体の搬送方向と平行なY軸方向に沿って並べられた複数のノズルを含むノズル列を有するヘッドと、Y軸方向に対して水平方向に直交するX軸方向にヘッドを移動させるX軸移動機構と、送り動作が停止されているときに、X軸移動機構を制御してX軸方向にヘッドを移動させる走査を行い、前記走査を行っているときに前記ヘッドからインクを吐出させる制御部と、を備え、搬送装置は、1回分の走査が完了するごとに送り動作を1回行い、搬送装置は、1回分の送り動作で送る記録媒体の送り量を変更することが可能に構成されている。
また、本発明の第2の局面によるインク吐出装置は、上記印刷装置の搬送装置により搬送される記録媒体にインクを吐出することによって記録媒体に印刷を行うインク吐出装置であって、記録媒体の搬送方向と平行なY軸方向に沿って並べられた複数のノズルを含むノズル列を有するヘッドと、Y軸方向に対して水平方向に直交するX軸方向にヘッドを移動させるX軸移動機構と、送り動作が停止されているときに、X軸移動機構を制御してX軸方向にヘッドを移動させる走査を行い、走査を行っているときにヘッドからインクを吐出させる制御部と、を備える。
本発明の構成では、布素材などの記録媒体に対して高濃度の画像を高画質で色ムラなく印刷することができる。
実施形態に係る印刷装置を示す図である。 実施形態に係る印刷装置を示す図である。 実施形態に係る印刷装置を示す図である。 実施形態に係るインク吐出装置を示す図である。 実施形態に係るインク吐出装置のヘッドを示す図である。 実施形態に係るインク吐出装置のヘッドを示す図である。 実施形態に係るインク吐出装置の移動機構を示す図である。 実施形態に係るインク吐出装置に入力される印刷用データについて説明するための図である。 実施形態に係る印刷装置が搬送する布の送り量について説明するための図である。 実施形態に係るインク吐出装置が記憶する定義データについて説明するための図である。 実施形態に係るインク吐出装置の操作パネルが表示する画像種類選択画面の一例を示す図である。 実施形態に係るインク吐出装置の操作パネルが表示する平滑レベル選択画面の一例を示す図である。 実施形態に係るインク吐出装置が行うヘッドのZ軸方向の移動制御について説明するための図である。 実施形態に係るインク吐出装置が記憶するインク吐出量データについて説明するための図である。
以下に、図1〜図14を参照し、本実施形態のインク吐出装置1およびインク吐出装置1を備える印刷装置100について説明する。なお、印刷装置100は、版装置2を備える。版装置2は、捺染装置である。インク吐出装置1および版装置2は、記録媒体に印刷を行う。
以下の説明では、記録媒体として布7を用いる場合を例にとるが、記録媒体の種類は特に限定されない。インク吐出装置1および版装置2の両方で印刷可能なものが記録媒体になり得る。たとえば、記録媒体が紙であってもよい。
また、以下の説明では、布7の搬送方向と平行な方向をY軸方向と称する。Y軸方向に対して水平方向に直交する方向をX軸方向と称する。Y軸方向およびX軸方向に対して直交する方向をZ軸方向と称する。
(印刷装置の全体構成)
まず、図1〜図3を参照し、印刷装置100の全体構成について説明する。印刷装置100は、インク吐出装置1および版装置2を備える。このため、印刷装置100は、ディジタル印刷(インクジェット方式の印刷)およびアナログ印刷(版を用いた印刷)の両方の実行が可能である。すなわち、印刷装置100は、ハイブリッド型の印刷システムである。印刷装置100は、インク吐出装置1および版装置2に加え、搬送装置3を備える。また、印刷装置100は、制御装置4、給布装置5、定着装置6aおよび洗浄装置6bを備える。
搬送装置3は、布7を搬送する。版装置2は、搬送装置3により搬送される布7の搬送ラインに設けられる。インク吐出装置1は、布7の搬送ラインに対して追加および取り外しが可能である。たとえば、既存の搬送ライン(版装置2が既に設置された搬送ライン)にインク吐出装置1を追加することができる。また、既存の搬送ラインに複数の版装置2が設置されている場合、いずれかの版装置2を取り外し、その代わりにインク吐出装置1を設置することもできる。さらに、既存の搬送ラインに設置されたインク吐出装置1を取り外すこともできる。すなわち、インク吐出装置1は、印刷装置100(搬送装置3の布7の搬送ライン)に対して着脱可能である。したがって、インク吐出装置1のみを市場に供給することができる。
また、搬送装置3の布7の搬送ラインに対してインク吐出装置1が固定されていてもよい。すなわち、搬送ラインからインク吐出装置1が取り外せなくてもよい。この場合、インク吐出装置1、版装置2および搬送装置3がセットで販売される。
制御装置4は、インク吐出装置1、版装置2、搬送装置3、給布装置5、定着装置6aおよび洗浄装置6bを制御する。給布装置5には、筒状に巻かれた布7がセットされる。給布装置5は、搬送装置3に布7を供給する。定着装置6aは、搬送装置3から布7を搬入する。定着装置6aは、布7にインクを定着させる。洗浄装置6bは、定着装置6aから布7を搬入する。洗浄装置6bは、布7を洗浄する。
搬送装置3は、搬送ベルト31、駆動ローラー32、従動ローラー33および搬送モーター34を備える。また、搬送装置3は、搬送制御部30を備える。搬送ベルト31は、駆動ローラー32および従動ローラー33にかけ回される。布7は、搬送ベルト31上に張られる(搬送ベルト31に布7が接する)。搬送モーター34は、駆動ローラー32を回転させるモーターである。搬送制御部30は、制御回路(たとえば、CPU)を含む基板である。
搬送制御部30は、制御装置4から指示を受け、搬送モーター34を制御する。すなわち、搬送制御部30は、駆動ローラー32を適切に回転させる。駆動ローラー32が回転することにより、搬送ベルト31が周回する。これにより、搬送ベルト31上の布7が搬送される。インク吐出装置1による印刷および版装置2による印刷は、搬送装置3により搬送される布7(搬送ベルト31上の布7)に対して行われる。
インク吐出装置1は、布7にインクを吐出することによって布7に印刷を行う。インク吐出装置1は、インクジェット型プリンターの一種である。すなわち、インク吐出装置1は、インクを吐出するヘッド8(図3参照)を備える。
ここで、インク吐出装置1の印刷方式は、シリアルヘッド方式である。しかし、ヘッド8は、X軸方向だけでなく、Z軸方向にも移動可能である。これにより、印刷の開始前、印刷の完了後、および、印刷の実行中などに、ヘッド8のZ軸方向の位置を調整することができる。
インク吐出装置1の構成については、後に詳細に説明する。
版装置2は、布7に版を用いて印刷を行う。版装置2による印刷は、布7の上方(Z軸方向の上方)から布7に対して版が押し付けられた状態で行われる。すなわち、搬送装置3により搬送される布7は、版装置2の版の下方(Z軸方向の下方)を通過する。
版装置2による印刷では、1台の版装置2で1色の画像を印刷することができる。複数色の画像を印刷する場合には、複数色分の版装置2が印刷装置100に組み込まれる。すなわち、版装置2の設置数は1台とは限らない。たとえば、版装置2の設置数は複数である。以下、複数の版装置2のうち1台の版装置2について構成を説明するが、複数の版装置2の各構成は同じであるため、他の版装置2については構成の説明を省略する。
版装置2は、型枠21、スクリーン版22(「版」に相当)、スキージ23、スキージ移動装置24および昇降装置25を備える。型枠21は、スクリーン版22を保持する。型枠21の外形は、長方形である。スクリーン版22は、型枠21の枠内に配置される。スクリーン版22の上面上には、色糊がのせられる。スクリーン版22には、インクを透過させるインク透過部(布7に向けてインクを押し出す部分)が形成される。スキージ23は、ヘラ状に形成される。スキージ23の下端部は、スクリーン版22の上面に接する。スキージ移動装置24は、モーターを含む。スキージ移動装置24は、スキージ23をスクリーン版22の上面に沿って移動させる。スキージ23およびスキージ移動装置24は、型枠21に設置される。昇降装置25は、型枠21を昇降させる。
なお、版装置2の種類は特に限定されない。たとえば、版装置2がロータリースクリーン捺染機であってもよい。また、版装置2がローラー捺染機であってもよい。
(インク吐出装置の構成)
次に、図4を参照し、インク吐出装置1の構成について説明する。
インク吐出装置1は、制御部10および記憶部11を備える。制御部10は、インク吐出装置1を制御する。制御部10は、制御回路10a(たとえば、CPU)および画像処理回路10bを含む基板である。制御回路10aは、制御プログラムおよび制御データに基づき処理を行う。画像処理回路10bは、印刷に用いる画像データD2(詳細は後述する)に対して画像処理を行う。記憶部11は、不揮発性の記憶装置(たとえば、ROM、HDDおよびフラッシュROMなど)および揮発性の記憶装置(たとえば、RAMなど)を含む。記憶部11は、制御プログラムおよび制御データを記憶する。
インク吐出装置1のヘッド8は、複数のノズル81(図5および図6参照)を含む。ヘッド8は、複数色のインクを吐出する。たとえば、ブラック、イエロー、シアンおよびマゼンタの各色のインクがヘッド8から吐出される。これにより、カラー印刷を行うことができる。
制御部10は、印刷の実行中、ヘッド8から布7に向けてインクを吐出させる。ヘッド8から吐出されたインクは、布7の印刷面71に付着する。これにより、印刷面71に画像が印刷される。
また、インク吐出装置1は、移動機構12を備える。移動機構12は、2つの軸方向にヘッド8を移動させる機構である。移動機構12は、Z軸移動機構121およびX軸移動機構122を含む。Z軸移動機構121は、ヘッド8をZ軸方向に移動させる機構である。X軸移動機構122は、ヘッド8をX軸方向に移動させる機構である。
制御部10は、移動機構12を制御し、ヘッド8を適切に移動させる。制御部10は、Z軸移動機構121を制御することにより、ヘッド8のZ軸方向の位置を調整する(ヘッド8をZ軸方向に移動させる)。また、制御部10は、X軸移動機構122を制御することにより、ヘッド8のX軸方向の位置を調整する(ヘッド8をX軸方向に移動させる)。
インク吐出装置1は、操作パネル15を備える。操作パネル15は、表示パネル15aおよびタッチパネル15bを含む。
インク吐出装置1は、通信部19を備える。通信部19は、コンピューター200と通信する。コンピューター200は、たとえば、パーソナルコンピューターである。通信部19は、コンピューター200から印刷用データD1(詳細は後述する)を受信する。制御部10は、印刷用データD1に基づき、ヘッド8を移動させるとともに、ヘッド8からインクを吐出させる。
(ヘッドの構成)
次に、図5および図6を参照し、ヘッド8の構成について説明する。
ヘッド8は、ブラック、イエロー、シアンおよびマゼンタの各色にそれぞれ対応する複数(4色分)のノズル列80を含む。各ノズル列80は、複数のノズル81を列状に並べたものである。各ノズル列80に含まれるノズル81の数は互いに同じである。各ノズル列80は、対応する色のインクを吐出する。各ノズル列80の複数のノズル81は、Y軸方向に並べられる。また、各ノズル列80の複数のノズル81は、Y軸方向に隣接するノズル81の間の距離が均等になるよう形成される。Y軸方向(搬送方向)の上流端のノズル81から下流端のノズル81までの範囲が1回のインク吐出での描画範囲となる。
ヘッド8は、駆動素子83を備える。駆動素子83は、1つのノズル81に対して1つ設けられる。駆動素子83は、圧電素子(たとえば、ピエゾ素子)である。
また、ヘッド8は、ドライバー回路82を含む。ドライバー回路82は、1つのノズル列80に対して1つ設けられる。ドライバー回路82は、駆動素子83への電圧印加のオンオフを制御する(インクの吐出を制御する)。制御部10は、1ラインごとに、画像データD2(インクを吐出すべきノズル81を示すデータ)をドライバー回路82に与える。ドライバー回路82は、インクを吐出すべきノズル81の駆動素子83にパルス状の電圧を印加する。電圧印加を受けた駆動素子83は変形する。駆動素子83の変形により生じる圧力は、ノズル81へのインクの供給流路(図示せず)に加わる。これにより、電圧印加を受けた駆動素子83に対応するノズル81からインクが吐出される。なお、ドライバー回路82は、インクを吐出させないノズル81に対応する駆動素子83には電圧を印加しない。
また、ヘッド8は、電圧生成回路84を備える。電圧生成回路84は、1つのドライバー回路82に対して1つ設けられる。電圧生成回路84は、複数種の電圧を生成する。ドライバー回路82は、電圧生成回路84が生成する電圧を駆動素子83に印加する。駆動素子83に印加される電圧が大きいほど、駆動素子83の変形が大きくなる。その結果、インクの吐出量が多くなる。駆動素子83に印加される電圧が小さいほど、駆動素子83の変形が小さくなる。その結果、インクの吐出量が少なくなる。これにより、インクの吐出量を調整することができる。
制御部10は、駆動信号生成回路10cを含む。駆動信号生成回路10cは、駆動信号S1を生成する。駆動信号S1は、ヘッド8(ドライバー回路82)を駆動する信号である。駆動信号生成回路10cは、たとえば、クロック信号を生成する。ヘッド8(ドライバー回路82)は、駆動信号S1が1回立ち上がるごとにインクを吐出する。インク吐出の基準周期は予め定められている。制御部10は、基準周期でインクが吐出されるように、駆動信号生成回路10cに駆動信号S1の生成を行わせる。
(移動機構の構成)
次に、図7を参照し、移動機構12(Z軸移動機構121およびX軸移動機構122)の構成について説明する。
Z軸移動機構121は、Z軸アーム121aを含む。Z軸アーム121aは、四角柱状の部材である。Z軸アーム121aは、Z軸モーター121b、Z軸移動部材121cおよびZ軸移動体121dを内蔵する。Z軸モーター121bは、たとえば、ステッピングモーターである。Z軸モーター121bは、正逆回転可能である。制御部10は、Z軸モーター121bを制御する。Z軸モーター121bは、Z軸移動部材121cを回転させる。Z軸移動部材121cは、たとえば、ボールねじである。Z軸移動体121dは、ボールねじに取り付けられたナットと一体化されている。これにより、Z軸モーター121bの回転運動が直線運動に変換される。その結果、Z軸移動体121dがZ軸方向に移動する。Z軸アーム121aは、Z軸移動体121dのZ軸方向への移動をガイドする。
X軸移動機構122は、X軸アーム122aを含む。X軸アーム122aは、四角柱状の部材である。X軸アーム122aは、X軸モーター122b、X軸移動部材122cおよびX軸移動体122dを内蔵する。X軸モーター122bは、たとえば、ステッピングモーターである。X軸モーター122bは、正逆回転可能である。制御部10は、X軸モーター122bを制御する。X軸モーター122bは、X軸移動部材122cを回転させる。X軸移動部材122cは、たとえば、ボールねじである。X軸移動体122dは、ボールねじに取り付けられたナットと一体化されている。これにより、X軸モーター122bの回転運動が直線運動に変換される。その結果、X軸移動体122dがX軸方向に移動する。X軸アーム122aは、X軸移動体122dのX軸方向への移動をガイドする。
Z軸移動体121dは、X軸移動機構122に接続される。たとえば、X軸アーム122aの端部にZ軸移動体121dが接続される。これにより、Z軸移動体121dの移動にあわせて、X軸アーム122aがZ軸方向に移動する。制御部10は、Z軸モーター121bを制御することにより、X軸アーム122aのZ軸方向の位置を変化させる。
ヘッド8は、各ノズル列80の列方向がY軸方向と平行になるようX軸移動体122dに取り付けられる。具体的には、ヘッド8はキャリッジ(図示せず)に保持される。そして、キャリッジがX軸移動体122dに取り付けられる。これにより、X軸移動体122dの移動にあわせて、ヘッド8がX軸方向に移動する。
制御部10は、Z軸モーター121bを制御し、Z軸移動体121dをZ軸方向に移動させる。これにより、Z軸移動体121dと共にヘッド8(X軸アーム122a)がZ軸方向に移動する。また、制御部10は、X軸モーター122bを制御し、X軸移動体122dをX軸方向に移動させる。これにより、X軸移動体122dと共にヘッド8がX軸方向に移動する。
制御部10は、印刷の実行中、X軸モーター122bを制御し、ヘッド8をX軸方向に移動させる走査を行う。そして、制御部10は、ヘッド8の走査を行っているとき、ヘッド8からインクを吐出させる。
また、制御部10は、Z軸モーター121bを制御することにより、ヘッド8のZ軸方向の位置調整を行う。これにより、布7の印刷面71とヘッド8のノズル面との間隔を変更することができる。
なお、キャリッジがX軸アーム122aに対してZ軸方向に移動可能になっていてもよい。また、ヘッド8がキャリッジに対してZ軸方向に移動可能になっていてもよい。
(画像データを含む印刷用データ)
次に、図8を参照し、画像データD2を含む印刷用データD1について説明する。
コンピューター200は、インク吐出装置1に印刷用データD1を送信する。コンピューター200は、印刷装置100の一部と考えることもできる。コンピューター200は、処理部201、コンピューター記憶部202、入力デバイス205、表示デバイス206およびコンピューター通信部207を含む。処理部201は、処理回路(たとえば、CPU)を含む基板である。コンピューター記憶部202は、ROM、RAMおよびHDDを含む。コンピューター記憶部202は、印刷用データD1を生成するためのドライバーソフトウェア203を記憶する。また、コンピューター記憶部202は、印刷に用いる画像データD2を編集するための画像編集ソフトウェア204を記憶する。入力デバイス205は、ハードウェアキーボードおよびポインティングデバイスなどの入力機器である。ユーザーは入力デバイス205を用いて、画像データD2を編集する。また、ユーザーは入力デバイス205を用いて、印刷コマンドを入力する。表示デバイス206は、ディスプレイである。コンピューター通信部207は、通信インターフェイスである。
印刷コマンドが入力されたとき、処理部201は、ドライバーソフトウェア203を起動する。処理部201は、ドライバーソフトウェア203に基づき、ユーザーから印刷設定を受け付けるための設定画面を表示デバイス206に表示させる。入力デバイス205は、ユーザーから印刷設定を受け付ける。たとえば、入力デバイス205は、単位印刷範囲E1(詳細は後述する)における画像の印刷位置、印刷の解像度、画像の種類、および、吐出時間隔(詳細は後述する)の設定を受け付ける。
処理部201は、ドライバーソフトウェア203に基づき、印刷用データD1を生成する。印刷用データD1は、画像データD2および印刷設定情報D3を含む。処理部201は、ユーザーにより設定された解像度(ユーザー指定の解像度)の画像データD2を生成する。また、処理部201は、ユーザーにより設定された印刷設定の設定内容を印刷設定情報D3に含める。たとえば、処理部201は、画像の印刷位置、印刷の解像度、画像の種類、および、吐出時間隔を印刷設定情報D3に含める。1つの単位印刷範囲E1に複数種の画像を印刷する場合、処理部201は、複数種の画像にそれぞれ対応する複数の画像データD2を印刷用データD1に含めるとともに、複数種の画像にそれぞれ対応する複数の印刷設定の設定内容を印刷用データD1に含める。
そして、処理部201は、コンピューター通信部207を用いて、インク吐出装置1に印刷用データD1を送信する(インク吐出装置1に印刷用データD1が入力される)。インク吐出装置1の記憶部11は、印刷用データD1を記憶する。なお、インク吐出装置1に画像データD2のみが入力されてもよい。この場合、インク吐出装置1の操作パネル15がユーザーから印刷設定を受け付ける。そして、インク吐出装置1の制御部10が印刷用データD1を生成する。
(布の搬送および布への印刷)
次に、図9を参照し、布7の搬送および布7への印刷について説明する。
搬送装置3は、布7を一定量だけY軸方向(搬送方向)に送る送り動作と送り動作の停止とを繰り返す動作を行うことによって布7をY軸方向に搬送する。すなわち、搬送装置3は、布7を一定量ずつY軸方向に送る。以下の説明では、送り動作と送り動作の停止とを繰り返す動作(搬送装置3が布7を搬送するときに行う動作)を搬送動作と称し、送り動作と区別する。
印刷装置100(インク吐出装置1および複数の版装置2)による印刷では、印刷対象の布7が複数の単位印刷範囲E1に区切られる。図9では、単位印刷範囲E1を2点鎖線で囲む。単位印刷範囲E1のY軸方向の長さは、版装置2のスクリーン版22のY軸方向の長さと同じである。以下の説明では、単位印刷範囲E1のY軸方向の長さを規定長さF1と称する。単位印刷範囲E1のX軸方向の長さは、布7のX軸方向の長さと同じである。なお、印刷装置100に複数の版装置2を設置する場合、Y軸方向に隣り合う各版装置2のスクリーン版22のY軸方向の間隔は規定長さF1に設定される。
搬送装置3は、印刷の実行時、布7を所定長さG1に相当する量ずつY軸方向に送る(送り動作と送り動作の停止とを繰り返す)。搬送装置3が送り動作を1回行うと、図9の上図に示す状態から図9の下図に示す状態となる。
たとえば、インク吐出装置1の制御部10が所定長さG1(搬送装置3による1回分の送り動作の送り量)を設定する。制御部10は、所定長さG1を設定するとき、コンピューター200から受信した印刷用データD1の印刷設定情報D3に含まれるユーザー指定の解像度を認識する。そして、制御部10は、ユーザー指定の解像度に基づき、所定長さG1を設定する。
ここで、インク吐出装置1のヘッド8の各ノズル列80の単位長さ当たり(1インチ当たり)のノズル81の数は、設定可能な印刷の解像度の単位長さ当たり(1インチ当たり)のドット数以下である。また、所定長さG1は、各ノズル列80のY軸方向の長さよりも短い。
そこで、ノズル列80のY軸方向の長さをA、ユーザー指定の解像度(インク吐出装置1による印刷の解像度)をB、ノズル列80の単位長さ当たりのノズル81の数をCとした場合、制御部10は、所定長さG1を(A÷(B÷C))+1ドットに設定する。
一例として、各ノズル列80に600個のノズル81が含まれているとする。また、ユーザー指定の解像度Bが600dpiであり、各ノズル列80に含まれる単位長さ当たりのノズル81の数Cが150個(150dpi)であるとする。単位長さは印刷の解像度にあわせて1インチである。この場合、ノズル列80のY軸方向の長さAは約4インチ(=600÷150)となり、(A÷(B÷C))=4÷(600÷150)=1となる。したがって、ユーザー指定の解像度が600dpiである場合、所定長さG1は1インチ+1ドットとなる。
別の例として、各ノズル列80に600個のノズル81が含まれているとする。また、ユーザー指定の解像度Bが300dpiであり、各ノズル列80の単位長さ当たりのノズル81の数Cが150個(150dpi)であるとする。単位長さは印刷の解像度にあわせて1インチである。この場合、ノズル列80のY軸方向の長さAは約4インチ(600÷150)となり、(A÷(B÷C))=4÷(300÷150)=2となる。したがって、ユーザー指定の解像度が300dpiである場合、所定長さG1は2インチ+1ドットとなる。
制御部10は、ユーザー指定の解像度に対応する所定長さG1を示す情報を搬送制御情報として制御装置4に送信する。制御装置4は、搬送装置3に搬送制御情報を送信する。搬送装置3の搬送制御部30は、搬送制御情報で示される所定長さG1を認識する。搬送制御部30は、当該認識した所定長さG1に相当する量を印刷実行時に行う送り動作の送り量に設定する。そして、搬送装置3は、印刷の実行時、ユーザー指定の解像度に応じた送り量ずつ布7を送る(搬送装置3による1回分の送り動作の送り量がユーザー指定の解像度に応じた量となる)。すなわち、搬送装置3は、インク吐出装置1による印刷の解像度に応じて、1回分の送り動作で送る布7の送り量を変更する。
インク吐出装置1は、搬送装置3による搬送動作(送り動作と送り動作の停止とを繰り返す動作)の実行中に布7に対する印刷を行う。インク吐出装置1の1回分の印刷範囲は、単位印刷範囲E1である。インク吐出装置1の1回分の印刷範囲は、複数の版装置2の各スクリーン版22の1回分の印刷範囲と同範囲である。
インク吐出装置1は、単位印刷範囲E1のうち版装置2では印刷しない部分に画像を印刷する。たとえば、布7に印刷すべき画像のうち、複数色からなる画像およびグラデーション画像などの印刷がインク吐出装置1によって行われる。布7は複数の単位印刷範囲E1に区切られているが、複数の単位印刷範囲E1には互いに同じ画像が印刷される。
インク吐出装置1の制御部10は、搬送装置3による送り動作が停止されているとき、X軸移動機構122を制御し、ヘッド8をX軸方向に移動させる走査を行う。走査開始位置は、布7のY軸方向と平行な一対の辺(X軸方向の一方側にある辺およびX軸方向の他方側にある辺)のうち一方側の辺と、ヘッド8の複数のノズル列80のうちX軸方向の最も他方側にあるノズル列80とが向かい合う位置である。走査終了位置は、布7のY軸方向と平行な一対の辺のうち他方側の辺と、ヘッド8の複数のノズル列80のうちX軸方向の最も一方側にあるノズル列80とが向かい合う位置である。
制御部10は、ヘッド8の走査を行っているとき(ヘッド8を走査開始位置から走査終了位置に移動させているとき)、印刷用データD1(印刷用データD1に含まれる画像データD2)に基づき、ヘッド8からインクを吐出させる。制御部10は、1回分の走査の完了後(ヘッド8を走査開始位置から走査終了位置に移動させた後)、X軸移動機構122を制御し、ヘッド8を走査終了位置から走査開始位置に戻す。なお、ヘッド8から吐出させるインクの吐出周期は予め定められる。ヘッド8のX軸方向の移動速度は、印刷の解像度とインクの吐出周期とに基づき設定される。制御部10は、1吐出周期に1ドット分だけヘッド8が移動するように、ヘッド8のX軸方向の移動速度を設定する。
搬送装置3の搬送制御部30は、1回分の走査が完了すると、布7をY軸方向に送る送り動作を行って送り動作を停止する。このとき、布7は所定長さG1に相当する量だけ送られる。インク吐出装置1の制御部10は、1回分の走査の完了後、布7がY軸方向に所定長さG1に相当する量だけ送られると、ヘッド8の走査(インクの吐出)を再度行い、ヘッド8を走査終了位置から走査終了位置に戻す。
このように、インク吐出装置1は、搬送装置3が送り動作を1回行うごとに、ヘッド8の走査を1回行う。搬送装置3は、1回分の走査が完了するごとに、所定長さG1に相当する量だけ布7を送る送り動作を1回行う。すなわち、1回分の走査の完了後、インク吐出装置1による印刷の解像度(ユーザー指定の解像度)に応じた量(所定長さG1に相当する量)だけ布7が送られる。
たとえば、ユーザー指定の解像度が600dpiである場合、搬送装置3は、1回分の送り動作で1インチ+1ドットに相当する量だけ布7を送る。ユーザー指定の解像度が300dpiである場合、搬送装置3は、1回分の送り動作で2インチ+1ドットに相当する量だけ布7を送る。
これにより、インク吐出装置1のヘッド8の各ノズル列80の単位長さ当たりのノズル81の数がユーザー指定の解像度の単位長さ当たりのドット数以下であっても、布7の単位面積当たり(1インチ四方当たり)のインクの着弾数をユーザー指定の解像度に基づく単位面積当たりのドット数と同じにすることができる。
また、搬送装置3は、ユーザー指定の解像度に応じて、1回分の送り動作で送る布7の送り量を変更する。これにより、ユーザー指定の解像度で印刷を行うことができる。
複数の版装置2は、それぞれ、搬送装置3による搬送動作(送り動作と送り動作の停止とを繰り返す動作)の一時停止中に布7に対する印刷を行う。複数の版装置2の各スクリーン版22の1回分の印刷範囲(以下、スクリーン印刷範囲と称する)は、単位印刷範囲E1である。スクリーン印刷範囲は、インク吐出装置1の1回分の印刷範囲と同範囲である。
複数の版装置2は、それぞれ、単位印刷範囲E1のうちインク吐出装置1では印刷しない部分に画像を印刷する。たとえば、布7に印刷すべき画像のうちベタ画像の印刷が複数の版装置2によって行われる。複数の版装置2は、それぞれ、対応する色の画像を単位印刷範囲E1に印刷する。以下、複数の版装置2のうち、或る版装置2により行われる印刷の流れについて説明するが、他の版装置2についても同様の流れで印刷が行われるものとする。
搬送装置3の搬送制御部30は、版装置2のスクリーン印刷範囲に布7の単位印刷範囲E1が入ると、搬送動作を一時停止する。搬送装置3による搬送動作の一時停止は、版装置2による布7の単位印刷範囲E1への印刷が完了するまで継続される。なお、或る版装置2のスクリーン印刷範囲に布7の或る単位印刷範囲E1が入っているということは、別の版装置2のスクリーン印刷範囲に布7の別の単位印刷範囲E1が入っているということである。
搬送装置3による搬送動作が一時停止されたとき、インク吐出装置1は、ヘッド8の走査を1回分だけ行う。当該走査が完了しても、布7への印刷を版装置2に行わせるため、搬送装置3は、送り動作を行わない。すなわち、搬送装置3による搬送動作の一時停止は継続される。したがって、インク吐出装置1は待機状態となる。
制御装置4は、搬送装置3による搬送動作が一時停止されると、版装置2に印刷を行わせる。このとき、制御装置4は、昇降装置25を制御し、スクリーン版22の下面が布7に接するまで、型枠21を布7に向かう方向(Z軸方向の下方)に移動させる。その後、制御装置4は、スキージ移動装置24を制御し、型枠21の枠内においてスキージ23をX軸方向に往復移動させる。
スキージ23は、スクリーン版22の上面に当接した状態でX軸方向に往復移動する。言い換えると、スキージ23は、スクリーン版22の上面を擦る。このとき、スクリーン版22の上面上には色糊がのせられているので、スクリーン版22のインク透過部から布7に向けて色糊が押し出される。これにより、布7に画像が印刷される。
その後、制御装置4は、昇降装置25を制御し、型枠21を布7から離れる方向(Z軸方向の上方)に移動させる。これにより、スクリーン版22の下面と布7とが離間した状態となる。版装置2による布7の単位印刷範囲E1への印刷では、ここまでの処理が1セットとして行われる。
搬送装置3は、版装置2による布7の単位印刷範囲E1への印刷が完了した後、搬送動作を再開し、布7をY軸方向(搬送方向)に搬送する。すなわち、搬送装置3は、送り動作と送り動作の停止とを繰り返す。インク吐出装置1は、所定長さG1に相当する量だけ布7が送られると、ヘッド8の走査を行う。制御装置4は、次に版装置2のスクリーン印刷範囲に単位印刷範囲E1に入るまで、版装置2を待機させる。
搬送装置3は、版装置2のスクリーン印刷範囲に単位印刷範囲E1が入るごとに、搬送動作を一時停止する。すなわち、搬送装置3は、搬送動作と搬送動作の一時停止とを繰り返す。制御装置4は、搬送装置3による搬送動作が一時停止されるごと(版装置2のスクリーン印刷範囲に単位印刷範囲E1が入るごと)に、版装置2に印刷を行わせる。
たとえば、インク吐出装置1は、Y軸方向(搬送方向)において、複数の版装置2の各設置領域よりも上流側に設置される。この構成では、インク吐出装置1の方が複数の版装置2よりも、布7の複数の単位印刷範囲E1のうち最終の単位印刷範囲E1に対する印刷の完了タイミングが早くなる。したがって、1ロール分の布7への印刷では、インク吐出装置1による印刷が行われない期間(複数の版装置2による印刷だけが行われる期間)が発生する。
インク吐出装置1による印刷が行われないときには、搬送装置3により行われる1回分の送り動作の送り量をユーザー指定の解像度に合わせる必要はない。すなわち、1回分の送り動作で送る布7の送り量をより多くしても(布7の搬送速度をより速くしても)、画質に影響はない。
そこで、搬送装置3の搬送制御部30は、インク吐出装置1が担当すべき印刷が全て完了して以降、すなわち、インク吐出装置1による印刷が行われないとき(複数の版装置2による印刷だけが行われるとき)、1回分の送り動作で送る布7の送り量を変更する。たとえば、インク吐出装置1が担当すべき印刷が全て完了すると、その旨を示す通知が制御装置4から搬送装置3に送信される。当該通知に基づき、搬送制御部30は、1回分の送り動作の送り量を変更するか否かを判断する。
搬送制御部30は、インク吐出装置1による印刷が行われないとき、1回分の送り動作の送り量を版装置2のスクリーン版22のY軸方向の長さに相当する量に変更する。この場合、搬送装置3は、版装置2による布7の単位印刷範囲E1への印刷が完了すると、一気に、版装置2のスクリーン版22のY軸方向の長さに相当する量だけ布7を送る。制御装置4は、版装置2に印刷を行わせてから次の印刷を行わせるまでの間隔を初期の間隔よりも短くする。
これにより、複数の版装置2が担当すべき印刷が速やかに完了する。その結果、生産性を向上させることができる。
なお、布7に印刷すべき画像によっては、1ロール分の布7に対してインク吐出装置1による印刷を全く行わない場合がある。この場合には、1ロール分の布7に対する印刷の開始時点から、搬送装置3による1回分の送り動作の送り量を版装置2のスクリーン版22のY軸方向の長さに相当する量に設定することができる。
(吐出時間隔の設定)
次に、図10〜図12を参照し、吐出時間隔の設定について説明する。
インク吐出装置1は、Z軸移動機構121を備える。このため、ヘッド8をZ軸方向に移動させることができる。したがって、布7の印刷面71とヘッド8のノズル81(ノズル面)との距離的な間隔を調整することができる。
インク吐出装置1の制御部10は、布7に印刷すべき画像または布7の種類(材質、大きさおよび表面粗さなど)に応じて、吐出時間隔を設定する。吐出時間隔は、ヘッド8が印刷面71に対してインクを吐出するときのノズル81と印刷面71との間隔(印刷中のノズル81と印刷面71との間隔)である。制御部10は、吐出時間隔を設定し、ノズル81と印刷面71との間隔が当該設定した吐出時間隔となるように、Z軸移動機構121を制御する(ヘッド8をZ軸方向に移動させる)。吐出時間隔の設定手法は複数用意される。
1.印刷設定情報D3に基づく吐出時間隔の設定
インク吐出装置1の制御部10は、印刷設定情報D3に基づき吐出時間隔を設定することができる。印刷設定情報D3は、印刷用データD1に含まれる。印刷設定情報D3は、画像データD2に関連付けられる。
印刷設定情報D3は、コンピューター200のドライバーソフトウェア203で設定された情報を含む。印刷設定情報D3に画像の種類を示す情報が含まれる場合、制御部10は、印刷設定情報D3で定義された画像の種類に基づき、吐出時間隔を設定することができる。
画像の種類に基づき吐出時間隔を設定するため、記憶部11には定義データD4が不揮発的に記憶される(図8参照)。定義データD4は、画像の種類ごとに吐出時間隔を定義したデータである。定義データD4の一例を図10に示す。
図10に示す定義データD4では、画像の種類が記号列であれば、吐出時間隔を5mmとする旨の定義がなされている。なお、記号列を成す記号は、文字や数字などである。記号列は、文字および数字などを主体とし、文字および数字などを並べたものである。記号列には、社名、メールアドレス、電話番号および日時などが含まれる。
また、図10に示す定義データD4では、画像の種類が2次元コード(QRコード(登録商標)など)および図柄(模様)などであれば、吐出時間隔を1mmとする旨の定義がなされている。また、図10に示す定義データD4では、画像の種類が1次元コード(バーコードなど)であれば、吐出時間隔を3mmとする旨の定義がなされている。
ここで、ノズル81と印刷面71との間隔が広いほど、ノズル81からのインクの吐出から印刷面71へのインクの着弾までの時間が長くなる。インクの吐出からインクの着弾までの時間が長いほど、インクの液滴は重力および空気の流れなどの影響を受け易い。このため、ノズル81と印刷面71との間隔が広いほど、印刷面71におけるインクの着弾位置が狙いの位置からずれ易い。一方で、ノズル81と印刷面71との間隔が狭いほど、印刷面71に精密な画像を印刷することができる。
そこで、精密に印刷すべき画像ほど吐出時間隔が狭くなるよう定義データD4が設定されてもよい。たとえば、2次元コードはドット(ブロック)を含み、ドットの大きさに基づき2次元コードに含まれる情報の読み取りが行われる。2次元コードのドットの境界が不鮮明であったり、2次元コードのドットの大きさが不適切であったりすると、2次元コードに含まれる情報を正しく読み取れない場合がある。このため、画像の種類が2次元コードである場合には、吐出時間隔が最小レベルとなるよう定義データD4が定義される。また、図柄についても詳細および精密に印刷されることが好ましいので、画像の種類が図柄である場合にも、吐出時間隔が最小レベルとなるよう定義データD4が定義される。
また、布7の印刷面71は平担とは限らない。凹凸がある布7もある。このため、ノズル81と印刷面71との間隔が狭い場合、ノズル81に布7が衝突する恐れがある。ノズル81への印刷面71の衝突が繰り返されると、ヘッド8(ノズル81)が故障する可能性がある。ノズル81と印刷面71との接触防止の観点からみれば、ノズル81と印刷面71との間隔を広げるのが好ましい。
そこで、精密に印刷する必要性が少ない画像ほど吐出時間隔が広くなるよう定義データD4が設定されてよい。たとえば、記号列(文字列)はベタ部分が多い。したがって、インクの着弾位置が多少ずれていても問題はない。また、インクの着弾位置が適度にばらつくことにより、色ムラが生じ難くなる場合がある。このため、画像の種類が記号列である場合には、吐出時間隔が広めに設定される。
一方で、1次元コードはスキャンされる。したがって、1次元コードは、ある程度、精密に印刷する必要がある。ただし、1次コードは、2次元コードほど精密に印刷しなくてもよい。このため、画像の種類が1次元コードである場合には、吐出時間隔が記号列よりも狭く、かつ、2次元コードよりも広く設定される。
2.画像データD2に基づく吐出時間隔の設定
インク吐出装置1の制御部10は、画像データD2に基づき吐出時間隔を設定することができる。画像データD2に基づき吐出時間隔を設定する場合、制御部10は、画像データD2を解析し、画像データD2に含まれる画像の種類を判定する。そして、制御部10は、判定した画像の種類と定義データD4とに基づき吐出時間隔を設定する。なお、1つの布7の印刷に複数の画像データD2を用いる場合、制御部10は、画像データD2ごとに画像の種類を判定し、画像データD2ごとに吐出時間隔を設定する。
画像データD2に含まれる画像の種類を判定するとき、制御部10は、画像データD2内の画像が2次元コードの画像であるか否かを確認する。また、制御部10は、画像データD2内の画像が1次元コードの画像であるか否かを確認する。また、制御部10は、画像データD2内の画像が記号列(文字列)であるか否かを確認する。
制御部10は、判定した画像の種類と定義データD4とに基づき、吐出時間隔を設定する。たとえば、2次元コード、1次元コードおよび記号列のいずれも画像データD2に含まれていない場合には、画像の種類が図柄であると制御部10が判定する。なお、2次元コード、1次元コード、記号列および図柄のうち、2種類以上の画像が画像データD2に含まれる場合、制御部10は、画像の種類に応じた吐出時間隔のうち、最小または最大の吐出時間隔を適用する。
3.操作パネル15による吐出時間隔の設定
インク吐出装置1の操作パネル15は、布7に印刷する画像の種類の選択をユーザーから受け付ける。操作パネル15に対して所定操作が行われたとき、制御部10は、図11に示すような画像種類選択画面151を表示パネル15aに表示させる。ユーザーは画像種類選択画面151に対してタッチ操作を行い、画像の種類を選択する。
画像種類選択画面151には、第1選択ボタンB1、第2選択ボタンB2、第3選択ボタンB3および第4選択ボタンB4が表示される。印刷面71に印刷する画像が記号列であるとき、ユーザーは第1選択ボタンB1を操作する。印刷面71に印刷する画像が1次元コードであるとき、ユーザーは第2選択ボタンB2を操作する。印刷面71に印刷する画像が2次元コードであるとき、ユーザーは第3選択ボタンB3を操作する。印刷面71に印刷する画像が図柄であるとき、ユーザーは第4選択ボタンB4を操作する。
制御部10は、ユーザーが選択した画像の種類と定義データD4とに基づき、吐出時間隔を設定する。記号列、1次元コード、2次元コードおよび図柄とは異なる画像の種類を選択できるようにしてもよい。制御部10は、記号列が選択されたとき、吐出時間隔を第1間隔に設定する。1次元コードが選択されたとき、制御部10は、吐出時間隔を第1間隔よりも狭い第2間隔に設定する。2次元コードまたは図柄が選択されたとき、制御部10は、吐出時間隔を第2間隔よりも狭い第3間隔に設定する。
4.布7の表面粗さ(平滑レベル)に基づく吐出時間隔の設定
搬送装置3により搬送される布7の種類は様々である。すなわち、インク吐出装置1が印刷を行う布7の種類が変わることがある。
布7の表面が粗いほど、インクが滲む。また、布7の表面が粗い場合、インクの着弾位置を意図的にずらした方がムラの少ない画像を印刷できる場合がある。なぜなら、布7の表面の細かな凹みにもインクを染み込ませることができるためである。また、布7の表面が滑らかなほど、インクの着弾位置のずれが目立ちやすい傾向がある。
そこで、インク吐出装置1の操作パネル15は、布7の表面の平滑レベルの設定を受け付ける。操作パネル15に対して所定操作が行われたとき、制御部10は、図12に示すような平滑レベル選択画面152を表示パネル15aに表示させる。ユーザーは平滑レベル選択画面152に対してタッチ操作を行い、平滑レベルを選択する。
平滑レベル選択画面152には、第5選択ボタンB5、第6選択ボタンB6および第7選択ボタンB7が表示される。表面の平滑レベルが高い布7(表面が滑らかな布7)を用いる場合、ユーザーは第5選択ボタンB5を操作する。表面の平滑レベルが通常の布7を用いる場合、ユーザーは第6選択ボタンB6を操作する。表面の平滑レベルが低い布7(表面が粗い布7)を用いる場合、ユーザーは第7選択ボタンB7を操作する。
ここで、平滑レベルごとに吐出時間隔が予め定められる。言い換えると、第5選択ボタンB5、第6選択ボタンB6および第7選択ボタンB7のそれぞれごとに、対応する吐出時間隔が予め定められる。たとえば、第7選択ボタンB7に対応する吐出時間隔は5mmとされる。第6選択ボタンB6に対応する吐出時間隔は3mmとされる。第5選択ボタンB5に対応する吐出時間隔は1mmとされる。制御部10は、ユーザーが選択した平滑レベルに基づき、吐出時間隔を設定する。制御部10は、ユーザーが選択した平滑レベルが高いほど吐出時間隔を狭くし、ユーザーが選択した平滑レベルが低いほど吐出時間隔を広くする。
(ヘッドのZ軸方向の移動制御)
次に、図13を参照し、ヘッド8のZ軸方向の移動制御について説明する。
図13に示すフローチャートは、インク吐出装置1が印刷を開始するときにスタートする。図13に示すフローチャートのスタート時点では、インク吐出装置1に印刷用データD1(画像データD2および印刷設定情報D3)が入力されている。
まず、制御部10は、印刷に用いる画像データD2を認識する(ステップ♯61)。このとき、制御部10は、画像データD2に関連付けられた印刷設定情報D3を認識する。そして、制御部10は、吐出時間隔を設定する。以下の説明では、制御部10が設定した吐出時間隔を対象吐出時間隔と称する場合がある。
なお、制御部10は、画像種類選択画面151および平滑レベル選択画面152の少なくとも一方でユーザーによる選択が行われていた場合、当該選択結果に基づき吐出時間隔を設定する(ユーザーの選択を優先する)。画像種類選択画面151および平滑レベル選択画面152の両方で選択が行われていた場合、画像種類選択画面151での選択を優先してもよい。この場合、制御部10は、画像種類選択画面151で選択されたボタン(第1選択ボタンB1、第2選択ボタンB2、第3選択ボタンB3および第4選択ボタンB4のいずれか)に対応する画像の種類に基づき吐出時間隔を設定する。また、平滑レベル選択画面152での選択を優先してもよい。この場合、制御部10は、平滑レベル選択画面152で選択されたボタン(第5選択ボタンB5、第6選択ボタンB6および第7選択ボタンB7のいずれか)に対応する平滑レベルに基づき吐出時間隔を設定する。
画像種類選択画面151での選択および平滑レベル選択画面152での選択が共に行われていない場合、制御部10は、印刷設定情報D3に基づき吐出時間隔を設定する。すなわち、操作パネル15に対する操作を行わなくても、制御部10によって吐出時間隔が自動的に設定される。画像の種類を示す情報が印刷設定情報D3に含まれていない場合、制御部10は、画像データD2を解析して吐出時間隔を設定する。
次に、制御部10は、間隔センサー17(図4参照)の出力に基づき、ヘッド8のノズル81と布7の印刷面71との間隔を認識する間隔認識処理を開始する(ステップ♯62)。間隔センサー17は、ヘッド8に設けられる。
次に、制御部10は、単位印刷範囲E1への印刷開始前に位置合わせ処理を行う(ステップ♯63)。位置合わせ処理を行うとき、制御部10は、ノズル81と印刷面71との間隔(間隔センサー17で検知した間隔)が対象吐出時間隔となるように、ヘッド8をZ軸方向に移動させる。
次に、制御部10は、ヘッド8による印刷を開始する(ステップ♯64)。ヘッド8による印刷を開始して以降、制御部10は、ノズル81と印刷面71との間隔が一定に保たれるように、必要に応じて、ヘッド8をZ軸方向に移動させる(ステップ♯65)。これにより、ノズル81と印刷面71との間隔が対象吐出時間隔に保たれる。
制御部10は、ノズル81と印刷面71との間隔を対象吐出時間隔に保つため、間隔センサー17の出力に基づきノズル81と印刷面71との間の距離を検知し続け、検知した距離が対象吐出時間隔からずれたとき、ヘッド8のZ軸方向の位置を調整し、ノズル81と印刷面71との間隔を対象吐出時間隔に戻す。すなわち、制御部10は、ヘッド8のZ軸方向の位置を印刷面71の凹凸に追随させる。これにより、印刷面71に凹凸があっても、ノズル81と印刷面71とは衝突しない。
(インク吐出量の調整)
次に、図14を参照し、インク吐出量の調整について説明する。
インク吐出装置1は、Z軸移動機構121を備える。このため、ヘッド8をZ軸方向に移動させることができる。したがって、ヘッド8のノズル81と布7の印刷面71との間隔を任意に変えることができる。すなわち、吐出時間隔の調整が可能である。
吐出時間隔が狭いほど、インクは狙いの位置に着弾し易くなる。一方で、吐出時間隔が広いほど、インクの着弾位置は狙いの位置からずれ易くなる。たとえば、画像データD2上では着色されないドットにインクが着弾する場合がある。インクの着弾位置が狙いの位置からずれると、印刷面71に印刷される画像の濃度が薄くなる場合がある。
このような不都合の発生を抑制するため、インク吐出装置1の制御部10は、ヘッド8による印刷を行うとき(ヘッド8からインクを吐出させるとき)、ヘッド8のインク吐出量(1ドット当たりのインクの吐出量)を調整する。制御部10は、吐出時間隔が狭いほど、1ドット当たりのインク吐出量を少なくし、吐出時間隔が広いほど、1ドット当たりのインク吐出量を多くする。
ヘッド8の電圧生成回路84は、複数種の電圧の生成が可能である。また、電圧生成回路84が生成する複数種の電圧のうち、駆動素子83に印加する電圧は選択可能である。すなわち、駆動素子83に印加する電圧を変化させることができる。
駆動素子83に印加する電圧の大きさによって駆動素子83の変形量が変わる。駆動素子83の変形量に応じて、ノズル81へのインクの供給流路に加わる圧力が変わる。駆動素子83の変形量が大きいほど圧力が大きくなる。このため、駆動素子83に印加する電圧の大きさを選択することにより、ヘッド8のインク吐出量(1ドット当たりのインクの吐出量)を変化させることができる。
ヘッド8のインク吐出量の調整を制御部10に行わせるため、記憶部11はインク吐出量データD5を不揮発的に記憶する(図8参照)。制御部10は、インク吐出量データD5に基づき、ヘッド8のインク吐出量を調整する。
インク吐出量データD5の一例を図14に示す。インク吐出量データD5は、吐出時間隔が狭いほど、1ドット当たりのインク吐出量が少なくなるよう定義される。また、インク吐出データD5は、吐出時間隔が広いほど、1ドット当たりのインク吐出量が多くなるよう定義される。
図14に示すインク吐出量データD5では、吐出時間隔が3つの範囲に分類される。なお、吐出時間隔の分類数は特に限定されない。印加電圧V1、V2およびV3は、駆動素子83に印加する電圧であり、第1電圧V1<第2電圧V2<第3電圧V3の関係性がある。第1電圧V1に対応する吐出時間隔Wの範囲は、0mm<W≦2mmである。第2電圧V2に対応する吐出時間隔Wの範囲は、2mm<W≦4mmである。第3電圧V3に対応する吐出時間隔Wの範囲は、4mm<Wである。
また、吐出量a1、a2およびa3は、ヘッド8のインク吐出量である。印加電圧が第1電圧V1である場合にインク吐出量がa1となり、印加電圧が第2電圧V2である場合にインク吐出量がa2となり、印加電圧が第3電圧V3である場合にインク吐出量がa3となる。印加電圧が大きいほどインク吐出量が多くなるので、第1吐出量a1<第2吐出量a2<第3吐出量a3という関係となる。
制御部10は、インク吐出量データD5と吐出時間隔とに基づき、駆動素子83に印加する電圧の大きさを選択する。すなわち、制御部10は、ヘッド8のインク吐出量(1ドット当たりのインクの吐出量)を設定する。
図14に示すインク吐出量データD5によると、吐出時間隔が1mmのとき、制御部10は、駆動素子83に電圧V1を印加する。すなわち、制御部10は、ノズル81から吐出される1ドット当たりのインク量を第1吐出量a1に設定する。また、吐出時間隔が3mmのとき、制御部10は、駆動素子83に電圧V2を印加する。すなわち、制御部10は、ノズル81から吐出される1ドット当たりのインク量を第2吐出量a2に設定する。また、吐出時間隔が5mmのとき、制御部10は、駆動素子83に電圧V3を印加する。すなわち、制御部10は、ノズル81から吐出される1ドット当たりのインク量を第3吐出量a3に設定する。
他の手法を用いて、ヘッド8のインク吐出量を調整してもよい。一例として、1ドットに吐出するインクの吐出タイミング(回数)を吐出時間隔に応じて変化させてもよい。たとえば、吐出時間隔が0mm<W≦2mmであるとき、制御部10は、1ドットに対して2回インクを吐出させる。吐出時間隔が2mm<W≦4mmであるとき、制御部10は、1ドットに対して3回インクを吐出させる。吐出時間隔が4mm<Wであるとき、制御部10は、1ドットに対して4回インクを吐出させる。インクを高速で吐出するため、吐出時間隔が広いほど、駆動信号S1の周波数を高くしてもよい。
本実施形態では、上記のように、インク吐出装置1と版装置2とによって印刷装置100が構成される。これにより、ディジタル印刷の利点とアナログ印刷の利点とを併せ持つ印刷装置100を提供することができる。たとえば、複数色からなる細かい画像およびグラデーション画像などをインク吐出装置1で印刷することができる。一方で、インク吐出装置1による印刷では濃度が薄くなり易く色ムラが生じ易いベタ画像などを版装置2で印刷することができる。その結果、布7に対し高濃度の画像を高画質で色ムラなく印刷することができる。
また、本実施形態では、上記のように、インク吐出装置1は印刷装置100に対して着脱可能である。これにより、必要に応じて、容易に、印刷装置100にインク吐出装置1を追加することができる。また、インク吐出装置1が不要になった場合や、版装置2の追加が必要になった場合には、容易に、印刷装置100からインク吐出装置1を取り外すことができる。
また、印刷装置100から版装置2を取り外し、当該取り外した版装置2が設置されていた箇所にインク吐出装置1を装着することができる。印刷装置100からインク吐出装置1を取り外し、当該取り外したインク吐出装置1が設置されていた箇所に版装置2を装着することもできる。これにより、インク吐出装置1および版装置2の各設置位置を任意に変更することができる。たとえば、布7に印刷すべき画像に応じて、版装置2のY軸方向(搬送方向)の上流側にインク吐出装置1を設置したり、版装置2のY軸方向(搬送方向)の下流側にインク吐出装置1を設置したりすることができる。
さらに、インク吐出装置1は1台で複数色の画像を印刷することができるので、印刷装置100にインク吐出装置1を1台追加するだけで、複数台の版装置2を省略することができる。
また、本実施形態では、上記のように、搬送装置3は、1回分の送り動作で送る布7の送り量を変更することが可能に構成される。これにより、インク吐出装置1による印刷の解像度(ユーザー指定の解像度)に応じて布7の送り量を変更することができる。ユーザー指定の解像度が高い場合には、布7の送り量を少なくすることにより、インク吐出装置1による印刷をユーザー指定の解像度で行うことができる。
ユーザー指定の解像度が低い場合には、布7の送り量を多くすることにより、生産性を向上させることができる。インク吐出装置1による印刷を行わない場合には、送り量をスクリーン版22のY軸方向の長さに相当する量に変更することにより、生産性をより向上させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、インク吐出装置1はシリアルヘッド方式であるが、ヘッド8はZ軸方向に移動可能である。これにより、ヘッド8のZ軸方向の位置を調節することができる。たとえば、布7に印刷すべき画像および布7の種類に応じて、ヘッド8のZ軸方向の位置を調整することができる。これにより、画質をより向上させることができる。
精細な印刷が必要な画像(2次元コードの画像など)を布7に印刷するときには、ヘッド8を布7に近づけることができる。精細な印刷が不要な画像を布7に印刷するときには、ヘッド8を布7から遠ざけることができる。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
(印刷装置の全体構成)
まず、図1〜図3を参照し、印刷装置100の全体構成について説明する。印刷装置100は、インク吐出装置1および版装置2を備える。このため、印刷装置100は、ディジタル印刷(インクジェット方式の印刷)およびアナログ印刷(版を用いた印刷)の両方の実行が可能である。すなわち、印刷装置100は、複合型の印刷システムである。印刷装置100は、インク吐出装置1および版装置2に加え、搬送装置3を備える。また、印刷装置100は、制御装置4、給布装置5、定着装置6aおよび洗浄装置6bを備える。

Claims (8)

  1. 記録媒体を送る送り動作と前記送り動作の停止とを繰り返す搬送動作を行うことによって前記記録媒体を搬送する搬送装置と、
    前記記録媒体に版を用いて印刷を行う版装置と、
    前記記録媒体にインクを吐出することによって前記記録媒体に印刷を行うインク吐出装置と、を備え、
    前記インク吐出装置は、
    前記記録媒体の搬送方向と平行なY軸方向に沿って並べられた複数のノズルを含むノズル列を有するヘッドと、
    前記Y軸方向に対して水平方向に直交するX軸方向に前記ヘッドを移動させるX軸移動機構と、
    前記送り動作が停止されているときに、前記X軸移動機構を制御して前記X軸方向に前記ヘッドを移動させる走査を行い、前記走査を行っているときに前記ヘッドからインクを吐出させる制御部と、を備え、
    前記搬送装置は、1回分の前記走査が完了するごとに前記送り動作を1回行い、
    前記搬送装置は、1回分の前記送り動作で送る前記記録媒体の送り量を変更することが可能に構成されていることを特徴とする印刷装置。
  2. 前記搬送装置は、前記インク吐出装置による印刷の解像度に応じて、前記送り量を変更することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記搬送装置は、前記解像度が高いほど前記送り量を少なくし、前記解像度が低いほど前記送り量を多くすることを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
  4. 前記ノズル列の前記Y軸方向の長さをA、
    前記インク吐出装置による印刷の解像度をB、
    前記ノズル列の単位長さ当たりの前記ノズルの数をCとする場合、
    前記送り量は、(A÷(B÷C))+1ドットに相当する量であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  5. 前記搬送装置は、前記インク吐出装置による印刷が行われないとき、前記送り量を前記版の前記Y軸方向の長さに相当する量に変更することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  6. 前記インク吐出装置は、前記搬送装置の前記記録媒体の搬送ラインに対して追加および取り外しが可能であることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  7. 前記インク吐出装置は、前記搬送装置の前記記録媒体の搬送ラインに対して固定されていることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  8. 請求項1に記載の前記印刷装置の前記搬送装置により搬送される前記記録媒体にインクを吐出することによって前記記録媒体に印刷を行うインク吐出装置であって、
    前記記録媒体の搬送方向と平行なY軸方向に沿って並べられた複数のノズルを含むノズル列を有するヘッドと、
    前記Y軸方向に対して水平方向に直交するX軸方向に前記ヘッドを移動させるX軸移動機構と、
    前記送り動作が停止されているときに、前記X軸移動機構を制御して前記X軸方向に前記ヘッドを移動させる走査を行い、前記走査を行っているときに前記ヘッドからインクを吐出させる制御部と、を備えることを特徴とするインク吐出装置。
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