JP2020001319A - インク吐出装置及び印刷システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ヘッドを順方向と逆方向で移動させて印刷するとき、印刷される画像の品質を高める。【解決手段】インク吐出装置は、ヘッド、移動部、回転部、制御部を含む。ヘッドは、インク印刷用画像データに基づき、ノズルから搬送装置に搬送される記録媒体の印刷面にインクを吐出して画像を印刷する。移動部は、記録媒体の搬送方向(Y軸方向)と、搬送方向と垂直な方向(X軸方向)でヘッドを移動させる。制御部は、第1方向、又は、第2方向(第1方向と逆方向)に向けて、描画のためにヘッドを移動させる。ヘッドの移動方向を切り替えるとき、制御部は、ヘッドを回転部に180度回転させる。【選択図】図21

Description

本発明は、記録媒体に印刷を行うインク吐出装置、及び、インク吐出装置と版を用いて印刷する印刷システムに関する。
布や衣類のような布素材に印刷を行うことがある。布や衣類のような布素材を印刷する場合、インクが布素材に塗布される。布素材へのインクの塗布後、インクの定着が行われる。インクジェット式の印刷機を用いて、布素材の印刷を行うことがある。インクジェット式の印刷機により布素材に印刷を行う技術の一例が特許文献1に記載されている。
具体的に、特許文献1には、剛性フレームと、フレームに装着された第一直線運動X 軸ステージと、第一直線運動X軸ステージと平行にフレームに装着されかつ第一直線運動X軸ステージとは独立して動作する第二直線運動X軸ステージと、各直線X軸ステージ上で運動可能な印刷テーブルアセンブリと、印刷テーブルアセンブリより上で直線X軸ステージと直角にフレームに装着された直線運動Y軸ステージと、X軸ステージに対し直角に直線運動するように直線Y軸ステージに装着されたインクジェットノズルの配列を含むデジタル印刷機が記載されている。この構成により、印刷テーブルアセンブリの移動方向に対して、垂直な方向でインクジェット印刷機を移動させ、衣類を印刷しようとする(特許文献1:請求項1、段落[0041]、[0042])。
特表2007−525339号公報
上述のように、印刷にインクジェット印刷機が用いられることがある。インクジェット印刷機はヘッドを含む。ヘッドは複数のノズルを含む。ノズルは列状に並べられる。カラー印刷対応のヘッドは、複数本のノズル列を含む。各ノズル列から吐出されるインクの色が異なる。そして、記録媒体の搬送方向とノズル列の方向を平行にすることがある。そして、記録媒体の搬送方向と垂直な方向にヘッドを往復させて印刷する場合がある。そして1画素に複数色のインクをのせて印刷する場合、インクの重ね順はノズル列の色順と対応する。往路では、ヘッドの進行方向前側のノズル列の色に、進行方向後側のノズル列の色が重ねられる。復路では、重ね順が逆になる。例えば、往路では、イエロー→シアン→マゼンタ→ブラックの順番にインクが重ねられる。復路では、重ね順は、ブラック→マゼンタ→シアン→イエローとなる。インクの重ね順が異なると、色合いが異なって見える場合がある。往路と復路の両方でインクを吐出させて印刷する場合、記録媒体に着弾するインクの色順が異なるため、印刷される画像の品質を高めにくいというという問題がある。
特許文献1記載のデジタル印刷機は、インクジェットノズルの移動方向が搬送方向と垂直な方向となっている。しかし、生産性、印刷される画像の品質、版装置との組み合わせに関する記述はない。従って、特許文献1記載の技術では、上記の問題を解決することはできない。
本発明は、上記の課題に鑑み、ヘッドを順方向と逆方向で移動させて印刷するとき、印刷される画像の品質を高める。
本発明に係るインク吐出装置は、版を用いて印刷する版装置が設けられ、搬送装置により搬送される記録媒体の搬送ラインに対して追加と取り外しが可能である。又は、インク吐出装置は、版を用いて印刷する版装置が設けられ、搬送装置により搬送される記録媒体の搬送ラインに対して固定されている。
そして、インク吐出装置は、ヘッド、移動部、回転部、制御部を含む。前記ヘッドは、インク印刷用画像データに基づき、前記ノズルから前記搬送装置に搬送される前記記録媒体の印刷面にインクを吐出して画像を印刷する。前記移動部は、前記記録媒体の印刷面を正面としたときの前記記録媒体の搬送方向であるY軸方向と、前記記録媒体の印刷面を正面としたときの前記記録媒体の搬送方向と垂直な方向であるX軸方向で前記ヘッドを移動させる。前記回転部は、前記ヘッドを回転させる。前記制御部は、前記移動部と前記回転部を制御する。前記ヘッドは、複数のノズル列を備える。それぞれの前記ノズル列は、列状に並ぶ複数のノズルを含む。それぞれの前記ノズル列は、吐出するインクの色が異なる。さらに、それぞれの前記ノズル列は、隣接する前記ノズル列と平行である。前記制御部は、第1方向、又は、前記第1方向と逆方向である第2方向に向けて、描画のために前記ヘッドを移動させる描画移動を前記移動部に行わせる。前記制御部は、前記描画移動中にインクを吐出させて前記ヘッドに印刷を行わせる。前記第1方向から前記第2方向、又は、前記第2方向から前記第1方向に前記ヘッドの移動方向を切り替えるとき、前記制御部は、前記ヘッドを前記回転部に180度回転させる。
本発明によれば、ヘッドを往復させ、かつ、往路と復路の両方でインクを吐出させて印刷するとき、印刷される画像の画質を高めることができる。
実施形態に係る印刷システムの一例を示す図である。 実施形態に係る印刷システムの一例を示す図である。 実施形態に係る印刷システムの一例を示す図である。 実施形態に係るインク吐出装置の設置位置の一例を示す図である。 実施形態に係るインク吐出装置の一例を示す図である。 実施形態に係るヘッドの一例を示す図である。 実施形態に係るヘッドの一例を示す図である。 実施形態に係る移動部の一例を示す。 実施形態に係るヘッド8のキャップの装着の流れの一例を示す図である。 実施形態に係るヘッド8のワイプの流れの一例を示す図である。 実施形態に係るヘッド8のフラッシングの流れの一例を示す図である。 実施形態に係るインク印刷用画像データの入力の流れの一例を示す。 実施形態に係る情報処理装置の分割処理の一例を示す図である。 実施形態に係る情報記憶部が記憶するデータの一例を示す図である。 実施形態に係る情報処理装置の表示処理の流れの一例を示す図である。 実施形態に係る分割設定画面の一例を示す図である。 実施形態に係るインク吐出装置でのモード設定の一例を示す図である。 実施形態に係るヘッドの基準待機位置の一例を示す図である。 実施形態に係る停止印刷モードでの印刷開始位置の設定の流れの一例を示す。 実施形態に係るヘッドの回転の一例を示す図である。 実施形態に係る停止印刷モードでの印刷の一例を示す図である。 実施形態に係る準備移動の一例を示す図である。 実施形態に係る停止印刷モードでの印刷開始位置の設定の流れの一例を示す。 実施形態に係る搬送印刷モードでの印刷の一例を示す図である。 実施形態に係る搬送印刷モードでの印刷の一例を示す図である。 実施形態に係る定義データの一例を示す。 実施形態に係る画像種類選択画面の一例を示す。 実施形態に係る平滑レベル選択画面の一例を示す。 実施形態に係るヘッドのZ軸方向の移動の流れの一例を示す図である。 実施形態に係るインク吐出量データの一例を示す図である。 実施形態に係る印刷システムでの印刷面の撮影に関連する部分の一例を示す図である。 実施形態に係る画像自動付加モードの流れの一例を示す図である。 実施形態に係るコピーモードの流れの一例を示す図である。 変形例に係るヘッドの一例を示す図である。 変形例に係るインク吐出装置の一例を示す図である。 変形例に係るヘッドのZ軸方向の移動の流れの一例を示す図である。
以下、図1〜図36を用い、実施形態及び変形例に係るインク吐出装置1及び印刷システム100の一例を説明する。インク吐出装置1及び印刷システム100は記録媒体7に印刷を行う。以下の説明では、記録媒体7として布を例に挙げて説明する。但し、記録媒体7は、布に限られない。記録媒体7は、例えば、紙やフィルムでもよい。インク吐出装置1と版装置2で印刷可能なものが記録媒体7となり得る。
また、以下の説明では、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向と垂直な方向をX軸方向と称する。記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向をY軸方向と称する。記録媒体7の印刷面71を正面としたときの高さ方向(前後方向)をZ軸方向と称する。
図1〜図3は、実施形態に係る印刷システム100の一例を示す図である。印刷システム100は記録媒体7を印刷する。印刷システム100は、少なくとも、インク吐出装置1、版装置2、及び、搬送装置3を含む。印刷システム100は、版による印刷と、インクジェットによる印刷の両方を行えるハイブリッド型の印刷システム100である。更に、印刷システム100は、制御装置4、供給装置5、定着装置6a、洗浄装置6bを含んでもよい。
搬送装置3は、記録媒体7を搬送する。搬送装置3により搬送される記録媒体7のライン(搬送ライン)上に版装置2が設けられる。インク吐出装置1は、この搬送ラインに対して追加と取り外しが可能である。例えば、設置済の搬送ラインと版装置2にインク吐出装置1を追加することができる。また、設置済の版装置2のうち、一部の版装置2を取り外し、代わりにインク吐出装置1を設けてもよい。また、設置したインク吐出装置1を搬送ラインから取り外すこともできる。版装置2と搬送ラインに対し、インク吐出装置1は着脱可能である。このように、デジタル印刷を行うインク吐出装置1のみを市場に供給することができる。
また、インク吐出装置1は、搬送ラインに対して固定されていてもよい。インク吐出装置1は、版装置2や搬送装置3に対して取り外せないようにしてもよい。この場合、版装置2、搬送装置3、インク吐出装置1がセット販売される。デジタル印刷を行うインク吐出装置1とアナログ印刷を行う版装置2などを含む印刷システム100の一式を市場に供給することもできる。
制御装置4は、インク吐出装置1、版装置2、搬送装置3、供給装置5、定着装置6a、洗浄装置6bを制御する。供給装置5は、印刷時、記録媒体7を供給する。記録媒体7が布の場合、供給装置5には、例えば、筒状に巻かれた布(布ロール)がセットされる。供給装置5は、供給ローラー51と供給モーター52を含む。供給ローラー51は、記録媒体7を送り出す。供給ローラー51は複数設けられてもよい。印刷時、制御装置4は供給モーター52を回転させる。供給モーター52は各供給ローラー51を回転させる。
搬送装置3は、搬送ベルト31、駆動ローラー32、従動ローラー33、搬送モーター34を含む。搬送ベルト31は、駆動ローラー32と従動ローラー33にかけ回される。搬送モーター34は、駆動ローラー32を回転させる。駆動ローラー32の回転にあわせ、搬送ベルト31が周回する。搬送ベルト31と記録媒体7が接する。搬送ベルト31上に記録媒体7が張られる。搬送ベルト31の周回にあわせて記録媒体7が搬送される。印刷時、制御装置4は搬送モーター34を回転させる。そして、制御装置4は搬送ベルト31を周回させる。
版装置2は、版を用いて印刷を行う装置である。版装置2の下側を記録媒体7が通過する。例えば、版装置2は、記録媒体7にスクリーン印刷を行う。1つの版装置2で、1色の画像(図柄)を印刷できる。図2、図3に示すように、版装置2は1つに限られない。版装置2を複数設けることができる。版装置2の設置個数は、版で印刷する色数分となる。また、図2、図3は、版装置2を3つ設ける例を示す。しかし、版装置2は、3つより多くてもよい。版装置2は3つより少なくてもよい。
それぞれの版装置2は型枠21、スクリーン版22、スキージ23、スキージ移動装置24、昇降装置25を含む。昇降装置25は、型枠21を昇降させる。型枠21内にスクリーン版22が設置される。また、型枠21にスキージ移動装置24が取り付けられる。スキージ移動装置24にスキージ23が取り付けられる。スクリーン版22は、例えば、繊維、樹脂、又は、金属製である。スクリーン版22のうち、記録媒体7にインクを付す部分は、彫刻等により、インクを透過するようになっている。そして、スキージ23はヘラ状である。スキージ23はスクリーン版22上に位置する。スキージ23の下端部分(ヘラ部分)はスクリーン版22と接する。
色糊がスクリーン版22にのせられる。各版装置2で使用される色糊の色は異なる。スキージ移動装置24は、型枠21内でスキージ23を往復移動させる。移動方向は、型枠21の長手方向(X軸方向、Y軸方向に対し垂直方向)である。往復移動のとき、スキージ23はスクリーン版22の上面を擦る。スキージ移動装置24は、例えば、モーターを含む。スキージ23を往復移動させることにより、色糊がスクリーン版22のインク透過部から押し出される。記録媒体7に色糊が押し出される。例えば、ベタ部分の印刷に版装置2を用いることができる。
版装置2を用いるので、制御装置4は、記録媒体7の搬送と停止を搬送装置3に繰り返させる。制御装置4は、規定距離F1だけY軸方向に記録媒体7を搬送するごとに、記録媒体7の搬送を停止させる。停止時に、制御装置4は、スクリーン版22と記録媒体7と接するまで型枠21を昇降装置25に下降させる。その後、制御装置4は、スキージ23をスキージ移動装置24に往復移動させる。これにより、記録媒体7の捺染印刷がなされる。捺染印刷後、制御装置4は、スクリーン版22と記録媒体7が離れるまで、型枠21を上昇させる。型枠21(スクリーン版22)の上昇完了後、制御装置4は、記録媒体7の規定距離F1の搬送を再開する。このように、一連の処理(搬送停止、型枠21等の下降、スキージ23の往復、型枠21等の上昇、搬送再開)を繰り返すことにより、記録媒体7への版による印刷が繰り返される。
規定距離F1は、例えば、スクリーン版22のY軸方向の長さと同じである。言い換えると、スクリーン版22で印刷可能なY軸方向の長さを規定距離F1とできる。版装置2が複数設けられる場合、上流側の版装置2のスクリーン版22と下流側の版装置2の間隔を規定距離F1とすることができる。これにより、隙間無く記録媒体7を印刷できる。
記録媒体7のうち、Y軸方向での規定距離F1分の短冊状の領域が1つの印刷単位となる。以下、この印刷単位を単位印刷範囲E1と称する(図18参照)。単位印刷範囲E1のY軸方向の長さは規定距離F1である。単位印刷範囲E1のX軸方向(搬送方向と垂直な方向)の長さは、記録媒体7のX軸方向の幅である。なお、記録媒体7が1枚ずつ搬送される場合もある。この場合、単位印刷範囲E1は、1枚の記録媒体7となる。
なお、版装置2は、型枠21を用いるものに限られない。版装置2は、円筒形の筒を用いて印刷するもの(ロータリースクリーン印刷)でもよい。また、版装置2は、凹版銅製のロールの凹部に色糊を付けて印刷(捺染)するもの(ローラープリント)でもよい。
インク吐出装置1は、搬送される記録媒体7をインクにより印刷する。インク吐出装置1は、インクを吐出するヘッド8を含む。インク吐出装置1は、インクジェット型のプリンターの一種である。従来、シリアル型の印刷用ヘッドを用いるプリンターでは、印刷用ヘッドの移動方向は、1方向(搬送方向と垂直な方向)に限定されている。このようなプリンターでは、記録媒体7を搬送させつつ、印刷用ヘッドを往復移動させていた。一方、インク吐出装置1はヘッド8を3次元的に移動できる(詳細は後述)。そのため、インク吐出装置1は、停止状態の記録媒体7に印刷を行うことができる。また、インク吐出装置1は、搬送中の記録媒体7を印刷することもできる。
インク吐出装置1の1回の印刷範囲は単位印刷範囲E1である。スクリーン版22の印刷範囲(面積)と同様である。記録媒体7は連続して供給される。そのため、インク吐出装置1は、単位印刷範囲E1の印刷を繰り返す。インク吐出装置1は、例えば、版装置2で印刷しない部分にインクを吐出する。記録媒体7のうち、複数色を用いる図柄やグラデーションを含む図柄をインク吐出装置1に印刷させることができる。
搬送ベルト31を通過した記録媒体7は、定着装置6aに進入する。定着装置6aは、例えば、定着搬送ローラー61、定着搬送モーター62、ヒーター63を含む。印刷時、制御装置4は、搬送装置3の記録媒体7の搬送にあわせて、定着搬送モーター62を回転させる。これにより、制御装置4は、定着装置6a内で記録媒体7を搬送させる。また、印刷時、制御装置4は、ヒーター63に電力を供給する。ヒーター63よる加熱により、記録媒体7にインクが定着する。
定着後の記録媒体7は、洗浄装置6bに搬入される。洗浄装置6bは、例えば、洗浄搬送ローラー64、洗浄搬送モーター65、洗浄機66を含む。印刷時、制御装置4は、搬送装置3、定着装置6aの記録媒体7の搬送にあわせて、洗浄搬送モーター65を回転させる。これにより、制御装置4は、洗浄装置6b内で記録媒体7を搬送させる。印刷時、制御装置4は、洗浄装置6bに記録媒体7の洗浄を行わせる。洗浄装置6bは、水を記録媒体7に吹き付ける。洗浄装置6bは、余分な(未定着の)インクと色糊を洗い流す。洗浄された記録媒体7は、機外に排出される。排出された記録媒体7は、収容容器67に収容される。
(インク吐出装置1の設置位置)
次に、図4を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1の設置位置の一例を説明する。図4は、実施形態に係るインク吐出装置1の設置位置の一例を示す図である。
図4は、搬送装置3(搬送ベルト31)及び版装置2を上方から見た模式図である。インク吐出装置1と各版装置2は、搬送ベルト31上に設けられる。図4の最上段の図に示すように、インク吐出装置1は、Y軸方向において、各版装置2の上流側に設けられてもよい。図4の中段の図に示すように、インク吐出装置1は、Y軸方向において、全ての版装置2の下流側に設けられてもよい。さらに、図4の最下段の図に示すように、インク吐出装置1は、Y軸方向において、複数の版装置2の間に設けられてもよい。
既存のスクリーン印刷システム100にインク吐出装置1を増設するだけで、版装置2とインク吐出装置1の利点を兼ね備えた印刷システム100を実現することができる。インク吐出装置1の設置場所は、特に制限はない。そのため、既存の印刷設備を大きく改造せずに、実施形態に係る印刷システム100を設置することができる。
(インク吐出装置1)
次に、図5を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1の一例を説明する。図5は、実施形態に係るインク吐出装置1の一例を示す図である。
インク吐出装置1は制御部10を含む。制御部10はインク吐出装置1の動作を制御する。制御部10は基板である。制御部10は制御回路10aと画像処理回路10bを含む。制御回路10aは、例えば、CPUである。画像処理回路10bは、印刷に用いるインク印刷用画像データD2に対し、画像処理を行う。制御回路10aは、記憶部11に記憶される制御プログラムや制御データに基づき処理を行う。記憶部11は、ROM、HDD、フラッシュROMのような不揮発性の記憶装置を含む。また、記憶部11はRAMのような揮発性の記憶装置を含む。
インク吐出装置1はヘッド8を含む。ヘッド8は列状に並べられたノズル81を含む。ヘッド8は複数色のインクを吐出する。ヘッド8により、カラー印刷することができる。例えば、ヘッド8は、ブラック、イエロー、シアン、マゼンタのインクを吐出できる。また、インク吐出装置1は複数のインクタンク13を含む。インクタンク13は色ごとに設けられる。図5では、インクタンク13を便宜上、1つのみ図示している。インクタンク13内にはインクが充填される。各インクタンク13からヘッド8に各色のインクが供給される。水頭差を利用して、ヘッド8にインクが供給される。
制御部10はヘッド8に画像を印刷させる。インク印刷用画像データD2(インク吐出用画像データ)に基づき、制御部10は、ヘッド8の各ノズル81から記録媒体7の印刷面71にインクを吐出させる。また、インク吐出装置1は移動部12を含む。移動部12は3軸方向でヘッド8を移動させる。移動部12は、第1移動機構A、第2移動機構B、第3移動機構Cを含む。第1移動機構AはZ軸方向でヘッド8を移動させる。第2移動機構BはX軸方向でヘッド8を移動させる。第3移動機構CはY軸方向でヘッド8を移動させる。制御部10は移動部12を制御する。つまり、制御部10はヘッド8の位置を制御する。
また、インク吐出装置1は回転部8aを含む。回転部8aはヘッド8を回転させる。回転部8aは、例えば、ヘッド回転用モーターと回転軸を含む。例えば、回転軸はヘッド8の上面中心と接続される。ヘッド回転用モーターを回転させることにより、ヘッド8を回転させることができる。回転軸はZ軸方向と平行になる。XY平面に対するヘッド8の角度を変えることができる。ヘッド8を回転させるとき、制御部10は、ヘッド回転用モーターを回転させる。
例えば、ヘッド回転用モーターをステッピングモーターとすることができる。そして、制御部10はヘッド8の回転角度を制御する。制御部10は、ヘッド回転用モーターにパルスを入力する。1パルスごとに、所定角度、ヘッド8が回転する。制御部10は、これから回転する角度を、所定角度で除した数のパルスをヘッド回転用モーターに入力する。
ヘッド8の基準角度が予め定められる。基準角度は、ヘッド8の各色のノズル列80がY軸方向に沿って並ぶ角度である。言い換えると、基準角度は、ノズル列80がY軸方向と平行になる角度である。ヘッド8が基準角度であることを検知する角度検知センサーがヘッド8に設けられてもよい。角度検知センサーの出力は、制御部10に入力される。制御部10は、角度検知センサーの出力に基づき、ヘッド8が基準角度であることを認識する。また、インク吐出装置1の起動時や、単位印刷範囲E1の印刷完了時、制御部10は、ヘッド8を回転部8aに回転させ、ヘッド8の回転角度を基準角度に戻してもよい。
速度センサー14は、記録媒体7の搬送速度(Y軸方向での移動速度)を検知するためのセンサーである。例えば、速度センサー14は、レーザー光、マイクロ波、超音波などを記録媒体7に照射する。速度センサー14は、記録媒体7の反射波の周波数変化から速度を測定する。速度センサー14は、測定した速度を示す信号を制御部10に入力する。制御部10は、速度センサー14の出力に基づき、記録媒体7の搬送速度を認識する。停止した記録媒体7にのみ印刷する場合、速度センサー14を設けなくてもよい。
インク吐出装置1はメンテナンス装置9を含む。メンテナンス装置9は、ノズル81の詰まりの防止、解消のための装置である。メンテナンス装置9はキャップ91を含む。キャップ91はヘッド8に被せられる。インクの乾燥を防ぐとき、制御部10は、キャップ91の位置までヘッド8を移動部12に移動させる。キャップ91は、板金をゴムで被膜した部材である。キャップ91の形状は凹型である。ヘッド8のうち、ノズル81の露出面(下側の面)が、キャップ91の凹んでいる部分に嵌め込まれる。キャップ91はノズル81の露出面を密封する。キャップ91はノズル81からのインクの蒸発を防ぐ。
メンテナンス装置9は清掃部材92と洗浄部93を含む。清掃部材92は、板状(ブレード)である。清掃部材92はY軸方向で移動可能である。清掃部材92は、例えば、ゴム製である。ワイプ時、ブレードの先端がノズル81に当てられる。制御部10は、ノズル81のワイプのため、ヘッド8を移動部12に移動させる。制御部10は、ノズル81の先端をブレードで擦られるように、ヘッド8を移動させる。制御部10は、ノズル81とブレードが接する位置でヘッド8を固定したまま、清掃部材92を移動させてもよい。これにより、清掃部材92は、ゴミ、ホコリ、粘度が高くなったインクを掻き取る。
洗浄部93は、ノズル81を擦る前の清掃部材92に洗浄液を流す(吹き付ける)。清掃部材92の摩擦が軽減される。清掃部材92でノズル81を擦っても、ノズル81のダメージが生じない。また、洗浄部93は、ワイプ後の清掃部材92を洗浄液で洗う。洗浄部93は、清掃部材92に付着したインクを洗い落とす。メンテナンス装置9は廃液タンク94を含む。洗浄液や、洗浄液で洗い流されたインクは、廃液タンク94に流れ込む。
メンテナンス装置9は、開口部95を含む(図3参照)。開口部95は、基準角度のヘッド8の露出面よりも広い。開口部95は廃液タンク94とつながっている。制御部10は、インクを吐き捨てるとき、開口部95の上部までヘッド8を移動部12に移動させる。開口部95に吐き捨てられたインクは、廃液タンク94に流れ込む。
インク吐出装置1は操作パネル15を含む。操作パネル15は、表示パネル15a、タッチパネル15bを含む。表示パネル15aは設定画面や情報を表示する。表示パネル15aは、キー、ボタン、タブのような操作用画像を表示する。タッチパネル15bは、表示パネル15aへのタッチ操作を検知する。タッチパネル15bの出力に基づき、制御部10は、操作された操作用画像を認識する。制御部10は、使用者が行った設定操作を認識する。
また、インク吐出装置1は、タイミングセンサー16を含む。タイミングセンサー16は、単位印刷範囲E1の先頭がインク吐出装置1(ヘッド8)の印刷可能範囲に入ったことを知るためのセンサーである。例えば、搬送ベルト31に単位印刷範囲E1の境界を示すマークが記される。マークは、前方の単位印刷範囲E1の終端位置を示す。また、マークは、後方の単位印刷範囲E1の先頭位置を示す。タイミングセンサー16は、マークを読み取る。タイミングセンサー16の出力は、制御部10に入力される。タイミングセンサー16の出力に基づき、制御部10は印刷開始タイミングを定められる。
通信部19は、情報処理装置200(コンピューター)と通信する。情報処理装置200は、例えば、PCやサーバーである。通信部19は、情報処理装置200からインク印刷用画像データD2を受信する。制御部10は、インク印刷用画像データD2に基づき、ヘッド8を移動させる。また、制御部10は、インク印刷用画像データD2に基づき、ヘッド8にインクを吐出させる。
(ヘッド8)
次に、図6、図7を用いて、実施形態に係るヘッド8の一例を説明する。図6、図7は、実施形態に係るヘッド8の一例を示す図である。
ヘッド8は記録媒体7を印刷する。ヘッド8は記録媒体7の印刷面71にインクを吹き付ける。ヘッド8は複数のノズル列80を含む。ノズル列80は複数のノズル81を列状に並べたものである。各ノズル列80に含まれるノズル81の数は同じである。ノズル列80はインクの色ごとに設けられる。吐出されるインクの色は、ノズル列80ごと異なる。例えば、図6の上から順に、ブラックインクを吐出するノズル列80、イエローインクを吐出するノズル列80、シアンインクを吐出するノズル列80、マゼンタインクを吐出するノズル列80となっている。色順は、図6の例に限られない。インクの特性を考慮し、色順が定められる。ヘッド8の回転角度が基準角度のとき、ノズル列80に含まれる各ノズル81はY軸方向に沿って並ぶ(図7参照)。
となりのノズル81との間隔が均等になるようにノズル81が形成される。ノズル81の開口からインクが吐出される。Y軸方向の上流端のノズル81から下流端のノズル81までの長さが、1回のインク吐出での描画範囲となる。以下、ノズル列80の長手方向の幅(長さ)をノズル列長8nと称する。ノズル列長8nは、1回のノズル列80からのインク吐出で印刷できる幅ともいえる。図6に示すように、各ノズル81に対し、駆動素子83が設けられる。駆動素子83は圧電素子である。駆動素子83は、例えば、ピエゾ素子である。
図6に示すように、ヘッド8は、複数のドライバー回路82を含む。ドライバー回路82は各駆動素子83への電圧印加のON/OFFを行う。制御部10は1ラインごとに、インク吐出用画像データ(インクを吐出すべきノズル81を示すデータ)を各ドライバー回路82に与える。ドライバー回路82は、インクを吐出すべきノズル81の駆動素子83にパルス状の電圧を印加する。駆動素子83は、電圧印加により変形する。変形の圧力がノズル81にインクを供給する流路(不図示)に加わる。流路への圧力により、ノズル81からインクが吐出される。一方、ドライバー回路82は、インクを吐出させない画素に対応する駆動素子83に電圧を印加しない。ドライバー回路82はインク吐出を実際に制御する。
また、ヘッド8には、複数種の大きさの異なる電圧を生成する電圧生成回路84を含む。ドライバー回路82は、電圧生成回路84が生成する電圧のうち、何れか1つを駆動素子83に印加する。印加電圧が大きいほど、駆動素子83の変形が大きくなる。その結果、吐出されるインクの液滴の量が多くなる。印加電圧が小さいほど、駆動素子83の変形が小さくなる。その結果、吐出されるインクの液滴の量が少なくなる。ドライバー回路82は、吐出されるインクの液滴の量を調整することができる。
また、制御部10は駆動信号S1生成回路10cを含む。駆動信号S1生成回路10cは駆動信号S1を生成する。駆動信号S1は、ヘッド8を駆動するための信号である。駆動信号S1生成回路10cは、例えば、クロック信号を生成する。ヘッド8(ドライバー回路82)は、駆動信号S1が1回立ち上がるごとに、インクを吐出させる。インク吐出の基準周期が予め定められる。制御部10は、基準周期でインクが吐出される周波数の駆動信号S1を駆動信号S1生成回路10cに生成させる。
(移動部12)
次に、図3、図8を用いて、実施形態に係る移動部12の一例を説明する。図8は、実施形態に係る移動部12の一例を示す。
第1移動機構AはZ軸方向でヘッド8を移動させる。第1移動機構Aは、第1アームA1を含む。第1アームA1は四角柱状の部材である。第1アームA1は、第1モーターA2、第1移動部材A3、第1移動体A4を内蔵する。第1モーターA2は、例えば、ステッピングモーターである。第1モーターA2は正方向と逆方向の両方で回転できる。制御部10は第1モーターA2の回転を制御する。第1モーターA2は第1移動部材A3を回転させる。第1移動部材A3は、例えば、ボールねじである。第1移動体A4はボールねじに取り付けられたナットと一体化している。第1モーターA2が第1移動部材A3を回転させる。これにより、第1モーターA2の回転運動が直線運動に変換される。その結果、第1移動体A4がZ軸方向で移動する。第1アームA1は第1移動体A4の移動をガイドする。
第2移動機構BはX軸方向でヘッド8を移動させる。第2移動機構Bは第2アームB1を含む。第2アームB1は四角柱状の部材である。第2アームB1は、第2モーターB2、第2移動部材B3、第2移動体B4を内蔵する。第2モーターB2は、例えば、ステッピングモーターである。第2モーターB2は正方向と逆方向の両方で回転できる。制御部10は第2モーターB2の回転を制御する。第2モーターB2は第2移動部材B3を回転させる。第2移動部材B3は、例えば、ボールねじである。第2移動体B4は、ボールねじに取り付けられたナットと一体化している。第2モーターB2が第2移動部材B3を回転させる。これにより、第2モーターB2の回転運動が直線運動に変換される。その結果、第2移動体B4が移動する。第2アームB1は第2移動体B4の移動をガイドする。
第3移動機構CはY軸方向でヘッド8を移動させる。図5に示すように、第3移動機構Cは第3アームC1を含む。第3アームC1は四角柱状の部材である。第3アームC1は、第3モーターC2、第3移動部材C3、第3移動体C4を内蔵する。第3モーターC2は、例えば、ステッピングモーターである。第3モーターC2は正方向と逆方向の両方で回転できる。制御部10は第3モーターC2の回転を制御する。第3モーターC2は第3移動部材C3を回転させる。第3移動部材C3は、例えば、ボールねじである。第3移動体C4は、ボールねじに取り付けられたナットと一体化している。第3モーターC2が第3移動部材C3を回転させる。これにより、第3モーターC2の回転運動が直線運動に変換される。その結果、第3移動体C4が移動する。第3アームC1は第3移動体C4の移動をガイドする。
第1移動体A4は、第2移動機構Bの一部と接続される。例えば、第2アームB1の端部と第1移動体A4が接続される。第1移動体A4の移動にあわせて、ヘッド8がZ軸方向で移動する。記録媒体7に対して、ヘッド8を近づけたり遠ざけたりすることができる。第1モーターA2を回転させることにより、制御部10は、ヘッド8(ノズル81)の高さ(Z軸方向の位置)を変化させられる。
第2移動体B4は第3移動機構Cの一部と接続される。例えば、第3アームC1の一部と第2移動体B4が接続される。第2移動体B4の移動にあわせて、ヘッド8がX軸方向で移動する。記録媒体7に対するヘッド8のX軸方向の位置を変えることができる。第2モーターB2を回転させることにより、制御部10は、X軸方向でのヘッド8(ノズル81)によるインク吐出位置(印刷位置)を、移動させられる。
ヘッド8は回転部8aを介して第3移動体C4に取り付けられる。第3移動体C4の移動にあわせて、ヘッド8が記録媒体7のY軸方向で移動する。記録媒体7に対するヘッド8のY軸方向での位置を変えることができる。第3モーターC2を回転させることにより、制御部10は、Y軸方向でのヘッド8(ノズル81)によるインク吐出位置(印刷位置)を移動させられる。
(キャップ91の装着)
次に、図3、図9を用いて、実施形態に係るヘッド8のキャップ91の装着の一例を説明する。図9は、実施形態に係るヘッド8のキャップ91の装着の流れの一例を示す図である。
露出したノズル81からインク中の揮発性成分が蒸発する。蒸発が進むと、インクの粘度が高くなる。さらに乾燥が進むとインクの成分が固まる。インクの乾燥により、ノズル81の目詰まりが生ずることがある。例えば、ノズル81を露出したまま放置した場合、目詰まりが生ずる。目詰まりは、駆動素子83に電圧を印加してもインクが吐出されない状態である。画質を保つには、目詰まりの発生を防ぐ必要がある。
メンテナンス装置9は、ヘッド8の移動範囲内、かつ、記録媒体7の外側に設けられる(図3参照))。メンテナンス装置9はキャップ91を含む。キャップ91はヘッド8のノズル81の露出面に被せられる。キャップ91を被せることにより、インクの乾燥が進まない。キャップ91と基準角度のヘッド8の長手方向は、Y軸方向と平行となる。また、キャップ91は、X軸方向において、記録媒体7(搬送ライン、搬送装置3)よりも外側に設けられる。なお、キャップ91の設置位置に特に制限はない。印刷の妨げにならない位置にキャップ91を設けることができる。
図9は、ヘッド8にキャップ91を装着する流れの一例を示す。図9のスタートは装着条件が満たされた時点である。制御部10は、装着条件が満たされたか否かを判定する。装着条件は予め定められる。例えば、制御部10は、操作パネル15がキャップ91の装着指示を受け付けたとき、装着条件が満たされたと判定する。つまり、使用者がヘッド8の退避を指示する入力を操作パネル15に行ったことを装着条件としてもよい。例えば、搬送ラインの故障により、長時間の印刷停止が予想されるとき、使用者は、装着指示を操作パネル15に入力する。
また、制御部10は、予め定められた装着時刻になったとき、装着条件が満たされたと判定してもよい。装着時刻は記録媒体7への印刷を停止する時間とできる。例えば、装着時刻は、昼休みの開始時刻としてもよい。また、装着時刻は終業時刻としてもよい。操作パネル15は、装着時刻の設定を受け付ける。記憶部11は、設定された装着時刻を記憶する。また、制御部10は、1ロール(記録媒体7の搬送ラインでの処理単位)の記録媒体7の印刷が完了したとき、装着条件が満たされたと判定してもよい。
制御部10は装着位置を確認する(ステップ♯11)。記憶部11は、3軸の各方向での装着位置の座標を記憶する。制御部10は、記憶部11の装着位置の座標を確認する。制御部10は、装着位置に向けて、ヘッド8を移動部12に移動させる(ステップ♯12)。なお、ヘッド8をキャップ91に被せる前に、制御部10は、ヘッド8の回転角度を回転部8aに基準角度とさせる。これにより、ヘッド8のキャップ91への嵌め込みが行われる(ステップ♯13)。ヘッド8はインクが乾燥しない状態で維持される。そして、本フローは終了する(エンド)。なお、印刷を開始するとき、制御部10は、装着位置から基準待機位置P1(詳細は後述)に向けて、移動部12にヘッド8を移動させる。印刷を開始するとき、制御部10は、装着位置からヘッド8を移動させる。
(ヘッド8のワイプ)
次に、図3、図10を用いて、実施形態に係る印刷システム100でのヘッド8のワイプの流れの一例を説明する。図10は、実施形態に係るヘッド8のワイプの流れの一例を示す図である。
使用(印刷)しているうちに、一部のノズル81のインクの粘度が高くなることがある。吐出回数が少ないノズル81ほど、インクの粘度が上昇しやすい。また、使用しているうちに、空気中のホコリ、粉塵がノズル81に付着することがある。これらの要因により、目詰まりが生ずることがある。目詰まりの解消と防止のため、印刷システム100は、ヘッド8(ノズル81)のワイプ機能を有する。
印刷システム100は清掃部材92を含む。図3は、記録媒体7の外側(メンテナンス装置9)に、清掃部材92を設ける例を示す。なお、清掃部材92の設置位置に特に制限はない。印刷の妨げにならない位置に清掃部材92を設けることができる。清掃部材92はキャップ91の横に設けられる。ノズル81の並び方向はY軸方向と平行とされる。そのため、清掃部材92(ブレード)の刃の方向がY軸方向に対して垂直方向となるように、清掃部材92が設置される。なお、ブレードの刃の方向は垂直方向に対し、傾いていてもよい。
図10は、ヘッド8のワイプの流れの一例を示す。図10のスタートは、予め定められたワイプ条件が満たされた時点である。制御部10は、ワイプ条件が満たされたか否かを判定する。ワイプ条件は予め定められる。例えば、制御部10は、操作パネル15がノズル81のワイプ指示を受け付けたとき、ワイプ条件が満たされたと判定する。つまり、使用者がヘッド8のワイプを指示する入力を操作パネル15に行ったことをワイプ条件としてもよい。
また、制御部10は、予め定められたワイプ時刻になったとき、ワイプ条件が満たされたと判定してもよい。例えば、ワイプ時刻は、昼休みの開始時刻としてもよい。また、ワイプ時刻は、終業時刻としてもよい。なお、操作パネル15は、ワイプ時刻の設定を受け付ける。記憶部11は、設定されたワイプ時刻を記憶する。また、制御部10は、1ロール分の記録媒体7の印刷が完了したとき、制御部10はワイプ条件が満たされたと判定してもよい。
キャップ91からヘッド8が離れてから、又は、直前のワイプから所定時間経過したとき、制御部10は、ワイプ条件が満たされたと判定してもよい。これにより、インクの粘度が高くなる前に、ヘッド8をワイプすることができる。また、ヘッド8のキャップ91の装着前に、必ずヘッド8のワイプを行うようにしてもよい。この場合、制御部10は、装着条件が満たされたとき、ワイプ条件も満たされたと判定する。そして、ヘッド8にキャップ91を被せる前に、制御部10は、ヘッド8をワイプする。
ワイプ条件が満たされたとき(スタート)、制御部10は、ヘッド8を開口部95の上方に移動させる(ステップ♯21)。そして、制御部10は、パージ処理を行わせる(ステップ♯22)。パージ処理は、ノズル81からインクを吐き出させる(しみ出させる)処理である。インクの流路に圧力をかける圧力印加部85が設けられる(図6参照)。圧力印加部85は、例えば、ポンプである。ポンプは、インクタンク13からヘッド8へのインク供給経路に設けられる。制御部10は、パージ処理のとき、圧力印加部85を動作させる。圧力印加部85はヘッド8内のインクの流路に圧力をかける。圧力により、目詰まりの原因(ホコリや高粘度状態のインク)をノズル81から吐き出させることができる。次に、制御部10は、清掃部材92への洗浄液の塗布を洗浄部93に行わせる(ステップ♯22)。制御部10は清掃部材92の表面のすべりをよくする。
次に、制御部10はワイプ開始位置を確認する(ステップ♯23)。ワイプ開始位置は、ヘッド8と清掃部材92のブレードの先端が接するヘッド8の位置である。記憶部11は、3軸の各方向でのワイプ開始位置の座標を記憶する。制御部10は、記憶部11のワイプ開始位置の座標を確認する。そして、制御部10は、ワイプ開始位置に向けて、ヘッド8を移動部12に移動させる(ステップ♯24)。なお、ワイプ開始位置への移動前に、制御部10は、ヘッド8の回転角度を回転部8aに基準角度とさせる。
続いて、制御部10は、移動部12にワイプ処理を行わせる(ステップ♯25)。ワイプ処理のとき、制御部10は、ヘッド8を移動部12に移動させる。具体的に、制御部10は、清掃部材92(ブレード)とノズル81が接した状態で、Y軸方向でヘッド8を往復させる。全ノズル81が1又は複数回、清掃部材92と接するように、制御部10はヘッド8を移動させる。これにより、ノズル81が清掃部材92で擦られる。清掃部材92はノズル81の汚れや余分なインクをかき取る。そして、本フローは終了する(エンド)。なお、制御部10は、ワイプ処理のとき、ヘッド8を固定したまま清掃部材92を移動させてもよい。
ヘッド8のワイプ後、印刷を再開するとき、制御部10は、基準待機位置P1(詳細は後述)に向けて、移動部12にヘッド8を移動させる。ヘッド8のワイプ後、キャップ91をヘッド8に被せるとき、制御部10は、装着位置に向けて、移動部12にヘッド8を移動させる。
(フラッシング)
次に、図3、図11を用いて、実施形態に係る印刷システム100でのヘッド8のフラッシングの流れの一例を説明する。図11は、実施形態に係るヘッド8のフラッシングの流れの一例を示す図である。
ノズル81の目詰まりを防ぐには、ノズル81のインクの粘度を小さい状態で保つことが好ましい。また、付着したホコリ、粉塵は速やかに吹き飛ばすことが好ましい。そこで、インク吐出装置1は、ヘッド8(ノズル81)のフラッシング機能を有する。
図11は、ヘッド8のフラッシングの流れの一例を示す。図11のスタートは、予め定められたフラッシング条件が満たされた時点である。制御部10は、フラッシング条件が満たされたか否かを判定する。フラッシング条件は予め定められる。例えば、規定距離F1だけY軸方向(搬送方向)に記録媒体7を搬送して記録媒体7の搬送が一時停止したとき、制御部10は、フラッシング条件が満たされたと判定してもよい。また、単位印刷範囲E1の印刷が完了したとき、制御部10はフラッシング条件が満たされたと判定してもよい。また、ロールの最初の単位印刷範囲E1の印刷開始時、又は、先のフラッシングから所定時間経過したとき、制御部10は、フラッシング条件が満たされたと判定してもよい。
フラッシング条件が満たされたとき(スタート)、制御部10は、フラッシング開始位置を確認する(ステップ♯31)。フラッシング開始位置は、基準角度のヘッド8の全てのノズル81が開口部95と向かい合う位置である。言い換えると、フラッシング開始位置は、開口部95の上方である。制御部10は、ヘッド8を開口部95の上方に移動させる(ステップ♯31)。そして、制御部10は、フラッシング処理を行わせる(ステップ♯32)。なお、フラッシング処理前(ステップ♯32の前)に、制御部10は、ヘッド8の回転角度を回転部8aに基準角度とさせる。
フラッシング処理は、開口部95に向けて、全てのノズル81にインクを吐出させる処理である。制御部10は、例えば、数滴のインクを全てのノズル81に吐出させる。そして、本フローは終了する(エンド)。フラッシング処理後、印刷を再開するとき、制御部10は、基準待機位置P1(詳細は後述)に向けて、移動部12にヘッド8を移動させる。ヘッド8のフラッシング後、キャップ91をヘッド8に被せるとき、制御部10は、装着位置に向けて、移動部12にヘッド8を移動させる。
(インク印刷用画像データD2)
図12を用いて、インク印刷用画像データD2について説明する。図12は、実施形態に係るインク吐出装置1へのインク印刷用画像データD2の入力の流れの一例を示す。
情報処理装置200は、処理部201、情報記憶部202、入力デバイス205、表示デバイス206、情報通信部207を含む。処理部201は、CPUのような処理回路を含む基板である。情報記憶部202は、ROM、RAM、HDDを含む。情報記憶部202は、インク印刷用画像データD2を生成するためのドライバーソフトウェア203を含む。また、情報記憶部202は、印刷に用いる基本画像データD0を作成、編集するための画像編集ソフトウェア204を記憶する。入力デバイス205は、キーボードやマウスのような入力機器である。使用者は入力デバイス205を用いて、インク印刷用画像データD2の送信コマンドを入力する。表示デバイス206は表示デバイス206である。情報通信部207は、印刷システム100やその他の装置と通信するインターフェイスである。情報処理装置200は、印刷システム100の一部と考えることもできる。
使用者は、画像編集ソフトウェア204を用いて、記録媒体7に印刷する画像の画像データ(基本画像データD0)を作成、編集する。基本画像データD0は、版装置2とインク吐出装置1で印刷する画像を含む画像データである。言い換えると、基本画像データD0は、単位印刷範囲E1を印刷するための画像データである。情報記憶部202は、作成、編集された基本画像データD0を記憶する。また、処理部201は、他のコンピューターで作成された基本画像データD0を情報通信部207に受信させてもよい。この場合、処理部201は、受信した基本画像データD0を情報記憶部202に記憶させる。つまり、外部から情報処理装置200に取り込んだ基本画像データD0を記録媒体7の印刷に用いてもよい。
例えば、バーコードを印刷する場合、基本画像データD0は、バーコードの画像を含む。記号列(文字列)を印刷する場合、基本画像データD0は、記号列の画像を含む。図柄(図形、模様、写真など)を印刷する場合、基本画像データD0は、図柄を含む。
ドライバーソフトウェア203の起動コマンドが実行されたとき、処理部201は、ドライバーソフトウェア203を起動させる。処理部201は、ドライバーソフトウェア203に基づき、印刷の設定用の画面を表示デバイス206に表示させる。入力デバイス205は、印刷の設定を受け付ける。例えば、入力デバイス205は、単位印刷範囲E1内の画像の印刷位置、印刷解像度、画像の種類、吐出時間隔(詳細は後述)の設定を受け付ける。例えば、ヘッド8が印刷可能な複数の解像度のうち、何れか1つを選択できる。処理部201は、設定内容を示す印刷設定情報D3を生成する。
処理部201は、インク吐出装置1(通信部19)に向けて、生成した印刷設定情報D3を情報通信部207に送信させる。通信部19は、印刷設定情報D3を受信する。制御部10は、印刷設定情報D3に基づき、印刷する。
また、基本画像データD0に基づき、処理部201はインク印刷用画像データD2を生成する。処理部201は、基本画像データD0を分解して、インク印刷用画像データD2を生成できる。情報記憶部202は、生成されたインク印刷用画像データD2を記憶する。インク印刷用画像データD2は、インク吐出装置1が印刷する部分を示す画像データである。インク印刷用画像データD2は、インク吐出装置1が印刷する範囲を示す。情報処理装置200は、インク吐出装置1の通信部19に向けて、インク印刷用画像データD2を情報通信部207に送信させる。その結果、インク吐出装置1にインク印刷用画像データD2が入力される。記憶部11は、受信したインク印刷用画像データD2を記憶する。インク吐出装置1は、インク印刷用画像データD2に基づき、単位印刷範囲E1を印刷する。インク吐出装置1は、規定距離F1分、記録媒体7が搬送されるごとに、単位印刷範囲E1の印刷を繰り返す。例えば、印刷システム100は、記録媒体7の単位印刷範囲E1に、コード、記号列、図柄といった画像を印刷できる。
具体的に、制御部10(画像処理回路10b)は、印刷設定情報D3に基づき 受信したインク印刷用画像データD2を画像処理する。さらに、制御部10は、網点処理のような画像処理を行い、インク吐出用画像データを生成する。インク吐出用画像データは、インクを吐出すべきノズル81を示すデータである。インク吐出用画像データに基づき、制御部10は、ヘッド8にインクを吐出させる。
(画像データの分割)
次に、図12〜図14を用いて、実施形態に係る情報処理装置200での画像データの分割の処理の一例を説明する。図13は、実施形態に係る情報処理装置200の分割処理の一例を示す図である。図14は実施形態に係る情報記憶部202が記憶するデータの一例を示す図である。
情報記憶部202は、記録媒体7の印刷に用いる基本画像データD0を記憶する。処理部201は、基本画像データD0を分割(分版)できる。分割により、処理部201は、版印刷用画像データD1と、インク印刷用画像データD2を生成する。情報記憶部202は、生成された版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を記憶する(図12参照)。
版印刷用画像データD1は、版を用いて印刷する版装置2が印刷する範囲の画像データである。言い換えると、版印刷用画像データD1は、版装置2が印刷する部分を示す画像データである。版印刷用画像データD1は、製版に用いることができる。一方、インク印刷用画像データD2は、インクを吐出して印刷するインク吐出装置1が印刷する範囲の画像データである。言い換えると、インク印刷用画像データD2は、インク吐出装置1が印刷する部分を示す画像データである。情報処理装置200を用いることで、自動的に、基本画像データD0を、版で印刷する部分の画像データと、インクで印刷する部分の画像データに分割することができる。
版装置2は、迅速、高濃度でベタ画像を印刷できるメリットがある。一方、インク吐出装置1は、グラデーション画像や複数色が込み入った画像をきれいに印刷できるメリットがある。処理部201は、版装置2とインク吐出装置1のメリットを考慮して、基本画像データD0を分割する。
入力デバイス205は、分割する基本画像データD0の選択を受け付ける。また、入力デバイス205は基本画像データD0の分割指示を受け付ける。分割指示がなされたとき、処理部201は、選択されている基本画像データD0を分割する。図13のスタートは、分割指示がなされた時点である。
まず、処理部201は、基本画像データD0の各画素の画素値(色)を確認する(ステップ♯41)。例えば、処理部201は、画素値のヒストグラムを生成する。確認結果に基づき、処理部201は、版装置2で印刷する画素値(色)を定める(ステップ♯42)。
1つの版装置2で印刷できる色は1色である。基本画像データD0に含まれる全種類の色を版のみで印刷すると、版枚数が多くなりすぎることがある。そこで、情報記憶部202は、基準版枚数208を不揮発的に記憶する(図14参照)。基準版枚数208は、適宜、設定される。基準版枚数208は、例えば、1枚〜十数枚の範囲内の何れかの値とできる。入力デバイス205は基準版枚数208の設定を受け付けてもよい。この場合、処理部201は、設定された基準版枚数208を情報記憶部202に記憶させる。
例えば、処理部201は、基本画像データD0に含まれる画素値のうち、使用頻度が最も高い画素値から順に画素値を選ぶ。ヒストグラムに基づき、処理部201は、基準版枚数208と同じ個数の画素値を選ぶ。これにより、背景色のような画素数が多く、ベタで印刷すべき部分の画素の画素値を複数種類選び出すことができる。
処理部201は、基準版枚数208と同じ数だけ基本画像データD0(印刷用画像ファイル)をコピーする(ステップ♯43)。そして、処理部201は、選んだ画素値ごとに、版印刷用画像データD1(版印刷用画像ファイル)を生成する(ステップ♯44)。具体的に、処理部201は、選んだ画素値のなかから、1つの画素値(1色)を選ぶ。次に、処理部201は、基本画像データD0のうち、選んだ1色以外の画素値の画素を空白(白又は透明)に変換する。この処理を選んだ画素値の数だけ繰り返す。
例えば、基準版枚数208が5のとき、処理部201は、5つの版印刷用画像データD1を生成する。5種類の画素値(色)ごとに、処理部201は版印刷用画像データD1を生成する。処理部201は、コピーした基本画像データD0のうち、対応する画素値(色)以外の画素を空白にする。処理部201は、版装置2で印刷する画素のみが残された画像データを版印刷用画像データD1として生成する。
さらに、処理部201は、基本画像データD0を再度コピーする(ステップ♯45)。コピーにより生成される画像データ(画像ファイル)は1つでよい。そして、処理部201は、コピーした基本画像データD0に基づき、インク印刷用画像データD2を生成する(ステップ♯46)。
具体的に、処理部201は、コピーした基本画像データD0のうち、版装置2で印刷する画素値(選んだ画素値)の画素を空白(白又は透明)に変換する。例えば、基準版枚数208が5のとき、処理部201は、選んだ5色(5種類の画素値)の画素を空白にする。処理部201は、版装置2で印刷する画素以外の画素が残された画像データをインク印刷用画像データD2として生成する。そして、本フローは終了する(エンド)。
なお、処理部201は、基本画像データD0の分割指示を受け付けるための分割指示画面(不図示)を表示デバイス206に表示させてもよい。そして、処理部201は、分割指示画面に、優先する条件を選ぶためのボタンを表示させてもよい。例えば、印刷コスト優先ボタン、印刷品質優先ボタン、通常ボタンを表示させてもよい。
版装置2の色糊は、インク吐出装置1で使用するインクよりも安価であることが多い。そこで、入力デバイス205が印刷コスト優先ボタンの操作を受け付けたとき、処理部201は、基準版枚数208を多くする補正を行ってもよい。この場合、生成される版印刷用画像データD1の数が多くなる。版印刷装置で印刷される範囲が広くなる。
インク吐出装置1は、精細な画像を印刷できる。そこで、入力デバイス205が印刷品質優先ボタンの操作を受け付けたとき、処理部201は、基準版枚数208を減らす補正を行ってもよい。この場合、生成される版印刷用画像データD1の数が少なくなる。インク吐出装置1で印刷される範囲が広くなる。なお、入力デバイス205が通常ボタンの操作を受け付けたとき、処理部201は、情報記憶部202の基準版枚数208を補正しない。
(分割に基づく表示)
次に、図14〜図16に基づき、実施形態に係る情報処理装置200での表示の一例を説明する。図15は、実施形態に係る情報処理装置200の表示処理の流れの一例を示す図である。図16は、実施形態に係る分割設定画面209の一例を示す図である。
版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を新たに生成したとき、情報処理装置200は分割設定画面209を表示するための処理を行う。図15は、分割設定画面209を表示するための処理の一例を示す。処理部201は、図15の処理を行って、表示デバイス206に分割設定画面209を表示させる。図16は、分割設定画面209の一例を示す。
図15のスタートは、基本画像データD0が分割された時点である。言い換えると、処理部201が新たに版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を新たに生成した時点である。
まず、処理部201は、印刷量210の設定を行うための画面(不図示)を表示デバイス206に表示させる(ステップ♯51)。使用者は、入力デバイス205を用いて、印刷量210を入力する。入力デバイス205は印刷量210の入力を受け付ける(ステップ♯52)。印刷量210は、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を用いて印刷する記録媒体7の量である。記録媒体7が布の場合、例えば、ロールの本数が印刷量210として入力される。記録媒体7のサイズや枚数を入力可能としてもよい。処理部201は、入力された印刷量210を認識する。
次に、処理部201は、予測版印刷費用211を求める(ステップ♯53)。具体的に、処理部201は、予測版製作費212と予測色糊代213を予測版印刷費用211として求める。
まず、予測版製作費212を求めるとき、処理部201は、生成された版印刷用画像データD1の枚数(データ数)に基づき、必要な版枚数を求める。処理部201は、生成された版印刷用画像データD1の数を必要な版枚数と認識する。情報記憶部202は、版1枚あたりの製作単価(版製作単価214)を不揮発的に記憶する(図14参照)。版製作単価214は1枚の版の材料費と加工費を含む。操作パネル15は、版製作単価214の設定を受け付けてもよい。この場合、処理部201は、設定された版製作単価214を情報記憶部202に記憶させる。そして、処理部201は、版製作単価214と必要な版枚数を乗じて予測版製作費212を求める。なお、他の手法により、予測版製作費212を求めてもよい。
予測色糊代213を求めるとき、例えば、処理部201は、版印刷用画像データD1のうち、色糊で印刷する部分(版装置2が印刷する範囲)の画素数を求める。情報記憶部202は、1画素あたりの色糊単価215を不揮発的に記憶する(図14参照)。複数色の色糊を用いる場合、処理部201は、複数色の糊の単価の平均値を色糊単価215としてもよい。操作パネル15は、色糊単価215の設定を受け付けてもよい。この場合、処理部201は、設定された色糊単価215を情報記憶部202に不揮発的に記憶させる。
さらに、処理部201は、設定された印刷量210に含まれる単位印刷範囲E1の数を求める。例えば、操作パネル15は1ロールのY軸方向(搬送方向)の長さの設定を受け付ける。また、操作パネル15は、単位印刷範囲E1のY軸方向の長さの設定を受け付ける。処理部201は、版印刷用画像データD1又は基本画像データD0に基づき、単位印刷範囲E1のY軸方向の長さを認識してもよい。処理部201は、1ロールのY軸方向の長さを単位印刷範囲E1のY軸方向の長さで除す。処理部201は、布1ロールに含まれる単位印刷範囲E1の面数を求める。処理部201は、求めた面数と、印刷量210(ロール数)と、色糊で印刷する部分の画素数と、色糊単価215を乗じて、予測色糊代213の目安を求める。なお、他の手法により、予測色糊代213を求めてもよい。
次に、処理部201は予測インク費用216を求める(ステップ♯54)。具体的に、処理部201は、設定された印刷量210で使用される予測インク消費量217を求める。そして、処理部201は、予測インク消費量217に基づき、設定された印刷量210の印刷を行うときのインク代を予測インク費用216として求める。
処理部201は、インク印刷用画像データD2に基づき、予測インク消費量217を求める。例えば、処理部201は、インク印刷用画像データD2のうち、インクで印刷する部分の画素数を求める。また、情報記憶部202は、1画素あたりのインク単価218を不揮発的に記憶する(図14参照)。インク単価218は目安の値である。各色のインクの値段にばらつきがある場合、処理部201は、各色の1画素あたりのインク単価218の平均値をインク単価218としてもよい。また、操作パネル15は、インク単価218の設定を受け付けてもよい。この場合、処理部201は、設定されたインク単価218を情報記憶部202に不揮発的に記憶させる。
さらに、処理部201は、ステップ♯53で求めた1ロールに含まれる単位印刷範囲E1の面数と、印刷量210(ロール数)と、インクで印刷する部分の画素数と、インク単価218を乗じて、インク代の目安を求める。なお、他の手法により、インク代を求めてもよい。
次に、処理部201は、予測版製作時間219を求める(ステップ♯55)。ステップ♯53で、処理部201は、必要な版枚数を求めている。情報記憶部202は、版1枚あたりの製作時間(単位製作時間220)を不揮発的に記憶する(図14参照)。単位製作時間220は、版の材料や、版の製作手法により異なる。例えば、薄く柔らかい材料を版として用いる場合、予測版製作時間219は短くなる。また、場合により、版の製作に数日〜数週間かかる場合もある。例えば、版が分厚い場合、版の製作作業が複雑な場合、版の輸送に日数がかかる場合、単位製作時間220は、長くされる。事情を考慮して、単位製作時間220が定められる。操作パネル15は、単位製作時間220の設定を受け付けてもよい。この場合、処理部201は、設定された単位製作時間220を情報記憶部202に記憶させる。そして、処理部201は、単位製作時間220に必要な版枚数を乗じて予測版製作時間219の目安を求める。なお、他の手法により、予測版製作時間219を求めてもよい。
さらに、処理部201は、予測印刷時間221を求める(ステップ♯56)。情報記憶部202は、単位印刷範囲E1の印刷に要する時間(単位印刷時間222)を不揮発的に記憶する(図14参照)。単位印刷時間222は、搬送装置3が記録媒体7の搬送を一時停止してから、次に記録媒体7の搬送を一時停止するまでの時間としてもよい。操作パネル15は、単位印刷時間222の設定を受け付けてもよい。使用者は、搬送装置3が記録媒体7の搬送を一時停止する周期に、インク吐出装置1による予測印刷時間221を加算した時間を単位印刷時間222と設定してもよい。この場合、情報記憶部202は、設定された単位印刷時間222を記憶する。処理部201は、ステップ♯53で求めた1ロールに含まれる単位印刷範囲E1の面数と、印刷量210(ロール数)と、単位印刷時間222を乗じて、予測印刷時間221を求める。なお、他の手法により、予測印刷時間221を求めてもよい。
そして、処理部201は、分割設定画面209を表示デバイス206に表示させる(ステップ♯57)。ステップ♯57により本フローは終了する(エンド)。
次に、図16を用いて、分割設定画面209の一例を説明する。処理部201は、求めた予測版製作費212と予測色糊代213を表示デバイス206に表示させる。また、処理部201は、求めた予測版製作費212と予測色糊代213の合計を予測版印刷費用211として表示デバイス206に表示させる。また、処理部201は、予測インク消費量217と、予測インク消費量217に基づき求めたインク代(予測インク費用216)を表示デバイス206に表示させる。
また、処理部201は、求めた予測版製作時間219を表示デバイス206に表示させる。処理部201は、求めた予測印刷時間221を表示デバイス206に表示させる。さらに、処理部201は、予測版製作時間219と予測印刷時間221の合計を予測所要時間223として表示デバイス206に表示させる。予測所要時間223は、版の製作から設定された印刷量210での印刷を実際に完了するまでの時間の目安である。印刷物の納期に間に合うか否かを確認することができる。
また、図16に示すように、処理部201は、版印刷用画像データD1に基づき印刷される部分のプレビュー画像(版印刷プレビュー画像224)を分割設定画面209に表示させてもよい。処理部201は、生成した版印刷用画像データD1を縮小し、プレビュー表示用画像データを生成する。生成したプレビュー表示用データに基づき、処理部201は、選択した画素値(色)ごとに、版を用いて印刷される部分のプレビュー画像を表示させる。
また、図16に示すように、処理部201は、インク印刷用画像データD2に基づき印刷される部分のプレビュー画像(インク印刷プレビュー画像225)を分割設定画面209に表示させてもよい。処理部201は、インク印刷用画像データD2を縮小し、プレビュー表示用画像データを生成する。処理部201は、生成したプレビュー表示用データに基づき、インクを用いて印刷される部分のプレビュー画像を表示させる。
また、分割設定画面209は変更ボタン226を含む。変更ボタン226は、印刷量210の値を変更するためのボタンである。入力デバイス205を用いて変更ボタン226が操作されたとき、処理部201は、数値入力用のソフトウェアキーボード画面(不図示)を表示デバイス206に表示させる。このソフトウェアキーボード画面を操作することにより、印刷量210の値を変更することができる。入力デバイス205は、印刷量210の変更を受け付ける。
入力デバイス205が印刷量210の変更を受け付けたとき、処理部201は、変更後の印刷量210に基づき、図15のフローチャートを再度実行する。これにより、処理部201は、予測版製作費212、予測色糊代213、予測版印刷費用211、予測インク消費量217、インク代(予測インク費用216)、予測版製作時間219、予測印刷時間221、予測所要時間223を新たに求める。処理部201は、新たに求めた予測版製作費212、予測色糊代213、予測版印刷費用211、予測インク消費量217、インク代(予測インク費用216)、予測版製作時間219、予測印刷時間221、予測所要時間223を表示デバイス206に表示させる。変更後の印刷量210の変更に対応する各費用、各時間を直ちに表示することができる。
また、分割設定画面209には、版枚数変更ボタン227が設けられる。使用者が希望する版の枚数を設定するためのボタンである。入力デバイス205を用いて版枚数変更ボタン227が操作されたとき、処理部201は、数値入力用のソフトウェアキーボード画面(不図示)を表示デバイス206に表示させる。このソフトウェアキーボード画面を操作することにより、版枚数を変更することができる。入力デバイス205は、版枚数の変更を受け付ける。
入力デバイス205が版枚数の変更を受け付けたとき、処理部201は、変更後の版枚数となるように、図13のフローチャートを再度実行する。これにより、処理部201は、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を新たに生成する。
版枚数を増やす変更がなされたとき、処理部201は、変更前よりも選ぶ画素値の数を増やす。例えば、処理部201は、基本画像データD0に含まれる画素値のうち、使用頻度が最も高い画素値から順に、変更後の版枚数と同じ数だけ画素値を選び直す。処理部201は、選んだ画素値ごとに、版印刷用画像データD1を生成する。この場合、製作される版の枚数が増える。また、処理部201は、基本画像データD0から選んだ画素値を消した画像データをインク印刷用画像データD2として生成する。この場合、インク吐出装置1の印刷範囲は小さくなる。
版枚数を減らす変更がなされたとき、処理部201は、変更前よりも選ぶ画素値の数を少なくする。例えば、処理部201は、基本画像データD0に含まれる画素値のうち、使用頻度が最も高い画素値から順に、変更後の版枚数と同じ数だけ画素値を選び直す。処理部201は、選んだ画素値ごとに、版印刷用画像データD1を生成する。この場合、製作される版の枚数が減る。また、処理部201は、基本画像データD0から選んだ画素値を消した画像データをインク印刷用画像データD2として生成する。この場合、インク吐出装置1の印刷範囲は広くなる。
ここで、版装置2は、インク吐出装置1に比べ印刷される画像を濃くしやすい。一方で、基本画像データD0のうち、特定の領域をインク吐出装置1で印刷したい場合もある。そこで、入力デバイス205は、版印刷用画像データD1の一部をインク印刷用画像データD2に変更する操作を受け付けてもよい。また、入力デバイス205はインク印刷用画像データD2の一部を版印刷用画像データD1に変更する操作を受け付けてもよい。分割設定画面209内の範囲指定ボタン228が操作されたとき、これらの変更操作を行うことができる。つまり、アナログ(版)とデジタル(インク)の分割を手動で修正できるようにしてもよい。
版印刷用画像データD1の一部をインク印刷用画像データD2に移動させる操作がなされたとき、処理部201は、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を新たに生成する(再度生成する)。具体的に、処理部201は、版印刷用画像データD1のうち、移動が指示された領域をインク印刷用画像データD2に移す。版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2が新たに生成さするので、処理部201は、図15のフローチャートを実行する。例えば、ある画素値(色)の版印刷用画像データD1の全範囲が移されたとき、版の枚数が減る。新たに生成された版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2に基づき、処理部201は、各費用、各時間を再算出し、新たな分割設定画面209を表示デバイス206に表示させる。
インク印刷用画像データD2の一部を版印刷用画像データD1に移動させる操作がなされたとき、処理部201は、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を新たに生成する(再度生成する)。処理部201は、インク印刷用画像データD2のうち、移動が指示された領域を認識する。移動更が指示された領域に、版印刷用画像データD1の色(画素値)以外の画素値が含まれるとき、処理部201は、版印刷用画像データD1の枚数を増やす。版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2が新たに生成されるので、処理部201は、図15のフローチャートを実行する。新たに生成された版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2に基づき、処理部201は、各費用、各時間を再算出し、新たな分割設定画面209を表示デバイス206に表示させる。
(製版機300への版印刷用画像データD1の送信)
次に、図12を用いて、実施形態に係る情報処理装置200の版印刷用画像データD1の送信の一例を説明する。
図12に示すように、情報通信部207は製版機300と通信可能に接続されてもよい。例えば、ケーブルやネットワークを介して、情報通信部207と製版機300を接続してもよい。ここで、製版機300は、版装置2での印刷に用いる版を製作する装置である。例えば、製版機300は、版の彫刻を行う。製版機300は3Dプリンターでもよい。製版機300は版の内側に色糊の透過部分を形成する。
入力デバイス205は、製版機300への版印刷用画像データD1の送信指示を受け付けてもよい。版印刷用画像データD1の送信指示がなされたとき、処理部201は、製版機300に向けて、版印刷用画像データD1を情報通信部207に送信させる。例えば、処理部201は、全ての版の版印刷用画像データD1を情報通信部207に送信させる。処理部201は、版印刷用画像データD1に基づく製版を製版機300に行わせる。製版機300への製版出力指示を情報処理装置200で行うことができる。
(インク吐出装置1の動作モードの設定)
次に、図17を用いて、実施形態に係るインク吐出装置1の動作モードの設定の一例を説明する。図17は、実施形態に係るインク吐出装置1でのモード設定の一例を示す図である。
インク吐出装置1はインクを吐出して印刷する。ヘッド8の描画移動時に制御部10は、インクをヘッド8に吐出させる。言い換えると、描画移動は、ヘッド8をある方向で移動させつつ、インクを吐出させるための移動である。例えば、制御部10は、描画移動時、基準角度のヘッド8をX軸方向で移動させる。ヘッド8が基準角度のとき、ノズル列80の方向がY軸方向と平行となる。単位印刷範囲E1の印刷を行うとき、制御部10は、この描画移動を1又は複数回行わせる。
図17のスタートは、インク吐出装置1の動作モード設定を開始する時点である。操作パネル15に所定の操作を行うことにより、インク吐出装置1の動作モードの設定を開始することができる。操作パネル15は、動作モードの設定開始指示を受け付ける。操作パネル15の出力に基づき、制御部10は、動作モードの設定開始指示がなされたことを認識する。
なお、情報処理装置200(入力デバイス205)がインク吐出装置1の動作モードの設定を受け付けてもよい。この場合、情報処理装置200(処理部201)が図17と同様の処理を行う。処理部201は、インク吐出装置1(通信部19)に向けて、設定された動作モードを情報通信部207に通知させる。制御部10は、情報通信部207からの通知に基づき、インク吐出装置1の動作モードを認識する。制御部10は、認識した動作モードでインク吐出装置1(ヘッド8、移動部12)を動作させる。
まず、制御部10は、第1選択画面を表示パネル15aに表示させる(ステップ♯61)。第1選択画面は、停止印刷モードで印刷するか、搬送印刷モードで印刷するかを選択するための画面である。印刷システム100では、記録媒体7の搬送と一時停止が繰り返される。一方、インク吐出装置1は、3軸方向でヘッド8を移動させることができる。従って、インク吐出装置1は、停止している記録媒体7に印刷できる。また、インク吐出装置1は、搬送されている記録媒体7にも印刷できる。停止印刷モードは、インク吐出装置1が停止している記録媒体7に印刷するモードである。搬送印刷モードは、インク吐出装置1が搬送されている記録媒体7を印刷するモードである。
操作パネル15(タッチパネル15b)は、停止印刷モードで印刷するか、搬送印刷モードで印刷するかの選択を受け付ける。操作パネル15の出力に基づき、制御部10は、2つのモードのうち、選択されたモードを認識する(ステップ♯62)。
次に、制御部10は、第2選択画面を表示パネル15aに表示させる(ステップ♯63)。第2選択画面は、片道印刷モードで印刷するか、往復印刷モードで印刷するかを選択するための画面である。操作パネル15は、片道印刷モードで印刷するか往復印刷モードで印刷するかの設定を受け付ける。操作パネル15の出力に基づき、制御部10は、2つのモードのうち、選択されたモードを認識する(ステップ♯64)。
片道印刷モードは、第1方向でヘッド8を移動させ、ヘッド8通過部分(ノズル81に向かい合う部分)の印刷を1回のヘッド8通過で完了するモードである。例えば、ヘッド8が基準角度のとき、第1方向はX軸方向である。言い換えると、片道印刷モードは、1方向へのヘッド8の移動で1描画移動が完了するモードである。
往復印刷モードは、第1方向と第2方向でヘッド8を移動させて、ヘッド8通過部分(ノズル81に向かい合う部分)の印刷を完了するモードである。第2方向は、第1方向と平行かつ逆方向である。言い換えると、往復印刷モードでは、制御部10は、ヘッド8を移動部12に往復させる。制御部10は、往路と復路の両方でヘッド8にインクを吐出させる。制御部10は、同じ位置(画素)に同じ色のインクをヘッド8に吐出させる。言い換えると、往復印刷モードは、ヘッド8の往復で1描画移動が完了するモードである。往復印刷モードでは、記録媒体7に重ねてインクを吐出することができる。片道印刷モードよりも印刷部分の濃度を高めることができる。印刷物の濃度を高めたいとき、使用者は往復印刷モードを選択できる。
さらに、制御部10は、第3選択画面を表示パネル15aに表示させる(ステップ♯65)。第3選択画面は、速度優先モードで印刷するか、品質優先モードで印刷するかを選択するための画面である。操作パネル15は、速度優先モードで印刷するか、品質優先モードで印刷するかの設定を受け付ける。操作パネル15の出力に基づき、制御部10は、2つのモードのうち、選択されたモードを認識する(ステップ♯66)。品質優先モードでは、第1方向から第2方向にヘッド8の移動方向を切り替えるとき、制御部10は、ヘッド8を回転させる(詳細は後述)。速度優先モードでは、第1方向から第2方向にヘッド8の移動方向を切り替えるとき、制御部10は、ヘッド8を回転させない(詳細は後述)。
(ヘッド8の基準待機位置P1)
次に、図18を用いて、実施形態に係るヘッド8の基準待機位置P1の一例を説明する。図18は、実施形態に係るヘッド8の基準待機位置P1の一例を示す図である。
インク吐出装置1では、ヘッド8のX軸方向とY軸方向での基準待機位置P1が予め定められる。図18は、ヘッド8の基準待機位置P1の一例を示す。単位印刷範囲E1の印刷開始前、制御部10は、ヘッド8を基準待機位置P1に位置させる。基準待機位置P1は、X軸方向とY軸方向でのホームポジションといえる。制御部10は、単位印刷範囲E1へのインクの吐出開始前、ヘッド8の位置を基準待機位置P1とさせる。
また、単位印刷範囲E1でのインク吐出終了後(印刷終了後)、制御部10は、基準待機位置P1へのヘッド8の移動を移動部12に行わせる。言い換えると、制御部10は、単位印刷範囲E1の印刷完了ごとに、ヘッド8を基準待機位置P1に戻す。なお、ヘッド8にキャップ91をはめるとき、ワイプするとき、パージするとき、又は、フラッシングするときのように、制御部10は、基準待機位置P1以外の位置に向けて、ヘッド8を移動させることもある。
ヘッド8からインクがたれることがあり得る。基準待機位置P1は、記録媒体7の上にノズル81の吐出口が来ない位置としてもよい。基準待機位置P1は、インクがたれても、記録媒体7に落ちない位置としてもよい。そのため、X軸方向において、基準待機位置P1は、ヘッド8が記録媒体7よりも外側にある位置としてもよい。言い換えると、基準待機位置P1はX軸とY軸の平面(XY平面)の外側とされる。なお、基準待機位置P1にあるとき、制御部10は、ヘッド8を回転部8aに基準角度とさせる。
図18は、停止印刷モードでの基準待機位置P1の一例を示す。図18では、これから印刷し、かつ、停止している記録媒体7の単位印刷範囲E1のY軸方向の上流側端部と、ヘッド8のY軸方向の上流側端部が一致する位置を基準待機位置P1とする例を示す。基準待機位置P1は、単位印刷範囲E1のY軸方向の中心と、ヘッド8のY軸方向の中央が一致する位置としてもよい。また、基準待機位置P1は、単位印刷範囲E1のY軸方向の下流側端部と、ヘッド8のY軸方向の下流側端部が一致する位置としてもよい。
停止印刷モードと搬送印刷モードでは、基準待機位置P1を異ならせてもよい。搬送印刷モードのとき、基準待機位置P1は、Y軸方向については、ヘッド8の移動可能範囲のうち、最上流の位置とできる。これにより、X軸方向に移動させるだけで印刷を開始することができる。速やかに印刷を開始することができる。
なお、操作パネル15は、ヘッド8の基準待機位置P1の設定を受け付けてもよい。例えば、操作パネル15は、ヘッド8のX軸方向の端部とY軸方向の端部の位置(座標)の設定を受け付ける。この場合、制御部10は、設定された位置を基準待機位置P1とする。また、情報処理装置200で基準待機位置P1を設定できるようにしてもよい。情報処理装置200(処理部201)は、設定された基準待機位置P1を示すデータを印刷設定情報D3に含める。処理部201は、通信部19に向けて、基準待機位置P1が定義された印刷設定情報D3を送信する。制御部10は、受信した印刷設定情報D3に基づき、基準待機位置P1を認識してもよい。これらの場合、制御部10は、操作パネル15又は情報処理装置200で設定された基準待機位置P1にヘッド8を移動させる。
また、制御部10は、各ノズル81(の吐出口)の各軸(X軸、Y軸、Z軸)の位置(座標)を管理してもよい。例えば、第1モーター、第2モーター、第3モーターは、ステッピングモーターとすることができる。例えば、制御部10は、第1モーターにパルス信号を入力する。例えば、第1モーターは、1又は一定パルスごとに、1画素(1ドット)分、ヘッド8(ノズル81)をZ軸方向で移動させる。また、制御部10は、第2モーターにパルス信号を入力する。例えば、第2モーターは、1又は一定パルスごとに、1画素(1ドット)分、ヘッド8(ノズル81)をZ軸方向で移動させる。制御部10は、第3モーターにパルス信号を入力する。例えば、第3モーターは、1又は一定パルスごとに、1画素(1ドット)分、ヘッド8(ノズル81)をY軸方向で移動させる。このように、制御部10は、ヘッド8やノズル81の位置を制御する。制御部10は、記録媒体7(単位印刷範囲E1)の所望の位置(座標、画素)に、所望のノズル81を対向できる。
(停止印刷モードでの印刷)
次に、図19〜図23を用いて、実施形態に係る停止印刷モードでの印刷の一例を説明する。図19は、実施形態に係る停止印刷モードでの印刷開始位置(インク吐出開始位置)の設定の流れの一例を示す。図20は、実施形態に係るヘッド8の回転の一例を示す図である。図21は、実施形態に係る停止印刷モードでの印刷の一例を示す図である。図22は、実施形態に係る準備移動の一例を示す図である。図23は、実施形態に係る停止印刷モードでの印刷開始位置の設定の流れの一例を示す。
停止印刷モードは記録媒体7が停止している間にインク吐出装置1に印刷させるモードである。版装置2による記録媒体7の搬送停止の時間を利用して印刷することができる。
図19を用いて、停止印刷モードでの印刷開始位置の設定の流れの一例を示す。図19のフローチャートは、最初の単位印刷範囲E1の印刷開始前に行うことができる。片道印刷モードと往復印刷モードのいずれの場合でも、印刷開始位置は同じである。
まず、制御部10は、インク印刷用画像データD2又はインク吐出用画像データに基づき、単位印刷範囲E1内のうち、インクで印刷する部分(インク印刷範囲i1)を認識する(ステップ♯71)。そして、制御部10は、単位印刷範囲E1内に含まれるインク印刷範囲i1のY軸方向の幅がノズル列長8nより短いか否かを確認する(ステップ♯72)。
インク印刷範囲i1のY軸方向の幅がノズル列長8n以下のとき、Y軸方向の位置を固定したままヘッド8を移動させれば、インク印刷範囲i1へのインク吐出を終了することができる。そこで、制御部10は、X軸方向での片道又は往復の描画移動で単位印刷範囲E1の印刷を完了できるか否かを確認する。
ここで、制御部10は、インク印刷用画像データD2又はインク吐出用画像データに基づき、インク印刷範囲i1のY軸方向の幅を認識できる。例えば、制御部10は、インク印刷範囲i1のY軸方向の上流側の端にある画素と、下流側の端にある画素を認識する。制御部10は、上流端の画素から下流端の画素までのY軸方向の画素数を認識する。制御部10は、認識した画素数に1ドット(画素)あたりのピッチを乗じて、インク印刷範囲i1のY軸方向の幅を認識できる。
インク印刷範囲i1のY軸方向の幅がノズル列長8n以下のとき(ステップ♯72のYes)、制御部10は、Y軸方向の印刷開始位置(Y座標)を定める(ステップ♯73)。例えば、制御部10は、ヘッド8をX軸方向で移動させたとき、インク印刷範囲i1の全体が何れかのノズル81と向かい合うように、X軸方向とY軸方向での印刷開始位置を定める。言い換えると、ノズル列80の範囲内にインク印刷範囲i1が収まるように、制御部10は、X軸方向とY軸方向での印刷開始位置を定める。
例えば、制御部10は、基準角度のヘッド8の上流側端部のノズル81のY軸方向の位置と、インク印刷範囲i1のY軸方向の上流側端部の画素の位置が一致する位置を、印刷開始位置としてもよい。また、制御部10は、基準角度のヘッド8の下流側端部のノズル81のY軸方向の位置と、インク印刷範囲i1のY軸方向の下流側端部の画素の位置が一致する位置を、印刷開始位置としてもよい。
さらに、制御部10は、X軸方向の印刷開始位置(X座標)を定める(ステップ♯74)。例えば、インク印刷範囲i1のうちX軸方向で最も基準待機位置P1に近い画素と、インク印刷範囲i1に最も近いノズル列80が重なる位置をX軸方向での印刷開始位置としてもよい。そして、本フローは終了する(エンド)。
インク印刷範囲i1のY軸方向の幅がノズル列長8nより長いとき(ステップ♯71のNo)、制御部10は、1回の片道でのヘッド8移動、又は、1回のヘッド8の往復移動で、全てのインク印刷範囲i1がノズル81と対向するヘッド8の回転角度があるか否かを確認する(ステップ♯75)。言い換えると、制御部10は、インク印刷範囲i1の幅がノズル列長8n以下となる回転角度があるか否かを確認する。
全てのインク印刷範囲i1をノズル81と対向できる回転角度があるとき、ヘッド8を回転させ、かつ、X軸方向とY軸方向に対してヘッド8を斜め移動させる。これにより、ヘッド8の描画移動の回数、時間を減らすことができる。図20を用いて説明する。図20の左側の図は、基準角度のヘッド8では、1回の描画移動(X軸方向でのヘッド8移動)でインク印刷範囲i1の全てを印刷できない例を示す。
一方、図20の右側の図はヘッド8を回転させる例を示す。図20の右側の図は、ヘッド8を基準角度から回転させ、1回の描画移動で全インク印刷範囲i1を印刷できる例を示す。この場合、制御部10は、反時計方向にヘッド8をα度回転させる。さらに、制御部10は、ヘッド8の移動方向をX軸方向に対し、反時計方向にα度傾ける。言い換えると、ヘッド8の移動方向を、ノズル列80の長手方向に対して垂直な方向とする。
ステップ♯75の確認のため、制御部10は、インク印刷用画像データD2又はインク吐出用画像データを回転させた回転画像データを生成する。制御部10は、複数の回転画像データを生成する。各回転画像データの回転角度は、それぞれ異なる。例えば、制御部10は、1〜10度程度ずつ回転角度が異なる回転画像データを生成する。
そして、制御部10は、各回転画像データでのインク印刷範囲i1を認識する。そして、制御部10は、Y軸方向の幅がノズル列長8nよりも狭い回転画像データがあるか否かを確認する。Y軸方向の幅がノズル列長8nよりも狭い回転画像データがあるとき、制御部10は、1回の描画移動で全てのインク印刷範囲i1がノズル81と対向できるヘッド8の回転角度があると判定する(ステップ♯74のYes)。
ステップ♯74がYesのとき、制御部10は、当該回転角度を認識する(ステップ♯76)。さらに、制御部10は、X軸方向とY軸方向での印刷開始位置を定める(ステップ♯77)。ステップ♯77では、制御部10は、インク印刷範囲i1のうち、最も基準待機位置P1に近い画素を認識する。制御部10は、最も基準待機位置P1に近い画素に、最も記録媒体7に近い側のノズル列80のノズル81が向かいあうように、X軸方向とY軸方向での印刷開始位置を定める。かつ、制御部10は、1回の描画移動で全てのインク印刷範囲i1を印刷できる位置を印刷開始位置とする。なお、この場合、描画移動でのヘッド8の移動方向は、XY平面において、ヘッド8の回転角度と垂直となる。ステップ♯77により本フローは終了する(エンド)。
ステップ♯74がNoの場合、制御部10は、1回目の描画移動のY軸方向の印刷開始位置(Y座標)を定める(ステップ♯77)。例えば、制御部10は、インク印刷範囲i1のY軸方向の上流側の端部と、基準角度のヘッド8のY軸方向上流端のノズル81が重なる位置を、Y軸方向での印刷開始位置と定めてもよい。または、制御部10は、インク印刷範囲i1のY軸方向の下流側の端部と、基準角度のヘッド8のY軸方向下流端のノズル81が重なる位置を、Y軸方向での印刷開始位置と定めてもよい。
さらに、制御部10は、1回目の描画移動でのX軸方向の印刷開始位置(X座標)を定める(ステップ♯78)。制御部10は、インク印刷範囲i1のうちX軸方向で最も基準待機位置P1に近い画素と、インク印刷範囲i1に最も近いノズル列80のノズル81が重なる位置をX軸方向での印刷開始位置としてもよい。そして、本フローは終了する(エンド)。
[停止印刷モード+片道印刷モード]
次に、図21を用いて、停止印刷モードかつ片道印刷モードでの単位印刷範囲E1の印刷の流れの一例を説明する。記録媒体7は複数の単位印刷範囲E1で区切られる。インク吐出装置1は、単位印刷範囲E1ごとに同じ画像の印刷を繰り返す。言い換えると、1つの単位印刷範囲E1ごとに、制御部10は、図21の処理を行う。
図21のスタートは、搬送装置3が記録媒体7の搬送を停止した時点である。搬送装置3からの搬送停止の通知に基づき、制御部10は、記録媒体7の搬送停止を認識してもよい。また、速度センサー14の出力に基づき、制御部10は、記録媒体7の搬送が停止したことを認識してもよい。制御部10は、スタートの時点で、ヘッド8を基準待機位置P1している。ヘッド8が基準待機位置P1にないとき、制御部10は、速やかにヘッド8を基準待機位置P1とする。ヘッド8を基準待機位置P1としてから図19の処理が開始される。また、制御部10は、ヘッド8の角度を基準位置としている。
制御部10は、移動部12に準備移動を行わせる(ステップ#81)。準備移動は、基準待機位置P1から印刷開始位置までのヘッド8の移動である。言い換えると、準備移動のとき、制御部10は、ヘッド8を基準待機位置P1からインク吐出開始位置まで移動させる。ヘッド8を基準角度から回転させる場合、制御部10は、準備移動中にヘッド8を回転させてもよい。
印刷開始位置が記録媒体7の搬送方向(Y軸方向)下流側の場合、準備移動のとき、制御部10は、X軸方向でのヘッド8の移動に並行して、搬送方向下流側へのヘッド8の移動を移動部12に行わせる。印刷開始位置が記録媒体7の搬送方向(Y軸方向)上流側の場合、準備移動のとき、制御部10は、X軸方向でのヘッド8の移動に並行して、搬送方向上流側へのヘッド8の移動を移動部12に行わせる。
このように、制御部10は、準備移動のとき、X軸方向での移動とY軸方向での移動を同時に移動部12に行わせる。図22は、準備移動時のヘッド8の移動経路の一例を示す。図22の左側の図に示すように、制御部10は、X軸とY軸のXY平面(単位印刷範囲E1)において、準備移動でのヘッド8の移動距離が最短になるように移動部12にヘッド8を移動させてもよい。この場合、XY平面において、斜めにヘッド8が移動する。
また、制御部10は、準備移動のとき、X軸方向での移動速度を、基準角度のヘッド8でインクを吐出するときの移動速度よりも速くしてもよい。基準角度のヘッド8で印刷するとき、インク吐出時のX軸方向でのヘッド8の移動速度は、駆動周波数(駆動信号S1の周波数、駆動周期)に基づき定まる。例えば、ヘッド8のX軸方向の移動速度は、1駆動周期につき、印刷解像度での1画素(ドット)のピッチ分移動する速度とされる。インク吐出時の移動速度は、X軸方向でのヘッド8の最高移動速度よりも遅い。インク吐出時よりも移動速度を速くすることにより、印刷開始位置までの移動時間を短くすることができる。
さらに、制御部10は、準備移動でのヘッド8の移動時間が最短になるように、X軸方向とY軸方向でヘッド8を移動部12に移動させてもよい。準備移動のX軸方向の移動距離がY軸方向の移動距離よりも長いとき、制御部10は、X軸方向では、ヘッド8を第2移動機構Bに最高移動速度で移動させる。Y軸方向については、制御部10は、X軸方向の移動が完了するまでにY軸方向の移動を完了させればよい。一方、準備移動のY軸方向の移動距離がX軸方向の移動距離よりも長いとき、制御部10は、Y軸方向では、ヘッド8を第3移動機構Cに最高移動速度で移動させる。X軸方向については、制御部10は、Y軸方向の移動が完了するまでに移動を完了させればよい。図22の左側の図に示すように、制御部10は、移動距離が最短となるようにヘッド8を移動させてもよい。
準備移動でのヘッド8の移動時間を最短とする場合、制御部10は、X軸方向とY軸方向の両方とも、最大速度でヘッド8を移動部12(第2移動機構B、第3移動機構C)に移動させてもよい。この場合、図22の右側の図に示すように、ヘッド8は、XY平面において、準備動作の途中まで斜めに移動する。その後、X軸方向又はY軸方向と平行移動となることがある。
なお、基準待機位置P1からX軸方向に移動させるだけで印刷開始位置に到達する場合がある。この場合、制御部10は、印刷開始位置に向けて、X軸方向でのみヘッド8の移動を移動部12に行わせる。制御部10は、Y軸方向でのヘッド8の移動を移動部12に行わせない。
次に、制御部10は描画移動を開始させる(ステップ#82)。制御部10は、移動部12にヘッド8を移動させる。ヘッド8の角度が基準角度の場合、制御部10は、X軸方向でヘッド8を移動させる。この場合、第1方向はX軸方向と平行である。また、第1方向はヘッド8が基準待機位置P1から離れる方向である。一方、ヘッド8が基準角度でない場合、制御部10は、XY平面で斜め(回転角度に対して垂直な方向)にヘッド8を移動させる。この場合、第1方向は、ヘッド8の回転角度に対して垂直な方向である。また、第1方向はヘッド8が基準待機位置P1から離れる方向である。
なお、描画移動開始前に、制御部10は、ヘッド8の回転を回転部8aに完了させる。ヘッド8の移動方向がX軸方向のとき、制御部10は、1回の描画移動の開始から終了まで、ヘッド8のY軸方向の位置を固定する。
描画移動の開始にあわせ、制御部10は、インク吐出用画像データに基づき、ヘッド8にインクを吐出させる(印刷させる)(ステップ#83)。言い換えると、インク吐出用画像データに基づき、制御部10は、記録媒体7でインクをのせるべき画素(スクリーン版22で印刷されない部分)にインクの液滴を着弾させる。
そして、第1方向の描画移動でのインク吐出が完了した時点で、制御部10は、ヘッド8を停止させる(ステップ♯84)。なお、フローのループにより、描画移動の方向が第2方向になっているとき、第2方向の描画移動でのインク吐出が完了した時点で、制御部10は、ヘッド8を停止させる。
ヘッド8停止(今回の描画移動終了)にあわせ、制御部10は、単位印刷範囲E1の印刷が完了したか否かを確認する(ステップ#85)。単位印刷範囲E1の印刷が完了したとき(ステップ#85のYes)、制御部10は、移動部12に回帰移動を行わせる(ステップ#86)。本フローは終了する(エンド)。単位印刷範囲E1の印刷終了にあわせ、制御部10は、フラッシング処理を行ってもよい。
ここで、回帰移動は、基準待機位置P1にヘッド8を戻す移動である。回帰移動のとき、制御部10は、X軸方向での移動に並行して、Y軸方向でもヘッド8を移動部12に移動させる。回帰移動の時間を短くすることができる。このとき、準備移動と同様に、制御部10は、X軸とY軸のXY平面において、回帰移動でのヘッド8の移動距離が最短になるように、斜めにヘッド8を移動させてもよい。図21の左側の図の矢印と逆方向にヘッド8が移動する場合がある。
また、回帰移動のとき、制御部10は、X軸方向での移動速度を、基準角度のヘッド8でインクを吐出するときの移動速度よりも速くしてもよい。(準備移動と同様)。また、制御部10は、回帰移動でのヘッド8の移動時間が最短になるように、X軸方向とY軸方向でヘッド8を移動部12に移動させてもよい。回帰移動のとき、制御部10は、X軸方向とY軸方向の両方で移動可能な最大速度でヘッド8を移動部12(第2移動機構B、第3移動機構C)に移動させてもよい。
単位印刷範囲E1の印刷が完了していないとき(ステップ♯85のNo)、制御部10は、速度優先モードと品質優先モードのうち、品質優先モードが選択されているか否かを確認する(ステップ♯87)。品質優先モードが選択されているとき(ステップ#87のYes)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させる(ステップ#88)。なお、印刷に用いるノズル列80が1列のみの場合(1色のみの印刷の場合)、制御部10は、ヘッド8の移動方向を切り替えるとき、ヘッド8を回転部8aに回転させないようにしてもよい。
さらに、制御部10は、ヘッド8をY軸方向でノズル列長8nだけ移動させる(ステップ#89)。インク印刷範囲i1のうち、未印刷の部分を印刷するためである。一方、速度優先モードが選択されているとき(ステップ#87のNo)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させずに、ステップ#89に移行する。
搬送方向(Y軸方向)の下流側からインク印刷範囲i1の印刷を開始する場合、制御部10は、ヘッド8を搬送方向(Y軸方向)の上流側にずらす。インク印刷範囲i1を搬送方向(Y軸方向)の上流側から印刷する場合、制御部10は、ヘッド8を搬送方向(Y軸方向)の下流側にずらす。なお、次の描画のためにX軸方向でもヘッド8の位置をずらす必要がある場合、制御部10は、X軸方向のヘッド8の位置を移動部12に調整させる。
ヘッド8の移動後、制御部10は、次の描画移動をヘッド8と移動部12(第2移動機構B)に開始させる(ステップ♯810)。このとき、ヘッド8の移動方向は、第2方向(逆方向)となる。なお、フローのループにより、直前の描画移動の方向が第2方向の場合がある。この場合、次の描画移動の方向は、第1方向となる。
第2方向はX軸方向と平行である。また、第2方向はヘッド8が基準待機位置P1に近づく方向である。なお、描画移動開始前に、制御部10は、ヘッド8の回転を回転部8aに完了させる。そして、フローはステップ♯83に戻る。なお、第2方向での描画移動完了後でもインク印刷範囲i1の印刷が終了していないとき、制御部10は、ヘッド8の移動方向を第1方向に切り替え、描画移動を再開させる。
[停止印刷モード+往復印刷モード]
次に、図23を用いて、停止印刷モードかつ往復印刷モードでの単位印刷範囲E1の印刷の流れの一例を説明する。1つの単位印刷範囲E1ごとに、制御部10は、図23の処理を行う。
図23のスタートは、搬送装置3が記録媒体7の搬送を停止した時点である。搬送装置3からの搬送停止の通知に基づき、制御部10は、記録媒体7の搬送停止を認識してもよい。また、速度センサー14の出力に基づき、制御部10は、記録媒体7の搬送が停止したことを認識してもよい。制御部10は、スタートの時点で、ヘッド8を基準待機位置P1としている。ヘッド8が基準待機位置P1にないとき、制御部10は、速やかにヘッド8を基準待機位置P1とする。ヘッド8を基準待機位置P1としてから図23の処理が開始される。また、制御部10は、ヘッド8の角度を基準位置としている。
制御部10は、移動部12に準備移動を行わせる(ステップ#91)。準備移動のとき、制御部10は、ヘッド8を基準待機位置P1から印刷開始位置まで移動させる。ヘッド8を基準角度から回転させる場合、制御部10は、準備移動中にヘッド8を回転させてもよい。制御部10は、準備移動のとき、X軸方向での移動に並行して、Y軸方向でもヘッド8を移動部12に移動させる。準備移動は、ステップ#81と同様である。
次に、制御部10は往路の描画移動(ヘッド8の移動)を開始させる(ステップ#92)。描画移動の開始にあわせ、制御部10は、インク吐出用画像データに基づき、ヘッド8にインクを吐出させる(ステップ♯93)。制御部10は、往路の印刷をヘッド8に行わせる(ステップ♯93)。
往路では、制御部10は第1方向に移動部12にヘッド8を移動させる。ヘッド8の角度が基準角度の場合、制御部10は、X軸方向でヘッド8を移動させる。ヘッド8のY軸方向の位置は固定される。この場合、第1方向は、X軸方向と平行であり、ヘッド8が基準待機位置P1から離れる方向である。一方、ヘッド8が基準角度でない場合、制御部10は、XY平面で斜め(回転角度に対して垂直な方向)にヘッド8を移動させる。この場合、第1方向は、回転角度に対して垂直な方向であり、かつ、ヘッド8が基準待機位置P1から離れる方向である。なお、描画移動前に、制御部10は、ヘッド8の回転を回転部8aに完了させる。
そして、第1方向(往路)で印刷する画素へのインク吐出が完了した時点で、制御部10は、ヘッド8を一時停止させる(ステップ#94)。往路の印刷が完了したとき、制御部10は、速度優先モードと品質優先モードのうち、品質優先モードが選択されているか否かを確認する(ステップ#95)。品質優先モードが選択されているとき(ステップ#95のYes)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させる(ステップ#96)。なお、印刷に用いるノズル列80が1列のみの場合(1色のみの印刷の場合)、制御部10は、ヘッド8の移動方向を切り替えるとき、ヘッド8を回転部8aに回転させないようにしてもよい。また、速度優先モードが選択されているとき(ステップ#95のNo)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させない。
ステップ#95のNoの場合、又は、ステップ#96の後、制御部10は復路の描画移動(ヘッド8の移動)を開始させる(ステップ#97)。復路では、制御部10は、第2方向に移動部12にヘッド8を移動させる。第2方向は、第1方向と平行、かつ、逆方向である。また、第2方向は、ヘッド8が基準待機位置P1に近づく方向である。
ヘッド8の角度が基準角度の場合、第2方向はX軸方向である。制御部10は、往路と復路でヘッド8のY軸方向の位置を変えない。一方、ヘッド8が基準角度でない場合、制御部10は、復路でも、XY平面で斜め(回転角度に対して垂直な方向)にヘッド8を移動させる。制御部10は、往路と復路ともに、ヘッド8をX軸方向とY軸方向の両方で移動させる。
復路の描画移動の開始にあわせ、制御部10は、インク吐出用画像データに基づき、ヘッド8にインクを吐出させる(ステップ♯98)。制御部10は、復路の印刷をヘッド8に行わせる(ステップ♯98)。復路でも、インク吐出用画像データに基づき、制御部10は、インクをのせるべき画素(スクリーン版22で印刷されない部分)にインクの液滴を着弾させる。インクをのせる画素は、往路と復路で同じとなる。
第2方向(復路)の描画移動でのインク吐出が完了した時点で、制御部10は、ヘッド8を一時停止させる(ステップ#99)。復路の描画移動の終了にあわせ、制御部10は、単位印刷範囲E1の印刷が完了したか否かを確認する(ステップ#910)。単位印刷範囲E1の印刷が完了したとき(ステップ#910のYes)、制御部10は、移動部12に回帰移動を行わせる(ステップ#911)。そして、本フローは終了する(エンド)。単位印刷範囲E1の印刷終了にあわせ、制御部10は、フラッシング処理を行ってもよい。
ここで、回帰移動は、基準待機位置P1にヘッド8を戻す移動である。図21のステップ#85と同様の処理である。往復印刷モードでも、回帰移動のとき、制御部10は、X軸方向での移動に並行して、Y軸方向でもヘッド8を移動部12に移動させる。このとき、準備移動と同様に、制御部10は、X軸とY軸のXY平面において、回帰移動でのヘッド8の移動距離が最短になるように、斜めにヘッド8を移動させてもよい。また、回帰移動のとき、制御部10は、ヘッド8のX軸方向の移動速度とY軸方向の移動速度の何れか一方又は両方を、インク吐出時よりも速くしてもよい(準備移動と同様)。また、制御部10は、回帰移動でのヘッド8の移動時間が最短になるように、X軸方向とY軸方向でヘッド8を移動部12に移動させてもよい。制御部10は、回帰移動のとき、X軸方向とY軸方向の両方で移動可能な最大速度でヘッド8を移動部12(第2移動機構B、第3移動機構C)に移動させてもよい。
単位印刷範囲E1の印刷が完了していないとき(ステップ♯910のNo)、制御部10は、速度優先モードと品質優先モードのうち、品質優先モードが選択されているか否かを確認する(ステップ#912)。速度優先モードが選択されているとき(ステップ#912のNo)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させずに、ステップ#914に移行する。品質優先モードが選択されているとき(ステップ#912のYes)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させる(ステップ#913)。なお、印刷に用いるノズル列80が1列のみの場合(1色のみの印刷の場合)、制御部10は、ヘッド8の移動方向を切り替えるとき、ヘッド8を回転部8aに回転させないようにしてもよい。
さらに、制御部10は、ヘッド8をY軸方向でノズル列長8nだけ移動させる(ステップ#914)。インク印刷範囲i1のうち、未印刷の部分を印刷するためである。搬送方向(Y軸方向)の下流側からインク印刷範囲i1の印刷を開始する場合、制御部10は、ヘッド8を搬送方向(Y軸方向)の上流側にずらす。インク印刷範囲i1を搬送方向(Y軸方向)の上流側から印刷する場合、制御部10は、ヘッド8を搬送方向(Y軸方向)の下流側にずらす。なお、次の描画のためにX軸方向でヘッド8の位置をずらす必要がある場合、制御部10は、X軸方向のヘッド8の位置を移動部12に調整させる。そして、ステップ♯914の後、フローは、ステップ♯92に戻る。往路の印刷が再開される。
(搬送印刷モードでの印刷)
次に、図24、図25を用いて、実施形態に係る搬送印刷モードでの印刷の一例を説明する。図24、図25は実施形態に係る搬送印刷モードでの印刷の一例を示す図である。
搬送中の記録媒体7に印刷するとき、搬送印刷モードが選択される。搬送印刷モードでは、ヘッド8を記録媒体7にあわせてY軸方向で移動させつつ印刷が行われる。
搬送印刷モードでは、基準待機位置P1は、Y軸方向では、ヘッド8の移動可能範囲の最上流の位置とできる。印刷する部分がインク吐出装置1の印刷可能範囲に入ってきてすぐに、印刷を開始できるためである。X軸方向に移動させるだけで印刷を開始することができる。速やかに印刷を開始することができる。基準待機位置P1は、X軸方向については、インクがたれても、記録媒体7に落ちない位置とする。そのため、X軸方向では、基準待機位置P1は、ヘッド8が記録媒体7よりも外側にある位置とする。なお、版装置2とヘッド8の移動可能範囲は重ならない。ヘッド8は版装置2とぶつからない。ヘッド8は版装置2の上側に位置しない。
また、搬送印刷モードでは、印刷開始位置は、基準待機位置P1からX軸方向にヘッド8を移動させた位置となる。搬送印刷モードでは、ヘッド8の回転角度は基準角度とされる。搬送印刷モードでも、制御部10は、インク印刷用画像データD2又はインク吐出用画像データに基づき、ヘッド8のX軸方向とY軸方向での印刷開始位置を定める。具体的に、インク印刷用画像データD2又はインク吐出用画像データに基づき、制御部10は、単位印刷範囲E1内のうち、インクで印刷する部分(インク印刷範囲i1)を認識する。そして、制御部10は、1回目の描画移動でのX軸方向の印刷開始位置(X座標)を定める。
インク印刷範囲i1のY軸方向の幅がノズル列長8n以下のとき、例えば、制御部10は、インク印刷範囲i1のうちX軸方向で最も基準待機位置P1に近い画素と、インク印刷範囲i1に最も近いノズル列80が重なる位置をX軸方向での印刷開始位置とする。
一方、インク印刷範囲i1のY軸方向の幅がノズル列長8nを超えているとき、制御部10は、インク印刷範囲i1のY軸方向の下流側の端からノズル列長8n分上流側の部分のうち、基準待機位置P1に最も近い画素と、インク印刷範囲i1に最も近いノズル列80が重なる位置をX軸方向での印刷開始位置とする。
[搬送印刷モード+片道印刷モード]
図24を用いて、搬送印刷モードかつ片道印刷モードでの単位印刷範囲E1の印刷の流れの一例を説明する。記録媒体7は複数の単位印刷範囲E1で区切られる。1つの単位印刷範囲E1ごとに、制御部10は、図24の処理を行う。
まず、制御部10は、移動部12に準備移動を行わせる(ステップ#101)。この場合、制御部10は、X軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。準備移動では、制御部10は、ヘッド8をY軸方向で移動させない。なお、準備移動の前に、制御部10は、ヘッド8の回転角度を回転部8aに基準角度とさせる。また、制御部10は、今回印刷する単位印刷範囲E1がヘッド8の移動可能範囲に入る前から移動部12に準備移動を開始させてもよい。
準備移動の完了後、制御部10は描画移動を開始させる(ステップ#102)。制御部10は、第1方向に向けてヘッド8を移動させる。第1方向はX軸方向である。また、第1方向は、ヘッド8が基準待機位置P1から離れる方向である。なお、制御部10は、描画移動時のヘッド8の角度を基準角度とする。
インク印刷範囲i1のY軸方向の幅がノズル列長8n以下の場合、インク印刷範囲i1の全体がヘッド8の印刷可能範囲内に入るまで記録媒体7が搬送されたとき、制御部10は、描画移動を開始させる。インク印刷範囲i1のY軸方向の幅がノズル列長8nを超えている場合、インク印刷範囲i1のY軸方向の下流側の端からノズル列長8n分上流側に遡った画素がヘッド8の印刷可能範囲内に入ったとき、制御部10は、描画移動を開始させる。
そして、制御部10は、インク吐出用画像データに基づき、インクをヘッド8に吐出させる(ステップ♯103)。言い換えると、インク吐出用画像データに基づき、制御部10は、インクをのせるべき画素(記録媒体7)にインクの液滴を着弾させる。
ここで、Y軸方向でのドット(ライン)の位置がずれないようにする必要がある。制御部10は、Y軸方向でもヘッド8を移動部12に移動させつつ、インク吐出をヘッド8に行わせる(ステップ#103)。制御部10は、記録媒体7の搬送方向下流側に向けてヘッド8を移動させる。制御部10は、搬送される記録媒体7にあわせて、描画移動中、Y軸方向での記録媒体7とヘッド8の相対速度がゼロとなるように、ヘッド8を第3移動機構Cに移動させる。言い換えると、制御部10は、記録媒体7の搬送速度と同じ速度でヘッド8をY軸方向で移動部12に移動させる。
これにより、描画移動中、記録媒体7に対するY軸方向でのヘッド8(ノズル81)の位置が固定される。速度センサー14の出力に基づき、制御部10は、記録媒体7の搬送速度を認識する。制御部10は、ヘッド8のY軸方向の移動速度と記録媒体7の搬送速度を一致させる。なお、描画移動の開始後、インク印刷範囲i1の印刷が完了するまで、制御部10は、Y軸方向でヘッド8を移動部12(第3移動機構C)に移動させる。
やがて、第1方向の描画移動でのインク吐出が完了した時点で、制御部10は、X軸方向での移動を停止させる(ステップ#104)。なお、フローのループにより、描画移動の方向が第2方向になっているとき、第2方向の描画移動でのインク吐出が完了した時点で、制御部10は、ヘッド8を停止させる。
そして、制御部10は、今回の描画移動で単位印刷範囲E1の印刷が完了したか否かを確認する(ステップ#105)。単位印刷範囲E1の印刷が完了したとき(ステップ#105のYes)、制御部10は、移動部12に回帰移動を行わせる(ステップ#106)。そして、本フローは終了する(エンド)。回帰移動は、基準待機位置P1にヘッド8を戻す移動である。回帰移動は、停止印刷モードと同様であるので、説明を省略する。
単位印刷範囲E1の印刷が完了していないとき(ステップ♯105のNo)、制御部10は、速度優先モードと品質優先モードのうち、品質優先モードが選択されているか否かを確認する(ステップ#107)。品質優先モードが選択されているとき(ステップ#107のYes)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させる(ステップ#108)。インク印刷範囲i1のうち、未印刷の部分の印刷を継続するためである。なお、印刷に用いるノズル列80が1列のみの場合(1色のみの印刷の場合)、制御部10は、ヘッド8の移動方向を切り替えるとき、ヘッド8を回転部8aに回転させないようにしてもよい。
そして、制御部10は、記録媒体7との相対位置(距離)がノズル列長8nだけずれるように、ヘッド8をY軸方向で移動させる(ステップ#109)。インク印刷範囲i1のうち、未印刷の部分を印刷するためである。一方、速度優先モードが選択されているとき(ステップ#107のNo)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させずに、ステップ#109に移行する。
ヘッド8の移動後、制御部10は、次の描画移動をヘッド8と移動部12(第2移動機構B)に開始させる(ステップ♯1010)。ヘッド8の移動方向は、第2方向(逆方向)となる。なお、フローのループにより、直前の描画移動の方向が第2方向の場合がある。この場合、次の描画移動の方向は、第1方向となる。次の描画移動でも、制御部10は、記録媒体7の搬送速度と同じ速度で、ヘッド8をY軸方向に移動させる。そして、フローは、ステップ♯103に戻る。
[搬送印刷モード+往復印刷モード]
次に、図25を用いて、搬送印刷モードかつ往復印刷モードでの単位印刷範囲E1の印刷の流れの一例を説明する。1つの単位印刷範囲E1ごとに、制御部10は、図25の処理を行う。なお、搬送印刷モードかつ往復印刷モードでは、制御部10は、ヘッド8の角度を基準角度で固定する。
往復印刷モードでの基準待機位置P1、印刷開始位置は、片道印刷モードと同様である。まず、制御部10は、移動部12に準備移動を行わせる(ステップ#111)。この場合、制御部10は、X軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。準備移動では、制御部10は、ヘッド8をY軸方向で移動させない。なお、準備移動の前に、制御部10は、ヘッド8の回転角度を回転部8aに基準角度とさせる。また、制御部10は、今回印刷する単位印刷範囲E1がヘッド8の移動可能範囲に入る前から移動部12に準備移動を開始させてもよい。
準備移動の完了後、制御部10は往路の描画移動を開始させる(ステップ#112)。搬送印刷モードでは、全てのインク印刷範囲i1が完了するまで、制御部10は、ヘッド8をY軸方向(搬送方向)で移動させ続ける。
往路の描画移動では、制御部10は、X軸方向でも移動部12にヘッド8を移動させる。なお、制御部10は、描画移動時のヘッド8の角度を基準角度とする。制御部10は、インク吐出用画像データに基づき、インクを吐出して印刷する。言い換えると、インク吐出用画像データに基づき、制御部10は、インクをのせるべき画素(記録媒体7)にインクの液滴を着弾させる。
インク印刷範囲i1のY軸方向の幅がノズル列長8n以下の場合、インク印刷範囲i1の全体がヘッド8の印刷可能範囲内に入るまで記録媒体7が搬送されたとき、制御部10は、描画移動を開始させる。インク印刷範囲i1のY軸方向の幅がノズル列長8nを超えている場合、インク印刷範囲i1のY軸方向の下流側の端からノズル列長8n分上流側に遡った画素がヘッド8の印刷可能範囲内に入ったとき、制御部10は、描画移動を開始させる。
Y軸方向でのドット(ライン)の位置がずれないように、制御部10は、Y軸方向でもヘッド8を移動部12に移動させつつ、インク吐出をヘッド8に行わせる(ステップ#113)。制御部10は、搬送される記録媒体7にあわせてヘッド8を移動させる。描画移動中、制御部10は、Y軸方向での記録媒体7とヘッド8の相対速度がゼロとなるように、ヘッド8を第3移動機構Cに移動させる。記録媒体7に対するY軸方向でのヘッド8(ノズル81)の位置が固定される。速度センサー14の出力に基づき、制御部10は、記録媒体7の搬送速度を認識する。制御部10は、ヘッド8のY軸方向の移動速度と記録媒体7の搬送速度を一致させる。
やがて、第1方向(往路)の描画移動でのインク吐出が完了した時点で、制御部10は、X軸方向でのヘッド8の移動を停止させる(ステップ#114)。次に、制御部10は、速度優先モードと品質優先モードのうち、品質優先モードが選択されているか否かを確認する(ステップ#115)。品質優先モードが選択されているとき(ステップ#115のYes)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させる(ステップ#116)。インク印刷範囲i1のうち、未印刷の部分の印刷を継続するためである。
一方、速度優先モードが選択されているとき(ステップ#115のNo)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させずに、ステップ#117に移行する。なお、制御部10は、記録媒体7の搬送速度と同じ速度で、Y軸方向でヘッド8を移動部12に移動させ続けている。この場合、ヘッド8の移動方向は、搬送方向下流側である。
ステップ♯115のNoの場合、又は、ステップ♯116の後、制御部10は復路の描画移動(ヘッド8の移動)を開始させる(ステップ#117)。制御部10は、第2方向で移動部12にヘッド8を移動させる。第2方向は、第1方向と平行、かつ、逆方向である。第2方向はX軸方向である。また、第2方向はヘッド8が基準待機位置P1に近づく方向である。なお、制御部10は、往路と復路で、記録媒体7に対するY軸方向でのヘッド8の位置を変えない。言い換えると、制御部10は、往路と復路で記録媒体7に対するヘッド8のY軸方向の相対位置を移動させない。
復路の描画移動の開始にあわせ、制御部10は、インク吐出用画像データに基づき、復路での印刷をヘッド8に行わせる(ステップ♯118)。復路でも、制御部10は、インク吐出をヘッド8に行わせる。復路でも、インク吐出用画像データに基づき、制御部10は、インクをのせるべき画素(スクリーン版22で印刷されない部分)にインクの液滴を着弾させる。
第2方向(復路)の描画移動でのインク吐出が完了した時点で、制御部10は、ヘッド8のX軸方向での移動を一時停止させる(ステップ#119)。復路の描画移動の終了にあわせ、制御部10は、単位印刷範囲E1の印刷が完了したか否かを確認する(ステップ#1110)。(ステップ#1110のYes)、制御部10は、移動部12に回帰移動を行わせる(ステップ#1111)。そして、本フローは終了する(エンド)。回帰移動は、基準待機位置P1にヘッド8を戻す移動である。回帰移動は、停止印刷モードと同様であるので、説明を省略する。
単位印刷範囲E1の印刷が完了していないとき(ステップ♯1110のNo)、制御部10は、速度優先モードと品質優先モードのうち、品質優先モードが選択されているか否かを確認する(ステップ#1112)。品質優先モードが選択されているとき(ステップ#1112のYes)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させる(ステップ#1113)。制御部10は、記録媒体7との相対位置(距離)がノズル列長8nだけずれるように、ヘッド8をY軸方向で移動させる(ステップ#1114)。インク印刷範囲i1のうち、未印刷の部分を印刷するためである。一方、速度優先モードが選択されているとき(ステップ#1112のNo)、制御部10は、ヘッド8を180度回転部8aに回転させずに、ステップ#1114に移行する。ステップ♯1114の後、フローは、ステップ♯112に戻る。ステップ♯112に戻ることにより、未印刷部分への往路の印刷が開始される。
なお、記録媒体7の搬送速度に応じて、インク吐出の基準周期とヘッド8のX軸方向の移動速度を変えてもよい。記録媒体7の搬送速度が速いほど、規定距離F1の搬送時間が短くなる。記録媒体7の搬送が停止する前に単位印刷範囲E1の印刷を終えるため、制御部10は、駆動信号S1の周期を短くしてもよい。また、制御部10は、X軸方向でのヘッド8の移動速度を早くしてもよい。つまり、記録媒体7が1ドット分移動するごとに、ヘッド8が1回インク吐出するように、制御部10は、駆動信号S1とヘッド8のX軸方向の移動速度を調整してもよい。
駆動信号S1の周期が短いほど(ヘッド8のX軸方向の移動速度が速いほど)、ノズル81からの単位時間におけるインク吐出量が多くなる。駆動信号S1の周期が長く、ヘッド8のX軸方向の移動速度が遅いほど、ノズル81からの単位時間におけるインク吐出量が少なくなる。単位時間におけるインク吐出量が少ないほど、制御部10は、記録媒体7に印刷される画像の濃度を高めるため、インク吐出量を増やしてもよい。
なお、搬送印刷モードと停止印刷モードを組み合わせてもよい。例えば、制御部10は、搬送印刷モードで単位印刷範囲E1の印刷を開始する。そして、単位印刷範囲E1のうち、制御部10は、記録媒体7の搬送停止までに印刷できなかった部分を停止印刷モードで印刷してもよい。
(ノズル81と印刷面71の間隔の設定)
次に、図26〜図28を用いて、実施形態に係るノズル81と印刷面71の間隔の設定の一例を説明する。図26は、実施形態に係る定義データD4の一例を示す。図27は、実施形態に係る画像種類選択画面151の一例を示す。図28は、実施形態に係る平滑レベル選択画面152の一例を示す。
印刷面71に対してZ軸方向でヘッド8を動かすことができる。Z軸方向は、記録媒体7の印刷面71に対して垂直な方向である。従って、インク吐出装置1は、記録媒体7の印刷面71とノズル81の間隔を調整できる。制御部10は、印刷する画像又は記録媒体7に応じて、吐出時間隔を設定する。吐出時間隔は、インク吐出中(単位印刷範囲E1の印刷中)のノズル81と印刷面71との間隔である。制御部10は、設定した吐出時間隔となるように、印刷面71に対してZ軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。吐出時間隔の設定手法は複数用意される。
1.印刷設定情報D3に基づく間隔の設定
制御部10は、情報処理装置200から受信した印刷設定情報D3に基づき、吐出時間隔を設定してもよい。印刷設定情報D3は、インク印刷用画像データD2に含まれる。印刷設定情報D3はインク印刷用画像データD2と関連付けられている。
印刷設定情報D3は、ドライバーソフトウェア203で設定された情報を含む。印刷設定情報D3が画像の種類を示す情報を含む場合、制御部10は、印刷設定情報D3で定義された画像の種類に基づき、吐出時間隔を設定できる。
画像の種類に応じて吐出時間隔を設定するため、記憶部11に定義データD4を不揮発的に記憶させてもよい(図12参照)。定義データD4は、画像の種類ごとに、吐出時間隔を定義したデータである。図26は定義データD4の一例を示す。図26の定義データD4では、画像の種類が記号列のとき、吐出時間隔を5mmとする定義がなされている。なお、記号には、文字、数字が含まれる。記号列としては、例えば、社名、メールアドレス、電話番号、日時が含まれる。記号列は、文字、数字を主体とし、文字、数字を並べたものである。
また、図26の定義データD4では、画像の種類が2次元コードや図柄(模様)のとき、吐出時間隔を1mmとする定義がなされている。2次元コードは、例えば、QRコード(登録商標)である。また、図26の定義データD4では、画像の種類が1次元コードのとき、吐出時間隔を3mmとする定義がなされている。1次元コードは、例えば、バーコードである。なお、定義データD4は、2次元コード、1次元コード、記号列以外の画像の種類とその吐出時間隔の定義を含んでもよい。
印刷面71とノズル81の間隔が広いほど、吐出から着弾までの時間が長くなる。吐出から着弾までの時間が長いほど、重力や空気流によるインクの液滴への影響は、大きくなる。そのため、印刷面71とノズル81の間隔が広いほど、インクの着弾位置が狙いの位置からずれやすい。一方、印刷面71とノズル81の間隔が狭いほど、精密な画像を印刷することができる。
そこで、精密に印刷すべき画像ほど、吐出時間隔が狭くなるように、定義データD4は定義されてもよい。例えば、2次元コードはドット(ブロック)を複数含む。ブロックの大きさと組み合わせに基づき、コードに含まれる情報が得られる。ブロックの境界が不鮮明なとき、あるいは、ブロックの大きさが不適切なとき、2次元コードから情報を正しく読み取れないことがある。そこで、画像の種類が2次元コードの場合、最小レベルの吐出時間隔となるように、定義データD4を定義する。また、図柄も詳細、精密に印刷されることが好ましい。そこで、画像の種類が図柄の場合、最小レベルの吐出時間隔となるように、定義データD4を定義する。
印刷面71とノズル81の間隔が狭い場合、ノズル81に記録媒体7が衝突しやすくなる。記録媒体7の印刷面71は平担とは限らない。凹凸がある記録媒体7もある。記録媒体7とノズル81が接触する可能性はゼロではない。印刷面71のノズル81への接触が繰り返されると、ノズル81(ヘッド8)が故障するおそれがある。接触防止の観点からみれば、印刷面71とノズル81の距離は離れているほうが好ましい。
そこで、定義データD4では、精密な印刷の必要性が少ない画像ほど、吐出時間隔が広く設定されてよい。例えば、記号列(文字列)はベタ部分が多い。インクの着弾位置が多少ずれても、問題はない。また、着弾位置の適度なばらつきにより、色ムラが生じにくくなる場合がある。図26は、画像の種類が記号列の場合、吐出時間隔を広めにする定義データD4の一例を示す。1次元コードはスキャンされる。そのため、1次元コードは、ある程度、精密な印刷が必要である。一方、1次コードでは、2次元コードほど精密な印刷は不要である。図26は、画像の種類が1次元コードの場合、記号列よりも吐出時間隔を狭く、かつ、2次元コードよりも吐出時間隔を広くする定義データD4の一例を示す。
なお、印刷設定情報D3は、吐出時間隔の値そのものを含んでもよい。この場合、情報処理装置200の入力デバイス205は、吐出時間隔の数値入力を受け付ける。ドライバーソフトウェア203に基づき、処理部201は、数値入力された吐出時間隔を含む印刷設定情報D3(インク印刷用画像データD2)を生成する。基本画像データD0に関連付けられた印刷設定情報D3が吐出時間隔の値を示す情報を含むとき、制御部10は、印刷設定情報D3に含まれる値に基づき、吐出時間隔を設定する。
2.基本画像データD0に基づく吐出時間隔の設定
制御部10は、受信したインク印刷用画像データD2に基づき、吐出時間隔を設定してもよい。この場合、制御部10は、インク印刷用画像データD2を解析する。そして、制御部10は、インク印刷用画像データD2に含まれる画像の種類を判定する。そして、制御部10は、判定した画像の種類と定義データD4に基づき吐出時間隔を設定してもよい。
例えば、制御部10は、インク印刷用画像データD2に2次元コードの画像が含まれるか否かを確認する。例えば、制御部10は、2次元コードの規格で必須の図形が基本画像データD0に含まれているか否かを確認する。必須図形が含まれているとき、制御部10は、画像の種類は、2次元コードであると判定する。この場合、制御部10は、2次元コードの画像に対応する吐出時間隔を設定する。
2次元コードの画像が含まれていないとき、制御部10は、インク印刷用画像データD2に1次元コードの画像が含まれるか否かを確認してもよい。例えば、制御部10は、1次元コードの規格で定められた本数の平行な直線がインク印刷用画像データD2に含まれているか否かを確認する。規格で定められた本数の平行な直線が含まれているとき、制御部10は、画像の種類は、1次元コードであると判定する。この場合、制御部10は、1次元コードの画像に対応する吐出時間隔を設定する。
2次元コード、1次元コードの何れもが含まれていないとき、さらに、制御部10は、インク印刷用画像データD2に記号列(文字列)の画像が含まれるか否かを確認してもよい。例えば、制御部10は、インク印刷用画像データD2がアルファベットを含むか否かを確認する。アルファベットが含まれているとき、制御部10は、画像の種類は、記号列と判定してもよい。この場合、制御部10は、記号列の画像に対応する吐出時間隔を設定する。
インク印刷用画像データD2に2次元コード、1次元コード、記号列の何れもが含まれないとき、制御部10は、画像の種類が図柄と判定してもよい。制御部10は、図柄に対応する吐出時間隔を設定する。
なお、2次元コード、図柄、1次元コード、記号列のうち、複数がインク印刷用画像データD2に含まれるとき、制御部10は、画像の種類に応じた吐出時間隔のうち、最小又は最大の吐出時間隔を適用してもよい。
3.操作パネル15による吐出時間隔の設定
操作パネル15が印刷する画像の種類の選択を受け付けてもよい。所定の操作がなされたとき、制御部10は、画像種類選択画面151を表示パネル15aに表示させる。使用者は、画面をタッチして、画像の種類を選択する。
図27は、画像種類選択画面151の一例を示す。図27に示す画像種類選択画面151では、4種類の中から1つを選択することができる。第1選択ボタンB1、第2選択ボタンB2、第3選択ボタンB3、第4選択ボタンB4が画像種類選択画面151内に表示される。画像が記号列のとき、使用者は第1選択ボタンB1を操作する。画像が1次元コードのとき、使用者は第2選択ボタンB2を操作する。画像が2次元コードのとき、使用者は、第3選択ボタンB3を操作する。画像が図柄のとき、使用者は、第4選択ボタンB4を操作する。
定義データD4には、選択可能な画像(各ボタン)に対応する吐出時間隔が定義される。例えば、記号列の画像の吐出時間隔は5mmとされる。1次元コードの画像の吐出時間隔は3mmとされる。2次元コードと図柄の画像の吐出時間隔は1mmとされる。制御部10は、操作パネル15で選択された画像の種類と定義データD4に基づき、吐出時間隔を設定する。記号列、1次元コード、2次元コード、図柄以外の画像の種類を選択できるようにしてもよい。
制御部10は、記号列が選択されたとき、吐出時間隔を第1間隔に設定する。1次元コードが選択されたとき、制御部10は、吐出時間隔を第1間隔よりも狭い第2間隔に設定する。2次元コードと図柄が選択されたとき、吐出時間隔を第2間隔よりも狭い第3間隔に設定する。第1間隔>第2間隔>第3間隔の関係が維持されれば、第1間隔は5mm以外でもよい。同様に、第2間隔は3mm以外でもよい。第3間隔は1mm以外でもよい。
4.記録媒体7の表面の平滑レベルに基づく吐出時間隔の設定
ライン(搬送装置3)で搬送される記録媒体7は、変わることがある。例えば、布の種類が変わることがある。例えば、記録媒体7の材質、大きさ、表面の滑らかさが変わることがある。表面が粗いほどインクが滲む。一方、表面が粗い場合、インクの着弾位置を意図的にずらす方が、ムラの少ない画像を印刷できる場合がある。記録媒体7の表面の細かな凹みにもインクをしみこませられるためである。また、記録媒体7の表面が滑らかなほど、インクの着弾位置のずれが目立ちやすい傾向がある。
そこで、操作パネル15は、記録媒体7の表面の平滑レベルの設定を受け付けてもよい。所定の操作がなされたとき、制御部10は、平滑レベル選択画面152を表示パネル15aに表示させる。使用者は画面をタッチして、記録媒体7の印刷面71の状態を選択する。
図28は、平滑レベル選択画面152の一例を示す。図28に示す平滑レベル選択画面152では、3種類(3つのレベル)の中から1つを選択することができる。第5選択ボタンB5、第6選択ボタンB6、第7選択ボタンB7が平滑レベル選択画面152内に表示される。記録媒体7の表面の平滑レベルが高い(滑らかである)記録媒体7を印刷する場合、第5選択ボタンB5が操作される。記録媒体7の表面の平滑レベルが通常の記録媒体7を印刷する場合、第6選択ボタンB6が操作される。記録媒体7の表面の平滑レベルが低い(粗い)記録媒体7を印刷する場合、第7選択ボタンB7が操作される。
各平滑レベルに対応する吐出時間隔がそれぞれ、予め定められる。言い換えると、選択ボタンに対応する吐出時間隔が予め定められている。例えば、第7選択ボタンB7に対応する吐出時間隔は5mmとされる。第6選択ボタンB6に対応する吐出時間隔は3mmとされる。第5選択ボタンB5に対応する吐出時間隔は1mmとされる。制御部10は、操作パネル15で選択された平滑レベルに応じて、吐出時間隔を設定する。制御部10は、設定された平滑レベルが高いほど、吐出時間隔を狭くする。制御部10は、設定された平滑レベルが低いほど、吐出時間隔を狭くする。
(Z軸方向のヘッド8の移動制御)
次に、図29を用いて、実施形態に係るヘッド8のZ軸方向の移動制御の一例を説明する。図29は、実施形態に係るヘッド8のZ軸方向の移動の流れの一例を示す図である。
図29のスタートは、インク吐出装置1を用いて印刷を開始する時点である。言い換えると、単位印刷範囲E1への印刷を開始する時点である。
開始時点では、制御部10は、ヘッド8のZ軸方向の位置を衝突回避位置としている(ステップ♯121)。制御部10はヘッド8を第1移動機構Aに移動させる。衝突回避位置は、印刷面71からノズル81が十分離れた位置である。記録媒体7に揺れや膨らみがあっても、記録媒体7とノズル81とが接しない位置である。衝突回避位置は、適宜定めることができる。衝突回避位置は、Z軸方向でのノズル81と印刷面71の間隔が吐出時間隔の最大値の2倍〜数倍程度となる位置としてもよい。衝突回避位置は、ヘッド8と記録媒体7が十分離れていればよい。なお、X軸方向とY軸方向の位置は、基準待機位置P1となる。
続いて、制御部10は、インク印刷用画像データD2を認識する(ステップ♯122)。印刷設定情報D3、インク印刷用画像データD2、又は、操作パネル15での選択により、吐出時間隔を設定することができる。なお、制御部10は、操作パネル15での選択を優先する。
具体的に、使用者は、画像種類選択画面151、又は、平滑レベル選択画面152で選択を行い、吐出時間隔を設定できる。情報処理装置200からインク吐出装置1へのインク印刷用画像データD2の送信と、各選択画面での設定は、搬送装置3の記録媒体7の搬送開始前に行われる。
画像種類選択画面151と平滑レベル選択画面152の両方で選択が行われた場合、制御部10は、画像種類選択画面151での選択を優先してもよい。この場合、制御部10は、画像種類選択画面151で選択されたボタンに対応する吐出時間隔を設定する。また、平滑レベル選択画面152での選択を優先してもよい。この場合、制御部10は、平滑レベル選択画面152で選択されたボタンに対応する吐出時間隔を設定する。
各選択画面での選択がなかった場合、制御部10は、印刷設定情報D3に基づき、吐出時間隔を設定する。操作パネル15で選択しなくても、制御部10は、自動的に吐出時間隔を設定する。印刷設定情報D3に画像の種類を示す情報や、吐出時間隔を示す値が含まれていないとき、制御部10は、インク印刷用画像データD2を解析し、吐出時間隔を設定する。
間隔センサー17の出力に基づき、制御部10は、ノズル81と印刷面71の間隔の認識を開始する(ステップ♯123)。インク吐出装置1は間隔センサー46を含む(図5参照)。間隔センサーはノズル8151と印刷面7121の距離を測る。間隔センサーの出力に基づき、制御部10は、ノズル8151と印刷面7121のZ軸方向の距離を認識する。最初の単位印刷範囲E1への印刷の場合、間隔センサー17(ヘッド8)の前面に記録媒体7の印刷面71が来た時点から、制御部10は間隔の認識を開始する。
そして、制御部10は、単位印刷範囲E1の印刷開始前に位置合わせ処理を行う(ステップ♯124)。位置合わせ処理のとき、制御部10は、ヘッド8をZ軸方向で移動部12に移動させる。そして、制御部10は、ノズル81と印刷面71の間隔を設定した吐出時間隔とする。具体的に、制御部10は、間隔センサー17で検知される間隔が吐出時間隔となるように、ヘッド8を移動部12に移動させる。制御部10はヘッド8を記録媒体7に近づける。
やがて、ヘッド8による印刷(描画移動とインク吐出)が開始される(ステップ♯125)。単位印刷範囲E1での印刷中(描画移動中)、制御部10は、必要に応じて、Z軸方向でヘッド8を移動部12(第1移動機構A)に移動させる(ステップ♯126)。制御部10は間隔を吐出時間隔で保つ。
例えば、印刷中、制御部10は、間隔センサー17の出力の監視を続ける。認識した間隔が吐出時間隔からずれたとき、制御部10は、印刷面71に対してZ軸方向で移動部12にヘッド8を移動させる。言い換えると、間隔が吐出時間隔で保たれるように、間隔センサー17の出力に基づき、制御部10はフィードバック制御を行う。制御部10は、ヘッド8のZ軸方向の位置を記録媒体7の印刷面71の凹凸に追随させる。記録媒体7の印刷面71に凹凸があっても、ノズル81と記録媒体7が衝突しない。やがて、単位印刷範囲E1の印刷が完了する(ステップ♯127)。
単位印刷範囲E1の印刷が完了したとき、制御部10は、ヘッド8のZ軸方向の位置を衝突回避位置とする(ステップ♯128)。そして、制御部10は、全ての記録媒体7を印刷したか否かを確認する(ステップ♯129)。言い換えると、制御部10は、1ロール分の記録媒体7の印刷が完了したか否かを確認する。印刷を完了していないとき(ステップ♯129のNo)、フローはステップ♯124に戻る。次の単位印刷範囲E1の印刷に備え、制御部10は、ヘッド8のZ軸方向の位置を調整する。衝突回避位置への退避前や、衝突回避位置への退避から位置合わせ処理の間に、ヘッド8のフラッシング処理やワイプ処理が行われてもよい。印刷が完了したとき(ステップ♯129のYes)、制御部10は、間隔の認識を停止する(ステップ♯1210)。そして、本フローは終了する(エンド)。
(吐出時間隔に応じたインク吐出量の調整)
次に、図30を用いて、実施形態に係る印刷システム100でのインク吐出量の調整の一例を説明する。図30は、実施形態に係るインク吐出量データD5の一例を示す図である。
印刷システム100は、印刷面71に対してZ軸方向でヘッド8を移動できる。そのため、ノズル81と記録媒体7の印刷面71の間隔を自由に変えることができる。この点、従来の搬送ラインに設置される印刷システム100とは異なる。ここで、吐出時間隔が狭いほど、インクは狙いの位置に着弾しやすくなる。一方、吐出時間隔が広いほど、実際のインクの着弾位置は、狙いの位置からずれやすくなる。例えば、基本画像データD0上では着色されないドットにインクが着弾する場合がある。ずれにより、印刷される画像の濃度がうすく見える場合がある。
そこで、制御部10は、吐出時間隔が狭いほど、1ドットあたりのインク吐出量をヘッド8に少なくさせる。制御部10は、吐出時間隔が広いほど、1ドットあたりのインク吐出量をヘッド8に多くさせる。
ヘッド8は電圧生成回路84を含む(図6参照)。電圧生成回路84は、複数種の電圧を生成する。電圧生成回路84は予め設定された大きさの電圧を生成する。電圧生成回路84が生成する複数種の電圧のうち、駆動素子83に印加する電圧を選択できる。つまり、駆動素子83に印加する電圧を変化させることができる。
駆動素子83に印加する電圧の大きさにより、駆動素子83の変形量は変わる。駆動素子83の変形量に応じて、インクの流路に加わる圧力が変わる。変形量が大きいほど、圧力が大きくなる。従って、制御部10(ドライバー回路82)は、駆動素子83に印加する電圧の大きさを選択することにより、吐出されるインク(液滴)の量を変化させることができる。
図30は、実施形態に係るインク吐出量データD5の一例を示す図である。記憶部11はインク吐出量データD5を不揮発的に記憶する。インク吐出量データD5は、吐出時間隔が狭いほど、1ドットあたりのインク吐出量が少なくなるように定義される。また、吐出時間隔が広いほど、1ドットあたりのインク吐出量が多くなるように定義される。
図30は、吐出時間隔を3つの範囲に分類する例を示す。また、電圧生成回路84は、少なくとも3種類の電圧を生成できる例を示す。図30において、電圧V1<電圧V2<電圧V3の関係がある。そのため、インク吐出量(液滴の量)は、第1吐出量a1<第2吐出量a2<第3吐出量a3の関係がある。
図30のインク吐出量データD5によれば、吐出時間隔が1mmのとき、制御部10は、駆動素子83に電圧V1を印加させる。そして、制御部10は、ノズル81から吐出されるインクの量を第1吐出量a1とする。また、吐出時間隔が3mmのとき、制御部10は、駆動素子83に電圧V2を印加させる。制御部10は、ノズル81から吐出されるインクの量を第2吐出量a2とする。また、吐出時間隔が5mmのとき、制御部10は、駆動素子83に電圧V3を印加させる。そして、制御部10は、ノズル81から吐出されるインクの量を第3吐出量a3とする。制御部10はインク吐出量データD5を参照する。そして、設定した吐出時間隔に応じて、制御部10は、ヘッド8にインクを吐出させる。
なお、他の手法により、1ドット当たりのインク吐出量を調整するようにしてもよい。例えば、制御部10は、吐出時間隔に応じて、1ドットにインクを吐出するタイミング(回数)を変化させてもよい。例えば、吐出時間隔が0<W≦2mmのとき、制御部10は、1ドットに2回インクを吐出してもよい。また、吐出時間隔が2mm<W≦4mmのとき、制御部10は、1ドットに3回インクを吐出してもよい。また、吐出時間隔が4mm<Wのとき、制御部10は1ドットに4回インクを吐出してもよい。高速にインクを吐出するため、制御部10は吐出時間隔が広いほど駆動信号S1の周波数を高くしてもよい。
(印刷面71の撮影に基づく印刷)
次に、図31〜図33を用いて、実施形態に係る印刷システム100での印刷面71の撮影に基づく印刷の一例を説明する。図31は、実施形態に係る印刷システム100での印刷面71の撮影に関連する部分の一例を示す図である。図32は、実施形態に係る画像自動付加モードの流れの一例を示す図である。図33は、実施形態に係るコピーモードの流れの一例を示す図である。
インク吐出装置1は、記録媒体7の印刷面71を読み取る読取装置18を含む(図1参照)。読取装置18は、インク吐出装置1と別に設けられてもよい。読取装置18はカメラを含む。読取装置18は、搬送ライン上の記録媒体7を撮影する。例えば、読取装置18は印刷システム100が印刷可能な範囲を撮影する。
図31に示すように、読取装置18は、レンズ18a、イメージセンサー18b、カメラモジュール18cを含む。カメラモジュール18cはイメージセンサー18bが出力する画像信号に基づき、撮影データD7を生成する。読取装置18は撮影で得られた撮影データD7を記憶部11に送信する。記憶部11は撮影データD7を記憶する。
インク吐出装置1は、撮影に基づく印刷モードとして、画像自動付加モードと、コピーモードを有する。画像自動付加モードで印刷するか、コピーモードで印刷するかを操作パネル15で選択することができる。操作パネル15は、画像自動付加モードで印刷するか、コピーモードで印刷するかの選択を受け付ける。
1.画像自動付加モード
画像自動付加モードは、記録媒体7に付された特定画像に基づき、特定画像に対応付けられた画像をインク吐出装置1を用いて記録媒体7に印刷するモードである。また、画像自動付加モードは、記録媒体7に付された特定マークに基づき、特定マークに対応付けられた画像をインク吐出装置1を用いて記録媒体7に印刷するモードである。画像自動付加モードは、記録媒体7に特定画像、特定マークが付されているとき、制御部10は、紐付けられた画像を印刷面71に自動的にヘッド8に印刷させる。特定画像、特定マークは、記録媒体7に印刷されたものに限られない。特定画像、特定マークは、例えば、シールでもよい。
例えば、使用言語を示す特定画像が付されているとき、インク吐出装置1は、特定画像に対応する言語の文字列を自動的に印刷する。印刷システム100を用いて仕向地が異なる記録媒体7を印刷する場合でも、仕向地に適合する文字列を自動的に印刷することができる。情報処理装置200や操作パネル15で、逐一、使用言語や、使用するインク印刷用画像データD2を指定しなくてすむ。
例えば、ヨーロッパ向けを示す三角形のマークが特定マークとして付されているとき、インク吐出装置1はヨーロッパ向け製品であることを示す画像を自動的に印刷する。インク吐出装置1を用いて、適切な画像を自動的に印刷することができる。情報処理装置200や印刷システム100で、逐一、仕向地を示す画像を指定しなくてすむ。
図32を用いて、画像自動付加モードでの印刷の流れの一例を示す図である。図32のスタートは、例えば、操作パネル15で画像自動付加モードでの印刷を指示した時点である。まず、制御部10は、読取装置18に撮像を開始させる(ステップ♯131)。読取装置18は、停止している又は通過していく記録媒体7を撮影する。
ここで、記憶部11は、判定用データD8を記憶する。判定用データD8は、特定画像、特定マークが記録媒体7に付されているか否かを判定するためのデータである(図31参照)。判定用データD8は、特定画像、特定マークごとに用意される。制御部10は、判定用データD8に基づき、記録媒体7に特定画像、特定マークが付されているか否かを確認する。
判定用データD8は、特定画像、又は、特定マークを示す画像データとして、判定用画像データD9を含む。例えば、特定画像が型番を示す数字のとき、判定用画像データD9は、型番を示し、数字を含む基本画像データD0である。
判定用データD8は自動基本画像データD0D10を含む。自動基本画像データD0D10は、特定画像、特定マークに対応して印刷する画像の基本画像データD0である。また、判定用データD8は、自動印刷情報D11を含む。自動印刷情報D11は、自動基本画像データD0D10について、単位印刷範囲E1における基準待機位置P1、印刷解像度、吐出時間隔の情報を含む。特定画像、特定マーク中の特徴点からのX軸方向とY軸方向の距離を基準待機位置P1として設定することができる。特徴点は、例えば、特定画像、特定マークの右上隅、右下隅、左上隅、左下隅とできる。自動印刷情報D11は、情報処理装置200、又は、操作パネル15で設定することができる。
制御部10は、撮影データD7に特定画像、特定マークが含まれているか否かを判定する(ステップ♯132)。例えば、制御部10は、判定用画像データD9と撮影データD7のパターンマッチングを行う。そして、制御部10は、撮影データD7に特定画像、特定マークが含まれているか否かを判定する。
撮影データD7に特定画像及び特定マークが含まれていないと判定したとき(ステップ♯132のNo)、フローは、ステップ♯131に戻る。撮影データD7に特定画像、特定マークが含まれていると判定したとき(ステップ♯132のYes)、制御部10は、ヘッド8の位置合わせを移動部12に行わせる(ステップ♯133)。制御部10は、ヘッド8の位置を、特定画像、特定マークから自動印刷情報D11で定義された距離だけ離れた位置にあわせる。
ヘッド8の位置合わせができたとき、制御部10は、特定画像に対応する画像、又は、特定マークに対応する画像をヘッド8に印刷させる(ステップ♯134)。制御部10は、特定画像に対応する自動基本画像データD0D10に基づき、印刷を行わせる。あるいは、制御部10は、特定マークに対応する自動基本画像データD0D10に基づき、印刷を行わせる。これにより、特定画像に紐付けられた画像、又は、特定マークに紐付けられた画像を自動的に印刷することができる。印刷後、フローは、ステップ♯131に戻る。
2.コピーモード
コピーモードは、見本の記録媒体7を撮像し、見本と同様の画像を自動的に印刷面71に印刷するモードである。コピーモードを用いることにより、情報処理装置200で基本画像データD0を編集しなくても、見本と同様の印刷を無地の記録媒体7に付すことができる。
図33を用いて、コピーモードでの印刷の流れの一例を示す図である。図28のスタートは、例えば、操作パネル15でコピーモードでの印刷を指示した時点である。まず、制御部10は、読取装置18に見本の撮像を行わせる(ステップ♯141)。使用者は、読取装置18の撮像範囲に見本を置く。使用者は、全体が撮像されるように見本をセットする。セット後、使用者は、操作パネル15で撮像ボタンを操作する。言い換えると、使用者は、見本を撮影するためのシャッターをきる。
読取装置18は見本の撮影データD7を生成する(ステップ♯142)。記憶部11は見本の撮影データD7を記憶する(ステップ♯143)。制御部10は、見本の記録媒体7の撮影データD7に基づき、印刷に用いるインク印刷用画像データD2を生成する(ステップ♯144)。制御部10は、単位印刷範囲E1のサイズのインク印刷用画像データD2を生成する。さらに、制御部10は、生成したインク印刷用画像データD2ごとに、印刷設定情報D3を生成する(ステップ♯145)。制御部10は、インク印刷用画像データD2の種類に応じて、吐出時間隔を自動的に判定してもよい。
そして、見本の記録媒体7が撮影範囲から撤去される。制御装置4は、見本と同様の画像を印刷する記録媒体7の搬送を搬送装置3に開始させる(ステップ♯146)。制御部10は、生成したインク印刷用画像データD2と印刷設定情報D3に基づき、記録媒体7に印刷を行う(ステップ♯147)。以後、制御部10は、搬送される記録媒体7に見本と同様の印刷をヘッド8、移動部12に行わせる(エンド)。記録媒体7の後端が通過するまで、制御部10は、見本と同様の画像の記録媒体7への印刷をヘッド8に行わせる。
(変形例)
次に、図34〜図36を用いて、実施形態に係る印刷システム100の変形例を説明する。図34は変形例に係るヘッド8の一例を示す図である。図35は、変形例に係るインク吐出装置1の一例を示す図である。図36は、変形例に係るヘッド8の印刷面71Z軸方向の移動の流れの一例を示す図である。
実施形態に係るインク吐出装置1として、インク印刷用画像データD2に含まれる画像の種類や操作パネル15での設定に応じて、吐出時間隔を設定する例を説明した。そして、設定された吐出時間隔に応じて、間隔センサー17を用いて、ノズル81と印刷面71の間隔を調整する例を説明した。しかし、画像の種類に応じて吐出時間隔を変える必要が無い場合もある。このような場合、間隔センサー17を用いる必要はない。
変形例は、間隔センサー17を設けない例である。変形例は、間隔規制部材110を用いる。間隔規制部材110はノズル81と印刷面71の距離を安定させる。インク吐出中、間隔規制部材110の記録媒体7側の先端が記録媒体7と接する。間隔規制部材110は、ノズル81と印刷面71の間隔が下限値以下になることを防ぐ。下限値は適宜定められる。下限値は、例えば、1mm〜5mmの範囲のうち、何れかの長さとされる。
間隔規制部材110は、Z軸方向において、ノズル81(ヘッド8下面)よりも記録媒体7の印刷面71側に突出する。間隔規制部材110は、下限値の長さ分、突出する。ノズル81と記録媒体7が近づくように、ヘッド8又は記録媒体7が揺れても、間隔規制部材110はノズル81と記録媒体7の接触を防ぐ。間隔規制部材110はヘッド8の下面、又は、側面に取り付けられる。図34は、間隔規制部材110をヘッド8の側面に取り付ける例を示す。間隔規制部材110は記録媒体7と接する。一方、記録媒体7は搬送される。記録媒体7の表面を傷付けず、かつ、記録媒体7搬送の妨げ(摩擦)とならないように、間隔規制部材110はローラー又はボールとできる。間隔規制部材110は記録媒体7又はヘッド8のY軸方向の移動にあわせて回転する。
図35に示すように、間隔規制部材110は、間隔規制部材110と記録媒体7が接したことを検知するための接触センサー111を含む。例えば、接触センサー111は感圧式のセンサーである。間隔規制部材110と記録媒体7が接しているとき、接触センサー111は、接触時レベルの電圧を出力する。一方、間隔規制部材110と記録媒体7が接していないとき、接触センサー111は、非接触時レベルの電圧を出力する。制御部10は、接触センサー111の出力に基づき、間隔規制部材110と記録媒体7が接しているか否かを認識する。
次に、図36を用いて、変形例に係るインク吐出装置1のヘッド8のZ軸方向での移動制御の一例を説明する。図36のスタートは、単位印刷範囲E1の印刷を開始する時点である。まず、制御部10は、Z軸方向におけるヘッド8の位置を衝突回避位置とする(ステップ♯151)。続いて、制御部10は、印刷に用いる基本画像データD0を認識する(ステップ♯152)。
そして、制御部10は、印刷開始前に、押し当て処理を行う(ステップ♯153)。押し当て処理のとき、制御部10は、接触センサー111の出力が非接触時レベルから接触時レベルに変化するまで、Z軸方向でヘッド8を移動部12(第1移動機構A)に移動させる。言い換えると、制御部10は、ヘッド8を記録媒体7に近づける。制御部10は、ノズル81と印刷面71の間隔が下限値となるまでヘッド8を移動させる。
やがて、ヘッド8による印刷が開始される(ステップ♯154)。間隔規制部材110は、画像の印刷中、間隔が下限値未満とならないようにする。やがて、単位印刷範囲E1の印刷が完了する(ステップ♯155)。
そして、制御部10は、ヘッド8の印刷面71に対してZ軸方向の位置を衝突回避位置に戻す(ステップ♯156)。フラッシングやワイプのため、制御部10は、メンテナンス装置9までヘッド8を移動させてもよい。次に、制御部10は、全ての記録媒体7の印刷が完了したか否かを確認する(ステップ♯157)。言い換えると、制御部10は、1ロール分の記録媒体7の印刷が完了したか否かを確認する。印刷が完了していないとき(ステップ♯157のNo)、フローは、ステップ♯153に戻る。次の単位印刷範囲E1の印刷時、再度、押し当て処理がなされる。印刷が完了したとき(ステップ♯157のYes)、本フローは、終了する(エンド)。本フローが終了したとき、制御部10は、フラッシング、ワイプを行った後、ヘッド8にキャップ91を被せてもよい。
このようにして、実施形態及び変形例に係るインク吐出装置1は、版を用いて印刷する版装置2が設けられ、搬送装置3により搬送される記録媒体7の搬送ラインに対して追加と取り外しが可能である。又は、インク吐出装置1は、版を用いて印刷する版装置2が設けられ、搬送装置3により搬送される記録媒体7の搬送ラインに対して固定されている。
インク吐出装置1は着脱可能である。そのため、設置済の搬送ラインにインク吐出装置1を追加することができる。また、設置したインク吐出装置1を搬送ラインから取り外すこともできる。デジタル印刷を行うインク吐出装置1のみを市場に供給することができる。また、インク吐出装置1を搬送ラインに対して固定してもよい(取り外せないようにしてもよい)。この場合、インク吐出装置1や版装置2を含む装置一式を市場に供給することもできる。
また、インク吐出装置1は、ヘッド8、移動部12、制御部10を含む。ヘッド8は、インク印刷用画像データD2に基づき、搬送装置3が搬送する記録媒体7の印刷面71にノズル81からインクを吐出して画像を印刷する。移動部12は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向と垂直な方向であるX軸方向と、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向であるY軸方向でヘッド8を移動させる。制御部10は、移動部12を制御する。制御部10は、印刷を開始するとき、ヘッド8のX軸方向とY軸方向での印刷開始位置を定める。制御部10は、予め定められた基準待機位置P1から印刷開始位置までヘッド8を移動させる準備移動を移動部12に行わせる。準備移動のとき、制御部10は、X軸方向での移動に並行して、Y軸方向でもヘッド8を移動部12に移動させる。
基準待機位置P1から印刷開始位置に向けてヘッド8を移動させるとき、斜めにヘッド8を移動させることができる。X軸方向での移動を完了してからヘッド8のY軸方向の移動を開始する場合や、Y軸方向での移動を完了してからヘッド8のX軸方向の移動を開始する場合に比べ、ヘッド8の移動時間(準備移動に要する時間)を短くすることができる。準備移動に要する時間が短くなるので、インク吐出装置1の印刷動作時間を減らすことができる。インク吐出装置1の生産性を従来よりも高めることができる。
移動部12は、第1移動機構A、第2移動機構B、第3移動機構Cを含む。制御部10は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向で、ヘッド8を第1移動機構Aに移動させる。制御部10は、X軸方向でヘッド8を第2移動機構Bに移動させる。制御部10は、Y軸方向でヘッド8を第3移動機構Cに移動させる。記録媒体7に対し、立体的にヘッド8を移動させることができる。X軸方向、Y軸方向(搬送方向)、Z軸方向の3方向でヘッド8を移動させることができる。ヘッド8を所望の位置に移動させることができる。ヘッド8の移動方向の制限もない。
制御部10は、X軸とY軸のXY平面において、準備移動でのヘッド8の移動距離が最短になるように、斜めにヘッド8を移動させる。基準待機位置P1から印刷開始位置までの移動時間を短縮することができる。印刷開始位置までヘッド8を移動させるのに必要な時間が短くなる。インク吐出装置1の生産性を高めることができる。
制御部10は、準備移動のとき、ヘッド8のX軸方向での移動速度を、インク吐出時よりも速くする。インク吐出時よりも速い速度でヘッド8を移動させることができる。基準待機位置P1から印刷開始位置までの移動時間を短縮することができる。インク吐出装置1の生産性を高めることができる。
制御部10は、準備移動でのヘッド8の移動時間が最短になるように、X軸方向とY軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。基準待機位置P1から印刷開始位置までヘッド8を移動させる時間を最も短くすることができる。インク吐出装置1の生産性を最大限まで高めることができる。
制御部10は、準備移動のとき、X軸方向とY軸方向の両方で移動可能な最大速度でヘッド8を移動部12に移動させる。基準待機位置P1から印刷開始位置までヘッド8を移動させる時間を最も短くすることができる。インク吐出装置1の生産性を最大限まで高めることができる。
ヘッド8は、Y軸方向に沿って並べられた複数のノズル81を含むノズル列80を備える。ノズル列80は、Y軸方向と平行である。準備移動で記録媒体7の搬送方向の下流側に移動させる必要がある場合、制御部10は、X軸方向でのヘッド8の移動に並行して、搬送方向の下流側へのヘッド8の移動を移動部12に行わせる。準備移動で記録媒体7の搬送方向の上流側に移動させる必要がある場合、制御部10は、X軸方向でのヘッド8の移動に並行して、搬送方向の上流側へのヘッド8の移動を移動部12に行わせる。印刷開始位置にあわせてヘッド8をY軸方向(搬送方向)で移動させることができる。基準待機位置P1から印刷開始位置へのヘッド8の移動を速やかに終わらせることができる。
制御部10は、印刷開始位置がヘッド8をX軸方向でのみ移動させた位置のとき、印刷開始位置に向けて、X軸方向でのみヘッド8の移動を移動部12に行わせる。制御部10は、Y軸方向でのヘッド8の移動を移動部12に行わせない。Y軸方向での移動が必要ない場合、Y軸方向でヘッド8を移動させないようにすることができる。無駄な移動がないので、基準待機位置P1から印刷開始位置へのヘッド8の移動時間を短くすることができる。
制御部10は、搬送装置3が記録媒体7を搬送している間、ヘッド8を基準待機位置P1で待機させる。制御部10は、搬送装置3が記録媒体7の搬送を停止したとき、準備移動をしてからヘッド8に印刷を行わせる。記録媒体7の搬送が停止されたとき、ヘッド8を速やかに印刷開始位置に移動させることができる。記録媒体7の搬送停止にあわせ、印刷を速やかに開始することができる。インク吐出装置1の生産性(印刷速度)を高めることができる。
印刷が完了したとき、制御部10は、基準待機位置P1にヘッド8を戻す回帰移動を移動部12に行わせる。回帰移動のとき、制御部10は、X軸方向での移動に並行して、Y軸方向でもヘッド8を移動部12に移動させる。印刷終了後のヘッド8を基準待機位置P1まで、記録媒体7の搬送方向に対して斜めにヘッド8を移動させることができる。X軸方向での移動を完了してからY軸方向の移動を開始する場合や、Y軸方向での移動を完了してからX軸方向の移動を開始する場合に比べ、ヘッド8を基準待機位置P1に戻す時間(回帰移動に要する時間)を短くすることができる。回帰移動に要する時間が短くなるので、インク吐出装置1の印刷動作時間を減らすことができる。その結果、インク吐出装置1の生産性を従来よりも高めることができる。
制御部10は、X軸とY軸のXY平面において、回帰移動でのヘッド8の移動距離が最短になるように、斜めにヘッド8を移動させる。基準待機位置P1に戻す(退避させる)ためのヘッド8の移動時間を短縮することができる。基準待機位置P1までヘッド8を移動させるのに必要な時間が短くなる。インク吐出装置1の生産性を高めることができる。
制御部10は、回帰移動のとき、ヘッド8のX軸方向での移動速度を、インク吐出時よりも速くする。インク吐出時よりも速い速度でヘッド8を移動させることができる。ヘッド8を基準待機位置P1に戻す時間を短縮することができる。インク吐出装置1の生産性を高めることができる。
制御部10は、回帰移動でのヘッド8の移動時間が最短になるように、X軸方向とY軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。基準待機位置P1にヘッド8を戻す時間を最も短くすることができる。インク吐出装置1の生産性を最大限まで高めることができる。
制御部10は、回帰移動のとき、X軸方向とY軸方向の両方で移動可能な最大速度でヘッド8を移動部12に移動させる。基準待機位置P1にヘッド8を退避させる時間を最も短くすることができる。インク吐出装置1の生産性を最大限まで高めることができる。
印刷システム100は、インク吐出装置1と、記録媒体7を搬送する搬送装置3と、搬送装置3により搬送される記録媒体7を、版を用いて印刷する版装置2と、を備える。インク吐出装置1と版装置2を含むので、インクジェットによる印刷の利点と、版による印刷による利点を併せ持つ印刷システム100を提供することができる。例えば、複数色を含む細かい図柄やグラデーションをインクジェット吐出装置で印刷する印刷システム100を提供することができる。通常、1つの版で1色のみ印刷できるところ、版のみを用いて同様の印刷を行う場合に比べ、版枚数を減らすことができる。一方、インクジェットのみで記録媒体7を印刷する場合、濃度が出にくい場合や、色ムラがでる場合がある。ベタ部分のように色ムラを避けるべき部分には、版を用いて印刷することができる。高画質な印刷システム100を提供することができる。
本発明に係るインク吐出装置1は、ヘッド8、移動部12、回転部8a、制御部10を含む。ヘッド8は、インク印刷用画像データD2に基づき、ノズル81から搬送装置3に搬送される記録媒体7の印刷面71にインクを吐出して画像を印刷する。移動部12は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向であるY軸方向と、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向と垂直な方向であるX軸方向でヘッド8を移動させる。回転部8aは、ヘッド8を回転させる。制御部10は、移動部12と回転部8aを制御する。ヘッド8は、複数のノズル列80を備える。それぞれのノズル列80は、列状に並ぶ複数のノズル81を含む。それぞれのノズル列80は、吐出するインクの色が異なる。さらに、それぞれのノズル列80は、隣接するノズル列80と平行である。制御部10は、第1方向、又は、第1方向と逆方向である第2方向に向けて、描画のためにヘッド8を移動させる描画移動を移動部12に行わせる。制御部10は、描画移動中にインクを吐出させてヘッド8に印刷を行わせる。第1方向から第2方向、又は、第2方向から第1方向にヘッド8の移動方向を切り替えるとき、制御部10は、ヘッド8を回転部8aに180度回転させる。
第1方向から第2方向にヘッド8の移動方向を切り替えるとき、ヘッド8を180度回転させることができる。第1方向(往路)と第2方向(復路)の両方でインクを吐出させて印刷する場合、両方向のインクの着弾色順を一致させることができる。印刷物の色味、色合いのばらつきをなくすことができる。インク吐出装置1が印刷する画像の品質を高めることができる。
インク吐出装置1は、速度優先モードと品質優先モードの選択を受け付ける操作パネル15を含む。品質優先モードが選択されている場合、制御部10は、ヘッド8の移動方向の切り替え時にヘッド8を180度回転させる。速度優先モードが選択されている場合、制御部10は、ヘッド8の移動方向の切り替え時にヘッド8を180度回転させない。モードの選択により、ヘッド8を180度回転させるか否かを選択することができる。品質優先モードが選択されているとき、ヘッド8を回転させることができる。一方で、ヘッド8の回転には時間を要する。そこで、速度優先モードが選択されているとき、ヘッド8を回転させないようにすることができる。使用者の希望、選択に応じた動作をヘッド8に行わせることができる。
制御部10は、ヘッド8の回転角度を、第1方向と第2方向に対して、ノズル列80が垂直となる角度とする。ヘッド8を回転させたとき、第1方向でヘッド8を移動させて印刷するときに吐出されるインクの色順と、第2方向でヘッド8を移動させて印刷するときのインクの色順を一致させることができる。
往復印刷モードでの印刷に用いるノズル列80が1列のみの場合、制御部10は、ヘッド8の移動方向を切り替えるとき、ヘッド8を回転部8aに回転させない。印刷で吐出されるインクが単色のとき、インクの重ね順を考慮する必要はない。モノカラー印刷のとき(吐出インクの色が1つのみのとき)、不要なヘッド8の回転を無くすことができる。
第1方向と第2方向は、X軸方向と平行であってもよい。X軸方向でヘッド8を往復移動させて印刷を行うことができる。
第1方向と第2方向は、X軸方向とY軸方向に対して斜めでもよい。ヘッド8を斜め移動させつつ、印刷を行うことができる。ヘッド8を斜め移動、かつ、往復移動させて印刷しても、インクの重ね順を往路と復路で一致させることができる。
第1方向の描画移動でのインク吐出が完了した時点で、制御部10は、ヘッド8を回転部8aに回転させる。第2方向の描画移動でのインク吐出が完了した時点で、制御部10は、ヘッド8を回転部8aに回転させる。記録媒体7の端部や記録媒体7の外側までヘッド8を移動させずにヘッド8の移動方向を切り替えることができる。余分なヘッド8の移動をなくすことができる。インク吐出装置1の生産性(印刷速度)を高めることができる。
さらに、実施形態に係る情報処理装置200は、入力デバイス205、表示デバイス206、情報記憶部202、処理部201を含む。情報記憶部202は、記録媒体7の印刷に用いる基本画像データD0を記憶する。処理部201は、基本画像データD0を分割して版印刷用画像データD1と、インク印刷用画像データD2を生成する。版印刷用画像データD1は、版を用いて印刷する版装置2が印刷する範囲の画像データである。インク印刷用画像データD2は、インクを吐出して印刷するインク吐出装置1が印刷する範囲の画像データである。
この構成によれば、インクジェット記録装置と版装置2を組み合わせる場合、印刷に用いる画像データを、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2に自動的に分割することができる。版印刷用画像データD1は、印刷する画像のうち、版装置2で印刷する範囲(部分)を示す画像データである。インク印刷用画像データD2は、印刷する画像のうち、インク吐出装置1で印刷する範囲(部分)を示す画像データである。基本画像データD0を効率よく、容易に分割することができる。インクジェット記録装置と版装置2を組み合わせた印刷システム100にとって使い勝手のよい情報処理装置200を提供することができる。
また、版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2が新たに生成されたとき、処理部201は、版印刷用画像データD1に基づいて、版装置2を用いての印刷に要する費用の予測値である予測版印刷費用211を求める。インク印刷用画像データD2に基づいて、処理部201は、インク吐出装置1を用いての印刷に要す費用の予測値である予測インク費用216を求める。処理部201は、予測版印刷費用211と、予測インク費用216と、予測版印刷費用211と予測インク費用216の合計費用のいずれか1つ又は複数を表示デバイス206に表示させる。版装置2での印刷コストと、インク吐出装置1での印刷コストを使用者に示すことができる。印刷コストについて判断するための情報を表示することができる。
処理部201は、版印刷用画像データD1に基づき、必要な版枚数を求める。処理部201は、求めた枚数での版の製作費の予測値である予測版製作費212を求める。処理部201は、求めた予測版製作費212を表示デバイス206に表示させる。版の製作に要する費用を使用者に示すことができる。版製作に要する費用が妥当か否かを確認することができる。
入力デバイス205は、印刷量210の入力を受け付ける。情報記憶部202は、インクの単価を記憶する。処理部201は、入力された印刷量210と生成されたインク印刷用画像データD2に基づき、印刷量210の印刷に必要なインク消費量の予測値である予測インク消費量217を求める。求めた予測インク消費量217と単価に基づき、処理部201は、入力された印刷量210の印刷に必要なインク代の予測値である予測インク費用を求める。処理部201は、求めた予測インク費用を表示デバイス206に表示させる。インク吐出装置1で消費されるインクの価格を使用者に示すことができる。インクの費用が妥当か否かを確認することができる。
入力デバイス205は、印刷量210の入力を受け付ける。生成された版印刷用画像データD1と生成されたインク印刷用画像データD2に基づき、処理部201は、入力された印刷量210での印刷に要する時間の予測値である予測所要時間223を求める。処理部201は、求めた予測所要時間223を表示デバイス206に表示させる。セットされた(入力された)印刷量210の記録媒体7を印刷する場合の所要時間を使用者に示すことができる。印刷物の納期に間に合うように印刷できるか否かを確認することができる。
また、処理部201は、版の製作に要する時間の予測値である予測版製作時間219を求める。処理部201は、求めた予測版製作時間219を表示デバイス206に表示させる。処理部201は、印刷量210の記録媒体7の印刷に要する時間の予測値である予測印刷時間221を求める。処理部201は、求めた予測印刷時間221を表示デバイス206に表示させる。版印刷用画像データD1に基づき版を製作する場合、版の製作に必要な時間を示すことができる。使用者は、版の用意にどれくらいの時間がかかるかを確認することができる。また、実際の印刷に要する時間を確認することができる。
また、処理部201は、予測版製作時間219と予測印刷時間221の和を予測所要時間223として、表示デバイス206に表示させる。版の製作と記録媒体7への印刷作業の合計時間を確認することができる。版を製作し、版装置2とインク吐出装置1で印刷を開始してから終わるまでの時間の合計時間を確認することでできる。
入力デバイス205が印刷量210の変更を受け付けたとき、処理部201は、変更後の印刷量210の印刷に必要な予測所要時間223を新たに求める。処理部201は、新たに求めた予測所要時間223を表示デバイス206に表示させる。印刷量210の変更に対応して、直ちに新たな所要時間を示すことができる。印刷量210の変更結果が速やかに表示される。使い勝手のよい情報処理装置200を提供することができる。
また、入力デバイス205が版枚数の変更を受け付けたとき、処理部201は、入力された変更後の版枚数に応じて、新たに版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を生成する。版枚数を変更することができる。使用者は所望の版枚数を設定できる。版枚数の変更指示に対応した新たな版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を生成することができる。変更が速やかに反映される。使い勝手のよい情報処理装置200を提供することができる。
また、入力デバイス205は、版印刷用画像データD1の一部をインク印刷用画像データD2に変更する操作、又は、インク印刷用画像データD2の一部を版印刷用画像データD1に変更する操作を受け付ける。処理部201は、入力デバイス205になされた操作に応じて、新たに版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を生成する。特定の範囲をインク吐出装置1に印刷させるか、版装置2に印刷させるかを選択することができる。使用者はインク吐出装置1の印刷範囲と版装置2の印刷範囲を細かく設定できる。希望どおりに印刷範囲が割り当てられるように、設定することができる。印刷範囲の変更に対応して、新たな版印刷用画像データD1とインク印刷用画像データD2を直ちに生成することができる。変更が速やかに反映される。使い勝手のよい情報処理装置200を提供することができる。
また、情報処理装置200は、受信したデータに基づき、版装置2での印刷に用いる版を製作する製版機300と通信可能に接続された情報通信部207を含む。入力デバイス205が製版機300への版印刷用画像データD1の送信指示を受け付けたとき、処理部201は、製版機300に向けて、版印刷用画像データD1を情報通信部207に送信させる。製版機300に、版を製作するためのデータを直接的に送信することができる。版印刷用画像データD1を送信することにより、版装置2に版の製作を開始させることもできる。
また、インク吐出装置1は、ヘッド8、移動部12、制御部10を含む。ヘッド8は、基本画像データD0に基づき、ノズル81から搬送装置3に搬送される記録媒体7の印刷面71にインクを吐出して画像を印刷する。移動部12は、少なくとも2つの軸方向でヘッド8を移動させる。制御部10は、移動部12を制御する。2つの軸方向のうち1つは記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向であるY軸方向である。
この構成によれば、少なくとも2つの軸方向でヘッド8の位置を移動させることができる。記録媒体7のY軸方向でヘッド8の位置を移動させることができる。平面的にヘッド8の位置を自由に変えることができる。従って、ヘッド8の位置を容易に調整することができる。また、ヘッド8の位置を自由に移動できるので、ワイプや交換のようなメンテナンス作業がしやすい位置に、ヘッド8を移動させることができる。ヘッド8のメンテナンスが容易である。使用者の作業負担を減らすことができる。さらに、記録媒体7のY軸方向でヘッド8を移動させつつ、画像を印刷することができる。
また、実施形態及び変形例に係る印刷システム100は、実施形態に係るインク吐出装置1と、記録媒体7を搬送する搬送装置3と、搬送装置3により搬送される記録媒体7を、版を用いて印刷する版装置2と、を少なくとも備える。版を用いて印刷する版装置2を含むので、インクジェットによる印刷の利点と、版による印刷による利点を併せ持つ印刷システム100を提供することができる。例えば、複数色を含む細かい図柄やグラデーションをインクジェット吐出装置で印刷する印刷システム100を提供することができる。通常、1つの版で1色のみ印刷できるところ、版のみを用いて同様の印刷を行う場合に比べ、版枚数を減らすことができる。一方、インクジェットのみで記録媒体7を印刷する場合、濃度が出にくい場合や、色ムラがでる場合がある。ベタ部分のように色ムラを避けるべき部分には、版を用いて印刷することができる。高画質な印刷システム100を提供することができる。
また、ヘッド8は、Y軸方向に沿って並べられた複数のノズル81を含むノズル列80を備える。ノズル列80は、搬送方向と平行である。移動部12は、第1移動機構A、第2移動機構B、第3移動機構Cを含む。制御部10は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向で、ヘッド8を第1移動機構Aに移動させる。制御部10は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向と垂直な方向であるX軸方向で、ヘッド8を第2移動機構Bに移動させる。Y軸方向でヘッド8を第3移動機構Cに移動させる。記録媒体7に対し、立体的にヘッド8を移動させることができる。記録媒体7のY軸方向と垂直な方向(X軸方向)、Y軸方向、Z軸方向(奥行)の3方向でヘッド8を移動させることができる。ヘッド8を所望の位置に移動させることができる。メンテナンス作業がしやすい位置に、自由にヘッド8を移動させることができる。使用者の作業負担を減らすことができる。また、記録媒体7を停止させつつ画像を印刷することができる。
また、インク吐出装置1の設置位置が、Y軸方向において、版装置2の上流側でもよい。インクジェット吐出装置が印刷した記録媒体7を捺染することができる。既設の版装置2の上流にインク吐出装置1を付加するだけで、インクジェット印刷と捺染印刷の両方を行える印刷システム100を実現することができる。
あるいは、インク吐出装置1の設置位置が、Y軸方向において、版装置2の下流側又は複数の版装置2の間でもよい。捺染印刷がなされた記録媒体7にインクジェット吐出装置による印刷を行うことができる。既設の版装置2の中流、又は、下流にインク吐出装置1を付加するだけで、インクジェット印刷と捺染印刷の両方を行える印刷システム100を実現することができる。
また、印刷システム100(インク吐出装置1)は、ヘッド8の移動範囲内であって、記録媒体7の上面外に設けられたメンテナンス装置9を備える。メンテナンス装置9は、キャップ91を含む。キャップ91は、ヘッド8のうち、ノズル81が露出する露出面が嵌め込まれたとき、露出面を覆ってインクの乾燥を防ぐ。予め定められた装着条件が満たされたとき、制御部10は、装着位置に向けてヘッド8を移動部12に移動させる。装着位置は、ヘッド8がキャップ91に嵌め込まれる位置である。これにより、ヘッド8の乾燥防止用キャップ91の装着を自動化することができる。乾燥防止用キャップ91を手作業でヘッド8に装着をしなくてすむ。また、印刷用ヘッドが固定されている場合やY軸方向と垂直な方向にのみ移動可能な場合、乾燥防止用キャップ91の装着を自動化するには、インクジェット印刷機の設備、機構の改造が必要であった。印刷システム100によれば、このような改造が不要である。メンテナンスが容易な印刷システム100を提供することができる。
また、印刷システム100(インク吐出装置1)は、操作を受け付ける操作パネル15を含む。装着条件は、操作パネル15がヘッド8の装着指示を受け付けたこと、予め定められた装着時刻になったこと、及び、印刷が完了したことのうち、何れか1つ又は複数である。所定のトリガーに基づき、自動的にキャップ91をヘッド8に取り付けることができる。ヘッド8への自動的なキャップ91の取り付けのトリガーを設定することができる。また、昼休みのような、ラインの停止時点にあわせて、自動的にキャップ91をヘッド8に取り付けることもできる。また、印刷完了時点で自動的にキャップ91をヘッド8に取り付けることもできる。
ヘッド8(ノズル81)のワイプを手作業で行うことがあった。例えば、作業者は、ノズル81にたまった粘度の高いインクや、ゴミをブレードで取り除く作業を行う。そこで、 メンテナンス装置9は、ノズル81をワイプするための清掃部材92を含む。予め定められたワイプ条件が満たされたとき、制御部10は、ノズル81が清掃部材92で擦られるようにヘッド8を移動部12に移動させる。ヘッド8のワイプ(ワイプ作業)を自動化することができる。自動でノズル81の詰まりの原因物を取り除くことができる。原因物は、乾燥により流動性が低下したインク(高濃度のインク)、ホコリ、ゴミである。手作業でヘッド8のノズル81表面をかき取らずにすむ。ヘッド8のワイプ作業を自動化するとき、設備、機構の改造が必要であった。自動化のために、印刷に関する装置(例えば、記録媒体7を搬送する装置)の改造は必要ない。従って、メンテナンスが容易な印刷システム100を提供することができる。
ワイプ条件は、操作パネル15がノズル81のワイプ指示を受け付けたこと、予め定められたワイプ時刻になったこと、印刷開始後又は直前のワイプ後、所定時間続けてキャップ91が嵌められていないこと、記録媒体7を印刷したこと、及び、印刷が完了したことのうち、何れか1つ又は複数である。所定のトリガーに基づき、自動的にワイプ作業を開始することができる。自動的なワイプ開始のトリガーを設定することができる。また、昼休みのような、ラインの停止時点にあわせて、自動的にヘッド8をワイプすることもできる。また、記録媒体7を続けて印刷した場合、自動的にヘッド8をワイプすることもできる。また、印刷完了時点で自動的にヘッド8のワイプを行わせることもできる。
印刷システム100(インク吐出装置1)は、ノズル81を擦る前の清掃部材92に洗浄液を流し、ワイプ後の清掃部材92を洗浄液で洗う洗浄部93を含む。ノズル81を擦る前の清掃部材92に洗浄液を塗記録媒体7することができる。清掃部材92の摩擦係数を低下させ、ノズル81を傷付けないようにすることができる。また、清掃部材92を常にきれいな状態で保つことができる。ワイプ時に付着した汚れを、次のワイプ時にノズル81(ヘッド8)になすりつけることがない。
印刷システム100(インク吐出装置1)は、ヘッド8内のインクに圧力をかける圧力印加部85を含む。メンテナンス装置9は、露出面よりも広く、廃液タンク94に繋がる開口部95を含む。予め定められたパージ条件が満たされたとき、制御部10は、露出面全体が開口部95に向かい合うように、ヘッド8を移動部12に移動させる。制御部10は、圧力印加部85にヘッド8内のインクに圧力をかけさせる。ヘッド8のワイプ(パージ)を自動化することができる。バージの際には、圧力印加部85により、インクがノズル81から押し出される。ノズル81に詰まった物をノズル81から吐き出す(押し出す)ことができる。乾燥したインクの固形物、ホコリ、ゴミを吐き出すことができる。容易にノズル81の詰まりの異常を解消することができる。従って、メンテナンスが容易な印刷システム100を提供することができる。
予め定められたフラッシング条件が満たされたとき、制御部10は、露出面全体が開口部95に向かい合うように、ヘッド8を移動部12に移動させる。制御部10は、開口部95に向けて、全てのノズル81にインクを吐出させる。ヘッド8のフラッシング処理を自動化することができる。自動でノズル81の詰まりの原因物を吐き出す(吹き飛ばす)ことができる。原因物は、乾燥により流動性が低下したインク(高濃度のインク)、ホコリ、ゴミである。手作業でヘッド8のノズル81表面をかき取らずにすむ。従って、容易にノズル81の詰まりを防ぐことができる。メンテナンスが容易な印刷システム100を提供することができる。
フラッシング条件は、記録媒体7の搬送が停止したこと、印刷が完了したこと、又は、印刷開始又は先のフラッシング処理から所定時間経過したことのうち、何れか1つ又は複数である。所定のトリガーに基づき、自動的にフラッシング処理を開始することができる。自動的なフラッシング処理のトリガーを設定することができる。また、記録媒体7の搬送ラインの停止時点にあわせて、自動的にヘッド8をワイプすることもできる。
また、実施形態に係るインク吐出装置1は、ヘッド8、移動部12、制御部10を含む。ヘッド8は、基本画像データD0に基づき、ノズル81から搬送装置3に搬送される記録媒体7の印刷面71にインクを吐出して画像を印刷する。移動部12は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向でヘッド8を移動させる。少なくとも2つの軸方向でヘッド8を移動させる。制御部10は、印刷する画像又は記録媒体7に応じて、インク吐出中のノズル81と印刷面71との間隔である吐出時間隔を設定し、設定した吐出時間隔となるようにZ軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。
ヘッド8(ノズル81)と記録媒体7(印刷面71)の間隔を、自動的に調整することができる。例えば、印刷する画像や記録媒体7に応じて、Z軸方向で自動的にヘッド8を適切な位置にすることができる。しかも、版を用いて印刷する版装置2を含むので、インクジェットによる印刷の利点と、版による印刷による利点を併せ持つ印刷システム100を提供することができる。
制御部10は、画像の印刷に用いる基本画像データD0に関連付けられた印刷設定情報D3に基づき、吐出時間隔を設定する。これにより、印刷システム100に基本画像データD0と印刷設定情報D3に基づき、ノズル81と印刷面71の間隔を自動的に適切な間隔とすることができる。
インク吐出装置11は、それぞれの画像の種類ごとに、吐出時間隔を定義した定義データD4を記憶する記憶部11を含む。印刷設定情報D3が画像の種類を示す情報を含むとき、制御部10は、印刷設定情報D3に含まれる画像の種類と定義データD4に基づき吐出時間隔を設定する。定義データD4に基づき、印刷しようとする画像の種類を認識することができる。印刷しようとする画像の種類に応じて、ノズル81と印刷面71の間隔を自動的に適切な間隔とすることができる。精密、高画質が求められる画像の種類のとき、ノズル81と印刷面71の間隔を自動的に近めに設定することができる。精密、高画質が求められない画像の種類のとき、ノズル81と印刷面71の間隔を自動的に遠めに設定することができる。
印刷設定情報D3が、吐出時間隔の値を示す情報を含むとき、制御部10は、印刷設定情報D3に含まれる値に基づき吐出時間隔を設定する。ノズル81と印刷面71の間隔を印刷設定情報D3で直接的に定義された値に合わせることができる。ノズル81と印刷面71の間隔を予め定義された値に基づき、調整することができる。
印刷システム100(インク吐出装置1)は、画像の種類に応じて距離を定義した定義データD4を記憶する記憶部11を含む。制御部10は、基本画像データD0を解析して、基本画像データD0の画像の種類を判定する。制御部10は、判定した画像の種類と定義データD4に基づき吐出時間隔を設定する。基本画像データD0を解析し、印刷しようとする画像の種類を認識することができる。印刷しようとする画像の種類に応じて、ノズル81と印刷面71の間隔を自動的に適切な間隔とすることができる。精密、高画質が求められる画像の種類のとき、ノズル81と印刷面71の間隔を自動的に近めに設定することができる。精密、高画質が求められない画像の種類のとき、ノズル81と印刷面71の間隔を自動的に遠めに設定することができる。
印刷システム100(インク吐出装置1)は、画像の種類ごとに、吐出時間隔を定義した定義データD4を記憶する記憶部11を含む。印刷システム100(インク吐出装置1)は、印刷する画像の種類の選択を受け付ける操作パネル15を含む。制御部10は、操作パネル15で選択された画像の種類と定義データD4に基づき、吐出時間隔を設定する。使用者は、操作パネル15で印刷しようとする画像の精密さを設定できる。できるだけインクの着弾位置がずれないようにしたい場合、間隔を狭めに設定することができる。インクの着弾位置がずれても問題がない場合、間隔を広めに設定することができる。従って、使用者はノズル81と印刷面71の間隔を所望の間隔に設定できる。
選択可能な画像の種類として、記号列とコード画像がある。記号列が選択されたとき、制御部10は、吐出時間隔を第1間隔に設定する。コード画像が選択されたとき、制御部10は、吐出時間隔を第1間隔よりも狭い第2間隔に設定する。使用者は、印刷する画像に応じた吐出時間隔を選択できる。画像の種類を選択するだけで、所望の印刷結果が得られるように、ノズル81と印刷面71の間隔を設定することができる。
記録媒体7の表面が平滑のとき、ノズル81と印刷面71の間隔が狭いほど、印刷された画像の画質は高くなりやすい。インクの着弾位置がずれず、均等に記録媒体7の表面にインクがのるためである。一方、表面が粗いとき、ノズル81と印刷面71の間隔を一定以上とることが好ましい場合がある。ノズル81と印刷面71の間隔を広げると、インクの着弾位置がばらつきやすくなる。このばらつきによって、表面の凹凸になじむようにインクがのる場合があるためである。そこで、印刷システム100(インク吐出装置1)は、記録媒体7の表面の平滑レベルの設定を受け付ける操作パネル15を含む。制御部10は、設定された平滑レベルが高いほど、吐出時間隔を狭くする。制御部10は、設定された平滑レベルが低いほど、吐出時間隔を広くする。記録媒体7の表面の滑らかさに応じて、ノズル81と印刷面71の間隔を設定することができる。表面が滑らかな場合、間隔を狭めにすることができる。一方、表面が粗い場合、間隔を広めにすることができる。記録媒体7の印刷面71の状態に応じて画質が向上するように、間隔を調整することができる。
ノズル81と印刷面71の間隔が広いほど、インクの着弾位置は狙いの位置からずれる。そのため、同じ量のインクを吐出しても、間隔が広いほど印刷される画像の濃度は薄くなる傾向がある。そこで、制御部10は、吐出時間隔が狭いほど、1ドットあたりのインク吐出量が少なくなるように、ヘッド8にインクを吐出させる。制御部10は、吐出時間隔が広いほど、1ドットあたりのインク吐出量が多くなるように、ヘッド8にインクを吐出させる。ノズル81と印刷面71の間隔にあわせて、ノズル81から吐出されるインクの量を調整することができる。濃すぎず、薄すぎない画像を印刷面71に印刷することができる。
インク吐出装置1は、版を用いて印刷する版装置2が設けられ、搬送装置3により搬送される記録媒体7の搬送ラインに対して追加と取り外しが可能である。インク吐出装置1は、ヘッド8、移動部12、制御部10を含む。ヘッド8は、基本画像データD0に基づき、ノズル81から搬送装置3に搬送される記録媒体7の印刷面71にインクを吐出して画像を印刷する。移動部12は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向であるY軸方向でヘッド8を移動させる。少なくとも2つの軸方向でヘッド8を移動させる。制御部10は、移動部12を制御し、Y軸方向でヘッド8を移動させつつ、記録媒体7に印刷する。
この構成によれば、記録媒体7のY軸方向でヘッド8の位置を移動させることができる。平面的にヘッド8の位置を自由に変えることができる。従って、ヘッド8の位置を容易に調整することができる。また、ヘッド8の位置を自由に移動できるので、ワイプや交換のようなメンテナンス作業がしやすい位置に、ヘッド8を移動させることができる。ヘッド8のメンテナンスが容易である。
さらに、版を用いる場合、捺染のため、記録媒体7の搬送が一時停止される。記録媒体7のY軸方向にヘッド8を移動できるので、版により印刷している間でもインク吐出装置1を用いて印刷することができる。また、ヘッド8をY軸方向に移動できるので、搬送中の記録媒体7にも印刷することもできる。印刷速度、生産性が高い印刷システム100を提供することができる。しかも、版を用いて印刷する版装置2を含むので、インクジェットによる印刷の利点と、版による印刷による利点を併せ持つ印刷システム100を提供することができる。
搬送装置3は、規定距離F1、記録媒体7を搬送するごとに記録媒体7の搬送を停止する。インク吐出装置1は、停止している記録媒体7に印刷する。ヘッド8による印刷が完了したとき、搬送装置3は、記録媒体7の搬送を再開する。インク吐出装置1による停止している記録媒体7への印刷(単位印刷範囲E1の印刷)の完了にあわせて、記録媒体7の搬送を再開することができる。
停止している記録媒体7に印刷するとき、制御部10は、Y軸方向、及び、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向と垂直な方向であるX軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。Y軸方向とY軸方向と垂直な方向の両方でヘッド8を移動させつつ、記録媒体7を印刷することができる。従来のように、ヘッド8の移動方向がY軸方向と垂直な方向だけではないので、印刷の自由度を高めることができる。
ヘッド8は、Y軸方向に沿って並べられた複数のノズル81を含むノズル列80を備える。停止している記録媒体7に印刷するとき、制御部10は、ヘッド8をX軸方向で移動させる描画移動を繰り返させる。制御部10は、描画移動中にヘッド8にインクを吐出させる。1回の描画移動の完了後、制御部10は、ヘッド8をY軸方向に所定幅G1移動させる。Y軸方向での所定幅G1の移動完了後、制御部10は、次の描画移動を移動部12に開始させる。ノズル列80はY軸方向と平行であり、印刷のとき、ヘッド8をX軸方向で移動させる描画移動を繰り返すので、1描画移動ごとにインクを吐出するノズル81の位置が変わる。インクを吐出しないノズル81を減らすことができる。インクの乾燥及び乾燥したインクに起因する不吐出ノズル81の発生を無くすことができる。
インク吐出装置1は、搬送中の記録媒体7に印刷する。搬送中の記録媒体7に印刷するとき、制御部10は、Y軸方向及び記録媒体7の印刷面71を正面としたときの記録媒体7の搬送方向と垂直な方向であるX軸方向でヘッド8の位置を移動させる。インク吐出装置1を用いて、搬送される記録媒体7に印刷を行うことができる。ヘッド8をX軸方向及びY軸方向で移動させつつ、記録媒体7を印刷することができる。
ヘッド8は、Y軸方向に沿って並べられた複数のノズル81を含むノズル列80を備える。搬送中の記録媒体7に印刷するとき、制御部10は、ヘッド8をX軸方向で移動させる描画移動を繰り返させる。制御部10は、描画移動中にヘッド8にインクを吐出させる。描画移動中、Y軸方向での記録媒体7とヘッド8の相対速度がゼロとなるように制御部10は、ヘッド8を移動部12にY軸方向で移動させる。1回の描画移動の完了後、搬送される記録媒体7に対するY軸方向での移動量が所定幅G1になるように、Y軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。所定幅G1の移動完了後、次の描画移動を移動部12に開始させる。1回の描画移動中、記録媒体7とヘッド8のY軸方向での相対位置を固定しつつインクを吐出することができる。記録媒体7の搬送中にインク吐出装置1で印刷しても、印刷位置のずれが生じない。また、記録媒体7とヘッド8のY軸方向での相対位置を所定幅G1ずつずらして印刷することができる。
印刷システム100(インク吐出装置1)は、記録媒体7のY軸方向での移動速度を検知するための速度センサー14を含む。制御部10は、速度センサー14の出力に基づき、移動速度を認識する。描画移動中、Y軸方向では、制御部10は、認識した移動速度で、ヘッド8を移動部12に移動させる。記録媒体7とヘッド8を同じ速度で移動させることができる。記録媒体7を搬送しつつ印刷しても、印刷位置のずれを防ぐことができる。
ノズル列80の長さをA、印刷解像度をB、ノズル列80に含まれる単位長さ当たりのノズル81数をCとする場合、所定幅G1は、(A÷(B÷C))+1ドットである。印刷解像度での単位長さ(1インチ)あたりのドット数よりも、単位長さあたりのノズル81数が少なくても、単位面積あたりのインク吐出回数(インクの液滴数)を印刷解像度と同等にすることができる。
印刷システム100(インク吐出装置1)は、印刷面71を読み取り、撮影データD7を生成する読取装置18を含む。制御部10は、撮影データD7に特定画像が含まれているか否かを判定する。特定画像が含まれていると判定したとき、制御部10は、特定画像に対応する画像をヘッド8に印刷させる。記録媒体7に予め特定画像を付しておけば、特定画像に対応する画像を自動的に記録媒体7に印刷することができる。記録媒体7の印刷に関する設定作業を減らすことができる。
制御部10は、撮影データD7に特定マークが含まれているか否かを判定する。制御部10は、特定マークが含まれていると判定したとき、特定マークに対応する画像をヘッド8に印刷させる。記録媒体7に予め特定マークを付しておけば、特定画像に対応する画像を自動的に記録媒体7に印刷することができる。マークは認識できれば手書きでもよい。マークはシールでもよい。記録媒体7の印刷に関する設定作業を減らすことができる。
制御部10は、見本の記録媒体7が撮影された撮影データに基づき印刷に用いる基本画像データD0を生成する。撮影データに基づき生成した基本画像データD0に基づき、制御部10は、記録媒体7への印刷をヘッド8に行わせる。見本のコピーを記録媒体7に印刷することができる。見本に付された記号、コードのコピー印刷を行うことができる。記録媒体7の印刷に関する設定作業を減らすことができる。
インク吐出装置1は、ヘッド8、移動部12、制御部10を含む。ヘッド8は、基本画像データD0に基づき、ノズル81から搬送装置3に搬送される記録媒体7の印刷面71にインクを吐出して画像を印刷する。移動部12は、記録媒体7の印刷面71を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向でヘッド8を移動させる。少なくとも2軸方向でヘッド8を移動させる。制御部10は移動部12を制御する。制御部10は、ノズル81と記録媒体7の印刷面71との間隔である吐出時間隔を設定する。制御部10はZ軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。ノズル81と印刷面71の距離を設定した吐出時間隔で維持する。
印刷面71に対してZ軸方向でヘッド8を移動させることができる。ヘッド8の移動により、印刷中のヘッド8(ノズル81)と記録媒体7(印刷面71)との間隔を一定とすることができる。従って、印刷される画像の品質のばらつきを無くすことができる。例えば、色むらのある画像や、ぼけた画像の印刷を防ぐことができる。しかも、版を用いて印刷する版装置2を含むので、インクジェットによる印刷の利点と、版による印刷による利点を併せ持つ印刷システム100を提供することができる。
印刷システム100(インク吐出装置1)は、ノズル81と印刷面71の距離を測るための間隔センサー17を含む。制御部10は、距離センサーの出力に基づき、距離を認識する。画像の印刷開始前、制御部10は、位置合わせ処理を行う。位置合わせ処理のとき、制御部10は、Z軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。制御部10は、距離を設定した吐出時間隔とする。印刷中、距離センサーの出力に基づき、制御部10は、距離が吐出時間隔で保たれるように、Z軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。センサーを用いて、印刷中、ノズル81と印刷面71の間隔(距離)を自動的に一定で保つことができる。印刷される画像の品質のばらつきを無くすことができる。
制御部10は、予め定められた単位印刷範囲E1の印刷完了後、距離が広がる方向に、ヘッド8をZ軸方向に移動部12に移動させる。制御部10は、ヘッド8を衝突回避位置とする。次の単位印刷範囲E1への印刷開始前、制御部10は、距離が狭まる方向に、ヘッド8をZ軸方向で移動部12に移動させる。記録媒体7への印刷完了後、ヘッド8を安全な位置に退避することができる。搬送される記録媒体7に印刷を開始するとき、ヘッド8を記録媒体7に近づけることができる。ヘッド8と記録媒体7が衝突することを無くすことができる。
インク吐出装置1は、距離が下限値以下になることを防ぐための間隔規制部材110を含む。間隔規制部材110は、ノズル81よりもZ軸方向かつ記録媒体7が位置する方向に突出している。間隔規制部材110により、ノズル81と印刷面71の間隔が下限値以下になることを防ぐことができる。ヘッド8と記録媒体7の衝突により、ヘッド8(ノズル81)にダメージが入ることを防ぐことができる。
間隔規制部材は、ヘッド8に取り付けられる。ヘッド8とともに、間隔規制部材110を移動させることができる。ヘッド8の位置によらず、ノズル81と印刷面71の間隔を下限値以下となることを防ぐことができる。
間隔規制部材は、ローラー又はボールである。ヘッド8の移動に伴い、記録媒体7と接したまま、間隔規制部材110を滑らかに移動させることができる。記録媒体7の形状に沿って、記録媒体7を壊さないように間隔規制部材110を移動させることができる。
間隔規制部材110は、間隔規制部材110と記録媒体7が接したことを検知するための接触センサー111を含む。接触センサー111は、間隔規制部材110と記録媒体7が接しているとき、第1レベルを出力する。接触センサー111は、間隔規制部材110と記録媒体7が接していないとき、第2レベルを出力する。制御部10は、画像の印刷開始前、押し当て処理を行う。押し当て処理のとき、制御部10は、接触センサー111の出力が第2レベルから第1レベルに変化するまで、Z軸方向でヘッド8を移動部12に移動させる。間隔規制部材110と記録媒体7が接する圧力が強くなりすぎることを防ぐことができる。間隔規制部材110を記録媒体7に押し当てすぎることがなくなる。押し当てすぎることがないので、ノズル81と印刷面71の間隔が下限値以下になることを防ぐことができる。間隔規制部材110は記録媒体7と強く接触しないので、記録媒体7の破損が生じない。
制御部10は、予め定められた単位印刷範囲E1の印刷完了後、距離が広がる方向に、ヘッド8をZ軸方向で移動部12に移動させる。制御部10は、ヘッド8を衝突回避位置とする。次の単位印刷範囲E1への印刷開始前、接触センサー111の出力が第2レベルから第1レベルに変化するまで、制御部10は、距離が狭まる方向にZ軸方向で移動部12にヘッド8を移動させる。記録媒体7への印刷完了後、ヘッド8と間隔規制部材110を記録媒体7と接しえない位置に退避することができる。ヘッド8と間隔規制部材110を安全な位置に退避することができる。単位印刷範囲E1の印刷を開始するとき、再び、間隔規制部材110を記録媒体7に当てることができる。ヘッド8と記録媒体7が衝突することを無くすことができる。
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えて実施することができる。
本発明は、布や用紙をインク吐出装置と版装置で印刷する印刷システムに利用可能である。
100 印刷システム 1 インク吐出装置
10 制御部 12 移動部
15 操作パネル 2 版装置
3 搬送装置 7 記録媒体
71 印刷面 8 ヘッド
80 ノズル列 81 ノズル
8a 回転部 200 情報処理装置
201 処理部 202 情報記憶部
205 入力デバイス 206 表示デバイス
210 印刷量 211 予測版印刷費用
212 予測版製作費 216 予測インク費用
219 予測版製作時間 221 予測印刷時間
223 予測所要時間 207 情報通信部
300 製版機 A 第1移動機構
B 第2移動機構 C 第3移動機構
D0 基本画像データ D1 版印刷用画像データ
D2 インク印刷用画像データ P1 基準待機位置

Claims (10)

  1. 版を用いて印刷する版装置が設けられ、搬送装置により搬送される記録媒体の搬送ラインに対して追加と取り外しが可能であり、
    インク印刷用画像データに基づき、前記ノズルから前記搬送装置に搬送される前記記録媒体の印刷面にインクを吐出して画像を印刷するヘッドと、
    前記記録媒体の印刷面を正面としたときの前記記録媒体の搬送方向であるY軸方向と、前記記録媒体の印刷面を正面としたときの前記記録媒体の搬送方向と垂直な方向であるX軸方向で前記ヘッドを移動させる移動部と、
    前記ヘッドを回転させる回転部と、
    前記移動部と前記回転部を制御する制御部と、を含み、
    前記ヘッドは、複数のノズル列を備え、
    それぞれの前記ノズル列は、列状に並ぶ複数のノズルを含み、吐出するインクの色が異なり、さらに、隣接する前記ノズル列と平行であり、
    前記制御部は、
    第1方向、又は、前記第1方向と逆方向である第2方向に向けて、描画のために前記ヘッドを移動させる描画移動を前記移動部に行わせ、
    前記描画移動中にインクを吐出させて前記ヘッドに印刷を行わせ、
    前記第1方向から前記第2方向、又は、前記第2方向から前記第1方向に前記ヘッドの移動方向を切り替えるとき、前記ヘッドを前記回転部に180度回転させることを特徴とするインク吐出装置。
  2. 版を用いて印刷する版装置が設けられ、搬送装置により搬送される記録媒体の搬送ラインに対して固定されており、
    インク印刷用画像データに基づき、前記ノズルから前記搬送装置に搬送される前記記録媒体の印刷面にインクを吐出して画像を印刷するヘッドと、
    少なくとも2つの軸方向で前記ヘッドを移動させる移動部と、
    前記ヘッドを回転させる回転部と、
    前記移動部と前記回転部を制御する制御部と、を含み、
    前記ヘッドは、複数のノズル列を備え、
    それぞれの前記ノズル列は、列状に並ぶ複数のノズルを含み、吐出するインクの色が異なり、さらに、隣接する前記ノズル列と平行であり、
    前記制御部は、
    第1方向、又は、前記第1方向と逆方向である第2方向に向けて、描画のために前記ヘッドを移動させる描画移動を前記移動部に行わせ、
    前記描画移動中にインクを吐出させて前記ヘッドに印刷を行わせ、
    前記第1方向から前記第2方向、又は、前記第2方向から前記第1方向に前記ヘッドの移動方向を切り替えるとき、前記ヘッドを前記回転部に180度回転させることを特徴とするインク吐出装置。
  3. 速度優先モードと品質優先モードの選択を受け付ける操作パネルを含み、
    前記制御部は、
    前記品質優先モードが選択されている場合、前記ヘッドの移動方向の切り替え時に前記ヘッドを180度回転させ
    前記速度優先モードが選択されている場合、前記ヘッドの移動方向の切り替え時に前記ヘッドを180度回転させないことを特徴とする請求項1又は2に記載のインク吐出装置。
  4. 前記制御部は、
    前記ヘッドの回転角度を、前記第1方向と前記第2方向に対して、前記ノズル列が垂直となる角度とすることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のインク吐出装置。
  5. 前記往復印刷モードでの印刷に用いる前記ノズル列が1列のみの場合、
    前記制御部は、前記ヘッドの移動方向を切り替えるとき、前記ヘッドを前記回転部に回転させないことを特徴とする請求項4に記載のインク吐出装置。
  6. 前記移動部は、第1移動機構、第2移動機構、第3移動機構を含み、
    前記制御部は、
    前記記録媒体の印刷面を正面としたときの高さ方向であるZ軸方向で、前記ヘッドを前記第1移動機構に移動させ、
    前記印刷面を正面としたときの前記記録媒体の搬送方向と垂直な方向であるX軸方向で前記ヘッドを前記第2移動機構に移動させ、
    前記印刷面を正面としたときの前記記録媒体の搬送方向であるY軸方向で前記ヘッドを前記第3移動機構に移動させることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のインク吐出装置。
  7. 前記第1方向と前記第2方向は、前記X軸方向と平行であることを特徴とする請求項6に記載のインク吐出装置。
  8. 前記第1方向と前記第2方向は、前記X軸方向と前記Y軸方向に対して斜めであることを特徴とする請求項6に記載のインク吐出装置。
  9. 前記制御部は、
    前記第1方向の前記描画移動でのインク吐出が完了した時点で、前記ヘッドを前記回転部に回転させ、
    前記第2方向の前記描画移動でのインク吐出が完了した時点で、前記ヘッドを前記回転部に回転させることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載のインク吐出装置。
  10. 請求項1乃至9の何れか1項に記載のインク吐出装置と、
    前記記録媒体を搬送する前記搬送装置と、
    前記搬送装置により搬送される前記記録媒体を、版を用いて印刷する前記版装置と、を備えることを特徴とする印刷システム。
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