JPWO2019220846A1 - シートモールディングコンパウンドの製造方法、炭素繊維束、及び炭素繊維束の使用 - Google Patents

シートモールディングコンパウンドの製造方法、炭素繊維束、及び炭素繊維束の使用 Download PDF

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洋之 中尾
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Abstract

引張強度や引張弾性率、曲げ強度や曲げ弾性率等の機械的強度が高い成形体が得られるシートモールディングコンパウンドを製造できる、シートモールディングコンパウンドの製造方法及び炭素繊維束を提供する。本発明のシートモールディングコンパウンドの製造方法は、長尺の炭素繊維束が裁断された複数のチョップド炭素繊維束にマトリックス樹脂組成物を含浸させることを含むシートモールディングコンパウンドの製造方法であって、前記チョップド炭素繊維束の繊維長が1〜60mmであり、特定の方法(I)で算出される前記炭素繊維束の嵩密度が60〜400g/Lである。

Description

本発明は、シートモールディングコンパウンドの製造方法、シートモールディングコンパウンドの製造に有用な炭素繊維束、及びシートモールディングコンパウンドを製造するための炭素繊維束の使用に関する。
本願は、2018年5月14日に日本出願された特願2018−092973号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
本願は、2018年10月30日に日本出願された特願2018−204335号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
シートモールディングコンパウンド(以下、「SMC」とも記す。)は、熱硬化性樹脂等を含むマトリックス樹脂組成物と、裁断したチョップド強化繊維束とを配合したコンパウンドである。
SMCを金型内で加熱加圧成形すると、マトリックス樹脂組成物と強化繊維束とが一体として流動し、金型のキャビティを充填する。そのため、SMCは、部分的に肉厚の異なる成形品、リブ、ボスを有する成形品等、各種形状の成形品を得るのに有利な中間材であり、自動車の外板、内装材及び構造材料、その他一般産業用途等で広く用いられる。
強化繊維のなかでも、炭素繊維は、比強度、比弾性率が最も高く、部材を大幅に軽量化できることから、上述した分野で実用化が進んでおり、SMCに使用される強化繊維も従来のガラス繊維から炭素繊維への置き換えが進んでいる。
多くの場合、SMCは加圧前に成形体の形状より小さく切断して成形型上に配置し、加圧により成形体の形状へと流動させつつ成形を行う。SMCのシート化工程において、チョップド強化繊維束の分布ムラや配向ムラが発生すると、成形体の機械的強度物性の低下やバラツキが生じやすい。
機械的強度の高い成形体が得られるSMCの製造方法としては、チョップド強化繊維束を薄くする方法がある。
特許文献1には、炭素繊維束(ストランド)を開繊させた後に裁断し、厚みの薄いチョップド炭素繊維束を得た後、熱硬化性樹脂を含浸させてSMCとする方法が開示されている。
特許文献2には、繊維束の厚みを特定の厚み以下に制御したSMCが開示されている。
日本国特開2008−254191号公報 国際公開第2017/159264号
しかし、特許文献1又は2に開示されたSMCは、加圧成形時にチョップド炭素繊維束が変形してしまい、引張強度や引張弾性率、曲げ強度や曲げ弾性率等の機械的強度が充分に高い成形体(SMCを用いて作製される繊維強化複合材料)が得られにくいことがある。
本発明は、引張強度や引張弾性率、曲げ強度や曲げ弾性率等の機械的強度が高い成形体が得られるSMCを製造できる、SMCの製造方法及び炭素繊維束を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]長尺の炭素繊維束が裁断された複数のチョップド炭素繊維束にマトリックス樹脂組成物を含浸させることを含むシートモールディングコンパウンドの製造方法であって、
前記チョップド炭素繊維束の繊維長が1〜60mmであり、
下記方法(I)で算出される前記炭素繊維束の嵩密度が60〜400g/Lである、シートモールディングコンパウンドの製造方法。
(方法(I))
(手順I−1)炭素繊維束を繊維長が25mmとなるようにロータリーカッターで裁断した試験用チョップド炭素繊維束100gを2Lのメスシリンダー(Φ88mm、高さ485mmの円柱状)に充填する。
(手順I−2)メスシリンダー内の前記試験用チョップド炭素繊維束の上部から均一に500gの荷重をかけ、体積に変化が無くなったときの充填された前記試験用チョップド炭素繊維束の総体積(L)を測定し、前記試験用チョップド炭素繊維束の総質量(100g)を前記試験用チョップド炭素繊維束の総体積(L)で除して嵩密度を算出する。
[2]下記方法(II)で算出される前記炭素繊維束のカンチレバー値が100mm以上である、[1]に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
(方法(II))
(手順II−1)炭素繊維束から長さ40cmの試験用炭素繊維束を切り出す。
(手順II−2)水平面と、前記水平面の一端から下方に向かって傾斜する、傾斜角度が45度の斜面とを有する測定台の、前記水平面上に前記試験用炭素繊維束を載せ、前記試験用炭素繊維束の長さ方向の第1の端部を前記斜面と前記水平面との境界線Aに合わせ、前記試験用炭素繊維束の上に押さえ板を載せ、前記押さえ板の端部を前記境界線Aに合わせる。
(手順II−3)前記押さえ板を前記斜面側に水平方向に2cm/秒で移動させ、前記試験用炭素繊維束の前記第1の端部が前記斜面と接触した時点で前記押さえ板の移動を停止させる。
(手順II−4)前記手順II−3における前記押さえ板の移動距離x(mm)を測定する。
(手順II−5)前記試験用炭素繊維束を裏返し、さらに長さ方向に反転させて長さ方向の第2の端部を前記境界線Aに合わせ、前記手順II−2〜II−4と同じ手順で前記押さえ板の移動距離y(mm)を測定する。
(手順II−6)炭素繊維束のカンチレバー値として、移動距離xと移動距離yとの平均値を算出する。
[3]前記チョップド炭素繊維束の平均幅W(mm)及び平均厚みH(mm)が下記式(1)及び式(2)を満たす、[1]又は[2]に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
0.05≦H≦0.2 ・・・(1)
10≦W/H≦40 ・・・(2)
[4]前記チョップド炭素繊維束の平均幅W(mm)が0.5〜2.5mmである、[3]に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
[5]前記炭素繊維束にサイジング剤が付着しており、前記炭素繊維束における前記サイジング剤の付着量が、前記炭素繊維束及び前記サイジング剤の合計質量に対して、0.1〜3.0質量%である、[1]〜[4]のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
[6]前記シートモールディングコンパウンドの質量に対して、前記チョップド炭素繊維束の含有量が40〜70質量%であり、前記チョップド炭素繊維束からなる炭素繊維基材の目付けが500〜2500mg/mである、[1]〜[5]のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
[7]前記マトリックス樹脂組成物が、
成分(A):1分子中にエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物からなる成分、
成分(B):ジイソシアネート化合物、
成分(C):重合禁止剤、及び
成分(D):重合開始剤
を含む、[1]〜[6]のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
[8]前記成分(A)が、下記成分(A−1)及び下記成分(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、[7]に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
成分(A−1):1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基及び1個以上の水酸基を有する、不飽和ポリエステル樹脂。
成分(A−2):1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基及び1個以上の水酸基を有する、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
[9]前記成分(C)が、分子中に水酸基を有さない重合禁止剤であり、かつ100℃以上の温度において、ラジカル重合を引き起こす活性なラジカル種と反応し、ラジカル重合を引き起こさない不活性なラジカル種又は安定な化合物にする作用を有する、[7]又は[8]に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
[10]前記成分(C)がp−ベンゾキノンである、[9]に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
[11]前記成分(C)の含有量が、前記成分(A)の100質量部に対し、0.001〜0.1質量部である、[7]〜[10]のいずれかに記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
[12]下記方法(I)で算出される嵩密度が60〜400g/Lであり、平均幅W(mm)及び平均厚みH(mm)が下記式(1)及び式(2)を満たす、炭素繊維束。
0.05≦H≦0.2 ・・・(1)
10≦W/H≦40 ・・・(2)
(方法(I))
(手順I−1)炭素繊維束を繊維長が25mmとなるようにロータリーカッターで裁断した試験用チョップド炭素繊維束100gを2Lのメスシリンダー(Φ88mm、高さ485mmの円柱状)に充填する。
(手順I−2)メスシリンダー内の前記試験用チョップド炭素繊維束の上部から均一に500gの荷重をかけ、体積に変化が無くなったときの充填された前記試験用チョップド炭素繊維束の総体積(L)を測定し、前記試験用チョップド炭素繊維束の総質量(100g)を前記試験用チョップド炭素繊維束の総体積(L)で除して嵩密度を算出する。
[13]下記方法(II)で算出されるカンチレバー値が100mm以上である、[12]に記載の炭素繊維束。
(方法(II))
(手順II−1)炭素繊維束から長さ40cmの試験用炭素繊維束を切り出す。
(手順II−2)水平面と、前記水平面の一端から下方に向かって傾斜する、傾斜角度が45度の斜面とを有する測定台の、前記水平面上に前記試験用炭素繊維束を載せ、前記試験用炭素繊維束の長さ方向の第1の端部を前記斜面と前記水平面との境界線Aに合わせ、前記試験用炭素繊維束の上に押さえ板を載せ、前記押さえ板の端部を前記境界線Aに合わせる。
(手順II−3)前記押さえ板を前記斜面側に水平方向に2cm/秒で移動させ、前記試験用炭素繊維束の前記第1の端部が前記斜面と接触した時点で前記押さえ板の移動を停止させる。
(手順II−4)前記手順II−3における前記押さえ板の移動距離x(mm)を測定する。
(手順II−5)前記試験用炭素繊維束を裏返し、さらに長さ方向に反転させて長さ方向の第2の端部を前記境界線Aに合わせ、前記手順II−2〜II−4と同じ手順で前記押さえ板の移動距離y(mm)を測定する。
(手順II−6)炭素繊維束のカンチレバー値として、移動距離xと移動距離yとの平均値を算出する。
[14]シートモールディングコンパウンドを製造するための、[12]又は[13]に記載の炭素繊維束の使用。
本発明によれば、引張強度や引張弾性率、曲げ強度や曲げ弾性率等の機械的強度が高い成形体が得られるSMCを製造できる。
方法(II)によるカンチレバー値の測定における手順II−1、II−2について説明する模式図である。 方法(II)によるカンチレバー値の測定における手順II−3、II−4について説明する模式図である。 方法(II)によるカンチレバー値の測定における手順II−5について説明する模式図である。 方法(II)によるカンチレバー値の測定における手順II−5について説明する模式図である。
本発明のSMCの製造方法は、長尺の炭素繊維束が裁断された複数のチョップド炭素繊維束にマトリックス樹脂組成物を含浸させることを含む。
本発明のSMCの製造方法においては、チョップド炭素繊維束の繊維長が1〜60mmであり、裁断される長尺の炭素繊維束として、後述の方法(I)で算出される嵩密度が60〜400g/Lである炭素繊維束を用いる。また、裁断される長尺の炭素繊維束は、後述の方法(II)で算出されるカンチレバー値が100mm以上であることが好ましい。
(炭素繊維束)
炭素繊維束を構成する炭素繊維としては、例えばポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
炭素繊維束のフィラメント数は、通常1000〜60000本程度である。
複数のチョップド炭素繊維束を得るために裁断される長尺の炭素繊維束は、後述の方法(I)で算出される嵩密度が60〜400g/Lである。
以下、炭素繊維束の嵩密度を算出するための方法(I)について説明する。
(手順I−1)裁断される長尺の炭素繊維束を繊維長が25mmとなるようにロータリーカッターで裁断した試験用チョップド炭素繊維束100gを2Lのメスシリンダー(Φ88mm、高さ485mmの円柱状)に充填する。
(手順I−2)メスシリンダー内の試験用チョップド炭素繊維束の上部から均一に500gの荷重をかけ、体積に変化が無くなったときの充填された試験用チョップド炭素繊維束の総体積V(L)を測定し、試験用チョップド炭素繊維束の総質量M(g:M=100g)を総体積V(L)で除して嵩密度(g/L)を算出する。
方法(I)で算出される嵩密度は、SMCを製造するためのチョップド炭素繊維束からなる炭素繊維基材の嵩密度を擬似的に表した値である。
方法(I)で測定される、複数のチョップド炭素繊維束を得るために裁断される長尺の炭素繊維束の嵩密度は、60〜400g/Lであり、70〜350g/Lが好ましく、80〜320g/Lがより好ましく、100〜280g/Lがさらに好ましく、130〜250g/Lが特に好ましい。
方法(I)で測定される炭素繊維束の嵩密度が前記範囲内であれば、SMC中でチョップド炭素繊維束同士が強固に絡み合うため、高強度の成形体を得ることができる。
嵩密度は炭素繊維束のカンチレバー値によっても変動するが、炭素繊維束の嵩密度の値を前記範囲とすることで、チョップド炭素繊維束の剛直さと樹脂含浸性を両立することが可能となり、機械的強度特性の向上が可能となる。
方法(I)で測定される炭素繊維束の嵩密度が60g/L以上であれば、SMC製造時の樹脂含浸性に優れるため、成形体の機械的特性が向上する。方法(I)で測定される炭素繊維束の嵩密度は、好ましくは70g/L以上であり、より好ましくは80g/L以上であり、さらに好ましくは100g/L以上であり、特に好ましくは130g/L以上である。
また、方法(I)で測定される炭素繊維束の嵩密度が400g/L以下であれば、SMC中でチョップド炭素繊維束同士が強固に絡み合うため、高強度の成形体を得ることができる。方法(I)で測定される炭素繊維束の嵩密度は、好ましくは350g/L以下であり、より好ましくは320g/L以下であり、さらに好ましくは280g/L以下であり、特に好ましくは250g/L以下である。
複数のチョップド炭素繊維束を得るために裁断される長尺の炭素繊維束は、さらに後述の方法(II)で算出されるカンチレバー値が100mm以上であることが好ましい。
以下、炭素繊維束のカンチレバー値を算出するための方法(II)について、図1〜4に基づいて説明する。
(手順II−1)炭素繊維束から長さ40cmの試験用炭素繊維束100を切り出す。
(手順II−2)図1に示すように、水平面12と、水平面12の一端から下方に向かって傾斜する、傾斜角度が45度の斜面14とを有する測定台10の、水平面12上に試験用炭素繊維束100を載せる。このとき、試験用炭素繊維束100の長さ方向の第1の端部102を斜面14と水平面12との境界線Aに合わせる。試験用炭素繊維束100の上に押さえ板200を載せ、押さえ板200の端部202を境界線Aに合わせる。
(手順II−3)図2に示すように、押さえ板200を斜面14側に水平方向に2cm/秒で移動させ、試験用炭素繊維束100の第1の端部102が斜面14と接触した時点で押さえ板200の移動を停止させる。
(手順II−4)手順II−3における押さえ板200の移動距離x(mm)を測定する。
(手順II−5)図3に示すように、試験用炭素繊維束100を裏返し、さらに長さ方向に反転させて長さ方向の第2の端部104を境界線Aに合わせる。図4に示すように、手順II−2〜II−4と同じ手順で、試験用炭素繊維束100の第2の端部104が斜面14と接触した時点で押さえ板200の移動を停止させ、押さえ板200の移動距離y(mm)を測定する。
(手順II−6)炭素繊維束のカンチレバー値として、移動距離xと移動距離yとの平均値を算出する。
押さえ板200の大きさは、測定に支障がない大きさであればよく、例えば、縦1000mm×横200mm×厚み5mmの板とすることができる。
押さえ板200の重さは、測定に支障がない重さであればよく、例えば、1000gとすることができる。
方法(II)で測定される、複数のチョップド炭素繊維束を得るために裁断される長尺の炭素繊維束のカンチレバー値は、100mm以上が好ましく、120mm以上300mm以下がより好ましく、130mm以上200m以下がさらに好ましく、140mm以上190mm以下が特に好ましい。
方法(II)で測定される炭素繊維束のカンチレバー値が100mm以上であれば、炭素繊維束が剛直なストランドとなり、裁断後のマトリックス樹脂組成物の含浸時に炭素繊維束の厚みが急激に変化しない。すなわち、SMC製造時にチョップド炭素繊維束の形態が乱れ、折り畳まりや曲がりによって炭素繊維束の幅や厚みが急激に変化することを抑制できる。また、成形時にチョップド炭素繊維束の厚みが急激に変化することも抑制できる。そのため、成形時にチョップド炭素繊維束同士が3次元的ネットワークを形成しやすく、成形体の曲げ強度や曲げ弾性率といった機械的強度特性が高くなる。方法(II)で測定される炭素繊維束のカンチレバー値は、より好ましくは120mm以上であり、さらに好ましくは130mm以上であり、特に好ましくは140mm以上である。
また、方法(II)で測定される炭素繊維束のカンチレバー値が300mm以下であれば、SMC製造時の樹脂含浸性に優れるため、成形体の機械的特性が向上する傾向にあり、より好ましい。方法(II)で測定される炭素繊維束のカンチレバー値は、さらに好ましくは200mm以下であり、特に好ましくは190mm以下である。
炭素繊維束のカンチレバー値は、炭素繊維束に付着するサイジング剤の組成や付着量等により調節できる。複数のチョップド炭素繊維束を得るために裁断される長尺の炭素繊維束として、サイジング剤が付着した炭素繊維束を用いる場合、本発明における炭素繊維束のカンチレバー値は、サイジング剤が付着した炭素繊維束についての測定値である。
複数のチョップド炭素繊維束を得るために裁断される長尺の炭素繊維束として、サイジング剤が付着した炭素繊維束を用いてもよい。
炭素繊維束にサイジング剤が付着している場合、炭素繊維束に付着するサイジング剤としては、特に限定されず、炭素繊維束に通常用いられるサイジング剤を用いることができる。
炭素繊維束へのサイジング剤の付着方法としては、特に限定されず、例えば、水又は有機溶剤にサイジング剤を分散又は溶解させたサイジング剤液を、炭素繊維束に塗布して乾燥する方法が挙げられ、サイジング剤液の炭素繊維束への塗布方法としては、ローラー浸漬法、ローラー接触法等が挙げられる。
炭素繊維束におけるサイジング剤の付着量は、炭素繊維束及びサイジング剤の合計質量に対して、0.1〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2.0質量%がより好ましい。
炭素繊維束におけるサイジング剤の付着量が前記下限値以上であれば、炭素繊維束を裁断する際に良好な収束性が確保されやすい。炭素繊維束におけるサイジング剤の付着量が前記上限値以下であれば、チョップド炭素繊維束がSMC中に均一に分散しやすい。
炭素繊維束におけるサイジング剤の付着量は、サイジング剤液の濃度や絞り量により調節することができる。
本発明のSMCの製造方法においては、方法(I)で算出される嵩密度が60〜400g/Lであり、好ましくは、さらに方法(II)で算出されるカンチレバー値が100mm以上である長尺の炭素繊維束が裁断された複数のチョップド炭素繊維束にマトリックス樹脂組成物を含浸させること(以下、「含浸工程」とも記す。)を含む。本発明のSMCの製造方法においては、例えば、上記の含浸工程のほか、裁断工程や増粘工程を含んでもよい。
裁断工程:含浸工程に先立ち、複数のチョップド炭素繊維束を得るために、方法(I)で算出される嵩密度が60〜400g/Lであり、好ましくは、さらに方法(II)で算出されるカンチレバー値が100mm以上である長尺の炭素繊維束を裁断する。
含浸工程:SMC前駆体を得るために、裁断工程で得られた複数のチョップド炭素繊維束からなる炭素繊維基材にマトリックス樹脂組成物を含浸する。
増粘工程:含浸工程のあと、SMCを得るために、SMC前駆体中のマトリックス樹脂組成物を増粘させる。
(裁断工程)
複数のチョップド炭素繊維束を得るために、長尺の炭素繊維束を裁断する方式としては、特に限定されないが、大量生産性の点から、ロータリーカッター方式が好ましい。
ロータリーカッターによる裁断では、炭素繊維束の厚みが充分に薄ければ、切り損じが生じたり、ロータにトウが巻き付いて操作不能になったり、チョップド炭素繊維束の形態に不具合が生じたりすることを抑制しやすい。そのため、ロータリーカッターにより裁断する場合、炭素繊維束の厚みは薄いほうが好ましい。
裁断工程で得られるチョップド炭素繊維束の繊維長は、1〜60mmであり、1〜25mmが好ましい。
チョップド炭素繊維束の繊維長が前記下限値以上であれば、機械的強度が高い成形体が得られやすい。
チョップド炭素繊維束の繊維長が前記上限値以下であれば、SMCをプレス成形する際に良好な流動性が得られやすい。
複数のチョップド炭素繊維束を得るために裁断される裁断直前の長尺の炭素繊維束、及び長尺の炭素繊維束が裁断されたチョップド炭素繊維束の平均幅W(mm)及び平均厚みH(mm)は、下記式(1)及び式(2)を満たすことが好ましい。
0.05≦H≦0.2 ・・・(1)
10≦W/H≦40 ・・・(2)
なお、平均幅W(mm)及び平均厚みH(mm)は、300個のチョップド炭素繊維束について測定した幅及び厚みの平均値である。
チョップド炭素繊維束の平均厚みHは、0.05mm以上0.2mm以下が好ましく、0.07mm以上0.15mm以下がより好ましく、0.08mm以上0.13mm以下がさらに好ましい。
チョップド炭素繊維束の平均厚みHが0.05mm以上であれば、チョップド繊維束の取り扱いが容易であり、さらに、炭素繊維基材にマトリックス樹脂組成物を含浸させることが容易になる。チョップド炭素繊維束の平均厚みHは、より好ましくは0.07mm以上であり、さらに好ましくは0.08mm以上である。
チョップド炭素繊維束の平均厚みHが0.2mm以下であれば、機械的強度が高い成形体が得られやすい。チョップド炭素繊維束の平均厚みHは、より好ましくは0.15mm以下であり、さらに好ましくは0.13mm以下である。
W/Hは、10以上40以下が好ましく、15以上30以下がより好ましい。
W/Hが前記範囲であれば、機械的強度が高い成形体が得られやすい。
チョップド炭素繊維束の平均幅Wは、2.5mm以下が好ましく、2.0mm以下がより好ましく、1.8mm以下がさらに好ましく、1.5mm以下が特に好ましい。
チョップド炭素繊維束の平均幅Wが2.5mm以下であれば、SMC中でチョップド炭素繊維束同士が強固に絡み合い、機械的強度が高い成形体が得られやすい。
チョップド炭素繊維束の平均幅Wの下限値は、実質的には0.5mm程度である。
チョップド炭素繊維束の平均幅W及び平均厚みHは、裁断直前の複数のチョップド炭素繊維束を得るために裁断される長尺の炭素繊維束の幅と厚みにより調整でき、裁断直前の複数のチョップド炭素繊維束を得るために裁断される長尺の炭素繊維束の幅と厚みは、裁断工程における裁断直前に、例えばエアーや振動による開繊や、複数の刃物による分繊を行うことにより調節してもよい。
(含浸工程)
SMC前駆体を得るために、裁断工程で得られた複数のチョップド炭素繊維束からなる炭素繊維基材にマトリックス樹脂組成物を含浸する方法としては、特に限定されないが、例えば、以下の方法が挙げられる。
2枚のキャリアフィルムのそれぞれにマトリックス樹脂組成物を塗工し、マトリックス樹脂組成物層を形成する。一方のキャリアフィルムのマトリックス樹脂組成物層上にチョップド炭素繊維束からなる炭素繊維基材を形成するために、マトリックス樹脂組成物層上にチョップド炭素繊維束を繊維方向がランダムになるように散布する。炭素繊維基材上に、他方のキャリアフィルムをマトリックス樹脂組成物層側が炭素繊維基材側に向くように重ね、上下方向から圧着し、炭素繊維基材の炭素繊維束間及び炭素繊維束内にマトリックス樹脂組成物を含浸させる。
キャリアフィルムとしては、特に限定されず、例えばポリプロピレン製のフィルムを用いることができる。
マトリックス樹脂組成物の塗工量及びチョップド炭素繊維束の散布量は、得られるSMC前駆体中の炭素繊維束の含有量に応じて適宜設定できる。
SMC前駆体におけるチョップド炭素繊維束の含有量は、SMC前駆体の総質量に対し、40〜70質量%が好ましく、45〜60質量%がより好ましい。
SMC前駆体におけるチョップド炭素繊維束の含有量が前記下限値以上であれば、チョップド炭素繊維束による補強効果が充分に発揮され、機械的強度がより高い成形体が得られやすい。
SMC前駆体におけるチョップド炭素繊維束の含有量が前記上限値以下であれば、SMCの成形時の流動性がより優れる。
一方のキャリアフィルムのマトリックス樹脂組成物層上に形成された、チョップド炭素繊維束からなる炭素繊維基材の目付けは、例えば500〜2500mg/mとすることができる。
(マトリックス樹脂組成物)
マトリックス樹脂組成物としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノキシ樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、尿素性樹脂、メラミン樹脂、マレイミド樹脂、シアネート樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、芳香族ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができ、特に限定されるものではないが、例えば、後述の成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含むものが挙げられる。
マトリックス樹脂組成物が成分(A)、成分(B)、及び成分(C)を含むことで、SMC製造時におけるマトリックス樹脂組成物の炭素繊維束への含浸性が優れる。そのため、機械的強度がより高い成形体が得られやすい。さらに、SMCの保管時、輸送時等における経時的な成形時の流動性の低下が抑制され、流動安定性に優れる。そのため、長期の保管後においてもSMCを良好に成形できる。また、欠損、変形、フクレ等の不具合が少なく精度、外観等に優れた成形体が得られやすい。
マトリックス樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)に加えて、成分(D)をさらに含むことが好ましい。
マトリックス樹脂組成物は、必要に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)以外の他の成分をさらに含んでもよい。
(成分(A))
成分(A)は、1分子中にエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物からなる成分である。成分(A)は、1分子中にエチレン性不飽和基を1個以上有し、かつ水酸基を1個以上有する化合物からなる成分であることが好ましい。
成分(A)は、下記成分(A−1)及び下記成分(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含むことが好ましい。
・成分(A−1):1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基及び1個以上の水酸基を有する、不飽和ポリエステル樹脂。
・成分(A−2):1分子中に、1個以上のエチレン性不飽和基及び1個以上の水酸基を有する、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
マトリックス樹脂組成物がエチレン性不飽和基を有する成分(A)を含むことで、マトリックス樹脂組成物が熱硬化性を有する。
成分(A)が不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ(メタ)アクリレート樹脂からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む場合、マトリックス樹脂組成物の硬化時の重合性がより優れる。
不飽和ポリエステル樹脂又はエポキシ(メタ)アクリレート樹脂が水酸基を有することで、成分(B)との組み合わせにより、マトリックス樹脂組成物を増粘させることができる。
成分(A)を構成する化合物は、一種でもよく二種以上でもよい。
成分(A)を構成する化合物が一種である場合、その化合物は、成分(A−1)及び成分(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
成分(A)を構成する化合物が二種以上である場合、それらの化合物の全てが成分(A−1)及び成分(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも一種であってもよく、それらの化合物の一部が成分(A−1)及び成分(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも一種であり、残部がそれら以外の他の化合物(例えば後述する重合性ビニル単量体)であってもよい。
成分(A)が他の化合物を含む場合、他の化合物は、1分子中に水酸基を1個以上有する化合物であってもよく、水酸基を有さない化合物であってもよく、それらの両方であってもよい。
成分(A−1)としては、公知の不飽和ポリエステル樹脂から適宜選択することができる。
成分(A−1)が1分子中に有するエチレン性不飽和基の数は、1個以上であればよい。
エチレン性不飽和基の数が前記上限値以下であれば、マトリックス樹脂組成物の硬化時の重合性がより優れる。
成分(A−1)が1分子中に有する水酸基の数は、1〜2.5個が好ましい。
水酸基の数が前記下限値以上であれば、成分(B)との組み合わせ時、マトリックス樹脂組成物の持つ増粘性がより優れる。
水酸基の数が前記上限値以下であれば、成分(B)との組み合わせ時、マトリックス樹脂組成物の流動性がより優れる。
成分(A−1)は、典型的には、α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸と2価のグリコールとの縮合で合成された不飽和ポリエステル樹脂(α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸と2価のグリコールとの重縮合体)である。
不飽和ポリエステル樹脂の合成においては、これら2成分のほかに、α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸以外のジカルボン酸(飽和ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸等)、ジカルボン酸と反応するジシクロペンタジエン、2価のグリコール以外のアルコール(1価のアルコール(モノオール)、3価のアルコール(トリオール)等)等を併用することができる。
α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、及びこれらジカルボン酸の無水物等が挙げられる。中でもフマル酸が好ましい。
α,β−オレフィン系不飽和ジカルボン酸と併用可能な他のジカルボン酸としては、例えばアジピン酸、セバシン酸、コハク酸、グルコン酸、フタル酸無水物、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、テトラクロロフタル酸等が挙げられる。中でもイソフタル酸が好ましい。
2価のグリコールとしては、例えばアルカンジオール、オキサアルカンジオール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド等が挙げられる。
アルカンジオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール等が挙げられる。
オキサアルカンジオールとしては、例えばジオキシエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール等が挙げられる。
上記の中でも、2価のグリコールとしては、ネオペンチルグリコール及びジプロピレングリコールが好ましい。
グリコールと併用可能な1価あるいは3価のアルコールとしては、例えばオクチルアルコール、オレイルアルコール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
成分(A−2)としては、公知のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂から適宜選択することができる。
成分(A−2)が1分子中に有するエチレン性不飽和基の数は、1〜2個が好ましい。
エチレン性不飽和基の数が前記上限値以下であれば、マトリックス樹脂組成物の硬化時の重合性がより優れる。
成分(A−2)が1分子中に有する水酸基の数は、1〜2.5個が好ましい。
水酸基の数が前記下限値以上であれば、成分(B)との組み合わせ時、マトリックス樹脂組成物の持つ増粘性がより優れる。
水酸基の数が前記上限値以下であれば、成分(B)との組み合わせ時、マトリックス樹脂組成物の流動性がより優れる。
成分(A−2)は、典型的には、エポキシ樹脂成分と不飽和一塩基酸成分との反応から得られる不飽和酸エポキシエステルである。
エポキシ樹脂成分は、1分子中に少なくとも2個のエポキシ基を有する化合物であり、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ブロム化ビスフェノールAに代表されるビスフェノール化合物を主骨格としたジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ブロム化フェノールノボラックに代表される多核フェノール化合物を主骨格としたポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;ダイマー酸、トリメリット酸に代表される有機多塩基酸を主骨格とするポリグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ビスフェノールAのエチレンオキサイドもしくはプロピレンオキサイド付加物、グリコール、及び水添ビスフェノールA等のジオール化合物を主骨格としたグリシジルエーテル型エポキシ樹脂等が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂は一種を単独で使用してもよく複数種を併用してもよい。
上記の中でも、エポキシ樹脂成分としては、ビスフェノールAを主骨格としたジグリシジルエーテル型エポキシ樹脂が好ましい。
不飽和一塩基酸成分は、エチレン性不飽和基を有する一塩基酸であり、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ソルビン酸等が挙げられる。
これらの不飽和一塩基酸成分は一種を単独で使用してもよく複数種を併用してもよい。
上記の中でも、不飽和一塩基酸成分としては、アクリル酸が好ましい。
成分(A−1)、成分(A−2)はそれぞれ一種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
成分(A)は、成分(A−1)及び成分(A−2)以外の他の化合物をさらに含んでもよい。
他の化合物としては、エチレン性不飽和基を有する化合物であれば特に制限はなく、例えば、重合性ビニル単量体、成分(A−1)以外の不飽和ポリエステル樹脂(例えば、水酸基を有さない不飽和ポリエステル樹脂)、成分(A−2)以外のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(例えば、水酸基を有さないエポキシ(メタ)アクリレート樹脂)等が挙げられる。
重合性ビニル単量体は、エチレン性不飽和基を有する単量体である。重合性ビニル単量体は反応性希釈剤として機能する。
重合性ビニル単量体としては、例えばスチレン、塩化ビニル等の水酸基を有さない重合性ビニル単量体;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートやヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する重合性ビニル単量体等が挙げられる。
これらの重合性ビニル単量体は一種を単独で使用してもよく複数種を併用してもよい。
成分(A−1)以外の不飽和ポリエステル樹脂や成分(A−2)以外のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂としては、SMC材料として通常用いられている不飽和ポリエステル樹脂及びエポキシ(メタ)アクリレート樹脂から適宜選択することができる。
成分(A)中の成分(A−1)と成分(A−2)との合計の含有量は、成分(A)の総質量に対し、90質量%以上が好ましく、95質量%以上がより好ましく、100質量%が最も好ましい。すなわち、成分(A)が、成分(A−1)及び成分(A−2)の一方又は両方のみからなることが最も好ましい。
(成分(B))
成分(B)は、ジイソシアネート化合物である。
成分(B)は、マトリックス樹脂組成物において増粘剤として作用する。成分(A)が水酸基を有する場合、成分(A)が有する水酸基と成分(B)が有するイソシアネート基とが反応することにより、エチレン性不飽和基含有プレポリマーが生じ、SMCに適度な粘度を生じさせる。
成分(B)としては、例えば、式:OCN−R−NCO(ただし、Rは炭化水素基である。)で表されるジイソシアネート化合物(B−1)、ジイソシアネートプレポリマー(B−2)、それらの変性物等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物(B−1)としては、例えば2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
ジイソシアネートプレポリマー(B−2)としては、例えば、水酸基を有するポリエーテルポリオール又はポリエステルポリオールとジイソシアネート化合物(B−1)との反応により得られる、両末端にイソシアネート基を有するジイソシアネートプレポリマーが挙げられる。
(成分(C))
成分(C)は、重合禁止剤である。
成分(C)は、水酸基を有さず、かつ活性なラジカル種と反応し、不活性なラジカル種又は安定な化合物を生成しうる化合物であることが好ましい。具体的には、成分(C)は、分子中に水酸基を有さない重合禁止剤であり、かつ100℃以上の温度において、ラジカル重合を引き起こす活性なラジカル種と反応し、ラジカル重合を引き起こさない不活性なラジカル又は安定な化合物にする作用を有することが好ましい。
「ラジカル重合を引き起こす活性なラジカル種と反応し、ラジカル重合を引き起こさない不活性なラジカル又は安定な化合物にする作用」とは、要するに、活性なラジカル種を捕捉する作用、いわゆる重合禁止作用である。つまり、成分(C)は、100℃以上の温度において重合禁止作用を示す重合禁止剤であることが好ましい。
マトリックス樹脂組成物が成分(C)を含むことで、後述する増粘工程の際に微量に生じる活性なラジカル種(例えば、後述する成分(D)から生じるラジカル)が成分(C)によって捕捉され、活性なラジカル種による反応(成分(A)の重合、架橋反応等)の進行が抑制される。このため、SMCの成形時(硬化反応時)の流動性の低下を抑制できる。
成分(C)が重合禁止作用を示す温度は、100〜140℃が好ましい。
成分(C)等の重合禁止剤が重合禁止作用を示す温度は、示差走査熱量測定(DSC)により確認できる。
成分(C)は、分子中に水酸基を有さないことが好ましい。
前記のような重合禁止作用を示す重合禁止剤の中には、例えばハイドロキノンのような水酸基を有する化合物が存在する。重合禁止剤が水酸基を有すると、重合禁止剤と成分(B)が有するイソシアネート基とが反応する。その結果、本来、成分(A)と反応して増粘剤としての作用を期待していたイソシアネート基が失われてしまうため、増粘効果が阻害される。また、この反応により、重合禁止剤としてのラジカル捕捉作用が充分に作用せず、SMCの成形温度付近(120〜160℃)でのラジカルの補捉作用が充分働かず、成形時の流動性が損なわれる。
成分(C)が水酸基を有さないことで、増粘効果が阻害されず、また成形時の流動性が損なわれない。
成分(C)としては、上記条件を満たすものであればよく、一般に重合禁止剤として知られている各種の化合物の中から、適宜選択することができる。
成分(C)の好ましい例として、p−ベンゾキノン、ナフトキノン、フェナンスラキノン、p−キシロキノン、p−トルキノン、2,6−ジクロロキノン、2,5−ジフェニル−p−ベンゾキノン、2,5−ジアセトキシ−p−ベンゾキノン、2,5−ジカプロキシ−p−ベンゾキノン等のキノン類が挙げられる。これらキノン類は、後述する成分(D)から生じるラジカル、特に有機過酸化物から生じるラジカルの補捉作用が非常に強く、成形時の流動性の低下を顕著に抑制するため、SMCの保存安定性が特に優れる。
これらのキノン類は一種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
上記の中でも、成分(C)としては、p−ベンゾキノンが好ましい。
なお、100℃以上の温度において前記の重合禁止作用を示す、水酸基を有する化合物としては、例えばカテコール、t−ブチルカテコール等のカテコール類、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−t−ブチルハイドロキノン、モノ−t−ブチルハイドロキノン等のハイドロキノン類が挙げられる。
これらの化合物は、キノン類と同様に、ラジカルの補捉作用が非常に強い。しかし、水酸基を有するため、増粘効果を阻害する、ラジカル捕捉作用が充分に作用しない等の懸念が生じうる。
(成分(D))
成分(D)は、重合開始剤である。
成分(D)に特に制限はなく、通常のエポキシ(メタ)アクリレート樹脂や不飽和ポリエステル樹脂の硬化の際に使用される重合開始剤から選択することができる。
成分(D)としては、例えば1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−アミルパーオキイシイソプロピルカーボネート、メチルエチルケトンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。
これらの有機過酸化物は一種を単独で使用してもよく、複数種を併用してもよい。
(他の成分)
マトリックス樹脂組成物に含まれうる、成分(A)、成分(B)、成分(C)、及び成分(D)以外の他の成分としては、例えば無機充填剤、内部離型剤、安定剤、顔料、着色料等の添加物が挙げられる。
無機充填剤の種類は、特に制限はなく、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、シリカ、溶融シリカ、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化アルミニウム、リン酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー、ガラスパウダー等の公知の材料を使用することができる。
これらの無機充填剤は一種を単独で使用してもよく複数種を併用してもよい。
内部離型剤の種類には、特に制限はなく、例えばリン酸エステル系誘導体、ステアリン酸亜鉛等の脂肪酸金属塩、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム等の界面活性剤等の公知の材料を使用することができる。
これらの内部離型剤は一種を単独で使用してもよく複数種を併用してもよい。
(各成分の割合)
マトリックス樹脂組成物における成分(A)の含有量は、マトリックス樹脂組成物の総質量に対し、50〜95質量%が好ましく、60〜85質量%がより好ましい。
マトリックス樹脂組成物における成分(A)の含有量が前記下限値以上であれば、得られる成形体の機械的特性がより優れる。
マトリックス樹脂組成物における成分(A)の含有量が前記上限値以下であれば、SMC製造時におけるマトリックス樹脂組成物の炭素繊維束への含浸性がより優れる。
マトリックス樹脂組成物における成分(B)の含有量は、成分(A)が有する水酸基1個に対する成分(B)のイソシアネート基の数が0.1個以上1.0個以下となる量が好ましい。
成分(A)が有する水酸基1個に対する成分(B)のイソシアネート基の数が0.1個以上であれば、マトリックス樹脂組成物を充分に増粘させることができる。
成分(A)が有する水酸基1個に対する成分(B)のイソシアネート基の数が1.0個以下であれば、余分なイソシアネート基が水分と反応して発泡し、成形後に気泡が成形物(すなわち繊維強化複合材料)内部に残ることを抑制できる。
成分(A)が有する水酸基1個に対する成分(B)のイソシアネート基の数は、0.3個以上0.8個以下がより好ましい。
マトリックス樹脂組成物における成分(B)の含有量は、マトリックス樹脂組成物の総質量に対し、5〜25質量%が好ましく、15〜25質量%がより好ましい。
マトリックス樹脂組成物における成分(C)の含有量は、成分(A)の100質量部に対し、0.001〜0.1質量部が好ましく、0.03〜0.05質量部がより好ましい。
マトリックス樹脂組成物における成分(C)の含有量が前記下限値以上であれば、加熱加圧成形時にSMCが充分な流動性を示す。また、その流動性の経時的な低下が生じにくい。
マトリックス樹脂組成物における成分(C)の含有量が前記上限値以下であれば、加熱加圧成形時に充分に速い硬化速度が得られ、速硬化性に優れる。また、硬化物が充分に架橋し、優れた面方向品質性が得られる。
マトリックス樹脂組成物における成分(D)の含有量は、成分(A)の100質量部に対し、0.1〜5質量部が好ましく、0.5〜3質量部がより好ましい。
マトリックス樹脂組成物における成分(D)の含有量が前記下限値以上であれば、加熱加圧成形時に充分に速い硬化速度が得られ、速硬化性に優れる。
マトリックス樹脂組成物における成分(D)の含有量が前記上限値以下であれば、加熱加圧成形時にSMCが充分な流動性を示す。
マトリックス樹脂組成物は、他の成分として、100℃以上の温度において前記の重合禁止作用を示す、水酸基を有する化合物をさらに含んでもよい。しかし、水酸基を有するこの化合物は、増粘効果を阻害する、ラジカル捕捉作用が充分に作用しない等の懸念が生じうる。そのため、マトリックス樹脂組成物において、100℃以上の温度において前記の重合禁止作用を示す、水酸基を有する化合物の含有量は少ないほど好ましく、例えば成分(A)の100質量部に対し、0.01質量部以下が好ましく、含まないことが特に好ましい。
SMC前駆体の25℃における初期増粘後の粘度は、10〜500Pa・sが好ましく、20〜300Pa・sがより好ましい。ここで「初期増粘」とは、SMC前駆体を25℃で60分保持した時点での粘度を意味する。
SMC前駆体の25℃における初期増粘後の粘度が前記上限値以下であれば、マトリックス樹脂組成物の炭素繊維束への含浸性がより優れる。
SMC前駆体の25℃における初期増粘後の粘度が前記下限値以上であれば、SMCが充分な形態保持性を有し、取り扱い性がより優れる。
マトリックス樹脂組成物は、成分(A)、成分(B)、及び成分(C)、ならびに必要に応じて使用する成分(D)及び他の成分を混合することにより調製できる。
混合方法としては、各成分を均一に分散又は溶解できればよく、従来から用いられる一般的な方法を用いることができる。例えば、マトリックス樹脂組成物を構成する各成分を同時に混合して調製してもよく、あるいは、必要に応じて予め成分(B)以外の成分を混合し、得られた混合物と成分(B)とを、含浸工程の直前に混合してもよい。
混合操作には、三本ロールミル、プラネタリミキサー、ニーダー、万能撹拌機、ホモジナイザー、ホモディスペンサー等の混合機を用いることができるが、これらに限定されるものではない。
(増粘工程)
SMCを得るために、SMC前駆体中のマトリックス樹脂組成物を増粘させる方法としては、特に限定されないが、例えば、含浸工程で得られたSMC前駆体を、ほぼ等温で保持することにより、炭素繊維基材に含浸されたマトリックス樹脂組成物中の成分(A)と成分(B)とを反応させてSMC前駆体を増粘させることができる。
ここで、「ほぼ等温」とは、保持温度の振れが±5℃以下であることを意味する。
保持温度及び時間は、成分(A)及び成分(B)の種類や量に応じて適宜設定できる。通常は、保持温度が10〜50℃程度、保持時間が数日〜数十日間(例えば7〜50日間)程度とされる。
前述した製造方法で得られるSMCは、複数のチョップド炭素繊維束と、マトリックス樹脂組成物の増粘物とを含む。前述のように、マトリックス樹脂組成物中の成分(A)が有する水酸基と成分(B)が有するイソシアネート基とが反応すると、エチレン性不飽和基含有プレポリマーが生じ、マトリックス樹脂組成物が増粘する。したがって、マトリックス樹脂組成物の増粘物は、エチレン性不飽和基含有プレポリマーを含む。一方、増粘前のマトリックス樹脂組成物は、エチレン性不飽和基含有プレポリマーを実質的に含まない。
SMCの総質量に対する炭素繊維束の含有量の好ましい範囲は、前述のSMC前駆体の総質量に対する炭素繊維束の含有量の好ましい範囲と同様である。
SMCにおける炭素繊維束の目付けは、例えば500〜2500mg/mとすることができる。
本発明の製造方法で製造されたSMCを加熱加圧成形することで、繊維強化複合材料である成形体が得られる。
本発明の製造方法で製造されたSMCを用いて得られる成形体は、本発明の製造方法で製造されたSMCのみを用いて得られたものであってもよく、本発明の製造方法で製造されたSMCと他の部材とを組み合わせて得られたものであってもよい。
SMCを成形する際の成形条件は、特に限定されず、例えば金型温度140℃、圧力8MPaの条件で2分間加熱加圧する条件が挙げられる。
成形体としては、特に限定されず、例えば部分的に肉厚の異なる成形体、リブ、ボスを有する成形体等であってよい。
成形体の用途としては、特に限定されず、例えば自動車の外板、内装材及び構造材料等が挙げられる。
以上説明したように、本発明においては、方法(I)で算出される嵩密度が60〜400g/Lであり、好ましくは、さらに方法(II)で算出されるカンチレバー値が100mm以上である長尺の炭素繊維束が裁断された複数のチョップド炭素繊維束にマトリックス樹脂組成物を含浸させてSMCを製造する。
このような長尺の炭素繊維束を用いることで、SMCの製造時や成形時にチョップド炭素繊維束の厚みが急激に変化しにくくなる。また、チョップド炭素繊維束が剛直であり、チョップド炭素繊維束同士が3次元的ネットワークを形成しやすくなる。そのため、引張強度や引張弾性率、曲げ強度や曲げ弾性率等の機械的強度が高い成形体が得られるSMCを製造できる。
本発明においては、方法(I)で算出される嵩密度が60〜400g/Lであるとともに、平均幅W(mm)及び平均厚みH(mm)が上述の式(1)及び式(2)を満たす長尺の炭素繊維束を用いることができる。
このような長尺の炭素繊維束は、裁断安定性に優れるため、裁断工程に用いると得られるチョップド炭素繊維束の形態安定性が良好となる傾向にある。
また、さらに方法(II)で算出されるカンチレバー値が100mm以上である長尺の炭素繊維束を使用することにより、成形品の機械的特性をさらに高めることができる。
なお、本発明のSMCの製造方法は、前記方法には限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、及びその他の変更が可能である。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
(使用材料)
使用した材料を以下に示す。
炭素繊維束(I):フィラメント数が15000本の炭素繊維束(三菱ケミカル株式会社製、TR50S 15L)。
<成分(A)>
成分(A1):エポキシ(メタ)アクリレート樹脂と不飽和ポリエステル樹脂との混合物(日本ユピカ株式会社製、製品名:ネオポール(登録商標)8113)。
<成分(B)>
成分(B1):変性ジフェニルメタンジイソシアネート(三井化学株式会社製、製品名:コスモネート(登録商標)LL)。
<成分(C)>
成分(C1):1,4−ベンゾキノン(精工化学株式会社製)。100℃以上の温度において重合禁止作用を有する。
<成分(D)>
成分(D1):1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサンの75質量%溶液(日油株式会社製、製品名:パーヘキサ(登録商標)C−75(EB))。
成分(D2):t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネートの74質量%溶液(化薬アクゾ株式会社製、製品名:カヤカルボン(登録商標)BIC−75)。
<他の成分>
成分(E1):内部離型剤(リン酸エステル系誘導体組成物)(アクセルプラスチックリサーチラボラトリー社製、製品名:MOLD WIZ INT−EQ−6)。
(炭素繊維束の嵩密度の測定)
炭素繊維束の嵩密度の測定は、以下の手順I−1〜I−2により行った。
(手順I−1)炭素繊維束を繊維長が25mmとなるようにロータリーカッターで裁断した切断片100gを2Lのメスシリンダー(Φ88mm、高さ485mmの円柱状)に充填した。
(手順I−2)メスシリンダー内の切断片の上部から均一に500gの荷重をかけ、体積に変化が無くなったときの充填された切断片の総体積(L)を測定し、切断片の総質量(100g)を切断片の総体積(L)で除して嵩密度を算出した。
(炭素繊維束のカンチレバー値の測定)
炭素繊維束のカンチレバー値の測定は、以下の手順II−1〜II−6により行った。
(手順II−1)炭素繊維束から長さ40cmの試験用炭素繊維束を切り出した。
(手順II−2)水平面と、水平面の一端から下方に向かって傾斜する、傾斜角度が45度の斜面とを有する測定台の、水平面上に試験用炭素繊維束を載せ、試験用炭素繊維束の長さ方向の第1の端部を斜面と水平面との境界線Aに合わせた。試験用炭素繊維束の上に押さえ板を載せ、押さえ板の端部を境界線Aに合わせた。
(手順II−3)押さえ板を斜面側に水平方向に2cm/秒で移動させ、試験用炭素繊維束の第1の端部が斜面と接触した時点で押さえ板の移動を停止させた。
(手順II−4)手順II−3における押さえ板の移動距離x(mm)を測定した。
(手順II−5)試験用炭素繊維束を裏返し、さらに長さ方向に反転させて長さ方向の第2の端部を境界線Aに合わせ、手順II−2〜II−4と同じ手順で押さえ板の移動距離y(mm)を測定した。
(手順II−6)炭素繊維束のカンチレバー値として、移動距離xと移動距離yとの平均値を算出した。
(SMCの樹脂含浸性の評価)
SMC前駆体を得た際に、樹脂含浸性を目視と触感で確認し、以下の評価基準で評価した。
A:マトリックス樹脂組成物が、チョップド炭素繊維束に充分に含浸している。
B:マトリックス樹脂組成物が、チョップド炭素繊維束に含浸していない部分が若干確認される。
C:マトリックス樹脂組成物が、チョップド炭素繊維束に含浸していない部分が数多く確認される。
(成形体の機械的強度の評価)
得られたSMCを、成形用金型にチャージ率(金型面積に対するSMCの面積の割合)65%でチャージし、金型温度140℃、圧力8MPaの条件で2分間加熱加圧して硬化させ、厚さ2mm、300mm角の平板状の炭素繊維強化プラスチック(CFRP)成形体(成形板)を得た。
得られた成形板のうち、問題なく成形できたものについて、長さ250mm、幅25mmの引張試験片を切り出した。共和電業製ひずみゲージKFGS−20−120−C1−11L1M2Rを試験片に貼り、100kNインストロン万能試験機を用い、ゲージ長150mm、クロスヘッド速度2.0mm/分で引張強度・弾性率試験を実施し、引張強度及び引張弾性率を測定した。
測定した試験片の数はn=6とし、平均値をそれぞれ成形板の引張強度、引張弾性率とした。引張強度や引張弾性率が高いほど、機械的強度に優れる。
引張強度としては、炭素繊維の含有率(炭素繊維含有量)が60質量%のときは、250MPa以上が好ましい。引張弾性率としては、35GPa以上が好ましい。
また、得られた成形板のうち、成形が問題なくできたものについて、長さ60mm、幅25mmの曲げ試験片を切り出した。5kNインストロン万能試験機を用い、L/D=16、クロスヘッド速度1.4mm/分で3点曲げ強度・曲げ弾性率試験を実施し、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。
測定した試験片の数はn=6とし、平均値をそれぞれ成形板の曲げ強度、曲げ弾性率とした。曲げ強度や曲げ弾性率が高いほど、機械的強度に優れる。
曲げ強度としては、炭素繊維の含有率(炭素繊維含有量)が60質量%の時は、400MPa以上が好ましい。曲げ弾性率としては、30GPa以上が好ましい。
(実施例1)
<サイジング処理炭素繊維束の製造>
炭素繊維束(I)に対し、以下の手順でサイジング剤を付与してサイジング処理炭素繊維束を製造した。
内部に浸漬ローラーを有する浸漬槽内に、サイジング剤の水分散液を満たし、該水分散液中に炭素繊維束(I)を浸漬した。その後、熱風乾燥することによってサイジング処理炭素繊維束を得た。得られたサイジング処理炭素繊維束はボビンに巻き取った。
得られたサイジング処理炭素繊維束のカンチレバー値は、152mmであった。
<チョップド炭素繊維束の製造>
得られたサイジング処理炭素繊維束に対し、チョップド炭素繊維束の平均厚みHが100μm、平均幅Wが1.5mmとなるように、振動による開繊及び複数の刃物による分繊を行った後、ロータリーカッターで裁断し、繊維長25mmのチョップド炭素繊維束を得た。得られたチョップド炭素繊維束の形態は安定しており、この裁断に際して、炭素繊維束の切り損じや巻き付きによるトラブルは生じなかった。このチョップド炭素繊維束の嵩密度は、133g/Lであった。
<マトリックス樹脂組成物の調製>
成分(A1)の100質量部、成分(D1)の0.5質量部、成分(D2)の0.5質量部、成分(E1)の0.35質量部、成分(B1)の22.0質量部、成分(C1)の0.04質量部を、万能撹拌機を用いて充分に混合撹拌し、マトリックス樹脂組成物を得た。
<SMCの製造>
得られたマトリックス樹脂組成物を、ドクターブレードを用いてポリエチレン製フィルム(キャリアフィルム)上に厚さ1.0mmになるように塗布し、その上に繊維長25mmのチョップド炭素繊維束を、炭素繊維束の目付が略均一になるように、かつ炭素繊維束の方向がランダムになるように散布した。別のポリエチレン製のキャリアフィルム上に、同じマトリックス樹脂組成物を厚さ1.0mmになるように塗布し、前記の散布した炭素繊維束上に、マトリックス樹脂組成物側が対向するように重ね、積層体を得た。この積層体を、ロールの間に通して押圧して、マトリックス樹脂組成物を炭素繊維束に含浸させてSMC前駆体を得た。
得られたSMC前駆体を室温(23℃)にて168時間(7日間)静置した。これにより、SMC前駆体中のマトリックス樹脂組成物を充分に増粘させてSMCを得た。得られたSMCの総質量に対する炭素繊維の含有率(炭素繊維含有量)は50質量%であった。また、SMCにおける炭素繊維の目付けは2000mg/mであった。
(実施例2〜7、比較例1〜3)
サイジング処理炭素繊維束のカンチレバー値、嵩密度、チョップド炭素繊維束の繊維長、平均厚みH、平均幅W、及び炭素繊維含有量を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にしてSMCを製造した。
各例の製造条件及び評価結果を表1に示す。
Figure 2019220846
表1に示すように、実施例1〜3及び実施例5〜7では、SMC製造時におけるマトリックス樹脂組成物の炭素繊維束への含浸性に優れていた。また、実施例1〜3及び実施例5〜7のSMCを用いて得た成形体は、比較例1〜3に比べて機械的強度が高かった。
実施例4では、SMC製造時におけるマトリックス樹脂組成物の炭素繊維束への含浸性はやや劣っていたが、比較例1〜3に比べて高い機械的強度を示した。
また、いずれの実施例においても、SMC製造時に得られたチョップド炭素繊維束の形態は安定しており、前記裁断工程において、炭素繊維束の切り損じや巻き付きによるトラブルは生じなかった。
10 測定台
12 水平面
14 斜面
100 試験用炭素繊維束
102 第1の端部
104 第2の端部
200 押さえ板
202 端部
A 境界線

Claims (14)

  1. 長尺の炭素繊維束が裁断された複数のチョップド炭素繊維束にマトリックス樹脂組成物を含浸させることを含むシートモールディングコンパウンドの製造方法であって、
    前記チョップド炭素繊維束の繊維長が1〜60mmであり、
    下記方法(I)で算出される前記炭素繊維束の嵩密度が60〜400g/Lである、シートモールディングコンパウンドの製造方法。
    (方法(I))
    (手順I−1)炭素繊維束を繊維長が25mmとなるようにロータリーカッターで裁断した試験用チョップド炭素繊維束100gを2Lのメスシリンダー(Φ88mm、高さ485mmの円柱状)に充填する。
    (手順I−2)メスシリンダー内の前記試験用チョップド炭素繊維束の上部から均一に500gの荷重をかけ、体積に変化が無くなったときの充填された前記試験用チョップド炭素繊維束の総体積(L)を測定し、前記試験用チョップド炭素繊維束の総質量(100g)を前記試験用チョップド炭素繊維束の総体積(L)で除して嵩密度を算出する。
  2. 下記方法(II)で算出される前記炭素繊維束のカンチレバー値が100mm以上である、請求項1に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
    (方法(II))
    (手順II−1)炭素繊維束から長さ40cmの試験用炭素繊維束を切り出す。
    (手順II−2)水平面と、前記水平面の一端から下方に向かって傾斜する、傾斜角度が45度の斜面とを有する測定台の、前記水平面上に前記試験用炭素繊維束を載せ、前記試験用炭素繊維束の長さ方向の第1の端部を前記斜面と前記水平面との境界線Aに合わせ、前記試験用炭素繊維束の上に押さえ板を載せ、前記押さえ板の端部を前記境界線Aに合わせる。
    (手順II−3)前記押さえ板を前記斜面側に水平方向に2cm/秒で移動させ、前記試験用炭素繊維束の前記第1の端部が前記斜面と接触した時点で前記押さえ板の移動を停止させる。
    (手順II−4)前記手順II−3における前記押さえ板の移動距離x(mm)を測定する。
    (手順II−5)前記試験用炭素繊維束を裏返し、さらに長さ方向に反転させて長さ方向の第2の端部を前記境界線Aに合わせ、前記手順II−2〜II−4と同じ手順で前記押さえ板の移動距離y(mm)を測定する。
    (手順II−6)炭素繊維束のカンチレバー値として、移動距離xと移動距離yとの平均値を算出する。
  3. 前記チョップド炭素繊維束の平均幅W(mm)及び平均厚みH(mm)が下記式(1)及び式(2)を満たす、請求項1又は2に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
    0.05≦H≦0.2 ・・・(1)
    10≦W/H≦40 ・・・(2)
  4. 前記チョップド炭素繊維束の平均幅W(mm)が0.5〜2.5mmである、請求項3に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
  5. 前記炭素繊維束にサイジング剤が付着しており、前記炭素繊維束における前記サイジング剤の付着量が、前記炭素繊維束及び前記サイジング剤の合計質量に対して、0.1〜3.0質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
  6. 前記シートモールディングコンパウンドの質量に対して、前記チョップド炭素繊維束の含有量が40〜70質量%であり、前記チョップド炭素繊維束からなる炭素繊維基材の目付けが500〜2500mg/mである、請求項1〜5のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
  7. 前記マトリックス樹脂組成物が、
    成分(A):1分子中にエチレン性不飽和基を1個以上有する化合物からなる成分、
    成分(B):ジイソシアネート化合物、
    成分(C):重合禁止剤、及び
    成分(D):重合開始剤
    を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
  8. 前記成分(A)が、下記成分(A−1)及び下記成分(A−2)からなる群から選ばれる少なくとも一種を含む、請求項7に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
    成分(A−1):1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基及び1個以上の水酸基を有する、不飽和ポリエステル樹脂。
    成分(A−2):1分子中に1個以上のエチレン性不飽和基及び1個以上の水酸基を有する、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂。
  9. 前記成分(C)が、分子中に水酸基を有さない重合禁止剤であり、かつ100℃以上の温度において、ラジカル重合を引き起こす活性なラジカル種と反応し、ラジカル重合を引き起こさない不活性なラジカル種又は安定な化合物にする作用を有する、請求項7又は8に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
  10. 前記成分(C)がp−ベンゾキノンである、請求項9に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
  11. 前記成分(C)の含有量が、前記成分(A)の100質量部に対し、0.001〜0.1質量部である、請求項7〜10のいずれか一項に記載のシートモールディングコンパウンドの製造方法。
  12. 下記方法(I)で算出される嵩密度が60〜400g/Lであり、平均幅W(mm)及び平均厚みH(mm)が下記式(1)及び式(2)を満たす、炭素繊維束。
    0.05≦H≦0.2 ・・・(1)
    10≦W/H≦40 ・・・(2)
    (方法(I))
    (手順I−1)炭素繊維束を繊維長が25mmとなるようにロータリーカッターで裁断した試験用チョップド炭素繊維束100gを2Lのメスシリンダー(Φ88mm、高さ485mmの円柱状)に充填する。
    (手順I−2)メスシリンダー内の前記試験用チョップド炭素繊維束の上部から均一に500gの荷重をかけ、体積に変化が無くなったときの充填された前記試験用チョップド炭素繊維束の総体積(L)を測定し、前記試験用チョップド炭素繊維束の総質量(100g)を前記試験用チョップド炭素繊維束の総体積(L)で除して嵩密度を算出する。
  13. 下記方法(II)で算出されるカンチレバー値が100mm以上である、請求項12に記載の炭素繊維束。
    (方法(II))
    (手順II−1)炭素繊維束から長さ40cmの試験用炭素繊維束を切り出す。
    (手順II−2)水平面と、前記水平面の一端から下方に向かって傾斜する、傾斜角度が45度の斜面とを有する測定台の、前記水平面上に前記試験用炭素繊維束を載せ、前記試験用炭素繊維束の長さ方向の第1の端部を前記斜面と前記水平面との境界線Aに合わせ、前記試験用炭素繊維束の上に押さえ板を載せ、前記押さえ板の端部を前記境界線Aに合わせる。
    (手順II−3)前記押さえ板を前記斜面側に水平方向に2cm/秒で移動させ、前記試験用炭素繊維束の前記第1の端部が前記斜面と接触した時点で前記押さえ板の移動を停止させる。
    (手順II−4)前記手順II−3における前記押さえ板の移動距離x(mm)を測定する。
    (手順II−5)前記試験用炭素繊維束を裏返し、さらに長さ方向に反転させて長さ方向の第2の端部を前記境界線Aに合わせ、前記手順II−2〜II−4と同じ手順で前記押さえ板の移動距離y(mm)を測定する。
    (手順II−6)炭素繊維束のカンチレバー値として、移動距離xと移動距離yとの平均値を算出する。
  14. シートモールディングコンパウンドを製造するための、請求項12又は13に記載の炭素繊維束の使用。
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