JPWO2019208297A1 - アンテナ結合素子、アンテナ装置及び通信端末装置 - Google Patents

アンテナ結合素子、アンテナ装置及び通信端末装置 Download PDF

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Abstract

アンテナ結合素子(20)は、第1放射素子(11)及び給電回路(30)に接続される第1コイル(L1)と、第2放射素子(12)に接続され、第1コイル(L1)に対して電磁界結合する第2コイル(L2)と、を有する。第1コイル(L1)及び第2コイル(L2)は、第1コイル(L1)から第1放射素子(11)の方向へ電流が流れるときに第1コイル(L1)に生じる磁界の方向と、第2コイル(L2)から第2放射素子(12)の方向へ電流が流れるときに第2コイル(L2)に生じる磁界の方向とを互いに逆の関係とする。また、第1コイル(L1)及び第2コイル(L2)は、第1コイル(L1)及び第2コイル(L2)で構成されるトランスを含む第2放射素子(12)の基本波の共振周波数を、第1放射素子(11)の基本波の共振周波数よりも低く定める。

Description

本発明は複数の放射素子と給電回路との間に接続されるアンテナ結合素子と、それを備えたアンテナ装置及び通信端末装置に関するものである。
アンテナ装置の使用可能周波数帯域を広帯域化するため、又は複数の周波数帯域に対応するために、直接的又は間接的に結合する2つの放射素子を備えるアンテナ装置が用いられている。また、2つの放射素子と、この2つの放射素子に対する給電を行うアンテナ結合素子とを備えたアンテナ装置が特許文献1に示されている。
特許第5505561号公報
例えば携帯電話の通信用アンテナでは、複数の周波数帯域を同時に使用することで伝送レートを高めるキャリアアグリゲーションに対応させる目的等により0.60GHz〜2.7GHzのような広帯域をカバーすることを要求されることがある。しかも、キャリアアグリゲーションに対応するために、広帯域を同時に使用できるアンテナ装置が求められる。
特許文献1に示されるアンテナ装置は、二つの放射素子(給電放射素子及び無給電放射素子)と給電回路との間に、アンテナ結合素子を接続したものである。この構成のアンテナ装置は、広帯域を同時にカバーするうえで有用なものである。
ところが、例えばローバンド(0.60GHz〜0.96GHz)の帯域におけるアンテナ装置の使用可能周波数帯域を更に広帯域化しようとすると、無給電放射素子の長さをより長くする必要があるが、携帯電話端末等の小型の通信端末では放射素子の形成のために使用可能な面積に限りがある。そのため、長い放射素子を設けようとすると、上記二つの放射素子が少なくとも部分的に、二つの放射素子が互いに沿うように実質的に同方向に延びるような設計を選択せざるを得ない場合がある。
しかし、アンテナ結合素子を介して、給電回路と二つの放射素子とを接続したアンテナ装置において、二つの放射素子が実質的に同方向に延びる部分があると、その二つの放射素子から発生される磁界を弱めあう、という不具合が生じる場合がある。
ここで、上記不具合が生じるアンテナ装置の放射効率の周波数特性について、その概念図を図20に示す。図20において、特性E1は給電放射素子単体での放射効率の周波数特性であり、特性E2は上記アンテナ結合素子とローバンド用の無給電放射素子とを付加した状態でのアンテナ装置の放射効率の周波数特性である。アンテナ結合素子とローバンド用の無給電放射素子を付加することで、二つの放射素子から発生される磁界を弱めあう関係になると、このように給電放射素子が受け持っていた周波数帯域(0.96GHz付近)の放射効率が低下してしまう。
このように、二つの放射素子が実質的に同方向に延びる部分のあるアンテナ装置では、給電放射素子の共振周波数付近において無給電放射素子の存在によって放射が妨げられる場合がある。
そこで、本発明の目的は、少なくとも二つの放射素子から発生される磁界の弱め合いによる放射効率の低下を抑制する、アンテナ結合素子と、それを備えたアンテナ装置及び通信端末装置を提供することにある。
本開示の一例としてのアンテナ結合素子は、第1放射素子及び給電回路に接続される、又は第1放射素子及びグランドに接続される第1コイルと、第2放射素子に接続され、第1コイルに対して電磁界結合する第2コイルと、を有する。
第1コイルと第2コイルは、第1コイルから第1放射素子へ電流が流れるときに第1コイルに生じる磁界の方向と、第2コイルから第2放射素子へ電流が流れるときに第2コイルに生じる磁界の方向とが互いに逆の関係となるように巻回され、第1コイル及び第2コイルで構成されるトランスを含む第2放射素子の基本波の共振周波数は、第1コイルを含む第1放射素子の基本波の共振周波数よりも低い。
上記構成によれば、第1放射素子の共振周波数帯において、第1コイルから第1放射素子へ電流が流れたときに、第2コイルから第2放射素子の方向へ電流が流れるので、第1放射素子と第2放射素子とに実質的に同方向に延びる部分があっても、第1放射素子と第2放射素子とから発生される磁界が弱められず、放射効率の低下が抑制される。
本発明によれば、少なくとも二つの放射素子から発生される磁界の弱め合いによる放射効率の低下を抑制するアンテナ結合素子と、それを備えたアンテナ装置及び通信端末装置が得られる。
図1は第1の実施形態に係るアンテナ結合素子20の斜視図である。 図2(A)は、アンテナ装置101Aと、それを備える通信端末装置110Aの主要な構成を示す平面図である。図2(B)はアンテナ装置101Aの、特に給電部FA(アンテナ結合素子の実装部)の拡大平面図である。 図3は、アンテナ結合素子20を含むアンテナ装置101Aの回路図である。 図4は、アンテナ結合素子20の各層に形成されている導体パターンを示す分解平面図である。 図5は、アンテナ結合素子20の各層に形成されている導体パターンを示す分解平面図であり、図4に示した例とは異なる例である。 図6(A)はアンテナ装置101Aの反射係数の周波数特性を示す図である。図6(B)は比較例のアンテナ装置の反射係数の周波数特性を示す図である。 図7(A)はアンテナ装置101Aの電流位相の周波数特性を示す図である。図7(B)は比較例のアンテナ装置の電流位相の周波数特性を示す図である。 図8は、ハイバンドを含む周波数範囲について、アンテナ装置の反射係数の周波数特性を示す図である。 図9はアンテナ装置の放射効率の周波数特性を示す図である。 図10はアンテナ装置101Bと、それを備える通信端末装置110Bの主要な構成を示す平面図である。 図11は第2の実施形態に係るアンテナ装置102Aの構成を示す図である。 図12は第2の実施形態に係る別のアンテナ装置102Bの構成を示す図である。 図13は第3の実施形態に係るアンテナ装置103の構成を示す図である。 図14は第3の実施形態に係る別のアンテナ装置104の構成を示す図である。 図15は第4の実施形態に係るアンテナ装置105の構成を示す図である。 図16は第4の実施形態に係るアンテナ装置105の導体パターンの具体的な構成を示す図である。 図17は、第4の実施形態のアンテナ装置105と比較例のアンテナ装置について、ハイバンドにおける放射効率を示す図である。 図18は第4の実施形態の別のアンテナ装置106の構成を示す図である。 図19は、第4の実施形態のアンテナ装置に対する比較例としてのアンテナ装置の構成を示す図である。 図20は、二つの放射素子から発生される磁界を弱めあう場合の、アンテナ装置の放射効率の周波数特性を示す概念図である。
以降、図を参照して幾つかの具体的な例を挙げて、本発明を実施するための複数の形態を示す。各図中には同一箇所に同一符号を付している。要点の説明又は理解の容易性を考慮して、実施形態を便宜上分けて示すが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせは可能である。第2の実施形態以降では第1の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
《第1の実施形態》
図1は第1の実施形態に係るアンテナ結合素子20の斜視図である。本実施形態のアンテナ結合素子20は電子機器内の回路基板に実装される、直方体状のチップ部品である。図1においては、アンテナ結合素子20の外形を二点鎖線で表している。アンテナ結合素子20の外面には、第1放射素子接続端子T1、給電回路接続端子T2、グランド接続端子T3、及び第2放射素子接続端子T4が形成されている。また、アンテナ結合素子20は第1面MS1と当該第1面とは反対側の面である第2面MS2とを備える。本実施形態では、第1面MS1が実装面である。
図2(A)は、アンテナ装置101Aと、それを備える通信端末装置110Aの主要な構成を示す平面図である。図2(B)はアンテナ装置101Aの、特に給電部FA(アンテナ結合素子の実装部)の拡大平面図である。
図2(A)では、通信端末装置110Aの特に回路基板について示している。回路基板は、グランド導体パターン42が形成されているグランド領域と、グランド導体パターン42が形成されていない、非グランド領域とを備える。この非グランド領域に第1放射素子11と第2放射素子12が形成されている。なお、この非グランド領域は、この回路基板上に設けた別体の基板に形成してもよい。
アンテナ結合素子20の第1放射素子接続端子T1は第1放射素子11に接続され、第2放射素子接続端子T4は第2放射素子12に接続される。給電回路接続端子T2は、給電回路が接続される伝送線路に接続され、グランド接続端子T3はグランド導体パターン42に接続される。
図2(A)に示す向きで、第1放射素子11は給電部FAから右方向に延び、右端部で左方向へ折り返す、線状の導体パターンで構成されている。また、第2放射素子12の主要部はグランド領域と非グランド領域との境界に沿って、給電部FAから左方向に延びる線状の導体パターンで構成されている。第1放射素子11は第2放射素子12に比べてグランド導体パターン42からより離れた位置に配置されている。このような配置構造によって、第1放射素子11の放射はグランド導体パターン42で妨げられ難くなる。第1放射素子11及び第2放射素子12はいずれもモノポールアンテナとして作用する。
このように、第1放射素子11が途中で折り返されているので、第1放射素子11と第2放射素子12とは、限られた面積の非グランド領域に形成される。第1放射素子11と第2放射素子12とは部分的に実質的に同方向に延びるが、後に示すとおり、第1放射素子11と第2放射素子12から発生される磁界の弱め合いは抑制される。
図3は、上記アンテナ結合素子20を含むアンテナ装置101Aの回路図である。アンテナ結合素子20は、互いに磁界結合する第1コイルL1及び第2コイルL2を含む。図3中のMは、この磁界結合を表している。第1コイルL1から第1放射素子11の方向へ流れる電流によって第1コイルL1に生じる磁界の方向と、第2コイルL2から第2放射素子12の方向へ流れる電流によって第2コイルL2に生じる磁界の方向とは互いに逆である。図3中のドットマークはこの関係を示す。上記グランドは本発明に係る「基準電位」に相当する。
後に示すように、第2コイルL2の自己インダクタンスは第1コイルL1の自己インダクタンスよりも大きい。ローバンドでは周波数低下に伴う誘導起電力の低下を抑制するため、第1コイルL1と第2コイルL2との結合係数、第1コイルL1の自己インダクタンス、第2コイルL2の自己インダクタンスの少なくともいずれかを大きくする必要があるが、上記結合係数を大きくすることは、製造プロセス上困難であり、第1コイルL1の自己インダクタンスを大きくすると、第1放射素子とのインピーダンス整合を崩すことになる。したがって、上述のとおり、第2コイルL2の自己インダクタンスを大きくすることが好ましい。
図3に示す給電回路30は、ローバンドとハイバンドを含む通信周波数帯の通信信号を入出力する。
図4及び図5は、アンテナ結合素子20の各層に形成されている導体パターンを示す分解平面図である。図4と図5とでは、アンテナ結合素子20の各層に形成されている導体パターンの一部が異なる。
図4及び図5において、最下層である絶縁基材S1の下面及び絶縁基材S15の上面には端子T1,T2,T3,T4が形成されている。積層後には、絶縁基材S2〜S14の側面にも端子T1,T2,T3,T4が形成される。絶縁基材S5,S6の上面には導体パターンL1a,L1bが形成されている。絶縁基材S7〜S10の上面には導体パターンL2a〜L2dが形成されている。最上層である絶縁基材S15の上面には端子T1,T2,T3,T4が形成されている。
導体パターンL1aの一端は積層体の側面に形成される層間接続導体を介して端子T2に接続される。導体パターンL1aの他端は層間接続導体Vを介して導体パターンL1bの一端に接続される。そして、導体パターンL1bの他端は積層体の側面に形成される層間接続導体を介して端子T1に接続される。
導体パターンL2aの一端は積層体の側面に形成される層間接続導体を介して端子T3に接続される。導体パターンL2aの他端は層間接続導体Vを介して導体パターンL2bの一端に接続される。導体パターンL2bの他端は層間接続導体Vを介して導体パターンL2cの一端に接続される。導体パターンL2cの他端は層間接続導体Vを介して導体パターンL2dの一端に接続される。そして、導体パターンL2dの他端は積層体の側面に形成される層間接続導体を介して端子T4に接続される。
上記導体パターンL1a,L1b及びそれらを層間接続する層間接続導体によって第1コイルL1が構成され、導体パターンL2a〜L2d及びそれらを層間接続する層間接続導体によって第2コイルL2が構成される。積層体の平面視で、第1コイルL1と第2コイルL2のコイル開口は重なる。第2コイルL2のターン数は第1コイルL1のターン数より多く、第2コイルL2の自己インダクタンスは第1コイルL1の自己インダクタンスよりも大きい。
第2コイルL2の自己インダクタンスを第1コイルL1の自己インダクタンスより大きくするための構造は、図4に示したように、第2コイルL2形成用の導体パターンの形成層数を多くすることに限らない。例えば、層数を変えずに各層の中で導体パターンのターン数を増やすことや、導体パターンの線幅を狭くすることや、導体パターンの長さを長くすること、などによっても実現できる。
図4と図5とでは、導体パターンL1a,L1bが上下逆の関係にある。また、導体パターンL2a,L2b,L2c,L2dが左右逆の関係にある。図4、図5のいずれの例でも、図3に示したように、第1コイルL1から第1放射素子11の方向へ流れる電流によって第1コイルL1に生じる磁界の方向と、第2コイルL2から第2放射素子12の方向へ流れる電流によって第2コイルL2に生じる磁界の方向とは互いに逆となるように、第1コイルL1及び第2コイルL2は巻回されている。
アンテナ結合素子20を樹脂多層基板で構成する場合、上記絶縁基材S1〜S15は例えば液晶ポリマー(LCP)シートであり、導体パターンL1a,L1b,L2a〜L2dは例えば銅箔をパターンニングしたものである。また、アンテナ結合素子20をセラミック多層基板で構成する場合、上記絶縁基材S1〜S15は例えば低温同時焼成セラミックス(LTCC[Low Temperature Co-fired Ceramics])であり、導体パターンL1a,L1b,L2a〜L2dは例えば銅ペーストを印刷形成したものである。また、アンテナ結合素子20は、セラミック多層基板に限らず、例えば、ガラスを主成分とした絶縁ペーストのスクリーン印刷による塗布を繰り返すことで形成してもよい。この場合、フォトリソグラフィ工程により、上記各種導体パターンを形成する。
このように、基材層が非磁性体であることにより(磁性体フェライトではないので)、0.60GHz〜2.7GHzの高周波数帯でも所定インダクタンス、所定結合係数のトランスとして用いることができる。
なお、導体パターンL1a,L1b,L2a〜L2dを積層体の中間層に集中させているので、このアンテナ結合素子20を回路基板に実装した状態で、回路基板に存在するグランド導体と第1コイルL1及び第2コイルL2との間隔が確保される。また、アンテナ結合素子20の上部に何らかの金属部材が近接しても、この金属部材と第1コイルL1及び第2コイルL2との間隔が確保される。そのため、第1コイルL1及び第2コイルL2から生じる磁界が周囲の影響を受けにくくなり、安定した特性が得られる。
図6(A)はアンテナ装置101Aの反射係数の周波数特性を示す図である。図6(B)は比較例のアンテナ装置の反射係数の周波数特性を示す図である。図7(A)はアンテナ装置101Aの電流位相の周波数特性を示す図である。図7(B)は比較例のアンテナ装置の電流位相の周波数特性を示す図である。この比較例のアンテナ装置は、アンテナ結合素子20の第1コイルL1と第2コイルL2との結合の極性が図3に示した例とは逆のアンテナ結合素子を用いたものである。
図6(A)、図6(B)において、横軸は周波数、縦軸は反射係数である。ここで、反射係数R2は図3において給電回路30からアンテナ結合素子20側を見た(つまりアンテナ装置101Aの)反射係数である。また、反射係数R1は図3において給電回路接続端子T2から第1放射素子11側を見た(つまり、第1コイルL1を含む第1放射素子11の)反射係数である。反射係数R3は比較例のアンテナ装置において給電回路からアンテナ結合素子側を見た(つまり比較例のアンテナ装置の)反射係数である。
図6(A)、図6(B)において、周波数f11は第1コイルL1を含む第1放射素子11の共振周波数(第1コイルL1と第1放射素子11とによる共振周波数)であり、周波数f21は、アンテナ結合素子20と第2放射素子12による基本波の共振周波数である。このように、第1コイルL1を含む第1放射素子11は周波数f11で基本波で共振し、アンテナ装置全体では周波数f21でも基本波で共振する。
本実施形態のアンテナ装置101Aと比較例のアンテナ装置とでは、第1放射素子11と第2放射素子12との相互作用が異なる。本実施形態の方が、第1放射素子11と第2放射素子12との、主に磁界結合が強められるので、磁界を弱め合っている比較例に比べて、見かけ上の放射素子のインダクタンス成分が大きくなり、共振周波数が低くなっている。図6(A)と図6(B)とで、周波数f21での反射係数が異なる理由についても同様である。
図7(A)、図7(B)において、横軸は周波数、縦軸は電流位相である。ここで、位相P1は、図3において第1放射素子11に流れる電流の位相である。また、位相P2は、図3において第2放射素子12に流れる電流の位相である。
図7(B)に示すように、比較例のアンテナ装置では、第1放射素子11の共振周波数(0.85GHz)以上で第2放射素子12のインピーダンスは誘導性に変わり、第1放射素子11に流れる電流と第2放射素子12に流れる電流との位相差が大きくなる。図7(B)に示す例では、周波数0.73GHz以上で、上記位相差は90度を超える。このことによって、0.73GHz以上では、第1放射素子11から発生する磁界が、第2放射素子12による磁界によって弱められ、第1放射素子11の放射が妨げられる。第1放射素子11の共振周波数(0.85GHz)付近では、上記位相差は180度になって、第1放射素子11から発生する磁界が、第2放射素子12による磁界を弱めるように作用する。
上述した「第1放射素子11に流れる電流の位相」は、アンテナ結合素子20の第1コイルL1と第1放射素子11との間に流れる電流の位相をネットワークアナライザなどによって測定することで得られるが、実際に測定するには、電流プローブ間を近接しないようにする必要があり、難しい。そこで、例えば、まず第1放射素子11だけのSパラメータとアンテナ結合素子20だけのSパラメータとを測定し、その後、アンテナ装置101Aの回路構成と、第1放射素子11のSパラメータと、アンテナ結合素子20のSパラメータとを用いて、回路シミュレータ上でアンテナ結合素子20の第1コイルL1と第1放射素子11との間に流れる電流を計算することで、「第1放射素子11に流れる電流の位相」を得る。「第2放射素子12に流れる電流の位相」についても同様である。つまり、第2放射素子12だけのSパラメータとアンテナ結合素子20だけのSパラメータとをそれぞれ測定し、その後、アンテナ装置101Aの回路構成と、第2放射素子12のSパラメータと、アンテナ結合素子20のSパラメータとを用いて、回路シミュレータ上でアンテナ結合素子20の第2コイルL2と第2放射素子12との間に流れる電流を計算することで、「第2放射素子12に流れる電流の位相」を得る。なお、電流プローブを互いに近接させないで測定できるのであれば、アンテナ結合素子20の第1コイルL1と第1放射素子11との間に流れる電流の位相や、アンテナ結合素子20の第2コイルL2と第2放射素子12との間に流れる電流の位相を直接測定することで、「第1放射素子11に流れる電流の位相」や、「第2放射素子12に流れる電流の位相」を得てもよい。
これに対し、本実施形態のアンテナ装置101Aでは、図6(A)、図7(A)に示すように、0.70GHz以上の周波数帯において、第1放射素子11に流れる電流と第2放射素子12に流れる電流との位相差が90度を超えることはない。したがって、ローバンドで第1放射素子11から発生する磁界が、第2放射素子12による磁界によって弱められにくく、第1放射素子11の放射が妨げられない。
図8は、ハイバンドを含む周波数範囲について、アンテナ装置の反射係数の周波数特性を示す図である。図6(A)、図6(B)と同様に、図8において、反射係数R2は図3において給電回路30からアンテナ結合素子20側を見た反射係数であり、反射係数R1は第1コイルL1を含む第1放射素子11の反射係数であり、反射係数R3は比較例のアンテナ装置の給電回路からアンテナ結合素子側を見た反射係数である。
図8において、周波数0.60GHz〜0.96GHzがローバンド、周波数1.71GHz〜2.69GHzがハイバンドである。
図9はアンテナ装置の放射効率の周波数特性を示す図である。図9において、RE1は第1放射素子11の放射効率、RE2,RE3は、トランスと第2放射素子12とを含むアンテナ装置の放射効率である。ここで、RE2は本実施形態のアンテナ装置の放射効率であり、RE3は比較例のアンテナ装置の放射効率である。
図8に表れているように、第1コイルL1を含む第1放射素子11は、上記ローバンド内の周波数f11で基本波共振し、ハイバンド内の周波数f13で3倍波共振する。また、トランスと第2放射素子12とによる共振回路(トランスを含む第2放射素子12)は周波数f21で基本波共振し、周波数f23で3倍波共振する。このトランスを含む第2放射素子12の基本波の共振周波数f21は、第1コイルL1を含む第1放射素子11の基本波の共振周波数f11よりも低くなるように定める。このことにより、ローバンドにおけるアンテナ装置の使用可能周波数帯域が広がる。
なお、トランスを含む第2放射素子12の基本波共振周波数f21を、第1コイルL1を含む第1放射素子11の基本波の共振周波数f11より高い方に定めることも可能であるが、その場合、周波数f21が、後に言及する反共振点に近づくため、共振系の抵抗成分が大きくなって電力損失が大きくなる。したがって、図8に示した例のように、トランスを含む第2放射素子12の基本波の共振周波数f21を、第1コイルL1を含む第1放射素子11の基本波の共振周波数f11より低い方に定めることが好ましい。
図8に表れているように、本実施形態のアンテナ装置において給電回路からアンテナ結合素子側を見た反射係数R2と、比較例のアンテナ装置において給電回路からアンテナ結合素子側を見た反射係数R3とで、それぞれ確認できる反射損には大差はない(反射損は本実施形態で0.6dB、比較例で0.8dB)。しかし、本実施形態では、電流の位相差が90度を超えないように電流の干渉が緩和されることによって、図9中の破線で囲む部分に表れているように、第1コイルL1を含む第1放射素子の共振周波数(0.8GHz)付近で、比較例のアンテナ装置に対し、本実施形態のアンテナ装置の放射効率は約1dB改善されている。
また、本実施形態では、トランスを含む第2放射素子12の3倍波共振周波数f23を、第1コイルL1を含む第1放射素子の基本波の共振周波数f11と、第1コイルL1を含む第1放射素子11の3倍波共振周波数f13との間に定めている。このことにより、図9に表れているように、トランスを含む第2放射素子12の基本波の共振周波数f21と3倍波共振周波数f23との間の周波数帯域における放射効率を上げることができる。
なお、第1コイルL1を含む第1放射素子11の基本波の共振周波数と3倍波共振周波数との間に、第1コイルL1を含む第1放射素子11の反共振点が生じる。トランスを含む第2放射素子12の3倍波共振周波数f23は、上記反共振周波数と、第1コイルL1を含む第1放射素子11の3倍波共振周波数f13との間に定めることが好ましい。上記トランスを含む第2放射素子12の3倍波共振が効果的に生じるからである。また、第1コイルL1を含む第1放射素子11の3倍波共振周波数f13付近の反射係数が低下し、ハイバンドの周波数帯を広帯域化できるからである。
図10は、図2(A)、図2(B)に示したアンテナ装置101Aとは一部の構成が異なるアンテナ装置101Bと、それを備える通信端末装置110Bの主要な構成を示す平面図である。この例では、アンテナ装置101Bの第1放射素子11及び第2放射素子12を形成する非グランド領域に金属体などの導電性部材MOが近接する、又はその位置に導電性部材MOが配置される。第1放射素子11の形状は図2(A)に示したものとほぼ同じであるが、第2放射素子12は、導電性部材MOの近傍を避けるように、途中で折り返された形状である。
このような構造により、導電性部材MOによる第2放射素子12への影響を避けられる。なお、第1放射素子11及び第2放射素子12の磁界強度が高い領域はアンテナ結合素子20付近であるので、この例のように、第1放射素子11と第2放射素子12の延びる方向が逆となる部分があっても、上述と同様の作用効果を奏する。
《第2の実施形態》
第2の実施形態では、第1の実施形態で示した第1放射素子及び第2放射素子とは構成が異なる幾つかの例について示す。
図11は第2の実施形態に係るアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置102Aは、第1放射素子11、第2放射素子12、アンテナ結合素子20及びインダクタL11を備える。図2(A)、図2(B)に示した例では、第1放射素子11はモノポールアンテナとして作用する例であったが、この図11に示す例では、第1放射素子11はループアンテナとして作用する。つまり、第1放射素子11の先端とグランドとの間にインダクタL11を挿入して、このインダクタL11と第1放射素子11とでループを構成している。インダクタL11は、第1放射素子11の実効電気長を調整する素子として、又はループアンテナの共振周波数を調整する素子として作用する。その他の構成は第1の実施形態で示したとおりである。
図12は第2の実施形態に係る別のアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置102Bは、第1放射素子11、第2放射素子12、アンテナ結合素子20、インダクタL11a,L11b、キャパシタC11a,C11b及びスイッチ4を備える。スイッチ4は、アンテナ装置外部から与えられる制御信号に応じて、インダクタL11a,L11b、キャパシタC11a,C11bのうち一つを選択的に第1放射素子11の先端に接続する。したがって、スイッチ4によりアンテナの実効長が変更可能となる。
インダクタL11aとインダクタL11bとではインダクタンスが異なり、キャパシタC11aとキャパシタC11bとではキャパシタンスが異なる。これらリアクタンス素子L11a,L11b,C11a,C11bのうちどの素子を選択するかによって、第1放射素子11の共振周波数が切り替えられる。その他の構成は図11に示したとおりである。
図11、図12に示したように、第1放射素子11を含んでループアンテナを構成すれば、この第1放射素子11のスペースを削減できる。また、ループアンテナ構造であれば、人体の近接による第1放射素子11のアンテナ特性の変動を抑制できる。さらに、このループアンテナの構造上の内側にモノポール構造の第2放射素子12を配置することで、人体の近接による第2放射素子12のアンテナ特性の変動も抑制できる。
《第3の実施形態》
図13は第3の実施形態に係る別のアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置103は、第1放射素子11、第2放射素子12、及びアンテナ結合素子20を備える。第1放射素子11の給電端にアンテナ結合素子20の第1コイルL1を介して給電回路30が接続されている。そして、第1放射素子11の先端は開放されていて、途中の所定の接地位置PSがグランドに接地されている。この構成により、第1放射素子11は逆Fアンテナとして作用する。また、第1放射素子11が面状に拡がりのある導体であれば、PIFA(planar inverted-F antenna)として作用する。このように、第1放射素子11を逆F型アンテナやPIFAとすることによって、第1放射素子11のインピーダンスを給電回路とのインピーダンスと同程度にでき、インピーダンス整合が容易となる。
本発明はこのように第1放射素子11が逆FアンテナやPIFAであるアンテナ装置にも適用できる。
図14は第3の実施形態に係る別のアンテナ装置の構成を示す図である。このアンテナ装置104は、第1放射素子11、第2放射素子12、及びアンテナ結合素子20を備える。第1放射素子11の所定の接地位置PSとグランドとの間のショートピンとして、アンテナ結合素子20の第1コイルL1が接続されている。そして、アンテナ結合素子20の第2コイルL2に第2放射素子12が接続されている。この構成により、第1放射素子11は逆Fアンテナとして作用する。また、第1放射素子11が面状に拡がりのある導体であれば、PIFA(planar inverted-F antenna)として作用する。このような実施形態においては、第1放射素子11に流れる電流が最大となる位置に第1コイルL1が接続されているため第2放射素子12の起電力の低下をさらに抑制することができる。
本発明はこのように第1放射素子11が逆FアンテナやPIFAであるアンテナ装置にも適用できる。
《第4の実施形態》
図15は第4の実施形態に係る別のアンテナ装置105の構成を示す図である。このアンテナ装置105は、第1放射素子11、第2放射素子12、第3放射素子13、ダイプレクサ40、及びアンテナ結合素子20を備える。アンテナ結合素子20は、第1の実施形態で示したものと同じであり、例えば図4や図5に示したとおりである。
本実施形態のアンテナ装置105は、第1放射素子11を用いてアンテナ装置105の使用周波数におけるローバンドを担い、第2放射素子12、第3放射素子13を用いてハイバンドを担う。換言すれば、1つの放射素子で、ローバンドからハイバンドまでの帯域を担うわけではなく、ローバンド、ハイバンドのそれぞれを別の放射素子を用いて広帯域化するアンテナ装置である。
ダイプレクサ40は、給電ポートP0、ハイバンド用のアンテナポートP1及びローバンド用のアンテナポートP2を備える。給電回路30は給電ポートP0に接続され、第3放射素子13はアンテナポートP2に接続され、第1放射素子11はアンテナポートP1に接続される。第2放射素子12はアンテナ結合素子20を介して第1放射素子11と結合し、ハイバンド側の帯域を広帯域化する。
本実施形態においては、ダイプレクサ40を用いることで、ローバンド、ハイバンドそれぞれにおいて、1つの放射素子の基本波の共振(この共振にはアンテナ結合素子20を含む)を用いることができるため、このように、ハイバンド側の広帯域化にアンテナ結合素子20を用いることができる。ただし、1つの放射素子の基本波の共振において効果的に広帯域化するために、第1コイルL1から第1放射素子11の方向へ電流が流れるときに第1コイルL1に生じる磁界の方向と、第2コイルL2から第2放射素子12の方向へ電流が流れるときに第2コイルL2に生じる磁界の方向とが互いに逆の関係となるように巻回された、アンテナ結合素子20を用いる点においては前出の実施形態と同じである。なお、ダイプレクサ40の代わりに、スイッチで放射素子を切り替える機構を用いたアンテナ装置においても、アンテナ結合素子20を用いることで、ハイバンドを同様に広帯域化できる。
図16は第4の実施形態に係るアンテナ装置105の導体パターンの具体的な構成を示す図である。図16に示す第1放射素子11、第2放射素子12、第3放射素子13はいずれも基板上の導体パターンで形成されたモノポールアンテナである。第3放射素子13はローバンドを担うため第1放射素子11及び第2放射素子12に比べ長い。また、第2放射素子12は第1放射素子11に比べて長い。このことによって第2放射素子12の放射は第1放射素子11によって妨げられにくい。また、第3放射素子13と第1放射素子11、第3放射素子13と第2放射素子12は互いに逆方向に延伸している。これによって、第3放射素子13と第1放射素子11との相互干渉、及び、第3放射素子13と第2放射素子12との相互干渉は抑制される。
ここで、比較例としてのアンテナ装置を図19に示す。この比較例のアンテナ装置は、第4の実施形態のアンテナ装置に比べて、第2放射素子12及びアンテナ結合素子20が無い点で異なる。
図17は、第4の実施形態のアンテナ装置105と比較例のアンテナ装置について、ハイバンドにおける放射効率を示す図である。図17の横軸は周波数、縦軸は放射効率であり、実線は第4の実施形態のアンテナ装置105の特性、破線は比較例のアンテナ装置の特性である。図17に表れているように、第4の実施形態のアンテナ装置の方が、比較例よりも1.70GHz〜1.80GHz付近で放射効率が2dB〜3dB程度高いことが分かる。その他の周波数帯については、比較例に比べ1dB以下の違いであり、比較例と変わらないと言える。これは、アンテナ結合素子20によって第1放射素子11の共振点に第2放射素子12の共振点が加わったためである。ここで、「第1放射素子11の共振」と「第2放射素子12の共振」とは、それぞれ第1放射素子11、第2放射素子12単体での共振ではなく、アンテナ結合素子20を含んだ共振である。これにより、第4の実施形態の構成においても、第2放射素子12とアンテナ結合素子20によって広帯域化されることが分かる。また、このようにローバンドとハイバンドとを別々の放射素子が担うアンテナ装置においては、ハイバンドにおいても放射素子の基本波の共振を用いることができるため、ハイバンドを広帯域化することができる。
図18は第4の実施形態の別のアンテナ装置106の構成を示す図である。このアンテナ装置106は、第1放射素子11、第2放射素子12、第3放射素子13、ダイプレクサ40、及びアンテナ結合素子20を備える。アンテナ結合素子20は、第1の実施形態で示したものと同じものである。
アンテナ装置106は、第1放射素子11を用いてアンテナ装置106の使用周波数におけるハイバンドを担い、第2放射素子12、第3放射素子13を用いてローバンドを担う。
ダイプレクサ40は、給電ポートP0、ハイバンド用のアンテナポートP1及びローバンド用のアンテナポートP2を備える。給電回路30は給電ポートP0に接続され、第3放射素子13はアンテナポートP2に接続され、第1放射素子11はアンテナポートP1に接続される。第2放射素子12はアンテナ結合素子20を介して第1放射素子11と結合し、ローバンド側の帯域を広帯域化する。
図15では、ローバンドとハイバンドとを別の放射素子で担うアンテナ装置において、アンテナ結合素子20をハイバンド側に用いる例を示したが、図18に示したアンテナ装置106では、ローバンドを広帯域化することができる。
最後に、上述の実施形態の説明は、すべての点で例示であって、制限的なものではない。当業者にとって変形及び変更が適宜可能である。本発明の範囲は、上述の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。さらに、本発明の範囲には、特許請求の範囲内と均等の範囲内での実施形態からの変更が含まれる。
例えば、以上に示した幾つかの実施形態において、第1放射素子11及び第2放射素子12の一方又は両方が、電子機器の導電性部材を兼用してもよい。例えば、電子機器の金属の筐体の一部で第1放射素子11が構成されていてもよい。
また、以上に示した幾つかの実施形態では、第1コイルL1及び第2コイルL2を備えるアンテナ結合素子を用い、給電回路と第1放射素子11及び第2放射素子12との間にアンテナ結合素子を設けた例を示したが、三つ以上の放射素子を備える場合でも、そのうち二つの放射素子に本発明のアンテナ結合素子を適用することができる。
また、以上に示した幾つかの実施形態を用いたアンテナ結合素子、アンテナ素子、給電回路、基準電位としてのグランド(導体)とを備えた通信端末装置が構成されていてもよい。
上述した通信端末装置が備える給電回路は、第1放射素子11の基本波共振周波数を含むローバンドの通信信号を入出力するものであってもよい。また、このようなローバンドの信号だけに限らず、第1放射素子11の3倍波の共振周波数又は第2放射素子12の3倍波の共振周波数を含むハイバンドの通信信号をも入出力するものであってもよい。
C11a,C11b…キャパシタ
FA…給電部
L1…第1コイル
L1a,L1b…導体パターン
L11,L11a,L11b…インダクタ
L2…第2コイル
L2a〜L2d…導体パターン
MS1…第1面
MS2…第2面
PS…接地位置
S1〜S15…絶縁基材
T1…第1放射素子接続端子
T2…給電回路接続端子
T3…グランド接続端子
T4…第2放射素子接続端子
V…層間接続導体
4…スイッチ
11…第1放射素子
12…第2放射素子
13…第3放射素子
20…アンテナ結合素子
30…給電回路
40…ダイプレクサ
42…グランド導体パターン
101A,101B,102A,102B,103,104,105,106…アンテナ装置
110A,110B…通信端末装置

Claims (10)

  1. 第1放射素子又は給電回路の少なくとも一方に接続される第1コイルと、
    第2放射素子に接続され、前記第1コイルに対して電磁界結合する第2コイルと、を有し、
    前記第1コイルと前記第2コイルは、前記第1コイルから前記第1放射素子の方向へ電流が流れるときに前記第1コイルに生じる磁界の方向と、前記第2コイルから前記第2放射素子の方向へ電流が流れるときに前記第2コイルに生じる磁界の方向とが互いに逆の関係となるように巻回され、
    前記第1コイル及び前記第2コイルによりトランスが構成され、
    前記トランスを含む前記第2放射素子の基本波の共振周波数は、前記第1コイルを含む前記第1放射素子の基本波の共振周波数よりも低い、
    アンテナ結合素子。
  2. 前記第2コイルの自己インダクタンスは前記第1コイルの自己インダクタンスよりも大きい、
    請求項1に記載のアンテナ結合素子。
  3. 前記トランスを含む前記第2放射素子の3倍波共振周波数を、前記第1放射素子の基本波の共振周波数と前記第1放射素子の3倍波共振周波数との間に定める、
    請求項1又は2に記載のアンテナ結合素子。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ結合素子と、前記第1放射素子と、前記第2放射素子とを備える、
    アンテナ装置。
  5. 前記第1放射素子の基本波の共振周波数は、0.60GHz以上かつ0.96GHz以下の周波数帯域内にある、
    請求項4に記載のアンテナ装置。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ結合素子と、前記第1放射素子と、前記第2放射素子と、前記給電回路とを備えた、
    通信端末装置。
  7. 請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ結合素子と、前記第1放射素子と、前記第2放射素子と、前記給電回路とを備え、
    前記給電回路は、前記第1放射素子の基本波の共振周波数を含むローバンドの通信信号を入出力する、
    通信端末装置。
  8. 前記給電回路は、前記第1放射素子の基本波の共振周波数を含むローバンドの通信信号と、前記第1放射素子の3倍波の共振周波数又は前記トランスを含む前記第2放射素子の3倍波の共振周波数を含むハイバンドの通信信号と、を入出力する、
    請求項7に記載の通信端末装置。
  9. 請求項1から3のいずれかに記載のアンテナ結合素子と、前記給電回路と、前記第1放射素子と、前記第2放射素子と、第3放射素子と、ダイプレクサと、を備え、
    前記ダイプレクサは、給電ポート、第1アンテナポート及び第2アンテナポートを有し、
    前記給電回路は前記給電ポートに接続され、
    前記第1放射素子は前記第1アンテナポートに接続され、
    前記第2放射素子は前記アンテナ結合素子を介して前記第1放射素子と結合し、
    前記第3放射素子は前記第2アンテナポートに接続された、
    通信端末装置。
  10. 前記第1放射素子の基本波の共振周波数は1.71GHz以上かつ2.69GHz以下の周波数帯域内にある、請求項9に記載の通信端末装置。
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