JPWO2019208125A1 - タッチセンサおよびタッチパネル - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1に示されるように金属細線を用いたタッチパネルがある。特許文献1のタッチパネルは、基材と、複数のY電極パターンと、複数のX電極パターンと、複数のジャンパ絶縁層と、複数のジャンパ配線と、透明絶縁層とを備えた静電容量センサ(タッチセンサ、入力装置)である。
複数のY電極パターンは、それぞれ略菱形形状を有しており、その頂点同士が相互に対向するように、基材の表面上にX方向及びY方向に沿ってマトリクス状に配列されている。メッシュは、Y方向を中心として線対称に傾斜した2種類の金属細線を格子状に交差させて形成されている。複数のX電極パターンは、Y電極パターンと同じ略菱形形状を有している。
しかしながら、特許文献2の電子デバイスは、表示領域を拡張できるが、それ以外の拡張、例えば、表示領域の側面をセンシング領域とすることができない。
センサシートが設けられている基体の表面と、接続された側面とは、それぞれセンサシートに接着層により接着されており、基体の表面と、接続された側面とは接着層の接着力が異なることが好ましい。
基体の表面と側面とが交わる角部以外に、接着層が設けられていることが好ましい。
基体の表面と側面とが交わる角部に設けられた接着層は、基体の表面、および側面に設けられた接着層よりも厚みが薄いことが好ましい。
2つの基体は、ヒンジ部材により揺動可能に接続されていることが好ましい。また、2つの基体は、板状部材で構成されていることが好ましい。
また、本発明は、タッチセンサと、タッチセンサの基体の裏面に設けられた表示部とを有する、タッチパネルを提供するものである。
なお、以下に説明する図は、本発明を説明するための例示的なものであり、以下に示す図に本発明が限定されるものではない。
なお、以下において数値範囲を示す「〜」とは両側に記載された数値を含む。例えば、εが数値α〜数値βとは、εの範囲は数値αと数値βを含む範囲であり、数学記号で示せばα≦ε≦βである。
「平行」および「直交」等の角度は、特に記載がなければ、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。また、温度についても、特に記載がなければ、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
また、「全面」等は、該当する技術分野で一般的に許容される誤差範囲を含む。
なお、透明とは、光透過率が、波長380〜780nmの可視光波長域において、40%以上のことであり、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上のことである。
光透過率は、JIS(日本工業規格) K 7375:2008に規定される「プラスチック−全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
図1に示すタッチパネル10は、広げた状態を示しており、表示領域が最も広い状態である。タッチパネル10は、図2に示すように折り畳むことができ、さらには、図3に示すように折り畳む途中の状態にすることもできる。
タッチセンサ18は、2つの基体を有するものであり、例えば、第1の基体12と第2の基体14とを有する。タッチセンサ18は、少なくとも2つの基体で構成されたものであり、3つ以上の基体で構成されたものであってもよい。第1の基体12と第2の基体14とは、例えば、矩形の板状部材で構成される。第1の基体12と第2の基体14とは、例えば、形状および大きさが同じであり、すなわち、合同である。
第1の基体12と第2の基体14とを揺動可能にすることにより、図1に示すように第1の基体12と第2の基体14は、互いの側面12b、14bが対向し、かつ第1の基体12の表面12aと第2の基体14の表面14aとが同一平面に位置する第1の状態にできる。すなわち、第1の基体12の表面12aと第2の基体14の表面14aとを平らな状態にできる。第1の状態は第1の基体12と第2の基体14とを広げた状態である。
また、図2に示すように第1の基体12の表面12aと第2の基体14の表面14aとは、互いの裏面が対向する第2の状態にできる。第2の状態は第1の基体12と第2の基体14とを折り畳んだ状態である。 言い換えると、2つの基体と、接触を検出する1枚のセンサシートとを有し、2つの前記基体は、互いの側面同士を対向させ、かつ揺動可能に接続されており、前記センサシートを2つの前記基体の表面と接続された側面とに有し、前記センサシートを有する状態で、2つの前記基体は、互いの前記側面が対向し、かつ2つの前記基体の前記表面が同一平面に位置する第1の状態と、2つの前記基体の互いの裏面が対向する第2の状態とになるタッチセンサである。
第1の基体12および第2の基体14の2つの基体は、それぞれ接続された側面12b、14bに、図1および図5に示す第1の状態においてセンサシート16の設けられている側と反対側に、側面12b、14b同士の突合せ方向DWと直交する方向DLに伸びる辺部に沿って切欠き12c、14cが設けられている。具体的には、第1の基体12の側面12bには裏面12d側に、三角形状の切欠き12cが設けられ、第2の基体14の側面14bには裏面14d側に、三角形状の切欠き14cが設けられている。
なお、切欠き12cと切欠き14cの形状は、特に限定されるものではなく、上述の三角形以外に、四角形、または円弧であってもよい。
タッチセンサ18では、図5に示す第1の状態において、切欠き12cと切欠き14cとで空間が形成され、切欠き12c、14cに接着されていないセンサシート16の一部が空間に配置され挟み込まれることがない。かつ、空間でセンサシート16の一部の変形も許容される。
このように、第1の基体12の切欠き12cと、第2の基体14の切欠き14cとにより、センサシート16の挟み込みが抑制され、センサ不良の発生を抑制することができる。しかも、第1の基体12と第2の基体14との間に隙間がなく、第1の基体12の表面12aと第2の基体14の表面14aとを平らな状態にできる。このため、第1の基体12と第2の基体14とを跨ぐタッチ操作に際しても円滑にタッチ操作でき、操作性を良好にできる。また、第1の基体12と第2の基体14とを跨ぐコンテンツを表示した際、歪みのない画像を表示することができる。
また、センサシート16を1枚設ける構成であるため、センサシート16を外部接続端子(図示せず)と電気的に接続する引出し配線(図示せず)を少なくすることができ、装置構成を簡素化できる。しかも、引出し配線が少ないため、引出し配線のレイアウトの自由度も高い。さらには、センサシート16で接触された位置を検出するコントローラ(図示せず)も、複数のセンサシートを用いる場合に比して、構成を簡素化できる。
図6に示すタッチパネル10の構成では、表示部20は、基体毎に設けられており、表示部20自体が曲げられるものではない。
表示部20は、特に限定されるものではなく、画像等を表示する表示領域(図示せず)を備えるものであり、例えば、液晶表示パネル、または有機EL(Organic electro luminescence)表示パネルで構成される。表示部20は、上述のもの以外に、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、表面電界ディスプレイ(SED)、電界放出ディスプレイ(FED)、および電子ペーパー等を利用することができる。
なお、上述の図6および図7に示すように、第1の基体12の裏面12dと第2の基体14の裏面14dとに表示部20を設ける構成に限定されるものではない。例えば、図8に示すように、第1の基体12の内部に表示部20を設け、第2の基体14の内部に表示部20を設ける構成でもよい。
さらには、タッチパネル10は、表示部20に画像等を表示することにより、折り畳んだ状態でも、外側にコンテンツを表示することができ、かつ上述のタッチセンサ18と同様に側面をセンシング領域として利用することができる。
次に、タッチセンサのセンサシートの構成について説明する。
図9は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの構成の第1の例を示す模式的断面図であり、図10は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの構成の第2の例を示す模式的断面図であり、図11は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの構成の第3の例を示す模式的断面図である。図9〜図11は、いずれも第2の状態を示しており、図4に対応するものである。
センサシート16は、例えば、図9に示すように、タッチセンサ部30と、タッチセンサ部30上の第1粘着層32と、第1粘着層32上の第1保護層34と、タッチセンサ部30下の第2粘着層36と、第2粘着層36下の第2保護層38とを有する積層構造である。センサシート16は、第2保護層38を第1の基体12および第2の基体14に向けて配置されている。センサシート16は、第1の基体12と第2の基体14との間に、第2保護層38が設けられている。
センサシート16は、全光線透過率が、少なくとも40%であればよく、好ましくは80%以上、より好ましくは90%以上である。全光透過率は、例えば、JIS K 7375:2008に規定される「プラスチック−全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
また、第1保護層34と第2保護層38は、外部環境からタッチセンサ部30を保護する役割を果たすものであり、透明な部材で構成されている。第1保護層34と第2保護層38は、例えば、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、トリアセチルセルロース(TAC)、およびシクロオレフィンコポリマー(COC)のうち、少なくとも1つで構成されることが好ましい。第1保護層34と第2保護層38は、弾性率が10MPa以上9.8GPa以下であることが好ましい。弾性率の上限値に関しては、更に5.0GPa以下であることがより好ましく、更に3.0GPa以下であることが更に好ましい。
なお、接着力は、剥離力で規定されるものであり、剥離力が大きい方が、接着力が大きい。
剥離力は、JIS Z0237:2009 粘着テープ・粘着シート試験方法を用いて測定することができる。
センサシート16は、図11に示すように、タッチセンサ部30上の全面に保護層39を設け、タッチセンサ部30の下面には、第2接着層42との間に保護層39を設ける構成でもよい。この場合、第1接着層40とタッチセンサ部30とが直接接触し、第2接着層42とタッチセンサ部30とが直接接触する構成でもよい。
保護層39は、例えば、エアーウレタン クリヤー(商品名)(イサム塗料株式会社製)またはGSIクレオス Mr.トップコートスプレー 光沢(商品名)(株式会社GSIクレオス製)を用いたスプレー塗装により形成することができる。
次に、センサシート16と、第1の基体12および第2の基体14との接着形態について説明する。
図12は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの接着形態の第1の例を示す模式的断面図であり、図13は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの接着形態の第2の例を示す模式的断面図であり、図14は本発明の実施形態のタッチセンサのセンサシートの接着形態の第3の例を示す模式的断面図である。なお、図12〜図14では、第1の基体12しか示していないが、第1の基体12と第2の基体14とは同じ構成であるため、第2の基体14についても同じである。このため、第1の基体12についてのみ説明し、第2の基体14についての説明は省略する。
なお、接着形態は、上述の図12に示す構成に限定されるものではなく、角部17の接着層の厚みが薄い構成でもよい。
例えば、図13に示すように、第1接着層40が第2接着層42迄設けられ、かつ第1接着層40は角部17における厚みが薄い構成でもよい。また、例えば、図14に示すように、第2接着層42が第1接着層40迄設けられ、かつ第2接着層42は角部17における厚みが薄い構成でもよい。
次に、タッチセンサの構成について説明する。
図15〜図17は本発明の実施形態のタッチセンサの構成の他の例を示す模式的断面図である。
タッチセンサ18では、第1の基体12および第2の基体14が上述の図1〜図3に示す矩形の板状部材に限定されるものではなく、図15に示すように、第1の基体12の側面12bの反対側の端面12eと、第2の基体14の側面14bの反対側の端面14eとが曲面で構成されていてもよい。第1の基体12の端面12eと第2の基体14の端面14eを曲面で構成することにより、図1〜図3に示す矩形の板状部材に比して、端面12eと端面14eをセンシング部および表示領域として利用することができ、センシング部および表示領域を拡張できる。
また、図16に示すように、第1の基体12の側面12bと、側面12bの反対側の端面12eとを曲面で構成してもよい。また、第2の基体14の側面14bと、側面14bの反対側の端面14eとを曲面で構成してもよい。第1の基体12の側面12bと第2の基体14の側面14bとを曲面で構成することにより、側面12bと側面14bとにセンサシート16が挟まれることが抑制され、センサシート16の故障の発生を抑制することができる。第1の基体12の端面12eと第2の基体14の端面14eとを曲面とすることにより、上述のようにセンシング部および表示領域を拡張できる。
なお、図17に示すように、対向する第1の基体12の側面12bと第2の基体14の側面14bとだけを曲面で構成してもよい。この場合、上述のようにセンサシート16の故障の発生を抑制することができる。
また、図19では、センサシート16が第1の基体12の裏面12dの全面、および第2の基体14の裏面14dの全面を覆う構成ではないが、第1の基体12の裏面12dの全面、および第2の基体14の裏面14dの全面をセンサシート16が覆う構成でもよい。この場合、表示部20として、表面側と裏面側に画像等を表示できるものを、第1の基体12と第2の基体14とに設けてタッチパネル10を構成することにより、折り畳んだ状態でコンテンツを表示することができ、開いた状態でも、タッチパネル10の両面にコンテンツを表示することができる。この構成でも、センシング領域および表示領域の拡張を実現できる。
図20は本発明の実施形態のタッチパネルの他の例の第1の状態を示す模式的斜視図であり、図21は本発明の実施形態のタッチパネルの他の例の第2の状態を示す模式的斜視図である。図22は本発明の実施形態のタッチパネルの他の例に用いられるセンサシートの一例を示す模式図である。なお、図20〜図22において、図1〜図3に示すタッチパネル10と同一構成物には同一符号を付して、その詳細な説明は省略する。
図20および図21に示すタッチパネル10は、第1の基体12の側面12b、12f、12gおよび端面12eがセンシング部として利用可能であり、第2の基体14の側面14b、14f、14gおよび端面14eがセンシング部として利用可能である。
図20および図21に示すタッチパネル10でも、表示部20(図示せず)に画像等を表示することにより、折り畳んだ状態でも、開いた状態でもコンテンツを表示することができ、全ての側面と全ての端面とをセンシング領域として利用することができる。
次に、センサシート16のタッチセンサ部30についてより具体的に説明する。
タッチセンサ部30は、静電容量方式でも、抵抗膜方式でもよい。タッチセンサ部30で接触された位置を検出するコントローラ(図示せず)は、タッチセンサ部30に応じたものが適宜用いられる。タッチセンサ部30が静電容量式であれば、静電容量が変化した位置がコントローラ(図示せず)で検出され、接触された位置が特定される。タッチセンサ部30が抵抗膜式であれば、抵抗が変化した位置がコントローラ(図示せず)で検出され、接触された位置が特定される。
タッチセンサ部30は、図23に示されるように、電気絶縁性を有する支持体50と、1つの支持体50の両面の各面にそれぞれ形成される検出電極と、検出電極の周辺に形成され、検出電極と電気的に接続された周辺配線とを有する。検出電極が導電層に相当する。
支持体50の表面50a(図24参照)上にそれぞれ第1の方向Yに沿って延び、かつ第1の方向Yに直交する第2の方向Xに並列配置された複数の第1の検出電極52が形成され、複数の第1の検出電極52に電気的に接続された複数の第1の周辺配線53が互いに近接して配列されている。同様に、支持体50の裏面50b(図24参照)上には、それぞれ第2の方向Xに沿って延び、かつ第1の方向Yに並列配置された複数の第2の検出電極54が形成され、複数の第2の検出電極54に電気的に接続された複数の第2の周辺配線55が互いに近接して配列されている。複数の第1の検出電極52と複数の第2の検出電極54とが検出電極である。複数の第1の検出電極52と複数の第2の検出電極54とは、支持体50により電気的に絶縁され、かつ離間して、一部を重ねて配置されている。支持体50は、少なくとも2つの導電層を電気的に絶縁する絶縁層として機能するものであり、絶縁層の一形態である。
図24に示すように、第2の検出電極54は、例えば、支持体50の裏面50bに形成された導電線60で構成される。第2の検出電極54を覆う第2粘着層36が設けられている。第2の検出電極54の導電線60は、例えば、図25に示すように菱形のメッシュパターンに配置される。
支持体50の表面50aに第1の検出電極52を形成し、裏面50bに第2の検出電極54を形成することにより、支持体50が収縮しても第1の検出電極52と第2の検出電極54との位置関係のズレを小さくすることができる。
なお、メッシュパターンのメッシュとは、図26に示すように、交差する導電線60により構成される複数の正方形状の開口部62を含んでいる形状を意図する。
開口部62の一辺の長さPaは特に限定されるものではなく、1500μm以下が好ましく、1300μm以下がより好ましく、1000μm以下であることが更に好ましく、5μm以上が好ましく、30μm以上がより好ましく、80μm以上が更に好ましい。開口部62の辺の長さが上述の範囲である場合には、さらに透明性も良好に保つことが可能であり、導電性フィルムを表示部の表示面上に取り付けた際に、違和感なく表示を視認することができる。
可視光透過率の点から、導電線60により形成されるメッシュパターンの開口率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。開口率とは、導電線60がある領域を除いた支持体上の領域が全体に占める割合に相当する。
図27に示すタッチセンサ部30aは、図24に示すタッチセンサ部30と同様の効果を得ることができる。
以下、タッチセンサ部30を構成する各部材について説明する。
支持体は、第1の検出電極52および第2の検出電極54を電気的に絶縁し、かつ離間して配置することができれば、その種類は限定されるものではなく、透明支持体であることが好ましく、特にプラスチックシートが好ましい。
支持体を構成する材料の具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)(258℃)、ポリシクロオレフィン(134℃)、ポリカーボネート(250℃)、アクリル(128℃)、ポリエチレンナフタレート(PEN)(269℃)、ポリエチレン(PE)(135℃)、ポリプロピレン(PP)(163℃)、ポリスチレン(230℃)、ポリ塩化ビニル(180℃)、ポリ塩化ビニリデン(212℃)およびTAC(290℃)等の融点が約290℃以下であるプラスチックフィルムが好ましく、特に、PET、ポリシクロオレフィン、ポリカーボネートが好ましい。( )内の数値は融点である。支持体の全光線透過率は、85%〜100%であることが好ましい。全光透過率は、例えば、JIS K 7375:2008に規定される「プラスチック−全光線透過率および全光線反射率の求め方」を用いて測定されるものである。
支持体の厚みは特に限定されるものではないが、一般に、25〜500μmが好ましい。なお、タッチセンサ部が支持体の機能の他にタッチ面の機能をも兼ねる場合は、500μmを超えた厚みで設計することも可能である。
導電線は、バインダ、および、バインダ中に分散した金属部を含有する。
上述のバインダは第1高分子と、第1高分子よりもガラス転移温度が低い第2高分子を含有する。なお、本明細書において、ポリマーのガラス転移温度は、示差走査熱量分析(DSC)法によって測定したガラス転移温度を意味する。ガラス転移温度は、JIS K7121(2012)に規定される「プラスチックの転移温度測定方法」を用いて測定されるものである。
また、ポリマーには、後述する架橋剤と反応する反応性基が含まれることが好ましい。
中でも、第1高分子としては、よりガラス転移温度を低く制御しやすい観点から、式A、B、C、および、Dからなる群より選択される1種の単位からなる重合体が好ましく、B、C、および、Dからなる群より選択される少なくとも1種の単位からなる重合体がより好ましく、式Dで表される単位からなる重合体が更に好ましい。
R3は、水素原子またはメチル基を表し、水素原子が好ましい。Lは、2価の連結基を表し、下記一般式(2)で表される基が好ましい。
一般式(2):−(CO−X1)r−X2−
式中X1は、酸素原子またはNR30−を表す。ここでR30は、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアシル基を表し、それぞれ置換基(例えば、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシル基等)を有してもよい。R30は、好ましくは水素原子、炭素数1〜10のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、n−ブチル基、n−オクチル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、ベンゾイル基等)である。X1として特に好ましいのは、酸素原子またはNH−である。
X2は、アルキレン基、アリーレン基、アルキレンアリーレン基、アリーレンアルキレン基、または、アルキレンアリーレンアルキレン基を表し、これらの基には−O−、−S−、−OCO−、−CO−、−COO−、−NH−、−SO2−、−N(R31)−、−N(R31)SO2−等が途中に挿入されてもよい。ここでR31は炭素数1〜6の直鎖または分岐のアルキル基を表し、メチル基、エチル基、および、イソプロピル基等がある。X2の好ましい例として、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、−CH2CH2OCOCH2CH2−、および、−CH2CH2OCO(C6H4)−等が挙げられる。
rは0または1を表す。
qは0または1を表し、0が好ましい。
R5は、水素原子、メチル基、エチル基、ハロゲン原子、または、−CH2COOR6を表し、水素原子、メチル基、ハロゲン原子、または、−CH2COOR6が好ましく、水素原子、メチル基、または、−CH2COOR6が更に好ましく、水素原子が特に好ましい。
R6は、水素原子または炭素数1〜80のアルキル基を表し、R4と同じでも異なってもよく、R6の炭素数は1〜70が好ましく、1〜60がより好ましい。
一般式(1): −(A)x−(B)y−(C)z−(D)w−
なお、一般式(1)中、A、B、C、およびDはそれぞれ、すでに説明した上述の繰り返し単位を表す。
xとしては、3〜60モル%、好ましくは3〜50モル%、より好ましくは3〜40モル%である。
yとしては、30〜96モル%、好ましくは35〜95モル%、より好ましくは40〜90モル%である。
zとしては0.5〜25モル%、好ましくは0.5〜20モル%、より好ましくは1〜20モル%である。
wとしては、0.5〜40モル%、好ましくは0.5〜30モル%である。
一般式(1)において、xは3〜40モル%、yは40〜90モル%、zは0.5〜20モル%、wは0.5〜10モル%の場合が特に好ましい。
a1の好ましい範囲は上述のxの好ましい範囲と同じであり、b1の好ましい範囲は上述のyの好ましい範囲と同じであり、c1の好ましい範囲は上述のzの好ましい範囲と同じであり、d1の好ましい範囲は上述のwの好ましい範囲と同じである。
e1は1〜10モル%であり、好ましくは2〜9モル%であり、より好ましくは2〜8モル%である。
一般式(1)で表されるポリマーは、例えば、特許第3305459号および特許第3754745号公報等を参照して合成することができる。
また、第2高分子のガラス転移温度としては特に限定されるものではないが、40℃以下が好ましく、25℃以下がより好ましく、25℃未満が更に好ましく、0℃以下が特に好ましく、0℃未満が最も好ましい。下限としては特に限定されるものではないが、一般に−50℃以上が好ましい。
なお、図28においては、金属部が粒子状になって導電線に分散した形態を記載しているが、金属部の形態としては上述の形態に限定されるものではなく、金属部が層状となって導電線に分散した形態であってもよい。
なお、図28はタッチセンサ部30の導電線60の拡大図である。図30に示す導電線60は、第1高分子、および第2高分子を含有するバインダ70と、バインダ70中に分散した複数の金属部72とを含む。金属部72は上述のように粒子状である。
えば、非金属の微粒子が挙げられる。非金属の微粒子としては、例えば、樹脂粒子、および、金属酸化物粒子等が挙げられ、金属酸化物粒子が好ましい。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ケイ素粒子、および、酸化チタン粒子等が挙げられる。
非金属の微粒子の球相当径は、透過型電子顕微鏡を用いて、任意の50個分の球相当径を算出し、それらを算術平均したものである。
導電線の厚みは特に限定されるものではないが、薄型化と導電特性のバランスの点で、200μm以下が好ましく、30μm以下がより好ましく、10μm以下が更に好ましく、0.3〜5μmであることが特に好ましく、0.5〜5μmであることが最も好ましい。
タッチセンサ部の製造方法について、導電線の金属部が銀(金属銀)を含有する場合を例にして説明する。より優れた生産性が得られる点で以下工程を有する方法が好ましい。
支持体上に、少なくともハロゲン化銀と第1高分子とを含有するハロゲン化銀含有塗布液と、少なくとも第2高分子を含有する組成調整塗布液とを、同時重層塗布して、ハロゲン化銀感光性層を形成する工程。
・工程B:
ハロゲン化銀感光性層を露光した後、現像処理して金属銀を含有する導電線を形成する工程。
以下では、各工程について詳述する。
工程Aは、支持体上に、少なくともハロゲン化銀と第1高分子とを含有するハロゲン化銀含有塗布液と、少なくとも第2高分子を含有する組成調整塗布液とを、同時重層塗布して、ハロゲン化銀感光性層を形成する工程である。
なお、同時重層塗布する場合の各塗布液の積層順序としては特に限定されるものではない。支持体側から、ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液をこの順に積層してもよい。逆に、支持体側から、組成調整塗布液、および、ハロゲン化銀含有塗布液をこの順に積層してもよい。更に、組成調整塗布液、ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液をこの順に積層してもよい。
本工程では、ハロゲン化銀を含むハロゲン化銀含有塗布液と、ハロゲン化銀を含まない組成調整塗布液とを同時重層塗布しているため、両者の塗布液より形成される2層の塗膜の界面にて成分の拡散が進行する。より具体的には、支持体上に配置されるハロゲン化銀含有塗布液から形成される塗膜(以後、塗膜Aともいう)中から、組成調整塗布液から形成される塗膜(以後、塗膜Bともいう)中に一部のハロゲン化銀、および、第1高分子の拡散が進行する。その結果、塗膜B中の塗膜A側の領域にはハロゲン化銀、および、第1高分子が含まれ、その含有量は、塗膜A中のハロゲン化銀、および、第1高分子の含有量よりも少ない。
塗膜B中の塗膜A側の領域(以下「領域W」ともいう。)には、塗膜Aから移動したハロゲン化銀が含有されるため、後述する工程Bを経た後、この領域Wは、導電線における上部領域を形成することとなる。このとき、導電線のうち、領域Wにおいては第1高分子の含有量および第2高分子の含有量の合計量に対する第2高分子の含有量の含有質量比が、中間領域よりも大きくなりやすい。
組成調整塗布液が更に第1高分子を含有する場合、組成調整塗布液中における第1高分子の含有量および第2高分子の含有量に対する第1高分子の含有質量比は、ハロゲン化銀含有塗布液における第1高分子の含有量および第2高分子の含有量に対する第1高分子の含有質量比よりも小さいことが好ましい。
なお、ここで、「臭化銀を主体としたハロゲン化銀」とは、ハロゲン化銀組成中に占める臭化物イオンのモル分率が50%以上のハロゲン化銀をいう。この臭化銀を主体としたハロゲン化銀粒子は、臭化物イオンのほかに沃化物イオン、塩化物イオンを含有していてもよい。
なお、ハロゲン化銀粒子の球相当径とは、粒子形状が球形の同じ体積を有する粒子の直径である。
また、ハロゲン化銀の安定化または高感化のために用いられるロジウム化合物、イリジウム化合物等のVIII族、VIIB族に属する金属化合物、パラジウム化合物の利用については、特開2009−188360号公報の段落0039〜段落0042の記載を参照することができる。更に化学増感については、特開2009−188360号公報の段落0043の技術記載を参照することができる。
ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液は、ハロゲン化銀、第1高分子、および、第2高分子以外の成分を含有していてもよく、それらの成分はハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液において共通であり、以下に説明するとおりである。
ゼラチンの種類は特に限定されるものではなく、例えば、石灰処理ゼラチンの他、酸処理ゼラチンを用いてもよく、ゼラチンの加水分解物、ゼラチン酵素分解物、および、アミノ基またはカルボキシル基を修飾したゼラチン(フタル化ゼラチン、アセチル化ゼラチン)を使用することもできる。
上述の処理により、ハロゲン化銀を含有する感光性層を支持体上に形成することができる。なお、本明細書では、上述の「ハロゲン化銀を含有する感光性層」を「ハロゲン化銀感光性層」、または、単に「感光性層」ということがある。
工程Bは、ハロゲン化銀感光性層を露光した後、現像処理して金属銀を含有する導電線を形成する工程である。
本工程により、ハロゲン化銀が還元され、金属銀を含む導電線が形成される。なお、通常、露光処理はパターン状に実施され、露光部では金属銀を含む導電線が形成される。一方、非露光部では、後述する現像処理によってハロゲン化銀が溶出される。上述のゼラチンおよび上述の高分子を含む非導電線が形成される。非導電線には実質的に金属銀が含まれておらず、非導電線とは導電性を示さない領域を意図する。
以下では、本工程で実施される露光処理と現像処理とについて詳述する。
露光の際に使用される光源は特に限定されるものではなく、可視光線、紫外線等の光、または、X線等の放射線等が挙げられる。
パターン露光を行う方法は特に限定されるものではなく、例えば、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。なお、パターンの形状は特に限定されるものではなく、形成したい導電線のパターンに合わせて適宜調整される。
現像処理の際に使用される現像液の種類は特に限定されるものではないが、例えば、PQ(phenidone hydroquinone)現像液、MQ(Metol hydroquinone)現像液、および、MAA(メトール・アスコルビン酸)現像液等を用いることもできる。
現像処理は、未露光部分の銀塩を除去して安定化させる目的で行われる定着処理を含むことができる。定着処理は、銀塩写真フイルム、印画紙、印刷製版用フイルム、および、フォトマスク用エマルジョンマスク等に用いられる定着処理の技術を用いることができる。
定着工程における定着温度は、約20℃〜約50℃が好ましく、25〜45℃がより好ましい。また、定着時間は5秒〜1分が好ましく、7秒〜50秒がより好ましい。
現像、定着処理を施した感光性層は、水洗処理および安定化処理を施されるのが好ましい。
その他の工程としては、例えば、
工程Bの後に、導電線の金属銀同士を互いに融着させる工程F;
工程Aの後であって、工程Bの前に、ハロゲン化銀感光性層と、金属吸着性置換基または金属吸着性構造を有する化合物(以下、「特定化合物」ともいう。)と、を接触させる工程C1;
工程Bの後であって、工程Fの前に、導電線と特定化合物とを接触させる工程C2;
工程Bの後であって、工程Fの前に、更に、導電線を圧密化する工程D;
ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液からなる群より選択される少なくとも1種が、ゼラチンを含有する場合に、工程Bの後であって、工程Dの前に、導電線中のゼラチンを除去する工程E;
等が挙げられる。また、その他の工程としては、後述する易接着層形成工程等も挙げられる。以下では、その他の工程について説明する。
工程Fは、工程Bの後に、導電線の(導電線に含有される)金属銀同士を互いに融着させる工程である。本工程により、金属銀同士が融着する結果、より優れた導電性を有する導電線を備えたタッチセンサ部が得られる。
過熱蒸気としては特に限定されるものではなく、過熱水蒸気でよいし、過熱水蒸気に他のガスを混合させたものでもよい。
過熱蒸気は、供給時間10〜300秒の範囲で導電線に接触させることが好ましい。供給時間が10秒以上であると、導電率の向上が大きい。また、300秒以下だと、十分に導電率が向上するため、経済性の点からより好ましい。
また、過熱蒸気は、供給量が500〜600g/m3の範囲で導電線に接触させることが好ましく、過熱蒸気の温度は、1気圧で100〜160℃に制御されることが好ましい。
加熱時間は特に限定されるものではないが、上述の効果がより優れる点で、0.1〜5.0時間が好ましく、0.5〜1.0時間がより好ましい。
工程C1は、工程Aの後であって、工程Bの前に実施され、ハロゲン化銀感光性層と、特定化合物とを接触させる工程である。本工程によって、後段の工程Bにおいて生じた金属銀同士がより融着しにくくなる。本工程においては、ハロゲン化銀感光性層に特定化合物を接触させるため、ハロゲン化銀感光性層のより表面に近い領域(界面領域)において、金属銀同士が融着しにくくなるという効果を有する。従って、特に後段の工程によって得られる導電線において、界面領域において金属銀同士の融着がより阻害されやすい。また、この場合であっても、導電線の中間領域においては、十分に金属銀同士が融着するものと考えられ、優れた導電性を有するタッチセンサ部が得られる。
含窒素ヘテロ環としては、例えば、テトラゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、セレナジアゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ベンズオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンズイミダゾール環、ピリミジン環、トリアザインデン環、テトラアザインデン環、ベンゾインダゾール環、ベンゾトリアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、ピリジン環、キノリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、キノキサリン環、モルホリン環、および、ペンタアザインデン環等が挙げられる。
これらの環は、置換基を有してもよく、置換基としては、ニトロ基、ハロゲン原子(例えば、塩素原子、および、臭素原子)、シアノ基、置換もしくは無置換のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、t−ブチル基、および、シアノエチル基の各基)、アリール基(例えば、フェニル基、4−メタンスルホンアミドフェニル基、4−メチルフェニル基、3,4−ジクロルフェニル基、および、ナフチル基の各基)、アルケニル基(例えば、アリル基)、アラルキル基(例えば、ベンジル基、4−メチルベンジル基、および、フェネチル基の各基)、スルホニル基(例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、および、p−トルエンスルホニル基の各基)、カルバモイル基(例えば、無置換カルバモイル基、メチルカルバモイル基、および、フェニルカルバモイル基の各基)、スルファモイル基(例えば、無置換スルファモイル基、メチルスルファモイル基、および、フェニルスルファモイル基の各基)、カルボンアミド基(例えば、アセトアミド基、および、ベンズアミド基の各基)、スルホンアミド基(例えば、メタンスルホンアミド基、ベンゼンスルホンアミド基、および、p−トルエンスルホンアミド基の各基)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、および、ベンゾイルオキシ基の各基)、スルホニルオキシ基(例えば、メタンスルホニルオキシ基)、ウレイド基(例えば、無置換ウレイド基、メチルウレイド基、エチルウレイド基、および、フェニルウレイド基の各基)、アシル基(例えば、アセチル基、および、ベンゾイル基の各基)、オキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、および、フェノキシカルボニル基の各基)、および、ヒドロキシル基等が挙げられる。置換基は、一つの環に複数置換してもよい。
含窒素6員環化合物の具体例としては、トリアジン、メチルトリアジン、ジメチルトリアジン、ヒドロキシエチルトリアジン、ピリミジン、4−メチルピリミジン、ピリジン、および、ピロリンが挙げられる。
工程C2は、工程Bの後であって、工程Fの前に実施され、導電線と、特定化合物とを接触させる工程である。本工程によって、導電線の(導電線に含まれる)金属銀同士がより融着しにくくなる。本工程においては、導電線に特定化合物を接触させるため、導電線のより表面に近い領域(界面領域)において、金属銀同士が融着しにくくなるという効果を有する。従って、導電線の界面領域において金属銀同士の融着がより阻害されやすい。また、この場合であっても、導電線の中間領域においては、十分に金属銀同士が融着するものと考えられ、優れた導電性を有するタッチセンサ部が得られる。
工程Dは、工程Bの後であって上述の工程Fの前に、導電線を圧密化する工程である。本工程によって、導電線の導電性がより向上するとともに、導電線の支持体への密着性がより向上しやすい。
カレンダ処理に用いられるロールの表面粗さRaは、得られる導電線がより視認されにくい点で、0〜2.0μmが好ましく、0.3〜1.0μmがより好ましい。
ハロゲン化銀含有塗布液、および、組成調整塗布液からなる群より選択される少なくとも1種が、ゼラチンを含有する場合に、工程Eは、工程Bの後であって、工程Dの前に、導電線(導電線に含有される)のゼラチンを除去する工程である。ゼラチンを除去することにより、結果として導電線の金属銀の含有量が相対的に高まるため、より優れた導電性を有する導電線が得られる。
工程Eはゼラチンの全部を除去する工程であってもよいし、ゼラチンの一部を除去する工程であってもよい。また、工程Eにおいては、導電線に加えて、支持体上の導電線以外の部分(例えば、非導電線)からゼラチンを除去してもよい。
なお、タンパク質分解酵素を用いてゼラチンを分解除去する方法としては、例えば、特開2014−209332号公報の段落0084〜0077に記載の方法を採用できる。
また、酸化剤を用いてゼラチンを分解除去する方法としては、例えば、特開2014−112512号公報の段落0064〜0066に記載の方法を採用できる。
易接着層形成工程は、工程Aの前に、支持体上に易接着層(以下、「下塗り層」ともいう。)を形成し、易接着層(下塗り層)付き支持体を得る工程である。支持体上に下塗り層を形成する方法としては特に限定されるものではないが、支持体上に下塗り層形成用組成物を塗布する方法が挙げられる。下塗り層形成工程では、形成される下塗り層が、隣接する他の層(支持体、および、非導電線等)との間で、屈折率の差の絶対値がより小さくなるよう、調整されることが好ましい。下塗り層と隣接する他の層との間の屈折率の差を調整する方法としては特に限定されるものではないが、各層の形成に用いられる組成物中に含有される各成分の種類を調整する方法が挙げられる。
易接着層の厚みは特に限定されるものではないが、支持体と、ハロゲン化銀感光性層および導電線との密着性がより向上する点で、0.02〜0.3μmが好ましい。
易接着層としては特に限定されるものではなく、例えば、特開2008−208310号公報に記載の第1接着層の好適な適用例を、好適に用いることができる。
タッチセンサ部30、30aは、導電線60を支持体50に形成することができれば、その製造方法は、上述の方法に、特に限定されるものではなく、例えば、めっき法、蒸着法および印刷法等が適宜利用可能である。
なお、導電線60は、導電性を有し、導電層として機能すれば、その構成は特に限定されるものではない。導電線60は、金属または合金で形成されていることが好ましい。導電線60は、金属の場合、銀、アルミニウム、モリブデン、銅、チタン、金またはタングステンが好ましく、なかでも、導電線の導電性が優れる理由から、銀であることがより好ましい。これら以外に、導電線60には、カーボンナノチューブ(CNT)、およびカーボンナノバッド(CNB)等の炭素性の導電材料、ITO(Indium Tin Oxide)、およびSnO2等の導電性酸化物を用いることができる。導電層に作用する引張応力を低減できるため、導電線60は金属以外の炭素性の導電材料および導電性酸化物を用いても十分な折り曲げ耐性を得ることができる。
導電線60の中には、導電線と支持体50との密着性の観点から、バインダが含まれていることが好ましい。
バインダとしては、導電線と支持体50との密着性がより優れる理由から、樹脂が好ましく、より具体的には、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン系樹脂、ビニル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリジエン系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、セルロース系重合体およびキトサン系重合体からなる群から選ばれる少なくともいずれかの樹脂、または、これらの樹脂を構成する単量体からなる共重合体等が挙げられる。
めっき法よる導電線60の形成方法について説明する。例えば、導電線60は、無電解めっき下地層に無電解めっきすることにより下地層上に形成される金属めっき膜で構成することができる。この場合、少なくとも金属微粒子を含有する触媒インクを基材上にパターン状に形成した後に、基材を無電解めっき浴に浸漬し、金属めっき膜を形成することで形成される。より具体的には、特開2014−159620号公報に記載の金属被膜基材の製造方法を利用することができる。また、少なくとも金属触媒前駆体と相互作用しうる官能基を有する樹脂組成物を基材上にパターン状に形成した後、触媒または触媒前駆体を付与し、基材を無電解めっき浴に浸漬し、金属めっき膜を形成することで形成される。より具体的には、特開2012−144761号公報に記載の金属被膜基材の製造方法を応用することができる。
また、印刷法よる導電線60の形成方法について説明する。まず、導電性粉末を含有する導電性ペーストを導電線60と同じパターンで基板に塗布し、その後、加熱処理を施すことにより導電線60を形成することができる。導電性ペーストを用いたパターン形成は、例えば、インクジェット法またはスクリーン印刷法でなされる。導電性ペーストとしては、より具体的には、特開2011−28985号公報に記載の導電性ペーストを利用することができる。
12 第1の基体
12a、14a 表面
12b、12f、12g 側面
12c、14c 切欠き
12d、14d 裏面
12e、14e 端面
14 第2の基体
14b、14f、14g 側面
14c 切欠き
14d 裏面
16 センサシート
16a、16b、16c、16d、16e、16f、16g 領域
17 角部
18 タッチセンサ
19 切欠部
20 表示部
30、30a タッチセンサ部
32 第1粘着層
34 第1保護層
36 第2粘着層
38 第2保護層
39 保護層
40 第1接着層
42 第2接着層
50 支持体
50a 表面
50b 裏面
52 第1の検出電極
53 第1の周辺配線
54 第2の検出電極
55 第2の周辺配線
57 検知領域
58 絶縁層
58a 表面
58b 裏面
60 導電線
60a 表面
62 開口部
70 バインダ
72 金属部
DL 方向
DW 突合せ方向
X 第2の方向
Y 第1の方向
Claims (10)
- 互いの側面同士を対向させ、かつ揺動可能に接続された、2つの基体と、
2つの前記基体の表面と接続された前記側面とに設けられた、接触を検出する1枚のセンサシートとを有し、
前記センサシートが設けられた状態で、2つの前記基体は、互いの前記側面が対向し、かつ2つの前記基体の前記表面が同一平面に位置する第1の状態と、2つの前記基体の互いの裏面が対向する第2の状態とになる、タッチセンサ。
- 2つの前記基体は、それぞれ接続された前記側面に、前記第1の状態において前記センサシートが設けられている側とは反対側に、前記側面同士の対向方向と直交する辺部に沿って切欠きが設けられている、請求項1に記載のタッチセンサ。
- 前記センサシートが設けられている前記基体の前記表面と、接続された前記側面とは、それぞれ前記センサシートに接着層により接着されており、前記基体の前記表面と、接続された前記側面とは前記接着層の接着力が異なる、請求項1または2に記載のタッチセンサ。
- 前記センサシートは、前記基体との間に保護層が設けられており、
前記保護層は、弾性率が10MPa以上9.8GPa以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のタッチセンサ。
- 前記基体の前記表面と前記側面とが交わる角部以外に、接着層が設けられている、請求項3または4に記載のタッチセンサ。
- 前記基体の前記表面と前記側面とが交わる角部に設けられた接着層は、前記基体の前記表面、および前記側面に設けられた前記接着層よりも厚みが薄い、請求項3または4に記載のタッチセンサ。
- 2つの前記基体は、ヒンジ部材により揺動可能に接続されている、請求項1〜6のいずれか1項に記載のタッチセンサ。
- 2つの前記基体は、板状部材で構成されている、請求項1〜7のいずれか1項に記載のタッチセンサ。
- 前記請求項1〜8のいずれか1項に記載のタッチセンサを有し、
前記基体は、表示部を有する、タッチパネル。
- 前記請求項1〜8のいずれか1項に記載のタッチセンサと、
前記タッチセンサの前記基体の前記裏面に設けられた表示部とを有する、タッチパネル。
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