JP2017076206A - 導電材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】導電パターン部が均一な外観を有し、また塩化物イオン耐性に優れた導電材料を提供する。
【解決手段】支持体上に金属細線により形成された導電パターン部を有し、該支持体の端部から20mm以内の位置に少なくとも導電パターン部の一部を有する導電材料であって、該支持体の端部から20mm以内の位置に存在する導電パターン部が、該導電パターン部が有する金属1molあたり1.5〜80mmolのイオン性ヨウ素化合物を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、塩化物イオン耐性に優れた導電材料に関するものである。
スマートフォン、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、ノートPC、タブレットPC、OA機器、医療機器、あるいはカーナビゲーションシステム等の電子機器においては、これらのディスプレイに入力手段としてタッチパネルが広く用いられている。
タッチパネルには、位置検出の方法により光学方式、超音波方式、抵抗膜方式、表面型静電容量方式、投影型静電容量方式などがあり、上記したディスプレイ用途においては抵抗膜方式と投影型静電容量方式が好適に利用されている。抵抗膜方式のタッチパネルは、光透過性支持体上に光透過性導電部(層)を有する光透過性導電材料を2枚利用し、これら光透過性導電材料をドットスペーサーを介して対向配置した構造をしており、タッチパネルの1点に力を加えることにより光透過性導電部(層)同士が接触し、各光透過性導電層に印加された電圧をもう一方の光透過性導電部(層)を通して測定することで、力の加えられた位置の検出を行うものである。一方、投影型静電容量方式のタッチパネルは、2層の光透過性導電部(層)を有する光透過性導電材料を1枚、または1層の光透過性導電部(層)を有する光透過性導電材料を2枚利用し、指等を接近させた際の光透過性導電部(層)間の静電容量変化を検出し、指を接近させた位置の検出を行うものである。後者は可動部分がないため耐久性に優れる他、多点同時検出ができることから、スマートフォンやタブレットPCなどで、とりわけ広く利用されている。
投影型静電容量方式のタッチパネルにおいては、光透過性導電部(層)をパターニングし複数のセンサー部とすることで、多点同時検出や移動点の検出を可能にしている。このセンサー部が検出した静電容量の変化を電気信号として外部に取り出すため、光透過性導電材料が有する全てのセンサー部と、外部に電気信号を取り出すために設けられる端子部との間には、これらを電気的に接続する複数の周辺配線が設けられる。通常、前述した光透過性導電部(層)はディスプレイ上に位置し、周辺配線はディスプレイの外、いわゆる額縁部に位置する。従来、光透過性導電部(層)においてはITO(インジウム−錫酸化物)が用いられ、周辺配線においてはアルミニウム、銀、モリブデン合金等の金属が用いられてきた。しかしながらITOは屈折率が大きく、光の表面反射が大きいため、全光線透過率が低下する問題や、可撓性が低いため屈曲した際にITOに亀裂が生じて電気抵抗値が高くなる問題があった。
光透過性導電部(層)としてITOを有する光透過性導電材料に代わり、網目状の金属細線パターンにより形成された光透過性導電部を有する光透過性導電材料(以下メタルメッシュ材料と称す)が数多く提案されている。例えば特開2007−287994号公報、特開2007−287953号公報には、光透過性支持体上に薄い触媒層および下地金属層を形成し、その上にレジストパターンを形成した後、めっき法によりレジスト開口部に金属層を積層し、最後にレジスト層およびレジスト層で保護された下地金属層を除去することにより、網目状金属細線パターンを形成するセミアディティブ法が開示されている。特開2014−197531号公報には、光透過性支持体上に下地層と感光性レジスト層とをこの順に有する導電材料前駆体に対し、感光性レジスト層面を任意のパターン状に露光後、現像し、露光したパターンのレジスト画像を形成した後、無電解めっきを行ってレジスト画像に被覆されていない下地層上に網目状金属細線パターンを形成し、その後レジスト画像を除去する光透過性導電材料の製造方法が開示されている。
また、メタルメッシュ材料の製造方法として、銀塩感光材料を導電材料前駆体として利用する方法も知られており、例えば直接現像方式を用いて光透過性支持体上に網目状の金属細線パターンを形成する方法が特開2010−108877号公報(特許文献1)に開示され、特開2003−77350号公報、特開2007−188655号公報には、光透過性支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電材料前駆体に、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させて網目状金属細線パターンを形成させる、銀塩拡散転写法が開示されている。これらメタルメッシュ材料の多くは、周辺配線も金属細線パターンと同じ工程で作製されるため、工程数を少なくできるという長所を有する。
特開2008−34366号公報(特許文献2)では銀パターンのX線回折法での2θ=38.2°のピークの半値幅が0.41以下であることを特徴とする導電材料が提案されている。さらに該公報では還元性物質、水溶性リンオキソ酸化合物、水溶性ハロゲン化合物で導電材料を処理する方法も紹介されている。この処理法によれば該化合物を含有する処理液で導電材料を処理した後に水洗、乾燥することで、該導電材料の導電性を向上させることができる。特にこの処理方法においては塩化物イオンを水溶液中で放出しうる化合物を含有する処理液で処理することが好ましいと紹介されている。
また近年、ITOからなる光透過性導電部(層)を有する光透過性導電材料に代わり、光透過性導電部として金属ナノワイヤー分散導電膜を有する光透過性導電材料(以下金属ナノワイヤー材料と称す)も提案されている。金属ナノワイヤー材料は前記したメタルメッシュ材料ほどではないが、ITO導電膜に比べ、低い抵抗値と高い透過率が得られ、また高い可撓性を有する。一方で、該金属ナノワイヤー材料は、金属光沢に由来する高いヘイズによりパターンが目に見えやすいこと、金属ナノワイヤー同士の電気的接合が不安定で生産性に欠ける点、周辺回路を光透過性導電部と一緒に作製できないので、製造工程が長くなるなどの問題を有している。高いヘイズによりパターンが目に見えやすい点については、例えば特開2013−73746号公報(特許文献3)に開示されているような金属ナノワイヤーの表面の一部に硫化物、酸化物、ハロゲン化物などの反応生成物を形成させる方法や、特開2013−214506号公報(特許文献4)に開示されているような金属ナノワイヤーに自己組織化材料を吸着させ、それにR−COX(ここで、Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す)、R−SOH、又はR−SONa基を有する有色材料を反応させる方法が提案されている。また金属ナノワイヤー材料は耐光性やマイグレーションにも問題があり、これに対して特開2012−230881号公報(特許文献5)では、限外濾過や洗浄などによりハロゲン元素を取り除くことによって、ナノワイヤー繊維を構成する元素の含有量と導電膜中のハロゲン元素の含有量との比を特定の値にすることが提案されている。
特開2010−108877号公報 特開2008−34366号公報 特開2013−73746号公報 特開2013−214506号公報 特開2012−230881号公報
金属に対してハロゲン化物イオン、特に塩化物イオンが強い腐食性を示すことは従来から知られており、このことは例えば特開2000−214454号公報や特開平09−199207号公報、および特開2013−208718号公報に記載されている。塩化物イオンは汗、海水などに多量に含まれており、さらには大気中などいたる所に存在するため、塩化物イオンがほとんどないような環境で製造された導電材料でも、それが使用される際には塩化物イオンが存在する環境下にさらされる。JIS Z 2371に規定される塩水噴霧試験などはこの耐塩水特性を試験するための方法である。
前記したメタルメッシュ材料や金属ナノワイヤー材料により得られた光透過性導電部(層)は通常OCA(光学粘着フィルム)を介してガラスやディスプレイなどに貼合されて用いられる。環境中の塩化物イオンはガラスやディスプレイを介して導電材料まで浸透することはほとんどなく、大半はOCAの粘着層中を浸透して導電材料を腐食する。従って、特に導電材料端部においては塩化物イオンに対する耐食性が高いことが求められるが、従来のメタルメッシュ材料や金属ナノワイヤー材料では不十分であった。さらに近年、タッチパネルの作製に使用される光透過性導電部(層)には額縁部分を可能な限り狭くすることが求められている。該額縁部分には周辺配線が集中して配置されるので、塩化物イオンに対する耐性はますます重要性を帯びるようになっている。
また、メタルメッシュ材料や金属ナノワイヤー材料は、金属を材料としているため、金属光沢を有している。例えば特許文献3のように塩化物や硫化物を金属の表面に作った場合、金属光沢は元の金属材料のものとは異なったものになる。金属表面を反応させたり、あるいは金属表面に別の物質を吸着させる場合、パターンが細線とベタでは表面光沢が異なったり、あるいは局所的に光沢が変わったりして、導電パターン部が均一な外観を有していない場合もあった。
一方、銀塩感光材料の感光素子としてハロゲン化銀粒子を使い、そのハロゲン化銀粒子の製造にヨウ素化合物を使うこともよく知られている。前記した特許文献1ではヨウ化カリウムをコンバージョンした塩臭化銀粒子をハロゲン化銀粒子として用いることが実施例で示されている。しかしながら該銀塩感光材料においては、現像処理や水洗処理などの各種処理を経ることで、感光素子中のハロゲン元素は系外に排出されるため、ハロゲン元素が処理後の該銀塩感光材料中から検出されることは無い。また特許文献2では水溶性ハロゲン化物を含有する後処理液でメタルメッシュ材料を処理することで導電性を向上させることが提案されており、該水溶性ハロゲン化物の一例としてヨウ化ナトリウムが記載される。しかし同公報においては、塩化物イオンによる金属の腐食に対し、イオン性ヨウ素化合物が有効に働くことを示唆する記載は見あたらない。更に前記した特許文献3〜5においても、塩化物イオンによる金属の腐食に対し、イオン性ヨウ素化合物が有効に働くことを示唆する記載は見あたらない。
本発明は、導電パターン部が均一な外観を有し、また塩化物イオン耐性に優れた導電材料を提供することを課題とするものである。
本発明の上記課題は、以下の発明によって達成された。
(1)支持体上に金属細線により形成された導電パターン部を有し、該支持体の端部から20mm以内の位置に少なくとも導電パターン部の一部を有する導電材料であって、該支持体の端部から20mm以内の位置に存在する導電パターン部が、該導電パターン部が有する金属1molあたり1.5〜80mmolのイオン性ヨウ素化合物を有することを特徴とする導電材料。
(2)線幅が200μm以下の金属細線により形成された導電パターン部を少なくとも有することを特徴とする上記(1)に記載の導電材料。
本発明により、導電パターン部が均一な外観を有し(外観に優れており)、また塩化物イオン耐性に優れた導電材料を提供することができる。
本発明の導電材料の一例を示す概略断面図 本発明の導電材料の一例であるタッチパネルパターンを示す概略図
以下、本発明について詳細に説明するにあたり図面を用いて説明する。
図1は本発明の導電材料の一例を示す概略断面図である。図1において導電材料1は、支持体2上、あるいは支持体2上に位置する下引き層3上に導電パターン部20を有する。また導電材料1は、図1に示したように導電パターン部20が存在しない非導電パターン部23を有することができる。図1の導電材料1において導電パターン部20は、導電材料の目的に応じて、導電材料の部位ごとに様々な幾何学的なパターンをとることができる。図2は本発明の導電材料の一例であるタッチパネルパターンを示す概略図である。図2を用いて、図1の導電パターン部20、非導電パターン部23の具体例を説明する。図2において、導電材料1は支持体2上に様々な金属細線を有している。図2において全くパターンを有さない非画像部13が図1における非導電パターン部23に相当する。また図2の導電材料1は200μm〜数mm程度の線状パターンが並び、ACF(異方導電性フィルム)などを介しFPCケーブルと接続し、ICへと電気信号を送るため設けられる端子部15を有する。端子部15を形成する線状パターンが図1の導電部20に相当し、端子部15間の金属の無い部分が図1の非導電パターン部23に相当する。さらに端子部15には線幅が数十μmでストライプ状に並んだ周辺配線14がつながっている。ここでは周辺配線14を形成する金属細線が図1の導電パターン部20、金属細線間のスペースとなっている部分が図1の非導電パターン部23に相当する。周辺配線14には線幅が数μmの金属細線から形成される網目状パターンからなる複数のセンサー部11が繋がり、その複数のセンサー部11の間には、該センサー部11に挟まれ、周辺配線14と電気的に接続しない、センサー部11と同様の網目状パターンからなるダミー部12が設けられる。センサー部11やダミー部12においては網目状の金属細線が導電パターン部20、導電パターン部の間の金属細線の無い部分が非導電パターン部23となる。また本発明において、センサー部11あるいはダミー部12を金属ナノワイヤー分散物塗層を用いることもできるが、この場合、センサー部11あるいはダミー部12はパターン全面が導電パターン部20となる。図示していないが、本発明の導電材料は、これらセンサー部11、ダミー部12、周辺配線14、端子部15以外にも図示していないが、加工用のアライメントマークやアース部など様々な形状の導電パターン部20を有することができる。
本発明において、導電パターン部20としては、図1中、(1−1)〜(1−3)で示した形態が例示できる。(1−1)で示した導電パターン部20は、金属21がバインダー22によって保持されており、また金属が存在しない非導電パターン部23には、金属を保持するバインダー22は存在しない。なお図1の(1−2)、(1−3)では支持体2上に、下引き層3を設けた例を示しているが、後述するように本発明において、下引き層は必ずしも必須ではない。
上記した(1−1)で示した導電材料1を作製する方法としては、市販のスクリーン印刷用銀ペースト、例えばトーヨーケム社製REXALPHA RA FS074、ミノ社製MP−301PADなどの銀ペーストを用い、支持体上2にスクリーン印刷する方法が挙げられる。また金属ナノ粒子を含有する導電性金属インキ組成物(以下、単にインキ組成物とも記載)を印刷する方法が次に挙げられる。該導電性金属インキ組成物としては、例えば特開平3−34211号公報、特開2004−273205号公報等に記載のガス中蒸発法(乾式法)により製造された銀を含む金属超微粒子や、特開2006−328472号公報、特開2009−242874号公報、特開2009−242875号公報等に記載の湿式還元法により製造された銀を含む金属超微粒子等を用い、分散媒として水を主体に含有するいわゆる水性インキ組成物や、分散媒としてシクロヘキサノンまたはメチルエチルケトンを主体に含有する溶剤系のインキ組成物、パラフィン類、エーテル類、アルコール類などの溶剤を主体に含有する油性のインキ組成物等例示することができる。また上記した各種導電性金属インキ組成物は、金属超微粒子の保護コロイドとしてバインダーを含有し、このバインダーは上記溶媒成分に合わせ、当該分野で公知の高分子化合物が用いられる。
例えば水性のインキ組成物であれば、バインダーとして澱粉、デキストリン等の多糖類、セルロースおよびその誘導体(例えばカルボキシルメチルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロース、メチルセルロースなど)、カラギーナン等を例示することができる。溶剤系あるいは油性のインキ組成物においては、バインダーとしてポリエステル樹脂、ウレタン変性ポリエステル樹脂、エポキシ変性ポリエステル樹脂、アクリル変性ポリエステルなどの各種変性ポリエステル樹脂、ポリエーテルウレタン樹脂、ポリカーボネートウレタン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂等の高分子化合物の中から、前記した分散媒との間で相溶性のあるものを適宜選択して利用することができる。
さらに、銀塩感光材料を導電材料前駆体として利用し、硬化現像方式を用いる特開2007−59270号公報に開示される方法でも、上記した(1−1)で示した導電材料1を作製することができる。この方法では硬化したゼラチンバインダー中に金属21が局在化することで、金属細線により形成された導電パターン部20が形成される。なお同公報では、得られた金属細線に更にめっきしても良いことが記載されている。この場合、導電パターン部20の表面にはバインダー成分を含まない金属膜が形成される。
さらに上記した(1−1)で示した導電材料1は、特開2012−132082号公報などで開示されているような金属ナノワイヤー分散物を支持体2上に塗布し、エッチング処理やレーザーアブレーションなどによりパターニングすることでも得ることができる。
図1において、(1−2)で示した導電材料1は、支持体2上の、あるいは必要に応じて設けられる下引き層3上の全面にバインダー22が存在し、該バインダー22の一部分に金属21が局在化することで、導電性を有する導電パターン部20が形成される。(1−2)で示した導電材料1は、銀塩感光材料を導電材料前駆体として利用する方法であって、直接現像銀(化学現像処理による)を用いて導電パターン部を形成する、特開2004−221564号公報、特開2007−12314号公報等に開示される方法によって作製することができる。また特表2014−206980号公報等に開示されるようなナノインプリント印刷法でも作製することができる。
図1おいて、(1−3)で示した導電材料1が有する金属細線部20は、支持体2上に設けられた下引き層3上に、バインダー22によって保持されない金属21によって形成される。このような導電パターン部20は、銀塩感光材料を導電材料前駆体として利用する方法であって、特開2003−077350号公報、特開2005−250169号公報、特開2007−188655号公報、特開2004−207001号公報等に記載される、支持体上に物理現像核層とハロゲン化銀乳剤層を少なくともこの順に有する導電材料前駆体に、可溶性銀塩形成剤および還元剤をアルカリ液中で作用させて導電部23を形成させる、銀塩拡散転写法によって作製することができる。また、支持体2上にスパッタ法や下引き層3を介して貼合された金属箔をエッチングやレーザーアブレーション法により除去することでも得ることができる。
本発明において、(1−1)〜(1−3)で示した導電材料の中で、光透過率の観点から(1−1)もしくは(1−3)で示した導電材料が好ましく、さらに得られる導電性やマイグレーションなどの問題が発生しにくいという観点から(1−3)で示した導電材料が最も好ましい態様であり、さらにはより高精細な金属細線の得られる銀塩拡散転写法によって作製される導電材料が最も好ましい。
(1−1)〜(1−3)で示した導電材料1が有する導電パターン部20が有する金属21としては金、銀、銅、ニッケル、アルミニウムなどが好ましく、中でも得られる導電性と価格の面で銀、銅が好ましく、酸化しにくく、安定した導電性が得られることから銀が最も好ましい。また導電パターン部20の厚みとしては0.05〜10μmが好ましく、さらに0.1〜1μmであることがより好ましい。このような範囲とすることで、後述する実施例で実施するような貼合加工などの後加工が容易になる。
本発明の導電材料1が有する支持体2としてはプラスチック、ガラス、ゴム、セラミックス等が好ましく用いられる。また支持体2は光透過性支持体であることが好ましく、該光透過性支持体の全光線透過率は60%以上であることが好ましい。プラスチックの中でも、フレキシブル性を有する樹脂フィルムは、取扱い性が優れている点で、好適に用いられる。支持体として使用される樹脂フィルムの具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)やポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂等が挙げられる。また樹脂フィルムの厚さは25〜300μmであることが好ましい。また上記した支持体は、ハードコート層、反射防止層、粘着層、防眩層等公知の層を有していてもよい。また下引き層3としては例えば特開2001−91705号公報に記載されているような公知の易接着層を用いることができる。
本発明の導電材料は、支持体の端部から20mm以内の位置に少なくとも導電パターン部の一部を有する。さらに支持体の端部から20mm以内の位置にある導電パターン部の線幅が200μm以下である場合、本発明の効果はより顕著となる。前述の通り、本発明の導電材料は図2に示すようなタッチパネルに用いられるための光透過性導電材料に好ましく用いられる。図2において周辺配線14は額縁部分に集中して配置されているが、このような場合、塩化物イオン耐性がより強く求められる。さらに前述の通り、近年ではタッチパネルの意匠性の観点から、額縁部分をより狭くすることが求められており、周辺配線14は200μm以下の線幅を有する金属細線からなることが好ましく、さらに20〜100μmであることが好ましい。このような線幅の金属細線は塩化物イオン耐性が弱くなるので、本発明の効果はより顕著となる。また図2においてセンサー部11の一部(図中、周辺配線14が存在しない下部分)も額縁近傍に配置されている。前述の通りセンサー部は金属細線の線幅が数μmの網目状パターンを有している、あるいは金属ナノワイヤー(直径数10nmの金属からなる)分散物の塗層からなるので、塩化物イオンの影響を受けやすく、このような場合ではとりわけ本発明の効果は顕著となる。本発明の導電材料は、支持体の端部から20mm以内の位置に導電パターン部を有するが、前述の通り意匠性の観点から、図2のように支持体が長方形の場合、四辺全てで支持体端部から20mm以内の位置に導電性パターンを設けることが好ましい。なお、周辺配線部14の配置位置については、図2のように支持体が長方形であった場合でも上下左右のどの位置でも配置することができる。
本発明において、支持体の端部から20mm以内の位置に配置される導電パターン部は、金属1molに対し1.5〜80mmolのイオン性ヨウ化物を有する。また金属1molに対し10〜60mmolのイオン性ヨウ化物を有することが、塩化物イオン耐性にとりわけ優れた導電材料が得られるため好ましい。本発明においてイオン性ヨウ化物とは、水に溶けることでヨウ化物イオン(I)を放出できる化合物のことを言う。これらイオン性ヨウ化物としてはヨウ化水素酸、ヨウ化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化銀、ヨウ化銅、ヨウ化マグネシウムなどの無機塩、ヨウ化テトラメチルアンモニウムに代表される四級塩などが挙げられる。本発明において支持体の端部から20mmよりも遠い位置に存在する導電パターン部は、イオン性ヨウ化物を有する必要はないものの、20mm以内の位置と同様、金属1molに対し1.5〜80mmolのイオン性ヨウ化物を有することは好ましい。さらに本発明において非導電パターン部にはイオン性ヨウ化物を有していても有していなくても良いが、近傍の導電パターン部と同じ量のイオン性ヨウ化物を有することが好ましい。この場合、導電材料は下引き層を有していることが望ましい。
本発明の導電材料において、導電パターン部がイオン性ヨウ化物を有するためには、金属細線により形成された導電パターン部を有する導電材料の導電パターン部上に、イオン性ヨウ化物を含有する塗液をスピンコーティング、浸漬塗布、バーコーティング、ディッピングなどの方法で塗布する、あるいはスクリーン印刷などの方法で印刷するなどの方法を例示することができる。
さらに本発明において、支持体の端部から20mm以内の位置に配置される導電パターン部は、イオン性ヨウ化物に加えて更に、含窒素複素環化合物を有することが好ましい。含窒素複素環としては、例えば、ピロール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピラゾール環、イミダゾール環、1,3,5−トリアジン環、ジアゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環、イソオキサゾール環、オキサジアゾール環、チアゾール環、チアゾロン環、イソチアゾロン環、チアジアゾール環、チアジアジンチオン環、オキサチアゾール環、アザインデン環、プリン環、キノリン環などが挙げられる。含窒素複素環化合物の具体例としては5−ニトロベンズイミダゾール、イミダゾール、2−アミノベンズイミダゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1H−テトラゾール、5−フェニル−1H−テトラゾール、ベンゾトリアゾール、5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−クロロ−ベンゾトリアゾール、5−ニトロベンゾトリアゾール、2−メチルベンゾオキサゾール、6−メチルプリン、アデニン、1−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、2−(カルボメトキシアミノ)−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−4−フェニルイミダゾール、2−メルカプト−1−ベンジルイミダゾール、2−メルカプト−1−ブチル−ベンズイミダゾール、1−エチル−2−メルカプト−ベンズイミダゾール、2−メルカプト−ベンズイミダゾール、1,3−ジエチル−ベンズイミダゾリン−2−チオン、1,3−ジベンジル−イミダゾリジン−2−チオン、2,2′−ジメルカプト−1,1′−デカメチレン−ジイミダゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4−フェニルチアゾール、2−メルカプト−ベンゾチアゾール、2−メルカプトナフトチアゾール、3−エチル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、3−ドデシル−ベンゾチアゾリン−2−チオン、2−メルカプト−4,5−ジフェニルオキサゾール、2−メルカプトベンゾオキサゾール、3−ペンチル−ベンゾオキサゾリン−2−チオン、1−フェニル−3−メチルピラゾリドン−5−チオン、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−5−ノニル−5−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アリル−5−ペンタデシル−1,2,4−トリアゾール、3−メルカプト−4−アミノ−5−ヘプタデシル−1,2,4−トリアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−5−ペンタデシル−1,3,4−チアジアゾール、2−メルカプト−5−n−ヘプチル−オキサチアゾール、2−メルカプト−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、5−メルカプト−1−フェニル−テトラゾール、2−メルカプト−5−ニトロピリジン、1−メチル−キノリン−2(1H)−チオン、3−メルカプト−4−メチル−6−フェニルピリダジン、2−メルカプト−5,6−ジフェニル−ピラジン、2−メルカプト−4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メルカプト−6−ベンジル−1,3,5−トリアジン、1,5−ジメルカプト−3,7−ジフェニル−s−トリアゾリノ[1,2−a]−s−トリアゾリンが挙げられる。この中でもベンゾトリアゾール環、メルカプト基を有するテトラゾール環、メルカプト基を有するジアゾール環、メルカプト基を2つ以上有するトリアジン環を有する含窒素複素環化合物がマイグレーション耐性も良くするので好ましく用いることができる。
本発明において、含窒素複素環化合物はイオン性ヨウ化物を含有する塗液に混ぜたり、あるいはイオン性ヨウ化物を含有する塗液を塗布する前に含窒素複素環化合物を溶解した水溶液やエタノール溶液を作製し、これを前述した各種塗布方法にて塗布することで導電材料に含有させることができる。イオン性ヨウ化物を含有する塗液に含窒素複素環化合物を混ぜる場合、含窒素複素環化合物としてはイオン性ヨウ化物に対し、モル比で0.1倍〜100倍の量を含有させることが好ましい。
前述の通り本発明の導電材料1はタッチパネル用の導電材料として好ましく用いられる。該導電材料は導電性と光透過性を有する光透過性導電部を有する。図2においては、センサー部11とダミー部12が光透過性を有する。これも前述の通り、センサー部11とダミー部12を金属ナノワイヤー分散物の塗層により形成することで、光透過性を得ることができるが、センサー部11とダミー部12を金属細線を網目状やストライプ状の導電パターン部とすることで光透過性を得ることが周辺配線とセンサー部やダミー部を同時に作製できるため好ましい。以下、網目状やストライプ状の金属細線により形成された導電パターン部20を有する導電材料について説明する。
図2において、センサー部11やダミー部12は複数の多角形が集合した網目形状を有する金属細線を有する場合、該導電パターン部が有する金属細線の線幅は20μm以下であることが好ましく、より好ましくは1〜15μmであり、さらに好ましくは2〜10μmである。センサー部11およびダミー部12の開口率(センサー部11あるいはダミー部12の面積に対する、金属細線の無い部分が占める面積の割合)は86%以上が好ましく、さらに好ましくは95〜98%である。網目形状を形成する多角形としては例えば正三角形、二等辺三角形、直角三角形などの三角形、正方形、長方形、平行四辺形、台形、菱形などの四角形、(正)六角形、(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形などの(正)n角形、円、楕円、星形、およびこれらが複合された形状などが挙げられ、また多角形の辺は、直線でなくとも例えばジグザグ線、波線、曲線などで構成されていても良い。
本発明においてセンサー部11およびダミー部12は、これら多角形が複数個集まって網目形状を形成するが、この網目形状は規則的なパターンでも良いし、あるいはランダムなパターンであっても良い。
本発明において規則的なパターン(以下規則的パターンとも記載)とは、多角形が集まる際に規則性が認められることを意味し、同一の形状および大きさを有する多角形が規則的に集合したパターン、あるいは複数種の形状および大きさを有する多角形が、規則性を維持して集合したパターン等が例示できる。一方、本発明においてランダムなパターン(以下ランダムパターンとも記載)とは、集まった多角形の形状、および該多角形が集まる際の繰り返し性に対し、規則性を有さないパターンのことを意味する。ただし、センサー部11およびダミー部12の領域内の全てにおいて、集まった多角形の形状および該多角形が集まる際の繰り返し性に規則性が無いと、センサー部11およびダミー部12を有する光透過性導電材料の設計が極めて煩雑となるため、少なくとも10平方ミリメートルのパターン領域内において、多角形の形状、および該多角形が集まる際の繰り返し性に対し規則性が認められなければ、該網目状金属細線はランダムパターンであるとする。
センサー部11およびダミー部12が規則的なパターンを有する場合、繰り返し集まる多角形の最小単位を単位図形と呼ぶ。センサー部11とダミー部12の単位図形の形状は、同じ形状でも、異なる形状であっても良いが、センサー部とダミー部の境界が容易に視認されてしまう「骨見え」を低減する観点から同じ形状であることが好ましい。ただし、断線部の有無、断線部の位置、および断線部の幅が異なる等の差については、単位図形の形状が同じであるか否かの判断には含めないものとする。なお本発明において、複数種の液晶パネル(LCD)に用いてもモアレなどが起きない汎用タッチパネル用とし導電材料を作製する場合は、センサー部11とダミー部12はランダムパターンを有することが好ましく、一方で特定のLCDに対する専用タッチパネル用として導電材料を作製する場合や、ランダムパターンをもった金属細線の特有の「砂目」を避ける場合には、規則的パターンを有することが好ましい。
本発明において、センサー部11とダミー部12が規則的なパターンを有する場合には、液晶ディスプレイとのモアレ現象を避けるため、好ましい単位図形の形状は、正方形および菱形であり、さらには一つ頂点の角度が30〜80°の菱形であることがより好ましい。
本発明において、網目形状としてランダムパターンを用いる場合には、ボロノイ図形やドロネー図形等のランダム図形、およびこれらのランダム図形を任意の方向に拡大あるいは縮小した図形を用いることができる。本来、これらのランダムパターンには周期は無いが、本発明では、前述の通り、少なくとも10平方ミリメートルの単位パターン領域内において規則性が維持されていなければランダムパターンとする。従って例えば16平方ミリメートルの大きさの中で規則性が維持されていない単位を基本図形とし、その基本図形を繰り返すことでランダムパターンを形成することも可能である。
さらに本発明において、ランダムパターンあるいはランダムパターンを任意の方向に拡大あるいは縮小した基本図形を繰り返す場合、センサー部とダミー部においてそれぞれ別の基本図形を利用し、その際、センサー部11のx方向あるいはy方向の周期が、ダミー部12のx方向あるいはy方向のそれぞれの周期よりも小さいことが好ましく、x方向およびy方向の両方向においてセンサー部11の周期の方が小さいことがより好ましい。これにより前記した「砂目」を、更に改善することが可能となる。
本発明のセンサー部11とダミー部12の間や、ダミー部12の中には特開2013−30378号公報や特開2014−127115号公報などの公知の方法で断線部を設けることが好ましい。
また図2において周辺配線14は好ましい線幅は前述の通りであるが、隣り合う周辺配線14間の距離は好ましくは20〜100μm、さらに好ましくは30〜80μmである。
本発明により得られる導電材料は、OCA(光学粘着フィルム)を介して他の機能材料に貼合されることで形成される導電材料積層体に好適に利用される。前述の通り、本発明の導電材料は、タッチパネルに用いられる光透過性導電材料に好適であり、このような用途では、本発明の導電材料の導電パターン部を有する側の面に粘着層を有し、該粘着剤層上に光透過性機能材料を有する光透過性導電材料積層体が形成される。
該光透過性導電材料積層が有する粘着層は、全光線透過率が90%以上であることが好ましく、特に好ましくは95%以上である。同様の観点から、粘着層のヘイズは0〜3%が好ましく、特に好ましくは0〜2%である。粘着層の形成には公知の粘着性を有する物質を用いることができる。具体的には、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等が例示できる。中でもアクリル系粘着剤は耐候性や透明性に優れることから、光透過性導電材料積層体の信頼性や光透過性の観点から特に好ましい。
粘着層の形成方法は限定されず、特開平9−251159号公報や特開2011−74308号公報等に例示されているようなアクリル系粘着剤を使用した粘着テープを光透過性導電材料上に貼合する方法、特開2009−48214号公報、特開2010−257208号公報、特開2012−46658号公報等に例示されているような硬化型樹脂を光透過性導電材料上に付与し硬化させる方法、等の方法が例示できる。上記した粘着テープ、硬化型樹脂はともに市販されており、前者では住友スリーエム(株)製高透明性接着剤転写テープ(8171CL/8172CL/8146−1/8146−2/8146−3/8146−4等)、日東電工(株)製光学用透明粘着シート(LUCIACS CS9621T/CS9622T/CS3623等)、積水化学工業(株)製高透明両面テープ5400シリーズ(5402/5405等)、リンテック(株)製光学粘着シートMOシリーズ(MO−T015、MO−3014等)等が例示でき、後者ではヘンケルジャパン(株)製紫外線硬化型光学透明接着剤Loctite LOCAシリーズ(Loctite3192、3193、3195、5192等)を例示でき、いずれも好ましく用いることができる。
粘着層の厚みは特に限定されないが、薄すぎると光透過性導電材料表面の凹凸へ追従しきれず気泡が入る場合があり、また厚すぎると本発明の積層体の光透過性が損なわれる場合がある。よって5〜200μmが好ましく、より好ましくは10〜175μmである。
光透過性導電材料積層体を構成する光透過性機能材料としては、本発明の導電材料や、化学強化ガラス、ソーダガラス、石英ガラス、無アルカリガラス等のガラス、ポリエチレンテレフタレート等の各種光透過性樹脂からなるフィルム、および上記したガラスやフィルムの少なくとも一方の面にハードコート層、反射防止層、防眩層、偏光層等の公知の光透過性機能層を有する材料が例示できる。
前述の通り、環境中の塩化物イオンの大半は、OCAの粘着層中を浸透して導電材料を腐食する。従って本発明の導電材料を有する光透過性導電材料積層体においては、粘着層の端部から20mm以内の位置に存在する導電パターン部が、金属1molあたり1.5〜80mmolのイオン性ヨウ素化合物を有することが望ましい。また金属1molあたり10〜60mmolのイオン性ヨウ素化合物を有することがより好ましい。更には該粘着層の端部から20mm以内の位置に存在する導電パターン部が、前記した含窒素複素環化合物を有することが好ましい。
以下、本発明に関し実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
<導電材料Aの作製>
支持体として、厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた。なおこの支持体の全光線透過率は91%であった。
次に下記処方に従い、物理現像核(硫化パラジウムゾル)を作製し、該物理現像核を含有する下引き層塗液を作製し、支持体上に塗布、乾燥して下引き層を設けた。その後50℃で1日加温した。
<硫化パラジウムゾルの調製>
A液 塩化パラジウム 5g
塩酸 40ml
蒸留水 1000ml
B液 硫化ソーダ 8.6g
蒸留水 1000ml
A液とB液を撹拌しながら混合し、30分後にイオン交換樹脂の充填されたカラムに通し硫化パラジウムゾルを得た。この硫化パラジウムゾルを用いて、下記下引き層塗液1を調製した。
<下引き層塗液1>各1mあたり
前記硫化パラジウムゾル 0.4mg
2質量%グリオキザール水溶液 0.2ml
界面活性剤(S−1) 4mg
デナコールEX−830 5mg
(ナガセケムテックス(株)製ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル)
10質量%SP−200水溶液 0.5g
((株)日本触媒製ポリエチレンイミン)
続いて、支持体に近い方から順に下記組成の中間層、ハロゲン化銀乳剤層、及び保護層を上記物理現像核層の上に塗設、銀塩感光材料1を得た。ハロゲン化銀乳剤は、写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀95モル%と臭化銀5モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製し、ヨウ化カリウム1モル%を調製後のハロゲン化銀乳剤に混合した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い、金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀1gあたり0.5gのゼラチンを含む。
<中間層組成/1mあたり>
ゼラチン 0.5g
界面活性剤(S−1) 5mg
染料1 5mg
<ハロゲン化銀乳剤層組成1/1mあたり>
ゼラチン 0.5g
ハロゲン化銀乳剤 4.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3mg
界面活性剤(S−1) 20mg
<保護層組成/1mあたり>
ゼラチン 1g
不定形シリカマット剤(平均粒径3.5μm) 10mg
界面活性剤(S−1) 10mg
このようにして得た銀塩感光材料1について、図2のパターンを有するポジ透過原稿を用いて介して密着露光し、その後下記拡散転写現像液中に20℃で90秒間浸漬し、続いてハロゲン化銀乳剤層、中間層、及び保護層を40℃の温水で水洗除去し、乾燥処理し、図1の(1−3)で示した導電パターン部20の形態を有する導電材料1を得た。導電材料1を切り取り、熱分解GC−MS(アジレントテクノロジー社製7890Aおよび5975C)を用いて、1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを定量したが、検出下限以下であった。また顕微鏡(キーエンス製VHX5000)を用いて得られたパターンの線幅を測定した結果、透過原稿と同じく、周辺配線14は線幅100μm、スペース幅100μmであり、センサー部11、ダミー部12の線幅は4μmであり、端子部15の線幅は225μmであった。
<拡散転写現像液組成>
水酸化カリウム 25g
ハイドロキノン 18g
1−フェニル−3−ピラゾリドン 2g
亜硫酸カリウム 80g
N−メチルエタノールアミン 15g
臭化カリウム 1.2g
全量を水で1000mL
pH=12.2に調整する。
得られた導電材料1を裁断し、図2における左側の周辺配線14の最も左側の金属細線から支持体左端部(図2における)までの距離を5mm、右側の周辺配線14の最も右側の導電パターン部から支持体右端部までの距離を5mm、下側のセンサー部とダミー部の最も下側の導電パターン部から支持体の下側端部までの距離が5mm、端子部15の最も上側の導電パターン部から支持体上端までの距離を5mmとなるようし、導電材料Aを得た。左右上下端に位置する導電パターン部線の銀量およびヨウ素量をFE−SEM(日立ハイテクノロジーズ社製S−4800)付属のEDS装置で定量したところ、銀量は10mmol/mであり、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は検出下限以下であった。
<導電材料Bの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう1mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Bを得た。導電材料Bの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は10μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり1mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Cの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう2mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Cを得た。導電材料Cの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は20μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり2mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Dの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう7mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Dを得た。導電材料Dの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は70μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり7mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Eの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう12mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Eを得た。導電材料Eの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は120μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり12mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Fの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう40mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Fを得た。導電材料Fの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は400μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり40mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Gの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう55mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Gを得た。導電材料Gの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は550μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり55mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Hの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう65mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Hを得た。導電材料Hの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は650μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり65mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Iの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう75mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Iを得た。導電材料Iの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は750μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり75mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Jの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう85mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Jを得た。導電材料Jの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は850μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり85mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Kの作製>
導電材料1を裁断したが、ただし図2における左側の周辺配線14の最も左側の導電パターン部から支持体左端部(図2における)までの距離を25mm、右側の周辺配線14の最も右側の導電パターン部から支持体右端部までの距離を25mm、下側のセンサー部とダミー部の最も下側の導電パターン部から支持体の下側端部までの距離が25mm、端子部15の最も上側の導電パターン部線から支持体上端までの距離を25mmとなるようして、導電材料Kを得た。
<導電材料Lの作製>
前記した導電材料K上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう40mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Lを得た。導電材料Lの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は400μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり40mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Mの作製>
導電材料1を裁断したが、ただし図2における左側の周辺配線14の最も左側の導電パターン部から支持体左端部(図2における)までの距離を15mm、右側の周辺配線14の最も右側の導電パターン部から支持体右端部までの距離を15mm、下側のセンサー部とダミー部の最も下側の導電パターン部から支持体の下側端部までの距離が15mm、端子部15の最も上側の導電パターン部から支持体上端までの距離を15mmとなるようして、導電材料Mを得た。
<導電材料Nの作製>
前記した導電材料M上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう40mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Nを得た。導電材料Nの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は400μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり40mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料Oの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう40mmol/Lヨウ化イソプロピルエタノール溶液を塗布し、導電材料Oを得た。導電材料Oの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、ヨウ素量から換算されたヨウ化イソプロピルエタノール量は400μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり40mmolのヨウ化イソプロピルエタノールを有していた。
<導電材料Pの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう40mmol/L塩化ナトリウム水溶液を塗布し、導電材料Pを得た。
<導電材料Qの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう40mmol/L臭化ナトリウム水溶液を塗布し、導電材料Qを得た。
<導電材料Rの作製>
前記した導電材料A上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう40mmol/Lヨウ化テトラメチルアンモニウム水溶液を塗布し、導電材料Rを得た。導電材料Rの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化テトラメチルアンモニウム量は400μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり40mmolのヨウ化テトラメチルアンモニウムを有していた。
<導電材料Sの作製>
前記した導電材料Aを5%の2,4−ジメルカプト−6−ジブチルアミノトリアジンのアルカリ水溶液に浸漬し、乾燥させた。その後その上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう40mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料Sを得た。導電材料Sの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は10mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は400μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり40mmolのヨウ化カリウムを有していた。
このようにして得られた導電材料それぞれについて、導電材料A〜Sと同じ大きさのOCA(光学透明粘着フィルム:日榮加工製MHM−175FW)を導電材料の四辺の端部が一致するよう貼合した。従って、上記した導電材料における支持体端部からの金属細線の距離は貼合して得られた積層体における粘着剤端部からの距離に相当する。貼合した導電材料積層体について、塩化物イオン耐性試験と、外観変化を観測した。結果を表1に示す。
<塩化物イオン耐性試験>
導電材料A〜Sを貼合した積層体を下記処方の塩水に1日3回、9:00、13:00、17:00に浸漬させ、浸漬作業をする時間以外は60℃90%の恒温恒湿室に保管し、5日後にサンプルを取り出し、水洗、乾燥させ、上下左右の導電パターン部の表面を観察した。
<塩水処方>
塩化ナトリウム 60g
リン酸2ナトリウム12水和物 50g
99%酢酸 20mL
水を加えて全量を1Lとする。
観察した結果、まったく腐食の見られないものを4、腐食点が見られるものを3、パターンの50%以上が腐食しているものを2、全面腐食しているものを1とした
<外観試験>
導電材料A〜Sを貼合した積層体を観察し、導電パターン部の色調が均一か、あるいは斑点などが無いかを等を目視で確認した。
表1の結果から、本発明の有効性が判る。なお、支持体の端部から20mm以内の位置に導電パターン部を有さない導電材料KおよびLでは、元々本発明が解決しようとする課題が存在しない。
<実施例2>
<導電材料AAの作製>
支持体として、実施例1と同じ厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、この支持体上に下記組成の裏塗り層を塗布した。
<裏塗り層組成/1mあたり>
ゼラチン 2g
不定形シリカマット剤(平均粒径5μm) 20mg
界面活性剤(S−1) 400mg
続いて、支持体の裏塗層と反対側にハロゲン化銀乳剤層を塗布した。ハロゲン化銀乳剤は写真用ハロゲン化銀乳剤の一般的なダブルジェット混合法で製造した。このハロゲン化銀乳剤は、塩化銀40モル%と臭化銀59モル%とヨウ化銀1モル%で、平均粒径が0.15μmになるように調製した。このようにして得られたハロゲン化銀乳剤を定法に従いチオ硫酸ナトリウムと塩化金酸を用い金イオウ増感を施した。こうして得られたハロゲン化銀乳剤は銀3gあたり1gのゼラチンを含む。なお、ハロゲン銀乳剤層が含有するアミノ基の量は架橋剤との結合反応する前の80.7%以上残存しているものであると推測される。
<ハロゲン化銀乳剤層組成/1mあたり>
ゼラチン 1g
ハロゲン化銀乳剤 3.0g銀相当
1−フェニル−5−メルカプトテトラゾール 3.0mg
界面活性剤(S−1) 20mg
グリオキサール(40%水溶液) 20mg
このようにして得た銀塩感光材料2を、図2のパターンを有するネガ透過原稿を介して、水銀灯を光源とする密着プリンターで400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介し、全面露光した。
続いて、Gekkol現像液(三菱製紙(株)製)に20℃で90秒間浸漬した後、続いて2%酢酸溶液に20℃で30秒浸漬させ停止処理した。さらに下記定着液Aに20℃180秒浸漬させた。このようにして導電材料2を得た。導電材料2の塗布銀量と、ヨウ素量を実施例1同様測定したところ、銀量は30mmol/m、ヨウ素は検出下限以下であった。また熱分解GC−MSを用いて1−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを定量したが、検出下限以下であった。また、顕微鏡を用いて、導電材料2の金属細線の線幅を測定したところ、実施例1同様、透過原稿と同じ線幅であった。得られた導電材料2を導電材料Aと同様に裁断し、導電材料AAを得た。
<定着液処方A>
2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールアミン 300g
pHが10.5となるよう、5規定水酸化ナトリウム水溶液で調整し、更に水を加えて全量を1Lとする。
<導電材料ABの作製>
前記した導電材料AA上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう3mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料ABを得た。導電材料ABの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は30mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は30μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり1mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料ACの作製>
前記した導電材料AA上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう6mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料ACを得た。導電材料ACの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は30mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は60μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり2mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料ADの作製>
前記した導電材料AA上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう120mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料HADを得た。導電材料ADの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は30mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は1200μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり40mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料AEの作製>
前記した導電材料AA上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう225mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料AEを得た。導電材料AEの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は30mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は2250μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり75mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料AFの作製>
前記した導電材料AA上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう255mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料AFを得た。導電材料AFの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は30mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は2550μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり85mmolのヨウ化カリウムを有していた。得られた導電材料Fの表面には銀の色調にムラが見られた。
得られた導電材料AA〜AFを実施例1同様評価し、表2のような結果を得た。表2から、図1の(1−2)のタイプの導電材料でも、本発明の効果のあることが判る。
<実施例3>
<導電材料BAの作製>
2Lのステンレスビーカーに平均分子量が約30000の焙焼デキストリン(日澱化学(株)製、デキストリンNo.1−A)を54.4gと純水860gを加え、約30分間撹拌した。その後、硝酸銀131.8gを加え、更に約30分間撹拌し、完全に溶解した。この液に水酸化カリウム60.9gを純水83.9gに溶解した液を添加し、撹拌回転数400rpmの状態で60分間還元反応を実施した。還元反応が終了した銀超微粒子分散液を続いて、酢酸にてpH=5.6に調整した後、ビオザイムF10SD(天野エンザイム(株)製)を200mg添加し45℃で1時間撹拌し、残留しているデキストリンを低分子化し、7質量%の銀超微粒子分散液を得た。次に、得られた銀超微粒子分散液の精製工程として、遠心分離を実施することで、銀超微粒子と上澄み液を綺麗に分離させ、上澄み液を廃棄した。残った銀超微粒子を再分散させ、繰り返し遠心分離を実施し、上澄み液を廃棄した。その後、純水を加えて再分散し、銀濃度が47.2質量%の銀超微粒子分散液1を110g得た。
銀超微粒子分散液1を3g取り、界面活性剤(泰光油脂化学(株)製タイポールNLES−227)を0.01g、ポリマーラテックスとして第一工業製薬(株)製スーパーフレックス150HS(ポリウレタンラテックス、平均粒径0.11μm、固形分38質量%)を0.64g、SD10M(カーボンブラック分散剤、DIC社製)を1g添加し、純水で濃度調整を行い、銀濃度が20質量%、ポリマーラテックス固形分濃度が3.43質量%の導電性インキ組成物1を得た。
支持体として実施例1と同じ厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、実施例1で用いた下引き層塗液1の作製において、硫化パラジウムゾルを添加しなかった以外は同様にして得た下引き層塗液を実施例1と同様にして塗布した。この支持体の下引き層塗布面上に、厚み15μmのドライフィルムレジスト(旭化成社製SUNFORTシリーズSPG)をラミネートし、さらに水銀灯を光源とする密着プリンターで、400nm以下の光をカットする樹脂フィルターを介さず、実施例2と同様のネガ透過原稿を介して露光量100mJ/cmの露光量で露光し、その後30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液中で揺動させながら40秒間現像した。
上記して得られたレジストパターンを有する側の面に導電性インキ組成物1を、乾燥後の銀の厚みが0.2μmとなるようワイヤーバーを用いて塗布し、120℃10分乾燥した。その後、40℃の3質量%水酸化ナトリウム水溶液をスプレーで吹き付け、水洗、乾燥させ、導電材料3を得た。実施例1同様に銀量を定量すると20mmol/mであった。また、顕微鏡を用いて、得られたパターンの線幅を測定したところ、実施例1同様、透過原稿と同じ線幅であった。得られた導電材料3を導電材料Aと同様にして裁断し、導電材料BAを得た。
<導電材料BBの作製>
前記した導電材料BA上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう80mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料BBを得た。導電材料BBの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は20mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は800μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり40mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料BCの作製>
導電材料BAを導電材料Kと同様にして裁断し、導電材料BCを得た。
<導電材料BDの作製>
前記した導電材料BC上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう80mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料BDを得た。導電材料BDの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は20mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は800μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり40mmolのヨウ化カリウムを有していた。
<導電材料BEの作製>
導電材料BAを導電材料Mと同様にして裁断し、導電材料BCを得た。
<導電材料BFの作製>
前記した導電材料BE上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう80mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料BFを得た。導電材料BFの導電パターン部の銀量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、銀量は20mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は800μmolであった。よって該導電パターン部は銀1molあたり40mmolのヨウ化カリウムを有していた。
得られた導電材料BA〜BFを実施例1同様評価し、表3のような結果を得た。表3から、図1の(1−1)のタイプの導電材料でも、本発明の効果のあることが判る。なお、支持体の端部から20mm以内の位置に導電パターン部を有さない導電材料BCおよびBDでは、元々本発明が解決しようとする課題が存在しない。
<実施例4>
<導電材料CAの作製>
前記した導電材料Aを無電解銅めっきし、その後水洗し、銀表面に銅をめっきし導電材料CAを得た。なお、無電解銅めっきは、メルテックス(株)製薄付無電解銅めっき液、メルプレートCU−5100を標準希釈で建浴し、50℃で5分間行った。めっき後、FE−SEM付属のEDS装置を用いて導電パターン部線に析出した銅量を定量したところ、30mmol/mであり、銀と銅の合計量は40mmol/mであった。また顕微鏡を使って得られたパターンの線幅を測定したところ、周辺配線の線幅は105μm、センサー部、ダミー部の線幅は9μmであった。
<導電材料CBの作製>
前記した導電材料CA上にバーコーターで1mあたり10mLの塗布量となるよう160mmol/Lヨウ化カリウム水溶液を塗布し、導電材料BDを得た。導電材料BDの導電パターン部の全金属量とヨウ素量をFE−SEM付属のEDS装置を用いて定量したところ、全金属量は40mmol/m、測定されたヨウ素量から換算されるヨウ化カリウム量は1600μmolであった。よって、金属1molあたり40mmolのヨウ化カリウムを有していた。
得られた導電材料CA〜CBを実施例1同様評価し、表4のような結果を得た。表4から、金属が銅である導電材料でも、本発明の効果のあることが判る。
1 導電材料
2 支持体
11 センサー部
12 ダミー部
13 非画像部
14 周辺配線
15 端子部
20 導電パターン部
21 金属
22 バインダー
23 非導電パターン部

Claims (2)

  1. 支持体上に金属細線により形成された導電パターン部を有し、該支持体の端部から20mm以内の位置に少なくとも導電パターン部の一部を有する導電材料であって、該支持体の端部から20mm以内の位置に存在する導電パターン部が、該導電パターン部が有する金属1molあたり1.5〜80mmolのイオン性ヨウ素化合物を有することを特徴とする導電材料。
  2. 線幅が200μm以下の金属細線により形成された導電パターン部を少なくとも有することを特徴とする請求項1記載の導電材料。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2019138946A1 (ja) * 2018-01-11 2019-07-18 三菱製紙株式会社 導電材料および処理方法
JP2019121580A (ja) * 2018-01-11 2019-07-22 三菱製紙株式会社 導電材料
JP2021018900A (ja) * 2019-07-19 2021-02-15 大日本印刷株式会社 導電性フィルムの製造方法、導電性フィルム、センサー、タッチパネル、および画像表示装置

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