JPWO2019194218A1 - 進行方向表示装置 - Google Patents

Abstract

【課題】車両の進行方向に応じて車両の前後の向きを切り換え、周囲の歩行者や他の車両のドライバーに向けて表示する。【解決手段】車両の前部および後部に灯具ユニット３を設け、車両の進行方向を向く灯具ユニット３を前側灯具ユニットとし、他方の灯具ユニット３を後側灯具ユニットとする。車両ＥＣＵ４により、前側灯具ユニットの前照灯１１をＯＮし、後側灯具ユニットの前照灯１１をＯＦＦする制御を行うことにより、進行方向に応じて柔軟に車両２の進行方向表示を切り換え、周囲に向けて表示することができる。

Description

本発明は、車両の進行方向を周囲の歩行者や他の車両のドライバーに表示する進行方向表示装置に関する。

従来、運転中の車両の情報を、車両周囲の歩行者や他の車両のドライバーに提供する車両用表示システムが知られている。例えば、特許文献１には、車両の外部にディスプレイを設け、他物体（歩行者や他車両）からの距離に応じてディスプレイを変更表示する車両用表示システムが提案されている。また、特許文献２には、自動運転モードで走行可能な車両に搭載され、自動運転状態に応じて点灯状態を調整する車両用照明装置が提案されている。

特開２０１７−１４０９２９号公報 ＷＯ２０１７／０７３６３３号公報

ところで、自動運転車のように電気モータを用いた車両では、モータを反転させることにより、前進と後退をスムーズに切り替えることができる。そのため、特に、完全自動運転モードの場合には、車体をＵターンさせることなく、車両の前後方向そのものを入れ替えて走行させる制御も可能となる。

ところが、従来の車両用表示システムや車両用照明装置では、前照灯や尾灯の取り付け位置により車両の前後を表示しているため、柔軟に車両の前後を入れ替えて表示することができないという問題があった。

そこで、本発明の目的は、車両の進行方向に応じて車両の前後方向を切り換え、周囲の歩行者等に表示できる進行方向表示装置を提供することにある。

上記課題を解決するために、本発明の進行方向表示装置は、前後双方向に進行方向を切り換え可能な車両に搭載され、車両の前部および後部に設けられた灯具ユニットと、記灯具ユニットの点灯状態を制御する制御部と、を備え、制御部は、車両の進行方向を向く灯具ユニットを前側灯具ユニットとし、他方の灯具ユニットを後側灯具ユニットとして点灯制御することを特徴とする。

進行方向表示装置は、前側灯具ユニットおよび後側灯具ユニットが、それぞれ車両の進行方向を表示するインジケータを含む構成としても良い。この場合には、制御部は、前側灯具ユニットのインジケータを点灯し、後側灯具ユニットのインジケータを消灯する。

また、前側灯具ユニットおよび後側灯具ユニットが、それぞれ車両の前方を照明する前照灯を含む構成としても良い。この場合には、制御部は、前側灯具ユニットの前照灯を点灯し、後側灯具ユニットの前照灯を消灯する。

あるいは、前側灯具ユニットおよび後側灯具ユニットが、それぞれブレーキ操作を表示する標識灯を含み、標識灯がさらに、車両前方に向けてブレーキ操作を表示する前側標識灯と、車両後方に向けてブレーキ操作を表示する後側標識灯と、を含む構成としても良い。この場合には、制御部は、ブレーキ操作に応じて、前側灯具ユニットの前側標識灯および後側灯具ユニットの後側標識灯を点灯させる。

ここで、灯具ユニットが車両の周辺域を撮影するカメラと、車両周辺の障害物を検知するセンサと、歩行者を照明するスポットランプを含む構成としても良い。この場合には、制御機は、カメラおよび／またはセンサからの信号に基づいて車両と歩行者との距離を算出し、該距離に応じてスポットランプの照射範囲を調整する。

また、前照灯が、ＬＥＤ光源と、イメージセンサと、を含む構成としても良い。この場合には、ＬＥＤ光源が、所定のタイミングで投影パターンを切り換え、イメージセンサが、当該所定のタイミングで画像を撮影し、制御部が、ＬＥＤ特性と画像の比較により前照灯の向きを演算する。

さらに、灯具ユニットが、灯具ユニットを被覆する雪からの反射光を受光するカメラを含む構成としても良い。この場合には、制御部は、カメラの映像の明るさが所定の上限閾値を上回った場合に、灯具ユニットの積雪を検出する。なお、雪検出に用いるカメラは、車両の周辺域を撮影するカメラが兼用しても、別体として設けられていても良い。

本発明によれば、制御部を設け、車両の進行方向を向く灯具ユニットを前方灯具ユニットとし、他方を後方灯具ユニットとして点灯制御を行うため、柔軟に車両の前後を切り換えて、歩行者や他の車両のドライバーに車両の進行方向を表示できるという優れた効果を奏する。

本発明の実施例を示す車両の右／左側面図である。 図１の進行方向表示装置を示す概略図である。 同表示装置の点灯制御を示すブロック図である。 変形例１のスポットランプ制御を示す概略図である。 図４のスポットランプ制御を示す（ａ）ブロック図、および（ｂ）説明図である。 変形例２のＬＥＤ光源およびイメージセンサの配置を示す斜視図である。 図６における前照灯の向き検出を説明する概略図である。 変形例３のカメラによる積雪検知を説明する概略図である。

以下、本発明を車両に搭載される進行方向表示装置に具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。図１，２に示すように、本発明の進行方向表示装置１は、車両２の前部および後部に設けられた灯具ユニット３と、灯具ユニット３を制御する制御部としての車両ＥＣＵ４から構成されている。灯具ユニット３は、車両２の前方を照明する前照灯１１と、車両２の前方へ向けて、ブレーキ操作が行われたことを点灯により報知する前側標識灯１２と、車両２の後方へ向けて、ブレーキ操作が行われたことを点灯により報知する後側標識灯１３と、車両２の進行方向を点灯により報知するインジケータ１４と、車両２の周辺領域を撮影するカメラ５と、歩行者Ｐ（図４参照）や他の障害物等を検知するセンサ７と、検知された歩行者Ｐを照明するスポットランプ６から構成されている。なお、図２（ａ）に示すように、前照灯１１と、前側標識灯１２と、後側標識灯１３と、インジケータ１４は、別個の灯具として設けられていても、図２（ｂ）に示すように、一の灯具として設けられていても良い。

図３（ａ）に示すように、車両ＥＣＵ４は、車両２が方向ｉ（図１参照）へ進む場合には、灯具ユニット３ｘを前側灯具ユニットとし、灯具ユニット３ｙを後側灯具ユニットとして制御する。具体的には、車両ＥＣＵ４は、前側灯具ユニットとした灯具ユニット３ｘの前照灯１１ｘと、前側標識灯１２ｘと、インジケータ１４ｘをＯＮ状態に制御し、後側標識灯１３ｘをＯＦＦ状態に制御する。一方、車両ＥＣＵ４は、後側灯具ユニットとした灯具ユニット３ｙの前照灯１１ｙと、前側標識灯１２ｙと、インジケータ１４ｙをＯＦＦ状態に制御し、後側標識灯１３ｙをＯＮ状態に制御する。なお、ここでのＯＮ状態とは、点灯または点灯可能（スタンバイ）状態に制御されることを示し、ＯＦＦ状態とは、消灯かつ点灯不可能状態に制御されることを示す。

また、図３（ｂ）に示すように、車両ＥＣＵ４は、車両２が方向ｉｉ（図１参照）へ進む場合には、灯具ユニット３ｘを後側灯具ユニットとし、灯具ユニット３ｙを前側灯具ユニットとして制御する。具体的には、車両ＥＣＵ４は、後側灯具ユニットとした灯具ユニット３ｘの前照灯１１ｘと、前側標識灯１２ｘと、インジケータ１４ｘをＯＦＦ状態に制御し、後側標識灯１３ｘをＯＮ状態に制御する。一方、前側灯具ユニットとした灯具ユニット３ｙの前照灯１１ｙと、前側標識灯１２ｙと、インジケータ１４ｙをＯＮ状態に制御し、後側標識灯１３ｙをＯＦＦ状態に制御する。

以上のように構成された進行方向表示装置１によれば、車両２が方向ｉに進む場合には灯具ユニット３ｘを前側、灯具ユニット３ｙを後側の灯具ユニットとし、車両が方向ｉｉに進む場合には灯具ユニット３ｙを後側、灯具ユニット３ｙを前側の灯具ユニットとし、車両の前後方向自体を切り換えて表示するため、車両の進行方向に応じた柔軟な進行方向表示ができる。また、車両２の前部および後部において、同じ形状の灯具ユニット３を搭載することができるため、製造コストを抑えることができるという利点もある。

次に、本発明の変形例１を、図４，５に基づいて説明する。この変形例では、図４に示すように、車両２と歩行者Ｐとの距離に応じてスポットランプ光の照射範囲を調整するスポットランプシステム２１を備える。

図５（ａ）に示すように、スポットランプシステム２１は、車両２の周囲の歩行者Ｐを撮影するカメラ５と、歩行者Ｐを検知するセンサ７と、スポットランプ６と、カメラ５および／またはセンサ７からの信号に基づいて歩行者Ｐと車両２との距離を算出するスポットランプＥＣＵ２２を備えている。

また、図５（ｂ）に示すように、スポットランプ６のレンズ２３は、スポットランプ６の灯具ハウジング（図示略）内において固定的に配置され、ＬＥＤ光源２５がヒートシンク２４によりレンズ２３に対して移動可能に支持されている。例えば、車両２が歩行者Ｐに接近すると、スポットランプＥＣＵ２２はＬＥＤ光源２５の位置をαからα’へ移動させ、スポットランプ光を歩行者Ｐに集約させる。以上のように構成されたスポットランプシステム２１を備えることにより、ドライバーの注意をより効果的に歩行者Ｐへ向けることができる。なお、ＬＥＤ光源２５をマトリクス状に設け、マトリクスにおける発光範囲を拡大または縮小して、スポットランプ６の照射範囲を調整しても良い。

次に、本発明の変形例２を、図６，７に基づいて説明する。この変形例では、図６に示すように、前照灯１１のＬＥＤ光源３１と同一部品上に、同一方向を向くイメージセンサ３２を搭載し、ＬＥＤ光源３１およびイメージセンサ３２からの信号に基づいて前照灯１１の向きを判定するＥＣＵ３３を備える。なお、ＬＥＤ光源３１およびイメージセンサ３２は、それぞれレンズホルダ３４または鏡筒３５により保護されている。

図７（ａ）に示すように、ＬＥＤ光源３１は投影パターンＡと、投影パターンＢを所定の周期Ｔで照射し、イメージセンサ３２は、投影パターンＢ照射中（Δｔ）に撮影を実施する。イメージセンサ３２の映像には、投影パターンＡ，Ｂの差分である消灯領域Ｄが映りこみ、暗部Ｄ’が形成される。ＥＣＵ３３では、暗部Ｄ’の先端位置Ｅと、ＬＥＤ光源との左右幅またはピクセル等の情報に基づいて演算を実施し、イメージセンサ３２の向きを判定する。このとき、イメージセンサ３２とＬＥＤ光源３１は同一部品上に搭載されているため、ＬＥＤ光源３１の向き、ひいては前照灯１１の向きを判定することができる。

次に、本発明の変形例３を、図８に基づいて説明する。この変形例では、図８に示すように、前照灯１１の灯具ハウジング４３内において、エクステンション４２の一部にシボ４４による加工を施し、また、アウターレンズ４１の所定範囲にステップ４５を設け、シボ４４およびステップ４５による反射光を受光するカメラ５と、カメラ５の映像の明るさが所定の閾値を上回った場合に前照灯１１の積雪を検出する制御部としてのＥＣＵ（図示略）を備えている。

光源４６の照射範囲に雪が積もっている場合、出射光Ｌはアウターレンズ４１に積もった雪に反射されて灯具内部へ戻り（Ｌ１）、その後、シボ４４により反射され（Ｌ２）、最後にステップ４５により反射される（Ｌ３）。このとき、反射光Ｌ３はカメラ５の撮影範囲に含まれるため、カメラ５の映像は積雪が無かった場合に比較して明るくなる。カメラ５の映像信号を受信したＥＣＵは、映像の明るさが所定の閾値を上回った場合に、前照灯１１のアウターレンズ４１への積雪を検出できる。

なお、本発明は、上記実施例および変形例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、各部の形状ならびに構成を適宜に変更して実施することも可能である。

１ 進行方向表示装置
２ 車両
３ 灯具ユニット
４ 車両ＥＣＵ
５ カメラ
６ スポットランプ
７ センサ
１１ 前照灯
１２ 前側標識灯
１３ 後側標識灯
１４ インジケータ
２１ スポットランプシステム
２２ スポットランプＥＣＵ
２３ レンズ
２４ ヒートシンク
２５ ＬＥＤ光源（スポットランプ）
３１ ＬＥＤ光源（前照灯）
３２ イメージセンサ
３３ ＥＣＵ（前照灯）
３４ レンズホルダ
３５ 鏡筒
４１ アウターレンズ
４２ エクステンション
４３ 灯具ハウジング
４４ シボ
４５ ステップ
４６ 光源

Claims (4)

1. 前後双方向に進行方向を切り換え可能な車両に搭載され、
   前記車両の前部および後部に設けられた灯具ユニットと、前記灯具ユニットの点灯状態を制御する制御部と、を備え、
   前記制御部は、車両の進行方向を向く前記灯具ユニットを前側灯具ユニットとし、他方の前記灯具ユニットを後側灯具ユニットとして点灯制御することを特徴とする進行方向表示装置。
2. 前記前側灯具ユニットおよび前記後側灯具ユニットが、それぞれ車両の進行方向を表示するインジケータを含み、
   前記制御部は、前記前側灯具ユニットの前記インジケータを点灯し、前記後側灯具ユニットの前記インジケータを消灯する請求項１に記載の進行方向表示装置。
3. 前記前側灯具ユニットおよび前記後側灯具ユニットが、それぞれ車両の前方を照明する前照灯を含み、
   前記制御部は、前記前側灯具ユニットの前記前照灯を点灯し、前記後側灯具ユニットの前記前照灯を消灯する請求項１または２に記載の進行方向表示装置。
4. 前記前側灯具ユニットおよび前記後側灯具ユニットが、それぞれブレーキ操作を表示する標識灯を含み、
   前記標識灯がさらに、車両前方に向けてブレーキ操作を表示する前側標識灯と、車両後方に向けてブレーキ操作を表示する後側標識灯と、を含み、
   前記制御部は、ブレーキ操作に応じて、前記前側灯具ユニットの前記前側標識灯および前記後側灯具ユニットの前記後側標識灯を点灯させる請求項１〜３のいずれか一項に記載の進行方向表示装置。

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