JPWO2019181142A1 - 熱電変換材料、熱電変換素子、熱電変換モジュールおよび光センサ - Google Patents

熱電変換材料、熱電変換素子、熱電変換モジュールおよび光センサ Download PDF

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Abstract

熱電変換材料は、母材元素からなる半導体であるベース材料と、母材元素と異なる元素であり、最外殻の内側に位置するd軌道またはf軌道に空軌道を有し、ベース材料の禁制帯内に第一の付加準位を形成する第一の添加元素と、母材元素および第一の添加元素の双方と異なる元素であり、ベース材料の禁制帯内に第二の付加準位を形成する第二の添加元素と、を含む。第二の添加元素の最外殻の電子数と母材元素のうち少なくとも1つの最外殻の電子数との差は、1である。

Description

本開示は、熱電変換材料、熱電変換素子、熱電変換モジュールおよび光センサに関するものである。
本出願は、2018年3月20日出願の日本出願第2018−53183号および2018年9月3日出願の国際出願PCT/JP2018/032583に基づく優先権を主張し、前記日本出願および前記国際出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
熱電変換材料として、Si、Ge、Auを積層した後に得られた積層体を熱処理し、SiGe(シリコンゲルマニウム)中にAuのナノ粒子を形成する技術が報告されている(例えば、非特許文献1)。熱電変換材料として、Si/GeBを用いる技術が報告されている(例えば、非特許文献2)。
特許文献1には、母材元素で構成される半導体材料からなる母材中に、母材元素と母材元素と異なる異種元素とを含むナノ粒子を含む熱電変換材料が開示されている。
国際公開第2014/196475号
Hiroaki Takiguchi et al.、"Nano Structural and Thermoelectric Properties of SiGeAu Thin Films"、Japanese Journal of Applied Physics 50 (2011) 041301 Akinari Matoba et al.、"Crystallinity and Thermoelectric Properties of Si/GeB Multilayers Prepared with Si Buffer Layer and SiO2 Substrates"、Japanese Journal of Applied Physics 48 (2009) 061201
本開示に従った熱電変換材料は、母材元素からなる半導体であるベース材料と、母材元素と異なる元素であり、最外殻の内側に位置するd軌道またはf軌道に空軌道を有し、ベース材料の禁制帯内に第一の付加準位を形成する第一の添加元素と、母材元素および第一の添加元素の双方と異なる元素であり、ベース材料の禁制帯内に第二の付加準位を形成する第二の添加元素と、を含む。第二の添加元素の最外殻の電子数と母材元素のうち少なくとも1つの最外殻の電子数との差は、1である。
図1は、ZTの値とAuの含有割合との関係を示すグラフである。 図2は、第一の添加元素を含有する場合の熱電変換材料のエネルギー状態を示す概略図である。 図3は、実施の形態1に係る熱電変換材料のエネルギー状態を示す概略図である。 図4は、ベース材料をSiGeとした場合において、SiおよびGeに置換した第一の添加元素としての各元素が形成するエネルギー準位を示す図である。 図5は、実施の形態2における熱電変換材料の組織の状態を示す概略図である。 図6は、実施の形態2における熱電変換材料の温度とZTとの関係を示すグラフである。 図7は、実施の形態2における熱電変換材料のX線回折パターンである。 図8は、MnSiに第一の添加元素として添加するReの含有割合を変化させた場合の状態密度を示すグラフである。 図9は、MnSiに第一の添加元素として添加するReの含有割合を変化させた場合の状態密度を示すグラフである。 図10は、SnSe系材料において、第一の添加元素としてのScの第一の付加準位が存在する場合のバンド構造の一例を示す図である。 図11は、SnSe系材料において、第一の添加元素としてのTi、Zrの第一の付加準位が存在する場合のバンド構造の一例を示す図である。 図12は、CuSe系材料において、第一の添加元素としてのSc、Ti、Vの第一の付加準位が存在する場合のバンド構造の一例を示す図である。 図13は、SnSe系材料において、第一の添加元素としてのCo、Niの第一の付加準位が存在する場合のバンド構造の一例を示す図である。 図14は、実施の形態6における熱電変換素子であるπ型熱電変換素子(発電素子)の構造を示す概略図である。 図15は、発電モジュールの構造の一例を示す図である。 図16は、赤外線センサの構造の一例を示す図である。
近年、石油などの化石燃料に代わるクリーンなエネルギーとして、再生可能エネルギーが注目されている。再生可能エネルギーには、太陽光、水力および風力を利用した発電のほか、温度差を利用した熱電変換による発電で得られるエネルギーが含まれる。熱電変換においては、熱が電気へと直接変換されるため、変換の際に余分な廃棄物が排出されない。熱電変換は、モータなどの駆動部を必要としないため、装置のメンテナンスが容易であるなどの特長がある。
熱電変換を実施するための材料(熱電変換材料)を用いた温度差(熱エネルギー)の電気エネルギーへの変換効率ηは以下の式(1)で与えられる。
η=ΔT/T・(M−1)/(M+T/T)・・・(1)
ηは変換効率、ΔTはTとTとの差、Tは高温側の温度、Tは低温側の温度、Mは(1+ZT)1/2、ZT=αST/κ、ZTは無次元性能指数、αはゼーベック係数、Sは導電率、κは熱伝導率である。変換効率はZTの単調増加関数である。ZTを増大させることが、熱電変換材料の開発において重要である。
[本開示が解決しようとする課題]
非特許文献1、非特許文献2および特許文献1に開示の熱電変換材料よりも高い変換効率を有する熱電変換材料が求められている。ZTを増大させることができれば、熱電変換の効率を向上させることができる。
そこで、熱電変換の効率を向上させた熱電変換材料、熱電変換素子、熱電変換モジュールおよび光センサを提供することを目的の1つとする。
[本開示の効果]
上記熱電変換材料によれば、熱電変換の効率を向上させることができる。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願の実施態様を列記して説明する。本願に係る熱電変換材料は、母材元素からなる半導体であるベース材料と、母材元素と異なる元素であり、最外殻の内側に位置するd軌道またはf軌道に空軌道を有し、ベース材料の禁制帯内に第一の付加準位を形成する第一の添加元素と、母材元素および第一の添加元素の双方と異なる元素であり、ベース材料の禁制帯内に第二の付加準位を形成する第二の添加元素と、を含む。第二の添加元素の最外殻の電子数と母材元素のうち少なくとも1つの最外殻の電子数との差は、1である。
上記熱電変換材料は、母材元素からなる半導体であるベース材料を含む。半導体はバンドギャップが導電材料よりも大きいため、ゼーベック係数を大きくすることができる。その結果、上記ベース材料を採用することにより、無次元性能指数ZTを大きくすることができる。
上記熱電変換材料は、第一の添加元素を含むことにより新規準位としてベース材料の禁制帯内に第一の付加準位を形成することができる。第一の添加元素は、最外殻の内側に位置するd軌道またはf軌道に空軌道を有するため、第一の付加準位のエネルギー幅を小さくすることができる。したがって、ゼーベック係数が高いにも関わらず、導電性を上昇させることができる。上記熱電変換材料は、母材元素および第一の添加元素の双方と異なる元素であり、ベース材料の禁制帯内に第二の付加準位を形成する第二の添加元素を含む。第二の添加元素の最外殻の電子数と母材元素の最外殻の電子数との差は、1である。したがって、第二の添加元素によって形成される第二の付加準位によるアクセプタ準位またはドナー準位を形成してフェルミ準位を制御することができる。その結果、より確実にZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
上記熱電変換材料において、熱電変換材料の組織中に、粒径が50nm以下である母材元素からなる結晶相を含んでもよい。結晶相はアモルファス相と比較して導電率が高いため、ZTが増大する。一方、結晶相の粒径が大きくなり過ぎると、熱伝導率が高くなる傾向がある。母材元素からなる結晶相の粒径を50nm以下とすることで、熱伝導率の上昇を抑制することができる。よって、このような熱電変換材料によると、導電率を向上させながら熱伝導率の上昇を抑制することができる。したがって、ZTを増大させて、より熱電変換の効率を向上させることができる。粒径については、25nm以下としてもよい。この場合、さらに熱伝導率の上昇を抑制することができる。また、粒径を20nmとすることにより、さらに熱伝導率の上昇を抑制することができる。
上記熱電変換材料のX線回折パターンにおいて、母材元素からなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対する、第一の添加元素および第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、2.0%以下であってもよい。熱電変換材料において、第一の添加元素および第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相が多く析出すると、結晶相が少ない場合と比較して、キャリア濃度が低下してフェルミ準位の位置がずれてしまうか、または第一の付加準位の密度が低下する。これらのうちの少なくとも一方の要因または双方の要因で、第一の付加準位の形成の効果および第二の付加準位の形成の効果を十分に得にくくなる。上記熱電変換材料によると、第一の添加元素の結晶相としての析出および第二の添加元素の結晶相としての析出量が少ないため、第一の添加元素による第一の付加準位の形成の効果および第二の添加元素による第二の付加準位の形成の効果をより確実に得ることができる。したがって、より熱電変換の効率の向上を図ることができる。なお、上記した強度の比は、1.0%以下が好ましく、さらに0.5%以下が好ましく、さらに0.0%であることが好ましい。
上記熱電変換材料において、熱電変換材料の組織全体に対する、第一の添加元素および第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相の含有割合は、6.0体積%以下であってもよい。このような熱電変換材料は、第一の添加元素の結晶相としての析出および第二の添加元素の結晶相としての析出量が少ないため、第一の添加元素による第一の付加準位の形成の効果および第二の添加元素による第二の付加準位の形成の効果をより確実に得ることができる。したがって、より熱電変換の効率の向上を図ることができる。
上記熱電変換材料において、熱電変換材料の組織は、母材元素を主成分とするアモルファス相を含んでもよい。母材元素からなる結晶相は、アモルファス相中に存在してもよい。アモルファス相を含む熱電変換材料は、熱伝導率を低くすることができる。よって、ZTを増大させることができる。また、アモルファス相中に母材元素からなる結晶相が存在することにより、熱電変換材料の導電率を向上させることができる。よって、ZTを増大させることができる。したがって、より熱電変換の効率を向上させることができる。
上記熱電変換材料において、第一の添加元素は、遷移金属であってもよい。このようにすることにより、エネルギー幅の小さい第一の付加準位を形成することが容易となる。したがって、導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
上記熱電変換材料において、第二の付加準位は、ベース材料の禁制帯に隣接する価電子帯または伝導帯のうちの第一の付加準位に近い方のエネルギーバンドと第一の付加準位との間に存在するようにしてもよい。第二の付加準位により、ベース材料のフェルミ準位を価電子帯または伝導帯のうちの第一の付加準位に近い方のエネルギーバンドに近づけることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
上記熱電変換材料において、第一の付加準位の状態密度は、ベース材料の禁制帯に隣接する価電子帯の状態密度の最大値に対して0.1以上の比率を有してもよい。このようにすることにより、第一の付加準位の状態密度を、価電子帯の状態密度と比較して比較的大きくすることができる。したがって、導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
上記熱電変換材料において、第一の添加元素の含有割合は、0.1at%以上5at%以下であってもよい。このようにすることにより、エネルギー幅の小さい第一の付加準位を形成することが容易となる。したがって、導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
上記熱電変換材料において、ベース材料は、SiGe系材料であってもよい。ベース材料のバンドギャップに対する、ベース材料の価電子帯に最も近い位置にある第一の付加準位とベース材料の価電子帯とのエネルギー差の比が、20%以上であってもよい。ベース材料のバンドギャップに対する、ベース材料の伝導帯に最も近い位置にある第一の付加準位とベース材料の伝導帯とのエネルギー差の比が、20%以上であってもよい。このような第一の添加元素を含むことにより、ベース材料をSiGe系材料とした場合の禁制帯内に確実に新規準位としての第一の付加準位を形成することができる。SiGe系材料とは、SiGe、およびSiGeにおいてSiおよびGeの少なくとも一方の一部が他の元素、例えばC、Sn等に置き換えられた材料を意味する。なお、第一の付加準位が複数ある場合には、複数の第一の付加準位のうちの最も価電子帯に近い位置にある第一の付加準位とベース材料の価電子帯とのエネルギーの差の比が20%以上であり、複数の第一の付加準位のうちの最も伝導帯に近い位置にある第一の付加準位とベース材料の伝導帯とのエネルギーの差の比が20%以上であればよい。
上記熱電変換材料において、第一の添加元素は、Au、Fe、Cu、Ni、Mn、Cr、V、Ti、Ag、Pd、PtまたはIrであってもよい。これらの元素は、ベース材料をSiGe系材料とした場合の禁制帯内に第一の付加準位を形成する際に、好適に用いられる。
上記熱電変換材料において、第一の添加元素は、AuまたはCuであってもよい。第二の添加元素は、Bであってもよい。このようにすることにより、ベース材料をSiGe系材料とした場合に、AuまたはCuを第一の添加元素として、禁制帯内に新規準位となる第一の付加準位を形成することができる。また、Bを第二の添加元素とし、第二の添加元素によって形成される第二の付加準位によるアクセプタ準位を形成してフェルミ準位を制御することができる。その結果、より確実にZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
上記熱電変換材料において、第一の添加元素は、Feであってもよい。第二の添加元素は、Pであってもよい。このようにすることにより、ベース材料をSiGe系材料とした場合に、Feを第一の添加元素として、禁制帯内に新規準位となる第一の付加準位を形成することができる。また、Pを第二の添加元素とし、第二の添加元素によって形成される第二の付加準位によるドナー準位を形成してフェルミ準位を制御することができる。その結果、より確実にZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
上記熱電変換材料において、ベース材料は、MnSi系材料であってもよい。第一の添加元素は、ReまたはWであってもよい。第二の添加元素は、CrまたはFeであってもよい。このようにすることにより、より確実に導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。MnSi系材料とは、MnSi、およびMnSiにおいてMnおよびSiの少なくとも一方の一部が他の元素、例えばAl、W等に置き換えられた材料を意味する。
上記熱電変換材料において、ベース材料は、SnSe系材料であってもよい。第一の添加元素は、Sc、TiまたはZrであってもよい。第二の添加元素は、F、Cl、Br、I、N、P、As、Sb、Bi、B、Al、GaまたはInであってもよい。このようにすることにより、より確実に導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。SnSe系材料とは、SnSe、およびSnSeにおいてSnおよびSeの少なくとも一方の一部が他の元素、例えばS、Teに置き換えられた材料を意味する。
上記熱電変換材料において、ベース材料は、CuSe系材料であってもよい。第一の添加元素は、V、Sc、Ti、CoまたはNiであってもよい。第二の添加元素は、F、Cl、Br、I、N、P、As、Sb、Bi、Mg、ZnまたはCdであってもよい。このようにすることにより、より確実に導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。CuSe系材料とは、CuSe、およびCuSeにおいてCuおよびSeの少なくとも一方の一部が他の元素、例えばAg、S、Teに置き換えられた材料を意味する。
本願の熱電変換素子は、熱電変換材料部と、熱電変換材料部に接触して配置される第1電極と、熱電変換材料部に接触し、第1電極と離れて配置される第2電極と、を備える。熱電変換材料部は、導電型がp型またはn型となるように成分組成が調整された上記本願の熱電変換材料からなる。
本願の熱電変換素子は、熱電変換材料部が、導電型がp型またはn型となるように成分組成が調整された上記熱電変換特性に優れた熱電変換材料からなる。そのため、本願の熱電変換素子によれば、変換効率に優れた熱電変換素子を提供することができる。
本願の熱電変換モジュールは、上記熱電変換素子を複数個含む。本願の熱電変換モジュールによれば、熱電変換の効率に優れた本願の熱電変換素子を複数個含むことにより、熱電変換の効率を向上させた熱電変換モジュールを得ることができる。
本願の光センサは、光エネルギーを吸収する吸収体と、吸収体に接続される熱電変換材料部と、を備える。熱電変換材料部は、導電型がp型またはn型となるように成分組成が調整された上記本願の熱電変換材料からなる。
本願の光センサは、熱電変換材料部が、導電型がp型またはn型となるように成分組成が調整された上記熱電変換特性に優れた熱電変換材料からなる。そのため、高感度な光センサを提供することができる。
[本願発明の実施の形態の詳細]
次に、本願の熱電変換材料の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
本願の実施の形態1に係る熱電変換材料の構成について説明する。本願の実施の形態1に係る熱電変換材料は、母材元素からなる半導体であるベース材料と、母材元素と異なる元素であり、最外殻の内側に位置する(隣接する)d軌道またはf軌道に空軌道を有する第一の添加元素と、母材元素および第一の添加元素の双方と異なる元素である第二の添加元素と、を含む。第二の添加元素の最外殻の電子数と母材元素の最外殻の電子数との差は、1である。本実施形態において、ベース材料は、例えば、半導体であるSiGeである。具体的には、母材元素は、SiとGeである。第一の添加元素は、Auである。第二の添加元素は、Bである。Auにより形成される第一の付加準位は、SiGeの禁制帯内に存在する。Bの最外殻の電子数と母材元素であるSi、Geの最外殻の電子数との差は、1である。
Auは、遷移金属である。Auにより形成される第一の付加準位は、SiGeの禁制帯内に存在する。Bにより形成される第二の付加準位は、SiGeの禁制帯に隣接する価電子帯または伝導帯のうちの第一の付加準位に近い方のエネルギーバンドである価電子帯と第一の付加準位との間に存在する。
本願の実施の形態1に係る熱電変換材料の製造方法について簡単に説明する。まず、ベース基板としてのサファイア基板を準備する。次に、例えばMBE(Molecular Beam Epitaxy)法により、蒸着装置を用い、熱電変換材料を構成する複数の原料元素をサファイア基板の上に蒸着させる。この時、Siを1nm/分、Geを1nm/分、Auを0.1nm/分、Bを0.1nm/分の割合で同時に照射する。この状態を維持することにより、総厚みが200nm以上のアモルファスを蒸着させ、成膜を行う。得られた生成物に対してアニール処理、具体的には、例えば500℃に加熱し、15分間保持する熱処理を行う。この熱処理により、第一の添加元素であるAuおよび第二の添加元素であるBの活性化を行う。このようにして、実施の形態1に係る熱電変換材料を得る。
図1は、Auの含有割合とZTの値との関係を示すグラフである。図1には、3at%のBが添加された場合のAuの含有割合とZTとの関係と、Bが添加されなかった場合のAuの含有割合とZTとの関係が示されている。図1中、縦軸は、ZTの値を示し、横軸は、Auの含有割合(at%)を示す。図1においては、第二の添加元素10であるBを3at%添加し、150Kの環境温度で成膜を行った場合を丸印で示す。参考として、Bが0at%の場合、すなわち、第二の添加元素を添加せず、150Kの環境温度で成膜を行った場合についても菱形印で図1中に示す。Bを3at%添加した場合のアイガイドと、第二の添加元素を添加しなかった場合のアイガイドとを、それぞれ破線で示している。熱電特性については、熱電特性測定装置(オザワ科学株式会社製RZ2001i)で測定した。熱電特性の測定方法は、以下の通りである。まず、一対の石英治具に熱電変換材料を橋架するよう固定し、雰囲気を抵抗加熱炉で加熱する。石英治具の一方を中空にしておき、その中に窒素ガスを流すことで冷却し、熱電変換材料の一方の端部を冷却する。これにより、熱電変換材料に温度差を付与する。熱電変換材料については、白金−白金ロジウム系熱電対(R熱電対)を用いて、熱電変換材料の表面の2点間の温度差を測定する。熱電対に電圧計を繋げることで、2点間の温度差で発生した電圧を測定する。これにより、温度差に対する発生電圧を測定することが可能となり、これから材料のゼーベック係数を見積もることが可能となる。また、抵抗値は、4端子法で測定する。つまり、電圧計が繋がっている2つの白金線の外側に、2つの電線を接続する。その電線に電流を流し、内側の電圧計で、電圧降下量を測定する。このようにして、4端子法により、熱電変換材料の抵抗値を測定する。
図1を参照して、Bの含有比率が0at%であった場合、すなわち、第二の添加元素が添加されなかった場合について説明する。Auの含有比率が0at%から上昇していくに従い、徐々にZTの値は増加していく。ZTは最大でも0.6程度である。この時のAuの含有割合は、10at%前後である。Auの含有割合が10at%を超えると、ZTの値は小さくなっていく。すなわち、Bが0at%の場合、Auの含有割合が10at%で、ZTは最大値0.6をとる。
図2は、一つの添加元素を含有する場合の熱電変換材料(SiGe)のエネルギー状態を示す概略図である。すなわち、図2は、本願の熱電変換材料に規定する第二の添加元素が含有されていない熱電変換材料のエネルギー状態を示す。図2中において、縦軸はエネルギー準位を示し、横軸は状態密度を示す。図2において、フェルミ準位Eを破線で示している。図2において、添加元素として、例えばAuが用いられる。
図2を参照して、価電子帯11と伝導帯12との間に、禁制帯13が形成されている。禁制帯13内には、添加元素であるAuによって形成される付加準位14が存在する。Auの含有割合が少ない状態ではエネルギー幅Wは狭く、付加準位14とフェルミ準位Eとの間にギャップが生じる。ZTの増大を図ろうとしてAuの含有割合を多くしていくと、付加準位14が縦軸方向にブロードになり、付加準位14の伝導帯12側の領域がフェルミ準位Eに近づく。その結果、図1に示すようにZTの値はやや上昇するが、付加準位14のエネルギー幅Wが縦軸方向に広くなってしまう。このようなエネルギー幅Wが広い付加準位14については、ZTを効率的に増大させることができない。
次に、Bの含有比率が3at%であった場合について説明する。再び図1を参照して、Bの含有比率が3at%であった場合、Auの含有比率が0.1at%でZTが1.0程度の値をとる。Auの含有比率が1at%の時に、ZTの値が1.0を超えている。具体的には、ZTの値は1.2〜1.3である。そして、Auの含有比率が5.4at%であった場合、ZTの値が1.4程度に上昇している場合もある。なお、Auの含有比率が8.9at%の場合、ZTの値は、1.0未満となっている。なお、これらの組成は、一般的な組成分析手法で測定可能である。例えば、電子線マイクロアナライザ法や、エネルギー分散型X線分光法等が挙げられる。
図3は、上記した第一の添加元素および第二の添加元素を含む熱電変換材料のエネルギー状態を示す概略図である。図3中において、縦軸はエネルギー準位を示し、横軸は状態密度を示す。図3においても、フェルミ準位Eを破線で示している。
図3を参照して、本願の実施の形態1に係る熱電変換材料において、価電子帯11と伝導帯12との間には、禁制帯13が存在する。そして、この禁制帯13内に第一の付加準位15および第二の付加準位16が存在する。この第一の付加準位15は、第一の添加元素であるAuにより形成される。この場合の第一の付加準位15のエネルギー幅Wは、Auの含有比率が小さいため、図2に示す付加準位14のエネルギー幅Wに比べて狭い。
第二の付加準位16は、第二の添加元素であるBにより形成される。Bと母材元素であるSi、Geの電子数との差は1である。Bにより形成される第二の付加準位16は、SiGeの禁制帯13に隣接する価電子帯11または伝導帯12のうちの第一の付加準位15に近い方のエネルギーバンドである価電子帯11と第一の付加準位15との間に存在する。本実施形態においては、第二の付加準位16によりアクセプタ準位を形成することができる。
実施の形態1に係る熱電変換材料は、ベース材料としてSiGeを含むため、ゼーベック係数を大きくすることができる。その結果、ベース材料としてSiGeを採用することにより、無次元性能指数ZTを大きくすることができる。
実施の形態1に係る熱電変換材料は、第一の添加元素としてAuを含むため、新規準位として第一の付加準位を形成することができる。Auは、P殻の内側に位置するd軌道に空軌道を有するため、第一の付加準位のエネルギー幅Wを小さくすることができる。したがって、ゼーベック係数が高いにも関わらず、導電性を上昇させることができる。実施の形態1に係る熱電変換材料は、母材元素であるSi、Geおよび第一の添加元素であるAuの双方と異なる元素であるBを含み、Bの最外殻の電子数と母材元素であるSi、Geの最外殻の電子数との差は、1である。したがって、Bによって形成される第二の付加準位16によるアクセプタ準位を形成してフェルミ準位を制御することができる。その結果、より確実にZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
実施の形態1に係る熱電変換材料において、遷移金属であるAuが第一の添加元素として適用される。このようにすることにより、エネルギー幅の小さい第一の付加準位15を形成することが容易となる。したがって、導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
実施の形態1に係る熱電変換材料において、Auにより形成される第一の付加準位15は、SiGeの禁制帯13内に存在する。Bにより形成される第二の付加準位16は、SiGeの禁制帯13に隣接する価電子帯11または伝導帯12のうちの第一の付加準位15に近い方のエネルギーバンドである価電子帯11と第一の付加準位15との間に存在する。第一の付加準位15は、禁制帯13内に存在するため、禁制帯13内に、第一の付加準位15による新規準位を形成することができる。Bにより形成される第二の付加準位16は、SiGeのフェルミ準位を価電子帯11または伝導帯12のうちの第一の付加準位15に近い方のエネルギーバンドである価電子帯11に近づけることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
実施の形態1に係る熱電変換材料において、Auにより形成される第一の付加準位15の状態密度は、SiGeの禁制帯13に隣接する価電子帯11の状態密度の最大値に対して0.1以上の比率を有する(図3参照)。このようにすることにより、第一の付加準位15の状態密度を、価電子帯11の状態密度と比べて比較的大きくすることができる。したがって、導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
実施の形態1に係る熱電変換材料において、Auの含有割合は、0.1at%以上5at%以下としてもよい。このようにすることにより、エネルギー幅の小さい第一の付加準位15を形成することが容易となる。したがって、導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。なお、以下実施の形態2に係る熱電変換材料等についても同様である。
上記の実施の形態においては、ベース材料をSiGeからなる半導体とし、第一の添加元素をAuとし、第二の添加元素をBとすることとしたが、本願の熱電変換材料は、これに限らない。例えば、ベース材料は、SiGe系材料であってもよい。ベース材料のバンドギャップに対する、ベース材料の価電子帯に最も近い位置にある第一の付加準位とベース材料の価電子帯とのエネルギー差の比が、20%以上であってもよい。ベース材料のバンドギャップに対する、ベース材料の伝導帯に最も近い位置にある第一の付加準位とベース材料の伝導帯とのエネルギー差の比が、20%以上であってもよい。このような第一の添加元素を含むことにより、ベース材料をSiGe系材料とした場合の禁制帯内に確実に新規準位としての第一の付加準位を形成することができる。SiGe系材料とは、SiGe、およびSiGeにおいてSiおよびGeの少なくとも一方の一部が他の元素、例えばC、Sn等に置き換えられた材料を意味する。
図4は、ベース材料をSiGeとした場合において、第一の添加元素としての各元素が形成するエネルギー準位を示す図である。図4において、領域46aで伝導帯を示し、領域46bで価電子帯を示している。バンドギャップは、図4中において、第一の添加元素をFeとした場合に示すように、領域46aのうちの最も領域46bに近いエネルギーと領域46bのうちの最も領域46aに近いエネルギーとの差Lで示される。第一の付加準位については、例えば、元素をCuとした場合に示すように、領域46aと領域46bとの間のエネルギー準位47によって示される。図4は、第一原理計算を基に導出している。図4において、第一の付加準位については、エネルギー準位がCuのように1本の線で表れるものもあれば、Feのように2本の線で表れるものもある。また、元素によっては、エネルギー準位が3本以上の線で表れるものもある。このように、第一の付加準位が複数ある場合には、複数の第一の付加準位のうちの最も価電子帯に近い位置にある第一の付加準位とベース材料の価電子帯とのエネルギーの差の比が20%以上であり、複数の第一の付加準位のうちの最も伝導帯に近い位置にある第一の付加準位とベース材料の伝導帯とのエネルギーの差の比が20%以上であればよい。
図4を参照して、SiGeをベース材料とした場合、第一の付加準位は、ベース材料のバンドギャップに対する、ベース材料の価電子帯に最も近い位置にある第一の付加準位とベース材料の価電子帯とのエネルギー差の比が、20%以上であり、ベース材料のバンドギャップに対する、ベース材料の伝導帯に最も近い位置にある第一の付加準位とベース材料の伝導帯とのエネルギー差の比が、20%以上である元素として、Au、Fe、Cu、Ni、Mn、Cr、V、Ti、Ag、Pd、PtおよびIrが挙げられる。すなわち、SiGeをベース材料とした場合、第一の添加元素は、Au、Fe、Cu、Ni、Mn、Cr、V、Ti、Ag、Pd、PtまたはIrであってもよい。
具体的には例えば、第一の添加元素を、AuまたはCuとし、第二の添加元素を、Bとする。AuまたはCuにより形成される第一の付加準位は、SiGeの禁制帯内に存在する。Bにより形成される第二の付加準位は、SiGeの禁制帯に隣接する価電子帯または伝導帯のうちの第一の付加準位に近い方のエネルギーバンドである価電子帯と第一の付加準位との間に存在する。このようにすることにより、ベース材料をSiGeとした場合に、AuまたはCuを第一の添加元素として、禁制帯内に新規準位となる第一の付加準位を形成することができる。また、Bを第二の添加元素とし、第二の添加元素によって形成される第二の付加準位によるアクセプタ準位を形成してフェルミ準位を制御することができる。その結果、より確実にZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
(実施の形態2)
実施の形態2に係る熱電変換材料では、上記実施の形態1の熱電変換材料において、第一の添加元素を、Feとし、第二の添加元素を、Pとする。Feにより形成される第一の付加準位は、SiGeの禁制帯内に存在する。Pにより形成される第二の付加準位は、SiGeの禁制帯に隣接する価電子帯または伝導帯のうちの第一の付加準位に近い方のエネルギーバンドである伝導帯と第一の付加準位との間に存在する。このようにすることにより、ベース材料をSiGeとした場合に、Feを第一の添加元素として、禁制帯内に新規準位となる第一の付加準位を形成することができる。また、Pを第二の添加元素とし、第二の添加元素によって形成される第二の付加準位によるドナー準位を形成してフェルミ準位を制御することができる。その結果、より確実にZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
実施の形態2に係る熱電変換材料は、以下の製造方法で製造することができる。まず、計量したSi、Ge、FeおよびPの粉末をステンレス製のポットに入れる。この場合、それぞれの元素の含有割合が、Si63Ge2410Feとなるように調整する。また、ポットの内部には、水素の含有割合が4体積%以下である水素と窒素との混合ガスであるフォーミングガスを充填し、還元雰囲気とする。そして、メカニカルアロイングによりSiGeにFeおよびPの粉末が添加されたアモルファスの粉体を得る。すなわち、メカニカルアロイングは、水素の含有割合が4体積%以下である水素と窒素の混合ガス中で実施される。このようにして、還元雰囲気中においてメカニカルアロイングを実施してアモルファスの半導体材料の粉体を得る。
次に、グローブボックス内を窒素ガスの雰囲気とした状態で、得られた粉体をダイに充填し、スパークプラズマ焼結(Spark Plasma Sintering)法により焼結体を形成する。この時の温度は、例えば600℃とすることができる。このようにして、アモルファス相中に母材元素の結晶相、本実施形態においてはSiGeの結晶相が存在する焼結体からなる熱電変換材料を製造する。
図5は、実施の形態2における熱電変換材料の組織の状態を示す概略図である。図5を参照して、熱電変換材料1の組織は、アモルファス相2と、結晶相3とを含む。アモルファス相2は、母材元素であるSiGeを主成分としている。ここで、主成分として含有されるSiGeの含有割合は、例えば50質量%以上、好ましくは90質量%以上、さらに好ましくは95%以上である。結晶相3は、母材元素であるSiGeからなる微結晶である。結晶相3は、アモルファス相2中に存在する。本実施形態においては、複数の粒状の結晶相3が、アモルファス相2中において、分散して存在する。結晶相3の粒径は、50nm以下である。結晶相3の粒径の測定については、後述する図7に示すX線回折パターンにおいて、SiGeを示すピークの半値幅から算出することができる。なお、上記した実施の形態1における熱電変換材料も、同様の構成を有している。以下の実施の形態においても同様である。
熱電変換材料1において、熱電変換材料の組織は、母材元素を主成分とするアモルファス相2を含み、母材元素の結晶相3は、アモルファス相2中に存在している。アモルファス相2を含む熱電変換材料は、熱伝導率を低くすることができる。よって、ZTを増大させることができる。また、アモルファス相2中に母材元素からなる結晶相3が存在することにより、熱電変換材料1の導電率を向上させることができる。よって、ZTを増大させることができる。したがって、より熱電変換の効率を向上させることができる。また、結晶相3はアモルファス相2と比較して導電率が高いため、ZTが増大する。一方、結晶相3の粒径が大きくなり過ぎると、熱伝導率が高くなる傾向がある。母材元素からなる結晶相3の粒径を50nm以下とすることで、熱伝導率の上昇を抑制することができる。よって、このような熱電変換材料1によると、導電率を向上させながら熱伝導率の上昇を抑制することができる。したがって、ZTを増大させて、より熱電変換の効率を向上させることができる。
得られた熱電変換材料の温度とZTとの関係を導出した。図6は、実施の形態2における熱電変換材料の温度とZTとの関係を示すグラフである。図6において、横軸は温度(℃)を示し、縦軸はZTを示す。グラフのプロットに対するアイガイドを、図6中の線5で示す。図6は、メカニカルアロイングを10時間行った実施の形態2における熱電変換材料の場合を示す。図6におけるZTは、真空中において、熱電変換材料の抵抗率、ゼーベック係数および熱伝導率を測定し、得られた測定結果からZTの値を導出した。また、図6は、低温から高温へ加熱していく際に測定を行った場合の結果を示す。
図6を参照して、常温から700℃までは温度を上昇させるに従い、ZTの値も大きくなっている。700℃ではZTの値が3以上となっており、非常に高い値となっている。700℃を超えると、ZTは緩やかに減少していく。したがって、例えば、700℃を超えない範囲での使用や700℃付近での使用により、高いZTの値で熱電変換を行うことができ、熱電変換の効率をより向上させることができる。
図7は、実施の形態2における熱電変換材料のX線回折パターンである。図7において、X線回折パターン6aおよびX線回折パターン6bは、900℃で測定した場合を示す。X線回折パターン6aで熱伝導率を測定したサンプルを示し、X線回折パターン6bで抵抗率を測定したサンプルを示す。X線回折パターン6cで、600℃で焼結した場合を示す。スパークプラズマ焼結を行っていない場合のX線回折パターンを線6dで示す。
なお、X線回折パターンの測定について、X線回折装置としてBruker社製のD8 Advanceを用いた。X線源としてCuKα線を使用し、測定方法としてθ−2θ法(ブラッグブレンターノ型発散集光系)を利用した。なお、後述するリートベルト解析については、PROGRAM FullProf.2kを使用して解析を行った。
図7を参照して、ピークAは、SiGeの結晶相に対応するピークである。900℃で測定したX線回折パターン6aの場合、母材元素からなる結晶相であるSiGeの結晶相を示すピークが現れる。X線回折パターン6aに示されるSiGeからなる結晶相のピークの半値幅から導出すると、SiGeからなる結晶相の粒径は50nmである。ピークAは、SiGeの結晶相を示すピークの中で最大強度を有するピークである。
また、ピークAは、Feの結晶相に対応するピークである。X線回折パターン6aでは、第一の添加元素を含む結晶相であるFeの結晶相を示すピークが現れる。このピークAは、Feの結晶相を示すピークの中で最大強度を有するピークである。SiGeからなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対するFeの結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、1.6%である。すなわち、SiGeからなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対するFeの結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、2.0%以下である。
また、ピークAは、PSiの結晶相を示すピークである。X線回折パターン6aでは、第二の添加元素を含む結晶相であるPSiの結晶相を示すピークが現れる。このピークAは、PSiの結晶相を示すピークの中で最大強度を有するピークである。SiGeからなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対するPSiの結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比についても、1.6%である。すなわち、SiGeからなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピーク強度に対するPSiの結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピーク強度の比は、2.0%以下である。
900℃で測定したX線回折パターン6bの場合、母材元素からなる結晶相であるSiGeの結晶相を示すピークが現れる。X線回折パターン6bに示されるSiGeからなる結晶相のピークの半値幅から導出すると、SiGeからなる結晶相の粒径は50nmである。ピークAは、SiGeからなる結晶相を示すピークの中で最大強度を有するピークである。X線回折パターン6bでは、第一の添加元素を含む結晶相であるFeの結晶相を示すピークが現れる。このピークAは、Feの結晶相を示すピークの中で最大強度を有するピークである。SiGeからなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対するFeの結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、1.6%である。すなわち、SiGeからなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対するFeの結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、2.0%以下である。なお、X線回折パターン6bにおいては、PSiの結晶相を示すピークは現れていない。すなわち、SiGeからなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対するPSiの結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、2.0%以下である。
600℃で焼結したX線回折パターン6cの場合、母材元素からなる結晶相であるSiGeの結晶相を示すピークが現れる。X線回折パターン6cに示されるSiGeからなる結晶相のピークの半値幅から導出すると、SiGeからなる結晶相の粒径は16nmである。なお、X線回折パターン6cにおいては、Feの結晶相を示すピークおよびPSiの結晶相を示すピークは現れていない。すなわち、SiGeからなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対するFeの結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、2.0%以下である。また、SiGeからなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対するPSiの結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、2.0%以下である。すなわち、母材元素からなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対する、第一の添加元素および第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、2.0%以下である。
なお、X線回折パターン6dで示すスパークプラズマ焼結を行っていない場合でも、母材元素からなる結晶相であるSiGeからなる結晶相を示すピークが現れる。X線回折パターン6dに示されるSiGeからなる結晶相のピークの半値幅から導出すると、SiGeの結晶相の粒径は10nmである。なお、X線回折パターン6dにおいても、Feの結晶相を示すピークおよびPSiの結晶相を示すピークは現れていない。
上記熱電変換材料のX線回折パターンにおいて、母材元素であるSiGeからなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対する、第一の添加元素であるFeおよび第二の添加元素であるPのうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、2.0%以下である。熱電変換材料において、第一の添加元素および第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相が多く析出すると、結晶相が少ない場合と比較して、キャリア濃度が低下してフェルミ準位の位置がずれてしまうか、または第一の付加準位の密度が低下する。これらのうちの少なくとも一方の要因または双方の要因で、第一の付加準位の形成の効果および第二の付加準位の形成の効果を十分に得にくくなる。上記熱電変換材料によると、第一の添加元素の結晶相としての析出および第二の添加元素の結晶相としての析出量が少ないため、第一の添加元素による第一の付加準位の形成の効果および第二の添加元素による第二の付加準位の形成の効果をより確実に得ることができる。したがって、より熱電変換の効率の向上を図ることができる。
また、図7に示すX線回折パターンにおいて、X線回折パターン6aで示す900℃で測定した場合について、リートベルト解析を行い、第一の添加元素および第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相の割合を導出した。この場合、第一の添加元素を含む結晶相であるFeの結晶相および第二の添加元素を含む結晶相であるPSiの結晶相の双方を足し合わせた割合を導出した。熱電変換材料において、熱電変換材料の組織全体に対する、第一の添加元素および第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相、この場合、Feの結晶相とPSiの結晶相の双方を足し合わせた割合は、6.0体積%以下、具体的には5.6体積%であった。X線回折パターン6cで示す600℃で焼結した場合、熱電変換材料全体に対する、第一の添加元素および第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相の割合は、0体積%であった。すなわち、熱電変換材料の組織全体に対する、第一の添加元素および第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相が、6.0体積%以下である。
このような熱電変換材料は、第一の添加元素の結晶相としての析出および第二の添加元素の結晶相としての析出量が少ないため、第一の添加元素による第一の付加準位の形成の効果および第二の添加元素による第二の付加準位の形成の効果をより確実に得ることができる。したがって、より熱電変換の効率の向上を図ることができる。
上記の実施の形態において、本願の熱電変換材料において、最外殻の内側に位置するf軌道に空軌道を有する第一の添加元素を含むようにしてもよい。以下の実施形態についても同様である。
(実施の形態3)
本実施の形態に係る熱電変換材料において、ベース材料は、MnSi系材料であり、第一の添加元素は、ReまたはWであり、第二の添加元素は、CrまたはFeである。この実施の形態2に係る熱電変換材料により、より確実に導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
実施の形態3に係る熱電変換材料については、以下の製造方法で製造することにしてもよい。まず、高周波加熱炉を利用して、母材元素であるMnおよびSiと、第一の添加元素であるReと、第二の添加元素であるCrとを混合した原料を融解して固め、母合金を作製する。作製された母合金を溶かして回転する銅ロールに噴射する。このような液体急冷法を非平衡状態で行うことにより、リボン状(薄片状)のアモルファス合金を得る。得られたアモルファス合金に対してスパークプラズマ焼結法による熱処理を行い、バルク状の成形体である熱電変換材料を得る。このようにして、実施の形態2に係る熱電変換材料を得ることにしてもよい。
図8および図9は、MnSiに第一の添加元素として添加するReの含有割合を変化させた場合の状態密度を示すグラフである。図8は、HAXPES(Hard X−ray Photoelectron Spectroscopy)で実測した場合を示し、図9は、理論計算に基づいた場合を示す。図8および図9中において、線17aは、Reを添加しなかった場合を示し、線17bは、Reを4at%添加した場合を示し、線17cは、Reを6at%添加した場合を示す。図8および図9において、横軸はエネルギーを示し、図8における縦軸は、10〜15eVの値で規格化された強度を示す。図9における縦軸は、スペクトル電導度を示す。
図8および図9を参照すると、いずれも矢印で示す禁制帯と隣接する価電子帯の端部の位置に、Reの添加による新規準位のピークが表れていることが把握できる。Reの添加により、エネルギー幅が小さく急峻な第一の付加準位を形成することができる。
(実施の形態4)
本実施の形態に係る熱電変換材料において、ベース材料は、SnSe系材料であり、第一の添加元素は、Sc、TiまたはZrであり、第二の添加元素は、F、Cl、Br、I、N、P、As、Sb、Bi、B、Al、GaまたはInである。この実施の形態3に係る熱電変換材料により、より確実に導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
図10は、SnSe系材料において、第一の添加元素としてのScの第一の付加準位が存在する場合のバンド構造の一例を示す図である。図10において、SnSeのバンドは、FLAPW(Full−potential Linearized Augmented Plane Wave)法により計算している。また、その交換相互作用については、GGA(Generalized Gradient Approximation)法の枠内で取り扱っている。Scの3d軌道のバンドは、クラスター計算(クラスターモデルによる計算をいう。)により導出している。図11は、SnSe系材料において、第一の添加元素としてのTi、Zrの第一の付加準位が存在する場合のバンド構造の一例を示す図である。図11においても、FLAPW法およびGGA法を利用している。また、Tiの3d軌道のバンドおよびZrの4d軌道のバンドも、クラスター計算により導出している。
図10および図11を参照して、SnSeのバンドの禁制帯に隣接する伝導帯の端部の近傍において、第一の添加元素であるSc、Ti、Zrは、エネルギー幅が小さく急峻な第一の付加準位を形成することができる。
(実施の形態5)
本実施の形態に係る熱電変換材料において、ベース材料は、CuSe系材料であり、第一の添加元素は、V、Sc、Ti、CoまたはNiであり、第二の添加元素は、F、Cl、Br、I、N、P、As、Sb、Bi、Mg、ZnまたはCdである。この実施の形態4に係る熱電変換材料により、より確実に導電性を上昇させることができる。その結果、ZTを増大させて、熱電変換の効率の向上を図ることができる。
図12は、CuSe系材料において、第一の添加元素としてのSc、Ti、Vの第一の付加準位が存在する場合のバンド構造の一例を示す図である。図12においても、CuSeのバンドは、FLAPW法により計算している。また、その交換相互作用についても、GGA法の枠内で取り扱っている。Scの3d軌道のバンド、Tiの3d軌道のバンドおよびVの3d軌道のバンドはそれぞれ、クラスター計算により導出している。図13は、SnSe系材料において、第一の添加元素としてのCo、Niの第一の付加準位が存在する場合のバンド構造の一例を示す図である。図13においても、FLAPW法およびGGA法を利用している。Coの3d軌道のバンドおよびNiの3d軌道のバンドも、クラスター計算により導出している。図12および図13において、注釈中の「×8」は、信号を8倍にして表示したことを示している。
図12および図13を参照して、CuSeのバンドの禁制帯に隣接する伝導帯または価電子帯の端部の近傍において、第一の添加元素であるSc、Ti、V、Co、Niは、エネルギー幅が小さく急峻なバンドを形成することができる。
(実施の形態6)
次に、本願に係る熱電変換材料を用いた熱電変換素子の一実施形態として、発電素子について説明する。
図14は、本実施の形態における熱電変換素子であるπ型熱電変換素子(発電素子)21の構造を示す概略図である。図14を参照して、π型熱電変換素子21は、第1熱電変換材料部であるp型熱電変換材料部22と、第2熱電変換材料部であるn型熱電変換材料部23と、高温側電極24と、第1低温側電極25と、第2低温側電極26と、配線27とを備えている。
p型熱電変換材料部22は、例えば導電型がp型となるように成分組成が調整された実施の形態1の熱電変換材料からなる。p型熱電変換材料部22を構成する実施の形態1の熱電変換材料に、例えば多数キャリアであるp型キャリア(正孔)を生成させるp型不純物がドープされることにより、p型熱電変換材料部22の導電型はp型となっている。
n型熱電変換材料部23は、例えば導電型がn型となるように成分組成が調整された実施の形態1の熱電変換材料からなる。n型熱電変換材料部23を構成する実施の形態1の熱電変換材料に、例えば多数キャリアであるn型キャリア(電子)を生成させるn型不純物がドープされることにより、n型熱電変換材料部23の導電型はn型となっている。
p型熱電変換材料部22とn型熱電変換材料部23とは、間隔をおいて並べて配置される。高温側電極24は、p型熱電変換材料部22の一方の端部31からn型熱電変換材料部23の一方の端部32にまで延在するように配置される。高温側電極24は、p型熱電変換材料部22の一方の端部31およびn型熱電変換材料部23の一方の端部32の両方に接触するように配置される。高温側電極24は、p型熱電変換材料部22の一方の端部31とn型熱電変換材料部23の一方の端部32とを接続するように配置される。高温側電極24は、導電材料、例えば金属からなっている。高温側電極24は、p型熱電変換材料部22およびn型熱電変換材料部23にオーミック接触している。
第1低温側電極25は、p型熱電変換材料部22の他方の端部33に接触して配置される。第1低温側電極25は、高温側電極24と離れて配置される。第1低温側電極25は、導電材料、例えば金属からなっている。第1低温側電極25は、p型熱電変換材料部22にオーミック接触している。
第2低温側電極26は、n型熱電変換材料部23の他方の端部34に接触して配置される。第2低温側電極26は、高温側電極24および第1低温側電極25と離れて配置される。第2低温側電極26は、導電材料、例えば金属からなっている。第2低温側電極26は、n型熱電変換材料部23にオーミック接触している。
配線27は、金属などの導電体からなる。配線27は、第1低温側電極25と第2低温側電極26とを電気的に接続する。
π型熱電変換素子21において、例えばp型熱電変換材料部22の一方の端部31およびn型熱電変換材料部23の一方の端部32の側が高温、p型熱電変換材料部22の他方の端部33およびn型熱電変換材料部23の他方の端部34の側が低温、となるように温度差が形成されると、p型熱電変換材料部22においては、一方の端部31側から他方の端部33側に向けてp型キャリア(正孔)が移動する。このとき、n型熱電変換材料部23においては、一方の端部32側から他方の端部34側に向けてn型キャリア(電子)が移動する。その結果、配線27には、矢印Iの向きに電流が流れる。このようにして、π型熱電変換素子21において、温度差を利用した熱電変換による発電が達成される。すなわち、π型熱電変換素子21は発電素子である。
p型熱電変換材料部22およびn型熱電変換材料部23を構成する材料として、例えば、ZTの値が増大した実施の形態1の熱電変換材料が採用される。その結果、π型熱電変換素子21は高効率な発電素子となっている。
上記実施の形態においては、本願の熱電変換素子の一例としてπ型熱電変換素子について説明したが、本願の熱電変換素子はこれに限られない。本願の熱電変換素子は、例えばI型(ユニレグ型)熱電変換素子など、他の構造を有する熱電変換素子であってもよい。
(実施の形態7)
π型熱電変換素子21を複数個電気的に接続することにより、熱電変換モジュールとしての発電モジュールを得ることができる。本実施の形態の熱電変換モジュールである発電モジュール41は、π型熱電変換素子21が直列に複数個接続された構造を有する。
図15は、発電モジュールの構造の一例を示す図である。図15を参照して、本実施の形態の発電モジュール41は、p型熱電変換材料部22と、n型熱電変換材料部23と、第1低温側電極25および第2低温側電極26に対応する低温側電極25、26と、高温側電極24と、低温側絶縁体基板28と、高温側絶縁体基板29とを備える。低温側絶縁体基板28および高温側絶縁体基板29は、アルミナなどのセラミックからなる。p型熱電変換材料部22とn型熱電変換材料部23とは、交互に並べて配置される。低温側電極25、26は、上述のπ型熱電変換素子21と同様にp型熱電変換材料部22およびn型熱電変換材料部23に接触して配置される。高温側電極24は、上述のπ型熱電変換素子21と同様にp型熱電変換材料部22およびn型熱電変換材料部23に接触して配置される。p型熱電変換材料部22は、一方側に隣接するn型熱電変換材料部23と共通の高温側電極24により接続される。また、p型熱電変換材料部22は、上記一方側とは異なる側に隣接するn型熱電変換材料部23と共通の低温側電極25、26により接続される。このようにして、全てのp型熱電変換材料部22とn型熱電変換材料部23とが直列に接続される。
低温側絶縁体基板28は、板状の形状を有する低温側電極25、26のp型熱電変換材料部22およびn型熱電変換材料部23に接触する側とは反対側の主面側に配置される。低温側絶縁体基板28は、複数の(全ての)低温側電極25、26に対して1枚配置される。高温側絶縁体基板29は、板状の形状を有する高温側電極24のp型熱電変換材料部22およびn型熱電変換材料部23に接触する側とは反対側に配置される。高温側絶縁体基板29は、複数の(全ての)高温側電極24に対して1枚配置される。
直列に接続されたp型熱電変換材料部22およびn型熱電変換材料部23のうち両端に位置するp型熱電変換材料部22またはn型熱電変換材料部23に接触する高温側電極24または低温側電極25、26に対して、配線27が接続される。そして、高温側絶縁体基板29側が高温、低温側絶縁体基板28側が低温となるように温度差が形成されると、直列に接続されたp型熱電変換材料部22およびn型熱電変換材料部23により、上記π型熱電変換素子21の場合と同様に矢印Iの向きに電流が流れる。このようにして、発電モジュール41において、温度差を利用した熱電変換による発電が達成される。
(実施の形態8)
次に、本願に係る熱電変換材料を用いた熱電変換素子の他の実施の形態として、光センサである赤外線センサについて説明する。
図16は、赤外線センサ51の構造の一例を示す図である。図16を参照して、赤外線センサ51は、隣接して配置されるp型熱電変換材料部52と、n型熱電変換材料部53とを備える。p型熱電変換材料部52とn型熱電変換材料部53とは、基板54上に形成される。
赤外線センサ51は、基板54と、エッチングストップ層55と、n型熱電変換材料層56と、n型オーミックコンタクト層57と、絶縁体層58と、p型熱電変換材料層59と、n側オーミックコンタクト電極61と、p側オーミックコンタクト電極62と、熱吸収用パッド63と、吸収体64と、保護膜65とを備えている。
基板54は、二酸化珪素などの絶縁体からなる。基板54には、凹部66が形成されている。エッチングストップ層55は、基板54の表面を覆うように形成されている。エッチングストップ層55は、例えば窒化珪素などの絶縁体からなる。エッチングストップ層55と基板54の凹部66との間には空隙が形成される。
n型熱電変換材料層56は、エッチングストップ層55の基板54とは反対側の主面上に形成される。n型熱電変換材料層56は、例えば導電型がn型となるように成分組成が調整された実施の形態1の熱電変換材料からなる。n型熱電変換材料層56を構成する実施の形態1の熱電変換材料に、例えば多数キャリアであるn型キャリア(電子)を生成させるn型不純物がドープされることにより、n型熱電変換材料層56の導電型はn型となっている。n型オーミックコンタクト層57は、n型熱電変換材料層56のエッチングストップ層55とは反対側の主面上に形成される。n型オーミックコンタクト層57は、例えば多数キャリアであるn型キャリア(電子)を生成させるn型不純物が、n型熱電変換材料層56よりも高濃度でドープされる。これにより、n型オーミックコンタクト層57の導電型はn型となっている。
型オーミックコンタクト層57のn型熱電変換材料層56とは反対側の主面の中央部に接触するように、n側オーミックコンタクト電極61が配置される。n側オーミックコンタクト電極61は、n型オーミックコンタクト層57に対してオーミック接触可能な材料、例えば金属からなっている。n型オーミックコンタクト層57のn型熱電変換材料層56とは反対側の主面上に、例えば二酸化珪素などの絶縁体からなる絶縁体層58が配置される。絶縁体層58は、n側オーミックコンタクト電極61から見てp型熱電変換材料部52側のn型オーミックコンタクト層57の主面上に配置される。
型オーミックコンタクト層57のn型熱電変換材料層56とは反対側の主面には、さらに保護膜65が配置される。保護膜65は、n側オーミックコンタクト電極61から見てp型熱電変換材料部52とは反対側のn型オーミックコンタクト層57の主面上に配置される。n型オーミックコンタクト層57のn型熱電変換材料層56とは反対側の主面上には、保護膜65を挟んで上記n側オーミックコンタクト電極61とは反対側に、他のn側オーミックコンタクト電極61が配置される。
絶縁体層58のn型オーミックコンタクト層57とは反対側の主面上に、p型熱電変換材料層59が配置される。p型熱電変換材料層59は、例えば導電型がp型となるように成分組成が調整された実施の形態1の熱電変換材料からなる。p型熱電変換材料層59を構成する実施の形態1の熱電変換材料に、例えば多数キャリアであるp型キャリア(正孔)を生成させるp型不純物がドープされることにより、p型熱電変換材料層59の導電型はp型となっている。
p型熱電変換材料層59の絶縁体層58とは反対側の主面上の中央部には、保護膜65が配置される。p型熱電変換材料層59の絶縁体層58とは反対側の主面上には、保護膜65を挟む一対のp側オーミックコンタクト電極62が配置される。p側オーミックコンタクト電極62は、p型熱電変換材料層59に対してオーミック接触可能な材料、例えば金属からなっている。一対のp側オーミックコンタクト電極62のうち、n型熱電変換材料部53側のp側オーミックコンタクト電極62は、n側オーミックコンタクト電極61に接続されている。
互いに接続されたp側オーミックコンタクト電極62およびn側オーミックコンタクト電極61のn型オーミックコンタクト層57とは反対側の主面を覆うように、吸収体64が配置される。吸収体64は、例えばチタンからなる。n側オーミックコンタクト電極61に接続されない側のp側オーミックコンタクト電極62上に接触するように、熱吸収用パッド63が配置される。また、p側オーミックコンタクト電極62に接続されない側のn側オーミックコンタクト電極61上に接触するように、熱吸収用パッド63が配置される。熱吸収用パッド63を構成する材料としては、例えばAu(金)/Ti(チタン)が採用される。
赤外線センサ51に赤外線が照射されると、吸収体64は赤外線のエネルギーを吸収する。その結果、吸収体64の温度が上昇する。一方、熱吸収用パッド63の温度上昇は抑制される。そのため、吸収体64と熱吸収用パッド63との間に温度差が形成される。そうすると、p型熱電変換材料層59においては、吸収体64側から熱吸収用パッド63側に向けてp型キャリア(正孔)が移動する。一方、n型熱電変換材料層56においては、吸収体64側から熱吸収用パッド63側に向けてn型キャリア(電子)が移動する。そして、n側オーミックコンタクト電極61およびp側オーミックコンタクト電極62からキャリアの移動の結果として生じする電流を取り出すことにより、赤外線が検出される。
本実施の形態の赤外線センサ51においては、p型熱電変換材料層59およびn型熱電変換材料層56を構成する材料として、導電率を十分に高い値とすることによりZTの値が増大した実施の形態1の熱電変換材料が採用される。その結果、赤外線センサ51は、高感度な赤外線センサとなっている。
上記熱電変換材料において、半導体であるベース材料をSiGe系材料、MnSi系材料、SnSe系材料およびCuSe系材料とすることとしたが、これに限らず、他の半導体をベース材料として用いてもよい。なお、例えば、III−V族元素を母材元素として用いてベース材料を構成した場合、第二の添加元素の最外殻の電子数と母材元素のうち少なくとも1つの最外殻の電子数との差が、1であるようにしてもよい。このようにすることによっても、熱電変換の効率を向上させることができる。
上記熱電変換材料において、第一の付加準位の状態密度は、ベース材料の禁制帯に隣接する価電子帯の状態密度の最大値に対して0.1未満の比率であってもよい。
上記熱電変換材料において、第一の添加元素は、遷移金属以外の元素を用いることとしてもよい。
上記の実施の形態において、第二の添加元素は、ベース材料の価電子帯または伝導帯から0.1eV以内の領域に形成されることが好ましい。このようにすることにより、第二の添加元素の濃度が低くともキャリア濃度を高めることが可能であり、そのため効果的にフェルミ準位を移動させることが容易となる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなく、請求の範囲によって規定され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 熱電変換材料、2 結晶相、3 アモルファス相、5,6a,6b,6c,6d X線回折パターン、10 第二の添加元素、11 価電子帯、12 伝導帯、13 禁制帯、14,15,16 付加準位、17a,17b,17c 線、21 π型熱電変換素子、22,52 p型熱電変換材料部、23,53 n型熱電変換材料部、24 高温側電極、25 第1低温側電極(低温側電極)、26 第2低温側電極(低温側電極)、27,42,43 配線、28 低温側絶縁体基板、29 高温側絶縁体基板、31,32,33,34 端部、41 熱電変換モジュール、46a,46b 領域、47 エネルギー準位、51 赤外線センサ、54 基板、55 エッチングストップ層、56 n型熱電変換材料層、57 n型オーミックコンタクト層、58 絶縁体層、59 p型熱電変換材料層、61 n側オーミックコンタクト電極、62 p側オーミックコンタクト電極、63 熱吸収用パッド、64 吸収体、65 保護膜、66 凹部

Claims (19)

  1. 母材元素からなる半導体であるベース材料と、
    前記母材元素と異なる元素であり、最外殻の内側に位置するd軌道またはf軌道に空軌道を有し、前記ベース材料の禁制帯内に第一の付加準位を形成する第一の添加元素と、
    前記母材元素および前記第一の添加元素の双方と異なる元素であり、前記ベース材料の禁制帯内に第二の付加準位を形成する第二の添加元素と、を含み、
    前記第二の添加元素の最外殻の電子数と前記母材元素のうち少なくとも1つの最外殻の電子数との差は、1である、熱電変換材料。
  2. 前記熱電変換材料の組織中に、粒径が50nm以下である前記母材元素からなる結晶相を含む、請求項1に記載の熱電変換材料。
  3. 前記熱電変換材料のX線回折パターンにおいて、前記母材元素からなる結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度に対する、前記第一の添加元素および前記第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相を示すピークのうちの最大強度を有するピークの強度の比は、2.0%以下である、請求項2に記載の熱電変換材料。
  4. 前記熱電変換材料の組織全体に対する、前記第一の添加元素および前記第二の添加元素のうちの少なくともいずれか一方を含む結晶相の割合は、6.0体積%以下である、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  5. 前記熱電変換材料の組織は、前記母材元素を主成分とするアモルファス相を含み、
    前記母材元素からなる結晶相は、前記アモルファス相中に存在する、請求項2から請求項4のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  6. 前記第一の添加元素は、遷移金属である、請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  7. 前記第二の付加準位は、前記ベース材料の禁制帯に隣接する価電子帯または伝導帯のうちの前記第一の付加準位に近い方のエネルギーバンドと前記第一の付加準位との間に存在する、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  8. 前記第一の付加準位の状態密度は、前記ベース材料の禁制帯に隣接する価電子帯の状態密度の最大値に対して0.1以上の比率を有する、請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  9. 前記第一の添加元素の含有割合は、0.1at%以上5at%以下である、請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  10. 前記ベース材料は、SiGe系材料であり、
    前記ベース材料のバンドギャップに対する、前記ベース材料の価電子帯に最も近い位置にある前記第一の付加準位と前記ベース材料の価電子帯とのエネルギー差の比が、20%以上であり、
    前記ベース材料のバンドギャップに対する、前記ベース材料の伝導帯に最も近い位置にある前記第一の付加準位と前記ベース材料の伝導帯とのエネルギー差の比が、20%以上である、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  11. 前記第一の添加元素は、Au、Fe、Cu、Ni、Mn、Cr、V、Ti、Ag、Pd、PtまたはIrである、請求項10に記載の熱電変換材料。
  12. 前記第一の添加元素は、AuまたはCuであり、
    前記第二の添加元素は、Bである、請求項11に記載の熱電変換材料。
  13. 前記第一の添加元素は、Feであり、
    前記第二の添加元素は、Pである、請求項11に記載の熱電変換材料。
  14. 前記ベース材料は、MnSi系材料であり、
    前記第一の添加元素は、ReまたはWであり、
    前記第二の添加元素は、CrまたはFeである、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  15. 前記ベース材料は、SnSe系材料であり、
    前記第一の添加元素は、Sc、TiまたはZrであり、
    前記第二の添加元素は、F、Cl、Br、I、N、P、As、Sb、Bi、B、Al、GaまたはInである、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  16. 前記ベース材料は、CuSe系材料であり、
    前記第一の添加元素は、V、Sc、Ti、CoまたはNiであり、
    前記第二の添加元素は、F、Cl、Br、I、N、P、As、Sb、Bi、Mg、ZnまたはCdである、請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の熱電変換材料。
  17. 熱電変換材料部と、
    前記熱電変換材料部に接触して配置される第1電極と、
    前記熱電変換材料部に接触し、前記第1電極と離れて配置される第2電極と、を備え、
    前記熱電変換材料部は、導電型がp型またはn型となるように成分組成が調整された請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の熱電変換材料からなる、熱電変換素子。
  18. 請求項17に記載の熱電変換素子を複数個含む、熱電変換モジュール。
  19. 光エネルギーを吸収する吸収体と、
    前記吸収体に接続される熱電変換材料部と、を備え、
    前記熱電変換材料部は、導電型がp型またはn型となるように成分組成が調整された請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の熱電変換材料からなる、光センサ。
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