JPWO2019163670A1 - 変速装置 - Google Patents

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貴光 冨山
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禎実 廣橋
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潤一 井口
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貴之 川上
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敬史 押田
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秀生 斉藤
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Abstract

この変速装置(1)は、第一冠ギヤ(21)と、第二冠ギヤ(22)と、第一冠ギヤ(21)に対向する対向歯と第二冠ギヤ(22)に対向する対向歯とを持つ第三冠ギヤ(23)と、第三冠ギヤ(23)が第一冠ギヤ(21)に噛み合い、第三冠ギヤ(23)が第二冠ギヤ(22)に噛み合うように、第三冠ギヤ(23)を第一冠ギヤ(21)及び第二冠ギヤ(22)に対して傾斜させ、かつ噛み合う箇所が円周方向に移動するように第三冠ギヤ(23)を波動運動させるカム部(30)と、を備え、第一冠ギヤ(21)及び第二冠ギヤ(22)のいずれか一方は、径方向に分割された歯数の異なる複数の変速ギヤ(21A,21B)を有し、複数の変速ギヤ(21A,21B)の中から固定する変速ギヤを切り替える切替機構(40)を有する。

Description

本発明は、変速装置に関するものである。
本願は、2018年2月20日に、日本に出願された特願2018−027758号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
特許文献1には、第一冠ギヤ、第二冠ギヤ及び第三冠ギヤを備える減速装置が開示されている。第一冠ギヤと第二冠ギヤとの間には、第三冠ギヤが第一冠ギヤに噛み合い、かつ第三冠ギヤが第二冠ギヤに噛み合うように、第三冠ギヤが傾斜して配置される。第三冠ギヤは、屈曲部を備える入力軸に回転可能に支持される。入力軸は、第一冠ギヤと第三冠ギヤとの噛み合い箇所、及び第三冠ギヤと第二冠ギヤとの噛み合い箇所が円周方向に移動するように第三冠ギヤを波動運動させる。
第一冠ギヤはハウジングに固定され、第二冠ギヤは出力軸に連結される。入力軸を回転させると、第三冠ギヤの波動運動によって、第三冠ギヤが第一冠ギヤに対して両者の歯数差の分だけ相対的に回転する。また、第三冠ギヤの波動運動によって、第二冠ギヤが第三冠ギヤに対して両者の歯数差の分だけ相対的に回転する。第二冠ギヤの回転数は、第一冠ギヤに対する第三冠ギヤの相対的な回転数と、第三冠ギヤに対する第二冠ギヤの相対的な回転数とを合算したものである。二組のギヤ(第一冠ギヤと第三冠ギヤ、第三冠ギヤと第二冠ギヤ)を、互いに打ち消し合う方向に回転させれば、大きな減速比が得られるし、互いに助長する方向に回転させれば、小さな減速比が得られる。
特開昭60−4647号公報
ところで、上記減速装置は、通常の平歯車などの減速装置に比べて径方向における装置構成がコンパクトであり、産業用ロボットの関節部分などに導入されることが期待されている。産業用ロボットには、様々な動きが要求されており、例えば、搬送物を持ち上げる場合は低速かつ大トルクで可動することが好ましく、また、搬送物を載置後、次の搬送物を取りに行く場合は高速かつ小トルクで可動することが好ましい。しかしながら、上記減速装置においては、このような要求に応える減速比の切替技術が確立されていなかったため、実用化する上での課題の一つとなっていた。
本発明は、コンパクトで減速比を切り替えることができる変速装置を提供する。
本発明の第一の態様によれば、変速装置は、第一冠ギヤと、第二冠ギヤと、前記第一冠ギヤに対向する対向歯と前記第二冠ギヤに対向する対向歯とを背面合わせで持つ第三冠ギヤと、前記第三冠ギヤが前記第一冠ギヤに噛み合い、前記第三冠ギヤが前記第二冠ギヤに噛み合うように、前記第三冠ギヤを前記第一冠ギヤ及び前記第二冠ギヤに対して傾斜させ、かつ噛み合う箇所が円周方向に移動するように前記第三冠ギヤを波動運動させるカム部と、を備え、前記第一冠ギヤ及び前記第二冠ギヤのいずれか一方は、径方向に分割された歯数の異なる複数の変速ギヤを有し、前記複数の変速ギヤの中から固定する変速ギヤを切り替える切替機構を有する。
上記した変速装置によれば、コンパクトで減速比を切り替えることができる。
本発明の第一実施形態における変速装置の斜視図である。 本発明の第一実施形態における変速装置の縦断面図である。 本発明の第一実施形態における第一冠ギヤ、第二冠ギヤ、及び第三冠ギヤを含む要部の拡大図である。 本発明の第一実施形態における第一冠ギヤの斜視図である。 本発明の第一実施形態における第一冠ギヤ、第二冠ギヤ、及び第三冠ギヤの正面図である。 本発明の第一実施形態における変速装置の粗動を説明する説明図である。 本発明の第一実施形態における変速装置の微動を説明する説明図である。 本発明の第二実施形態における変速装置の縦断面図である。 本発明の第二実施形態における変速装置の粗動を説明する説明図である。 本発明の第二実施形態における変速装置の微動を説明する説明図である。 本発明の第三実施形態における変速装置の縦断面図である。 本発明の第四実施形態における変速装置の縦断面図である。
以下、本発明の実施形態の変速装置について図面を参照して説明する。
(第一実施形態)
図1は、本発明の第一実施形態における変速装置1の斜視図である。図2は、本発明の第一実施形態における変速装置1の縦断面図である。
変速装置1は、図1に示すように、有底円筒状のハウジング10を備え、当該ハウジング10の底部にモータ2が取り付けられている。図2に示すように、有底円筒状のハウジング10の中心軸は、モータ2の回転軸2aの軸線Lと一致している。以下、軸線Lが延びる方向を軸方向といい、軸線Lと直交する方向を径方向といい、軸線L周りに周回する方向を円周方向という。
ハウジング10の内部には、図2に示すように、第一冠ギヤ21、第二冠ギヤ22、第三冠ギヤ23、カム部30、及び後述する切替機構40が収容されている。モータ2の回転軸2aは、軸継手39を介してカム部30と接続され、カム部30は、第三冠ギヤ23を傾斜支持している。カム部30が回転すると、第一冠ギヤ21に噛み合う第三冠ギヤ23が波動運動し(なお、この波動運動は歳差運動ともいう)、回転軸2aの回転数が減速されて第二冠ギヤ22(出力ギヤ)が回転する。なお、減速比は、第一冠ギヤ21、第二冠ギヤ22、及び第三冠ギヤ23の歯数によって決定される(後述)。
ハウジング10は、取付板11と、第一円筒部12と、第二円筒部13と、押え板14と、を備える。取付板11には、ボルト3を介してモータ2が取り付けられている。取付板11は、ハウジング10の底部を形成する円板部材であり、その中心部にはモータ2の回転軸2aが挿通されている。第一円筒部12は、取付板11のモータ2の取付面と反対側の面に、図示しないボルトを介して接続されている。この第一円筒部12の内側には、後述する切替機構40が収容されている。
第二円筒部13は、第一円筒部12にボルト17を介して軸方向に接続されている。第一円筒部12と第二円筒部13の接続部には、内周側に段差が形成され、軸受15を支持している。軸受15は、第一冠ギヤ21の後述する第二変速ギヤ21Bを軸線L回りに回転可能に支持している。第二円筒部13の内側には、第一冠ギヤ21、第二冠ギヤ22、第三冠ギヤ23、及びカム部30が収容されている。
押え板14は、円環状の板体であり、第二円筒部13の上端面にボルト18を介して接続されている。第二円筒部13と押え板14の接続部には、内周側に段差が形成され、軸受16を支持している。軸受16は、第二冠ギヤ22を軸線L回りに回転可能に支持している。第二冠ギヤ22の上端面は、押え板14よりも軸方向外側に突出しており、その上端面には、回転対象物を取り付けるための取付孔22bが形成されている。
図3は、本発明の第一実施形態における第一冠ギヤ21、第二冠ギヤ22、及び第三冠ギヤ23を含む要部の拡大図である。図4は、本発明の第一実施形態における第一冠ギヤ21の斜視図である。図5は、本発明の第一実施形態における第一冠ギヤ21、第二冠ギヤ22、及び第三冠ギヤ23の正面図である。
ハウジング10の内側には、図3に示すように、円環状の第一冠ギヤ21及び円環状の第二冠ギヤ22が、軸線Lと同軸に配置されている。第一冠ギヤ21と第二冠ギヤ22との間には、第三冠ギヤ23が配置されている。
第一冠ギヤ21は、第三冠ギヤ23に対向する側に対向歯21a,21bを有する。第二冠ギヤ22は、第三冠ギヤ23に対向する側に対向歯22aを有する。第三冠ギヤ23は、第一冠ギヤ21に対向する対向歯23aと、第二冠ギヤ22に対向する対向歯23bと、を背面合わせで有する。第三冠ギヤ23は、軸線Lに直交する平面に対して角度αだけ傾いている。第三冠ギヤ23が傾くことで、図5に示すように、第三冠ギヤ23は、その対向歯23aが第一冠ギヤ21に円周方向の一箇所で噛み合い、かつその対向歯23bが第二冠ギヤ22に円周方向の一箇所で噛み合う。
第三冠ギヤ23は、図3に示すように、カム部30に支持されている。カム部30は、第三冠ギヤ23よりも第一冠ギヤ21側に延在する第一カム31と、第三冠ギヤ23よりも第二冠ギヤ22側に延在する第二カム32と、を備える。第一カム31の外周側には、第一冠ギヤ21の後述する第一変速ギヤ21Aを支持する軸受35が配置されている。また、第二カム32の外周側には、第二冠ギヤ22を支持する軸受36が配置されている。
これら第一カム31と第二カム32は、ボルト34を介して軸方向で接続されている。
第三冠ギヤ23は、第一カム31と第二カム32の接続部に配置されている。具体的に、第一カム31と第二カム32の接続部には、その外周側に、互いに平行で軸線Lに対して傾斜する第一傾斜面31a及び第二傾斜面32aが形成されている。第一傾斜面31a及び第二傾斜面32aは、第三冠ギヤ23と同様に、軸線Lに直交する平面に対して角度αだけ傾斜している。
第一カム31と第三冠ギヤ23との間には、転動体33(ボールなど)が介在している。第一傾斜面31aには、転動体33が転動する断面視略円形の転動体転走溝31bが形成されている。第三冠ギヤ23にも、転動体転走溝31bと対向する箇所に、断面視略円形の転動体転走溝23cが形成されている。転動体転走溝23c,31bは、軸線L回りに環状に形成されており、複数の転動体33が無限循環可能に配列されている。
また、第二カム32と第三冠ギヤ23との間にも、転動体33(ボールなど)が介在している。第二傾斜面32aには、転動体33が転動する断面視略円形の転動体転走溝32bが形成されている。第三冠ギヤ23にも、転動体転走溝32bと対向する箇所に、断面視略円形の転動体転走溝23dが形成されている。転動体転走溝23d,32bは、軸線L回りに環状に形成されており、複数の転動体33が無限循環可能に配列されている。
なお、転動体33は、図示しない脱落防止用の保持器に保持されていてもよい。また、第一カム31及び第二カム32で挟まれる第三冠ギヤ23にバックラッシが生じないように、転動体33に予圧を与えることが好ましい。例えば、ボルト34によって第一カム31及び第二カム32を軸方向で締め付けることによって、転動体転走溝23c,31bの間及び転動体転走溝23d,32bの間において転動体33に与圧を与えることができる。
図2に戻り、第二カム32には、第一カム31と反対側に、ボルト38を介して軸連結部37が接続されている。第二カム32と軸連結部37の接続部には、外周側に段差が形成され、上述した軸受35を支持している。軸連結部37は、軸線Lに沿って延びる連結軸37aを有し、連結軸37aは、軸継手39を介してモータ2の回転軸2aと接続されている。
図3及び図4に示すように、第一冠ギヤ21は、径方向に分割された第一変速ギヤ21Aと、第二変速ギヤ21Bと、を有する。第一変速ギヤ21Aと第二変速ギヤ21Bは、それぞれ円環状に形成され、軸線Lと同軸に配置されている。本実施形態では、第一変速ギヤ21Aが、第二変速ギヤ21Bの径方向内側に配置されている。第一変速ギヤ21Aは、第三冠ギヤ23に対向する側に対向歯21aを有する。また、第二変速ギヤ21Bは、第三冠ギヤ23に対向する側に、対向歯21aと歯数の異なる対向歯21bを有する。
図2に戻り、第一変速ギヤ21Aと第二変速ギヤ21Bは、切替機構40に支持されている。切替機構40は、回転方向に応じて、第一変速ギヤ21Aと第二変速ギヤ21Bのいずれか一方をハウジング10に対して固定するものである。具体的に、切替機構40は、第一変速ギヤ21Aを一方向(例えば軸線Lを中心とする時計回り)のみに回転させる第一ワンウェイクラッチ41と、第二変速ギヤ21Bを第一変速ギヤ21Aと逆向きの一方向(例えば軸線Lを中心とする反時計回り)のみに回転させる第二ワンウェイクラッチ42と、を有する。
例えば、軸線Lを中心とする時計回りに回転させる場合は、第一変速ギヤ21Aは、第一ワンウェイクラッチ41によってその方向に自在に回転することができる一方で、第二変速ギヤ21Bは、第二ワンウェイクラッチ42によってその方向の回転が規制され、ハウジング10に対して固定される(停止する)。また、例えば、軸線Lを中心とする反時計回りに回転させる場合は、第二変速ギヤ21Bは、第二ワンウェイクラッチ42によってその方向に自在に回転することができる一方で、第一変速ギヤ21Aは、第一ワンウェイクラッチ41によってその方向の回転が規制され、ハウジング10に対して固定される(停止する)。
第一ワンウェイクラッチ41及び第二ワンウェイクラッチ42は、取付板11に図示しないボルトを介して接続された円筒支持部材43の外周面に間座44を挟んで支持されている。円筒支持部材43には、回転軸2a、連結軸37a、及び軸継手39が配置される貫通孔43aが形成されている。また、円筒支持部材43の取付板11側には、第二ワンウェイクラッチ42を支持するフランジ部43bが径方向外側に延設されている。円筒支持部材43の上端面には、フランジ部43bとの間で第一ワンウェイクラッチ41、間座44、及び第二ワンウェイクラッチ42を軸方向で挟み込む押え板45がボルト46を介して接続されている。
第一ワンウェイクラッチ41は、第一接続部材47を介して第一変速ギヤ21Aと接続されている。第一接続部材47は、上端部が縮径した段差付き円筒部材であり、その縮径した上端部が第一変速ギヤ21Aの底部にボルト48を介して接続されている。第一変速ギヤ21Aと第一接続部材47の接続部には、内周側に段差が形成され、上述した軸受35を支持している。
第二ワンウェイクラッチ42は、第二接続部材49を介して第二変速ギヤ21Bと接続されている。第二接続部材49は、内径が第一接続部材47の外径よりも大きい有底筒状の第一部材49Aと、第一部材49Aの上端部にボルト50を介して接続された第二部材49Bと、を有する。
第二部材49Bは、上端部が縮径した段差付き円筒部材であり、その縮径した上端部の内径は、第一接続部材47の縮径した上端部の外径よりも大きく、かつ、第一接続部材47の縮径していない下端部の外径よりも小さい。第二部材49Bの上端部は、第二変速ギヤ21Bの底部にボルト51を介して接続されている。第二変速ギヤ21Bと第二接続部材49(第二部材49B)の接続部には、外周側に段差が形成され、上述した軸受15を支持している。
上記構成の変速装置1によれば、モータ2の回転軸2aを回転させると、第一カム31及び第二カム32に挟まれる第三冠ギヤ23が波動運動する(すなわち、第三冠ギヤ23が歳差運動する)。この第三冠ギヤ23の波動運動に伴い、第一冠ギヤ21と第三冠ギヤ23との噛み合い箇所、及び第三冠ギヤ23と第二冠ギヤ22との噛み合い箇所が円周方向に移動する。第一冠ギヤ21と第三冠ギヤ23との噛み合い箇所、及び第三冠ギヤ23と第二冠ギヤ22との噛み合い箇所は、軸方向から視て軸線Lを中心とする点対称の位置関係を有しており、その噛み合い個所が円周方向に移動すると、第三冠ギヤ23は、図3に示す断面視において、あたかもシーソーのように左右に揺れ動く。
このような第三冠ギヤ23の波動運動に伴い、第三冠ギヤ23が第一冠ギヤ21に対して両者の歯数差の分だけ相対的に軸線Lの回りを回転する。また、第二冠ギヤ22が第三冠ギヤ23に対して両者の歯数差の分だけ相対的に軸線Lの回りを回転する。第二冠ギヤ22の回転数は、第一冠ギヤ21に対する第三冠ギヤ23の相対的な回転数と、第三冠ギヤ23に対する第二冠ギヤ22の相対的な回転数とを合算したものになる。二組のギヤ(第一冠ギヤ21と第三冠ギヤ23、第三冠ギヤ23と第二冠ギヤ22)を、互いに打ち消し合う方向に回転させれば、大きな減速比が得られるし、互いに助長する方向に回転させれば、小さな減速比が得られる。
第一冠ギヤ21の対向歯21aないし対向歯21bの歯数をZ,第一冠ギヤ21と噛み合う第三冠ギヤ23の対向歯23aの歯数をZ、第二冠ギヤ22に噛み合う第三冠ギヤ23の対向歯23bの歯数をZ、第二冠ギヤ22の対向歯22aの歯数をZとすると、減速比GRは以下の式(1)で与えられる。
Figure 2019163670
例えば、Z=40、Z=40、Z=43、Z=42とすると、減速比GRは−1/42である。一方、Zの歯数を一つ減らし、Z=39、Z=40、Z=43、Z=42とすると、減速比GRは1/560である。このように、Z=Zとすると、第一冠ギヤ21は第三冠ギヤ23の回転止めのみの役割を持ち、減速比は第二冠ギヤ22に委ねられる。このような動きを粗動と称する。また、Z≠Zとすると、第一冠ギヤ21も減速の役割を持ち、減速比は第一冠ギヤ21及び第二冠ギヤ22に委ねられ大きな減速比が得られる。このような動きを微動と称する。本実施形態では、上記例におけるZ=39の歯数を第一変速ギヤ21Aが有し、Z=40の歯数を第二変速ギヤ21Bが有しているものとする。
図6は、本発明の第一実施形態における変速装置1の粗動を説明する説明図である。
図6に示すように、変速装置1が粗動するとき、第一変速ギヤ21Aは第一ワンウェイクラッチ41(図2参照)によって軸線Lを中心とする時計回りに回転自在な一方で、第二変速ギヤ21Bは第二ワンウェイクラッチ42(図2参照)によって固定される(回転しない)。このとき、第一変速ギヤ21Aは、第三冠ギヤ23と共に連れ回るだけで、特別な役割はない。よって、図6では、白抜きで表現している。
一方、固定された第二変速ギヤ21Bは、第三冠ギヤ23と噛み合うことで、第三冠ギヤ23の波動運動に寄与する。よって、図6では、ドットを付して表現している。第二変速ギヤ21Bは、第三冠ギヤ23の対向歯23aと同じ歯数(Z=Z)の対向歯21bを有する。第三冠ギヤ23は、波動運動に伴い、第二変速ギヤ21Bに対して歯数差の分だけ相対的に軸線Lの回りを回転するため、歯数差が無いと、第三冠ギヤ23は、波動運動はするが回転はしない。このように、第二変速ギヤ21Bは、第三冠ギヤ23の回転止めのみの役割を持ち、減速比は第二冠ギヤ22に委ねられるため、減速比が小さくなり、第二冠ギヤ22が高速かつ低トルクで粗動回転する。
図7は、本発明の第一実施形態における変速装置1の微動を説明する説明図である。
図7に示すように、変速装置1が微動するとき、第二変速ギヤ21Bは第二ワンウェイクラッチ42(図2参照)によって軸線Lを中心とする反時計回りに回転自在な一方で、第一変速ギヤ21Aは第一ワンウェイクラッチ41(図2参照)によって固定される(回転しない)。このとき、第二変速ギヤ21Bは、第三冠ギヤ23と共に連れ回るだけで、特別な役割はない。よって、図7では、白抜きで表現している。
一方、固定された第一変速ギヤ21Aは、第三冠ギヤ23と噛み合うことで、第三冠ギヤ23の波動運動に寄与する。よって、図7では、ドットを付して表現している。第一変速ギヤ21Aは、第三冠ギヤ23の対向歯23aと異なる歯数(Z≠Z)の対向歯21aを有する。第三冠ギヤ23は、波動運動に伴い、第二変速ギヤ21Bに対して歯数差の分だけ相対的に軸線Lの回りを回転するため、第三冠ギヤ23は、波動運動すると共に回転する。このように、第一変速ギヤ21Aは、第三冠ギヤ23の回転止め及び減速の役割を持ち、減速比は第一変速ギヤ21A及び第二冠ギヤ22に委ねられるため、減速比が大きくなり、第二冠ギヤ22が低速かつ高トルクで微動回転する。
このように、上述した本実施形態によれば、第一冠ギヤ21と、第二冠ギヤ22と、第一冠ギヤ21に対向する対向歯23aと第二冠ギヤ22に対向する対向歯23bとを背面合わせで持つ第三冠ギヤ23と、第三冠ギヤ23が第一冠ギヤ21に噛み合い、第三冠ギヤ23が第二冠ギヤ22に噛み合うように、第三冠ギヤ23を第一冠ギヤ21及び第二冠ギヤ22に対して傾斜させ、かつ噛み合う箇所が円周方向に移動するように第三冠ギヤ23を波動運動させるカム部30と、を備え、第一冠ギヤ21及び第二冠ギヤ22のいずれか一方は、径方向に分割された歯数の異なる複数の変速ギヤ21A,21Bを有し、複数の変速ギヤ21A,21Bの中から固定する変速ギヤを切り替える切替機構40を有する、という構成を採用することによって、径方向におけるコンパクトな装置構成を維持しつつ減速比を切り替えることができる。
また、本実施形態の切替機構40は、回転方向に応じて固定する変速ギヤ21A,21Bを切り替えるため、例えば、産業用ロボットの動作の行きと帰り(モータ2の正転と逆転)で減速比を変えることができる。例えば、産業用ロボットが変速装置1を介してロープを巻き上げて搬送物を持ち上げる場合には低速かつ高トルクで微動することができ、また、搬送物を持ち上げた後、ロープを巻き戻し、次の搬送物を取りに行く場合には、高速かつ低トルクで粗動することができるため、産業用ロボットによる仕事効率を高め、生産性を向上させることができる。
また、本実施形態では、切替機構40は、第一変速ギヤ21Aを一方向のみに回転させる第一ワンウェイクラッチ41と、第二変速ギヤ21Bを第一変速ギヤ21Aと逆向きの一方向のみに回転させる第二ワンウェイクラッチ42と、を有するため、電動アクチュエータなどを用いることなく、無電源で減速比を切り替えることができる。
また、本実施形態のように、第二変速ギヤ21Bが、第三冠ギヤ23の対向歯23aと同じ歯数の対向歯21bを備えれば、第三冠ギヤ23の回転を固定でき、減速比を第二冠ギヤ22に委ねることができるため、小さい減速比が容易に得られる。
(第二実施形態)
次に、本発明の第二実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図8は、本発明の第二実施形態における変速装置1Aの縦断面図である。
第二実施形態の変速装置1Aは、第一変速ギヤ21Aと第二変速ギヤ21Bとの隙間に挿入された楔部41Aと、この楔部41Aを、第一変速ギヤ21Aを固定する第一固定位置と、第二変速ギヤ21Bを固定する第二固定位置との間で可動させる可動部42Aと、を有する切替機構40Aを備える。
楔部41Aは、第一変速ギヤ21Aと第二変速ギヤ21Bとの環状の隙間に挿入される筒状部材であり、その挿入端には拡径した傾斜部43Aが形成されている。第二実施形態の第一変速ギヤ21Aの外周面には、傾斜部43Aと同様に軸線Lに対して傾斜した傾斜面21a1(テーパー面)が形成されている。また、第二変速ギヤ21Bの内周面にも、傾斜部43Aと同様に軸線Lに対して傾斜した傾斜面21b1(テーパー面)が形成されている。
楔部41Aは、可動部42Aによって軸方向に可動する。可動部42Aは、例えば、図8において図示しないハウジング10に対して固定されたアクチュエータなどであり、楔部41Aに接続された出力軸を軸方向に移動させることができる。可動部42Aは、楔部41Aを、第一変速ギヤ21Aを固定する第一固定位置P1(図8において二点鎖線で示す)と、第二変速ギヤ21Bを固定する第二固定位置P2(図8において実線で示す)との間で可動させる。
図9は、本発明の第二実施形態における変速装置1の粗動を説明する説明図である。
図9に示すように、変速装置1を粗動させるとき、可動部42Aは楔部41Aを第二固定位置P2に移動させる。楔部41Aが第二固定位置P2に移動すると、傾斜部43Aと第二変速ギヤ21Bの傾斜面21b1が接触し、第二変速ギヤ21Bが固定される一方で、第一変速ギヤ21Aは回転自在となる。固定された第二変速ギヤ21Bは、第三冠ギヤ23と噛み合うことで、第三冠ギヤ23の波動運動に寄与するが、歯数差が無いため、上述したように減速比は小さく、第二冠ギヤ22が高速かつ低トルクで粗動回転する。
図10は、本発明の第二実施形態における変速装置1の微動を説明する説明図である。
図10に示すように、変速装置1を微動させるとき、可動部42Aは楔部41Aを第一固定位置P1に移動させる。楔部41Aが第一固定位置P1に移動すると、傾斜部43Aと第一変速ギヤ21Aの傾斜面21a1が接触し、第一変速ギヤ21Aが固定される一方で、第二変速ギヤ21Bは回転自在となる。固定された第一変速ギヤ21Aは、第三冠ギヤ23と噛み合うことで、第三冠ギヤ23の波動運動と回転に寄与し、上述したように減速比は大きく、第二冠ギヤ22が低速かつ高トルクで微動回転する。
上述した第二実施形態によれば、第一実施形態と同様の作用効果に加えて、回転方向を切り替えなくても、減速比を切り替えることができる。また、第一変速ギヤ21Aと第二変速ギヤ21Bとの隙間に挿入された楔部41Aを可動させて、固定する変速ギヤ21A,21Bを切り替えられるため、第一変速ギヤ21Aと第二変速ギヤ21Bのそれぞれに固定・固定解除機構を設けるよりも、部品点数が減り、装置構成もコンパクトになる。
また、本実施形態では、楔部41Aは、軸方向の可動によって第一変速ギヤ21A及び第二変速ギヤ21Bと当接可能な傾斜部43Aを有するため、軸方向の一方向における動きのみで固定する変速ギヤ21A,21Bを簡単に切り替えることができる。
(第三実施形態)
次に、本発明の第三実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図11は、本発明の第三実施形態における変速装置1Bの縦断面図である。
第三実施形態の変速装置1Bは、カム部30の径方向の内側に、カム部30を回転させるモータ2Bを備える。
モータ2Bは、アウターロータ型のモータである。モータ2Bは、複数のコイル102が設けられるステータ100と、複数の永久磁石111が設けられるアウターロータ110と、を備える。なお、コイル102をアウターロータ110に設け、永久磁石111をステータ100に設けることも可能である。
ステータ100は、ステータコア101と、ステータコア101に支持されたコイル102と、を有している。ステータコア101は、軸線Lに沿って延びる円柱状に形成されている。ステータコア101の周面には、径方向外側に延びる複数のティース101a(突極)が形成されている。ティース101aには、コイル102が巻き掛けられている。
ステータコア101の下端部101bは、ハウジング10の取付板11と一体となった円柱支持部材43Bの頂部に固定されている。円柱支持部材43Bは、取付板11の上面の中央部から軸線Lに沿って上方に延びている。この円柱支持部材43Bは、上述した円筒支持部材43(図2参照)が中実となったものであり、他の構成は、円筒支持部材43と同様である。
アウターロータ110は、永久磁石111と、永久磁石111を支持するロータコア112と、を有している。永久磁石111は、ステータコア101のティース101aと径方向において隙間をあけて対向している。永久磁石111は、ロータコア112の中心を軸方向に貫通する貫通孔112aの内周面に固定されている。
ロータコア112は、上述したカム部30と一体となっている。言い換えると、ロータコア112が、カム部30を形成しているとも言える。ロータコア112は、上述したカム部30と同様に、軸受35及び軸受36を介して軸線L回りに回転自在に支持されている。また、ロータコア112は、転動体33を介して軸線Lに直交する平面に対して斜めに第三冠ギヤ23を支持している。なお、ロータコア112は、上述したカム部30と同様に第一カム31と第二カム32に分割可能な構成であってもよい。
上記構成の変速装置1Bによれば、モータ2Bのアウターロータ110を回転させると、ロータコア112(カム部30)に支持された第三冠ギヤ23が波動運動する(すなわち、第三冠ギヤ23が歳差運動する)。この第三冠ギヤ23の波動運動に伴い、第一冠ギヤ21と第三冠ギヤ23との噛み合い箇所、及び第三冠ギヤ23と第二冠ギヤ22との噛み合い箇所が円周方向に移動する。このような第三冠ギヤ23の波動運動に伴い、第三冠ギヤ23が第一冠ギヤ21に対して両者の歯数差の分だけ相対的に軸線Lの回りを回転する。また、第二冠ギヤ22が第三冠ギヤ23に対して両者の歯数差の分だけ相対的に軸線Lの回りを回転する。つまり、上述した実施形態と同様の減速比が得られる。
このような第三実施形態によれば、上述した実施形態と同様の作用効果に加えて、カム部30の径方向の内側に、カム部30を回転させるモータ2Bを備えているので、例えば図2に示す変速装置1と比べて、変速装置1Bの軸方向における寸法がコンパクトになる。
モータ2Bは、さらに、第一冠ギヤ21、第二冠ギヤ22、第三冠ギヤ23の少なくともいずれか一つ(図11に示す例では全て)の径方向の内側に配置されているので、第一冠ギヤ21、第二冠ギヤ22、第三冠ギヤ23に重複する軸方向位置にモータ2Bが配置され、変速装置1Bの軸方向における寸法のコンパクト化に寄与できる。
また、モータ2Bは、カム部30と一体となったアウターロータ110を備えているので、カム部30とアウターロータ110を径方向で分割した別部品で構成する必要は無く、変速装置1Bの径方向における寸法のコンパクト化に寄与できる。
(第四実施形態)
次に、本発明の第四実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成については同一の符号を付し、その説明を簡略若しくは省略する。
図12は、本発明の第四実施形態における変速装置1Cの縦断面図である。
第四実施形態の変速装置1Cは、カム部30の径方向の内側に、カム部30を回転させるモータ2Cを備える。また、第四実施形態の変速装置1Cは、第一冠ギヤ21と反対側でカム部30に支持された第三冠ギヤ23Cを備える。また、第四実施形態の変速装置1Cは、第一冠ギヤ21と同じ側で、第三冠ギヤ23Cに噛み合う第二冠ギヤ22Cを備える。つまり、第四実施形態の第三冠ギヤ23Cは、第一冠ギヤ21に対向する対向歯23aと、第二冠ギヤ22Cに対向する対向歯23bとを、軸方向において同じ側に持つ。
第三冠ギヤ23Cは、対向歯23aの径方向の外側に、対向歯23bを有している。対向歯23aと対向歯23bとの間には、環状溝23fが形成されている。第三冠ギヤ23Cの対向歯23bに噛み合う第二冠ギヤ22Cは、第一冠ギヤ21の径方向の外側に配置されている。言い換えると、第三冠ギヤ23Cの径方向の内側に、第一冠ギヤ21が配置されている。第三冠ギヤ23Cは、上述した軸受15を介して、軸線L回りに回転自在に支持されている。
第三冠ギヤ23Cの対向歯23a及び対向歯23bの形成面と反対側は、軸線Lと直交する平面に対して傾いた傾斜面23eとなっている。傾斜面23eの周縁部には、上述した転動体転走溝23cが形成されている。転動体転走溝23cは、軸方向においてカム部30に形成された転動体転走溝32cと対向している。転動体転走溝32cは、傾斜面23eと平行に形成された傾斜面212bの周縁部に形成されている。転動体転走溝23cと転動体転走溝32cとの間には、複数の転動体33が軸線L回りに無限循環可能に配列されている。
カム部30は、第三冠ギヤ23Cの傾斜面23e側(対向歯23a及び対向歯23bの形成面と反対側)に配置されている。また、カム部30は、第三冠ギヤ23Cと略同じ径を持つ円板状に形成されている。つまり、カム部30は、第三冠ギヤ23Cの径方向の内側に配置されておらず、さらには、第一冠ギヤ21及び第二冠ギヤ22Cの径方向の内側にも配置されていない。このカム部30は、図12において図示しないハウジング10に支持された軸受16(図2参照)を介して、軸線L回りに回転自在に支持されている。
このカム部30の径方向の内側には、カム部30を回転させるモータ2Cが配置されている。モータ2Cは、上述した第三実施形態のモータ3Bと同様のアウターロータ型のモータである。モータ2Cは、複数のコイル202が設けられるステータ200と、複数の永久磁石211が設けられるアウターロータ210と、を備える。なお、コイル202をアウターロータ210に設け、永久磁石211をステータ200に設けることも可能である。
ステータ200は、ステータコア201と、ステータコア201に支持されたコイル202と、を有している。ステータコア201は、軸線Lと同軸の円環状に形成されている。ステータコア201の周面には、径方向外側に延びる複数のティース201a(突極)が形成されている。ティース201aには、コイル202が巻き掛けられている。
ステータコア201の径方向の内側には、外周面に段差222が形成された第2円筒支持部材220が嵌合している。第2円筒支持部材220は、上述した円筒支持部材43の上端部にボルト46を介して固定されている。第2円筒支持部材220は、円筒支持部材43の上端部から軸線Lに沿って上方に延びている。また、第2円筒支持部材220の下端部は、径方向の外側に拡径したフランジ221となっている。
フランジ221は、円筒支持部材43の上端部よりも径方向の外側に延びて、軸方向において軸受35と当接している。軸受35は、円筒支持部材43に外挿された円筒状のスリーブ230に支持されている。スリーブ230の外周面には、軸受35を軸方向で支持する段差231が形成されている。また、スリーブ230の下端部は、第一ワンウェイクラッチ41と軸方向で当接している。フランジ221は、スリーブ230と共に軸受35を軸方向で挟持すると共に、上述した押え板45と同様の機能を有し、スリーブ230を介して、第一ワンウェイクラッチ41、間座44、及び第二ワンウェイクラッチ42を軸方向で挟み込んでいる。
アウターロータ210は、永久磁石211と、永久磁石211を支持するロータコア212と、を有している。永久磁石211は、ステータコア201のティース201aと径方向において隙間をあけて対向している。永久磁石211は、ロータコア212の中心を軸方向に貫通する貫通孔212aの内周面に固定されている。
ロータコア212は、上述したカム部30と一体となっている。言い換えると、ロータコア212が、カム部30を形成しているとも言える。ロータコア212の構成は、上述したカム部30の構成と同じであるため、その説明は割愛する。
上記構成の変速装置1Cによれば、モータ2Cのアウターロータ210を回転させると、ロータコア212(カム部30)に支持された第三冠ギヤ23Cが波動運動する(すなわち、第三冠ギヤ23が歳差運動する)。この第三冠ギヤ23Cの波動運動に伴い、第一冠ギヤ21と第三冠ギヤ23Cとの噛み合い箇所、及び第三冠ギヤ23と第二冠ギヤ22Cとの噛み合い箇所が円周方向に移動する。このような第三冠ギヤ23Cの波動運動に伴い、第三冠ギヤ23Cが第一冠ギヤ21に対して両者の歯数差の分だけ相対的に軸線Lの回りを回転する。また、第二冠ギヤ22Cが第三冠ギヤ23Cに対して両者の歯数差の分だけ相対的に軸線Lの回りを回転する。つまり、上述した実施形態と同様の減速比が得られる。
上述した第四実施形態によれば、上述した実施形態と同様の作用効果に加えて、カム部30の径方向の内側に、カム部30を回転させるモータ2Cを備えているので、上述した第三実施形態と同様に、変速装置1Cの軸方向における寸法がコンパクトになる。
また、本実施形態では、モータ2Bは、カム部30と一体となったアウターロータ210を備えているので、カム部30とアウターロータ210を径方向で分割した別部品で構成する必要は無く、変速装置1Cの径方向における寸法のコンパクト化に寄与できる。
また、本実施形態では、第一冠ギヤ21と同じ側で、第三冠ギヤ23Cに噛み合う第二冠ギヤ22Cを備えるので、第一冠ギヤ21(変速ギヤ)と同じ側から出力を取り出すことができる。
以上、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上記実施形態では、第一冠ギヤ21が2つの変速ギヤ21A,21Bを有する構成について説明したが、第一冠ギヤ21が歯数の異なる3つ以上の変速ギヤを有していてもよい。
また、これら複数の変速ギヤが、第一冠ギヤ21側ではなく、第二冠ギヤ22側にあってもよい(出力側で減速比を切り替える構成であってもよい)。
また、例えば、上記第一実施形態では、切替機構40として無電源のワンウェイクラッチを用いる構成について説明したが、電動式ワンウェイクラッチを使用してもよい。なお、この電動式ワンウェイクラッチは、例えば、第一変速ギヤ21Aと第二変速ギヤ21Bとの隙間に配置して、いずれか一方の変速ギヤを回転させて、他方の変速ギヤを固定する配置としてもよい。
上記した変速装置によれば、コンパクトで減速比を切り替えることができる。
1 変速装置
1A 変速装置
2 モータ
2B モータ
2C モータ
2a 回転軸
10 ハウジング
21 第一冠ギヤ
21A 第一変速ギヤ
21a 対向歯
21a1 傾斜面
21B 第二変速ギヤ
21b 対向歯
21b1 傾斜面
22 第二冠ギヤ
22a 対向歯
23 第三冠ギヤ
23a 対向歯
23b 対向歯
30 カム部
40 切替機構
40A 切替機構
41 第一ワンウェイクラッチ
41A 楔部
42 第二ワンウェイクラッチ
42A 可動部
43A 傾斜部
100 ステータ
110 アウターロータ
200 ステータ
210 アウターロータ
L 軸線
P1 第一固定位置
P2 第二固定位置
α 角度

Claims (8)

  1. 第一冠ギヤと、
    第二冠ギヤと、
    前記第一冠ギヤに対向する対向歯と前記第二冠ギヤに対向する対向歯とを持つ第三冠ギヤと、
    前記第三冠ギヤが前記第一冠ギヤに噛み合い、前記第三冠ギヤが前記第二冠ギヤに噛み合うように、前記第三冠ギヤを前記第一冠ギヤ及び前記第二冠ギヤに対して傾斜させ、かつ噛み合う箇所が円周方向に移動するように前記第三冠ギヤを波動運動させるカム部と、を備え、
    前記第一冠ギヤ及び前記第二冠ギヤのいずれか一方は、径方向に分割された歯数の異なる複数の変速ギヤを有し、
    前記複数の変速ギヤの中から固定する変速ギヤを切り替える切替機構を有する、変速装置。
  2. 前記切替機構は、回転方向に応じて、前記固定する変速ギヤを切り替える、請求項1に記載の変速装置。
  3. 前記複数の変速ギヤは、第一変速ギヤと、第二変速ギヤと、を有し、
    前記切替機構は、
    前記第一変速ギヤを一方向のみに回転させる第一ワンウェイクラッチと、
    前記第二変速ギヤを前記第一変速ギヤと逆向きの一方向のみに回転させる第二ワンウェイクラッチと、を有する、請求項2に記載の変速装置。
  4. 前記複数の変速ギヤは、第一変速ギヤと、第二変速ギヤと、を有し、
    前記切替機構は、
    前記第一変速ギヤと前記第二変速ギヤとの隙間に挿入され、軸方向の可動によって前記第一変速ギヤ及び前記第二変速ギヤと当接可能な傾斜部を備える楔部と、
    前記楔部を、前記第一変速ギヤを固定する第一固定位置と、前記第二変速ギヤを固定する第二固定位置との間で軸方向に可動させる可動部と、を有する、請求項1または2に記載の変速装置。
  5. 前記複数の変速ギヤは、前記第三冠ギヤの対向歯と同じ歯数の変速ギヤを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の変速装置。
  6. 前記カム部の径方向の内側に、前記カム部を回転させるモータを備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の変速装置。
  7. 前記モータは、さらに、前記第一冠ギヤ、前記第二冠ギヤ、前記第三冠ギヤの少なくともいずれか一つの径方向の内側に配置されている、請求項6に記載の変速装置。
  8. ステータと、アウターロータと、を有するモータを備え、
    前記アウターロータと、前記カム部が一体である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の変速装置。
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