JP6770873B2 - 減速又は増速装置及びアクチュエータ - Google Patents

減速又は増速装置及びアクチュエータ Download PDF

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Description

本発明は、減速又は増速装置及びアクチュエータに関する。
減速装置の一種として、第1フェースギヤと、第1フェースギヤに対向する第2フェースギヤと、を備え、第1フェースギヤが第2フェースギヤに噛み合うように第1フェースギヤを第2フェースギヤに対して傾斜させるカム部と、を備える減速装置が知られている(例えば特許文献1参照)。
入力軸に連結されるカム部を回転させると、第1フェースギヤが第2フェースギヤとの噛み合い箇所を移動させながら歳差運動する。第1フェースギヤが歳差運動すると、第2フェースギヤが第1フェースギヤに対して歯数差の分だけ相対的に回転する。第2フェースギヤの相対的な回転は、第2フェースギヤに連結される出力軸から出力される。
特開2003−130148号公報
第1フェースギヤと第2フェースギヤとが噛み合う際、第1フェースギヤの歯と第2フェースギヤの歯みぞとが接触する。しかし、従来の減速装置にあっては、第1フェースギヤの歯と第2フェースギヤの歯みぞとの噛み合い点(すなわち接触点)における接触力の多くが、入力軸の軸方向の分力(すなわち損失力)として発生する。このため、相対的に円周方向の分力(すなわち駆動力)が小さくなり、効率的にトルクを伝達できない(言い換えればトルクの伝達効率が低い)という課題がある。出力側に大トルクを負荷させる場合、第1フェースギヤを支持するカムが、トルク負荷により発生した軸方向分力に耐えられず、剛性の低下、振動及び騒音の発生を招く。これを解決するためには、減速装置の大型化を余儀なくされる。
そこで、本発明は、第1フェースギヤの歯と第2フェースギヤの歯みぞとの噛み合い点(すなわち接触点)における接触力の軸方向分力(すなわち損失力)を小さくし、相対的に円周方向分力(すなわち駆動力)を大きくし、これによりトルクの伝達効率を向上させることができる減速又は増速装置及びアクチュエータを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、第1フェースギヤと、前記第1フェースギヤに対向する第2フェースギヤと、前記第1フェースギヤと前記第2フェースギヤとが噛み合うように前記第1フェースギヤを前記第2フェースギヤに対して傾斜させ、かつ噛み合う箇所が移動するように前記第1フェースギヤを歳差運動させるカム部と、を備える減速又は増速装置において、前記第1フェースギヤの歯及び前記第2フェースギヤの歯を円錐の側面を基礎とした凸状に形成し、前記第1フェースギヤの歯みぞ及び前記第2フェースギヤの歯みぞを円錐の側面を基礎とした凹状に形成し、前記第1フェースギヤ及び前記第2フェースギヤのいずれか一方の歯に噛み合う前記第1フェースギヤ及び前記第2フェースギヤの他方の歯みぞの底部に、前記一方の前記歯に非接触にするための逃げを形成する減速又は増速装置である。
本発明によれば、第1フェースギヤ及び第2フェースギヤのいずれか一方の歯に噛み合う第1フェースギヤ及び第2フェースギヤの他方の歯みぞの底部を前記一方の歯に非接触にするので、前記一方の歯と前記他方の歯みぞとの噛み合い点(すなわち接触点)における接触力の軸方向分力(すなわち損失力)を小さくし、相対的に円周方向分力(すなわち駆動力)を大きくすることができる。したがって、トルクの伝達効率を向上させることができる。
本発明の第1の実施形態の減速装置の断面図である。 上記第1の実施形態の減速装置の分解斜視図である。 図3(a)は第1フェースギヤ及び第2フェースギヤの模式斜視図であり、図3(b)は第2フェースギヤの模式斜視図である。 第1フェースギヤと第2フェースギヤとの接触点に生ずる接触力を説明する図である。 図5(a)は噛み合い点1〜21を示す図であり、図5(b)は噛み合い点1〜21を第2フェースギヤの一つの歯みぞに投影した図である。 第2フェースギヤの歯及び歯みぞの円周方向断面の展開図である 図7(a)は噛み合い点1〜21に発生する接触力を示すグラフであり、図7(b)は軸方向分力を示すグラフであり、図7(c)は円周方向分力を示すグラフである。 本発明の第1の実施形態のアクチュエータの断面図である。 本発明の第2の実施形態のアクチュエータの断面図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態の減速装置を詳細に説明する。ただし、本発明の減速装置は種々の形態で具体化することができ、本明細書に記載される実施形態に限定されるものではない。この実施形態は、明細書の開示を十分にすることによって、当業者が発明の範囲を十分に理解できるようにする意図をもって提供されるものである。
<第1の実施形態の減速装置>
図1は第1の実施形態の減速装置10の断面図を示し、図2は本実施形態の減速装置10の分解斜視図を示す。図中符号1は第1フェースギヤ、符号2は第2フェースギヤ、符号3はカム部である。第1フェースギヤ1、第2フェースギヤ2、カム部3は、ハウジング6に収容される。
第1フェースギヤ1と第2フェースギヤ2とは、互いに対向する。カム部3は、第1フェースギヤ1が第2フェースギヤ2に噛み合うように第1フェースギヤ1を第2フェースギヤ2に対して傾斜させる。また、カム部3は、かつ噛み合う箇所が移動するように第1フェースギヤ1を歳差運動させる。歳差運動とは、第1フェースギヤ1の軸線が円錐Coの軌跡を描くように運動することをいう。
図2に示すように、第1フェースギヤ1は略円板状である。第1フェースギヤ1の、第2フェースギヤ2との対向面には、複数の歯1aと複数の歯みぞ1bとが交互に放射状に形成される。歯1aは円錐の側面を基礎とした凸状である。歯みぞ1bは円錐の側面を基礎とした凹状である。歯1a及び歯みぞ1bの形状は後述する。
第2フェースギヤ2も略円板状である。第2フェースギヤ2の、第1フェースギヤ1との対向面には、複数の歯2aと複数の歯みぞ2bとが交互に放射状に形成される。第1フェースギヤ1と同様に、歯2aは円錐の側面を基礎とした凸状である。歯みぞ2bは円錐の側面を基礎とした凹状である。歯2a及び歯みぞ2bの形状は後述する。第2フェースギヤ2の歯数と第1フェースギヤ1の歯数とは、互いに異なる。
図1に示すように、カム部3は、カム体4と、カム体4に連結されるサポート体5と、を備える。第1フェースギヤ1及び第2フェースギヤ2は、カム体4とサポート体5との間に挟まれる。カム体4とサポート体5とは、ボルト等の締結部材16によって締結される。
カム体4は、キー等の回り止め手段によって入力軸11に回転不可能に連結される。図2に示すように、カム体4の傾斜板4aには、リング状のレースウェイ4a1が形成される。第1フェースギヤ1の背面には、このレースウェイ4a1に対向するリング状のレースウェイ1c(図1参照)が形成される。これらのレースウェイ1c,4a1の間には、複数の第1のボール13がリング状に並べられる。
図2に示すように、サポート体5の垂直板5aには、リング状のレースウェイ5a1(図1参照)が形成される。第2フェースギヤ2の背面には、このレースウェイ5a1に対向するリング状のレースウェイ2cが形成される。これらのレースウェイ2c,5a1の間には、複数の第2のボール14がリング状に並べられる。
図1に示すように、第1フェースギヤ1は、板状部材9を介してハウジング6に歳差運動可能にかつ回転不可能に支持される。図2に示すように、板状部材9は、薄板をリング状に形成してなる。板状部材9の外周側は、ボルト等の締結部材によってハウジング6に固定される。板状部材9の内周側は、ボルト等の締結部材によって第1フェースギヤ1に固定される。板状部材9は、第1フェースギヤ1の歳差運動を許容し、かつ第1フェースギヤ1の回転を制限するように弾性変形する。
なお、板状部材9の替わりに球面スプラインを設け、球面スプラインで第1フェースギヤ1を歳差運動可能にかつ回転不可能に支持することも可能である。
図1に示すように、第2フェースギヤ2は、ベアリング18を介してハウジング6に回転可能に支持される。ベアリング18の外輪がハウジング6に固定され、ベアリング18の内輪が第2フェースギヤ2に固定される。
第2フェースギヤ2には、ボルト等の締結部材によってリング状の出力部15が固定される。出力部15の形状は特に限定されるものではなく、例えばリング状である。出力部15には、相手部品に固定するためのねじ穴15aが形成される(図2参照)。
図1に示すように、ハウジング6は、ベアリング18の外輪が固定されるハウジング本体7と、ボルト等の締結部材によってハウジング本体7に締結されるカバー8と、を備える。板状部材9は、ハウジング本体7とカバー8との間に挟まれる。
本実施形態の減速装置10の動きは、以下のとおりである。入力軸11が回転すると、入力軸11と一緒にカム部3が回転する。カム部3が回転すると、第1フェースギヤ1が歳差運動する。第1フェースギヤ1が歳差運動すると、第1フェースギヤ1と第2フェースギヤ2との歯数差の分だけ第2フェースギヤ2が第1フェースギヤ1に対して相対的に回転する。この実施形態では、第1フェースギヤ1の回転は板状部材9によって制限されていて、第2フェースギヤ2が回転する。第2フェースギヤ2の回転は出力部15に伝達される。出力部15は、第1フェースギヤ1の歯数と第2フェースギヤ2の歯数とによって定められる減速比で回転する。
第1フェースギヤ1及び第2フェースギヤ2の歯1a,2a及び歯みぞ1b,2bの形状は、以下のとおりである。図3(a)は第1フェースギヤ1及び第2フェースギヤ2の模式斜視図を示し、図3(b)は第2フェースギヤ2の模式斜視図を示す。上述のように、第1フェースギヤ1は、傾斜して第2フェースギヤ2に噛み合う。予圧のない状態では、第1フェースギヤ1と第2フェースギヤ2とは1カ所(図3(a)の位置A)で噛み合う。予圧のある状態では、第1フェースギヤ1と第2フェースギヤ2の噛み合い点(すなわち接触点)は、位置Aを中心に円周方向に複数発生する。
図3(b)に示すように、第2フェースギヤ2の円錐形の母体2−1の表面には、複数の歯2aと複数の歯みぞ2bとが交互に放射状に形成される。歯2aは円錐の側面を基礎とした凸状である。歯みぞ2bは円錐の側面を基礎とした凹状である。
図3(a)(b)において、歯の形状を分かり易くするために、第2フェースギヤ2及び第1フェースギヤ1の歯及び歯みぞに円錐を付記している。図3(b)に示すように、第2フェースギヤ2の歯2aは、円錐C1の側面の一部に形成される。第2フェースギヤ2の歯みぞ2bは、円錐C2の側面の一部に形成される。複数の歯2aの円錐C1の頂点は、噛み合い中心P1で交わる。複数の歯みぞ2bの円錐C2の頂点も、噛み合い中心P1で交わる。この噛み合い中心P1は、入力軸11の軸線上に位置し、第1フェースギヤ1の歳差運動の中心(図1の円錐Coの頂点)と一致する。
第1フェースギヤ1の歯1aは、円錐C3の側面の一部に形成される。第1フェースギヤ1の歯みぞ1bは、円錐C4の側面の一部に形成される。複数の歯1aの円錐C3の頂点は、噛み合い中心P1で交わる。複数の歯みぞ1bの円錐C4の頂点も、噛み合い中心P1で交わる。
上記のように、第1フェースギヤ1及び第2フェースギヤ2の歯1a,2a及び歯みぞ1b,2bの形状を円錐の側面の一部に形成すると、第1フェースギヤ1及び第2フェースギヤ2の製作が容易である。ただし、歯1a,2aと歯みぞ1b,2bとが完全に転がるように、歯みぞ1b,2bをトロコイド曲線を用いて補正することも可能である。
トロコイド曲線を用いた補正は、以下のとおりである。第1フェースギヤ1及び第2フェースギヤ2の歯1a,2aが円錐の側面の一部に形成されるとし、基準円上の第1フェースギヤ1及び第2フェースギヤ2の歯1a,2aの曲線を単一Rの円弧とする。このとき、歯1a,2aと歯みぞ1b,2bとが互いに転がり運動を行うためには、歯みぞ1b,2bの曲線は、歯1a,2aが描く軌跡に一致する。歯1a,2aの単一Rの円弧と歯みぞ1b,2bの曲線を滑らかに接続すれば、第1フェースギヤ1及び第2フェースギヤ2の基準円上の歯形曲線が得られる。
すなわち、トロコイド曲線を用いた補正は、下記の順序で行われる。
(i)歳差運動する歯1a,2aが通るべき曲線(トロコイド曲線)を求める。
(ii)歯1a,2aの半径を仮定し、歯1a,2aが(i)で求めたトロコイド曲線上を通ったときに描く曲線を求め、これを歯みぞ1b,2bの曲線とする。
(iii)歯1a,2aの曲線(円弧)と歯みぞ1b,2bの曲線とを互いになめらかに接続するように、歯1a,2aの半径を決定する。
以上のとおり、本発明において、円錐の側面を基礎とした形状には、円錐の側面の一部の他、トロコイド曲線を用いて補正したものを含む。
図4に示すように、第1フェースギヤ1と第2フェースギヤ2とが噛み合う際、第1フェースギヤ1の歯1aと第2フェースギヤ2の歯みぞ2bとが接触する。図4には、第1フェースギヤ1の歯1aを破線の円で示し、第2フェースギヤ2の歯みぞ2bの曲線を実線で示す。第1フェースギヤ1の歯1aと第2フェースギヤ2の歯みぞ2bとの接触点における接触力Fは、軸方向分力Fと円周方向分力Fとに分けることができる。この軸方向分力Fと円周方向分力Fは、接触点の位置に応じて変化する。
第1フェースギヤ1の歯1aが第2フェースギヤ2の歯みぞ2bの底部19(図中W1で示す範囲)に接するとき、軸方向分力F(すなわち損失力)が大きく、相対的に円周方向分力F(すなわち駆動力)が小さい。このとき、効率的にトルクを伝達することができない。一方、第1フェースギヤ1の歯1aが第2フェースギヤ2の歯みぞ2bの壁部21(図中W2で示す範囲)に接するとき、軸方向分力F(すなわち損失力)が小さく、相対的に円周方向分力F(すなわち駆動力)が大きい。このとき、効率的にトルクを伝達することができる。そこで、第2フェースギヤ2の歯みぞ2bの底部19に逃げを設け、第1フェースギヤ1の歯1aと第2フェースギヤ2の歯みぞ2bとを非接触にする。
図5(a)は、第1フェースギヤ1の歯1aと第2フェースギヤ2の歯みぞ2bとの噛み合い点1〜21を示す。噛み合い点1〜21は、噛み合い点10〜11を中心にして、円周方向に複数生ずる。図5(b)では、噛み合い点1〜21を第2フェースギヤ2の一つの歯みぞ2bに投影している。図5(b)に示すように、この実施形態では、噛み合い点8〜14において、第1フェースギヤ1の歯1aと第2フェースギヤ2の歯みぞ2bの底部19とが非接触になるように、歯みぞ2bの底部19に逃げを形成する。図中二点鎖線は逃げを形成する前の歯みぞ2bの曲線を示し、図中実線は逃げを形成した後の歯みぞ2bの曲線を示す。逃げの円周方向の幅W1(逃げ範囲W1)は、歯みぞ2bの円周方向ピッチP(ギヤピッチP)の30%以上70%未満、好ましくは30%以上50%未満に設定される。逃げの形状は特に限定されるものではなく、例えば円弧状である。
逃げ範囲W1をギヤピッチPの30%以上70%未満、好ましくは30%以上50%未満に設定する理由は、以下のとおりである。図6に示すように、ギヤピッチPに対して、通常、歯2aの範囲は30%程度を占める。そのため、歯みぞ2bの範囲は、通常ギヤピッチPの70%程度となる。このとき、逃げ範囲W1を設けると、相手側の第1フェースギヤ1の歯1aと歯みぞ2bが噛み合う範囲はW2となる。すなわち、逃げ範囲W1が70%以上(=W2がゼロ)となると、歯1aと歯みぞ2bとが噛み合わず、ギヤとして成立しなくなるおそれがある。このため、逃げ範囲W1を70%未満にする。逃げ範囲W1が50%以上の場合、噛み合う歯1aの数が少なく、剛性が低下するので、逃げ範囲W1を50%未満にするのが望ましい。逃げ範囲W1が30%未満の場合、トルクの伝達効率を向上させるという効果を十分に発揮しないおそれがあるので、逃げ範囲W1を30%以上にする。
図7(a)は、第1フェースギヤ1と第2フェースギヤ2との間に−1μmの予圧を与え、出力側に50Nmのトルクを負荷させたときの、噛み合い点1〜21に発生する接触力を計算した結果を示す。計算には、Hertzの接触理論を用いている。
図7(a)示すように、逃げがない場合、噛み合い点12〜13において、接触力は最大になった。逃げがある場合、噛み合い点8〜14における接触力がゼロになった。噛み合い点8〜14における接触力がゼロになった分、噛み合い点15〜21における接触力は僅かに増加した。しかし、全ての噛み合い点1〜21における接触力を合算したトータルの接触力は約50〜60%低減した。この計算結果から、より小さい力で50Nmの出力を発生させることができること、すなわちトルク伝達効率が向上することがわかった。
図7(b)は、噛み合い点1〜21における軸方向分力を計算した結果を示す。逃げがない場合、噛み合い点12における軸方向分力が最大であった。逃げがある場合、噛み合い点8〜14の軸方向分力がゼロになった。噛み合い点8〜14の軸方向分力がゼロになった分、噛み合い点1〜7,15〜21の軸方向分力が僅かに大きくなった。しかし、トータルの軸方向分力(すなわち損失力)は半分以下に低減した。
図7(c)は、噛み合い点1〜21における円周方向分力を計算した結果を示す。逃げがない場合、噛み合い点11〜21には正の円周方向分力が発生し、噛み合い点1〜10には負の円周方向分力が発生した。逃げがある場合、噛み合い点8〜14の円周方向分力がゼロになった。噛み合い点8〜14の円周方向分力がゼロになった分、噛み合い点15〜21の円周方向分力が増加し、噛み合い点1〜7の円周方向分力の絶対値が減少した。トータルの円周方向分力(すなわち駆動力)は約10%増加した。
本実施形態の減速装置によれば、以下の効果を奏する。第1フェースギヤ1の歯1aに噛み合う第2フェースギヤ2の歯みぞ2bの底部19を第1フェースギヤ1の歯1aに非接触にするので、第1フェースギヤ1の歯1aと第2フェースギヤ2の歯みぞ2bとの噛み合い点1〜21におけるトータルの接触力の軸方向分力(すなわち損失力)を小さくし、相対的にトータルの円周方向分力(すなわち駆動力)を大きくすることができる。したがって、トルクの伝達効率を向上させることができる。
第2フェースギヤ2の歯みぞ2bの底部19に逃げを形成するので、逃げの設計及び加工が容易である。
逃げの円周方向の幅W1を歯みぞ2bの円周方向ピッチPの30%以上70%未満に設定するので、トルク伝達効率を十分に向上させることができ、また第1フェースギヤ1の歯1aと第2フェースギヤ2の歯みぞ2bとを確実に噛み合わせることができる。
なお、上記では、第1フェースギヤ1の歯1aに噛み合う第2フェースギヤ2の歯みぞ2bに逃げを形成した例を説明したが、歯みぞ2bの代わりに第2フェースギヤ2の歯2aに噛み合う第1フェースギヤ1の歯みぞ1bに同様の逃げを形成することもできる。歯みぞ2bの代わりに歯みぞ1bに逃げを形成する場合にも、同様の効果が得られる。また、歯みぞ2b及び歯みぞ1bの両方に逃げを形成することもできる。この場合、両者の相乗効果が得られる。
<第1の実施形態のアクチュエータ>
図8は、本発明の第1の実施形態のアクチュエータ30の断面図を示す。第1の実施形態のアクチュエータ30は、第1の実施形態の減速装置10にカム部3を回転駆動させるモータ22を付加したものである。
モータ22は、固定子22aと、回転子22bと、を備える。固定子22aには例えばコイル23が設けられ、回転子22bには例えば磁石24が設けられる。コイル23に通電すると、回転子22bが回転する。回転子22bには、入力軸11が一体に形成される。モータ22は公知のものであり、これ以上の詳しい説明を省略する。
モータ22の入力軸11は、第1の実施形態の減速装置10のカム部3に連結される。モータ22の固定子22aは、第1の実施形態の減速装置10のハウジング6に固定される。
<第2の実施形態のアクチュエータ>
図9は、本発明の第2の実施形態のアクチュエータ50の断面図を示す。第2の実施形態のアクチュエータ50は、第2の実施形態の減速装置40にカム部34を回転駆動させるモータ22を付加したものである。
第2の実施形態の減速装置40では、第1フェースギヤ31を挟むように一対の第2フェースギヤ32a,32bを設けている。第1フェースギヤ31は、第2フェースギヤ32aに対向する歯31aと第2フェースギヤ32bに対向する歯31bとを背面合わせで持つ。
第1フェースギヤ31の歯31aは、第2フェースギヤ32aの歯みぞ32a1に噛み合う。第1フェースギヤ31の歯31bは、第2フェースギヤ32bの歯みぞ32b1に噛み合う。第1フェースギヤ31の歯31a,31b、第2フェースギヤ32a,32bの歯みぞ32a1,32b1の形状は、第1の実施形態の減速装置10と同一である。
第1フェースギヤ31は、カム部34に歳差運動可能に支持される。カム部34は、第1カム35と、第2カム36と、を備える。第1フェースギヤ31と第1カム35との間には、リング状に並べられた複数の第1のボール43が介在する。第1フェースギヤ31と第2カム36との間には、リング状に並べられた複数の第2のボール44が介在する。第1カム35と第2カム36とは、ボルト等の締結部材41によって互いに締結される。
第2フェースギヤ32aは、ハウジング37に固定される。第2フェースギヤ32aと第1カム35との間には、第1ベアリング46が介在する。第2フェースギヤ32bは、ハウジング37に回転可能に支持される。第2フェースギヤ32bと第2カム36との間には、第2ベアリング47が介在する。第2フェースギヤ32bには、出力部32cが一体に形成される。
第2の実施形態のモータ22の構造は、第1の実施形態のモータ22と同一であるので、同一の符号を附してその説明を省略する。
モータ22が入力軸11を回転させると、入力軸11に連結されるカム部34が回転する。カム部34が回転すると、第1フェースギヤ31が歳差運動する。第1フェースギヤ31が歳差運動すると、第1フェースギヤ31と第2フェースギヤ32aとの歯数差の分だけ第1フェースギヤ31が第2フェースギヤ32aに対して相対的に回転する。同時に、第1フェースギヤ31と第2フェースギヤ32bとの歯数差の分だけ第2フェースギヤ32bが第1フェースギヤ31に対して相対的に回転する。
第2フェースギヤ32bの回転は、第2フェースギヤ32aに対する第1フェースギヤ31の相対的な回転と、第1フェースギヤ31に対する第2フェースギヤ32bの相対的な回転と、を合算したものになる。二組のフェースギヤを、互いに打ち消し合う方向に回転させれば、大きな減速比が得られるし、互いに助長する方向に回転させれば、小さな減速比が得られる。
なお、本発明は上記実施形態に具現化されるのに限られることはなく、本発明の要旨を変更しない範囲でさまざまな実施形態に具現化可能である。
上記実施形態では、減速機を説明したが、入力側と出力側を逆にすることで、増速機としても利用できる。例えば、入力側のパワーの大きい水力発電機に本発明の増速機を使用することができる。
1…第1フェースギヤ、1a…第1フェースギヤの歯、2…第2フェースギヤ、2b…第2フェースギヤの歯みぞ、3…カム部、10…減速装置、19…歯みぞの底部、22…モータ、30…アクチュエータ、31…第1フェースギヤ、31a,31b…第1フェースギヤの歯、32a,32b…第2フェースギヤ、32a1,32b1…第2フェースギヤの歯みぞ、34…カム部、40…減速装置、50…アクチュエータ、W1…逃げの幅、P…歯みぞのピッチ

Claims (4)

  1. 第1フェースギヤと、
    前記第1フェースギヤに対向する第2フェースギヤと、
    前記第1フェースギヤと前記第2フェースギヤとが噛み合うように前記第1フェースギヤを前記第2フェースギヤに対して傾斜させ、かつ噛み合う箇所が移動するように前記第1フェースギヤを歳差運動させるカム部と、を備える減速又は増速装置において、
    前記第1フェースギヤの歯及び前記第2フェースギヤの歯を円錐の側面を基礎とした凸状に形成し、
    前記第1フェースギヤの歯みぞ及び前記第2フェースギヤの歯みぞを円錐の側面を基礎とした凹状に形成し、
    前記第1フェースギヤ及び前記第2フェースギヤのいずれか一方の歯に噛み合う前記第1フェースギヤ及び前記第2フェースギヤの他方の歯みぞの底部に、前記一方の前記歯に非接触にするための逃げを形成する減速又は増速装置。
  2. 前記第1フェースギヤの前記歯みぞの底部に、前記第2フェースギヤの前記歯に非接触にするための逃げを形成し、
    前記第2フェースギヤの前記歯みぞの底部に、前記第1フェースギヤの前記歯に非接触にするための逃げを形成することを特徴とする請求項1に記載の減速又は増速装置。
  3. 前記逃げの円周方向の幅を前記歯みぞの円周方向ピッチの30%以上70%未満に設定することを特徴とする請求項1又は2記載の減速又は増速装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の減速装置と、
    前記第1フェースギヤを歳差運動させるモータと、を備えるアクチュエータ。
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