JPWO2019163058A1 - 栽培システム、管理サーバ及び栽培方法 - Google Patents
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- A01G7/00—Botany in general
Abstract
Description
上記公報に記載の栽培システムは、植物の置かれている環境を環境データとして取得する測定手段と、この植物の育成に適した育成環境データを記憶する記憶手段とを有しており、上記環境データと育成環境データとを比較することで植物が置かれている環境をこの植物の育成に適した育成環境に近づけるようガイド可能に構成されている。
本発明に係る栽培システム、管理サーバ及び栽培方法は、作物を容易かつ適切に生長させることができる。
最初に本発明の実施態様を列記して説明する。
本発明の好適な実施形態について、以下に図面を参照しつつ説明する。
<栽培システム>
図1の栽培システム1は、情報通信ネットワークXを介して作物Pの生育を管理する。当該栽培システム1は、作物Pが栽培される圃場で用いられ、この作物Pの生育情報を取得可能な複数の端末2と、複数の端末2とネットワーク通信可能な管理サーバ3とを備える。また、当該栽培システム1は、図2に示すように、作物Pを栽培可能な複数の栽培ユニット4を備える。なお、「圃場」とは、1又は複数の栽培ユニット4が設置される場所をいい、室内空間であってもよく、屋外空間であってもよい。また、「圃場で用いられる」とは、圃場内で使用可能に構成されている限り、実際の使用場所が圃場外である場合も含む。
情報通信ネットワークXとしては、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の有線ネットワーク、無線LAN(Wireless Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)等の無線ネットワーク、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)等の通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられる。
作物Pとしては、特に限定されるものではなく、例えば果菜類、根菜類、葉菜類、イネ科植物、花菜類等が挙げられるが、吸液量情報に基づいて適切に生長させやすい果菜類が好ましく、中でもトマトが特に好ましい。
栽培液Qは、水に肥料を配合したものである。この肥料は、雑菌が繁殖することを抑制する観点から、化学肥料を含むことが好ましい。
端末2は、例えば各圃場で作物Pを栽培する作業者各人が保有する。端末2としては、例えばスマートフォン、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、PC(Personal Computer)、ウェアラブルPC、ゲーム機等の携帯型又は据置き型端末が挙げられる。端末2は、例えば1つの圃場に対して1対1で設けられており、この圃場に設置される栽培ユニット4で栽培される作物Pの生育を制御するために用いられる。また、1つの圃場に複数の栽培ユニット4が設置される場合、端末2は、各栽培ユニット4に対して1対1で設けられてもよい。
管理サーバ3は、作物Pが栽培される圃場で用いられこの作物Pの生育情報を取得可能な複数の端末2とネットワーク通信可能に構成されている。管理サーバ3は、圃場毎又は栽培ユニット4毎に作物Pの好ましい生育環境情報を算出し、作物Pの好ましい生育環境情報を各圃場に対応して設けられる端末2に送信可能に構成されている。管理サーバ3は、例えば1又は複数のCPUから構成することができる。管理サーバ3は、情報通信ネットワークXを介して複数の端末2とデータ通信可能な通信手段13と、CPUを含み、各種通信の制御を行うと共に、作物Pの生育に必要な情報を算出する制御手段14と、RAM、ROM、フラッシュメモリ等の半導体や、HDD等の記憶媒体を含み、データベース12や制御手段14の実行プログラム等を格納すると共に、制御手段14の処理に必要となるデータが必要に応じて読み込まれる記憶手段(不図示)とを有する。通信手段13は、上述の生育情報受信手段13a及び生育環境情報送信手段13bを含む。また、制御手段14は、上述の生育環境算出手段14aを含む。
データベース12は、作物Pの吸液量情報、日射量情報、風速情報及び飽差情報の少なくともいずれか1つに基づく最適生育情報を格納する。データベース12は、例えば作物Pの生育日数をM[日]、積算吸液量をA[L]とした場合、A=nM(但し、nは正の定数)によって求められる最適生育情報を格納する。中でも、データベース12は、作物Pの積算吸収肥料量情報、積算日射量情報及び平均飽差情報に基づく最適生育情報を格納することが好ましい。具体的には、データベース12は、作物Pの栽培液Qの活着時以降の積算吸液量[L]にこの栽培液Qの肥料濃度[me/L]を乗じて求められる積算吸収肥料量をF[me]、日射量計によって求められる作物Pの活着時以降における作物Pへの積算日射量をS[W・hr/m2]、作物Pの活着時以降における栽培空間の平均温度及び平均湿度によって求められる上記栽培空間における平均飽差をD[g/m3]とし、作物Pの生長指標をGとした場合、G=F/(SαDβ)(但し、α及びβは定数)で算出される最適生育情報を格納することが好ましい。また、データベース12は、作物Pの積算吸収肥料量情報、積算日射量情報、平均風速情報及び平均飽差情報に基づく最適生育情報を格納することも好ましい。具体的には、風速計によって求められる上記栽培空間における作物Pの活着時以降の平均風速をC[m/s]とした場合、G=F/(SαDβCγ)(但し、α、β及びγは定数)で算出される最適生育情報を格納することも好ましい。上記最適生育情報は、作物Pの種類毎に設定されてもよく、さらに作物Pの生長段階に応じて設定されてもよい。例えば作物Pがトマトである場合、作物Pの生長段階は、栽培期間の各日の平均温度を積算して求められる積算温度を基に定めることが可能である。具体的には、播種日から起算した積算温度が1000℃となった時点を第1花房開花期、1210℃となった時点を第2花房開花期と規定することが可能である。なお、「栽培空間」とは、栽培ユニットが室内空間に設置される場合にはこの室内空間をいい、栽培ユニットが屋外に設置される場合にはこの屋外において作物を栽培するために区画された空間をいう。
栽培ユニット4は、図2に示すように、作物Pを活着させる培地部21と、栽培液Qを貯留する貯留槽22と、貯留槽22から培地部21に毛管現象により栽培液Qを流通する送液部23と、貯留槽22内の栽培液Qの水位が一定に保たれるよう貯留槽22内の栽培液Qの減少量に応じて貯留槽22に栽培液Qを供給する供給機構24と、貯留槽22内の栽培液Qの減少量又は供給機構24から貯留槽22への栽培液Qの供給量に基づいて作物Pの吸液量情報を経時的に算出する演算手段25と、培地部21、貯留槽22及び送液部23を支持する架台26とを有する。
培地部21は、樋状の枠体21a内に複数の粒子21bが充填された構成を有する。培地部21は、枠体21aの長手方向に複数の作物Pを活着可能に構成されてもよく、1つの作物Pのみを活着可能に構成されてもよい。枠体21aは、長手方向と垂直方向の断面がU字状である。枠体21aは、透水性及び防根性を有する帯状の透水シートによって構成されている。上記透水シートは、幅方向(長手方向と垂直な水平方向)の中心部を下方に弛ませた状態で幅方向の両端部が架台26に固定されている。枠体21aの素材としては、特に限定されるものではなく、例えば紙、織布、不織布等が挙げられる。
貯留槽22は、後述の栽培液槽24aから供給される栽培液Qを一時貯留する。貯留槽22は枠体21bの下方に配設されている。貯留槽22は樋状に形成されている。貯留槽22の長手方向と枠体21bの長手方向とは平行である。
送液部23はシート体である。送液部23の具体的な平面形状は特に限定されないが、例えば矩形状、好ましくは長方形状である。送液部23は、短手方向の一端が貯留槽22に貯留される栽培液Q中に浸漬している。また、送液部23は、他端側(栽培液Q中に浸漬される側と反対側)の一部が枠体21aの底部と当接している。これにより、貯留槽22に貯留される栽培液Qを毛管現象により揚水し、枠体21aの底部に供給可能に構成されている。送液部23の材質としては、毛管現象により栽培液Qを揚水し、この栽培液Qを枠体21aの底部に供給できるものであれば特に限定されないが、例えば不織布、ロックウール、フェルト、ポリウレタン等の合成樹脂などが挙げられる。
供給機構24は、栽培液Qを貯留する栽培液槽24aと、栽培液槽24aに貯留される栽培液Qを貯留槽22に圧送可能なポンプ24bと、貯留槽22の水位を検出するセンサ24cと、貯留槽22における栽培液Qの水位が一定以下である場合に栽培液槽24aから貯留槽22に栽培液Qを供給するようにポンプ24bを駆動すると共に、貯留槽22における栽培液Qの水位が一定以上となった場合にポンプ24bの駆動を停止する駆動制御部24dとを有する。
センサ24cは、所定間隔で経時的に貯留槽22の水位を検出する。センサ24cによる水位の検出間隔としては、特に限定されないが、例えば1秒以上60秒以下の一定間隔とすることができる。センサ24cの種類としては、貯留槽22の水位を経時的に検出することができる限り特に限定されるものではなく、光学式、フロート式、静電容量式、超音波式等のレベルセンサを用いることができる。
駆動制御部24dは、センサ24cで検出された貯留槽22の水位を基にポンプ24bを駆動制御する。栽培ユニット4は、後述するように演算手段25がセンサ24cで検出された貯留槽22の水位の変化を容量に換算するよう構成されていてもよい。駆動制御部24dは、演算手段25で算出される容量分の栽培液Qを貯留槽22に供給するようポンプ24bを駆動制御するよう構成されてもよく、センサ24cで検出される貯留槽22の水位が一定になるまでポンプ24bを駆動制御するよう構成されてもよい。
演算手段25は、CPUを含んで構成される。栽培ユニット4は、毛管現象によって栽培液Qを培地部21に流通するので、貯留槽22内の栽培液Qの減少量を作物Pの吸液量と一致させることができる。演算手段25は、例えばセンサ24cで検出された貯留槽22の水位の変化を容量に換算し、この容量を作物Pの吸液量情報として算出する。一方、演算手段25は、栽培液槽24aから貯留槽22に栽培液Qを供給する供給管内に設けられる流量計35によって計測される栽培液Qの流量から作物Pの吸液量情報を求めてもよい。なお、演算手段25が貯留槽22への栽培液Qの供給量に基づいて作物Pの吸液量情報を求める場合、流量計35が演算手段25を兼ねることも可能である。
日射量取得機構27としては、作物Pに照射される日射量情報を取得可能な公知の器具を用いることができ、例えば照度計を用いることができる。
風速取得機構28としては、上記栽培空間における風速を測定可能な公知の器具を用いることができ、例えば風速計を用いることができる。風速取得機構28は、上記栽培空間の複数個所で測定した風速の平均値を上記栽培空間の風速として求めてもよく、上記栽培空間の任意の1点の風速を上記栽培空間の風速として求めてもよい。
飽差取得機構29としては、上記栽培空間における飽差情報を直接取得可能な器具を用いてもよいし、温度及び相対湿度を計測し、これらの値から飽差情報を間接的に取得するものでもよい。相対湿度を計測する湿度計としては、公知のものが使用でき、例えば乾湿計を用いることができる。
光強度調節機構30としては、作物Pへ照射される光の光強度を調節可能な公知の部材を用いることができ、例えば遮光カーテン等の遮光部材を用いることができる。
肥料濃度調節機構31としては、作物Pに供給する栽培液Qの肥料濃度を調節可能な公知の構成を用いることができる。肥料濃度調節機構31は、例えば栽培液槽24aに貯留される栽培液Qの肥料濃度を調節するものであってもよく、栽培液槽24aから排出された栽培液Qの肥料濃度を調節するものであってもよい。また、肥料濃度調節機構31は、栽培液Qにおける水量を調節することで肥料濃度を調節するものであってもよく、栽培液Qにおける肥料の含有量を調節することで肥料濃度を調節するものであってもよい。
風速調節機構32としては、例えば当該栽培システムが室内空間を用いたものである場合、天窓や側窓等、屋外に連通する窓の開閉機構や循環ファンが挙げられる。
温度調節機構33としては、上記栽培空間の温度を調節可能な公知の部材を用いることができ、例えばスプリンクラー、ミスト発生器、送風ファン等を用いることができる。また、温度調節機構33としては、栽培ユニット4が室内空間に設置される場合、ヒートポンプ等の冷暖房器、窓の開閉機構等を用いることも可能である。
湿度調節機構34としては、上記栽培空間の湿度を調節可能な公知の部材を用いることができ、例えば上述の遮光カーテン、スプリンクラー、ミスト発生器、送風ファン、窓の開閉機構等を用いることができる。
生育情報送信手段11aは、作物Pの見た目に依拠しない生育情報を管理サーバ3に送信する。生育情報送信手段11aは、演算手段25で算出された吸液量情報を含む生育情報を管理サーバ3に送信する。当該栽培システム1は、送液部23が毛管現象によって栽培液Qを培地部21に流通することで作物Pの吸液量を培地部21への供給量と略一致させることができるので、作物Pの吸液量情報を演算手段25によって容易かつ確実に算出することができる。従って、当該栽培システム1は、生育情報送信手段11aによって作物Pの正確な吸液量を送信することができる。生育情報送信手段11aは、演算手段25で算出された吸液量情報のみを作物Pの生育情報として管理サーバ3に送信してもよく、上記吸液量情報に加え、日射量取得機構27で取得された日射量情報、風速取得機構28で取得された風速情報及び飽差取得機構29で取得された飽差情報の少なくともいずれか1つを作物Pの生育情報として管理サーバ3に送信してもよい。つまり、上記生育情報は、上記吸液量情報に加え、日射量情報、風速情報及び飽差情報の少なくともいずれか1つを含んでいてもよい。またこの場合、生育情報送信手段11aは、上記吸液量情報、日射量情報、風速情報及び飽差情報をそのまま管理サーバ3に送信してもよく、例えば制御手段15によって積算吸液量情報、積算日射量情報、平均風速情報及び平均飽差情報を算出したうえで管理サーバ3に送信してもよい。さらに、生育情報送信手段11aは、上記吸液量情報、日射量情報、風速情報及び飽差情報をそれぞれ送信してもよく、これらの情報に所定の演算を加えた情報を管理サーバ3に送信してもよい。当該栽培システム1は、上記生育情報が、上記吸液量情報に加え、日射量情報、風速情報及び飽差情報の少なくともいずれか1つを含むことによって、作物Pを生長させるうえでより適切な外部環境を加味した生育情報を得ることができる。
生育情報受信手段13aは、上述のように生育情報送信手段11aで送信される生育情報を受信する。
生育環境算出手段14aは、複数の端末2から送信される栽培液Qの吸液量情報を含む作物Pの生育情報をデータベース12に格納される最適生育情報と比較し、作物Pに適した生育環境情報を算出する。生育環境算出手段14aは、例えば生育情報受信手段13aで生育情報として作物Pの吸液量情報を受信した場合、この吸液量情報に基づく作物Pに適した生育環境情報を算出する。この場合、例えばデータベース12が、上述のようにA=nMによって表される最適生育情報を格納し、生育環境算出手段14aはこの最適生育情報に近づけるための作物Pの生育環境情報を算出する。
生育環境情報送信手段13bは、生育情報送信手段11aで上記生育情報を送信した端末2に、この生育情報に対して生育環境算出手段14aで算出された生育環境情報を送信する。
生育環境情報受信手段11bは、生育環境情報送信手段13bで送信される生育環境情報を受信する。
次に、図3を参照して本発明の一実施形態に係る栽培方法について説明する。当該栽培方法は、情報通信ネットワークを介して作物の生育を管理する。当該栽培方法は、作物が栽培される圃場で用いられ、この作物の生育情報を取得可能な複数の端末と、作物を生育するのに適した上記生育情報に対応する最適生育情報を格納するデータベースを有し、複数の端末とネットワーク通信可能な管理サーバとを用いる。当該栽培方法は、図1の栽培システム1を用いて好適に実施することができる。そのため、以下では図1の栽培システム1を用いる場合について説明する。
S01は、生育情報送信手段11aによって行われる。S01では、作物Pの見た目に依拠しない生育情報を管理サーバ3に送信する。S01では、演算手段25で算出された吸液量情報を含む生育情報を管理サーバ3に送信する。S01では、演算手段25で算出された吸液量情報のみを作物Pの生育情報として管理サーバ3に送信してもよく、上記吸液量情報に加え、日射量取得機構27で取得された日射量情報、風速取得機構28で取得された風速情報及び飽差取得機構29で取得された飽差情報の少なくともいずれか1つを作物Pの生育情報として管理サーバ3に送信してもよい。つまり、上記生育情報は、上記吸液量情報に加え、日射量情報、風速情報及び飽差情報の少なくともいずれか1つを含んでいてもよい。またこの場合、S01では、上記吸液量情報、日射量情報、風速情報及び飽差情報をそのまま管理サーバ3に送信してもよく、例えば制御手段15によって積算吸液量情報、積算日射量情報、平均風速情報及び平均飽差情報を算出したうえで管理サーバ3に送信してもよい。さらに、S01では、上記吸液量情報、日射量情報、風速情報及び飽差情報をそれぞれ送信してもよく、これらの情報に所定の演算を加えた情報を管理サーバ3に送信してもよい。
S02は、生育情報受信手段13aによって行われる。S02では、上述のようにS01で送信される生育情報を受信する。
S03は、生育環境算出手段14aによって行われる。S03では、例えばS02で生育情報として作物Pの吸液量情報を受信した場合、この吸液量情報に基づく作物Pに適した生育環境情報を算出する。この場合、例えばデータベース12が上述のようにA=nMによって表される最適生育情報を格納し、S03でこの最適生育情報に近づけるための作物Pの生育環境情報を算出する。
S04は、生育環境情報送信手段13bによって行われる。S04では、S01で上記生育情報を送信した端末2に、この生育情報に対してS03で算出された生育環境情報を送信する。
S05は、生育環境情報受信手段11bによって行われる。S05では、S04で送信される生育環境情報を受信する。
<栽培システム>
図4の栽培システム41は、情報通信ネットワークXを介して作物Pの生育を管理する。当該栽培システム41は、作物Pが栽培される圃場で用いられ、この作物Pの生育情報を取得可能な複数の端末42と、複数の端末42とネットワーク通信可能な管理サーバ3と、作物Pを栽培可能な複数の栽培ユニット4とを備える。当該栽培システム41は、栽培ユニット4及びこの栽培ユニット4に対応する端末42が情報通信可能に構成されている。当該栽培システム41は、栽培ユニット4及びこの栽培ユニット4に対応する端末42が栽培装置43を構成している。なお、管理サーバ3、栽培ユニット4及び情報通信ネットワークXとしては、図1の栽培システム1と同様とすることができるため、同一符号を付して説明を省略する。
端末42は、対応する栽培ユニット4と一体的に設けられてもよく、別体として設けられてもよい。栽培ユニット4と別体として設けられる場合の端末42としては、例えばスマートフォン、タブレット端末、PDA、PC、ウェアラブルPC、ゲーム機等の携帯型又は据置き型端末が挙げられる。
生育情報取得手段45aは、演算手段25で算出された作物Pの吸液量情報を含む作物Pの生育情報を取得する。生育情報取得手段45aは、上述の生育情報取得機構36で取得された生育情報を取得する。生育情報取得手段45aは、上記吸液量情報に加え、日射量情報、風速情報及び飽差情報の少なくともいずれか1つを含む生育情報を取得することが好ましい。
生育環境制御手段45bは、生育環境情報受信手段44bで受信した生育環境情報に基づいて作物Pの生育環境を制御する。生育環境制御手段45bは、上述の生育環境調節機構37を制御することで生育環境を制御する。生育環境制御手段45bは、生育環境情報受信手段44bが生育環境情報を受信すると作物Pの生育環境を自動的に制御するよう構成されていることが好ましい。生育環境制御手段45bによって制御する生育環境は、光強度、栽培液Qの肥料濃度、風速、温度及び湿度の少なくともいずれか1つであるとよい。生育環境制御手段45bは、光強度調節機構30を制御することで作物Pに照射される光強度を制御可能に構成されている。生育環境制御手段45bは、肥料濃度調節機構31を制御することで作物Pに供給する栽培液Qの肥料濃度を制御可能に構成されている。生育環境制御手段45bは、風速調節機構32を制御することで上記栽培空間の風速を制御可能に構成されている。生育環境制御手段45bは、温度調節機構33を制御することで上記栽培空間の温度を制御可能に構成されている。生育環境制御手段45bは、湿度調節機構34を制御することで上記栽培空間の湿度を制御可能に構成されている。
次に、図5を参照して図4の栽培システム41を用いた栽培方法について説明する。当該栽培方法は、情報通信ネットワークXを介して作物Pの生育を管理する。当該栽培方法は、作物Pが栽培される圃場で用いられ、この作物Pの生育情報を取得可能な複数の端末42と、作物Pを生育するのに適した上記生育情報に対応する最適生育情報を格納するデータベース12を有し、複数の端末42とネットワーク通信可能な管理サーバ3とを用いる。
S11は、生育情報取得手段45aによって行われる。S11では、演算手段25で算出された作物Pの吸液量情報を含む作物Pの生育情報を取得する。S11では、上述の生育情報取得機構36で取得された生育情報を取得する。S11では、上記吸液量情報に加え、日射量情報、風速情報及び飽差情報の少なくともいずれか1つを含む生育情報を取得することが好ましい。
S17は、生育環境制御手段45bによって行われる。S17では、上述の生育環境調節機構37を制御することで生育環境を制御する。S17では、S16で生育環境情報を受信すると作物Pの生育環境を自動的に制御することが好ましい。S17で制御する生育環境は、光強度、栽培液Qの肥料濃度、風速、温度及び湿度の少なくともいずれか1つであるとよい。S17では、光強度調節機構30を制御することで作物Pに照射される光強度を制御する。また、S17では、肥料濃度調節機構31を制御することで作物Pに供給する栽培液Qの肥料濃度を制御する。また、S17では、風速調節機構32を制御することで上記栽培空間の風速を制御する。また、S17では、温度調節機構33を制御することで上記栽培空間の温度を制御する。また、S17では、湿度調節機構34を制御することで上記栽培空間の湿度を制御する。
<栽培システム>
図6の栽培システム51は、情報通信ネットワークXを介して作物Pの生育を管理する。当該栽培システム51は、作物Pが栽培される圃場で用いられ、この作物Pの生育情報を取得可能な複数の端末52と、複数の端末52とネットワーク通信可能な管理サーバ53とを備える。また、当該栽培システム51は、作物Pを栽培可能な複数の栽培ユニット4を備える。
希望情報送信手段54bは、端末52の操作に基づいて作物Pの品質、収量又は収穫時期に関する希望情報を送信する。具体的には、希望情報送信手段54bは、作物Pの果実の甘みを高めたい、収量を増やしたい、収穫時期を早めたい等の作業者の希望情報を管理サーバ53に送信する。この希望情報は、作業者が任意に入力した情報であってもよく、当該栽培システム51において予め設定された項目から選択されたものであってもよい。
希望情報受信手段56bは、上述のように希望情報送信手段54bで送信される希望情報を受信する。
生育環境算出手段57aは、複数の端末52から送信される栽培液Qの吸液量情報を含む作物Pの生育情報に希望情報受信手段56bで受信した希望情報を加味したうえで作物Pに適した生育環境情報を算出する。生育環境算出手段57aは、データベース58に格納される最適生育情報に対して作物Pの生長を促進又は抑制するよう補正した生育環境情報を算出する。
次に、図7を参照して図6の栽培システム51を用いた栽培方法について説明する。当該栽培方法は、情報通信ネットワークXを介して作物Pの生育を管理する。当該栽培方法は、作物Pが栽培される圃場で用いられ、この作物Pの生育情報を取得可能な複数の端末52と、作物Pを生育するのに適した上記生育情報に対応する最適生育情報を格納するデータベース58を有し、複数の端末52とネットワーク通信可能な管理サーバ53とを用いる。
S23は、希望情報送信手段54bによって行われる。S23では、端末52の操作に基づいて作物Pの品質、収量又は収穫時期に関する希望情報を送信する。具体的には、S23では、作物Pの果実の甘みを高めたい、収量を増やしたい、収穫時期を早めたい等の作業者の希望情報を管理サーバ53に送信する。この希望情報は、作業者が任意に入力した情報であってもよく、予め設定された項目から選択されたものであってもよい。
S24は、希望情報受信手段56bによって行われる。S24では、上述のようにS23で送信される希望情報を受信する。
S25は、生育環境算出手段57aによって行われる。S25では、S22で受信した生育情報にS24で受信した希望情報を加味したうえで作物Pに適した生育環境情報を算出する。S25では、データベース58に格納される最適生育情報に対して作物Pの生長を促進又は抑制するよう補正した生育環境情報を算出する。
<栽培システム>
図8の栽培システム61は、情報通信ネットワークXを介して作物Pの生育を管理する。当該栽培システム61は、作物Pが栽培される圃場で用いられ、この作物Pの生育情報を取得可能な複数の端末62と、複数の端末62とネットワーク通信可能な管理サーバ63とを備える。また、当該栽培システム61は、作物Pを栽培可能な複数の栽培ユニット4を備える。
次に、図9を参照して図8の栽培システム61を用いた栽培方法について説明する。当該栽培方法は、情報通信ネットワークXを介して作物Pの生育を管理する。当該栽培方法は、作物Pが栽培される圃場で用いられ、この作物Pの生育情報を取得可能な複数の端末62と、作物Pを生育するのに適した上記生育情報に対応する最適生育情報を格納するデータベース68を有し、複数の端末62とネットワーク通信可能な管理サーバ63とを用いる。
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
2,42,52,62 端末
3,53,63 管理サーバ
4 栽培ユニット
11,13,44,54,56,64,66 通信手段
11a,44a,54a,64a 生育情報送信手段
11b,44b,54c,64b 生育環境情報受信手段
12,58,68 データベース
13a,56a,66a 生育情報受信手段
13b,56c,66b 生育環境情報送信手段
14,15,45,55,57,65,67 制御手段
14a,57a,67a 生育環境算出手段
21 培地部
21a 枠体
21b 粒子
22 貯留槽
23 送液部
24 供給機構
24a 栽培液槽
24b ポンプ
24c センサ
24d 駆動制御部
25 演算手段
26 架台
27 日射量取得機構
28 風速取得機構
29 飽差取得機構
30 光強度調節機構
31 肥料濃度調節機構
32 風速調節機構
33 温度調節機構
34 湿度調節機構
35 流量計
36 生育情報取得機構
37 生育環境調節機構
43 栽培装置
45a 生育情報取得手段
45b 生育環境制御手段
54b 希望情報送信手段
56b 希望情報受信手段
64c 生育結果情報送信手段
66c 生育結果情報受信手段
P 作物
Q 栽培液
X 情報通信ネットワーク
Claims (8)
- 情報通信ネットワークを介して作物の生育を管理する栽培システムであって、
上記作物が栽培される圃場で用いられ、この作物の生育情報を取得可能な1又は複数の端末と、
上記1又は複数の端末とネットワーク通信可能な管理サーバと
を備え、
上記1又は複数の端末が、
栽培液の吸液量情報を含む上記作物の生育情報を上記管理サーバに送信する生育情報送信手段と、
上記管理サーバから上記生育情報に基づく上記作物の栽培に適した生育環境情報を受信する生育環境情報受信手段と
を有し、
上記管理サーバが、
上記作物を生育するのに適した上記生育情報に対応する最適生育情報を格納するデータベースと、
上記1又は複数の端末から上記生育情報送信手段で送信される生育情報を受信する生育情報受信手段と、
上記生育情報受信手段で受信した生育情報を上記データベースに格納される最適生育情報と比較し、上記作物に適した生育環境情報を算出する生育環境算出手段と、
上記生育環境算出手段で算出した生育環境情報を上記生育情報送信手段で生育情報を送信した端末に送信する生育環境情報送信手段と
を有する栽培システム。 - 上記1又は複数の端末が、上記作物の品質、収量又は収穫時期に関する希望情報を上記管理サーバに送信する希望情報送信手段を有し、
上記管理サーバが、上記希望情報送信手段で送信される希望情報を受信する希望情報受信手段を有し、
上記生育環境算出手段が、上記希望情報を加味した上記生育環境情報を算出する請求項1に記載の栽培システム。 - 上記生育環境情報が、光強度情報、上記栽培液の肥料濃度情報、風速情報、温度情報及び湿度情報の少なくともいずれか1つである請求項1又は請求項2に記載の栽培システム。
- 上記生育情報が、さらに積算日射量情報、平均風速情報及び平均飽差情報の少なくともいずれか1つを含む請求項1、請求項2又は請求項3に記載の栽培システム。
- 上記1又は複数の端末が、上記生育環境情報受信手段で受信した生育環境情報に基づいて上記作物を栽培した生育結果情報を上記管理サーバに送信する生育結果情報送信手段を有し、
上記管理サーバが、上記生育結果情報を受信する生育結果情報受信手段を有する請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の栽培システム。 - 作物を活着させる培地部と、
栽培液を貯留する貯留槽と、
上記貯留槽から上記培地部に毛管現象により栽培液を流通する送液部と、
上記貯留槽内の栽培液の水位が一定に保たれるよう上記貯留槽内の栽培液の減少量に応じて上記貯留槽に栽培液を供給する供給機構と、
上記貯留槽内の栽培液の減少量又は上記供給機構から上記貯留槽への栽培液の供給量に基づいて上記作物の吸液量情報を経時的に算出する演算手段と
を有する栽培ユニットをさらに備え、
上記生育情報送信手段が、上記演算手段で算出された吸液量情報を含む生育情報を上記管理サーバに送信する請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の栽培システム。 - 作物が栽培される圃場で用いられ、この作物の生育情報を取得可能な1又は複数の端末とネットワーク通信可能な管理サーバであって、
上記作物を生育するのに適した上記生育情報に対応する最適生育情報を格納するデータベースと、
上記1又は複数の端末から送信される栽培液の吸液量情報を含む上記作物の生育情報を上記データベースに格納される最適生育情報と比較し、上記作物に適した生育環境情報を算出する生育環境算出手段と、
上記生育環境算出手段で算出した生育環境情報を上記生育情報を送信した端末に送信する生育環境情報送信手段と
を有する管理サーバ。 - 情報通信ネットワークを介して作物の生育を管理する栽培方法であって、
上記作物が栽培される圃場で用いられ、この作物の生育情報を取得可能な1又は複数の端末と、
上記作物を生育するのに適した上記生育情報に対応する最適生育情報を格納するデータベースを有し、上記1又は複数の端末とネットワーク通信可能な管理サーバと
を用い、
上記1又は複数の端末が栽培液の吸液量情報を含む上記作物の生育情報を上記管理サーバに送信する生育情報送信ステップと、
上記管理サーバが上記1又は複数の端末から上記生育情報送信ステップで送信される生育情報を受信する生育情報受信ステップと、
上記管理サーバが上記生育情報受信ステップで受信した生育情報を上記データベースに格納される最適生育情報と比較し、上記作物に適した生育環境情報を算出する生育環境算出ステップと、
上記管理サーバが上記生育環境算出ステップで算出した生育環境情報を上記生育情報送信ステップで生育情報を送信した端末に送信する生育環境情報送信ステップと、
上記1又は複数の端末が上記管理サーバから上記生育環境情報送信ステップで送信される生育環境情報を受信する生育環境情報受信ステップと
を有する栽培方法。
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JP2015053927A (ja) * | 2013-09-13 | 2015-03-23 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 作物育成システム |
JP2016049102A (ja) * | 2014-08-29 | 2016-04-11 | 株式会社リコー | 圃場管理システム、圃場管理方法、プログラム |
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