JPWO2019142641A1 - 回折光学素子、光学系、光学機器及び回折光学素子の製造方法 - Google Patents

回折光学素子、光学系、光学機器及び回折光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

回折効率の低下を最小限に抑えながら、フレアの色づきが小さく、光学性能に影響のない優れた回折光学素子、この回折光学素子を用いた光学系及び光学機器を提供する。光学機器であるカメラ1の光学系OLに用いられ、回折格子を有することによりレンズとして作用する回折光学素子GDは、光軸Zを中心とした中央領域Acにおける回折格子の格子高さh0よりも、周辺領域Apにおける回折格子の格子高さhmaxの方が高くなるように構成されている。

Description

本発明は、回折光学素子、光学系、光学機器及び回折光学素子の製造方法に関する。
従来、長焦点距離の撮影光学系に好適なレンズタイプとして、物体側から順に正の屈折力を有する第1レンズ群と負の屈折力を有する第2レンズ群とを有する光学系である、いわゆる望遠レンズにおいて、レンズ面あるいは光学系の一部に回折作用を有する回折格子を設けた回折光学素子を用いて、色収差を減じる方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、特許文献1は、さらなる光学性能の向上が要望されているという課題があった。
特開2016−173439号公報
本発明の第一の態様に係る回折光学素子は、回折格子を有することによりレンズとして作用する回折光学素子であって、光軸を中心とした中央領域における回折格子の格子高さよりも、周辺領域における回折格子の格子高さの方が高い。
本発明の第二の態様に係る回折光学素子は、ブレーズ形状の回折格子を有することによりレンズとして作用する回折光学素子であって、波長毎の回折効率が異なる2以上の領域を有し、2以上の領域は、光軸を中心とし、所定の規格化半径よりも内側の領域である中央領域と、所定の規格化半径よりも外側の周辺領域とを含み、次式の条件を満足する。
0.50 <rs < 0.98
E_in < E_out
E_in > 90%
E_out > 90%
但し、
rs:所定の規格化半径(光軸からの当該光軸と直交する方向の高さを有効径で除した値)
E_in:中央領域における回折格子のC線での回折効率
E_out:周辺領域における回折格子のC線での回折効率
本発明の第三の態様に係る回折光学素子は、ブレーズ形状の回折格子を有することによりレンズとして作用する回折光学素子であって、波長毎の回折効率が異なる2以上の領域を有し、2以上の領域は、光軸を中心とし、所定の規格化半径よりも内側の領域である中央領域と、所定の規格化半径よりも外側の周辺領域とを含み、次式の条件を満足する。
0.50 < rs <0.98
W_in < W_out
5nm < W_out−W_in < 50nm
但し、
rs:所定の規格化半径(光軸からの当該光軸と直交する方向の高さを有効径で除した値)
W_in:中央領域の回折格子において最も回折効率の高い波長
W_out:周辺領域の回折格子において最も回折効率の高い波長
本発明の第一の態様に係る回折光学素子の製造方法は、回折格子を有することによりレンズとして作用する回折光学素子の製造方法であって、回折格子を、光軸を中心とした中央領域における回折格子の格子高さよりも、周辺領域における回折格子の格子高さの方が高くなるように形成する。
第1の実施形態に係る回折光学素子の断面を示す模式図である。 第2の実施形態に係る回折光学素子の断面を示す模式図である。 第2の実施形態に係る回折光学素子における規格化半径と格子高さの関係を示す説明図である。 第2の実施形態に係る回折光学素子における中間領域における格子高さを示す説明図である。 第3及び第4の実施形態に係る回折光学素子において、格子高さ毎の波長とフレア比率の関係を示す説明図である。 本実施形態に係る回折光学素子をレンズ面に形成したときの格子高さを示す説明図である。 第1実施例に係る回折光学素子のスポット像を示す説明図であって、(a)はrc=0.97のときのスポット像を示し、(b)は(a)のスポット像の境界を模式的に示し、(c)はrc=1.00のときのスポット像を示し、(d)は(c)のスポットの像の境界を模式的に示す。 第2実施例に係る回折光学素子のスポット像を示す説明図であって、(a)はrc=0.93のときのスポット像を示し、(b)は(a)のスポット像の境界を模式的に示し、(c)はrc=1.00のときのスポット像を示し、(d)は(c)のスポットの像の境界を模式的に示す。 第1実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 第1実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 第2実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 第2実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 第3実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 第3実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 第4実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 第4実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 第5実施例に係る光学系の無限遠合焦状態におけるレンズ構成を示す断面図である。 第5実施例に係る光学系の無限遠合焦状態における諸収差図である。 上記光学系を搭載するカメラの断面図である。 回折光学素子の製造方法を示すフローチャートである。
以下、好ましい実施形態について図面を参照して説明する。
回折光学素子は、微小間隔(1mm)当たり数本程度の特定の間隔で設けられたスリット状もしくは階段状、あるいはのこぎりの刃状(ブレーズ形状)の格子構造を備えて作られた光学素子であり、光が入射されると、スリットやブレーズのピッチ(間隔)と光の波長とで定まる方向に回折光束を生じさせる性質を有している。このような回折光学素子は種々の光学系に用いられており、例えば、最近では、特定次数の回折光を一点に集めてレンズとして使用するものなどが知られている。
このような回折光学素子を用いることにより、色収差等の諸収差を良好に補正しつつ、テレ比の小さい(レンズ全長の短い)、高い光学性能を有した望遠型の光学系(望遠レンズ)を実現することができる。特に、軸上色収差においては、一般的な2波長で軸上色収差が補正されるアクロマート補正に対し、回折光学素子を用いることにより3波長で軸上色収差が補正されるアポクロマート補正が可能となる。
回折光学素子の回折光学面に入射した光線は、複数の次数の回折光に分かれる。一般に、回折光学素子では、使用波長領域の光束が特定の次数(以下、「設計次数」と称する。)に集中させ、設計次数の回折光の回折効率が設計波長(λ0)において最適化されるようにその格子構造を決定する。しかしながら、回折光の回折効率は波長依存性を示すため、設計波長(λ0)近傍の波長における回折効率が最も高く、設計波長(λ0)からのずれが大きくなるにつれて、回折効率は低下する。このため、使用する光線の波長が広帯域に渡る場合、設計波長(λ0)近傍以外の波長では、設計次数以外の次数の回折光(以下、「不要回折光」と称する。)が強度を有するようになる。なお、設計次数とは、前記回折格子で回折されたn次、n±1次、n±2次・・・の回折次数の回折光のうち、強度が最大となる回折光の回折次数のことをいう。
回折光学素子を用いた望遠レンズでは、設計次数の回折光に対して軸上色収差が補正されるように光学系が設計される。しかしながら、不要回折光の結像位置は設計次数の回折光とは異なるうえ、軸上色収差が補正されないので撮像面上では長波長ほどスポット径の大きなフレア光が生じて問題となる(以下、このフレアのスポット径が波長ごとに異なるために生じる色ズレを、フレアの色づきと称する)。
図1は、低屈折率高分散の第1の光学材料からなる第1回折光学要素G1と、高屈折率低分散の第2の光学材料からなる第2回折光学要素G2とから構成され、第1の回折光学要素G1及び第2の回折光学要素G2の間にブレーズ形状(鋸歯状)の回折格子を形成するブレーズ構造Pr(レリーフパターン)を設けて密着させた密着複層型の回折光学素子GDを示している。なお、図1は、説明を簡単にするために、平面に沿って回折格子(ブレーズ構造)が形成されている場合を示しているが、レンズの曲面上に回折格子(ブレーズ構造)を形成してもよい。また、第1回折光学要素G1と第2回折光学要素G2との間に空気間隔を設けてそれぞれの回折光学要素に回折格子(ブレーズ構造)を形成した分離複層型の回折光学素子や、第2回折光学要素G2を設けずに空気とした単層型の回折光学素子としてもよい。
このような回折光学素子の回折光学面を形成するブレーズ型回折格子においては、設計波長は回折格子のブレーズ構造の前後の物質(図1においては、上述したように、第1回折光学要素G1及び第2回折光学要素G2)の屈折率と、回折格子のブレーズ構造の格子高さによって決定される。格子高さが高いほど、設計波長が長くなり、長波長側の回折効率が向上すると同時に、短波長側の回折効率が低下する。すなわち、フレアの色味について考えると、格子高さが高いほどフレアの赤成分が減って緑や青の成分が強くなる。フレアの色づきでは、緑や青のフレアスポットよりも外側にある赤いフレアに対して、格子高さを部分的に最適化することでこれを減じることができる。
(第1の実施形態)
本実施形態に係る回折光学素子GDは、上述したフレア(特に赤いフレア)の発生を低減させるために、図1に示すように、光軸Zを中心とした中央領域Acにおける回折格子の格子高さよりも、周辺領域Apにおける回折格子の格子高さの方が高くなるように構成されている。
具体的には、本実施形態に係る回折光学素子GDは、以下に示す条件式(1)及び条件式(2)を満足することが望ましい。
0.50 < rc < 0.98 (1)
0.01% < Δh/h0 < 10.00% (2)
但し、
r:規格化半径(光軸Zからの当該光軸Zと直交する方向の高さを有効径で除した値)
h0:0.00<r<0.50における回折格子の格子高さの平均値
hmax:0.98<r<1.00における回折格子の格子高さの平均値
Δh:hmaxとh0との差
rc:格子高さが(h0+hmax)/2となる規格化半径
条件式(1)は、中央領域Acと周辺領域Apとの境界の規格化半径を規定するものである。この条件式(1)の下限値を下回ると、長波長の赤いフレアと短波長の緑や青のフレアのスポット径が重複している(色づきの少ない)部分にまで格子高さを高くした影響が及んでしまい、フレアスポットの内側における緑や青のフレア強度が増すため好ましくない。なお、条件式(1)の効果を確実なものとするために、この条件式(1)の下限値を0.65、更に0.70、0.75、0.80とすることがより望ましい。また、条件式(1)の上限値を上回ると、フレアのスポット径が最も大きい長波長の赤いフレアの大部分が格子高さを変更した効果の及ばない領域となってしまうためフレアの色づきを軽減する効果に乏しくなるため好ましくない。なお、条件式(1)の効果を確実なものとするために、この条件式(1)の上限値を0.978、更に0.975、0.973、0.971とすることがより望ましい。
条件式(2)は、中心領域Acのうち、0.00<r<0.50の領域の格子高さと、周辺領域Apのうち、0.98<r<1.00の領域の格子高さとの差を規定するものである。この条件式(2)の下限値を下回ると、長波長領域(赤色)における回折効率の変化が不十分のため外側(周辺領域)の赤いフレアを軽減する効果に乏しく好ましくない。なお、条件式(2)の効果を確実なものとするために、この条件式(2)の下限値を0.05%、更に0.10%、0.15%、0.20%、0.25%、0.30%とすることがより望ましい。また、条件式(2)の上限値を上回ると、設計波長が長波長側にシフトしすぎることで、短波長領域(緑や青)における回折効率が低下するため内側(中央領域)の緑のフレアが強くなりすぎるため好ましくない。なお、条件式(2)の効果を確実なものとするために、この条件式(2)の上限値を9.00%、更に8.00%、7.00%、6.00%、5.00%とすることがより望ましい。
(第2の実施形態)
また、上述の構成では、規格化半径が0.00から0.50までを中央領域Acとして、当該領域の格子高さの平均値がh0であり、規格化半径が0.98から1.00までを周辺領域Apとして、当該領域の格子高さの平均値がhmaxであるとした場合について説明しているが、図2に示すように、中央領域Acの格子高さをh0とし、周辺領域Apの格子高さをhmaxとなるように回折格子を構成した場合、本実施形態に係る回折光学素子GDは、以下に示す条件式(3)を満足することが望ましい。
Se / (Sc+Sp) ≦ 50% (3)
Sc:中央領域Acの面積
Sp:周辺領域Apの面積
Se:格子高さh0及び格子高さhmax以外の格子高さの回折格子が形成された領域Aeの面積
条件式(3)は、中央領域Acと周辺領域Apを合計した面積に対するそれ以外の領域(格子高さh0及び格子高さhmaxの領域(中間領域))Aeの面積の比を規定するものである。図2に示すように、中央領域Acと周辺領域Apとをつなぐ中間領域Aeは、中央領域Acの格子高さから、この中間領域Aeで段階的に高くして周辺領域Apの格子高さにすることが好ましい。この条件式(3)の上限値を上回ると、中間領域Aeでの色味の変化が緩すぎて、フレアの色づき軽減効果に乏しくなるため好ましくない。なお、この条件式(3)の効果を確実なものとするために、条件式(3)の上限値を45%、更に40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%とすることがより望ましい。
なお、中間領域Aeは、図3や図4のC1に示すように、格子高さh0から格子高さhmaxに緩やかに変化するように構成してもよいし、図4のC2に示すように、中間領域Aeを設けず、格子高さh0から格子高さhmaxにステップ状に変化するように構成してもよい。
(第3の実施形態)
また、本実施形態に係る回折光学素子GDは、上述したフレア(特に赤いフレア)の発生を低減させるために、波長毎の回折効率が異なる2以上の領域を有し、これらの2以上の領域は、光軸を中心とし、所定の規格化半径よりも内側の領域である中央領域Acと、所定の規格化半径よりも外側の周辺領域Apとを含んで構成される。
ここで、回折光学素子GDの回折光学面(回折格子)で回折される波長λの光のうち、1次回折光に対する0次回折光及び2次回折光の比率として、フレア比率F(λ)を次式(a)のように定義する。
F(λ) = (E0(λ)+E2(λ))/E1(λ) (a)
但し、
0(λ):0次回折光の回折効率
1(λ):1次回折光の回折効率
2(λ):2次回折光の回折効率
図5は、回折格子に入射する光の波長に対する、格子高さが低い回折格子のフレア比率と、格子高さが高い回折格子のフレア比率とを示している。本実施形態に係る回折光学素子GDは、以下に示す条件式(4)〜(7)を満足することが望ましい。
E_in < E_out (4)
0.50 <rs < 0.98 (5)
E_in > 90% (6)
E_out > 90% (7)
但し、
rs:所定の規格化半径(光軸からの当該光軸と直交する方向の高さを有効径で除した値)
E_in:中央領域Acにおける回折格子のC線での回折効率
E_out:周辺領域Apにおける回折格子のC線での回折効率
なお、C線での回折効率E(E_in,E_out)は、図5に示すC線でのフレア比率F(F_in,F_out)を用いて次式(b)のように定義する。
E = 1−F (b)
本実施形態に係る回折光学素子GDは、条件式(4)に示すように、中心領域Acにおける回折格子のC線での回折効率よりも、周辺領域ApにおけるC線での回折効率の方が高くなるように構成されている。
条件式(5)は、中央領域Acと周辺領域Apとの境界の規格化半径を規定するものである。この条件式(5)の下限値を下回ると、長波長の赤いフレアと短波長の緑や青のフレアのスポット径が重複している(色づきの少ない)部分にまで格子高さを高くした影響が及んでしまい、フレアスポットの内側における緑や青のフレア強度が増すため好ましくない。なお、条件式(5)の効果を確実なものとするために、この条件式(5)の下限値を0.55、更に0.60、0.65、0.70、0.75、0.80とすることがより望ましい。また、条件式(5)の上限値を上回ると、フレアのスポット径が最も大きい長波長の赤いフレアの部分が格子高さを変更した効果の及ばない領域となってしまうためフレアの色づきを軽減する効果に乏しくなるため好ましくない。なお、条件式(5)の効果を確実なものとするために、この条件式(5)の上限値を0.978、更に0.975、0.973、0.971とすることがより望ましい。
条件式(6)及び条件式(7)は、中央領域Ac及び周辺領域Apにおける回折格子のC線での回折効率を規定するものである。
条件式(6)の下限値を下回ると、フレアの内側の赤みが強く、望ましくない。また、長波長の回折効率が悪くなることでフレア強度が強くなり、コントラスト低下し光学性能が悪化する。なお、条件式(6)の効果を確実なものとするために、条件式(6)の下限値を、91%、更に93%、95%、97%とすることがより望ましい。
条件式(7)の下限値を下回ると、フレアの外側の赤みが強く、中央領域と周辺領域に差を設けたとしても絶対値として赤すぎる。また、フレア強度が強くなり、光学性能が悪化する。なお、条件式(7)の効果を確実なものとするために、条件式(7)の下限値を、91%、更に93%、95%、97%とすることがより望ましい。
また、本実施形態に係る回折光学素子GDは、以下に示す条件式(8)を満足することが望ましい。
F_out/F_in < 0.50 (8)
但し、
F_in:中央領域Acにおける回折格子のC線でのフレア比率
F_out:周辺領域Apにおける回折格子のC線でのフレア比率
条件式(8)は、中央領域Acにおける回折格子のC線でのフレア比率に対する周辺領域Apにおける回折格子のC線でのフレア比率の比を規定するものであり、周辺領域ApのC線でのフレア比率は、中央領域AcのC線でのフレア比率の半分以下が好ましいことを示している。この条件式(8)の上限値を上回ると、赤み低減効果に乏しいため好ましくない。なお、この条件式(8)の効果を確実なものとするために、条件式(8)の上限値を0.45、更に0.40、0.35、0.30、0.25とすることがより望ましい。
なお、本実施形態に係る回折光学素子GDは、450nm〜650nmにおける回折効率が90%以上の光学系に用いられることが望ましい。
(第4の実施形態)
また、本実施形態に係る回折光学素子GDは、上述したフレア(特に赤いフレア)の発生を低減させるために、波長毎の回折効率が異なる2以上の領域を有し、これらの2以上の領域は、光軸を中心とし、所定の規格化半径よりも内側の領域である中央領域Acと、所定の規格化半径よりも外側の周辺領域Apとを含んで構成される。
本実施形態に係る回折光学素子GDは、以下に示す条件式(9)〜(11)を満足することが望ましい。
W_in < W_out (9)
0.50 < ra <0.98 (10)
5nm < W_out−W_in < 50nm (11)
但し、
ra:所定の規格化半径(光軸からの当該光軸と直交する方向の高さを有効径で除した値)
W_in:中央領域Acの回折格子において最も回折効率の高い波長
W_out:周辺領域Apの回折格子において最も回折効率の高い波長
なお、最も回折効率の高い波長が複数存在する場合は、可視光から近赤外において最も短波長側の極小値とする。
この本実施形態に係る回折光学素子GDは、条件式(9)に示すように、中心領域Accの回折格子において最も回折効率の高い波長よりも、周辺領域Apにおいて最も回折効率の高い波長の方が長くなるように構成されている。なお、図5及び式(b)に示すように、最も回折効率がよい波長は最もフレア比率が最も低い波長である。
条件式(10)は、中央領域Acと周辺領域Apとの境界の規格化半径を規定するものである。この条件式(10)の下限値を下回ると、長波長の赤いフレアと短波長の緑や青のフレアのスポット径が重複している(色づきの少ない)部分にまで格子高さを高くした影響が及んでしまい、フレアスポットの内側における緑や青のフレア強度が増すため好ましくない。なお、条件式(10)の効果を確実なものとするために、この条件式(10)の下限値を0.55、更に0.60、0.65、0.70、0.75、0.80とすることがより望ましい。また、条件式(10)の上限値を上回ると、フレアのスポット径が最も大きい長波長の赤いフレアの大部分が格子高さを変更した効果の及ばない領域となってしまうためフレアの色づきを軽減する効果に乏しくなるため好ましくない。なお、条件式(5)の効果を確実なものとするために、この条件式(10)の上限値を0.978、更に0.975、0.973、0.971とすることがより望ましい。
条件式(11)は、中央領域Acの回折格子において最も回折効率の高い波長と周辺領域Apの回折格子において最も回折効率の高い波長との差を規定するものである。この条件式(11)の下限値を下回ると、長波長の赤いフレアと短波長の緑や青のフレアのスポット径が重複している(色づきの少ない)部分にまで格子高さを高くした影響が及んでしまい、フレアスポットの内側における緑や青のフレア強度が高くなり、色づき軽減効果に乏しいため好ましくない。なお、条件式(11)の効果を確実なものとするために、この条件式(11)の下限値を10nm、更に12nm、15nmとすることがより望ましい。また、条件式(11)の上限値を上回ると、フレアのスポット径が最も大きい長波長の赤いフレアの大部分が格子高さを変更した効果の及ばない領域となり、回折効率の低下が大きくなるのに加えて、フレアの中間部が緑色に色づくため好ましくない。なお、条件式(11)の効果を確実なものとするために、この条件式(11)の上限値を45nm、更に40nm、35nm、30nmとすることがより望ましい。
なお、本実施形態に係る回折光学素子GDは、450nm〜650nmにおける回折効率が90%以上の光学系に用いられることが望ましい。
また、上述した本実施形態に係る回折光学素子GDは、有効径内のどの領域においても設計次数が同一であることが望ましい。
また、上述した本実施形態に係る回折光学素子GDは、屈折率の異なる2つの光学材料で構成され、当該光学材料の境界面に前記回折格子が形成されている、いわゆる複層型の回折光学素子であることが望ましい。このような構成とすることにより、可視光全域で回折効率が良くなる。
また、レンズLのレンズ面(曲面)に沿って回折光学素子GDを形成した場合の格子高さhは、図6に示すように、回折格子(ブレーズ構造)の山又は谷を結ぶ線S1,S2の距離(これらの線S1,S2に直交する方向の距離)であるとする。
また、上述した本実施形態に係る回折光学素子GDは、光学系に用いることができる。具体的には、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、を有する光学系OLにおいて、第1レンズ群G1に、上述した回折光学素子GDを設けることにより、回折効率の低下を最小限に抑えながら、フレアの色づきが小さく、光学性能に優れた光学系を提供することができる。
ここで、この光学系OLは、以下に示す条件式(12)を満足することが望ましい。
0.001 < f1/fpf < 0.030 (12)
但し、
f1:第1レンズ群G1の焦点距離
fpf:回折光学素子GDの焦点距離
条件式(12)は、第1レンズ群G1の焦点距離に対する、回折光学素子GDの焦点距離の比を規定している。この条件式(12)を満足することにより、軸上と倍率の色収差を良好に補正することができる。この条件式(12)の下限値を下回ると、回折光学素子GDの焦点距離が長くなり(屈折力が小さくなり)、±1次回折光があまり広がらないのでフレアの色づきが目立たなくなるが、格子高さを途中で変えると、全体として回折効率が低下する弊害の方が大きくなるため好ましくない。なお、条件式(12)の効果を確実なものとするために、この条件式(12)の下限値を0.003、更に0.005、0.008、0.010とすることがより望ましい。また、条件式(12)の上限値を上回ると、回折光学素子GDの焦点距離が短くなり(屈折力が大きくなり)、±1次回折光が広がりすぎて淡く、強度が弱くもともと目立たなくなるが、格子高さを途中で変えると、全体として回折効率が低下する弊害の方が大きくなるため好ましくない。なお、条件式(12)の効果を確実なものとするために、この条件式(12)の上限値を0.025、更に0.020、0.018、0.015することがより望ましい。
なお、以上で説明した条件及び構成は、それぞれが上述した効果を発揮するものであり、全ての条件及び構成を満たすものに限定されることはなく、いずれかの条件又は構成、或いは、いずれかの条件又は構成の組み合わせを満たすものでも、上述した効果を得ることが可能である。
以下、本実施形態に係る回折光学素子GDの製造方法の概要を図20を参照して説明する。まず、回折光学素子GDを構成する回折光学要素を準備する(ステップS100)。ここで、回折光学要素としては、例えば、図1に示す構成の場合は、第1回折光学要素G1及び第2回折光学要素G2である。そして、この回折光学要素に対して、回折格子を、光軸を中心とした中央領域における回折格子の格子高さよりも、周辺領域における回折格子の格子高さの方が高くなるように形成する(ステップS200)。
以上説明したように、本実施形態によると、回折効率の低下を最小限に抑えながら、フレアの色づきが小さく、光学性能に影響のない優れた回折光学素子、この回折光学素子を用いた光学系及び光学機器を提供することができる。
(回折光学素子の実施例)
以下に、上述した回折光学素子GDの実施例について説明する。
[回折光学素子の第1実施例]
第1実施例は、図1に示すように、低屈折率高分散の第1の光学材料からなる第1回折光学要素G1と、高屈折率低分散の第2の光学材料からなる第2回折光学要素G2とから構成され、第1の回折光学要素G1及び第2の回折光学要素G2の間にブレーズ形状(鋸歯状)の回折格子を形成するブレーズ構造Pr(レリーフパターン)を設けて密着させた密着複層型の回折光学素子GDである。なお、波長λの光に対する第1回折光学要素G1の光学材料の屈折率n1(λ)を次式(c)で定義し、第2回折光学要素G2の光学材料の屈折率n2(λ)を次式(d)で定義する。
1(λ) = A0+A1・λ2+A2・λ-2+A3・λ-4
+A4・λ-6+A5・λ-8 (c)
2(λ) = B0+B1・λ2+B2・λ-2+B3・λ-4
+B4・λ-6+B5・λ-8 (d)
また、上述した式(c)及び式(d)に対する係数を次の表1に示す。なお、この表1において、上段がAnに対する係数であり、下段がBnに対する係数である(n=0,1,・・・,5)。
(表1)
A0/B0 A1/B1 A2/B2 A3/B3 A4/B4 A5/B5
2.29366 0.00071 0.019114 0.001897 -0.00028 0.0000304
2.435204 -0.02572 -0.01407 0.009837 -0.0014 0.0000783
このような第1実施例に係る回折光学素子GDにおいて、h0=22.8μm、hmax=23.8μm、すなわちΔh/h0=4.4%とし、rc=0.97とした場合の不要回折光によるフレアの色づきを図7(a)、(b)に示し、輝度を表2に示す。なお、比較のために、rc=1.00の場合(格子高さが有効径内において一定の場合)のフレアの色づきを図7(c)、(d)に示し、輝度を表2に示す。なお、図7(a)、(c)はスポット像であり、図7(b)、(d)は、図7(a)、(c)のスポット像の境界を示す模式図である。
また、表2において、Hはフレアのスポット径に対する径方向の位置を示し、Rは赤色光の輝度を、Gは緑色光の輝度を、Bは青色光の輝度をそれぞれ示す。ここで、輝度を示すR、G、Bのそれぞれの値は、光源を太陽光とし、フレアの強度に対して撮像素子の各波長毎の分光感度とレンズの分光透過率とを乗じたものである。
また、図7(c)、(d)において、スポット像のうち、領域P1は、ほぼ均一な色味の中心部を示し、領域P2は、赤色が目立つ周辺部を示す。なお、図7(a)、(c)において、スポット像の中心の白色の部分は、回折によるフレアではなく光源の像である。
(表2)
rc 0.97 1.00
H R G B R G B
0.80〜0.85 65 20 3 64 4 2
0.85〜0.90 60 2 2 64 2 2
0.90〜0.95 20 0 1 42 1 2
0.95〜1.00 2 0 0 10 0 1
表2及び図7から明らかなように、第1実施例に係る回折光学素子(rc=0.97の回折光学素子)は、従来の回折光学素子(rc=1.00の回折光学素子)に比べて、不要回折光のうち、特に周辺部P2(H=0.85〜1.00)において赤色光(R)の強度が低下し、フレアの色づきが抑えられていることがわかる。
[回折光学素子の第2実施例]
第2実施例は、回折光学素子GDとして、光学ガラス(BK7)を用いて、単層のブレーズド回折格子を形成した場合を示している。すなわち、この回折光学素子GDは、図1において、第2の回折光学要素G2を空気とした単相型の回折光学素子である。
このような第2実施例に係る回折光学素子GDにおいて、h0=1000nm、hmax=1090nm、すなわちΔh/h0=9.0%とし、rc=0.93とした場合の不要回折光によるフレアの色づきを図8(a)、(b)に示し、輝度を表3に示す。なお、比較のために、rc=1.00の場合(格子高さが有効径内において一定の場合)のフレアの色づきを図8(c)、(d)に示し、輝度を表3に示す。なお、図9及び表3の説明は、上述した第1実施例における図8及び表2と同じである。
(表3)
rc 0.93 1.00
H R G B R G B
0.80〜0.85 72 6 2 97 26 3
0.85〜0.90 45 2 2 81 8 2
0.90〜0.95 14 0 1 30 1 1
0.95〜1.00 3 0 0 5 0 0
表3及び図8から明らかなように、第2実施例に係る回折光学素子(rc=0.93の回折光学素子)は、従来の回折光学素子(rc=1.00の回折光学素子)に比べて、不要回折光のうち、特に周辺部P2(H=0.85〜1.00)において赤色光(R)の強度が低下し、フレアの色づきが抑えられていることがわかる。なお、この第2実施例に係る回折光学素子においては、中心部P1と周辺部P2の境界において、少し緑成分が増える中間部分が形成されている。
(光学系の実施例)
次に、上述した回折光学素子GDを用いた光学系の実施例を図面に基づいて説明する。なお、図9、図11、図13、図15及び図17は、各実施例に係る光学系OL(OL1〜OL5)の構成及び屈折率配分を示す断面図である。
ここで、各実施例において、回折光学面の位相形状ψは、次式(e)によって表される。
ψ(h,n) = (2π/(n×λ0))×(C2h2+C4h4) (e)
但し、
h:光軸に対する垂直方向の高さ
n:回折光の次数
λ0:設計波長
Ci:位相係数(i=2,4)
また、任意の波長λ、任意の回折次数mに対する式(e)で表される回折光学面の屈折力φDは、最も低次の位相係数C2を用いて、次式(f)のように表される。
φD(λ,n) = −2×C2×n×λ/λ0 (f)
[光学系の第1実施例]
図9は、第1実施例に係る光学系OL1の構成を示す図である。この光学系OL1は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、開口絞りSと、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とを備え、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させて合焦を行う合焦レンズ群Gfとしている。
第1レンズ群G1は、物体側より順に、両凸正レンズL11、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13とを接合した接合正レンズ、像側に凹面を向け、この凹面に2種類の異なる材料を用いた密着複層型の回折光学素子GDが形成された正メニスカスレンズL14、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16とを接合した接合負レンズで構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸正レンズL21と両凹負レンズL22とを接合した接合負レンズで構成されている。また、第3レンズ群G3は、物体側から順に、両凹負レンズL31と両凸正レンズL32とを接合した接合負レンズ、両凸正レンズL33と両凹負レンズL34とを接合した接合負レンズ、両凹負レンズL35、両凸レンズL36と両凹負レンズL37とを接合した接合正レンズCL31、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL38と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL39とを接合した接合負レンズCL32、及び、両凸正レンズL310と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL311とを接合した接合正レンズCL33で構成されている。また、第3レンズ群G3と像面Iとの間にフィルターFLが配置されている。なお、(表4)に示すレンズデータにおいて、第20面は仮想面を示している。
また、第1実施例に係る光学系OL1は、第3レンズ群G3内の両凸正レンズL33と両凹負レンズL34とを接合した接合負レンズ、及び、両凹負レンズL35を防振群Gvrとし、この防振群Gvrを光軸と直交する方向の変位成分を持つように移動させることにより、光学系OL1の振動等に起因する像位置の変更が補正されるように構成されている。
以下の表4に、光学系OL1の諸元の値を掲げる。この表4において、全体諸元に示すfは全系の焦点距離、FNOはFナンバー、ωは半画角、及び、TLは全長の値を表している。ここで、全長TLは、最も物体側のレンズ面(第1面)から像面Iまでの光軸上の距離を示している。また、レンズデータにおける第1欄mは、光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序(面番号)を、第2欄rは、各レンズ面の曲率半径を、第3欄dは、各光学面から次の光学面までの光軸上の距離(面間隔)を、第4欄νd及び第5欄ndは、d線(λ=587.6nm)に対するアッベ数及び屈折率を、第6欄θgFは部分分散比を示している。また、曲率半径0.0000は平面を示し、空気の屈折率1.00000は省略してある。なお、レンズ群焦点距離は第1〜第3レンズ群G1〜G3各々の始面の番号と焦点距離を示している。
ここで、以下の全ての諸元値において掲載されている焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他長さの単位は一般に「mm」が使われるが、光学系は、比例拡大または比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、これに限られるものではない。また、これらの符号の説明及び諸元表の説明は以降の実施例においても同様である。
(表4)第1実施例
[全体諸元]
f = 391.74403
FNo= 5.76593
ω = 3.12480
TL = 229.99999

[レンズデータ]
m r d νd nd θgF
物面 ∞
1 90.5290 9.0224 70.32 1.487490 0.5291
2 3476.6214 0.2500
3 108.6866 9.7966 70.32 1.487490 0.5291
4 -237.7886 2.5000 44.46 1.612660 0.564
5 179.8167 2.5000
6 80.0400 5.4497 64.13 1.516800 0.5357
7 140.7615 0.2000 33.36 1.527800 0.6291
8* 140.7615 0.3000 49.98 1.557147 0.5688
9 140.7615 15.9286
10 57.9333 2.0000 42.73 1.834810 0.5648
11 32.3388 9.3177 70.32 1.487490 0.5291
12 90.7740 D1
13 132.6572 4.1393 33.72 1.647690 0.593
14 -523.0292 1.7000 50.27 1.719990 0.5527
15 67.7680 D2
16 0.0000 3.0000 S
17 -434.3952 2.0000 46.59 1.816000 0.5567
18 23.9849 4.4832 58.82 1.518230 0.5449
19 -100.9429 0.1000
20 0.0000 1.0000
21 397.4081 3.6000 25.45 1.805180 0.6157
22 -96.5962 1.5000 67.90 1.593190 0.544
23 69.4057 1.5000
24 -199.5009 1.5000 67.90 1.593190 0.544
25 60.2877 4.0000
26 33.8022 6.7774 39.21 1.595510 0.5806
27 -23.0330 2.0000 82.57 1.497820 0.5386
28 49.4624 5.0000
29 257.9794 2.0000 46.59 1.816000 0.5567
30 22.5049 4.5956 44.46 1.612660 0.564
31 76.0065 2.5663
32 38.0090 9.7423 40.98 1.581440 0.5763
33 -24.5636 2.0000 22.74 1.808090 0.6287
34 -105.7609 9.1491
35 0.0000 40.5814
36 0.0000 2.0000 63.88 1.516800 0.536
37 0.0000 BF
像面 ∞

[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 120.3
第2レンズ群 13 -175.5
第3レンズ群 16 -81.2
この光学系OL1において、第8面は回折光学面である。以下の表5に回折光学面データ、すなわち設計波長λ0、次数n並びに各位相係数C2、C4の値を示す。
(表5)
[回折光学面データ]
m λ0 n C2 C4
8 587.6 1.0 -5.00000E-05 3.46148E-10
また、この光学系OL1において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔D1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔D2、及び、バックフォーカスBFは、合焦に際して変化する。次の表6に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び近距離合焦状態における可変間隔を示す。なお、D0は光学系OL1の最も物体側の面(第1面)から物体までの距離を示し、fは焦点距離、βは倍率を示し、バックフォーカスBFは、最も像面側の光学面(第37面)から像面Iまでの光軸上の距離(空気換算長)を示している(この説明は、以降の実施例においても同様である)。
(表6)
[可変間隔データ]
合焦状態 無限遠 中間距離 近距離
f 391.74403 − −
β − -0.03333 -0.22277
D0 ∞ 11775.1260 1770.0002
D1 7.61558 9.90206 24.63002
D2 44.58471 42.29823 27.62027
BF 0.09999 0.10000 0.09999
次の表7に、この光学系OL1における各条件式対応値を示す。
(表7)
fpf=10000.0

[条件式対応値]
(12)f1/fpf=0.012
このように、この光学系OL1は、上記条件式(12)を満足している。
この光学系OL1の無限遠合焦状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を図10に示す。各収差図において、FNOはFナンバー、Yは像高をそれぞれ示す。なお、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値を示し、コマ収差図では各像高の値を示す。dはd線(λ=587.6nm)、gはg線(λ=435.8nm)をそれぞれ示す。非点収差図において、実線はサジタル像面、破線はメリディオナル像面をそれぞれ示す。また、以降に示す各実施例の収差図においても、本実施例と同様の符号を用いる。これらの各収差図より、この光学系OL1は、無限遠合焦状態から近距離合焦状態にわたって諸収差が良好に補正されていることがわかる。
[光学系の第2実施例]
図11は、第2実施例に係る光学系OL2の構成を示す図である。この光学系OL2は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、開口絞りSと、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とを備え、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させて合焦を行う合焦レンズ群Gfとしている。
第1レンズ群G1は、物体側より順に、両凸正レンズL11、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13とを接合した接合正レンズ、像側に凹面を向け2種類の異なる材料を用いた密着複層型の回折光学素子GDが形成された正メニスカスレンズL14、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16とを接合した接合負レンズで構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸正レンズL21と両凹負レンズL22とを接合した接合負レンズで構成されている。また、第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凹負レンズL31と両凸正レンズL32とを接合した接合負レンズ、両凸正レンズL33と両凹負レンズL34とを接合した接合負レンズ、両凹負レンズL35、両凸レンズL36と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL37とを接合した接合正レンズCL31、両凹負レンズL38と両凸正レンズL39とを接合した接合負レンズCL32、及び、両凸正レンズL310と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL311とを接合した接合正レンズCL33で構成されている。なお、(表8)に示すレンズデータにおいて、第20面は仮想面を示している。
また、第2実施例に係る光学系OL2は、第3レンズ群G3内の両凸正レンズL33と両凹負レンズL34とを接合した接合負レンズ、及び、両凹負レンズL35を防振群Gvrとし、この防振群Gvrを光軸と直交する方向の変位成分を持つように移動させることにより、光学系OL2の振動等に起因する像位置の変更が補正されるように構成されている。
以下の表8に、光学系OL2の諸元の値を掲げる。
(表8)第2実施例
[全体諸元]
f = 489.70405
FNo= 5.75019
ω = 2.51062
TL = 279.32422

[レンズデータ]
m r d νd nd θgF
物面 ∞
1 170.0946 12.8000 70.31 1.487490 0.5291
2 -624.7082 0.1000
3 122.1897 14.2000 70.31 1.487490 0.5291
4 -397.5861 4.2000 44.46 1.612660 0.564
5 168.6766 3.0000
6 87.1890 8.4000 64.13 1.516800 0.5356
7 159.3794 0.2000 33.41 1.527800 0.6329
8* 159.3794 0.3000 49.74 1.557100 0.5625
9 159.3794 25.8964
10 82.0499 4.0475 40.66 1.883000 0.5669
11 44.0296 9.9231 70.31 1.487490 0.5291
12 159.8899 D1
13 213.6406 3.5000 33.73 1.647690 0.5931
14 -289.8235 2.0000 50.27 1.719990 0.5527
15 81.1056 D2
16 0.0000 4.6833 S
17 -96.9087 3.0000 46.59 1.816000 0.5567
18 54.5734 4.5000 58.82 1.518230 0.5449
19 -47.3825 4.5000
20 0.0000 0.5000
21 63.6526 3.8251 36.40 1.620040 0.5878
22 -67.1997 1.2000 82.57 1.497820 0.5386
23 38.7110 3.0000
24 -104.6546 1.5000 67.90 1.593190 0.544
25 57.0672 5.0000
26 36.2961 8.4742 41.51 1.575010 0.5765
27 -29.7475 4.0000 82.57 1.497820 0.5386
28 -944.5222 9.8861
29 -43.9902 2.0000 46.59 1.816000 0.5567
30 36.4672 4.9460 44.46 1.612660 0.564
31 -108.4507 0.5000
32 69.7069 8.3459 40.98 1.581440 0.5763
33 -27.7792 2.0000 22.74 1.808090 0.6288
34 -105.8102 BF
像面 ∞

[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 158.7
第2レンズ群 13 -166.5
第3レンズ群 16 -108.5
この光学系OL2において、第8面は回折光学面である。以下の表9に回折光学面データを示す。
(表9)
[回折光学面データ]
m λ0 n C2 C4
8 587.6 1.0 -4.25304E-05 3.00000E-10
また、この光学系OL2において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔D1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔D2、及び、バックフォーカスBFは、合焦に際して変化する。次の表10に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び近距離合焦状態における可変間隔を示す。
(表10)
[可変間隔データ]
合焦状態 無限遠 中間距離 近距離
f 489.70405 − −
β − -0.03333 -0.18012
D0 ∞ 14704.2290 2720.0000
D1 22.24696 25.12411 39.16215
D2 32.25305 29.35590 15.39786
BF 64.39657 64.40466 64.43514
次の表11に、この光学系OL2における各条件式対応値を示す。
(表11)
fpf=11756.3

[条件式対応値]
(12)f1/fpf=0.012
このように、この光学系OL2は、上記条件式(12)を満足している。
この光学系OL2の無限遠合焦状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を図12に示す。これらの各収差図より、この光学系OL2は、無限遠合焦状態から近距離合焦状態にわたって諸収差が良好に補正されていることがわかる。
[光学系の第3実施例]
図13は、第3実施例に係る光学系OL3の構成を示す図である。この光学系OL3は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、開口絞りSと、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とを備え、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させて合焦を行う合焦レンズ群Gfとしている。
第1レンズ群G1は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL11、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13とを接合した接合正レンズ、像側に凹面を向け2種類の異なる材料を用いた密着複層型の回折光学素子GDが形成された正メニスカスレンズL14、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16とを接合した接合正レンズで構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸正レンズL21と両凹負レンズL22とを接合した接合負レンズで構成されている。また、第3レンズ群G3は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31と両凸正レンズL32とを接合した接合負レンズ、両凸正レンズL33と両凹負レンズL34とを接合した接合負レンズ、両凹負レンズL35、両凸正レンズL36と両凹負レンズL37とを接合した接合正レンズCL31、両凸正レンズL38と物体側に凹面を向けた負メニスカスL39とを接合した接合正レンズCL32、及び、両凹負レンズL310と両凸正レンズL311とを接合した接合負レンズCL33で構成されている。また、第3レンズ群G3と像面Iとの間にフィルターFLが配置されている。なお、(表12)に示すレンズデータにおいて、第20面は仮想面を示している。
また、第3実施例に係る光学系OL3は、第3レンズ群G3内の両凸正レンズL33と両凹負レンズL34とを接合した接合負レンズ、及び、両凹負レンズL35を防振群Gvrとし、この防振群Gvrを光軸と直交する方向の変位成分を持つように移動させることにより、光学系OL3の振動等に起因する像位置の変更が補正されるように構成されている。
以下の表12に、光学系OL3の諸元の値を掲げる。
(表12)第3実施例
[全体諸元]
f = 489.60699
FNo= 5.77358
ω = 2.50102
TL = 280.00477

[レンズデータ]
m r d νd nd θgF
物面 ∞
1 122.9476 12.8000 70.32 1.487490 0.5291
2 1170.7859 0.1000
3 138.4197 14.2000 70.32 1.487490 0.5291
4 -404.2440 4.2000 44.46 1.612660 0.564
5 239.1102 3.0000
6 119.7261 6.0000 64.13 1.516800 0.5356
7 182.0193 0.2000 33.36 1.527800 0.6291
8* 182.0193 0.3000 49.98 1.557147 0.5688
9 182.0193 30.5473
10 68.0810 2.5000 40.66 1.883000 0.5668
11 42.3028 10.3591 70.32 1.487490 0.5291
12 139.6949 D1
13 160.1874 3.5000 31.16 1.688930 0.5993
14 -763.1227 1.8000 49.26 1.743200 0.5526
15 72.3797 D2
16 0.0000 4.6833 S
17 184.5427 3.0000 35.72 1.902650 0.5804
18 32.0345 4.5000 46.48 1.582670 0.5663
19 -1347.5920 4.5000
20 0.0000 0.5000
21 108.6182 3.2000 33.72 1.647690 0.593
22 -132.3745 1.2000 70.32 1.487490 0.5291
23 51.5472 2.4500
24 -139.0671 1.3000 67.90 1.593190 0.544
25 71.8302 5.5639
26 30.9587 6.5741 44.46 1.612660 0.564
27 -29.7499 2.0000 67.90 1.593190 0.544
28 27.3446 6.3892
29 38.2118 9.2060 40.98 1.581440 0.5763
30 -22.9829 2.0000 22.74 1.808090 0.6287
31 -33.7014 1.9429
32 -39.4851 2.0000 40.66 1.883000 0.5668
33 57.7841 4.8763 44.46 1.612660 0.564
34 -105.7143 27.2264
35 0.0000 40.5814
36 0.0000 2.0000 63.88 1.516800 0.536
37 0.0000 BF
像面 ∞

[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 156.0
第2レンズ群 13 -169.5
第3レンズ群 16 -102.5
この光学系OL3において、第8面は回折光学面である。以下の表13に回折光学面データを示す。
(表13)
[回折光学面データ]
m λ0 n C2 C4
8 587.6 1.0 -4.00000E-05 3.00000E-10
また、この光学系OL3において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔D1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔D2、及び、バックフォーカスBFは、合焦に際して変化する。次の表14に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び近距離合焦状態における可変間隔を示す。
(表14)
[可変間隔データ]
合焦状態 無限遠 中間距離 近距離
f 489.60699 − −
β − -0.03333 -0.17907
D0 ∞ 14688.0010 2720.0000
D1 23.65867 26.53105 40.54928
D2 31.04134 28.15895 14.21073
BF 0.10477 0.11361 0.14305
次の表15に、この光学系OL3における各条件式対応値を示す。
(表15)
fpf=12500.0

[条件式対応値]
(12)f1/fpf=0.014
このように、この光学系OL3は、上記条件式(12)を満足している。
この光学系OL3の無限遠合焦状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を図14に示す。これらの各収差図より、この光学系OL3は、無限遠合焦状態から近距離合焦状態にわたって諸収差が良好に補正されていることがわかる。
[光学系の第4実施例]
図15は、第4実施例に係る光学系OL4の構成を示す図である。この光学系OL4は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、開口絞りSと、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とを備え、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させて合焦を行う合焦レンズ群Gfとしている。
第1レンズ群G1は、物体側より順に、両凸正レンズL11、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13とを接合した接合正レンズ、像側に凹面を向け2種類の異なる材料を用いた密着複層型の回折光学素子GDが形成された正メニスカスレンズL14、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16とを接合した接合負レンズで構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸正レンズL21と両凹負レンズL22とを接合した接合負レンズで構成されている。また、第3レンズ群G3は、物体側より順に、両凹負レンズL31と両凸正レンズL32とを接合した接合負レンズ、両凸正レンズL33と両凹負レンズL34とを接合した接合負レンズ、両凹負レンズL35、両凸レンズL36と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL37とを接合した接合正レンズ、両凹負レンズL38と両凸正レンズL39とを接合した接合負レンズ、及び、両凸正レンズL310と物体側に凹面を向けた負メニスカスレンズL311とを接合した接合正レンズで構成されている。なお、(表16)に示すレンズデータにおいて、第20面は仮想面を示している。
また、第4実施例に係る光学系OL4は、第3レンズ群G3内の両凸正レンズL33と両凹負レンズL34とを接合した接合負レンズ、及び、両凹負レンズL35を防振群Gvrとし、この防振群Gvrを光軸と直交する方向の変位成分を持つように移動させることにより、光学系OL4の振動等に起因する像位置の変更が補正されるように構成されている。
以下の表16に、光学系OL4の諸元の値を掲げる。
(表16)第4実施例
[全体諸元]
f = 489.86648
FNo= 5.88304
ω = 2.51193
TL = 279.31858

[レンズデータ]
m r d νd nd θgF
物面 ∞
1 177.9322 10.7424 70.31 1.487490 0.5291
2 -684.2028 0.1000
3 122.4566 13.2172 70.31 1.487490 0.5291
4 -434.8886 3.3400 44.46 1.612660 0.564
5 175.1561 2.5000
6 93.5593 9.5000 64.13 1.516800 0.5356
7 182.0193 0.2000 33.41 1.527800 0.6329
8* 182.0193 0.3000 49.74 1.557100 0.5625
9 182.0193 24.6299
10 85.2289 2.7000 40.66 1.883000 0.5669
11 46.6951 9.6422 70.31 1.487490 0.5291
12 167.4939 D1
13 213.7194 3.5000 33.73 1.647690 0.5931
14 -215.1271 2.0000 50.27 1.719990 0.5527
15 81.1151 D2
16 0.0000 4.6833 S
17 -108.6991 3.0000 46.59 1.816000 0.5567
18 51.7879 4.5000 58.82 1.518230 0.5449
19 -47.3380 4.5000
20 0.0000 0.5000
21 58.5515 4.1845 36.40 1.620040 0.5878
22 -71.0652 2.0000 82.57 1.497820 0.5386
23 34.7292 3.0000
24 -96.6917 1.2000 67.90 1.593190 0.544
25 57.7620 5.0000
26 36.6409 8.3877 41.51 1.575010 0.5765
27 -29.6683 3.2259 82.57 1.497820 0.5386
28 -506.0649 8.9942
29 -47.7973 2.0000 46.59 1.816000 0.5567
30 34.9739 5.0330 44.46 1.612660 0.564
31 -108.0742 0.6389
32 61.8976 8.2352 40.98 1.581440 0.5763
33 -29.6045 2.0000 22.74 1.808090 0.6288
34 -156.7818 23.3642
35 0.0000 BF
像面 ∞

[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 160.3
第2レンズ群 13 -164.1
第3レンズ群 16 -111.5
この光学系OL4において、第8面は回折光学面である。以下の表17に回折光学面データを示す。
(表17)
[回折光学面データ]
m λ0 n C2 C4
8 587.6 1.0 -4.06169E-05 3.00000E-10
また、この光学系OL4において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔D1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔D2、及び、バックフォーカスBFは、合焦に際して変化する。次の表18に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び近距離合焦状態における可変間隔を示す。
(表18)
[可変間隔データ]
合焦状態 無限遠 中間距離 近距離
f 489.86648 − −
β − -0.03333 -0.18008
D0 ∞ 14707.6860 2720.0000
D1 28.11673 30.99524 45.01048
D2 32.38327 29.48476 15.54952
BF 42.00002 42.00002 42.00002
次の表19に、この光学系OL4における各条件式対応値を示す。
(表19)
fpf=12310.1

[条件式対応値]
(12)f1/fpf=0.013
このように、この光学系OL4は、上記条件式(12)を満足している。
この光学系OL4の無限遠合焦状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を図16に示す。これらの各収差図より、この光学系OL4は、無限遠合焦状態から近距離合焦状態にわたって諸収差が良好に補正されていることがわかる。
[光学系の第5実施例]
図17は、第5実施例に係る光学系OL5の構成を示す図である。この光学系OL5は、物体側から順に、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、負の屈折力を有する第2レンズ群G2と、開口絞りSと、負の屈折力を有する第3レンズ群G3とを備え、第2レンズ群G2を光軸に沿って移動させて合焦を行う合焦レンズ群Gfとしている。
第1レンズ群G1は、物体側より順に、両凸正レンズL11、両凸正レンズL12と両凹負レンズL13とを接合した接合正レンズ、像側に凹面を向け2種類の異なる材料を用いた密着複層型の回折光学素子GDが形成された正メニスカスレンズL14、及び、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL15と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL16とを接合した接合負レンズで構成されている。また、第2レンズ群G2は、物体側より順に、両凸正レンズL21と両凹負レンズL22とを接合した接合負レンズで構成されている。また、第3レンズ群G3は、物体側より順に、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL31と両凸正レンズL32とを接合した接合負レンズ、両凸正レンズL33と両凹負レンズL34とを接合した接合負レンズ、両凹負レンズL35、両凸正レンズL36と両凹負レンズL37とを接合した接合正レンズCL31、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL38と物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL39とを接合した接合負レンズCL32、及び、両凸正レンズL310と両凹負レンズL311とを接合した接合正レンズCL33で構成されている。なお、(表20)に示すレンズデータにおいて、第20面は仮想面を示している。
また、第5実施例に係る光学系OL5は、第3レンズ群G3内の両凸正レンズL33と両凹負レンズL34とを接合した接合負レンズ、及び、両凹負レンズL35を防振群Gvrとし、この防振群Gvrを光軸と直交する方向の変位成分を持つように移動させることにより、光学系OL5の振動等に起因する像位置の変更が補正されるように構成されている。
以下の表20に、光学系OL5の諸元の値を掲げる。
(表20)第5実施例
[全体諸元]
f = 587.82207
FNo= 5.88304
ω = 2.51193
TL = 334.33637

[レンズデータ]
m r d νd nd θgF
物面 ∞
1 302.4929 12.0000 70.32 1.487490 0.5291
2 -715.9215 0.1000
3 210.7157 15.0000 70.32 1.487490 0.5291
4 -342.1326 5.0000 44.46 1.612660 0.564
5 333.1726 5.0000
6 90.8030 10.0000 63.88 1.516800 0.536
7 171.8616 0.4000 33.36 1.527800 0.6291
8* 171.8616 0.6000 49.98 1.557147 0.5688
9 171.8616 47.3894
10 80.6830 3.0000 40.66 1.883000 0.5668
11 45.9758 11.0000 70.32 1.487490 0.5291
12 158.1668 D1
13 163.1229 3.5000 33.72 1.647690 0.593
14 -678.8737 2.2000 50.27 1.719990 0.5527
15 75.9479 D2
16 0.0000 5.6200 S
17 227.5523 4.2000 46.59 1.816000 0.5567
18 43.5080 3.6503 58.82 1.518230 0.5449
19 -176.3202 3.5000
20 0.0000 0.9168
21 62.2833 4.0000 36.40 1.620040 0.5878
22 -55.1599 1.7000 67.90 1.593190 0.544
23 38.1756 2.6955
24 -129.4541 1.6000 67.90 1.593190 0.544
25 62.2355 4.0000
26 47.1782 6.3136 40.98 1.581440 0.5763
27 -35.5372 2.0000 67.90 1.593190 0.544
28 939.6807 8.3679
29 99.9008 1.5000 40.66 1.883000 0.5668
30 28.0287 5.3178 44.46 1.612660 0.564
31 118.6519 0.1000
32 39.8576 5.5971 36.40 1.620040 0.5878
33 -253.7914 1.5000 20.88 1.922860 0.639
34 92.8638 9.0000
35 0.0000 1.5000 63.88 1.516800 0.536
36 0.0000 20.0000
37 0.0000 BF
像面 ∞

[レンズ群焦点距離]
レンズ群 始面 焦点距離
第1レンズ群 1 195.3
第2レンズ群 13 -182.2
第3レンズ群 16 -121.3
この光学系OL5において、第8面は回折光学面である。以下の表21に回折光学面データを示す。
(表21)
[回折光学面データ]
m λ0 n C2 C4
8 587.6 1.0 -3.15496E-05 1.94872E-10
また、この光学系OL5において、第1レンズ群G1と第2レンズ群G2との軸上空気間隔D1、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3との軸上空気間隔D2、及び、バックフォーカスBFは、合焦に際して変化する。次の表22に、無限遠合焦状態、中間距離合焦状態及び近距離合焦状態における可変間隔を示す。
(表22)
[可変間隔データ]
合焦状態 無限遠 中間距離 近距離
f 587.82207 − −
β − -0.03333 -0.17715
D0 ∞ 17647.0010 3314.9820
D1 23.85485 27.17253 42.96010
D2 54.71307 51.39539 35.60782
BF 42.00000 41.99968 41.99993
次の表23に、この光学系OL5における各条件式対応値を示す。
(表23)
fpf=15848.1

[条件式対応値]
(12)f1/fpf=0.012
このように、この光学系OL4は、上記条件式(12)を満足している。
この光学系OL5の無限遠合焦状態における球面収差図、非点収差図、歪曲収差図、倍率色収差図及びコマ収差図を図18に示す。これらの各収差図より、この光学系OL5は、無限遠合焦状態から近距離合焦状態にわたって諸収差が良好に補正されていることがわかる。
なお、以下に記載の内容は、光学性能を損なわない範囲で適宜採用可能である。
上述した実施例では、3群構成の光学系OLを示したが、以上の構成条件等は、4群、5群等の他の群構成にも適用可能である。また、最も物体側にレンズまたはレンズ群を追加した構成や、最も像面側にレンズまたはレンズ群を追加した構成でも構わない。具体的には、最も像面側に、変倍時又は合焦時に像面に対する位置を固定されたレンズ群を追加した構成が考えられる。また、レンズ群とは、変倍時又は合焦時に変化する空気間隔で分離された、少なくとも1枚のレンズを有する部分を示す。また、レンズ成分とは、単レンズ又は複数のレンズが接合された接合レンズをいう。
また、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦群としても良い。この場合、合焦群はオートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モータ等の)モータ駆動にも適している。特に、第2レンズ群G2の少なくとも一部を合焦群とし、その他のレンズは合焦時に像面に対する位置を固定とするのが好ましい。モータにかかる負荷を考慮すると、合焦レンズ群は接合レンズで構成するのが好ましいが、単レンズで構成してもよい。
また、レンズ群または部分レンズ群を光軸に直交方向の変位成分を持つように移動させ、または、光軸を含む面内方向に回転移動(揺動)させて、手振れによって生じる像ブレを補正する防振群としてもよい。特に、第3レンズ群G3の少なくとも一部を防振群とするのが好ましい。
また、レンズ面は、球面または平面で形成されても、非球面で形成されても構わない。レンズ面が球面または平面の場合、レンズ加工及び組立調整が容易になり、加工及び組立調整の誤差による光学性能の劣化を防げるので好ましい。また、像面がずれた場合でも描写性能の劣化が少ないので好ましい。レンズ面が非球面の場合、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。また、レンズ面は回折光学面としてもよく、レンズを屈折率分布型レンズ(GRINレンズ)或いはプラスチックレンズとしてもよい。
開口絞りSは、第3レンズ群G3の近傍または中に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずに、レンズの枠でその役割を代用してもよい。
さらに、各レンズ面には、フレアやゴーストを軽減し高コントラストの高い光学性能を達成するために、広い波長域で高い透過率を有する反射防止膜を施してもよい。
次に、本実施形態に係る光学系OLを備えた光学機器であるカメラを図19に基づいて説明する。このカメラ1は、撮影レンズ2として本実施形態に係る光学系OLを備えたレンズ交換式の所謂ミラーレスカメラである。本カメラ1において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、不図示のOLPF(Optical low pass filter:光学ローパスフィルタ)を介して撮像部3の撮像面上に被写体像を形成する。そして、撮像部3に設けられた光電変換素子により被写体像が光電変換されて被写体の画像が生成される。この画像は、カメラ1に設けられたEVF(Electronic view finder:電子ビューファインダ)4に表示される。これにより撮影者は、EVF4を介して被写体を観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、撮像部3により光電変換された画像が不図示のメモリに記憶される。このようにして、撮影者は本カメラ1による被写体の撮影を行うことができる。なお、本実施形態では、ミラーレスカメラの例を説明したが、カメラ本体にクイックリターンミラーを有しファインダー光学系により被写体を観察する一眼レフタイプのカメラに本実施形態に係る光学系OLを搭載した場合でも、上記カメラ1と同様の効果を奏することができる。
1 カメラ(光学機器) OL(OL1〜OL5) 光学系
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群
GD 回折光学素子
本発明の第三の態様に係る回折光学素子は、ブレーズ形状の回折格子を有することによりレンズとして作用する回折光学素子であって、波長毎の回折効率が異なる2以上の領域を有し、2以上の領域は、光軸を中心とし、所定の規格化半径よりも内側の領域である中央領域と、所定の規格化半径よりも外側の周辺領域とを含み、次式の条件を満足する。
0.50 < ra <0.98
W_in < W_out
5nm < W_out−W_in < 50nm
但し、
ra:所定の規格化半径(光軸からの当該光軸と直交する方向の高さを有効径で除した値)
W_in:中央領域の回折格子において最も回折効率の高い波長
W_out:周辺領域の回折格子において最も回折効率の高い波長
条件式(3)は、中央領域Acと周辺領域Apを合計した面積に対するそれ以外の領域(格子高さh0及び格子高さhmax以外の格子高さの回折格子が形成された領域(中間領域))Aeの面積の比を規定するものである。図2に示すように、中央領域Acと周辺領域Apとをつなぐ中間領域Aeは、中央領域Acの格子高さから、この中間領域Aeで段階的に高くして周辺領域Apの格子高さにすることが好ましい。この条件式(3)の上限値を上回ると、中間領域Aeでの色味の変化が緩すぎて、フレアの色づき軽減効果に乏しくなるため好ましくない。なお、この条件式(3)の効果を確実なものとするために、条件式(3)の上限値を45%、更に40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%とすることがより望ましい。
この本実施形態に係る回折光学素子GDは、条件式(9)に示すように、中心領域Acの回折格子において最も回折効率の高い波長よりも、周辺領域Apにおいて最も回折効率の高い波長の方が長くなるように構成されている。なお、図5及び式(b)に示すように、最も回折効率がよい波長は最もフレア比率が最も低い波長である。
条件式(10)は、中央領域Acと周辺領域Apとの境界の規格化半径を規定するものである。この条件式(10)の下限値を下回ると、長波長の赤いフレアと短波長の緑や青のフレアのスポット径が重複している(色づきの少ない)部分にまで格子高さを高くした影響が及んでしまい、フレアスポットの内側における緑や青のフレア強度が増すため好ましくない。なお、条件式(10)の効果を確実なものとするために、この条件式(10)の下限値を0.55、更に0.60、0.65、0.70、0.75、0.80とすることがより望ましい。また、条件式(10)の上限値を上回ると、フレアのスポット径が最も大きい長波長の赤いフレアの大部分が格子高さを変更した効果の及ばない領域となってしまうためフレアの色づきを軽減する効果に乏しくなるため好ましくない。なお、条件式(10)の効果を確実なものとするために、この条件式(10)の上限値を0.978、更に0.975、0.973、0.971とすることがより望ましい。
条件式(12)は、第1レンズ群G1の焦点距離に対する、回折光学素子GDの焦点距離の比を規定している。この条件式(12)を満足することにより、軸上と倍率の色収差を良好に補正することができる。この条件式(12)の下限値を下回ると、回折光学素子GDの焦点距離が長くなり(屈折力が小さくなり)、±1次回折光があまり広がらないのでフレアの色づきが目立たなくなるが、格子高さを途中で変えると、全体として回折効率が低下する弊害の方が大きくなるため好ましくない。なお、条件式(12)の効果を確実なものとするために、この条件式(12)の下限値を0.003、更に0.005、0.008、0.010とすることがより望ましい。また、条件式(12)の上限値を上回ると、回折光学素子GDの焦点距離が短くなり(屈折力が大きくなり)、±1次回折光が広がりすぎて淡く、強度が弱く目立たなくなるが、格子高さを途中で変えると、全体として回折効率が低下する弊害の方が大きくなるため好ましくない。なお、条件式(12)の効果を確実なものとするために、この条件式(12)の上限値を0.025、更に0.020、0.018、0.015することがより望ましい。
また、図7(b)、(d)において、スポット像のうち、領域P1は、ほぼ均一な色味の中心部を示し、領域P2は、赤色が目立つ周辺部を示す。なお、図7(a)、(c)において、スポット像の中心の白色の部分は、回折によるフレアではなく光源の像である。
このように、この光学系OL5は、上記条件式(12)を満足している。

Claims (13)

  1. 回折格子を有することによりレンズとして作用する回折光学素子であって、
    光軸を中心とした中央領域における回折格子の格子高さよりも、周辺領域における回折格子の格子高さの方が高い回折光学素子。
  2. 前記回折格子は、ブレーズ形状をしている請求項1に記載の回折光学素子。
  3. 次式の条件を満足する請求項1または2に記載の回折光学素子。
    0.50 < rc < 0.98
    0.01% < Δh/h0 < 10.00%
    但し、
    r:規格化半径(光軸からの当該光軸と直交する方向の高さを有効径で除した値)
    h0:0.00<r<0.50における前記回折格子の格子高さの平均値
    hmax:0.98<r<1.00における前記回折格子の格子高さの平均値
    Δh:hmaxとh0との差
    rc:格子高さが(h0+hmax)/2となる規格化半径
  4. 前記中央領域は、格子高さh0の回折格子が形成されており、
    前記周辺領域は、格子高さhmaxの回折格子が形成されており、
    次式の条件を満足する請求項1〜3のいずれか一項に記載の回折光学素子。
    Se / (Sc+Sp) ≦ 50%
    Sc:前記中央領域の面積
    Sp:前記周辺領域の面積
    Se:格子高さh0及び格子高さhmax以外の格子高さの回折格子が形成された領域の面積
  5. ブレーズ形状の回折格子を有することによりレンズとして作用する回折光学素子であって、
    波長毎の回折効率が異なる2以上の領域を有し、
    前記2以上の領域は、光軸を中心とし、所定の規格化半径よりも内側の領域である中央領域と、前記所定の規格化半径よりも外側の周辺領域とを含み、
    次式の条件を満足する回折光学素子。
    E_in < E_out
    0.50 <rs < 0.98
    E_in > 90%
    E_out > 90%
    但し、
    rs:前記所定の規格化半径(光軸からの当該光軸と直交する方向の高さを有効径で除した値)
    E_in:前記中央領域における回折格子のC線での回折効率
    E_out:前記周辺領域における回折格子のC線での回折効率
  6. 次式の条件を満足する請求項5に記載の回折光学素子。
    F_out/F_in < 0.50
    但し、
    F_in:前記中央領域における回折格子のC線でのフレア比率
    F_out:前記周辺領域における回折格子のC線でのフレア比率
  7. ブレーズ形状の回折格子を有することによりレンズとして作用する回折光学素子であって、
    波長毎の回折効率が異なる2以上の領域を有し、
    前記2以上の領域は、光軸を中心とし、所定の規格化半径よりも内側の領域である中央領域と、前記所定の規格化半径よりも外側の周辺領域とを含み、
    次式の条件を満足する回折光学素子。
    W_in < W_out
    0.50 < ra <0.98
    5nm < W_out−W_in < 50nm
    但し、
    ra:前記所定の規格化半径(光軸からの当該光軸と直交する方向の高さを有効径で除した値)
    W_in:前記中央領域の回折格子において最も回折効率の高い波長
    W_out:前記周辺領域の回折格子において最も回折効率の高い波長
  8. 有効径内のどの領域においても設計次数が同一である請求項1〜7のいずれか一項に記載の回折光学素子。
    なお、設計次数とは、前記回折格子で回折されたn次、n±1次、n±2次・・・の回折次数の回折光のうち、強度が最大となる回折光の回折次数のことをいう。
  9. 屈折率の異なる2つの光学材料で構成され、当該光学材料の境界面に前記回折格子が形成されている請求項1〜8のいずれか一項に記載の回折光学素子。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の回折光学素子を有する光学系。
  11. 物体側から順に、
    正の屈折力を有する第1レンズ群と、
    負の屈折力を有する第2レンズ群と、を有し、
    前記第1レンズ群は請求項1〜9のいずれか一項に記載の回折光学素子を有し、
    次式の条件を満足する光学系。
    0.001 < f1/fpf < 0.030
    但し、
    f1:前記第1レンズ群の焦点距離
    fpf:前記回折光学素子の焦点距離
  12. 請求項10または11に記載の光学系を有する光学機器。
  13. 回折格子を有することによりレンズとして作用する回折光学素子の製造方法であって、
    前記回折格子を、光軸を中心とした中央領域における回折格子の格子高さよりも、周辺領域における回折格子の格子高さの方が高くなるように形成する回折光学素子の製造方法。
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