以下、本技術に係る実施形態を、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
[電子機器及び光通信ケーブルの外観例]
図1を用いて、本実施形態に係る電子機器100及び光通信ケーブル200の外観例について説明する。
図1に示すように、電子機器100は光送受信部110を備える。光送受信部110は、光通信が可能に構成されている。また、光送受信部110は、レセプタクル側となる光通信コネクタ10Bを介して、電子機器100が送信を必要とするデータを光信号として発信し、また、電子機器100への光信号を受信することができる。
光通信ケーブル200は、ケーブル本体201と、プラグ側となる光通信コネクタ10Aとを備えている。光通信ケーブル200は、ケーブル本体201、プラグ側となる光通信コネクタ10Aを介して電子機器100と他の電子機器やインターネット等の通信網との間の光信号を伝送する。
光通信コネクタ10Aと光通信コネクタ10Bとは、互いに嵌合可能に構成され、光通信コネクタセット10を構成する。光通信コネクタ10Aは、光通信コネクタ10Bからみて、嵌合相手であり光接合相手となる相手方コネクタである。同様に、光通信コネクタ10Bは、光通信コネクタ10Aからみて、嵌合相手であり光接合相手となる相手方コネクタである。
電子機器100が送信側機器である場合、光通信コネクタ10Bの後述する光学部品11Bは光出力部を構成し、これに対応して光通信コネクタ10Aの後述する光学部品11Aは光入力部を構成する。
一方、電子機器100が受信側機器である場合、光通信コネクタ10Bの光学部品11Bは光入力部を構成し、これに対応して光通信コネクタ10Aの光学部品11Aは光出力部を構成する。
なお、電子機器100は、例えば、携帯電話、スマートフォン、PHS、PDA、タブレットPC、ラップトップコンピュータ、ビデオカメラ、ICレコーダ、携帯メディアプレーヤ、電子手帳、電子辞書、電卓、携帯ゲーム機等のモバイル電子機器や、デスクトップコンピュータ、ディスプレイ装置、テレビ受信機、ラジオ受信機、ビデオレコーダ、プリンタ、カーナビゲーションシステム、ゲーム機、ルータ、ハブ、光回線終端装置(ONU)等の他の電子機器であることができる。あるいは、電子機器100は、冷蔵庫、洗濯機、時計、インターホン、空調設備、加湿器、空気清浄器、照明器具、調理器具等の電気製品または車両の一部または全部を構成することができる。
[光通信コネクタの構成]
次に、図1に加え、図2から図4を用いて、光通信コネクタセット10を構成する光通信コネクタ10A及び10Bの構成について説明する。光通信コネクタ10Aと光通信コネクタ10Bとは、それぞれの一部を構成する第1の外郭部の大きさが異なるが、それ以外は共通の構成を有する。
図2は、図1に示す光通信コネクタ10A(10B)の拡大概略斜視図であり、第1の外郭部の図示を省略している。図3は、図1に示す光通信コネクタセット10の非嵌合時の状態を示す概略断面図である。図4は、光通信コネクタセット10の嵌合時の状態を示す概略断面図である。
図1に示すように、光通信コネクタ10Aは、ケーブル本体201の先端側に設けられたプラグであり、光通信コネクタ10Bは、電子機器100側に設けられたレセプタクルである。
図2及び図3に示すように、光通信コネクタ10A(10B)は、第1の外郭部18A(18B)と、光学部品11A(11B)と、可動体12A(12B)と、可動体回転軸13A(13B)と、バネ14A(14B)と、バネ固定部15A(15B)と、ストッパ16A(16B)とを有する。
尚、光通信コネクタ10A(10B)は、上述した構成の他、各部材の位置決めのための位置決め部材、各部材を保護するための保護部材、各部材を担持するためのケーシング等を適宜備え得る。
第1の外郭部18A(18B)は、図面上、光学部品11A(11B)を挟んで光学部品11A(11B)の上部及び下部それぞれに配置された一対の板状部材である。
非嵌合時に、第1の外郭部18A(18B)の、後述する可動部12A(12B)の反射部121A(121B)で反射された光が照射される箇所は散乱部材で構成される。第1の外郭部18A(18B)は散乱部として機能する。
第1の外郭部18A(18B)は、光学部品11A(11B)と、可動体12A(12B)と、可動体回転軸13A(13B)と、バネ14A(14B)と、バネ固定部15A(15B)と、ストッパ16A(16B)とを、上下で挟み込むように設けられる。
第1の外郭部18Bは、一端側が、プラグ側となる光通信コネクタ10Aが挿入される開口を有している。第1の外郭部18Aは、一端側が、レセプタクル側となる光通信コネクタ10Bに挿入される。光通信コネクタ10Aと光通信コネクタ10Bとを嵌合し、光接合した際、それぞれに設けられている可動体12Aと可動体12Bとは、互いの面同士が当接するように構成される。
光学部品11Aは、コリメートレンズ111Aを有する。光学部品11Aは、ケーブル本体201内にある光伝送路202Aを保持する。
光学部品11Aには、光伝送路202Aの端部が差し込まれる光伝送路挿入孔(図示せず)が設けられる。光伝送路202Aの端部は、光伝送路202Aとコリメートレンズ111Aとの光軸が一致するように、光伝送路挿入孔によって光学部品11A内で支持される。
光伝送路は、例えば光ファイバである。なお、光伝送路は、光を伝送可能なものであれば特に限定されず、光ファイバ以外のものであってもよい。
光学部品11Bは、コリメートレンズ111Bを有する。光学部品11Bは、電子機器100内にある光伝送路202Bの端部を支持する。光伝送路202Bは、例えば、光ファイバである。なお、光伝送路202Bは、光を伝送可能なものであれば特に限定されず、光ファイバ以外のものであってもよい。
光学部品11Bには、光伝送路202Bの端部が差し込まれる光伝送路挿入孔(図示せず)が設けられる。光伝送路202Bの端部は、光伝送路202Bとコリメートレンズ111Bとの光軸が一致するように、光伝送路挿入孔によって光学部品11B内で支持される。
光学部品11A(11B)は、コリメートレンズ111A(111B)により平行状態に調整されたコリメート光を出射、又は、相手方コネクタの光学部品11B(11A)からのコリメート光を入射可能に構成される。
互いに光接合される光学部品11Aと光学部品11Bとは、嵌合時、互いのコリメートレンズ111Aとコリメートレンズ111Bが同一光軸上に位置するように対応して配置される。
可動体12A(12B)には、光学部品11A(11B)から出射された光が入射され、また、相手方コネクタである光通信コネクタ10B(10A)の光学部品11B(11A)から出射され、可動体12B(12A)を透過した光が入射される。
このように、可動体12A(12B)に入射する入射光には、光学部品11A(11B)から出射される光と、相手方コネクタ10B(10A)の光学部品11B(11A)から出射され可動体12B(12A)を透過した光がある。
可動体12A(12B)は、相手方コネクタである光通信コネクタ10B(10A)との非嵌合時にとる第1の状態と、光通信コネクタ10B(10A)との嵌合時にとる第2の状態との間を可動可能に構成される。
可動体12A(12B)は、可動体12A(12B)に設けられた可動体回転軸13A(13B)によって支持され、当該可動体回転軸13A(13B)を軸にして回転可能な回転体として構成される。可動体12A(12B)は可動体回転軸13A(13B)を軸にして回転し、第1の状態と第2の状態とをとることが可能となっている。
可動体12A(12B)は板状を有する。可動体12A(12B)は、厚み方向と直交する平面内で、非光透過部である反射部121A(121B)と透過部122A(122B)とを有する。
反射部121A(121B)は額縁状を有し、透過部122A(122B)は反射部121A(121B)により囲まれた領域内に位置し、可動体12A(12B)の平面における中央部に位置する。
透過部122A(122B)は、プリズムやガラス等の光を透過する部材から構成される。透過部122A(122B)は、互いに対向して平行配置される、光が入射される入射面と光が出射される出射面とを有する。入射面に対して垂直に入射した光は、屈折することなく、出射面から垂直に出射される。
反射部121A(121B)は、例えば表面が鏡面加工され、表面で光を反射する構成を有する。
可動体12A(12B)は、非嵌合時の第1の状態では、光学部品11A(11B)から光が出射する場合、可動体12A(12B)の平面に対し、光学部品11A(11B)からの入射光40が斜めに入射されるように構成される。更に、可動体12A(12B)の反射部121A(121B)は、第1の状態で、光学部品11A(11B)からの入射光40が反射部121A(121B)に入射されるように配置される。
可動体12A(12B)は、嵌合時の第2の状態では、可動体12A(12B)の平面と光学部品11A(11B)からの入射光40とが垂直となるように構成される。可動体12A(12B)の透過部122は、第2の状態で、光学部品11A(11B)からの光が透過部122A(122B)に入射されるように配置される。
可動体12A(12B)は、第2の状態で、可動体12A(12B)の透過部122A(122B)に入射した光学部品11A(11B)からの入射光40を、入射光40の光軸40aと一致させて出射する。
バネ14A(14B)は、ねじりバネであり、バネ固定部15A(15B)と可動体回転軸13A(13B)に設けられている。バネ14A(14B)は、可動体12A(12B)を第2の状態から第1の状態に移動する方向に付勢する付勢部材である。
バネ固定部15A(15B)は、光通信コネクタ10A(10B)内で固定して設けられている。バネ固定部15A(15B)にはバネ14A(14B)が固定される。
ストッパ16A(16B)は、非嵌合時の第1の状態で、可動体12A(12B)のバネ14A(14B)による回転を制限し、可動体12A(12B)の位置を規定する。ストッパ16A(16B)は棒状を有し、可動体12A(12B)に当接可能に設けられる。
可動体回転軸13A(13B)からみてストッパ16A(16B)が下部側に位置するように上下方向を定めたときに、光通信コネクタ10A(10B)の可動体12A(12B)は、第1の状態で、上部が光学部品11A(11B)から離れるようにバネ14A(14B)により付勢される。
非嵌合時は、バネ14A(14B)の力で可動体12A(12B)が回転エネルギーを持つが、ストッパ16A(16B)に可動体12A(12B)があたることで、回転が制限され、可動体12A(12B)は第1の状態で安定する。
光通信コネクタ10Aを光通信コネクタ10Bに挿入することにより、可動体12Aと可動体12Bは、それぞれの上部が突き合わさって当接する。このように可動体12Aと可動体12Bとが物理的に接触し、更に、光通信コネクタ10Bが挿入されることにより、バネ14A(14B)の可動体12A(12B)を回転させる力が押し戻される。これにより、図4に示すように、可動体12A及び12Bは、それぞれの平面が入射光40に対して垂直となるように移動し、可動体12Aと可動体12Bとは相互に対向する平面で当接する。
可動体12Aと可動体12Bとが相互に対向する面で当接する状態は、図示しないロック部材により保持され、光接合状態が形成される。可動体12Aと可動体12Bは、入射光40に対して入射面及び出射面が垂直となり、両光通信コネクタ間でコリメート光は直交し、光通信可能となる。
嵌合時、可動体12Aの透過部122Aの領域と可動体12Bの透過部122Bの領域とが重なり合い、光学部品11A(11B)からの入射光40は、透過部122A(122B)、透過部122B(122A)を透過し、相手方コネクタのコリメートレンズ111B(111A)に入射する。
図5(A)は、非嵌合時における、光学部品11A(11B)から可動体12A(12B)に入射された光の光路を示す拡大断面図である。図5(B)は、嵌合時における、光学部品11A(11B)から可動体12A(12B)に入射された光の光路を示す拡大断面図である。
図6(A)は、光通信コネクタ10Aと光通信コネクタ10Bとの嵌合時の拡大断面図である。図6では、光学部品11Bから出射した光が、可動体12B、可動体12Aを順に通って、出射され、光学部品11Aに入射される状態を示す。
ここで、可動体12A(12B)が第2の状態をとる際に、光学部品11A(11B)から出射され、可動体12A(12B)に直接入射される光を入射光40とする。この入射された入射光40が可動体12A(12B)を透過し、可動体12A(12B)から出射する光を光42とする。
光42は、可動体12A(12B)においては出射光であり、可動体12B(12A)においては入射光となる。光42は可動体12B(12A)に入射し、可動体12B(12A)を透過して、可動体12B(12A)から出射する。この可動体12A(12B)、可動体12B(12A)を順に透過して出射される光を出射光43とする。
また、可動体が第1の状態をとる際に、入射された入射光40が、可動体で反射、屈折、又は散乱された光を光41とする。本実施形態においては、可動体12A(12B)が第1の状態をとる際に、入射された入射光40は、可動体12A(可動体12B)で反射するので、光41は反射光となる。
また、図面においては、入射光40の光軸に40aの符号を付している。
以下、他の実施形態においても、同様の構成については、入射光40、光41、光42、出射光43、光軸40aというように符号を付して説明する。
また、可動体12A(12B)において、入射光40又は光42が入射される面が入射面となり、光42又は出射光43が出射される面が出射面となる。光通信コネクタは相手方コネクタとの間で光の送受信が可能であるので、第2の状態での板状の可動体12A(12B)の光学部品11A(11B)に対向する面は入射面にも出射面にもなり得る。同様に、可動体12A(12B)の光学部品11A(11B)に対向する面の反対側の面も、入射面にも出射面にもなり得る。
図5(A)に示すように、相手方コネクタとの非嵌合時には、光学部品11A(11B)から光が出射する場合、可動体12A(12B)は、その平面が、光学部品11A(11B)からの入射光40に対して斜めに位置する第1の状態をとる。
非嵌合時の第1の状態の可動体12A(12B)では、光学部品11A(11B)からの入射光40は反射部121A(121B)に入射される。
反射部121A(121B)で反射した光41は、第1の外郭部18A(18B)の内壁側に向かう、すなわち、光通信コネクタ10A(10B)の内部に向かう光路をとる。したがって、光学部品11A(11B)からの入射光40が光通信コネクタ10A(10B)の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図5(B)及び図6(A)に示すように、光通信コネクタ10Aと光通信コネクタ10Bとの嵌合時には、可動体12A及び可動体12Bは、その平面が、光学部品11A又は光学部品11Bからの入射光40に対して垂直に位置する第2の状態をとる。
嵌合時の第2の状態の可動体12A(可動体12B)では、光学部品11A(11B)の光伝送路202A(202B)からの入射光40は、透過部122A(透過部122B)に入射される。
図5(B)、図6(A)に示すように、嵌合時では、光学部品11Bからの入射光40は可動体12Bの透過部122Bを透過し、出射した光42は、光通信コネクタ10Bの外部へ直接放射され、相手方コネクタ10Aに入射される。相手方コネクタ10Aに入射される光42は、可動体12Aの透過部122Aを透過し、可動体12Aから出射された出射光43は、コリメートレンズ111Aに入射される。
尚、図6(A)においては、光学部品11Bからの入射光40について説明したが、光学部品11Aからの入射光40についても同様である。すなわち、光学部品11Aからの入射光40は、嵌合時では、可動体12Aの透過部122A、可動体12Bの透過部122Bを順に透過し、コリメートレンズ111Bに入射される。
非嵌合時には、可動体12A(12B)に入射される光は、可動体12A(12B)で反射する。この反射した光41は、嵌合時のように光通信コネクタ10A(10B)の外部に直接放射されず、第1の外郭部18A(18B)の内壁側に向かう。
第1の外郭部18A(18B)の光41が照射される箇所は散乱部材で構成されているため、第1の外郭部18A(18B)に入射した光41は第1の外郭部18A(18B)で散乱する。このため、光通信コネクタ10A、10B間で光結合せずに漏れた光が外部へ放射されたとしても、光のパワーが減衰されて外部に放射されることになる。
これにより、非嵌合時における光通信コネクタ10A(10B)の外部へ放射される光を安全基準にまで引き下げるよう調整することが可能となり、光通信コネクタの光接合作業の安全性が高まる。
また、本実施形態においては、コリメートレンズ111A及び111Bは、可動体12A及び12Bが設けられることにより、外部環境に露出しない。したがって、塵、埃等の侵入が抑制され、また油等の付着が抑制されるため、汚れに対する耐性を有し、比較的挿抜の頻度の高い民生向けに本実施形態の光通信コネクタセットは特に適している。
図6(A)は、嵌合時に可動体12Aと可動体12Bとの間に埃等の異物30が未混入の状態を示し、図6(B)は混入状態を示す図である。ここで、異物30等が混入しない嵌合状態における可動体12Aと可動体12Bとの接触面を仮想境界面とする。また、図6では、光学部品11Bから出射した光が、可動体12B、可動体12Aを順に通って、出射され、光学部品11Aに入射される状態を示す。
図6(A)に示すように、可動体12Aと可動体12Bとは、同じ形状を有しているので、異物30が未混入での嵌合状態において、仮想境界面で互いに面対象な構造となっている。
図6(B)に示すように、仮想境界面で面対象となる形状に近い異物30が、可動体12Aと可動体12Bとの間に混入した場合、可動体12Aと可動体12Bとは、仮想境界面で面対象な構造となる。
したがって、異物30が混入した状態においても、可動体12Bの透過部122Bに入射する光学部品11Bからの入射光40は、可動体12Bの入射面及び出射面、可動体12Aの入射面及び出射面で屈折するが、可動体12B、12Aを順に透過して出射された出射光43´は、異物30が未混入の状態で透過した出射光43の光路と同じ光路をたどることになる。尚、光通信コネクタ10Bが受信側となる場合も同様である。
このように、本実施形態の構成においては、レセプタクル側及びプラグ側それぞれの光通信コネクタの光伝送路を直接接触する物理的な光接合と比較して、異物等の混入に強く、安定した信頼性の高い光通信特性を有する。
[電子機器の構成]
次に、電子機器100について説明する。図1に示すように、電子機器100は、光送受信部110を備えている。光送受信部110は、光信号の発光部120と、光信号の受光部130と、レセプタクルとしての光通信コネクタ10Bとを備えている。
発光部120は、電子機器100内において送信すべきデータを、光信号として出力し、発光部120の先端側に配置された光伝送路202Bを介して光通信コネクタ10Bに入力する。
また、受光部130は、光通信コネクタ10Bからの光信号を光伝送路202Bを介して受光し、電子機器100内のインタフェースへ出力する。
また、電子機器100の詳細なハードウェア構成は、特に限定されないが、例えば、図7に示すようなものとすることができる。図7は、第1の実施形態に係る電子機器100のハードウェア構成を説明するためのブロック図である。
電子機器100は、主に、CPU901と、ROM902と、RAM903と、を備える。また、電子機器100は、更に、ホストバス907と、ブリッジ909と、外部バス911と、インタフェース913と、入力装置915と、出力装置917と、ストレージ装置919と、ドライブ921と、接続ポート923と、通信装置925とを備える。
CPU901は、演算処理装置及び制御装置として機能し、ROM902、RAM903、ストレージ装置919、又はリムーバブル記録媒体927に記録された各種プログラムに従って、電子機器100内の動作全般またはその一部を制御する。ROM902は、CPU901が使用するプログラムや、プログラムの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する。これらはCPUバス等の内部バスにより構成されるホストバス907により相互に接続されている。
ホストバス907は、ブリッジ909を介して、PCI(Peripheral Component Interconnect/Interface)バスなどの外部バス911に接続されている。
入力装置915は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、ボタン、スイッチおよびレバーなどユーザが操作する操作手段である。また、入力装置915は、例えば、赤外線やその他の電波を利用したリモートコントロール手段(いわゆるリモコン)であってもよいし、電子機器100の操作に対応した携帯電話やPDA等の外部接続機器929であってもよい。さらに、入力装置915は、例えば、上記の操作手段を用いてユーザにより入力された情報に基づいて入力信号を生成し、CPU901に出力する入力制御回路などから構成されている。電子機器100のユーザは、この入力装置915を操作することにより、電子機器100に対して各種のデータを入力したり処理動作を指示したりすることができる。
出力装置917は、取得した情報をユーザに対して視覚的または聴覚的に通知することが可能な装置で構成される。このような装置として、CRTディスプレイ装置、液晶ディスプレイ装置、プラズマディスプレイ装置、ELディスプレイ装置及びランプなどの表示装置や、スピーカおよびヘッドホン等の音声出力装置や、プリンタ装置、携帯電話、ファクシミリなどがある。出力装置917は、例えば、電子機器100が行った各種処理により得られた結果を出力する。具体的には、表示装置は、電子機器100が行った各種処理により得られた結果を、テキストまたはイメージで表示する。他方、音声出力装置は、再生された音声データや音響データ等からなるオーディオ信号をアナログ信号に変換して出力する。
ストレージ装置919は、電子機器100の記憶部の一例として構成されたデータ格納用の装置である。ストレージ装置919は、例えばHDD(Hard Disk Drive)等の磁気記憶部デバイス、半導体記憶デバイス、光記憶デバイス、または光磁気記憶デバイス等により構成される。このストレージ装置919は、CPU901が実行するプログラムや各種データ、および外部から取得した各種のデータなどを格納する。
ドライブ921は、記録媒体用リーダライタであり、電子機器100に内蔵、或いは外付けされる。ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録されている情報を読み出して、RAM903に出力する。また、ドライブ921は、装着されている磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、または半導体メモリ等のリムーバブル記録媒体927に記録を書き込むことも可能である。リムーバブル記録媒体927は、例えば、DVDメディア、HD−DVDメディア、Blue−rayメディア等である。また、リムーバブル記録媒体927は、コンパクトフラッシュ(登録商標)(CompactFlash:CF)、フラッシュメモリ、またはSDメモリカード(Secure Disital memory card)等であってもよい。また、リムーバブル記録媒体927は、例えば非接触型ICチップを搭載したICカード(Intergrated Circuit card)または電子機器等であってもよい。
接続ポート923は、機器を電子機器100に直接接続するためのポートである。接続ポート923の一例として、USB(Univaersal Serial Bus)ポート、IEEE1394ポート、SCSI(Small Computaer System Interface)ポート等がある。接続ポート923の別の例として、RS−232Cポート、光デジタル端子、HDMI(High−Definition Multimedia Interface)ポート等がある。この接続ポート923に外部接続機器929を接続することで、電子機器100は、外部接続機器929から直接各種のデータを取得したり、外部接続機器929に各種のデータを提供したりする。なお、上記の光デジタル端子を上述した光通信コネクタ10Bを含む光送受信部110として構成してもよい。
通信装置925は、例えば、通信網931に接続するための通信デバイス等で構成された通信インタフェースである。本実施形態において、通信装置925は、上述した光通信コネクタ10Bを含む光送受信部110を含んで構成されている。通信装置925は、光通信用のルータであってもよい。また、通信装置925は、例えば、有線又は無線LAN(Local Area Network)、Bluetooth(登録商標)、またはWUSB(Wireless USB)用の通信カード等を更に含んでもよい。また、通信装置925は、ADSL(Asymmetric Digital Subacriber Line)用のルータ、または、各種通信用のモデム等を含んで構成されていてもよい。この通信装置925は、例えば、インターネットや他の通信機器との間で、例えばFTTR、FTTB、FTTH、FTTD等のFTTxや、TCP/IP等の所定のプロトコルに則して信号等を送受信することができる。また、通信装置925に接続される通信網931は、有線または無線によって接続されたネットワーク等により構成され、例えば、インターネット、家庭内LAN、赤外線通信、ラジオ波通信または衛星通信等であってもよい。
[光通信ケーブルの構成]
光通信ケーブル200は、ケーブル本体201と、光通信コネクタ10Aとを備えている。ケーブル本体201は、内部に光伝送路202Aを有している。光伝送路202Aは、例えば、光ファイバである。なお、光伝送路202Aは、光を伝送可能なものであれば特に限定されず、光ファイバ以外のものであってもよい。光伝送路202Aは、その外周面に適宜被覆がなされている。また、光伝送路202Aの先端側には光通信コネクタ10Aが接続されている。
このような光通信ケーブル200は、上述したような電子機器100等の電子機器と他の機器との間の光通信のための接続に使用されることができる。
以上のように、本実施形態では、コネクタに可動体を設けることにより、光通信コネクタ10Aと相手方の光通信コネクタ10Bとが嵌合し光接合される状態でのみ通信可能な光路が確保される。
一方、非嵌合時では、光学部品からの入射光の光路が変わることで散乱部である第1の外郭部の内壁にあたったコリメート光が散乱するため、ユーザが直接コネクタ内部をのぞいてもコリメート光を安全なパワーレベルまでおとすことが可能であり、安全性を確保することができる。
以下、他の実施形態について説明するが、第1の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
次に、図8〜図10を用いて、第2の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。第1の実施形態と比較して、可動体の構造が異なる点、可動体の回転機構が異なる点、光通信コネクタセットのうち一方の光通信コネクタにのみ可動体が設けられる点、カバー部材を有する点で、主に相違する。
本実施形態で説明する光通信コネクタ210Aと光通信コネクタ210Bとからなる光通信コネクタセット210は、第1の実施形態の光通信コネクタセット10と同様に、電子機器100と光通信ケーブル200との光接合に用いることができる。
図8は、本実施形態に係るレセプタクル側の光通信コネクタの概略斜視図であって、プラグ側の光通信コネクタに設けられている位置決めピンが挿入された状態を示す。
図9(A)は非嵌合時におけるレセプタクル側の光通信コネクタの概略断面図である。
図9(B)は非嵌合時におけるプラグ側の光通信コネクタの概略断面図である。
図10は、光通信コネクタセットの嵌合時の概略断面図である。
図8及び図9においては、第1の外郭部218A及び218Bの図示を省略している。
レセプタクル側に設けられる光通信コネクタ210Bは、第1の外郭部218Bと、第2の外郭部219Bと、光学部品211Bと、可動体212Bと、可動体回転軸(図示せず)と、バネ(図示せず)と、バネ固定部(図示せず)と、回転補助板215Bと、2つのストッパ216Bと、カバー部材243Bとを有する。
尚、光通信コネクタ210Bは、上述した構成の他、各部材の位置決めのための位置決め部材、各部材を保護するための保護部材、各部材を担持するためのケーシング等を適宜備え得る。
第1の外郭部218Bは、断面形状が矩形の筒体を有する。第1の外郭部218Bは、第2の外郭部219Bを保持し、第2の外郭部219Bを覆うように設けられる。第1の外郭部218Bは、一端側が、プラグ側となる光通信コネクタ210Aの第1の外郭部218Aが挿入される開口を有している。
第2の外郭部219Bは、断面形状が矩形の筒体を有する。第2の外郭部219Bは、光学部品211B、可動体212Bと、可動体回転軸と、バネと、バネ固定部と、2つのストッパ216Bを覆うように形成される。第2の外郭部219Bの内壁のうち、非嵌合時に反射部2121Bで反射された光が照射される箇所は散乱部材で構成され、第2の外郭部219Bは散乱部として機能する。
カバー部材243Bは、光通信コネクタ210Aと光通信コネクタ210Bとを嵌合するときに、第2の外郭部219Bの光通信コネクタ210A側の開口をふさぐように位置する。
カバー部材243Bは、外部からの埃等の異物の混入を防止する。カバー部材243Bは、光透過部材から構成される。カバー部材243Bには、位置決めピン242が挿入可能な貫通孔2431が2つ形成されている。
光学部品211Bは、コリメートレンズ111Bを有する。光学部品211Bは、電子機器100内にある光伝送路202Bの先端側を保持する。光学部品211Bは、コリメートレンズ111Bにより平行状態に調整されたコリメート光を出射、又は、相手方コネクタの光学部品211Aからのコリメート光が入射可能に構成される。
光学部品211Bには、光伝送路202Bの端部が差し込まれる光伝送路挿入孔(図示せず)と、光伝送路挿入孔とは空間的に分離された位置決め孔241が2つ設けられている。光伝送路202Bの端部は、光伝送路202Bとコリメートレンズ111Bとの光軸が一致するように、光伝送路挿入孔によって光学部品211B内で支持される。
位置決め孔241には、嵌合時に、相手方コネクタである光通信コネクタ210Aに設けられている位置決めピン242が挿入される。位置決め孔241は、コリメートレンズ111Bを介してその両側に1つずつ配置される。
可動体212Bには、光学部品211Bから出射された入射光40が入射され、また、相手方コネクタである光通信コネクタ210Aの光学部品211Aから出射され、後述する板部232Aを透過した光42が入射される。可動体212Bは、非嵌合時にとる第1の状態と、嵌合時にとる第2の状態との間を可動可能に構成される。
図示しない可動体回転軸、バネ、バネ固定部は、第1の実施形態と同様の構成を有し、第1の実施形態と同様に可動体回転軸を軸にして可動体は回転可能に構成される。バネ固定部は第2の外郭部219Bの内部で第2の外郭部219Bに固定されている。
可動体212Bは、可動体212Bに設けられた可動体回転軸によって支持され、可動体回転軸を軸にして回転可能な回転体として構成される。可動体212Bは可動体回転軸を軸にして回転し、第1の状態と第2の状態とをとることが可能となっている。
可動体212Bは板状を有する。可動体212Bは、厚み方向と直交する平面内で、反射部2121Bと透過部2122Bとを有する。図面上、中央部に透過部2122Bが位置し、この透過部2122Bを介して相互に対向して上部、下部それぞれに反射部2121Bが位置する。
透過部2122Bは、プリズムやガラス等の光透過部材からなる。透過部2122Bは、互いに対向して平行配置される、光が入射される入射面と光が出射される出射面とを有する。入射面に対して垂直に入射した光は、屈折することなく、出射面から垂直に出射される。
反射部2121Bは、例えば表面が鏡面加工され、表面で光を反射する構成を有する。
可動体212Bは、非嵌合時の第1の状態では、可動体212Bの平面に対し、光学部品211Bからの光が斜めに入射されるように位置する。また、可動体212Bの反射部2121Bは、第1の状態で、光学部品211Bからの光が反射部2121Bに入射されるように配置される。
可動体212Bは、嵌合時の第2の状態では、可動体212Bの平面と光学部品211Bからの入射光40とが垂直となるように位置する。可動体212Bの透過部2122Bは、第2の状態で、光学部品211B又は211Aからの光が透過部2122Bに入射し、透過部2122Bを透過するように配置される。
回転補助板215Bは、可動体212Bの下部に固定される。回転補助板215Bは板状を有し、その平面が可動体212Bの平面に対し斜めに位置するように固定される。
光通信コネクタ210Aを光通信コネクタ210Bに挿入すると、光通信コネクタ210Aに設けられている位置決めピン242が回転補助板215Bに当接する。更に、光通信コネクタ210Bが挿入されることによって位置決めピン242が回転補助板215Bを押し込んで移動させる。回転補助板215Bの移動に連動して、可動体212Bは、可動体回転軸を軸として第1の状態から第2の状態へと回転し移動する。
2つのストッパ216Bは、棒状を有し、それぞれ可動体212Bの上部と下部に対応して位置し、可動体212Bを間に介在させて対向配置される。ストッパ216Bは、第2の外郭部219Bに固定される。
2つのストッパ216Bは、可動体212Bに当接可能に設けられ、位置決めピン242の位置決め孔241への挿入時の位置決めピン242による回転補助板215Bの移動に連動する可動体212Bの回転を制限する。嵌合時、可動体212Bは、ストッパ216Bにより第2の状態が維持される。
バネは、可動体212Bを第2の状態から第1の状態に移動する方向に付勢する付勢部材である。可動体212Bは、第1の状態で、上部が光学部品211Bから離れる一方、下部が光学部品211Bに近づくような斜めの状態となるようにバネにより付勢される。
プラグ側に設けられる光通信コネクタ210Aは、第1の外郭部218Aと、第2の外郭部219Aと、光学部品211Aと、板部232Aと、補助板215Aと、2つのストッパ216Aと、位置決めピン242と、カバー部材243Aとを有する。尚、光通信コネクタ210Aは、上述した構成の他、各部材の位置決めのための位置決め部材、各部材を保護するための保護部材、各部材を担持するためのケーシング等を適宜備え得る。
第1の外郭部218Aは、断面形状が矩形の筒体を有する。第1の外郭部218Aは、第2の外郭部219Aを保持し、第2の外郭部219Aを覆うように設けられる。第1の外郭部218Aの一端側は、レセプタクル側となる光通信コネクタ210Bの第1の外郭部218Bに挿入される。
第2の外郭部219Aは、断面形状が矩形の筒体を有する。第2の外郭部219Aは、光学部品211A、板部232Aと、補助板215Aと、2つのストッパ216Aと、位置決めピン242を覆うように形成される。
カバー部材243Aは、光通信コネクタ210Aと光通信コネクタ210Bとを嵌合するときに、第2の外郭部219Aの光通信コネクタ210B側の開口をふさぐように位置する。
カバー部材243Aは、外部からの埃等の異物の混入を防止する。カバー部材243Aは、光透過部材から構成される。カバー部材243Aには、位置決めピン242が挿入される貫通孔2432が形成されており、位置決めピン242がその貫通孔2432に挿入された形態となっている。
光学部品211Aは、コリメートレンズ111Aを有する。光学部品211Aは、ケーブル本体201内にある光伝送路202Aの端部を保持する。光学部品211Aは、コリメートレンズ111Bにより平行状態に調整されたコリメート光を出射する。
板部232Aには、光学部品211Aから出射された光が入射される。板部232Aは板状を有する。板部232Aは、厚み方向と直交する平面内で、反射部2321Aと透過部2322Aとを有する。図面上、中央部に透過部2322Aが位置し、この透過部2322Aを介して相互に対向して上部、下部それぞれに反射部2321Aが位置する。
透過部2322Aは、プリズムやガラス等の光透過部材からなる。透過部2322Aは、互いに対向して平行配置される、光が入射される入射面と光が出射される出射面とを有する。入射面に対して垂直に入射した光は、屈折することなく、出射面から出射される。反射部2321Aは、例えば表面が鏡面加工され、表面で光を反射する構成を有する。
板部232Aは、板部232Aの平面と光学部品211Aからの入射光40とが垂直となるように構成される。板部232Aの透過部2322Aは、光学部品211Aからの光が透過部2322Aを透過するように配置される。
嵌合時、板部232Aの透過部2322Aと可動体212Bの透過部2122Bとは、光学部品211A及び211Bからの光の光軸上に位置する。
補助板215Aは、板部232Aの下部に固定接着される。補助板215Aには位置決めピン242が固定接着される。位置決めピン242は、カバー部材243Aに設けられている貫通孔2432を貫通し、カバー部材243Aの光通信コネクタ210B側の面から外部に向かって突出している。
2つのストッパ216Aは、棒状を有し、それぞれ板部232Aの上部と下部に対応して位置し、板部232Aを間に介在させて対向配置される。2つのストッパ216Aは、第2の外郭部219Aに固定される。
2つのストッパ216Aは、板部232Aに接着固定されている。これにより、板部232Aは、その平面が光学部品211Aからの光の光軸に垂直な状態となるように維持される。
図9に示すように、可動体212Bは、その平面が、非嵌合時には、光学部品211Bからの光に対して斜めに位置する第1の状態をとる。第1の状態で、光学部品211Bからの入射光40は、可動体212Bの反射部2121Bに入射される。
反射部2121Bで反射した光41は、第2の外郭部219Bの内壁側に向かう、すなわち、光通信コネクタ210Bの内部に向かう光路をとる。したがって、光学部品211Bからの入射光40が光通信コネクタ210Bの外部へ直接放射されることが防止される。
図10に示すように、レセプタクル側の光通信コネクタ210Bに、プラグ側の光通信コネクタ210Aが挿入されると、位置決めピン242が、光通信コネクタ210Bのカバー部材243Bの貫通孔2431に挿入される。
更に光学部品211Aと光学部品211Bとの距離が近づくように位置決めピン242が挿入されると、位置決めピン242により回転補助板215Bが押されて移動する。この回転補助板215Bの移動に連動して、可動体回転軸を軸にして可動体212Bが回転する。
回転により、可動体212Bは、その平面が、入射光40の光軸40aに対して斜めの第1の状態から、入射光40の光軸40aに対して垂直の第2の状態となるように移動する。可動体212Bが第2の状態をとることにより、光通信コネクタ210Aの板部232Aと光通信コネクタ210Bの可動体212Bとは相互に平行となる。
板部232Aと可動体212Bとが互いに平行な状態は、図示しないロック部材により保持され、光接合状態が形成される。
これにより、嵌合時では、光学部品211B(211A)からの光は、可動体212B(板部232A)、板部232A(可動体212B)を順に透過し、減衰せずに、相手方コネクタの光学部品211A(211B)に入射される。
以上のように、可動体に固定された回転補助板をピンが押すことで可動体を回転させる構成としてもよい。
本実施形態ではレセプタクル側の光通信コネクタ210Bは、非嵌合時では、可動体212Bが傾斜した第1の状態をとっている。これにより、光学部品211Bから出射された入射光40は、可動体212Bの反射部2121Bで反射する。
この反射された光41は、光通信コネクタ210B内へ向かう光路を取り、第2の外郭部219Bの内壁の散乱部材で構成された領域に入射して散乱し、直接、光通信コネクタ210Bの外部に放射されない。
したがって、光通信コネクタ10A、10B間で光結合せずに漏れた光が外部へ放射されたとしても、光のパワーが減衰されて外部に放射されることになり、作業の安全性が高まる。
また、本実施形態では、可動体と板部とを物理的に接触させる必要がないため、カバー部材を設けることができ、光通信コネクタ内への塵やほこり等の混入を抑制することができる。
また、本実施形態においては、位置決めピン及び位置決め孔を設けているので、光通信コネクタ210Aの光学部品211Aと光通信コネクタ210Bの光学部品211Bとの光接合位置決め精度が向上する。
本実施形態では、位置決めに用いる位置決めピンにより可動体212Bの回転を生じさせる構成としているが、位置決めピンとは別に可動体212Bの回転を生じさせるピンを設けてもよい。尚、本実施形態のように、位置決めピンを用いて可動体212Bの回転を生じさせる構成とすることにより、部品点数を少なくすることができ、コリメートレンズの数等の光学部品の設計範囲を広くすることができる。
尚、本実施形態では、レセプタクル側の光通信コネクタにピン挿入穴を設け、プラグ側の光通信コネクタにピンを設けたが、逆であってもよい。
(第3の実施形態)
次に、図11〜図13を用いて、第3の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。以下、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本実施形態で説明する光通信コネクタ310Aと光通信コネクタ310Bとからなる光通信コネクタセット310は、上述の実施形態の光通信コネクタセット10及び210と同様に、電子機器100と光通信ケーブル200との光接合に用いることができる。
本実施形態は、ピンにより可動体を回転させる構成とする点で第2の実施形態と共通する。
第2の実施形態では、プラグ側の光通信コネクタに設けられている板部は固定されており回転できない形態であった。これに対し、本実施形態は、プラグ側の光通信コネクタに設けられる、光を透過する透過部と光を反射する反射部を備える可動体も回転可能に構成される。
図11は、本実施形態に係るレセプタクル側の光通信コネクタの概略斜視図であって、プラグ側の光通信コネクタに設けられている位置決めピンが挿入された状態を示す。
図12(A)は非嵌合時におけるレセプタクル側の光通信コネクタの概略断面図である。図12(B)は非嵌合時におけるプラグ側の光通信コネクタの概略断面図である。
図13は、嵌合時における光通信コネクタセットの概略断面図である。
図11及び図12においては、第1の外郭部318A及び318Bの図示を省略している。
レセプタクル側に設けられる光通信コネクタ310Bは、第1の外郭部218Bと、第2の外郭部219Bと、光学部品311Bと、可動体212Bと、可動体回転軸(図示せず)と、バネ(図示せず)と、バネ固定部(図示せず)と、回転補助板315Bと、回転補助可動体317Bと、2つのストッパ216Bと、カバー部材243Bとを有する。第2の外郭部219Bの内壁のうち、非嵌合時に反射部2121Bで反射された光が照射される箇所は散乱部材で構成される。
尚、光通信コネクタ310Bは、上述した構成の他、各部材の位置決めのための位置決め部材、各部材を保護するための保護部材、各部材を担持するためのケーシング等を適宜備え得る。
光学部品311Bは、コリメートレンズ111Bを有する。光学部品311Bは、電子機器100内にある光伝送路202Bの端部を保持する。光学部品311Bは、コリメートレンズ111Bにより平行状態に調整されたコリメート光を出射、又は、相手方コネクタの光学部品311Aからのコリメート光を入射可能に構成される。
光学部品311Bには、光伝送路202Bの端部が差し込まれる光伝送路挿入孔(図示せず)と、光伝送路挿入孔とは空間的に分離された、ピンが挿入され、かつ、回転補助板315Bと回転補助可動体317Bとが可動可能な内部空間3113Bが設けられる。
また、光学部品311Bのコリメートレンズ111Bが設けられる面にはピンが挿入される開口部3114Bが設けられ、開口部3114Bを介して、内部空間3113Bと光学部品311Bの外部とは空間的につながっている。開口部3114Bは、コリメートレンズ111Bを介して両側に1つずつ配置される。
光伝送路202Bの端部は、光伝送路202Bとコリメートレンズ111Bとの光軸が一致するように、光伝送路挿入孔によって光学部品311B内で支持される。
可動体212Bは、第2の実施形態の可動体212Bと同様の構成を有する。可動体212Bには、光学部品311Bから出射された光が入射され、また、相手方コネクタ310Aの光学部品311Aから出射され、可動体212Aを透過した光が入射される。可動体212Bは、非嵌合時にとる第1の状態と、嵌合時にとる第2の状態との間を可動可能に構成される。
図示しない可動体回転軸、バネ、バネ固定部は、第1の実施形態と同様の構成を有し、第1の実施形態と同様に可動体を回転可能に構成する。バネ固定部は第2の外郭部219Bの内部で第2の外郭部219Bに固定されている。
回転補助可動体317Bは、平面形状が矩形の板状を有する。回転補助可動体317Bは、内部空間3113B内に位置する。回転補助可動体317Bは、回転補助可動体317Bに設けられ内部空間3113B内で固定された回転軸3171Bを軸にして、内部空間3113B内を回転可能に構成される。
回転補助可動体317Bの下部は、回転補助板315Bに接着固定される。回転補助可動体317Bは、非嵌合時に、図示しない付勢部材により、上部が可動体212Bに近づくよう傾斜されている。
回転補助可動体317Bは、位置決めピン242の内部空間3113Bへの挿入により、位置決めピン242が回転補助可動体317Bに当接し、更に位置決めピン242が挿入されることによって、回転補助可動体317Bが回転軸3171Bを軸にして回転移動する。
回転補助可動体317Bは、非嵌合時には上部が可動体212Bに近づくように傾斜されていたのが、位置決めピン242の挿入により、上部が可動体212Bから遠ざかるように、そして、下部が可動体212Bに近づくように回転して傾斜される。
回転補助可動体317Bの回転移動に伴い、回転補助板315Bは、可動体212Bに向かって押し出される。回転補助板315Bが押し出されて移動することにより、可動体212Bの下部は回転補助板315Bによって押される。これにより、可動体212Bは第1の状態から第2の状態へと回転移動する。
プラグ側に設けられる光通信コネクタ310Aは、第1の外郭部218Aと、第2の外郭部219Aと、光学部品311Aと、可動体212Aと、可動体回転軸(図示せず)と、バネ(図示せず)と、バネ固定部(図示せず)と、回転補助板315Aと、回転補助可動体317Aと、2つのストッパ216Aと、カバー部材243Aと、弾性部材であるコイルバネ343を有する。
第2の外郭部219Aの内壁のうち、非嵌合時に反射部2121Aで反射された光が照射される箇所は散乱部材で構成され、第2の外郭部219Aは散乱部として機能する。
尚、光通信コネクタ310Aは、上述した構成の他、各部材の位置決めのための位置決め部材、各部材を保護するための保護部材、各部材を担持するためのケーシング等を適宜備え得る。
光学部品311Aは、コリメートレンズ111Aを有する。尚、図13においては、コリメートレンズ111Aは位置決めピン242により隠れており図示されない。光学部品311Aは、ケーブル本体201内にある光伝送路202Aの端部を保持する。
光学部品311Aは、コリメートレンズ111Aにより平行状態に調整されたコリメート光を出射、又は、相手方コネクタの光学部品311Bのコリメートレンズ111Bからのコリメート光を入射可能に構成される。
光学部品311Aには、光伝送路202Bの端部が差し込まれる光伝送路挿入孔(図示せず)と、内部空間3113Aが設けられている。内部空間3113Aは、光伝送路挿入孔とは空間的に分離される。内部空間3113Aでは、位置決めピン242が一方向に移動可能に保持され、かつ、回転補助板315Aと回転補助可動体317Aとが可動可能に構成される。
位置決めピン242の一端は弾性部材であるコイルバネ343に固定され、内部空間3113A内で、コイルバネ343の伸縮によって位置決めピン242の挿抜方向に沿って位置決めピン242は移動可能となっている。嵌合時の状態では、コイルバネ343は縮設し、非嵌合時ではコイルバネ343は自然状態となっている。位置決めピン242の他端は、光通信コネクタ310Bの内部空間3113B内に挿入される位置決めピン242の先端部となる。
また、光学部品311Aのコリメートレンズ111Aが設けられる面にはピンが挿入される開口部3114Aが設けられ、開口部3114Aを介して、内部空間3113Aと光学部品311Aの外部とは空間的につながっている。開口部3114Aは、コリメートレンズを介して両側に1つずつ配置される。
光学部品311Aに保持される光伝送路202Aの端部は、コリメートレンズ111Aの光軸が一致するように、光伝送路挿入孔によって光学部品311A内で支持される。
可動体212Aは、可動体212Bと同様の構成を有し、可動体212Aは、厚み方向と直交する平面内で、反射部2121Aと透過部2122Aとを有する。
透過部2122Aは、光透過部材から構成される。透過部2122Aは、互いに対向して平行配置される、光が入射される入射面と光が出射される出射面とを有する。入射面に対して垂直に入射した光は、屈折することなく、出射面から出射される。
反射部2121Aは、例えば表面が鏡面加工され、表面で光を反射する構成を有する。
可動体212Aには、光学部品311Aから出射された入射光40が入射され、また、相手方コネクタである光通信コネクタ310Bの光学部品311Bから出射され、可動体212Bを透過した光42が入射される。可動体212Aは、相手方コネクタである光通信コネクタ310Bとの非嵌合時にとる第1の状態と、光通信コネクタ310Bとの嵌合時にとる第2の状態との間を可動可能に構成される。
図示しない可動体回転軸、バネ、バネ固定部は、第1の実施形態と同様の構成を有し、第1の実施形態と同様に可動体を回転可能に構成する。バネ固定部は第2の外郭部219Aの内部で第2の外郭部219Aに固定されている。
可動体212Aは、非嵌合時の第1の状態では、可動体212Aの平面に対し、光学部品311Aからの入射光40が斜めに入射されるように構成される。更に、可動体212Aの反射部2121Aは、第1の状態で、光学部品311Aからの入射光40が反射部2121Aに入射されるように配置される。
可動体212Aは、嵌合時の第2の状態では、可動体212Aの平面と光学部品311Aからの入射光40とが垂直となるように構成される。可動体212Aの透過部2122Aは、第2の状態で、光学部品311A又は311Bからの光が透過部2122Aを透過するように配置される。
回転補助可動体317Aは、平面形状が矩形の板状を有する。回転補助可動体317Aは、内部空間3113A内に位置する。回転補助可動体317Aは、回転補助可動体317Aに設けられ内部空間3113A内で固定された回転軸3171Aを軸にして内部空間3113A内を回転可能に構成される。
回転補助可動体317Aは、非嵌合時に、コイルバネ343により、上部が相手方コネクタである光通信コネクタ310Bに近づくよう付勢され、傾斜している。
回転補助板315Aは、回転補助可動体317Aの下部に接着固定される。内部空間3113Bへ位置決めピン242が挿入されることにより、位置決めピン242の先端が回転補助可動体317Bの上部に当たり、位置決めピン242の挿入により、回転補助可動体317Bが回転移動する。
回転補助可動体317Bの回転移動に伴い、可動体212Bは第1の状態から第2の状態へと回転移動する。更に位置決めピン242が挿入されると、位置決めピン242の先端は光学部品311Bの内部空間3113Bの内面に当接し、挿入方向と反対の方向に押し戻され、コイルバネ343が縮設される。尚、本実施形態では、コイルバネ343の伸縮により位置決めピン242を可動させているが、ピンの可動機構はバネに限定されない。
回転補助可動体317Aは、位置決めピン242の一端部に固定され、位置決めピン242の移動に連動して回転軸3171Aを軸にして回転する。回転補助可動体317Aは、非嵌合時の状態では、上部が光通信コネクタ310Bに近づくように傾斜されているが、ピン342の移動によって、上部は光通信コネクタ310Bから遠ざかり、下部が光通信コネクタ310Bに近づくように移動して傾斜する状態となる。
回転補助可動体317Aの回転移動により、回転補助板315Aは、回転補助可動体317Aの下部により可動体212Aに向かって押し出される。回転補助板315Aは、押し出されて移動することにより、可動体212Aの下部を押す。これにより、可動体212Aは第1の状態から第2の状態へと回転移動する。
光通信コネクタ310Aと光通信コネクタ310Bとがコイルバネ343により互いに押圧する状態は、図示しないロック部材により保持され、光接合状態を形成することができる。
以上のように、ピン及びバネを用いて双方の光通信コネクタの可動体を回転可能に構成してもよい。
本実施形態では、光通信コネクタ310A(310B)は、非嵌合時では、可動体212A(212B)が傾斜した第1の状態をとっている。これにより、光学部品311A(311B)から出射された入射光40は、可動体212A(212B)の反射部2121A(2121B)で反射する。
反射部2121A(2121B)で反射した光41は、光通信コネクタ310A(310B)内へ向かう光路を取り、第2の外郭部219A(219B)の内壁の散乱部材で構成された領域に入射して散乱し、直接、光通信コネクタ310A(310B)の外部に放射されない。
したがって、光通信コネクタ310A、310B間で光結合せずに漏れた光が外部へ放射されたとしても、光のパワーが減衰されて外部に放射されることになり、作業の安全性が高まる。
尚、本実施形態では、レセプタクル側の光通信コネクタにピン挿入穴を設け、プラグ側の光通信コネクタにピンを設けたが、逆であってもよい。
(第4の実施形態)
次に、図14及び図15を用いて、第4の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。以下、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本実施形態で説明する光通信コネクタ410Aと光通信コネクタ410Bとからなる光通信コネクタセット410は、第1の実施形態の光通信コネクタセット10と同様に、電子機器100と光通信ケーブル200との光接合に用いることができる。
光通信コネクタ410Aと光通信コネクタ410Bとは、それぞれの一部を構成する第1の外郭部の大きさが異なるが、それ以外は共通の構成を有する。
図14は、非嵌合時における光通信コネクタセットの拡大断面図である。図15は、嵌合時における光通信コネクタセットの拡大断面図である。
光通信コネクタ410A(410B)は、第1の外郭部218A(218B)と、第2の外郭部219A(219B)と、光学部品411A(411B)と、可動体212A(212B)と、可動体回転軸(図示せす)と、バネ(図示せず)と、バネ固定部(図示せず)と、2つのストッパ216A(216B)と、カバー部材243A(243B)と、ピン442A(442B)と、弾性部材としてのコイルバネ443A(443B)と、固定板444A(444B)とを有する。
尚、光通信コネクタ410A(410B)は、上述した構成の他、各部材の位置決めのための位置決め部材、各部材を保護するための保護部材、各部材を担持するためのケーシング等を適宜備え得る。
光学部品411A(411B)は、コリメートレンズ111A(111B)を有する。光学部品411A(411B)は、ケーブル本体201(電子機器100)内にある光伝送路(図示せず)の端部を保持する。光学部品411A(411B)は、コリメートレンズ111A(111B)により平行状態に調整されたコリメート光を出射、又は、相手方コネクタの光学部品411A(411B)からのコリメート光が入射可能に構成される。
光学部品411A(411B)には、光伝送路の端部が差し込まれる光伝送路挿入孔(図示せず)と、光伝送路挿入孔とは空間的に分離された、ピン442A(442B)が挿入されるピン挿入孔4114A(4114B)が設けられる。ピン挿入孔4114A(4114B)は、光学部品411A(411B)の一端面から他端面まで延在した貫通孔である。
固定板444A(444B)は、第1の外郭部218A(218B)に固定される。固定板444A(444B)には、光通信コネクタの挿抜方向に伸縮可能なコイルバネ443A(443B)と、ピン442A(442B)が固定されている。
コイルバネ443A(443B)の一端は固定板444A(444B)に固定され、他端は光学部品411A(411B)に固定される。
ピン442A(442B)は、光学部品411A(411B)のピン挿入孔4114A(4114B)内で挿抜方向に移動可能にピン挿入孔4114A(4114B)によって支持されている。
ピン442A(442B)は、コリメートレンズ111A(111B)が配置される面から突出し、コイルバネ443A(443B)の伸縮に伴って、光学部品411A(411B)からの突出長さが変位する。ピン442A(442B)は、可動体212A(212B)に当接可能に構成される。
光通信コネクタ410Aを光通信コネクタ410Bに挿入することにより、コイルバネ443A及び443Bは縮設し、それぞれのバネによる付勢力により、光通信コネクタ410Aのカバー部材243Aと光通信コネクタ410Bのカバー部材243Bとが当接されて、2つの光通信コネクタが嵌合して光接合状態となる。
ケーブル本体201(電子機器100)の光伝送路の端部は、光伝送路とコリメートレンズ111A(111B)との光軸が一致するように、光伝送路挿入孔によって光学部品411A(411B)内で支持される。
可動体212A(212B)には、光学部品411A(411B)から出射された光が入射され、また相手方コネクタである光通信コネクタ410B(410A)の光学部品411B(411A)から出射され、可動体212B(212A)を透過した光が入射される。可動体212A(212B)は、相手方コネクタである光通信コネクタ410B(410A)との非嵌合時にとる第1の状態と、光通信コネクタ410B(410A)との嵌合時にとる第2の状態との間を可動可能に構成される。
可動体212A(212B)は、非嵌合時の第1の状態では、可動体212A(212B)の平面に対し、光学部品411A(411B)からの光が斜めに入射されるように構成される。更に、可動体212A(212B)の反射部2121A(2121B)は、第1の状態で、光学部品411A(411B)からの光が反射部2121A(2121B)に入射されるように配置される。非嵌合時では、コイルバネ443A(443B)が自然状態で可動体212A(212B)にピン442A(442B)による押す力が作用していないので、可動体212A(212B)は、傾斜した第1の状態を保っている。
図示しない可動体回転軸、バネ、バネ固定部は、第1の実施形態と同様の構成を有し、第1の実施形態と同様に可動体を回転可能に構成する。バネ固定部は第2の外郭部219A(219B)の内部で第2の外郭部219A(219B)に固定されている。
可動体212A(212B)は、嵌合時の第2の状態では、可動体212A(212B)の平面と光学部品411A(411B)からの入射光とが垂直となるように構成される。可動体212A(212B)の透過部2122A(2122B)は、第2の状態で、光学部品411A又は411Bからの光が透過部2122A(2122B)を透過するように配置される。
図15に示すように、レセプタクル側の光通信コネクタ410Bに、プラグ側の光通信コネクタ410Aが挿入されると、第1の外郭部218Aと第1の外郭部218Bそれぞれに固定された固定板444A、444Bとが互いに近づくように移動する。
これにより、双方の光通信コネクタ410A、410Bがお互いに押すことでコイルバネ443A及び443Bは縮設し、これに伴い、光学部品411A(411B)と固定板444A(444B)との距離が縮まり、ピン442A(442B)の、光学部品411A(411B)から突出する部位の長さが伸びていき、可動体212A(212B)の下部はピン442A(442B)によって押される。これにより、可動体回転軸を軸にして可動体212A(212B)が回転する。
回転により、可動体212A(212B)は、その平面が、入射光の光軸に対して斜めの第1の状態から、入射光の光軸に対して垂直の第2の状態となるように移動する。可動体212Bが第2の状態をとることにより、嵌合時、光通信コネクタ410Aの可動体212Aと光通信コネクタ410Bの可動体212Bとは平行に位置する。
本実施形態では、光通信コネクタ410A(410B)は、非嵌合時では、可動体212A(212B)が傾斜した第1の状態をとっている。これにより、光学部品411A(411B)からの光は、可動体212A(212B)の反射部2121A(2121B)に入射し、反射部2121A(2121B)で反射する。
反射部2121A(2121B)で反射した光41は、光通信コネクタ410A(410B)内へ向かう光路を取り、第2の外郭部219A(219B)の内壁の散乱部材で構成された領域に入射して散乱し、直接、光通信コネクタ410A(410B)の外部に放射されない。したがって、光通信コネクタ410A、410B間で光結合せずに漏れた光が外部へ放射されたとしても、光のパワーが減衰されて外部に放射されることになり、作業の安全性が高まる。
以上のように、ピン及びバネを用いて可動体を回転可能に構成してもよい。本実施形態の構成では、相手方コネクタとの嵌合により弾性部材が伸縮し、この弾性部材の伸縮に伴ってピンの光学部品からの突出長さが変位する。弾性部材の縮設により光学部品から突出するピンと可動体との距離が縮まり、ピンが可動体に接触し、可動体を押すことにより、可動体を第1の状態から第2の状態へ回転移動させることができる。
このような構成においては、それぞれのコネクタが相手方のコネクタの可動体に直接接触することなく、コネクタ自身内の機構で可動体を回転させることができる。従って、カバー部材にピンが挿入される孔を設ける必要がなく、塵や埃等の侵入が更に抑制され、比較的挿抜の頻度の高い民生向けの光通信コネクタセットに特に適している。
(第5の実施形態)
次に、図16及び図17を用いて、第5の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。以下、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
本実施形態で説明する光通信コネクタ510Aと光通信コネクタ510Bとからなる光通信コネクタセット510は、第1の実施形態の光通信コネクタセット10と同様に、電子機器100と光通信ケーブル200との光接合に用いることができる。
図16は、非嵌合時における光通信コネクタセットの拡大断面図である。図17は、嵌合時における光通信コネクタセットの拡大断面図である。
本実施形態では、可動体の回転機構に電磁石を用いている点で、上述の実施形態と主に構成が異なる。
光通信コネクタ510Aは、電磁石541と、電極542と、第2の外郭部219Aと、光学部品11Aと、可動体512Aと、可動体回転軸(図示せす)と、バネ(図示せず)と、バネ固定部(図示せず)と、2つのストッパ216Aと、カバー部材243Aとを有する。
尚、光通信コネクタ510Aは、上述した構成の他、各部材の位置決めのための位置決め部材、各部材を保護するための保護部材、各部材を担持するためのケーシング等を適宜備え得る。
光学部品11Aは、コリメートレンズ111Aを有する。光学部品11Aは、ケーブル本体201内にある光伝送路202Aの端部を保持する。光学部品11Aは、コリメートレンズ111Aにより平行状態に調整されたコリメート光を出射、又は、相手方コネクタの光学部品11Aからのコリメート光が入射可能に構成される。
光学部品11Aには、光伝送路202Aの端部が差し込まれる光伝送路挿入孔(図示せず)が設けられる。
可動体512Aは板状を有する。可動体512Aは、厚み方向と直交する平面内で、非光透過部5121Aと透過部5122Aとを有する。
透過部5122Aは、光透過部材からなる。透過部5122Aは、互いに対向して平行配置される、光が入射される入射面と光が出射される出射面とを有する。入射面に対して垂直に入射した光は、屈折することなく、出射面から出射される。非光透過部5121Aは、可動磁石から構成される。
可動体512Aには、光学部品11Aから出射された光が入射される。可動体512Aは、非嵌合時にとる第1の状態と、嵌合時にとる第2の状態との間を可動可能に構成される。
可動体512Aは、非嵌合時の第1の状態では、可動体512Aの平面に対し、光学部品11Aからの光が斜めに入射されるように構成される。更に、可動体512Aの非光透過部5121Aは、第1の状態で、光学部品11Aからの光が可動磁石からなる非光透過部5121Aに入射されるように配置される。
図示しない可動体回転軸、バネ、バネ固定部は、第1の実施形態と同様の構成を有し、第1の実施形態と同様に可動体を回転可能に構成する。バネ固定部は第2の外郭部219Bの内部で第2の外郭部219Bに固定されている。
可動体512Aは、非嵌合時の第1の状態では、可動体512Aの平面に対し、光学部品11Bからの光が斜めに入射されるように構成される。更に、第1の状態で、可動体512Aの非光透過部5121Aには光学部品11Aからの光が入射されるように、非光透過部5121Aは配置される。
可動体512Aは、嵌合時の第2の状態では、可動体512Aの平面と光学部品11Aからの入射光とが垂直となるように構成される。第2の状態で、可動体512Aの透過部5122Aは、光学部品11A又は11Bからの光が透過部5122Aに入射されるように配置される。
電磁石541は、第2の外郭部219Aにより覆われた光学部品11Aを挟み込むように上下にそれぞれ設けられる。電磁石541の側面には電極542が設けられている。電磁石541は、電極542と、後述する光通信コネクタ510Bに設けられる端子543とが通電することにより、磁力を発生させる。
光通信コネクタ510Bは、第1の外郭部218Bと、端子543と、第2の外郭部219Bと、光学部品11Bと、可動体512Bと、可動体回転軸(図示せす)と、バネ(図示せず)と、バネ固定部(図示せず)と、2つのストッパ216Bと、カバー部材243Bとを有する。
尚、光通信コネクタ510Bは、上述した構成の他、各部材の位置決めのための位置決め部材、各部材を保護するための保護部材、各部材を担持するためのケーシング等を適宜備え得る。
可動体512Bは、可動体512Aと同様の構成を有し、同様の回転機構により回転可能に構成される。可動体512Bは、非嵌合時にとる第1の状態と、嵌合時にとる第2の状態との間を可動可能に構成される。
端子543は、第1の外郭部218Bの内側面に配置される。端子543は、光通信コネクタ510Aを光通信コネクタ510Bに挿入して両者を嵌合して光接合する際に、光通信コネクタ510Aの電極542と接触し電気的に接続可能に構成される。
図17に示すように、光通信コネクタ510Aが光通信コネクタ510Bに挿入され、端子543と電極542とが接触し、通電されると電磁石541が磁力を発生する。これにより、可動体512A(512B)の可動磁石からなる非光透過部5121A(5121B)は電磁石541に吸着されて、可動体512A(512B)は回転する。可動体512A(512B)は、その平面に光学部品11A(11B)からの光が垂直に入射される第2の状態をとるように回転移動する。
本実施形態では、光通信コネクタ510A(510B)は、非嵌合時では、可動体512A(512B)が傾斜した第1の状態をとっている。これにより、光学部品11A(11B)から出射された光は可動体512A(512B)の可動磁石からなる非光透過部5121A(5121B)で反射又は吸収される。
非光透過部5121A(5121B)で反射する場合には、反射した光41は、光通信コネクタ510A(510B)内へ向かう光路を取り、第2の外郭部219A(219B)の内壁の散乱部材で構成された領域に入射して散乱し、直接、光通信コネクタ210A(210B)の外部に放射されない。したがって、光通信コネクタ210A、210B間で光結合せずに漏れた光が外部へ放射されたとしても、光のパワーが減衰されて外部に放射されることになり、作業の安全性が高まる。
また、非光透過部5121A(5121B)で光が吸収される場合には、光の吸収により、光通信コネクタ510Bの外部へは光のパワーが減衰されて放射される。これにより、作業の安全性が高まる。
尚、ストッパを磁石で構成し、可動磁石と同じ極とすることにより、非嵌合時に、お互いを反発させて可動体に傾斜を持たせた第1の状態となるようにしてもよい。
以上のように、電磁石を用いて可動体を回転可能に構成してもよい。本実施形態では、電磁石を用いて可動体を回転可能としているので、双方のコネクタが互いに干渉しない位置で可動体を回転させることができる。従って、カバー部材にピンが挿入される孔等を設ける必要がなく、塵や埃等の侵入が更に抑制され、比較的挿抜の頻度の高い民生向けの光通信コネクタセットに特に適している。
(他の実施形態)
以下、第6〜第16の実施形態について説明をするが、いずれの実施形態においても、可動体が非嵌合時にとる第1の状態では、光学部品から可動体に入射された光は、可動体により、第2の外郭部の内側面に向かう光路をとる光となり、光通信コネクタの外部に放射される光のパワーが減衰される。可動体が嵌合時にとる第2の状態では、光学部品から可動体に入射される光は、可動体を透過し、そのまま光通信コネクタの外部に放射される。
これにより、非嵌合時では、嵌合時と比較して、パワーが減衰されて外部に放射されることになる。これにより作業の安全性が高まる。
また、下記第6〜第16の実施形態において、可動体の回転機構として、第1の実施形態で説明した双方のコネクタそれぞれに設けられる可動体同士が直接当接することにより可動体を回転させる機構、第2〜第4の実施形態で説明したピンを用いて可動体を回転させる機構、第5の実施形態で説明した電磁石を用いて可動体を回転させる機構等を用いることができる。
下記第6〜第16の実施形態では、カバー部材を用いる場合を例にあげて説明する。
また、第6〜第16の実施形態では、互いに嵌合するレセプタクル側の光通信コネクタとプラグ側の光通信コネクタとで同様の可動体の構成を有する。上述の実施形態では、一対の光通信コネクタの一方と他方を区別するために、符号の後にA、Bを付与して説明したが、下記実施形態では、A、Bを省略して説明する。
以下の第6〜第16の実施形態では、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合があり、可動体の構成を中心に説明する。また、回転機構については、図示及び説明を省略する。
上述の実施形態では、可動体として平面矩形状の板状の部材を用いる例をあげたが、可動体の形状はこれに限定されず、第1の状態で、入射光の光路が変更し外部に放射される光のパワーが減衰されるように構成され、第2の状態で光を透過して光通信コネクタの外部に放射する構成であればよい。
以下、可動体の形状の変形例について第6〜第9の実施形態として説明する。いずれの実施形態においても、可動体は回転して第1の状態と第2の状態をとることができる。
(第6の実施形態)
図18を用いて、第6の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図18は光通信コネクタ610の概略断面図であり、図18(A)は非嵌合時の状態、図18(B)は嵌合時の状態を示す。
図18に示すように、光通信コネクタ610は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品611と、可動体612と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
可動体612は、非光透過部である一対の反射部6121と透過部6122とを有する。反射部6121及び透過部6122はいずれも直方体形状を有する。一対の反射部6121は透過部6122を挟むように設けられる。
光通信コネクタ610が図示しない相手方の光通信コネクタと嵌合し、光学部品611からの入射光40が可動体612に入射する際の、可動体611の入射光40が入射される側の面は、透過部6122が反射部6121よりも突出した面となっている。一方、可動体612の入射光40が入射される側の面と対向する面は平坦面となっている。
図18(A)に示すように、可動体612は、第1の状態で、平坦面が光学部品611からの入射光40の光軸40aに対し斜めになるように位置する。これにより、入射光40は、突出した透過部6122の側面に対し斜めに入射し、透過部6122から出射した光は反射部6121に向かった光路をとり、反射部6121の表面で反射する。反射した光41は、第2の外郭部219の内壁に向かう光路をとる。
反射光41は、第2の外郭部219の内壁の散乱部材で構成された領域に入射して散乱し、直接、光通信コネクタ610の外部に放射されない。したがって、2つの光通信コネクタの嵌合時に両者間で光結合せずに漏れた光が外部へ放射されたとしても、光のパワーが減衰されて外部に放射されることになり、作業の安全性が高まる。
一方、図18(B)に示すように、可動体612は、第2の状態で、平坦面が入射光40の光軸40aに対し垂直になるように位置する。これにより、光学部品611からの入射光40は、突出した透過部6122の面に対し垂直に入射し、透過部6122を透過して出射する。透過し出射した光42は、光通信コネクタ610の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
(第7の実施形態)
次に、図19を用いて、第7の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図19は光通信コネクタ710の概略断面図であり、図19(A)は非嵌合時の状態、図19(B)は嵌合時の状態を示す。
図19に示すように、光通信コネクタ710は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品611と、可動体712と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
可動体712は、非光透過部である一対の反射部7121と透過部7122とを有する。反射部7121及び透過部7122はいずれも直方体形状を有する。一対の反射部7121は透過部7122を挟むように設けられる。
第6の実施形態の可動体612と同様に、可動体712は、嵌合時に光が出射する面側が平坦面を有し、該平坦面と対向する面は、透過部7122が突出する面となる。第7の実施形態の可動体712は、第6の実施形態の可動体612よりも平坦面に直交する厚みが全体的に厚くなっている。
図19(A)に示すように、可動体712は、第1の状態で、平坦面が入射光40の光軸40aに対し斜めになるように位置する。これにより、光学部品611からの入射光40は、透過部7122の面に対し斜めに入射し、透過部7122内で、反射部7121で反射しながら透過部7122を出射する。
透過部7122から出射した光41は、第2の外郭部219の内側面に向かう光路をとる。したがって、光学部品611からの入射光40が光通信コネクタ710の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図19(B)に示すように、可動体712は、第2の状態で、平坦面が入射光40の光軸40aに対し垂直になるように位置する。これにより、光学部品611からの入射光40は、透過部7122の面に対し垂直に入射し、透過部7122を透過して出射する。透過し、出射した光42は、光通信コネクタ710の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
(第8の実施形態)
次に、図20を用いて、第8の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図20は光通信コネクタ810の概略断面図であり、図20(A)は非嵌合時の状態、図20(B)は嵌合時の状態を示す。
図20に示すように、光通信コネクタ810は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品611と、可動体812と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
可動体812は、非光透過部である一対の反射部8121と透過部8122とを有する。反射部8121及び透過部8122はいずれも直方体形状を有する。一対の反射部8121は透過部8122を挟むように設けられる。
第6の実施形態の可動体612と同様に、可動体812は、嵌合時に光が出射する面側が平坦面を有し、該平坦面と対向する面は、透過部8122が突出する面となる。第8の実施形態の可動体812は、第6の実施形態の可動体612よりも平坦面に直交する厚みが全体的に厚くなっているが、第7の実施形態の可動体712よりも厚みが薄くなっている。
図20(A)に示すように、可動体812は、第1の状態で、平坦面が入射光の光軸40aに対し斜めになるように位置する。これにより、光学部品611からの入射光40は、透過部8122の面に対し斜めに入射し、透過部8122内で、反射部8121で反射して透過部8122を出射する。
本実施形態では、第7の実施形態の可動体712と比べて、透過部8122内を通る光の光路長が短くなる。このように、可動体の形状が類似していても、寸法を変えて、可動体から出射する光の光路を調整することができる。
透過部8122から出射した光41は、第2の外郭部219の内側面に向かう光路をとる。したがって、光学部品611からの入射光40が光通信コネクタ810の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図20(B)に示すように、可動体812は、第2の状態で、平坦面が入射光40の光軸40aに対し垂直になるように位置する。これにより、光学部品611からの入射光40は、透過部8122の面に対し垂直に入射し、透過部8122を透過して出射する。透過し、出射した光42は、光通信コネクタ810の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
(第9の実施形態)
次に、図21を用いて、第9の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図21は光通信コネクタ910の概略断面図であり、図21(A)は非嵌合時の状態、図21(B)は嵌合時の状態を示す。
図21に示すように、光通信コネクタ910は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品611と、可動体912と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
可動体912は、非光透過部である一対の反射部9121と透過部9122とを有する。透過部9122は直方体形状を有し、透過部9122の互いに対向する一対の面それぞれに、透過部9122を挟み込むように、一対の反射部9121が配置される。透過部9122の反射部9121が配置される側の一対の面は、嵌合時に光が入射して出射する相互に対向する一対の面と直交して配置される面である。
図21(A)に示すように、可動体912は、第1の状態で、反射部9121が入射光40の光軸40aに対し斜めになるように位置する。第1の状態で、光学部品611からの入射光40は、反射部9121に入射され反射する。この反射した光41は、第2の外郭部219の内側面に向かう光路をとる。したがって、光学部品611からの入射光40が光通信コネクタ910の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図21(B)に示すように、可動体912は、第2の状態で、透過部9122の面に対し入射光40が垂直になるように位置する。これにより、光学部品611からの入射光40は、透過部9122の面に対し垂直に入射し、透過部9122を透過して出射する。透過した光42は、光通信コネクタ910の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
上述の実施形態では、可動体を非光透過部と光透過部により構成し、第1の状態と第2の状態とでの入射した光の光路を異ならせる例をあげた。以下の第10〜第12の実施形態では、可動体を光透過部材であるプリズムにより構成しており、光の屈折で光路が異なるように可動体の形状を調整している。
可動体をプリズムで構成する場合、第1の状態と第2の状態とで光路を異ならせ、第1の状態で外部に放射される光のパワーが減衰され、第2の状態で光が減衰されることなく透過して光コネクタの外部に放射されるよう可動体の形状が構成される。
第10〜第12の実施形態では、プリズムから構成される可動体の形状を中心に説明し、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。また、可動体の回転機構としては上述の実施形態で説明した回転機構を用いることができ、ここでは図示及び説明を省略する。尚、プリズムから構成される可動体の形状は実施形態に記載される構成に限定されない。
第10〜第12の実施形態に示すプリズムから構成される可動体は、第1の状態で、入射光を屈折させて入射光の光軸に対して斜めの方向に出射させ、第2の状態で、前記入射光を、入射光の光軸と一致させて出射させる。
(第10の実施形態)
図22を用いて、第10の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図22は光通信コネクタ1010の概略断面図であり、図22(A)は非嵌合時の状態、図22(B)は嵌合時の状態を示す。
図22に示すように、光通信コネクタ1010は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品611と、可動体1012と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
可動体1012は錐台形状を有する。可動体1012は、相互に平行に配置される入射面となる底面1016及び底面1016よりも面積の狭い出射面となる上面1017と、側面1015とを有する。可動体1012は、第2の状態で、底面1016と上面1017が、入射光40に対して垂直に位置する。
尚、ここでは、光通信コネクタ1010が送信側である場合を例にあげているが、光通信コネクタ1010が受信側となる場合は、上面1017が相手方光通信コネクタからの光が入射される入射面となり、底面1016が出射面となる。
図22(A)に示すように、可動体1012は、第1の状態で、底面1016の延長上に対して入射光40の光軸40aが斜めになるように位置する。第1の状態で、光学部品611からの入射光40は、側面1015に対し斜めに入射する。入射した光は屈折し、側面1015から斜めに出射する。
この可動体1012から出射した光41の光軸は、入射光40の光軸40aに対し斜めに位置し、可動体1012から出射した光41は、第2の外郭部219の内側面に向かう光路をとる。したがって、光学部品611からの光が光通信コネクタ1010の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図22(B)に示すように、可動体1012は、第2の状態で、底面1016及び上面1017が入射光の光軸40aに対し垂直になるように位置する。これにより、光学部品611からの入射光40は、底面1016に対し垂直に入射し、上面1017から上面1017に対し垂直に出射する。透過した光42は、光通信コネクタ1010の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
(第11の実施形態)
次に、図23を用いて、第11の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図23は光通信コネクタ1110の概略断面図であり、図23(A)は非嵌合時の状態、図23(B)は嵌合時の状態を示す。
図23に示すように、光通信コネクタ1110は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品611と、可動体1112と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
可動体1112は、錐台の底面の中央部に、凸部を有する形状となっている。可動体1112は、相互に平行に配置される入射面となる第1の面1116及び第2の面1117と、錐台部分の側面1115と、凸部部分の側面1118を有する。可動体1112は、第2の状態で、第1の面1116と第2の面1117が、入射光40に対して垂直に位置する。
図23(A)に示すように、可動体1112は、第1の状態で、第1の面1116の延長上に対して入射光40の光軸40aが斜めになるように位置する。第1の状態で、光学部品611からの入射光40は、側面1118に対し斜めに入射する。入射した光は屈折し、側面1115から斜めに出射する。
この可動体1112から出射した光41の光軸は、入射光40の光軸40aに対し斜めに位置し、可動体1112から出射した光41は、第2の外郭部219の内側面に向かう光路をとる。したがって、光学部品611からの入射光が光通信コネクタ1110の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図23(B)に示すように、可動体1112は、第2の状態で、第1の面1116及び第2の面1117が入射光40の光軸40aに対し垂直になるように位置する。これにより、光学部品611からの入射光40は、第1の面1116に対し垂直に入射し、第2の面1117から第2の面1117に対し垂直に出射する。透過した光42は、光通信コネクタ1110の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
(第12の実施形態)
次に、図24を用いて、第12の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図24は光通信コネクタ1210の概略断面図であり、図24(A)は非嵌合時の状態、図24(B)は嵌合時の状態を示す。
図24に示すように、光通信コネクタ1210は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品611と、可動体1212と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
可動体1212は、2つの大きさが異なる柱体形状を互いの中心軸が同一軸上となるように積層した形状で構成される。可動体1212は、相互に平行に配置される入射面となる第1の面1216及び第2の面1217と、大きい柱体の側面1215と、小さい柱体の側面1218を有する。可動体1212は、第2の状態で、第1の面1216と第2の面1217が、入射光40に対して垂直に位置する。
図24(A)に示すように、可動体1212は、第1の状態で、第1の面1216の延長上に対して入射光40の光軸40aが斜めになるように位置する。第1の状態で、光学部品611からの入射光40は、側面1218に対し斜めに入射する。入射した光は屈折し、側面1215に対して斜めに出射する。
この可動体1212から出射した光41は、入射光40の光軸40aに対し斜めに位置する方向に出射し、第2の外郭部219の内側面に向かう光路をとる。したがって、光学部品611からの入射光が光通信コネクタ1210の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図24(B)に示すように、可動体1212は、第2の状態で、第1の面1216及び第2の面1217が入射光40の光軸40aに対し垂直になるように位置する。これにより、光学部品611からの入射光40は、第1の面1216の面に対し垂直に入射し、第2の面1217に垂直に第2の面1217から出射する。
可動体1212を透過した光42は、光通信コネクタ1210の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
以上の第10〜第12の実施形態に示すように、可動体をプリズムで構成してもよい。
上述の実施形態では、一芯型コネクタを例にあげて説明したが、コリメート出力面から2次元アレイ状にコリメート光を出力する多芯型コネクタにも本技術を適用することができる。
以下、第13〜16の実施形態を例にあげ、縦に2個、横に4個の計8個のコリメートレンズを設ける多芯型コネクタに適用する場合の可動体の形状の変形例について説明する。尚、コリメートレンズの数、配置、可動体の形状はここに記載するものに限定されない。
第13〜16の実施形態においても、可動体が第1の状態をとることで、可動体に入射される光学部品からの複数の光は、反射或いは屈折して光路が変更され、外部に放射される光のパワーが減衰されるように構成される。
そして、可動体は、第2の状態をとることで、光学部品からの複数の入射光を透過して光コネクタの外部に直接放射する構成となっている。以下、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
(第13の実施形態)
図25を用いて、第13の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図25は光通信コネクタ1310の概略断面図であり、図25(A)は非嵌合時の状態、図25(B)は嵌合時の状態を示す。
図25に示すように、光通信コネクタ1310は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品1311と、可動体1312と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
光学部品1311は、複数、ここでは8個のコリメートレンズ111を有する。光学部品1311は、光伝送路1320を保持する。
光学部品1311には、複数の光伝送路1320の端部が差し込まれる光伝送路挿入孔(図示せず)が設けられる。光伝送路の端部は、光伝送路とコリメートレンズ111との光軸が一致するように、光伝送路挿入孔によって光学部品1311内で支持される。
尚、後述する第14〜第16の実施形態では光伝送路1320の図示、説明を省略する。
可動体1312はプリズムから構成される。可動体1312は、2つの大きさが異なる柱体形状を互いの中心軸が同一軸上となるように積層した形状で構成される。可動体1312は、相互に平行に配置される入射面となる第1の面1316及び第2の面1317と、小さい柱体の側面1318と、大きい柱体の側面1315を有する。
可動体1312は、第2の状態で、第1の面1316と第2の面1317が、入射光40に対して垂直に位置する。可動体1312の第1の面1316には、第2の状態で、8個のコリメートレンズ111からの入射光40がすべて入射されるように設定される。
図25(A)に示すように、可動体1312は、第1の状態で、第1の面1316の延長上に対して入射光40の光軸40aが斜めになるように位置する。第1の状態で、光学部品1311からの入射光40は、側面1318に対し斜めに入射する。入射した光は屈折し、第2の面1317から出射する。
この可動体1312から出射した光41の光軸は、入射光40の光軸40aに対し斜めに位置し、可動体1312から出射した光41は、第2の外郭部219の内側面に向かう光路をとる。したがって、光学部品1311からの入射光40が光通信コネクタ1310の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図25(B)に示すように、可動体1312は、第2の状態で、第1の面1316及び第2の面1317が入射光40の光軸40aに対し垂直になるように位置する。これにより、光学部品1311からの入射光40は、第1の面1316の面に対し垂直に入射し、第2の面1317に垂直に第2の面1317から出射する。透過した光42は、光通信コネクタ1310の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
(第14の実施形態)
次に、図26を用いて、第14の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図26は光通信コネクタ1410の概略断面図であり、図26(A)は非嵌合時の状態、図26(B)は嵌合時の状態を示す。
図26に示すように、光通信コネクタ1410は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品1311と、可動体1412と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
可動体1412は板状を有する。可動体1412は、厚み方向と直交する平面内で、反射部1416と透過部1417とを有する。図面上、中央部に透過部1417が位置し、この透過部1417を介して相互に対向して上部、下部それぞれに反射部1416が位置する。
透過部1417は、プリズムからなる。透過部1417は、互いに対向して平行配置される、光が入射される入射面と光が出射される出射面とを有する。入射面に対して垂直に入射した光は、屈折することなく、出射面から出射される。透過部1417の入射面には、8個のコリメートレンズ111からの入射光40がすべて入射されるように設定される。
反射部1416は、例えば表面が鏡面加工され、表面で光を反射する構成を有する。
図26(A)に示すように、可動体1412は、第1の状態で、平面が入射光40の光軸40aに対し斜めになるように位置する。第1の状態で、光学部品1311からの入射光40は、反射部1416に入射する。反射部1416で反射した光41は、第2の外郭部219の内側面に向かう光路をとる。したがって、光学部品1311からの入射光40が光通信コネクタ1410の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図26(B)に示すように、可動体1412は、第2の状態で、平面が入射光40の光軸40aに対し垂直になるように位置する。これにより、光学部品1311からの入射光40は、透過部1417の面に対し垂直に入射し、透過部1417を透過して出射する。透過した光42は、光通信コネクタ1410の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
(第15の実施形態)
次に、図27を用いて、第15の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図27は光通信コネクタ1510の概略断面図であり、図27(A)は非嵌合時の状態、図27(B)は嵌合時の状態を示す。
図27に示すように、光通信コネクタ1510は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品1311と、可動体1512と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
可動体1512は板状を有する。可動体1512は、厚み方向と直交する平面内で、反射部1516と透過部1517a、1517bとを有する。
反射部1516は、透過部1517aと透過部1517bとの間と、これら2つの透過部1517a及び1517bを挟み込むように、これら2つの透過部の上側と下側に設けられる。
可動体1512が第2の状態をとったときに、縦に2個、横に4個に並ぶ8個のコリメートレンズ111のうち、上部の4個のコリメートレンズ111からの入射光40は透過部1517aに入射され、下部の4個のコリメートレンズ111からの入射光40は透過部1517bに入射されるように構成される。
透過部1517a、1517bは、プリズムからなる。透過部1517a、1517bは、互いに対向して平行配置される、光が入射される入射面と光が出射される出射面とを有する。入射面に対して垂直に入射した光は、屈折することなく、出射面から出射される。
反射部1516は、例えば表面が鏡面加工され、表面で光を反射する構成を有する。
図27(A)に示すように、可動体1512は、第1の状態で、平面が入射光40の光軸40aに対し斜めになるように位置する。第1の状態で、光学部品1311からの光40は、反射部1516へ入射する。反射部1516で反射した光41は、第2の外郭部219の内側面に向かう光路をとる。したがって、光学部品1311からの入射光40が光通信コネクタ1510の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図27(B)に示すように、可動体1512は、第2の状態で、平面が入射光40の光軸40aに対し垂直になるように位置する。これにより、光学部品1311からの入射光40は、透過部1517a、1517bの面に対し垂直に入射し、透過部1517a、1517bを透過して出射する。透過した光42は、光通信コネクタ1510の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
(第16の実施形態)
次に、図28を用いて、第16の実施形態に係る光通信コネクタについて説明する。図28は光通信コネクタ1610の概略断面図であり、図28(A)は非嵌合時の状態、図28(B)は嵌合時の状態を示す。
図28に示すように、光通信コネクタ1610は、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219と、光学部品1311と、可動体912と、可動体の回転機構(図示せず)と、ストッパ(図示せず)と、カバー部材(図示せず)を有する。
可動体912は、第9の実施形態に示す可動体912と同様の構成を有する。可動体912の透過部9122は、第2の状態で、8個のコリメートレンズ111からの入射光40がすべて透過部9122に入射されるように設けられる。
図28(A)に示すように、可動体912は、第1の状態で、平面が入射光40の光軸40aに対し斜めになるように位置する。第1の状態で、光学部品1311からの入射光40は、反射部9121に入射する。反射部9121で反射した光41は、第2の外郭部219の内側面に向かう光路をとる。したがって、光学部品1311からの光が光通信コネクタ1610の外部へ直接放射されることが防止される。
一方、図28(B)に示すように、可動体912は、第2の状態で、透過部9122の面が入射光40の光軸40aに対し垂直になるように位置する。これにより、光学部品1311からの入射光40は、透過部9122の面に対し垂直に入射し、透過部9122から出射する。透過部9122を透過した光42は、光通信コネクタ1610の外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
(第17の実施形態)
上述の実施形態においては、可動体を回転可能として、第1の状態と第2の状態とをとりうる構成としたが、これに限定されない。本実施形態では、可動体を上下方向に移動可能に構成することにより、可動体が第1の状態と第2の状態をとりうる構成となっている。
以下、可動体の上下移動機構を中心に、図29〜図31を用いて説明するが、上述の実施形態と同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図29は、光通信コネクタセットの一方のレセプタクル側の光通信コネクタ1710Bの概略斜視図であり、プラグ側の光通信コネクタが有する位置決めピンが挿入された状態を示す。
図30は、図29の光通信コネクタ1710Bの非嵌合時及び嵌合時における可動体の状態及び光の光路を説明する概略断面図である。図31は、図29の光通信コネクタ1710Bに図示しない相手方光通信コネクタが嵌合された際の可動体の移動機構を説明するための概略断面図である。
ここでは、光通信コネクタ1710Bの相手方コネクタとなるプラグ側の光通信コネクタについては図示を省略するが、例えば、第2実施形態で説明した位置決めピン242を備えた光通信コネクタ210Aを用いることができる。
光通信コネクタ1710Bは、第1の外郭部(図示せず)と、第2の外郭部219Bと、光学部品211Bと、可動体1712Bと、移動補助板1715Bと、カバー部材243Bとを有する。
また、光通信コネクタ1710Bは、可動体1712Bの移動を上下方向に制限する機構(図示せず)を有する。光通信コネクタ1710Bは、上述した構成の他、各部材の位置決めのための位置決め部材、各部材を保護するための保護部材、各部材を担持するためのケーシング等を適宜備え得る。
第1の外郭部は、第2の実施形態の第1の外郭部218Aと同様の構成である。
光学部品211Bは、第2の実施形態の光学部品211Bと同様に、コリメートレンズ111Bを有する。また、光学部品211Bには、光伝送路202Bの端部が差し込まれる光伝送路挿入孔(図示せず)と、光伝送路挿入孔とは空間的に分離された位置決め孔241が設けられる。
位置決め孔241には、嵌合時に、相手方コネクタである光通信コネクタに設けられている位置決めピン242が挿入される。
可動体1712Bは板状を有する。可動体1712Bは、厚み方向と直交する平面内で、非光透過部である反射部17121Bと透過部17122Bとを有する。反射部17121Bは、透過部17122Bの上部に位置する。
透過部17122Bは、プリズムやガラスなどの光透過部材からなる。透過部17122Bは、互いに対向して平行配置される、光が入射される入射面と光が出射される出射面とを有する。入射面に対して垂直に入射した光は、屈折することなく、出射面から出射される。
反射部17121Bは、例えば表面が鏡面加工され、表面で光を反射する構成を有する。
可動体1712Bは上下方向に移動可能に構成され、図30(A)に示すように第1の状態で、図面上、第2の外郭部219B内の下部側に位置し、図30(B)に示すように第2の状態で、第2の外郭部219Bの上部側に位置する。
図30(A)に示すように、可動体1712Bが非嵌合時に第1の状態をとることにより、光学部品211Bからの光は反射部17121Bに入射される。この入射光40は、反射部17121Bで反射し、第2の外郭219Bの内壁側に向かう、すなわち、光通信コネクタ1710Bの内部に向かう光路をとる。したがって、光学部品211Bからの入射光40が光通信コネクタ1710Bの外部へ直接放射されることが防止される。
図30(B)に示すように、可動体1712Bが嵌合時に第2の状態をとることにより、光学部品211Bからの光は透過部17122Bに入射される。この入射光40は、透過部17122Bを透過し、出射される。この出射した光42は、光通信コネクタ1710Bの外部へ直接放射され、相手方コネクタ(図示せず)に入射される。
移動補助板1715Bは板状を有し、可動体1712Bの上部の両側部それぞれに、可動体1712Bに対して斜めに固定される。
位置決めピン242が移動補助板1715Bを押し、移動補助板1715Bを上方向に移動させることにより、移動補助板1715Bに固定されている可動体1712Bが上方向に移動する。
詳細には、レセプタクル側の光通信コネクタ1710Bに、プラグ側の光通信コネクタが挿入されると、位置決めピン242が、光通信コネクタ1710Bのカバー部材243Bの貫通孔2431に挿入される。
更に位置決めピン242が挿入されると、位置決めピン242により移動補助板1715Bの下部が当接し持ち上げられて上方向に移動する。この移動補助板1715Bの移動に連動して、可動体1712Bが上方向に移動する。位置決めピン242は位置決め孔241に挿入され、光通信コネクタ1710Bと相手方の光通信コネクタとの位置決めが行われる。
可動体1712Bの上方向への移動により、可動体1712Bの透過部17122Bは、光学部品211Bからの入射光40が入射される位置に移動する。光学部品211Bからの光は、可動体1712Bの透過部17122Bに入射される。
尚、本実施形態では、レセプタクル側の光通信コネクタにピン挿入穴を設け、プラグ側の光通信コネクタにピンを設けたが、逆であってもよい。
以上のように、可動体1712を上下方向に移動可能な構成とすることにより、可動体が第1の状態と第2の状態とをとりうる構成としてもよい。
本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、可動体の非光透過部を、光を反射する部材により構成し反射部としていたが、これに限定されない。
例えば、非光透過部を、通信光の波長域の光を吸収する物質、例えばカーボンや光吸収色素が塗布された部材やカーボンや光吸収色素などの物質を含有した樹脂により構成し、吸収部としてもよい。これにより、非嵌合時に、光通信コネクタの外部への光の漏れを抑制することができる。
また、非光透過部を、表面を粗面化して光を散乱させることが可能な部材で構成し、散乱部としてもよい。光が散乱されることで、光通信コネクタの外部に光が漏れたとしても、人間の目に対して危険なコリメート光ではなく、安全な散乱光として漏れることになる。
また、上述の第1の実施形態における第1の外郭部の内壁、上述の第2〜第17の実施形態における第2の外郭部の内壁のうち、非嵌合時に可動体で反射された光が照射される箇所を散乱部材で構成し、第1又は第2の外郭部を散乱部として機能させていたが、これに限定されない。
例えば、第1又は第2の外郭部の、非嵌合時に可動体で反射された光が照射される箇所を光吸収材で構成し、第1又は第2の外郭部を吸収部として機能させてもよい。光吸収材としては、通信光の波長域の光を吸収する物質、例えばカーボンや光吸収色素が塗布された部材やカーボンや光吸収色素などの物質を含有した光吸収材により構成してもよい。これにより、非嵌合時に、光通信コネクタの外部への光の漏れを抑制することができる。
また、上述のピンを用いた光通信コネクタセットでは、一方の光通信コネクタに2つのピン挿入孔を設け、他方の光通信コネクタに2つのピンを設けていた。これに対し、一方の光通信コネクタに1つのピン挿入孔と1つのピンを設け、他方の光通信コネクタに一方の光通信コネクタのピン挿入孔に挿入されるピンと、一方の光通信コネクタのピンが挿入されるピン挿入孔を設けてもよい。
また、上述の実施形態では、可動体が第2の状態をとる場合、可動体に入射し、可動体から出射する光の光軸と、入射光の光軸とは一致していた。これに対し、可動体が第2の状態をとるときに、可動体からの出射光の光軸が入射光の光軸と一致せず平行となるように可動体を構成してもよい。
このように、可動体への入射光の光軸と可動体からの出射光の光軸とが平行な構成とするには、例えば、可動体の入射光が入射する入射面と出射光が出射する出射面とを平行とし、嵌合時に、入射光が入射面に対し斜めに入射するように可動体を構成すればよい。
この場合、例えば相手方コネクタに光の光路を変更する部材がない場合、コネクタの可動体からの出射光の光軸上に位置する相手方コネクタのコリメートレンズに光が入射される。このように、入射光の光軸と出射光の光軸を一致させず平行として、光路を切り替える構成としてもよい。
また、上述の可動体の回転機構に電磁石を用いた第4の実施形態では、可動体の非光透過部が可動磁石であったが、他の実施形態に記載する非光透過部と光透過部を備える可動体やプリズムから構成される可動体に可動磁石を設ける構成としてもよい。
また、上述の実施形態においては、コリメート光を例にあげて説明したが、これに限定されず、拡散、収縮する光にも適用することができる。
また、上述のカバー部材を用いた一芯型コネクタにおいては、光通信コネクタと相手方通信コネクタとの嵌合時に、一方の光通信コネクタが上下逆に挿入されても嵌合可能となるリバーシブルタイプとすることもでき、使い勝手が向上する。
また、光伝送路の一例である光ファイバとしてはシングルモード、マルチモードのものを用いてもよい。
なお、本技術は以下のような構成もとることができる。
(1) 光を出射する光学部品と、
前記光学部品からの光が入射される、相手方コネクタとの非嵌合時にとる第1の状態と前記相手方コネクタとの嵌合時にとる第2の状態との間で可動可能な可動体と
を具備し、
前記可動体に入射した前記光学部品からの入射光は、前記第1の状態で、前記第2の状態のときよりも光のパワーが減衰されて外部に放射される
コネクタ。
(2) 前記(1)に記載のコネクタであって、
前記可動体は、前記入射光を透過しない非光透過部と、前記入射光を透過する光透過部を有し、前記第1の状態で前記入射光は前記非光透過部に入射され、前記第2の状態で前記入射光は前記光透過部に入射される
コネクタ。
(3) 前記(2)に記載のコネクタであって、
前記非光透過部は、前記入射光を反射し、
前記コネクタは、前記非光透過部で反射した光の少なくとも一部を散乱する散乱部又は吸収する吸収部を更に具備する
コネクタ。
(4) 前記(2)に記載のコネクタであって、
前記非光透過部は、前記入射光を吸収する
コネクタ。
(5) 前記(2)に記載のコネクタであって、
前記非光透過部は、前記入射光を散乱させる
コネクタ。
(6) 前記(1)に記載のコネクタであって、
前記可動体は、前記第1の状態で、前記入射光を屈折させて前記入射光の光軸に対して斜めの方向に出射させ、前記第2の状態で、前記入射光を前記入射光の光軸と一致させて出射、又は、前記入射光を前記入射光の光軸と平行にして出射させ、させ、
前記コネクタは、前記可動体により屈折され前記可動体から出射された光の少なくとも一部を散乱する散乱部又は吸収する吸収部を更に具備する
コネクタ。
(7) 前記(6)に記載のコネクタであって、
前記可動体は錐台形状を有する
コネクタ。
(8) 前記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のコネクタであって、
前記コネクタは、前記相手方コネクタとの嵌合時に磁力を発生する電磁石を更に具備し、
前記可動体は、前記電磁石に吸着可能な可動磁石を備える
コネクタ。
(9) 前記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のコネクタであって、
前記可動体は、回転可能に構成される
コネクタ。
(10) 前記(9)に記載のコネクタであって、
前記コネクタは、
前記第1の状態と前記第2の状態との間を可動可能にするための前記可動体を支持する回転軸と、
前記可動体を前記第2の状態から前記第1の状態に移動する方向に付勢する付勢部材と
を更に具備するコネクタ。
(11) 前記(10)に記載のコネクタであって、
前記コネクタは、
前記光学部品に固定配置され、前記相手方コネクタの挿入方向に沿って伸縮可能な弾性部材と、
前記可動体に当接可能であって、前記光学部品から突出し、前記弾性部材の伸縮に伴って前記光学部品からの突出長さが変位するピンと
を更に具備するコネクタ。
(12) 前記(10)に記載のコネクタであって、
前記コネクタは、
前記相手方コネクタが有するピンが挿入される孔と、
前記可動体に固定された回転補助板と
を更に具備し、
前記ピンを前記孔へ挿入することで前記回転補助板を移動させ、前記可動体を前記第1の状態から前記第2の状態に移動させる
コネクタ。
(13) 前記(10)に記載のコネクタであって、
前記コネクタは、
前記相手方コネクタが有する孔に挿入され、挿入方向に沿って移動可能なピンと、
前記ピンの前記孔への挿入により移動し、この移動に連動して前記可動体を前記第1の状態から前記第2の状態に可動させる回転補助板と
を更に具備するコネクタ。
(14) 前記(12)又は(13)に記載のコネクタであって、
前記ピンは、前記コネクタと前記相手方コネクタとを位置決めする位置決めピンである
コネクタ。
(15) 前記(1)〜(7)のいずれか1つに記載のコネクタであって、
前記可動体は、上下移動可能に構成される
コネクタ。
(16) 光を出射する光学部品と、前記光学部品からの光が入射される、第1の状態と第2の状態との間で可動可能な可動体を有するコネクタと、
前記コネクタと嵌合可能な相手方コネクタと
を具備し、
前記コネクタの可動体は、前記コネクタと前記相手方コネクタとの非嵌合時に前記第1の状態をとり、嵌合時に前記第2の状態をとり、前記可動体に入射した前記光学部品からの入射光は、前記第1の状態で、前記第2の状態のときよりも光のパワーが減衰されて前記コネクタの外部に放射される
コネクタセット。
(17) 光伝送路と、
光伝送路からの光が入射され、相手方コネクタとの非接合時にとる第1の状態と前記相手方コネクタとの接合時にとる第2の状態との間で可動可能な可動体を備え、前記可動体に入射した前記光伝送路からの入射光は、前記第1の状態で、前記第2の状態のときよりも光のパワーが減衰されて外部に放射されるコネクタと
を具備するケーブル。
(18) 光を出射する光学部品と、前記光学部品からの光が入射される、相手方コネクタとの非接合時にとる第1の状態と前記相手方コネクタとの接合時にとる第2の状態との間で可動可能な可動体とを備え、前記可動体に入射した前記光学部品からの入射光は、前記第1の状態で、前記第2の状態のときよりも光のパワーが減衰されて外部に放射されるコネクタ
を具備する電子機器。