JPWO2019135269A1 - スピーカ駆動装置、スピーカ装置およびプログラム - Google Patents
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Abstract
本発明の一実施形態におけるスピーカ駆動装置は、第1スピーカユニットの等価回路を規定する第1パラメータに応じた応答特性に基づいて、第1入力信号から得られる第1演算信号を出力する第1演算部と、第2駆動信号および第1演算信号に基づいて、スピーカユニットを駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、第3スピーカユニットの等価回路を規定する第3パラメータに応じた応答特性に基づいて、第2入力信号から第3演算信号を生成する第3演算部と、第1駆動信号および第3演算信号に基づいて、スピーカユニットを駆動するための第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、を備えることを特徴とする。
Description
本発明は、スピーカを駆動する技術に関する。
バイノーラル録音によって得られた音源(バイノーラル音源)は、一般的に、イヤホンにより再生して聴取される。聴取者は、音像を立体的に認識することによって、非常に臨場感のある音として聴取することができる。スピーカによる聴取では、イヤホンでの聴取とは異なり、Lch(左チャンネル)スピーカからの信号成分の一部がクロストーク音として右耳に到達し、Rch(右チャンネル)スピーカからの信号成分の一部がクロストーク音として左耳に到達する。そのため、バイノーラル音源をスピーカにより再生した場合には、このようなクロストーク音の存在により、イヤホンを用いて聴取した場合のような音像が得られない。
そこで、バイノーラル音源をスピーカにより再生する場合には、クロストーク音をキャンセルすることが試みられている。クロストーク音は、直接音よりも伝搬距離が長いため、直接音よりも遅く到達する。この現象を利用することによってスピーカから再生することで、クロストーク音をキャンセルすることができる。具体的には、Rchのスピーカから再生される音から、遅延させたLchの音を減算し、Lchのスピーカから再生される音から、遅延させたRchの音を減算する。これによって、クロストーク音がキャンセルされてイヤホンによる再生に近い音を聴取することができる。このようなバイノーラル音源をスピーカにより再生するシステムは、トランスオーラルシステムといわれる。
トランスオーラルシステムにおいては、上記のように遅延音信号を用いてクロストーク音をキャンセルする技術の他にも、様々な技術が検討されている。このような技術の一例として、スピーカから右耳までの伝達関数およびスピーカから左耳までの伝達関数を用いて、空間クロストーク成分を除去する技術が、特許文献1に開示されている。
このような頭部伝達関数を用いた技術によれば、精度の高い再生が可能となる一方、聴取者の位置および向きが非常に制限される。そのため、精度の高い状態を維持するためには、上述した特許文献1に開示された技術のように複雑な構成を用いる必要がある。また、頭部伝達関数は、複雑であり個人差も大きい。そのため、様々な人に対応できるように汎用性を持たせるためには近似処理が必要である。その結果、精度を低くせざるを得なかった。
一方、上述のように遅延音信号を用いてクロストーク音をキャンセルする技術によれば、左右の音像定位について、聴取者の位置の制限が少ない。一方、Lchの音とRchの音との相関によって、このようなクロストーク音をキャンセルする処理がハイパスフィルタとして機能する。その結果、中央付近に定位する音において特に低音が大きく減少し、音質が変化してしまうという問題があった。
本発明の目的の一つは、クロストーク音をキャンセルするときの音質の変化を抑制しつつ、イヤホンでの再生に近い定位感を広い聴取範囲で実現することにある。
本発明の一実施形態によれば、第1スピーカユニットの等価回路を規定する第1パラメータに応じた応答特性に基づいて、第1入力信号から得られる第1演算信号を出力する第1演算部と、第2駆動信号および前記第1演算信号に基づいて、スピーカユニットを駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、第3スピーカユニットの等価回路を規定する第3パラメータに応じた応答特性に基づいて、第2入力信号から第3演算信号を生成する第3演算部と、前記第1駆動信号および前記第3演算信号に基づいて、スピーカユニットを駆動するための前記第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、を備えることを特徴とするスピーカ駆動装置が提供される。
本発明の一実施形態によれば、第1スピーカユニットの等価回路を規定する第1パラメータに応じた応答特性に基づいて、第1入力信号から得られる第1演算信号を出力する第1演算部と、第4演算信号および前記第1演算信号に基づいて、前記第1演算信号に対応する特性値を含む第2演算信号およびスピーカユニットを駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、第3スピーカユニットの等価回路を規定する第3パラメータに応じた応答特性に基づいて、第2入力信号から第3演算信号を生成する第3演算部と、前記第2演算信号および前記第3演算信号に基づいて、前記第3演算信号に対応する特性値を含む前記第4演算信号およびスピーカユニットを駆動するための第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、を備えることを特徴とするスピーカ駆動装置が提供される。
前記第1駆動信号に対する第1演算処理によって第3駆動信号を生成する第5演算部と、前記第2駆動信号に対する第2演算処理によって第4駆動信号を生成する第6演算部と、をさらに備え、前記第1駆動信号生成部は、前記第4駆動信号および前記第1演算信号に基づいて、前記第1駆動信号を生成し、前記第1駆動信号生成部は、第2スピーカユニットの等価回路を規定する第2パラメータに応じた応答特性に基づいて、前記第1駆動信号と前記第4駆動信号とを合成した信号から第2演算信号を生成する第2演算部と、前記第1演算信号および前記第2演算信号に基づいて、前記第1駆動信号を制御する第1信号制御部と、を含み、前記第2駆動信号生成部は、前記第3駆動信号および前記第3演算信号に基づいて、前記第2駆動信号を生成し、前記第2駆動信号生成部は、第4スピーカユニットの等価回路を規定する第4パラメータに応じた応答特性に基づいて、前記第2駆動信号と前記第3駆動信号とを合成した信号から第4演算信号を生成する第4演算部と、前記第3演算信号および前記第4演算信号に基づいて、前記第2駆動信号を制御する第2信号制御部と、を含んでもよい。
前記第2演算信号に対する第1演算処理によって第5演算信号を生成する第5演算部と、前記第4演算信号に対する第2演算処理によって第6演算信号を生成する第6演算部と、をさらに備え、前記第1駆動信号生成部は、前記第1演算信号および前記第6演算信号に基づいて、前記第2演算信号および前記第1駆動信号を生成し、前記第1駆動信号生成部は、第2スピーカユニットの等価回路を規定する第2パラメータに応じた応答特性に基づいて、前記第1駆動信号から前記第2演算信号を生成する第2演算部と、前記第2演算信号と前記第6演算信号との合成信号および前記第1演算信号に基づいて、前記第1駆動信号を制御する第1信号制御部と、を含み、前記第2駆動信号生成部は、前記第3演算信号および前記第5演算信号に基づいて、前記第4演算信号および前記第2駆動信号を生成し、前記第2駆動信号生成部は、第4スピーカユニットの等価回路を規定する第4パラメータに応じた応答特性に基づいて、前記第2駆動信号から前記第4演算信号を生成する第4演算部と、前記第4演算信号と前記第5演算信号との合成信号および前記第3演算信号に基づいて、前記第2駆動信号を制御する第2信号制御部と、を含んでもよい。
前記第1演算処理および前記第2演算処理は、遅延処理および減衰処理を含んでもよい。
前記第1演算処理および前記第2演算処理は、所定の伝達関数を畳み込む処理を含んでもよい。
前記第1パラメータと前記第2パラメータとは同一に設定可能であってもよい。
前記第3パラメータと前記第4パラメータとは同一に設定可能であってもよい。
前記第1演算信号、前記第2演算信号、前記第3演算信号および前記第4演算信号は、スピーカユニットの振動板の位置に関連する情報を含んでもよい。
本発明の一実施形態によれば、上記記載のスピーカ駆動装置と、前記第1駆動信号および前記第2駆動信号のそれぞれによって駆動される複数のスピーカユニットと、を備えることを特徴とするスピーカ装置が提供される。
本発明の一実施形態によれば、第1スピーカユニットの等価回路を規定する第1パラメータに応じた応答特性に基づいて、第1入力信号から得られる第1演算信号を出力する第1演算部と、第2駆動信号および前記第1演算信号に基づいて、スピーカユニットを駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、第3スピーカユニットの等価回路を規定する第3パラメータに応じた応答特性に基づいて、第2入力信号から第3演算信号を生成する第3演算部と、前記第1駆動信号および前記第3演算信号に基づいて、スピーカユニットを駆動するための前記第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
本発明の一実施形態によれば、第1スピーカユニットの等価回路を規定する第1パラメータに応じた応答特性に基づいて、第1入力信号から得られる第1演算信号を出力する第1演算部と、第4演算信号および前記第1演算信号に基づいて、前記第1演算信号に対応する特性値を含む第2演算信号およびスピーカユニットを駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、第3スピーカユニットの等価回路を規定する第3パラメータに応じた応答特性に基づいて、第2入力信号から第3演算信号を生成する第3演算部と、前記第2演算信号および前記第3演算信号に基づいて、前記第3演算信号に対応する特性値を含む前記第4演算信号およびスピーカユニットを駆動するための第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部としてコンピュータを機能させるためのプログラムが提供される。
本発明の一実施形態によれば、クロストーク音をキャンセルするときの音質の変化を抑制しつつ、イヤホンでの再生に近い定位感を広い聴取範囲で実現することができる。
以下、本発明の一実施形態におけるスピーカ装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に示す複数の実施形態は本発明の実施形態の一例であって、本発明はこれらの実施形態に限定して解釈されるものではない。すなわち、以下に説明する複数の実施形態に公知の技術を適用して変形をして、様々な態様で実施をすることが可能である。なお、本実施形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号または類似の符号(数字の後にA、B等を付しただけの符号)を付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
<第1実施形態>
[1.スピーカ装置の概要]
図1は、第1実施形態におけるスピーカ装置の機能を示すブロック図である。スピーカ装置1は、スピーカ駆動装置10、信号入力部30、操作部60、表示部70およびスピーカユニット80L、80Rを備える。
[1.スピーカ装置の概要]
図1は、第1実施形態におけるスピーカ装置の機能を示すブロック図である。スピーカ装置1は、スピーカ駆動装置10、信号入力部30、操作部60、表示部70およびスピーカユニット80L、80Rを備える。
信号入力部30は、オーディオ信号Sinが供給される端子を備え、供給されたオーディオ信号Sinをチャンネル毎に分離してスピーカ駆動装置10に入力する。この例では、オーディオ信号Sinは2chの信号であり、信号入力部30は、オーディオ信号Sinを、Lchのオーディオ信号SinL(第1入力信号)およびRchのオーディオ信号SinR(第2入力信号)に分離してスピーカ駆動装置10に入力する。以下の説明において、L、Rを付された符号は、それぞれ、Lch、Rchに対応する構成であることを示している。なお、信号入力部30は、ネットワークを介してサーバ等の外部装置からオーディオ信号Sinを受信することによって供給されてもよい。
スピーカ駆動装置10は、オーディオ信号SinL、SinRの入力に応じて、スピーカユニット80Lを駆動するためのLch駆動出力信号SaL(第1駆動信号)およびスピーカユニット80Rを駆動するためのRch駆動出力信号SaR(第2駆動信号)を出力する。スピーカ駆動装置10の各構成については、後述する。
スピーカユニット80L(第2スピーカユニット)は、スピーカ駆動装置10から供給されるLch駆動出力信号SaLに応じた音を出力する。スピーカユニット80R(第4スピーカユニット)は、スピーカ駆動装置10から供給されるRch駆動出力信号SaRに応じた音を出力する。スピーカ装置1においては、スピーカユニット80L、80Rの特性に応じた音を出力することも可能であるが、スピーカユニット80L、80Rの特性とは異なる特性を有するスピーカユニット(以下、目標スピーカユニットという場合がある)を擬似的に再現した音を出力することも可能である。なお、この例では、スピーカユニット80Lとスピーカユニット80Rとは同じ特性を有することが望ましいが、必ずしも同じ特性でなくてもよい。
操作部60は、タッチセンサ、キーボード、マウスなどのユーザの入力操作を受け付ける装置であり、入力された操作に応じた操作信号をスピーカ駆動装置10に出力する。表示部70は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の表示装置であり、スピーカ駆動装置10の制御に基づいた画面が表示される。なお、操作部60と表示部70とは一体としてタッチパネルを構成してもよい。以下、スピーカ駆動装置10の構成について、詳細に説明する。
[2.スピーカ駆動装置]
図1に示すように、スピーカ駆動装置10は、スピーカL駆動部100L、スピーカR駆動部100R、設定部170およびクロストーク信号出力部180を備える。スピーカL駆動部100Lは、オーディオ信号SinLおよびRchクロストーク信号SfR(第4駆動信号)が入力され、これらの信号に基づいてLch駆動出力信号SaLを出力する。スピーカR駆動部100Rは、オーディオ信号SinRおよびLchクロストーク信号SfL(第3駆動信号)が入力され、これらの信号に基づいてRch駆動出力信号SaRを出力する。なお、Lchクロストーク信号SfL、Rchクロストーク信号SfRは、Lch駆動出力信号SaL、Rch駆動出力信号SaRに所定の演算処理が行われてクロストーク信号出力部180から出力される信号である。
図1に示すように、スピーカ駆動装置10は、スピーカL駆動部100L、スピーカR駆動部100R、設定部170およびクロストーク信号出力部180を備える。スピーカL駆動部100Lは、オーディオ信号SinLおよびRchクロストーク信号SfR(第4駆動信号)が入力され、これらの信号に基づいてLch駆動出力信号SaLを出力する。スピーカR駆動部100Rは、オーディオ信号SinRおよびLchクロストーク信号SfL(第3駆動信号)が入力され、これらの信号に基づいてRch駆動出力信号SaRを出力する。なお、Lchクロストーク信号SfL、Rchクロストーク信号SfRは、Lch駆動出力信号SaL、Rch駆動出力信号SaRに所定の演算処理が行われてクロストーク信号出力部180から出力される信号である。
[2−1.クロストーク信号出力部]
図2は、第1実施形態におけるクロストーク信号出力部の機能を示すブロック図である。クロストーク信号出力部180は、Lch信号処理部180L(第5演算部)およびRch信号処理部180R(第6演算部)を備える。
図2は、第1実施形態におけるクロストーク信号出力部の機能を示すブロック図である。クロストーク信号出力部180は、Lch信号処理部180L(第5演算部)およびRch信号処理部180R(第6演算部)を備える。
Lch信号処理部180Lは、Lch駆動出力信号SaLに対して、クロストーク音をキャンセルする信号にするため演算処理(第1演算処理)を行って、Lchクロストーク信号SfLとして出力する。この演算処理は、設定された遅延時間での遅延処理、および設定された増幅率での増幅処理(この例では信号レベルを減衰させる処理:減衰処理)を含む。遅延処理は、遅延器181Lにおいて実行される。増幅処理は、増幅器185Lにおいて実行される。
Rch信号処理部180Rは、Rch駆動出力信号SaRに対して、クロストーク信号を生成するため演算処理(第2演算処理)を行って、Rchクロストーク信号SfRとして出力する。この演算処理は、設定された遅延時間での遅延処理、および設定された増幅率での増幅処理(この例では信号レベルを減衰させる処理:減衰処理)を含む。遅延処理は、遅延器181Rにおいて実行される。増幅処理は、増幅器185Rにおいて実行される。
[2−2.スピーカL駆動部]
図3Aは、第1実施形態におけるスピーカL駆動部の機能を示すブロック図である。スピーカL駆動部100Lは、取得部110L、目標演算部130L(第1演算部)および駆動信号生成部150L(第1駆動信号生成部)を備える。取得部110Lは、信号入力部30から供給されるオーディオ信号SinLを入力信号として取得する。
図3Aは、第1実施形態におけるスピーカL駆動部の機能を示すブロック図である。スピーカL駆動部100Lは、取得部110L、目標演算部130L(第1演算部)および駆動信号生成部150L(第1駆動信号生成部)を備える。取得部110Lは、信号入力部30から供給されるオーディオ信号SinLを入力信号として取得する。
[2−2−1.目標演算部]
目標演算部130Lは、取得部110Lによって取得されたオーディオ信号SinLを用いて、スピーカユニットの電気−機械モデルによる演算を行い、演算結果を示すLch目標演算信号Sc1L(第1演算信号)を出力する。このスピーカユニットは、上述したスピーカユニット80Lではなく、Lchの目標スピーカユニット(第1スピーカユニット)である。目標演算部130Lが行う演算は、目標スピーカユニットの構造を特定するパラメータを用いて、オーディオ信号SinLを入力信号とした目標スピーカユニットの動作(内部状態)を示す特性値を得るための演算である。
目標演算部130Lは、取得部110Lによって取得されたオーディオ信号SinLを用いて、スピーカユニットの電気−機械モデルによる演算を行い、演算結果を示すLch目標演算信号Sc1L(第1演算信号)を出力する。このスピーカユニットは、上述したスピーカユニット80Lではなく、Lchの目標スピーカユニット(第1スピーカユニット)である。目標演算部130Lが行う演算は、目標スピーカユニットの構造を特定するパラメータを用いて、オーディオ信号SinLを入力信号とした目標スピーカユニットの動作(内部状態)を示す特性値を得るための演算である。
目標スピーカユニットの動作を示す特性値としては、この例では、振動板の位置の時間変化である。そのため、この例では、Lch目標演算信号Sc1Lは、目標スピーカユニットの振動板の位置に対応する。このように目標演算部130Lによって、オーディオ信号SinLに対して、目標スピーカユニットに応じた周波数特性(応答特性)が付与される。なお、このパラメータは、構造を直接特定する値でなくてもよく、スピーカユニットの構造に応じて得られる特性を示すパラメータであってもよい。以下、目標演算部130Lで用いられるために設定されるパラメータ、すなわち、目標スピーカユニットの構造を特定するパラメータをLch目標スピーカパラメータ(第1パラメータ)という。
Lch目標スピーカパラメータは、例えば、目標スピーカユニット(またはそれを構成する各構造物)の等価回路を規定するパラメータ(TSパラメータという場合もある)の少なくとも一つである。このパラメータは、例えば、質量、ダンパのバネ定数、磁束密度、インダクタンス、スティフネス、機械抵抗等の機械定数である。Lch目標スピーカパラメータは、これらのパラメータを組み合わせて算出可能なダンピングファクタ、共振周波数等であってもよい。なお、Lch目標スピーカパラメータは、タイムドメイン(時間領域)での特性、またはこれを制御する値等であってもよい。また、Lch目標スピーカパラメータは、目標スピーカユニットの振動板の位置(または速度)を演算するための値、振動板の位置の最大値、振動板のインパルス応答特性、振動板のステップ応答特性、振動板の位置のインパルス応答特性、振動板の位置のステップ応答特性等であってもよい。また、Lch目標スピーカパラメータは、上記の振動板に関連する各特性ではなく再生音圧の各特性であってもよい。いずれにしても、単純な周波数ドメイン上のパラメータ(中心周波数・Q・カットオフ・ゲイン)ではなく、演算によって目標スピーカユニットの振動板の位置に影響を与えるパラメータであればよい。
このスピーカユニットの等価回路を規定するパラメータの具体例については、国際公開第2017/179538号において例示されているため、詳細の説明については省略する。なお、後述するRchの目標スピーカユニット(第3スピーカユニット)に対応するRch目標スピーカパラメータ(第3パラメータ)、Lch駆動スピーカパラメータ(第2パラメータ)およびRch駆動スピーカパラメータ(第4パラメータ)についても、Lch目標スピーカパラメータの場合と同様である。
Lch目標演算信号Sc1Lは、目標スピーカユニットの振動板の位置に対応した特性値であるが、この位置に関連した情報に応じた特性値であればよい。位置に関連した情報としては、例えば、振動板の速度、電流等であってもよい。また、この特性値は、複数の特性に関する情報を含むベクトル情報(例えば、振動板の位置、電流)であってもよい。
目標演算部130Lにおける演算は、目標スピーカユニットの電気−機械モデルを用いていたが、さらに音響(放射特性)モデルを用いてもよいし、空間伝搬モデルを用いてもよい。この場合には、Lch目標演算信号Sc1Lは、目標スピーカユニットの振動板の位置を示すものではなく、所定位置で空気の振動を示すものなどであってもよい。この場合であっても、振動板の位置に関連した演算結果といえる。演算に用いるモデルには、線形特性のみではなく、非線形特性に関する演算が含まれていてもよい。
目標演算部130Lにおける演算は、目標スピーカユニットの電気−機械モデルを用いていたが、さらに音響(放射特性)モデルを用いてもよいし、空間伝搬モデルを用いてもよい。この場合には、Lch目標演算信号Sc1Lは、目標スピーカユニットの振動板の位置を示すものではなく、所定位置で空気の振動を示すものなどであってもよい。この場合であっても、振動板の位置に関連した演算結果といえる。演算に用いるモデルには、線形特性のみではなく、非線形特性に関する演算が含まれていてもよい。
上記の演算に用いるモデルの具体的な内容としては、公知の演算方法であれば、どのような方法も適用できる。公知の演算方法としては、以下の文献に例示される。
Karsten Oyen, "Compensation of Loudspeaker Nonlinearities -DSP implementation", [online], Master of Science in Electronics, Norwegian University of Science and Technology Department of Electronics and Telecommunications, August 2007, p.21-27, [平成28年4月11日検索]、インターネット〈URL:http://www.diva-portal.org/smash/get/diva2:347578/FULLTEXT01.pdf〉
Karsten Oyen, "Compensation of Loudspeaker Nonlinearities -DSP implementation", [online], Master of Science in Electronics, Norwegian University of Science and Technology Department of Electronics and Telecommunications, August 2007, p.21-27, [平成28年4月11日検索]、インターネット〈URL:http://www.diva-portal.org/smash/get/diva2:347578/FULLTEXT01.pdf〉
[2−2−2.駆動信号生成部]
駆動信号生成部150Lは、信号制御部151L(第1信号制御部)、駆動演算部153L(第2演算部)、出力部155Lおよび加算器157Lを備える。信号制御部151Lは、Lch目標演算信号Sc1LおよびLch駆動演算信号Sc2L(第2演算信号)が入力され、Lch駆動出力信号SaLを加算器157Lおよび出力部155Lに出力する。Lch駆動出力信号SaLは、Lch目標演算信号Sc1LとLch駆動演算信号Sc2Lとが一致するように生成されて出力される。Lch駆動演算信号Sc2Lは、Lch駆動出力信号SaLおよびRchクロストーク信号SfRに基づいて駆動演算部153Lにおいて生成される信号である。Lch駆動演算信号Sc2Lについては、後述する。
駆動信号生成部150Lは、信号制御部151L(第1信号制御部)、駆動演算部153L(第2演算部)、出力部155Lおよび加算器157Lを備える。信号制御部151Lは、Lch目標演算信号Sc1LおよびLch駆動演算信号Sc2L(第2演算信号)が入力され、Lch駆動出力信号SaLを加算器157Lおよび出力部155Lに出力する。Lch駆動出力信号SaLは、Lch目標演算信号Sc1LとLch駆動演算信号Sc2Lとが一致するように生成されて出力される。Lch駆動演算信号Sc2Lは、Lch駆動出力信号SaLおよびRchクロストーク信号SfRに基づいて駆動演算部153Lにおいて生成される信号である。Lch駆動演算信号Sc2Lについては、後述する。
出力部155Lは、取得したLch駆動出力信号SaLをスピーカユニット80Lに出力する。この例では、出力部155Lは、スピーカユニット80Lが接続される端子である。なお、出力部155Lは、ネットワークを介して外部装置に対してLch駆動出力信号SaLを送信してもよい。また、出力部155Lは、Lch駆動出力信号SaLのダイナミックレンジを調整したり増幅したりしてスピーカユニット80Lに出力してもよい。上記のように得られたLch駆動出力信号SaLは、演算の内容によっては、オーディオ信号SinLに比べて出力レベルが大きくなる場合がある。このような場合には、Lch駆動出力信号SaLは、ダイナミックレンジが圧縮された信号であってもよい。
加算器157Lは、信号制御部151Lから出力されたLch駆動出力信号SaLと、Rchクロストーク信号SfRとを加算して得られる合成信号を、駆動演算部153Lへ出力する。Rchクロストーク信号SfRは、上述したように、スピーカR駆動部100Rから出力されるRch駆動出力信号SaRに基づいて、クロストーク信号出力部180から供給される信号である。より詳細には、Rchクロストーク信号SfRは、Rch駆動出力信号SaRに対して、遅延処理および減衰処理がされた信号であって、Rchの音が左耳に到達するときのクロストーク音を模した信号である。
駆動演算部153Lは、加算器157Lから出力された合成信号(Lch駆動出力信号SaL+Rchクロストーク信号SfR)を入力信号として用いて、スピーカユニットの電気−機械モデルによる演算を行い、演算結果を示すLch駆動演算信号Sc2Lを出力する。このスピーカユニットについては、以下、駆動スピーカユニットという。駆動演算部153Lが行う演算は、駆動スピーカユニットの構造を特定するパラメータを用いて、合成信号(Lch駆動出力信号SaL+Rchクロストーク信号SfR)を入力信号とした駆動スピーカユニットの動作を示す特性値を得るための演算である。
駆動スピーカユニットの動作を示す特性値としては、この例では、振動板の位置の時間変化である。そのため、この例では、Lch駆動演算信号Sc2Lは、駆動スピーカユニットの振動板の位置に対応する。このように駆動演算部153Lによって、入力信号に対して、駆動スピーカユニットに応じた周波数特性(応答特性)が付与される。Lch目標演算信号Sc1LとLch駆動演算信号Sc2Lとは、基本的には、同じ物理量の時間変化を示している。なお、このパラメータは、目標演算部130Lのときと同様に、構造を直接特定する値でなくてもよく、スピーカユニットの構造に応じて得られる特性を示すパラメータであってもよい。以下、駆動演算部153Lで用いられるために設定されるパラメータ、すなわち、駆動スピーカユニットの構造を特定するパラメータをLch駆動スピーカパラメータという。
駆動スピーカユニットは、上述したスピーカユニット80Lを想定したものである。したがって、Lch駆動スピーカパラメータは、スピーカユニット80Lに関する値である。後述するように、このような設定にすることにより、スピーカユニット80Lから出力される音を、さらに目標スピーカユニットの音に近づけることができる。なお、目標スピーカユニットの音とは変わってくるものの様々な意図しない音響効果を付与することを狙って、駆動スピーカユニットをスピーカユニット80L以外のスピーカユニットとして、Lch駆動スピーカパラメータが設定されてもよい。
Lch駆動スピーカパラメータは、上述したLch目標スピーカパラメータと同様の内容で例示されるため説明を省略する。また、駆動演算部153Lにおける演算についても、目標演算部130Lと同様なモデルを用いて演算すればよい。すなわち、目標演算部130Lにおける演算処理と駆動演算部153Lにおける演算処理とは、演算処理に用いるモデルが同じである。なお、これらの演算処理が同じモデルを用いなくてもよいが、この場合であっても、信号制御部151における比較を容易とするため、Lch駆動演算信号Sc2LとLch目標演算信号Sc1Lとは、互いに対応する特性値を含むことが望ましい。例えば、それぞれが、同じ物理量の時間変化を示す信号であることが望ましい。Lch駆動演算信号Sc2Lについても、Lch目標演算信号Sc1Lと同様に、振動板の位置に限らず、振動板の位置に関連する情報に応じた値であってもよい。
上述したように、駆動演算部153Lは、加算器157Lから出力される合成信号を入力信号として用いている。すなわち、駆動演算部153Lは、出力部155Lから出力されるLch駆動出力信号SaLだけではなく、Rchクロストーク信号SfRがさらに加算された合成信号が入力されている。そのため、駆動演算部153Lおよび加算器157Lは、クロストーク信号を発生させるための演算処理を行っているともいえる。
信号制御部151Lは、Lch目標演算信号Sc1LとLch駆動演算信号Sc2Lとが一致するように、Lch駆動出力信号SaLを出力する。Lch駆動出力信号SaLの生成には、一般的なフィードバック制御(PID制御、最適制御、適用制御等)の技術を用いてもよいし、デジタル電源の制御と同様の技術を用いてもよい。フィードバック制御のときに設定されるフィードバックゲインは、駆動演算部153Lに設定されるLch駆動スピーカパラメータが変更されると、そのLch駆動スピーカパラメータの値に応じて更新されてもよい。このとき、フィードバックゲインは、設定されるLch駆動スピーカパラメータに応じて予め決定された値が設定されてもよいし、設定されたLch駆動スピーカパラメータに応じて自動的に適切な値を算出する構成によって得られた値が設定されてもよい。これによって、駆動スピーカユニットに対応したLch駆動演算信号Sc2Lと、目標スピーカユニットに対応したLch目標演算信号Sc1Lとが一致するように、Lch駆動出力信号SaLが出力される。
このLch駆動出力信号SaLが実際の駆動スピーカユニットに供給されると、目標スピーカユニットをオーディオ信号SinLで駆動したときと同様な動作で、駆動スピーカユニット(この例では、スピーカユニット80L)を駆動させることができる。さらに、Rchのクロストーク音をキャンセルするための信号を含めて駆動スピーカユニットを駆動させることができる。そのため、スピーカユニット80Lの特性でLch駆動スピーカパラメータを指定した場合には、目標スピーカユニットを用いてオーディオ信号SinLを出力した場合の音と、クロストーク音をキャンセルするための音と、を合成した音が、スピーカユニット80Lから再生されることになる。
[2−3.スピーカR駆動部]
図3Bは、第1実施形態におけるスピーカR駆動部の機能を示すブロック図である。スピーカR駆動部100Rは、取得部110R、目標演算部130R(第3演算部)および駆動信号生成部150R(第2駆動信号生成部)を備える。また、駆動信号生成部150Rは、信号制御部151R(第2信号制御部)、駆動演算部153R(第4演算部)、出力部155Rおよび加算器157Rを備える。取得部110R、目標演算部130Rおよび駆動信号生成部150Rは、それぞれ、スピーカL駆動部100Lにおける取得部110L、目標演算部130Lおよび駆動信号生成部150Lと同様の動作をする。また、駆動信号生成部150Rの各構成についても、駆動信号生成部150Lの各構成と同様の動作をする。したがって、詳細の説明を省略する。スピーカL駆動部100LとスピーカR駆動部100Rとで異なる点は、入力される信号が異なる点である。具体的には、以下の通りである。
図3Bは、第1実施形態におけるスピーカR駆動部の機能を示すブロック図である。スピーカR駆動部100Rは、取得部110R、目標演算部130R(第3演算部)および駆動信号生成部150R(第2駆動信号生成部)を備える。また、駆動信号生成部150Rは、信号制御部151R(第2信号制御部)、駆動演算部153R(第4演算部)、出力部155Rおよび加算器157Rを備える。取得部110R、目標演算部130Rおよび駆動信号生成部150Rは、それぞれ、スピーカL駆動部100Lにおける取得部110L、目標演算部130Lおよび駆動信号生成部150Lと同様の動作をする。また、駆動信号生成部150Rの各構成についても、駆動信号生成部150Lの各構成と同様の動作をする。したがって、詳細の説明を省略する。スピーカL駆動部100LとスピーカR駆動部100Rとで異なる点は、入力される信号が異なる点である。具体的には、以下の通りである。
取得部110Rは、信号入力部30から供給されるオーディオ信号SinRを入力信号として取得する。信号制御部151Rは、Rch目標演算信号Sc1R(第3演算信号)およびRch駆動演算信号Sc2R(第4演算信号)が入力され、Rch駆動出力信号SaRを生成して出力する。加算器157Rは、Rch駆動出力信号SaRとLchクロストーク信号SfLとが入力され、これらの信号を加算して得られる合成信号を出力する。Lchクロストーク信号SfLは、上述したように、スピーカL駆動部100Lから出力されるLch駆動出力信号SaLに基づいて、クロストーク信号出力部180から供給される信号である。より詳細には、Lchクロストーク信号SfLは、Lch駆動出力信号SaLに対して、遅延処理および減衰処理がされた信号であって、Lchの音が右耳に到達するときのクロストーク音を模した信号である。
駆動演算部153Rは、加算器157Rから出力された合成信号を入力信号として用いて、スピーカユニットの電気−機械モデルによる演算を行い、演算結果を示すRch駆動演算信号Sc2Rを出力する。出力部155Rは、取得したRch駆動出力信号SaRをスピーカユニット80Rに出力する。
なお、目標演算部130Rには、目標スピーカユニットに対応するRch目標スピーカパラメータ(第3パラメータ)が設定される。また、駆動演算部153Rには、スピーカユニット80Rに対応するRch駆動スピーカパラメータ(第4パラメータ)が設定される。この例では、Rch目標スピーカパラメータはLch目標スピーカパラメータと同じであり、Rch駆動スピーカパラメータはLch駆動スピーカパラメータと同じである。
このRch駆動出力信号SaRが実際の駆動スピーカユニットに供給されると、目標スピーカユニットをオーディオ信号SinRで駆動したときと同様な動作で、駆動スピーカユニット(この例では、スピーカユニット80R)を駆動させることができる。さらに、Lchのクロストーク音をキャンセルするための信号を含めて駆動スピーカユニットを駆動させることができる。そのため、スピーカユニット80Rの特性でRch駆動スピーカパラメータを指定した場合には、目標スピーカユニットを用いてオーディオ信号SinRを出力した場合の音と、クロストーク音をキャンセルするための音と、を合成した音が、スピーカユニット80Rから再生されることになる。
以上のようにして、スピーカL駆動部100LからのLch駆動出力信号SaLに応じた音がスピーカユニット80Lから出力され、スピーカR駆動部100RからのRch駆動出力信号SaRに応じた音がスピーカユニット80Rから出力される。これによって、スピーカユニット80Lから聴取者の右耳に到達するクロストーク音は、スピーカユニット80Rから出力される音に含まれる成分(Lchクロストーク信号SfLに相当)によって、キャンセルされる。また、スピーカユニット80Rから聴取者の右耳に到達するクロストーク音は、スピーカユニット80Lから出力される音に含まれる成分(Rchクロストーク信号SfRに相当)によって、キャンセルされる。
従来のトランスオーラルシステムでは、Rchのスピーカから再生される音から、遅延させたLchの音を減算し、Lchのスピーカから再生される音から、遅延させたRchの音を減算する処理を行う。この場合には、上述したように、音質が変化してしまう場合がある。一方、本発明の第1実施形態におけるスピーカ駆動装置10によれば、上記の構成で例示されるように、スピーカユニットの振動板の動きを考慮してクロストーク音をキャンセルする成分を導入することによって、周波数特性の変化を抑えることができる。そのため、このスピーカ駆動装置10によれば、従来のトランスオーラルシステムを用いた場合よりも音質の変化を抑制しつつ、広い聴取範囲でクロストークのキャンセル効果が得られ、イヤホンでの再生に近い定位分離感が得られる。
[2−4.設定部]
続いて、設定部170について説明する。設定部170は、スピーカ駆動装置10に含まれていなくてもよい。この場合には、上述したLch目標スピーカパラメータ、Rch目標スピーカパラメータ、Lch駆動スピーカパラメータ、Rch駆動スピーカパラメータ、遅延時間および増幅率が予め決められた値に設定されていてもよいし、外部装置等からの指示により設定されてもよい。
続いて、設定部170について説明する。設定部170は、スピーカ駆動装置10に含まれていなくてもよい。この場合には、上述したLch目標スピーカパラメータ、Rch目標スピーカパラメータ、Lch駆動スピーカパラメータ、Rch駆動スピーカパラメータ、遅延時間および増幅率が予め決められた値に設定されていてもよいし、外部装置等からの指示により設定されてもよい。
設定部170は、パラメータ記憶部171、第1UI提供部173、第2UI提供部175、第3UI提供部177および設定変更部179を備える。上述の各パラメータは設定部170によって指定することができる。パラメータ記憶部171は、テンプレートテーブルを記憶している。
図4は、第1実施形態におけるテンプレートテーブルを説明する図である。テンプレートテーブルは、Lch目標スピーカパラメータ、Rch目標スピーカパラメータ、Lch駆動スピーカパラメータ、およびRch駆動スピーカパラメータとして設定される各パラメータの組み合わせを規定している。図4に示す例では、テンプレート「AAA」は、パラメータAが「a1」、パラメータBが「b1」、・・・という組み合わせを規定している。「AAA」は、例えば、スピーカユニットの型番などに対応する情報とする。そして、テンプレート「AAA」が規定するパラメータの組み合わせは、その型番のスピーカユニットに対応する各パラメータの値である。この例では、パラメータA、B、・・・は、例えば、目標スピーカユニットのパラメータとして目標演算部130Lに設定される場合にはLch目標スピーカパラメータとなる。一方、これらのパラメータA、B、・・・が、駆動スピーカユニットのパラメータとして駆動演算部153Lに設定される場合にはLch駆動スピーカパラメータとなる。
図1に戻って説明を続ける。第1UI提供部173は、目標演算部130Lに設定されるLch目標スピーカパラメータ、および目標演算部130Rに設定されるRch目標スピーカパラメータを指定するためのユーザインターフェイスを提供する。第2UI提供部175は、駆動演算部153Lに設定されるLch駆動スピーカパラメータ、および駆動演算部153Rに設定されるRch駆動スピーカパラメータを指定するためのユーザインターフェイスを提供する。第3UI提供部177は、クロストーク信号出力部180に設定されるパラメータ(遅延時間、増幅率)を指定するためのユーザインターフェイスを提供する。これらのユーザインターフェイスは、表示部70の表示および操作部60からの入力操作の受付によって実現される。
図5は、第1実施形態におけるユーザインターフェイスを説明する図である。図5に示すように、表示部70において、第1ユーザインターフェイスD1、第2ユーザインターフェイスD2、および第3ユーザインターフェイスD3が表示される。
第1ユーザインターフェイスD1は、目標スピーカユニットに関するパラメータ(Lch目標スピーカパラメータ、Rch目標スピーカパラメータ)を指定するための領域である。第2ユーザインターフェイスD2は、駆動スピーカユニットに関するパラメータ(Lch駆動スピーカパラメータ、Rch駆動スピーカパラメータ)を指定するための領域である。第3ユーザインターフェイスD3は、遅延器181L、181Rに設定される遅延時間(Delay)および増幅器185L、185Rに設定される増幅率(Gain)を指定するための領域である。
これらのパラメータは、例えば、入力ボックスBN、スライダSL、またはダイヤルDAを用いて数値を入力することによって指定される。また、選択ボックスSBは、テンプレートテーブルに規定されたテンプレートを選択することができるインターフェイスである。選択ボックスSBを用いてテンプレートを選択すると、このテンプレートに対応するパラメータがテンプレートテーブルから読み出されて自動的に入力される。読み出された値を修正することもできる。テンプレートに対応するパラメータを読み出す前に、推奨値等の予め決められた値が事前に入力されていてもよい。
この例では、LchおよびRchの双方に対して、同じパラメータが設定される場合について示している。LchとRchとのそれぞれに対して、異なるパラメータが設定できるようになっていてもよい。この場合には、Lch用のユーザインターフェイスと、Rch用のユーザインターフェイスとが同時に同じ画面内で提供されてもよいし、タブ等により切り替えて提供されてもよい。
なお、ユーザインターフェイスにおいて、スピーカユニットの劣化を想定した情報を入力できるようにしてもよい。例えば、スピーカユニットの使用期間(例えば、年単位)を入力することにより、設定されるパラメータを修正して演算処理を補正する。例えば、使用期間が長いほどダンパが硬くなる、といった現象を再現するように、演算処理が補正されるようにすればよい。使用期間に限らず、気圧、湿度など、パラメータ変更して演算処理を補正するための補正情報を入力できるユーザインターフェイスが提示されるようにしてもよい。
また、スピーカユニット80Lと、スピーカユニット80Rとが同じ特性を有するスピーカであっても、互いに製造ばらつきによる特性の違いを有していたり、スピーカユニットが配置される環境(周辺の構造等)による違いを有していたりする場合がある。このような場合には、それぞれの状況に応じて、駆動演算部153Lに設定されるLch駆動スピーカパラメータと、駆動演算部153Rに設定されるRch駆動スピーカパラメータとを異ならせて補正されるようにしてもよい。
セーブボタンBSは、各パラメータに対応して入力された値を、テンプレートと同様にパラメータの組み合わせとしてメモリに記憶させるためのインターフェイスである。ロードボタンBLは、メモリに記憶されたパラメータを読み出して、第1ユーザインターフェイスD1および第2ユーザインターフェイスD2の各パラメータに対応して入力する。
設定変更部179は、セットボタンBTが操作されると、入力された各値に基づいて、設定を変更する。具体的には、第1ユーザインターフェイスD1において入力された値に基づいて、目標演算部130LにおけるLch目標スピーカパラメータ、および目標演算部130RにおけるRch目標スピーカパラメータの設定が変更される。また、第2ユーザインターフェイスD2において入力された値に基づいて、駆動演算部153LにおけるLch駆動スピーカパラメータ、および駆動演算部153RにおけるRch駆動スピーカパラメータの設定が変更される。さらに、第3ユーザインターフェイスD3において入力された値に基づいて、クロストーク信号出力部180における遅延時間および増幅率の設定が変更される。
図5に示すユーザインターフェイスを用いて、目標演算部130L、130Rおよび駆動演算部153L、153Rに設定するパラメータを様々に変更することにより、スピーカユニット80L、80Rから出力する音の特性を様々に変更することができる。例えば、目標演算部130LにおけるLch目標スピーカパラメータ、および目標演算部130RにおけるRch目標スピーカパラメータを変更することによって、目標スピーカユニットを変更することができる。また、スピーカユニット80L、80Rを別のスピーカユニットXにつなぎ替えた場合、Lch駆動スピーカパラメータおよびRch駆動スピーカパラメータを、スピーカユニットXに対応したパラメータに変更することができる。
また、クロストーク信号出力部180に設定される遅延時間および増幅率を変更することによって、クロストーク音をキャンセルする効果を調整することもできる。なお、上述した処理によれば、厳密な制御をしなくても、比較的広い聴取範囲においてクロストーク音をキャンセルした効果が得られやすい。そのため、クロストーク信号出力部180に設定される遅延時間および増幅率は、予め決められた値に固定されていてもよい。スピーカ装置1におけるスピーカユニット80Lとスピーカユニット80Rとの距離が固定されている場合には、この距離に応じた値を推奨値として遅延時間および増幅率が決められていてもよい。例えば、スピーカユニット間の距離が長いほど、直接音とクロストーク音との到達時間の差が大きくなるため、遅延時間が大きくなるように設定されていてもよい。
なお、上述したように、駆動スピーカユニットをスピーカユニット80L、80R以外の構造に応じたLch駆動スピーカパラメータ、Rch駆動スピーカパラメータで指定してもよい。この場合には、目標スピーカユニットを用いてオーディオ信号SinL、SinRを出力した場合の音に対して、指定されたパラメータに応じた音響効果が付与されたような音を、スピーカユニット80L、80Lから出力することもできる。この場合においても、Lch駆動スピーカパラメータと、Rch駆動スピーカパラメータとは同じスピーカユニットの特性に対応して設定されることが望ましいが、必ずしも同一でなくてもよい。
<第2実施形態>
第2実施形態においては、クロストーク音をキャンセルするための信号として、Lch駆動演算信号Sc2LおよびRch駆動演算信号Sc2Rを用いるスピーカ装置1Aについて説明する。以下、スピーカ装置1Aの各構成のうち、第1実施形態におけるスピーカ装置1とは処理の内容が異なる構成について説明し、同様の処理を行う構成については、その説明を省略する場合がある。ここでは、スピーカ駆動装置10A、特に、スピーカL駆動部100AL、スピーカR駆動部100ARおよびクロストーク信号出力部180Aについて説明する。
第2実施形態においては、クロストーク音をキャンセルするための信号として、Lch駆動演算信号Sc2LおよびRch駆動演算信号Sc2Rを用いるスピーカ装置1Aについて説明する。以下、スピーカ装置1Aの各構成のうち、第1実施形態におけるスピーカ装置1とは処理の内容が異なる構成について説明し、同様の処理を行う構成については、その説明を省略する場合がある。ここでは、スピーカ駆動装置10A、特に、スピーカL駆動部100AL、スピーカR駆動部100ARおよびクロストーク信号出力部180Aについて説明する。
図6は、第2実施形態におけるスピーカ装置の機能を示すブロック図である。スピーカ装置1Aは、スピーカ駆動装置10A、信号入力部30、操作部60、表示部70およびスピーカユニット80L、80Rを備える。スピーカ駆動装置10Aは、スピーカL駆動部100AL、スピーカR駆動部100AR、設定部170およびクロストーク信号出力部180Aを備える。この例における信号入力部30、操作部60、表示部70、スピーカユニット80L、80Rおよび設定部170については、第1実施形態と同じ処理を行う。したがって、これらの構成についての説明は省略する。
スピーカL駆動部100ALは、オーディオ信号SinLおよびRchクロストーク信号Sf2R(第6演算信号)が入力され、これらの信号に基づいてLch駆動出力信号SaLおよびLch駆動演算信号Sc2Lを出力する。スピーカR駆動部100ARは、オーディオ信号SinRおよびLchクロストーク信号Sf2L(第5演算信号)が入力され、これらの信号に基づいてRch駆動出力信号SaRおよびRch駆動演算信号Sc2Rを出力する。なお、Lchクロストーク信号Sf2L、Rchクロストーク信号Sf2Rは、Lch駆動演算信号Sc2L、Rch駆動演算信号Sc2Rに基づいてクロストーク信号出力部180Aから出力される信号である。
クロストーク信号出力部180Aは、第1実施形態におけるクロストーク信号出力部180とは、入力される信号が異なっているが、基本的な構成には大きな違いがなく、図2に示す構成と同様である。クロストーク信号出力部180Aは、Lch駆動演算信号Sc2Lに対して、設定された遅延時間での遅延処理、および設定された増幅率での増幅処理(この例では減衰させる処理)を行い、Lchクロストーク信号Sf2Lとして出力する。また、クロストーク信号出力部180Aは、Rch駆動演算信号Sc2Rに対して、設定された遅延時間での遅延処理、および設定された増幅率での増幅処理(この例では減衰させる処理)を行い、Rchクロストーク信号Sf2Rとして出力する。
図7Aは、第2実施形態におけるスピーカL駆動部の機能を示すブロック図である。スピーカL駆動部100ALは、取得部110L、目標演算部130Lおよび駆動信号生成部150ALを備える。取得部110Lおよび目標演算部130Lについては、第1実施形態と同じ処理を行う。したがって、これらの構成についての説明は省略する。駆動信号生成部150ALは、信号制御部151AL、駆動演算部153AL、出力部155Lおよび加算器158Lを備える。出力部155Lについては、第1実施形態と同じ処理を行う。したがって、この構成についての説明は省略する。
駆動演算部153ALは、第1実施形態における駆動演算部153Lとは、入力信号が異なっているが、演算処理の内容は同じである。すなわち、駆動演算部153ALは、信号制御部151ALから出力されるLch駆動出力信号SaLを入力信号として用いて演算を行い、演算結果を示すLch駆動演算信号Sc2Lを出力する。このLch駆動演算信号Sc2Lは、クロストーク信号出力部180Aにも出力される。
加算器158Lは、駆動演算部153ALから出力されたLch駆動演算信号Sc2Lと、Rchクロストーク信号Sf2Rとを加算して得られる合成信号を、信号制御部151Lへ出力する。Rchクロストーク信号Sf2Rは、上述したように、スピーカR駆動部100ARから出力されるRch駆動演算信号Sc2Rに基づいて、クロストーク信号出力部180Aから供給される信号である。より詳細には、Rchクロストーク信号Sf2Rは、Rch駆動演算信号Sc2Rに対して、遅延および減衰がされた信号であって、Rchの音が左耳に到達するときのクロストーク音を、スピーカユニット80Rの振動板の振動によって示した信号である。
上述したように、駆動演算部153ALから出力されるLch駆動演算信号Sc2Lと、加算器158LにおいてRchクロストーク信号Sf2Rとが加算されて得られる合成信号が、信号制御部151ALに入力される。そのため、駆動演算部153ALおよび加算器158Lは、クロストーク信号を発生させるための演算処理を行っているともいえる。
信号制御部151ALは、第1実施形態における信号制御部151Lとは、Lch目標演算信号Sc1Lと比較される信号が異なっている。Lch目標演算信号Sc1Lの比較対象は、第1実施形態のようにLch駆動演算信号Sc2Lではなく、加算器158Lから出力された合成信号である。この点で第1実施形態と第2実施形態とは異なっているが、信号制御部151ALがLch駆動出力信号SaLを出力するための処理の内容は同じである。すなわち、信号制御部151ALは、加算器158Lから出力された合成信号(Lch駆動演算信号Sc2L+Rchクロストーク信号Sf2R)と、Lch目標演算信号Sc1Lとが一致するように、Lch駆動出力信号SaLを出力する。
このLch駆動出力信号SaLが実際の駆動スピーカユニットに供給されると、目標スピーカユニットをオーディオ信号SinLで駆動したときと同様な動作で、駆動スピーカユニット(この例では、スピーカユニット80L)を駆動させることができる。さらに、Rchのクロストーク音をキャンセルするための信号を含めて駆動スピーカユニットを駆動させることができる。このとき、Lch駆動演算信号Sc2LにRchクロストーク信号Sf2Rが加算されているため、クロストーク音をキャンセルするために、Lchの駆動スピーカユニットの振動板の動きに、Rchの駆動スピーカユニットの振動板の動きを反映させすることができる。そのため、スピーカユニット80Lの特性でLch駆動スピーカパラメータを指定した場合には、目標スピーカユニットを用いてオーディオ信号SinLを出力した場合の音と、クロストーク音をキャンセルするための音と、を合成した音が、スピーカユニット80Lから再生されることになる。
図7Bは、第2実施形態におけるスピーカR駆動部の機能を示すブロック図である。スピーカR駆動部100ARは、取得部110R、目標演算部130Rおよび駆動信号生成部150ARを備える。また、駆動信号生成部150ARは、信号制御部151AR、駆動演算部153AR、出力部155Rおよび加算器158Rを備える。取得部110R、目標演算部130Rおよび駆動信号生成部150ARは、それぞれ、スピーカL駆動部100ALにおける取得部110L、目標演算部130Lおよび駆動信号生成部150ALと同様の動作をする。また、駆動信号生成部150ARの各構成についても、駆動信号生成部150ALの各構成と同様の動作をする。したがって、詳細の説明を省略する。スピーカL駆動部100ALとスピーカR駆動部100ARとで異なる点は、入力される信号が異なる点である。具体的には、以下の通りである。
取得部110Rは、信号入力部30から供給されるオーディオ信号SinRを入力信号として取得する。信号制御部151ARは、Rch目標演算信号Sc1R、および加算器158Rから出力された合成信号(Rch駆動演算信号Sc2R+Lchクロストーク信号Sf2L)が入力され、Rch駆動出力信号SaRを生成して出力する。駆動演算部153ARは、信号制御部151ARから出力されるRch駆動出力信号SaRを入力信号として用いて演算を行い、演算結果を示すRch駆動演算信号Sc2Rを出力する。
加算器158Rは、Rch駆動演算信号Sc2RとLchクロストーク信号Sf2Lとが入力され、これらの信号を加算して得られる合成信号を出力する。Lchクロストーク信号Sf2Lは、上述したように、スピーカL駆動部100ALから出力されるLch駆動演算信号Sc2Lに基づいて、クロストーク信号出力部180Aから供給される信号である。より詳細には、Lchクロストーク信号Sf2Lは、Lch駆動演算信号Sc2Lに対して、遅延処理および減衰処理がされた信号であって、Lchの音が右耳に到達するときのクロストーク音を、スピーカユニット80Lの振動板の振動によって示した信号である。出力部155Rは、取得したRch駆動出力信号SaRをスピーカユニット80Rに出力する。
このRch駆動出力信号SaRが実際の駆動スピーカユニットに供給されると、目標スピーカユニットをオーディオ信号SinRで駆動したときと同様な動作で、駆動スピーカユニット(この例では、スピーカユニット80R)を駆動させることができる。さらに、Lchのクロストーク音をキャンセルするための信号を含めて駆動スピーカユニットを駆動させることができる。このとき、Rch駆動演算信号Sc2RにLchクロストーク信号Sf2Lが加算されているため、クロストーク音をキャンセルするために、Rchの駆動スピーカユニットの振動板の動きに、Lchの駆動スピーカユニットの振動板の動きを反映させすることができる。そのため、スピーカユニット80Rの特性でRch駆動スピーカパラメータを指定した場合には、目標スピーカユニットを用いてオーディオ信号SinRを出力した場合の音と、クロストーク音をキャンセルするための音と、を合成した音が、スピーカユニット80Rから再生されることになる。
以上のようにして、スピーカL駆動部100ALからのLch駆動出力信号SaLに応じた音がスピーカユニット80Lから出力され、スピーカR駆動部100ARからのRch駆動出力信号SaRに応じた音がスピーカユニット80Rから出力される。これによって、スピーカユニット80Lから聴取者の右耳に到達するクロストーク音は、スピーカユニット80Rから出力される音に含まれる成分(Lchクロストーク信号Sf2Lに相当する振動板の振動によって生じる成分)によって、キャンセルされる。また、スピーカユニット80Rから聴取者の右耳に到達するクロストーク音は、スピーカユニット80Lから出力される音に含まれる成分(Rchクロストーク信号Sf2Rに相当する振動板の振動によって生じる成分)によって、キャンセルされる。
本発明の第2実施形態におけるスピーカ駆動装置10Aによれば、上記の構成で例示されるように、スピーカユニットの振動板の動きを考慮してクロストーク音をキャンセルする成分を導入することによって、周波数特性の変化を抑えることができる。このとき、クロストーク音の成分を、振動板の振動に対応するLch駆動演算信号Sc2L、Rch駆動演算信号Sc2Rから得られるLchクロストーク信号Sf2L、Rchクロストーク信号Sf2Rによって再現している。これによれば、仮にスピーカユニット80Lとスピーカユニット80Rとが異なる特性を有していたとしても、クロストーク音をキャンセルする効果が得られやすくなる。
<第3実施形態>
第3実施形態では、上記実施形態におけるスピーカ装置をコンピュータによりソフトウェア上で実現する例を説明する。この例では、第1実施形態におけるスピーカ装置1がタブレット型コンピュータ90に適用された例を説明する。
第3実施形態では、上記実施形態におけるスピーカ装置をコンピュータによりソフトウェア上で実現する例を説明する。この例では、第1実施形態におけるスピーカ装置1がタブレット型コンピュータ90に適用された例を説明する。
図8は、第3実施形態におけるタブレット型コンピュータを示す外観図である。タブレット型コンピュータ90は、入出力端子11、操作部60、表示部70およびスピーカユニット80を備える。また、タブレット型コンピュータ90は、制御部1000および記憶部500を備える。制御部1000は、CPUなどの演算処理回路を有し、記憶部500に記憶されたプログラムを実行して、図1に示すスピーカ駆動装置10の各機能をソフトウェア上で実現する。すなわち、このプログラムは、タブレット型コンピュータ90を、スピーカ駆動装置10として機能させる。なお、このプログラムは、予めタブレット型コンピュータ90にインストールされたものであってもよいし、外部メモリから取得されたり、ネットワーク経由でダウンロードされたりしたものであってもよい。
信号入力部30は、入出力端子11からオーディオ信号Sinを取得してもよいし、制御部1000において生成されるオーディオ信号Sinを取得してもよい。また、入出力端子11にヘッドフォンが接続された場合には、出力部155L、155Rは、スピーカユニット80L、80Rに代えて入出力端子11にLch駆動出力信号SaL、Rch駆動出力信号SaRを出力してもよい。このとき、駆動演算部153Lに設定されているLch駆動スピーカパラメータ、および駆動演算部153Rに設定されているRch駆動スピーカパラメータが自動的に変更されてもよい。変更後のLch駆動スピーカパラメータおよびRch駆動スピーカパラメータは、ヘッドフォンに相当する値に設定されればよい。このとき、Lch駆動スピーカパラメータおよびRch駆動スピーカパラメータは、必ずしも入出力端子11に接続されたヘッドフォンに対応する値でなくてもよい。この例では、入出力端子11は、入力端子と出力端子とを共用していたが、それぞれ別々に設けられていてもよい。なお、スピーカ駆動装置10がヘッドフォンから識別情報を取得できる構成であってもよい。この場合には、その識別情報に基づいて駆動演算部153Lに設定されているLch駆動スピーカパラメータ、および駆動演算部153Rに設定されているRch駆動スピーカパラメータが変更されてもよい。
ここでは、スピーカ駆動装置の各機能をソフトウェア上で実現する例を説明したが、DSPなどにより実現してもよい。
<第4実施形態>
第1実施形態では、クロストーク信号出力部180は、入力されるLch駆動出力信号SaLおよびRch駆動出力信号SaRのそれぞれに対して遅延処理および増幅処理をして、Lchクロストーク信号SfLおよびRchクロストーク信号SfRを出力していた。第4実施形態では、入力されるLch駆動出力信号SaLおよびRch駆動出力信号SaRのそれぞれに対して所定の伝達関数を畳み込むことによって、Lchクロストーク信号SfLおよびRchクロストーク信号SfRを出力する。
第1実施形態では、クロストーク信号出力部180は、入力されるLch駆動出力信号SaLおよびRch駆動出力信号SaRのそれぞれに対して遅延処理および増幅処理をして、Lchクロストーク信号SfLおよびRchクロストーク信号SfRを出力していた。第4実施形態では、入力されるLch駆動出力信号SaLおよびRch駆動出力信号SaRのそれぞれに対して所定の伝達関数を畳み込むことによって、Lchクロストーク信号SfLおよびRchクロストーク信号SfRを出力する。
図9は、第4実施形態におけるクロストーク信号出力部の機能を示すブロック図である。クロストーク信号出力部180Bは、Lchフィルタ部183L(第5演算部)およびRchフィルタ部183R(第6演算部)を備える。Lchフィルタ部183Lは、Lch駆動出力信号SaLに対して、設定された伝達関数による畳み込み処理を行い、Lchクロストーク信号SfL(第3駆動信号)として出力する。Rchフィルタ部183Rは、Rch駆動出力信号SaRに対して、設定された伝達関数による畳み込み処理を行い、Rchクロストーク信号SfR(第4駆動信号)として出力する。それぞれの伝達関数は、例えば、頭部伝達関数である。このように、遅延処理および増幅処理に代えて、所定の伝達関数を畳み込むことによって、クロストーク音をキャンセルするための信号を生成してもよい。
<変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上述した各実施形態は、互いに組み合わせたり、置換したりして適用することが可能である。また、上述した各実施形態では、以下の通り変形して実施することも可能である。なお、以下の記載では、第1実施形態を基準に変形した例を示しているが、その他の実施形態を基準としても変形が可能である。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、上述した各実施形態は、互いに組み合わせたり、置換したりして適用することが可能である。また、上述した各実施形態では、以下の通り変形して実施することも可能である。なお、以下の記載では、第1実施形態を基準に変形した例を示しているが、その他の実施形態を基準としても変形が可能である。
(1)スピーカ駆動装置10の各機能は、アナログ回路で実現されてもよいし、デジタル回路で実現されてもよい。
(2)スピーカ駆動装置10から出力されるLch駆動出力信号SaLおよびRch駆動出力信号SaRは、ネットワークを介して別の装置に出力されてもよい。
(3)スピーカ駆動装置10は、ネットワークに接続されたサーバにおいて実現されてもよい。この場合には、サーバにおいて機能するスピーカ駆動装置10は、ネットワークを介して通信端末等からオーディオ信号Sinを受信し、ネットワークを介してLch駆動出力信号SaLおよびRch駆動出力信号SaRを、スピーカユニットを備える装置またはこの装置に接続可能な装置に送信する。
(4)オーディオ信号Sinは、2以上のチャンネルを有していてもよい。チャンネル数に応じて複数のスピーカ駆動装置10を用いればよい。オーディオ信号Sinは、例えば、フロントのLch、Rchと、リアのLch、Rchとで4チャンネルを有していてもよい。この場合には、スピーカ装置1は、フロントのLchとRchとのオーディオ信号が供給される第1のスピーカ駆動装置10と、リアのLchとRchとのオーディオ信号が供給される第2のスピーカ駆動装置10とを備えればよい。
なお、複数のスピーカユニットに位相をずらしたオーディオ信号を供給することによって、例えば指向性を付与するシステムに適用する場合には、それぞれのチャンネルに対応する複数のスピーカユニットから逆耳への伝搬時間差に相当する遅延量を付したクロストーク信号を、他のチャンネルの駆動信号生成部におけるフィードバックループ内のスピーカモデルに重畳するようにすればよい。例えば、LchとRchとがそれぞれ2つのスピーカユニット(仮にL1、L2、R1、R2とする)により駆動される場合、駆動出力信号を対応するスピーカユニットにそれぞれ出力するスピーカL1駆動部、スピーカL2駆動部、スピーカR1駆動部およびスピーカR2駆動部を設ける。そして、例えば、Lchについては、以下の(A)〜(C)のいずれかによって、クロストーク信号を入力するようにすればよい。なお、RchについてもLchと同様である。
(A)スピーカR1駆動部からのクロストーク信号がスピーカL1駆動部に供給され、スピーカR2駆動部からのクロストーク信号がスピーカL2駆動部に供給される。
(B)スピーカR2駆動部からのクロストーク信号がスピーカL1駆動部に供給され、スピーカR1駆動部からのクロストーク信号がスピーカL2駆動部に供給される。
(C)スピーカR1駆動部からのクロストーク信号と、スピーカR2駆動部からのクロストーク信号とが、スピーカL1駆動部およびスピーカL2駆動部のいずれか一方に供給される。
(A)スピーカR1駆動部からのクロストーク信号がスピーカL1駆動部に供給され、スピーカR2駆動部からのクロストーク信号がスピーカL2駆動部に供給される。
(B)スピーカR2駆動部からのクロストーク信号がスピーカL1駆動部に供給され、スピーカR1駆動部からのクロストーク信号がスピーカL2駆動部に供給される。
(C)スピーカR1駆動部からのクロストーク信号と、スピーカR2駆動部からのクロストーク信号とが、スピーカL1駆動部およびスピーカL2駆動部のいずれか一方に供給される。
別の方法として、L1、L2のスピーカユニットのそれぞれに、第1実施形態でのLch駆動出力信号SaLが位相調整されて供給され、R1、R2のスピーカユニットのそれぞれに、第1実施形態でのRch駆動出力信号SaRが位相調整されて供給されるようにしてもよい。このようにしても、第1実施形態とは音の指向性が変化するだけでほぼ同様の効果が得られる。すなわち、Lch駆動出力信号SaLによって駆動されるL1、L2のスピーカユニットからの音によって、R1、R2のスピーカユニットからのクロストーク音をキャンセルすることができる。また、Rch駆動出力信号SaRによって駆動されるR1、R2のスピーカユニットからの音によって、L1、L2のスピーカユニットからのクロストーク音をキャンセルすることができる。
(5)デジタルスピーカ装置においては、複数のボイスコイルによって1つのスピーカユニットが駆動される場合がある。この場合には、1つのスピーカユニットに対して複数の駆動出力信号が用いられる。すなわち、Lch駆動出力信号SaLおよびRch駆動出力信号SaRは、それぞれ、ボイスコイルに対応した数の駆動出力信号を含む。このとき、駆動演算部153Lは、Lch駆動出力信号SaLに含まれる複数の信号を用いて、駆動スピーカユニットに対応する振動板の位置を得ればよい。同様に、駆動演算部153Rは、Rch駆動出力信号SaRに含まれる複数の信号を用いて、駆動スピーカユニットに対応する振動板の位置を得ればよい。そして、LchのスピーカユニットをLch駆動出力信号SaLに含まれる複数の信号で駆動し、RchのスピーカユニットをRch駆動出力信号SaRに含まれる複数の信号で駆動する。
上記のように、複数のボイスコイルで1つのスピーカユニットを駆動するデジタルスピーカ装置については、公知の技術を使えばよい。公知の技術としては、例えば、米国特許第8423165号明細書、米国特許第8306244号明細書、米国特許第9219960号明細書、米国特許第9300310号明細書に開示された技術を用いることができる。この技術によれば、ΔΣ変調器を用いたノイズシェイパー、およびばらつきを低減するように駆動信号を振り分けるボイスコイルを選択するミスマッチシェイパーが利用されている。
(6)上述した実施形態では、目標演算部130L、130Rおよび駆動演算部153L、153Rにおける電気−機械モデルの対象物および電気信号(駆動出力信号SaL、SaR)に基づいて駆動される対象物はスピーカユニット(スピーカユニット80L、80R)であったが、電気信号を機械の位置または速度等の動作に変換する対象物など、微分方程式で記述できる対象物であれば、どのような対象物であってもよい。微分方程式で記述できる対象物として、例えば、モータ、圧電素子、磁歪素子、静電アクチュエータなどの電気機械変換器が、本発明に適用可能である。これらの電気機械変換器は、振動により可聴音を出力する構成に適用した場合に限られず、可聴音以外の周波数帯域の振動を出力する構成としても適用可能である。したがって、スピーカ駆動装置は、電気機械変換器の駆動装置の一例といえる。
1,1A…スピーカ装置、10,10A…スピーカ駆動装置、11…入出力端子、30…信号入力部、60…操作部、70…表示部、80L,80R…スピーカユニット、90…タブレット型コンピュータ、100L,100AL…スピーカL駆動部、100R,100AR…スピーカR駆動部、110L,110R…取得部、130L,130R…目標演算部、150L,150R,150AL,150AR…駆動信号生成部、151L,151R,151AL,151AR…信号制御部、153L,153R,153AL,153AR…駆動演算部、155L,155R…出力部、157L,157R…加算器、158L,158R…加算器、170…設定部、171…パラメータ記憶部、173…第1UI提供部、175…第2UI提供部、177…第3UI提供部、179…設定変更部、180,180A,180B…クロストーク信号出力部、180L…Lch信号処理部、180R…Rch信号処理部、181L,181R…遅延器、183L…Lchフィルタ部、183R…Rchフィルタ部、185L,185R…増幅器、500…記憶部、1000…制御部
Claims (12)
- 第1スピーカユニットの等価回路を規定する第1パラメータに応じた応答特性に基づいて、第1入力信号から得られる第1演算信号を出力する第1演算部と、
第2駆動信号および前記第1演算信号に基づいて、スピーカユニットを駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
第3スピーカユニットの等価回路を規定する第3パラメータに応じた応答特性に基づいて、第2入力信号から第3演算信号を生成する第3演算部と、
前記第1駆動信号および前記第3演算信号に基づいて、スピーカユニットを駆動するための前記第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、
を備えることを特徴とするスピーカ駆動装置。 - 第1スピーカユニットの等価回路を規定する第1パラメータに応じた応答特性に基づいて、第1入力信号から得られる第1演算信号を出力する第1演算部と、
第4演算信号および前記第1演算信号に基づいて、前記第1演算信号に対応する特性値を含む第2演算信号およびスピーカユニットを駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
第3スピーカユニットの等価回路を規定する第3パラメータに応じた応答特性に基づいて、第2入力信号から第3演算信号を生成する第3演算部と、
前記第2演算信号および前記第3演算信号に基づいて、前記第3演算信号に対応する特性値を含む前記第4演算信号およびスピーカユニットを駆動するための第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部と、
を備えることを特徴とするスピーカ駆動装置。 - 前記第1駆動信号に対する第1演算処理によって第3駆動信号を生成する第5演算部と、
前記第2駆動信号に対する第2演算処理によって第4駆動信号を生成する第6演算部と、
をさらに備え、
前記第1駆動信号生成部は、前記第4駆動信号および前記第1演算信号に基づいて、前記第1駆動信号を生成し、
前記第1駆動信号生成部は、
第2スピーカユニットの等価回路を規定する第2パラメータに応じた応答特性に基づいて、前記第1駆動信号と前記第4駆動信号とを合成した信号から第2演算信号を生成する第2演算部と、
前記第1演算信号および前記第2演算信号に基づいて、前記第1駆動信号を制御する第1信号制御部と、を含み、
前記第2駆動信号生成部は、前記第3駆動信号および前記第3演算信号に基づいて、前記第2駆動信号を生成し、
前記第2駆動信号生成部は、
第4スピーカユニットの等価回路を規定する第4パラメータに応じた応答特性に基づいて、前記第2駆動信号と前記第3駆動信号とを合成した信号から第4演算信号を生成する第4演算部と、
前記第3演算信号および前記第4演算信号に基づいて、前記第2駆動信号を制御する第2信号制御部と、を含む
ことを特徴とする請求項1に記載のスピーカ駆動装置。 - 前記第2演算信号に対する第1演算処理によって第5演算信号を生成する第5演算部と、
前記第4演算信号に対する第2演算処理によって第6演算信号を生成する第6演算部と、
をさらに備え、
前記第1駆動信号生成部は、前記第1演算信号および前記第6演算信号に基づいて、前記第2演算信号および前記第1駆動信号を生成し、
前記第1駆動信号生成部は、
第2スピーカユニットの等価回路を規定する第2パラメータに応じた応答特性に基づいて、前記第1駆動信号から前記第2演算信号を生成する第2演算部と、
前記第2演算信号と前記第6演算信号との合成信号および前記第1演算信号に基づいて、前記第1駆動信号を制御する第1信号制御部と、を含み、
前記第2駆動信号生成部は、前記第3演算信号および前記第5演算信号に基づいて、前記第4演算信号および前記第2駆動信号を生成し、
前記第2駆動信号生成部は、
第4スピーカユニットの等価回路を規定する第4パラメータに応じた応答特性に基づいて、前記第2駆動信号から前記第4演算信号を生成する第4演算部と、
前記第4演算信号と前記第5演算信号との合成信号および前記第3演算信号に基づいて、前記第2駆動信号を制御する第2信号制御部と、を含む
ことを特徴とする請求項2に記載のスピーカ駆動装置。 - 前記第1演算処理および前記第2演算処理は、遅延処理および減衰処理を含む
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のスピーカ駆動装置。 - 前記第1演算処理および前記第2演算処理は、所定の伝達関数を畳み込む処理を含む
ことを特徴とする請求項3または請求項4に記載のスピーカ駆動装置。 - 前記第1パラメータと前記第2パラメータとは同一に設定可能であることを特徴とする請求項3から請求項6のいずれかに記載のスピーカ駆動装置。
- 前記第3パラメータと前記第4パラメータとは同一に設定可能であることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれかに記載のスピーカ駆動装置。
- 前記第1演算信号、前記第2演算信号、前記第3演算信号および前記第4演算信号は、スピーカユニットの振動板の位置に関連する情報を含む
ことを特徴とする請求項3から請求項8のいずれかに記載のスピーカ駆動装置。 - 請求項1から請求項9のいずれかに記載のスピーカ駆動装置と、
前記第1駆動信号および前記第2駆動信号のそれぞれによって駆動される複数のスピーカユニットと、
を備えることを特徴とするスピーカ装置。 - 第1スピーカユニットの等価回路を規定する第1パラメータに応じた応答特性に基づいて、第1入力信号から得られる第1演算信号を出力する第1演算部と、
第2駆動信号および前記第1演算信号に基づいて、スピーカユニットを駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
第3スピーカユニットの等価回路を規定する第3パラメータに応じた応答特性に基づいて、第2入力信号から第3演算信号を生成する第3演算部と、
前記第1駆動信号および前記第3演算信号に基づいて、スピーカユニットを駆動するための前記第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。 - 第1スピーカユニットの等価回路を規定する第1パラメータに応じた応答特性に基づいて、第1入力信号から得られる第1演算信号を出力する第1演算部と、
第4演算信号および前記第1演算信号に基づいて、前記第1演算信号に対応する特性値を含む第2演算信号およびスピーカユニットを駆動するための第1駆動信号を生成する第1駆動信号生成部と、
第3スピーカユニットの等価回路を規定する第3パラメータに応じた応答特性に基づいて、第2入力信号から第3演算信号を生成する第3演算部と、
前記第2演算信号および前記第3演算信号に基づいて、前記第3演算信号に対応する特性値を含む前記第4演算信号およびスピーカユニットを駆動するための第2駆動信号を生成する第2駆動信号生成部
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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