JPWO2019124546A1 - タービンハウジングの製造方法 - Google Patents

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Abstract

タービンハウジングにおける排気ガス流路を、板金分割体と鋳造分割体で構成し、板金材料をプレス成形して板金分割体を形成し、鋳造分割体を鋳造にて成形するタービンハウジングの製造方法において、鋳造分割体の鋳造の際、板金分割体の一端の原形が消失するよう一端を溶融させて鋳造分割体の内部に鋳込む。

Description

本発明は、車両のターボチャージャ(ターボ過給機)に用いられるタービンハウジングの製造方法に関する。
ターボチャージャに用いられるタービンハウジングとしては、鋳造製のものが一般的であり、例えば特許文献1により提案されている。このものは、ロストワックス精密鋳造法によりタービンハウジングが製造されていて軽量で耐熱性を有するものである。
また、更なる軽量化のために鋼板のプレス成形品により作製された板金製のタービンハウジングが例えば特許文献2により提案されている。特許文献2によれば、板金製のシェル体の一端に鋳造により基部が形成されている。すなわち、板金製のシェル体の一端を鋳包んで基部が一体的に接合されている。
特開2003−56354号公報 特開2004−143937号公報
しかしながら、特許文献2による方法を用いてタービンハウジングを生産すると、シェル体が鋳型の内部で冷金(ヒートシンク)として機能し、シェル体が金属溶湯の中で完全に溶けずに残る可能性がある。すなわち、溶け残ったシェル体の表面に鋳造材料が固着するのみで、シェル体と鋳造材料との間に境界面が形成される状態が発生し得る。さらに、シェル体と鋳造材料の間にクラックのような隙間が発生する場合もある。このような接合状態では、接合強度が十分ではなく、タービンハウジングの使用環境における振動や熱応力によって、疲労破壊が起こる可能性を生ずる。
そこで、本発明は、前記した課題を解決すべくなされたものであり、接合強度を十分に確保するとタービンハウジングの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、タービンハウジングにおける排気ガス流路を、板金分割体と鋳造分割体で構成し、板金材料をプレス成形して板金分割体を形成し、鋳造分割体を鋳造にて成形するタービンハウジングの製造方法において、鋳造分割体の鋳造の際、板金分割体の一端の原形が消失するよう一端を溶融させて鋳造分割体の内部に鋳込むことを特徴とする。
本発明によれば、板金製の部材と、鋳造材料からなる部材を一体的に接合する場合において、接合強度を十分に確保することができ、タービンハウジングの使用環境における振動や熱応力による疲労破壊が起こる可能性を低減できる。
図1は、本発明の一実施形態のターボチャージャに用いられるタービンハウジングの側面図である。 図2は、上記タービンハウジングの正面図である。 図3は、上記タービンハウジングの背面図である。 図4は、上記タービンハウジングの断面図である。 図5は、図4中Y−Y線に沿う断面図である。 図6は、上記タービンハウジングの板金製部材と板金製の排気管を精密鋳造する鋳型の断面図である。 図7は、上記鋳型でインサート成形された蝋型の断面図である。 図8は、表面にコーティング層を形成した蝋型の断面図である。 図9は、蝋型を溶出させてキャビティを形成した状態の断面図である。 図10は、上記鋳型で精密鋳造された成形品の断面図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施形態のターボチャージャに用いられるタービンハウジングの側面図、図2はタービンハウジングの正面図、図3はタービンハウジングの背面図、図4はタービンハウジングの断面図、図5は図4中Y−Y線に沿う断面図、図6はタービンハウジングの板金製部材と板金製の排気管を精密鋳造する鋳型の断面図、図7は鋳型でインサート成形された蝋型の断面図、図8は、表面にコーティング層を形成した蝋型の断面図、図9は、蝋型を溶出させてキャビティを形成した状態の断面図、図10は鋳型で精密鋳造された成形品の断面図である。
図1〜図4に示すように、タービンハウジング10は、車両のターボチャージャ(ターボ過給機)のハウジングとして用いられる。タービンハウジング10は、鋳物製のセンターフランジ11と、排気ガスBの入口12aを構成する鋳物製で排気入口側のフランジ12と、排気ガスBの出口13aを構成する排気出口側(排気流れ下流側)のフランジ13との間に備えられた排気ガス流路Kを構成する内筒20と、この内筒20の排気出口側の箇所(円筒状部23d)に接続された排気管30と、これら内筒20及び排気管30を所定の隙間Gを空けて覆う外筒40とからなる二重殻(二重管)構造となっている。タービンハウジング10は、排気入口側のフランジ12の入口12aから入った排気ガスBを、内筒20の旋回中心部(中心部)Oに配設されたタービンホイール14を経由して鋳物製で排気出口側のフランジ13の出口13aから排出する。
図1に示すように、センターフランジ11にはコンプレッサ15が接続され、また、排気ガスBを放出する排気出口側のフランジ13には排気ガスBの有害な汚染物質を取り除く触媒コンバータ16(排気ガス浄化装置)が連結フランジ17と連結管18を介して接続されている。即ち、タービンハウジング10は、吸気側のコンプレッサ15と触媒コンバータ16の間に介在されている。
図2及び図4に示すように、内筒20がハウジング内部の排気ガスBの排気ガス流路Kを実質的に区画形成し、外筒40は内筒20及び排気管30を所定の隙間Gを空けて完全に覆い、内筒20及び排気管30を保護すると同時に断熱し、かつ、タービンハウジング10としての剛性を高める役割を担う外殻構造体をなしている。
図4に示すように、内筒20は、タービンホイール14のタービン軸14aの軸方向Lに直交する方向で2分割形成された板金製で薄板状の部材から成る第1内筒分割体21(板金分割体)及び第2内筒分割体22(板金分割体)と、タービンホイール14に相対向する部位(排気ガスBの排気出口側の領域)に位置する精密鋳物製の部材から成る第3内筒分割体23(鋳造分割体)とから構成されている。なお、第3内筒分割体23は、板金製より耐熱性の高い鋳造材料を用いて、ロストワックス精密鋳造法より形成されている。第1内筒分割体21及び第2内筒分割体22を構成する板金材料としては、例えば、フィライト系ステンレスであるSUS429又はSUS430を用いることができる。また、鋳造材料としては、板金材料と同質の材料を用いる。本実施形態では、板金材料に応じたフェライト系ステンレスを用いる。
図2及び図4に示すように、第1内筒分割体21と第2内筒分割体22は、板金をプレス加工することにより所定の湾曲筒形状に成形されていて、このプレス成形された2つの板金製の第1内筒分割体21の後周縁側の端部21bと第2内筒分割体22の前周縁側の端部22aを溶接により接合して固定してある。即ち、第1内筒分割体21の後周縁側の端部21bと第2内筒分割体22の前周縁側の端部22aは、外側に垂直に長さが異なるように折り曲げ形成されており、この長短の端部21b,22a同士は溶接(溶接部分を符号Eで示す)により固定されている。
また、図2及び図4に示すように、第3内筒分割体23は、精密鋳物部品にて所定の湾曲筒形状に成形されていて、図4に示すように、板金製の第2内筒分割体22の後周縁側の端部22b側の部分と精密鋳物製の第3内筒分割体23の後外周縁側の段差凹状の端部23b側の部分同士は、第3内筒分割体23の精密鋳物工程にて第3内筒分割体23に板金製の第2内筒分割体22の後周縁側の端部22b側の部分を一緒に鋳込ませることにより接合してある。図4では、第3内筒分割体23内に鋳包まれた端部22bが点線で示されているが、説明の都合上、鋳込まれる前の端部22bの板金形状が示されているに過ぎない。実際には、第3内筒分割体23の鋳造時に端部22bは溶融(端部22bの原形が消失するよう溶解する)して第3内筒分割体23内に鋳込まれ、第2内筒分割体22は第3内筒分割体23と一体化している。これにより、内筒20の排気ガスBの排気出口側の領域としてのタービンホイール14に相対向する部位は、精密鋳物製の部材から成る精密鋳物製の第3内筒分割体23によって形成され、残りの部位は、板金製の板材から成る板金製の第1内筒分割体21及び第2内筒分割体22から形成されていて、その内部に排気ガス流路Kが形成されている。
さらに、図2、図4に示すように、精密鋳物製の第3内筒分割体23の正面23aは、平坦部になっていて、その下側(排気入口側のフランジ12)の面積が上側(排気入口側のフランジ12の反対側)の面積よりも広く形成されている。即ち、図4に示すように、精密鋳物製の第3内筒分割体23の排気入口側のフランジ12寄りの部位は、その反対側の部位よりも厚肉に形成されている。これにより、精密鋳物製の第3内筒分割体23によって内筒20の排気ガス流路Kの流路面kの一部が形成されている。
さらに、精密鋳物製の第3内筒分割体23の排気入口側には段差円環状の凹部23cが形成されていると共に、排気出口側には円筒状部23d(筒状部)が一体突出形成されている。この段差円環状の凹部23cには、タービンホイール14を保護する円環リング状の補強部材(図示省略)を嵌め込んである。
また、図4に示すように、精密鋳物製の第3内筒分割体23の円筒状部23dの内壁は出口側に行くに従って拡がる略円錐状の斜面23eに形成されていている。この第3内筒分割体23の円筒状部23dの内壁の斜面23e側の部分と板金製で円筒状の排気管30の前側の端部31側の部分同士は、第3内筒分割体23の精密鋳物工程にて、第3内筒分割体23の円筒状部23dの内壁の斜面23e側の部分に排気管30の前側の端部31側の部分を一緒に鋳込ませることにより、精密鋳物製の第3内筒分割体23に板金製の排気管30が接合されている。図4では、第3内筒分割体23内に鋳包まれた端部31が点線で示されているが、説明の都合上、鋳込まれる前の端部31の板金形状が示されているに過ぎない。実際には、第3内筒分割体23の鋳造時に端部31は溶融(端部31の原形が消失するよう溶解する)して第3内筒分割体23内に鋳込まれ、排気管30は第3内筒分割体23と一体化している。
図1〜図4に示すように、外筒40は、タービンホイール14のタービン軸14aの軸方向L(車両走行時の振動方向)に沿って2分割形成された第1外筒分割体41と第2外筒分割体42との2枚の板金製の薄板部材によって構成されている。この第1外筒分割体41と第2外筒分割体42は、板金をプレス加工することにより所定の湾曲形状に成形されていて、このプレス成形された2枚の板金製の第1外筒分割体41と板金製の第2外筒分割体42を溶接により接合することにより、内筒20及び排気管30が所定の隙間Gを空けて完全に覆われるようになっている。
即ち、図1、図3、図4に示すように、板金製の第1外筒分割体41の段差状に延びた他端部41bと板金製の第2外筒分割体42の段差状に延びた一端部42aは、第1外筒分割体41の他端部41bを下にして重ね合わせてタービンホイール14のタービン軸14aの軸方向L(軸直線方向)に沿って溶接(溶接部分を符号Eで示す)により互いに固定されている。これにより、車両が走行中において、タービン軸14aの軸方向Lで伸縮するため、軸方向Lに沿って溶接することによって、溶接目の破裂が防止されようになっている。
また、図5に示すように、外筒40を構成する板金製の第1外筒分割体41と板金製の第2外筒分割体42の各内面には、外筒40の湾曲形状に沿うようにプレス成形された板金製の各プレート45,46(補強板材)が少なくとも一点の溶接(点状の溶接)により固定されている。
図2及び図4に示すように、センターフランジ11は、円環状に形成されており、その中央の円形の開口部11a内にタービンホイール14のタービン軸14aの図示しない軸受が配置される。そして、センターフランジ11の内周面11b側の部分には、センターフランジ11の精密鋳物工程にてセンターフランジ11の内周面11b側の部分に板金製の第1内筒分割体21の前周縁側の端部21a側の部分を一緒に鋳込ませることにより板金製の第1内筒分割体21が接合されている。図4では、センターフランジ11内に鋳包まれた端部21aが点線で示されているが、説明の都合上、鋳込まれる前の端部21aの板金形状が示されているに過ぎない。実際には、センターフランジ11の鋳造時に端部21aは溶融(端部21aの原形が消失するよう溶解する)してセンターフランジ11内に鋳込まれ、第1内筒分割体21はセンターフランジ11と一体化している。
また、センターフランジ11の外周面11cには、外筒40を構成する板金製の第1外筒分割体41及び板金製の第2外筒分割体42の前周縁側の各端部41c,42cが溶接(溶接部分を符号Eで示す)により固定されている。尚、センターフランジ11には、ボルト取付用のネジ孔11dが等間隔に複数形成されている。
図4に示すように、排気入口側のフランジ12は、略円環状に形成されており、その開口部12aが排気ガスBの入口になっている。そして、排気入口側のフランジ12の外周面12bの上側には、段差環状の凹部12cが内側に形成されていると共に、排気入口側のフランジ12の内周面12dの中途部には段付き部12eを内側に突出するように一体形成してある。この段付き部12e上に沿って内筒20の板金製の第1内筒分割体21の下端部21c側及び板金製の第2内筒分割体22の下端部22c側が半円弧湾曲状にそれぞれ形成されていると共に、段付き部12eとの間に開口部25(隙間)を有して伸縮自在に遊嵌されている。
また、図2〜図4に示すように、排気入口側のフランジ12の凹部12cに沿って外筒40を構成する板金製の第1外筒分割体41及び板金製の第2外筒分割体42の下端部41e,42e側が半円弧湾曲状にそれぞれ形成されていると共に、凹部12c内に嵌め合わされた状態で外周面12bの上側に溶接(溶接部分を符号Eで示す)により固定されている。尚、排気入口側のフランジ12には、図示しないボルト取付用のネジ孔が等間隔に複数形成されている。
さらに、図3及び図4に示すように、排気出口側のフランジ13は、略四角板状に形成されており、その中央の円形の開口部13aが排気ガスBの出口になっている。そして、排気出口側のフランジ13の内周面13bには、外筒40を構成する板金製の第1外筒分割体41及び板金製の第2外筒分割体42の後周縁側の各端部41d,42d及び排気管30の後側の端部32が溶接(溶接部分を符号Eで示す)により固定されている。尚、排気出口側のフランジ13には、角部にはボルト取付用のネジ孔13dがそれぞれ形成されている。
以上実施形態のタービンハウジング10の板金製の第2内筒分割体22と排気ガスBの排気出口側の領域を形成する鋳物製の第3内筒分割体23及び板金製の排気管30は、図6に示す一対の下型51,52と上型53とから成る鋳型50を用いてロストワックス精密鋳造法より製造される。
詳述すると、図6に示すように、まず、板金製の第2内筒分割体22のプレス工程で、予め、ワックス56にインサートされる部分に屈曲部22bをプレス成形しておくと共に、板金製の第2内筒分割体22の通路内面(ガス流路面)側を鋳物製の第3内筒分割体23と段差がなく滑らかにつながる面22dにプレス成形しておく。
そして、排気管30と予め一体とされたロストワックス用中子54(例えばセラミックス中子)を一対の下型51,52間に挟み込み、下型を形成する。
次に、一対の下型51,52上に予めプレス成形された板金製の第2内筒分割体22を設置して、上型53を一対の下型51,52に合わせる。この状態から鋳型50のキャビティ55内にワックス56(蝋)を射出し、排気管30と第2内筒分割体22とがインサートされた蝋型57(ワックス原型)を成形する。図7に示すように、完成した蝋型57は、排気管30内にロストワックス用中子54が入ったままの状態である。
次に、鋳型50を作成する。
まず、蝋型57に湯口を設置し、図8に示すように、蝋型57の表面をセラミックコーティング(複数層形成)し、コーティング層81(セラミック層)を形成する。次に、加熱・脱蝋する。即ち、セラミックコーティングされた蝋型57を加熱し、ワックス56を湯口から型外に溶出させ、図9に示すように、ワックス56が存在していた部分にキャビティを形成する。そして、焼成することで、鋳型50が完成する。
なお、セラミックコーティングされた蝋型57を加熱してワックス56を湯口から型外に溶出させる工程(加熱・脱蝋工程)では、蝋型57を、ワックスの融点以上の温度で加熱する。その際、加熱・脱蝋工程を行っている期間内に板金が異常酸化するのを防ぐため、加熱・脱蝋工程における蝋型57の加熱の上限温度を、板金を構成する材料の耐高温酸化性温度(異常酸化に耐えうる温度)とする。例えば、加熱・脱蝋工程では、700℃から1300℃の範囲で蝋型57を加熱する。なお、板金材料にSUS430を用いる場合には、SUSの耐高温酸化性温度が900℃程度であるため、これに応じて700℃〜900℃程度で蝋型57を加熱する。
板金の表面に酸化皮膜が生じてしまうと、後述する鋳造工程において、この酸化皮膜が板金の溶融を阻害する。このため、加熱・脱蝋工程では、板金の表面に酸化皮膜が生じてしまうのを抑制するよう、蝋型57を加熱する際の温度をコントロールする。
次に、鋳型50のワックス56が溶出した後のキャビティ55内に、湯口から溶湯を注入し、溶湯が冷えた後で脱型し、鋳型50、中子54、湯口を除去し、バリ取り等を行って仕上げを行う。これにより、図10に示すような成形品58が完成し、排気管30と第2内筒分割体22のうち、板金部58Aの鋳込まれた部位と鋳造部58Bとを完全に溶融する。すなわち、板金部58Aの一端の原形が消失するよう一端を溶融させて鋳造部58Bの内部に鋳込む。図10では、第3内筒分割体23の鋳造時に端部22bが溶融して第3内筒分割体23内に鋳込まれ、端部22bが消失し、第2内筒分割体22が第3内筒分割体23と一体化している様子が示されている。また、図10では、第3内筒分割体23の鋳造時に端部31が溶融して第3内筒分割体23内に鋳込まれ、端部31が消失し、排気管30が第3内筒分割体23と一体化している様子が示されている。図10に示される一体化の様子と同様に、センターフランジ11の鋳造時には端部21aが溶融してセンターフランジ11内に鋳込まれ、端部21aが消失し、第1内筒分割体21がセンターフランジ11と一体化する。
なお、鋳型50のワックス56が溶出した後のキャビティ55内に、湯口から溶湯を注入する工程(鋳造工程)では、ワックスの融点温度を下限温度とし、板金を構成する材料の耐高温酸化性温度を上限温度として、下限温度と上限温度の間の温度で蝋型57を加熱する。例えば、鋳造工程では、700℃から1300℃の範囲で蝋型57を加熱する。板金材料にSUS430を用いる場合には、SUSの耐高温酸化性温度が900℃程度であるため、これに応じて700℃〜900℃程度で蝋型57を加熱する。ここで、溶湯の凝固点に近い温度でキャビティを保温した状態で溶湯を成形することで高精度な鋳造が可能となるため、上限温度に近い温度で蝋型57を加熱することが好ましい。
このように蝋型57を加熱してキャビティが保温された状態で溶湯を注入する。鋳造材料をフェライト系ステンレスとする場合には、溶湯の温度を1400℃〜1700℃とする。なお、溶湯の温度は、板金を構成する材料の融点以上の温度とする。ただし、キャビティを形成するコーティング層81の融点は、溶湯の温度よりも高い。
鋳造工程においては、溶湯の凝固点に近い温度でキャビティを保温した状態で溶湯を注入することで高精度な鋳造が可能となる。しかしながら、キャビティの温度が板金を構成する材料(板金分割体)を異常酸化させる温度まで至ると、板金の表面に酸化皮膜が生じてしまい、酸化被膜が溶融を阻害し、キャビティ内の板金が完全に溶融しなくなってしまう。そこで、板金の表面に酸化皮膜が生じてしまうのを抑制するよう、キャビティ内の温度をコントロールすることで、板金の端部において、板金を構成する材料を溶融させることができる。
板金製の第2内筒分割体22のプレス工程で、ワックス56にインサートされる部分に屈曲部22bを予め形成し、蝋型57の成形工程で、板金製の第2内筒分割体22の屈曲部22bをワックス56にインサートして蝋型57を形成し、この蝋型57の表面をセラミックコーティングしたことにより、作成された蝋型57の表面に型材であるセラミックを吹き付けて蝋型57を成形する工程で、板金製の第2内筒分割体22がワックス56から抜けることを防止することができる。
また、板金製の第2内筒分割体22のプレス工程で、第2内筒分割体22の通路内面側を鋳物製の第3内筒分割体23と段差がなく滑らかにつながる面22dに予め形成し、蝋型57の成形工程で、蝋型57を板金製の第2内筒分割体22の通路内面側と段差がなく滑らかにつながるようにインサート成形することにより、板金部58Aと鋳造部58Bの繋ぎ目を、排気気流を乱さないように成形することができる。即ち、内筒20の気流の乱れを減らすためのフラッシュサーフェス化を図ることができる。
このように、鋳物製の鋳造分割体を製造する鋳造工程で、鋳造分割体の鋳造部分に板金分割体の一端を一体で鋳込むことでタービンハウジング10の内筒20を形成することにより、従来のような組み立て後の溶接と切削加工及び洗浄の各工程が不要、あるいは、簡易化(加工量を削減)でき、高精度のタービンハウジング10を低コストで製造することができる。
また、図10に示すように、成形品58の板金部58Aと鋳造部58Bの接合部の強度を向上させることができる。さらに、鋳込みのため、溶接トーチの取回しスペースが不要となり、その分、タービンハウジング10の小型化が可能となる。
また、センターフランジ11と板金製の第1内筒分割体21も前記鋳型50を用いて、センターフランジ11に板金製の第1内筒分割体21を一体に鋳込むことで形成される。
尚、前記実施形態によれば、内筒を構成する板金製の第1、第2内筒分割体や排気管を精密鋳物製の第3内筒分割体や鋳物製のフランジに鋳込む場合について説明したが、外筒を構成する板金製の第1、第2外筒分割体を排気入口側の鋳物製のフランジ等に鋳込むようにしても良い。
以上、実施形態に沿って本発明の内容を説明したが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。例えば、板金材料として、フェライト系ステンレスに限らず、オーステナイト系ステンレスを用い、これに応じて鋳造材料もオーステナイト系ステンレスを用いることができる。また、当業者には自明な範囲で、種々の変形及び改良が可能であり、この開示の一部をなす論述および図面は本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例および運用技術が明らかとなろう。
本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本出願は、2017年12月22日に出願された日本国特許願第2017−245806号に基づく優先権、及び、2018年5月30日に出願された日本国特許願第2018−103311号に基づく優先権を主張しており、これら出願の全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
本発明によれば、板金製の部材と、鋳造材料からなる部材を一体的に接合する場合において、接合強度を十分に確保することができ、タービンハウジングの使用環境における振動や熱応力による疲労破壊が起こる可能性を低減できる。
10 タービンハウジング
12 排気入口側のフランジ
12a 開口部(排気ガスの入口)
13 排気出口側のフランジ
13a 開口部(排気ガスの出口)
14 タービンホイール
20 内筒
21 板金製の第1内筒分割体(板金分割体)
22 板金製の第2内筒分割体(板金分割体)
22b 屈曲部
22d 段差がなく滑らかにつながる面
23 鋳物製の第3内筒分割体(板金製より耐熱性の高い鋳造材料より形成された鋳造分割体)
50 鋳型
56 ワックス
57 蝋型(ワックス原型)
81 コーティング層
B 排気ガス
K 渦状の排気ガス流路
O 旋回中心部(中心部)

Claims (8)

  1. タービンハウジングにおける排気ガス流路を、板金分割体と鋳造分割体で構成したタービンハウジングの製造方法であって、
    板金材料をプレス成形して前記板金分割体を形成する工程と、
    前記鋳造分割体を成形する鋳造工程と、を備え、
    前記鋳造工程において、前記板金分割体の一端の原形が消失するよう前記一端を溶融させて前記鋳造分割体の内部に鋳込むこと
    を特徴とするタービンハウジングの製造方法。
  2. 請求項1に記載のタービンハウジングの製造方法であって、
    前記鋳造工程は、
    ワックスを前記鋳造分割体の形状に成形し、且つ、前記板金分割体の前記一端をインサートしたワックス原型を成形するワックス成形工程と、
    前記ワックス原型の表面にコーティング層を形成するコーティング工程と、
    前記ワックス原型を消失させてキャビティを形成するキャビティ形成工程と、
    前記キャビティを所定温度に加熱した状態で、前記キャビティの内部に溶湯を注入して、前記鋳造分割体を成形する溶湯工程と、
    を含み、
    前記所定温度は、前記ワックスが溶融する温度以上であって、且つ、前記板金材料の耐高温酸化性を維持する温度とすること
    を特徴とするタービンハウジングの製造方法。
  3. 請求項2に記載のタービンハウジングの製造方法であって、
    前記キャビティ形成工程において、前記ワックスの融点以上、且つ、前記板金材料の耐高温酸化性を維持する温度で前記ワックス原型を加熱すること
    を特徴とするタービンハウジングの製造方法。
  4. 請求項3に記載のタービンハウジングの製造方法であって、
    前記板金分割体を形成する工程で、前記板金分割体の前記一端に屈曲部を形成し、
    前記ワックス成形工程で、前記屈曲部を前記ワックス原型にインサート成形し、前記ワックス原型に対して前記板金分割体を固定すること
    を特徴とするタービンハウジングの製造方法。
  5. 請求項3又は4に記載のタービンハウジングの製造方法であって、
    前記板金分割体における排気ガス流路の内面と、前記鋳造分割体の内面が滑らかに繋がるように、前記ワックス原型を成形すること
    を特徴とするタービンハウジングの製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のタービンハウジングの製造方法であって、
    前記鋳造工程において、排気管の端部を溶融させて前記鋳造分割体の内部に鋳込むこと
    を特徴とするタービンハウジングの製造方法。
  7. 請求項6に記載のタービンハウジングの製造方法であって、
    前記排気管の他の端部を排気出口側のフランジに溶接で固定すること
    を特徴とするタービンハウジングの製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のタービンハウジングの製造方法であって、
    前記タービンハウジングと対向する部位が前記鋳造分割体であること
    を特徴とするタービンハウジングの製造方法。
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