JP2004143937A - 過給機用ハウジング及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】軽量化を図りつつ振動低減を図ることができ、更に、排気ガス浄化用の触媒装置をもつ排気系に適用した場合において、触媒装置の浄化効率を高めることができる過給機用ハウジング及びその製造方法を提供する。
【解決手段】過給機用ハウジング1は、相手部材に固定される基部2(21,25)と、ガスが流れるシェル室50を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体5とを備えている。シェル体5の一端部55及び他端部56のうちの少なくとも一方は、基部2に一体的に保持されている。金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部がシェル体に隣設するようにシェル体を鋳造型にセットする。金属溶湯を鋳造型の溶湯装填部に注入し、溶湯装填部に装填された金属溶湯を凝固させてシェル体と一体的な基部を成形する。
【選択図】図1
【解決手段】過給機用ハウジング1は、相手部材に固定される基部2(21,25)と、ガスが流れるシェル室50を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体5とを備えている。シェル体5の一端部55及び他端部56のうちの少なくとも一方は、基部2に一体的に保持されている。金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部がシェル体に隣設するようにシェル体を鋳造型にセットする。金属溶湯を鋳造型の溶湯装填部に注入し、溶湯装填部に装填された金属溶湯を凝固させてシェル体と一体的な基部を成形する。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は過給機に用いられる過給機用ハウジングに関する。
【0002】
【従来の技術】
過給機は、内燃機関から排出された排気ガスのエネルギを利用するものであり、タービン羽根を有するタービンロータと、タービンロータを回転可能に保持するハウジングとを主要素としている。過給機では、内燃機関から排出された排気ガスでタービンロータを回転させることにより、タービンロータに一体的に設けられたコンプレッサ羽根を回転させ、内燃機関への吸気量を高め、内燃機関の出力特性を改善させる。タービンロータの回転速度はかなり高く、例えば数万rpm〜数十万rpmと言われている。
【0003】
従来、形状が複雑で機械加工が容易でないこと、高強度が要請されること等のため、厚肉の鉄系の鋳造品で形成された過給機用ハウジングが知られている。
【0004】
また、プレス成形板で形成された過給機用ハウジングも知られている(特許文献1参照)。このものでは、分割されたプレス成形品を溶接で結合することにより、過給機用ハウジングを形成している。
【0005】
【特許文献1】
特開昭55−37508号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した厚肉の鉄系の鋳造品で形成された過給機用ハウジングでは、重量の面で不利となる。更に厚肉の鉄系の鋳造品は、大きな熱容量を有するため、排気ガスの熱を奪い易い。この場合、過給機用ハウジングの下流側に排気ガス浄化用の触媒装置が配置されている排気系では、触媒装置に供給する排気ガスの温度が低下し、触媒装置の活性化温度を維持するのに不利となり、排気ガスの浄化効率の向上には限界がある。
【0007】
また、上記した特許文献1に係るプレス成形板のみで形成された過給機用ハウジングでは、軽量化を図り得るものの、タービンロータが高速で回転することを考慮すると、ハウジングの振動抑制の面において限界がある。
【0008】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、軽量化を図りつつ、振動低減を図ることができ、更に、排気ガス浄化用の触媒装置をもつ排気系に適用した場合において、触媒装置の浄化効率を高めることができる過給機用ハウジング及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る過給機用ハウジングは、相手部材に固定される基部と、ガスが流れるシェル室を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体とを具備しており、前記シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方は、前記基部に一体的に保持されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る過給機用ハウジングによれば、ガスが流れるシェル室を区画するシェル体は、プレス成形板で形成されているため、鋳造品で形成された過給機用ハウジングに比較して薄肉化を図り得、軽量化できる。更に、シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方は、相手部材に固定される金属材料で形成された基部に一体的に保持されているため、シェル体に対する保持性、拘束性が確保され、シェル体の振動抑制を図り得る。
【0011】
(2)本発明に係る過給機用ハウジングの製造方法は、ガスが流れるシェル室を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体を準備する工程と、金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部が前記シェル体に隣設するように前記シェル体を鋳造型にセットするセット工程と、金属溶湯を前記鋳造型の前記溶湯装填部に注入し、前記溶湯装填部に装填された前記金属溶湯を凝固させて前記シェル体と一体的な基部を成形する注湯工程とを含むことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る過給機用ハウジングの製造方法によれば、金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部がシェル体に隣設するようにシェル体を鋳造型にセットする。このようにシェル体を鋳造型にセットした状態で、金属溶湯を鋳造型の溶湯装填部に注入し、溶湯装填部に装填された金属溶湯を凝固させてシェル体と一体的な基部を成形する。このため、シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方を基部に一体的に保持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る過給機用ハウジングは、相手部材に固定される金属材料で形成させた基部と、ガスが流れるシェル室を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル室とを具備しており、シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方は、基部に一体的に保持されている。基部としては鋳造品または鋳造品で形成できる。この場合、シェル体の一端部及び他端部のうちの一方を基部に一体的に保持しても良いし、あるいは、シェル体の一端部及び他端部のうちの双方を基部に一体的に保持しても良い。
【0014】
シェル体は、複数の分割シェル体を溶接や締結具(ボルトやリベットなど)で結合して形成しても良いし、ハイドロフォーム等の液圧成形で一体的に形成しても良い。シェル体の材質としては、例えば、合金鋼、炭素鋼、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかを選択することができる。合金鋼はステンレス鋼を含む。基部の材質としては、例えば、鋳鋼、合金鋼、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、合金鋳鉄、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかを選択することができる。殊に、基部の材質としては鋳鋼、合金鋼を採用することができる。この場合、鋳鋼や合金鋼の溶解温度は一般的な鋳鉄系材料に比較して高温であるため、基部とシェル体との融着を期待できる。
【0015】
好ましくは、シェル体の板厚の平均厚みをt1とし、基部の平均厚みをt2とするとき、t1はt2よりも薄く(t1<t2)設定されている形態を採用することができる。シェル体の板厚の平均厚みが基部の平均厚みよりも薄いため、シェル体のシェル室を流れる排気ガスの熱が過給機用ハウジングに奪われにくくなり、排気ガスの温度を高めに維持するのに貢献できる。よって、過給機の下流側に排気ガス浄化用の触媒装置が設けられる排気系に適用した場合、触媒装置を活性化温度領域に効果的に維持させることができ、排気ガス浄化性能の向上を図り得る。
【0016】
好ましくは、シェル体の外表面のうちの60%以上(または70%以上)は、基部に非接触であり、外方に露出している形態を採用することができる。この場合、シェル体と基部との接触面積が少なくなるため、シェル体の熱が基部に伝達されることが抑制され、シェル体のシェル室を流れる排気ガスの温度を高めに維持するのに貢献できる。
【0017】
好ましくは、基部は、シェル体の中心軸芯に沿った方向において間隔を隔てて配置された第1基部と第2基部とで構成されている形態を採用できる。この場合、第1基部はシェル体の一端部を一体的に保持していると共に、第2基部はシェル体の他端部を一体的に保持している形態を採用できる。
【0018】
好ましくは、第1基部はシェル体の一端部の少なくとも外周面を一体的に包囲して保持していると共に、第2基部はシェル体の他端部の少なくとも外周面を一体的に包囲して保持している形態を採用できる。
【0019】
好ましくは、第1基部はシェル体の一端部の外周面及び内周面の双方を一体的に包囲して保持していると共に、第2基部はシェル体の他端部の外周面及び内周面の双方を一体的に包囲して保持している形態を採用できる。
【0020】
また、本発明に係る過給機用ハウジングの製造方法によれば、ガスが流れるシェル室を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体を準備する工程と、金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部がシェル体に隣設するようにシェル体を鋳造型にセットするセット工程と、金属溶湯を鋳造型の溶湯装填部に注入し、溶湯装填部に装填された金属溶湯を凝固させてシェル体と一体的な基部を成形する注湯工程とを順に実施する。溶湯装填部は、金属溶湯により消失可能な材料で形成された消失模型とすることができる。消失模型の材質としては発泡ポリスチレン等の発泡樹脂とすることができ、場合によっては、発泡されていない樹脂材料でも良い。金属溶湯としては、例えば、鋳鋼、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、合金鋼、合金鋳鉄、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかの溶湯とすることができる。金属溶湯は液相のものを採用するが、場合によっては液相及び固相が共存しているものでも良い。本発明に係る過給機用ハウジングに係るシェル体、基部で説明した事項は、本発明に係る過給機用ハウジングの製造方法においても適用することができる。
【0021】
【実施例】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1を参照して説明する。本実施例に係る過給機用ハウジング1は車両用の内燃機関に搭載される過給機に適用するものである。本実施例に係る過給機用ハウジング1は、相手部材に固定される鉄系の鋳造品で形成された基部2と、ガスが流れるシェル室50を区画すると共に金属製のプレス成形板で形成された薄肉のシェル体5とを備えている。シェル体5は中心軸芯Pをもち、中心軸芯Pの周りにシェル室50を形成している。シェル体5は、中心軸芯Pの延びる方向において分割された第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52を有しており、第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52の外周部を溶接部5aで一体的に結合して形成されている。第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52としては、合金鋼(ステンレス鋼を含む)、炭素鋼、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかの薄板をプレス成形したもので形成されている。
【0022】
図1に示すように、シェル体5は、大径部53a及び小径部53bで形成された偏芯スクロール部53と、中心軸芯Pに沿って筒形状に延設された一端部55と、中心軸芯Pに沿って筒形状に延設された他端部56とを備えている。なお、偏芯スクロール部53の大径部53aと中心軸芯Pとの距離はL1で示され、偏芯スクロール部53の小径部53bと中心軸芯Pとの距離はL2で示される。シェル体5の筒形状の一端部55の内径はR1で示され、シェル体5の筒形状の他端部56の内径はR2で示される。R2はR1よりも大きくされている(R2>R1)が、これに限定されるものではない。筒形状の一端部55の内周面55iは中心軸芯Pに対して同軸的とされていると共に、筒形状の他端部56の内周面56iは中心軸芯Pに対して同軸的とされている。
【0023】
本実施例によれば、図1に示すように、基部2は、シェル体5の中心軸芯Pの延びる方向において間隔LAを隔てて配置された第1基部21と第2基部25とで構成されている。第1基部21は鉄系の鋳造品で形成されており、中心軸芯Pに同軸的に設けられ中心軸芯Pの周りで1周する第1筒部23と、第1筒部23の径外方向に延設させたリング形状の第1取付フランジ部24とで形成されている。第1取付フランジ部24には、排気ガスを排気ガス浄化用の触媒装置300に案内する排気管200(相手部材)のフランジ部201が取り付けられる。
【0024】
第2基部25は鉄系の鋳造品で形成されており、中心軸芯Pに同軸的に設けられ中心軸芯Pの周りで1周する第2筒部26と、第2筒部26と一体的な第2取付フランジ部27とで形成されている。第2取付フランジ部27には、過給機のコンプレッサ羽根側のコンプレッサハウジング220(相手部材)が図略の連結具により一体的に連結される。なお、第1筒部23は第1開口28を有する。第1開口28は排気ガスを排気管200に向けて排出する。第2筒部26は、コンプレッサハウジング220に対面する第2開口29を有する。
【0025】
図1に示すように、第1基部21はシェル体5の一端部55を拘束すると共に、第2基部25はシェル体5の他端部56を拘束する。即ち、第1基部21の第1筒部23の先端部は、シェル体5の一端部55の外周面55r及び軸端面55sを鋳包んでおり、この結果、シェル体5の一端部55の外周面55r及び軸端面55sを一体的に包囲して拘束している。また第2基部25の第2筒部26は、シェル体5の中心軸芯Pに沿った方向の他端部56の外周面56r及び軸端面56sを鋳包んでおり、この結果、シェル体5の他端部56の外周面56r及び軸端面56sを一体的に包囲して拘束している。
【0026】
図1に示すように、第1基部21の第1筒部23の軸端面23mはシェル体5の偏芯スクロール部53の外表面53fに非接触とされている。第2基部25の第2筒部26の軸端面26mは、シェル体5の偏芯スクロール部53の外表面53fに突き合わせ状態に接触している。
【0027】
本実施例によれば、第1基部21及び第2基部25は前述したように鉄系の鋳造品で形成されている。鋳造品は、鋳鋼、合金鋼、合金鋳鉄、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄のいずれかとされている。第1基部21、第2基部25の材質として鋳鋼、合金鋼、合金鋳鉄を採用した場合には、高強度化及び高剛性化を図り得るばかりか、鉄鋼、合金鋼、合金鋳鉄の溶解温度は鋳鉄系材料に比較して高温であるため、第1基部21、第2基部25とシェル体5との良好な融着を期待でき、第1基部21、第2基部25とシェル体5との接合一体性の向上を期待することができ、更に高強度を期待できる。また、第1基部21、第2基部25の材質としては、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄を採用した場合には、基部2を鋳造する際の鋳込み性が比較的容易であり、更に、鋳鉄に分散している黒鉛による振動吸収性の向上を期待できる。
【0028】
本実施例によれば、シェル体5の板厚の平均厚みをt1とし、基部2の平均厚みをt2とするとき、t1はt2よりも薄く(t1<t2)設定されている。換言すれば、第1基部21の平均肉厚、第2基部25の平均肉厚は、シェル体5の板厚の平均厚みよりも厚くされている。このようにシェル体5の板厚の平均厚みが基部2の平均厚みよりも薄いため、シェル体5の熱容量が少なめに抑えられる。これによりシェル体5のシェル室50を流れる排気ガスからシェル体5への熱伝達が抑えられ、排気ガスの熱が過給機用ハウジング1に奪われにくくなり、過給機用ハウジング1から排出される排気ガスの温度を高めに維持するのに貢献できる。よって、過給機の下流側に排気ガス浄化用の触媒装置300が設けられる排気系に適用した場合、触媒装置300を活性化温度領域に効果的に維持させることができ、排気ガスの高い浄化率を確保できる。
【0029】
本実施例によれば、図1に示すように、シェル体5の一端部55が部分的に第1基部21に接触していると共に、シェル体5の他端部56が部分的に第2基部25に接触している。ここで、シェル体5のうちシェル室50を区画する偏芯スクロール部53の内表面53iはシェル室50に露出している。
【0030】
また、シェル体5のうちシェル室50を区画する内表面53iに背向する外表面53fは、前述したように、第2基部25の第2筒部26の軸端面26mに接触しているが、シェル体5の偏芯スクロール部53の外表面53fの大部分(面積比で、外表面53fの全表面積の60%以上、70%以上または80%以上)は、第1基部21及び第2基部25に接触することなく、外方に露出している。この結果、シェル体5と第1基部21,第2基部25との接触面積が抑えられている。
【0031】
上記したようにシェル体5と第1基部21,第2基部25との接触面積が抑えられているため、シェル体5と基部2との間における熱伝達ができるだけ抑えられる。よって、シェル体5のシェル室50を流れる排気ガスの熱が、厚肉で熱容量が大きい第1基部21及び第2基部25に奪われにくくなり、排気ガスの温度を高めに維持するのに貢献できる。
【0032】
以上説明したように本実施例によれば、過給機用ハウジング1は、相手部材に固定される鉄系の鋳造品で形成された第1基部21及び第2基部25からなる基部2と、排気ガスが流れるシェル室50を区画すると共に第1基部21,第2基部25の肉厚よりも薄肉のプレス成形板で形成されたシェル体5とを備えている。このように排気ガスが流れるシェル室50を区画するシェル体5は、第1基部21,第2基部25の肉厚よりも薄肉のプレス成形板で形成されているため、過給機用ハウジング1の軽量化を図り得る。
【0033】
更に本実施例によれば、シェル体5は薄肉のプレス成形板で形成されているためシェル体5それ自体の体積が小さく、シェル体5の熱容量が小さいため、シェル室50を流れる排気ガスからシェル体5への熱伝達を抑えることができ、排気ガスの温度をできるだけ高温に維持することができる。更にシェル体5の偏芯スクロール部53の内表面53i及び外表面53fの露出性は高められ、シェル体5と第1基部21,第2基部25との接触面積は抑えられており、シェル体5と第1基部21,第2基部25との間における熱伝達は抑えられている。よって、過給機用ハウジング1の下流側に排気ガス浄化用の触媒装置300が設けられる排気系に適用した場合、触媒装置300を活性化温度領域に効果的に維持させることができ、排気ガス浄化性能の向上を図り得る。
【0034】
更にまた本実施例によれば、薄肉のシェル体5の中心軸芯Pに沿った方向の一端部55は第1基部21に一体的に保持されていると共に、シェル体5の中心軸芯Pに沿った方向の他端部56は第2基部25に一体的に保持されている。このため、過給機用ハウジング1の軽量化を図りつつ、シェル体5に対する保持性、拘束性が確保され、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。従って過給機のタービンロータが高速回転するときであっても、シェル体5の振動の抑制を図り得る。
【0035】
加えて本実施例によれば、第1基部21及び第2基部25は剛性が高い鉄系の鋳造品で形成されているが、シェル室50を形成するシェル体5は第1基部21及び第2基部25よりも薄肉のプレス成形板で形成されている。このためシェル体5は、許容範囲内であれば、間隔LA(図1参照)の方向における寸法吸収性を有するため、第1基部21と第2基部25との間隔LAを微調整することも期待でき、過給機用ハウジング1の取付性を一層向上させることができる。
【0036】
(第2実施例)
以下、本発明の第2実施例について図2を参照して説明する。本実施例は前記した第1実施例と基本的に同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、図2に示すように、第1基部21の第1筒部23の先端部は、シェル体5の一端部55の外周面55r、内周面55i及び軸端面55sを鋳包んでおり、この結果、一端部55の外周面55r、内周面55i及び軸端面55sを一体的に包囲して拘束している。
【0037】
また第2基部25の第2筒部26は、シェル体5の他端部56の外周面56r、内周面56i及び軸端面55sを鋳包んでおり、この結果、他端部56の外周面56r、内周面56i及び軸端面56sを一体的に包囲して拘束している。
【0038】
このため、過給機用ハウジング1の軽量化を図りつつ、シェル体5に対する保持性、拘束性が一層高められ、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。従って過給機のタービンロータが高速回転するときであっても、シェル体5の振動の抑制を効果的に図り得る。
【0039】
(第3実施例)
以下、本発明の第3実施例について図3を参照して説明する。本実施例は前記した第1実施例と基本的に同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。シェル体5としては、合金鋼(ステンレス鋼を含む)、炭素鋼、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかの薄板をハイドロフォーム法により形成されている。ハイドロフォーム法で形成したシェル体5では、継ぎ目が無くなるか低減されるため、シェル室50におけるガス流れの円滑性を高めることができる。
【0040】
本実施例においても、シェル体5の内表面53i及び外表面53fの露出性は高められ、これによりシェル体5と第1基部21,第2基部25との接触面積は抑えられており、シェル体5と第1基部21,第2基部25との間における熱伝達は抑えられており、排気ガスの温度を高めに維持することができる。
【0041】
(第4実施例)
以下、本発明の第4実施例について図4を参照して説明する。本実施例は前記した第3実施例と基本的に同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、第3実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例においても、シェル体5としては、合金鋼(ステンレス鋼を含む)、炭素鋼、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかの薄板をハイドロフォーム法により一体成形されている。更に、図4に示すように、第2基部25の第2筒部26の軸端面26mがシェル体5の偏芯スクロール部53の外表面53fに突き合わせ状態に接触していると共に、第1基部21の第1筒部23の軸端面23mがシェル体5の偏芯スクロール部53の外表面53fに突き合わせた状態に接触している。これにより、シェル体5に対する保持性、拘束性が一層高められ、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。
【0042】
(第5実施例)
以下、本発明の第5実施例について図5を参照して説明する。本実施例は前記した第1実施例と基本的に同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、シェル体5の一端部55は、中心軸芯Pに沿って長筒形状に延設されている。そして一端部55は、リング形状の鋳造品である第1基部21により包囲されて保持されている。この場合には、過給機用ハウジング1の一層の軽量化を図り得るばかりか、過給機用ハウジング1の熱容量を一層抑えることができ、排気ガスの熱が過給機用ハウジング1に奪われにくくなる。
【0043】
(第6実施例)
以下、本発明の第6実施例について図6を参照して説明する。本実施例は前記した第1実施例に係る過給機用ハウジング1を製造する製造方法の代表例を示す。まず、ガスが流れるシェル室50を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体5を準備する。シェル体5は、前述したように、中心軸芯Pのびる方向において分割された第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52を有しており、第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52を溶接部5aで一体的に結合して形成されている。第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52は、合金鋼、炭素鋼、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかの薄板をプレス成形したもので形成されている。
【0044】
本実施例によれば、金属溶湯により消失可能な溶湯装填部としての消失模型6を用いる。消失模型6は、第1基部21と同一形状をなしており第1基部21となるリング形状の第1消失模型61と、第2基部25と同一形状をなしており第2基部25となるリング形状の第2消失模型65とで形成されている。第1消失模型61は、第1基部21の第1筒部23と同一形状の第1模型筒部63と、第1基部21の第1取付フランジ部24と同一形状の第1模型フランジ部64とをもち、第1中空部61xを形成している。
【0045】
第2消失模型65は、第2基部25の第2筒部26と同一形状の第2模型筒部66と、第2基部25の第2取付フランジ部27と同一形状の第2模型フランジ部67とをもち、第2中空部65xを形成している。
【0046】
そして、第1消失模型61がシェル体5の一端部55に隣設すると共に第2消失模型65がシェル体5の他端部56に隣設する組付体8を形成する。組付体8では、第1消失模型61の第1模型筒部63はシェル体5の一端部55の外周面55r及び軸端面55sに接着剤等で接続されていると共に、第2消失模型65の第2模型筒部66はシェル体5の他端部56の外周面56r及び軸端面56sに接着剤等により接続されている。
【0047】
このとき、図6に示すように、湯口用の支柱状をなす第3消失模型68、湯道用の支柱状をなす第4消失模型69も組付体8に接着剤を介して組み付ける。第3消失模型68は第4消失模型69に接着剤等により接続されている。なお、第1消失模型61〜第4消失模型69は発泡ポリスチレンなどの消失可能な材料で形成されている。
【0048】
次に、図6に示すように、上記した組付体8を鋳造型82の内部に埋設してセットする。鋳造型82は、収容空間83をもつ枠体84と、枠体84の収容空間83に装填された耐火粉粒体85(一般的には鋳砂)の集合体とで形成されている。この場合、組付体8を枠体84の収容空間83に配置した状態で、組付体8の周囲に耐火粉粒体85の集合体を装填し、鋳造型82の内部に組付体8を埋設する。この場合、第1消失模型61の外方、第2消失模型65の外方、シェル体5の外方に、耐火粉粒体85の集合体を装填すると共に、第1消失模型61の第1中空部61x、第2消失模型65の第2中空部65x、シェル体5のシェル室50にも、耐火粉粒体85の集合体を装填する。なお、耐火粉粒体85の集合体を装填する際には、必要に応じて振動を加えても良い。
【0049】
その後、溶湯注入口88をもつ注湯カップ89を鋳造型82の上側に保持した状態で、注湯カップ89に高温の金属溶湯を注入し、これにより金属溶湯を鋳造型82に注入する。高温の金属溶湯は、湯口用の第3消失模型68を経て第1消失模型61に至り、第1消失模型61を金属溶湯の熱で消失させると共に第1消失模型61の消失跡に金属溶湯が装填される。また高温の金属溶湯は、湯口用の第3消失模型68、湯道用の第4消失模型69を経て、第2消失模型65に至り、第2消失模型65を金属溶湯の熱で消失させると共に第2消失模型65の消失跡に金属溶湯が装填される。
【0050】
上記のように装填された金属溶湯が凝固すれば、第1消失模型61が第1基部21に置換されると共に、第2消失模型65が第2基部25に置換される。また、湯口用の第3消失模型68は湯道凝固金属として置換され、湯道用の第4消失模型69は湯道凝固金属として置換される。
【0051】
上記したように凝固が終了したら、鋳造型82の耐火粉粒体85(一般的には鋳砂)の集合体を崩壊させ、第1基部21及び第2基部25が一体的に接続されたシェル体5を鋳造型82から取り出す。湯口凝固金属及び湯道凝固金属を第1基部21や第2基部25から除去する。これにより第1実施例に係る過給機用ハウジング1(図1参照)が製造される。
【0052】
上記した金属溶湯としては、鋳鋼、合金鋼、合金鋳鉄、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄のいずれかとされている。金属溶湯として鋳鋼、合金鋼、合金鋳鉄を採用した場合には、高強度化及び高剛性化を図り得るばかりか、鋳鋼、合金鋼、合金鋳鉄の溶解温度は鋳鉄系材料に比較して一般的に高温であるため、第1基部21,第2基部25とシェル体5との良好な融着を期待でき、第1基部21,第2基部25とシェル体5との接合一体性の向上を期待することができる。
【0053】
また上記した金属溶湯として、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄を採用した場合には、第1基部21,第2基部25を鋳造する際の鋳込み性が比較的容易であり、更に鋳鉄に分散している黒鉛による振動吸収性の向上を期待できる。なお、第1消失模型61〜第4消失模型69が金属溶湯で置換されるとき、第1消失模型61〜第4消失模型69がガス化するが、そのガスは耐火粉粒体85間の隙間から逃げる。必要に応じて、ガスを吸引ポンプなどで吸引除去させることにしても良い。
【0054】
上記した本実施例によれば、第1実施例に係る過給機用ハウジング1(図1参照)を製造することができる。このように製造された過給機用ハウジング1は、図1に示すように、鉄系の鋳造品である第1基部21及び第2基部25からなる基部2と、シェル室50を区画すると共に薄肉のプレス成形板で形成されたシェル体5とを備えている。排気ガスが流れるシェル室50を区画するシェル体5は、基部2の肉厚よりも薄肉のプレス成形板で形成されているため、軽量化を図り得る。
【0055】
更に本実施例によれば、シェル体5は薄肉のプレス成形板で形成されているためシェル体5それ自体の体積が小さく、シェル体5の熱容量が小さいため、前述したように、シェル室50を流れる高温の排気ガスからシェル体5への熱伝達を抑えることができ、排気ガスの温度をできるだけ高温に維持して、排気ガスを下流の排気ガス浄化装置に供給することができる。
【0056】
更にまた本実施例によれば、薄肉のシェル体5の一端部55は、鉄系の鋳造品である第1基部21に一体的に保持されていると共に、シェル体5の他端部56は鉄系の鋳造品である第2基部25に一体的に保持されている。このため、軽量化を図りつつ、シェル体5に対する保持性、拘束性が確保され、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。
【0057】
本実施例によれば、第1基部21及び第2基部25は凝固時に収縮すると共に、凝固後の冷却でも半径方向及び周方向に収縮するため、シェル体5の一端部55及び他端部56を強固に締結することができる。しかも第1基部21及び第2基部25は中心軸芯Pを1周するように形成されているため、周方向における締結力の均一性を高めることができ、シェル体5の保持性、拘束性を高めることができ、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。
【0058】
(第7実施例)
以下、本発明の第7実施例について図7を参照して説明する。本実施例は図6に示す第6実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、図6に示す第6実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例は、前記した第2実施例に係る過給機用ハウジング1(図2参照)を形成するものである。
【0059】
本実施例においても、第1消失模型61がシェル体5の一端部55に隣設すると共に第2消失模型65がシェル体5の他端部56に隣設する組付体8を形成する。図7に示すように、この組付体8では、第1消失模型61の第1模型筒部63の軸端面63mに形成されたリング状の第1溝63kと、シェル体5の一端部55とが嵌合している。また第2消失模型65の第2模型筒部66の軸端面66mに形成されたリング状の第2溝66kと、シェル体5の他端部56とが嵌合している。
【0060】
上記したように第1溝63k、第2溝66kとの嵌合を利用すれば、組付体8における第1消失模型61、第2消失模型65とシェル体5との一体性を高めることができる。この場合にも接着剤等を用いて第1消失模型61、第2消失模型65とシェル体5との一体接合性を高めることができる。
【0061】
また本実施例によれば、鋳造型82の内部に組付体8を埋設するにあたっては、シェル体5のシェル室50の外周側の内部には、耐火粉粒体85の集合体が装填されていない中空空洞部86が形成されている。この場合、耐火粉粒体85の装填時間の短縮を図り得る。このようにシェル室50の内部に耐火粉粒体85の集合体が装填されていない中空空洞部86を形成したとしても、金属溶湯は第1消失模型61〜第4消失模型69には注入されるものの、シェル室50の外周側には注入されないため、鋳造の際における支障はない。更に本実施例によれば、第1消失模型61〜第4消失模型69が高温の金属溶湯の熱によりガス化するとき、中空空洞部86はそのガス逃げとしての役割も期待できる。
【0062】
(第8実施例)
以下、本発明の第8実施例について図8を参照して説明する。本実施例は前記した第1実施例に係る過給機用ハウジング1を製造する製造方法の代表例を示す。
【0063】
本実施例によれば、図8に示すように、金属溶湯が装填される溶湯装填部としての空洞部7を鋳造型82に形成すると共に、シェル体5を鋳造型82の内部に埋設する。空洞部7は、第1基部21となるリング形状の第1空洞部71と、第2基部25となるリング形状の第2空洞部75とを有する。
【0064】
図8に示すように、第1空洞部71は、第1基部21の第1筒部23と同一形状の第1空洞筒部73と、第1基部21の第1取付フランジ部24と同一形状の第1空洞フランジ部74とで形成されている。また第2空洞部75は、第2基部25の第2筒部26と同一形状の第2空洞筒部76と、第2基部25の第2取付フランジ部27と同一形状の第2空洞フランジ部77とで形成されている。
【0065】
そして、図8に示すように、第1空洞部71がシェル体5の一端部55に隣設すると共に第2空洞部75がシェル体5の他端部56に隣設するように、シェル体5を鋳造型82にセットする。鋳造型82は、収容空間83をもつ枠体84と、枠体84の収容空間83に装填された耐火粉粒体85(一般的には鋳砂)の集合体とで形成されている。このとき、図8に示すように、湯口用の第3空洞部78、第3空洞部78に連通する湯道用の第4空洞部79も鋳造型82の内部に設けておく。
【0066】
その後、溶湯注入口88をもつ注湯カップ89を鋳造型82の上側に保持した状態で、注湯カップ89に高温の金属溶湯を注入し、これにより金属溶湯を鋳造型82に注入する。高温の金属溶湯は、湯口用の第3空洞部78を経て第1空洞部71に至り、第1空洞部71に金属溶湯が装填される。また高温の金属溶湯は、湯口用の第3空洞部78、湯道用の第4空洞部79を経て第2空洞部75に至り、第2空洞部75に金属溶湯が装填される。このように装填された金属溶湯が凝固すれば、第1空洞部71により第1基部21が成形されると共に、第2空洞部75により第2基部25が成形される。この場合、湯口用の第3空洞部78により湯口凝固金属が形成され、湯道用の第4空洞部79により湯道凝固金属が成形される。湯口凝固金属及び湯道凝固金属を第1基部21や第2基部25から除去する。これにより第1実施例に係る過給機用ハウジング1が製造される。
【0067】
上記した本実施例によれば、第1実施例に係る過給機用ハウジング1(図1参照)を製造することができる。このように製造された過給機用ハウジング1は、図1に示すように、鉄系の鋳造品である第1基部21及び第2基部25からなる基部2と、排気ガスが流れるシェル室50を区画すると共に第1基部21,第2基部25の肉厚よりも薄肉のプレス成形板で形成されたシェル体5とを備えている。またシェル体5は、基部2の肉厚よりも薄肉のプレス成形板で形成されているため、軽量化を図り得る。なお、シェル室50には、必要に応じて、中子型を適宜配置することもできる。
【0068】
(その他)
上記した実施例によれば、第1基部21及び第2基部25は鉄系の鋳造品で形成されているが、これに限らず、シェル体5の板厚よりも厚い鍛造品で形成しても良い。このように鍛造品で形成しても、過給機用ハウジングの軽量化を図りつつ、シェル体5に対する保持性、拘束性が確保され、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。鍛造品としては鉄系、アルミニウム合金系を採用できる。
【0069】
上記した実施例によれば、過給機用ハウジング1は、排気ガス浄化触媒装置300を有する排気系に適用されているが、これに限らず、排気ガス浄化触媒装置300を有さない排気系に適用しても良い。また上記した実施例によれば、排気ガスが流れる排気側の過給機用ハウジング(タービンハウジング)に適用しているが、場合によっては、吸気側の過給機用ハウジング(コンブレッサハウジング)に適用しても良い。その他、本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る過給機用ハウジングによれば、ガスが流れるシェル室を区画するシェル体は、プレス成形板で形成されているため、軽量化を図り得る。更に、シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方は、相手部材に固定される金属材料で形成された基部に一体的に保持されているため、シェル体に対する保持性が確保され、シェル体の振動抑制を図り得る。更に、排気ガス浄化用の触媒装置をもつ排気系に適用した場合において、排気ガスの温度を高温に維持できるため、触媒装置の活性化温度領域に維持し易く、触媒装置の浄化効率を高めることができる。特に、内燃機関の始動直後においても、触媒装置の活性化温度領域に維持し易く、触媒装置の浄化効率を高めることができる。
【0071】
本発明に係る過給機用ハウジングの製造方法によれば、金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部がシェル体に隣設するようにシェル体を鋳造型にセットする。このようにシェル体を鋳造型にセットした状態で、金属溶湯を鋳造型の溶湯装填部に注入し、溶湯装填部に装填された金属溶湯を凝固させてシェル体と一体的な基部を成形する。このため、シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方を基部に一体的に保持することができる。これにより上記した効果を奏する過給機用ハウジングを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る過給機用ハウジングを模式的に示す断面図である。
【図2】第2実施例に係る過給機用ハウジングを模式的に示す断面図である。
【図3】第3実施例に係る過給機用ハウジングを模式的に示す断面図である。
【図4】第4実施例に係る過給機用ハウジングを模式的に示す断面図である。
【図5】第5実施例に係る過給機用ハウジングを模式的に示す断面図である。
【図6】第6実施例に係り、過給機用ハウジングを製造する過程を示す断面図である。
【図7】第7実施例に係り、過給機用ハウジングを製造する過程を示す断面図である。
【図8】第8実施例に係り、過給機用ハウジングを製造する過程を示す断面図である。
【符号の説明】
図中、1は過給機用ハウジング、2は基部、21は第1基部、25は第2基部、5はシェル体、51は第1分割シェル体、52は第2分割シェル体、53は偏芯スクロール部、55は一端部、56は他端部、6は消失模型(溶湯装填部)、7は空洞部(溶湯装填部)、200は排気管(相手部材)、220はコンプレッサハウジング(相手部材)を示す。
【発明の属する技術分野】
本発明は過給機に用いられる過給機用ハウジングに関する。
【0002】
【従来の技術】
過給機は、内燃機関から排出された排気ガスのエネルギを利用するものであり、タービン羽根を有するタービンロータと、タービンロータを回転可能に保持するハウジングとを主要素としている。過給機では、内燃機関から排出された排気ガスでタービンロータを回転させることにより、タービンロータに一体的に設けられたコンプレッサ羽根を回転させ、内燃機関への吸気量を高め、内燃機関の出力特性を改善させる。タービンロータの回転速度はかなり高く、例えば数万rpm〜数十万rpmと言われている。
【0003】
従来、形状が複雑で機械加工が容易でないこと、高強度が要請されること等のため、厚肉の鉄系の鋳造品で形成された過給機用ハウジングが知られている。
【0004】
また、プレス成形板で形成された過給機用ハウジングも知られている(特許文献1参照)。このものでは、分割されたプレス成形品を溶接で結合することにより、過給機用ハウジングを形成している。
【0005】
【特許文献1】
特開昭55−37508号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記した厚肉の鉄系の鋳造品で形成された過給機用ハウジングでは、重量の面で不利となる。更に厚肉の鉄系の鋳造品は、大きな熱容量を有するため、排気ガスの熱を奪い易い。この場合、過給機用ハウジングの下流側に排気ガス浄化用の触媒装置が配置されている排気系では、触媒装置に供給する排気ガスの温度が低下し、触媒装置の活性化温度を維持するのに不利となり、排気ガスの浄化効率の向上には限界がある。
【0007】
また、上記した特許文献1に係るプレス成形板のみで形成された過給機用ハウジングでは、軽量化を図り得るものの、タービンロータが高速で回転することを考慮すると、ハウジングの振動抑制の面において限界がある。
【0008】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、軽量化を図りつつ、振動低減を図ることができ、更に、排気ガス浄化用の触媒装置をもつ排気系に適用した場合において、触媒装置の浄化効率を高めることができる過給機用ハウジング及びその製造方法を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)本発明に係る過給機用ハウジングは、相手部材に固定される基部と、ガスが流れるシェル室を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体とを具備しており、前記シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方は、前記基部に一体的に保持されていることを特徴とするものである。
【0010】
本発明に係る過給機用ハウジングによれば、ガスが流れるシェル室を区画するシェル体は、プレス成形板で形成されているため、鋳造品で形成された過給機用ハウジングに比較して薄肉化を図り得、軽量化できる。更に、シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方は、相手部材に固定される金属材料で形成された基部に一体的に保持されているため、シェル体に対する保持性、拘束性が確保され、シェル体の振動抑制を図り得る。
【0011】
(2)本発明に係る過給機用ハウジングの製造方法は、ガスが流れるシェル室を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体を準備する工程と、金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部が前記シェル体に隣設するように前記シェル体を鋳造型にセットするセット工程と、金属溶湯を前記鋳造型の前記溶湯装填部に注入し、前記溶湯装填部に装填された前記金属溶湯を凝固させて前記シェル体と一体的な基部を成形する注湯工程とを含むことを特徴とするものである。
【0012】
本発明に係る過給機用ハウジングの製造方法によれば、金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部がシェル体に隣設するようにシェル体を鋳造型にセットする。このようにシェル体を鋳造型にセットした状態で、金属溶湯を鋳造型の溶湯装填部に注入し、溶湯装填部に装填された金属溶湯を凝固させてシェル体と一体的な基部を成形する。このため、シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方を基部に一体的に保持することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明に係る過給機用ハウジングは、相手部材に固定される金属材料で形成させた基部と、ガスが流れるシェル室を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル室とを具備しており、シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方は、基部に一体的に保持されている。基部としては鋳造品または鋳造品で形成できる。この場合、シェル体の一端部及び他端部のうちの一方を基部に一体的に保持しても良いし、あるいは、シェル体の一端部及び他端部のうちの双方を基部に一体的に保持しても良い。
【0014】
シェル体は、複数の分割シェル体を溶接や締結具(ボルトやリベットなど)で結合して形成しても良いし、ハイドロフォーム等の液圧成形で一体的に形成しても良い。シェル体の材質としては、例えば、合金鋼、炭素鋼、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかを選択することができる。合金鋼はステンレス鋼を含む。基部の材質としては、例えば、鋳鋼、合金鋼、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、合金鋳鉄、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかを選択することができる。殊に、基部の材質としては鋳鋼、合金鋼を採用することができる。この場合、鋳鋼や合金鋼の溶解温度は一般的な鋳鉄系材料に比較して高温であるため、基部とシェル体との融着を期待できる。
【0015】
好ましくは、シェル体の板厚の平均厚みをt1とし、基部の平均厚みをt2とするとき、t1はt2よりも薄く(t1<t2)設定されている形態を採用することができる。シェル体の板厚の平均厚みが基部の平均厚みよりも薄いため、シェル体のシェル室を流れる排気ガスの熱が過給機用ハウジングに奪われにくくなり、排気ガスの温度を高めに維持するのに貢献できる。よって、過給機の下流側に排気ガス浄化用の触媒装置が設けられる排気系に適用した場合、触媒装置を活性化温度領域に効果的に維持させることができ、排気ガス浄化性能の向上を図り得る。
【0016】
好ましくは、シェル体の外表面のうちの60%以上(または70%以上)は、基部に非接触であり、外方に露出している形態を採用することができる。この場合、シェル体と基部との接触面積が少なくなるため、シェル体の熱が基部に伝達されることが抑制され、シェル体のシェル室を流れる排気ガスの温度を高めに維持するのに貢献できる。
【0017】
好ましくは、基部は、シェル体の中心軸芯に沿った方向において間隔を隔てて配置された第1基部と第2基部とで構成されている形態を採用できる。この場合、第1基部はシェル体の一端部を一体的に保持していると共に、第2基部はシェル体の他端部を一体的に保持している形態を採用できる。
【0018】
好ましくは、第1基部はシェル体の一端部の少なくとも外周面を一体的に包囲して保持していると共に、第2基部はシェル体の他端部の少なくとも外周面を一体的に包囲して保持している形態を採用できる。
【0019】
好ましくは、第1基部はシェル体の一端部の外周面及び内周面の双方を一体的に包囲して保持していると共に、第2基部はシェル体の他端部の外周面及び内周面の双方を一体的に包囲して保持している形態を採用できる。
【0020】
また、本発明に係る過給機用ハウジングの製造方法によれば、ガスが流れるシェル室を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体を準備する工程と、金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部がシェル体に隣設するようにシェル体を鋳造型にセットするセット工程と、金属溶湯を鋳造型の溶湯装填部に注入し、溶湯装填部に装填された金属溶湯を凝固させてシェル体と一体的な基部を成形する注湯工程とを順に実施する。溶湯装填部は、金属溶湯により消失可能な材料で形成された消失模型とすることができる。消失模型の材質としては発泡ポリスチレン等の発泡樹脂とすることができ、場合によっては、発泡されていない樹脂材料でも良い。金属溶湯としては、例えば、鋳鋼、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、合金鋼、合金鋳鉄、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかの溶湯とすることができる。金属溶湯は液相のものを採用するが、場合によっては液相及び固相が共存しているものでも良い。本発明に係る過給機用ハウジングに係るシェル体、基部で説明した事項は、本発明に係る過給機用ハウジングの製造方法においても適用することができる。
【0021】
【実施例】
(第1実施例)
以下、本発明の第1実施例について図1を参照して説明する。本実施例に係る過給機用ハウジング1は車両用の内燃機関に搭載される過給機に適用するものである。本実施例に係る過給機用ハウジング1は、相手部材に固定される鉄系の鋳造品で形成された基部2と、ガスが流れるシェル室50を区画すると共に金属製のプレス成形板で形成された薄肉のシェル体5とを備えている。シェル体5は中心軸芯Pをもち、中心軸芯Pの周りにシェル室50を形成している。シェル体5は、中心軸芯Pの延びる方向において分割された第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52を有しており、第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52の外周部を溶接部5aで一体的に結合して形成されている。第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52としては、合金鋼(ステンレス鋼を含む)、炭素鋼、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかの薄板をプレス成形したもので形成されている。
【0022】
図1に示すように、シェル体5は、大径部53a及び小径部53bで形成された偏芯スクロール部53と、中心軸芯Pに沿って筒形状に延設された一端部55と、中心軸芯Pに沿って筒形状に延設された他端部56とを備えている。なお、偏芯スクロール部53の大径部53aと中心軸芯Pとの距離はL1で示され、偏芯スクロール部53の小径部53bと中心軸芯Pとの距離はL2で示される。シェル体5の筒形状の一端部55の内径はR1で示され、シェル体5の筒形状の他端部56の内径はR2で示される。R2はR1よりも大きくされている(R2>R1)が、これに限定されるものではない。筒形状の一端部55の内周面55iは中心軸芯Pに対して同軸的とされていると共に、筒形状の他端部56の内周面56iは中心軸芯Pに対して同軸的とされている。
【0023】
本実施例によれば、図1に示すように、基部2は、シェル体5の中心軸芯Pの延びる方向において間隔LAを隔てて配置された第1基部21と第2基部25とで構成されている。第1基部21は鉄系の鋳造品で形成されており、中心軸芯Pに同軸的に設けられ中心軸芯Pの周りで1周する第1筒部23と、第1筒部23の径外方向に延設させたリング形状の第1取付フランジ部24とで形成されている。第1取付フランジ部24には、排気ガスを排気ガス浄化用の触媒装置300に案内する排気管200(相手部材)のフランジ部201が取り付けられる。
【0024】
第2基部25は鉄系の鋳造品で形成されており、中心軸芯Pに同軸的に設けられ中心軸芯Pの周りで1周する第2筒部26と、第2筒部26と一体的な第2取付フランジ部27とで形成されている。第2取付フランジ部27には、過給機のコンプレッサ羽根側のコンプレッサハウジング220(相手部材)が図略の連結具により一体的に連結される。なお、第1筒部23は第1開口28を有する。第1開口28は排気ガスを排気管200に向けて排出する。第2筒部26は、コンプレッサハウジング220に対面する第2開口29を有する。
【0025】
図1に示すように、第1基部21はシェル体5の一端部55を拘束すると共に、第2基部25はシェル体5の他端部56を拘束する。即ち、第1基部21の第1筒部23の先端部は、シェル体5の一端部55の外周面55r及び軸端面55sを鋳包んでおり、この結果、シェル体5の一端部55の外周面55r及び軸端面55sを一体的に包囲して拘束している。また第2基部25の第2筒部26は、シェル体5の中心軸芯Pに沿った方向の他端部56の外周面56r及び軸端面56sを鋳包んでおり、この結果、シェル体5の他端部56の外周面56r及び軸端面56sを一体的に包囲して拘束している。
【0026】
図1に示すように、第1基部21の第1筒部23の軸端面23mはシェル体5の偏芯スクロール部53の外表面53fに非接触とされている。第2基部25の第2筒部26の軸端面26mは、シェル体5の偏芯スクロール部53の外表面53fに突き合わせ状態に接触している。
【0027】
本実施例によれば、第1基部21及び第2基部25は前述したように鉄系の鋳造品で形成されている。鋳造品は、鋳鋼、合金鋼、合金鋳鉄、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄のいずれかとされている。第1基部21、第2基部25の材質として鋳鋼、合金鋼、合金鋳鉄を採用した場合には、高強度化及び高剛性化を図り得るばかりか、鉄鋼、合金鋼、合金鋳鉄の溶解温度は鋳鉄系材料に比較して高温であるため、第1基部21、第2基部25とシェル体5との良好な融着を期待でき、第1基部21、第2基部25とシェル体5との接合一体性の向上を期待することができ、更に高強度を期待できる。また、第1基部21、第2基部25の材質としては、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄を採用した場合には、基部2を鋳造する際の鋳込み性が比較的容易であり、更に、鋳鉄に分散している黒鉛による振動吸収性の向上を期待できる。
【0028】
本実施例によれば、シェル体5の板厚の平均厚みをt1とし、基部2の平均厚みをt2とするとき、t1はt2よりも薄く(t1<t2)設定されている。換言すれば、第1基部21の平均肉厚、第2基部25の平均肉厚は、シェル体5の板厚の平均厚みよりも厚くされている。このようにシェル体5の板厚の平均厚みが基部2の平均厚みよりも薄いため、シェル体5の熱容量が少なめに抑えられる。これによりシェル体5のシェル室50を流れる排気ガスからシェル体5への熱伝達が抑えられ、排気ガスの熱が過給機用ハウジング1に奪われにくくなり、過給機用ハウジング1から排出される排気ガスの温度を高めに維持するのに貢献できる。よって、過給機の下流側に排気ガス浄化用の触媒装置300が設けられる排気系に適用した場合、触媒装置300を活性化温度領域に効果的に維持させることができ、排気ガスの高い浄化率を確保できる。
【0029】
本実施例によれば、図1に示すように、シェル体5の一端部55が部分的に第1基部21に接触していると共に、シェル体5の他端部56が部分的に第2基部25に接触している。ここで、シェル体5のうちシェル室50を区画する偏芯スクロール部53の内表面53iはシェル室50に露出している。
【0030】
また、シェル体5のうちシェル室50を区画する内表面53iに背向する外表面53fは、前述したように、第2基部25の第2筒部26の軸端面26mに接触しているが、シェル体5の偏芯スクロール部53の外表面53fの大部分(面積比で、外表面53fの全表面積の60%以上、70%以上または80%以上)は、第1基部21及び第2基部25に接触することなく、外方に露出している。この結果、シェル体5と第1基部21,第2基部25との接触面積が抑えられている。
【0031】
上記したようにシェル体5と第1基部21,第2基部25との接触面積が抑えられているため、シェル体5と基部2との間における熱伝達ができるだけ抑えられる。よって、シェル体5のシェル室50を流れる排気ガスの熱が、厚肉で熱容量が大きい第1基部21及び第2基部25に奪われにくくなり、排気ガスの温度を高めに維持するのに貢献できる。
【0032】
以上説明したように本実施例によれば、過給機用ハウジング1は、相手部材に固定される鉄系の鋳造品で形成された第1基部21及び第2基部25からなる基部2と、排気ガスが流れるシェル室50を区画すると共に第1基部21,第2基部25の肉厚よりも薄肉のプレス成形板で形成されたシェル体5とを備えている。このように排気ガスが流れるシェル室50を区画するシェル体5は、第1基部21,第2基部25の肉厚よりも薄肉のプレス成形板で形成されているため、過給機用ハウジング1の軽量化を図り得る。
【0033】
更に本実施例によれば、シェル体5は薄肉のプレス成形板で形成されているためシェル体5それ自体の体積が小さく、シェル体5の熱容量が小さいため、シェル室50を流れる排気ガスからシェル体5への熱伝達を抑えることができ、排気ガスの温度をできるだけ高温に維持することができる。更にシェル体5の偏芯スクロール部53の内表面53i及び外表面53fの露出性は高められ、シェル体5と第1基部21,第2基部25との接触面積は抑えられており、シェル体5と第1基部21,第2基部25との間における熱伝達は抑えられている。よって、過給機用ハウジング1の下流側に排気ガス浄化用の触媒装置300が設けられる排気系に適用した場合、触媒装置300を活性化温度領域に効果的に維持させることができ、排気ガス浄化性能の向上を図り得る。
【0034】
更にまた本実施例によれば、薄肉のシェル体5の中心軸芯Pに沿った方向の一端部55は第1基部21に一体的に保持されていると共に、シェル体5の中心軸芯Pに沿った方向の他端部56は第2基部25に一体的に保持されている。このため、過給機用ハウジング1の軽量化を図りつつ、シェル体5に対する保持性、拘束性が確保され、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。従って過給機のタービンロータが高速回転するときであっても、シェル体5の振動の抑制を図り得る。
【0035】
加えて本実施例によれば、第1基部21及び第2基部25は剛性が高い鉄系の鋳造品で形成されているが、シェル室50を形成するシェル体5は第1基部21及び第2基部25よりも薄肉のプレス成形板で形成されている。このためシェル体5は、許容範囲内であれば、間隔LA(図1参照)の方向における寸法吸収性を有するため、第1基部21と第2基部25との間隔LAを微調整することも期待でき、過給機用ハウジング1の取付性を一層向上させることができる。
【0036】
(第2実施例)
以下、本発明の第2実施例について図2を参照して説明する。本実施例は前記した第1実施例と基本的に同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、図2に示すように、第1基部21の第1筒部23の先端部は、シェル体5の一端部55の外周面55r、内周面55i及び軸端面55sを鋳包んでおり、この結果、一端部55の外周面55r、内周面55i及び軸端面55sを一体的に包囲して拘束している。
【0037】
また第2基部25の第2筒部26は、シェル体5の他端部56の外周面56r、内周面56i及び軸端面55sを鋳包んでおり、この結果、他端部56の外周面56r、内周面56i及び軸端面56sを一体的に包囲して拘束している。
【0038】
このため、過給機用ハウジング1の軽量化を図りつつ、シェル体5に対する保持性、拘束性が一層高められ、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。従って過給機のタービンロータが高速回転するときであっても、シェル体5の振動の抑制を効果的に図り得る。
【0039】
(第3実施例)
以下、本発明の第3実施例について図3を参照して説明する。本実施例は前記した第1実施例と基本的に同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。シェル体5としては、合金鋼(ステンレス鋼を含む)、炭素鋼、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかの薄板をハイドロフォーム法により形成されている。ハイドロフォーム法で形成したシェル体5では、継ぎ目が無くなるか低減されるため、シェル室50におけるガス流れの円滑性を高めることができる。
【0040】
本実施例においても、シェル体5の内表面53i及び外表面53fの露出性は高められ、これによりシェル体5と第1基部21,第2基部25との接触面積は抑えられており、シェル体5と第1基部21,第2基部25との間における熱伝達は抑えられており、排気ガスの温度を高めに維持することができる。
【0041】
(第4実施例)
以下、本発明の第4実施例について図4を参照して説明する。本実施例は前記した第3実施例と基本的に同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、第3実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例においても、シェル体5としては、合金鋼(ステンレス鋼を含む)、炭素鋼、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかの薄板をハイドロフォーム法により一体成形されている。更に、図4に示すように、第2基部25の第2筒部26の軸端面26mがシェル体5の偏芯スクロール部53の外表面53fに突き合わせ状態に接触していると共に、第1基部21の第1筒部23の軸端面23mがシェル体5の偏芯スクロール部53の外表面53fに突き合わせた状態に接触している。これにより、シェル体5に対する保持性、拘束性が一層高められ、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。
【0042】
(第5実施例)
以下、本発明の第5実施例について図5を参照して説明する。本実施例は前記した第1実施例と基本的に同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、第1実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例によれば、シェル体5の一端部55は、中心軸芯Pに沿って長筒形状に延設されている。そして一端部55は、リング形状の鋳造品である第1基部21により包囲されて保持されている。この場合には、過給機用ハウジング1の一層の軽量化を図り得るばかりか、過給機用ハウジング1の熱容量を一層抑えることができ、排気ガスの熱が過給機用ハウジング1に奪われにくくなる。
【0043】
(第6実施例)
以下、本発明の第6実施例について図6を参照して説明する。本実施例は前記した第1実施例に係る過給機用ハウジング1を製造する製造方法の代表例を示す。まず、ガスが流れるシェル室50を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体5を準備する。シェル体5は、前述したように、中心軸芯Pのびる方向において分割された第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52を有しており、第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52を溶接部5aで一体的に結合して形成されている。第1分割シェル体51及び第2分割シェル体52は、合金鋼、炭素鋼、アルミニウム合金からなる群のうちのいずれかの薄板をプレス成形したもので形成されている。
【0044】
本実施例によれば、金属溶湯により消失可能な溶湯装填部としての消失模型6を用いる。消失模型6は、第1基部21と同一形状をなしており第1基部21となるリング形状の第1消失模型61と、第2基部25と同一形状をなしており第2基部25となるリング形状の第2消失模型65とで形成されている。第1消失模型61は、第1基部21の第1筒部23と同一形状の第1模型筒部63と、第1基部21の第1取付フランジ部24と同一形状の第1模型フランジ部64とをもち、第1中空部61xを形成している。
【0045】
第2消失模型65は、第2基部25の第2筒部26と同一形状の第2模型筒部66と、第2基部25の第2取付フランジ部27と同一形状の第2模型フランジ部67とをもち、第2中空部65xを形成している。
【0046】
そして、第1消失模型61がシェル体5の一端部55に隣設すると共に第2消失模型65がシェル体5の他端部56に隣設する組付体8を形成する。組付体8では、第1消失模型61の第1模型筒部63はシェル体5の一端部55の外周面55r及び軸端面55sに接着剤等で接続されていると共に、第2消失模型65の第2模型筒部66はシェル体5の他端部56の外周面56r及び軸端面56sに接着剤等により接続されている。
【0047】
このとき、図6に示すように、湯口用の支柱状をなす第3消失模型68、湯道用の支柱状をなす第4消失模型69も組付体8に接着剤を介して組み付ける。第3消失模型68は第4消失模型69に接着剤等により接続されている。なお、第1消失模型61〜第4消失模型69は発泡ポリスチレンなどの消失可能な材料で形成されている。
【0048】
次に、図6に示すように、上記した組付体8を鋳造型82の内部に埋設してセットする。鋳造型82は、収容空間83をもつ枠体84と、枠体84の収容空間83に装填された耐火粉粒体85(一般的には鋳砂)の集合体とで形成されている。この場合、組付体8を枠体84の収容空間83に配置した状態で、組付体8の周囲に耐火粉粒体85の集合体を装填し、鋳造型82の内部に組付体8を埋設する。この場合、第1消失模型61の外方、第2消失模型65の外方、シェル体5の外方に、耐火粉粒体85の集合体を装填すると共に、第1消失模型61の第1中空部61x、第2消失模型65の第2中空部65x、シェル体5のシェル室50にも、耐火粉粒体85の集合体を装填する。なお、耐火粉粒体85の集合体を装填する際には、必要に応じて振動を加えても良い。
【0049】
その後、溶湯注入口88をもつ注湯カップ89を鋳造型82の上側に保持した状態で、注湯カップ89に高温の金属溶湯を注入し、これにより金属溶湯を鋳造型82に注入する。高温の金属溶湯は、湯口用の第3消失模型68を経て第1消失模型61に至り、第1消失模型61を金属溶湯の熱で消失させると共に第1消失模型61の消失跡に金属溶湯が装填される。また高温の金属溶湯は、湯口用の第3消失模型68、湯道用の第4消失模型69を経て、第2消失模型65に至り、第2消失模型65を金属溶湯の熱で消失させると共に第2消失模型65の消失跡に金属溶湯が装填される。
【0050】
上記のように装填された金属溶湯が凝固すれば、第1消失模型61が第1基部21に置換されると共に、第2消失模型65が第2基部25に置換される。また、湯口用の第3消失模型68は湯道凝固金属として置換され、湯道用の第4消失模型69は湯道凝固金属として置換される。
【0051】
上記したように凝固が終了したら、鋳造型82の耐火粉粒体85(一般的には鋳砂)の集合体を崩壊させ、第1基部21及び第2基部25が一体的に接続されたシェル体5を鋳造型82から取り出す。湯口凝固金属及び湯道凝固金属を第1基部21や第2基部25から除去する。これにより第1実施例に係る過給機用ハウジング1(図1参照)が製造される。
【0052】
上記した金属溶湯としては、鋳鋼、合金鋼、合金鋳鉄、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄のいずれかとされている。金属溶湯として鋳鋼、合金鋼、合金鋳鉄を採用した場合には、高強度化及び高剛性化を図り得るばかりか、鋳鋼、合金鋼、合金鋳鉄の溶解温度は鋳鉄系材料に比較して一般的に高温であるため、第1基部21,第2基部25とシェル体5との良好な融着を期待でき、第1基部21,第2基部25とシェル体5との接合一体性の向上を期待することができる。
【0053】
また上記した金属溶湯として、ねずみ鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄を採用した場合には、第1基部21,第2基部25を鋳造する際の鋳込み性が比較的容易であり、更に鋳鉄に分散している黒鉛による振動吸収性の向上を期待できる。なお、第1消失模型61〜第4消失模型69が金属溶湯で置換されるとき、第1消失模型61〜第4消失模型69がガス化するが、そのガスは耐火粉粒体85間の隙間から逃げる。必要に応じて、ガスを吸引ポンプなどで吸引除去させることにしても良い。
【0054】
上記した本実施例によれば、第1実施例に係る過給機用ハウジング1(図1参照)を製造することができる。このように製造された過給機用ハウジング1は、図1に示すように、鉄系の鋳造品である第1基部21及び第2基部25からなる基部2と、シェル室50を区画すると共に薄肉のプレス成形板で形成されたシェル体5とを備えている。排気ガスが流れるシェル室50を区画するシェル体5は、基部2の肉厚よりも薄肉のプレス成形板で形成されているため、軽量化を図り得る。
【0055】
更に本実施例によれば、シェル体5は薄肉のプレス成形板で形成されているためシェル体5それ自体の体積が小さく、シェル体5の熱容量が小さいため、前述したように、シェル室50を流れる高温の排気ガスからシェル体5への熱伝達を抑えることができ、排気ガスの温度をできるだけ高温に維持して、排気ガスを下流の排気ガス浄化装置に供給することができる。
【0056】
更にまた本実施例によれば、薄肉のシェル体5の一端部55は、鉄系の鋳造品である第1基部21に一体的に保持されていると共に、シェル体5の他端部56は鉄系の鋳造品である第2基部25に一体的に保持されている。このため、軽量化を図りつつ、シェル体5に対する保持性、拘束性が確保され、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。
【0057】
本実施例によれば、第1基部21及び第2基部25は凝固時に収縮すると共に、凝固後の冷却でも半径方向及び周方向に収縮するため、シェル体5の一端部55及び他端部56を強固に締結することができる。しかも第1基部21及び第2基部25は中心軸芯Pを1周するように形成されているため、周方向における締結力の均一性を高めることができ、シェル体5の保持性、拘束性を高めることができ、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。
【0058】
(第7実施例)
以下、本発明の第7実施例について図7を参照して説明する。本実施例は図6に示す第6実施例と基本的には同様の構成を有し、基本的には同様の作用効果を奏する。以下、図6に示す第6実施例と相違する部分を中心として説明する。本実施例は、前記した第2実施例に係る過給機用ハウジング1(図2参照)を形成するものである。
【0059】
本実施例においても、第1消失模型61がシェル体5の一端部55に隣設すると共に第2消失模型65がシェル体5の他端部56に隣設する組付体8を形成する。図7に示すように、この組付体8では、第1消失模型61の第1模型筒部63の軸端面63mに形成されたリング状の第1溝63kと、シェル体5の一端部55とが嵌合している。また第2消失模型65の第2模型筒部66の軸端面66mに形成されたリング状の第2溝66kと、シェル体5の他端部56とが嵌合している。
【0060】
上記したように第1溝63k、第2溝66kとの嵌合を利用すれば、組付体8における第1消失模型61、第2消失模型65とシェル体5との一体性を高めることができる。この場合にも接着剤等を用いて第1消失模型61、第2消失模型65とシェル体5との一体接合性を高めることができる。
【0061】
また本実施例によれば、鋳造型82の内部に組付体8を埋設するにあたっては、シェル体5のシェル室50の外周側の内部には、耐火粉粒体85の集合体が装填されていない中空空洞部86が形成されている。この場合、耐火粉粒体85の装填時間の短縮を図り得る。このようにシェル室50の内部に耐火粉粒体85の集合体が装填されていない中空空洞部86を形成したとしても、金属溶湯は第1消失模型61〜第4消失模型69には注入されるものの、シェル室50の外周側には注入されないため、鋳造の際における支障はない。更に本実施例によれば、第1消失模型61〜第4消失模型69が高温の金属溶湯の熱によりガス化するとき、中空空洞部86はそのガス逃げとしての役割も期待できる。
【0062】
(第8実施例)
以下、本発明の第8実施例について図8を参照して説明する。本実施例は前記した第1実施例に係る過給機用ハウジング1を製造する製造方法の代表例を示す。
【0063】
本実施例によれば、図8に示すように、金属溶湯が装填される溶湯装填部としての空洞部7を鋳造型82に形成すると共に、シェル体5を鋳造型82の内部に埋設する。空洞部7は、第1基部21となるリング形状の第1空洞部71と、第2基部25となるリング形状の第2空洞部75とを有する。
【0064】
図8に示すように、第1空洞部71は、第1基部21の第1筒部23と同一形状の第1空洞筒部73と、第1基部21の第1取付フランジ部24と同一形状の第1空洞フランジ部74とで形成されている。また第2空洞部75は、第2基部25の第2筒部26と同一形状の第2空洞筒部76と、第2基部25の第2取付フランジ部27と同一形状の第2空洞フランジ部77とで形成されている。
【0065】
そして、図8に示すように、第1空洞部71がシェル体5の一端部55に隣設すると共に第2空洞部75がシェル体5の他端部56に隣設するように、シェル体5を鋳造型82にセットする。鋳造型82は、収容空間83をもつ枠体84と、枠体84の収容空間83に装填された耐火粉粒体85(一般的には鋳砂)の集合体とで形成されている。このとき、図8に示すように、湯口用の第3空洞部78、第3空洞部78に連通する湯道用の第4空洞部79も鋳造型82の内部に設けておく。
【0066】
その後、溶湯注入口88をもつ注湯カップ89を鋳造型82の上側に保持した状態で、注湯カップ89に高温の金属溶湯を注入し、これにより金属溶湯を鋳造型82に注入する。高温の金属溶湯は、湯口用の第3空洞部78を経て第1空洞部71に至り、第1空洞部71に金属溶湯が装填される。また高温の金属溶湯は、湯口用の第3空洞部78、湯道用の第4空洞部79を経て第2空洞部75に至り、第2空洞部75に金属溶湯が装填される。このように装填された金属溶湯が凝固すれば、第1空洞部71により第1基部21が成形されると共に、第2空洞部75により第2基部25が成形される。この場合、湯口用の第3空洞部78により湯口凝固金属が形成され、湯道用の第4空洞部79により湯道凝固金属が成形される。湯口凝固金属及び湯道凝固金属を第1基部21や第2基部25から除去する。これにより第1実施例に係る過給機用ハウジング1が製造される。
【0067】
上記した本実施例によれば、第1実施例に係る過給機用ハウジング1(図1参照)を製造することができる。このように製造された過給機用ハウジング1は、図1に示すように、鉄系の鋳造品である第1基部21及び第2基部25からなる基部2と、排気ガスが流れるシェル室50を区画すると共に第1基部21,第2基部25の肉厚よりも薄肉のプレス成形板で形成されたシェル体5とを備えている。またシェル体5は、基部2の肉厚よりも薄肉のプレス成形板で形成されているため、軽量化を図り得る。なお、シェル室50には、必要に応じて、中子型を適宜配置することもできる。
【0068】
(その他)
上記した実施例によれば、第1基部21及び第2基部25は鉄系の鋳造品で形成されているが、これに限らず、シェル体5の板厚よりも厚い鍛造品で形成しても良い。このように鍛造品で形成しても、過給機用ハウジングの軽量化を図りつつ、シェル体5に対する保持性、拘束性が確保され、排気ガスが流れるシェル室50をもつシェル体5の振動抑制を図り得る。鍛造品としては鉄系、アルミニウム合金系を採用できる。
【0069】
上記した実施例によれば、過給機用ハウジング1は、排気ガス浄化触媒装置300を有する排気系に適用されているが、これに限らず、排気ガス浄化触媒装置300を有さない排気系に適用しても良い。また上記した実施例によれば、排気ガスが流れる排気側の過給機用ハウジング(タービンハウジング)に適用しているが、場合によっては、吸気側の過給機用ハウジング(コンブレッサハウジング)に適用しても良い。その他、本発明は上記した実施例のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できるものである。
【0070】
【発明の効果】
以上説明したように本発明に係る過給機用ハウジングによれば、ガスが流れるシェル室を区画するシェル体は、プレス成形板で形成されているため、軽量化を図り得る。更に、シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方は、相手部材に固定される金属材料で形成された基部に一体的に保持されているため、シェル体に対する保持性が確保され、シェル体の振動抑制を図り得る。更に、排気ガス浄化用の触媒装置をもつ排気系に適用した場合において、排気ガスの温度を高温に維持できるため、触媒装置の活性化温度領域に維持し易く、触媒装置の浄化効率を高めることができる。特に、内燃機関の始動直後においても、触媒装置の活性化温度領域に維持し易く、触媒装置の浄化効率を高めることができる。
【0071】
本発明に係る過給機用ハウジングの製造方法によれば、金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部がシェル体に隣設するようにシェル体を鋳造型にセットする。このようにシェル体を鋳造型にセットした状態で、金属溶湯を鋳造型の溶湯装填部に注入し、溶湯装填部に装填された金属溶湯を凝固させてシェル体と一体的な基部を成形する。このため、シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方を基部に一体的に保持することができる。これにより上記した効果を奏する過給機用ハウジングを製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例に係る過給機用ハウジングを模式的に示す断面図である。
【図2】第2実施例に係る過給機用ハウジングを模式的に示す断面図である。
【図3】第3実施例に係る過給機用ハウジングを模式的に示す断面図である。
【図4】第4実施例に係る過給機用ハウジングを模式的に示す断面図である。
【図5】第5実施例に係る過給機用ハウジングを模式的に示す断面図である。
【図6】第6実施例に係り、過給機用ハウジングを製造する過程を示す断面図である。
【図7】第7実施例に係り、過給機用ハウジングを製造する過程を示す断面図である。
【図8】第8実施例に係り、過給機用ハウジングを製造する過程を示す断面図である。
【符号の説明】
図中、1は過給機用ハウジング、2は基部、21は第1基部、25は第2基部、5はシェル体、51は第1分割シェル体、52は第2分割シェル体、53は偏芯スクロール部、55は一端部、56は他端部、6は消失模型(溶湯装填部)、7は空洞部(溶湯装填部)、200は排気管(相手部材)、220はコンプレッサハウジング(相手部材)を示す。
Claims (5)
- 相手部材に固定される基部と、
ガスが流れるシェル室を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体とを具備しており、
前記シェル体の一端部及び他端部のうちの少なくとも一方は、前記基部に一体的に保持されていることを特徴とする過給機用ハウジング。 - 請求項1において、前記シェル体の板厚の平均厚みをt1とし、前記基部の平均厚みをt2とするとき、t1はt2よりも薄く(t1<t2)設定されていることを特徴とする過給機用ハウジング。
- 請求項1または請求項2において、前記基部は、前記シェル体の中心軸芯に沿った方向において間隔を隔てて配置された第1基部と第2基部とで構成されており、前記第1基部は前記シェル体の一端部を一体的に保持していると共に、前記第2基部は前記シェル体の他端部を一体的に保持していることを特徴とする過給機用ハウジング。
- ガスが流れるシェル室を区画すると共にプレス成形板で形成されたシェル体を準備する工程と、
金属溶湯が装填される空間状または消失可能な溶湯装填部が前記シェル体に隣設するように前記シェル体を鋳造型にセットするセット工程と、
金属溶湯を前記鋳造型の前記溶湯装填部に注入し、前記溶湯装填部に装填された前記金属溶湯を凝固させて前記シェル体と一体的な基部を成形する注湯工程とを含むことを特徴とする過給機用ハウジングの製造方法。 - 請求項4において、前記溶湯装填部は、金属溶湯により消失可能な材料で形成された消失模型であることを特徴とする過給機用ハウジングの製造方法。
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