JPWO2019123677A1 - 保温ブロック、および保温ブロックの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本願は、2017年12月20日に、日本に出願された特願2017−244225号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
また、タービンケーシングの内面には、静翼等の静止部分が設けられている。タービンケーシング内には、静止部分と同心となるように、動翼を取りつけたロータ等の回転部が水平に貫装されている。回転部は、回転可能に支承されている。
一方、内部を流れる排気ガス温度が非常に高いため、通常、熱放散防止のためにタービン発電機のタービンケーシングの外面は、耐熱性断熱材からなる保温ブロックで被覆されている。
具体的には、タービンケーシング101の表面部に、綿状の断熱材102、および保温ブロック103が交互に複数積層され、所定の間隔をあけて複数本のスタッドボルト104が断熱材102、および保温ブロック103に形成された挿通孔105に挿通され、タービンケーシング101に対して固定されている。
しかしながら、図5(A)に開示の保温ブロックのタービンケーシングへの固定構造では、断熱材102と保温ブロック103を複数層に積層する必要があるため、作業工程が多くなり多大な設置工数を要するものとなっている。
このようなメンテナンス作業においては、作業者が保温ブロック上を移動したり、保温ブロック上で作業したりする場合があるが、その際に作業者の荷重が保温ブロックの厚み方向にかかるため、保温ブロックが厚み方向に変形してしまう虞がある。
即ち、本発明の一態様の保温ブロックは、設置対象物の一面側に設置される設置面部、該設置面部とは反対側の面に表面部を有し、内側袋体と外側袋体の二重構造からなる袋体と、該袋体の前記内側袋体と前記外側袋体の間に介装された金属箔材と、前記袋体の前記内側袋体の内部には、前記設置面部から前記表面部に向けて無機繊維材からなる断熱材、および金属板材の順序で積層された積層体とを備える。
さらに、金属板材が袋体の表面部側に配置されることから、保温ブロックに対して上からの荷重が作用した際に、当該荷重を金属板材で分散し断熱材への伝播を遮断することが可能となるため、保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
例えば、設置対象としてのタービンケーシング表面に保温ブロックを設置する場合においては、熱源に近い部分に設置する保温ブロックに使用する断熱材としては、断熱効果の高い生体溶解性繊維を使用する。一方で、熱源から離れた位置に設置する保温ブロックに使用する断熱材としては、断熱効果は劣るもののコスト的に優位なロックウールを使用することができる。
さらに第1の袋体が無機繊維材から構成されていることにより、第1の袋体も一定程度の保温性を備えることができる。
また、第1の袋体に対して外力が加わった場合に、この外力による荷重を第1の金属箔材で分散させることが可能となるため、第1の保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
さらに第2の袋体が無機繊維材から構成されていることにより、第2の袋体も一定程度の保温性を備えることができる。
さらに、第1の金属板材が第2の袋体の第2の表面部側に配置されることから、第2の保温ブロックに対して上からの荷重が作用した際に、当該荷重を第1の金属板材で分散し第2の断熱材や第1の保温ブロックへの伝播を遮断することが可能となるため、保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
従って、第2の保温ブロックから第1の保温ブロックへの荷重の伝播を遮断することが可能となるため、第1の保温ブロック、および第2の保温ブロックの型崩れや損傷を防止し、保温ブロック全体としての保温性を保持することができる。
さらに、耐熱性にも優れているため、温度変化にともなう形状の変形を防止することができる。
一方で、熱源から離れた位置に設置する第2の保温ブロックに使用する断熱材としては、断熱効果は劣るもののコスト的に優位なロックウールを使用することで、安価でありながら一定の断熱効果をえることができる。
このとき、袋体の設置面部から表面部に向けて断熱材、および金属板材の順序で積層されるため、保温ブロックの設置対象となるタービンケーシングに近接する側に断熱材が配置されることから、保温効果をより一層高めることができる。
さらに、金属板材が袋体の表面部側に配置されることから、保温ブロックの表面部側から保温ブロックの厚み方向に荷重が作用した際に、当該荷重を金属板材で分散し断熱材への伝播を遮断することが可能となるため、保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
また、第1の保温ブロックに外力が加わった場合でも、外力による荷重を第1の金属箔材で分散させることが可能となるため、第1の袋体の損傷を防止することができる。
また、第2の保温ブロックに外力が加わった場合でも、外力による荷重を第2の金属箔材で分散させることが可能となるため、第2の袋体の損傷を防止することができる。
このとき、第2の袋体の第2の設置面部から第1の表面部に向けて第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層されるため、第2の保温ブロックを第1の保温ブロックに設置した際にタービンケーシングに近接する側に第2の断熱材が配置されることから、保温効果をより一層高めることができる。
さらに、第1の金属板材が第2の袋体の第2の表面部側に配置されることから、第2の保温ブロックの第2の表面部側から厚み方向に荷重が作用した際に、当該荷重を第1の金属板材で分散し第2の断熱材、および第1の保温ブロックへの伝播を遮断することが可能となるため、保温ブロック全体の型崩れを防止することができる。
従って、第2の保温ブロックから第1の保温ブロックへの荷重の伝播を遮断することが可能となるため、第1の保温ブロック、および第2の保温ブロックの型崩れや損傷を防止し、保温ブロック全体としての保温性を保持することができる。
なお、各図においては、説明の便宜上、保温ブロックを設置対象物に設置した状態において、保温ブロックの表面部から設置面部に向かう方向を厚み方向、厚み方向と垂直な方向を水平方向と定義する。
まず、本発明の第1の実施形態に係る保温ブロックの全体構成について図1(A)、図1(B)、および図2を用いて説明する。
保温ブロック1は、設置対象物として例えば発電所等で使用されるタービン発電機のタービンケーシング表面5を被覆して保温するものであり、略立方体形状の袋体2内に断熱材31と金属板材32が積層された積層体3が充填されている。
この内側袋体23と外側袋体24の間には薄厚のステンレス材からなる金属箔材25が介装され、内側袋体23、金属箔材25、および外側袋体24が縫着加工されて一体化されている。
但し、袋体2は一定程度の強度が求められるため、強度とコストの費用対効果が最も高いガラスクロス素材であることが好ましい。
但し、保温ブロック1の設置対象としてのタービン発電機は比較的高温であるため、耐熱性能という観点では耐熱効果の高いステンレス材を採用することが好ましい。
金属箔材25が内側袋体23、および外側袋体24の間に介装されているだけでも良い。但し、内側袋体23、金属箔材25、および外側袋体24が縫着加工により一体化されて袋体生地が生成されることにより、金属箔材25が内側袋体23、および外側袋体24に対して移動することがなく、袋体2全体としての強度も高めることができるため、内側袋体23、金属箔材25、および外側袋体24が縫着加工により一体化されていることが好ましい。
例えば、設置面部21の外周端縁等、その他の端縁についても二重縁部28が形成されるように構成してもよい。
但し、保温ブロック1の表面部22から厚み方向の荷重が作用する際には、表面部22の外周端縁26が最も大きな負荷が作用しやすいため、少なくとも表面部22の外周端縁26にのみ二重縁部28が形成されていればよい。
また、金属板材32は、多数の貫通穴が形成されたステンレス材からなるエキスパンドメタルである。
例えば、ポリスチレン樹脂や炭化水素系からなる発砲プラスチック素材、セルロースファイバーや羊毛素材等からなる天然素材であってもよい。
但し、保温ブロック1の設置対象であるタービン発電機は高温であることから、断熱材31としては保温性能に優れる無機繊維材から構成されていることが好ましい。特に、生体溶解性繊維はロックウールに比較して断熱効果が高いため、生体溶解性繊維を採用することがより好ましい。
例えば、貫通穴が形成されていない金属板材であってもよい。
但し、金属板材32がエキスパンドメタルである場合には、保温ブロック1の表面部22から厚み方向に荷重が作用した際に、荷重の分散を効率的に行うことができるため、金属板材32はエキスパンドメタルであることが好ましい。
例えば、銅材、アルミ材、ニッケル材等の他の金属板材から適宜選択することができる。
但し、保温ブロック1の設置対象としてのタービン発電機は比較的高温であるため、耐熱性能という観点では耐熱効果の高いステンレス材を採用することが好ましい。
但し、袋体2の表面部22が防水材4で被覆されていることにより、保温ブロック1全体としての防水性が高まるとともに、袋体2の表面部22への埃等の汚れが付き難く、かつ外観上の見栄えも良好なものとなるため、袋体2の表面部22は防水材4で被覆されていることが好ましい。
例えば、袋体2の表面部22の外側袋体24に対して、シリコンコーティングを施すようにしてもよい。
次に本発明の第2の実施形態に係る保温ブロック1について図3(A)、図3(B)、および図4に基づいて説明する。なお、第1の実施形態と重複する部分については同一符号を付すとともに、重複する説明については省略する。
また、第2の保温ブロック1bは、ガラス繊維を織製してなるガラスクロス素材の第2の袋体2b内に、ロックウールからなる第2の断熱材31bと第1の金属板材32aが積層された積層体3が充填されている。
例えば、第1の断熱材31aとしてロックウールを、第2の断熱材31bとして生体溶解性繊維材がそれぞれ選択されてもよい。
但し、第1の断熱材31aが充填された第1の保温ブロック1aは、熱源に近いタービンケーシング表面5に設置されるため、第1の断熱材31aとしては、断熱効果の高い生体溶解性繊維を使用することで、断熱効果を最大限に発揮させることができる。
一方で、熱源から離れた位置に設置する第2の保温ブロック1bに使用する第2の断熱材31bとしては、断熱効果は劣るもののコスト的に優位なロックウールを使用することで、安価でありながら一定の断熱効果をえることができる。
この第1の内側袋体23aと第1の外側袋体24aの間には、薄厚のステンレス材からなる第1の金属箔材25aが介装され、第1の内側袋体23a、第1の金属箔材25a、および第1の外側袋体24aが縫着加工されて一体化されている。
この第2の内側袋体23bと第2の外側袋体24bの間には薄厚のステンレス材からなる第2の金属箔材25bが介装され、第2の内側袋体23b、第2の金属箔材25b、および第2の外側袋体24bが縫着加工されて一体化されている。
従って、少なくとも外力が直接作用しやすい第2の保温ブロック2bに第2の二重縁部28bが形成されていればよく、第1の袋体2aには、必ずしも第1の二重縁部28aが形成されている必要はない。
このように第3の金属箔材25cを部分的に介装することで、第1の二重縁部28aを形成しない場合においても、一定の剛性を確保することができる。
また、第1の金属板材32aは、多数の貫通穴が形成されたステンレス材からなるエキスパンドメタルである。
但し、第1の保温ブロック1aと第2の保温ブロック1bの間に第2の金属板材が介装されていることにより、保温ブロック1の厚み方向に対する荷重を分散させることが可能となるため、保温ブロック全体の型崩れを防止し、保温効果を長期間において持続させることができる。
このように構成された保温ブロック1はタービンケーシング表面5の縦横方向に配置され、専用の固定金具により固定される。
例えば、第1の保温ブロック1aと第2の保温ブロック1bが厚み方向に直線状になるように積層配置されていてもよい。
但し、第2の保温ブロック1bが第1の保温ブロック1aに対して厚み方向に階段状になるように積層されていることにより、タービンケーシング表面5に配列される隣接する保温ブロック1間に形成される隙間を最小限にすることが可能となるため、外部への熱の放散を低減させ、保温性能をさらに高めることができる。
1a 第1の保温ブロック
1b 第2の保温ブロック
2 袋体
2a 第1の袋体
2b 第2の袋体
21 設置面部
21a 第1の設置面部
21b 第2の設置面部
22 表面部
22a 第1の表面部
22b 第2の表面部
23 内側袋体
23a 第1の内側袋体
23b 第2の内側袋体
24 外側袋体
24a 第1の外側袋体
24b 第2の外側袋体
25 金属箔材
25a 第1の金属箔材
25b 第2の金属箔材
25c 第3の金属箔材
26 外周端縁
26a 第1の外周端縁
26b 第2の外周端縁
27 糸材
28 二重縁部
28a 第1の二重縁部
28b 第2の二重縁部
3 積層体
31 断熱材
31a 第1の断熱材
31b 第2の断熱材
32 金属板材
32a 第1の金属板材
32b 第2の金属板材
4 防水材
5 タービンケーシング表面
Claims (14)
- 設置対象物の一面側に設置される設置面部、該設置面部とは反対側の面に表面部を有し、内側袋体と外側袋体の二重構造からなる袋体と、
該袋体の前記内側袋体と前記外側袋体の間に介装された金属箔材と、
前記袋体の前記内側袋体の内部には、前記設置面部から前記表面部に向けて無機繊維材からなる断熱材、および金属板材の順序で積層された積層体と、
を備える保温ブロック。 - 前記金属箔材は、ステンレス箔であり、
前記金属板材は、多数の貫通穴が形成されたステンレス材からなるエキスパンドメタルである請求項1に記載の保温ブロック。 - 前記袋体はガラス繊維を織製してなるガラスクロスである請求項1または請求項2に記載の保温ブロック。
- 前記袋体の前記表面部には、シリコンコーティングが施されている請求項1から請求項3の何れか一項に記載の保温ブロック。
- 前記断熱材は、生体溶解性繊維、ロックウール、ガラス繊維、セラミック繊維から選択される請求項1から請求項4の何れか一項に記載の保温ブロック。
- 前記袋体の前記表面部の外周端縁は、周縁方向に沿って前記袋体の内側に向けて谷折り状に折り込まれた状態で縫着して形成された二重縁部を有する請求項1から請求項5のうち何れか一項に記載の保温ブロック。
- 一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、該第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を含み、第1の内側袋体と第1の外側袋体の二重構造からなる第1の袋体、該第1の袋体の前記第1の内側袋体と前記第1の外側袋体の間に介挿された第1の金属箔材、前記第1の袋体の前記第1の内側袋体の内部に無機繊維材からなる第1の断熱材を有する第1の保温ブロックと、
一面側に前記第1の袋体の前記第1の表面部に載置される第2の設置面部、該第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を含み、第2の内側袋体と第2の外側袋体の二重構造からなる第2の袋体、該第2の袋体の前記第2の内側袋体と前記第2の外側袋体の間に介挿された第2の金属箔材、該第2の袋体の前記第2の内側袋体の内部であって前記第2の設置面部から前記第2の表面部に向けて無機繊維材からなる第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層された積層体を有する第2の保温ブロックと、
前記第1の袋体の前記第1の表面部と前記第2の袋体の前記第2の設置面部の間に介装された第2の金属板材と、を備える保温ブロック。 - 前記第1の金属箔材、および前記第2の金属箔材はステンレス箔であり、
前記第1の金属板材、および前記第2の金属板材は多数の貫通穴が形成されたエキスパンドメタルである請求項7に記載の保温ブロック。 - 前記第1の断熱材は、生体溶解性繊維であり、
前記第2の断熱材は、ロックウールである請求項7または請求項8に記載の保温ブロック。 - 内側袋体生地と外側袋体生地の間に金属箔を介装して袋体生地を生成する工程と、
前記袋体生地から設置対象物の一面側に設置される設置面部、該設置面部とは反対側の面に配置された表面部を有し、内側袋体と外側袋体の二重構造からなる袋体を形成する工程と、
前記内側袋体の内部に、前記設置面部から前記表面部に向けて断熱材、および金属板材の順序で積層する工程と、
を備える保温ブロックの製造方法。 - 前記袋体生地を生成する工程は、前記内側袋体生地、前記金属箔、および前記外側袋体生地を一体的に縫着する工程を含む請求項10に記載の保温ブロックの製造方法。
- 第1の内側袋体生地と第1の外側袋体生地の間に第1の金属箔を介装して第1の袋体生地を生成する工程、前記第1の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第1の設置面部、該第1の設置面部とは反対側の面に第1の表面部を含み、第1の内側袋体と第1の外側袋体の二重構造からなる第1の袋体を形成する工程、前記第1の内側袋体の内部に、第1の断熱材を充填する工程を有する第1の保温ブロックを製造する工程と、
第2の内側袋体生地と第2の外側袋体生地の間に第2の金属箔を介装して第2の袋体生地を生成する工程、前記第2の袋体生地から一面側に設置対象物に設置される第2の設置面部、該第2の設置面部とは反対側の面に第2の表面部を含み、第2の内側袋体と第2の外側袋体の二重構造からなる第2の袋体を形成する工程、前記第2の内側袋体の内部に、前記第2の設置面部から前記第2の表面部に向けて第2の断熱材、および第1の金属板材の順序で積層する工程を有する第2の保温ブロックを製造する工程と、
前記第1の袋体の前記第1の表面部に、前記第2の袋体の前記第2の設置面部を載置して前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックを一体化する工程と、を備える保温ブロックの製造方法。 - 前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックを一体化する工程は、
前記第1の保温ブロックと前記第2の保温ブロックの間に第2の金属板材を介装する工程を含む請求項12に記載の保温ブロックの製造方法。 - 前記第1の袋体生地を生成する工程は、
前記第1の内側袋体生地、前記第1の金属箔、および前記第1の外側袋体生地を一体的に縫着する工程を含み、
前記第2の袋体生地を生成する工程は、
前記第2の内側袋体生地、前記第2の金属箔、および前記第2の外側袋体生地を一体的に縫着する工程を含む請求項12または請求項13に記載の保温ブロックの製造方法。
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