JPWO2019123617A1 - 加速器及び粒子線治療装置 - Google Patents

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Abstract

回転方向ごとに異なる出射エネルギーに対応させて高周波電場の周波数変調を行うことが可能な回転コンデンサー備えた加速器を提供する。加速器は、荷電粒子を加速させる加速電極(4)と、加速電極(4)に電力を供給し、高周波電場を発生させる加速空洞(5)と、加速空洞(5)の共振周波数を変調させる回転コンデンサー(10)とを備える。回転コンデンサー(10)は、順方向及び逆方向の双方に回転し、回転方向ごとに異なる静電容量の時間変化をとる。回転方向ごとに異なる静電容量の時間変化をそれぞれ異なる出射エネルギーに対応させて周波数変調を行う。

Description

本発明は、回転コンデンサーを備えた加速器及び粒子線治療装置に関する。
近年、陽子線や炭素線等の粒子線を腫瘍に照射して治療する粒子線治療が注目されている。粒子線治療では、粒子線を発生させるために、荷電粒子を高エネルギーまで加速する加速器が用いられる。加速器は、荷電粒子の周回周波数に同期した高周波電場を形成し、荷電粒子を所定のエネルギーまで加速させる。荷電粒子を所定のエネルギーまで加速させるには、高周波電場の周波数変調を行い、荷電粒子の周回周波数に一致させることが必要である。そこで、高周波電場の周波数変調を行う回転コンデンサーを備えた加速器が開発されている。特許文献1には、渦電流を抑制して発熱を低減することが可能な回転コンデンサーを備えた加速器が開示されている。
特開2013−157556号公報
しかしながら、荷電粒子を所定のエネルギーまで加速させるには、エネルギーの大きさに応じて適した周波数変調を行う必要があり、従来の回転コンデンサーでは異なるエネルギーに対応させて高周波電場の周波数変調を行うことが困難であるという課題があった。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、荷電粒子の異なるエネルギーに対応させて高周波電場の周波数変調を行うことが可能な回転コンデンサー備えた加速器を提供することを目的とする。また、加速器を備えた粒子線治療装置を提供することを目的とする。
本発明に係る加速器は、荷電粒子を加速する加速電極と、加速電極に電力を供給し、高周波電場を発生させる加速空洞と、順方向及び逆方向の双方に回転する回転電極、回転電極に対向して配置された固定電極を有し、順方向の回転により荷電粒子の第1の出射エネルギーに応じた高周波電場の周波数変調を行い、逆方向の回転により荷電粒子の第2の出射エネルギーに応じた高周波電場の周波数変調を行う回転コンデンサーとを備える。
また、本発明に係る粒子線治療装置は、順方向及び逆方向の回転方向ごとに出射エネルギーに応じて周波数変調を行う回転コンデンサーを有する加速器と、加速器で出射された粒子線を輸送するビーム輸送部と、ビーム輸送部から供給された粒子線を照射野に成形して被照射体に照射する照射部とを備える。
本発明に係る加速器によれば、回転方向ごとに異なる出射エネルギーに対応させて高周波電場の周波数変調を行う回転コンデンサーを備えることで、異なるエネルギーの粒子線を効率的に出射することが可能となる。また、本発明に係る粒子線治療装置によれば、異なるエネルギーの粒子線を出射できる加速器を備えることで、腫瘍の種類や位置ごとに適したエネルギーの粒子線を照射することができる。
本発明の実施の形態1に係る加速器の概略平面断面図である。 本発明の実施の形態1に係る加速器の概略側断面図である。 本発明の実施の形態1に係る回転コンデンサーの概略構成図である。 本発明の実施の形態1に係る回転電極の概略構成図である。 本発明の実施の形態1に係る固定電極の概略構成図である。 本発明の実施の形態1に係る回転コンデンサーの回転角に対する静電容量の変化を示す関係図である。 本発明の実施の形態1に係る回転コンデンサーの静電容量の時間変化を示す関係図である。 本発明の実施の形態1に係る回転コンデンサーの形状を決定する工程の一例を示す工程図である。 本発明の実施の形態1に係る軌道半径と磁場強度の関係を示す関係図である。 本発明の実施の形態1に係る加速時間と周回周波数の関係を示す関係図である。 本発明の実施の形態1に係る加速時間と静電容量の関係を示す関係図である。 本発明の実施の形態1に係る回転コンデンサーを説明するための説明図である。 本発明の実施の形態1に係る加速時間と対向面積の時間変化率の関係を示す関係図である。 本発明の実施の形態1に係る固定電極を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態1に係る回転電極を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態1に係る固定電極を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態2に係る加速器の概略構成図である。 本発明の実施の形態2に係る回転コンデンサーの静電容量の時間変化を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態3に係る粒子線治療装置の概略構成図である。
本発明に係る実施の形態を、図面を参照して説明する。以下では、加速器としてシンクロサイクロトロン(以下、単に加速器と記す)を例に説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明を実施するための実施の形態1に係る加速器の概略平面断面図である。図2は、本発明を実施するための実施の形態1に係る加速器の概略側断面図である。図1、図2に示すように、加速器1は、一対のコイル2a、2bと、一対の磁極3a、3bと、加速電極4と、加速空洞5と、出射ダクト6と、回転コンデンサー10とを備える。
加速器1は、コイル2a、2bに電流が印加されることにより、互いに離間して配置された磁極3a、3bの間に磁場を発生させる。また、加速空洞5を介して加速電極4に高周波電力が供給されることにより、高周波電場を発生させる。発生した磁場により、イオン源7(図示せず)から入射された荷電粒子は、磁極3a、3bの間をらせん状の周回軌道8で周回運動する。荷電粒子は、加速電極4のギャップ41を通過するたびに、荷電粒子の周回周波数に同期した高周波電場により加速され、エネルギーを増大させる。荷電粒子はエネルギーの増大に伴い、周回軌道8の半径が徐々に大きくなり、所定のエネルギーに到達すると、粒子線として出射ダクト6から出射される。
加速空洞5は、内導体5aと、同軸上に配置された円筒状の外導体5bとを有する。内導体5aは、加速電極4に電気的に接続され、高周波電源9(図示せず)からの高周波電力を加速電極4に供給する。加速空洞5は、固有の共振周波数を有し、加速電極4に高周波電力を供給することにより、共振周波数に応じた高周波電場を内部に発生させる。加速空洞5の共振周波数frは、加速空洞5のインダクタンスLと静電容量Cにて式(1)より定まる。
Figure 2019123617
・・・式(1)
荷電粒子は、加速されるにしたがって、相対論効果により質量が増加し、周回周波数が低下する。加速空洞5は、周回周波数の低下に合わせて、回転コンデンサー10により静電容量を増加させることで、共振周波数を低下させる。
回転コンデンサー10は、回転電極11と、固定電極12と、回転軸13とを備える。回転電極11は加速空洞5の内導体5aに、固定電極12は外導体5bに、それぞれ電気的に接続される。回転コンデンサー10は、回転電極11及び固定電極12を少なくとも1組有し、回転軸13の軸方向に交互に積層して配置される。回転コンデンサー10は、回転電極11が連続的に高速回転することにより、荷電粒子の周回周波数に同期した加速空洞5の共振周波数を得るように静電容量を周期的に変化させる。
図3は、本発明を実施するための実施の形態1に係る回転コンデンサーの概略構成図である。図3は、図1、2のAA’面からみた回転コンデンサーである。図3に示すように、回転電極11及び固定電極12は、それぞれ少なくとも1枚の羽根を有し、互いに対向して配置される。回転電極11は、モーター14によって駆動され、回転軸13を介して、順方向15及び逆方向16の双方にそれぞれ連続的に高速回転する。モーター14は、制御部(図示せず)からの信号によって、回転方向及び回転速度が制御される。
図4は、本発明を実施するための実施の形態1に係る回転コンデンサーの回転電極の概略構成図である。図4に示すように、回転電極11は、回転軸13から径方向外側に放射状に伸びるように設けられる。回転電極11の羽根は、回転中心111から径方向外側の先端部112の中心位置を通る中心軸113(以下、単に中心軸と記す)に対して非対称となるように形成される。例えば、羽根の先端部112の一端から径方向内側に向かって伸びる側辺11aが、向かい合う他方の側辺11bに向かって湾曲するように形成される。
図5は、本発明を実施するための実施の形態1に係る回転コンデンサーの固定電極の概略構成図である。図5に示すように、固定電極12は、例えば回転中心111と同心の円形状の外周を有し、外周から径方向内側に伸びるように設けられる。固定電極12の羽根は、外周の一部をなす先端部121と、先端部121の両端から径方向内側に向かって伸びる側辺12a、12bとを有する。
ここで図3、図4、図5では、回転電極11及び固定電極12の羽根を4枚である例を示したが、羽根の枚数は適宜変更してもよい。
図6は、本発明を実施するための実施の形態1に係る回転コンデンサーの回転角と静電容量の関係を示す関係図である。ここで回転電極11及び固定電極12は、それぞれ1枚の羽根で構成されているとする。また順方向15に回転するとし、回転角は、回転電極11の羽根の向かい合う側辺11a、11bのうち、回転方向正側の側辺11aと、固定電極12の向かいあう側辺12a、12bのうち、回転方向負側の側辺12bとが重なり始める位置を基準の0度とする。
図6に示すように、回転コンデンサー10は、回転角が増加するにしたがって、回転電極11の羽根と固定電極12の羽根との対向面積が増加し、それに伴い静電容量が増加する。回転コンデンサー10の静電容量は、例えば、回転角θ1で最大となり、対向面積が減少するにしたがって減少する。回転電極11の羽根の向かい合う側辺11a、11bのうち、回転方向負側の側辺11bと、固定電極12の羽根の向かい合う側辺12a、12b、回転方向正側の側辺12aとが外れる回転角θ2で静電容量は最小となる。
図7(a)は、本発明を実施するための実施の形態1に係る回転コンデンサーを所定の回転速度で順方向に1回転させた場合の静電容量の時間変化である。また、図7(b)は、本発明を実施するための実施の形態1に係る回転コンデンサーを図7(a)と同じ回転速度で逆方向に1回転させた場合の静電容量の時間変化である。図7(a)、図7(b)に示すように、回転電極11の羽根が中心軸113に対して非対称に形成されることにより、回転コンデンサー10は、順方向15と逆方向16とで異なる静電容量の時間変化をとることができる。これにより、順方向15と逆方向16とで異なる静電容量の時間変化を、それぞれ異なる出射エネルギーに対応させて周波数変調を行うことができる。
荷電粒子を出射エネルギーE1で出射させる場合、加速器1は回転コンデンサー10を順方向15に回転させ、荷電粒子の入射時t1から出射時t2にかけて静電容量を増加させて高周波電場の周波数変調を行う。また、荷電粒子を出射エネルギーE2で出射させる場合、加速器1は回転コンデンサー10を逆方向16に回転させ、荷電粒子の入射時t'1から出射時t'2にかけて、静電容量を増加させて高周波電場の周波数変調を行う。
このように、回転コンデンサー10が、順方向15及び逆方向16に回転し、回転方向ごとに異なる出射エネルギーに応じた静電容量の時間変化をとることで、加速器1は異なる出射エネルギーの粒子線を効率的に出射することが可能となる。
次に、回転方向ごとに異なる出射エネルギーに適した静電容量の時間変化をとるように、回転コンデンサー10の形状を決定する方法の一例について説明する。図8は、本発明を実施するための実施の形態1に係る回転コンデンサーの形状を決定する工程の一例を示す工程図である。回転コンデンサー10は、例えば、順方向15の回転が出射エネルギー215MeVに、逆方向16の回転が出射エネルギー160MeVに、それぞれ適した静電容量の時間変化をとるとする(ステップS1)。
加速器1の最大磁場強度が6Tであると仮定し、出射エネルギーごとに軌道半径に対する磁場分布を定める(ステップS2)。加速器1の磁場強度は、荷電粒子を安定的に加速させるために、弱収束の原理に基づき、軌道半径が増加するにしたがって減少するように分布させる。図9は、本発明を実施するための実施の形態1に係る軌道半径に対する磁場強度である。図9に示すように、軌道半径に対する磁場強度は、出射エネルギー215MeVより、出射エネルギー160MeVの方が小さく設定される。磁場強度は、例えば、コイル2a、2bに印加される電流によって調整される。
設定した磁場分布より、加速時間に対する周回周波数を算出する(ステップS3)。ここで加速時間とは、加速器1に荷電粒子が入射されてから出射されるまでにかかる時間である。荷電粒子を陽子、加速初期の軌道半径をrとすると、加速時間Tにおける荷電粒子の周回周波数は、式(2)−式(6)より定まる。
Figure 2019123617
・・・式(2)
Figure 2019123617
・・・式(3)
Figure 2019123617
・・・式(4)
Figure 2019123617
・・・式(5)
Figure 2019123617
・・・式(6)
ただし、Eは荷電粒子のエネルギー、dEは1周する毎に増加するエネルギー、Mは加速初期の荷電粒子の質量、B(r)は加速初期における磁場強度、B(r')は軌道半径r'における磁場強度、E(r')は軌道半径r'における荷電粒子のエネルギー、f(r')は軌道半径r’での周回周波数、t(r’)は軌道半径r’における周回周期、T(r’)は軌道半径r’における加速時間である。
加速初期の軌道半径をrに基づいて、式(2)より荷電粒子のエネルギーEを算出する。式(3)より増大する荷電粒子のエネルギーEに基づいて、軌道半径r’を算出する。式(4)より軌道半径r’での周回周波数f(r’)を求める。式(5)より1周にかかる時間を算出する。加速初期から軌道半径r’に対する時間T(r’)を式(4)と式(6)から算出する。このようにして、加速時間Tにおける周回周波数を求めることができる。
図10は、本発明を実施するための実施の形態1に係る加速時間に対する周回周波数である。図10に示すように、荷電粒子の出射エネルギーを215MeVとする場合、周回周波数は、加速初期に89MHz、出射時に67MHzとなり、必要な周波数変調幅は22Hzである。また、出射エネルギーを160MeVとする場合、周回周波数は加速初期に78MHz、出射時に62MHzとなり、必要な周波数変調幅は16MHzである。
算出した加速時間に対する周回周波数及び式(1)より、加速時間に対する静電容量を算出する(ステップS4)。図11は、本発明を実施するための実施の形態1に係る加速時間に対する静電容量である。図11に示すように、回転コンデンサー10は、順方向15に回転した場合、22Hzの周波数変調を行い、逆方向16に回転した場合、16MHzの周波数変調を行うように、静電容量を加速時間に対して増加させる。
算出した加速時間に対する静電容量から、加速時間に対する回転コンデンサー10の回転電極11及び固定電極12の対向面積の時間変化率を算出する(ステップS5)。ここで、図12に示すように、回転コンデンサー10の回転速度7500rpm、回転電極11及び固定電極12の回転軸方向の積層数を5組、羽根の枚数をそれぞれ4枚、回転電極11と固定電極12の電極間隔を2mmとする。回転コンデンサー10の静電容量Cは、回転電極11及び固定電極12の対向面積S、電極間距離d、真空の誘電率εにて式(7)より定まる。
Figure 2019123617
・・・式(7)
式(7)より、図11で示した加速時間に対する静電容量を、加速時間に対する対向面積の時間変化率で表すことができる。図13は、本発明を実施するための実施の形態1に係る回転コンデンサーの加速時間に対する対向面積の時間変化率である。
図13に示した加速時間に対する対向面積の時間変化率に基づいて、回転電極11及び固定電極12の形状を決定する(ステップS6)。
一例として、図14に示すように、固定電極12の羽根が、回転電極11の回転中心111から固定電極12の羽根の先端部121の中心位置を通る中心軸123に対して対称である場合の回転電極11の形状を決定する。固定電極12が中心軸123に対して対称である場合、対向面積Sの時間変化率dS/dtは、回転電極11の回転中心111から回転電極11の羽根の先端部112までの長さl、回転速度ωにて式(8)より定まる。
Figure 2019123617
・・・式(8)
式(8)より、対向面積の時間変化率から、回転電極11の回転中心111から先端部112までの長さを決定することができる。図15(a)は、本発明を実施するための実施の形態1に係る回転電極の一例を示す概略構成図である。図15(b)は、本発明を実施するための実施の形態1に係る回転電極の1枚の羽根の形状の一例を示す概略構成図である。図15(a)、(b)に示すように、回転電極11は、回転中心111から先端部112までの長さが、加速時間に対する対向面積の時間変化率を満たすように、回転方向に対して変化する形状となる。
回転電極11の羽根の先端部112は、中心軸113に対して、非対称となるように径方向内側に向かって湾曲される。回転電極11は、例えば、中心軸113に対して一方の側の先端部112aが、出射エネルギー215MeVの対向面積の時間変化率を満たすように湾曲される。また、中心軸113に対して他方の側の先端部112bが出射エネルギー160MeVの対向面積の時間変化率を満たすように湾曲される。
このように回転電極11が形成されることで、加速器1は、215MeVの粒子線を出射する場合、回転電極11を順方向15に回転させ、回転電極11の中心軸113に対して一方の側の先端部112aを利用して周波数変調を行い、160MeVの粒子線を出射する場合、回転電極11を逆方向16に回転させ、中心軸113に対して他方の側の先端部112bを利用して周波数変調を行うことが可能となる。
ここで、固定電極12を中心軸123に対して対称、回転電極11を中心軸113に対して非対称としたが、回転電極11の羽根の形状を対称、固定電極12の羽根の形状を非対称としてもよい。図16(a)は、本発明を実施するための実施の形態1に係る固定電極の一例を示す概略構成図である。図16(b)は、本発明を実施するための実施の形態1に係る固定電極の1枚の羽根の形状の一例を示す概略構成図である。図16(a)、図16(b)に示すように、固定電極12は、回転電極11の回転中心111から固定電極12の内周部122までの長さが、加速時間に対する対向面積の時間変化率を満たすように、回転方向に対して変化する形状となる。
例えば、固定電極12の羽根の内周部122は、中心軸123に対して、非対称となるように径方向外側に向かって湾曲される。固定電極12は、例えば、中心軸123に対して一方の側の内周部122aが、出射エネルギー215MeVの対向面積の時間変化率を満たすように湾曲される。また、中心軸123に対して他方の側の内周部122bが出射エネルギー160MeVを満たすように湾曲される。
このように固定電極12が形成されることで、加速器1は、215MeVの粒子線を出射する場合、回転電極11を順方向15に回転させ、固定電極12の中心軸123に対して一方の側の内周部122aを利用して周波数変調を行い、160MeVの粒子線を出射する場合、回転電極11を逆方向16に回転させ、中心軸123に対して他方の側の内周部122bを利用して周波数変調を行うことが可能となる。
ここで、回転電極11又は固定電極12が中心軸113、123に対して対称となる例を示したが、回転コンデンサー10は、回転方向ごとに異なる出射エネルギーに対応した静電容量の時間変化を満たすように形成されればよく、回転電極11及び固定電極12が、中心軸113、123に対してそれぞれ非対称としてもよい。
上述のように、本実施の形態に係る加速器1は、順方向15及び逆方向16に回転し、回転方向ごとに荷電粒子の異なる出射エネルギーに対応して静電容量が時間的に変化する回転コンデンサー10を備える構成とした。この構成により、加速器1は、異なるエネルギーの粒子線を効率的に発生させることが可能となる。
なお、回転コンデンサー10の回転電極11の形状は、高速回転に対する機械的な安定性が考慮されるように形成されるとより好ましい。例えば、図6に示した静電容量が最大となるまでの回転角θ1と、静電容量が最大となる回転角θ1及び静電容量が最小となる回転角θ2がなす角度θ2−θ1との差が、0<|θ2−1|/θ1|≦10%となるように形成される。これにより、加速空洞5の共振周波数を変調させるために、回転電極11が例えば、1000rpm以上で高速回転される場合でも、安定性を保ちながら回転を行うことが可能となる。
実施の形態2.
本発明を実施するための実施の形態2に係る加速器1について説明する。ここで、実施の形態1に係る加速器1と重複する説明は、適宜簡略化又は省略している。本実施の形態では、実施の形態1の構成に、入射制御装置17をさらに備えた構成とした。
図17は、本発明を実施するための実施の形態2に係る加速器の概略構成図である。入射制御装置17は、イオン源7から荷電粒子を加速器1に入射するタイミングを制御する。入射制御装置17は、例えば、回転コンデンサー10の静電容量を検知することにより、荷電粒子の入射から出射にかけて静電容量が増加するように、荷電粒子を入射する信号をイオン源7に出力する。
図18(a)、図18(b)は、本発明を実施するための実施の形態2に係る回転コンデンサーをそれぞれ順方向、逆方向に回転させた場合の静電容量の時間変化を示す関係図である。図18(a)に示すように、回転コンデンサー10が出射エネルギーE1に応じて順方向15に連続的に回転する場合、回転コンデンサー10の静電容量が、加速初期の周回周波数に対応する静電容量C1となるたびに、荷電粒子を入射する信号Aを出力する。また、図18(b)に示すように、回転コンデンサー10が出射エネルギーE2に応じて逆方向16に連続的に回転する場合、回転コンデンサー10の静電容量が、加速初期の周回周波数に対応する静電容量C2となるたびに、荷電粒子を入射する信号Aを出力する。このように、入射制御装置17は、回転方向ごとに出射エネルギーに応じて、加速に適したタイミングで周期的に荷電粒子を加速器1に入射させる。
ここで、入射タイミングを設定する方法として、回転コンデンサー10の静電容量を検知する例を示したが、その他、回転コンデンサー10の回転角、加速空洞5の静電容量、加速空洞5の共振周波数等を検知してもよい。
このような構成においても、実施の形態1と同様に、加速器1は、回転方向ごとに荷電粒子の出射エネルギーに応じた周波数変調を行う回転コンデンサー10を備えることで、異なるエネルギーの粒子線を出射させることができる。さらに本実施の形態では、入射制御装置17を備える構成とすることで、出射エネルギーの大きさに応じて加速に適したタイミングで荷電粒子を周期的に入射させることができ、異なるエネルギーの粒子線をより効率的に出射させることが可能となる。また、パルス状の荷電粒子を連続的に加速に適したタイミングで入射させることができ、十分な線量の粒子線を発生させることができる。
実施の形態3.
本発明を実施するための実施の形態3に係る粒子線治療装置100について説明する。本実施の形態では、実施の形態1又は2に係る加速器1を、粒子線治療装置100に適用する構成とした。実施の形態1及び2に係る加速器1と重複する説明は、適宜簡略化又は省略している。
図19は、本発明を実施するための実施の形態3に係る粒子線治療装置の概略構成図である。図19に示すように、粒子線治療装置100は、加速器1と、加速器1で出射された粒子線を輸送するビーム輸送部20と、ビーム輸送部20から供給された粒子線を照射野に成形して被照射体に照射する照射部30とを備える。
加速器1は、高周波電源9より高周波電力が供給され、内部に高周波電場を形成する。加速器1は、所定の出射エネルギーに応じて回転コンデンサー10の回転方向を決定し、高周波電場の周波数を変調させる。イオン源7から入射された荷電粒子は、回転コンデンサー10によって周波数変調された高周波電場により所定のエネルギーまで加速され、粒子線として出射される。
加速器1により出射された粒子線は、ビーム輸送部20へと出射される。ビーム輸送部20は、粒子線の輸送経路となる真空ダクトと、粒子線のビーム軌道を所定角度に偏向する偏向電磁石とを有する。照射部30は、ビーム輸送部20から供給された粒子線を治療する腫瘍の大きさや深さに応じた照射野に成形して被照射体に照射する。
本実施の形態に係る粒子線治療装置100によれば、順方向15及び逆方向16の回転方向ごとに出射エネルギーに応じた周波数変調を行う回転コンデンサー10を有する加速器1を備えることで、治療する腫瘍の大きさや深さに応じて、適したエネルギーの粒子線を効率的に照射することができる。加速器1で異なるエネルギーの粒子線を出射できる構成としたことで、一度発生させた高エネルギーの粒子線を加速器1外で強制的に低下させる場合に比べ、エネルギーの無駄を省き、効率的に粒子線を照射することができる。さらに、患者への放射線の被爆量を低減でき、患者の負担を軽減することが可能となる。
なお、実施の形態1から3では、加速器1としてシンクロサイクロトロンを例に説明したが、その他の円形加速器であってもよい。
1 加速器、2a,2b コイル、3a,3b 磁極、4 加速電極、5 加速空洞、6 出射ダクト、7 イオン源、8 周回軌道、9 高周波電源、10 回転コンデンサー、11 回転電極、12 固定電極、13 回転軸、14 モーター、15 順方向、16 逆方向、111 回転中心、112 先端部、113 中心軸、121 先端部、122 内周部、123 中心軸、17 入射制御装置、100 粒子線治療装置、20
ビーム輸送部、30、照射部。

Claims (5)

  1. 荷電粒子を加速する加速電極と、
    前記加速電極に電力を供給し、高周波電場を発生させる加速空洞と、
    順方向及び逆方向の双方に回転する回転電極、前記回転電極に対向して配置された固定電極を有し、前記順方向の回転により前記荷電粒子の第1の出射エネルギーに応じた前記高周波電場の周波数変調を行い、前記逆方向の回転により前記荷電粒子の第2の出射エネルギーに応じた前記高周波電場の周波数変調を行う回転コンデンサーと
    を備えることを特徴とする加速器。
  2. 前記回転コンデンサーの前記回転電極は、少なくとも1枚の羽根を有し、回転中心から前記回転電極の前記羽根の先端部の中心位置を通る中心軸に対して非対称に形成されることを特徴とする請求項1に記載の加速器。
  3. 前記回転コンデンサーの前記固定電極は、少なくとも1枚の羽根を有し、前記回転中心から前記固定電極の前記羽根の先端部の中心位置を通る中心軸に対して非対称に形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の加速器。
  4. 前記回転コンデンサーの静電容量、回転角、前記加速空洞の静電容量、共振周波数の少なくともいずれかを検知し、前記荷電粒子の入射のタイミングを制御する入射制御装置を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の加速器。
  5. 前記順方向及び前記逆方向の回転方向ごとに出射エネルギーに応じて周波数変調を行う前記回転コンデンサーを有する請求項1から4のいずれか一項に記載の加速器と、
    前記加速器で出射された粒子線を輸送するビーム輸送部と、
    前記ビーム輸送部から供給された前記粒子線を照射野に成形して被照射体に照射する照射部と
    を備えることを特徴とする粒子線治療装置。
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