JP2023127939A - 加速器及び粒子線治療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオンビーム取り出し効率を向上させることが可能な加速器を提供する。【解決手段】加速器の主磁場領域30の外周部に設けられた擾乱磁場領域は、磁場の強さが外側に向かうにつれて減少するピーラ領域31と、磁場の強さが外側に向かうにつれて増加するリジェネレータ領域32と、磁場の強さがピーラ領域31の磁場の強度よりも大きく、かつ、リジェネレータ領域32の磁場の強度よりも小さい略平坦領域33と、を有する。【選択図】図7

Description

本開示は、加速器及び粒子線治療装置に関する。
粒子線治療は、放射線治療の一種であり、腫瘍に陽子線又は炭素線のようなイオンビームを腫瘍に照射して腫瘍内の細胞を破壊する治療方法である。粒子線治療を施すための粒子線治療システムは、イオンを生成するイオン源、イオン源にて生成されたイオンを加速してイオンビームを形成する加速器、加速器にて形成されたイオンビームを加速器から治療室へと輸送するビーム輸送系、ビーム輸送系にて輸送されたイオンビームの腫瘍に対する照射方向を変える回転ガントリ、回転ガントリから腫瘍にイオンビームを照射する照射系、及び、これらの構成要素を制御する制御系を備えている。
粒子線治療システムには、加速器として、シンクロトロン、サイクロトロン又はシンクロサイクロトロンなどの円形加速器が用いられる。近年、粒子線治療システムの小型化を図るために、円形加速器の小型化が進展している。円形加速器の小型化の有力な手段は、円形加速器内でイオンビームを周回させる主磁場の強度を大きくすることであり、主磁場の強度を大きくする有力な手段は、主磁場を生成する主電磁石に超電導磁石を適用することである。超電導磁石の適用という観点からは、主磁場の大きさを動的に調整するシンクロトロンと比較して、静的な主磁場を用いるサイクロトロン及びシンクロサイクロトロンが有力である。非特許文献1には、主電磁石として超電導磁石を用いたシンクロサイクロトロンが開示されている。
サイクロトロン及びシンクロサイクロトロンのような主磁場が静的な円形加速器では、一般的に、外部に取り出されるイオンビームのエネルギーは固定されており、腫瘍に照射するイオンビームのエネルギーは、円形加速器の外部でディグレーダと呼ばれる散乱体によってイオンビームを減衰させることで調整されている。
これに対して、特許文献1には、静的な主磁場を使用しつつ、外に取り出すイオンビームのエネルギーを可変とすることで、外部でイオンビームを減衰させる必要のない円形加速器が開示されている。
特許文献1に記載の円形加速器は、円形加速器内を周回するイオンビームを所望のエネルギーまで加速した後に、イオンビームの進行方向及び主磁場の磁極ギャップ方向(以下、鉛直方向とする)に対して略垂直な方向(以下、水平方向とする)の高周波電場をイオンビームに印加する。高周波電場を印加されたイオンビームは、中心軌道を中心とした振動であるベータトロン振動の水平方向の振幅が徐々に増大し、ピーラ磁場及びリジェネレータ磁場と呼ばれる、中心軌道の周囲に形成されたベータトロン振動の共鳴を発生させるための磁場領域を通過する。ピーラ磁場及びリジェネレータ磁場を通過するイオンビームは、水平方向のベータトロン振動の振幅が急激に増大し、取り出し用のセプタム磁場へ入射して、加速器の外部へ取り出される。
特開2019-133745号公報
XiaoYu Wu, "Conceptual Design and Orbit Dynamics in a 250 MeV Superconducting Synchrocyclotron", Ph. D. Thesis, submitted to Michigan State University
ピーラ磁場及びリジェネレータ磁場を通過するイオンビームは、共鳴によって水平方向の振幅が急激に増加すると共に、垂直方向の振幅も増大する。イオンビームの垂直方向の振幅が増大すると、イオンビームの取り出し効率が低下するため、特許文献1に記載の技術では、イオンビームの取り出し効率について改善の余地がある。
本開示の目的は、イオンビーム取り出し効率を向上させることが可能な加速器及び粒子線治療装置を提供することにある。
本開示の一態様に従う加速器は、主磁場及び加速用高周波電場によって、イオンビームを周回させながら加速する加速器であって、互いに対向して配置される複数の磁極を有し、各磁極に挟まれた空間に前記主磁場を励起させる主磁場発生装置と、前記イオンビームを取り出す出射チャネルと、前記主磁場が励起されている主磁場領域を周回するイオンビームを前記主磁場領域の外側に変位させる変位部と、前記主磁場領域の外周部に設けられ、前記外側に変位されたイオンビームに擾乱を与えて前記出射チャネルに導く磁場を励起させる擾乱磁場領域と、を有し、前記擾乱磁場領域は、磁場の強さが外側に向かうにつれて減少する第1の領域と、磁場の強さが外側に向かうにつれて増加する第2の領域と、磁場の強さが前記第1の領域の磁場の強度よりも大きく、かつ、前記第2の領域の磁場の強度よりも小さい第3の領域と、を有する。
本発明によれば、イオンビーム取り出し効率を向上させることが可能になる。
本開示の実施例における粒子線治療システムの構成図である。 主磁場を生成する主磁場磁石の斜視図である。 主磁場磁石の垂直平面に沿った縦断面図である。 主磁場磁石の中間平面に沿った横断面図である。 主磁場の中心線上の磁場分布を示す図である。 イオンビームの周回軌道を説明するための図である。 主磁場の中間平面上の磁場分布を模式的に示す模式図である。 磁極周縁部における中間平面上の磁場の径方向分布を示す図である。 比較例を説明するための図である。 主磁場磁石の別の垂直平面による断面図である。
以下、本開示の実施例について図面を参照して説明する。
図1は、本開示に実施例に係る粒子線治療システムの全体構成を示す図である。図1に示す粒子線治療システム1001は、後述する加速器1004にてイオンを加速して形成したイオンビームを被検者に対して照射するシステムである。本実施例では、加速器1004は、イオンビームとして、イオンとして水素イオン、つまり陽子を用いたイオンビームを所定の範囲内の任意のエネルギーまで加速して出射する。所定の範囲は、本実施例では、70MeVから235MeVまでの範囲である。ただし、イオンビームは、ヘリウム及び炭素などを用いた重粒子イオンビームでもよく、出射するイオンビームのエネルギーである出射エネルギーは70MeVから235Mevまでの範囲に限らない。
図1に示す粒子線治療システム1001は、建屋(不図示)の床面に設置される。また、粒子線治療システム1001は、イオンビーム発生装置1002、ビーム輸送系1005、回転ガントリ1006、照射装置1007、治療計画装置1008及び制御システム1009を有する。また、イオンビーム発生装置1002は、イオン源1003と、加速器1004とを有する。
イオン源1003は、イオンを加速器1004に供給するイオン導入装置である。加速器1004は、イオン源1003から供給されたイオンを加速してイオンビームを形成し、そのイオンビームを出射する。加速器1004には、加速器1004を駆動するための電源である高周波電源1036、コイル励磁用電源1057及び出射チャネル用電源1082が接続される。また、加速器1004には、イオンビームの電流を測定するイオンビーム電流測定装置1098が接続される。イオンビーム電流測定装置1098は、移動装置1017及び位置検出器1039を含む。なお、加速器1004のより詳細な説明は後述する。
ビーム輸送系1005は、加速器1004から出射されたイオンビームを照射装置1007まで輸送する輸送系であり、イオンビームが通過するイオンビーム経路1048を有する。イオンビーム経路1048は、加速器1004におけるイオンビームを出射するための出射チャネル1019と照射装置1007とに接続される。また、イオンビーム経路1048には、加速器1004から照射装置1007に向かって、イオンビームを輸送するための電磁石が、複数の四極電磁石1046、偏向電磁石1041、複数の四極電磁石1047、偏向電磁石1042、四極電磁石1049、四極電磁石1050、偏向電磁石1043及び偏向電磁石1044の順に配置されている。
回転ガントリ1006は、回転軸1045を中心に回転可能に構成されており、照射装置1007を回転軸1045の周りで旋回させる回転装置である。イオンビーム経路1048の一部は、回転ガントリ1006に設置されている。また、イオンビームを輸送するための電磁石のうち、偏向電磁石1042、四極電磁石1049、1050、偏向電磁石1043及び1044は、回転ガントリ1006に設置されている。
照射装置1007は、回転ガントリ1006に取り付けられており、偏向電磁石1044の下流側でイオンビーム経路1048と接続される。
照射装置1007は、走査電磁石1051及び1052と、ビーム位置モニタ1053と、線量モニタ1054とを有する。走査電磁石1051、1052、ビーム位置モニタ1053及び線量モニタ1054は、照射装置1007のケーシング(不図示)内に配置されている。また、走査電磁石1051、1052、ビーム位置モニタ1053及び線量モニタ1054は、照射装置1007の中心軸、つまりイオンビームのビーム軸に沿って配置される。
走査電磁石1051及び走査電磁石1052は、それぞれイオンビームを偏向し、イオンビームを照射装置1007の中心軸に略垂直な平面内において互いに略直交する方向に走査する走査系を構成する。ビーム位置モニタ1053及び線量モニタ1054は、走査電磁石1051、1052の下流に配置される。ビーム位置モニタ1053は、イオンビームの通過位置を計測する。線量モニタ1054は、イオンビームの線量を計測する。
照射装置1007の下流側には、被検者である患者2001が横たわる治療台1055が照射装置1007に対向するように配置される。
治療計画装置1008は、患者2001に対するイオンビームの照射内容を治療計画として生成して制御システム1009に通知する。照射内容は、例えば、イオンビームの照射領域、照射エネルギー、照射角度及び照射回数などを含む。
制御システム1009は、治療計画装置1008から通知された治療計画に従って、イオンビーム発生装置1002、ビーム輸送系1005、回転ガントリ1006及び照射装置1007を制御して、イオンビームを患者2001に照射する制御部である。
制御システム1009は、中央制御装置1066、加速器・輸送系制御装置1069、走査制御装置1070、回転制御装置1071及びデータベース1072を有する。
中央制御装置1066は、治療計画装置1008から通知された治療計画に従って、加速器・輸送系制御装置1069、走査制御装置1070及び回転制御装置1071を介して、イオンビーム発生装置1002、ビーム輸送系1005、回転ガントリ1006及び照射装置1007を制御して、イオンビームを患者2001に照射する
加速器・輸送系制御装置1069は、イオンビーム発生装置1002及びビーム輸送系1005を制御する。走査制御装置1070は、照射装置1007を制御する。具体的には、走査制御装置1070は、ビーム位置モニタ1053及び線量モニタ1054の計測結果に基づいて、走査電磁石1051及び走査電磁石1052を制御して、イオンビームを走査する。回転制御装置1071は、回転ガントリ1006を制御する。データベース1072は、治療計画装置1008から通知された治療計画を保存する。また、データベース1072は、中央制御装置1066にて使用される種々の情報を保存してもよい。
また、中央制御装置1066は、中央演算装置であるCPU(Central Processing Unit)1067と、CPU1067に接続されたメモリ1068とを有する。なお、データベース1072、加速器・輸送系制御装置1069、走査制御装置1070及び回転制御装置1071は、中央制御装置1066内のCPU1067と接続されている。
CPU1067は、データベース1072に保存されている治療計画に応じて、粒子線治療システム1001を構成する各機器の制御を行うプログラムを読み取り、その読み取ったプログラムを実行して、粒子線治療システム1001内の各機器を制御する制御処理を実行する。具体的には、CPU1067は、加速器・輸送系制御装置1069、走査制御装置1070及び回転制御装置1071を介して各機器に指令を出力することで、各機器を制御し、治療計画に従って患者2001のイオンビームを照射する。メモリ1068は、プログラムのワークエリアとして使用されると共に、CPU1067の処理にて使用及び生成される種々のデータを記憶する。
なお、CPU1067にて実行されるプログラムは、1つのプログラムでもよいし、複数のプログラムに分かれていてもよい。プログラムによる処理の一部又は全てが専用のハードウェアで実現されてもよい。また、プログラムは、データベース1072から中央制御装置1066にインストールされてもよいし、不図示のプログラム配布サーバ又は外部記憶メディアになどから中央制御装置1066にインストールされてよい。また、制御システム1009内の各装置は、2つ以上の装置が有線又は無線にて接続された形態で構成されてもよい。
<加速器1004>
次に、図1~図4を用いて、イオンビーム発生装置1002の加速器1004についてより詳細に説明する。図2は、加速器1004の斜視図、図3は、加速器1004の垂直平面3に沿った縦断面図、図4は、加速器1004の中間平面2に沿った横断面図である。
(主磁場磁石1)
加速器1004は、図2~図4に示すように、主磁場磁石1を有する。主磁場磁石1は、イオンビームを周回させるための主磁場を発生させる主磁場発生装置であり、図2に示すように、主磁場磁石1は、鉛直方向から見て略円盤状の形状を有する上リターンヨーク4及び下リターンヨーク5を有する。
上リターンヨーク4及び下リターンヨーク5は、中間平面2に対して互いに略上下対称な形状を有する。中間平面2は、概ね主磁場磁石1の鉛直方向の中心を通り、加速器1004内で加速するイオンビームが描く軌道面に略一致する。
また、上リターンヨーク4及び下リターンヨーク5は、中間平面2に略垂直であり、かつ、概ね中間平面2における主磁場磁石1の中心を通過する平面である垂直平面3に対して、略面対称な形状を有する。なお、図2では、中間平面2の主磁場磁石1に対する交差部分が一点鎖線、垂直平面3の主磁場磁石1に対する交差部分が破線で示されている。
上リターンヨーク4及び下リターンヨーク5に囲まれた空間内には、図3に示すように、2つのコイル6が中間平面2に対して略面対称に配置されている。コイル6は、超電導コイルであり、例えば、ニオブチタンなどの超電導体を用いた超電導線材で構成されている。コイル6は、コイル6を冷却するための冷却機構であるクライオスタット(不図示)の内部に設置され、そのクライオスタットよって一定温度(コイル6が完全反磁性を示す温度)以下に冷却される。また、コイル6は、図1に示したコイル引出配線1022によって主磁場磁石1の外部に引き出されてコイル励磁用電源1057に接続される。コイル励磁用電源1057は、コイル6に電力を供給する電源であり、加速器・輸送系制御装置1069にて制御される。
また、上リターンヨーク4及び下リターンヨーク5に囲まれた空間におけるコイル6よりも内側には、真空容器7が設けられる。真空容器7は、内部を真空状態に保つための容器であり、例えば、ステンレスなどによって構成される。真空容器7の内部には、上部磁極8及び下部磁極9が中間平面2を挟んで面対称に配置されており、それぞれ上リターンヨーク4と下リターンヨーク5とに結合されている。上リターンヨーク4、下リターンヨーク5、上部磁極8及び下部磁極9は、例えば、不純物濃度を低減させた純鉄又は低炭素鋼などにて形成される。
上記構成を有する主磁場磁石1は、中間平面2を中心とする内部の加速空間20に対して、上下方向の磁場を印加する主磁場を形成する。主磁場は、中間平面2内において概ね一様であるが、わずかに非一様な強度分布を有する。
主磁場の強さは、イオン源1003から供給されたイオンが弱収束の原理によってイオンビームとして加速空間20内を安定的に周回するように設計される。弱収束の原理は、主磁場が外周に向かって近づくにつれて単調減少し、その勾配が所定の上限値から下限値の間に含まれる場合、イオンがイオンビームとして安定的に周回することを示す原理である。
図5は、主磁場の中心線上の強度分布を示す図である。中心線は、中間平面2と垂直平面3との交線であり、本実施例では、その交線に沿った方向をY軸方向、中間平面2上におけるY軸方向に垂直な方向をX軸方向としている。
図5に示すように、主磁場の強度は、中間平面2方向における上部磁極8及び下部磁極9の中心である磁極中心O2からY軸方向にずれた所定の位置O1において、最も大きく、上部磁極8と下部磁極9の外周に近づくにつれて徐々に低下する。なお、以下では、位置O1を主磁場分布の中心と呼ぶこともある。
(イオン源1003)
イオン源1003は、図2の例では、主磁場磁石1の上に設置されている。上リターンヨーク4及び上部磁極8には、イオン源1003からのイオンを加速空間20の位置O1に導くための貫通孔17が設けられている。貫通孔24の中心軸(イオン入射軸)12は、中間平面2に略垂直であり、位置O1まで通っている。イオン源1003は、貫通孔17の上部に配置され、貫通孔17を介してイオンを加速空間20の位置O1に導入する。なお、イオン源1003は、主磁場磁石1の内部に設置されてもよい。この場合は、貫通孔17は、不要である。
(出射チャネル1019)
また、加速器1004は、図2~図4に示すように、イオンビームを取り出してビーム輸送系1005に出射する出射チャネル1019を有する。出射チャネル1019は、本実施例では、電磁石(不図示)を有する構成であり、加速空間20の外側、より具体的には、上部磁極8及び下部磁極9のY軸上における主磁場分布の中心O1に近い方の外周部に配置される。出射チャネル1019は、Y軸近傍に開口1019aを有し、開口1019aから所望のエネルギーのイオンビームを取り込んで、上リターンヨーク4及び下リターンヨーク5に設けられた貫通孔18を介して、加速器1004の外部に取り出す。貫通孔18は、ビーム輸送系1005の先端が設置されており、取り出されたイオンビームはビーム輸送系1005を介して照射装置1007に導かれる。
出射チャネル1019の電磁石に電力を供給する給電線は、上リターンヨーク4及び下リターンヨーク5に設けられた貫通孔15から、加速器1004の外部に引き出され、図1に示した出射チャネル用電源1082と接続される。出射チャネル用電源1082は、出力チャネルに電力を供給すうる電源であり、加速器・輸送系制御装置1069にて制御される。なお、出射チャネル1019は、電磁石を備えずに、磁性体のみで構成されてもよい。この場合、出射チャネル1019用の電源は不要である。
(高周波加速空胴1037)
また、加速器1004は、加速空間20に入射されたイオンを加速してイオンビームを形成するための部材である高周波加速空胴1037を有する。高周波加速空胴1037は、中間平面2を挟んで配置された一対のディー電極1037aを含む。ディー電極1037aは、鉛直方向から見て扇形形状を有する。ディー電極1037aは、扇形の頂点(中心)が主磁場分布の中心O1の近傍にあり、磁極中心O2を含むイオンビームの軌道の一部を覆うように配置される。
ディー電極1037aの半径方向の端面に対向するように、接地電極(不図示)が配置され、ディー電極1037aの半径方向の端面と接地電極との間に、イオンビームを加速する加速用高周波電場である加速電場が形成される。
ディー電極1037aが位置O1を頂点とする扇形に形成されていることにより、周回するイオンビームの進行方向が加速電場と平行になるように、つまり、イオンビームが周回する各周回軌道の中心を通ってX軸に平行な軸が各周回軌道と交差する位置に加速電場を印加することができる。
高周波加速空胴1037は、上リターンヨーク4及び下リターンヨーク5の間に、Y軸方向に沿って設けられた貫通孔16を通って主磁場磁石1の外部に引き出され、その外部にて導波管1010と接続されている。導波管1010には、高周波電源1036が接続されている。高周波電源1036は、導波管1010を通して、高周波加速空胴1037に電力を供給する電源であり、加速器・輸送系制御装置1069にて制御される。高周波電源1036から供給される電力により、ディー電極1037aと接地電極との間に加速電場として高周波電場が励起される。
加速空間20内を周回するイオンビームの軌道である周回軌道の軌道半径は、後述するようにイオンビームの加速に伴って徐々に増大する。イオンビームを適切に加速させるためには、加速電場は、イオンビームと同調させる必要があり、そのためには、高周波加速空胴1037の共振周波数をイオンビームのエネルギーに応じて変調する必要がある。共振周波数の変調は、例えば、高周波加速空胴1037のインダクタンス又は静電容量を調整することにより行われる。高周波加速空胴1037のインダクタンス又は静電容量を調整する調整方法として、公知の方法を用いることができる。例えば、静電容量を調整する場合、高周波加速空胴1037に接続させた可変容量キャパシタの容量が制御されることで、共振周波数が変調される。
(周回軌道の疎密)
図6は、加速空間20を周回するイオンビームの周回軌道を説明するための図であり、エネルギーの異なるイオンビームの各周回軌道125を示す。
イオン源1003から加速空間20に導入されたイオンは、加速電場である高周波電場によりイオンビームとして形成されて加速空間20内を周回する。加速空間20における主磁場は、図5で示したように、磁極中心O2からずれた位置O1で最大であり、上部磁極8及び下部磁極9の外周に近づくにつれて徐々に低減する。この場合、エネルギーの小さいイオンビームは、位置O1を中心とする軌道に沿って周回する。イオンビームは、高周波電場によって加速されるにつれ、軌道半径が大きくなるとともに、軌道の中心が上部磁極8及び下部磁極9の中心軸13の位置O2に徐々に近づく。図4に示す最大エネルギーを有するイオンビームの周回軌道127は、上部磁極8及び下部磁極9の外周に略沿った形状となり、その中心は位置O2と概ねに一致する。
したがって、イオンビームの周回軌道125は、図6に示すように、位置O1とY軸方向の加速空間20の端部の位置Y1との間で密となり、位置O1と上部磁極8及び下部磁極9の中心の位置O2を挟んで逆側のY軸方向の端部の位置Y2との間で疎となる。
例えば、図4のように、周回軌道125のうち、取り出し可能なイオンビームのうちの最大エネルギー(235Mev)に相当する最大エネルギービームの周回軌道127の中心は、磁極中心O2と概ね一致する。また、取り出し可能なイオンビームのうち最低エネルギーに相当する最低エネルギービームの周回軌道126の中心O3は、磁極中心O2と主磁場分布の中心O1とを結ぶ線分上にある。
(イオンビームの取り出し)
加速器1004は、加速空間20内を周回しているイオンビームを出射チャネル1019に導くための機構として、高周波キッカ40、ピーラ領域31、リジェネレータ領域32及び略平坦領域33とを有し、周回軌道125の粗密を利用して、所定の範囲のエネルギーを有するイオンビームを取り出す。
高周波キッカ40は、加速空間20における主磁場が励起された主磁場領域を周回するイオンビームを外側に変位させる変位部である。高周波キッカ40は、例えば、イオンビームに対して、水平方向の高周波電場を印加することにより、イオンビームのベータトロン振動の振幅が増大させる。これにより、イオンビームは、ピーラ領域31、リジェネレータ領域32及び略平坦領域33を通過するように変位する。ピーラ領域31、リジェネレータ領域32及び略平坦領域33は、高周波キッカ40にて変位されたイオンビームに擾乱を与えて出射チャネル1019に導く磁場を励起させる擾乱磁場領域を構成する。
図7は、ピーラ領域31、リジェネレータ領域32及び略平坦領域33の配置を説明するための図であり、イオンビームが周回する中間平面2上の磁場分布を示している。
図7に示す主磁場領域30には、図5に示した磁場分布が形成されている。主磁場領域30の外側の磁極周縁部には、ピーラ領域31、リジェネレータ領域32及び略平坦領域33が形成されている。ピーラ領域31及びリジェネレータ領域32は、主磁場領域30におけるイオンビームの周回軌道125が密になっている密領域の外側にある。
図8は、ピーラ領域31、リジェネレータ領域32及び略平坦領域33における磁場の径方向分布を示す図である。ピーラ領域31の磁場分布は、図7のAA’線に沿った磁場分布に対応し、リジェネレータ領域32の磁場分布は、図7のBB’線に沿った磁場分布に対応し、略平坦領域33の磁場分布は、図7のCC’線に沿った磁場分布に対応する。
ピーラ領域31、リジェネレータ領域32及び略平坦領域33の最も内側の位置(位置A、B、C)における磁場は、ほぼ一致している。ピーラ領域31は、外側に向かう(AからA’に向かう)につれて、磁場の強さが比較的大きく減少する第1の領域である。リジェネレータ領域32は、外側に向かう(BからB’に向かう)につれて、磁場の強さが比較的大きく増加する第2の領域である。略平坦領域33は、磁場が略一定の第3の領域である。略平坦領域33の磁場は、本実施例では、外側に向かう(CからC’に向かう)につれて、ピーラ領域31の磁場よるも緩やかに僅かに減少する。このため、各領域の外周部では、ピーラ領域31の磁場が最も小さく、リジェネレータ領域32の磁場が最も大きく、平坦領域33の磁場は、ピーラ領域31とリジェネレータ領域32の磁場の間の大きさとなる。
以下、加速器1004から所望のエネルギーを有するイオンビームを取り出す際の動作について説明する。
加速器・輸送系制御装置1069は、中央制御装置1066からの指令に応じて、イオン源1003にイオンを生成させ、そのイオンを、貫通孔17を通して主磁場磁石1内の加速空間20における位置O1に導入する。加速器・輸送系制御装置1069は、高周波加速空胴1037を用いて、加速空間20に加速電場を発生させ、イオンを加速してイオンビームを形成する。形成されたイオンビームは、周回運動しながらエネルギーを増加させていく。
イオンビームが所望のエネルギーに到達すると、加速器・輸送系制御装置1069は、高周波加速空胴1037に供給する電力をオフにし、さらに高周波キッカ40をオンにする。これにより、イオンビームには、主磁場に重畳して高周波電場が印加される。その結果、イオンビームの周回軌道125が径方向(位置Y1へ近づく方向)に変位する。例えば、図7に示すように、イオンビームが最低エネルギービームの場合、周回軌道126が周回軌道126′のように径方向に変位し、イオンビームが最大エネルギービームの場合、周回軌道127が周回軌道127′のように径方向に変位する。
その結果、イオンビームは、ピーラ領域31及びリジェネレータ領域32を通過する。これにより、2/2共鳴と呼ばれる水平方向ベータトロン振動の共鳴が発生し、イオンビームが径方向に発散して出射チャネル1019の開口1019aに到達する。イオンビームは、出射チャネル1019によって周回軌道から完全に離脱し、貫通孔18を通って加速器1004の外部に取り出される。
図9は、比較例として、非特許文献1に記載のイオンビームの取り出し方法である従来方法を説明するための図である。
従来方法では、最大エネルギーを有するイオンビームのみが取り出しの対象である。このため、主磁場領域30Aを周回するイオンビームの周回軌道128が同心円状に形成され、イオンビームが加速されることで周回軌道が拡大し、それにより、イオンビームがピーラ領域31A及びリジェネレータ領域32Aを通過する。このとき、最大エネルギーを有するイオンビームだけを取り出せばよいので、ピーラ領域31Aは、リジェネレータ領域32Aを除く磁極周縁部の全周にわたって形成されている。つまり、ピーラ領域31Aの磁場勾配とリジェネレータ領域32Aの磁場勾配は、最大エネルギーを有するイオンビームだけを考慮して設計されていた。
これに対して、本実施例では、取り出すイオンビームのエネルギーが可変である。そのため、最大エネルギービームだけでなく、最低エネルギービームが通過する領域にピーラ領域31及びリジェネレータ領域32を形成する必要がある。
ベータトロン振動による共鳴を適切に引き起こすためには、磁場勾配の大きさと磁場勾配を有する領域を通過する長さの積が重要である。図7に示されているように、イオンビームがピーラ領域31及びリジェネレータ領域32を通過する長さは、イオンビームのエネルギーが小さいほど短くなる。このため、低エネルギーのイオンビームに共鳴を引き起こすためには、ピーラ領域31及びリジェネレータ領域32を通過する通過長の短さを補うように磁場勾配を大きくすることが好ましい。
最低エネルギービームよりも大きいエネルギーを有するイオンビームは、最低エネルギービームと同じピーラ領域31及びリジェネレータ領域32を通過する。このため、略平坦領域33の代わりに、比較例のピーラ領域31Aのような勾配磁場が分布する領域が形成されていると、磁場勾配の大きさと磁場勾配を有する領域を通過する長さの積が大きくなりすぎてしまい、イオンビームが水平方向及び垂直方向に対して不安定化してしまう。
このため、本実施例では、ピーラ領域31が狭い範囲に制限され、ピーラ領域31及びリジェネレータ領域32を除いた磁極周縁部が図8に示したような略一定の磁場を有する略平坦領域33となっている。なお、磁極周縁部では磁場が減少することが自然であること、及び、弱収束の原理によりイオンビームが安定することから、本実施例では、略平坦領域33における磁場は、僅かな減少勾配を有している。
また、本実施例では、ピーラ領域31の磁場勾配を比較例よりも大きくするために、図3に示したように、ピーラ領域31を挟む位置41における上部磁極8及び下部磁極9のギャップ間隔Lは、リジェネレータ領域32を挟む位置及び略平坦領域33を挟む位置におけるギャップ間隔よりも大幅に広い。なお、図10は、リジェネレータ領域32を通る垂直平面に沿った加速器1004の縦断面図であり、リジェネレータ領域32を挟む位置42におけるギャップ間隔Mと、略平坦領域33を挟む位置43おけるギャップ間隔Nが示されている。図10に示されているように、ギャップ間隔Nはギャップ間隔Mよりも広い。
また、本実施例では、ピーラ領域31を挟む位置41におけるギャップ間隔Lが大きいことを利用して、ピーラ領域31の位置に出射チャネル1019の入り口である開口1019aが設置されている。ただし、開口1019aは、ピーラ領域31の位置に設置されていなくてもよい。
以上説明したように本実施例によれば、加速器1004の主磁場領域30の外周部に設けられた擾乱磁場領域は、磁場の強さが外側に向かうにつれて減少するピーラ領域31と、磁場の強さが外側に向かうにつれて増加するリジェネレータ領域32と、磁場の強さがピーラ領域31の磁場の強度よりも大きく、かつ、リジェネレータ領域32の磁場の強度よりも小さい略平坦領域33と、を有する。このため、イオンビームのベータトロン振動の共鳴が発生する領域であるピーラ領域31及びリジェネレータ領域32をイオンビームが通過する距離を短くすることが可能となるため、イオンビームの垂直方向の振幅が増大することを抑制することが可能となり、イオンビーム取り出し効率を向上させることが可能となる。
また、本実施例では、略平坦領域33は、磁場の強さが外側に向かうにつれてピーラ領域31よりも緩やかに減少する。この場合、弱収束の原理により、イオンビームを安定的にピーラ領域31及びリジェネレータ領域32を通過させることが可能となる。
また、本実施例では、イオン源1003は、主磁場領域30における磁極中心O2よりも出射チャネル側の所定の位置O1にイオンを導入する。ピーラ領域31及びリジェネレータ領域32は、イオン源1003によるイオンを導入する位置O1よりも出射チャネル1019側に設けられる。この場合、出射チャネル1019側で密となる周回軌道を形成することが可能となるため、ビームの取り出しに必要なキック量を小さくすることが可能となり、所望のエネルギーを有するビームを容易に取り出すことが可能となる。
また、本実施例では、略平坦領域33は、ピーラ領域31及びリジェネレータ領域32を合わせた領域よりも大きいため、ピーラ領域31及びリジェネレータ領域32をイオンビームが通過する距離をより短くすることが可能となる。
また、本実施例では、出射チャネル1019の入口である開口1019aがピーラ領域31に設けられている。この場合、出射チャネル1019の開口1019aをピーラ領域31の外側に設置する場合と比較して、取り出されるイオンビームが開口1019aに到達するまでの周回数を1又は2回ほど少なくすることが可能になる。これによって、イオンビームの垂直方向及び水平方向の広がりを抑制することができるので、取り出されるイオンビームの質を向上させることができる。
また、本実施例では、主磁場磁石1は、イオンビームが周回する周回軌道が偏心しながら加速するように主磁場を発生させる。このため、ビームの取り出しに必要なキック量を小さくすることが可能となり、所望のエネルギーを有するビームを容易に取り出すことが可能となる。
上述した本開示の実施例は、本開示の説明のための例示であり、本開示の範囲をそれらの実施例にのみ限定する趣旨ではない。当業者は、本開示の範囲を逸脱することなしに、他の様々な態様で本開示を実施することができる。
1:主磁場磁石 4:上リターンヨーク 5:下リターンヨーク 6:コイル 7:真空容器 8:上部磁極 9:下部磁極 20:加速空間 30:主磁場領域 31:ピーラ領域 32:リジェネレータ領域 33:略平坦領域 40:高周波キッカ 1001:粒子線治療システム 1002:イオンビーム発生装置 1003:イオン源 1004:加速器 1005:ビーム輸送系 1006:回転ガントリ 1007:照射装置 1008:治療計画装置 1009:制御システム 1019:出射チャネル 1019a:開口 1037:高周波加速空胴

Claims (8)

  1. 主磁場及び加速用高周波電場によって、イオンビームを周回させながら加速する加速器であって、
    互いに対向して配置される複数の磁極を有し、各磁極に挟まれた空間に前記主磁場を励起させる主磁場発生装置と、
    前記イオンビームを取り出す出射チャネルと、
    前記主磁場が励起されている主磁場領域を周回するイオンビームを前記主磁場領域の外側に変位させる変位部と、
    前記主磁場領域の外周部に設けられ、前記外側に変位されたイオンビームに擾乱を与えて前記出射チャネルに導く磁場を励起させる擾乱磁場領域と、を有し、
    前記擾乱磁場領域は、
    磁場の強さが外側に向かうにつれて減少する第1の領域と、
    磁場の強さが外側に向かうにつれて増加する第2の領域と、
    磁場の強さが前記第1の領域の磁場の強度よりも大きく、かつ、前記第2の領域の磁場の強度よりも小さい第3の領域と、を有する、加速器。
  2. 前記第3の領域では、磁場の強さが外側に向かうにつれて前記第1の領域よりも緩やかに減少する、請求項1に記載の加速器。
  3. 前記主磁場領域における前記磁極の中心よりも前記出射チャネル側の所定の位置に前記イオンビームを形成するイオンを導入するイオン導入装置をさらに有し、
    前記第1の領域及び前記第2の領域は、前記所定の位置よりも前記出射チャネル側に設けられる、請求項1に記載の加速器。
  4. 前記第3の領域は、前記第1の領域及び前記第2の領域を合わせた領域よりも大きい、請求項1に記載の加速器。
  5. 前記出射チャネルにおける前記イオンビームが入射される入口が前記第1の領域に設けられている、請求項1に記載の加速器。
  6. 前記磁極における前記第1の領域を挟む第1の部分の間隔は、前記磁極における前記第2の領域を挟む第2の部分の間隔よりも広く、
    前記磁極における前記第3の領域を挟む第3の部分の間隔は、前記第1の部分の間隔よりも狭く、かつ、前記第2の部分の間隔よりも広い、請求項1に記載の加速器。
  7. 前記主磁場発生装置は、前記イオンビームが周回する周回軌道が偏心しながら加速するように前記主磁場を発生させる、請求項1に記載の加速器。
  8. 請求項1に記載の加速器と、
    前記加速器から取り出されたイオンビームを照射する照射装置と、を有する粒子線治療装置。

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