JP2005286618A - 無停波切替装置 - Google Patents

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Kibatsu Shinohara
己抜 篠原
Hiroshi Kawamoto
川本  博
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Abstract

【課題】 地上デジタル放送および中継で使用でき、瞬断の発生がなく、構成が簡単になって小型で使い易く、コストの安い無停波切替装置を提供する。
【解決手段】 二つの3端子サーキュレーターと、その3端子サーキュレーターを接続する副線路と、少なくとも一つの可変リアクタンス素子および可変リアクタンス素子のリアクタンス値を連続して変化させる駆動手段を備えて無停波切替装置を構成し、二つの3端子サーキュレーターの一つは、第1の送信機を接続する端子と、副線路を接続する端子および疑似負荷を接続する端子を備え、他の3端子サーキュレーターは、第2の送信機を接続する端子と、副線路を接続する端子および空中線を接続する端子を備え、可変リアクタンス素子は副線路の中間位置に設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、一つの空中線を第1および第2の送信機の何れか一方の出力に接続中に、無停波で他方の出力に切り替え接続する送信機出力の無停波切替装置に関する。
テレビジョン放送送信機システムおよびテレビジョン放送中継装置は、停波等によるサービスの低下を避けるため、多くの場合、予備の送信機を備えている。現用の送信機に不具合が生じた時、または、保守・点検の時に現用機から予備の送信機に切り替えて放送・中継を継続している。従来この切り替えには、同軸の接点式切替器または導波管の回転式切替器等が用いられていた。
しかしこれらの切替器は、切り替えの際、約0.5〜2秒の間伝送回路を切断することがその構造上避けられず、この間放送または中継が中断するいわゆる停波を起こす欠点を有していた。
この問題を解決する一つの方法として提案されたものに「動作中の送信機出力の同軸切換装置」(特許文献1)がある。すなわち、図8に示す「結合度3dBの方向性結合器2個(10、20)を使用し、その両方または片方の主線路入力端子(#1)に送信機(40,50)出力を接続し、両方の非結合出力端子(#3)には適当なる負荷(60、70)を接続して主線路の出力端子(#2)同士および副線路の結合出力端子(#4)同士を結び、かつそれらの中間に2個の容量結合形同軸切換器(3−1、3−2)を置き、これを同時に開閉することによって動作中の送信機出力を切り換える同軸切換装置」である。
その作用・効果は前記公報によると「容量結合形同軸切換器を使用すれば、切換器3−1と3−2を同時に切る場合も、静電容量が変化し、反射波の位相が変わるだけで、切換器を損傷することがない。従って通電中に切換器を開放しても異常がないので本考案の切換装置では送信機動作中の切り換えが可能となる。」
容量結合形同軸切替器を用いた上記同軸切替装置は、送信機の切り替えの際、その構造・動作により数100ミリ秒の停波が避けられないが、アナログ放送において、また従来の技術レベルにおいてはやむを得ないものとして許容されていた。
放送を開始した地上波デジタル放送においては、1マイクロ秒以下の瞬断・電力低下では停波は生じないが、数マイクロ秒の瞬断・電力低下が発生すると、この間のデータの欠落によりテレビ画面上の表示画像が数秒間停止(フリーズ)する。また、サービスエリアの外縁部では、テレビ受像機が受信不能となる。
前記特許文献1の切替装置で用いる容量結合形同軸切替器は、例えば、特許文献1に引用された特許文献2に開示されているように固定電極と可動電極とを有し、これら二つの電極によりキャパシターを構成し、可動電極の作動で生じる容量値(すなわちリアクタンス値)の変化を利用する可変リアクタンス素子をなし、無停波切替装置を構成している。
なお、可動電極の動きは、固定電極より離れる場合または固定電極に近づく場合の軸方向の直線運動と、他の固定電極の位置まで移動する回転運動とからなり、その動作は複雑である。この複雑な動作により開閉する容量結合形同軸切替器を2台同時に開閉し、しかも双方の動作にズレが生じないように駆動することは非常に困難なことである。ズレが発生するということは、二つの可変リアクタンス素子のリアクタンス値が同一値に保持されていない状態を云い、無停波切替装置においては瞬断となる。このズレの大きさは瞬断の長さに相当する。
周波数の低い高周波領域では、上記の容量結合形同軸切替器を構成するキャパシターが容易に得られるが、周波数の高い高周波領域、マイクロ波領域では低損失で大容量のキャパシターを実現することは困難である。また、特許文献1の同軸切替装置は、前述の通り二つの結合度3dBの方向性結合器、主線路、副線路、二つの容量結合形同軸切替器で構成されており、構造が大がかりになり、装置が大型化し、コストも高くなる。
さらに特許文献1には記載されていないが、その作用・効果を得るためには二つの可変リアクタンス素子である容量結合形同軸切替器のリアクタンスを同一値に保ちつつかつ連続して変化させるための駆動手段が必要であり、その構成はさらに複雑になり、コストもさらに高くなることは避けられない。
実開昭57−104668号公報 実開昭52−50034号公報
本発明は上述した問題を解決し、デジタル放送および中継で使用可能、かつ、小型で安価な無停波切替装置を提案することを目的とする。
本発明による送信機出力の無停波切替装置は、一つの空中線を第1および第2の送信機の何れか一方の出力に接続中に、継続して他方の出力に切り替え接続する装置で、二つの3端子サーキュレーターと、その二つの3端子サーキュレーターを接続する副線路と、その副線路の中間位置に設けた少なくとも一つの可変リアクタンス素子および可変リアクタンス素子のリアクタンス値を連続して変化させる駆動手段を備えたことを特徴とする。前記二つの3端子サーキュレーターの一つは、第1の送信機を接続する端子と、副線路を接続する端子および疑似負荷を接続する端子を備え、他の3端子サーキュレーターは、第2の送信機を接続する端子と、副線路を接続する端子および空中線を接続する端子を備えている。
上記可変リアクタンス素子は、少なくとも一つの可動短絡板を用い、その可動短絡板が機械的に可動することによりリアクタンス値が変化する構造を持つプランジャー方式のものが用いられる。この方式には後述するように、可動短絡板が外導体に接触し、電気的短絡状態になる接触型と、接触せずにチョーク構造により電気的短絡状態になる非接触型とがあるが、何れを用いてもよい。
上記可変リアクタンス素子はまた、少なくとも一つのダイオードを用い、そのダイオードにバイアス電圧を印加してダイオードの電極間のリアクタンス値の変化を利用するダイオード方式のものを用いることもできる。ダイオード方式で用いるダイオードは、印加するバイアス電圧値によりダイオードの電極間の容量が変化する可変容量ダイオードが好ましい。
前記可変リアクタンス素子を、副線路上に送信機出力周波数の4分の1波長間隔で複数個配設して、可変リアクタンス素子それぞれのリアクタンス値の変化幅を少しずつ変えることなどにより、テレビ放送数チャンネル分
上記可変リアクタンス素子はまた、以上の周波数帯域をカバーできる無停波切替装置が可能になる。
本発明によるもう一つの無停波切替装置は、一つの空中線を第1および第2の送信機の何れか一方の出力に接続中に、継続して他方の出力に切り替え接続する装置で、二つの3端子サーキュレーターと、その二つの3端子サーキュレーターを接続する副線路と、その副線路の中間位置に設け、バイアス電圧を印加して電極間の抵抗値変化を利用するPINダイオードを用いた少なくとも一つの可変抵抗素子およびPINダイオードの抵抗値を高速で変化させる駆動手段を備えたことを特徴とする。前記二つの3端子サーキュレーターの一つは、第1の送信機を接続する端子と、副線路を接続する端子および疑似負荷を接続する端子を備え、他の3端子サーキュレーターは、第2の送信機を接続する端子と、副線路を接続する端子および空中線を接続する端子を備えている。
前記可変抵抗素子を、副線路上に送信機出力周波数の4分の1波長間隔で複数個配設して、可変抵抗素子それぞれの抵抗値の変化幅を少しずつ変えることなどにより、テレビ放送数チャンネル分以上の周波数帯域をカバーできる無停波切替装置が可能になる。
本発明は、可動短絡板を直線的に可動させるだけでリアクタンス値を可変とするプランジャー方式、あるいはダイオードに印加する電圧を可変してリアクタンス値を可変する電子式動作のダイオード方式を用いているので、単純動作の可変リアクタンス素子が得られ、しかも1台で無停波切替装置を構成できるので、リアクタンス値の不同一による瞬断の発生することもなく、1マイクロ秒以下(理論的には、瞬断0秒)の無停波切替装置を実現することができる。
本発明は、PINダイオードに印加する電圧を変化して抵抗値を変化し、抵抗値をほぼ0Ωないし数MΩの間で高速切り替えする電子式動作を用いているので、1マイクロ秒以下の切り替えが可能である。したがって例えば、抵抗値の高速切り替え中に本切替装置が接続する伝送路の特性インピーダンスと同じ抵抗値になった場合、その瞬間に所謂インピーダンス整合がとれ、PINダイオードの装着位置へ向かってくる全ての電力がPINダイオードに吸収される状態となる瞬断が発生したとしても1マイクロ秒以下にすることができ、デジタル放送および中継に十分使用可能な無停波切替装置が得られる。
本発明に係る無停波切替装置は、二つの3端子サーキュレーター、一つの副線路、少なくとも一つの可変リアクタンス素子あるいは可変抵抗素子および一つの駆動手段とで構成することができ、単純で小型な構造となり、安価な無停波切替装置を提供することが可能になった。また、駆動手段も引用文献1のように二つの可変リアクタンス素子のリアクタンスを同一値に保ちつつ、かつ、連続して変化させる必要がないので、構成が簡単になってコストも安くなる。
可変リアクタンス素子あるいは可変抵抗素子を二つの3端子サーキュレーターを連結する副線路の中間位置に少なくとも一つ設ければ、テレビ放送1チャンネル分の周波数帯域を充分にカバーする無停波切替装置を形成することができる。さらに可変リアクタンス素子あるいは可変抵抗素子を複数個として送信機の出力周波数の4分の1波長間隔で配設すれば、テレビ放送数チャンネル分以上の周波数帯域をカバーできる無停波切替装置が可能になる。
本発明に係る無停波切替装置の構成を以下図によって詳細に説明する。図1は本発明に係る無停波切替装置(二点鎖線で囲む)の1例を示す図であって、二つの3端子サーキュレーター、それを連結する副線路、可変リアクタンス素子および可変リアクタンス素子を動かす駆動手段で構成される。図1において二つの3端子サーキュレーター1および2は、その内部に装着したフェライトの持つ非可逆性を利用した部材であり、サーキュレーター1および2はそれぞれ3個の端子1A、1B、1Cおよび2A、2B、2Cを備える。その端子1Aは送信機4に、端子1Cは疑似負荷6に、それぞれ接続し、また、端子2Aは送信機5に、端子2Cは空中線7に、それぞれ接続する。端子1Bと2Bは副線路8の両端に接続し、副線路8の中間位置に可変リアクタンス素子3が接続される。前記のように可変リアクタンス素子は副線路8上に送信機出力周波数の4分の1波長間隔で複数個配設することもできる。
可変リアクタンス素子3には駆動手段9が接続され、この駆動手段9からの信号により可変リアクタンス素子3のリアクタンス値が連続的に変化し、副線路8の中間位置における二つの送信機4および5の出力を、全反射と全通過の間で連続的に変化させ、それぞれの送信機出力を空中線7に切り替え供給する。二つの送信機4および5のそれぞれの出力は、振幅および位相が同一値に調整されているものとする。これで空中線7には送信機4あるいは送信機5の送信出力の100%に相当する電力が常時供給され、瞬断はもとより電力低下も発生しない安定したデジタル放送・中継が可能になるのである。
3端子サーキュレーター1の端子1Aに入力した送信機4の出力電力は、非可逆特性により端子1Cには出現せず全て端子1Bに現れ、副線路8を伝わって可変リアクタンス素子3に到達する。もし、可変リアクタンス素子3で反射される電力があったとすると、その反射電力は副線路8を戻り、3端子サーキュレーター1の端子1Bに入力し、再び非可逆特性により反射電力の全てが1Cに現れ、疑似負荷6に入力し吸収される。
このように、端子1Aに入力した電力が端子1Bに、端子1Bに入力した電力が端子1Cに、同様に端子1Cに入力した電力が端子1Aに現れる場合、図1に示した矢印のように表示しその矢印の方向に従って電力の伝達は「反時計方向に回転する」と言う。また、図1の3端子サーキュレーター2の矢印は、その機能上、3端子サーキュレーター1の矢印と逆向きを示しているので、3端子サーキュレーター2における電力の伝達は「時計方向に回転する」と言う。なお、3端子サーキュレーターの内部に装着したフェライトに印加する磁界の向きにより「回転方向」を任意に決めることができる。
可変リアクタンス素子3の代表的なものとして、可動短絡板を用いるプランジャー方式とダイオードを用いるダイオード方式とがあり、それらについて、いずれも同軸型を例として説明する。プランジャー方式の可変リアクタンス素子としては、接触型と非接触型の2種類がある。図2(a)は接触型の可変リアクタンス素子の斜視図、図2(b)はその接触片の取り付け状態を示す断面図である。図2に示すように副線路8に接続する分岐線路310と外導体340との間に可動短絡板321を配置し、可動短絡板321の内側と外側に接触片332と331が装着され、分岐線路310、可動短絡板321および外導体340とそれぞれ機械的に接触するように構成されている。この接触部分が電気的に短絡状態となり、短絡点を形成する。
図3(a)は非接触型の可変リアクタンス素子の斜視図、図3(b)はその接触片取り付け状態を示す断面図である。図3に示すように副線路8に接続する分岐線路310と外導体340との間に可動短絡板322を配置し、可動短絡板322の内側に接触片333が装着されるところは接触型と同じであるが、可動短絡板322の軸方向の長さを送信機の出力周波数の4分の1波長とし、可動短絡板322と外導体340との間に適当な空隙を設けることによりチョーク構造としたものである。このチョーク構造により、分岐線路310と外導体340は機械的には非接触であるが可動短絡板322の副線路側の端部が電気的に短絡状態になり、短絡点を形成する。
従って、プランジャー方式の可変リアクタンス素子は、可動短絡板を分岐線路に沿って動かすことにより短絡点が分岐線路上を移動し、副線路と分岐線路との接続点からの移動距離によって副線路上の接続点におけるリアクタンス値が変化する。チョーク構造の空隙は狭細なので機械的接触、あるいは放電を避けるためこの空隙に絶縁体を挿入してもよい。非接触型の可変リアクタンス素子を高い周波数帯域で使用する場合などで、一つの可動短絡板ではチョーク構造の短絡状態が不充分な状態になることがある。この場合、送信機出力周波数の4分の1波長間隔で可動短絡板を分岐線路の軸方向に複数個配置することにより、不充分な短絡状態を補うことができる。
ダイオード方式の可変リアクタンス素子の1例を図4に示す。その構成は、副線路8に取り付けたホルダー350にダイオード360の一方の端子を装着し、ダイオード360の他方の電極にキャップ370を被せ、キャップ370と駆動手段としてのバイアス電源380の出力端子380Aを接続し、バイアス電源380の他方の出力端子380Bを外導体340に接続してなり、その動作は、バイアス電源380の出力電圧の値によりダイオード360の両電極間の容量すなわちリアクタンス値が変化する。これは、副線路上のホルダー350の位置におけるリアクタンス値が変化することである。なお、ホルダー350はダイオード360を副線路8に固定する機能を有し、キャップ370は、外導体340とは電気的に絶縁され、外導体との高周波インピーダンスを極力低くする機能を有するように設計する。一つのダイオードだけでは充分なリアクタンス値の変化が得られない場合があるが、そのような場合、例えば同一地点に複数個のダイオードを並列に配置することにより、所望のリアクタンス値の変化を得ることができる。
可変リアクタンス素子として、プランジャー方式とダイオード方式のものについて説明したが、他にフィルター回路を副線路の中間位置に配置し、その回路定数を可変にすることによりリアクタンス値を変化させて可変リアクタンス素子とする等の方式がある。以上、同軸型の可変リアクタンス素子を例として説明したが、導波管型の場合は、同軸型の可変リアクタンス素子において内導体にあたる副線路、分岐線路を取り除き、外導体の軸方向の断面形状が円形であるのを矩形に置き替えることにより構成することができ、同様の機能を得ることができる。
可変抵抗素子を用いた無停波切替装置の構成は、前記[発明を実施するための最良の形態]における段落番号[0034]〜[0035]で「可変リアクタンス素子」を「可変抵抗素子」に変更し、「リアクタンス値」を「抵抗値」に読み替えることで説明できる。また、PINダイオードを用いた可変抵抗素子の1例の説明は、前記段落番号[0031]において「ダイオード」を「PINダイオード」に、「可変リアクタンス素子」を「可変抵抗素子」に、「リアクタンス値」を「抵抗値」に読み替えることで可能である。
以下図5から図7までを併せて参照して本発明に係る無停波切替装置の切り替え動作について、伝送系は同軸を用いているものとして説明する。なお、図中の可変リアクタンス素子3は接触型プランジャー方式の可変リアクタンス素子を用いているものとする。図5および図6は図1に示した切替装置における送信機の出力電力の流れ(鎖線)を示す説明図である。図5は副線路8と分岐線路310との接続点Sから可動短絡板321の短絡点Tまでの線路長を送信機の出力周波数の4分の1波長としている。この場合、接続点Sは通過状態にあり、接続点Sに向かってくる電力はそのまま接続点Sを通過して進行する。いわゆる全通過の状態である。
このとき送信機4および送信機5の出力電力は、各々3端子サーキュレーター1および2の非可逆特性により図に示した方向に回転した後1Bおよび2Bから副線路8を進行し接続点Sに到達する。接続点Sにおいて全通過した電力は、各々副線路8をさらに進行し各々3端子サーキュレーター2および1の端子2Bおよび1Bに到達し、各々3端子サーキュレーター2および1の非可逆特性により図に示した方向に回転しそれぞれ空中線7と疑似負荷6に到る。すなわち、送信機4の出力電力は、そのほぼ100%が空中線7から出力され、送信機5の出力電力は、そのほぼ100%が疑似負荷6に吸収される。この状態は、図7における横軸の時刻t0に相当する。図7は二つの送信機の空中線出力の経時変化を示す図である。
図6は、副線路8と分岐線路310との接続点Sから可動短絡板321の短絡点Tまでの線路長を送信機の出力周波数の2分の1波長としている。この場合、接続点Sは短絡状態にあり、接続点Sに向かってくる電力は、接続点においてそのほぼ100%がもと来た方向に戻される。いわゆる全反射の状態である。
このとき送信機4および送信機5の出力電力は、それぞれ3端子サーキュレーター1および2の非可逆特性により図に示した方向に回転した後、1Bと2Bから副線路8を進行し接続点Sに到達する。そして接続点Sにおいて全反射された電力は、それぞれ副線路8を今来た方向に逆行して再度3端子サーキュレーター1および2の端子1Bと2Bに戻り、3端子サーキュレーター各々の非可逆特性により図に示した方向に回転しそれぞれ疑似負荷6および空中線7に到る。すなわち送信機4の出力電力は、そのほぼ100%が疑似負荷6に吸収され、送信機5の出力電力は、そのほぼ100%が空中線7から出力される。この状態は図7における横軸の時刻t3以降に相当する。
以上伝送系に同軸を用いた例で説明したが、導波管を用いた場合は、図5において副線路8と分岐線路310との接続点Sから可動短絡板321の短絡点Tまでの線路長を送信機の出力周波数の2分の1波長とし、図6においては接続点Sから短絡点Tまでの線路長を送信機の出力周波数の4分の1波長とすれば、図5および図6における電力の流れは同軸の場合と同じになる。
以上図7においてt0およびt3以降について説明したので、次に時刻t1〜t3について説明する。図7の時刻t1は、図5において駆動手段9からの信号により可変リアクタンス素子3が動き始めた時刻であり、可変リアクタンス素子3のリアクタンス値が全通過の状態の値から、全反射の状態の値に向かって変化し始めた時刻、また、副線路8と分岐線路310との接続点Sから可動短絡板321の短絡点Tまでの線路長が、送信機の出力周波数の4分の1波長から2分の1波長まで変化し始めた時刻でもある。
リアクタンス値が変化し始めると、全通過の状態であった接続点Sにおいて、リアクタンス値の変化量に伴ってインピーダンスが変化し、副線路8の特性インピーダンスとに差異が生じ、生じた差異の大きさに応じた反射が起こる。接続点Sに向かう電力の反射量が次第に大きくなり、そのぶん通過する電力の量が小さくなる。時間の経過と共に反射量が連続的に増大し、通過量が連続的に減少する。副線路8と分岐線路310との接続点Sから可動短絡板321の短絡点Tまでの線路長が、送信機の出力周波数の2分の1波長になったとき通過量が0、反射量が100%、すなわち図6の全反射の状態になる。この状態を表しているのが図7の時刻t1〜t3である。
空中線7における電力レベルは、送信機4と送信機5の出力電力の和の電力値となるので、図7に示す通り常に送信機4あるいは送信機5の送信出力の100%に相当する値となる。なお、時刻t2は、空中線7に送信機4と送信機5の出力の各1/2の電力が伝送された状態で、可変リアクタンス素子で通過電力と反射電力が半々になる状態であり、副線路と分岐線路との接続点Sから可動短絡板の短絡点Tまでの線路長が、送信機の出力周波数の電気長に置き替えると153.4度になるときである。
本発明を構成する3端子サーキュレーターの特徴の一つに、周囲温度の影響を受けやすいことがあり、この温度特性を補償する必要が生ずる場合がある。内部に装着したフェライトの透磁率などの持つ温度特性により、3端子サーキュレーターのアイソレーション特性などが周囲温度により変動することがあるので、無停波切替装置の各端子間のアイソレーション(クロストーク)特性の劣化を招きやすい。補償方法の一例として、コイルを巻いた電磁石を用いてコイルに流す電流を制御し、磁界強度を変化させて温度補償する方式がある。
本発明に係る無停波切替装置は、リアクタンス値の不同一による瞬断の発生もなく、1マイクロ秒以下の無停波切り替えができ、構成が簡単になってコストも安くなるので、地上波デジタル放送および中継に使用が可能であり、可変リアクタンス素子あるいは可変抵抗素子を複数個配設すれば、テレビ放送数チャンネル分以上の周波数帯域をカバーすることが可能となり、数チャンネル分の信号を同時に、しかも無停波で切り替えることができるので情報化社会にあって多様な利用が期待できる。
無停波切替装置の1例を示す図 (a)接触型の可変リアクタンス素子の斜視図 (b)(a)の接触片の取り付け状態を示す断面図 (a)非接触型の可変リアクタンス素子の斜視図 (b)(a)の接触片の取り付け状態を示す断面図 ダイオード方式の可変リアクタンス素子の斜視図 送信機の出力電力の流れを示す説明図 送信機の出力電力の流れを示す説明図 送信機の空中線出力の経時変化を示す図 特許文献1の切替装置回路図
符号の説明
1、2 3端子サーキュレーター
3 可変リアクタンス素子
4、5 送信機
6 疑似負荷
7 空中線
8 副線路
9 駆動手段
310 分岐線路
321、322 可動短絡板
331 接触片(外導体側)
332、333 接触片(分岐線路側)
340 外導体
360 ダイオード
350 ホルダー
370 キャップ
380 バイアス電源
380A、380B 出力端子

Claims (7)

  1. 二つの3端子サーキュレーターと、該二つの3端子サーキュレーターの一つの端子同士を接続する副線路と、該副線路の中間位置に設けた少なくとも一つの可変リアクタンス素子および該可変リアクタンス素子のリアクタンス値を連続して変化させる駆動手段を備えたことを特徴とし、前記二つの3端子サーキュレーターの一つは、3端子のうちの一つの端子を前記副線路に接続し、残りの2端子のうちの一方を第1の送信機に、他方を疑似負荷に接続し、前記二つの3端子サーキュレーターの他の3端子サーキュレーターは、前記副線路に接続する端子以外の2端子のうちの一方を第2の送信機に、他方を空中線に接続した無停波切替装置。
  2. 前記可変リアクタンス素子は、少なくとも一つの可動短絡板を用い、該可動短絡板が機械的に可動することによりリアクタンス値が変化することを特徴とする請求項1記載の無停波切替装置。
  3. 前記可変リアクタンス素子は、少なくとも一つのダイオードを用い、該ダイオードに印加する電圧によりリアクタンス値が変化することを特徴とする請求項1記載の無停波切替装置。
  4. 前記ダイオードは、可変容量ダイオードである請求項3記載の無停波切替装置。
  5. 前記可変リアクタンス素子を、4分の1波長間隔で複数個配設した請求項1記載の無停波切替装置。
  6. 二つの3端子サーキュレーターと、該二つの3端子サーキュレーターの一つの端子同士を接続する副線路と、該副線路の中間位置に設け印加電圧で抵抗値が変化するPINダイオードを用いた少なくとも一つの可変抵抗素子および該可変抵抗素子の抵抗値を高速で変化させる駆動手段を備えたことを特徴とし、前記二つの3端子サーキュレーターの一つは、3端子のうちの一つの端子を前記副線路に接続し、残りの2端子のうちの一方を第1の送信機に、他方を疑似負荷に接続し、前記二つの3端子サーキュレーターの他の3端子サーキュレーターは、前記副線路に接続する端子以外の2端子のうちの一方を第2の送信機に、他方を空中線に接続した無停波切替装置。
  7. 前記可変抵抗素子を、4分の1波長間隔で複数個配設した請求項6記載の無停波切替装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008028923A (ja) * 2006-07-25 2008-02-07 Nec Corp 高周波電力合成器
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TWI678222B (zh) * 2017-12-21 2019-12-01 日商三菱電機股份有限公司 加速器及粒子線治療裝置

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