JPWO2019111981A1 - 電気化学デバイス - Google Patents

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Abstract

導電性高分子を含む活性層を具備し、フロート特性を向上させた電気化学デバイスのであって、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、電解液と、を備えた電気化学デバイスであって、正極活物質は、ポリアニリン類を含み、電解液は、カチオンと、アニオンと、を含み、カチオンが、少なくともリチウムイオンを含み、アニオンが、少なくともアルキル硫酸エステルアニオン、フルオロリン酸アニオン、および、二座配位子含有錯体アニオンよりなる群から選択される少なくとも1つを含む。

Description

本発明は、導電性高分子を含む活性層を具備する電気化学デバイスに関する。
近年、リチウムイオン二次電池と電気二重層キャパシタの中間的な性能を有する電気化学デバイスが注目を集めており、例えば導電性高分子を正極材料として用いることが検討されている(例えば、特許文献1)。正極材料として導電性高分子を含む電気化学デバイスは、アニオンの吸着(ドープ)と脱離(脱ドープ)により充放電を行うため、反応抵抗が小さく、一般的なリチウムイオン二次電池に比べると高い出力を有している。
特開2014−35836号公報
電気化学デバイスの充電方法は様々である。例えば、フロート充電では、電気化学デバイスに一定電圧が連続的に印加される。しかしながら、正極集電体上に導電性高分子を含む活性層が形成された正極を用いる場合、充電期間が長くなるにつれ容量が減少し、フロート特性が低下する。
上記に鑑み、本発明の一局面は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、電解液と、を備え、前記正極活物質は、ポリアニリン類を含み、前記電解液は、カチオンと、アニオンと、を含み、前記カチオンが、少なくともリチウムイオンを含み、前記アニオンが、少なくともアルキル硫酸エステルアニオン、フルオロリン酸アニオン、および、二座配位子含有錯体アニオンよりなる群から選択される少なくともいずれか1つを含む、電気化学デバイスに関する。
本発明によれば、電気化学デバイスのフロート特性の低下が抑制される。
図1は、本発明の一実施形態に係る正極の断面模式図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る電気化学デバイスの断面模式図である。 図3は、同実施形態に係る電極群の構成を説明するための概略図である。
本実施形態に係る電気化学デバイスは、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、電解液と、を備える。正極活物質は、ポリアニリン類を含む。
電気化学デバイスのフロート特性が低下する理由は、フロート充電中、正極の内部抵抗が増大するためであると推察される。内部抵抗が増大することにより電圧が低下して、容量が減少する。この容量の減少が、フロート特性の低下を意味する。一般に、導電性高分子を正極活物質に用いる電気化学デバイスは、フロート特性が低下しやすい傾向がある。
さらに、化学重合により合成された導電性高分子を用いる場合、導電性高分子の粉末同士を接着し、正極活物質の成形および加工を容易とするために、導電性高分子に結着剤(バインダー)が添加される。しかしながら、結着剤の添加は、正極側の内部抵抗を増大させる。導電性高分子の表面を覆う結着剤がドーパントであるアニオンの吸着を妨げる結果、内部抵抗の増大を招くことがあり得る。
一方で、電解重合により合成された導電性高分子を用いる場合、結着剤は不要であるが、電解重合の際に反応液に含まれていた硫酸イオン(SO 2−)が、導電性高分子中に僅かに(例えば、導電性高分子がポリアニリンの場合、1000ppm以下の濃度で)残存し、または電解液中に溶出していることがあり得る。当該硫酸イオンは、正極において、正極材料(ポリアニリンや正極集電体)および/または電解液の分解反応を引き起こす虞がある。この結果、内部抵抗が上昇し、フロート特性の低下を招いていることが考えられる。
しかしながら、本発明者は、鋭意研究により、導電性高分子としてポリアニリン類を用いる場合に、特定の添加剤を電解液に加えることで、フロート特性の低下を抑制できることを見出した。
本実施形態において、電解液は、カチオンと、アニオンと、を含有し、カチオンは、少なくともリチウムイオンを含む。アニオンは、添加剤として、下記に示す化合物のいずれかを含有する。
(1)アルキル硫酸エステルアニオン:R1をアルキル基として、下記化学式(1):
[R1−O−SO
で表されるアニオンである。R1としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。より好ましくは、アニオンは、CHOSO 、COSO 、および、COSO よりなる群から選択される少なくともいずれか1つを含むとよい。
(2)フルオロリン酸アニオン:例えば、下記化学式(2):
[PO5−2x−y
で表されるアニオン(ただし、x、yはそれぞれx≧1、y≧1を満たす整数)である。Pの周囲を、OまたはFが、最大で6配位まで結合することができる。したがって、x+y≦6が好ましい。このとき、P、O、Fのイオン価数をそれぞれ+5、−2、−1として、フルオロリン酸アニオン全体のイオン価数は5−2x−yとなる。フルオロリン酸アニオン全体のイオン価数は、−1〜−3価であることが好ましい。したがって、1≦2x+y−5≦3であることが好ましい。
これらの条件を満たすフルオロリン酸アニオンのなかでも、PO 、および、PO よりなる群から選択される少なくともいずれか1つを含むことが、より好ましい。
(3)二座配位子含有錯体アニオン:例えば、下記化学式(3)で表されるアニオンであり、ジカルボン酸の2つのカルボキシレートイオン(COO)が元素Mと配位結合した構造を含む。Mはホウ素またはリンであり、Mがホウ素の場合、N(配位数)=4、Mがリンの場合、N=6である。R2はハロゲン基である。kは整数でk≧1、N−2k≧0を満たす。カルボキシレートイオンが配位していない配位座には、ハロゲンイオンが配位することができる。しかしながら、全ての配位座にカルボキシレートイオンが配位していることが好ましい。q=1の場合、R3は炭素数1〜5のアルキレン基である。q=0の場合、2つのカルボニル基同士が直接結合している。ジカルボン酸は、シュウ酸(q=0)、マロン酸(q=1、R3=CH)、コハク酸(q=1、R3=CHCH)が好ましく、シュウ酸が最も好ましい。
Figure 2019111981
上記化学式(3)で表されるアニオンの中でも、より好ましい例として、特に下記の化学式(4)〜(8)で表されるものが挙げられる。
Figure 2019111981
Figure 2019111981
Figure 2019111981
Figure 2019111981
Figure 2019111981
電解液には、上記アニオンを含む塩(第1塩)のほか、第1塩と異なる第2塩が含まれていてよい。以下において、第1塩を構成するアニオンを、第1アニオンと呼び、第2塩を構成するアニオンを、第2アニオンと呼ぶ。第1塩を構成するカチオンを、第1カチオンと呼び、第2塩を構成するカチオンを、第2カチオンと呼ぶ。第2アニオンは、正極活物質において、第2アニオンのドープと脱ドープによって、充放電に寄与する。一方、第2カチオンは、負極活物質において、第2カチオンの吸蔵と放出によって、充放電に寄与する。第2カチオンは、好ましくは、リチウムイオンである。第2塩は、好ましくは、六フッ化リン酸リチウム(LiPF)である。
第1カチオンは、好ましくはアルカリ金属イオンであり、より好ましくは、リチウムイオンである。
本実施形態において、第1カチオンと第1アニオンの第1塩が、添加剤として、電解液に加えられる。第1カチオンと第1アニオンの第1塩は、特に正極側で作用し、内部抵抗の上昇抑制に寄与すると考えられる。導電性高分子が化学重合で合成されたポリアニリンであっても、電解重合で合成されたポリアニリンであっても、フロート特性を向上できる。第1塩は、電解液の全量に対して0.01〜4質量%含まれていることが好ましい。より好ましくは、第1塩の含有量は電解液の全量に対して0.01〜3質量%であるとよく、さらに好ましくは、第1塩の含有量は電解液の全量に対して0.01〜2質量%であるとよい。上記の含有量の範囲は、複数種類の第1塩を含有する場合には、それぞれの第1塩の含有量の合計の範囲である。
また、第1塩は、上記の化学式(1)〜(8)で表される第1アニオンを含む化合物の中から複数種類を選択し、電解液に添加することが好ましい。より好ましくは、第1塩は、上記アルキル硫酸エステルアニオンに分類される第1アニオンを含む化合物の中から1種以上を選択し、および/または、フルオロリン酸アニオンに分類される第1アニオンを含む化合物の中から1種以上を選択し、および/または、二座配位子含有錯体アニオンに分類される第1アニオンを含む化合物の中から1種以上を選択し、全部で少なくとも2種類の第1アニオンを添加するとよい。さらに好ましくは、第1塩は、上記アルキル硫酸エステルアニオンに分類される第1アニオンを含む化合物、フルオロリン酸アニオンに分類される第1アニオンを含む化合物、および、二座配位子含有錯体アニオンに分類される第1アニオンを含む化合物の中から、それぞれ1種以上を選択し、全部で少なくとも3種類の第1アニオンを添加するとよい。
第1塩がアルキル硫酸エステルアニオンのリチウム塩を含む場合、当該リチウム塩の含有量は、電解液の全量に対して0.01〜2質量%であると好ましい。第1塩がフルオロリン酸アニオンのリチウム塩を含む場合、当該リチウム塩の含有量は、電解液の全量に対して0.01〜2質量%であると好ましい。第1塩が二座配位子含有錯体アニオンのリチウム塩を含む場合、当該リチウム塩の含有量は、電解液の全量に対して0.01〜2質量%であると好ましい。
第1塩が、アルキル硫酸エステルアニオンのリチウム塩、フルオロリン酸アニオンのリチウム塩、および、二座配位子含有錯体アニオンのリチウム塩から選択される2種以上を含む場合、第1塩の含有量が電解液の全量に対して4質量%を超えない範囲で、各リチウム塩の含有量が、電解液の全量に対して上記範囲を満たすことがより好ましい。
また、正極活物質または電解液中に、SO 2−が、ポリアニリン類の質量に対して1000ppm以下の割合で含まれていても構わない。正極活物質として導電体高分子を電解重合により合成した場合であっても、フロート特性の低下の抑制効果が得られる。
なお、ポリアニリンとは、アニリン(C−NH)をモノマーとし、C−NH−C−NH−のアミン構造単位、および/または、C−N=C=N−のイミン構造単位を有するポリマーを指す。しかしながら、導電性高分子として用いることのできるポリアニリンは、これに限られるものではない。例えば、ベンゼン環の一部にメチル基などのアルキル基が付加されたものや、ベンゼン環の一部にハロゲン基等が付加された誘導体なども、アニリンを基本骨格とする高分子である限り、本発明のポリアニリン類に含まれる。
≪電気化学デバイス≫
以下、本発明に係る電気化学デバイスの構成について、図面を参照しながら、より詳細に説明する。
本実施形態に係る電気化学デバイスは、正極と、負極と、これらの間に介在するセパレータと、を具備する電極群を備える。正極は、例えば図1に示すように、正極集電体111と、正極集電体111上に形成されたカーボン層112と、カーボン層112上に形成された活性層113と、を備える。活性層113は、導電性高分子を含む。
正極集電体111は、例えば金属材料により構成されており、その表面には、自然酸化被膜が形成され易い。そこで、正極集電体111と活性層113との間の抵抗を低減するために、導電性炭素材料を含むカーボン層112を正極集電体111上に形成してもよい。カーボン層112は、例えば、導電性炭素材料を含むカーボンペーストを正極集電体111の表面に塗布して塗膜を形成し、その後、塗膜を乾燥することで形成される。カーボンペーストは、例えば、導電性炭素材料と、高分子材料と、水または有機溶媒との混合物である。カーボンペーストに含まれる高分子材料として、電気化学的に安定なフッ素樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル、合成ゴム(例えば、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)等)、水ガラス(珪酸ナトリウムのポリマー)、イミド樹脂等が一般に用いられている。
導電性炭素材料には、黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン、カーボンブラックなどを用いることができる。なかでも、カーボンブラックは、薄くて導電性に優れたカーボン層112が形成され易い点で好ましい。導電性炭素材料の平均粒径D1は特に限定されないが、例えば、3〜500nmであり、10〜100nmであることが好ましい。平均粒径とは、レーザー回折式の粒度分布測定装置により求められる体積粒度分布におけるメディアン径(D50)である(以下、同じ)。なお、カーボンブラックの平均粒径D1は、走査型電子顕微鏡で観察することにより、算出してもよい。
正極は、正極集電体と、正極集電体上に形成された、導電性高分子層(活性層)113とを含み、導電性高分子層113がセパレータと接触する。
図2は、本実施形態に係る電気化学デバイス100の断面模式図であり、図3は、同電気化学デバイス100が具備する電極群10の一部を展開した概略図である。
図2に示すように、電気化学デバイス100は、電極群10と、電極群10を収容する容器101と、容器101の開口を塞ぐ封口体102と、封口体102を覆う座板103と、封口体102から導出され、座板103を貫通するリード線104A、104Bと、各リード線と電極群10の各電極とを接続するリードタブ105A、105Bと、を備える。容器101の開口端近傍は、内側に絞り加工されており、開口端は封口体102にかしめるようにカール加工されている。
(正極集電体)
正極集電体には、例えば、シート状の金属材料が用いられる。シート状の金属材料としては、例えば、金属箔、金属多孔体、パンチングメタル、エキスパンデッドメタル、エッチングメタルなどが用いられる。正極集電体111の材質としては、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、チタンなどを用いることができ、好ましくは、アルミニウム、アルミニウム合金が用いられる。正極集電体の厚みは、例えば、10〜100μmである。
(活性層)
活性層113は、導電性高分子を含む。本実施形態において、導電性高分子は、ポリアニリン類を含む。活性層113は、例えば、正極集電体111を、導電性高分子の原料モノマー(即ち、アニリン)を含む反応液に浸漬し、正極集電体111の存在下で原料モノマーを電解重合することにより形成される。このとき、正極集電体111をアノードとして電解重合を行うことにより、導電性高分子を含む活性層113は、カーボン層112の表面を覆うように形成される。活性層113の厚みは、例えば、電解の電流密度や重合時間を適宜変えることで容易に制御することができる。活性層113の厚みは、例えば、10〜300μmである。ポリアニリンの重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば1000〜100000である。
活性層113は、電解重合以外の方法で形成されてもよい。例えば、原料モノマーを化学重合することにより、導電性高分子を含む活性層113を形成してもよい。あるいは、予め調製された導電性高分子もしくはその分散体(dispersion)や溶液を用いて活性層113を形成してもよい。
活性層113は、ポリアニリン以外の導電性高分子を含んでいてもよい。ポリアニリンと共に用いることのできる導電性高分子としては、π共役系高分子が好ましい。π共役系高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリチオフェンビニレン、ポリピリジン、または、これらの誘導体を用いることができる。導電性高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば1000〜100000である。ポリアニリンと共に用いられる導電性高分子の原料モノマーとしては、例えばピロール、チオフェン、フラン、チオフェンビニレン、ピリジンまたはこれらの誘導体を用いることができる。原料モノマーは、オリゴマーを含んでもよい。
なお、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリチオフェンビニレン、ポリピリジンの誘導体とは、それぞれ、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリチオフェンビニレン、ポリピリジンを基本骨格とする高分子を意味する。例えば、ポリチオフェン誘導体には、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)などが含まれる。
活性層113にポリアニリン以外の導電性高分子を含む場合、活性層113を構成する全ての導電性高分子に対するポリアニリンの割合は、90質量%以上であることが好ましい。
電解重合または化学重合は、第2アニオン(ドーパント)を含む反応液を用いて行うことが望ましい。導電性高分子の分散液や溶液もまた、ドーパントを含むことが望ましい。π電子共役系高分子は、ドーパントをドープすることで、優れた導電性を発現する。例えば、化学重合では、ドーパントと酸化剤と原料モノマーとを含む反応液に正極集電体111を浸漬し、その後、反応液から引き揚げて乾燥させればよい。また、電解重合では、ドーパントと原料モノマーとを含む反応液に正極集電体111と対向電極とを浸漬し、正極集電体111をアノードとし、対向電極をカソードとして、両者の間に電流を流せばよい。
反応液の溶媒には、水を用いてもよいが、モノマーの溶解度を考慮して非水溶媒を用いてもよい。非水溶媒としては、エチルアルコール、メチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ポロプレングリコールなどアルコール類などを用いることが望ましい。導電性高分子の分散媒あるいは溶媒としても、水や上記非水溶媒が挙げられる。
ドーパントとしては、硫酸イオン、硝酸イオン、燐酸イオン、硼酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、ナフタレンスルホン酸イオン、トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン(CFSO )、過塩素酸イオン(ClO )、テトラフルオロ硼酸イオン(BF )、ヘキサフルオロ燐酸イオン(PF )、フルオロ硫酸イオン(FSO )、ビス(フルオロスルホニル)イミドイオン(N(FSO )、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドイオン(N(CFSO )などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ドーパントは、高分子イオンであってもよい。高分子イオンとしては、ポリビニルスルホン酸、ポリスチレンスルホン酸、ポリアリルスルホン酸、ポリアクリルスルホン酸、ポリメタクリルスルホン酸、ポリ(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)、ポリイソプレンスルホン酸、ポリアクリル酸などのイオンが挙げられる。これらは単独重合体であってもよく、2種以上のモノマーの共重合体であってもよい。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
反応液、導電性高分子の分散液あるいは導電性高分子の溶液のpHは、活性層113が形成され易い点で、0〜4であることが好ましい。
(負極)
負極は、例えば負極集電体と負極材料層とを有する。
負極集電体には、例えば、シート状の金属材料が用いられる。シート状の金属材料としては、例えば、金属箔、金属多孔体、パンチングメタル、エキスパンデッドメタル、エッチングメタルなどが用いられる。負極集電体の材質としては、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ステンレス鋼などを用いることができる。
負極材料層は、負極活物質として、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵および放出する材料を備えることが好ましい。このような材料としては、炭素材料、金属化合物、合金、セラミックス材料などが挙げられる。炭素材料としては、黒鉛、難黒鉛化炭素(ハードカーボン)、易黒鉛化炭素(ソフトカーボン)が好ましく、特に黒鉛やハードカーボンが好ましい。金属化合物としては、ケイ素酸化物、錫酸化物などが挙げられる。合金としては、ケイ素合金、錫合金などが挙げられる。セラミックス材料としては、チタン酸リチウム、マンガン酸リチウムなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、炭素材料は、負極の電位を低くすることができる点で好ましい。
負極材料層には、負極活物質の他に、導電剤、結着剤などを含ませることが望ましい。導電剤としては、カーボンブラック、炭素繊維などが挙げられる。結着剤としては、フッ素樹脂、アクリル樹脂、ゴム材料、セルロース誘導体などが挙げられる。フッ素樹脂としては、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体などが挙げられる。アクリル樹脂としては、ポリアクリル酸、アクリル酸−メタクリル酸共重合体などが挙げられる。ゴム材料としては、スチレンブタジエンゴムが挙げられ、セルロース誘導体としてはカルボキシメチルセルロースが挙げられる。
負極材料層は、例えば、負極活物質と、導電剤および結着剤などとを、分散媒とともに混合して負極合剤ペーストを調製し、負極合剤ペーストを負極集電体に塗布した後、乾燥することにより形成される。
負極には、予めリチウムイオンをプレドープすることが望ましい。これにより、負極の電位が低下するため、正極と負極の電位差(すなわち電圧)が大きくなり、電気化学デバイスのエネルギー密度が向上する。
リチウムイオンの負極へのプレドープは、例えば、リチウムイオン供給源となる金属リチウム層を負極材料層の表面に形成し、金属リチウム層を有する負極を、リチウムイオン伝導性を有する電解液(例えば、非水電解液)に含浸させることにより進行する。このとき、金属リチウム層からリチウムイオンが非水電解液中に溶出し、溶出したリチウムイオンが負極活物質に吸蔵される。例えば負極活物質として黒鉛やハードカーボンを用いる場合には、リチウムイオンが黒鉛の層間やハードカーボンの細孔に挿入される。プレドープさせるリチウムイオンの量は、金属リチウム層の質量により制御することができる。
負極にリチウムイオンをプレドープする工程は、電極群を組み立てる前に行なってもよく、非水電解液とともに電極群を電気化学デバイスのケースに収容してからプレドープを進行させてもよい。
(セパレータ)
セパレータとしては、セルロース繊維製の不織布、ガラス繊維製の不織布、ポリオレフィン製の微多孔膜、織布、不織布などが好ましく用いられる。セパレータの厚みは、例えば10〜300μmであり、10〜40μmが好ましい。
(電解液)
電極群は、非水電解液を含むことが好ましい。
非水電解液は、第1カチオンと第1アニオンの第1塩と、第2カチオンと第2アニオンの第2塩と、上記第1塩および第2塩を溶解させる非水溶媒とを含む。このとき、第2アニオンは、正極へのドープと脱ドープとを、可逆的に繰り返すことが可能である。第2カチオンは、可逆的に負極に吸蔵および放出されることが可能である。第2カチオンは、リチウムイオンであることが好ましい。第1アニオンは、上述の化学式(1)〜(8)で表されるものを用いることができる。第1カチオンは、リチウムイオンであることが好ましい。即ち、第1塩および第2塩は、どちらもリチウム塩であることがより好ましい。
第2塩を構成するリチウム塩としては、例えば、LiClO、LiBF、LiPF、LiAlCl、LiSbF、LiSCN、LiCFSO、LiFSO、LiCFCO、LiAsF、LiB10Cl10、LiCl、LiBr、LiI、LiBCl、LiN(FSO、LiN(CFSOなどが挙げられる。これらは1種を単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。なかでも、アニオンとして好適なハロゲン原子を含むオキソ酸アニオンを有するリチウム塩およびイミドアニオンを有するリチウム塩よりなる群から選択される少なくとも1種を用いることが望ましい。非水電解液中のリチウム塩の濃度は、例えば0.2〜4モル/Lであればよく、特に限定されない。
非水溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネートなどの環状カーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネートなどの鎖状カーボネート、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルなどの脂肪族カルボン酸エステル、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどのラクトン類、1,2−ジメトキシエタン(DME)、1,2−ジエトキシエタン(DEE)、エトキシメトキシエタン(EME)などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフランなどの環状エーテル、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、トリメトキシメタン、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−プロパンサルトンなどを用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
非水電解液に、必要に応じて非水溶媒に添加剤を含ませてもよい。例えば、負極表面にリチウムイオン伝導性の高い被膜を形成する添加剤として、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジビニルエチレンカーボネートなどの不飽和カーボネートを添加してもよい。
(製造方法)
以下、本発明の電気化学デバイスの製造方法の一例について、図2および3を参照しながら説明する。ただし、本発明の電気化学デバイスの製造方法はこれに限定されるものではない。
電気化学デバイス100は、例えば、正極集電体111にカーボンペーストを塗布して塗膜を形成した後、塗膜を乾燥してカーボン層112を形成する工程と、カーボン層上に導電性高分子を含む活性層113を形成して、正極11を得る工程と、得られた正極11、セパレータ13および負極12をこの順に積層する工程と、を備える方法により製造される。さらに、正極11、セパレータ13および負極12をこの順に積層して得られた電極群10は、非水電解液とともに容器101に収容される。活性層113の形成は、用いられる酸化剤やドーパントの影響により、通常、酸性雰囲気下で行われる。
カーボンペーストを正極集電体111に塗布する方法は特に限定されず、慣用の塗布方法、例えば、スクリーン印刷法、ブレードコーター、ナイフコーター、グラビアコーターなどの各種コーターを利用するコーティング法、スピンコート法等が挙げられる。得られた塗膜の乾燥は、例えば、130℃〜170℃で、5〜120分間行えばよい。これにより、緻密なフィルム状のカーボン層112が形成され易くなる。
活性層113は、上記のとおり、例えば、カーボン層112を備える正極集電体111の存在下で、原料モノマーを電解重合あるいは化学重合することにより形成される。あるいは、導電性高分子を含む溶液もしくは導電性高分子の分散体等を、カーボン層112を備える正極集電体111に付与することにより形成される。
上記のようにして得られた正極11に、リード部材(リード線104Aを備えるリードタブ105A)を接続し、負極12に他のリード部材(リード線104Bを備えるリードタブ105B)を接続する。続いて、これらリード部材が接続された正極11と負極12との間にセパレータ13を介在させて巻回し、図3に示すような、一端面よりリード部材が露出する電極群10を得る。電極群10の最外周を、巻止めテープ14で固定する。
次いで、図2に示すように、電極群10を、非水電解液(図示せず)とともに、開口を有する有底円筒形の容器101に収容する。封口体102からリード線104A、104Bを導出する。容器101の開口に封口体102を配置し、容器101を封口する。具体的には、容器101の開口端近傍を内側に絞り加工し、開口端を封口体102にかしめるようにカール加工する。封口体102は、例えば、ゴム成分を含む弾性材料で形成されている。
上記の実施形態では、円筒形状の巻回型の電気化学デバイスについて説明したが、本発明の適用範囲は上記に限定されず、角形形状の 巻回型や積層型の電気化学デバイスにも適用することができる。
[実施例]
以下、実施例に基づいて、本発明をより詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
《電気化学デバイスA1〜A37》
(1)正極の作製
厚さ30μmのアルミニウム箔を正極集電体として準備した。一方、アニリンおよび硫酸を含むアニリン水溶液を準備した。
カーボンブラックを水と混錬して得られたカーボンペーストを、正極集電体の裏表の全面に塗布した後、加熱により乾燥して、カーボン層を形成した。カーボン層の厚さは、片面あたり2μmであった。
カーボン層が形成された正極集電体と対向電極とを、硫酸を含むアニリン水溶液に浸漬し、10mA/cmの電流密度で20分間、電解重合を行ない、硫酸イオン(SO 2−)がドープされた導電性高分子(ポリアニリン)の膜を、正極集電体の裏表のカーボン層上に付着させた。
硫酸イオンがドープされた導電性高分子を還元し、ドープされていた硫酸イオンを脱ドープした。こうして、硫酸イオンが脱ドープされた導電性高分子を含む活性層を形成した。次いで、活性層を十分に洗浄し、その後、乾燥を行なった。活性層の厚さは、片面あたり35μmであった。
(2)負極の作製
厚さ20μmの銅箔を負極集電体として準備した。一方、ハードカーボン97質量部、カルボキシセルロース1質量部、および、スチレンブタジエンゴム2質量部とを混合した混合粉末と水とを重量比で40:60の割合で混錬した負極合剤ペーストを調製した。負極合剤ペーストを負極集電体の両面に塗布し、乾燥して、厚さ35μmの負極材料層を両面に有する負極を得た。次に、負極材料層に、プレドープ完了後の電解液中での負極電位が金属リチウムに対して0.2V以下となるように計算された分量の金属リチウム箔を貼り付けた。
(3)電極群の作製
正極と負極にそれぞれリードタブを接続した後、図3に示すように、セルロース製不織布のセパレータ(厚さ35μm)と、正極、負極とを、それぞれ、交互に重ね合わせた積層体を巻回して、電極群を形成した。
(4)非水電解液の調製
プロピレンカーボネートとジメチルカーボネートとの体積比1:1の混合物に、ビニレンカーボネートを0.2質量%添加して、溶媒を調製した。得られた溶媒にリチウム塩(第2塩)としてLiPFを所定濃度で溶解させて、第2アニオンとしてヘキサフルオロ燐酸イオン(PF )を有する非水電解液を調製した。
さらに、添加剤(第1塩)としてLi塩を所定量、非水電解液に添加した。表1および表2に、第1塩として添加したリチウム塩の第1アニオンと、リチウム塩の添加量を示す。表1および表2から分かるとおり、電気化学デバイスA1〜A10、A24〜A29では、添加した第1塩は1種類であるが、電気化学デバイスA11〜A23、A30〜A37では、第1塩として複数種のLi塩を添加した。
(5)電気化学デバイスの作製
開口を有する有底の容器に、電極群と非水電解液とを収容し、図2に示すような電気化学デバイスを組み立てた。その後、正極と負極との端子間に3.8Vの充電電圧を印加しながら25℃で24時間エージングし、リチウムイオンの負極へのプレドープを進行させた。このようにして、非水電解液の組成が異なる電気化学デバイスA1〜A37を作成した。
《電気化学デバイスB1》
第1塩を非水電解液に添加していないこと以外は、電気化学デバイスA1と同様にして電気化学デバイスB1を作製した。
得られた電気化学デバイスA1〜A37、およびB1について、以下の方法に従って評価した。
Figure 2019111981
Figure 2019111981
(評価法)
(1)内部抵抗(DCR)
電気化学デバイスを3.6Vの電圧で充電した後、所定時間放電した際の電圧降下量から、初期の内部抵抗(初期DCR)を求め、電気化学デバイスB1の初期内部抵抗を100とした相対値で表した。評価結果を表2に示す。
(2)フロート特性
電気化学デバイスを、60℃、3.6Vの条件で1000時間連続充電したときの抵抗値を測定し、連続充電前(初期)の抵抗値に対する変化率を算出した。変化率は、(1000時間充電後の抵抗値/初期の抵抗値)×100により求めた。抵抗値の変化率が小さいほど、フロート特性の低下は抑制される。評価結果を表2に示す。
(3)膨張率
電気化学デバイスを、60℃、3.6Vの条件で1000時間連続充電したときの有底容器の寸法(図2における容器101の筒部および上底部の最大外径)をノギスで測定し、連続充電前(初期)の容器の寸法に対する増加率(膨張率)を算出した。膨張率は、(1000時間充電後の容器の寸法/初期の容器の寸法)×100(%)により求めた。フロート特性の劣化が大きいほどガス発生が多く膨張率が大きくなる。評価結果を表3および表4に示す。
Figure 2019111981
Figure 2019111981
表3および表4より、第1塩を添加した電気化学デバイスA1〜A37は、電気化学デバイスB1と比べて、フロート特性の低下が抑制されていることが分かる。さらに、2種類の第1塩を添加した電気化学デバイスA11〜A19は、1種類の第1塩を添加した電気化学デバイスA1〜A10よりも、フロート特性の低下抑制およびガス発生の抑制の点で優れている。さらに、3種類の第1塩を添加した電気化学デバイスA20〜A23は、電気化学デバイスA11〜A19と比べても、フロート特性の低下抑制の点で優れ、電気化学デバイスB1と比べると顕著に優れている。
電気化学デバイスA25、A27、A29からなる群と、電気化学デバイスA11〜A19からなる群を比較する。これらの電気化学デバイスは、第1塩の含有量(添加量)の合計が2質量%で同じである。2種類の第1塩を添加した電気化学デバイスA11〜A19は、1種類の第1塩のみ添加した電気化学デバイスA25、A27、A29よりも、内部抵抗、フロート特性、膨張率の全てにおいて優れている。
本発明に係る電気化学デバイスは、フロート特性に優れるため、各種電気化学デバイス、特にバックアップ用電源として好適である。
10:電極群
11:正極
111:正極集電体
112:カーボン層
113:活性層
12:負極
13:セパレータ
14:巻止めテープ
100:電気化学デバイス
101:容器
102:封口体
103:座板
104A、104B:リード線
105A、105B:リードタブ

Claims (12)

  1. 正極活物質を含む正極と、
    負極活物質を含む負極と、
    電解液と、を備え、
    前記正極活物質は、ポリアニリン類を含み、
    前記電解液は、カチオンと、アニオンと、を含み、
    前記カチオンが、少なくともリチウムイオンを含み、
    前記アニオンが、少なくともアルキル硫酸エステルアニオン、フルオロリン酸アニオン、および、二座配位子含有錯体アニオンよりなる群から選択される少なくとも1つを含む、電気化学デバイス。
  2. 前記アルキル硫酸エステルアニオンが、下記化学式(1):
    [R1−O−SO
    で表されるアニオン(ただし、R1は炭素数1〜5のアルキル基)を含む、請求項1に記載の電気化学デバイス。
  3. 前記アルキル硫酸エステルアニオンが、CHOSO 、COSO 、および、COSO よりなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項2に記載の電気化学デバイス。
  4. 前記フルオロリン酸アニオンが、下記化学式(2):
    [PO5−2x−y
    で表されるアニオン(ただし、x、yはそれぞれx≧1、y≧1を満たす整数であり、x+y≦6、1≦2x+y−5≦3を満たす)を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  5. 前記フルオロリン酸アニオンが、PO 、および、PO よりなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項4に記載の電気化学デバイス。
  6. 前記二座配位子含有錯体アニオンが、下記化学式(3):
    Figure 2019111981
    で表されるアニオン(ただし、Mはホウ素またはリン、Mがホウ素のときN=4、MがリンのときN=6であり、kは整数でk≧1、N−2k≧0を満たし、q=0または1であり、R2はハロゲン基であり、R3はq=1の場合炭素数1〜5のアルキレン基であるか、またはq=0の場合2つのカルボニル基同士が直接結合する)よりなる群から選択される少なくとも1つを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  7. 前記二座配位子含有錯体アニオンが、下記化学式(4)〜(8)で表されるアニオンから選択される少なくとも1つを含む、請求項6に記載の電気化学デバイス。
    化学式(4):
    Figure 2019111981
    化学式(5):
    Figure 2019111981
    化学式(6):
    Figure 2019111981
    化学式(7):
    Figure 2019111981
    化学式(8):
    Figure 2019111981
  8. 前記正極活物質または前記電解液中に、SO 2−が、前記ポリアニリン類の質量に対して1000ppm以下の割合で含まれている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  9. 前記電解液は、前記リチウムイオンと前記アニオンとの第1塩、および、前記第1塩と異なる第2塩を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
  10. 前記第2塩が、六フッ化リン酸リチウムを含む、請求項9に記載の電気化学デバイス。
  11. 前記第1塩が、前記電解液の全量に対して0.01〜4質量%含まれている、請求項9または10に記載の電気化学デバイス。
  12. 前記第1塩として、前記アルキル硫酸エステルアニオンと前記リチウムイオンの塩、前記フルオロリン酸アニオンと前記リチウムイオンの塩、および、前記二座配位子含有錯体アニオンと前記リチウムイオンの塩よりなる群から選択される少なくとも1つが、前記電解液の全量に対して0.01〜2質量%含まれている、請求項9〜11のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
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