JPWO2019111802A1 - ファインバブル除去方法及びファインバブル除去装置、並びに、気泡径分布測定方法及び気泡径分布測定装置 - Google Patents

ファインバブル除去方法及びファインバブル除去装置、並びに、気泡径分布測定方法及び気泡径分布測定装置 Download PDF

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Abstract

ファインバブルを含む対象液体Lに対して、超音波照射装置102から超音波を照射することにより、対象液体L中のファインバブルを減少させる。対象液体Lに対して超音波を照射することにより、対象液体L中のファインバブルを効果的に減少させることができる。超音波を用いることにより、特にファインバブルのような小径の気泡を効果的に減少させることができるため、対象液体L中のファインバブルを効率よく減少させることができる。

Description

本発明は、ファインバブルを含む対象液体中のファインバブルを減少させるためのファインバブル除去方法及びファインバブル除去装置、並びに、気泡径分布測定方法及び気泡径分布測定装置に関するものである。
近年、マイクロバブルやウルトラファインバブルといったファインバブルの研究及び利用が活発に行われている。ファインバブルは、例えば気泡径が100μm以下の微細気泡であり、気泡径が1μm以上のものはマイクロバブル、気泡径が1μm未満のものはウルトラファインバブルと呼ばれている。ファインバブルは、液体中での滞留時間が長いという特性を有しており、特にウルトラファインバブルは、数か月にわたって液体中に滞留することが知られている。
ファインバブルには、洗浄効果や殺菌効果といった様々な効果が期待されている。例えば工場やプラント、公衆トイレなどで、ファインバブルを用いて各種設備の洗浄を行えば、洗剤の使用量を削減することができる。そのため、ファインバブルを用いた洗浄方法は、環境に優しい新たな洗浄方法として注目されている。
上記のようなファインバブルの特性と効果の関係は、ファインバブルの気泡径や気泡量(濃度)に依存している。そこで、レーザ回折・散乱式の粒子径分布測定装置などを用いて、ファインバブルの気泡径分布(粒子径分布)を測定する技術が提案されている(例えば、下記特許文献1参照)。
特開2007−263876号公報
しかしながら、測定対象となる液体(対象液体)には、ファインバブル以外にも、例えば粉塵又は土などの固体粒子や、オイル又はエマルジョンなどの液体粒子が含まれている場合がある。このような場合、粒子径分布測定装置を用いてファインバブルの気泡径分布を測定するような方法では、ファインバブルと、固体粒子及び液体粒子とを識別することができず、ファインバブルの気泡径分布を精度よく測定することができないおそれがある。
また、対象液体中のファインバブルの気泡径分布を測定するか否かにかかわらず、対象液体中のファインバブルを減少させたい場合もあり、そのような場合にファインバブルを効率よく減少させることができる技術が望まれている。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、対象液体中のファインバブルを効率よく減少させることができるファインバブル除去方法及びファインバブル除去装置を提供することを目的とする。また、本発明は、ファインバブルの気泡径分布を精度よく測定することができる気泡径分布測定方法及び気泡径分布測定装置を提供することを目的とする。
(1)本発明に係るファインバブル除去方法は、ファインバブルを含む対象液体に対して、超音波照射装置から超音波を照射することにより、対象液体中のファインバブルを減少させる超音波照射ステップを含む。
このような構成によれば、対象液体に対して超音波を照射することにより、対象液体中のファインバブルを効果的に減少させることができる。超音波を用いることにより、特にファインバブルのような小径の気泡を効果的に減少させることができるため、対象液体中のファインバブルを効率よく減少させることができる。
(2)前記超音波照射ステップでは、周波数が430kHz以上の超音波を対象液体に照射することが好ましい。
このような構成によれば、最適な周波数の超音波を用いて、対象液体中のファインバブルをより効率よく減少させることができる。超音波の周波数によっては、対象液体中のファインバブルが逆に増加する場合もあるため、最適な周波数の超音波を用いることにより、対象液体中のファインバブルを確実に減少させることができる。
(3)前記ファインバブル除去方法は、対象液体が収容された容器を設置位置に設置する容器設置ステップをさらに含んでいてもよい。この場合、前記超音波照射ステップでは、前記設置位置に設置された対象液体に対して超音波を照射してもよい。
このような構成によれば、容器を設置位置に設置して超音波照射装置から超音波を照射するだけで、対象液体中のファインバブルを容易に減少させることができる。超音波でファインバブルを効率よく減少させるためには、容器と超音波照射装置との距離を適切に設定する必要があるため、容器の設置位置を適切に設定すればファインバブルを効率よく減少させることができる。
(4)前記設置位置に設置される前記容器の下部が、前記超音波照射装置から照射される超音波の定常波における腹の近傍に位置することが好ましい。
このような構成によれば、容器と超音波照射装置との距離を最適に設定し、対象液体中のファインバブルをより効率よく減少させることができる。
(5)前記容器内には、対象液体の上方に空隙が形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、対象液体中からファインバブルを減少させることにより生じるガスを、対象液体の上方に形成された空隙に逃がすことができるため、そのガスが再び対象液体中に溶解するのを防止することができる。
(6)前記ファインバブル除去方法は、前記超音波照射ステップにより対象液体に超音波を照射した後、その対象液体を一定時間静置する静置ステップをさらに含むことが好ましい。
このような構成によれば、超音波を照射した後の対象液体を一定時間静置することにより、対象液体中のファインバブルをさらに効果的に減少させることができる。
(7)前記対象液体には、溶解性の高い添加物が添加されていることが好ましい。
このような構成によれば、溶解性の高い添加物を対象液体に添加することにより、対象液体中のファインバブルをさらに効率よく減少させることができる。
(8)前記超音波照射ステップでは、ファインバブルを含むことにより表面張力が低下している対象液体に超音波を照射して、対象液体中のファインバブルを減少させることにより、対象液体の表面張力を上昇させてもよい。
このような構成によれば、ファインバブルを含む表面張力が低い対象液体を用いて、その特性を生かした処理を行った後、その対象液体に超音波を照射するだけで、対象液体中のファインバブルを減少させて、元の液体の表面張力に戻すことができる。また、対象液体に含まれるファインバブル以外の粒子(異物)が多く、ファインバブルの気泡径分布を直接的に測定することができない場合には、その対象液体に超音波を照射するだけで、対象液体中のファインバブルを減少させて、元の液体の表面張力に戻すことができるため、その表面張力の変化に基づいてファインバブルの存在を間接的に確認(推定)することができる。
(9)前記超音波照射ステップでは、前記超音波照射装置から照射する超音波の周波数、照射時間及び照射強度の少なくとも1つを調整することにより、対象液体中のファインバブルの減少量を調整してもよい。
このような構成によれば、超音波照射装置から照射する超音波の周波数、照射時間及び照射強度の少なくとも1つを調整することにより、対象液体中のファインバブルの減少量を任意に調整することができる。したがって、対象液体中のファインバブルを減少させて対象液体の表面張力を上昇させる場合には、ファインバブルの減少量を任意に調整することにより、対象液体を所望の表面張力にすることができる。
(10)前記ファインバブル除去方法は、凍結乾燥された対象物を復元することによりファインバブルを含む対象液体を取得する対象液体取得ステップをさらに含んでいてもよい。この場合、前記超音波照射ステップでは、前記対象液体取得ステップにより取得した対象液体に対して超音波を照射してもよい。
このような構成によれば、凍結乾燥された対象物を復元することにより得られる対象液体中のファインバブルを、超音波を用いて減少させることができる。例えば、凍結乾燥されたタンパク質を復元する場合には、その際に生じるファインバブルが凝集の原因になるおそれがあるが、超音波を用いてファインバブルを減少させることにより、凝集を防止することができる。
(11)本発明に係るファインバブル除去装置は、ファインバブルを含む対象液体に対して超音波を照射することにより、対象液体中のファインバブルを減少させる超音波照射装置を備える。
(12)本発明に係る気泡径分布測定方法は、ファインバブル除去方法によりファインバブルを減少させた対象液体の粒子径分布に関するデータと、ファインバブルを減少させる前の対象液体の粒子径分布に関するデータとに基づいて、対象液体に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定する。
このような構成によれば、ファインバブル、固体粒子及び液体粒子を含む超音波照射前の対象液体の粒子径分布に関するデータと、固体粒子及び液体粒子のみを含む超音波照射後の対象液体の粒子径分布に関するデータとに基づいて、ファインバブルの気泡径分布を精度よく測定することができる。
(13)本発明に係る気泡径分布測定装置は、ファインバブル除去方法によりファインバブルを減少させた対象液体の粒子径分布に関するデータと、ファインバブルを減少させる前の対象液体の粒子径分布に関するデータとに基づいて、対象液体に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定する。
本発明によれば、超音波を用いることにより、小径の気泡を効果的に減少させることができるため、対象液体中のファインバブルを効率よく減少させることができる。
本発明の一実施形態に係る気泡径分布測定装置の構成例を示した図である。 本発明の一実施形態に係るファインバブル除去装置の構成例を示した概略断面図である。 超音波照射装置と容器との距離について説明するための図である。 ファインバブルの気泡径分布を測定する際の態様について説明するための図であり、超音波照射の前後及び演算後における対象液体中の粒子の状態を概念的に示している。 ファインバブルの気泡径分布を測定する際の態様について説明するための図であり、図4の各状態における粒子径分布及び気泡径分布を概略的に示している。 対象液体に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定する際の流れを示したフローチャートである。
1.気泡径分布測定装置の構成
図1は、本発明の一実施形態に係る気泡径分布測定装置の構成例を示した図である。この気泡径分布測定装置は、例えばレーザ回折・散乱式の粒子径分布測定装置である。すなわち、本実施形態では、固体粒子及び液体粒子の粒子径分布を測定するための粒子径分布測定装置を用いて、対象液体に含まれる気体粒子の気泡径分布(粒子径分布)が測定される。
対象液体は、例えば水の他、アルコール又は油といった任意の液体を媒体とする試料であり、気泡径が100μm以下の微細気泡からなるファインバブルを含んでいる。具体的には、気泡径が1μm未満のウルトラファインバブル、及び、気泡径が1μm以上のマイクロバブルの少なくとも一方が、気体粒子として対象液体に含まれている。気体粒子を構成する気体は、空気であってもよいし、例えばオゾンや水素といった空気以外の気体であってもよい。また、対象液体には、ファインバブル以外にも、固体粒子や液体粒子が含まれている。
本実施形態に係る気泡径分布測定装置には、対象液体に対してレーザ光を照射し、対象液体からの回折・散乱光(レーザ回折・散乱光)の強度を測定する光強度測定部1が備えられている。光強度測定部1には、光源11、集光レンズ12、空間フィルタ13、コリメータレンズ14、試料セル15、集光レンズ16、フォトダイオードアレイ17、側方センサ18及び複数の後方センサ19などが備えられている。測定対象となる対象液体は測定の1回ごとに試料セル15に供給される。すなわち、本実施形態で使用される試料セル15はいわゆる回分セルである。
光源11は、例えばレーザ光源からなり、当該光源11から照射されたレーザ光が、集光レンズ12、空間フィルタ13及びコリメータレンズ14を通過することにより平行光となる。このようにして平行光とされたレーザ光は、対象液体が供給されている試料セル15に照射され、試料セル15内の試料に含まれる粒子群(固体粒子、液体粒子及び気体粒子を含む。)で回折及び散乱した後、集光レンズ16を通ってフォトダイオードアレイ17により受光されるようになっている。
フォトダイオードアレイ17は、光源11側から見て試料セル15の前方(光源11側とは反対側)に配置されている。これにより、フォトダイオードアレイ17に備えられた複数の受光素子は、それぞれ前方センサ171を構成している。フォトダイオードアレイ17は、試料セル15内の対象液体からの回折・散乱光(回折光及び散乱光)を検出するための検出器を構成している。
本実施形態におけるフォトダイオードアレイ17は、互いに異なる半径を有するリング状又は半リング状の検出面が形成された複数(例えば、64個)の前方センサ171を、集光レンズ16の光軸を中心として同心円状に配置することにより構成されたリングディテクタであり、各前方センサ171には、それぞれの位置に応じた回折・散乱角度の光が入射する。したがって、フォトダイオードアレイ17の各前方センサ171の検出信号は、各回折・散乱角度の光の強度を表すことになる。
これに対して、側方センサ18は、光源11側から見て試料セル15の側方に配置されている。この例では、試料セル15が薄い中空状の部材により形成されており、その厚み方向Dが光源11から入射するレーザ光の光軸Lと平行になるように配置される。側方センサ18は、試料セル15に対して、例えば厚み方向Dに直交する方向に並べて配置される。
図1では、側方センサ18が試料セル15の上方に配置されているが、これに限らず、試料セル15の下方、右方、左方など、試料セル15の厚み方向Dに直交する面内の任意の位置に配置されていてもよい。これにより、厚み方向Dに対して直交する方向への回折・散乱光を側方センサ18で受光することができる。ただし、側方センサ18は、厚み方向Dに対して90°の方向への回折・散乱光を受光するような構成に限らず、厚み方向Dに対して70°〜110°、より好ましくは80°〜100°の方向への回折・散乱光を受光するような構成であってもよい。
複数の後方センサ19は、それぞれ光源11側から見て試料セル15の後方(光源11側)に配置されている。これにより、各後方センサ19は、側方センサ18よりも後方への回折・散乱光を受光することができる。各後方センサ19は、試料セル15に対して異なる角度で配置されることにより、それぞれ異なる角度で入射する回折・散乱光を受光することができる。この例では、2つの後方センサ19が設けられているが、これに限らず、例えば1つ又は3つ以上の後方センサ19が設けられた構成であってもよい。
フォトダイオードアレイ17の各前方センサ171、側方センサ18及び各後方センサ19の検出信号は、A/D変換器3によりアナログ信号からデジタル信号に変換された後、通信部4を介してデータ処理装置5に入力されるようになっている。これにより、各センサ171,18,19における受光強度が、各センサ171,18,19の素子番号に対応付けてデータ処理装置5に入力される。
データ処理装置5は、対象液体の粒子径分布を測定する際のデータを処理するためのものであり、例えばパーソナルコンピュータにより構成される。このデータ処理装置5は、制御部51、操作部52、表示部53及び記憶部54などを備えている。データ処理装置5は、光強度測定部1などと一体的に気泡径分布測定装置を構成していてもよいし、光強度測定部1などとは分離した気泡径分布測定装置として提供されてもよい。
制御部51は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含む構成であり、操作部52、表示部53及び記憶部54などの各部が電気的に接続されている。操作部52は、例えばキーボード及びマウスを含む構成であり、作業者が操作部52を操作することにより入力作業などを行うことができるようになっている。
表示部53は、例えば液晶表示器などにより構成することができ、作業者が表示部53の表示内容を確認しながら作業を行うことができるようになっている。記憶部54は、例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びハードディスクなどにより構成することができる。
対象液体の粒子径分布データは、光強度測定部1における対象液体の測定で得られる光強度分布データに基づいて、制御部51が演算を行うことにより生成される。粒子径分布データを生成する際には、下記式(1)の関係を用いることができる。
Figure 2019111802
ここで、s、q及びAは、下記式(2)〜(4)で表される。
Figure 2019111802
上記ベクトルsは、光強度分布データである。上記ベクトルsにおける各要素s(i=1,2,・・・,m)は、フォトダイオードアレイ17の各前方センサ171、側方センサ18及び各後方センサ19における検出強度である。
上記ベクトルqは、頻度分布%として表現される粒子径分布データである。測定対象となる粒子径範囲(最大粒子径がx、最小粒子径がxn+1)をn分割し、それぞれの粒子径区間を[x,xj+1]とすると、上記ベクトルqにおける各要素q(j=1,2,・・・,n)は、各粒子径区間[x,xj+1]に対応する粒子量である。
通常は、体積基準が用いられ、下記式(5)を満たすように、すなわち各要素qの合計が100%となるように正規化が行われる。
Figure 2019111802
本実施形態では、対象液体に超音波を照射する前後の粒子径分布データを用いて、対象液体に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定する。超音波照射前の第1粒子径分布データと超音波照射後の第2粒子径分布データを比較するために、例えば、体積濃度(単位:μL/mL)などの形で粒子量や気泡量を求める必要がある。PSL(ポリスチレンラテックス)粒子などの粒子量が既知の標準試料を用いて校正を行うことによって、比較可能な粒子量に基づく粒子径分布を求めることができる。
上記行列Aは、粒子径分布データqを光強度分布データsに変換する係数行列である。上記行列Aにおける各要素ai,j(i=1,2,・・・,m、j=1,2,・・・,n)は、各粒子径区間[x,xj+1]に属する単位粒子量の粒子群によって回折及び散乱した光のi番目の素子における検出強度である。
上記行列Aにおける各要素ai,jの値は、屈折率をパラメータの一つとして用いて予め理論的に計算することができる。このとき、気体粒子を構成する気体の屈折率を用いて、各要素ai,jの値を算出しておけばよい。各要素ai,jの値は、フラウンホーファ回折理論又はミー散乱理論を用いて算出される。例えば、粒子径が光源11からのレーザ光の波長に比べて十分に大きい場合(例えば10倍以上)には、フラウンホーファ回折理論を用いて各要素ai,jの値を計算することができる。一方、粒子径が光源11からのレーザ光の波長と同程度、又は、それより小さい場合には、ミー散乱理論を用いて各要素ai,jの値を計算することができる。
このようにして上記行列Aにおける各要素ai,jの値を求めれば、上記式(1)に基づいて、下記式(6)により粒子径分布データqを求めることができる。ただし、AはAの転置行列である。
Figure 2019111802
2.ファインバブル除去装置の構成
図2は、本発明の一実施形態に係るファインバブル除去装置100の構成例を示した概略断面図である。ファインバブル除去装置100は、対象液体Lに超音波を照射することにより、対象液体L中のファインバブルを減少させるための装置である。このファインバブル除去装置100により対象液体Lに超音波を照射し、超音波照射の前後における対象液体Lからの回折・散乱光の強度を光強度測定部1(図1参照)で測定することにより、得られた光強度分布データに基づいて、対象液体Lに含まれるファインバブルの気泡径分布を演算により測定することができる。
ファインバブル除去装置100は、容器設置部101、超音波照射装置102及び温度調整装置103などを備えている。対象液体Lは、容器200に収容された状態で、ファインバブル除去装置100の容器設置部101に設置される。容器設置部101は、中空状の筐体により構成されており、内部に水が充填されている。容器設置部101に設置された容器200は、少なくともその下部が容器設置部101内の水に接触する。ただし、容器設置部101内に充填される液体は、水以外の液体であってもよい。
対象液体Lが収容された容器200は、図2に示すような所定の設置位置に設置され、当該設置位置に設置された対象液体Lに対して超音波照射装置102から超音波が照射される。これにより、容器200を設置位置に設置して超音波照射装置102から超音波を照射するだけで、対象液体L中のファインバブルを容易に減少させることができる。超音波でファインバブルを効率よく減少させるためには、容器200と超音波照射装置102との距離を適切に設定する必要があるため、容器200の設置位置を適切に設定すればファインバブルを効率よく減少させることができる。
超音波照射装置102は、容器設置部101内の水に接触する超音波振動子121を備えている。この超音波振動子121から超音波を発生させることにより、容器設置部101内の水を介して、容器200に収容されている対象液体Lに超音波が伝達される。このように、ファインバブルを含む対象液体Lに対して超音波照射装置102から超音波を照射することにより、対象液体L中のファインバブルを減少させることができる。
温度調整装置103は、容器設置部101内の水を加熱又は冷却することにより、当該水の温度を調整する。超音波照射装置102から対象液体Lへと伝達される超音波の周期は、その間に介在する水の温度に応じて変化する。したがって、温度調整装置103を用いて容器設置部101内の水の温度を調整することにより、対象液体Lに照射される超音波の周期を任意に設定することができる。
容器200内に収容されている対象液体Lの温度は、超音波照射装置102からの超音波の照射に伴って上昇する。対象液体Lの温度が上昇すると、対象液体L中の残存酸素量が減少し、ファインバブルが発生する可能性がある。そこで、温度調整装置103で容器設置部101内の温度を調整して、対象液体Lが常温となるように制御することにより、ファインバブルの発生を防止することも可能である。
容器200の上面には開口が形成されており、当該開口が蓋201により閉塞されている。蓋201は、容器200に対して着脱可能である。したがって、蓋201を容器200から取り外して容器200内に対象液体Lを収容することができるとともに、蓋201を容器200に取り付けて容器200内を密閉することができる。
容器200内に対象液体Lを収容する際には、容器200の上面開口まで満杯に対象液体Lを充填するのではなく、上面開口よりも低い水位で対象液体Lが充填される。したがって、容器200内には、対象液体Lの上方に空隙202が形成される。これにより、対象液体L中からファインバブルを減少させることにより生じるガスを、対象液体Lの上方に形成された空隙202に逃がすことができるため、そのガスが再び対象液体L中に溶解するのを防止することができる。このような効果は、対象液体Lの上方に空隙202を形成させるような構成に限らず、蓋201が設けられていないような構成であっても得ることができる。
3.超音波照射によるファインバブルの除去
以下では、異なる条件(条件1〜4)で同一の対象液体Lに超音波を照射し、超音波照射の前後における対象液体L中の粒子の個数濃度を測定した結果について説明する。
下記表1には、超音波照射前の対象液体L中の粒子の個数濃度Aと、超音波照射後の対象液体L中の粒子の個数濃度Bと、それらの差分C(=A−B)と、超音波照射の前後における対象液体L中の粒子の残存率D(=B/A)とが、各条件1〜4に対応付けて示されている。
Figure 2019111802
各条件1〜4は、下記表2の通りである。
Figure 2019111802
超音波照射装置102から照射する超音波の周波数は、条件1,2,4では1600kHzとし、条件3では430kHzとした。超音波を照射した後の対象液体Lについて、条件2では3日間静置してから個数濃度Bを測定し、条件1,3,4では静置することなく個数濃度Bを測定した。また、条件1,2,3ではサンプル量(対象液体Lの量)を同一とし、条件4では条件1,2,3よりもサンプル量を増加させることにより容器200内に空隙202がない状態とした。なお、対象液体Lを収容する容器200の容積は30mL、超音波の照射時間は15分である。
上記表1及び表2に示した測定結果から、条件1〜4のいずれにおいても超音波の照射により対象液体L中の粒子の個数濃度(ファインバブルの個数濃度)が減少していることが分かる。このように、対象液体Lに対して超音波を照射することにより、対象液体L中のファインバブルを効果的に減少させることができる。超音波を用いることにより、特にファインバブルのような小径の気泡を効果的に減少させることができるため、対象液体L中のファインバブルを効率よく減少させることができる。
超音波照射装置102から照射する超音波の周波数は、430kHz以上であることが好ましい。超音波の周波数を200kHzとして同様の実験を行ったが、むしろ超音波照射によって対象液体L中のファインバブルが増加することが確認されている。このように、超音波の周波数を430kHz以上とすることにより、最適な周波数の超音波を用いて、対象液体L中のファインバブルをより効率よく減少させることができる。上記の通り、超音波の周波数によっては、対象液体L中のファインバブルが逆に増加する場合もあるため、最適な周波数の超音波を用いることにより、対象液体L中のファインバブルを確実に減少させることができる。
対象液体Lに超音波を照射した後は、その対象液体Lを一定時間静置することが好ましい。条件2で行った測定結果から明らかなように、超音波を照射した後の対象液体Lを3日間静置すると、ファインバブルの残存率が飛躍的に減少することが分かる。したがって、超音波を照射した後の対象液体Lを一定時間静置することにより、対象液体L中のファインバブルをさらに効果的に減少させることができる。ただし、超音波照射後に対象液体Lを静置する時間は、少なくとも1時間以上であることが好ましく、1日以上であればより好ましく、3日以上であればさらに好ましい。
図3は、超音波照射装置102と容器200との距離について説明するための図である。この図3では、超音波照射装置102から照射される超音波の定常波の波形Wを示しているが、説明を分かりやすくするために波形Wを概略的に示しているに過ぎない。
図3に示すように、超音波照射装置102から照射される超音波の定常波の波形Wには、振幅が最も小さい節W1と、振幅が最も大きい腹W2とが、一定周期で交互に現れる。本実施形態では、容器200の下部(例えば底面)が、超音波照射装置102から照射される超音波の定常波における腹W2の近傍に位置している。
このように、超音波の定常波における腹W2の位置を容器200の下部に合わせれば、容器200内の対象液体Lに対する超音波の照射効率が向上し、対象液体L中のファインバブルを効率よく減少させることができる。したがって、容器200と超音波照射装置102との距離を最適に設定し、対象液体L中のファインバブルをより効率よく減少させることができる。
上記のような超音波の定常波における腹W2の位置は、容器設置部101における容器200の設置位置を調整することにより、超音波照射装置102と容器200との距離を調整して、容器200の下部に合わせることができる。また、このような構成に限らず、温度調整装置103を用いて容器設置部101内の水の温度を調整することにより、超音波照射装置102から対象液体Lへと伝達される超音波の周期を調整して、超音波の定常波における腹W2の位置を容器200の下部に合わせることも可能である。
対象液体Lには、溶解性の高い添加物が添加されていることが好ましい。具体的には、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム又は塩化カルシウムなどの添加物を対象液体Lに添加し、十分に溶解した後で超音波を照射することが好ましい。このように、溶解性の高い添加物を対象液体Lに添加することにより、対象液体L中のファインバブルをさらに効率よく減少させることができる。
また、対象液体Lを収容する容器200は、超音波を吸収しにくい材料により形成されていることが好ましい。例えば、容器200の底面が平坦なガラスにより形成されていれば、超音波照射装置102からの超音波を容器200内の対象液体Lに効率よく伝達することができる。
4.ファインバブルの気泡径分布測定
図4及び図5は、ファインバブルの気泡径分布を測定する際の態様について説明するための図である。図4は、超音波照射の前後及び演算後における対象液体L中の粒子の状態を概念的に示している。図5は、図4の各状態における粒子径分布及び気泡径分布を概略的に示している。この図5では、対象液体Lに含まれる固体粒子及び液体粒子の各粒子径と粒子量との関係、及び、対象液体Lに含まれる気体粒子の各気泡径と気泡量との関係が示されている。
超音波照射前の対象液体Lには、ファインバブル、固体粒子及び液体粒子が含まれている。ファインバブル以外の気体粒子、すなわち気泡径が100μmを超える気体粒子については、対象液体L中に長時間滞留することができず、比較的短時間で大気中に拡散する。そのため、通常、対象液体L中に含まれる気体粒子は、気泡径が100μm以下のファインバブル(特にウルトラファインバブル)のみと考えてよい。
固体粒子及び液体粒子は、液体より比重が小さい粒子と、液体より比重が大きい粒子とに分類されるが、いずれも対象液体L中に滞留したままであって大気中に拡散することはない。したがって、超音波照射前の対象液体Lは、図4(a)に示すように、ファインバブルと、液体より比重が小さい粒子と、液体より比重が大きい粒子とが、混在した状態となっている。
対象液体Lに対して超音波照射を行った場合、図4(b)に示すように、対象液体L中のファインバブルは超音波によって消失され、容器200内の空隙202に拡散されるため、対象液体L中には存在しない状態となる。一方、固体粒子及び液体粒子は、超音波照射の有無にかかわらず、対象液体L中に滞留したままの状態で維持される。
すなわち、超音波照射前の対象液体Lには、ファインバブル、固体粒子及び液体粒子が含まれているが、超音波照射後の対象液体Lには、固体粒子及び液体粒子のみが含まれている。したがって、図4(a)の状態で測定される粒子径分布データから、図4(b)の状態で測定される粒子径分布データを差し引く演算を行えば、図4(c)に概念的に示すように、対象液体L中のファインバブルの気泡径分布を算出することができる。
例えば、図4(a)の状態で測定される粒子径分布データが図5(a)のようなデータであり、図4(b)の状態で測定される粒子径分布データが図5(b)のようなデータである場合には、粒子径分布データ同士を互いに差し引く演算を行うことにより、図5(c)のような気泡径分布データを得ることができる。上記演算は、例えば上述の式(3)で表される粒子径分布データqにおいて、各要素qの値を互いに差し引くことにより行うことができる。
このように、本実施形態では、ファインバブル、固体粒子及び液体粒子を含む超音波照射前の対象液体Lの粒子径分布データ(図5(a)参照)と、固体粒子及び液体粒子のみを含む超音波照射後の対象液体Lの粒子径分布データ(図5(b)参照)とに基づいて、ファインバブルの気泡径分布(図5(c)参照)を精度よく測定することができる。これにより、洗浄、殺菌又は生体活性化などのファインバブルに期待される効果と、ファインバブルの気泡径分布との関係を定量的に評価することができる。また、目的や対象に最もふさわしいファインバブルの気泡径分布を特定し、ファインバブルに関する認証制度の確立などに寄与することも可能となる。
図6は、対象液体Lに含まれるファインバブルの気泡径分布を測定する際の流れを示したフローチャートである。気泡径分布を測定する際には、まず、超音波照射前の対象液体Lの粒子径分布データを取得する(ステップS101:第1データ取得ステップ)。このとき、図4(a)に示すような超音波照射前の対象液体Lに対し、光強度測定部1において光が照射されることにより光強度分布データが得られ、その光強度分布データに基づいて、図5(a)に示すような粒子径分布データが算出される。
その後、対象液体Lが収容された容器200をファインバブル除去装置100に設置する(ステップS102:容器設置ステップ)。これにより、容器200が容器設置部101内の設置位置に設置され、容器200と超音波照射装置102との距離が最適に設定される。そして、設置位置に設置された容器200内の対象液体Lに対して超音波を照射し(ステップS103:超音波照射ステップ)、超音波照射後の対象液体Lを一定時間静置する(ステップS104:静置ステップ)。
このような超音波照射後(一定時間載置後)の対象液体Lを用いて、粒子径分布データが再度取得される(ステップS105:第2データ取得ステップ)。このとき、図4(b)に示すような超音波照射後の対象液体Lに対し、光強度測定部1において光が照射されることにより光強度分布データが得られ、その光強度分布データに基づいて、図5(b)に示すような粒子径分布データが算出される。
そして、ステップS101で取得した粒子径分布データ(第1粒子径分布データ)と、ステップS105で取得した粒子径分布データ(第2粒子径分布データ)とに基づいて、対象液体Lに含まれるファインバブルの気泡径分布が測定される(ステップS106:気泡径分布測定ステップ)。すなわち、第1粒子径分布データの各要素qの値から、第2粒子径分布データの各要素qの値を減算する処理を制御部51が行うことにより、図5(c)に示すような気泡径分布データが得られる。
5.ファインバブル除去装置の用途例
(1)ファインバブル除去装置100の用途例として、対象液体Lの表面張力を任意に調整する用途が挙げられる。ファインバブルを対象液体Lに含有させれば、対象液体Lの表面張力を低下させることができるため、その特性を生かした処理を行うことが可能となる。この場合、ファインバブル除去装置100を用いれば、ファインバブルを含むことにより表面張力が低下している対象液体Lに超音波を照射して、対象液体L中のファインバブルを減少させることにより、対象液体Lの表面張力を上昇させることができる。
したがって、ファインバブルを含む表面張力が低い対象液体Lを用いて、その特性を生かした処理を行った後、その対象液体Lに超音波を照射するだけで、対象液体L中のファインバブルを減少させて、元の液体の表面張力に戻すことができる。
この場合、超音波照射装置102から照射する超音波の周波数、照射時間及び照射強度の少なくとも1つを調整することにより、対象液体L中のファインバブルの減少量を調整してもよい。これにより、対象液体L中のファインバブルの減少量を任意に調整することができる。このように、ファインバブルの減少量を任意に調整することにより、対象液体Lを所望の表面張力にすることができる。
(2)ファインバブル除去装置100の別の用途例としては、凍結乾燥されたタンパク質などの対象物を復元する際に生じるファインバブルを減少させる用途が挙げられる。すなわち、凍結乾燥された対象物を復元することによりファインバブルを含む対象液体Lを取得し(対象液体取得ステップ)、その対象液体Lに対して超音波を照射してもよい。
この場合、凍結乾燥された対象物を復元することにより得られる対象液体L中のファインバブルを、超音波を用いて減少させることができる。上記のように凍結乾燥されたタンパク質を復元する場合には、その際に生じるファインバブルが凝集の原因になるおそれがあるが、超音波を用いてファインバブルを減少させることにより、凝集を防止することができる。
6.変形例
以上の実施形態のように、超音波照射の前後における対象液体Lの粒度分布データに基づいて気泡径分布を測定するような構成に限らず、粒度分布に関する他のデータに基づいて気泡径分布を測定するような構成であってもよい。すなわち、最終的に算出される粒子径分布データに基づいてファインバブルの気泡径分布を測定することができるだけでなく、光強度分布データなどの粒子径分布データを算出するまでに用いられるデータに基づいて、ファインバブルの気泡径分布を測定することも可能である。なお、粒子径分布データを算出するためのデータは、光強度分布データに限らず、光強度分布データから算出される他のデータなどであってもよい。
以上の実施形態では、気泡径分布測定装置がレーザ回折・散乱式の粒子径分布測定装置である場合について説明した。しかし、本発明は、レーザ回折・散乱法以外の方法で粒子径分布を測定するような構成にも適用可能である。上記レーザ回折・散乱法以外の方法としては、例えば動的光散乱法、電気的検知帯法、粒子軌跡解析法、共振式質量測定法、動的画像解析法などを例示することができる。これらのいずれの方法においても、屈折率などのパラメータとしては、気体粒子を構成する気体に特有の値を用いることができる。また、本発明に係る気泡径分布測定装置は、光散乱式又は光遮蔽式のパーティクルカウンタなどにも適用することができる。
100 ファインバブル除去装置
101 容器設置部
102 超音波照射装置
103 温度調整装置
121 超音波振動子
200 容器
201 蓋
202 空隙
L 対象液体
W1 節
W2 腹

Claims (13)

  1. ファインバブルを含む対象液体に対して、超音波照射装置から超音波を照射することにより、対象液体中のファインバブルを減少させる超音波照射ステップを含むことを特徴とするファインバブル除去方法。
  2. 前記超音波照射ステップでは、周波数が430kHz以上の超音波を対象液体に照射することを特徴とする請求項1に記載のファインバブル除去方法。
  3. 対象液体が収容された容器を設置位置に設置する容器設置ステップをさらに含み、
    前記超音波照射ステップでは、前記設置位置に設置された対象液体に対して超音波を照射することを特徴とする請求項1に記載のファインバブル除去方法。
  4. 前記設置位置に設置される前記容器の下部が、前記超音波照射装置から照射される超音波の定常波における腹の近傍に位置することを特徴とする請求項3に記載のファインバブル除去方法。
  5. 前記容器内には、対象液体の上方に空隙が形成されていることを特徴とする請求項3に記載のファインバブル除去方法。
  6. 前記超音波照射ステップにより対象液体に超音波を照射した後、その対象液体を一定時間静置する静置ステップをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のファインバブル除去方法。
  7. 前記対象液体には、溶解性の高い添加物が添加されていることを特徴とする請求項1に記載のファインバブル除去方法。
  8. 前記超音波照射ステップでは、ファインバブルを含むことにより表面張力が低下している対象液体に超音波を照射して、対象液体中のファインバブルを減少させることにより、対象液体の表面張力を上昇させることを特徴とする請求項1に記載のファインバブル除去方法。
  9. 前記超音波照射ステップでは、前記超音波照射装置から照射する超音波の周波数、照射時間及び照射強度の少なくとも1つを調整することにより、対象液体中のファインバブルの減少量を調整することを特徴とする請求項1に記載のファインバブル除去方法。
  10. 凍結乾燥された対象物を復元することによりファインバブルを含む対象液体を取得する対象液体取得ステップをさらに含み、
    前記超音波照射ステップでは、前記対象液体取得ステップにより取得した対象液体に対して超音波を照射することを特徴とする請求項1に記載のファインバブル除去方法。
  11. ファインバブルを含む対象液体に対して超音波を照射することにより、対象液体中のファインバブルを減少させる超音波照射装置を備えることを特徴とするファインバブル除去装置。
  12. 請求項1に記載のファインバブル除去方法によりファインバブルを減少させた対象液体の粒子径分布に関するデータと、ファインバブルを減少させる前の対象液体の粒子径分布に関するデータとに基づいて、対象液体に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定することを特徴とする気泡径分布測定方法。
  13. 請求項1に記載のファインバブル除去方法によりファインバブルを減少させた対象液体の粒子径分布に関するデータと、ファインバブルを減少させる前の対象液体の粒子径分布に関するデータとに基づいて、対象液体に含まれるファインバブルの気泡径分布を測定することを特徴とする気泡径分布測定装置。
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