JPWO2019098013A1 - 表面調整剤 - Google Patents

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Abstract

コーティング剤に少量配合されることにより、そのコーティング剤の表面自由エネルギーを制御し、基材や下層被膜に対する湿潤性を高めるとともに、それが硬化した被膜の湿潤性をも高めることによって、積層被膜における層間密着性を向上させることができ、かつ焼付塗装における焼付工程でワキを生じさせない表面調整剤を提供する。表面調整剤は、下記化学式(I)【化1】で表されるシロキシ基含有アクリレートモノマー及び/又はCH2=C(R4)−CO−O−R5−RFで表されるフッ素含有(メタ)アクリレートモノマーと、CH2=C(R6)−CO−N(R7)−R8で表される(メタ)アクリルアミドモノマー及び/又は不飽和基含有モルフォリンアミドモノマーとの共重合物を含有し、その重量平均分子量を1500〜50000としている。

Description

本発明は、被膜を形成するコーティング剤に少量含有されていることにより、そのコーティング剤及びそれを用いて形成された被膜の表面自由エネルギーを制御する表面調整剤に関する。
塗料をはじめとする各種コーティング剤は、被塗装物である基材の美観を高めたり、その表面を保護したりするという機能を付与し、それの特性を向上するために用いられている。このようなコーティング剤は、単独の単層被膜を形成したり、美観・保護特性を高めるため複数の積層被膜を形成したりするのに用いられる。
様々な特性を有するコーティング剤を積層させることによって美観性や保護性のような機能を付与できるものの例として、自動車用塗料が挙げられる。自動車用塗料は各自動車メーカーや車種により異なるが、ボディのような基材の上に、防錆・密着効果を発現する電着塗装層、色彩を表現する中塗り層やベースコート層、及び耐候性・塗膜強度・擦り傷防止機能を付与するクリアーコート層を重ねた積層被膜が多く用いられている。積層被膜の各層はそれぞれ異なる素材で形成されており、各層間での密着性が乏しいと層間剥離が生じ、積層被膜としての機能を失う。
積層被膜における各層の被膜は外観上平滑な表面を有していたとしても、ミクロンオーダーの領域において微細な凹凸を有している。この凹凸により表面積が増えるので、積層被膜を形成している各層同士の接触面積が増えて各層同士が密着できる。
一方、基材と被膜との密着性を向上させる手法として、下地処理(サンドブラスト、表面研磨、及びエッチング等)を基材に施すことによって微細な凹凸を形成して、その上に重ねられる被膜層との接触面積を増やし、密着し易い形状を形成する方法が挙げられる。この場合、被膜層を形成するためのコーティング剤が基材表面の凹凸に湿潤することを要する。コーティング剤が凹凸と十分に湿潤していないと、接触面積が不足して密着性が低下する。また、コーティング剤が凹部の細部にまで湿潤していないと、そこに空隙が生じ、密着不良のような不具合を生じる。またコーティング剤が基材に湿潤するのに、コーティング剤の表面張力が基材のそれよりも低い必要がある。
ところで、コーティング剤として、有機溶剤を用いた溶剤系コーティング剤と、希釈剤に水を用いた水系コーティング剤とが挙げられる。溶剤系コーティング剤は、比較的低い表面張力を有しているので、高い湿潤性を有している。一方、水系コーティング剤は、高い表面張力を有する水の所為で、基材との湿潤性に乏しい。しかも、水系コーティング剤のみを用いて積層被膜を形成する場合、塗布後に硬化した水系コーティング剤の被膜は最早水を含んでいない上、これに含有されている水に不溶の樹脂成分に起因し、そこへさらに上塗りされる水系コーティング剤よりも低い表面張力を発現する。そのため、水系コーティング剤によって形成された下層被膜は、上塗り湿潤性に乏しく、それに重ねられる上層被膜との密着不良を生じてしまう。
塗布されたコーティング剤によって形成された被膜と、基材や下層被膜とを密着させるのに、コーティング剤の湿潤性を向上させる表面調整剤が多く用いられている。このような表面調整剤の多くは、例えば、アクリル重合物や有機変性シリコーンを主成分としている。その特徴・特性は、表面調整剤を含むコーティング剤の表面張力を制御し、基材や下層被膜との湿潤性を付与するという点で共通している。アクリル重合物を主成分とした表面調整剤はマイルドな湿潤性を発揮し、副作用が少ない。
有機変性シリコーンを主成分とした表面調整剤を含有するコーティング剤は、基材や下層被膜と強力に湿潤する。この表面調整剤は、基材や下層被膜に対する湿潤性をコーティング剤に付与して被膜の密着性を向上させるのに有用である。しかしながら、このような表面調整剤を含有するコーティング剤により形成された下層被膜へ上塗りコーティング剤をさらに塗布する際、この上塗りコーティング剤が下層被膜に湿潤できなかったり、ハジキを生じたりするという副作用を生じることがある。これは、表面調整剤が低表面張力物質であること、及びコーティング剤に高湿潤性を付与する表面調整剤ほど、被膜表面により集まるという表面配向性を発現し易いことに起因する。
例えば、特許文献1にシリコーンマクロモノマーと不飽和ポリエーテル成分とアクリルアミド類とがラジカル重合した親水性有機官能性シリコーンポリマーを有している表面調整剤が、記載されている。この表面調整剤を含むコーティング剤によって形成された被膜は親水性を発現して、上塗りコーティング剤との湿潤性に優れている。またこの表面調整剤は、疎水性であるシリコーン部と親水性であるポリエーテル部と含む高極性両親媒骨格を有するのでコーティング剤における相溶性に優れているものの、コーティング剤中の気泡を安定化させ易く、焼付塗装における焼付工程でワキ(泡抜け痕)を発生させ易い。
現在様々な品種の表面調整剤が市販されている。表面調整剤が効果を十分に発揮するためにはコーティング剤における相溶性が重要であり、使用するコーティング剤が溶剤系であるか水系であるかによってそれに合わせた表面調整剤の選定が必要不可欠である。表面調整剤とコーティング剤に含まれる溶剤や希釈剤や被膜形成成分との相溶性が不十分であると、泡問題、ハジキ、及び外観不良のような悪影響を直ちに生じてしまう。各層が互いに異種の素材で形成されていても、高い層間密着性を有する良好な積層被膜を得るために、各層を形成するコーティング剤に最適な表面調整剤を様々な品種の中から選定しなくてはならない。
特表2008−542462号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、塗料のようなコーティング剤に少量配合されることにより、そのコーティング剤の表面自由エネルギーを制御し、基材や下層被膜に対する湿潤性を高めるとともに、それが硬化した被膜の湿潤性をも高めることによって、積層被膜における層間密着性を向上させることができ、かつ焼付塗装における焼付工程でワキを生じさせない表面調整剤を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた本発明の表面調整剤は、下記化学式(I)
Figure 2019098013

(化学式(I)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2〜10のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、mは2〜150の正数である。)で表されるシロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又は下記化学式(II)
CH=C(R)−CO−O−R−R ・・・(II)
(化学式(II)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数0〜12のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロポリエーテル基である。)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)の0.01〜35.00質量部と、下記化学式(III)
CH=C(R)−CO−N(R)−R ・・・(III)
(化学式(III)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは水素原子、メチル基、又はエチル基であり、Rはメチル基、エチル基、又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基である。)で表される(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び/又は不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)である親水性モノマーの65.00〜99.99質量部との共重合物を含有し、前記共重合物の重量平均分子量を1500〜50000としているものである。
表面調整剤は、前記シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又は前記フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)と、前記(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び/又は前記不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)との合計100質量部と、アルキル(メタ)アクリレート類、水酸基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、ビニル基含有化合物類、及び/又はブロックイソシアネート基である不飽和コモノマー(C)の最大で30質量部との前記共重合物を、含有しているものであってもよい。
表面調整剤は、例えば、前記親水性モノマーが、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、及びヒドロキシエチルアクリルアミドから選ばれる少なくとも一種の前記(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び/又はアクリロイルモルフォリンである前記不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)であるものが挙げられる。
表面調整剤は、被添加剤のレベリング性、表面自由エネルギー制御性、及び湿潤性を向上させるものであることが好ましい。
本発明のコーティング剤は、上記いずれかの表面調整剤と、被膜形成成分とを含有するというものである。
本発明の被膜は、上記コーティング剤が乾燥又は硬化しているものである。被膜は基材上に形成されていてもよい。
被膜は、これに重ねられる上層コーティング剤に対する湿潤性を有しているものであってもよい。
本発明の表面調整剤は、コーティング剤に含有されることによってこのコーティング剤の湿潤性を向上させるとともに、コーティング被膜表面に配向して被膜の上塗り湿潤性を高めることができ、しかも少量で十分に効果を発揮する添加剤である。この表面調整剤は、これを含む液状のコーティング剤、及びそれにより形成された被膜の表面自由エネルギーを制御し、基材や下層被膜への湿潤性の改善に加えて、上塗りされる上塗りコーティング剤が溶剤系であるか水系であるかを不問でそれへの上塗り湿潤性をも改善できる。その結果として基材や下層被膜とそこへ塗布された上塗りコーティング剤により形成された被膜との密着性が向上する。すなわち、この表面調整剤は、これが添加されたコーティング剤により形成された被膜表面の表面自由エネルギーを制御することによって、そこへ上塗りされるコーティング剤に対する湿潤性を向上させ、上塗り性を向上させることができる。
表面調整剤は高い表面配向性を発現するので、被膜表面の表面張力を均一化でき、それにより良好なレベリング性をコーティング剤に付与している。その結果、コーティング剤に塗工ムラを生じさせず、また焼付塗装における焼付工程でワキの発生を防止するので、被膜表面にユズ肌のような不具合を生じさせない。
表面調整剤の共重合物は、表面配向基を含有するシロキシ基含有アクリレートユニット及び/又はフッ素含有(メタ)アクリレートユニットと、表面自由エネルギー制御基を含有する(メタ)アクリルアミドユニット及び/又はモルフォリンアミドユニットとを、有していることにより、要求される機能に応じてユニット毎の含有量を調整できるので、各種コーティング剤への最適化を簡便に行うことができる。
表面調整剤の共重合物は、高極性両親媒骨格を有していることによりコーティング剤の被膜形成成分との相溶性に優れている。しかも共重合物は、その骨格中に親水部及び疎水部を有し感温性を示す(メタ)アクリルアミドユニット及び/又はモルフォリンアミドユニットを有していることにより、温度に依存して疎水性と親水性との間の相転換を生じる感温性ポリマーであるので、焼付塗装における焼付工程のような高温に曝されると疎水性に転じてコーティング剤中の泡を不安定化させ、ワキの発生を抑制できる。さらに、この表面調整剤と被膜形成成分とを含有するコーティング剤が硬化して形成された被膜は、共重合物中の親水部により高い表面自由エネルギーを保持するので、上塗りコーティング剤に対して高い上塗り湿潤性を示す。そのためこの被膜に含まれる表面調整剤は、上塗り性向上剤として作用する。
以下、本発明を実施するための形態を詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の表面調整剤は、シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又はフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)と、(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)から選ばれる少なくとも一種の親水性モノマーとが共重合した共重合物を、少なくとも含有しているものである。
具体的に表面調整剤は、下記化学式(I)
Figure 2019098013
(化学式(I)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2〜10のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、mは2〜150の正数である。)で表されるシロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又は下記化学式(II)
CH=C(R)−CO−O−R−R ・・・(II)
(化学式(II)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは直接結合又は炭素数2〜12で直鎖若しくは分枝鎖、又は炭素数3〜12で環状のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜12で直鎖若しくは分枝鎖、又は3〜12で環状のパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロポリエーテル基である。なお、Rはパーフルオロアルキル基、及びパーフルオロポリエーテル基の何れであってもよく、パーフルオロポリエーテル基含有パーフルオロアルキル基であっても、パーフルオロアルキル基含有パーフルオロポリエーテル基であってもよい。)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)の0.01〜35.00質量部と、下記化学式(III)
CH=C(R)−CO−N(R)−R ・・・(III)
(化学式(III)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは水素原子、メチル基、又はエチル基であり、Rはメチル基、エチル基、又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基である。)で表される(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び/又は不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)である親水性モノマーの65.00〜99.99質量部との共重合物を含有し、その重量平均分子量を1500〜50000としているものである。この表面調整剤は、硬化により被膜を形成する樹脂のような被膜形成成分、顔料や染料のような着色剤、及び溶媒を含む被添加剤に添加されて各種コーティング剤を調製するのに用いられる。
表面調整剤に含有される共重合物の重量平均分子量は、1500〜50000の範囲内である。その重量平均分子量が1500未満の場合は、液体であるコーティング剤の塗工時にワキのような泡の問題を生じ易くなる。一方、その重量平均分子量が50000を超える場合は、表面調整剤の表面配向性が低下し、十分な表面自由エネルギー制御効果が得られなくなる。共重合物の重量平均分子量が、3000〜25000であるとより好ましく、3500〜20000であると一層好ましい。
シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又はフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)が35.00質量部を超える場合、疎水性であるシロキシ基及び/又はフッ素の含有量が過多となってしまい、得られた表面調整剤は十分な上塗り湿潤性を被膜に付与できない。一方、0.01質量部未満である場合、得られた表面調整剤は表面張力の低いシロキシ基及び/又はフッ素による被膜中での表面配向性を十分に得られず、被膜表面に上塗り湿潤性を十分に付与できない。このように、シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又はフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)が、過多であっても過少であっても、上塗りコーティング剤で形成された上層被膜との密着性を向上させることができない。なお、上塗りコーティング剤は、表面調整剤を含むコーティング剤によって形成された被膜に重ねられ、上層被膜を形成する上層コーティング剤である。
表面調整剤の共重合物は、シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又はフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)を1〜30質量部としていることが好ましく、4〜25質量部としていることがより好ましい。共重合物がシロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)とフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)との両方を有していてもよい。この場合、シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)とフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)との質量比は、この表面調整剤を含有するコーティング剤の特徴に応じて適宜決定される。
コーティング剤中に含まれる表面調整剤以外の成分、例えば、樹脂のような被膜形成成分、並びに着色剤、防錆剤、及び充填剤のような添加剤が、表面配向性を高めるシリコーンやフッ素を含まない場合、シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)を主体とすることが好ましく、具体的にその質量比をA1:A2=80:20〜100:0としていることが好ましく、90:10〜100:0としていることがより好ましい。表面調整剤以外の成分がシリコーンやフッ素を含有している場合、表面調整剤の表面配向性をより高めるため、フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)を主体としていることが好ましく、その質量比をA1:A2=0:100〜80:20としていることが好ましい。具体的に上記の添加剤がフッ素を含有する場合、A1:A2=40:60〜80:20であることが好ましい。また上記の添加剤がシリコーンを含有する場合、A1:A2=40:60〜80:20であることが好ましい。さらに、上記の被膜形成成分である樹脂がシリコーンやフッ素を含有する場合、A1:A2=0:100〜50:50であることが好ましく、0:100〜40:60としていることがより好ましく、0:100〜30:70としていることが一層好ましい。
本発明の表面調整剤は、コーティング剤の塗膜やそれにより形成された被膜の表面に配向する(浮く)ことにより上塗り湿潤性を向上させる。そのため、表面調整剤以外の成分が高い表面配向性を有するシリコーンやフッ素を含有する場合、フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)の含有量を比較的多くすることによって表面調整剤の表面配向性をより向上させることが好ましい。特にフッ素系添加剤は高い表面配向性を有しているので、表面調整剤の表面配向性を、この添加剤よりも高めることを要する。また、被膜形成成分の樹脂がシリコーンやフッ素を含有する場合、被膜形成成分自体が非常に低い極性となり、そこに用いられる表面調整剤には非常に高い表面配向性が要求される。この場合、表面調整剤のフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)をさらに多くして、それの表面配向性を最大限に高める必要がある。
シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)は、上記の化学式(I)で表される片末端(メタ)アクリル変性のシロキシ基含有モノ(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。具体的に例えば、サイラプレーンFM−0711、サイラプレーンFM−0721、サイラプレーンFM−0725(以上、JNC株式会社の製品名;サイラプレーンはJNC株式会社の登録商標)、KF−2012、X−22−174DX、X−22−2426、X−22−2475(以上、信越化学工業株式会社の製品名)が挙げられる。
また、フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)は、上記の化学式(II)で表される片末端(メタ)アクリル変性のフッ素含有(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
パーフルオロアルキル基含有の(メタ)アクリレートモノマーとして具体的に例えば、パーフルオロメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−プロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−オクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−デシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘプチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロオクチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロノニル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロウンデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘプチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロノニルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロデシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロウンデシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロドデシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−プロピルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ペンチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ヘプチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−オクチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ノニルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−デシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ウンデシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ドデシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘプチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロオクチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロノニルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロデシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロウンデシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロドデシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロメチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘプチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロウンデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロドデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−プロピルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)エチルアクリレート、パーフルオロiso−ペンチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ヘプチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−オクチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ノニルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−デシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ウンデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ドデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘプチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロオクチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロノニルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロウンデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロドデシルエチル(メタ)アクリレート、
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パーフルオロメチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロエチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロペンチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘキシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロヘプチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロノニルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロデシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロウンデシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロドデシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−プロピルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ブチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロtert−ブチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロsec−ブチル(メタ)ドデシルアクリレート、パーフルオロiso−ペンチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ヘキシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ヘプチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−オクチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ノニルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−デシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ウンデシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロiso−ドデシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロペンチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘキシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロヘプチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロオクチルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロノニルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロデシルドデシル(メタ)アクリレート、パーフルオロシクロウンデシルドデシル(メタ)アクリレート、及びパーフルオロシクロドデシルドデシル(メタ)アクリレートが挙げられる。これらのフッ素含有(メタ)アクリレートモノマーは、一種のみを用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
上記の化学式(III)で表される(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び/又は不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)である親水性モノマー(B)が65質量部未満の場合、十分な表面自由エネルギーの制御効果を発現できず、コーティング剤中の被膜形成性成分との相溶性が低下する上、上塗り湿潤性も低下するので、上塗りコーティング剤の塗装の際にハジキが生じたり、それの被膜表面に凹みが生じたりする。さらにレベリング性を悪化させて上塗り湿潤性を低下させるので、上層被膜との密着性が十分に得られない。親水性モノマー(B)は、70〜99質量部であることが好ましく、80〜95質量部であることがより好ましい。なお、(メタ)アクリルとの語は、アクリル及びメタクリルを意味する。
(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)は、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、及び(メタ)アクリロイルモルフォリン以外のもので、(メタ)アクリルアミド、無置換又はケトン基やアミノ基やスルホン酸基やその塩で置換されていてもよい。例えば、炭素数1〜12のアルキル基によるN−アルキル(メタ)アクリルアミドやN,N−ジアルキル(メタ)アクリルアミド、環状(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、又はその4級塩、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸有機塩、及び(メタ)アクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸無機塩等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)として、具体的にN−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミドであるDMAA(KJケミカルズ株式会社の登録商標)、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドであるDEAA(KJケミカルズ株式会社の登録商標)、及びヒドロキシエチルアクリルアミドであるHEAA(KJケミカルズ株式会社の登録商標)が挙げられる。これらは夫々一種のみを用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。
不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)として、例えば、アクリロイルモルフォリンであるACMO(KJケミカルズ株式会社の登録商標)が挙げられる。
表面調整剤は、その性能を損なわない限りにおいてアルキル(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、ビニル基含有化合物類、及びブロックイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類から選ばれる少なくとも一種である不飽和コモノマー(C)を、含有していてもよい。共重合物が不飽和コモノマー(C)に由来するユニットを有していることによって、各種コーティング剤中における相溶性向上効果、及び/又はコーティング剤により形成された被膜との反応による耐久性向上効果を表面調整剤に付与することができる。不飽和コモノマー(C)は、シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又はフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)と、(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び/又は不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)との合計100質量部に対して30質量部以下、好ましくは25質量部以下、より好ましくは20質量部以下の含有量としていてもよい。
アルキル(メタ)アクリレート類として、無置換、又はアミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、炭化水素芳香環、及び複素環の少なくとも何れかで置換され、若しくはヒドロキシ基に酸無水物が開裂付加していてもよい直鎖状、分枝鎖状、若しくは環状で炭素数1〜12のアルキル基を有する無置換若しくは置換アルキル(メタ)アクリレートである希釈モノマーが挙げられる。具体的に、アルキルアクリレート、又はアルキルメタクリレートが挙げられ、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)クリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチル−コハク酸、2−アクリロイロキシエチル−フタル酸、及びテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が、挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類として、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジエチルメタクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミドや(メタ)アクリロイルモルフォリン以外のもので、(メタ)アクリルアミド、無置換又はケトン基やアミノ基やスルホン酸基やその塩で置換していてもよい炭素数1〜12のアルキル基によるN−アルキル(メタ)アクリルアミドや環状(メタ)アクリルアミド、例えばジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、又はその4級塩、イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトンアクリルアミド、(メタ)アクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸、(メタ)アクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸有機塩、及び(メタ)アクリルアミド−tert−ブチルスルホン酸無機塩等が、挙げられる。
ビニル基含有化合物類として、例えばn−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルのような炭素数1〜12の直鎖状、分枝鎖状又は環状のアルキルビニルエーエルモノマー;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ラウリン酸ビニルのような脂肪酸ビニルエステルモノマーが挙げられる。
ブロックイソシアネート基含有(メタ)アクリレート類として、例えばエチルアルコール、イソプロピルアルコール、カプロラクタム、メチルエチルケトン−オキシム、ジメチルピラゾール、及びマロン酸ジエチルから選ばれるブロック剤にてブロックされたイソシアネート基含有(メタ)アクリレートモノマーが挙げられる。
表面調整剤は、この共重合物のみからなるものであってもよく、この共重合物を不活性溶媒で溶解、又は懸濁させて用いてもよい。
不活性溶媒は、この共重合物を溶解又は懸濁させることができるのもので、コーティング剤に混和できるものであると好ましい。具体的にはキシレン、トルエン、及びシクロヘキサンのような炭化水素系溶媒;シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなエーテル系溶媒;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテートのようなエステル系溶媒;n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、及び3−メチル−3−メトキシブタノールのようなアルコール系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、複数種混合して用いてもよい。
表面調整剤は、以下のようにして調製される。シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又はフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)と、(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び/又は不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)と、必要に応じて不飽和コモノマー(C)とを、適当な溶媒中、ラジカル重合開始剤、必要に応じて連鎖移動剤の存在下でランダム共重合させて、共重合物を合成する。それによりこの表面調整剤が得られる。なお表面調整剤は、合成された共重合体と、不活性溶媒とを混合して得られたものであってもよい。
表面調整剤に含有される共重合物を得る方法は、ラジカル重合に限られない。また共重合物は、ランダム共重合体に限られず、ブロック共重合体であってもよく、グラフト共重合体であってもよい。
本発明のコーティング剤は、予め混合された被膜形成成分に、上記の表面調整剤を配合し、これを混錬することにより調製される。被膜形成成分の混合と表面調整剤の配合とを、同時に行ってもよく、任意の順で行ってもよい。
コーティング剤に含有される被膜形成成分である樹脂として、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、アルキッド系樹脂、エポキシ系樹脂、及びアミノ系樹脂が挙げられる。この樹脂は、例えば、加熱硬化型、紫外線硬化型、電子線硬化型、酸化硬化型、光カチオン硬化型、過酸化物硬化型、及び酸/エポキシ硬化型のように、触媒存在下、又は触媒非存在下で化学反応を伴って硬化するものであってもよく、ガラス転移点が高い樹脂で、化学反応が伴わず、溶媒が揮発するだけで被膜となるものであってもよい。
このコーティング剤中、表面調整剤は、コーティング剤全量に対する固形分換算値で、0.1〜10質量%、好ましくは0.5〜5.0質量%配合されていることが好ましい。このコーティング剤に、被膜形成成分及び表面調整剤の他、例えば顔料・染料のような着色剤、樹脂、希釈溶媒、触媒、及び界面活性剤がさらに配合されていてもよい。また、必要に応じて、増感剤、帯電防止剤、消泡剤、分散剤、及び/又は粘度調整剤が配合されていてもよい。
希釈溶媒は、一般的に用いられる水又は有機溶媒であれば、特に限定されないが、有機溶媒として例えば、キシレン、トルエン、及びシクロヘキサンのような炭化水素系溶媒;シクロヘキサノン及びメチルイソブチルケトンのようなケトン系溶媒;メチルセロソルブ、セロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、ジエチルカルビトール、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルのようなエーテル系溶媒;酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸n−アミル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及び3−メトキシブチルアセテートのようなエステル系溶媒;n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、シクロヘキサノール、2−エチルヘキサノール、及び3−メチル−3−メトキシブタノールのようなアルコール系溶媒が挙げられる。これらの溶媒は、単独で用いてもよく、複数種を混合して用いてもよい。
本発明の被膜は、上記のコーティング剤を基材上に塗工した塗装膜表面が、乾燥又は硬化したものである。
基材は、特に限定されないが、同種又は異種のコーティング剤によって形成された被膜、プラスチック、ゴム、紙、木材、ガラス、金属、石材、セメント材、モルタル材、又はセラミックスの素材で形成されたものが挙げられる。基材は、例えば家電製品や車両の外装材、日用品、建材に用いられる。
コーティング剤によって基材上に被膜を形成するのに、例えば、スピンコート、スリットコート、スプレーコート、ディップコート、バーコート、ドクターブレード、ロールコート、及びフローコートのような塗装方法を挙げることができる。被膜は、このような塗装工程を経た後、焼付工程を経て乾燥し又は硬化したものであってもよい。
以下、本発明の表面調整剤を調製した実施例、及び本発明を適用外である表面調整剤を調製した比較例を、示す。
<実施例1>
撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mLの反応容器に、シクロヘキサノンを100質量部加えて、窒素ガス雰囲気下で110℃に昇温した。シクロヘキサノンの温度を110℃に維持し、表1に示す滴下溶液(a−1)、重合開始剤の1質量部、連鎖移動剤の2質量部、及びシクロヘキサノンの100質量部を混合したものを滴下ロートにより2時間で等速滴下して、モノマー溶液を調製した。滴下終了後、モノマー溶液を、115℃まで昇温させ、2時間反応させて共重合物を合成し実施例1の表面調整剤を得た。異なる分子量の分子を分離できるゲル浸透クロマトグラフィー(カラムは東ソー株式会社製で製品名TSKGEL SUPERMULTIPORE HZ−M、溶出溶媒はTHF(テトラヒドロフラン))を用いて、この表面調整剤中の共重合物を分子量ごとに溶出し、分子量分布を求めた。予め分子量既知のポリスチレン標準物質から校正曲線を得ておき、この表面調整剤中の共重合物の分子量分布と比較して、共重合物の重量平均分子量を求めた。その結果、この表面調整剤中の共重合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で3500であった。
<実施例2〜15>
実施例1中の滴下溶液を表1に示す(а−2)〜(a−15)に夫々変更し、かつ滴下温度を表1に示すように変更したこと以外は実施例1と同様の方法で、実施例2〜15の表面調整剤を得た。実施例2〜15の表面調整剤を、実施例1と同様の操作によりゲル浸透クロマトグラフィーを用いて求めた。結果を表1に示す。
Figure 2019098013
<比較例1>
撹拌装置、還流冷却管、滴下ロート、温度計及び窒素ガス吹き込み口を備えた1000mLの反応容器に、シクロヘキサノンを100質量部加えて、窒素ガス雰囲気下で110℃に昇温した。シクロヘキサノンの温度を110℃に維持し、表2に示す滴下溶液(b−1)、
重合開始剤1の質量部、連鎖移動剤の2質量部、及びシクロヘキサノンの100質量部を混合したものを滴下ロートにより2時間で等速滴下して、モノマー溶液を調製した。滴下終了後、モノマー溶液を、115℃まで昇温させ、2時間反応させて共重合物を合成し比較例1の表面調整剤を得た。実施例1と同様の操作によりゲル浸透クロマトグラフィーを用いて求めたこの表面調整剤中の共重合物の重量平均分子量は、ポリスチレン換算で3500であった。
<比較例2〜9>
比較例1中の滴下溶液を表2に示す(b−2)〜(b−9)に夫々変更し、かつ滴下温度を表1に示すように変更したこと以外は比較例1と同様の方法で、比較例2〜9の表面調整剤を得た。比較例2〜9の表面調整剤を、比較例1と同様の操作によりゲル浸透クロマトグラフィーを用いて求めた。結果を表2に示す。
Figure 2019098013
<準備塗料の調製>
実施例1〜15及び比較例1〜9の表面調整剤を配合すべき準備塗料を次のように調製した。ベッコライト M−6154−40(ポリエステルポリオール樹脂、不揮発分:50%、水酸基価50;DIC株式会社製)324質量部とCR−93(酸化チタン 石原産業株式会社製)270質量部とのミルベースにガラスビーズを加え、ペイントシェーカーにより6時間攪拌した。更に、このミルベース594質量部に、ベッコライト M−6154−40(DIC株式会社製)135質量部、スーパーベッカミンL−117−60(ブチル化メラミン樹脂、NV60%、DIC株式会社製)22質量部、スーパーベッカミンL−105−60(メチル化メラミン樹脂 NV60% DIC株式会社製)45質量部及びシンナー(ソルベッソ150/シクロヘキサノン=50/50)204質量部からなるレットダウンを配合した後、ガラスビーズを濾別して、焼付型ポリエステル塗料である準備塗料を得た。
<コーティング剤の調製>
実施例1〜15及び比較例1〜9の表面調整剤及び消泡剤(共栄社化学株式会社製、製品名;フローレンAC−300)を、上記の準備塗料に添加してコーティング剤を調製した。このとき、コーティング剤における消泡剤の含有率を0.5質量%とし、表面調整剤の含有量を固形分換算で1.5質量%とした。また、ブランクとして表面調整剤のみを添加しなかったコーティング剤を調製した。
<被膜の作製>
コーティング剤をラボディスパーにて1500rpm、3分間撹拌した。これを一晩静置してから、縦150mm、横100mm、厚さ0.2mmの矩形状板であるアルミニウム製の基材の表面に40μmバーコーターを用いて塗布し3分間静置した。次いで、この塗装面を150℃、20分間焼き付けて、コーティング剤を硬化させ、被膜を作製した。
<レベリング性の評価>
被膜の表面の肌状態を目視にて観察し、下記評価基準にて5段階で評価した。結果を表3に示す。
レベリング性の評価基準
良好:○
バーコーターの塗装筋が僅かに残った:○△
バーコーターの塗装筋が顕著に残った:△
ハジキが発生した:×
<被膜の表面自由エネルギーの測定>
被膜に、水、エチレングリコール、及び2−ヘキサデカンを夫々滴下し、これらと被膜との接触角を、接触角測定計(協和界面化学株式会社製)を用いて測定し、それにより得られた測定値に基いて被膜の表面自由エネルギーを求めた。結果を表3に示す。
<上塗りコーティング剤の調製>
ビニル変性アルキド樹脂(DIC株式会社製、製品名:ウォーターゾール(登録商標)BCD3050)の278.1質量部、酸化チタン(テイカ株式会社製、商品名:テイカJR−600A)の300質量部、非シリコーン系消泡剤の0.3質量部、イオン交換水の30質量部、及び直径1.5〜2.0mmであるガラスビーズの300質量部を、900mlガラス瓶に入れ、ペイントシェーカーを用いて2時間攪拌した。その後、ビニル変性アルキド樹脂(DIC株式会社製、商品名:ウォーターゾール(登録商標)BCD3050)の307.2質量部、メラミン樹脂(日本サイテックインダストリーズ株式会社製、商品名:サイメル303)の68.1質量部、消泡剤(共栄社化学株式会社製、商品名:アクアレン832)の0.3質量部を加えてレットダウンしてガラスビーズを濾別した。その後、フォードカップNo.4を用いて45秒/25℃となるまでイオン交換水で希釈して水性アルキドメラミン塗料である上塗りコーティング剤を調製した。
<上塗りコーティング剤と被膜との上塗り湿潤性評価>
上記「被膜の作製」にて作製した被膜を下層被膜とし、その表面へ上塗りコーティング剤を、40μmバーコーターを用いて塗布した。その際、未硬化の上塗りコーティング剤の表面を目視にて観察し、下記評価基準にて4段階で評価した。結果を表3に示す。
湿潤性の評価基準
良好;○
下層被膜全面を覆っているが表面の肌に凹凸が生じて膜厚が不均一であった:○△
上塗りコーティング剤が下層被膜に十分に湿潤せず基材の縁部面に沿ってハジキが発生した:△
上塗りコーティング剤が下層被膜に全く湿潤せず全面にハジキが発生した:×
<上層被膜の作製>
上塗りコーティング剤を下層被膜に塗布した後、3分間静置した。次いで、上塗りコーティング剤の塗装面を60℃、3分間プレヒートした後、150℃、20分間焼き付けて硬化させ、上層被膜を作製した。それにより、基材の上に下層被膜及び上層被膜をこの順重ねた積層被膜を有する試験塗板を作製した。
<下層被膜と上層被膜との層間密着性評価>
上記の試験塗板の表面に、クロスカットガイド(コーテック株式会社製、商品名:CCJ−1)に沿い、カッターを用いて切り込みを入れた。それにより1mm間隔の格子を100マス形成した。格子が形成された表面に市販のセロハンテープを貼り付け、密着後に引き剥がした。その後、試験塗板表面の上層被膜が剥離したマスの数を数えた。マスの縁のみの剥離は「縁欠け」とし、1マスの2/3未満の剥離は2マスで1マスとして数え、2/3以上の剥離は1マスとして数えた。これに従って、下記評価基準にて3段階で評価した。結果を表3に示す。
密着性の評価基準
剥離したマスが0マスであり、かつ縁欠けが発生しなかった;○
剥離したマスが1〜2マスであった、又は縁欠けが発生したマスが1〜5マスであった;△
剥離したマスが3マス超であった;×
<ワキ防止性の評価>
実施例1〜15及び比較例1〜9の表面調整剤を含有するコーティング剤を用いて作製した被膜、及び表面調整剤を含有しないブランクのコーティング剤を用いて作製した被膜について、上記の「レベリング性の評価」と同時に、目視にてワキの発生度合を、下記評価基準にて3段階で評価した。結果を表3に示す。
ワキ防止性の評価基準
ワキが発生しなかった:〇
1〜5点/cmでワキが発生した:△
5点/cmを超えてワキが発生した:×
Figure 2019098013
表3から分かるように、実施例1〜15の表面調整剤は、制御された高い表面自由エネルギーをコーティング剤に付与することによって、それらコーティング剤は高いレベリング性、及び上塗りコーティング剤との高い湿潤性を示した。また、このような高い湿潤性によって、実施例の表面調整剤を含有するコーティング剤によって形成された被膜は、上塗りコーティング剤との密着性が良好であった。このように実施例1〜15の表面調整剤は、被膜の上塗り性を向上させるものであった。
一方、比較例1及び2の表面調整剤はコーティング剤表面に配向できずにコーティング膜全体に分布していたため、表面自由エネルギーの制御ができず、それの値が低かった。またこれらの表面調整剤を含むコーティング剤は、調製時に強く泡立ち、被膜表面にワキが発生した。比較例3〜5の表面調整剤はこれを含むコーティング剤によって形成された塗膜の表面自由エネルギーを低下させたため、被膜の上塗り性湿潤性が低かった。比較例6及び7の表面調整剤を含むコーティング剤は、比較例1〜5のものよりも幾らか高い表面自由エネルギーを示した。しかしながら表面自由エネルギーが不十分であったため、下層被膜の縁部分に湿潤性不良が発生していた。比較例8及び9の表面調製剤を含むコーティング剤は、レベリング性の評価においてブランクに比較して若干向上したが、上塗り湿潤性、層間密着性、及びワキ防止性のいずれの評価においても、ブランクと同等の結果であり、表面調整剤の効果は不十分であった。
本発明の表面調整剤は、プラスチック、ゴム、紙、木材、ガラス、金属、石材、セメント材、モルタル材、セラミックスの素材で形成された家電製品や自動車の外装材、日用品、建材の表面に塗布される塗料等のコーティング剤に含有されて使用される。
上記の表面調整剤を含んでいるコーティング剤により形成された被膜は、高い上塗り湿潤性を発揮するので、その上に重ねられる上塗りコーティング剤の下地として使用される。

Claims (7)

  1. 下記化学式(I)
    Figure 2019098013
    (化学式(I)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数2〜10のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜12のアルキル基であり、mは2〜150の正数である。)で表されるシロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又は下記化学式(II)
    CH=C(R)−CO−O−R−R ・・・(II)
    (化学式(II)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは炭素数0〜12のアルキレン基であり、Rは炭素数1〜12のパーフルオロアルキル基及び/又はパーフルオロポリエーテル基である。)で表されるフッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)の0.01〜35.00質量部と、
    下記化学式(III)
    CH=C(R)−CO−N(R)−R ・・・(III)
    (化学式(III)中、Rは水素原子又はメチル基であり、Rは水素原子、メチル基、又はエチル基であり、Rはメチル基、エチル基、又は炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基である。)で表される(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び/又は不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)である親水性モノマーの65.00〜99.99質量部との共重合物を含有し、前記共重合物の重量平均分子量を1500〜50000としていることを特徴とする表面調整剤。
  2. 前記シロキシ基含有アクリレートモノマー(A1)及び/又は前記フッ素含有(メタ)アクリレートモノマー(A2)と、前記(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び/又は前記不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)との合計100質量部と、アルキル(メタ)アクリレート類、水酸基含有(メタ)アクリレート類、(メタ)アクリルアミド類、ビニル基含有化合物類、及び/又はブロックイソシアネート基である不飽和コモノマー(C)の最大で30質量部との前記共重合物を、含有していることを特徴とする請求項1に記載の表面調整剤。
  3. 前記親水性モノマーが、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、及びヒドロキシエチルアクリルアミドから選ばれる少なくとも一種の前記(メタ)アクリルアミドモノマー(B1)及び/又はアクリロイルモルフォリンである前記不飽和基含有モルフォリンアミドモノマー(B2)であることを特徴とする請求項1又は2に記載の表面調整剤。
  4. 被添加剤のレベリング性、表面自由エネルギー制御性、及び湿潤性を向上させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面調整剤。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の表面調整剤と、被膜形成成分とを含有することを特徴とするコーティング剤。
  6. 請求項5に記載のコーティング剤が乾燥又は硬化していることを特徴とする被膜。
  7. 前記被膜に重ねられる上層コーティング剤に対する湿潤性を有していることを特徴とする請求項6に記載の被膜。
JP2019553797A 2017-11-14 2018-10-30 表面調整剤 Pending JPWO2019098013A1 (ja)

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