JPWO2019082385A1 - ブロッキング防止剤、成形材料、および成形体 - Google Patents
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Abstract
芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする(共)重合体を水素化してなる(共)重合体水素化物の粉体を含み、且つ、かかる(共)重合体水素化物の軟化温度が120℃以上である、ことを特徴とする、ブロッキング防止剤である。
Description
本発明は、ブロッキング防止剤、成形材料、および成形体に関する。より具体的には、本発明は、ペレットのブロッキングを防止するためのブロッキング防止剤、特定のブロック共重合体水素化物を主成分とするペレットに対してブロッキング防止剤を外部添加してなる成形材料、および該成形材料を溶融成形してなる成形体に関する。
従来、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロックと、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロックとからなるブロック共重合体の、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化して得られる特定のブロック共重合体水素化物やシラン変性された特定のブロック共重合体水素化物は、医療用容器、光学フィルム、太陽電池封止材、合わせガラス中間膜、有機エレクトロルミネッセンス素子の封止材、導光板等の透明性が要求される用途に利用できることが知られている(特許文献1〜6)。
例えば、ブロック共重合体水素化物を基材となるガラスシート等に貼り合わせることにより、太陽電池封止材、合わせガラス中間膜、有機エレクトロルミネッセンス素子の封止材、等の用途に使用される。
このような用途に用いられるブロック共重合体水素化物には、高い透明性に加えて、基材への密着性や温度変化に対する基材の割れを防止するため、柔軟性に優れることも求められる。
例えば、ブロック共重合体水素化物を基材となるガラスシート等に貼り合わせることにより、太陽電池封止材、合わせガラス中間膜、有機エレクトロルミネッセンス素子の封止材、等の用途に使用される。
このような用途に用いられるブロック共重合体水素化物には、高い透明性に加えて、基材への密着性や温度変化に対する基材の割れを防止するため、柔軟性に優れることも求められる。
上記のブロック共重合体水素化物を上記用途に適用するには、通常、ブロック共重合体水素化物をペレット状態にしたものを、押出し成形やカレンダー成形によってシート状に加工し、基材と積層して使用される。
しかし、上記ブロック共重合体水素化物からなるペレットは柔軟性を有するため、このものを、包装袋やフレキシブルコンテナバッグ等に充填して、トラックや船で輸送したり、倉庫内で夏季に長期間貯蔵したりする場合に、圧密化によるブロッキングが発生し、そのペレットを使用する成形加工に供することができなくなる場合があった。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子の封止材のように、100℃程度の比較的低い温度での封止性が要求される場合は、使用するブロック共重合体水素化物は軟化温度が低いものであるため、よりブロッキングが発生し易くなる。
このため、透明で柔軟性を有するブロック共重合体水素化物のペレットを、ブロッキングさせることなく輸送および貯蔵するために、溶融成形体の透明性を損なうことがないペレットのブロッキングを防止することが必須となっていた。
しかし、上記ブロック共重合体水素化物からなるペレットは柔軟性を有するため、このものを、包装袋やフレキシブルコンテナバッグ等に充填して、トラックや船で輸送したり、倉庫内で夏季に長期間貯蔵したりする場合に、圧密化によるブロッキングが発生し、そのペレットを使用する成形加工に供することができなくなる場合があった。特に、有機エレクトロルミネッセンス素子の封止材のように、100℃程度の比較的低い温度での封止性が要求される場合は、使用するブロック共重合体水素化物は軟化温度が低いものであるため、よりブロッキングが発生し易くなる。
このため、透明で柔軟性を有するブロック共重合体水素化物のペレットを、ブロッキングさせることなく輸送および貯蔵するために、溶融成形体の透明性を損なうことがないペレットのブロッキングを防止することが必須となっていた。
柔軟性を有するブロック共重合体水素化物からなるペレットのブロッキングを防止するためには、通常、タルクや脂肪酸アマイド等の微粉からなるブロッキング防止剤をペレットに外部添加して表面に付着させ、ペレット同士が直接接触しないようにする方法がとられる。
しかし、上記成分のように、特定のブロック共重合体水素化物と相溶しないブロッキング防止剤を使用すると、成形されるブロック共重合体水素化物のシートに濁りが発生し、透明性が損なわれる場合があった。
しかし、上記成分のように、特定のブロック共重合体水素化物と相溶しないブロッキング防止剤を使用すると、成形されるブロック共重合体水素化物のシートに濁りが発生し、透明性が損なわれる場合があった。
この問題を解決すべく、特許文献7には、ビニル芳香族炭化水素単量体単位と共役ジエン単量体単位とを含む重合体またはその水添物である熱可塑性エラストマーペレットにブロッキング防止剤としてポリオレフィン微粒子を添加する方法が開示されている。
ここで、本発明者らは、特許文献7に記載された、ブロッキング防止剤としてのポリオレフィン微粒子を、ブロック共重合体水素化物に対して添加して成形材料を得て、得られた成形材料を用いて溶融成形体を作製した。その結果、得られた溶融成形体には著しい濁りが生じ、透明性が不十分であることが明らかとなった。
そこで、本発明は、ブロック共重合体水素化物を主成分とするペレットのブロッキング防止性を高めることができるブロッキング防止剤であって、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる、ブロッキング防止剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、ブロッキング防止性が充分に高く、且つ、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる、成形材料を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、濁りが少なく透明性に優れた成形体を提供することを目的とする。
そこで、本発明は、ブロック共重合体水素化物を主成分とするペレットのブロッキング防止性を高めることができるブロッキング防止剤であって、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる、ブロッキング防止剤を提供することを目的とする。
また、本発明は、ブロッキング防止性が充分に高く、且つ、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる、成形材料を提供することを目的とする。
さらに、本発明は、濁りが少なく透明性に優れた成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために、ブロック共重合体水素化物のペレットに外部添加するブロッキング防止剤について鋭意検討を重ねた。その結果、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする(共)重合体の水素化物であって、且つ、軟化温度が120℃以上である(共)重合体水素化物の粉体を、ブロッキング防止剤として使用することで、ペレットのブロッキング発生を低減させることができるとともに、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明のブロッキング防止剤は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする(共)重合体を水素化してなる(共)重合体水素化物の粉体を含み、且つ、前記(共)重合体水素化物の軟化温度が120℃以上である、ことを特徴とする。このように、特定の構造単位を主成分とする(共)重合体の水素化物であるとともに、軟化温度が120℃以上である、ブロッキング防止剤は、ブロック共重合体水素化物を主成分とするペレットのブロッキング防止性を高めることができ、且つ、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる。
なお、「(共)重合体水素化物の軟化温度」は、実施例に記載の方法により測定することができる。
なお、「(共)重合体水素化物の軟化温度」は、実施例に記載の方法により測定することができる。
ここで、本発明のブロッキング防止剤は、前記(共)重合体水素化物が、前記(共)重合体に含まれる、全炭素−炭素不飽和結合の90%以上を水素化してなる(共)重合体水素化物であることが好ましい。(共)重合体水素化物の水素化率が90%以上であれば、一層良好に、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる。
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の成形材料は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロック(A)を2個以上、および、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロック(B)を1個以上有するブロック共重合体(C)であって、前記重合体ブロック(A)の全量がブロック共重合体(C)全体に占める質量分率をwAとし、重合体ブロック(B)の全量がブロック共重合体(C)全体に占める質量分率をwBとしたときの、wAとwBとの比(wA:wB)が15:85〜70:30である、ブロック共重合体(C)を、水素化してなるブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレット100質量部に対し、上述した何れかのブロッキング防止剤を0.01質量部以上15質量部以下の割合で外部添加してなることを特徴とする。上述した特定の組成のペレット100質量部に対して、上述した何れかのブロッキング防止剤を0.01質量部以上15質量部以下外部添加してなる成形材料は、ブロッキング防止性が充分に高く、且つ、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる。
ここで、本発明の成形材料において、前記ブロック共重合体水素化物(D)が、前記ブロック共重合体(C)に含まれる全炭素−炭素不飽和結合の90%以上が水素化されてなる、ブロック共重合体水素化物であることが好ましい。ブロック共重合体水素化物(D)の水素化率が90%以上であれば、一層良好に、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる。
また、本発明の成形材料において、前記ブロック共重合体水素化物(D)が官能基を有していても良い。ブロック共重合体水素化物(D)が官能基を有していれば、成形材料を用いて得られる成形体に、所望の属性を付与することができる。
この発明は、上記課題を有利に解決することを目的とするものであり、本発明の成形体は、上述した何れかの成形材料を溶融成形してなることを特徴とする。かかる成形体は、濁りが少なく透明性に優れる。
本発明によれは、ブロック共重合体水素化物を主成分とするペレットのブロッキング防止性を高めることができるブロッキング防止剤であって、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる、ブロッキング防止剤を提供することができる。
また、本発明によれば、ブロッキング防止性が充分に高く、且つ、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる、成形材料を提供することができる。
さらに、本発明によれば、濁りが少なく透明性に優れた成形体を提供することができる。
また、本発明によれば、ブロッキング防止性が充分に高く、且つ、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる、成形材料を提供することができる。
さらに、本発明によれば、濁りが少なく透明性に優れた成形体を提供することができる。
以下、本発明を、(1)ブロック共重合体水素化物、(2)ブロッキング防止剤、(3)成形材料、および(4)成形体に項分けして、詳細に説明する。
(1)ブロック共重合体水素化物
本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)は、前駆体であるブロック共重合体(C)が水素化されてなる高分子である。さらに、好ましくは、ブロック共重合体水素化物(D)は、ブロック共重合体(C)に含まれる全炭素−炭素不飽和結合の90%以上が水素化されてなる高分子である。
本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)は、前駆体であるブロック共重合体(C)が水素化されてなる高分子である。さらに、好ましくは、ブロック共重合体水素化物(D)は、ブロック共重合体(C)に含まれる全炭素−炭素不飽和結合の90%以上が水素化されてなる高分子である。
[ブロック共重合体(C)]
ブロック共重合体(C)は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロック(A)を2個以上と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロック(B)を1個以上有する高分子である。
ブロック共重合体(C)は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロック(A)を2個以上と、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロック(B)を1個以上有する高分子である。
重合体ブロック(A)は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位(a)を主成分とする重合体ブロックである。重合体ブロック(A)中の、構造単位(a)の含有量は、重合体ブロック(A)全体を100質量%として、通常90質量%以上、好ましくは95質量%以上、より好ましくは99質量%以上である。なお、重合体ブロック(A)が、構造単位(a)のみから形成されていても良い。重合体ブロック(A)中の構造単位(a)の含有量が上記下限値以上であれば、本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)の耐熱性を向上させることができる。
重合体ブロック(A)は、構造単位(a)以外の成分を含有していてもよい。他の成分としては、鎖状共役ジエン由来の構造単位(b)および/またはその他のビニル化合物由来の構造単位(v)が挙げられる。重合体ブロック(A)中の、構造単位(b)および/または構造単位(v)の含有量は、重合体ブロック(A)全体を100質量%として、通常10質量%以下、好ましくは5質量%以下、より好ましくは1質量%以下である。重合体ブロック(A)中の構造単位(b)および/または構造単位(v)の含有量が上記上限値以下であれば、本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)の耐熱性を向上させることができる。
ブロック共重合体(C)に含まれる複数の重合体ブロック(A)同士は、上記の範囲を満足するものであれば、互いに同一であっても、相異してもよい。
重合体ブロック(B)は、構造単位(b)を主成分とする重合体ブロックである。重合体ブロック(B)中の、構造単位(b)の含有量は、重合体ブロック(B)全体を100質量%として、通常70質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは90質量%以上である。なお、重合体ブロック(B)が構造単位(b)のみから形成されていても良い。
重合体ブロック(B)中の、構造単位(b)の含有量が上記範囲にあると、本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)の柔軟性を向上させることができる。
重合体ブロック(B)中の、構造単位(b)の含有量が上記範囲にあると、本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)の柔軟性を向上させることができる。
重合体ブロック(B)は、構造単位(b)以外の成分を含有していてもよい。他の成分としては、構造単位(a)および/または構造単位(v)が挙げられる。重合体ブロック(B)中の、構造単位(a)および/または構造単位(v)の含有量は、重合体ブロック(B)全体を100質量%として、通常30質量%以下、好ましくは20質量%以下、より好ましくは10質量%以下である。重合体ブロック(B)中の、構造単位(a)および/または構造単位(v)の含有量が上記上限値以下であれば、本発明で使用するブロック共重合体水素化物(D)の柔軟性を向上させることができる。
ブロック共重合体(C)が重合体ブロック(B)を複数有する場合、重合体ブロック(B)同士は、互いに同一であっても、相異なっていてもよい。
また、重合体ブロック(A)に含まれうる構造単位(b)および/または構造単位(v)と、重合体ブロック(B)に含まれうる構造単位(a)および/または構造単位(v)とは、それぞれ同一であっても相異なっていても良い。
また、重合体ブロック(A)に含まれうる構造単位(b)および/または構造単位(v)と、重合体ブロック(B)に含まれうる構造単位(a)および/または構造単位(v)とは、それぞれ同一であっても相異なっていても良い。
芳香族ビニル化合物由来の構造単位(a)を形成するために用いることができる芳香族ビニル化合物としては、特に限定されることなく、スチレン;α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルスチレン等の置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有するスチレン類;4−メトキシスチレン等の置換基として炭素数1〜6のアルコキシ基を有するスチレン類;4−フェニルスチレン等の置換基としてアリール基を有するスチレン類;1−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン等のビニルナフタレン類;等が挙げられる。
これらの中でも、吸湿性の観点から、スチレン、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有するスチレン類等の、極性基を含有しない芳香族ビニル化合物が好ましく、工業的な入手の容易さから、スチレンが特に好ましい。
これらの中でも、吸湿性の観点から、スチレン、置換基として炭素数1〜6のアルキル基を有するスチレン類等の、極性基を含有しない芳香族ビニル化合物が好ましく、工業的な入手の容易さから、スチレンが特に好ましい。
鎖状共役ジエン由来の構造単位(b)を形成するために用いることができる鎖状共役ジエン系化合物としては、特に限定されることなく、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン等が挙げられる。これらの中でも、吸湿性の観点から、極性基を含有しない鎖状共役ジエン系化合物が好ましく、工業的な入手の容易さから、1,3−ブタジエン、イソプレンが特に好ましい。
その他のビニル系化合物としては、鎖状ビニル化合物、環状ビニル化合物、不飽和の環状酸無水物、不飽和イミド化合物等が挙げられる。これらの化合物は、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシカルボニル基、ハロゲン原子等の置換基を有していてもよい。中でも、吸湿性の観点から、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−ヘプテン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ドデセン、1−エイコセン、4−メチル−1−ペンテン、4,6−ジメチル−1−ヘプテン等の炭素数2〜20の鎖状オレフィン;ビニルシクロヘキサン、ノルボルネン等の炭素数5〜20の環状オレフィン;1,3−シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン等の環状ジエン化合物;等の、極性基を含有しないものが好ましい。
ブロック共重合体(C)中の重合体ブロック(A)の数は、通常3個以下、好ましくは2個であり、ブロック共重合体(C)中の重合体ブロック(B)の数は、通常2個以下、好ましくは1個である。ブロック共重合体(C)中の重合体ブロック(A)および重合体ブロック(B)の数が上記上限値以下であれば、ブロック共重合体(C)を水素化して得られるブロック共重合体水素化物(D)において、重合体ブロック(A)由来の水素化重合体ブロックと重合体ブロック(B)由来の水素化重合体ブロックとにより明瞭な相分離構造を形成することができ、ブロック共重合体水素化物(D)の高温側のガラス転移温度を高めて、本発明で使用するブロック共重合体水素化物(D)の耐熱性を向上させることができる。
ブロック共重合体(C)のブロックの形態は、特に限定されず、鎖状型ブロックでもラジアル型ブロックでもよいが、鎖状型ブロックであるのが、機械的強度が優れ好ましい。ブロック共重合体(C)の好ましい形態は、重合体ブロック(B)の両端に重合体ブロック(A)が結合したトリブロック共重合体(A)−(B)−(A)、および重合体ブロック(A)の両端に重合体ブロック(B)が結合し、更に、該両重合体ブロック(B)の他端にそれぞれ重合体ブロック(A)が結合したペンタブロック共重合体(A)−(B)−(A)−(B)−(A)であり、より好ましい形態は、トリブロック共重合体(A)−(B)−(A)である。
ここで、重合体ブロック(A)の全量がブロック共重合体(C)全体に占める質量分率をwAとし、重合体ブロック(B)の全量がブロック共重合体(C)全体に占める質量分率をwBとしたときに、wAとwBとの比(wA:wB)は、15:85〜70:30、好ましくは18:82〜65:35、より好ましくは20:80〜60:40である。wAの比率が上記上限値以下であれば、ブロック共重合体(C)を水素化して得られるブロック共重合体水素化物(D)の、柔軟性を高めて、例えば、太陽電池封止材、合わせガラス中間膜、有機エレクトロルミネッセンス素子の封止材等に適用した場合の封止性能を高めることができる。一方、wAが上記下限値以上であれば、ブロック共重合体(C)を水素化して得られるブロック共重合体水素化物(D)の自体のブロッキング防止性を高めて、後述する本発明のブロッキング防止剤を外部添加して併用した場合に相乗的に高いブロッキング防止効果を発現することができる。
ブロック共重合体(C)の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常40,000以上200,000以下、好ましくは45,000以上150,000以下、より好ましくは50,000以上100,000以下である。また、ブロック共重合体(C)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下である。MwおよびMw/Mnが上記範囲となるようにすると、本発明で使用するブロック共重合体水素化物(D)は、耐熱性や機械的強度が一層良好となる。
ブロック共重合体(C)の製造方法は、特に限定されず、公知の方法が採用できる。例えば、WO2003/018656号パンフレット、WO2011/096389号パンフレット等に記載の方法が挙げられる。
[ブロック共重合体水素化物(D)]
ブロック共重合体水素化物(D)は、上記のブロック共重合体(C)が水素化されてなる高分子である。より具体的には、ブロック共重合体水素化物(D)は、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに/或いは、芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されてなるものであり、好ましくは、少なくとも主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合が水素化されてなるものであり、より好ましくは、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに、芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されてなるものである。少なくとも主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合が水素化されていれば、ブロック共重合体水素化物(D)の耐光性および耐熱劣化性を高めることができ、透明性を高めることができる。さらに、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに、芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されていれば、ブロック共重合体水素化物(D)の耐熱性、耐候性を一層高めることができる。
ブロック共重合体水素化物(D)は、上記のブロック共重合体(C)が水素化されてなる高分子である。より具体的には、ブロック共重合体水素化物(D)は、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに/或いは、芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されてなるものであり、好ましくは、少なくとも主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合が水素化されてなるものであり、より好ましくは、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに、芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されてなるものである。少なくとも主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合が水素化されていれば、ブロック共重合体水素化物(D)の耐光性および耐熱劣化性を高めることができ、透明性を高めることができる。さらに、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに、芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されていれば、ブロック共重合体水素化物(D)の耐熱性、耐候性を一層高めることができる。
そして、ブロック共重合体水素化物(D)の水素化率は、ブロック共重合体(C)に含まれる全炭素−炭素不飽和結合を100%として、好ましくは90%以上、より好ましくは97%以上、さらに好ましくは99%以上である。なお、「ブロック共重合体(C)に含まれる全炭素−炭素不飽和結合」とは、ブロック共重合体(C)の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに、芳香環の炭素−炭素不飽和結合全体を指す。
ブロック共重合体(C)の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、97%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。また、ブロック共重合体(C)の芳香環の炭素−炭素不飽和結合は必ずしも水素化されていなくてもよいが、芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されている場合には、芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが特に好ましい。
ブロック共重合体(C)に含まれる全炭素−炭素不飽和結合を100%とした場合の水素化率(即ち、「ブロック共重合体水素化物(D)の水素化率」)が高いほど、本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)は耐光性や耐熱劣化性が良好で、長期の使用や高温下での使用でも優れた無色透明性が維持される。
ブロック共重合体水素化物(D)の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率;芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率;ブロック共重合体水素化物(D)の水素化率;は、それぞれ、ブロック共重合体水素化物(D)の1H−NMRを測定することにより求めることができる。
なお、各水素化率は、水素化時間や水素化温度や水素圧力の等の諸条件を変更することによって、制御することができる。
ブロック共重合体(C)の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、97%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。また、ブロック共重合体(C)の芳香環の炭素−炭素不飽和結合は必ずしも水素化されていなくてもよいが、芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されている場合には、芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが特に好ましい。
ブロック共重合体(C)に含まれる全炭素−炭素不飽和結合を100%とした場合の水素化率(即ち、「ブロック共重合体水素化物(D)の水素化率」)が高いほど、本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)は耐光性や耐熱劣化性が良好で、長期の使用や高温下での使用でも優れた無色透明性が維持される。
ブロック共重合体水素化物(D)の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率;芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率;ブロック共重合体水素化物(D)の水素化率;は、それぞれ、ブロック共重合体水素化物(D)の1H−NMRを測定することにより求めることができる。
なお、各水素化率は、水素化時間や水素化温度や水素圧力の等の諸条件を変更することによって、制御することができる。
ブロック共重合体(C)中の不飽和結合の水素化方法や反応形態等は特に限定されず、公知の方法に従って行えばよく、所望の水素化率を達成することができ、且つ、重合体鎖切断反応の少ない水素化方法が好ましい。このような水素化方法としては、例えば、WO2011/096389号パンフレット、WO2012/043708号パンフレット等に記載された方法を挙げることができる。
ブロック共重合体水素化物(D)の分子量は、THFを溶媒としたGPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常40,000以上200,000以下、好ましくは45,000以上150,000以下、より好ましくは50,000以上100,000以下である。また、ブロック共重合体水素化物(D)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下にする。
MwおよびMw/Mnが上記範囲となるようにすると、本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)の耐熱性や機械的強度が良好となる。
MwおよびMw/Mnが上記範囲となるようにすると、本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)の耐熱性や機械的強度が良好となる。
水素化反応終了後においては、水素化触媒、または水素化触媒および重合触媒を反応溶液から除去した後、得られた溶液から溶剤を除去してブロック共重合体水素化物(D)を回収することができる。
回収したブロック共重合体水素化物(D)は、通常、ペレット形状にして、成形材料に配合し、かかる成形材料をその後の成形加工に供することができる。
回収したブロック共重合体水素化物(D)は、通常、ペレット形状にして、成形材料に配合し、かかる成形材料をその後の成形加工に供することができる。
[官能基を有するブロック共重合体水素化物]
本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)は、官能基を有するもの〔以下、このものを「ブロック共重合体水素化物(Dβ)」ということがある。〕であっても良い。
官能基を有さない(または官能基を導入する前の)ブロック共重合体水素化物(D)〔以下、このものを「ブロック共重合体水素化物(Dα)」ということがある。〕に、上記官能基を導入することにより、ガラス、セラミックス、金属等の無機基材や、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の有機基材に対する接着性を付与することができる。
本発明の成形材料に配合するブロック共重合体水素化物(D)は、官能基を有するもの〔以下、このものを「ブロック共重合体水素化物(Dβ)」ということがある。〕であっても良い。
官能基を有さない(または官能基を導入する前の)ブロック共重合体水素化物(D)〔以下、このものを「ブロック共重合体水素化物(Dα)」ということがある。〕に、上記官能基を導入することにより、ガラス、セラミックス、金属等の無機基材や、熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の有機基材に対する接着性を付与することができる。
ブロック共重合体水素化物(Dβ)は、例えば、上記ブロック共重合体水素化物(Dα)に、アルコキシシリル基や酸無水物基等の官能基を導入することにより得ることができる。
ブロック共重合体水素化物(Dα)に、アルコキシシリル基や酸無水物基等の官能基を導入する方法は、特に限定されない。例えば、上記ブロック共重合体水素化物(Dα)に、有機過酸化物の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物や不飽和カルボン酸無水物をグラフト化反応させることにより、アルコキシシリル基や酸無水物基等の官能基を導入することができる。
ブロック共重合体水素化物(Dα)に、アルコキシシリル基や酸無水物基等の官能基を導入する方法は、特に限定されない。例えば、上記ブロック共重合体水素化物(Dα)に、有機過酸化物の存在下で、エチレン性不飽和シラン化合物や不飽和カルボン酸無水物をグラフト化反応させることにより、アルコキシシリル基や酸無水物基等の官能基を導入することができる。
グラフト化反応に使用するエチレン性不飽和シラン化合物や不飽和カルボン酸無水物等としては、ブロック共重合体水素化物(Dα)とグラフト化反応して、ブロック共重合体水素化物(Dα)にアルコキシシリル基や酸無水物基等を導入するものであれば、特に限定されない。
エチレン性不飽和シラン化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルトリアルコキシシラン;アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン等のアリルトリアルコキシシラン;ジメトキシメチルビニルシラン、ジエトキシメチルビニルシラン等のジアルコキシアルキルビニルシラン;p−スチリルトリメトキシシラン、p−スチリルトリエトキシシラン等のスチリルトリアルコキシシラン;3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン等の((メタ)アクリロキシアルキル)トリアルコキシシラン;3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン等の((メタ)アクリロキシアルキル)アルキルジアルコキシシラン;等が挙げられる。これらのエチレン性不飽和シラン化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合せて使用してもよい。なかでも、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のビニルトリアルコキシシランが好ましく、ビニルトリメトキシシランがより好ましい。なお、本明細書において、「(メタ)アクリロキシアルキル」とは、アクリロキシアルキルまたはメタクリロキシアルキルを意味する。
不飽和カルボン酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水イタコン酸、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、アリルコハク酸無水物、2−フェニルマレイン酸無水物、およびcis−アコニット酸無水物等が挙げられる。これらの中でも、工業的入手の容易さの観点から、無水マレイン酸、無水イタコン酸、および、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物が好適に用いられる。これらの不飽和カルボン酸無水物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
グラフト化反応に使用する有機過酸化物としては、1分間半減期温度が170〜190℃のものが好ましく使用される。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が好適に用いられる。なかでも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
これらの過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
有機過酸化物としては、例えば、t−ブチルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシド、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン等が好適に用いられる。なかでも、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンが好ましい。
これらの過酸化物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
ブロック共重合体水素化物(Dα)へのアルコキシシリル基や酸無水物基等の官能基の導入量は、通常、ブロック共重合体水素化物(Dα)100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下、好ましくは0.5質量部以上5質量部以下、より好ましくは1質量部以上3質量部以下である。
アルコキシシリル基や酸無水物基等の導入量が上記範囲にあれば、これらの基を導入されたブロック共重合体水素化物は、ガラス、セラミックス、金属、等の無機基材や熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の有機基材に対する接着性が付与される。
アルコキシシリル基や酸無水物基等の導入量が上記範囲にあれば、これらの基を導入されたブロック共重合体水素化物は、ガラス、セラミックス、金属、等の無機基材や熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂等の有機基材に対する接着性が付与される。
ブロック共重合体水素化物(Dα)と、エチレン性不飽和シラン化合物や不飽和カルボン酸無水物を、過酸化物の存在下で反応させる方法は、特に限定されない。例えば、ブロック共重合体水素化物(Dα)、エチレン性不飽和シラン化合物あるいは不飽和カルボン酸無水物、および過酸化物からなる混合物を、二軸混練機にて溶融状態で所望の時間混練することにより、ブロック共重合体水素化物(Dα)に、アルコキシシリル基あるいは酸無水物基を導入することができる。
二軸混練機による混練温度は、通常180℃以上220℃℃以下、好ましくは185℃以上210℃以下、より好ましくは190℃以上200℃以下である。また、加熱混練時間は、通常0.1分以上10分以下、好ましくは0.2分以上5分以下、より好ましくは0.3分以上2分以下である。加熱混練温度、および加熱混練時間(滞留時間)が上記範囲になるようにして、連続的に混練、押出しをすればよい。
[添加剤]
本発明で使用するブロック共重合体水素化物(D)には、樹脂に一般的に配合される各種の添加剤を配合することができる。
添加剤としては、柔軟性および接着温度の低下を抑制するとともに、金属との接着性等を調整するための粘着調整剤;紫外線を遮蔽するための紫外線吸収剤;加工性等を高めるための酸化防止剤;並びに、耐久性を高めるための光安定剤等が挙げられる。
本発明で使用するブロック共重合体水素化物(D)には、樹脂に一般的に配合される各種の添加剤を配合することができる。
添加剤としては、柔軟性および接着温度の低下を抑制するとともに、金属との接着性等を調整するための粘着調整剤;紫外線を遮蔽するための紫外線吸収剤;加工性等を高めるための酸化防止剤;並びに、耐久性を高めるための光安定剤等が挙げられる。
粘着調整剤としては、数平均分子量300〜5,000の炭化水素系重合体が好ましい。粘着調整剤の具体例としては、ポリイソブチレン、ポリブテン、ポリ−4−メチルペンテン、ポリ−1−オクテン、エチレン−α−オレフィン共重合体等の低分子量体およびその水素化物;ポリイソプレン、ポリイソプレン−ブタジエン共重合体等の低分子量体およびその水素化物等が挙げられる。これらの中では、特に透明性、耐光性を維持し、軟化効果に優れている点で、低分子量のポリイソブチレン水素化物、低分子量のポリイソプレン水素化物が好ましい。
低分子量の炭化水素系重合体の配合量は、ブロック共重合体水素化物(D)100質量部に対して、通常20質量部以下、好ましくは15質量部以下、より好ましくは10質量部以下である。低分子量の炭化水素系重合体の配合量を多くすると、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットが、本発明のブロッキング防止剤を添加しても、ブロッキングし易くなるおそれがある。
紫外線吸収剤としては、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、およびトリアジン系化合物等が使用できる。
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノ−ル系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が使用できる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が使用できる。
酸化防止剤としては、リン系酸化防止剤、フェノ−ル系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤等が使用できる。光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤等が使用できる。
ブロック共重合体水素化物(D)に配合される、紫外線吸収剤、酸化防止剤、ブロッキング防止剤、および光安定剤等は、それぞれ1種単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの添加剤の配合量は、ブロック共重合体水素化物(D)100質量部に対して、通常5質量部以下、好ましくは3質量部以下、より好ましくは1.5質量部以下である。
ブロック共重合体水素化物(D)に添加剤を配合する方法は、樹脂組成物の製造方法として一般に用いられる公知の方法が適用できる。例えば、ブロック共重合体水素化物(D)のペレットおよび添加剤を均等に混合した後、二軸押出機等の連続式溶融混練機により溶融混合し、押出してペレット状にすることによって添加剤を配合したブロック共重合体水素化物(D)を製造することができる。
なお、上記のようにして得られる「ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレット」は、ブロック共重合体水素化物(D)を含み、任意で、上述したような添加剤、およびブロック共重合体水素化物(D)とは組成および性状の異なる他の樹脂成分を含みうる。ペレットにおけるブロック共重合体水素化物(D)の含有割合は、好ましくは、60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは、75%以上であり、実質的に100%であっても良い。
(2)ブロッキング防止剤
本発明のブロッキング防止剤は、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットのブロッキングを防止するために使用される。
本発明のブロッキング防止剤は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位(a’)を主成分とする重合体(以下、「(共)重合体(CA)」)ということがある。)を水素化してなる(共)重合体水素化物(以下、「(共)重合体水素化物(DA)」ということがある。)の粉体を含む。そして、(共)重合体水素化物(DA)の軟化温度は、120℃以上であることを特徴とする。
本発明のブロッキング防止剤は、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットのブロッキングを防止するために使用される。
本発明のブロッキング防止剤は、芳香族ビニル化合物由来の構造単位(a’)を主成分とする重合体(以下、「(共)重合体(CA)」)ということがある。)を水素化してなる(共)重合体水素化物(以下、「(共)重合体水素化物(DA)」ということがある。)の粉体を含む。そして、(共)重合体水素化物(DA)の軟化温度は、120℃以上であることを特徴とする。
(共)重合体(CA)としては、一種または複数種の構造単位(a’)からなる重合体、構造単位(a’)を主成分としつつ、さらに、構造単位(b’)および/または構造単位(v’)を含むランダム共重合体、並びに、構造単位(a’)を主成分としつつ、さらに、構造単位(b’)および/または構造単位(v’)を含むブロック共重合体が挙げられる。
これらの中でも、(共)重合体(CA)が、ブロック共重合体であることが好ましい。(共)重合体(CA)がブロック共重合体である場合、その具体例としては、構造単位(a’)を主成分とする重合体ブロック(A’)と、構造単位(b’)を主成分とする重合体ブロック(B’)からなる、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、およびペンタブロック共重合体等が挙げられる。
これらの中でも、(共)重合体(CA)が、ブロック共重合体であることが好ましい。(共)重合体(CA)がブロック共重合体である場合、その具体例としては、構造単位(a’)を主成分とする重合体ブロック(A’)と、構造単位(b’)を主成分とする重合体ブロック(B’)からなる、ジブロック共重合体、トリブロック共重合体、およびペンタブロック共重合体等が挙げられる。
(共)重合体(CA)中の、構造単位(a’)の含有量は、通常75質量%以上、好ましくは80質量%以上、より好ましくは85質量%以上である。
(共)重合体(CA)中の構造単位(a’)の含有量が上記下限値以上であれば、本発明の成形材料に配合する(共)重合体水素化物(DA)の軟化温度を高めることができ、ブロッキング防止剤として良好に機能し得るようにすることができる。
(共)重合体(CA)中の構造単位(a’)の含有量が上記下限値以上であれば、本発明の成形材料に配合する(共)重合体水素化物(DA)の軟化温度を高めることができ、ブロッキング防止剤として良好に機能し得るようにすることができる。
構造単位(a’)を形成するために用い得る芳香族ビニル化合物としては、「(1)ブロック共重合体水素化物」の項目で上述した、ブロック共重合体(C)の構造単位(a)を形成するために用い得る芳香族ビニル化合物と同様の化合物を使用することができる。また、構造単位(b’)および構造単位(v’)を形成するために用い得る鎖状共役ジエン化合物およびその他のビニル系化合物としては、「(1)ブロック共重合体水素化物」の項目で上述した、ブロック共重合体(C)の構造単位(b)および構造単位(v)を形成するために用い得る鎖状共役ジエン化合物およびその他のビニル系化合物と同様の化合物を使用することができる。
なお、上記ブロック共重合体水素化物(D)と(共)重合体(CA)が成形材料に用いられた場合に、(共)重合体(CA)の主成分である、構造単位(a’)は、上述したブロック共重合体(C)の重合体ブロック(A)の主成分である構造単位(a)と同一であっても異なっていても良い。さらに、(共)重合体(CA)が構造単位(b’)および/または構造単位(v’)を含む場合には、(共)重合体(CA)に含まれる構造単位(b’)および/または構造単位(v’)は、それぞれ、ブロック共重合体(C)に含まれる構造単位(b)および構造単位(v)と、同一であっても異なっていても良い。
なお、上記ブロック共重合体水素化物(D)と(共)重合体(CA)が成形材料に用いられた場合に、(共)重合体(CA)の主成分である、構造単位(a’)は、上述したブロック共重合体(C)の重合体ブロック(A)の主成分である構造単位(a)と同一であっても異なっていても良い。さらに、(共)重合体(CA)が構造単位(b’)および/または構造単位(v’)を含む場合には、(共)重合体(CA)に含まれる構造単位(b’)および/または構造単位(v’)は、それぞれ、ブロック共重合体(C)に含まれる構造単位(b)および構造単位(v)と、同一であっても異なっていても良い。
(共)重合体(CA)の分子量は、GPCにより測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000以上100,0000以下、好ましくは11,000以上80,000以下、より好ましくは12,000以上60,000以下である。また、(共)重合体(CA)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下である。MwおよびMw/Mnが上記範囲となるようにすると、本発明で使用する(共)重合体水素化物(DA)は、耐熱性が高く、ブロッキング防止剤としての効果が良好となる。
分子量が上記下限値以上であれば、軟化温度を充分に高めて、ブロッキング防止剤としての機能を良好に発現させることができる。また、分子量が上記上限値以下であれば、本発明のブロッキング防止剤をブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに対して外部添加して、成形材料を溶融成形する際に、未溶融物が残留することを抑制して、成形不良が発生することを良好に抑制することができる。
分子量が上記下限値以上であれば、軟化温度を充分に高めて、ブロッキング防止剤としての機能を良好に発現させることができる。また、分子量が上記上限値以下であれば、本発明のブロッキング防止剤をブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに対して外部添加して、成形材料を溶融成形する際に、未溶融物が残留することを抑制して、成形不良が発生することを良好に抑制することができる。
(共)重合体(CA)の製造方法は、特に限定されず、公知の方法が採用できる。例えば、特開2000−169521号公報、WO2003/018656号パンフレット、WO2011/096389号パンフレット等に記載の方法が挙げられる。
ここで、(共)重合体水素化物(DA)は、上記の(共)重合体(CA)の水素化物である高分子である。ここで、(共)重合体水素化物(DA)は、(共)重合体(CA)が、(i)一種または複数種の構造単位(a’)からなるものである場合には、芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化したものであり、(ii)構造単位(a’)を主成分としつつ、さらに、構造単位(b’)および/または構造単位(v’)を含むランダム共重合体、或いは、(iii)構造単位(a’)を主成分としつつ、さらに、構造単位(b’)および/または構造単位(v’)を含むブロック共重合体である場合には、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合、並びに、芳香環の炭素−炭素不飽和結合を水素化したものである、という意味である。なお、上記(ii)(iii)に従う構造の(共)重合体(CA)を水素化して得た(共)重合体水素化物(DA)において、芳香環の炭素−炭素不飽和結合は必ずしも水素化されていなくてもよい。
(共)重合体水素化物(DA)の水素化率、即ち、(共)重合体(CA)に含まれる、全ての炭素−炭素不飽和結合を100%とした場合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることがさらに好ましい。(共)重合体水素化物(DA)の水素化率が高いほど、本発明で使用する(共)重合体水素化物(DA)の耐光性や耐熱劣化性が良好となる。
より具体的には、上記(i)に従う構造の(共)重合体(CA)を水素化して得た(共)重合体水素化物(DA)、および、上記(ii)(iii)に従う構造の(共)重合体(CA)を水素化して得た(共)重合体水素化物(DA)であって、水素化時に芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されてなるものである場合には、芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが更に好ましい。
また、上記(ii)(iii)に従う構造の(共)重合体(CA)を水素化して得た(共)重合体水素化物(DA)についての、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが更に好ましい。
(共)重合体水素化物(DA)の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率;芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率;および(共)重合体水素化物(DA)の水素化率は、(共)重合体水素化物(DA)の1H−NMRを測定することにより求めることができる。
なお、各水素化率は、水素化時間や水素化温度や水素圧力等の諸条件を変更することによって、制御することができる。
(共)重合体水素化物(DA)の水素化率、即ち、(共)重合体(CA)に含まれる、全ての炭素−炭素不飽和結合を100%とした場合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることがさらに好ましい。(共)重合体水素化物(DA)の水素化率が高いほど、本発明で使用する(共)重合体水素化物(DA)の耐光性や耐熱劣化性が良好となる。
より具体的には、上記(i)に従う構造の(共)重合体(CA)を水素化して得た(共)重合体水素化物(DA)、および、上記(ii)(iii)に従う構造の(共)重合体(CA)を水素化して得た(共)重合体水素化物(DA)であって、水素化時に芳香環の炭素−炭素不飽和結合が水素化されてなるものである場合には、芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが更に好ましい。
また、上記(ii)(iii)に従う構造の(共)重合体(CA)を水素化して得た(共)重合体水素化物(DA)についての、主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率は、90%以上であることが好ましく、97%以上であることがより好ましく、99%以上であることが更に好ましい。
(共)重合体水素化物(DA)の主鎖および側鎖の炭素−炭素不飽和結合の水素化率;芳香環の炭素−炭素不飽和結合の水素化率;および(共)重合体水素化物(DA)の水素化率は、(共)重合体水素化物(DA)の1H−NMRを測定することにより求めることができる。
なお、各水素化率は、水素化時間や水素化温度や水素圧力等の諸条件を変更することによって、制御することができる。
(共)重合体(CA)中の不飽和結合の水素化方法や反応形態等は特に限定されず、公知の方法に従って行えばよく、所望の水素化率を達成することができ、且つ、重合体鎖切断反応の少ない水素化方法が好ましい。このような水素化方法としては、例えば、WO2011/096389号パンフレット、WO2012/043708号パンフレット等に記載された方法を挙げることができる。
(共)重合体水素化物(DA)の分子量は、テトラヒドロフラン(THF)を溶媒としたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常10,000以上100,000以下、好ましくは11,000以上80,000以下、より好ましくは12,000以上60,000以下である。また、(共)重合体水素化物(DA)の分子量分布(Mw/Mn)は、好ましくは3以下、より好ましくは2以下、特に好ましくは1.5以下にする。
MwおよびMw/Mnが上記範囲となるようにすると、本発明で使用する(共)重合体水素化物(DA)は、粉体にしてブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに外部添加した場合、ブロッキング防止性を高める効果を良好に発揮することができる。また、MwおよびMw/Mnが上記範囲となる(共)重合体水素化物(DA)は、ブロック共重合体水素化物(D)に対する相溶性に優れる。このため、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに対して(共)重合体水素化物(DA)の粉体を外部添加した成形材料を用いて得た溶融成形体は、透明性に優れる。
MwおよびMw/Mnが上記範囲となるようにすると、本発明で使用する(共)重合体水素化物(DA)は、粉体にしてブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに外部添加した場合、ブロッキング防止性を高める効果を良好に発揮することができる。また、MwおよびMw/Mnが上記範囲となる(共)重合体水素化物(DA)は、ブロック共重合体水素化物(D)に対する相溶性に優れる。このため、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに対して(共)重合体水素化物(DA)の粉体を外部添加した成形材料を用いて得た溶融成形体は、透明性に優れる。
水素化反応終了後においては、水素化触媒、または水素化触媒および重合触媒を反応溶液から除去した後、得られた溶液から溶剤を除去して(共)重合体水素化物(DA)を回収することができる。
回収した(共)重合体水素化物(DA)は、後述の任意の方法により粉体状に加工してブロッキング防止剤として使用することができる。
回収した(共)重合体水素化物(DA)は、後述の任意の方法により粉体状に加工してブロッキング防止剤として使用することができる。
(共)重合体水素化物(DA)の粉体の平均粒径は、1μm以上500μm以下、より好ましくは10μm以上400μm以下、さらに好ましくは、50μm以上350μm以下である。粒径が上記下限値以上であれば、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに対して外部添加する際に、(共)重合体水素化物(DA)が舞い上がることを抑制しつつ、さらに、帯電による付着性が過剰に強くなることを抑制することにより、作業性を高めることができる。粒径が上記上限値以下であれば、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに対して外部添加して用いた際の、ブロッキング防止効果を良好に発現することができる。
また、(共)重合体水素化物(DA)の粉体を含むブロッキング防止剤は、上述した効果を損なわない限りにおいて、粉体状に加工する前の状態(例えば、ペレット状)の(共)重合体水素化物(DA)を含んでいてもよい。
なお、(共)重合体水素化物(DA)の粉体の平均粒径は、例えば、JIS Z8828に準拠し、動的光散乱法にて測定した粒子径分布(体積基準)において、小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径(D50)を指す。
また、(共)重合体水素化物(DA)の粉体を含むブロッキング防止剤は、上述した効果を損なわない限りにおいて、粉体状に加工する前の状態(例えば、ペレット状)の(共)重合体水素化物(DA)を含んでいてもよい。
なお、(共)重合体水素化物(DA)の粉体の平均粒径は、例えば、JIS Z8828に準拠し、動的光散乱法にて測定した粒子径分布(体積基準)において、小径側から計算した累積体積が50%となる粒子径(D50)を指す。
なお、本発明のブロッキング防止剤中における(共)重合体水素化物(DA)の含有割合は、ブロッキング防止剤の全質量を100質量%として、95質量%以上であることが好ましく、99質量%以上であることが好ましく、100質量%であっても良い。また、上述したように、本発明のブロッキング防止剤は、(共)重合体水素化物(DA)の粉体に加えて、ペレット状の(共)重合体水素化物(DA)を含んでいても良く、ペレット状の(共)重合体水素化物(DA)を含む場合には、これらの合計含有量が上記範囲内であることが好ましい。
所定の粒径を有する、(共)重合体水素化物(DA)の粉体を得る方法としては、公知の方法であればどのような方法を用いてもよく、例えば、溶液再沈法、凍結粉砕機、低温粉砕機、およびハンマー式粉砕機等による粉砕法等が挙げられる。
所望の粒径の(共)重合体水素化物(DA)の粉体を製造するためには、必要に応じて粉砕条件を調整することができる。また、例えば、篩等を用いて粉体を分級することもできる。
所望の粒径の(共)重合体水素化物(DA)の粉体を製造するためには、必要に応じて粉砕条件を調整することができる。また、例えば、篩等を用いて粉体を分級することもできる。
本発明のブロッキング防止剤を、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに対して外部添加することにより、得られる成形材料を輸送および貯蔵する工程にて想定される、60℃といった高温下で長期間保管した後であっても、ペレットのブロッキングの発生を低減させることができる。
(3)成形材料
本発明の成形材料は、前記ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに、前記(共)重合体水素化物(DA)から成るブロッキング防止剤を外部添加した材料である。
ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレット100質量部に対する、(共)重合体水素化物(DA)からなるブロッキング防止剤の外部添加量は、0.01質量部以上15質量部以下であり、より好ましくは、0.05質量部以上15質量部以下、さらに好ましくは、0.1質量部以上10質量部以下、特に好ましくは0.1質量部以5.0質量部以下である。
(共)重合体水素化物(DA)の外部添加量が少な過ぎると、ブロッキング防止効果が不十分となるおそれがある。
外部添加量が多すぎると、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットと(共)重合体水素化物(DA)の粉体から成るブロッキング防止剤が分離してしまい、溶融成形した成形体に透明なスジやムラ等の不具合が発生するおそれがある。
本発明の成形材料は、前記ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに、前記(共)重合体水素化物(DA)から成るブロッキング防止剤を外部添加した材料である。
ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレット100質量部に対する、(共)重合体水素化物(DA)からなるブロッキング防止剤の外部添加量は、0.01質量部以上15質量部以下であり、より好ましくは、0.05質量部以上15質量部以下、さらに好ましくは、0.1質量部以上10質量部以下、特に好ましくは0.1質量部以5.0質量部以下である。
(共)重合体水素化物(DA)の外部添加量が少な過ぎると、ブロッキング防止効果が不十分となるおそれがある。
外部添加量が多すぎると、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットと(共)重合体水素化物(DA)の粉体から成るブロッキング防止剤が分離してしまい、溶融成形した成形体に透明なスジやムラ等の不具合が発生するおそれがある。
ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに、(共)重合体水素化物(DA)の粉体を含むブロッキング防止剤を外部添加する方法は、特に限定されない。例えば、タンブラーミキサー、リボンブレンダー、ヘンシェル型ミキサー、等の混合機を使用して外部添加すればよい。例えば、ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレットに対して、ブロッキング防止剤を所定量添加し(または、添加しつつ)、ミキサーで混合することにより、製造することができる。
本発明の成形材料によれば、このものを溶融成形して成形体を製造する工程において、成形材料貯蔵容器、成形材料貯蔵容器から成形機への空送配管、成形機のホッパー等において、圧密化によるペレットのブロッキング発生が低減される。
また、本発明の成形材料を溶融成形することにより、濁りが少なく透明性に優れた成形体を製造することができる。
また、本発明の成形材料を溶融成形することにより、濁りが少なく透明性に優れた成形体を製造することができる。
(4)成形体
本発明の成形体は、本発明の成形材料を溶融成形することにより製造される成形体である。
成形体の製造方法は特に限定されず、従来公知の成形方法が採用できる。例えば、射出成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、および押出成形等の溶融状態で成形する公知の方法が挙げられる。
本発明の成形材料を成形して製造される成形体は、特定のブロック共重合体水素化物からなる成形体が有する優れた透明性を損なうことが無い。
本発明の成形体は、本発明の成形材料を溶融成形することにより製造される成形体である。
成形体の製造方法は特に限定されず、従来公知の成形方法が採用できる。例えば、射出成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、および押出成形等の溶融状態で成形する公知の方法が挙げられる。
本発明の成形材料を成形して製造される成形体は、特定のブロック共重合体水素化物からなる成形体が有する優れた透明性を損なうことが無い。
本発明の成形体は、濁りが少なく透明性に優れ、また、耐熱性、機械的強度、耐光性、耐湿性、低吸湿性等も良好であるため、高い透明性が要求される光学用途等に好ましく用いることができる。具体的な用途としては、例えば、光学フィルム、偏光板保護フィルム、太陽電池封止材、合わせガラス用接着シート、および有機エレクトロルミネッセンス素子の封止材、導光板、OCA(Optical Clear Adhesive)、透明粘着シート、光学レンズ、プリズム、周波数100GHz〜10THzのテラヘルツ波の透過率にも優れるためテラヘルツ波透過用光学部品、車両用窓材、建築物用窓材、受光素子用窓材、液晶表示素子基板、医療用光学検査容器、および医薬品容器、等が挙げられる。
以下に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。なお、「部」および「%」は特に断りのない限り、質量基準である。
本実施例における評価は、以下の方法によって行う。
(1)重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体(C)、ブロック共重合体水素化物(D)、(共)重合体(CA)および(共)重合体水素化物(DA)の分子量は、THFを溶離液とするGPCによる標準ポリスチレン換算値として、38℃において測定した。測定装置として、東ソー社製、HLC8020GPCを用いた。
(1)重量平均分子量(Mw)および分子量分布(Mw/Mn)
ブロック共重合体(C)、ブロック共重合体水素化物(D)、(共)重合体(CA)および(共)重合体水素化物(DA)の分子量は、THFを溶離液とするGPCによる標準ポリスチレン換算値として、38℃において測定した。測定装置として、東ソー社製、HLC8020GPCを用いた。
(2)水素化率
ブロック共重合体水素化物(D)および(共)重合体水素化物(DA)の主鎖、側鎖および芳香環の水素化率は、1H−NMRスペクトルを測定して算出した。
ブロック共重合体水素化物(D)および(共)重合体水素化物(DA)の主鎖、側鎖および芳香環の水素化率は、1H−NMRスペクトルを測定して算出した。
(3)軟化温度(Ts)
ブロッキング防止剤として使用する(共)重合体水素化物(DA)をプレス成形して、長さ5mm、幅5mm、厚さ2mmの試験片を作製した。この試験片を用いて、JIS K7196法(熱可塑性プラスチックフィルムおよびシートの熱機械分析による軟化温度試験方法)に基づき、熱機械分析装置(TMA SS6100、圧子先端直径1.0mm、セイコーインスツルメンツ社製)を使用して、昇温速度5℃/分で、+30℃から+200℃の範囲で、針侵入モードで軟化温度(Ts)を測定した。
ブロッキング防止剤として使用する(共)重合体水素化物(DA)をプレス成形して、長さ5mm、幅5mm、厚さ2mmの試験片を作製した。この試験片を用いて、JIS K7196法(熱可塑性プラスチックフィルムおよびシートの熱機械分析による軟化温度試験方法)に基づき、熱機械分析装置(TMA SS6100、圧子先端直径1.0mm、セイコーインスツルメンツ社製)を使用して、昇温速度5℃/分で、+30℃から+200℃の範囲で、針侵入モードで軟化温度(Ts)を測定した。
(4)ブロッキング防止性の評価
ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレット(P)に、(共)重合体水素化物(DA)を主成分とする粉体(DAPC)を所定量外部添加し、成形材料(M)を作製した。底蓋の付いたステンレス製管(内径51mm、長さ150mm)に、成形材料(M)を40g入れた後、材料の上部に直径50mmのステンレス内蓋および532gの錘を置いた。(この状態で、管内のペレット最下部に27g/cm2の荷重(約0.5mの高さの充填ペレットの荷重に相当する。)がかかる。)
この荷重状態を保って、温度60℃のオーブン内で成形材料(M)を保持した。96時間保持した後、25℃の環境に戻し、ステンレス製管の底蓋を外して成形材料(M)を取り出し、以下の基準に従ってブロッキング防止性を評価した。
A:ブロッキングしたペレットが有るが、ブロッキングしたペレットを指で触れると容易に崩壊する。
B:ブロッキングしたペレットが有り、ブロッキングしたペレットが指で触れても容易に崩壊しない。
ブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレット(P)に、(共)重合体水素化物(DA)を主成分とする粉体(DAPC)を所定量外部添加し、成形材料(M)を作製した。底蓋の付いたステンレス製管(内径51mm、長さ150mm)に、成形材料(M)を40g入れた後、材料の上部に直径50mmのステンレス内蓋および532gの錘を置いた。(この状態で、管内のペレット最下部に27g/cm2の荷重(約0.5mの高さの充填ペレットの荷重に相当する。)がかかる。)
この荷重状態を保って、温度60℃のオーブン内で成形材料(M)を保持した。96時間保持した後、25℃の環境に戻し、ステンレス製管の底蓋を外して成形材料(M)を取り出し、以下の基準に従ってブロッキング防止性を評価した。
A:ブロッキングしたペレットが有るが、ブロッキングしたペレットを指で触れると容易に崩壊する。
B:ブロッキングしたペレットが有り、ブロッキングしたペレットが指で触れても容易に崩壊しない。
(5)成形体の濁りの評価
成形体の濁りは、本発明の成形材料(M)からなる厚み0.76mmのシート(S)を、2枚のガラス板の間に挟んで密着させた試験片のヘイズを測定して評価した。
試験片は下記の方法で作製した。
本発明の成形材料(M)用いて、20mmφのフルフライトスクリューを備えた単軸押出し機に300mm幅のTダイを接続し、シート巻き取り機を設置して、0.76mm厚のシート(S)を作製した。
シート(S)から縦60mm、横50mmのサンプルを切り出し、縦60mm、横50mm、厚み2mmの2枚の白板ガラスの間に配置して積層した。次に、この積層物を、ナイロン(NY)/接着層/ポリプロピレン(PP)の層構成を有する厚み75μmの樹脂製の袋に入れ、密封パック器(BH−951、パナソニック社製)を使用して、袋内を脱気した状態で開口部をヒートシールして積層物を密封包装した。その後、密封包装した積層物をオートクレーブに入れて、30分間、温度140℃、圧力0.8MPaで加熱加圧し、ガラス面にシート(S)が密着した合わせガラス試験片を作製した。
得られた合わせガラス試験片のヘイズを、JIS K7136に従ってヘイズメータ(NDH7000SP、日本電色工業社製)を使用して測定し、以下の基準に従って評価した。
A:ヘイズ値が1%以下。
B:ヘイズ値が1%超。
成形体の濁りは、本発明の成形材料(M)からなる厚み0.76mmのシート(S)を、2枚のガラス板の間に挟んで密着させた試験片のヘイズを測定して評価した。
試験片は下記の方法で作製した。
本発明の成形材料(M)用いて、20mmφのフルフライトスクリューを備えた単軸押出し機に300mm幅のTダイを接続し、シート巻き取り機を設置して、0.76mm厚のシート(S)を作製した。
シート(S)から縦60mm、横50mmのサンプルを切り出し、縦60mm、横50mm、厚み2mmの2枚の白板ガラスの間に配置して積層した。次に、この積層物を、ナイロン(NY)/接着層/ポリプロピレン(PP)の層構成を有する厚み75μmの樹脂製の袋に入れ、密封パック器(BH−951、パナソニック社製)を使用して、袋内を脱気した状態で開口部をヒートシールして積層物を密封包装した。その後、密封包装した積層物をオートクレーブに入れて、30分間、温度140℃、圧力0.8MPaで加熱加圧し、ガラス面にシート(S)が密着した合わせガラス試験片を作製した。
得られた合わせガラス試験片のヘイズを、JIS K7136に従ってヘイズメータ(NDH7000SP、日本電色工業社製)を使用して測定し、以下の基準に従って評価した。
A:ヘイズ値が1%以下。
B:ヘイズ値が1%超。
[製造例1] ブロック共重合体水素化物(D1)からなるペレット(P1)の製造
(ブロック共重合体(C1)の製造)
攪拌装置を備え、内部が十分に窒素置換された反応器に、不活性溶媒である脱水シクロヘキサン400部、芳香族ビニル化合物である脱水スチレン10部およびジブチルエーテル0.475部を入れた。全容を60℃で攪拌しながら、重合開始剤としてのn−ブチルリチウム(15質量%シクロヘキサン溶液)0.88部を加えて重合を開始させた。引続き全容を60℃で攪拌しながら、脱水スチレン15部を40分間に亘って連続的に反応器内に添加して重合反応を進め、添加終了後、そのままさらに60℃で20分間全容を攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により測定したところ、この時点での重合転化率は99.5%であった。
次に、反応液に、鎖状共役ジエン化合物である脱水イソプレン50部を130分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分間攪拌を続けた。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率は99.5%であった。
その後、更に、反応液に脱水スチレン25部を、70分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま60分攪拌した。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率はほぼ100%であった。
(ブロック共重合体(C1)の製造)
攪拌装置を備え、内部が十分に窒素置換された反応器に、不活性溶媒である脱水シクロヘキサン400部、芳香族ビニル化合物である脱水スチレン10部およびジブチルエーテル0.475部を入れた。全容を60℃で攪拌しながら、重合開始剤としてのn−ブチルリチウム(15質量%シクロヘキサン溶液)0.88部を加えて重合を開始させた。引続き全容を60℃で攪拌しながら、脱水スチレン15部を40分間に亘って連続的に反応器内に添加して重合反応を進め、添加終了後、そのままさらに60℃で20分間全容を攪拌した。反応液をガスクロマトグラフィー(GC)により測定したところ、この時点での重合転化率は99.5%であった。
次に、反応液に、鎖状共役ジエン化合物である脱水イソプレン50部を130分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま30分間攪拌を続けた。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率は99.5%であった。
その後、更に、反応液に脱水スチレン25部を、70分間に亘って連続的に添加し、添加終了後そのまま60分攪拌した。この時点で、反応液をGCにより分析した結果、重合転化率はほぼ100%であった。
ここで、イソプロピルアルコール0.5部を加えて反応を停止させることによって、(A)−(B)−(A)型のブロック共重合体(C1)を含む重合体溶液を得た。ブロック共重合体(C1)の重量平均分子量(Mw)は47,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.02、wA:wB=50:50であった。
(ブロック共重合体水素化物(D1)の製造)
次に、上記の重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製)4.0部、および脱水シクロヘキサン30部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応により得られた反応溶液に含まれるブロック共重合体水素化物(D1)の重量平均分子量(Mw)は50,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。
次に、上記の重合体溶液を、攪拌装置を備えた耐圧反応器に移送し、水素化触媒として、珪藻土担持型ニッケル触媒(製品名「E22U」、ニッケル担持量60%、日揮触媒化成社製)4.0部、および脱水シクロヘキサン30部を添加して混合した。反応器内部を水素ガスで置換し、さらに溶液を攪拌しながら水素を供給し、温度190℃、圧力4.5MPaにて6時間水素化反応を行った。
水素化反応により得られた反応溶液に含まれるブロック共重合体水素化物(D1)の重量平均分子量(Mw)は50,100、分子量分布(Mw/Mn)は1.04であった。
(ペレット(P1)の製造)
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「Songnox(登録商標)1010」、松原産業社製)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液からシクロヘキサン、キシレンおよびその他の揮発成分を除去した。溶融ポリマーをダイからストランド状に押出し、冷却後、ペレタイザーによりブロック共重合体水素化物(D1)からなるペレット(P1)95部を製造した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物(P1)の重量平均分子量(Mw)は49,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.05、水素化率はほぼ100%であった。
水素化反応終了後、反応溶液を濾過して水素化触媒を除去した後、フェノール系酸化防止剤であるペンタエリスリチル・テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](製品名「Songnox(登録商標)1010」、松原産業社製)0.1部を溶解したキシレン溶液2.0部を添加して溶解させた。
次いで、上記溶液を、円筒型濃縮乾燥器(製品名「コントロ」、日立製作所社製)を用いて、温度260℃、圧力0.001MPa以下で、溶液からシクロヘキサン、キシレンおよびその他の揮発成分を除去した。溶融ポリマーをダイからストランド状に押出し、冷却後、ペレタイザーによりブロック共重合体水素化物(D1)からなるペレット(P1)95部を製造した。
得られたペレット状のブロック共重合体水素化物(P1)の重量平均分子量(Mw)は49,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.05、水素化率はほぼ100%であった。
[製造例2] ブロック共重合体水素化物(D2)からなるペレット(P2)の製造
スチレン14部、イソプレン80部、スチレン6部を、計240分間に亘って、この順に加え、n−ブチルリチウム(15質量%シクロヘキサン溶液)を0.55部に変える以外は、製造例1と同様に、重合、水素化、濃縮乾燥、押出し、冷却、およびペレタイジングを行って、ブロック共重合体水素化物(D2)からなるペレット(P2)94部を製造した。ペレット(P2)は、5℃で冷蔵保管した。
スチレン14部、イソプレン80部、スチレン6部を、計240分間に亘って、この順に加え、n−ブチルリチウム(15質量%シクロヘキサン溶液)を0.55部に変える以外は、製造例1と同様に、重合、水素化、濃縮乾燥、押出し、冷却、およびペレタイジングを行って、ブロック共重合体水素化物(D2)からなるペレット(P2)94部を製造した。ペレット(P2)は、5℃で冷蔵保管した。
ブロック共重合体水素化物(D2)の前駆体であるブロック共重合体(C2)ではwA:wB=20:80であった。製造されたペレット状のブロック共重合体水素化物(P2)の重量平均分子量(Mw)は75,700、分子量分布(Mw/Mn)は1.05、水素化率はほぼ100%であった。
[製造例3] 重合体水素化物(DA1)からなる粉体(DAPC1)の製造
芳香族ビニル化合物であるスチレン100部を、計240分間に亘って連続的に加え、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)の配合量を2.8部に変えた以外は、製造例1と同様に、重合、水素化、および、反応溶液から水素化触媒を除去して、重合体水素化物(DA1)を含む溶液を得た。
得られた重合体水素化物(DA1)を含む溶液100部を、撹拌しながらイソプロピルアルコール400部中に注いで、重合体水素化物(DA1)を凝固させ、濾別した後、60℃で真空乾燥して、重合体水素化物(DA1)17.3部を製造した。
芳香族ビニル化合物であるスチレン100部を、計240分間に亘って連続的に加え、n−ブチルリチウム(15%シクロヘキサン溶液)の配合量を2.8部に変えた以外は、製造例1と同様に、重合、水素化、および、反応溶液から水素化触媒を除去して、重合体水素化物(DA1)を含む溶液を得た。
得られた重合体水素化物(DA1)を含む溶液100部を、撹拌しながらイソプロピルアルコール400部中に注いで、重合体水素化物(DA1)を凝固させ、濾別した後、60℃で真空乾燥して、重合体水素化物(DA1)17.3部を製造した。
製造された重合体水素化物(DA1)の重量平均分子量(Mw)は16,600、分子量分布(Mw/Mn)は1.04、水素化率はほぼ100%であった。また、重合体水素化物(DA1)の軟化温度(Ts)は122℃であった。
重合体水素化物(DA1)を凍結粉砕し、平均粒径が120μmの粉体(DAPC1)を得た。
[製造例4] 重合体水素化物(DA2)からなる粉体(DAPC2)の製造
芳香族ビニル化合物であるスチレン8部、鎖状共役ジエン化合物であるイソプレン15部、およびスチレン77部を、計240分間に亘って、この順に加え、n−ブチルリチウム(15質量%シクロヘキサン溶液)の配合量を0.82部に変えた以外は、製造例1と同様に重合、水素化、濃縮乾燥、押出し、冷却、およびペレタイジングを行って、ブロック共重合体水素化物(DA2)からなるペレット(DAP2)を製造した。
芳香族ビニル化合物であるスチレン8部、鎖状共役ジエン化合物であるイソプレン15部、およびスチレン77部を、計240分間に亘って、この順に加え、n−ブチルリチウム(15質量%シクロヘキサン溶液)の配合量を0.82部に変えた以外は、製造例1と同様に重合、水素化、濃縮乾燥、押出し、冷却、およびペレタイジングを行って、ブロック共重合体水素化物(DA2)からなるペレット(DAP2)を製造した。
製造された重合体水素化物(DA2)の重量平均分子量(Mw)は55,800、分子量分布(Mw/Mn)は1.05、水素化率はほぼ100%であった。また、重合体水素化物(DA2)の軟化温度(Ts)は128℃であった。
ペレット(DAP2)を凍結粉砕し、平均粒径が120μmの粉体(DAPC2)を得た。
[製造例5] 重合体水素化物(DA3)からなる粉体(DAPC3)の製造
n−ブチルリチウム(15質量%シクロヘキサン溶液)の配合量を5.7部に変えた以外は、製造例3と同様にして、重合体水素化物(DA3)16.9部を製造した。
n−ブチルリチウム(15質量%シクロヘキサン溶液)の配合量を5.7部に変えた以外は、製造例3と同様にして、重合体水素化物(DA3)16.9部を製造した。
製造された重合体水素化物(DA3)の重量平均分子量(Mw)は8,200、分子量分布(Mw/Mn)は1.04、水素化率はほぼ100%であった。また、重合体水素化物(DA3)の軟化温度(Ts)は110℃であった。
重合体水素化物(DA3)を凍結粉砕し、平均粒径が100μmの粉体(DAPC3)を得た。
重合体水素化物(DA3)を凍結粉砕し、平均粒径が100μmの粉体(DAPC3)を得た。
[製造例6] 官能基を有するブロック共重合体水素化物(D3)からなるペレット(P3)の製造
製造例1で製造した、ブロック共重合体水素化物(D1)のペレット100部に対して、エチレン性不飽和シラン化合物であるビニルトリメトキシシラン2.0部、および、有機過酸化物である2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標)25B」、日油社製)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機(製品名「TEM37B」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度200℃、滞留時間60〜70秒で混練した。得られた混練物を、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、官能基を有するブロック共重合体水素化物(D3)からなるペレット(P3)97部を得た。
製造例1で製造した、ブロック共重合体水素化物(D1)のペレット100部に対して、エチレン性不飽和シラン化合物であるビニルトリメトキシシラン2.0部、および、有機過酸化物である2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン(製品名「パーヘキサ(登録商標)25B」、日油社製)0.2部を添加した。この混合物を、二軸押出機(製品名「TEM37B」、東芝機械社製)を用いて、樹脂温度200℃、滞留時間60〜70秒で混練した。得られた混練物を、ストランド状に押出し、空冷した後、ペレタイザーによりカッティングし、官能基を有するブロック共重合体水素化物(D3)からなるペレット(P3)97部を得た。
ペレット(P3)10部をシクロヘキサン100部に溶解させた後、得られた溶液を脱水メタノール400部中に注いで、変性ブロック共重合体水素化物(D3)を凝固させ、凝固物を濾取した。濾過物を25℃で真空乾燥して、官能基を有するブロック共重合体水素化物(D3)のクラム9.0部を単離した。
官能基を有するブロック共重合体水素化物(D3)のFT−IRスペクトルを測定したところ、1090cm−1にSi−OCH3基、825cm−1と739cm−1にSi−CH2基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのSi−OCH3基、Si−CH2基に由来する吸収帯(1075cm−1、808cm−1および766cm−1)と異なる位置に観察された。
また、官能基を有するブロック共重合体水素化物(D3)の1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)を測定したところ、3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づくピークが観察された。ピーク面積比からブロック共重合体水素化物(D3)100部に対してビニルトリメトキシシラン1.9部が結合したことが確認された。
官能基を有するブロック共重合体水素化物(D3)のFT−IRスペクトルを測定したところ、1090cm−1にSi−OCH3基、825cm−1と739cm−1にSi−CH2基に由来する新たな吸収帯が、ビニルトリメトキシシランのSi−OCH3基、Si−CH2基に由来する吸収帯(1075cm−1、808cm−1および766cm−1)と異なる位置に観察された。
また、官能基を有するブロック共重合体水素化物(D3)の1H−NMRスペクトル(重クロロホルム中)を測定したところ、3.6ppmにメトキシ基のプロトンに基づくピークが観察された。ピーク面積比からブロック共重合体水素化物(D3)100部に対してビニルトリメトキシシラン1.9部が結合したことが確認された。
[実施例1]
製造例1で製造したブロック共重合体水素化物(D1)を主成分とするペレット(P1)100質量部に対して、製造例3で製造した粉体(DAPC1)0.6質量部を添加し、ミキサー(ダイコー精機社製:DMV-25)で混合して成形材料(M1)を製造した。成形材料(M1)を使用して、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。
製造例1で製造したブロック共重合体水素化物(D1)を主成分とするペレット(P1)100質量部に対して、製造例3で製造した粉体(DAPC1)0.6質量部を添加し、ミキサー(ダイコー精機社製:DMV-25)で混合して成形材料(M1)を製造した。成形材料(M1)を使用して、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。
ブロッキング防止性の試験では、ブロッキングしたペレットは多かったが、ブロッキングしたペレットを指で触れると容易に崩れた。ブロッキング防止性の評価は、許容(A)であった。成形体の濁りの試験では、試験片のヘイズは0.1%であった。成形体の濁りの評価は良好(A)であった。
これらの結果を表1に記載した。
これらの結果を表1に記載した。
[実施例2]
製造例1で製造したブロック共重合体水素化物(D1)からなるペレット(P1)100質量部に対して、製造例4で製造した粉体(DAPC2)0.1質量部を実施例1と同様に外部添加して、成形材料(M2)を製造した。成形材料(M2)を使用して、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。これらの結果を表1に記載した。
製造例1で製造したブロック共重合体水素化物(D1)からなるペレット(P1)100質量部に対して、製造例4で製造した粉体(DAPC2)0.1質量部を実施例1と同様に外部添加して、成形材料(M2)を製造した。成形材料(M2)を使用して、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。これらの結果を表1に記載した。
[実施例3]
製造例2で製造したブロック共重合体水素化物(D2)からなるペレット(P2)100質量部に対して、製造例3で製造した粉体(DAPC1)4.0質量部を実施例1と同様に外部添加して、成形材料(M3)を製造した。成形材料(M3)を使用して、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。これらの結果を表1に記載した。
製造例2で製造したブロック共重合体水素化物(D2)からなるペレット(P2)100質量部に対して、製造例3で製造した粉体(DAPC1)4.0質量部を実施例1と同様に外部添加して、成形材料(M3)を製造した。成形材料(M3)を使用して、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。これらの結果を表1に記載した。
[実施例4]
製造例2で製造したブロック共重合体水素化物(D2)からなるペレット(P2)100質量部に対して、製造例4で製造した粉体(DAPC2)1.8質量部を実施例1と同様に外部添加して、成形材料(M4)を製造した。成形材料(M4)を使用して、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。これらの結果を表1に記載した。
製造例2で製造したブロック共重合体水素化物(D2)からなるペレット(P2)100質量部に対して、製造例4で製造した粉体(DAPC2)1.8質量部を実施例1と同様に外部添加して、成形材料(M4)を製造した。成形材料(M4)を使用して、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。これらの結果を表1に記載した。
[実施例5]
製造例5で製造したアルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物(D3)からなるペレット(P3)100質量部に対して、製造例4で製造した粉体(DAPC2)1.2質量部を実施例1と同様に外部添加して、成形材料(M6)を製造した。成形材料(M6)を使用して、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。これらの結果を表1に記載した。
製造例5で製造したアルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物(D3)からなるペレット(P3)100質量部に対して、製造例4で製造した粉体(DAPC2)1.2質量部を実施例1と同様に外部添加して、成形材料(M6)を製造した。成形材料(M6)を使用して、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。これらの結果を表1に記載した。
[比較例1]
製造例1で製造したブロック共重合体水素化物(D1)からなるペレット(P1)100質量部に対して、製造例5で製造した粉体(DAPC3)1.0質量部を実施例1と同様に外部添加して、成形材料(M5)を製造した。成形材料(M5)を使用して、ブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。
その結果、成形材料(M5)では、粉体(DAPC3)の一部は成形材料(M5)から分離しており、外部添加量は十分であったが、ブロッキング防止性の試験では、ブロッキングしたペレットが多く、ブロッキングしたペレットは指で触れても容易に崩れなかった。ブロッキング防止性の評価は、不良(B)であった。成形体の濁りの試験では、試験片のヘイズは0.1%であった。成形体の濁りの評価は良好(A)であった。これらの結果を表1に記載した。
製造例1で製造したブロック共重合体水素化物(D1)からなるペレット(P1)100質量部に対して、製造例5で製造した粉体(DAPC3)1.0質量部を実施例1と同様に外部添加して、成形材料(M5)を製造した。成形材料(M5)を使用して、ブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。
その結果、成形材料(M5)では、粉体(DAPC3)の一部は成形材料(M5)から分離しており、外部添加量は十分であったが、ブロッキング防止性の試験では、ブロッキングしたペレットが多く、ブロッキングしたペレットは指で触れても容易に崩れなかった。ブロッキング防止性の評価は、不良(B)であった。成形体の濁りの試験では、試験片のヘイズは0.1%であった。成形体の濁りの評価は良好(A)であった。これらの結果を表1に記載した。
[比較例2]
製造例1で製造したブロック共重合体水素化物(D1)からなるペレット(P1)にブロッキング防止剤を外部添加せず、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。
ブロッキング防止性の試験では、ブロッキングしたペレットが多く、ブロッキングしたペレットを指で触れても容易に崩れなかった。ブロッキング防止性の評価は、不良(B)であった。成形体の濁りの試験では、試験片のヘイズは0.1%であった。成形体の濁りの評価は良好(A)であった。これらの結果を表1に記載した。
製造例1で製造したブロック共重合体水素化物(D1)からなるペレット(P1)にブロッキング防止剤を外部添加せず、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。
ブロッキング防止性の試験では、ブロッキングしたペレットが多く、ブロッキングしたペレットを指で触れても容易に崩れなかった。ブロッキング防止性の評価は、不良(B)であった。成形体の濁りの試験では、試験片のヘイズは0.1%であった。成形体の濁りの評価は良好(A)であった。これらの結果を表1に記載した。
[比較例3]
製造例2で製造したブロック共重合体水素化物(D2)からなるペレット(P2)にブロッキング防止剤を外部添加せず、上記に従ってブロッキング防止性、および成形体の濁りを評価した。ブロッキング防止性の試験では、ペレット全体がブロッキングしており、ブロッキングしたペレットは容易に崩れなかった。ブロッキング防止性の評価は、不良(B)であった。ペレット(P2)は常温(25℃)でも容易にブロッキングするため、シートの成形は、冷蔵保管していたペレット(P2)を押出し機のホッパーに少量づつ供給して行った。成形したシートは巻き取らず、30cm長に切断して、離形フィルムを挟んで保管した。このシートの濁りの試験では、試験片のヘイズは0.1%であった。成形体の濁りの評価は良好(A)であった。これらの結果を表1に記載した。
製造例2で製造したブロック共重合体水素化物(D2)からなるペレット(P2)にブロッキング防止剤を外部添加せず、上記に従ってブロッキング防止性、および成形体の濁りを評価した。ブロッキング防止性の試験では、ペレット全体がブロッキングしており、ブロッキングしたペレットは容易に崩れなかった。ブロッキング防止性の評価は、不良(B)であった。ペレット(P2)は常温(25℃)でも容易にブロッキングするため、シートの成形は、冷蔵保管していたペレット(P2)を押出し機のホッパーに少量づつ供給して行った。成形したシートは巻き取らず、30cm長に切断して、離形フィルムを挟んで保管した。このシートの濁りの試験では、試験片のヘイズは0.1%であった。成形体の濁りの評価は良好(A)であった。これらの結果を表1に記載した。
[比較例4]
製造例6で製造したアルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物(D3)からなるペレット(P3)にブロッキング防止剤を外部添加せず、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。
ブロッキング防止性の試験では、ブロッキングしたペレットが多く、ブロッキングしたペレットを指で触れても容易に崩れなかった。ブロッキング防止性の評価は、不良(B)であった。成形体の濁りの試験では、試験片のヘイズは0.1%であった。成形体の濁りの評価は良好(A)であった。これらの結果を表1に記載した。
製造例6で製造したアルコキシシリル基を有するブロック共重合体水素化物(D3)からなるペレット(P3)にブロッキング防止剤を外部添加せず、上記に従ってブロッキング防止性および成形体の濁りを評価した。
ブロッキング防止性の試験では、ブロッキングしたペレットが多く、ブロッキングしたペレットを指で触れても容易に崩れなかった。ブロッキング防止性の評価は、不良(B)であった。成形体の濁りの試験では、試験片のヘイズは0.1%であった。成形体の濁りの評価は良好(A)であった。これらの結果を表1に記載した。
実施例1〜5および比較例1〜4の結果から以下のことがわかる。
ブロック共重合体水素化物からなるペレット100質量部対し、ブロッキング防止剤として、軟化温度が120℃以上である(共)重合体水素化物よりなる粉体を外部添加した、実施例1〜5の成形材料は、ブロッキング防止性高く、且つ、溶融成形された成形体の濁りも少ない。
一方、軟化温度が120℃未満である重合体水素化物を外部添加した、比較例1の成形材料は、ブロッキングを起こし、ブロッキングした塊は容易には崩れず、ブロッキング防止性に劣っていたことが分かる。さらに、本発明のブロッキング防止剤を外部添加していない、比較例2〜4の成形材料は、ブロッキングを起こし易かったことが分かる。
ブロック共重合体水素化物からなるペレット100質量部対し、ブロッキング防止剤として、軟化温度が120℃以上である(共)重合体水素化物よりなる粉体を外部添加した、実施例1〜5の成形材料は、ブロッキング防止性高く、且つ、溶融成形された成形体の濁りも少ない。
一方、軟化温度が120℃未満である重合体水素化物を外部添加した、比較例1の成形材料は、ブロッキングを起こし、ブロッキングした塊は容易には崩れず、ブロッキング防止性に劣っていたことが分かる。さらに、本発明のブロッキング防止剤を外部添加していない、比較例2〜4の成形材料は、ブロッキングを起こし易かったことが分かる。
本発明によれは、ブロック共重合体水素化物を主成分とするペレットのブロッキング防止性を高めることができるブロッキング防止剤であって、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる、ブロッキング防止剤を提供することができる。
また、本発明によれば、ブロッキング防止性が充分に高く、且つ、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる、成形材料を提供することができる。
さらに、本発明によれば、濁りが少なく透明性に優れた成形体を提供することができる。
また、本発明によれば、ブロッキング防止性が充分に高く、且つ、濁りが少なく透明性に優れた成形体をもたらすことができる、成形材料を提供することができる。
さらに、本発明によれば、濁りが少なく透明性に優れた成形体を提供することができる。
Claims (6)
- ブロッキング防止剤であって、該ブロッキング防止剤は、
芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする(共)重合体を水素化してなる(共)重合体水素化物の粉体を含み、且つ、
前記(共)重合体水素化物の軟化温度が120℃以上である、
ことを特徴とする、ブロッキング防止剤。 - 前記(共)重合体水素化物が、
前記(共)重合体に含まれる、全炭素−炭素不飽和結合の90%以上を水素化してなる(共)重合体水素化物である、請求項1に記載のブロッキング防止剤。 - 芳香族ビニル化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロック(A)を2個以上、および、鎖状共役ジエン化合物由来の構造単位を主成分とする重合体ブロック(B)を1個以上有するブロック共重合体(C)であって、前記重合体ブロック(A)の全量がブロック共重合体(C)全体に占める質量分率をwAとし、重合体ブロック(B)の全量がブロック共重合体(C)全体に占める質量分率をwBとしたときの、wAとwBとの比(wA:wB)が15:85〜70:30である、ブロック共重合体(C)を、水素化してなるブロック共重合体水素化物(D)を主成分とするペレット100質量部に対し、請求項1または2に記載のブロッキング防止剤を0.01質量部以上15質量部以下の割合で外部添加してなる、成形材料。
- 前記ブロック共重合体水素化物(D)が、前記ブロック共重合体(C)に含まれる全炭素−炭素不飽和結合の90%以上が水素化されてなる、ブロック共重合体水素化物である、請求項3に記載の成形材料。
- 前記ブロック共重合体水素化物(D)が官能基を有する、請求項3または4に記載の成形材料。
- 請求項3〜5の何れかに記載の成形材料を溶融成形してなる成形体。
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