<本発明の実施形態>
以下、本発明の実施形態の自動二輪車100について、図1を用いて説明する。
以下の説明における前後方向は、特に限定しない限り、車両前後方向である。以下の説明における左右方向は、特に限定しない限り、車両左右方向である。以下の説明における上下方向は、特に限定しない限り、車両上下方向である。本願の各図面に示す矢印F、矢印Re、矢印U、矢印D、矢印L、矢印Riは、それぞれ、前方向、後方向、上方向、下方向、左方向、右方向を表す。図1は、水平な路面RSに自動二輪車1が直進可能に直立した状態を示している。本願の図面に示す路面RSは全て水平である。
自動二輪車100は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2と、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4と、中間フレーム130と、フロントフレーム120と、シート10と、リヤフレーム140と、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160と、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動制御装置80と、駆動源70とを備える。
ラウンドトレッド面フロントタイヤ2は、車両1が直進可能に直立した状態で前方向または後方向に見て円弧状であるトレッド面2aを有する。それにより、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2は、上下方向に対して左右方向に傾斜することができる。ラウンドトレッド面リヤタイヤ4は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2から後方向に離れている。ラウンドトレッド面リヤタイヤ4は、車両1が直進可能に直立した状態で前方向または後方向に見て円弧状であるトレッド面4aを有する。それにより、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4は、上下方向に対して左右方向に傾斜することができる。
フロントフレーム120は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2をフロント車軸線A1回りに回転可能に支持する。フロント車軸線A1は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の中心を通る軸線である。フロントフレーム120は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2がラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2回りに中間フレーム130に対して揺動可能となるように、ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2回りに揺動可能に中間フレーム130に支持される。ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2は、後方向に向かうほど上方向に向かう傾きを持つ。
シート10は、乗員Oが着座するために自動二輪車100に設けられる。自動二輪車100は、シート10を有する代わりに、もしくは、シート10に加えて、荷物を載置するための荷台を有してもよい。シート10または荷台は、中間フレーム130に支持される。
リヤフレーム140は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4をリヤ車軸線A3回りに回転可能に支持する。リヤ車軸線A3は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の中心を通る軸線である。リヤフレーム140は、中間フレーム130、および、シート10または荷台に対してラウンドトレッド面リヤタイヤ4がラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4回りに揺動可能となるように、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4回りに揺動可能に中間フレーム130に支持される。ラウンドトレッド面リヤタイヤ4がラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4は、後方向に向かうほど下方向に向かう傾きを持つ。
ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160は、中間フレーム130、および、シート10または荷台に対してリヤフレーム140をラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4回りに揺動させることで、中間フレーム130、および、シート10または荷台に対してラウンドトレッド面リヤタイヤ4をラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4回りに揺動させる。ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動制御装置80は、中間フレーム130、および、シート10または荷台に対してラウンドトレッド面リヤタイヤ4がラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4回りに揺動するように、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160を制御する。駆動源70は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2またはラウンドトレッド面リヤタイヤ4に駆動力を付与する。
この構成によると、リヤフレーム140は、中間フレーム130、および、シート10または荷台に対して揺動する。シート10または荷台は中間フレーム130に支持されるため、リヤフレーム140は、シート10に着座する乗員Oまたは荷台に載置された荷物の荷重を受けない。よって、リヤフレーム140がシート10または荷台を支持する場合に比べて、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160が揺動させる対象の重量が小さい。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性を向上できる。よって、自動二輪車100の乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性を向上できる。
乗員Oまたは荷物によって、乗員Oまたは荷物の重量は異なる。仮に、リヤフレーム140がシート10または荷台を支持する場合、乗員Oまたは荷物によって、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160が揺動させる対象の重量が変化する。それにより、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御が複雑になり難しくなる。特に低速走行時の制御が難しい。
これに対して、シート10または荷台は中間フレーム130に支持される。そのため、乗員Oまたは荷物の重量が変化しても、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160が揺動させる対象の重量は変化しない。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性を向上できる。よって、自動二輪車100の乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性をより向上できる。
自動二輪車100の走行中、乗員Oは重心を移動させる動作をする場合がある。特に、自動二輪車100の旋回時に、乗員Oは重心を左方向または右方向に移動させる動作をする場合がある。仮に、リヤフレーム140がシート10を支持する場合、乗員Oが重心を移動させる動作を行うと、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160が揺動させる対象の重心が変化する。それにより、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御が複雑になり難しくなる。特に低速走行時の制御が難しい。
これに対して、シート10または荷台は中間フレーム130に支持される。そのため、乗員Oが重心を移動させる動作を行っても、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160が揺動させる対象の重心は変化しない。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性を向上できる。よって、自動二輪車100の乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性をより向上できる。
リヤフレーム140が中間フレーム130に対して揺動するとき、中間フレーム130はリヤフレーム140よりも姿勢の変化が少ない。シート10または荷台は中間フレーム130に支持される。そのため、シート10または荷台がリヤフレーム140に支持される場合に比べて、乗員Oまたは荷台の姿勢を安定させることができる。
自動二輪車100の乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性が向上するとは、例えば、自動二輪車100の乗載荷重が同じであっても、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160がリヤフレーム140を揺動させるために必要なトルクが抑制されることであってもよい。それにより、自動二輪車100の乗載荷重が増加しても、揺動に必要なトルクの増加を抑えることができる。揺動に必要なトルクが小さいほど、揺動制御が行いやすくなる。また、揺動に必要なトルクを抑えることで、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160を小型化できる。それにより、自動二輪車100を小型化できる。
自動二輪車100の乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性が向上するとは、例えば、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ160の性能が同じであっても、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の応答性が高くなることであってもよい。
自動二輪車100の乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性が向上するとは、例えば、揺動制御のための制御ロジックを簡素化することであってもよい。具体的には例えば、制御に使用するパラメータが少なくなり、演算処理が簡素化することである。
<本発明の実施形態の具体例1>
次に、本発明の実施形態の具体例1の自動二輪車100Aについて、図2を用いて説明する。基本的に、本発明の実施形態の具体例1は、本発明の実施形態の特徴を全て有している。本発明の実施形態と同じ部位についての説明は省略する。以下、本発明の実施形態で説明していない構成について説明する。
自動二輪車100Aは、フロントフレーム120と、中間フレーム130と、リヤフレーム140を有する。フロントフレーム120の主な材質は、アルミニウムや鉄などの金属、CFRPなどの樹脂、または、それらの組み合わせである。中間フレーム130およびリヤフレーム140の主な材質も、同様である。フロントフレーム120、中間フレーム130、およびリヤフレーム140の材質は互いに異なっていてもよい。
まず、フロントフレーム120について説明する。フロントフレーム120は、左右一対のフロントサスペンションユニット21、21と、フロント揺動軸部122を有する。フロントサスペンションユニット21は、いわゆるフロントフォークである。フロントサスペンションユニット21は、例えば、テレスコピック式のフロントフォークである。テレスコピック式のフロントフォークは、スプリングと油圧ダンパーを有する。フロントサスペンションユニット21の下端部は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2を回転可能に支持する。フロントサスペンションユニット21は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2が受ける上下方向の振動を吸収するように構成される。
ラウンドトレッド面フロントタイヤ2は、フロントホイール3の外周部に設置されている。フロントサスペンションユニット21は、フロントホイール3の中央の孔に挿入されるフロント車軸(図示せず)を支持する。それにより、フロントサスペンションユニット21は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2をフロント車軸線A1回りに回転可能に支持する。フロント車軸線A1は、フロント車軸の中心軸線である。自動二輪車100Aが直進可能に直立しているとき、フロント車軸線A1は、左右方向に平行である。
フロントホイール3には、フロントブレーキ106が設置されている。フロントブレーキ106は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2に制動力を付与可能に構成されている。フロントブレーキ106は、液圧式ディスクブレーキである。フロントブレーキ106は、ブレーキホースを介して、フロントハイドロリックユニット107に接続されている。フロントハイドロリックユニット107は、中間フレーム130に支持される。フロントブレーキ106は、フロントハイドロリックユニット107から供給されるブレーキフルードの圧力で作動する。フロントハイドロリックユニット107は、フロントブレーキ106のブレーキ液圧を制御する。フロントハイドロリックユニット107は、液圧調整モータと液圧調整弁を含む。
次に、中間フレーム130について説明する。中間フレーム130は、中間メインフレーム131を有する。中間メインフレーム131は、ハンドルユニット50と接続されている。ハンドルユニット50は、中間フレーム130に対して揺動不能である。
中間メインフレーム131は、フロント電気モータ162を支持する。フロント電気モータ162は、中間メインフレーム131の前部に収容されている。フロント電気モータ162は、中間フレーム130に固定されている。フロント電気モータ162は、出力軸が双方向に回転可能な電気モータである。フロント電気モータ162は、減速機付モータであってもよい。フロント電気モータ162の出力軸は、前斜め下向きに突出している。フロント電気モータ162の出力軸は、フロントフレーム120のフロント揺動軸部122に固定されている。なお、フロント電気モータ162がフロント揺動軸部122に支持され、フロント電気モータ162の出力軸が中間メインフレーム131に固定されてもよい。
フロント電気モータ162の出力軸が回転することで、フロントフレーム120がフロント電気モータ162の出力軸の中心軸線回りに中間フレーム130に対して揺動する。フロント電気モータ162は、本発明のラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動アクチュエータに相当する。フロント電気モータ162の出力軸が、ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2を構成する。つまり、フロント電気モータ162(ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動アクチュエータ)は、フロントフレーム120をラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2回りに中間フレーム130に対して揺動させる。ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2は、無限に延びる直線である。
フロントフレーム120は、フロント電気モータ162を介して、中間フレーム130に支持される。フロントフレーム120は、フロント電気モータ162の出力軸の中心軸線回りに揺動可能に、中間フレーム130に支持される。フロントフレーム120がラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2回りに揺動可能に中間フレーム130に支持されていることで、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2回りに中間フレーム130に対して揺動可能である。
ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2は、後方向に向かうほど上方向に向かう傾きを持つ。つまり、ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2にある第1の点をラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2に沿って後方向に移動させた点を第2の点とした場合、第2の点は第1の点より高い位置にある。直進可能に直立した状態の車両100Aを左方向または右方向に見た場合のラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2の上下方向に対する傾斜角度は、特に限定されない。但し、直進可能に直立した状態の車両100Aを左方向または右方向に見て、ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2の上下方向に対する傾斜角度は、45°未満が好ましい。直進可能に直立した状態の車両100Aを左方向または右方向に見て、ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2と路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の前端を通り上下方向に平行な直線L1100Aと、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の後端を通り上下方向に平行な直線L2100Aとの間にある。図2では、ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2と路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2と路面RSの接点から前方向に若干離れている。ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2と路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2と路面RSの接点と同じかほぼ同じであってもよい。ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2と路面RSとの交点は、直線L1100Aと直線L2100Aの間であれば、接点よりも後方向に位置していてもよい。
中間フレーム130は、中間メインフレーム131に加えて、シートフレーム132を有する。シートフレーム132は、中間メインフレーム131に固定される。シートフレーム132は、運転者(乗員)が着座するためのシート10と、同乗者(乗員)が着座するためのタンデムシート11を支持する。つまり、シート10およびタンデムシート11は、中間フレーム130に支持される。タンデムシート11は、シート10の後端よりも後方向に位置する。自動二輪車100Aの乗車定員は、2名である。タンデムシート11は無くてもよい。なお、図2には、車両100Aを右方向に見た場合のシート10の上縁以外のシート10の境界線は表示していない。また、図2には、車両100Aを右方向に見た場合のタンデムシート11の上縁以外のタンデムシート11の境界線は表示していない。シート10の後端は、タンデムシート11の前端とほぼ同じ位置である。
次に、リヤフレーム140について説明する。リヤフレーム140は、リヤ揺動軸部141と、リヤサスペンションユニット42を有する。リヤサスペンションユニット42は、リヤ揺動軸部141の後部に接続されている。リヤサスペンションユニット42は、左右一対のスイングアーム43、43と、1つのリヤサスペンション44と、リンク機構45を有する。なお、リヤサスペンションユニット42が有するリヤサスペンション44の数は2つでもよい。スイングアーム43の前部は、左右方向に平行な軸線回りに揺動可能にリヤ揺動軸部141の後部に支持される。スイングアーム43の後部は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4を支持する。リヤサスペンション44は、スプリングと油圧ダンパーを有する。リヤサスペンション44の一端は、リヤ揺動軸部141の後部に接続されている。リンク機構45は、リヤ揺動軸部141の後部と、リヤサスペンション44の他端と、スイングアーム43にそれぞれ、左右方向に平行な軸線回りに揺動可能に接続されている。リンク機構45の具体的な構成は特に限定されない。但し、リヤサスペンションユニット42は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4が受ける上下方向の振動を吸収するように構成される。
ラウンドトレッド面リヤタイヤ4は、リヤホイール5の外周部に設置されている。スイングアーム43は、リヤホイール5の中央の孔に挿入されるリヤ車軸(図示せず)を支持する。それにより、リヤサスペンションユニット42は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4をリヤ車軸線A3回りに回転可能に支持する。リヤ車軸線A3は、リヤ車軸の中心軸線である。自動二輪車100Aが直進可能に直立しているとき、リヤ車軸線A3は、左右方向に平行である。
リヤホイール5には、インホイールモータ170とリヤブレーキ108(図示せず)が設置されている。インホイールモータ170は、本発明の駆動源に相当する。インホイールモータ170は、電気モータである。インホイールモータ170は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4に駆動力を付与可能に構成されている。インホイールモータ170は、変速機を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。インホイールモータ170が変速機を含んでいない場合、リヤホイール5が変速機を支持していてもよい。インホイールモータ170の出力(駆動力)は、変速機を介して、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4に伝達される。変速機は、インホイールモータ170の出力軸の回転速度とラウンドトレッド面リヤタイヤ4の回転速度の比を変更できるように構成されている。また、変速機は設けられなくてもよい。リヤブレーキ108は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4に制動力を付与可能に構成されている。リヤブレーキ108は、ドラムブレーキである。ドラムブレーキは、摩擦力を利用した機械的ブレーキである。
リヤ揺動軸部141は、略円筒状である。リヤ揺動軸部141は、リヤ電気モータ160を支持する。リヤ電気モータ160は、リヤ揺動軸部141の前部の内側に配置されている。リヤ電気モータ160は、リヤフレーム140に固定されている。リヤ電気モータ160は、フロント電気モータ162の後端よりも後方向に位置する。リヤ電気モータ160は、出力軸が双方向に回転可能な電気モータである。リヤ電気モータ160は、減速機付モータであってもよい。リヤ電気モータ160の出力軸は、前斜め上向きに突出している。リヤ電気モータ160の出力軸は、中間メインフレーム131に固定されている。なお、リヤ電気モータ160が中間メインフレーム131に支持され、リヤ電気モータ160の出力軸がリヤ揺動軸部141に固定されてもよい。
リヤ電気モータ160の出力軸が回転することで、リヤフレーム140がリヤ電気モータ160の出力軸の中心軸線回りに中間フレーム130に対して揺動する。言い換えると、リヤ電気モータ160は、出力軸の中心軸線回りにリヤフレーム140を中間フレーム130に対して揺動させる。リヤ電気モータ160は、本発明のラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータに相当する。リヤ電気モータ160の出力軸が、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aを構成する。ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aは、本発明の実施形態のラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4の一例である。ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aは、無限に延びる直線である。
リヤ揺動軸部141の前端部は、リヤ電気モータ160を介して、中間メインフレーム131に支持される。さらに、リヤ揺動軸部141の後部は、リヤ電気モータ160の出力軸の中心軸線回りに揺動可能に中間メインフレーム131に支持される。このように、リヤフレーム140は、リヤ電気モータ160の出力軸の中心軸線回りに揺動可能に、中間フレーム130に支持される。リヤフレーム140がラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100A回りに揺動可能に中間フレーム130に支持されていることで、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100A回りに中間フレーム130に対して揺動可能である。
ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aは、後方向に向かうほど下方向に向かう傾きを持つ。つまり、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aにある第1の点をラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aに沿って後方向に移動させた点を第2の点とした場合、第2の点は第1の点より低い位置にある。直進可能に直立した状態の車両100Aを左方向または右方向に見た場合のラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aの上下方向に対する傾斜角度は、特に限定されない。但し、直進可能に直立した状態の車両100Aを左方向または右方向に見て、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aの上下方向に対する傾斜角度は、45°を超えることが好ましい。直進可能に直立した状態の車両100Aを左方向または右方向に見て、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aと路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の前端を通り上下方向に平行な直線L3100Aと、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の後端を通り上下方向に平行な直線L4100Aとの間にある。図2では、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aと路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4と路面RSの接点と同じかほぼ同じである。
リヤフレーム140は、リヤ揺動軸部141およびリヤサスペンションユニット42に加えて、バッテリ支持部146を有する。バッテリ支持部146は、リヤ揺動軸部141の下面に固定されている、バッテリ支持部146は、蓄電装置171を支持する。蓄電装置171は、少なくとも1つのバッテリ(二次電池)で構成される。蓄電装置171は、各種の電気機器に電力を供給する。各種の電気機器は、インホイールモータ170、フロント電気モータ162、リヤ電気モータ160、各種センサ、および後述する制御装置80を含む。蓄電装置171は電池容量の大きいものが用いられる。バッテリは、例えば、鉛蓄電池であってもよく、リチウム蓄電池であってもよい。バッテリ支持部146には、錘が設置されていてもよい。錘は、バッテリ支持部146以外の箇所に設けてもよい。錘は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aから下方向に離れた位置に配置することが好ましい。錘は、リヤフレーム140に設けてもよく、中間フレーム130に設けてもよい。
上述したように、自動二輪車100Aは、ハンドルユニット50を有する。ハンドルユニット50は、左グリップ51および右グリップ(図示せず)を有する。左グリップ51および右グリップは、運転者(乗員)の手に把持される。左グリップ51および右グリップは、それぞれ、グリップの中心軸線回りに揺動可能である。ハンドルユニット50は、中間フレーム130に固定されている。左グリップ51および右グリップは、中間フレーム130に対して左右方向に移動不能である。そのため、ハンドルユニット50は、運転者によって操作されない。つまり、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2は、ハンドルユニット50によって操舵されない。
左グリップ51または右グリップには、ステアリングスイッチ(図示せず)が設けられている。ステアリングスイッチは、360°未満回転可能に構成されていてもよく、360°回転可能に構成されていてもよい。ステアリングスイッチは、グリップを把持した手の指で操作される。運転者がステアリングスイッチを回すように操作することで、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2およびラウンドトレッド面リヤタイヤ4の少なくとも一方が中間フレーム130に対して揺動して、車両100Aが操舵される。つまり、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2およびラウンドトレッド面リヤタイヤ4の操舵は、ステア・バイ・ワイヤ方式で制御される。制御装置80は、ステアリングスイッチの操作量に応じて、フロント電気モータ162およびリヤ電気モータ160の少なくとも一方を作動させる。状況によっては、制御装置80は、ステアリングスイッチの操作に関わらず、フロント電気モータ162およびリヤ電気モータ160の少なくとも一方を作動させる。
右グリップは、アクセルグリップである。運転者がアクセルグリップを回すように操作することで、インホイールモータ170(駆動源)の出力が調整される。駆動源が電気モータ(インホイールモータ170)であるため、駆動源は、アクセル・バイ・ワイヤ方式で制御される。インホイールモータ170の出力は、制御装置80によって制御される。制御装置80は、アクセルグリップの操作量を検出するアクセルセンサ(図示せず)の検出結果に応じて、インホイールモータ170の出力を制御する。状況によっては、制御装置80は、アクセルグリップの操作に関わらず、インホイールモータ170の出力を変更してもよい。
ハンドルユニット50の右部には、フロントブレーキレバー(図示せず)が設けられている。運転者が右グリップを握った手の指でフロントブレーキレバーを引くように操作することで、フロントブレーキ106が作動して、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2に制動力が付与される。フロントブレーキ106は、ブレーキ・バイ・ワイヤ方式で制御される。フロントブレーキ106は、制御装置80に接続される。上述したように、フロントブレーキ106は、液圧式ディスクブレーキであって、フロントハイドロリックユニット107に接続される。制御装置80は、フロントブレーキレバーの操作量を検出するフロントブレーキセンサ(図示せず)の検出結果に応じて、フロントハイドロリックユニット107からフロントブレーキ106に供給する液圧を調整する。つまり、制御装置80は、フロントブレーキレバーの操作量に応じて、フロントブレーキ106を作動させる。状況によっては、制御装置80は、フロントブレーキレバーの操作に関わらず、フロントブレーキ106を作動させてもよい。なお、フロントブレーキレバーは、ブレーキホースを介して、フロントハイドロリックユニット107と接続されてもよい。フロントブレーキレバーの代わりに、ブレーキペダルを設けてもよい。ブレーキペダルは、運転者の足で操作される。
ハンドルユニット50の左部には、リヤブレーキレバー(図示せず)が設けられている。運転者が左グリップ51を握った手の指でリヤブレーキレバーを引くように操作することで、リヤブレーキ108が作動して、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4に制動力が付与される。リヤブレーキ108は、ブレーキ・バイ・ワイヤ方式で制御される。リヤブレーキ108は、制御装置80に接続される。上述したように、リヤブレーキ108は、ドラムブレーキである。制御装置80は、リヤブレーキレバーの操作量を検出するリヤブレーキセンサ(図示せず)の検出結果に応じて、リヤブレーキ108を作動させる。状況によっては、制御装置80は、リヤブレーキレバーの操作に関わらず、リヤブレーキ108を作動させてもよい。なお、リヤブレーキレバーは、リヤブレーキ108と機械的に接続されてもよい。リヤブレーキレバーの代わりに、ブレーキペダルを設けてもよい。ブレーキペダルは、運転者の足で操作される。
自動二輪車100Aは、車体カバー112を有する。図2には、車体カバー112の一部を二点鎖線で表示している。車体カバー112は、複数の部品で構成される。車体カバー112は、フロントフレーム120の少なくとも一部と、中間フレーム130と、リヤフレーム140の少なくとも一部を覆う。車体カバー112の少なくとも一部は、リヤフレーム140に支持される。車体カバー112は、図示しないフロントカウルを含む。フロントカウルは、中間メインフレーム131の前面を前から覆う。
直進可能に直立した状態の車両100Aを左方向または右方向に見て、外部から荷重がかかっていない状態の車両100Aの重心G0100Aは、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aから下方向に離れている。図2に二点鎖線で示す重心G1100Aは、シート10に着座する運転者(乗員)を含む車両100Aの重心G1100Aの一例である。シート10にかかる荷重がゼロから増大するにつれて、運転者(乗員)を含む車両100Aの重心は、例えば、図2に示す重心G0100Aから矢印方向に移動する。図2に二点鎖線で示す重心G1100Aは、シート10に着座する運転者(乗員)を含む車両100Aの重心G1100Aの一例である。シート10に着座する運転者(乗員)を含む車両100Aの重心G1100Aは、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aを越えてもよく、越えなくてもよい。
自動二輪車100Aは、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2またはラウンドトレッド面リヤタイヤ4の回転速度を検出する車輪速センサ(図示せず)を有する。自動二輪車100Aは、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2およびラウンドトレッド面リヤタイヤ4の回転速度をそれぞれ検出する2つの車輪速センサを有していてもよい。制御装置80は、車輪速センサにより検出されたラウンドトレッド面フロントタイヤ2またはラウンドトレッド面リヤタイヤ4の回転速度と、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2またはラウンドトレッド面リヤタイヤ4の径に基づいて、自動二輪車100Aの車速を算出する。
自動二輪車100Aは、中間フレーム130の上下方向に対する左右方向への傾きに関連する物理量を検出する傾斜検出装置81を有する。傾斜検出装置81は、中間フレーム130に支持される。中間フレーム130の上下方向に対する左右方向への傾きとは、中間フレーム130が自動二輪車100Aのロール軸回りに揺動することである。ロール軸は、前後方向に平行な軸線である。傾斜検出装置81が検出する上記物理量は、中間フレーム130のロール角、ロールレート、およびロール角加速度の少なくとも1つを含む。傾斜検出装置81は、ロール角、ロールレート、ロール角加速度の少なくとも1つを検出するセンサ(ジャイロセンサ)であってもよい。傾斜検出装置81は、ジャイロセンサの検出結果に基づいて演算処理を行う演算処理部を含んでいてもよい。例えば、傾斜検出装置81は、ジャイロセンサで検出されたロールレートを積分することで、ロール角を算出してもよい。傾斜検出装置81は、センサで検出されたロール角加速度を積分することで、ロールレートを算出してもよい。傾斜検出装置81は、ジャイロセンサで検出されたロール角を微分することで、ロールレートを算出してもよい。傾斜検出装置81は、ジャイロセンサで検出されたロールレートを微分することで、ロール角加速度を算出してもよい。傾斜検出装置81は、センサと演算処理部の両方を含んでいてもよい。傾斜検出装置81は、センサを含まず、演算処理部だけで構成されていてもよい。演算処理部は、後述する制御装置80に含まれてもよい。
自動二輪車100Aは、中間フレーム130の前後方向に対する左右方向への傾きに関連する物理量を検出する検出装置(図示せず)を有する。中間フレーム130の前後方向に対する左右方向への傾きとは、中間フレーム130が自動二輪車100Aのヨー軸回りに揺動することである。ヨー軸は、上下方向に平行な軸線である。この検出装置が検出する上記物理量は、中間フレーム130のヨー角、ヨーレート、およびヨー角加速度の少なくとも1つを含む。自動二輪車100Aは、中間フレーム130の前後方向に対する上下方向への傾きに関連する物理量を検出する検出装置を有する。中間フレーム130の前後方向に対する上下方向への傾きとは、中間フレーム130が自動二輪車100Aのピッチ軸回りに揺動することである。ピッチ軸は、左右方向に平行な軸線である。この検出装置が検出する上記物理量は、中間フレーム130のピッチ角、ピッチレート、およびピッチ角加速度の少なくとも1つを含む。
自動二輪車100Aは、運転モードとして、自律運転モードと、手動運転モードを有する。自律運転モードでは、運転者が運転しなくても自動二輪車100Aが目的位置まで自動的に走行する。手動運転モードでは、運転者を能動的に支援する制御が行われてもよい。
自動二輪車100Aは、制御装置80を有する。制御装置80は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などで構成されている。CPUは、ROMやRAMに記憶されたプログラムや各種データに基づいて情報処理を実行する。制御装置80は、中間フレーム130に支持されてもよく、リヤフレーム140に支持されてもよい。制御装置80の位置は、図2に示す位置に限定されない。制御装置80は、アクセルセンサ、フロントブレーキセンサ、リヤブレーキセンサ、車輪速センサ、および傾斜検出装置81などの各種センサに接続される。制御装置80は、これらのセンサから信号を受信する。上述したように、傾斜検出装置81が演算処理部を含む場合は、傾斜検出装置81の演算処理部は制御装置80に含まれてもよい。制御装置80は、インホイールモータ170に接続される。制御装置80は、フロントブレーキおよびリヤブレーキのアクチュエータに接続される。制御装置80は、リヤ電気モータ160およびフロント電気モータ162に接続される。制御装置80は、接続されたこれらの機器を制御する。制御装置80は、リヤ電気モータ160およびフロント電気モータ162を制御することで、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4およびラウンドトレッド面フロントタイヤ2の揺動を制御する。制御装置80は、本発明のラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ制御装置およびラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動制御装置を含む。制御装置80によるリヤ電気モータ160およびフロント電気モータ162の制御の詳細は後述する。
ここで、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4を揺動させた時の車両100Aの挙動について説明する。以下の説明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4が上方向に対して左方向に傾くとは、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の上端が下端に対して相対的に左方向に移動することをいう。車両100Aおよびラウンドトレッド面フロントタイヤ2についても同様の定義が適用される。ラウンドトレッド面リヤタイヤ4が前方向に対して左方向に傾くとは、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の前端が後端に対して相対的に左方向に移動することをいう。ラウンドトレッド面フロントタイヤ2についても同様の定義が適用される。また、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2が左方向に操舵されるとは、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2が前方向に対して左方向に傾くことである。
図3(a)は、車両100Aが水平な路面RSに直進可能に直立している状態を示す。この状態において、外部から荷重がかかっていない状態の車両100Aの重心G0100Aは、自動二輪車100Aの左右方向の中央にある。図3(a)の状態から、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4が図3(a)に示す矢印Xの方向に揺動すると、図3(b)に示すように、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4は、上方向に対して左方向に傾くと共に、前方向に対して右方向に傾く。矢印Xの方向は、後方向に見て時計回りの方向である。ラウンドトレッド面リヤタイヤ4が上方向に対して左方向に傾くことにより、その後、図3(c)に示すように、車両100Aが上方向に対して左方向に傾く。そのため、車両100Aを下方向に見て、車両100Aの重心G0100Aは、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aから左方向に離れる。これにより、キャンバースラストが発生する。それに加えて、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4が前方向に対して右方向に傾くことで、車両100Aが左旋回する。
図4(a)は、車両100Aが上方向に対して左方向に傾いている状態を示す。車両100Aを下方向に見て、車両100Aの重心G0100Aは、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aの左方向に離れている。この状態から、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4が、図4(a)に示す矢印のY方向に揺動すると、図4(b)に示すように、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4は、上方向に対して右方向に傾くと共に、前方向に対して右方向に傾く。矢印Xの方向は、上述の矢印Yの方向と逆方向である。それにより、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2とラウンドトレッド面リヤタイヤ4の上方向に対する左右方向の傾きが逆になる。また、車両100Aの重心G0100Aは右方向に移動する。その結果、図4(c)に示すように、車両100Aが起き上がる。
次に、制御装置80によるラウンドトレッド面リヤタイヤ4およびラウンドトレッド面フロントタイヤ2の揺動制御について説明する。
制御装置80は、傾斜検出装置81で検出された中間フレーム130の上下方向に対する左右方向への傾きに関連する物理量に基づいて、リヤ電気モータ160とフロント電気モータ162を制御する。制御装置80は、傾斜検出装置81の検出結果に加えて、他のパラメータに基づいて、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4およびラウンドトレッド面フロントタイヤ2の揺動制御を変更してもよい。例えば、車輪速センサの検出結果に基づいてもよい。例えばハンドル舵角センサの検出結果に基づいてもよい。また、例えば、地図情報に基づいてもよい。また、雨などの天候の情報に基づいてもよい。また、例えば、運転者の技量に基づいてもよい。運転者の技量は、運転者が入力するものであっても、走行状況から制御装置が判定したものであってもよい。また、車種によって、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4およびラウンドトレッド面フロントタイヤ2の揺動制御は変更されてもよい。
制御装置80は、ステアリングスイッチが操作された場合、または、自律運転モード中に車両100Aを操舵させる場合に、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2およびラウンドトレッド面リヤタイヤ4の一方を揺動させる。
具体的には、例えば、車両100Aを左方向に操舵させたい場合、制御装置80は、以下のいずれかの制御を行う。制御装置80は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2が前方向に対して左方向に傾くように、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2を揺動させてもよい。制御装置80は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2が前方向に対して右方向に傾くようにラウンドトレッド面フロントタイヤ2を揺動させてから、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2が前方向に対して左方向に傾くようにラウンドトレッド面フロントタイヤ2を揺動させてもよい。つまり、いわゆる逆操舵(当て舵)を行ってもよい。制御装置80は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4が上方向に対して左方向に傾くように、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4を揺動させてもよい。制御装置80は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2とラウンドトレッド面リヤタイヤ4の両方を上述したように揺動させてもよい。
また、例えば、車両100Aが左旋回している状態から車両100Aを右方向に操舵させたい場合、以下のいずれかの制御を行う。制御装置80は、車両100Aが起き上るように、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4を揺動させてもよい。制御装置80は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2が前方向に対して右方向に傾くように、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2を揺動させてもよい。制御装置80は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2とラウンドトレッド面リヤタイヤ4の両方を上述したように揺動させてもよい。
制御装置80は、車両100Aの旋回中に、車両100Aの上方向に対する左右方向の傾きが大きくなるように、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4を揺動させてもよい。それにより、旋回性を向上できる。つまり、旋回半径を小さくできる。
制御装置80は、車両100Aが横風を受けて傾いている場合に、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4を揺動させてもよい。例えば、車両100Aが右から風を受けて左方向に傾斜している場合に、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4が上方向に対して左方向に傾く方向に、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4を揺動させてもよい。さらに、制御装置80は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2も揺動させてもよい。
自動二輪車100Aは、手動運転モード中に、車両100Aの上下方向に対する左右方向の傾きを軽減する傾斜軽減モードを選択可能でもよい。制御装置80は、傾斜軽減モード中に車両100Aが上方向に対して左右方向に傾いた場合に、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4およびラウンドトレッド面フロントタイヤ2の少なくとも一方を揺動させる。特に低速走行時は、車両100Aが上下方向に対して左右方向に傾きやすい。傾斜軽減モード中のラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御は、低速走行時に限ってもよい。制御装置80は、自律運転モードで直進走行中に、車両100Aが上方向に対して左右方向に傾いた場合に、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4とラウンドトレッド面フロントタイヤ2の少なくとも一方を揺動させてもよい。
制御装置80は、例えば6km/時以下の低速走行する際、または、停止中に、車両100Aが自立した状態を維持できるように、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4を双方向に交互に揺動させてもよい。また、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2を双方向に交互に揺動させてもよい。ラウンドトレッド面リヤタイヤ4とラウンドトレッド面フロントタイヤ2の両方を揺動させてもよい。例えば、人が車両100Aを押して歩く際に、この制御を行ってもよい。
実施形態の具体例1は、上述した本発明の実施形態の効果に加えて、以下の効果を奏する。
直進可能に直立した状態の車両100Aを左方向または右方向に見て、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aと路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の前端を通り上下方向に平行な直線L3100Aと、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の後端を通り上下方向に平行な直線L4100Aとの間にある。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aと路面RSとの交点が、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の前端を通り上下方向に平行な直線L3100Aから前方向に離れている場合に比べて、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4を揺動させるために必要なモーメントが小さい。また、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aと路面RSとの交点が、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の後端を通り上下方向に平行な直線L4100Aから後方向に離れている場合に比べて、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4を揺動させるために必要なモーメントが小さい。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性を向上できる。よって、自動二輪車100Aの乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性をより向上できる。
直進可能に直立した状態の車両100Aを左方向または右方向に見て、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aと路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4と路面RSの接点と同じかほぼ同じである。それにより、リヤフレーム140を揺動させるトルクがより小さい。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性をより向上できる。
ラウンドトレッド面フロントタイヤ2のラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2回りの揺動が、制御装置80によって制御される。したがって、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動と、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の揺動を連動させて行うことができる。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性を向上できる。よって、自動二輪車100Aの乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性をより向上できる。
ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の揺動が制御装置80によって制御されるため、フロントフレーム120に接続されたハンドルを設けなくてよい。この場合、車両のレイアウトの自由度を向上できる。ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の揺動が制御装置80によって制御されるため、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の逆操舵(当て舵)を、制御装置80の制御によって行うことができる。つまり、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2がハンドルにより操舵される場合とは異なり、制御装置80は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の全ての操舵が、逆操舵と順操舵のどちらであるかを把握している。よって、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動と、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の揺動の連動性を高めることができる。
比較的大きい重量を有するフロントハイドロリックユニット107が中間フレーム130に支持される。よって、リヤフレーム140がハイドロリックユニットを支持する場合に比べて、リヤ電気モータ160(ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ)が揺動させる対象の重量が小さい。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性を向上できる。よって、自動二輪車100Aの乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性をより向上できる。
比較的大きい重量を有するインホイールモータ170(駆動源)が中間フレーム130に支持される。よって、リヤフレーム140が駆動源を支持する場合に比べて、リヤ電気モータ160(ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ)が揺動させる対象の重量が小さい。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性を向上できる。よって、自動二輪車100Aの乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性をより向上できる。
比較的大きい重量を有する蓄電装置171が中間フレーム130に支持される。よって、リヤフレーム140が蓄電装置171を支持する場合に比べて、リヤ電気モータ160(ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータ)が揺動させる対象の重量が小さい。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性を向上できる。よって、自動二輪車100Aの乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤ4の揺動制御の制御性をより向上できる。
<本発明の実施形態の具体例2>
次に、本発明の実施形態の具体例2の自動二輪車100Bについて、図5を用いて説明する。基本的に、本発明の実施形態の具体例2は、本発明の実施形態の特徴を全て有している。本発明の実施形態およびその具体例1と同じ部位についての説明は省略する。以下、本発明の実施形態の具体例1と異なる構成について説明する。
リヤ電気モータ160は、リヤフレーム140をラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100B回りに中間フレーム130に対して揺動させる。ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Bは、本発明の実施形態のラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4の一例である。ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Bは、後方向に向かうほど下方向に向かう傾きを持つ。直進可能に直立した状態の車両100Bを左方向または右方向に見て、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Bと路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4と路面RSの接点よりも後方向に位置する。但し、具体例1と同じく、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Bと路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の前端を通り上下方向に平行な直線L3100Bと、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の後端を通り上下方向に平行な直線L4100Bとの間にある。
直進可能に直立した状態の車両100Bを左方向または右方向に見て、外部から荷重がかかっていない状態の車両100Bの重心G0100Bは、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Bから下方向に離れている。外部から荷重がかかっていない状態の車両100Bの重心G0100Bは、図5に示す位置に限らない。シート10にかかる荷重がゼロから増大するにつれて、運転者(乗員)を含む車両100Bの重心は、例えば、図5に示す重心G0100Bから矢印方向に移動する。
<本発明の実施形態の具体例3>
次に、本発明の実施形態の具体例3の自動二輪車100Cについて、図6を用いて説明する。基本的に、本発明の実施形態の具体例3は、本発明の実施形態の特徴を全て有している。本発明の実施形態およびその具体例1と同じ部位についての説明は省略する。以下、本発明の実施形態の具体例1と異なる構成について説明する。
リヤ電気モータ160は、リヤフレーム140をラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100C回りに中間フレーム130に対して揺動させる。ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Cは、本発明の実施形態のラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4の一例である。ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Cは、後方向に向かうほど下方向に向かう傾きを持つ。直進可能に直立した状態の車両100Cを左方向または右方向に見て、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Cと路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4と路面RSの接点よりも前方向に位置する。但し、具体例1と同じく、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Cと路面RSとの交点は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の前端を通り上下方向に平行な直線L3100Cと、ラウンドトレッド面リヤタイヤ4の後端を通り上下方向に平行な直線L4100Cとの間にある。
左方向または右方向に見て、外部から荷重がかかっていない状態の車両100Cの重心G0100Cは、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Cから下方向に離れている。外部から荷重がかかっていない状態の車両100Cの重心G0100Cは、図6に示す位置に限らない。シート10にかかる荷重がゼロから増大するにつれて、運転者(乗員)を含む車両100Cの重心は、例えば、図6に示す重心G0100Cから矢印方向に移動する。
<本発明の実施形態の具体例4>
次に、本発明の実施形態の具体例4の自動二輪車100Dについて、図7〜図14を用いて説明する。基本的に、本発明の実施形態の具体例4は、本発明の実施形態の特徴を全て有している。本発明の実施形態およびその具体例1と同じ部位についての説明は省略する。以下、本発明の実施形態の具体例1と異なる構成について説明する。なお、図7、図8および図9のフロントホイール3およびリヤホイール5は、スポーク等の形状を省略して表示している。
図7、図8および図10に示すように、自動二輪車100Dは、フロントフレーム120、中間フレーム230、リヤフレーム140を有する。フロントフレーム120は、自動二輪車100Aと同じく、左右一対のフロントサスペンションユニット21、21と、フロント揺動軸部122を有する。中間フレーム230は、中間メインフレーム131と、シートフレーム132と、可動バックフレーム233を有する。リヤフレーム140は、自動二輪車100Aと同じく、リヤ揺動軸部141と、リヤサスペンションユニット42と、バッテリ支持部146を有する。
自動二輪車100Aと同じく、フロントフレーム120は、フロント電気モータ162を介して中間フレーム230に支持される。自動二輪車100Aと同じく、フロント電気モータ162によって、フロントフレーム120およびラウンドトレッド面フロントタイヤ2は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2回りに中間フレーム230に対して揺動される。自動二輪車100Aと同じく、リヤフレーム140は、リヤ電気モータ160を介して中間フレーム230に支持される。自動二輪車100Aと同じく、リヤ電気モータ160によって、リヤフレーム140およびラウンドトレッド面リヤタイヤ4は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100A回りに中間フレーム230に対して揺動される。
フロントフレーム120のフロントサスペンションユニット21の長手方向に直交する断面は、前後方向に細長い略楕円状である。フロントフレーム120の前部には、フロントフェンダー213が取り付けられている。フロントフェンダー213は、フロントフレーム120には含まれない。フロントフェンダー213は、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2の上部のトレッド面2aを覆っている。
リヤフレーム140のバッテリ支持部146に支持される蓄電装置171は、6つのバッテリで構成される。6つのバッテリは、左右に3つずつ配置されている。また、バッテリ支持部146には錘(図示せず)が設置されている。錘は、バッテリ支持部146の下部に配置される。なお、錘はバッテリ支持部146に設置されなくてもよい。
中間メインフレーム131は、リヤフレーム140のリヤ揺動軸部141の外周面の上部を覆う。中間メインフレーム131は、リヤ揺動軸部141の前部と後部をそれぞれ1周にわたって覆う。中間メインフレーム131は、モノコック構造の車体フレームである。
図9に示すように、中間フレーム230のシートフレーム132は、中間メインフレーム131に固定されている。シートフレーム132の上部は、シートフレームカバー214で覆われている。シートフレームカバー214の後部の上面には、運転者Oが着座するためのシート210が設置されている。つまり、シートフレーム132は、シート210を支持する。シート210は、弾性を有するシート状の部材である。
図8および図9に示すように、中間フレーム230の可動バックフレーム233は、シートフレーム132の後端部に接続されている。可動バックフレーム233は、左右方向に平行な軸線回りに揺動可能にシートフレーム132に接続されている。運転中を含む通常時、可動バックフレーム233は図8および図9に実線で示す位置に配置される。運転者O(乗員)が乗り降りする際にのみ、可動バックフレーム233は図9に二点鎖線で示す位置に配置される。図7および図10に示すように、可動バックフレーム233は、略V字状の部分を有する。このV字状の部分の間に運転者Oの胴体が配置される。自動二輪車100Dの乗車定員は、1名である。
図8に示すように、ヘッド部235が中間メインフレーム131の上部に接続されている。ヘッド部235は、中間フレーム230に含まれない。図7に示すように、ヘッド部235は、ヘッド底部236と、ヘッドカバー237を有する。ヘッドカバー237は、ヘッド底部236の上面を覆っている。ヘッド底部236とヘッドカバー237との間には、機器等が配置される空間が形成されている。ヘッドカバー237の後部の上面には、クッション材216が設置されている。クッション材216は、弾性を有するシート状の部材である。シート210に着座する運転者Oの姿勢によっては、運転者Oの胴体の前面がクッション材216に接触する。ヘッド底部236は、3つのアーム234a、234a、234cによって中間フレーム230に接続されている。ヘッド部235は、前後方向に移動可能に中間メインフレーム131に接続されている。図示しないスイッチを操作することで、ヘッド底部236は、例えば電気モータ等で前後方向に移動される。この構成により、ヘッド部235の位置を、運転者Oの体格に合わせた位置に調整できる。また、ヘッド部235の位置を変更することで、車両100Dの重心G0100Dの位置を調整できる。
図10に示すように、ヘッド部235は、左グリップ251と右グリップ252を有する。図8に示すように、左グリップ251および右グリップ252は、ヘッド底部236の側部から突出している。右グリップ252および左グリップ251は、ヘッド部235に固定されている。右グリップ252および左グリップ251は、回転不能(揺動不能)である。右グリップ252および左グリップ251は、運転者O(乗員)の手に把持される。
図11に示すように、左グリップ251の後面には、ステアリングスイッチ253が設けられている。ステアリングスイッチ253は、360°未満回転可能に構成されていてもよく、360°回転可能に構成されていてもよい。ステアリングスイッチ253は、円弧状または円形状の操作面を有する。ステアリングスイッチ253の回転軸線は、左グリップ251の長手方向と略平行である。なお、ステアリングスイッチ253は、360度以上回転可能であって、円盤状の操作面を有していてもよい。ステアリングスイッチ253は、左グリップ251を把持した手の指で操作される。自動二輪車100Aと同じく、運転者Oがステアリングスイッチ253を回すように操作することで、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2およびラウンドトレッド面リヤタイヤ4の少なくとも一方が中間フレーム230に対して揺動する。制御装置(図示せず)は、ステアリングスイッチ253の操作量に応じて、フロント電気モータ162およびリヤ電気モータ160の少なくとも一方を作動させる。状況によっては、制御装置は、ステアリングスイッチ253の操作に関わらず、フロント電気モータ162およびリヤ電気モータ160の少なくとも一方を作動させる。
図12に示すように、右グリップ252の前面には、アクセルレバー254が設けられている。運転者Oがアクセルレバー254を引くように操作することで、インホイールモータ170(駆動源)の出力が調整される。制御装置は、アクセルレバー254の操作量を検出するアクセルセンサ(図示せず)の検出結果に応じて、インホイールモータ170の出力を調整する。状況によっては、制御装置は、アクセルレバー254の操作に関わらず、インホイールモータ170の出力を変更してもよい。
図12に示すように、左グリップ251には、ブレーキレバー255が設けられている。運転者Oが左グリップ251を握った手の指でブレーキレバー255を引くように操作することで、フロントブレーキ106とリヤブレーキ108の少なくとも一方が作動する。それにより、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2およびラウンドトレッド面リヤタイヤ4の少なくとも一方に制動力が付与される。自動二輪車100Aと異なり、フロントブレーキ106とリヤブレーキ108は、1つのブレーキレバー255で操作される。なお、自動二輪車100Dは、フロントブレーキ106とリヤブレーキ108を独立して操作するための2つのブレーキ操作部を有していてもよい。制御装置は、ブレーキレバー255の操作量を検出するブレーキセンサ(図示せず)の検出結果に応じて、フロントブレーキ106およびリヤブレーキ108の少なくとも一方を作動させる。状況によっては、制御装置は、ブレーキレバー255の操作に関わらず、フロントブレーキ106およびリヤブレーキ108の少なくとも一方を作動させてもよい。
図7および図10に示すように、ヘッド部235の前部は、二股状である。図12に示すように、ヘッド部235の前左部と前右部に、それぞれ、プロジェクター256a、256bが設けられている。図9に示すように、プロジェクター256a、256bは、運転者Oのヘルメットのバイザーに画像を投影する。画像が投影されるバイザーは、ヘルメットのシールドの内側に配置されるインナーバイザーであってもよく、シールドの外側に配置されるアウターバイザーであってもよい。プロジェクター256a、256bから放射される光の放射角度は、スイッチ等で調整可能となっていてもよい。図13は、バイザーに投影される画像の一例を示している。投影画像は、例えば、車速、走行距離、蓄電装置の残量、警告、運転モード、時刻、地図、ナビゲーションの指示などの情報を含む。なお、プロジェクター256a、256bの数は1つだけでもよい。その場合、プロジェクター256a、256bは、左右どちらかに設けられてもよく、中央に設けられてもよい。
図12に示すように、ヘッド部235の前部の中央には、2つのカメラ257a、257bが設けられている。カメラ257a、257bは、自動二輪車100Dの前を撮影する。カメラ257aとカメラ257aの一方は、広角レンズを有する広角カメラであり、他方は、望遠レンズを有する望遠カメラである。
図7、図8および図10に示すように、中間メインフレーム131の後部に、左右一対のフットレストアーム217、217が接続されている。フットレストアーム217の先端部が、運転者Oの足を載せるためのフットレストを構成している。
図7および図8に示すように、中間メインフレーム131の後左部に、サイドスタンド219が接続されている。サイドスタンド219は、図8に実線で示す格納状態と、図8に二点鎖線で示す起立状態に切り換え可能である。自動二輪車100Dの駐車時、サイドスタンド219は起立状態で路面に接地される。図14に示すように、起立状態のサイドスタンド219によって、自動二輪車100Dは上下方向に対して左方向に傾いた状態で自立する。
図8に示す符号Greは、リヤ電気モータ160によってラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100A回りに中間フレーム230に対して揺動される対象全体の重心である。この重心Greを、リヤ揺動重心Greと称する。直進可能に直立した状態の車両100Dを左方向または右方向に見て、リヤ揺動重心Greは、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aから下方向に離れている。直進可能に直立した状態の車両100Dを左方向または右方向に見て、リヤ揺動重心Greは、外部から荷重がかかっていない状態の自動二輪車100Dの重心G0100Dよりも下方向に位置する。直進可能に直立した状態の車両100Dを左方向または右方向に見て、リヤ揺動重心Greは、外部から荷重がかかっていない状態の自動二輪車100Dの重心G0100Dよりも後方向に位置する。
実施形態の具体例1と同じく、直進可能に直立した状態の車両100Dを左方向または右方向に見て、外部から荷重がかかっていない状態の車両100Dの重心G0100Dは、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aから下方向に離れている。外部から荷重がかかっていない状態の車両100Dの重心G0100Dは、図8に示す位置に限らない。シート210にかかる荷重がゼロから増大するにつれて、運転者Oを含む車両100Dの重心は、例えば、図8に示す重心G0100Dから矢印方向に移動する。
制御装置は、自動二輪車100Aの制御装置80とほぼ同じ構成である。制御装置(図示せず)は、中間フレーム230に支持されてもよく、リヤフレーム140に支持されてもよい。制御装置は、制御装置80と同様に、各種センサおよび各種アクチュエータに接続される。さらに、制御装置は、プロジェクター256a、256bおよびカメラ257a、257bに接続される。
上述したように、サイドスタンド219によって自動二輪車100Dは左方向に傾斜した状態で自立する(図14参照)。制御装置は、この状態から、サイドスタンド219によらずに自動二輪車100Dを直立状態で自立させるように、リヤ電気モータ160を制御する。この制御は、運転者Oが自動二輪車100Dに乗車していない状態で行うことが好ましい。この制御は、運転者Oが乗車している状態で行ってもよい。制御装置は、リヤフレーム140の揺動の反動を利用して、自動二輪車100Dを起き上がらせる。以下、より詳細に説明する。
リヤ電気モータ160は、リヤ揺動重心Greが一旦右方向に揺動してから左方向に揺動するように制御される。上述したように、リヤ揺動重心Greは、リヤ電気モータ160によってラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100A回りに中間フレーム230に対して揺動される対象全体の重心である。リヤ揺動重心Greを右方向に揺動させるときのラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100A回りの回転角度は、自動二輪車100Dを起き上がらせることができる角度であれば、特に限定されない。リヤ揺動重心Greを右方向に揺動させるときのリヤ電気モータ160によるラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100A回りの回転角度は、リヤ揺動重心Greを左方向に揺動させるときのリヤ電気モータ160によるラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100A回りの回転角度と同じであってもよく、それより大きくてもよい。リヤ揺動重心Greを右方向に揺動させる速度は、特に限定されない。一方、自動二輪車100Dを起き上がらせるためには、リヤ揺動重心Greを左方向に揺動させる速度はある程度の速さが必要である。このように、乗員が車両100Dを支えなくても車両100Dを起き上がらせることができるため、自動二輪車100Dの利便性を向上できる。また、サイドスタンド219は中間フレーム130に支持されるため、リヤフレーム140の揺動をサイドスタンド219が妨げない。
制御装置は、自動二輪車100Dを起き上がらせた後、サイドスタンド219を起立状態から格納状態に切り換える。なお、サイドスタンド219の起立状態から格納状態への切り換えは、足の操作でも行うことができてよい。また、サイドスタンド219の格納状態から起立状態への切り換えは、制御装置によって行われてもよく、足の操作で行われてもよく、その両方が可能であってもよい。
制御装置は、顔認識部とジェスチャー認識部を有する。顔認識部およびジェスチャー認識部は、RAMやROMに格納されたプログラムがCPUで実行されることにより実現される機能部である。顔認識部は、カメラ257aおよびカメラ257bの少なくとも一方で撮影された画像の顔を、予め登録された画像の顔と照合して一致するかどうか判断する。運転者の顔の写真を登録しておくことで、顔認識部は運転者を認識できる。複数人の顔を登録しておけば、顔認識部は、複数人の顔を認識できる。ジェスチャー認識部は、カメラ257aおよびカメラ257bの少なくとも一方で撮影された動画画像のジェスチャーを、予め登録された動画画像のジェスチャーを照合して、一致するかどうか判断する。ジェスチャーは、例えば、手招きする動作などでよい。複数のジェスチャーを登録しておけば、ジェスチャー認識部は、複数のジェスチャーを認識できる。顔認識部およびジェスチャー認識部には、公知の顔認識技術およびジェスチャー認識技術が使用される。顔認識部およびジェスチャー認識部は、例えば、10m程度離れた人の顔とジェスチャーを認識できる。
顔認識部およびジェスチャー認識部は、運転者Oが自動二輪車100Dに乗車する際に使用される。具体的には、まず、サイドスタンド219により自立した自動二輪車100Dの前に、運転者が立つ。顔認識部が運転者の顔を認識すると、制御装置は、上述したようにリヤ電気モータ160を制御して自動二輪車100Dを起き上がらせて自立させる。その後、運転者は、第1のジェスチャーを行う。ジェスチャー認識部が第1のジェスチャーを認識すると、制御装置は、自動二輪車100Dを低速で自律運転させる。そして、制御装置は、自動二輪車100Dと運転者Oとの距離が所定距離以下になると、自動二輪車100Dを停止させる。自動二輪車100Dと運転者Oとの距離が所定距離以下になる前に、運転者が第2のジェスチャーを行ってもよい。ジェスチャー認識部が第2のジェスチャーを認識すると、制御装置は、自動二輪車100Dを停止させる。制御装置は、自動二輪車100Dを停止させた後、自立状態を維持できるように、リヤ電気モータ160とフロント電気モータ162を制御する。
本発明の実施形態の具体例4の自動二輪車100Dは、上述した本発明の実施形態の具体例1の自動二輪車100Aと同様に構成について、自動二輪車100Aと同様の効果を奏する。
なお、ヘッド部235は、中間メインフレーム131に固定されていてもよい。可動バックフレーム233は設けなくてもよい。
サイドスタンド219は、上下方向に対して右方向に傾いた状態で車両100Dが自立するように路面に接地可能であってもよい。このサイドスタンド219は、中間メインフレーム131の後右部に接続される。この場合、車両100Dを起き上がらせるために、リヤ電気モータ160は、リヤ揺動重心Greが一旦左方向に揺動してから右方向に揺動するように制御される。
車両100Dを起き上がらせるためのリヤフレーム140の揺動制御を行わない場合、サイドスタンド219は、リヤフレーム140に接続されていてもよい。
車両100Dの停車時に、リヤフレーム140を揺動させる代わりに、フロントフレーム120を揺動させて、車両100Dを起き上がらせてもよい。その場合、フロントフレーム120には、錘が設置されることが好ましい。
本発明は、上述の実施形態、および、実施形態の具体例1〜4に限られるものではなく、請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能である。以下、本発明の実施形態の変更例について説明する。なお、上述した構成と同じ構成を有するものについては、同じ符号を用いて適宜その説明を省略する。後述する変更例は、適宜組み合わせて実施可能である。
本発明において、自動二輪車は、運転者の運転を支援する運転支援制御が可能であってもよい。運転支援制御は、先行車両と自車との間の距離を所定の距離に維持させるアダプティブクルーズコントロール(ACC:Adaptive Cruise Control)でもよい。アダプティブクルーズコントロールは、運転支援制御である。なお、アダプティブクルーズコントロールは、オートクルーズコントロール(Auto Cruise Control)またはアクティブクルーズコントロール(Active Cruise Control)とも呼ばれる。運転支援制御は、自動二輪車をレーンに沿って走行させる車線逸脱防止制御(Lane Keeping Assist Control)でもよい。運転支援制御は、障害物や人を検出してブレーキを作動させる自動ブレーキ制御でもよい。運転支援制御は、車速を一定に維持するクルーズコントロールでもよい。自動二輪車は、これらの運転支援制御を行う際に、ラウンドトレッド面リヤタイヤの揺動制御を行ってもよい。自動二輪車は、これらの運転支援制御を行う際に、ラウンドトレッド面リヤタイヤとラウンドトレッド面フロントタイヤの揺動制御を行ってもよい。
本発明において、自動二輪車は、荷物を載置するための荷台を有してもよい。図15および図16に示す自動二輪車100E、100Fは、その一例である。
図15に示す自動二輪車100Eは、シート10と荷台311の両方を有する。荷台311は、シート10の後端よりも後方向に位置する。シート10と荷台311は、中間フレーム130に支持される。荷台311は、着脱可能に自動二輪車100Eに設けられてもよい。直進可能に直立した状態の車両100Eを左方向または右方向に見て、荷台311は、全体がラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aから上方向に離れている。
図16に示す自動二輪車100Fは、荷台411を有し、シートを有さない。中間フレーム430は、シートフレームの代わりに、荷台フレーム432を有する。荷台411は、荷台フレーム432に支持される。直進可能に直立した状態の車両100Fを左方向または右方向に見て、荷台411は、全体がラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aから上方向に離れている。自動二輪車100Fは、自律運転される。自動二輪車100Fは、運転者を乗せることなく、目的位置まで自動的に走行可能である。自動二輪車100Fは、ハンドル(グリップ)を有さない。本発明において、自動二輪車がシートを有さず、荷台だけを有する場合、ハンドル(グリップ)は設けられなくてよい。
図15および図16に示すように、直進可能に直立した状態の車両100E、100Fを左方向または右方向に見て、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aは、外部から荷重がかかっていない状態の車両100E、100Fの重心G0100E、G0100Fと荷台311、411との間を通る。外部から荷重がかかっていない状態の車両100E、100Fの重心G0100E、G0100Fは、図15および図16に示す位置に限らない。荷台311、411にかかる荷重がゼロから増大するにつれて、荷物を含む車両100E、100Fの重心は、例えば、図15および図16に示す重心G0100E、G0100Fから矢印方向に移動する。
本発明において、自動二輪車がシートと荷台の両方を有する場合、シートが中間フレームに支持され、荷台がリヤフレームに支持されてもよい。もしくは、シートがリヤフレームに支持され、荷台が中間フレームに支持されてもよい。
本発明において、自動二輪車がシートと荷台の両方を有する場合、荷台は、シートの前端よりも前方向に位置していてもよい。もしくは、荷台は、シートの下に配置されていてもよい。
本発明において、シートが中間フレームに支持される場合、自動二輪車はラウンドトレッド面フロントタイヤを揺動させるラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動アクチュエータを有さなくてもよい。
図17に示す自動二輪車100Gは、その一例である。自動二輪車100Gは、中間フレーム530に支持されるシート10を有する。自動二輪車100Gのフロントフレーム520は、ステアリングシャフト22を有する。ステアリングシャフト22は、中間フレーム530の中間メインフレーム531の前部に回転可能に支持される。ステアリングシャフト22は、ハンドルユニット50に固定される。運転者がハンドルユニット50を回転させる操作を行うことで、フロントフレーム520がラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2回りに中間フレーム530に対して揺動する。それにより、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2は操舵される。つまり、運転者の操作によって、ラウンドトレッド面フロントタイヤ2はラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動軸線A2回りに中間フレーム530に対して揺動する。
図20に示すように、直進可能に直立した状態の車両100Gを左方向または右方向に見て、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線A4100Aは、外部から荷重がかかっていない状態の車両100Gの重心G0100Gとシート10との間を通る。外部から荷重がかかっていない状態の車両100Gの重心G0100Gは、図18に示す位置に限らない。シート10にかかる荷重がゼロから増大するにつれて、乗員を含む車両100Gの重心は、例えば、図18に示す重心G0100Gから矢印方向に移動する。
本発明において、シートが中間フレームに支持され、かつ、ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動アクチュエータが設けられない場合、自動二輪車は、フロントフレームと一体的に揺動するハンドル(グリップ)を有さなくてもよい。ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータによってラウンドトレッド面リヤタイヤが揺動することで、中間フレームの姿勢が変化する。それにより、ラウンドトレッド面フロントタイヤが左右方向に傾く。この変更例において、自動二輪車は、中間フレームに固定されたハンドル(グリップ)を有してもよい。また、この変更例において、自動二輪車は、自律運転可能であってもよく、自律運転可能でなくてもよい。自律運転可能でない場合、自動二輪車は、ラウンドトレッド面リヤタイヤを操舵するスイッチが設けられたハンドル(グリップ)を有する。
本発明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤに駆動力を付与する駆動源は、ラウンドトレッド面リヤタイヤの内側ではない位置に配置される電気モータでもよい。図18に示す自動二輪車100Hの電気モータ670は、その一例である。電気モータ670は、リヤフレーム640に支持される。直進可能に直立した状態の車両100Hを左方向または右方向に見て、電気モータ670は、全体がラウンドトレッド面リヤタイヤ4の上端よりも下方向に位置する。図18に示す重心G0100Hは、外部から荷重がかかっていない状態の車両100Hの重心の一例である。
本発明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤに駆動力を付与する駆動源は、エンジンユニットでもよい。図19に示す自動二輪車100Iは、その一例である。自動二輪車100Iのエンジンユニット70は、リヤフレーム740に支持される。直進可能に直立した状態の車両100Iを左方向または右方向に見て、エンジンユニット70は、全体がラウンドトレッド面リヤタイヤ4よりも下方向に位置する。自動二輪車100Iは、エンジンユニット70に供給される燃料を貯留する燃料タンク71を有する。燃料タンク71は、中間フレーム130に支持される。燃料タンク71は、シート10の前端よりも前方向に位置する。図19に示す重心G0100Iは、外部から荷重がかかっていない状態の車両100Iの重心の一例である。
本発明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤに駆動力を付与する駆動源は、電気モータとエンジンユニットの両方でもよい。この場合、電気モータは、インホイールモータであってもよく、ラウンドトレッド面リヤタイヤの内側ではない位置に配置される電気モータでもよい。
本発明の自動二輪車は、ラウンドトレッド面フロントタイヤに駆動力を付与する駆動源と、ラウンドトレッド面リヤタイヤに駆動力を付与する駆動源の両方を有してもよい。つまり、本発明の自動二輪車は請求項1の構成を満たす駆動源に加えて、さらに別の駆動源を有してもよい。本発明の自動二輪車は、ラウンドトレッド面リヤタイヤに駆動力を付与する駆動源を有さずに、ラウンドトレッド面フロントタイヤに駆動力を付与する駆動源を有してもよい。本発明において、ラウンドトレッド面フロントタイヤに駆動力を付与する駆動源は、電気モータであってもよく、エンジンユニットであってもよく、その両方でもよい。電気モータは、インホイールモータであってもよく、ラウンドトレッド面フロントタイヤの内側ではない位置に配置される電気モータでもよい。
本発明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤに駆動力を付与する駆動源は、リヤフレームに支持されるとは限らない。本発明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤに駆動力を付与する駆動源は、中間フレームに支持されてもよい。本発明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤに駆動力を付与する駆動源がエンジンユニットと電気モータの場合、駆動源は、中間フレームとリヤフレームの両方に支持されてもよい。
本発明において、ラウンドトレッド面フロントタイヤに駆動力を付与する駆動源は、フロントフレームに支持されてもよい。本発明において、ラウンドトレッド面フロントタイヤに駆動力を付与する駆動源は、中間フレームに支持されてもよい。本発明において、ラウンドトレッド面フロントタイヤに駆動力を付与する駆動源がエンジンユニットと電気モータの場合、駆動源は、フロントフレームと中間フレームの両方に支持されてもよい。
本発明において、駆動源がエンジンユニットの場合、燃料タンクは、中間フレームに支持されてもよく、リヤフレームに支持されてもよい。燃料タンクが中間フレームに支持される場合、燃料タンク内の燃料の重量が変化しても、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータが揺動させる対象の重量は変化しない。そのため、ラウンドトレッド面リヤタイヤの揺動制御の制御性を向上できる。よって、自動二輪車の乗載荷重の変化に対するラウンドトレッド面リヤタイヤの揺動制御の制御性をより向上できる。なお、本段落において、駆動源は、ラウンドトレッド面リヤタイヤに駆動力を付与するものであってもよく、ラウンドトレッド面フロントタイヤに駆動力を付与するものであってもよい。
本発明において、ラウンドトレッド面フロントタイヤまたはラウンドトレッド面リヤタイヤに駆動力を付与する駆動源が電気モータの場合、蓄電装置は、中間フレームに支持されてもよい。図20に示す自動二輪車100Jは、その一例である。自動二輪車100Jの蓄電装置171は、中間フレーム830の中間メインフレーム831に支持される。図20に示す重心G0100Jは、外部から荷重がかかっていない状態の車両100Jの重心の一例である。
本発明の自動二輪車は、本発明の第1の蓄電池装置と第2の蓄電装置の両方を有していてもよい。本発明の第1の蓄電装置は中間フレームに支持され、本発明の第2の蓄電装置はリヤフレームに支持される。この場合、本発明の第1の電気モータは、本発明の第2の電気モータを兼ねていてもよく、第2の電気モータとは別体であってもよい。
本発明において、蓄電装置は、バッテリ(二次電池)以外でもよい。蓄電装置は、例えば、スーパーキャパシタ、または、ウルトラキャパシタでもよい。
本発明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動アクチュエータは、電気モータに限らず、例えば油圧シリンダでもよい。本発明において、ラウンドトレッド面フロントタイヤ揺動アクチュエータは、電気モータに限らず、例えば油圧シリンダでもよい。
本発明において、ラウンドトレッド面フロントタイヤに制動力を付与するフロントブレーキの形式は、液圧式、機械式、電気式のいずれであってもよい。
本発明において、ラウンドトレッド面フロントタイヤに制動力を付与するフロントブレーキが液圧式ブレーキの場合、フロントブレーキの液圧を制御するフロントハイドロリックユニットは、中間フレームに支持されるとは限らない。本発明において、フロントハイドロリックユニットは、フロントフレームに支持されてもよく、リヤフレームに支持されてもよい。
本発明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤに制動力を付与するブレーキの形式は、液圧式、機械式、電気式のいずれであってもよい。
本発明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤに制動力を付与するリヤブレーキが液圧式ブレーキの場合、リヤブレーキの液圧を制御するリヤハイドロリックユニットは、リヤフレームに支持されてもよい。例えば図18に示す自動二輪車100Hにおいて、二点鎖線で示すリヤハイドロリックユニット609はその一例である。
本発明において、ラウンドトレッド面リヤタイヤに制動力を付与するリヤブレーキが液圧式ブレーキの場合、リヤブレーキの液圧を制御するリヤハイドロリックユニットは、中間フレームに支持されてもよい。例えば図18に示す自動二輪車100Hにおいて、実線で示すリヤハイドロリックユニット609はその一例である。
本発明の自動二輪車は、本発明の第1の液圧式ブレーキに加えて、第2の液圧式ブレーキとは異なる液圧式ブレーキを備えていてもよい。本発明の自動二輪車は、本発明の第2の液圧式ブレーキに加えて、第1の液圧式ブレーキとは異なる液圧式ブレーキを備えていてもよい。
本発明の自動二輪車は、本発明の第1のハイドロリックユニットと第2のハイドロリックユニットの両方を有していてもよい。本発明の第1のハイドロリックユニットは中間フレームに支持され、本発明の第2のハイドロリックユニットはリヤフレームに支持され、ラウンドトレッド面リヤタイヤのブレーキの液圧を制御する。この場合、本発明の第1のハイドロリックユニットはラウンドトレッド面フロントタイヤのブレーキの液圧を制御することが好ましい。
本発明において、自動二輪車が、中間フレームの車両上下方向に対する車両左右方向への傾きに関連する物理量を検出する傾斜検出装置を備える場合、傾斜検出装置は、中間フレームに設置されるとは限らない。本発明において、傾斜検出装置は、リヤフレームに設置されてもよい。自動二輪車が水平な路面に直進可能に直立した状態において車両上下方向と平行なリヤフレームの方向を、リヤフレーム上下方向という。自動二輪車が水平な路面に直進可能に直立した状態において車両左右方向と平行なリヤフレームの方向を、リヤフレーム左右方向という。傾斜検出装置がリヤフレームに支持される場合、傾斜検出装置は、リヤフレームのリヤフレーム上下方向に対するリヤフレーム左右方向への傾きの角度、角速度、または角加速度を検出する。傾斜検出装置は、これらのリヤフレームの傾きに関する物理量と、リヤフレームの中間フレームに対する揺動角度に基づいて、中間フレームの車両上下方向に対する車両左右方向への傾きに関連する物理量を検出する。傾斜検出装置は、これらのリヤフレームの傾きに関する物理量と、リヤフレームの中間フレームに対する揺動角度と、フロントフレームの中間フレームに対する揺動角度に基づいて、中間フレームの車両上下方向に対する車両左右方向への傾きに関連する物理量を検出してもよい。
本発明において、直進可能に直立した状態の車両を車両左方向または車両右方向に見て、外部から荷重がかかっていない状態の車両の重心は、ラウンドトレッド面リヤタイヤ揺動軸線から下方向に離れていてもよい。
本発明の自動二輪車は、スポーツタイプ、オンロードタイプ、オフロードタイプ、およびスクータタイプのいずれであってもよい。本発明の自動二輪車は、原動機付き自転車、または、モペットであってもよい。