JPWO2019054206A1 - 移動体誘導システム - Google Patents

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Abstract

移動体誘導システム(1)、(2)は、複数の移動体(10)と、各移動体の位置を測定して各移動体の位置情報を出力する測位装置(30)と、各移動体を誘導する誘導指令を移動体ごとに生成する誘導装置(20)と、各誘導指令を参照して移動体ごとの移動経路を確認し、移動体同士の衝突の発生の有無を予測する演算装置(40)とを有する。演算装置は、通信回路(47)と、各移動体の誘導指令から、少なくとも1つの移動体の通過地点の座標を決定し、各移動速度のデータから移動体同士の衝突の発生の有無を予測する演算回路(45)とを有する。誘導指令を各移動体に送信した後、演算回路(45)が移動体同士の衝突が発生すると予測したときは、誘導装置は、移動体ごとに新たな誘導指令を生成し、誘導指令を各移動体に送信する。各移動体は新たな誘導指令に従って移動する。

Description

本開示は、移動体誘導システムに関する。
無人搬送車等の移動体の移動を制御するシステムの開発が進められている。
国際公開第2008/035433号は、タグ通信部を有する移動体を開示する。走行対象エリアには、各々の位置情報を有する複数のICタグが分散して配置されている。移動体が走行すると、タグ通信部はICタグと無線通信を行ってICタグの位置情報を読み取る。これにより、移動体は現在の位置の情報を取得し、自動走行を行うことができる。
特開平11−154013号公報は、指定された位置に無人搬送車(AGV)を移動させるシステムを開示する。AGVは、位置を表すロケーションマーカを読み取り、指定された位置に移動する際、自らの位置がずれている場合には、自らのナビゲーションシステムを用いて修正する。
国際公開第2008/035433号 特開平11−154013号公報
従来の移動体は、自機の位置を示すデータを個々に収集しながら高度な制御を行い、目的地に向かって自律的に走行する。そのような移動体には高性能なプロセッサ、大容量のメモリ、高性能のセンサ等が必要であるため、システムのコストが嵩んでいた。
たとえば、上述の特許文献1および2の技術では、いずれも、位置を検出するために必要なICタグまたはロケーションマーカが走行エリア内に配置されており、移動体が現在の位置を自ら検出し、自律走行に利用していた。位置情報を読み取るための読み取り装置、および、その位置情報を利用した自律走行を行うための装置が必要とされ、移動体のコストが嵩んでいた。
また、自律走行を行う移動体の数が増加すると、個々の移動体が自律走行を行うだけでは回避できない問題も生じ得る。たとえば、移動体同士の衝突である。これらの問題を回避するために移動体間で相互通信を行うとすると、さらに相互通信のためのコストが必要となる。
本開示は、低いコストで導入し、運用することが可能で、かつ移動体同士の衝突を回避することが可能な移動体誘導システムを提供する。
本開示による例示的な移動体誘導システムは、 複数の移動体の各々を誘導する移動体誘導システムであって、前記移動体誘導システムは、複数の移動体と、各移動体の位置を測定して前記各移動体の位置情報を出力する測位装置と、前記各移動体を誘導する誘導指令を前記移動体ごとに生成する誘導装置と、前記各移動体の誘導指令を参照して前記各移動体の移動経路を確認し、移動体同士の衝突の発生の有無を予測する演算装置とを有しており、前記各移動体は、移動体の移動速度を検出するセンサと、前記誘導指令を受信し、前記移動速度のデータを送信する第1通信回路と、駆動力を発生させる動力源と、前記誘導指令に従って前記動力源を制御し、前記移動体を移動させる駆動装置とを有し、前記誘導装置は、前記誘導指令を生成する信号処理回路と、前記各移動体と通信する第2通信回路とを有し、前記演算装置は、前記各移動体の前記誘導指令および前記移動速度のデータを受信する第3通信回路と、前記各移動体の前記誘導指令から、少なくとも1つの移動体の通過地点の座標を決定し、かつ、前記移動速度のデータから移動体同士の衝突の発生の有無を予測する演算回路とを備え、前記誘導装置は、前記各移動体の移動経路を規定する前記誘導指令を生成すること、前記誘導指令を前記各移動体に送信すること、前記演算装置の演算回路が、移動体同士の衝突が発生すると予測したときは、前記各移動体に新たな誘導指令を生成すること、および前記誘導指令を前記各移動体に送信することを実行し、前記各移動体は、受信した前記新たな誘導指令に従って移動する。
本願の例示的な移動体誘導システムによれば、測位装置が各移動体の位置を測定し、誘導装置が各移動体を誘導する誘導指令を生成する。移動体同士の衝突が発生すると予測したときは、各移動体に新たな誘導指令を生成する。これにより、移動体同士の衝突を回避することができる。
図1は、例示的な移動体誘導システムの構成を模式的に示す図である。 図2Aは、3台の移動体にそれぞれ送信された各誘導指令を示す図である。 図2Bは、3台の移動体の移動経路の例を示す図である。 図3Aは、誘導装置が生成した、各移動体への新たな誘導指令を示す図である。 図3Bは、新たな誘導指令に従った各移動体の移動経路の例を示す図である。 図4は、移動体誘導システムの構成を模式的に示す図である。 図5は、各移動体に取り付けられ、または内蔵されるICタグの構成を示すブロック図である。 図6は、本実施形態にかかる例示的な移動体の外観図である。 図7は、移動体のハードウェア構成を示すブロック図である。 図8は、誘導装置のハードウェアの構成を示す図である。 図9は、測位装置のハードウェアの構成を示す図である。 図10は、演算装置のハードウェアの構成を示す図である。 図11は、記憶装置のハードウェアの構成を示す図である。 図12は、移動体誘導システムにおいて行われる通信、および、移動体、誘導装置、測位装置および演算装置の処理の手順を示す図である。 図13は、誘導装置と記憶装置のHDDアレイとを1つの筐体の内部に収容した構成例を示す図である。
以下、本開示による移動体誘導システムを説明する。
本開示による移動体誘導システムでは、1または複数台の移動体の各々に目的地および移動経路が設定され、移動体が自律的に移動する。移動体はICタグを有している。「ICタグ」は、固有の識別情報を周期的または断続的に送信する電子機器であり、移動体の筐体などに組み込まれている。
各移動体の位置は、移動体の移動空間に設けられた測位装置によって測定される。測定は、定期的に、例えば数秒間隔で行われる。移動体が移動すると、測位装置は移動後の移動体の位置を取得することができる。
各移動体の移動経路は誘導装置が生成する誘導指令によって指定される。誘導装置は各移動体に誘導指令を送信して、移動経路に沿って移動させる。
移動体は、たとえば、無人搬送車(AGV)、自走可能なカートまたは車いす、自動または自律運転カー、ロボット、マルチコプター、サービスロボットであり得る。「位置」は、二次元平面内の位置であってもよいし、3次元空間内の位置であってもよい。
移動体誘導システムの利用例は、工場等の施設において、複数のAGVをそれぞれの移動経路に沿って独立して移動させ、物の運搬等を行うことである。
以下、図1を参照しながら、本開示による移動体誘導システムを説明する。
図1は、例示的な移動体誘導システム1の構成を模式的に示している。移動体誘導システム1は、複数の移動体10X、10Y、10Zと、誘導装置20と、測位装置30と、演算装置40とを含む。図1では、移動体としてAGVを例示している。なお移動体を包括的に「移動体10」と記述する。
本実施形態では、各移動体10は無線でデータを送受信する。そのため、図1には中継装置32が記載されている。中継装置32は、送信アンテナ33および受信アンテナ34を有する、無線通信を中継する機器である。中継装置32を移動体誘導システム1の必須の構成要素には含めてもよいし、含めなくてもよい。
誘導装置20は信号処理回路を有しており、信号処理回路が各移動体10ごとに誘導指令を生成し、通信回路を利用して送信する。各誘導指令は、各移動体10の移動経路を示す。本実施形態では、移動経路は、現在の位置を起点として通過すべき1または複数の位置の座標によって示されている。最後の位置の座標が終点を示す。また誘導指令は、後述のように、移動を停止することを指示する命令も含み得る。誘導装置20は誘導指令により、各移動体10を誘導する。
誘導装置20が誘導指令を生成する際、誘導装置20は各移動体10の位置の情報を取得する。各移動体10の位置は、各移動体10のICタグから送信される信号波を利用して、誘導装置20によって測定される。
各移動体10は、不図示のICタグを有している。ICタグは、自らを一意に特定する固有の識別情報(RFID)を送信する電子機器である。識別情報は、ICタグに予め保持されており、電波を利用して送信される。ICタグは、識別情報を、周期的、たとえば0.1秒ごとに送信する。ICタグから送信された識別情報は、中継装置32の受信アンテナ34によって受信される。ICタグの識別情報は、各移動体10を固有に識別する識別情報として利用され得る。
また、各移動体10は、自機の移動速度を検出するセンサと、誘導指令を受信し、移動速度のデータを送信する通信回路と、駆動力を発生させる動力源と、誘導指令に従って動力源を制御し、自機を移動させる駆動装置とを有している。通信回路、動力源および駆動装置により、移動体10は、誘導指令に従って自律的に移動することができる。なお、移動体10は、センサによって検出した自機の移動速度のデータを、例えば1秒ごとに出力する。データの送信間隔は任意に決定され得る。
測位装置30は、識別情報が各受信アンテナ34によって受信された電波の到来角度を利用して、各移動体10の位置を測定し、測定した位置情報を出力する。測位装置30の構成および処理の例は後述する。
演算装置40は、各移動体10ごとの誘導指令を参照して各移動体10ごとの移動経路を確認し、移動体同士の衝突の有無を予測する。より詳細には、演算装置40は、通信回路を利用して、誘導装置20が生成した各移動体10ごとの誘導指令を誘導装置20から直接的にまたは間接的に取得する。また演算装置40は、測位装置30を介して各移動体10の移動速度のデータを取得する。演算装置40は、コンピュータプログラムを用いて構築された、またはハードウェアによって構築された衝突予測エンジンが実装された演算回路を有している。衝突予測エンジンは、各移動体10の誘導指令から、1または複数の移動体の通過地点の座標を決定し、各移動体10の移動速度のデータから移動体同士の衝突の有無を予測する。予測の結果を受け、誘導装置20は特定の移動体について誘導指令の再生成および再送信を行う。「特定の移動体」は、衝突の発生が予測された複数台の移動体のみでもよいし、その中の1台のみでもよい。または全ての移動体であってもよい。
例として、図1の移動体10Yおよび10Zに注目する。演算装置40による予測の結果、図示された「X」の位置で、移動体10Yおよび10Zによる衝突の発生が予測されたとする。演算装置40が誘導装置20に当該予測結果を通知すると、誘導装置20は移動体10Zの誘導指令を再生成し、移動体10Zに送信する。新たな誘導指令を受信した移動体10Zは、当該新たな誘導指令に従って移動する。新たな誘導指令は、例えば、移動体10Zに一定時間停止する指示を含む。これにより、移動体10Yおよび10Zは、衝突予測位置を同時刻に通過することがなくなり、衝突を回避することができる。
演算装置40による衝突予測処理をより詳しく説明する。
図2Aは、移動体10X、10Yおよび10Zにそれぞれ送信された誘導指令110X、110Yおよび110Zを示している。移動体10Xのk番目の位置は「PXk」と表記され、その後に座標値が記載されている。移動体10Yのk番目の位置は「PYk」、移動体10Zのk番目の位置は「PZk」と表記され、それぞれの座標値が示されている。また、各移動体10は無線でデータを送受信するため、各移動体10を識別する情報の一例としてSSID(Service Set IDentifier)が示されている。
演算装置40は、各移動体10ごとの誘導指令を参照して、各移動体10の各通過地点の座標値のうち、異なる移動体10間で共通する座標値の存否を確認する。図2Aの例では、誘導指令110Xおよび110Yの枠C1に示すように、移動体10Xおよび10Yは、同じ位置(Xc,Yc)を通過する。また、誘導指令110Yおよび110Zの枠C2に示すように、移動体10Xおよび10Yは、同じ位置(Xb−1,Yb+1)を通過する。
図2Bは、移動体10X〜10Zの移動経路の例を示している。位置(Xc,Yc)において移動体10Xおよび10Yが交差し、位置(Xb−1,Yb+1)において10 Yおよび10Zが交差する。便宜的に、図中の誘導指令110X、110Yおよび110Zには、それぞれ図2A中の枠C1およびC2に相当する枠が示されている。
複数の移動体10が同じ位置を通過するとしても、通過時刻が異なっていれば、両者は衝突することはない。そこで演算装置40は、各移動体10の移動速度のデータをさらに参照する。
演算装置40は、例えば、移動体10Yおよび10Zの現在の移動速度のデータを取得する。演算装置40は、移動体10Yおよび10Zが各移動速度を維持して移動した場合に、位置(Xb−1,Yb+1)に到達する時刻を算出する。到達時刻の差が所定の閾値未満であれば、演算装置40は移動体10Yおよび10Zの衝突が発生すると予測する。一方、到達時刻の差が所定の閾値以上であれば、演算装置40は移動体10Yおよび10Zの衝突は発生しないと予測する。「所定の閾値」は例えば5秒である。
演算装置40は予測結果を誘導装置20に通知する。予測結果は、衝突の有無、衝突が発生すると予測した場合の各移動体10を識別する情報を含む。演算装置40は、衝突が発生しないと予測した場合でも予測結果を誘導装置20に通知してもよいし、衝突が発生すると予測した場合のみ予測結果を誘導装置20に通知してもよい。
移動体同士の衝突が発生すると演算装置40が予測したときは、誘導装置20は、各移動体10を対象として、または衝突が発生する各移動体10のみを対象として、新たな誘導指令を生成する。
図3Aは、誘導装置20が生成した、新たな誘導指令111X、111Yおよび111Zを示している。それぞれの枠C1およびC2内の指令は一致しておらず、異なっていることが理解される。図3Bは、新たな誘導指令に従った移動体10X〜10Zの移動経路の例を示している。
枠C1の指令によれば、移動体10Xは座標値(Xc,Yc)を通過するが、移動体10Yは異なる位置(Xc−1,Yc)を通過しない。よって、座標値(Xc,Yc)における移動体10Xおよび10Yの衝突は回避されている。位置(Xc−1,Yc)については、移動体10Xが先に通過し、その後移動体10Yが通過するため、同様に衝突は回避されている。なお、図3Bでは、移動体10Yは、直角に2回方向を変更しているが、これは一例である。曲線を描く経路で進路を変更してもよい。
枠C2の指令によれば、移動体10Yは座標値(Xb−1,Yb+1)を通過するが、移動体10Zは「Stop:5sec」により、位置Pz1に到達した後、5秒間停止する。その結果、移動体10Yおよび10Zは異なる時刻に位置(Xb−1,Yb+1)を通過することになり、移動体10Yおよび10Zの衝突は回避されている。
なお、「5秒間」という停止時間は一例である。停止時間を一律の値に決定しておくことにより、停止時間の指示を省略してもよい。
上述の例では、演算装置40は、誘導指令において指定された、各移動体10の通過地点の座標値を用いて衝突の発生の有無を予測した。しかしながら、移動体間の衝突は、誘導指令において指定された通過地点以外の位置でも発生する可能性がある。演算装置40は、例えば隣接する2つの通過地点を結ぶ移動経路を直線または曲線で近似し、直線上の各位置の座標値とその通過時刻を求めてもよい。「直線上の各位置」は移動体10の大きさ等を考慮して、例えば30cm単位で決定され得る。各移動体10の移動経路上の通過位置の座標値および通過時刻を求めることにより、より精度良く、衝突の発生の有無を予測できる。
上述の直線または曲線による近似を用いた場合でも、座標値が完全に一致しないが、非常に近い場合があり得る。そのような場合にも衝突が発生し得ることを予測するために、複数の移動体間の距離を用いてもよい。例えば演算装置40は、同じ時刻における複数の移動体間の距離が閾値未満の場合には、移動体同士の衝突が発生すると予測してもよい。ここでいう「閾値」もまた、移動体10の大きさ等を考慮して決定し得る。「閾値」は、例えば移動体10の大きさの3倍に設定し得る。
以下では、説明の簡単化のため、誘導指令において指示された通過地点の座標値を利用して衝突の発生の有無を判定する処理を例示する。
図1に示す移動体誘導システム1の構成は一例である。図1に示す移動体誘導システム1とは異なる移動体誘導システムを採用することもできる。
図4は、移動体誘導システム2の構成を模式的に示している。移動体誘導システム2と移動体誘導システム1との相違点は、移動体誘導システム2では、新たに記憶装置50が設けられている点である。記憶装置50を設けたことにより、移動体10、誘導装置20、測位装置30および演算装置40が送受信するデータの流れが変更されている。以下、記憶装置50の動作と共に、変更されたデータの流れを説明する。
記憶装置50は、各移動体10から移動速度のデータを受信する。当該データを受信すると、記憶装置50は、各移動体10の識別情報(RFID)と関連付けて記憶する。また記憶装置50は、誘導装置20から各移動体10ごとの誘導指令を受け取り、各移動体10の識別情報(RFID)と関連付けてさらに記憶する。
記憶装置50に各移動体10の誘導指令が格納されると、誘導装置20は各移動体10に、誘導指令が生成されたことを示す通知を送信する。当該通知を受信した各移動体10は、記憶装置50に誘導指令の取得要求を送信する。
記憶装置50は、各移動体10から誘導指令の取得要求を受信すると、各移動体10の誘導指令を読み出し、要求を送信した移動体10に送信する。これにより、各移動体10へ誘導指令が配信される。
演算装置40は、記憶装置50に格納された誘導指令および移動速度のデータを参照し、予測結果を記憶装置50に送信する。予測結果もまた、各移動体10の識別情報(RFID)と関連付けて記憶装置50に記憶される。
誘導装置20は、記憶装置50に格納された予測結果を読み出し、例えば衝突が発生すると予測された各移動体10を対象として新たな誘導指令を生成する。誘導装置20は、生成した新たな誘導指令を記憶装置50に送信する。記憶装置50は、該当する移動体10の既存の誘導指令を新たな誘導指令で上書きする。
記憶装置50に新たな誘導指令が格納されると、誘導装置20は該当する移動体10に、誘導指令が更新されたことを示す通知を送信する。当該通知を受信した各移動体10は、記憶装置50に誘導指令の取得要求を送信する。
記憶装置50は、移動体10からの誘導指令の取得要求の受信に応答して、要求を送信した移動体10に新たな誘導指令を送信する。これにより、移動体10に新たな誘導指令が配信され、当該移動体10は新たな誘導指令に従って移動を行うことができる。
次に、上述の動作を実現する移動体誘導システム1および2の各構成要素を詳細に説明する。引き続き、移動体の一例としてAGVを図示して説明する。
図5は、各移動体10に取り付けられ、または内蔵されるICタグ100の構成を示すブロック図である。ICタグ100は、高周波信号を生成するためのIC51と、記憶装置52と、アンテナ54とを有する。記憶装置52はたとえばフラッシュROMであり、ICタグ100毎に一意の識別情報53が格納されている。IC51は、アンテナ54を利用して識別情報を周期的に送信する。なお、ICタグ100が動作するために必要な電池の図示は省略している。
本実施形態において、ICタグ100は、ブルートゥース(登録商標)・ロー・エナジー(BLE)規格に従って信号波を放射する。より具体的には、ICタグ100は、3つのチャネルを用いて、チャネルごとにアドバタイズメント・パケットを含む信号波を定期的に送信し続ける。信号波の周波数は、例えばマイクロ波帯域であるが、ミリ波帯域であってもよい。ICタグ100からは、例えば10ミリ秒以上200ミリ秒以下の時間間隔、典型的には100ミリ秒の時間間隔で2.4ギガヘルツ帯の信号波が放射され得る。信号波の周波数は、アレイ・アンテナ20で受信できる限り、一定である必要はなく、複数の周波数をホッピングし得る。
アドバタイズメント・パケットには、ICタグ100を一意に特定する識別情報(RFID)として機能する「パブリック・デバイス・アドレス」または「ランダム・デバイス・アドレス」が記述されている。これにより、自身の存在を周囲に知らせることができる。
本実施形態では、ICタグ100は、アドバタイジング・パケットのブロードキャストのみを行い、測位装置30等からの接続要求を受け容れない、いわゆる「ノン・コネクタブル・ビーコン」として動作し得る。しかしながらICタグ100は、測位装置30等からの接続要求を受け容れて、データの送受信を行うことが可能な「コネクタブル・ビーコン」であってもよい。ICタグ100は、他の規格に従って動作する機器であってもよい。
図6は、本実施形態にかかる例示的な移動体10の外観図である。また図7は、移動体10のハードウェア構成を示すブロック図である。
移動体10は、ICタグ100と、運搬物を載置する搬送テーブル111と、前バンパースイッチ14aと、後バンパースイッチ14bと、走行制御装置17と、ICタグ18と、4つの車輪11a〜11dとを有する。バンパースイッチ14aおよび14bは、移動体10の前後に設けられたバンパーに物が接触したときにオンされる。バンパースイッチ14aおよび14bの出力に基づけば、移動体10は他の物体と接触・衝突したことを検出できる。バンパースイッチ14aおよび14bは、仮に衝突が発生した場合に備えるために設けられ得る。
なお、図6には、駆動輪である後輪11aおよび11bと、前輪11cと、後バンパースイッチ14bとが示されている。前輪11dおよび前バンパースイッチ14aはフレーム12の蔭に隠れている。
図7を参照する。
移動体10はさらに、センサ14cと、モータ15aおよび15bと、移動制御装置17と、モータ制御回路58aおよび58bとを有している。
センサ14cは、移動体10の移動速度を検出する。センサ14cの例は、モータ15aおよび15b、または車輪11aおよび11bの回転速度をそれぞれ測定するロータエンコーダである。モータ15aおよび15bは、それぞれ駆動輪11aおよび11bを回転させて移動体10を推進させる推進力(駆動力)を発生させる動力源である。モータ制御回路58aおよび58bはインバータ回路であり、各モータ15aおよび15bに発生させる駆動力の大きさを制御する。モータ制御回路は駆動装置と呼ばれ得る。モータ15aおよび15b等を動作させるために、移動体10は不図示のバッテリに蓄えられた電力を利用する。
移動制御装置17は、マイコン55と、メモリ56と、通信回路57とを有する。マイコン55は、マイクロコンピュータまたはコンピュータであり、移動体10の動作を制御する。メモリ56は、マイコン55が実行するコンピュータプログラムを展開し、また誘導装置20から受信した誘導指令を一時的に格納する。なお、メモリ56はいわゆるDRAM、および、フラッシュメモリを包括するブロックである。フラッシュメモリには、たとえばマイコン55が実行すべきコンピュータプログラム、スピーカ18から出力される音声のデータが記憶されている。
移動制御装置17は、移動体10の動作を制御する。具体的には、移動制御装置17は、誘導装置20から受信した誘導指令によって指示された座標値に向かうよう、モータ15aおよび15bの回転速度を制御する。なお、自機の現在の位置は、測位装置30から通知を受けることができる。また自機の現在の姿勢(向き)は、例えば不図示のジャイロセンサの出力を利用して、基準となる姿勢からの累積値によって取得することができる。
移動制御装置17は、モータ15aおよび15bの回転速度を変えることによって前輪11aおよび11bの回転速度を変え、移動体10の移動方向を制御する。たとえば、メモリ56はモータ15aおよびモータ15bの回転速度の差に応じた移動方向の角度変化の情報を保持している。移動制御装置17のマイコン55は、当該角度変化の情報を参照して、モータ15aおよびモータ15bの回転速度の差を生じさせる制御信号(PWM信号)を生成し、出力する。
マイコン55は、誘導指令によって指示された距離だけ移動するよう、モータ15aおよび15bの回転数を決定し、その回転数だけモータ15aおよび15bをそれぞれ独立して回転させる。たとえば、メモリ56は駆動輪11aおよび11bの1回転当たりの移動距離Lの情報を保持している。マイコン55は、誘導指令によって指示された座標値までの距離を移動距離Lで除算することにより、駆動輪11aおよび11bの回転数を算出することができる。マイコン55は、算出した回転数だけ駆動輪11aおよび11bを回転させる制御信号(PWM信号)を出力する。モータ制御回路58aおよび58bはそれぞれ、後述する移動制御装置17のマイコン55から出力された制御信号(PWM信号)に基づいて、モータ15aおよび15bの各々に流れる電流および電圧を制御し、モータの回転速度を変化させる。
通信回路57は、センサ14cが検出した移動速度のデータを無線で送信し、誘導指令のデータを無線で受信する。
図4に示す移動体誘導システム2では、新たな誘導指令が記憶装置50に格納されると、記憶装置50は更新完了通知を誘導装置20に送信する。当該通知の受信に応答して、誘導装置20は、新たな誘導指令の対象となった移動体10に誘導指令が更新されたことを示す通知を送信する。通知を誘導装置20から受信すると、移動体10の通信回路57は誘導指令の取得要求を記憶装置50に送信する。記憶装置50は、要求を送信してきた移動体10の新たな誘導指令をHDDアレイ68から読み出して送信する。これにより、移動体10は、更新された新たな誘導指令を記憶装置50から受け取ることができる。
次に図8および図9を参照しながら、誘導装置20および測位装置30を説明する。
図8は、誘導装置20のハードウェアの構成を示している。
誘導装置20は、中央処理装置(CPU)25と、メモリ26と、通信回路27と、地図情報データベース(DB)28とを有しており、これらは内部バス29で接続されている。
CPU25は、後述の処理により、個々の移動体10を誘導するための誘導指令を生成する信号処理回路である。典型的には、CPU25は半導体集積回路によって構成されたコンピュータである。メモリ26は、たとえばDRAMであり、CPU25の処理に関連して利用されるワークメモリである。
通信回路27は、たとえば、1または複数の通信コネクタを有し、イーサネット(登録商標)規格の有線通信を行う通信回路である。通信回路27は、測位装置30から個々の移動体10の位置を示す位置情報を取得する。また通信回路27は、中継装置32の受信アンテナ34を介して、移動体10に誘導指令を送信することもできる。また通信回路27は、中継装置32の送信アンテナ33を介して各移動体10への誘導指令を送信してもよい。移動体誘導システム2の例にあっては、誘導装置20は、記憶装置50との間で、誘導指令、通知等の送受信を行うことができる。
地図情報DB28は、移動体誘導システム1が導入される空間のレイアウト、移動体10が走行可能な領域、迂回経路等の情報を保持している。
なお、本実施形態では、誘導装置20は、各移動体10がどの位置まで移動するかを、外部の管理者等から別途指示され、指示がメモリ26に格納されているとする。誘導装置20は、地図情報DB28を参照して、現在の移動体10の位置から目的地までどの通過地点を経由して移動するかを算出し、誘導指令を生成する。
図9は、測位装置30のハードウェアの構成を示している。
測位装置30は、CPU35と、メモリ36と、通信回路37とを有しており、これらは内部バスで接続されている。CPU35は、後述の処理により、個々のICタグ100の位置、すなわち移動体10の位置、を測定し、測定した位置を示す位置情報を生成する。メモリ26は、たとえばDRAMであり、CPU35の処理に関連して利用されるワークメモリである。通信回路37は、たとえば、1または複数の通信コネクタを有する通信回路である。通信回路37は中継装置32の受信アンテナ34と有線で接続されている。より具体的には、通信回路37は、個々の受信アンテナ34のアンテナ素子34aに設けられたアンテナ素子の出力と接続されており、アンテナ素子34aによって受信された電磁波から生成された高周波電気信号を受信する。また、通信回路37は、誘導装置20の通信回路27と、たとえば、イーサネット(登録商標)規格の有線通信を行う有線通信回線を介して接続されている。
以下、測位装置30が行う、移動体10の位置を測定する処理(測位処理)を説明する。平面上の、または空間内の物体の測位処理は種々知られている。測位装置30は、それらのうちの1つの測位処理、または、複数の測位処理の組み合わせを利用して移動体10の位置を測定する。以下、測位処理を例示する。
(a)測位装置30は、移動体10のICタグ100が送信した無線信号の到来方向を測定し、移動体の位置を決定する(AOA(Angle Of Arrival)方式)。AOA方式は、ICタグ100が送信する信号を複数の受信アンテナ34で受信した際に、基準方位(たとえば受信アンテナの正面方向)をもとに到達電波の到来角度を測定することで、移動体10の位置を決定する方式である。位置の決定に最低限必要な基地局数(受信アンテナ34を有する中継装置32の数)は2つであるため、同時に必要な中継装置32の数は少なくて済む。また、角度を正確に計測することができるため、基地局から端末までに障害物がなく、見通し線が明確な場合には高い精度で移動体10の位置を決定できる。
なお、受信アンテナ34として、複数のアンテナ素子を一次元または二次元に配列したアレイ・アンテナを利用することができる。または、各アンテナ素子に流す電流の位相を調整することによってビーム方向や放射パターンの制御を行う、フェーズド・アレイ・アンテナを用いることもできる。なお、アレイ・アンテナを利用する場合、単一の受信アンテナ34によって、その受信アンテナ34に対するICタグ100の方向を特定することができる。この場合、1個の受信アンテナ34によってICタグ100の位置を決定することも可能である。例えば、所定の高さにある天井面に配置された受信アンテナ34に対するICタグ100の方向が特定される場合、ICタグ100の床面に対する高さが既知または推定されるならば、ICタグ100の位置を決定することが可能である。このため、1個の受信アンテナ34によってICタグ100を測位することも可能である。
(b)測位装置30は、ICタグ100が発した無線信号を複数の受信アンテナ34(またはアンテナ素子34a)で受信し、各アンテナ素子34aにおける受信時刻の差から移動体の位置を決定する(TDOA(Time Difference Of Arrival)方式)。受信アンテナ34を有する中継装置32は基地局として機能して、正確に受信時刻を測定しなければならない。中継装置32間では、ナノ秒単位の、正確な時刻の同期を行う必要がある。
(c)測位装置30は、受信アンテナ34の位置が既知であり、かつ、電波が距離に応じて減衰することを利用して、ICタグ100が発した無線信号の受信強度から位置を決定する(RSSI(Received Signal Strength Indication)方式)。ただし、受信信号の強度はマルチパスの影響を受けるため、距離(位置)を算出するためには、移動体誘導システム1が導入される環境ごとに距離減衰モデルが必要である。
(d)測位装置30は、移動体10の識別情報が付加された画像(たとえばQRコード(登録商標))をカメラで撮影し、カメラの位置、カメラが向いている方向、撮影された画像内の移動体10の位置に基づいて、移動体10の位置を決定することもできる。
なお、測位処理によってその位置測定精度は異なる。測位処理(a)においては位置測定精度はアンテナの角度分解能と被測定物との距離で決まり、一般の建物においては10cmが実現されている。測位処理(c)においてはICタグから出た電波の干渉による電波強度の変化等により、一般の室内では数メートル、条件の良い場合でも1m程の誤差が生じる可能性がある。測位処理(d)においては、測位誤差は、イメージセンサの画素数、空間分解能、レンズによる歪に依存する。また、物体認識という比較的負荷の高い処理を必要とする。
精度の観点では、現時点では上述した測位処理(a)が優れている。しかしながら、測位処理(b)から(d)のいずれかを利用して本開示の移動体誘導システム1、2が構築されてもよい。
図10は、演算装置40のハードウェアの構成を示している。演算装置40は、CPU45と、メモリ46と、通信回路47とを有しており、これらは内部バスで接続されている。
CPU45は、演算装置40の動作を制御する演算回路である。メモリ46は、たとえばDRAMであり、CPU45の処理に関連して利用されるワークメモリである。たとえばCPU45は、メモリ46にオペレーティングシステム(OS)のコンピュータプログラム(基本ソフトウェア)を読み込んで実行し、さらにメモリ46に、OS上で実行される、移動体間の衝突を予測するコンピュータプログラム(応用ソフトウェア)を読み込んで実行する。応用ソフトウェアを用いて構築された衝突予測処理システムは、「衝突予測エンジン」と呼ばれ得る。「衝突予測エンジン」は、1つまたは複数の半導体集積回路を用いた、ハードウェアによる演算回路としても実現され得る。衝突予測エンジンにより、後述する処理が実現される。
通信回路47は、たとえば、1または複数の通信コネクタを有し、イーサネット(登録商標)規格の有線通信を行う通信回路である。移動体誘導システム1においては、通信回路47は、誘導装置20から誘導指令を受け取る。移動体誘導システム2においては、47は、記憶装置50との間でデータの授受を行う。
図11は、記憶装置50のハードウェアの構成を示している。記憶装置50は、ファイルサーバ装置とも呼ばれ得る。上述のように、記憶装置50は移動体誘導システム2に設けられている。
記憶装置50は、CPU65と、メモリ66と、通信回路67と、HDDアレイ68とを有しており、これらは内部バスで接続されている。
CPU65は、記憶装置50の動作を制御する。メモリ66は、たとえばDRAMであり、CPU65の処理に関連して利用されるワークメモリである。たとえばCPU65は、メモリ66にオペレーティングシステム(OS)のコンピュータプログラム(基本ソフトウェア)を読み込んで実行し、さらにメモリ66に、OS上で実行されるサーバプログラム(応用ソフトウェア)を読み込んで実行する。その結果、後述する処理が実現される。
通信回路67は、たとえば、1または複数の通信コネクタを有し、イーサネット(登録商標)規格の有線通信を行う通信回路である。通信回路67は、誘導装置20から誘導指令を受け取り、HDDアレイ68に格納する。また通信回路67は、移動体10からの、誘導指令の取得要求を受信し、要求された誘導指令を、中継装置32の送信アンテナ33を介して移動体10に送信する。
HDDアレイ68は、複数のハード・ディスク・ドライブ(HDD)の集合である。HDDアレイ68は、各移動体10から送信された識別情報、移動速度のデータ、誘導装置20から送信された誘導指令、演算装置40による予測結果等の種々のデータを格納するための十分な記録領域を有する。HDDに代えて、ソリッド・ステート・ドライブ(SSD)を利用することもできる。
次に、図12を参照しながら、移動体誘導システム1において行われる、移動体10、誘導装置20および測位装置30の動作を説明する。
図12は、移動体誘導システム1において行われる通信、および、移動体10、誘導装置20、測位装置30および演算装置40の処理の手順を示す。
以下の説明では、動作の主体は移動体10、誘導装置20、測位装置30および演算装置40であるが、実際には、移動体10のマイコン55、誘導装置20のCPU25、測位装置30のCPU35および演算装置40のCPU45が主体であり、各々の通信回路を介して情報を送受信している。図面の上から下に向かって時間が流れている。
ステップS201において、測位装置30は、ICタグ100からRFIDを受信し、上述の1または複数の測位処理を利用してICタグ100の位置、すなわち移動体10の位置を測定する。測位装置30は、測定結果を誘導装置20に送信する。
ステップS301において、誘導装置20は測位装置30から移動体10の位置の情報を取得し、移動体の位置に基づいて誘導指令を生成する。
ステップS101において移動体10は移動速度のデータを送信すると、ステップS401において演算装置40は当該データを受信する。
なお、ステップS101およびステップS201の順序は一例である。順序は入れ替わってもよい。また、ステップS201の後であれば、ステップS301が実行される時刻も任意である。
ステップS302において、誘導装置20は生成した誘導指令を、移動体10および演算装置40にそれぞれ送信する。
ステップS102において、移動体10は誘導指令を受信する。これにより、移動体10は誘導指令に従って移動を開始することが可能な状態になる。ただし本実施形態では、移動体10は一定時間が経過するまで移動開始を保留する。その理由は、演算装置40の予測結果によっては、新たな誘導指令が誘導装置20によって発行される可能性が生じるからである。「一定時間」は、例えば、演算装置40が予測処理に要する最も長い時間、誘導装置20による誘導指令の再生成処理に要する最も長い時間および許容可能な最長の通信遅延時間の合計値よりも長く設定され得る。
ステップS402において、演算装置40は誘導指令を受信する。本実施形態では、演算装置40は、全ての移動体への誘導指令を誘導装置20から受信する。ただし、複数の移動体が、衝突が発生し得ない異なる区画に存在する場合には共通する区画内の全ての移動体の誘導指令を受信すれば十分である。
ステップS403において、演算装置40は、誘導指令で指定された各移動体の通過地点の座標を決定し、各移動速度のデータから移動体同士の衝突の発生の有無を予測する。処理の内容は、図3Aおよび図3Bを参照しながら説明した通りである。ステップS404において、演算装置40は予測結果を誘導装置20に送信する。
ステップS303において、誘導装置20は予測結果を受信する。
ステップS304において、誘導装置20は、予測結果が衝突の発生を示しているか否かを判定する。予測結果が衝突の発生を示している場合、処理はステップS305に進む。一方、予測結果が衝突の発生を示していない場合には、処理は終了する。処理の終了により、一定の時間が経過すると、移動体10はステップS102で受信した誘導指令にしたがって移動を開始する。
ステップS305において、誘導装置20は新たな誘導指令を生成して移動体10に送信する。移動体10は受信した新たな誘導指令に従って移動を開始する。なお、演算装置40は、新たに生成された誘導指令をさらに受信して、衝突の発生の有無を再度予測してもよい。
上述した図12に示す、縦方向の処理、例えば移動体10についてはステップS101からステップS103までの処理、は、移動体10のマイコン55、誘導装置20のCPU25、測位装置30のCPU35および演算装置40のCPU45の各々によって実行される処理であり、フローチャートとして捉えることができる。これらの処理は、複数の命令を含むコンピュータプログラムとして実現され得る。コンピュータプログラムは、各々のメモリに展開されて実行される。
なお、移動体誘導システム2(図4)において行われる通信、および、各構成要素の処理の手順の説明は省略する。移動体誘導システム2において行われる処理は、記憶装置50が介在する点において図12に示す処理とは異なる。しかしながら、図12の説明および図4に関連する説明を総合すると、当業者であれば移動体誘導システム2の処理の流れは明らかである。
本開示では、誘導装置20および測位装置30は別個の装置であるとして説明した。しかしながら、誘導装置20および測位装置30は一体化されてもよい。たとえば誘導装置20が、測位装置30の機能に相当する機能を有し、移動体の位置情報を測定して誘導指令を生成してもよい。その場合には、誘導装置20は受信アンテナ34と接続され、誘導装置20のCPU25が測位処理を行う。
ところで、上述のような2次元的な指定を採用した理由は、主として、本明細書が工場の平面的な床面を走行する移動体の位置を指定することを想定していたためである。
しかしながら、位置の座標値を3次元的に指定することも可能である。たとえば移動体が、複数のフロアを有する施設で稼働される場合には、誘導指令に階数を指定する情報をさらに追加してもよい。
また、移動体誘導システム2では、誘導装置20と記憶装置50とが別個の装置であるとして説明した。その理由は、誘導指令の生成・変更処理は誘導装置20に行わせ、移動体10との間で誘導指令の送受信を記憶装置50に行わせることにより、負荷の分散を図るためである。しかしながら、誘導装置20と記憶装置50とを一体化してもよい。たとえば図13は、誘導装置20と記憶装置50のHDDアレイ68とを1つの筐体の内部に収容した構成例を示している。図13の構成によれば、誘導装置20と記憶装置50との間で行われていた、変更後の誘導指令の送受信は誘導装置20内で完結し、更新完了通知の送受信は不要になる。
本明細書では、移動体と、送信アンテナおよび受信アンテナとの間で、種々の通信が行われる例を説明した。測位のために利用される電磁波または超音波の周波数、走行状況を送信するために利用される通信で利用される周波数、誘導指令を受信するための通信で利用される周波数は、同じであってもよいし、2つまたは3つ以上の異なる周波数であってもよい。通信方式についても同様である。たとえば、測位処理(a)には、BLE(Bluetooth Low Energy)規格の周波数の電磁波が利用され得る。走行状況の送信、および、誘導指令の受信には、Bluetooth(登録商標)規格の周波数、または、Wi−Fi(登録商標)規格の2.4GHz帯または5GHz帯の周波数の電磁波が利用され得る。
上述の実施形態では、移動体10のセンサ14cが移動体10の移動速度を検出したが、各移動体10にセンサ14cを設けなくても移動速度を検出することができる。具体的には、測位装置30が、各移動体10の単位時間当たりの位置の変化量を測定することにより、移動速度を求めてもよい。演算装置40は測位装置30から移動速度のデータを受け取り、上述した処理を行えばよい。
本開示の移動体誘導システムは、移動体の位置の制御に広く用いられ得る。
1、2・・・移動体誘導システム、10・・・移動体、20・・・誘導装置、25・・・CPU、26・・・メモリ、27・・・通信回路、28・・・地図情報データベース(DB)、30・・・測位装置、32・・・中継装置、40・・・演算装置、50・・・記憶装置

Claims (7)

  1. 複数の移動体の各々を誘導する移動体誘導システムであって、
    前記移動体誘導システムは、
    複数の移動体と、
    各移動体の位置を測定して前記各移動体の位置情報を出力する測位装置と、
    前記各移動体を誘導する誘導指令を前記移動体ごとに生成する誘導装置と、
    前記各移動体の誘導指令を参照して前記各移動体の移動経路を確認し、移動体同士の衝突の発生の有無を予測する演算装置と
    を有しており、
    前記各移動体は、
    移動体の移動速度を検出するセンサと、
    前記誘導指令を受信し、前記移動速度のデータを送信する第1通信回路と、
    駆動力を発生させる動力源と、
    前記誘導指令に従って前記動力源を制御し、前記移動体を移動させる駆動装置と
    を有し、
    前記誘導装置は、
    前記誘導指令を生成する信号処理回路と、
    前記各移動体と通信する第2通信回路と
    を有し、
    前記演算装置は、
    前記各移動体の前記誘導指令および前記移動速度のデータを受信する第3通信回路と、
    前記各移動体の前記誘導指令から、少なくとも1つの移動体の通過地点の座標を決定し、かつ、前記移動速度のデータから移動体同士の衝突の発生の有無を予測する演算回路と
    を備え、
    前記誘導装置は、
    前記各移動体の移動経路を規定する前記誘導指令を生成すること、
    前記誘導指令を前記各移動体に送信すること、
    前記演算装置の演算回路が、移動体同士の衝突が発生すると予測したときは、前記各移動体に新たな誘導指令を生成すること、および
    前記誘導指令を前記各移動体に送信すること
    を実行し、
    前記各移動体は、受信した前記新たな誘導指令に従って移動する、移動体誘導システム。
  2. 前記演算装置の演算回路は、前記各移動体の前記移動速度のデータから各移動体の通過地点への到達時刻を予測して移動体同士の衝突の発生の有無を予測する、請求項1に記載の移動体誘導システム。
  3. 前記演算装置の演算回路は、同じ時刻における複数の移動体間の距離が閾値未満の場合には、移動体同士の衝突が発生すると予測する、請求項1または2に記載の移動体誘導システム。
  4. 前記新たな誘導指令は、通過地点が変更された移動経路および移動の停止の指示の少なくとも一方を含む、請求項1から3のいずれかに記載の移動体誘導システム。
  5. 前記新たな誘導指令が移動の停止の指示を含む場合には、停止時間の指示をさらに含む、請求項4に記載の移動体誘導システム。
  6. 前記各移動体の誘導指令を格納する記憶装置をさらに備え、
    前記演算装置は、前記記憶装置から、前記各移動体の誘導指令を取得する、請求項1から5のいずれかに記載の移動体誘導システム。
  7. 前記記憶装置は、前記各移動体の移動速度のデータをさらに格納し、
    前記演算装置は、前記記憶装置から、前記各移動体の移動速度のデータを取得する、請求項6に記載の移動体誘導システム。
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