JPWO2019049784A1 - 被覆SiCナノ粒子を用いたSiCセラミックス及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

比較的低温で焼成しても、緻密性とともに常温・高温環境下で熱的及び機械的特性に優れたSiCセラミックス及びその製造方法を提供する。平均粒径300nm以下のSiC微粒子を準備し、その表面に、1〜10nm程度の被覆層を気相法又は液相法にて形成させる。この被覆層は、Alを含んでよい。このようにして準備した被覆SiC微粒子からなる粉末を、1600℃以上1900℃以下の温度で焼結する。これにより、緻密性とともに常温・高温環境下で熱的及び機械的特性に優れたSiC焼結体を得ることができる。

Description

本発明は、緻密性、優れた熱的特性、及び機械的特性を備える炭化ケイ素焼結体の製造方法及びその原料に関する。
従来、炭化珪素焼結体のようなSiCセラミックスは、高強度、高硬度、及び高い耐磨耗性のような優れた機械特性並びに高熱伝導率及び高い耐熱性のような優れた熱的特性を備えるため、エンジニアリングセラミックスの代表例のひとつとして広く応用されている。SiCは難焼結性であるので、これまで、ホウ素(B)や炭素(C)を焼結助剤として、2000℃以上の高温での固相焼結法で製造されている(例えば、特許文献1)。しかしながら、3.5 MPa・m1/2程度と、その破壊靭性値は、必ずしも高くない。Al、Alとの希土類酸化物(La、Y、Yb、Nd等)との共晶を利用した液相焼結法においては、1900℃程度の比較的低温で製造することができる(例えば、特許文献2)。しかしながら、このような焼結助剤の量は比較的多く、SiC粉末及び焼結助剤の均質な分散が要求される。
一方、スパーク(放電)プラズマ焼結(SPS:Spark Plasma Sintering)は、従来、ホットプレス焼結(HP)等と同じ、固体圧縮焼結法の一種として知られている。例えば、粉体を充填したグラファイト(黒鉛)製焼結型を、加圧しながら、特殊なON−OFF直流パルス電圧・電流を焼結型+材料に直接印加することにより加熱する。電気エネルギーを直接投入された焼結型(導電性材料なら材料自身)の自己発熱を、加圧とともに焼結駆動力として利用するという特徴を備える。加熱範囲が限定されるため、電気炉のような雰囲気加熱よりも急速昇温・冷却が可能となる。従って、例えば、粒成長を抑制した緻密な焼結体の作製が期待できる。炭化ケイ素の焼結に、SPSを適用した例としては、平均粒径5μm以下の炭化ケイ素にアルミニウム粉体を焼結助剤として添加して、温度1400〜1800℃及び圧力20〜70MPaの条件下で焼結させるものがある(例えば、特許文献3)。
更に、SiC粉末の周りに液相を利用して、他種金属等を被覆させることも従来から行われている。具体的には、SiC粉末にAlとY被覆した粉末を作製するが、その際にSiC粉末にAl(OH)を被覆している(例えば、非特許文献1)。
ところで、近年アルミニウムオキシカーバイト、特にAlCは、高温で安定し、酸化防止効果を有しており、耐食性に優れ、更に低熱膨張率という特徴を持つものとして、将来性が期待されている(例えば、特許文献4)。
特公平6−104592号公報 特公平7−12980号公報 特開2007−238382号公報 特開2007−238382号公報 国際公開第2013/031435号公報
Journal of Inorganic Materials, 14[3](1999)380−384
しかしながら、比較的低温で焼成して得られたSiCセラミックスについては、必ずしも熱的又は機械的特性において十分なものが得られていない。そこで、低焼結温度下で製造できる、緻密性とともに常温・高温環境下で熱的及び機械的特性に優れたSiCセラミックス及びその製造方法を提案する。
本発明者らは、SiC粉末原料の焼結について、鋭意検討を重ねた結果、焼結開始の段階でSiC粉末の表面特性が非常に重要であり、また、不必要な粒成長を抑制しつつ焼結により緻密化を図るには、比較的低温での加熱が好ましいことを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の実施例においては、平均粒径300nm以下のSiC微粒子について、その表面に、1〜10nm程度のAlを含む被覆層を気相法又は液相法にて形成させたSiC微粒子を準備する。次に、この被覆SiC微粒子を、1600℃以上1900℃以下の温度で加圧焼結する。これにより、緻密性とともに常温・高温環境下で熱的及び機械的特性に優れた焼結体を含む新規なSiCセラミックスを得ることができる。
より具体的には、20wt%から80wt%のケイ素と、0.001wt%から35wt%のアルミニウムと、10wt%から35wt%の炭素と、を含むSiCセラミックスを含んでよい。また、以下のようなものを含んでよい。
(1)平均結晶粒径が100nmから5μmの結晶粒からなるSiC結晶相を50wt%から99.9wt%、及び、Alを含む酸化物結晶相を0.1wt%から50wt%、を含む焼結体を含む、SiCセラミックス。
(2)前記Alを含む酸化物結晶相がAlCを含むことを特徴とする上記(1)に記載のSiCセラミックス。
(3)前記Alを含む酸化物結晶相が、平均粒径が100nmから1μmのアルミニウムオキシカーバイド結晶粒を含むことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のSiCセラミックス。
(4)前記アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の粒径の標準偏差が、100nm以下であることを特徴とする上記(1)から(3)のいずれかに記載のSiCセラミックス。
(5)当該SiCセラミックスの任意の切断面において、顕微鏡観測視野を126μm×84μm、45μm×30μm、及び、27μm×18μmで取った場合に、アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の占有面積が、各視野間の相対誤差が、20%以下であることを特徴とする上記(1)から(4)の何れかに記載のSiCセラミックス。
(6)30wt%から70wt%のケイ素と、0.005wt%から30wt%のアルミニウムと、15wt%から30wt%の炭素と、を含み、酸素含有量が、20wt%以下であることを特徴とする上記(1)から(5)の何れかに記載のSiCセラミックス。
(7)SiCセラミックスを製造する方法であって、平均粒径300nm以下のSiC粉末の表面にAlを含んだ酸化物又は化合物が被覆したSiC粉末を、ホットプレス又はスパークプラズマ焼結(SPS)用の型に投入して、1900℃以下の温度で加圧しつつ焼成する方法。
(8)前記Alを含んだ酸化物又は化合物は、Al(OH)及びAlの少なくとも1種を含むことを特徴とする上記(7)に記載の方法。
(9)前記加圧は、50MPa以下の圧力で実施されることを特徴とする上記(7)又は(8)のいずれかに記載の方法。
(10)前記焼成は、1800℃以上の温度で実施されることを特徴とする上記(7)から(9)のいずれかに記載の方法。
(11)前記焼成において、前記温度及び前記加圧の圧力が、1分以上及び2時間以下、保持されることを特徴とする上記(7)から(10)のいずれかに記載の方法。
ここで、上述するようなSiCセラミックスを構成する焼結体の気孔率は低い方が好ましい。例えば、切断面の顕微鏡観察から、気孔若しくは気孔相当の凹部が実質的に検出されない程度の気孔率が好ましい。顕微鏡の倍率は、例えば400倍とすることができる。この顕微鏡観察結果を画像処理して、気孔率を求めることができる。例えば、400倍の視野中に認められる気孔若しくは気孔相当の凹部の面積を積算し、それを視野面積で割ってパーセントで示すこともできる。そのような気孔率が5%以下であってもよい。尚、本実験においては、理論密度と比較した相対密度から求められる。
一般に、アルミニウムオキシカーバイドとしては、AlOC及びAlCの2種類が知られている。これらは、X線分析等において、構成元素の比から区別することができる。特にAlCは、斜方晶系であり、高温で安定し、酸化防止効果を有しており、耐食性に優れ、更に低熱膨張率という特徴を持つ。アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の粒径は、100nm以上であってよい。また、200nm以上であってよい。そして、500nm以上であってよい。小さすぎると、低強度・低熱伝導となり易い。一方、アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の粒径は、2μm以下であってよい。また、1μm以下であってよい。大きすぎると、低強度・低破壊靭性となり易い。アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の粒径は、SiCセラミックスの切断面の電子顕微鏡観察において、その全体の半分の面積を超えるまで、断面積の大きいアルミニウムオキシカーバイド結晶粒から順に断面積を積算し、積算したそれぞれの結晶粒の断面積を円に換算したときのそれぞれの直径から平均値を算出する(個数平均)。アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の断面積及び断面積を円に換算したときの直径は、画像処理ソフトを用いて算出することができる。また、このとき得られた結晶粒の直径について統計処理を行えば、その標準偏差を算出することができる。標準偏差は、長さの単位を有し、平均径と直接的に比較できる。この標準偏差が、平均径に対して、50nm以下であってよい。また、30nm以下であってよい。また、10nm下であってよい。
アルミニウムオキシカーバイド結晶粒がSiC結晶相中に均一に分散してよい。この均一分散は、上述するように、アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の直径のバラツキが小さく(標準偏差が小さい)、アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の分布に偏りが少ないことを意味することができる。この偏りは、例えば、顕微鏡観察を複数の視野で行った場合に、アルミニウムオキシカーバイド結晶粒が占める面積が、何れもほぼ等しいかどうかで、判断することができる。例えば、SiCセラミックスの任意の切断面において、顕微鏡観測視野を126μm×84μm、45μm×30μm、及び、27μm×18μmで取った場合に、アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の占有面積について、各視野間の相対誤差が、5%以下であれば、均一ということができる。
上述するようなSiCセラミックスは、30wt%から70wt%のケイ素と、0.005wt%から30wt%のアルミニウムと、15wt%から30wt%の炭素と、を含むことができる。また、酸素を多く含むと、アルミニウム及び/又はケイ素の酸化物を形成し易くなり、高温強度が低下する傾向があるので、酸素含有量が、20wt%以下であってよい。また、15wt%以下であってよい。
上記SiC粉末は、アルファ型、ベータ型、又はアモルファス型のいずれであってもよい。Alを含んだ酸化物は、Alを含んでよく、AlO(X<1.5)であってもよい。Alを含んだ化合物は、Al(OH)を含んでよい。上記ホットプレスは、原料粉末を加圧しながら焼結する方法であって、粉末に大きな圧力を加えて物質を移動しやすくし、焼結による収縮初期に粉末粒子の再配列を促進させ、急速に緻密化させることができる方法のことを言ってよい。一般に、ホットプレスには、黒鉛型が用いられ、所定の径の円形タブレットを成形するように、肉厚の円筒型に下から円柱形状の下側の押し型を、及び上から円柱形状の上側の押し型を挿入し、投入されたSiC粉末をピストンプレスしつつ、円筒型に誘導電流を流し加熱することができる。一方、スパークプラズマ焼結法又は放電プラズマ焼結法(SPS法:Spark Plasma Sintering)は、機械的な加圧とパルス通電加熱とによって、被加工物の焼結等を行う方法である。一般的な焼結に用いられる熱的及び機械的エネルギーに加えて、パルス通電による電磁的エネルギーや被加工物の自己発熱および粒子間に発生する放電プラズマエネルギーなどを複合的に焼結の駆動力としている。
前記気相法とは、気相(ガス状態)から固体を析出させて成長させることをいい、蒸着法、分子線エピタクシー法、昇華法のような物理的な方法と、熱分解、化学的気相析出法(CVD法)のような化学的な方法等が例として挙げられる。また、液相法とは、液体状態(液相)から、温度降下や温度勾配、溶媒の蒸発などにより結晶を析出または全体を結晶化させ成長させる方法をいい、主として、(i)溶液成長法、(ii)融液成長法、(iii)フラックス法、に分けられる。ここでは、溶融した無機塩(PbF,BiF等)や酸化物(BiO、PbO、V等)を溶媒として用いることにより、溶質自身の融点より低温で成長させる方法である(iii)フラックス法が主に関与する。更に、化学反応を伴うゾル−ゲル法も含まれる。
高強度・高熱伝導度を兼備するSiC焼結体を得るには、平均結晶粒径が500nm〜1μm程度のSiC焼結相を50wt%から95wt%含むものが好ましく、高温での機械的特性の観点から特に50wt%から80wt%を含むものが好ましい。ここで、高強度のSiC焼結体とは、3点曲げで、平均強度が500MPa以上のものを意味することができる。また、高熱伝導のSiC焼結体とは、60W/mK以上のものを意味することができる。平均結晶粒径があまりに小さいと低熱伝導度という傾向がある。従って、100nm以上であってよい。また、200nm以上であってよい。500nm以上であってよい。結晶粒径が大きすぎると、低破壊靭性の傾向がある。従って、2μm以下であってよい。1μm以下であってよい。
SiC結晶相が少なすぎると、低強度と低熱伝導度の傾向があり、50wt%以上であってよい。また、60wt%以上であってよい。そして、80wt%以上であってよい。一方、SiC結晶相が多すぎると、低破壊靭性と低熱衝撃の傾向があり、95wt%以下であってよい。また、条件によっては80wt%以下であるかもしれない。そして、別の条件によれば60wt%以下であることも否定できない。SiC結晶相は、様々な大きさの結晶粒から構成され得る。このような結晶相は、例えば、SiC焼結体を切断し、その表面を研磨した後、電子顕微鏡における反射電子像での結晶粒の白黒の濃淡を観察することによってSiC結晶相と、AlC相とを区別することができる。その上で、電子顕微鏡(又は別の顕微鏡)により、研磨面を撮影し、それを画像処理することにより、SiC結晶相を構成するSiC結晶粒の大きさの分布を計測することができる。SiC結晶相を構成するSiC結晶粒の全体の平均は、次のようにして求めることができる。SiCセラミックスの電子顕微鏡観察において、その全体の半分の面積を超えるまで、断面積の大きいSiC結晶粒から順に断面積を積算し、積算したそれぞれの結晶粒の断面積を円に換算したときのそれぞれの直径の平均値である。SiC結晶粒の断面積及び断面積を円に換算したときの直径は、画像処理ソフトを用いて算出することができる。
本発明の1つの実施例によれば、SiC粉末表面にAlを含む被覆層を備える被覆SiC粉末を原料とするため、また、ホットプレス又はスパークプラズマ焼結法を用いるため、いわゆる焼結助剤が少なくても、また、分散工程を省略しても、相対密度が高く、室温における曲げ強度が高く、破壊靭性値が高く、熱伝導度が高く、そして、常温で優れた熱的及び機械的特性を備えるSiCセラミックス(焼結体)が提供される。
また、本発明の1つの実施例によれば、鍵となっていた均質混合プロセス(通常、数時間〜数日)を省くことができ、更に、1900℃以下の低温焼結で、優れたSiC焼結体を得ることができる。従って、生産性が高い。また、このSiC焼結体は、緻密性及び常温又は高温環境下の何れにおいても優れた熱的及び機械的特性を発揮する。ヒーター、半導体製造部材、ディーゼル微粒子捕集フィルター、メカニカルシール、熱交換機等のSiCセラミックスの応用範囲に好ましい特性を提供することができる。このようなSiCセラミックス及びその製造方法はこれまでにも例がない。また、SiC繊維強化型の複合材料(SiC/SiC複合材料)のマトリックス成形としての応用にも、大きな期待が寄せられる。
気相法を用いてAlを含んだ酸化物被覆層を形成させた被覆SiC微粒子の電界放射型透過型電子顕微鏡像(FE−TEM)を示す図である。 粉末表面近傍の高分解能像(HRTEM)を示す図である。 表面被覆層の制限視野でのEDX元素分析結果を表す図である。 被覆SiC微粒子のSTEM像を示す図、及び、同位置でのEDS元素マッピング結果を示す図である。 被覆SiC微粒子のXPS分析結果(Alピーク近傍)を示す図である。 1800℃、10分間保持のSPS焼結後のSiC焼結体をFE−SEMにより観測した微細組織を示す図である。 被覆SiC微粉末を用いて焼結させたSiCセラミックス(試料(3)、(5)、(6))及び被覆を施さないSiC微粉末を用いて焼結させたSiCセラミックス(試料(7))について、それぞれ、1000℃から1500℃までの温度で10時間保持する大気暴露試験を行い、その試験後のそれぞれのSiCセラミックスを室温で行った曲げ強度試験の結果を示すグラフである。 スパークプラズマ焼結(SPS)装置の概略図である。 スパークプラズマ焼結(SPS)装置に、原料粉末を入れてセットされるダイスの略式上面図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、本発明はこれらの例示にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明の実施例において、SiCセラミックスであって、平均粒径300nm以下のSiC微粉末表面に1〜10nm(又は10nm以下)のAlを含んだ酸化物又は化合物を被覆層として有する被覆SiC微粒子を出発原料とし、ホットプレスやスパークプラズマ焼結(SPS)装置によって焼結を行うことで、1900℃以下の比較的低温の条件下でも、SiC焼結体としての相対密度が90%以上に緻密化することができ、常温及び高温環境下における熱的及び機械的特性に優れたSiCセラミックスを製造することができる。また、そのようなSiCセラミックスを製造する製造方法も提供できる。例えば、平均粒径約35nmのSiC微粉末表面に水酸化アルミニウム(Al(OH))を5nm程度被覆した被覆SiC微粒子を、SPS装置にて不活性雰囲気下、焼結温度1800℃、10分間保持、50MPaの加圧条件下で焼結を行うことで、相対密度が97%で、室温における曲げ強度が592MPa、破壊靭性値5.4MPa・m1/2、熱伝導度80W/mK、常温で優れた熱的及び機械的特性を兼備するSiCセラミックスを提供することができる。また、このようなSiCセラミックスを高温(1500℃、10時間保持)大気暴露した後に、測定する強度が580MPaとなり、90%未満の強度持続性を示すような優れた高温強度を備えるSiCセラミックスを提供することができる。焼結後の構造は、SiC結晶相とAlを含む酸化物結晶相、例えばアルミニウムオキシカーバイド(AlC)との粒子分散型をしており、このようなSiC系セラミックス構造とすることが望ましい。
(被覆SiC粉末の準備)
平均粒径約35nmの純度99.9%以上のSiCの球体をコアとして、Alを含んだ酸化物層(例えば、水酸化アルミニウム(Al(OH)))を膜厚が1〜5nmになるように均一に形成されたコア・シェル構造を持つ球体となるような被覆SiC微粉末が準備された。より詳しくは、気相法の一種であるレーザー熱分解法を用いて調製された(具体的な方法については、米国特許出願公開第2016/0376158号公報参照。米国特許出願公開第2016/0376158号は、ここにおいて参照することにより組み込まれる。)。コアのSiCはベータ型であった。
(被覆SiC粉末の観察)
得られた被覆SiC粉末は極微量をエタノール溶媒中で超音波装置を用いて分散させ溶液とし、コロジオン膜を貼った銅マイクログリッドに1滴滴下して、グリッドの下から余分な液をキムワイプなどで吸い取り乾燥させた。FE−TEM装置(JEOL社製、型番JEM−2100F1)を用いて、FE−TEM観察を行った。その結果を図1Aから図1Cにおいて示す。これらの図からわかるように、被覆SiC粉末は、球形に加えチェーンのように繋がった粒子の凝集状態であった。同装置を用いて、直径が約45nmの被覆SiC粉末の表面近傍を観察した。このHRTEM観察では、被覆SiC粒子の表面に、5nm程度の非常に薄い被覆層が確認できた(図1B及び図1C)。更に、この被覆SiC粒子について、EDXによる成分分析を行った。図2に示すように、EDXによる成分分析結果から、被覆層はAlとOを含んでいることが明らかになった。被覆SiC粉末について、XPS装置(PHI社製、型番Quantum 2000)を用いて、その結合強度を測定した。図3に示すようにXPSの定性分析から、この被覆層は主に水酸化アルミニウム(Al(OH))であることが明らかになった。尚、1つの被覆SiC粉末が直径35nmのコアとなるSiC及びその上に厚み1、3、及び5nmの水酸化アルミニウム(Al(OH))からなる層があると仮定すると、コアの体積は、(4/3)π(35×10−9/2)^3=2.24493E−23mであり、水酸化アルミニウム(Al(OH))からなる層の体積は、(4/3)π(37×10−9/2)^3−(4/3)π(35×10−9/2)^3=4.07255×10−24、(4/3)π(41×10−9/2)^3−(4/3)π(35×10−9/2)^3=1.36377×10−23、(4/3)π(45×10−9/2)^3−(4/3)π(35×10−9/2)^3=2.52636×10−23、であるので、SiCコアと水酸化アルミニウム層の体積比は、それぞれ、約5.51、約1.65、約0.889となる。5nm被覆が付いた粉末の粉末全体のEDS分析(at%)から、C:O:Al:Si=42:19:11:28であった。また、粒子と認められるものを100個以上、FE−TEM観察で測定したところ、個数平均で被覆SiC粉末の平均粒径は、約45nmであった。
(SiC焼結体の製造)
上述のようにして得られた被覆SiC微粉末、又は被覆を施していないSiC微粉末(Nanomakers社製、商品名NM SiC 99)を75μm(又はメッシュ)の篩にかけて調製した。このSiC粉末を約10g秤量し、1バッチの量とした。この粉末を、カーボン製の縦40mmx横22mmの形状の型に投入し、それをスパークプラズマ焼結(SPS)装置(SPSシンテックス社製、型番PS−5104A)にセットして、不活性雰囲気(例えば、アルゴンの1気圧)中で焼成した。このスパークプラズマ焼結(SPS)装置10を、図6及び図7において、模式的に示す。図中、上下に対向する電極でもある水冷される押圧部12が、その試料側に配置されたカーボンスペーサー14を押圧し、そのカーボンスペーサー14の更に試料側にあるカーボンパンチ16を押すことによりそれにより試料26をカーボンシート24を介して上下から押圧しつつ、上記の対向する電極12から供給される電力により加熱する構造となっている。試料26は、側面側をカーボンシート22により囲われ、カーボンダイス(内側)18及びそれを囲む円筒形のカーボンダイス(外側)により保持されている。図7にセットされた試料26をカーボンシート22により囲まれた状態をカーボンダイス18、20の上面図により示す。このような構造となっているため、上下の電極12より供給される膨大な電力により、容易に加熱され、短時間に例えば1800℃とすることができる。このカーボンダイス18、20については、真空槽となり得るチャンバー28に覆われており、次のような手順で、焼結雰囲気が準備される。最初、装置内を真空にして、大気を排除し、高純度アルゴン(巴商会社製、純度99.999%、型番G3グレード)で充満させガス置換した。次に、50MPaの圧力下で室温から約100℃/分の速度で昇温し、焼結温度で、所定時間保持した。その後、電源を切り、放置することにより冷却した。冷却速度は、特に制御しなかったが、およそ30℃/分から60℃/分であった。得られた焼結体は、型から取りだされ、表面をダイヤモンドスラリーにより研磨して、測定用の試料とした。以上のようにして得られたものは、表1から表4に試料(1)から(4)としてまとめられる。即ち、試料(1)から(3)では、被覆SiC微粉末のみを原料として使用し、試料(4)では、被覆を施していないSiC微粉末のみを原料として使用した。
上述のようにして得られた平均粒径45nmの被覆SiC微粉末と平均粒径35nmの被覆を施していないSiC微粉末(Nanomakers社製、商品名NM SiC 99)を、電子天秤を用いて10:90(試料(5))及び50:50(試料(6))の重量比で合計約10gになるように秤量し1バッチの量とした。これらのSiC粉末を、自転公転式撹拌機(共立精機株式会社製、HM−200WD)により乾式混合してSiC混合粉末とした。この粉末を、カーボン製の40mm×22mmの形状の型に投入し、それをスパークプラズマ焼結(SPS)装置(SPSシンテックス社製、型番PS−5104A)にセットして、不活性雰囲気(例えば、アルゴンの1気圧)中で焼成した。最初、装置内を真空にして、大気を排除し、高純度アルゴンで充満させガス置換した。次に、50MPaの圧力下で室温から100℃/分の速度で昇温し、焼結温度で、所定時間保持した。その後、電源を切り、放置することにより冷却した。冷却速度は、特に制御しなかったが、およそ30℃/分から60℃/分であった。得られた焼結体は、型から取りだされ、表面をダイヤモンドスラリーにより研磨して、測定用の試料とした。以上のようにして得られたものは、表1から表4に試料(5)と(6)としてまとめられる。
一方、平均粒径35nmの被覆を施していないSiC微粉末(Nanomakers社製、商品名NM SiC 99)に焼結助剤として6wt%Al−4wt%Yを電子天秤を用いてSiC:Al:Y=90:6:4の割合で秤量し、イソプロピルアルコール(IPA)中ボールミルにて12時間湿式混合したものを乾燥し、乳鉢で粉砕し、75μmの篩にかけた粉末原料を準備した。この粉末原料を、カーボン製の44mm×22mmの形状の型に投入し、それをホットプレス装置(富士電波工業社製、ハイマルチ5000)にセットして、不活性雰囲気(例えば、アルゴンの1気圧)中で焼成した。最初、装置内を真空にして、大気を排除し、高純度アルゴンで充満させガス置換した。次に、室温から1100℃まで約20℃/分、1100℃から約11℃/分の速度で昇温し、焼結温度で、所定時間保持した。その後、電源を切り、放置することにより冷却した。冷却速度は、特に制御しなかったが、およそ5℃/分から15℃/分であった。得られた焼結体は、型から取りだされ、表面をダイヤモンドスラリーにより研磨して、測定用の試料とした。ここで得られたものは、表1から表4に試料(7)としてまとめられる。
これらの試料の密度は、アルキメデス法により計測された。また、各試料につき、JIS R 1601に従って、標準試験片を切り出して、3点曲げ強度の測定を3回行い、その平均を取った。また、ビッカース硬度計(島津社製、型番HMV−1)を用いて、JIS R 1610に従って、5回硬度を測定し、その平均を取った。更に、JIS R 1607に従って、2方向のくぼみの長さと、2方向の亀裂長さから破壊靭性値を測定した。また、JIS R 1611に従ってレーザーフラッシュ法により熱定数測定装置(アルバック社製、型番TC−7000)を用いて、熱伝導率を測定した。
表1から表4に示すように被覆SiC微粉末を用いたSPS後のSiCセラミックスは、焼結温度が上昇するほど、緻密性が高まり、強度値や破壊靭性値、及び熱伝導度も同様に向上していた。特に1700℃以上の焼結温度では相対密度が95%以上を達成し、特に緻密性の高かった焼結温度1800℃(試料(3))では、3点曲げ強度592MPa、破壊靭性値5.4MPa・m1/2、熱伝導度80W/mKであった。被覆を施さないSiC微粉末では焼結温度1800℃にも関わらず焼結が十分に進まず、密度が低く低強度であった(試料(4))。被覆SiC微粉末とSiC微粉末の混合粉末の場合(試料(5)及び(6))、焼結温度1800℃では相対密度が95%以上を達成し、3点曲げ強度値も600MPa以上、熱伝導値も75W/mK以上を達成していたが、破壊靭性値は5.0MPa・m1/2以下であった。一方、ホットプレスにて焼結温度1800℃、1時間保持して得られたSiCセラミックス(試料(7))と比較し、常温でより優れた熱的・機械的特性を兼備することが分かった。
試料(1)〜(3)、(5)、及び(6)は、FE−SEM装置(日立社製、S−4700型番)により、研磨面の微細組織観察を行った。その結果、焼結温度1600℃の試料(1)では、微細な気孔が観察された。一方、1700℃以上で焼結された試料(2)、(3)、(5)、及び(6)では、気孔はFE−SEMでは探知できない程度に緻密化が促進されていることがわかった。図4に、試料(3)の微細組織観察結果を示す。このように、1800℃で焼結されたものは、SiC結晶粒(アルファ型、JSPDF:#89−1396)とAlを含んだ酸化物(主にアルミニウムオキシカーバイドAlC(JSPDF:#48−1583))結晶粒とが、均一に分散している粒子分散SiC複合材を形成していることがわかった。画像処理ソフトを用いた二次元画像診断から、SiC結晶相とアルミニウムオキシカーバイド結晶相の割合は、63:37であった(試料(2))。又、試料(5)の場合、SiC結晶相とアルミニウムオキシカーバイド結晶相の割合は、95:5、試料(6)の場合は、77:23であった。SiC微粉末に被覆した水酸化アルミニウムAl(OH)は、式(1)に示すように200〜350℃で激しく脱水分解し、アルミナ(Al)を生成することが一般的に知られている。
Al(OH)(s) → Al(s)+3HO(g)
式(1)
焼結中に生成したアルミナ(Al)は、焼結温度で式(2)−(4)でアルミニウムオキシカーバイド(AlC)を生成したものと考えられる。
Al(s)+4Al(l) = 3AlO(g)
式(2)
4Al(s)+4Al+3C(s) = 3AlC(s)
式(3)
AlO(g)+Al(s)+C(s) = AlC(s)
式(4)
従って、SiC微粉末表面への助剤成分の被覆層によって、1800℃の比較的低温でも緻密な焼結体を製造することが可能であること、及びSiC結晶相からなる第一相とその他の結晶相からなる第二相との割合を任意に制御可能であることが分かった。このように、緻密化の促進に伴う強度上昇とともに被覆層の結晶化と粒成長によって、いわば粒子分散強化機構というメカニズムで、被覆SiC微粉末を多く用いるにつれて破壊靭性値も向上したものと考えられる。
得られた試料(3)及び(5)〜(7)について、高温・大気暴露試験を行った。具体的には、大気暴露試験機(モトヤマ社製、型番NE1V−1515D−SP)を用いて、試料(3)及び(5)〜(7)から、それぞれ、3本のテストピースを、当該装置の大気雰囲気下で1500℃に保持された暴露部にアルミナボートに載せて投入し、そこで、10時間保持した。その後、アルミナボートと共に、暴露部から取り出し、放冷させた。これらのテストピースについて、JIS R 1601に従って、3点曲げ強度試験を行った。その結果を図5に示す。試料(7)では、1300℃以上での暴露により、急速に強度が低下したが、被覆SiC微粉末を用いた試料(3)では、大気暴露後においても強度が580MPaを保持し、90%以上の優れた強度持続性が得られた。被覆SiC微粉末を10wt%含んで焼結した試料(5)では1300℃以上での暴露により徐々に強度が低下した。又、被覆SiC微粉末を50wt%含んで焼結した試料(6)では1000℃暴露後、若干の強度低下が起こっていたが以後はほぼ強度低下が発生していなかった。このように、SiC微粉末に焼結助剤としてAl−Yを所定時間湿式混合した原料粉末では、焼結体の常温で熱的・機械的特性が比較的良くはないが、SiC結晶相からなる第一相及びアルミニウムオキシカーバイド(AlC)からなる第二相という構成が十分には達成されなかったためと思われる。また、高温・大気暴露試験での強度の低下は、焼結助剤としてのAl−Yが、悪い影響を及ぼしたのであろうと思われる。更に、被覆SiC微粉末及びSiC微粉末の混合粉末の場合は、乾式混合であるとは言え、微粉末の表面が酸化を受けやすくなり、高温・大気暴露試験での強度の若干の低下が生じたものと思われる。従って、被覆SiC微粉末及びSiC微粉末の混合粉末を製造する場合に、混合雰囲気を真空下、アルゴン等の不活性雰囲気下で行うのが好ましいと思われる。更に言えば、予め必要な被覆層を被覆させたSiC微粉末のみを使用すれば、混合の必要もなく、混合中に表面を劣化させる恐れがないので好ましいと言える。また、SiC微粉末の焼結には、表面での物質移動が重要であるところ、焼結助剤として機能するような、水酸化アルミニウムAl(OH)は又は酸化アルミニウム(Al)いずれかを含む被覆層が、必要最小限の量で焼結を推進するものと思われる。そのため、好ましくないSiC微粉末の酸化を引き起こすかもしれない混合が不要な、一種類の被覆SiC微粉末から焼結体を作ることは、生成する結晶相、及び、破壊靭性の観点から好ましいと言える。また、SPS短時間で十分な緻密化が可能であるので、不用意な結晶の成長を誘引する可能性がより低く、好ましい。
本発明を利用することで、熱的及び機械的特性が優れるSiCセラミックスを製造することが可能になる。このようなSiCセラミックスは、高温構造材料として、原子炉の燃料格納容器等への応用が期待される。また、軽量なタービン用の材料として、また、ロケットノズルや再突入時の耐熱タイルのような耐熱性が特に要求される部位の材料として、宇宙航空の分野での応用に有望であろう。

Claims (11)

  1. 平均結晶粒径が100nmから5μmの結晶粒からなるSiC結晶相を50wt%から99.9wt%、及び
    Alを含む酸化物結晶相を0.1wt%から50wt%、を含む、SiCセラミックス。
  2. 前記Alを含む酸化物結晶相がAlCを含むことを特徴とする請求項1に記載のSiCセラミックス。
  3. 前記Alを含む酸化物結晶相が、平均粒径が100nmから1μmのアルミニウムオキシカーバイド結晶粒を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載のSiCセラミックス。
  4. 前記アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の粒径の標準偏差が、100nm以下であることを特徴とする請求項3に記載のSiCセラミックス。
  5. 当該SiCセラミックスの任意の切断面において、顕微鏡観測視野を126μm×84μm、45μm×30μm、及び、27μm×18μmで取った場合に、アルミニウムオキシカーバイド結晶粒の占有面積が、各視野間の相対誤差が、20%以下であることを特徴とする請求項3に記載のSiCセラミックス。
  6. 30wt%から70wt%のケイ素と、0.005wt%から30wt%のアルミニウムと、15wt%から30wt%の炭素と、を含み、
    酸素含有量が、20wt%以下であることを特徴とする請求項1から5の何れかに記載のSiCセラミックス。
  7. SiCセラミックスを製造する方法であって、
    平均粒径300nm以下のSiC粉末の表面にAlを含んだ酸化物又は化合物が被覆したSiC粉末を、ホットプレス又はスパークプラズマ焼結(SPS)用の型に投入して、1900℃以下の温度で加圧しつつ焼成する方法。
  8. 前記Alを含んだ酸化物又は化合物は、Al(OH)及びAlの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項7に記載の方法。
  9. 前記加圧は、50MPa以下の圧力で実施されることを特徴とする請求項7又は8のいずれかに記載の方法。
  10. 前記焼成は、1800℃以上の温度で実施されることを特徴とする請求項7から9のいずれかに記載の方法。
  11. 前記焼成において、前記温度及び前記加圧の圧力が、1分以上及び2時間以下、保持されることを特徴とする請求項7から10のいずれかに記載の方法。

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