JPWO2019049567A1 - 微粒子検出素子及び微粒子検出器 - Google Patents

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Abstract

微粒子検出素子は、ガスが通過するガス流路(13)を有する筐体(12)と、筐体(12)内に導入されたガス中の微粒子に放電によって発生させた電荷を付加して帯電微粒子にする電荷発生部(20)と、筐体(12)内でガス流路(13)に露出して設けられ帯電微粒子と微粒子に付加されなかった電荷とのいずれかである捕集対象を捕集する捕集電極(42)と、捕集電極(42)を含みガス流路内に露出している複数の露出電極と、を備えている。筐体(12)は、ガス流路(13)に露出する内周面のうち、複数の露出電極のうち少なくとも2つの電極を接続する部分である接続面に、凹部及び凸部の少なくとも一方を含む短絡抑制構造(75)を有する。

Description

本発明は、微粒子検出素子及び微粒子検出器に関する。
従来、微粒子検出器としては、筐体内に導入された被測定ガス中の微粒子に電荷を付加し、電荷が付加された微粒子を測定電極で捕集し、捕集された微粒子の電荷の量に基づいて微粒子の個数を測定するものが知られている(例えば、特許文献1)。
国際公開第2015/146456号パンフレット
ところで、微粒子検出器では、導電性を有する微粒子が筐体の内周面に付着する場合がある。この場合、付着した微粒子が筐体の内周面に露出した電極間の短絡経路を形成して、電極間を短絡させてしまう場合があった。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、露出電極間の短絡を抑制することを主目的とする。
本発明は、上述した主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の微粒子検出素子は、
ガス中の微粒子を検出するために用いられる微粒子検出素子であって、
前記ガスが通過するガス流路を有する筐体と、
前記筐体内に導入された前記ガス中の微粒子に放電によって発生させた電荷を付加して帯電微粒子にする電荷発生部と、
前記筐体内で前記ガス流路に露出して設けられ前記帯電微粒子と前記微粒子に付加されなかった前記電荷とのいずれかである捕集対象を捕集する捕集電極と、
前記捕集電極を含み前記ガス流路内に露出している複数の露出電極と、
を備え、
前記筐体は、前記ガス流路に露出する内周面のうち、前記複数の露出電極のうち少なくとも2つの電極を接続する部分である接続面に、凹部及び凸部の少なくとも一方を含む短絡抑制構造を有する、
ものである。
この微粒子検出素子では、電荷発生部が電荷を発生させることでガス中の微粒子を帯電微粒子にし、捕集電極が捕集対象(帯電微粒子と微粒子に付加されなかった電荷とのいずれか)を捕集する。捕集電極に捕集された捕集対象に応じて物理量が変化するため、この微粒子検出素子を用いることでガス中の微粒子を検出できる。このとき、微粒子検出素子の使用に伴って、微粒子の一部が筐体の内周面に付着していく場合がある。そのため、微粒子の少なくとも一部が導電性を有する場合には、導電性を有する微粒子が筐体の内周面に付着して露出電極間の短絡経路を形成する可能性がある。しかし、本発明の微粒子検出素子の筐体は、ガス流路に露出する内周面のうち、少なくとも2つの露出電極を接続する部分である接続面に、凹部及び凸部の少なくとも一方を含む短絡抑制構造を有している。この短絡抑制構造によって、露出電極間の接続面に沿った経路長が長くなっているため、微粒子が内周面に付着しても露出電極間の短絡経路が形成されにくい。したがって、この微粒子検出素子は、少なくとも2つの露出電極間の短絡を抑制できる。この場合において、本発明の微粒子検出素子は、前記ガス中の前記微粒子の量を検出するために用いられてもよい。「微粒子の量」は、例えば微粒子の数,質量,表面積の少なくともいずれかであってもよい。
本発明の微粒子検出素子において、前記露出電極は、前記筐体内に設けられ前記捕集電極に向けて前記捕集対象を移動させる電界を発生させる電界発生電極を含み、前記筐体は、前記ガス流路を複数の分岐流路に仕切る仕切り部を有しており、前記捕集電極及び前記電界発生電極は、前記複数の分岐流路のいずれかに露出しており、前記筐体は、前記捕集電極と前記電界発生電極とを接続する部分である接続面に、前記短絡抑制構造を有していてもよい。捕集電極と電界発生電極とが分岐流路に面して配置されている場合、両電極間の接続面に沿った経路長が短くなりやすいため、捕集電極と電界発生電極との間の接続面に短絡抑制構造を設ける意義が高い。
この場合において、前記捕集電極と前記電界発生電極とを1組の電極として、前記複数の分岐流路の各々に前記1組の電極が配設されるように複数組の電極が配設されており、前記分岐流路に配設された複数組の電極のうち1組以上に関して、前記接続面が前記短絡抑制構造を有していてもよい。こうすれば、分岐流路に配設された複数組の電極のうち接続面が短絡抑制構造を有している電極の組について、捕集電極と電界発生電極との間の短絡を抑制できる。
本発明の微粒子検出素子において、前記筐体は、複数の層を積層した積層体であり、前記凹部及び前記凸部の少なくとも1つは、前記接続面において、前記複数の層のうち隣接する2層間の段差である段差部で周囲と接続されていてもよい。こうすれば、隣接する複数の層を段差部が生じるように積層するだけで、凹部や凸部を形成することができる。そのため、例えばある層を形成したあとにその層に凹部や凸部を設ける別の加工を行う場合と比較して、凹部や凸部を有する積層体を比較的容易に製造できる。
本発明の微粒子検出素子は、前記筐体の前記接続面を加熱する加熱部を備えていてもよい。こうすれば、加熱部により接続面に付着した微粒子を燃焼させて除去することで、接続面に短絡経路が形成されることを抑制できる。また、接続面が短絡抑制構造を有することで露出電極間の短絡を抑制できるため、例えば加熱部の使用間隔を長くすることもできる。
本発明の微粒子検出素子において、前記露出電極は、前記筐体内に設けられ前記捕集電極に向けて前記捕集対象を移動させる電界を発生させる電界発生電極を含み、前記筐体は、前記ガス流路の中心軸に垂直な断面において前記内周面が多角形状であり、前記多角形状の1辺を構成する面であり前記捕集電極が配置された捕集電極配設面と、前記多角形状の1辺を構成する面であり前記電界発生電極が配置された電界発生電極配設面と、を有し、前記接続面のうち前記捕集電極配設面と前記電界発生電極配設面とを接続する部分である接続側面に前記短絡抑制構造を有していてもよい。この場合において、前記筐体は、前記断面において前記内周面が四角形状であってもよい。ここで、「多角形状」には略多角形状を含み、例えば接続面が短絡抑制構造を有することで内周面の断面が厳密な多角形状をしていない場合も含む。同様に、「四角形状」には略四角形状を含む。
本発明の微粒子検出素子は、前記筐体内に設けられ前記捕集電極に向けて前記捕集対象を移動させる捕集用電界を発生させる電界発生電極を備えていてもよい。この場合において、前記露出電極は、前記電界発生電極を含んでおり(すなわち前記電界発生電極が前記ガス流路に露出しており)、前記筐体は、前記捕集電極と前記電界発生電極とを接続する部分である前記接続面に、前記短絡抑制構造を有していてもよい。
本発明の微粒子検出素子において、前記電荷発生部は、前記筐体内で前記ガス流路に露出して設けられた放電電極と、前記筐体内で前記ガス流路に露出し且つ前記放電電極に対向して配設された対向電極と、を有していてもよい。すなわち、前記露出電極は、前記放電電極と前記対向電極とを含んでいてもよい。この場合において、前記筐体は、前記放電電極と前記対向電極とを接続する部分である前記接続面に、前記短絡抑制構造を有していてもよい。
本発明の微粒子検出素子において、前記捕集対象は前記帯電微粒子であり、前記捕集電極よりも前記ガスの流れの上流側に設けられ前記微粒子に付加されなかった前記電荷を捕獲して除去する除去電極と、前記除去電極に向けて前記微粒子に付加されなかった前記電荷を移動させる除去用電界を発生させる印加電極と、を備えていてもよい。この場合において、前記露出電極は、前記除去電極と前記印加電極とを含んでおり(すなわち前記除去電極及び前記印加電極が前記ガス流路に露出しており)、前記筐体は、前記除去電極と前記印加電極とを接続する部分である前記接続面に、前記短絡抑制構造を有していてもよい。
本発明の微粒子検出器は、上述したいずれかの態様の微粒子検出素子と、前記捕集電極に捕集された前記捕集対象に応じて変化する物理量に基づいて、前記微粒子を検出する検出部と、を備えたものである。そのため、この微粒子検出器は、上述した本発明の微粒子検出素子と同様の効果、例えば少なくとも2つの露出電極間の短絡を抑制できる効果が得られる。この場合において、前記検出部は、前記物理量に基づいて、前記微粒子の量を検出してもよい。「微粒子の量」は、例えば微粒子の数,質量,表面積の少なくともいずれかであってもよい。この微粒子検出器において、前記捕集対象が前記微粒子に付加されなかった前記電荷である場合には、前記検出部は、前記物理量と、前記電荷発生部が発生させる電荷(例えば電荷の数又は電荷量)と、に基づいて、前記微粒子を検出してもよい。
なお、本明細書において、「電荷」とは、正電荷や負電荷のほかイオンを含むものとする。「微粒子の量を検出する」とは、微粒子の量を測定する場合のほか、微粒子の量が所定の数値範囲に入るか否か(例えば所定のしきい値を超えるか否か)を判定する場合も含むものとする。「物理量」とは、捕集対象の数(電荷量)に基づいて変化するパラメータであればよく、例えば電流などが挙げられる。
微粒子検出器10の概略構成を表す斜視図。 図1のA−A断面図。 図1のB−B断面の部分断面図。 図3の左接続面70a周辺を示す部分断面図。 微粒子検出素子11の分解斜視図。 変形例の短絡抑制構造175aを示す部分断面図。 変形例の短絡抑制構造275aを示す部分断面図。 変形例の短絡抑制構造375aを示す部分断面図。 変形例の微粒子検出器710の断面図。 図9のC−C断面図。
次に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の微粒子検出器の一実施形態である微粒子検出器10の概略構成を表す斜視図である。図2は図1のA−A断面図であり、図3は図1のB−B断面の部分断面図であり、図4は図3の左接続面70a周辺を示す部分断面図であり、図5は微粒子検出素子11の分解斜視図である。なお、本実施形態において、上下方向,左右方向及び前後方向は、図1〜図4に示した通りとする。
微粒子検出器10は、ガス(例えば自動車の排ガス)に含まれる微粒子17の数を計測するものである。この微粒子検出器10は、図1,2に示すように、微粒子検出素子11を備えている。また、微粒子検出器10は、図2に示すように、放電用電源29と、除去用電源39と、捕集用電源49と、検出装置50と、ヒータ用電源69とを備えている。微粒子検出素子11は、図2に示すように、筐体12と、電荷発生装置20と、余剰電荷除去装置30と、捕集装置40と、ヒータ装置60と、を備えている。
筐体12は、ガスが通過するガス流路13を内部に有している。ガス流路13は、図2に示すように、筐体12内にガスを導入するガス導入口13aと、ガス導入口13aよりも下流側に位置しガスの流れが分岐する複数(ここでは3つ)の分岐流路13b〜13dと、を有している。ガス導入口13aから筐体12内に導入されたガスは、分岐流路13b〜13dを通って筐体12外に排出される。ガス流路13は、ガス流路13の中心軸に垂直な断面(ここでは上下左右方向に沿った断面)が略四角形状をしている。ガス導入口13a,及び分岐流路13b〜13dのいずれも、ガス流路13の中心軸に垂直な断面が略四角形状をしている。筐体12は、図1及び図5に示すように、長尺な略直方体形状をしている。筐体12は、図2,3,5に示すように、複数の層(ここでは第1〜第11層14a〜14k)を所定の積層方向(ここでは上下方向)に積層した積層体として構成されている。筐体12は絶縁体であり、例えばアルミナなどのセラミックス製である。第4〜第8層14d〜14hの各々には各層を厚さ方向(ここでは上下方向)に貫通する貫通孔又は切り欠きが設けられており、この貫通孔又は切り欠きがガス流路13となっている。第1〜第3層14a〜14cはガス流路13の天井部を構成している。第5層14eは、分岐流路13bと分岐流路13cとを上下に仕切る仕切り部として構成されている。第7層14gは、分岐流路13cと分岐流路13dとを上下に仕切る仕切り部として構成されている。第9〜第11層14i〜14kはガス流路13の底部を構成している。図3に示すように、第4,第6,第8層14d,14f,14hはそれぞれ分岐流路13b,13c,13dの側壁(ここでは左右の壁)を構成している。本実施形態では、第4,第6,第8層14d,14f,14hは他の層よりも厚さが厚くなっている。第4,第6,第8層14d,14f,14hは、図4に示すように、各々が複数の層(ここでは層15a〜15fの6層)を有している。そのため、本実施形態の筐体12は、26枚の層を積層した積層体である。第4,第6,第8層14d,14f,14hの各々のうち分岐流路13b〜13dに面する左側面72a〜72c及び右側面82a〜82cは、いずれも、凹部92及び凸部93(図4参照)を有する短絡抑制構造75を有している。短絡抑制構造75については後述する。
電荷発生装置20は、図2に示すように、筐体12のガス導入口13aに近い側に設けられた放電電極21及び対向電極22を有している。放電電極21は第3層14cの下面に設けられ、ガス流路13内に露出している。対向電極22は第9層14iの上面に設けられ、ガス流路13内に露出している。放電電極21及び対向電極22は、筐体12のうちガス流路13の内周面に沿って配設されている。対向電極22は、ガス流路13を挟んで放電電極21に対向して配置されている。放電電極21及び対向電極22は、長方形状の平板状の電極である。放電電極21及び対向電極22は、放電用電源29に接続されている。対向電極22はグランドに接続されていてもよい。
電荷発生装置20では、放電電極21と対向電極22との間に放電用電源29から高電圧(例えば直流電圧又は高周波のパルス電圧等)が印加されると、両電極間の電位差により放電電極21の近傍で放電が起こる。この放電によって、放電電極21の周囲に存在するガスがイオン化されて、電荷18(ここでは正電荷とする)が発生する。これにより、電荷発生装置20を通過するガス中の微粒子17は電荷18が付加されて帯電微粒子Pになる(図2参照)。
余剰電荷除去装置30は、印加電極32と除去電極34とを有している。印加電極32及び除去電極34は、電荷発生装置20の下流且つ捕集装置40の上流に位置している。印加電極32は第3層14cの下面に設けられ、ガス流路13内に露出している。除去電極34は第9層14iの上面に設けられ、ガス流路13内に露出している。印加電極32と除去電極34とは互いに向かい合う位置に配設されている。印加電極32は、除去用電源39から微小な正電位V2が印加される電極である。除去電極34は、グランドに接続された電極である。これにより、余剰電荷除去装置30の印加電極32と除去電極34との間には弱い電界が発生する。したがって、電荷発生装置20で発生した電荷18のうち、微粒子17に付加されなかった余剰の電荷18は、この弱い電界によって除去電極34に引き寄せられて捕獲され、グランドに捨てられる。これにより、余剰電荷除去装置30は、余剰の電荷18が捕集装置40の捕集電極42に捕集されて微粒子17の数にカウントされてしまうことを抑制している。
捕集装置40は、捕集対象(ここでは帯電微粒子P)を捕集するための装置であり、電荷発生装置20及び余剰電荷除去装置30よりも下流の分岐流路13b〜13dに設けられている。捕集装置40は、帯電微粒子Pを捕集する1以上の捕集電極42と、帯電微粒子Pを捕集電極42に向けて移動させる1以上の電界発生電極44と、を有している。本実施形態では、捕集装置40は捕集電極42として第1〜第3捕集電極42a〜42cを有し、電界発生電極44として第1〜第3電界発生電極44a〜44cを有している。捕集電極42及び電界発生電極44はいずれもガス流路13に露出して設けられている。第1捕集電極42a及び第1電界発生電極44aは1組の電極となっている。同様に、第2捕集電極42b及び第2電界発生電極44b、第3捕集電極42c及び第3電界発生電極44c、がそれぞれ1組の電極となっている。すなわち、捕集装置40は、複数組(ここでは3組)の電極を有している。1組の電極(組となる1つの捕集電極42と1つの電界発生電極44)は互いに上下に向かい合う位置に配設されている。第1〜第3電界発生電極44a〜44cは、それぞれ自身の組となる第1〜第3捕集電極42a〜42cに向けて帯電微粒子Pを移動させる電界を発生させる。複数組の電極は、分岐流路13b〜13cの各々にそれぞれ1組ずつ配設されている。具体的には、第1電界発生電極44aは第3層14cの下面に配設され、第1捕集電極42aは第5層14eの上面に配設されている。第2電界発生電極44bは第5層14eの下面に配設され、第2捕集電極42bは第7層14gの上面に配設されている。第3電界発生電極44cは第7層14gの下面に配設され、第3捕集電極42cは第9層14iの上面に配設されている。
第1〜第3電界発生電極44a〜44cには、いずれも捕集用電源49から電圧V1が印加される。第1〜第3捕集電極42a〜42cは、いずれも電流計52を介してグランドに接続されている。これにより、分岐流路13bには第1電界発生電極44aから第1捕集電極42aに向かう電界が発生し、分岐流路13cには第2電界発生電極44bから第2捕集電極42bに向かう電界が発生し、分岐流路13dには第3電界発生電極44cから第3捕集電極42cに向かう電界が発生する。したがって、ガス流路13を流れる帯電微粒子Pは、分岐流路13b〜13dのいずれかに入り込み、そこで発生している電界によって下方に移動させられ、第1〜第3捕集電極42a〜42cのいずれかに引き寄せられて捕集される。電圧V1はここでは正電位であり、電圧V1のレベルは例えば100Vオーダーから数kVである。各電極34,42の各々のサイズや各電極34,42上の各々の電界の強さ(すなわち電圧V1,V2の大きさ)は、帯電微粒子Pが除去電極34に捕集されることなく捕集電極42に捕集されるように、また、微粒子17に付着しなかった電荷18が除去電極34に捕集されるように、設定されている。
検出装置50は、電流計52と演算装置54とを備えている。電流計52は、一方の端子が捕集電極42に接続され、もう一方の端子がグランドに接続されている。この電流計52は、捕集電極42に捕集された帯電微粒子Pの電荷18に基づく電流を測定する。演算装置54は、電流計52の電流に基づいて微粒子17の個数を演算する。演算装置54は、各電源29,39,49,69のオンオフや電圧を制御することで各装置20,30,40,60を制御する制御部としての機能を有していてもよい。
ヒータ装置60は、第10層14iと第11層14kとの間に配設されたヒータ電極62を有している。ヒータ電極62は、例えばジグザグに引き回された帯状の発熱体である。ヒータ電極62は、少なくとも第3捕集電極42cの真下に存在するように配置されている。また、ヒータ電極62は、図3に示すようにガス流路13の中心軸に垂直な断面において少なくとも分岐流路13b〜13dの側壁(第4,第6,第8層14d,14f,14h)の真下に存在するように配置されている。ヒータ電極62は、本実施形態ではガス流路13の真下の領域のほぼ全体に亘って引き回されており、対向電極22及び除去電極34の真下にも存在している。ヒータ電極62は、ヒータ用電極69に接続され、ヒータ用電極69によって通電されると発熱する。ヒータ電極62が発生させた熱は、例えば筐体12を介した熱伝導やガス流路13を介した輻射などにより、捕集電極42などの各電極及び筐体12に伝達されて、これらの電極及び筐体12の内周面を加熱する。
短絡抑制構造75及び短絡抑制構造75を有する接続面70について詳細に説明する。筐体12は、筐体12のうちガス流路13に露出する内周面に捕集電極42及び電界発生電極44を備えている。そのため、筐体12の内周面の一部は、捕集電極42と電界発生電極44とを接続する部分である接続面70となっている。図3に示すように、接続面70としては、3組の電極(第1〜第3捕集電極42a〜42c及び第1〜第3電界発生電極44a〜44c)の各々に対応して、左接続面70a〜70c及び右接続面80a〜80cが存在する。接続面70は、導電性を有する微粒子17が付着することで捕集電極42と電界発生電極44との短絡経路となりうる面である。左接続面70a〜70c及び右接続面80a〜80cは、短絡抑制構造75a〜75c,85〜85cを有している。短絡抑制構造75a〜75c,85〜85cを短絡抑制構造75と総称する。
左接続面70aは、筐体12の内周面のうち第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとを左側で接続する面である。左接続面70aは、左天井面71aと、左天井面71aと接続している左側面72aと、左側面72aと接続している左底面73aと、を有する。左天井面71aは、分岐流路13bの天井面すなわち第3層14cの下面の一部であり、第1電界発生電極44aの左端部から分岐流路13bの左側壁である第4層14dまでの部分である。左側面72aは、分岐流路13bの左側面であり、分岐流路13bの左側壁(ここでは第4層14d)のうち分岐流路13bに露出した部分である。左底面73aは、分岐流路13bの底面すなわち第5層14eの上面の一部であり、第1分岐流路13bの左側壁である第4層14dから第1捕集電極42aの左端部までの部分である。
右接続面80aは、筐体12の内周面のうち第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとを右側で接続する面である。右接続面80aは、右天井面81aと、右側面82aと右底面83aとを有している。これらの構成要素は左天井面71a,左側面72a,及び左底面73aと左右対称であり同様の構成であるため、詳細な説明を省略する。
左接続面70b及び右接続面80bは、筐体12の内周面のうち第2捕集電極42bと第2電界発生電極44bとを接続する面である。左接続面70c及び右接続面80cは、筐体12の内周面のうち第3捕集電極42cと第3電界発生電極44cとを接続する面である。左接続面70b,70c及び右接続面80b,80cは、左接続面70a及び右接続面80aと同様の構成を有している。そのため、左接続面70b,70c及び右接続面80b,80cの構成要素については、左接続面70a及び右接続面80aの対応する構成要素の末尾の符号aを符号b又は符号cに変更した符号を付して、詳細な説明を省略する。
左接続面70a〜70c及び右接続面80a〜80cの各々は、短絡抑制構造75としてそれぞれ短絡抑制構造75a〜75c,85a〜85cを有している。短絡抑制構造75a〜75c,85a〜85cはいずれも同様の構成をしているため、短絡抑制構造75aについて詳細に説明する。短絡抑制構造75aは、左接続面70aの一部であり、本実施形態では左接続面70aのうち左天井面71aと左側面72aとを接続する部分である左側面72aが、短絡抑制構造75aを有している。短絡抑制構造75aは、図4に示すように、複数(ここでは3つ)の凹部92と、複数(ここでは3つ)の凸部93と、を有している。複数の凹部92及び複数の凸部93は、上下方向に交互に配置されている。凹部92は、左側面72aのうちガス流路13(ここでは分岐流路13b)の中心軸から遠ざかる方向(ここでは左方)に引っ込んだ形状をしている部分である。凸部93は、左側面72aのうちガス流路13(ここでは分岐流路13b)の中心軸に近づく方向(ここでは右方)に突出した形状をしている部分である。隣接する凹部92と凸部93との間には両者を接続する段差部94が存在する。本実施形態では短絡抑制構造75aは5個の段差部94を有している。また、上述したように、左側面72aを含む第4層14dは、層15a〜15fの積層体として構成されている。そして、複数の段差部94の各々は、層15a〜15fのうち隣接する2層間の段差として構成されている。例えば、図4で一番上に位置する段差部94は、層15aと層15bとの間の段差であり、層15bの上面の一部として構成されている。また、層15a〜15fの各々の分岐流路13bに露出する端面(ここでは右端面)が、それぞれの凹部92又は凸部93の端面となっている。例えば、層15aの右端面全体が凹部92の端面となっており、層15bの右端面全体が凸部93の端面となっている。このように、凹部92及び凸部93は、層15a〜15fの各々に1対1に対応している。凹部92は、微粒子17が入り込むことが可能な隙間を形成していることが好ましい。例えば、凹部92の幅が微粒子17の平均粒径よりも大きい値であってもよい。凹部92及び凸部93は、自身が設けられた層(ここでは第4層14d)の構成粒子の形状によって必然的に形成されるような微小な表面形状とは区別可能な幅又は形状をしている。例えば、凹部92及び凸部93の幅は、1.5μm以上としてもよい。凹部92及び凸部93の幅は、300μm以下としてもよい。ここで、凹部92及び凸部93の幅方向は、ガス流路13の中心軸に垂直な方向(ここでは上下方向)とする。凸部93の突出高さ(ここでは段差部94の左右方向長さに等しい)は、20μm以上としてもよい。凸部93の突出高さは、100μm以下としてもよい。
左接続面70aは、この短絡抑制構造75aが存在することで、第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aの間の左接続面70aに沿った経路長Rが長くなっている。例えば、図4における左接続面70aに沿った経路長Rは、左天井面71aの左右方向の長さである経路長R1と、左側面72aの凹部92,凸部93,及び段差部94に沿った長さである経路長R2と、左底面73aの左右方向の長さである経路長R3と、の和となる。左側面72aが短絡抑制構造75aを有するため、左側面72aの経路長R2は、短絡抑制構造75aが存在せず左側面72aが平坦である場合の経路長すなわち第3層14cと第5層14eとの上下方向の距離と比べて、長くなっている。そのため、左接続面70aの経路長Rは短絡抑制構造75aが存在しない場合と比べて長くなっている。
本実施形態では、凹部92及び凸部93はガス流路13の中心軸方向(ここでは前後方向)に延びるように形成されており、短絡抑制構造75は筐体12の内周面のうちガス流路13の中心軸方向に沿って入口から出口までに亘って存在している。例えば、図1の左側の拡大図に示すように、短絡抑制構造75aが有する凹部92及び凸部93は、筐体12の内周面のうちガス導入口13a付近(ここでは前端付近)にも存在する。そのため、図3,4に示した断面に限らず、ガス流路13の中心軸に垂直ないずれの断面においても、筐体12の内周面(ここでは内周面のうち左右の側面)には短絡抑制構造75が存在する。
図1,5に示すように、筐体12の左端の上下面には、それぞれ複数の端子19が配設されている。上述した各電極21,22,32,34,42,44は、筐体12内に配設された配線を介して、この複数の端子19のいずれかと電気的に導通している。同様に、ヒータ電極62は配線を介して2つの端子19と電気的に導通している。配線は、例えば第1〜第11層14a〜14kの上下面に配設されたり、第1〜第11層14a〜14kに設けられたスルーホール内に配設されたりしている。図2では図示を省略しているが、各電源29,39,49,69及び電流計52は、この端子19を介して微粒子検出素子11内の各電極と導通している。
こうして構成された微粒子検出素子11の製造方法を以下に説明する。まず、第1層〜第11層14a〜14kに対応して、セラミックスの原料粉末を含む未焼成のセラミックスグリーンシートを複数用意する。上述したように第4,第6,第7層14d,14f,14hはそれぞれ6枚の層15a〜15fで構成されるため、計26枚のグリーンシートを用意する。第4〜第8層14d〜14hに対応するグリーンシートには、ガス流路13となる空間及びスルーホールを予め打ち抜き処理などによって設けておく。次に、第1〜第11層14a〜14kの各々に対応して、各セラミックスグリーンシートに種々のパターンを形成するパターン印刷処理及び乾燥処理を行う。形成するパターンは、具体的には、例えば上述した各電極や各電極に接続される配線及び端子19などのパターンである。パターン印刷は、公知のスクリーン印刷技術を利用してグリーンシート上にパターン形成用ペーストを塗布することにより行う。パターン印刷処理中又はその前後において、配線となる導電性ペーストのスルーホールへの充填も行う。続いて、グリーンシート同士を積層及び接着するための接着用ペーストの印刷処理及び乾燥処理を行う。そして、接着用ペーストを形成したグリーンシートを所定の順序に積層して、所定の温度・圧力条件を加えることで圧着させ、一つの積層体とする圧着処理を行う。この圧着処理を行う際には、ガス流路13となる空間に、焼成によって消失する消失材(例えばテオブロミンなど)を充填しておく。その後、積層体を切断して筐体12の大きさの積層体を切り出す。そして、切り出した積層体を所定の焼成温度で焼成する。焼成時には消失材が消失するため、消失材が充填されていた部分がガス流路13となる。これにより、微粒子検出素子11を得る。
ここで、本実施形態の短絡抑制構造75は、凹部92及び凸部93が層15a〜15fの各々に1対1に対応しており、複数の段差部94の各々は、層15a〜15fのうち隣接する2層間の段差として構成されている。そのため、微粒子検出素子11の製造工程では、層15a〜15fとなるグリーンシートの各々に打ち抜き処理を行ってガス流路13となる空間を形成する際に、積層時に隣接することになるグリーンシート間で大きさ(ここでは左右方向の幅)の異なる空間を形成しておけばよい。こうすれば、層15a〜15fとなるグリーンシートを積層するだけで、凹部92及び凸部93を有する短絡抑制構造75が形成される。そのため、例えばグリーンシートの打ち抜き処理後又は複数のグリーンシートの積層後に、凹部92又は凸部93となる形状を形成するための別の加工処理を行う必要がない。
このように、筐体12をセラミック材料で構成する場合、以下の効果が得られる点で好適である。セラミック材料は一般に耐熱性が高く、ヒータ電極62により後述する微粒子17の除去を行うための温度、例えば微粒子17の主成分であるカーボンが燃焼する600℃から800℃もの高温にも、容易に耐える。さらに、セラミック材料は一般にヤング率が高いため、筐体12の壁部や仕切り部の厚さを薄くしても筐体12の剛性を維持しやすく、熱衝撃や外力による筐体12の変形を抑制できる。筐体12の変形が抑制されることで、例えば電荷発生装置20の放電時のガス流路13中の電界分布の変化や分岐流路13b〜13dの流路厚(ここでは上下の高さ)の変化などによる微粒子数の検出精度の低下を抑制できる。したがって、筐体12をセラミック材料で構成することで、筐体12の変形を抑制しつつ筐体12の壁部や仕切り部の厚さを薄くして筐体12をコンパクトにできる。セラミック材料としては、特に限定するものではないが、例えば、アルミナ、窒化ケイ素、ムライト、コージェライト、マグネシア、ジルコニアなどが挙げられる。
次に、微粒子検出器10の使用例について説明する。自動車の排ガスに含まれる微粒子を計測する場合、エンジンの排気管内に微粒子検出素子11を取り付ける。このとき、排ガスがガス導入口13aから筐体12内に導入され、分岐流路13b〜13dを通過してから排出されるように微粒子検出素子11を取り付ける。また、微粒子検出素子11に各電源29,39,49,69、及び検出装置50を接続する。
ガス導入口13aから筐体12内に導入された排ガスに含まれる微粒子17は、電荷発生装置20の放電によって発生した電荷18(ここでは正電荷)を帯びて帯電微粒子Pになる。帯電微粒子Pは、電界が弱く除去電極34の長さが捕集電極42よりも短い余剰電荷除去装置30をそのまま通過して分岐流路13b〜13dのいずれかに流入し、捕集装置40に至る。一方、微粒子17に付加されなかった電荷18は、電界が弱くても余剰電荷除去装置30の除去電極34に引き寄せられ、除去電極58を介してGNDに捨てられる。これにより、微粒子17に付加されなかった不要な電荷18は捕集装置40にほとんど到達することがない。
捕集装置40に到達した帯電微粒子Pは、電界発生電極44が発生させた電界によって第1〜第3捕集電極42a〜42cのいずれかに捕集される。そして、捕集電極42に付着した帯電微粒子Pの電荷18に基づく電流が電流計52で測定され、その電流に基づいて演算装置54が微粒子17の個数を演算する。本実施形態では、第1〜第3捕集電極42a〜42cは1つの電流計52に接続されており、第1〜第3捕集電極42a〜42cに付着した帯電微粒子Pの電荷18の合計数に基づく電流が電流計52で測定される。電流Iと電荷量qの関係は、I=dq/(dt)、q=∫Idtである。演算装置54は、所定期間にわたって電流値を積分(累算)してその積分値(蓄積電荷量)を求め、蓄積電荷量を素電荷で除算して電荷の総数(捕集電荷数)を求め、その捕集電荷数を1つの微粒子17に付加する電荷の数の平均値(平均帯電数)で除算することで、捕集電極42に付着していた微粒子17の個数Ntを求める。演算装置54は、この個数Ntを排ガス中の微粒子17の数として検出する。ただし、微粒子17の一部が捕集電極42に捕集されずに通過してしまったり、捕集電極42に捕集される前に筐体12の内周面に付着してしまったりする場合もある。そのため、このような捕集電極42に捕集されない微粒子17の割合を考慮して予め微粒子17の捕集率を定めておき、演算装置54は、個数Ntをその捕集率で除した値である総数Naを、排ガス中の微粒子17の数として検出してもよい。
微粒子17等が捕集電極42に数多く堆積すると、新たに帯電微粒子Pが捕集電極42に捕集されないことがある。そのため、定期的にあるいは堆積量が所定量に達したタイミングで、捕集電極42をヒータ電極62によって加熱することにより、捕集電極42上の堆積物を加熱して焼却し捕集電極42の電極面をリフレッシュする。
ここで、微粒子検出素子11の使用に伴って、微粒子17(帯電微粒子Pも含む)の一部が捕集電極42で捕集されずに筐体12の内周面に付着していく場合がある。一般に、微粒子17は例えば炭素などの導電性を有する材料であることが多いため、微粒子17が筐体12の内周面に多量に付着していくと、微粒子17が筐体12の内周面に沿った短絡経路を形成して、捕集電極42と電界発生電極44との間を短絡させてしまう可能性がある。これに対し、本実施形態の微粒子検出素子11の筐体12は、ガス流路13に露出する内周面のうち第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとを接続する部分である左接続面70aに、短絡抑制構造75aを有している。この短絡抑制構造75aによって、上述したように左接続面70aに沿った経路長Rが長くなっているため、微粒子17が左接続面70aに付着しても、左接続面70aに短絡経路が形成されにくい。そのため、短絡抑制構造75aが存在することで、第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとの間の短絡を抑制できる。右接続面80aについても、同様に短絡抑制構造85aを有しているため、第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとの間の短絡を抑制できる。同様に、左接続面70b及び右接続面80bは、それぞれ短絡抑制構造75b,85bを有しているため、第2捕集電極42bと第2電界発生電極44bとの間の短絡を抑制できる。左接続面70c及び右接続面80cは、それぞれ短絡抑制構造75c,85cを有しているため、第3捕集電極42cと第3電界発生電極44cとの間の短絡を抑制できる。
捕集電極42と電界発生電極44との間の短絡経路の他に、ガス流路13に露出し電位差のある電極間(ここでは印加電極32と除去電極34との間、及び放電電極21と対向電極22との間)でも、筐体12の内周面に微粒子17が付着すると短絡経路が形成される可能性がある。本実施形態では、短絡抑制構造75が有する凹部92及び凸部93はガス流路13の中心軸方向に延びるように形成されており、印加電極32と除去電極34との間の接続面、及び放電電極21と対向電極22との間の接続面にも、短絡抑制構造75a〜75c,85a〜85cが存在する。そのため、短絡抑制構造75が存在することで、印加電極32と除去電極34との間の短絡、及び放電電極21と対向電極22との間の短絡も抑制できる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の筐体12が本発明の筐体に相当し、電荷発生装置20が電荷発生部に相当し、捕集電極42が捕集電極に相当し、放電電極21,対向電極22,印加電極32,除去電極34,捕集電極42,及び電界発生電極44が露出電極に相当し、接続面70が接続面に相当し、短絡抑制構造75が短絡抑制構造に相当する。また、第5,第7層14e,14gが仕切り部に相当し、ヒータ装置60が加熱部に相当し、第5,第7,第9層14e,14g,14iの上面が捕集電極配設面に相当し、第3,第5,第7層14c,14e,14gの下面が電界発生電極配設面に相当し、左側面72a〜72c及び右側面82a〜82cが接続側面に相当し、検出装置50が検出部に相当する。
以上詳述した本実施形態の微粒子検出素子11では、ガス流路13に露出する筐体12の内周面のうち、露出電極間(ここでは捕集電極42と電界発生電極44との間)を接続する部分である接続面70に、凹部92及び凸部93を含む短絡抑制構造75を有している。この短絡抑制構造75によって、捕集電極42と電界発生電極44との間の接続面70に沿った経路長Rが長くなっている。そのため、微粒子17が筐体12の内周面に付着しても捕集電極42と電界発生電極44との間の短絡経路が形成されにくい。したがって、この微粒子検出素子11は、捕集電極42と電界発生電極44との間の短絡を抑制できる。同様に、露出電極である放電電極21と対向電極22との間の接続面が短絡抑制構造を有し、露出電極である印加電極32と除去電極34との間の接続面が短絡抑制構造75を有しているため、これらの露出電極間の短絡も抑制できる。
また、筐体12は、ガス流路13を複数の分岐流路13b〜13dに仕切る第5,第7層14e,14gを有しており、第1捕集電極42a及び第1電界発生電極44aは、複数の分岐流路13b〜13dのうち分岐流路13bに露出している。第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとが分岐流路13bに面して配置されている場合、両電極間の上下方向の距離が近くなることから、接続面(ここでは左接続面70a及び右接続面80a)に沿った両電極間の経路長が短くなりやすい。そのため、左接続面70a及び右接続面80aが短絡抑制構造75a,85aを有するようにして両電極間の短絡を抑制する意義が高い。第2捕集電極42b及び第2電界発生電極44b間、第3捕集電極42c及び第3電界発生電極44c間についても同様である。すなわち、捕集装置40は、1つの捕集電極42と1つの電界発生電極44とを1組の電極として、複数の分岐流路13b〜13cの各々に1組の電極が配設されるように複数組(ここでは3組)の電極を有している。そして、複数組の電極のうちすべての組に関して、接続面70が短絡抑制構造75を有している。そのため、分岐流路13b〜13dに配設されたいずれの組の電極についても、捕集電極42と電界発生電極44との間の短絡を抑制できる。
さらに、筐体12は、複数の層(ここでは上述した26枚の層)を積層した積層体であり、凹部92及び凸部93は、接続面70において、複数の層15a〜15fのうち隣接する2層間(例えば層15a,15b間)の段差である段差部94で周囲と接続されている。そのため、隣接する複数の層を段差部94が生じるように積層するだけで、凹部92や凸部93を形成することができる。具体的には、本実施形態では、互いに異なる形状の層(例えば層15aと層15b)を形成しそれらを隣接して積層することで、段差部94を生じさせて凹部92や凸部93を形成している。そのため、例えば層14dを形成したあとにその層14dに凹部92や凸部93を設ける別の加工を行う場合と比較して、凹部92や凸部93を有する筐体12を比較的容易に製造できる。
さらにまた、微粒子検出素子11は、筐体12の接続面70を加熱するヒータ装置60を備えている。そのため、ヒータ装置60により接続面70の微粒子17を燃焼させて除去することで、接続面70に短絡経路が形成されることを抑制できる。また、接続面70が短絡抑制構造75を有することで捕集電極42と電界発生電極44との間の短絡を抑制できるため、例えば短絡抑制構造75を有さない場合と比べてヒータ装置60の使用間隔を長くすることもできる。放電電極21と対向電極22との間の接続面、及び印加電極32と除去電極34との間の接続面についても同様に、接続面に短絡経路が形成されることをヒータ装置60により抑制したり、そのためのヒータ装置60の使用間隔を長くしたりできる。また、本実施形態では、ヒータ装置60は捕集電極42の微粒子を燃焼させる装置を兼ねているため、ヒータ装置60により接続面70の微粒子17を燃焼させている間は、演算装置54が微粒子17の個数を検出することができない期間(不感時間)となる。本実施形態の微粒子検出素子11では、ヒータ装置60の使用間隔を長くできるため、この不感時間を短くできる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、短絡抑制構造75aは凹部92と凸部93とを有していたが、これに限らず凹部92と凸部93との少なくとも一方を有していればよい。
上述した実施形態では、左接続面70aのうち左側面72aが短絡抑制構造75aを有していたが、これに限らず左接続面70aが短絡抑制構造75aを有していればよい。例えば、図6に示すように、左天井面71a及び左側面72aが短絡抑制構造175aを有していてもよい。図6に示す凸部93を有する第5層14eは、例えば以下のように製造してもよい。まず、第5層14eから凸部93を除いた形状、すなわち凸部93の両側の凹部92が接続されて1つの凹部になっている形状の層を複数のグリーンシートの積層により形成する。その後、積層したグリーンシートにパターン印刷によって凸部93となるペーストを形成する。
上述した実施形態では、凹部92の端面は上下方向に平行であり、凹部92によって形成される空間の断面が四角形状であったが、これに限られない。例えば、図7の短絡抑制構造275aに示すように、凹部92の端面が傾斜面であってもよい。あるいは、図8の短絡抑制構造375aに示すように、凹部92の端面が湾曲面であってもよい。凸部93についても同様に、端面が傾斜面であったり湾曲面であったりしてもよい。
上述した実施形態では、短絡抑制構造75aは複数の層15a〜15fの形状を異ならせることで形成された形状としたが、これに限られない。例えば、図7の短絡抑制構造275aのように、凹部92及び凸部93の少なくとも一方を有する同じ形状の層15a〜15fを積層して短絡抑制構造75aが形成されていてもよい。
上述した実施形態では、第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとの左接続面70a及び右接続面80aが共に短絡抑制構造75を有していたが、これに限らず少なくとも一方が短絡抑制構造75を有していればよい。例えば、左接続面70aと右接続面80aとのうち短絡抑制構造75がないと仮定した場合の最短経路長が短い方に、少なくとも短絡抑制構造75を有するようにしてもよい。左接続面70b及び右接続面80bや、左接続面70c及び右接続面80cについても同様である。
上述した実施形態では、3組の電極(第1〜第3捕集電極42a〜42c及び第1〜第3電界発生電極44a〜44c)のうちすべての組に関して、各々の接続面70が短絡抑制構造75を有していたが、これに限られない。電極間の接続面70が短絡抑制構造75を有していない1組の電極があってもよい。例えば、複数組の電極について、短絡抑制構造75がないと仮定した場合の接続面70の最短経路長を比較して、接続面70の最短経路長が最も短い1組の電極に関して、少なくとも接続面70が短絡抑制構造75を有するようにしてもよい。あるいは、複数組の電極のうち短絡抑制構造75がないと仮定した場合の接続面70の最短経路長が最も長い1組の電極に関して、少なくともその接続面70については短絡抑制構造75を有さないようにしてもよい。例えば、複数組の電極のうち、電極間の距離(例えば第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとの上下方向の距離)が最も小さい1組の電極に関して、少なくとも接続面70が短絡抑制構造75を有するようにしてもよい。あるいは、複数組の電極のうち、電極間の距離が最も大きい1組の電極に関して、少なくともその接続面70については短絡抑制構造75を有さないようにしてもよい。
上述した実施形態では、露出電極のうち放電電極21,対向電極22間、印加電極32,除去電極34間、及び捕集電極42,電界発生電極44間、の接続面がそれぞれ短絡抑制構造75を有していたが、これに限られない。複数の露出電極のうち少なくとも2つの電極を接続する接続面が短絡抑制構造を有していれば、その少なくとも2つの電極間の短絡を抑制できる。また、短絡抑制構造を有する接続面は、ガス流路13を挟んで対向する露出電極間の接続面に限られない。例えば、印加電極32と第1電界発生電極44aとを接続する接続面(第3層14cの下面の一部)が短絡抑制構造を有していてもよい。
上述した実施形態では、分岐流路13b〜13dの各々に捕集電極42と電界発生電極44との1組の電極が1組ずつ配設されていたが、これに限らず少なくとも1組ずつ配設されていればよい。また、1組の電極が配設されていない分岐流路が存在してもよい。その場合も、複数の分岐流路13b〜13dの各々に捕集電極42が少なくとも1つ配設されていればよい。捕集電極42が複数の分岐流路13b〜13dの各々に配設されていることで、捕集電極42で帯電微粒子Pを捕集しやすくなる。
上述した実施形態では、ガス流路13の中心軸に垂直ないずれの断面においても、筐体12の内周面には短絡抑制構造75が存在したが、これに限られない。例えば左接続面70aに短絡抑制構造75aを設ける場合には、ガス流路13の中心軸に垂直ないずれかの断面において、その断面に短絡抑制構造75aが存在するように構成されていればよい。ただし、上述した実施形態のように、ガス流路13の中心軸に垂直な左接続面70aのいずれの断面においても、その断面に短絡抑制構造75aが現れることが好ましい。ここで、左接続面70aは、筐体12の内周面のうち、短絡抑制構造75aがないと仮定した場合の第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとの左側の最短経路となる部分を少なくとも含む面とする。例えば、上述した実施形態のように第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとが対向している場合には、短絡抑制構造75aが存在しないと仮定すると、筐体12のガス流路13に露出した内周面のうちガス流路13の中心軸に垂直且つ第1電界発生電極44aと第1捕集電極42aとを共に通る断面に現れる左側の部分は、いずれも第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとの左側の最短経路である。そのため、左接続面70aは、この部分(筐体12のガス流路13に露出した内周面のうちガス流路13の中心軸に垂直且つ第1電界発生電極44aと第1捕集電極42aとを共に通る断面に現れる左側の部分)の集合を少なくとも含む面として定義される。左接続面70a以外の接続面70等の他の接続面についても同様である。
上述した実施形態では、凹部92及び凸部93が層15a〜15fの各々に1対1に対応していたが、これに限られない。例えば、1つの凸部93が、同じ形状の複数の層を上下に重ねた積層体として形成されていてもよい。こうしても、上述した実施形態と同様に、複数の段差部94の各々が層15a〜15fのうち隣接する2層間の段差として構成されていることによる効果が得られる。すなわち、凹部92や凸部93を設ける別の加工を行う場合と比較して凹部92や凸部93を比較的容易に製造できる効果が得られる。
上述した実施形態では、層15a〜15fとなるグリーンシートについて、積層時に隣接することになるグリーンシート間で大きさ(ここでは左右方向の幅)の異なる空間を形成しておくことで、積層時に段差部94が生じるようにしたが、これに限られない。例えば、層15a〜15fとなるグリーンシートに形成する空間の大きさは同じとして、これらのグリーンシートのうち隣接する2層間に段差部94が生じるように、隣接する2層間を互いにずらして積層してもよい。この場合も、上述した実施形態と同様に、凹部92や凸部93を有する筐体12を比較的容易に製造できる。
上述した実施形態では、ガス流路13は中心軸に垂直な断面が略四角形状をしていたが、これに限られない。例えば、ガス流路13は、ガス流路13の中心軸に垂直な断面が円形(真円状)であってもよいし(後述する図9,図10も参照)、楕円形であってもよいし、四角形以外の多角形状であってもよい。
上述した実施形態では、ヒータ装置60は第10,第11層14j,14k間に埋設されたヒータ電極62を有していたが、これに限らずヒータ装置60はガス流路13に露出していてもよい。また、ヒータ装置60は、第1,第2層14a,14bに埋設されたヒータ電極も有するなど、複数のヒータ電極を有していてもよい。
上述した実施形態では、ガス流路13は分岐流路13b〜13dを有していたが、分岐流路の数は2つや4つ以上などとしてもよい。また、ガス流路13が分岐していなくてもよい。
上述した実施形態では、電界発生電極44はガス流路13に露出していたが、これに限らず筐体12に埋設されていてもよい。また、第1電界発生電極44aに代えて、第1捕集電極42aを上下から挟むように配設された一対の電界発生電極を筐体12に設け、この一対の電界発生電極間に印加した電圧により生じる電界で、帯電微粒子Pを第1捕集電極42aに向けて移動させてもよい。第2〜第4電界発生電極44b〜44dについても同様である。印加電極32についても同様である。すなわち、印加電極32が筐体12に埋設されていてもよい。また、印加電極32に代えて除去電極34を上下から挟むように配設された一対の印加電極を筐体12に設けてもよい。
上述した実施形態では、捕集電極42と電界発生電極44とは1対1に対向していたが、これに限られない。例えば、捕集電極42より電界発生電極44の数が少なくてもよい。例えば、図2において第2,第3電界発生電極44b,44cを省略して、第1電界発生電極44aが発生させる電界で第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々に向けて帯電微粒子Pを移動させてもよい。この場合、第1電界発生電極44aは最も近い第1捕集電極42aと1組の電極を構成するとみなして、少なくとも左接続面70a又は接続面70bが短絡抑制構造75を有するようにすればよい。また、第1〜第3電界発生電極44a〜44cはいずれも帯電微粒子Pを下方向に移動させたが、これに限られない。例えば、図2における第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとを逆に配置してもよい。
上述した実施形態では、第1〜第3捕集電極42a〜42cは1つの電流計52に接続されていたが、これに限らず別々の電流計52に接続してもよい。こうすれば、演算装置54は第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々に付着した微粒子17の個数を別々に演算できる。この場合、例えば第1〜第3電界発生電極44a〜44cの各々に印加する電圧を異ならせたり、分岐流路13b〜13dの流路厚(図2,3では上下方向の高さ)を異ならせたりすることで、第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々に異なる粒径の微粒子17が捕集されるようにしてもよい。
上述した実施形態において、第1〜第3電界発生電極44a〜44cには電圧V1を印加したが、電圧を印加しなくてもよい。電界発生電極44による電界を発生させない場合でも、分岐流路13b〜13dの流路厚を微小な値(例えば0.01mm以上0.2mm未満)としておくことで、ブラウン運動の激しい粒径の比較的小さな帯電微粒子Pを捕集電極42に衝突させることができる。これにより、捕集電極42が帯電微粒子Pを捕集できる。この場合、微粒子検出素子11は電界発生電極44を備えなくてもよい。
上述した実施形態では、放電電極21及び対向電極22を平板状の電極としたが、これに限られない。例えば、放電電極21を針状電極としてもよい。この場合、針状の放電電極21と対向電極22との間に高電圧が印加されると、両電極間の電位差により気中放電(ここではコロナ放電)が発生する。この気中放電中をガスが通過することにより、上述した実施形態と同様にガス中の微粒子17は電荷18が付加されて帯電微粒子Pになる。あるいは、電荷発生装置20は、間に誘電体を挟むように配設された放電電極と誘導電極とを有していてもよい。この場合の電荷発生装置20は、放電用電源29から高周波の高電圧(例えばパルス電圧)が放電電極と誘導電極との間に印加されると誘電体バリア放電によって放電電極から電荷18を発生させる。そのため、この場合の電荷発生装置20も上述した実施形態と同様にガス中の微粒子17に電荷18を付加できる。誘電体としては筐体12を用いてもよい。例えば放電電極をガス流路13に露出させ、誘導電極を筐体12に埋設すれば、筐体12のうち放電電極と誘導電極との間の部分が誘電体として機能する。
上述した実施形態では、筐体12内で電荷発生装置20よりもガスの流れの下流側に捕集電極42を設け、微粒子17を含むガスを電荷発生素子20の上流側から筐体12内に導入したが、特にこの構成に限定されない。また、上述した実施形態では、捕集電極42の捕集対象は帯電微粒子Pとしたが、捕集対象は微粒子17に付加されなかった電荷18であってもよい。例えば、図9に示す変形例の微粒子検出素子711及びこれを備えた微粒子検出器710の構成を採用してもよい。図10は、図9のC−C断面図である。微粒子検出素子711は、余剰電荷除去装置30を備えず、筐体12,電荷発生装置20,捕集装置40,及びガス流路13に代えて筐体712,電荷発生装置720,捕集装置740,及びガス流路713を備えている。筐体712は、略円筒状の本体部712aと、本体部712aの後端の開口を塞ぐように配設され電界発生電極744を支持する支持部材を兼ねている底部712bと、を備えている。電荷発生装置720は、放電電極721と放電電極721に対向して配置された対向電極722とを有している。放電電極721及び対向電極722は、本体部712aの内周面に配設されており、ガス流路713の中心軸方向(ここでは前後方向)に垂直な断面における形状が円弧状になっている。対向電極722は、筐体12のガス流路713の内周面のうち上側に配設されている。放電電極721と対向電極722との間には放電用電源29から高電圧が印加される。また、微粒子検出器710は、放電用電源29が電圧を印加する際の電流を測定する電流計28を備えている。捕集装置740は、本体部712aのガス流路713の内周面に配設された捕集電極742と、ガス流路713の中心軸付近(ここでは本体部712aの中心軸付近)に配設された電界発生電極744と、を備えている。捕集電極742は、図10に示すように、ガス流路713の中心軸方向(ここでは前後方向)に垂直な断面における形状が円形(リング状)になっている。捕集電極742は、図9,図10に示すように円柱状の電極であり、軸方向が前後方向に沿っている。捕集電極742には検出装置50が接続され、電界発生電極744には捕集用電源49が接続されている。対向電極722と捕集電極742とは同電位であってもよい。放電電極721,対向電極722,捕集電極742,及び電界発生電極744は、ガス流路713に露出した露出電極である。ガス流路713は、空気導入口713eと、ガス導入口713aと、混合領域713fと、ガス排出口713gと、を有している。空気導入口713eは、筐体12の前端で本体部712aの軸方向に沿って開口しており、電荷発生装置20を経由するように微粒子17を含まないガス(ここでは空気)を筐体12内に導入する。ガス導入口713aは、本体部712aの上側部分を上下に貫通する孔であり、電荷発生装置20を経由せずに微粒子17を含むガスを筐体12内に導入する。混合領域713fは電荷発生装置720の下流且つ捕集装置740の上流に設けられ、この混合領域713fで空気導入口713eからの空気とガス導入口713aからのガスとが混合される。ガス排出口713gは、本体部712aの上側部分を上下に貫通する孔であり、混合領域713f及び捕集装置740を通過した後のガスを筐体12外に排出する。この微粒子検出器710では、捕集電極742のサイズや捕集電極742上の電界の強さ(すなわち電圧V1の大きさ)は、帯電微粒子Pが捕集電極742に捕集されることなくガス排出口713gから排出されるように、また、微粒子17に付加されなかった電荷18が捕集電極742に捕集されるように、設定されている。粒子検出素子711では、ヒータ電極62は本体部712aのうち下側の部分に埋設されている。ただし、本体部712aの上側や底部712bなど他の部分に埋設されていてもよい。
筐体712の内周面の一部は、捕集電極742と電界発生電極744とを接続する部分である接続面770となっている。接続面770は、本体部712aの内周面のうち捕集電極742よりも後方に位置する部分である第1面771と、底部712bのうち筐体712の内周面(ここでは前面)である第2面772と、を有している。第2面772は、短絡抑制構造775を有している。短絡抑制構造775は、図9,図10に示すように、複数(ここでは3つ)の凹部92と、複数(ここでは4つ)の凸部93と、を有している。複数の凹部92及び複数の凸部93は、電界発生電極744を中心として同心円状に交互に配置されている。
こうして構成された微粒子検出器710では、放電用電源29が放電電極721側を高電位として放電電極721と対向電極722との間に電圧を印加すると、放電電極721の近傍で気中放電が生じる。これにより、放電電極721と対向電極722との間の空気中で電荷18が発生し、発生した電荷18が混合領域713fでガス中の微粒子17に付加される。そのため、微粒子17を含むガスが電荷発生装置720を通過しなくとも、電荷発生装置720は電荷発生装置20と同様に微粒子17を帯電微粒子Pにすることができる。また、微粒子17を含むガスが電荷発生装置20を通過しないため、筐体12の内周面のうち放電電極721及び対向電極722付近には微粒子17が付着しにくい。そのため、露出電極である放電電極721と対向電極722との間の短絡経路が形成されにくい。また、放電電極721及び対向電極722が微粒子17の付着で汚れることを抑制できる。
また、微粒子検出器710では、捕集用電源49が印加する電圧V1によって電界発生電極744から捕集電極742に向かう電界が発生し、これにより捕集電極742は捕集対象(ここでは微粒子17に付加されなかった電荷18)を捕集する。一方、帯電微粒子Pは、捕集電極742に捕集されずにガス排出口713gから排出される。そして、演算装置54は、捕集電極742に捕集された電荷18に基づく電流値を電流計52から入力し、入力した電流値に基づいてガス中の微粒子17の数を検出する。例えば、演算装置54は、電流計28で測定された電流値と電流計52で測定された電流値との電流差を導出し、導出した電流差の値を素電荷で除算して、捕集電極742に捕集されずにガス流路13を通過した電荷18の数(通過電荷数)を求める。そして、演算装置54は、通過電荷数を1つの微粒子17に付加する電荷18の数の平均値(平均帯電数)で除算することで、ガス中の微粒子17の個数Ntを求める。このように、捕集電極742の捕集対象が帯電微粒子Pではなく微粒子17に付加されなかった電荷18である場合でも、捕集電極742に捕集された捕集対象の数はガス中の微粒子17の数と相関があるから、微粒子検出素子711を用いてガス中の微粒子17の数を検出できる。また、捕集電極742が帯電微粒子Pを捕集しないため、捕集電極742が汚れにくい。
この微粒子検出器710は、使用に伴って、微粒子17(帯電微粒子Pも含む)の一部が筐体12の内周面に付着していく場合がある。このとき、捕集電極742と電界発生電極744との接続面770(より具体的には第2面772)が短絡抑制構造775を有しているため、接続面770に付着した微粒子17による短絡経路の形成が抑制される。そのため、上述した実施形態と同様に、捕集電極742と電界発生電極744との短絡を抑制できる。
微粒子検出素子711において、微粒子17に付加されない電荷18のうち捕集電極742に捕集されない電荷18の割合を考慮して予め電荷18の捕集率が定められていてもよい。この場合、演算装置54は、電流計52で測定された電流値を捕集率で除した値を、電流計28で測定された電流値から引くことで、電流差を導出してもよい。また、微粒子検出器710は電流計28を備えなくてもよい。この場合、例えば単位時間当たりに所定量の電荷18が発生するように演算装置54が放電用電源29からの印加電圧を調整するようにしておき、演算装置54は所定の電流値(電荷発生装置720が発生させる所定量の電荷18の数に対応する電流値)と電流計52で測定された電流値との電流差を導出すればよい。
上述した実施形態では、検出装置50はガス中の微粒子17の数を検出したが、これに限らずガス中の微粒子17を検出すればよい。例えば、検出装置50は、ガス中の微粒子17の数に限らず、ガス中の微粒子17の量を検出してもよい。微粒子17の量としては、微粒子17の数の他に、微粒子17の質量又は表面積が挙げられる。検出装置50がガス中の微粒子17の質量を検出する場合、例えば演算装置54が微粒子17の個数Ntにさらに1つの微粒子17あたりの質量(例えば質量の平均値)を乗じてガス中の微粒子17の質量を求めてもよい。あるいは、蓄積電荷量と捕集された帯電微粒子Pの合計質量との関係をマップとして予め演算装置54が記憶しており、演算装置54がこのマップを用いて蓄積電荷量からガス中の微粒子17の質量を直接導出してもよい。演算装置54がガス中の微粒子17の表面積を求める場合についても、ガス中の微粒子17の質量を求める場合と同様の方法を用いることができる。また、捕集電極42の捕集対象が微粒子17に付加されなかった電荷18である場合も、検出装置50は同様にして微粒子17の質量又は表面積を検出できる。
上述した実施形態では、正に帯電した帯電微粒子Pの個数を測定する場合について説明したが、負に帯電した帯電微粒子Pであっても同様にして微粒子17の個数を測定することができる。
本出願は、2017年9月6日に出願された日本国特許出願第2017−171121号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
本発明は、ガス(例えば自動車の排ガス)に含まれる微粒子を検出する微粒子検出器に利用可能である。
10 微粒子検出器、11 微粒子検出素子、12 筐体、13 ガス流路、13a ガス導入口、13b〜13d 分岐流路、14a〜14k 第1〜第11層、15a〜15f 層、17 微粒子、18 電荷、19 端子、20 電荷発生装置、21 放電電極、22 対向電極、28 電流計、29 放電用電源、30 余剰電荷除去装置、32 印加電極、34 除去電極、39 除去用電源、40 捕集装置、42 捕集電極、42a〜42c 第1〜第3捕集電極、44 電界発生電極、44a〜44c 第1〜第3電界発生電極、49 捕集用電源、50 検出装置、52 電流計、54 演算装置、60
ヒータ装置、62 ヒータ電極、69 ヒータ用電源、70 接続面、70a〜70c
左接続面、71a〜71c 左天井面、72a〜72c 左側面、73a〜73c 左底面、75,75a〜75c 短絡抑制構造、80a〜80c 右接続面、81a〜81c 右天井面、82a〜82c 右側面、83a〜83c 右底面、85a〜85c 短絡抑制構造、92 凹部、93 凸部、94 段差部、175a〜375a 短絡抑制構造、710 微粒子検出器、711 微粒子検出素子、712 筐体、712a 本体部、712b 底部、713 ガス流路、713a ガス導入口、713e 空気導入口、混合領域713f、ガス排出口713g、720 電界発生装置、721 放電電極、722 対向電極、740 捕集装置、742 捕集電極、744 電界発生電極、770
接続面、771 第1面、772 第2面、775 短絡抑制構造、P 帯電微粒子。

Claims (7)

  1. ガス中の微粒子を検出するために用いられる微粒子検出素子であって、
    前記ガスが通過するガス流路を有する筐体と、
    前記筐体内に導入された前記ガス中の微粒子に放電によって発生させた電荷を付加して帯電微粒子にする電荷発生部と、
    前記筐体内で前記ガス流路に露出して設けられ前記帯電微粒子と前記微粒子に付加されなかった前記電荷とのいずれかである捕集対象を捕集する捕集電極と、
    前記捕集電極を含み前記ガス流路内に露出している複数の露出電極と、
    を備え、
    前記筐体は、前記ガス流路に露出する内周面のうち、前記複数の露出電極のうち少なくとも2つの電極を接続する部分である接続面に、凹部及び凸部の少なくとも一方を含む短絡抑制構造を有する、
    微粒子検出素子。
  2. 前記露出電極は、前記筐体内に設けられ前記捕集電極に向けて前記捕集対象を移動させる電界を発生させる電界発生電極を含み、
    前記筐体は、前記ガス流路を複数の分岐流路に仕切る仕切り部を有しており、
    前記捕集電極及び前記電界発生電極は、前記複数の分岐流路のいずれかに露出しており、
    前記筐体は、前記捕集電極と前記電界発生電極とを接続する部分である接続面に、前記短絡抑制構造を有している、
    請求項1に記載の微粒子検出素子。
  3. 前記捕集電極と前記電界発生電極とを1組の電極として、前記複数の分岐流路の各々に前記1組の電極が配設されるように複数組の電極が配設されており、
    前記分岐流路に配設された複数組の電極のうち1組以上に関して、前記接続面が前記短絡抑制構造を有している、
    請求項2に記載の微粒子検出素子。
  4. 前記筐体は、複数の層を積層した積層体であり、
    前記凹部及び前記凸部の少なくとも1つは、前記接続面において、前記複数の層のうち隣接する2層間の段差である段差部で周囲と接続されている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒子検出素子。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子検出素子であって、
    前記筐体の前記接続面を加熱する加熱部、
    を備えた微粒子検出素子。
  6. 前記露出電極は、前記筐体内に設けられ前記捕集電極に向けて前記捕集対象を移動させる電界を発生させる電界発生電極を含み、
    前記筐体は、前記ガス流路の中心軸に垂直な断面において前記内周面が多角形状であり、前記多角形状の1辺を構成する面であり前記捕集電極が配置された捕集電極配設面と、前記多角形状の1辺を構成する面であり前記電界発生電極が配置された電界発生電極配設面と、を有し、前記接続面のうち前記捕集電極配設面と前記電界発生電極配設面とを接続する部分である接続側面に前記短絡抑制構造を有する、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の微粒子検出素子。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の微粒子検出素子と、
    前記捕集電極に捕集された前記捕集対象に応じて変化する物理量に基づいて、前記微粒子を検出する検出部と、
    を備えた微粒子検出器。
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