JPWO2019049566A1 - 微粒子検出素子及び微粒子検出器 - Google Patents

微粒子検出素子及び微粒子検出器 Download PDF

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Abstract

微粒子検出素子は、ガスが通過するガス流路(13)を有する筐体(12)と、筐体(12)内に導入されたガス中の微粒子に放電によって発生させた電荷を付加して帯電微粒子にする電荷発生部(20)と、筐体(12)内でガス流路(13)に露出して設けられ帯電微粒子と微粒子に付加されなかった電荷とのいずれかである捕集対象を捕集する1以上の捕集電極を有する捕集部(42)と、捕集電極を加熱する加熱部(62)と、を備えている。筐体(12)は、捕集電極が少なくとも1つ配設された捕集電極配設壁部(15)を1以上有している。捕集電極配設壁部(15)の少なくとも1つは、ガス流路(13)の中心軸に垂直な断面において中央部分の厚さがそれ以外の部分よりも薄くなっている中央薄肉形状をしている。

Description

本発明は、微粒子検出素子及び微粒子検出器に関する。
従来、微粒子検出器としては、筐体内に導入された被測定ガス中の微粒子に電荷を付加し、電荷が付加された微粒子を測定電極で捕集し、捕集された微粒子の電荷の量に基づいて微粒子の個数を測定するものが知られている(例えば、特許文献1)。また、特許文献1の微粒子検出器は、測定電極を加熱するヒータを備えている。このヒータが測定電極を加熱することで、測定電極に付着した微粒子が除去されて測定電極がリフレッシュされる。
国際公開第2015/146456号パンフレット
このような微粒子検出器において、電極に付着した微粒子を速やかに除去することが望まれていた。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、捕集電極に付着した微粒子をより短時間で除去することを主目的とする。
本発明は、上述した主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の微粒子検出素子は、
ガス中の微粒子を検出するために用いられる微粒子検出素子であって、
前記ガスが通過するガス流路を有する筐体と、
前記筐体内に導入された前記ガス中の微粒子に放電によって発生させた電荷を付加して帯電微粒子にする電荷発生部と、
前記筐体内で前記ガス流路に露出して設けられ前記帯電微粒子と前記微粒子に付加されなかった前記電荷とのいずれかである捕集対象を捕集する1以上の捕集電極、を有する捕集部と、
前記捕集電極を加熱する加熱部と、
を備え、
前記筐体は、前記捕集電極が少なくとも1つ配設された捕集電極配設壁部を1以上有し、
前記捕集電極配設壁部の少なくとも1つは、前記ガス流路の中心軸に垂直な断面において中央部分の厚さがそれ以外の部分よりも薄くなっている中央薄肉形状をしている、
ものである。
この微粒子検出素子では、電荷発生部が電荷を発生させることでガス中の微粒子を帯電微粒子にし、捕集電極が捕集対象(帯電微粒子と微粒子に付加されなかった電荷とのいずれか)を捕集する。捕集電極に捕集された捕集対象に応じて物理量が変化するため、この微粒子検出素子を用いることでガス中の微粒子を検出できる。このとき、微粒子検出素子の使用に伴って捕集電極には微粒子が付着していく。ここで、ガス中の微粒子は筐体内のガス流路の中心軸に近い領域の方が濃度が高くなる傾向にある。そのため、捕集電極のうちガス流路の中心軸に近い部分には微粒子が付着しやすい。そして、本発明の微粒子検出素子では、筐体のうち捕集電極が配設された捕集電極配設壁部の少なくとも1つが、ガス流路の中心軸に垂直な断面において中央部分がそれ以外の部分よりも薄くなっている中央薄肉形状をしている。そのため、中央薄肉形状の捕集電極配設壁部では、中央部分が他の部分よりも熱容量が小さく、温度が上昇しやすい。したがって、捕集電極に付着した微粒子を加熱部が加熱する際には、中央薄肉形状の捕集電極配設壁部に配設された捕集電極のうち微粒子が付着しやすい部分(上述したガス流路の中心軸に近い部分)の温度が上昇しやすい。これにより、中央薄肉形状の捕集電極配設壁部に配設された捕集電極については、捕集電極のうち微粒子が多く付着する部分を速やかに昇温して微粒子を燃焼させることができ、その捕集電極に付着した微粒子をより短時間で除去できる。この場合において、本発明の微粒子検出素子は、前記ガス中の前記微粒子の量を検出するために用いられてもよい。「微粒子の量」は、例えば微粒子の数,質量,表面積の少なくともいずれかであってもよい。
本発明の微粒子検出素子において、前記ガス流路は、少なくとも前記中央薄肉形状の前記捕集電極配設壁部が存在する部分では、前記ガス流路の中心軸に垂直な断面が円形状(真円状)でないものとしてもよい。例えば、前記ガス流路は、前記断面が楕円形又は多角形状であってもよい。
本発明の微粒子検出素子において、前記筐体は、前記ガス流路を仕切る仕切り部を有しており、前記中央薄肉形状をした前記捕集電極配設壁部の少なくとも1つは、前記仕切り部であってもよい。この場合において、前記筐体は、前記中央薄肉形状をした前記捕集電極配設壁部を複数有し、前記中央薄肉形状をした前記捕集電極配設壁部の少なくとも1つは、前記筐体の外壁であってもよい。すなわち、前記中央薄肉形状をした前記捕集電極配設壁部は、少なくとも1つが前記筐体の外壁であり、少なくとも1つが前記仕切り部であってもよい。
本発明の微粒子検出素子において、前記中央薄肉形状をした前記捕集電極配設壁部の少なくとも1つは、前記断面において前記中央部分に向けて厚さが徐々に薄くなる形状をしていてもよい。こうすれば、例えば中央薄肉形状をした捕集電極配設壁部が厚さが急激に変化する段差部を有している場合と比べて、その捕集電極配設壁部の強度が高くなりやすい。
本発明の微粒子検出素子において、前記捕集電極の少なくとも1つが前記中央薄肉形状をしていてもよい。こうすれば、中央薄肉形状の捕集電極では、ガス流路の中央に位置する部分の熱容量が小さくなるため、その捕集電極のうち微粒子が付着しやすい部分の温度が上昇しやすくなる。したがって、その捕集電極に付着した微粒子をより短時間で除去できる。この場合において、前記中央薄肉形状をした前記捕集電極の少なくとも1つは、前記断面において前記中央部分に向けて厚さが徐々に薄くなる形状をしていてもよい。
本発明の微粒子検出素子において、前記捕集部は、前記ガス流路内に露出し前記捕集電極の少なくとも1つに向けて前記捕集対象を移動させる電界を発生させる電界発生電極を1以上有し、前記筐体は、前記電界発生電極が少なくとも1つ配設された電界発生電極配設壁部を1以上有し、前記電界発生電極配設壁部の少なくとも1つは、前記中央薄肉形状をしていてもよい。こうすれば、中央薄肉形状の捕集電極配設壁部に配設された捕集電極と同様に、中央薄肉形状の電界発生電極配設壁部に配設された電界発生電極についても、微粒子が多く付着する部分を速やかに昇温して微粒子を燃焼させることができる。
この場合において、前記電界発生電極は、各々が少なくとも1つの前記捕集電極に対向して配設されていてもよいし、各々が前記捕集電極に1対1に対向して配設されていてもよい。また、前記中央薄肉形状の前記電界発生電極配設壁部の少なくとも1つは、前記仕切り部であってもよいし、前記筐体の外壁であってもよい。前記中央薄肉形状の前記電界発生電極配設壁部の少なくとも1つは、前記断面において前記中央部分に向けて厚さが徐々に薄くなる形状をしていてもよい。
本発明の微粒子検出素子において、前記ガス流路は、該ガス流路の中心軸に垂直な断面が四角形状であってもよい。ここで、「四角形状」には略四角形状を含み、例えば捕集電極配設壁部が中央薄肉形状をしていることでガス流路が厳密な四角形状をしていない場合も含む。
本発明の微粒子検出素子において、前記捕集電極を含み前記ガス流路内に露出している複数の露出電極、を備え、前記筐体は、前記ガス流路に露出する内周面の一部であり前記複数の露出電極のうち少なくとも2つの電極を接続する部分である接続面を有し且つ前記中央薄肉形状をした接続壁部を有しており、前記加熱部は、前記接続壁部を加熱してもよい。ここで、微粒子検出素子の使用に伴って、微粒子の一部が筐体の内周面に付着していき、付着した微粒子が露出電極間の短絡経路を形成する場合がある。しかし、加熱部が接続壁部を加熱することで露出電極間の接続面に付着した微粒子を除去できる。しかも、中央薄肉形状をした接続壁部はガス流路の中央に位置する部分の熱容量が小さいため、接続壁部の接続面のうち微粒子が付着しやすい部分の温度が上昇しやすくなる。したがって、接続面に付着した微粒子を加熱部によってより短時間で除去できる。以上のことから、この微粒子検出素子は、例えば短絡経路の形成を抑制したり、短絡経路が形成されても速やかに短絡状態から回復したりできる。この場合において、前記露出電極は、1以上の前記捕集電極と、1以上の前記電界発生電極と、前記電荷発生部が有する複数の電極と、のうち2以上としてもよい。
本発明の微粒子検出器は、上述したいずれかの態様の微粒子検出素子と、前記捕集電極に捕集された前記捕集対象に応じて変化する物理量に基づいて、前記微粒子を検出する検出部と、を備えたものである。そのため、この微粒子検出器は、上述した本発明の微粒子検出素子と同様の効果、例えば捕集電極に付着した微粒子をより短時間で除去できる効果が得られる。この場合において、前記検出部は、前記物理量に基づいて、前記微粒子の量を検出してもよい。「微粒子の量」は、例えば微粒子の数,質量,表面積の少なくともいずれかであってもよい。この微粒子検出器において、前記捕集対象が前記微粒子に付加されなかった前記電荷である場合には、前記検出部は、前記物理量と、前記電荷発生部が発生させる電荷(例えば電荷の数又は電荷量)と、に基づいて、前記微粒子を検出してもよい。
なお、本明細書において、「電荷」とは、正電荷や負電荷のほかイオンを含むものとする。「微粒子の量を検出する」とは、微粒子の量を測定する場合のほか、微粒子の量が所定の数値範囲に入るか否か(例えば所定のしきい値を超えるか否か)を判定する場合も含むものとする。「物理量」とは、捕集対象の数(電荷量)に基づいて変化するパラメータであればよく、例えば電流などが挙げられる。
微粒子検出器10の概略構成を表す斜視図。 図1のA−A断面図。 図1のB−B断面の部分断面図。 微粒子検出素子11の分解斜視図。 変形例の第2外壁115bの断面図。 変形例の筐体112の部分断面図。 変形例の微粒子検出器710の断面図。
次に、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は本発明の一実施形態である微粒子検出器10の概略構成を表す斜視図である。図2は、図1のA−A断面図であり、図3は図1のB−B断面の部分断面図であり、図4は微粒子検出素子11の分解斜視図である。なお、本実施形態において、上下方向,左右方向及び前後方向は、図1〜図3に示した通りとする。
微粒子検出器10は、ガス(例えば自動車の排ガス)に含まれる微粒子17の数を計測するものである。この微粒子検出器10は、図1,2に示すように、微粒子検出素子11を備えている。また、微粒子検出器10は、図2に示すように、放電用電源29と、除去用電源39と、捕集用電源49と、検出装置50と、ヒータ用電源69とを備えている。微粒子検出素子11は、図2に示すように、筐体12と、電荷発生装置20と、余剰電荷除去装置30と、捕集装置40と、ヒータ装置60と、を備えている。
筐体12は、ガスが通過するガス流路13を内部に有している。ガス流路13は、図2に示すように、筐体12内にガスを導入するガス導入口13aと、ガス導入口13aよりも下流側に位置しガスの流れが分岐する複数(ここでは3つ)の分岐流路13b〜13dと、を有している。ガス導入口13aから筐体12内に導入されたガスは、分岐流路13b〜13dを通って筐体12外に排出される。ガス流路13は、ガス流路13の中心軸に垂直な断面(ここでは上下左右方向に沿った断面)が略四角形状をしている。ガス導入口13a,及び分岐流路13b〜13dのいずれも、ガス流路13の中心軸に垂直な断面が略四角形状をしている。筐体12は、図1及び図4に示すように、長尺な略直方体形状をしている。筐体12は、図2〜図4に示すように、複数の層(ここでは第1〜第11層14a〜14k)を所定の積層方向(ここでは上下方向)に積層した積層体として構成されている。筐体12は絶縁体であり、例えばアルミナなどのセラミックス製である。第4〜第8層14d〜14hの各々には各層を厚さ方向(ここでは上下方向)に貫通する貫通孔又は切り欠きが設けられており、この貫通孔又は切り欠きがガス流路13となっている。図3に示すように、第4,第6,第8層14d,14f,14hはそれぞれ分岐流路13b,13c,13dの側壁(ここでは左右の壁)を構成している。本実施形態では、第4,第6,第8層14d,14f,14hは他の層よりも厚さが厚くなっている。第4,第6,第8層14d,14f,14hは、各々が複数の層を有する積層体であってもよい。
筐体12は、図2,3に示すように、ガス流路13に面しており捕集電極42と電界発生電極44との少なくとも一方が配設された第1〜第4壁部15a〜15dを有している。第1壁部15aは、第1〜第3層14a〜14cのうちガス流路13の直上に位置する部分である。第1壁部15aの下面はガス流路13の天井面を構成している。第1壁部15aは、筐体12のうち上側の外壁の一部である。第1壁部15aの下面には放電電極21a,印加電極32,及び第1電界発生電極44aが配設されている。第2壁部15bは、第5層14eのうちガス流路13に面する部分(分岐流路13bの直下及び分岐流路13cの直上に位置する部分)である。第2壁部15bは、分岐流路13bと分岐流路13cとを上下に仕切る仕切り部として構成されている。第2壁部15bの上面には第1捕集電極42aが配設され、下面には第2電界発生電極44bが配設されている。第3壁部15cは、第7層14gのうちガス流路13に面する部分(分岐流路13cの直下及び分岐流路13dの直上に位置する部分)である。第3壁部15cは、分岐流路13cと分岐流路13dとを上下に仕切る仕切り部として構成されている。第3壁部15cの上面には第2捕集電極42bが配設され、下面には第3電界発生電極44cが配設されている。第4壁部15dは、第9〜第11層14i〜14kのうちガス流路13の直下に位置する部分である。第4壁部15dの上面はガス流路13の底面を構成している。第4壁部15dは、筐体12のうち下側の外壁の一部である。第4壁部15dの上面には放電電極21b,除去電極34,及び第3捕集電極42cが配設されている。
第1〜第4壁部15a〜15dは、いずれも、図3に示すように、ガス流路13の中心軸に垂直な断面において中央部分(ここでは左右方向の中央部分)の厚さがそれ以外の部分よりも薄くなっている形状をしている。以下では、このような形状を中央薄肉形状と称する。第1〜第4壁部15a〜15dは、いずれも、左右方向の中央部分に向けて厚さが徐々に薄くなる形状をしている。第1〜第4壁部15a〜15dは、いずれも、上下面のうちガス流路13に面する部分が湾曲面になっており、これにより中央薄肉形状に形成されている。中央薄肉形状は、厚みの最小値が厚みの最大値の96%未満であるような形状としてもよい。中央薄肉形状は、厚みの最小値が50μm以上であるような形状としてもよい。
第1〜第4壁部15a〜15dは、ガス流路13の中心軸に垂直ないずれの断面においても中央部分の厚さがそれ以外の部分よりも薄くなっている。そのため、第1壁部15aの一部であり図2に示す接続壁部70a,70b、及び第4壁部15dの一部であり図2に示す接続壁部70c,70dについても、図3に示した形状と同様にガス流路13に面する部分が湾曲した中央薄肉形状に形成されている。接続壁部70aは、筐体12のうちガス流路13に露出する内周面の一部であり放電電極21aと印加電極32とを前後方向に接続する部分である接続面72aを有する。同様に、接続壁部70bは、筐体12の内周面の一部であり印加電極32と第1電界発生電極44aとを前後方向に接続する部分である接続面72bを有する。接続壁部70cは、筐体12の内周面の一部であり放電電極21bと除去電極34とを前後方向に接続する部分である接続面72cを有する。接続壁部70dは、筐体12の内周面の一部であり除去電極34と第3捕集電極42cとを前後方向に接続する部分である接続面72dを有する。接続面72a,72bはそれぞれ接続壁部70a,70bの下面であり、接続面72c,72dはそれぞれ接続壁部70c,70dの上面である。接続面72a〜72dは、導電性を有する微粒子17が付着することで電極間の短絡経路となりうる面である。例えば接続面72aは、放電電極21aと印加電極32との短絡経路となりうる面である。
電荷発生装置20は、図2に示すように、筐体12のガス導入口13aに近い側に設けられた第1,第2電荷発生装置20a,20bを有している。第1電荷発生装置20aは、第1壁部15aに配設された放電電極21a及び誘導電極24aを有している。放電電極21a及び誘導電極24aは、誘電体層の役割を果たす第3層14cの表裏にそれぞれ設けられている。放電電極21aは第1壁部15aの下面に設けられ、ガス流路13内に露出している。第2電荷発生装置20bは、第4壁部15dに配設された放電電極21b及び誘導電極24bを有している。放電電極21b及び誘導電極24bは、誘電体層の役割を果たす第9層14iの表裏にそれぞれ設けられている。放電電極21bは第4壁部15aの上面に設けられ、ガス流路13内に露出している。放電電極21a,21bの各々は、長方形状の金属薄板の互いに向かい合う長辺に複数の三角形状の微細な突起22を有している(図1参照)。誘導電極24a,24bの各々は、長方形状の電極であり、放電電極21a,21bの長手方向と平行に2本設けられている。放電電極21a,21bと誘導電極24a,24bとは、放電用電源29に接続されている。誘導電極24a,24bはグランドに接続されていてもよい。
第1電荷発生装置20aでは、放電電極21aと誘導電極24aとの間に放電用電源29から高周波の高電圧(例えばパルス電圧等)が印加されると、両電極間の電位差により放電電極21aの近傍で気中放電(ここでは誘電体バリア放電)が起こる。第2電荷発生装置20bについても同様に、放電用電源29からの高電圧による放電電極21bと誘導電極24bとの電位差により放電電極21bの近傍で気中放電が起こる。これらの放電によって、放電電極21a,21bの周囲に存在するガスがイオン化されて、電荷18(ここでは正電荷とする)が発生する。これにより、電荷発生装置20を通過するガス中の微粒子17は電荷18が付加されて帯電微粒子Pになる(図2参照)。
余剰電荷除去装置30は、印加電極32と除去電極34とを有している。印加電極32及び除去電極34は、電荷発生装置20の下流且つ捕集装置40の上流に位置している。印加電極32は第1壁部15aの下面に設けられ、ガス流路13内に露出している。除去電極34は第4壁部15dの上面に設けられ、ガス流路13内に露出している。印加電極32と除去電極34とは互いに向かい合う位置に配設されている。印加電極32は、除去用電源39から微小な正電位V2が印加される電極である。除去電極34は、グランドに接続された電極である。これにより、余剰電荷除去装置30の印加電極32と除去電極34との間には弱い電界が発生する。したがって、電荷発生装置20で発生した電荷18のうち、微粒子17に付加されなかった余剰の電荷18は、この弱い電界によって除去電極34に引き寄せられて捕獲され、グランドに捨てられる。これにより、余剰電荷除去装置30は、余剰の電荷18が捕集装置40の捕集電極42に捕集されて微粒子17の数にカウントされてしまうことを抑制している。
捕集装置40は、捕集対象(ここでは帯電微粒子P)を捕集するための装置であり、電荷発生装置20及び余剰電荷除去装置30よりも下流の分岐流路13b〜13dに設けられている。捕集装置40は、帯電微粒子Pを捕集する1以上の捕集電極42と、帯電微粒子Pを捕集電極42に向けて移動させる1以上の電界発生電極44と、を有している。本実施形態では、捕集装置40は捕集電極42として第1〜第3捕集電極42a〜42cを有し、電界発生電極44として第1〜第3電界発生電極44a〜44cを有している。第1電界発生電極44aは第1壁部15aの下面に配設され、第1捕集電極42aは第2壁部15bの上面に配設されている。第1電界発生電極44aと第1捕集電極42aとは互いに上下に向かい合う位置に配設され、いずれも分岐流路13bに露出している。第2電界発生電極44bは第2壁部15bの下面に配設され、第2捕集電極42bは第3壁部15cの上面に配設されている。第2電界発生電極44bと第2捕集電極42bとは互いに上下に向かい合う位置に配設され、いずれも分岐流路13cに露出している。第3電界発生電極44cは第3壁部15cの下面に配設され、第3捕集電極42cは第4壁部15dの上面に配設されている。第3電界発生電極44cと第3捕集電極42cとは互いに上下に向かい合う位置に配設され、いずれも分岐流路13dに露出している。第1〜第3電界発生電極44a〜44cには、いずれも捕集用電源49から電圧V1が印加される。第1〜第3捕集電極42a〜42cは、いずれも電流計52を介してグランドに接続されている。これにより、分岐流路13bには第1電界発生電極44aから第1捕集電極42aに向かう電界が発生し、分岐流路13cには第2電界発生電極44bから第2捕集電極42bに向かう電界が発生し、分岐流路13dには第3電界発生電極44cから第3捕集電極42cに向かう電界が発生する。したがって、ガス流路13を流れる帯電微粒子Pは、分岐流路13b〜13dのいずれかに入り込み、そこで発生している電界によって下方に移動させられ、第1〜第3捕集電極42a〜42cのいずれかに引き寄せられて捕集される。電圧V1はここでは正電位であり、電圧V1のレベルは例えば100Vオーダーから数kVである。各電極34,42の各々のサイズや各電極34,42上の各々の電界の強さ(すなわち電圧V1,V2の大きさ)は、帯電微粒子Pが除去電極34に捕集されることなく捕集電極42に捕集されるように、また、微粒子17に付着しなかった電荷18が除去電極34に捕集されるように、設定されている。
第1〜第3捕集電極42a〜42c及び第1〜第3電界発生電極44a〜44cは、いずれも、第1〜第4壁部15a〜15dと同様に中央薄肉形状をしている。すなわち、図3に示すように、捕集電極42及び電界発生電極44は、ガス流路13の中心軸に垂直な断面において中央部分(ここでは分岐流路13b〜13dの左右方向の中央に位置する部分)の厚さがそれ以外の部分よりも薄くなっている形状をしている。捕集電極42及び電界発生電極44は、いずれも、中央部分に向けて厚さが徐々に薄くなる形状をしている。第1〜第4壁部15a〜15dは、いずれも、上下面のうちガス流路13(ここでは分岐流路13b〜13d)に面する部分が湾曲面になっており、これにより中央薄肉形状に形成されている。
検出装置50は、電流計52と演算装置54とを備えている。電流計52は、一方の端子が捕集電極42に接続され、もう一方の端子がグランドに接続されている。この電流計52は、捕集電極42に捕集された帯電微粒子Pの電荷18に基づく電流を測定する。演算装置54は、電流計52の電流に基づいて微粒子17の個数を演算する。演算装置54は、各電源29,39,49,69のオンオフや電圧を制御することで各装置20,30,40,60を制御する制御部としての機能を有していてもよい。
ヒータ装置60は、第10層14iと第11層14kとの間に配設されて第4壁部15dに埋設されたヒータ電極62を有している。ヒータ電極62は、例えばジグザグに引き回された帯状の発熱体である。ヒータ電極62は、少なくとも第3捕集電極42cの真下に存在するように配置されている。ヒータ電極62は、本実施形態ではガス流路13の真下の領域のほぼ全体に亘って引き回されており、放電電極21b及び除去電極34の真下にも存在している。ヒータ電極62は、ヒータ用電源69に接続され、ヒータ用電源69によって通電されると発熱する。ヒータ電極62が発生させた熱は、例えば筐体12を介した熱伝導やガス流路13を介した輻射などにより捕集電極42などの各電極及び筐体12に伝達されて、これらの電極及び筐体12の内周面を加熱する。
図1,4に示すように、筐体12の左端の上下面には、それぞれ複数の端子19が配設されている。上述した各電極21a,21b,24a,24b,32,34,42,44は、筐体12内に配設された配線を介して、この複数の端子19のいずれかと電気的に導通している。同様に、ヒータ電極62は配線を介して2つの端子19と電気的に導通している。配線は、例えば第1〜第11層14a〜14kの上下面に配設されたり、第1〜第11層14a〜14kに設けられたスルーホール内に配設されたりしている。図2では図示を省略しているが、各電源29,39,49,69及び電流計52は、この端子19を介して微粒子検出素子11内の各電極と導通している。
こうして構成された微粒子検出素子11の製造方法を以下に説明する。まず、第1層〜第11層14a〜14kに対応して、セラミックスの原料粉末を含む未焼成のセラミックスグリーンシートを複数用意する。第4〜第8層14d〜14hに対応するグリーンシートには、ガス流路13となる空間及びスルーホールを予め打ち抜き処理などによって設けておく。次に、第1〜第11層14a〜14kの各々に対応して、各セラミックスグリーンシートに種々のパターンを形成するパターン印刷処理及び乾燥処理を行う。形成するパターンは、具体的には、例えば上述した各電極や各電極に接続される配線及び端子19などのパターンである。パターン印刷は、公知のスクリーン印刷技術を利用してグリーンシート上にパターン形成用ペーストを塗布することにより行う。パターン印刷処理中又はその前後において、配線となる導電性ペーストのスルーホールへの充填も行う。続いて、グリーンシート同士を積層及び接着するための接着用ペーストの印刷処理及び乾燥処理を行う。そして、接着用ペーストを形成したグリーンシートを所定の順序に積層して、所定の温度・圧力条件を加えることで圧着させ、一つの積層体とする圧着処理を行う。この圧着処理を行う際には、ガス流路13となる空間に、焼成によって消失する消失材(例えばテオブロミンなど)を充填しておく。その後、積層体を切断して筐体12の大きさの積層体を切り出す。そして、切り出した積層体を所定の焼成温度で焼成する。焼成時には消失材が消失するため、消失材が充填されていた部分がガス流路13となる。これにより、微粒子検出素子11を得る。
微粒子検出素子11の製造工程において、中央薄肉形状の第1〜第4壁部15a〜15d、捕集電極42及び電界発生電極44は、以下のように形成することができる。例えば、上述した圧着処理中に充填する消失材の厚みを調整して、ガス流路13となる空間のうち左右方向の中央部分の消失材が厚くなるようにする。こうすれば、複数のグリーンシートを積層して圧力を加える際に第1〜第4壁部15a〜15d、捕集電極42及び電界発生電極44となる部分は左右方向の中央部分が他の部分よりも押圧されて凹むため、中央薄肉形状となる。あるいは、グリーンシートの成形時に第1〜第4壁部15a〜15dが中央薄肉形状となるような成形型を用いてもよい。また、捕集電極42及び電界発生電極44のパターン形成時に、中央部分以外の印刷回数を増やすなどによりパターンの厚さを調整して各々の電極が中央薄肉形状になるようにしてもよい。
このように、筐体12をセラミック材料で構成する場合、以下の効果が得られる点で好適である。セラミック材料は一般に耐熱性が高く、ヒータ電極62により後述する微粒子17の除去を行うための温度、例えば微粒子17の主成分であるカーボンが燃焼する600℃から800℃もの高温にも、容易に耐える。さらに、セラミック材料は一般にヤング率が高いため、筐体12の壁部や仕切り部の厚さを薄くしても筐体12の剛性を維持しやすく、熱衝撃や外力による筐体12の変形を抑制できる。筐体12の変形が抑制されることで、例えば電荷発生装置20の放電時のガス流路13中の電界分布の変化や分岐流路13b〜13dの流路厚(ここでは上下の高さ)の変化などによる微粒子数の検出精度の低下を抑制できる。したがって、筐体12をセラミック材料で構成することで、筐体12の変形を抑制しつつ筐体12の壁部や仕切り部の厚さを薄くして筐体12をコンパクトにできる。セラミック材料としては、特に限定するものではないが、例えば、アルミナ、窒化ケイ素、ムライト、コージェライト、マグネシア、ジルコニアなどが挙げられる。
次に、微粒子検出器10の使用例について説明する。自動車の排ガスに含まれる微粒子を計測する場合、エンジンの排気管内に微粒子検出素子11を取り付ける。このとき、排ガスがガス導入口13aから筐体12内に導入され、分岐流路13b〜13dを通過してから排出されるように微粒子検出素子11を取り付ける。また、微粒子検出素子11に各電源29,39,49,69、及び検出装置50を接続する。
ガス導入口13aから筐体12内に導入された排ガスに含まれる微粒子17は、電荷発生装置20の放電によって発生した電荷18(ここでは正電荷)を帯びて帯電微粒子Pになる。帯電微粒子Pは、電界が弱く除去電極34の長さが捕集電極42よりも短い余剰電荷除去装置30をそのまま通過して分岐流路13b〜13dのいずれかに流入し、捕集装置40に至る。一方、微粒子17に付加されなかった電荷18は、電界が弱くても余剰電荷除去装置30の除去電極34に引き寄せられ、除去電極58を介してGNDに捨てられる。これにより、微粒子17に付加されなかった不要な電荷18は捕集装置40にほとんど到達することがない。
捕集装置40に到達した帯電微粒子Pは、電界発生電極44が発生させた電界によって第1〜第3捕集電極42a〜42cのいずれかに捕集される。そして、捕集電極42に付着した帯電微粒子Pの電荷18に基づく電流が電流計52で測定され、その電流に基づいて演算装置54が微粒子17の個数を演算する。本実施形態では、第1〜第3捕集電極42a〜42cは1つの電流計52に接続されており、第1〜第3捕集電極42a〜42cに付着した帯電微粒子Pの電荷18の合計数に基づく電流が電流計52で測定される。電流Iと電荷量qの関係は、I=dq/(dt)、q=∫Idtである。演算装置54は、所定期間にわたって電流値を積分(累算)してその積分値(蓄積電荷量)を求め、蓄積電荷量を素電荷で除算して電荷の総数(捕集電荷数)を求め、その捕集電荷数を1つの微粒子17に付加する電荷の数の平均値(平均帯電数)で除算することで、捕集電極42に付着していた微粒子17の個数Ntを求める。演算装置54は、この個数Ntを排ガス中の微粒子17の数として検出する。ただし、微粒子17の一部が捕集電極42に捕集されずに通過してしまったり、捕集電極42に捕集される前に筐体12の内周面に付着してしまったりする場合もある。そのため、このような捕集電極42に捕集されない微粒子17の割合を考慮して予め微粒子17の捕集率を定めておき、演算装置54は、個数Ntをその捕集率で除した値である総数Naを、排ガス中の微粒子17の数として検出してもよい。
微粒子17等が捕集電極42に数多く堆積すると、新たに帯電微粒子Pが捕集電極42に捕集されないことがある。そのため、定期的にあるいは堆積量が所定量に達したタイミングで、捕集電極42をヒータ電極62によって加熱することにより、捕集電極42上の堆積物を加熱して焼却し捕集電極42の電極面をリフレッシュする。
ここで、排ガス中の微粒子17は筐体12内のガス流路13の中心軸に近い領域の方が濃度が高くなる傾向にある。そのため、捕集電極42のうちガス流路13の中心軸に近い部分には微粒子17が付着しやすい。例えば分岐流路13bでは、図3に示す断面における分岐流路13bの中心軸すなわち上下左右の中央に近い領域の方が、微粒子17の濃度が高くなる傾向にある。そのため、第1捕集電極42aのうち分岐流路13bの中心軸に近い部分、すなわち第1捕集電極42aのうち分岐流路13bの左右の中央に位置する部分は、それ以外の部分よりも微粒子17が付着しやすい。第2捕集電極42b及び第3捕集電極42cについても同様に、分岐流路13c,13dの左右の中央に位置する部分の方が微粒子17が付着しやすい。そして、本実施形態の微粒子検出素子11では、筐体12のうち捕集電極42が配設された捕集電極配設壁部である第2〜第4壁部15b〜15dが、ガス流路13の中心軸に垂直な断面において中央部分がそれ以外の部分よりも薄くなっている中央薄肉形状をしている。そのため、中央薄肉形状の第2〜第4壁部15b〜15dでは、中央部分が他の部分よりも熱容量が小さく、温度が上昇しやすい。したがって、第1〜第3捕集電極42a〜42cに付着した微粒子17をヒータ装置60が加熱する際には、第1〜第3捕集電極42a〜42cのうち微粒子17が付着しやすい部分(上述したガス流路13の中心軸に近い部分)の温度が上昇しやすい。これにより、第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々について、微粒子17が多く付着する部分を速やかに昇温して微粒子17を燃焼させることができる。その結果、捕集電極42に付着した微粒子17をより短時間で除去できる。ヒータ装置60により微粒子17を燃焼させている間は、演算装置54が微粒子17の個数を検出することができない期間(不感時間)となるが、本実施形態の微粒子検出素子11ではこの不感時間を短くすることができる。
捕集電極42の他に、ガス流路13に露出した電極(ここでは放電電極21a,21b、印加電極32、除去電極34及び電界発生電極44)にも、微粒子17が付着して堆積する場合がある。ヒータ装置60により捕集電極42の電極面をリフレッシュする際には、これらの電極のうち1以上についても付着した微粒子17等を燃焼させて電極面をリフレッシュしてもよい。このとき、第1〜第4壁部15a〜15dはガス流路13の中心軸に垂直ないずれの断面においても中央部分の厚さがそれ以外の部分よりも薄くなっている。そのため、捕集電極42以外の電極に付着した微粒子17を除去する際にも、捕集電極42と同様に各電極のうち微粒子17が多く付着する部分を速やかに昇温して微粒子17を燃焼させることができる。
ここで、本実施形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施形態の筐体12が本発明の筐体に相当し、電荷発生装置20が電荷発生部に相当し、捕集装置40が捕集部に相当し、ヒータ装置60が加熱部に相当し、第2〜第4壁部15b〜15dが捕集電極配設壁部に相当する。また、第1〜第3壁部15a〜15cが電界発生電極配設壁部に相当し、放電電極21a,21b,印加電極32,除去電極34,捕集電極42,及び電界発生電極44が露出電極に相当し、検出装置50が個検出部に相当する。
以上詳述した本実施形態の微粒子検出素子11では、筐体12のうち捕集電極42が配設された捕集電極配設壁部である第2〜第4壁部15b〜15dのいずれもが中央薄肉形状をしている。そのため、第2〜第4壁部15b〜15dは左右方向の中央部分が他の部分よりも熱容量が小さく、温度が上昇しやすい。これにより、微粒子検出素子11は、捕集電極42のうち微粒子17が多く付着する部分、すなわち第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々のうちガス流路13の中心軸に近い部分を、ヒータ装置60により速やかに昇温して微粒子17を燃焼させることができる。したがって、第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々に付着した微粒子17をより短時間で除去できる。ここで、第2〜第4壁部15b〜15d全体を薄くしてこれらの熱容量を小さくすることも考えられるが、その場合には筐体12の強度が低下しやすい。第2〜第4壁部15b〜15dを中央薄肉形状とすることで、筐体12の強度低下を抑制しつつ捕集電極42に付着した微粒子17を短時間で除去できる。また、第2〜第4壁部15b〜15dを中央薄肉形状とすることで、第2〜第4壁部15b〜15d全体を薄くする場合と比較して中央部分をより集中的に加熱できる。
また、筐体12は、ガス流路13を仕切る仕切り部として機能する第2,第3壁部15b,15cを有している。仕切り部を設けて、ガス流路13を分岐させる構造には、以下に記載するような効果がある。比較例として、図2において、第2,第3壁部15b,15cを除いた構造を考える。その場合、帯電微粒子Pは、第1電界発生電極44aと第3捕集電極42cとの間に形成される電界によってのみ、斥力ないし引力を受ける。その際、第1電界発生電極44aに印加する電圧は、上述した実施形態の電圧V1の約3倍(3V1)だけ印加しないと、上述した実施形態で捕集した粒子相当の粒子を捕集することができない(ただし、第2壁部15bと第3壁部15cの厚みは、ガス流路13の厚みに比べて十分小さいと仮定する)。すなわち、仕切り部を設けることにより、印加電圧の低減を図ることが可能であり、結果として、捕集用電源49の信頼性向上や、電圧V1を印加するために微粒子検出素子11に設けられた端子19間の短絡等を未然に防止することが可能である。
また、中央薄肉形状をした捕集電極配設壁部である第2〜第4壁部15b〜15dは、いずれも、ガス流路13の中心軸に垂直な断面においてガス流路13の中央部分に向けて厚さが徐々に薄くなる形状をしている。そのため、例えば第2〜第4壁部15b〜15dが厚さが急激に変化する段差部を有していることで中央薄肉形状になっている場合と比べて、第2〜第4壁部15b〜15dの強度が高くなりやすい。
さらに、第1〜第3捕集電極42a〜42cがいずれも中央薄肉形状をしているため、これらの電極についてもガス流路13の左右方向の中央に位置する部分の熱容量が小さくなる。これにより、第1〜第3捕集電極42a〜42cのうち微粒子17が付着しやすい部分の温度が上昇しやすくなり、第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々に付着した微粒子17をより短時間で除去できる。また、第1〜第3捕集電極42a〜42cは、中央薄肉形状をしていることで、例えば厚さが一定の形状をしている場合と比較して上面の表面積が大きくなっている。そのため、第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々について、微粒子17の堆積量の許容値が大きくなる。これにより、新たな帯電微粒子Pが捕集電極42に捕集されない状態になることを抑制したり、捕集電極42の電極面をリフレッシュするためのヒータ装置60の使用間隔を長くしたりすることができる。
さらにまた、筐体12は、電界発生電極44が配設された電界発生電極配設壁部である第1〜第3壁部15a〜15cを有し、この第1〜第3壁部15a〜15cのいずれもが中央薄肉形状をしている。そのため、中央薄肉形状の第2〜第4壁部15b〜15dに配設された第1〜第3捕集電極42a〜42cと同様に、第1〜第3壁部15a〜15cに配設された第1〜第3電界発生電極44a〜44cについても、微粒子17が多く付着する部分を速やかに昇温して微粒子17を燃焼させることができる。そしてまた、第1〜第3電界発生電極44a〜44cがいずれも中央薄肉形状をしているため、これらの電極についてもガス流路13の左右方向の中央に位置する部分の熱容量が小さくなり、各々の電極に付着した微粒子17をより短時間で除去できる。
そしてまた、微粒子検出素子11は、ガス流路13内に露出している複数の露出電極(ここでは放電電極21a,21b,印加電極32,除去電極34,捕集電極42,及び電界発生電極44)を備えている。また、筐体12は、ガス流路13に露出する内周面の一部であり複数の露出電極のうち少なくとも2つの電極を接続する部分である接続面72aを有し且つ中央薄肉形状をした接続壁部70aを有している。同様に、筐体12は、接続面72b〜72dをそれぞれ有し且つ中央薄肉形状をした接続壁部70b〜70dを有している。そして、ヒータ装置60は、接続壁部70a〜70dを加熱する。ここで、微粒子検出素子11の使用に伴って、微粒子17の一部が筐体12の内周面に付着していく場合がある。一般に、微粒子17は例えば炭素などの導電性を有する材料であることが多いため、微粒子17が筐体12の内周面に多量に付着していくと、微粒子17が筐体12の内周面に沿った短絡経路を形成して、内周面に露出した電極間を短絡させてしまう可能性がある。しかし、ヒータ装置60は、接続壁部70a〜70dを加熱することで、露出電極間の接続面72a〜72dに付着した微粒子を除去できる。しかも、中央薄肉形状をした接続壁部70a〜70dはガス流路13の中央に位置する部分の熱容量が小さいため、接続壁部70a〜70dの接続面72a〜72dのうち微粒子17が付着しやすい部分の温度が上昇しやすくなる。したがって、接続壁部70a〜70dが中央薄肉形状であることで、接続面72a〜72dに付着した微粒子17をヒータ装置60によってより短時間で除去できる。以上のことから、微粒子検出素子11は、例えば短絡経路の形成を抑制したり、短絡経路が形成されても速やかに短絡状態から回復したりできる。微粒子検出素子11が速やかに短絡状態から回復できることで、微粒子検出素子11の応答不能時間(微粒子17の数を検出できない期間)を短くすることができる。
そしてさらにまた、筐体12は絶縁体(誘電体)であり、電荷発生装置20は、ガス流路13に露出した放電電極21a,21bと、筐体12に埋設された誘導電極24a,24bと、を有している。これにより、筐体12のうち放電電極21a,21bと誘導電極24a,24bとに挟まれた部分が誘電体層の役割を果たし、電荷発生装置20は、放電電極21a,21bの近傍で生じる誘電体バリア放電によって電荷18を発生させて、微粒子17を帯電微粒子Pにすることができる。そのため、例えば針状の放電電極を用いてコロナ放電により電荷18を発生させる場合と比較して、低電圧及び低消費電力で同等の電荷量を発生させることができる。また、誘導電極24a,24bが筐体12に埋設されているため、誘導電極24a,24bと他の電極との短絡を未然に防止できる。さらに、放電電極21a,21bが複数の突起22を有しているため、より高濃度の電荷18が生成可能となる。また、放電電極21a,21bは筐体12のうちガス流路13に露出する内周面に沿って配設されている。そのため、例えば針状の放電電極をガス流路13に露出するように配設する場合と比較して、筐体12と放電電極21a,21bとの一体製造が容易で、放電電極21a,21bがガスの流れを阻害しにくく、放電電極21a,21bに微粒子が付着しにくい。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、第1〜第3捕集電極42a〜42cはいずれも中央薄肉形状としたが、これに限らず少なくとも1つが中央薄肉形状であってもよいし、いずれもが中央薄肉形状でなくともよい。電界発生電極44についても同様である。また、ガス流路13に露出する電極(上述した実施形態では放電電極21a,21b、印加電極32、除去電極34、捕集電極42及び電界発生電極44)がいずれも中央薄肉形状であってもよい。
上述した実施形態では、中央薄肉形状をした壁部及び電極のいずれもが、ガス流路13の中心軸に垂直な断面において中央部分(ガス流路13の中心軸に近い部分)に向けて厚さが徐々に薄くなる形状をしていたが、これに限られない。例えば、図5に示す変形例の第2外壁115bのように、中央薄肉形状として、段差部を有する形状を採用してもよい。この場合、中央部分だけに薄肉部を配置できるため、中央部分をより集中的に加熱できる。図5の第2外壁115bは、上面に段差部を有するが、上面と下面との少なくとも一方に段差部があればよい。また、図5の第1捕集電極142aは、第2外壁115bの段差部に倣って段差部を有するが、厚さは一定になっている。ただし、第1捕集電極142aの段差部の高さを大きくして、第1捕集電極142aの中央部分の厚さが薄い中央薄肉形状としてもよい。同様に、第2電界発生電極144bは、図5では厚さが一定になっているが、段差部を有する中央薄肉形状としてもよい。
上述した実施形態では、電界発生電極配設壁部である第1〜第3壁部15a〜15cはいずれも中央薄肉形状としたが、これに限らず少なくとも1つが中央薄肉形状であってもよいし、いずれもが中央薄肉形状でなくともよい。
上述した実施形態では、捕集電極配設壁部である第2〜第4壁部15b〜15dはいずれも中央薄肉形状としたが、これに限らず少なくとも1つが中央薄肉形状であればよい。例えば、第2〜第4壁部15b〜15dのうち、複数の捕集電極42のうちヒータ電極62に最も近い第3捕集電極42cが配設された第4壁部15dを中央薄肉形状としなくてもよい。あるいは、第2〜第4壁部15b〜15dのうち、複数の捕集電極42のうちヒータ電極62から最も遠い第1捕集電極42aが配設された第2壁部15bを少なくとも中央薄肉形状としてもよい。
上述した実施形態では、第1〜第4壁部15a〜15dのいずれもが、ガス流路13の中心軸に垂直ないずれの断面においても中央部分の厚さがそれ以外の部分よりも薄くなっていたが、これに限られない。捕集電極配設壁部(例えば第2〜第4壁部15b〜15d)を中央薄肉形状とする場合には、少なくとも自身に配設された捕集電極42を通り且つガス流路13の中心軸に垂直ないずれかの断面において、中央薄肉形状であればよい。ただし、捕集電極配設壁部を中央薄肉形状とする場合には、自身に配設された捕集電極42を通り且つガス流路13の中心軸に垂直ないずれの断面においても、中央部分の厚さがそれ以外の部分よりも薄くなっていることが好ましい。電界発生電極配設壁部(例えば第1〜第3壁部15a〜15c)についても同様である。
上述した実施形態では、接続壁部70a〜70dが中央薄肉形状に形成されていたが、これに限られない。微粒子検出素子11が備える複数の露出電極のうち少なくとも2つの電極を接続する接続面を有する接続壁部が中央薄肉形状であれば、その2つの電極間について、短絡経路の形成を抑制したり短絡状態から速やかに回復したりする効果が得られる。例えば、第4層14dのうち図3において分岐流路13bの右側に位置する部分は、分岐流路13bの右側面を有する右側壁である。この右側壁を中央薄肉形状(ここでは上下方向の中央部分の厚さがそれ以外の部分よりも薄くなっている形状)にすれば、第1電界発生電極44aと第1捕集電極42aとの間について、上述した効果が得られる。
上述した実施形態では、第1〜第4壁部15a〜15dは、いずれも、上下面のうちガス流路13に面する部分が湾曲面になっていたが、これに限られない。例えば、外壁である第1,第2壁部15a,15dについては、ガス流路13に面する部分と外側の面との少なくとも一方が湾曲していてもよい。図6は、この場合の変形例の筐体112の部分断面図である。図6の第1,第2壁部115a,115bは、ガス流路13に面する部分と外側の面との両方が湾曲している。仕切り部である第2,第3壁部15b,15cについては、ガス流路13に面する部分が2つ存在するため、そのうちの一方が湾曲していなくてもよい。
上述した実施形態では、電界発生電極44はガス流路13に露出していたが、これに限らず筐体12に埋設されていてもよい。この場合、電界発生電極配設壁部や電界発生電極44を中央薄肉形状にする必要はない。また、第1電界発生電極44aに代えて、第1捕集電極42aを上下から挟むように配設された一対の電界発生電極を筐体12に設け、この一対の電界発生電極間に印加した電圧により生じる電界で、帯電微粒子Pを第1捕集電極42aに向けて移動させてもよい。第2〜第4電界発生電極44b〜44dについても同様である。
上述した実施形態では、第2〜第4壁部15b〜15dには捕集電極42が1つずつ配設されていたが、これに限らず捕集電極配設壁部には捕集電極42が1以上配設されていればよい。
上述した実施形態では、ガス流路13は中心軸に垂直な断面が略四角形状をしていたが、これに限られない。ガス流路13は、中心軸に近い領域の方がガス中の微粒子17の濃度が高くなるような形状であればよい。言い換えると、ガス流路13は、捕集電極42のうちガス流路13の中心軸に近い部分の方がそれ以外の部分よりも微粒子17が付着しやすくなるような形状であればよい。例えば、ガス流路13は、ガス流路13の中心軸に垂直な断面が楕円形であってもよいし、四角形以外の多角形状であってもよい。
上述した実施形態では、第1〜第11層14a〜14kの積層方向と第1〜第4壁部15a〜15d及び捕集電極42の厚み方向とが同じ上下方向であったが、これに限られない。例えば、積層方向と厚み方向とが垂直であってもよい。また、筐体12は積層体でなくてもよい。
上述した実施形態では、ヒータ装置60は第4壁部15dに埋設されたヒータ電極62を有していたが、これに限らずヒータ装置60はガス流路13に露出していてもよい。また、ヒータ装置60は、第1壁部15aに埋設されたヒータ電極も有するなど、複数のヒータ電極を有していてもよい。
上述した実施形態では、捕集装置40は捕集電極42及び電界発生電極44をそれぞれ複数備えていたが、これに限らず捕集電極42及び電界発生電極44をそれぞれ1以上有していればよい。また、分岐流路13b〜13dは捕集電極42の数に応じて設ければよい。例えば、図2,3において、筐体12が仕切り部である第2壁部15b及び第3壁部15cを備えないものとし、捕集装置40は1つの捕集電極42(ここでは第3捕集電極42c)と1つの電界発生電極44(ここでは第1電界発生電極44a)とを備えていてもよい。また、捕集電極42と電界発生電極44とは1対1に対向していたが、これに限られない。例えば、捕集電極42より電界発生電極44の数が少なくてもよい。例えば、図2において第2,第3電界発生電極44b,44cを省略して、第1電界発生電極44aが発生させる電界で第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々に向けて帯電微粒子Pを移動させてもよい。また、第1〜第3電界発生電極44a〜44cはいずれも帯電微粒子Pを下方向に移動させたが、これに限られない。例えば、図2における第1捕集電極42aと第1電界発生電極44aとを逆に配置してもよい。
上述した実施形態では、第1〜第3捕集電極42a〜42cは1つの電流計52に接続されていたが、これに限らず別々の電流計52に接続してもよい。こうすれば、演算装置54は第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々に付着した微粒子17の個数を別々に演算できる。この場合、例えば第1〜第3電界発生電極44a〜44cの各々に印加する電圧を異ならせたり、分岐流路13b〜13dの流路厚(図2,3では上下方向の高さ)を異ならせたりすることで、第1〜第3捕集電極42a〜42cの各々に異なる粒径の微粒子17が捕集されるようにしてもよい。
上述した実施形態において、第1〜第3電界発生電極44a〜44cには電圧V1を印加したが、電圧を印加しなくてもよい。電界発生電極44による電界を発生させない場合でも、分岐流路13b〜13dの流路厚を微小な値(例えば0.01mm以上0.2mm未満)としておくことで、ブラウン運動の激しい粒径の比較的小さな帯電微粒子Pを捕集電極42に衝突させることができる。これにより、捕集電極42が帯電微粒子Pを捕集できる。この場合、微粒子検出素子11は電界発生電極44を備えなくてもよい。
上述した実施形態において、第1,第2電荷発生装置20a,20bの一方を省略してもよい。また、誘導電極24a,24bは筐体12に埋設されていたが、放電電極と誘導電極との間に誘電体層が存在していれば、誘導電極はガス流路13に露出していてもよい。また、上述した実施形態では、放電電極21a,21bと誘導電極24a,24bとを備えた電荷発生装置20を採用したが、これに限られない。例えば、針状電極と、その針状電極にガス流路13を挟んで対向して配置された対向電極とを備えた電荷発生装置を採用してもよい。この場合、針状電極と対向電極との間に高電圧(例えば直流電圧又は高周波のパルス電圧等)が印加されると、両電極間の電位差により気中放電(ここではコロナ放電)が発生する。この気中放電中をガスが通過することにより、上述した実施形態と同様にガス中の微粒子17は電荷18が付加されて帯電微粒子Pになる。例えば、第1,第4壁部15a,15dの一方に針状電極を配設し、他方に対向電極を配設してもよい。
上述した実施形態では、筐体12内で電荷発生装置20よりもガスの流れの下流側に捕集電極42を設け、微粒子17を含むガスを電荷発生素子20の上流側から筐体12内に導入したが、特にこの構成に限定されない。また、上述した実施形態では、捕集電極42の捕集対象は帯電微粒子Pとしたが、捕集対象は微粒子17に付加されなかった電荷18であってもよい。例えば、図7に示す変形例の微粒子検出素子711及びこれを備えた微粒子検出器710の構成を採用してもよい。微粒子検出素子711は、余剰電荷除去装置30を備えず、電荷発生装置20,捕集装置40,及びガス流路13に代えて電荷発生装置720,捕集装置740,及びガス流路713を備えている。また、微粒子検出素子711の筐体12は、仕切り部を備えていない。電荷発生装置720は、放電電極721と放電電極721に対向して配置された対向電極722とを有している。放電電極721と対向電極722との間には放電用電源29から高電圧が印加される。また、微粒子検出器710は、放電用電源29が電圧を印加する際の電流を測定する電流計28を備えている。捕集装置740は、筐体12のガス流路713の内周面のうち対向電極722と同じ側(ここでは上側)に配設された捕集電極742と、筐体12に埋設され且つ捕集電極742の下方に配設された電界発生電極744と、を備えている。捕集電極742には検出装置50が接続され、電界発生電極744には捕集用電源49が接続されている。対向電極722と捕集電極742とは同電位であってもよい。ガス流路713は、空気導入口713eと、ガス導入口713aと、混合領域713fと、ガス排出口713gと、を有している。空気導入口713eは、電荷発生装置20を経由するように微粒子17を含まないガス(ここでは空気)を筐体12内に導入する。ガス導入口713aは、電荷発生装置20を経由せずに微粒子17を含むガスを筐体12内に導入する。混合領域713fは電荷発生装置720の下流且つ捕集装置740の上流に設けられ、この混合領域713fで空気導入口713eからの空気とガス導入口713aからのガスとが混合される。ガス排出口713gは、混合領域713f及び捕集装置740を通過した後のガスを筐体12外に排出する。また、この微粒子検出器710では、捕集電極742のサイズや捕集電極742上の電界の強さ(すなわち電圧V1の大きさ)は、帯電微粒子Pが捕集電極742に捕集されることなくガス排出口713gから排出されるように、また、微粒子17に付加されなかった電荷18が捕集電極742に捕集されるように、設定されている。
こうして構成された図7の微粒子検出器710では、放電用電源29が放電電極721側を高電位として放電電極721と対向電極722との間に電圧を印加すると、放電電極721の近傍で気中放電が生じる。これにより、放電電極721と対向電極722との間の空気中で電荷18が発生し、発生した電荷18が混合領域713fでガス中の微粒子17に付加される。そのため、微粒子17を含むガスが電荷発生装置720を通過しなくとも、電荷発生装置720は電荷発生装置20と同様に微粒子17を帯電微粒子Pにすることができる。
また、図7の微粒子検出器710では、捕集用電源49が印加する電圧V1によって電界発生電極744から捕集電極742に向かう電界が発生し、これにより捕集電極742は捕集対象(ここでは微粒子17に付加されなかった電荷18)を捕集する。一方、帯電微粒子Pは、捕集電極742に捕集されずにガス排出口713gから排出される。そして、演算装置54は、捕集電極742に捕集された電荷18に基づく電流値を電流計52から入力し、入力した電流値に基づいてガス中の微粒子17の数を検出する。例えば、演算装置54は、電流計28で測定された電流値と電流計52で測定された電流値との電流差を導出し、導出した電流差の値を素電荷で除算して、捕集電極742に捕集されずにガス流路13を通過した電荷18の数(通過電荷数)を求める。そして、演算装置54は、通過電荷数を1つの微粒子17に付加する電荷18の数の平均値(平均帯電数)で除算することで、ガス中の微粒子17の個数Ntを求める。このように、捕集電極742の捕集対象が帯電微粒子Pではなく微粒子17に付加されなかった電荷18である場合でも、捕集電極742に捕集された捕集対象の数はガス中の微粒子17の数と相関があるから、微粒子検出素子711を用いてガス中の微粒子17の数を検出できる。
この図7の微粒子検出器710のように、捕集電極742の捕集対象が帯電微粒子Pではなく微粒子17に付加されなかった電荷18である場合も、微粒子検出素子711の使用に伴って捕集電極742に微粒子17が付着していく場合がある。一方、微粒子検出器710は、上述した実施形態と同様に、筐体12のうち捕集電極742が配設された捕集電極配設壁部である第1壁部15aが中央薄肉形状をしている。そのため、上述した実施形態と同様に、微粒子検出素子711においても、捕集電極742に付着した微粒子17をより短時間で除去できる。ここで、捕集電極742の捕集対象が微粒子17に付加されなかった電荷18である場合は、ヒータ装置60により微粒子17を燃焼させている間でも演算装置54がガス中の微粒子17の数の検出を行うことはできる。ただし、捕集電極742に微粒子17が多く付着すると、微粒子17によりガス流路13中のガスの流れに影響を与えるなどにより、微粒子17の数の検出精度が低下する場合がある。また、ヒータ装置60による筐体12の温度上昇により検出精度が低下する場合もある。そのため、微粒子検出素子711においても、捕集電極742に付着した微粒子17をより短時間で除去することが好ましい。
図7の微粒子検出素子711において、微粒子17に付加されない電荷18のうち捕集電極742に捕集されない電荷18の割合を考慮して予め電荷18の捕集率が定められていてもよい。この場合、演算装置54は、電流計52で測定された電流値を捕集率で除した値を、電流計28で測定された電流値から引くことで、電流差を導出してもよい。また、微粒子検出器710は電流計28を備えなくてもよい。この場合、例えば単位時間当たりに所定量の電荷18が発生するように演算装置54が放電用電源29からの印加電圧を調整するようにしておき、演算装置54は所定の電流値(電荷発生装置720が発生させる所定量の電荷18の数に対応する電流値)と電流計52で測定された電流値との電流差を導出すればよい。
上述した実施形態では、検出装置50はガス中の微粒子17の数を検出したが、これに限らずガス中の微粒子17を検出すればよい。例えば、検出装置50は、ガス中の微粒子17の数に限らず、ガス中の微粒子17の量を検出してもよい。微粒子17の量としては、微粒子17の数の他に、微粒子17の質量又は表面積が挙げられる。検出装置50がガス中の微粒子17の質量を検出する場合、例えば演算装置54が微粒子17の個数Ntにさらに1つの微粒子17あたりの質量(例えば質量の平均値)を乗じてガス中の微粒子17の質量を求めてもよい。あるいは、蓄積電荷量と捕集された帯電微粒子Pの合計質量との関係をマップとして予め演算装置54が記憶しており、演算装置54がこのマップを用いて蓄積電荷量からガス中の微粒子17の質量を直接導出してもよい。演算装置54がガス中の微粒子17の表面積を求める場合についても、ガス中の微粒子17の質量を求める場合と同様の方法を用いることができる。また、捕集電極42の捕集対象が微粒子17に付加されなかった電荷18である場合も、検出装置50は同様にして微粒子17の質量又は表面積を検出できる。
上述した実施形態では、正に帯電した帯電微粒子Pの個数を測定する場合について説明したが、負に帯電した帯電微粒子Pであっても同様にして微粒子17の個数を測定することができる。
本出願は、2017年9月6日に出願された日本国特許出願第2017−171120号を優先権主張の基礎としており、引用によりその内容の全てが本明細書に含まれる。
本発明は、ガス(例えば自動車の排ガス)に含まれる微粒子を検出する微粒子検出器に利用可能である。
10 微粒子検出器、11 微粒子検出素子、12 筐体、13 ガス流路、13a ガス導入口、13b〜13d 分岐流路、14a〜14k 第1〜第11層、15a〜15d 第1〜第4壁部、17 微粒子、18 電荷、19 端子、20 電荷発生装置、20a,20b 第1,第2電荷発生装置、21a,21b 放電電極、22 突起、24a,24b 誘導電極、29 放電用電源、30 余剰電荷除去装置、32 印加電極、34 除去電極、39 除去用電源、40 捕集装置、42 捕集電極、42a〜42c
第1〜第3捕集電極、44 電界発生電極、44a〜44c 第1〜第3電界発生電極、49 捕集用電源、50 検出装置、52 電流計、54 演算装置、60 ヒータ装置、62 ヒータ電極、69 ヒータ用電源、70a〜70d 接続壁部、72a〜72d 接続面、112 筐体、115a,115b,115d 第1,第2,第4壁部、142a 第1捕集電極、144b 第2電界発生電極、710 微粒子検出器、711 微粒子検出素子、713 ガス流路、713a ガス導入口、713e 空気導入口、713f 混合領域、713g ガス排出口、720 電荷発生装置、721 放電電極、722 対向電極、740 捕集装置、742 捕集電極、744 電界発生電極、P 帯電微粒子。

Claims (9)

  1. ガス中の微粒子を検出するために用いられる微粒子検出素子であって、
    前記ガスが通過するガス流路を有する筐体と、
    前記筐体内に導入された前記ガス中の微粒子に放電によって発生させた電荷を付加して帯電微粒子にする電荷発生部と、
    前記筐体内で前記ガス流路に露出して設けられ前記帯電微粒子と前記微粒子に付加されなかった前記電荷とのいずれかである捕集対象を捕集する1以上の捕集電極、を有する捕集部と、
    前記捕集電極を加熱する加熱部と、
    を備え、
    前記筐体は、前記捕集電極が少なくとも1つ配設された捕集電極配設壁部を1以上有し、
    前記捕集電極配設壁部の少なくとも1つは、前記ガス流路の中心軸に垂直な断面において中央部分の厚さがそれ以外の部分よりも薄くなっている中央薄肉形状をしている、
    微粒子検出素子。
  2. 前記筐体は、前記ガス流路を仕切る仕切り部を有しており、
    前記中央薄肉形状をした前記捕集電極配設壁部の少なくとも1つは、前記仕切り部である、
    請求項1に記載の微粒子検出素子。
  3. 前記筐体は、前記中央薄肉形状をした前記捕集電極配設壁部を複数有し、
    前記中央薄肉形状をした前記捕集電極配設壁部の少なくとも1つは、前記筐体の外壁である、
    請求項2に記載の微粒子検出素子。
  4. 前記中央薄肉形状をした前記捕集電極配設壁部の少なくとも1つは、前記断面において前記中央部分に向けて厚さが徐々に薄くなる形状をしている、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の微粒子検出素子。
  5. 前記捕集電極の少なくとも1つが前記中央薄肉形状をしている、
    請求項1〜4のいずれか1項に記載の微粒子検出素子。
  6. 前記捕集部は、前記ガス流路内に露出し前記捕集電極の少なくとも1つに向けて前記捕集対象を移動させる電界を発生させる電界発生電極を1以上有し、
    前記筐体は、前記電界発生電極が少なくとも1つ配設された電界発生電極配設壁部を1以上有し、
    前記電界発生電極配設壁部の少なくとも1つは、前記中央薄肉形状をしている、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の微粒子検出素子。
  7. 前記ガス流路は、該ガス流路の中心軸に垂直な断面が四角形状である、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の微粒子検出素子。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の微粒子検出素子であって、
    前記捕集電極を含み前記ガス流路内に露出している複数の露出電極、
    を備え、
    前記筐体は、前記ガス流路に露出する内周面の一部であり前記複数の露出電極のうち少なくとも2つの電極を接続する部分である接続面を有し且つ前記中央薄肉形状をした接続壁部を有しており、
    前記加熱部は、前記接続壁部を加熱する、
    微粒子検出素子。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の微粒子検出素子と、
    前記捕集電極に捕集された前記捕集対象に応じて変化する物理量に基づいて、前記微粒子を検出する検出部と、
    を備えた微粒子検出器。
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