JPWO2019039083A1 - 含フッ素化合物、組成物、コーティング液、および含フッ素化合物の製造方法 - Google Patents

含フッ素化合物、組成物、コーティング液、および含フッ素化合物の製造方法 Download PDF

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Abstract

新規含フッ素化合物とその製造方法の提供。下式1で表される含フッ素化合物。[化1]ただし、R1は、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、Y1は、加水分解性基またはZであり、R4は、単結合、または、炭素数1〜6の直鎖あるいは分岐のアルキレン基であり、mは、1〜3の整数であり、Zは−R5SiR23−nY2nであり、R2は、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、Y2は、加水分解性基であり、R5は炭素数1〜6のアルキレン基であり、nは、1〜3の整数であり、Rfは、式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基であり、複数ある場合のR1、R2、R4、R5、Y1、Y2、m、nおよびRfはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。

Description

本発明は、含フッ素化合物、該含フッ素化合物を含有する組成物、該含フッ素化合物を含有するコーティング液、および該含フッ素化合物の製造方法に関する。
含フッ素化合物は、低摩擦性、撥水撥油性、低屈折率、低誘電率等を有するため、各種基材の表面に上記性質を付与するコーティング液に好適に用いられる。
このような含フッ素化合物としては、例えば、非特許文献1に記載されるCF(CFCHCH−Si(OCH(n=3、5、7、9)のような、ペルフルオロアルキル基と加水分解性シリル基をそれぞれ1つずつ有する含フッ素シラン化合物が知られている。
また、上記含フッ素シラン化合物においてペルフルオロアルキル基に代えてペルフルオロポリエーテル基を有する化合物が知られている。ペルフルオロポリエーテル基を有する化合物としては、例えば、特許文献1に記載のCFCFCFOCF(CF)CFOCFCFCHCH−SiR3−n(Rはアルキル基、Xは加水分解可能な基、nは1、2、3を表す。)や、特許文献2に記載のF[CF(CF)CFO](CFCHCH−SiR(3−c)Cl(Rは炭素原子数1〜6のアルキル基、aは1〜7の整数、bは2〜8の整数、cは1〜3の整数を表す。)等が知られている。
特開平4−235934号公報 特開平5−112581号公報
Bulletin Chem.Soc.Jpn.66.1754-1758[Vol.66,No6 June,1993]
特許文献1、2および非特許文献1に記載の含フッ素化合物は加水分解性シリル基を1個有する化合物である。これらの技術では、含フッ素化合物と基材との密着性が不足となる場合があった。基材との密着性の向上のためには分子内の加水分解性シリル基の数を増やすことが考えられるが、合成が煩雑となりやすかった。
本発明は、基材との密着性の向上が期待できる、加水分解性シリル基を2個以上有する新規含フッ素化合物とその簡便な製造方法の提供を目的とする。
本発明は、以下の構成を要旨とする。
[1]下式1で表される含フッ素化合物。
Figure 2019039083
ただし、Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、
は、加水分解性基またはZであり、
は、単結合、または、炭素数1〜6のアルキレン基であり、
mは、1〜3の整数であり、
Zは−RSiR 3−n であり、
は、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、
は、加水分解性基であり、
は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、
nは、1〜3の整数であり、
Rfは、式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基であり、
複数ある場合のR、R、R、R、Y、Y、m、nおよびRfは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
[2]前記Rfが、エーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基である、[1]の含フッ素化合物。
[3]前記Rfが下式2で表される基である、[1]の含フッ素化合物。
F1−(ORf1− 2
ただし、RF1は、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基であり、
f1は、フルオロアルキレン基であり、
jは、2〜500の整数であり、
複数の(ORf1)は、炭素数の異なる2種以上の(ORf1)からなるものであってもよい。
[4]前記Rf1がペルフルオロアルキレン基である、[3]の含フッ素化合物。
[5]前記Yが加水分解性基であり、前記Rが単結合である、[1]〜[3]のいずれかの含フッ素化合物。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかの含フッ素化合物を、組成物全量に対して、該化合物のガスクロマトグラフ法による純度が60%以上となる割合で含む組成物。
[7]前記組成物が下式9で表される化合物を含む、[6]の組成物。
Figure 2019039083
ただし、Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、
11は、加水分解性基であり、
は、単結合、または、炭素数1〜6のアルキレン基であり、
mは、1〜3の整数であり、
Rfは、式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基であり、
複数ある場合のR、R、Y11、mおよびRfは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
[8]前記[1]〜[5]のいずれかの含フッ素化合物または[6]もしくは[7]の組成物と、液状媒体とを含む、コーティング液。
[9]前記[1]〜[5]のいずれかの含フッ素化合物または[6]もしくは[7]の組成物から形成された表面層を基材の表面に有する、物品。
[10]タッチパネルの指で触れる面を構成する部材の表面に前記表面層を有する、[9]の物品。
[11]前記[1]〜[5]のいずれかの含フッ素化合物または[6]もしくは[7]の組成物を用いたドライコーティング法によって基材の表面を処理して、表面層を前記基材の表面に形成する、物品の製造方法。
[12]ウェットコーティング法によって[8]のコーティング液を基材の表面に塗布し、液状媒体を除去して、表面層を前記基材の表面に形成する、物品の製造方法。
[13]下式3で表される含ヨウ素化合物をカップリング反応させる、下式11で表される含フッ素化合物の製造方法。
Figure 2019039083
ただし、Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、
11は、加水分解性基であり、
は、単結合、または、炭素数1〜6のアルキレン基であり、
mは、1〜3の整数であり、
Rfは、式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基であり、
複数ある場合のR、R、Y11、mおよびRfは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
[14]前記カップリング反応が、有機過酸化物および含水素有機化合物を用いるカップリング反応である、[13]の製造方法。
[15]ラジカル開始剤の存在下、下式4で表される含ヨウ素化合物と、下式5で表される含ケイ素化合物とを反応させる、下式3で表される含ヨウ素化合物の製造方法。
Figure 2019039083
ただし、Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、
11は、加水分解性基であり、
は、単結合、または、炭素数1〜6のアルキレン基であり、
mは、1〜3の整数であり、
Rfは、式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基であり、
複数ある場合のRおよびY11は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
本発明によれば、新規含フッ素化合物およびその製造方法が提供される。
本発明における表現や用語の定義は、以下のとおりである。
式で表される化合物または基は、その式の番号を付した化合物または基として表記し、例えば、式1で表される化合物は、「化合物1」と記す。
「含フッ素化合物」とは、炭素原子に結合するフッ素原子を有する化合物を意味する。
「含ヨウ素化合物」とは、炭素原子に結合するヨウ素原子を有する化合物を意味する。
「含水素有機化合物」とは、炭素原子に結合する水素原子を有する化合物を意味する。
「含フッ素基」とは、炭素原子に結合するフッ素原子を有する基を意味する。
「エーテル性酸素原子」とは、炭素−炭素原子間においてエーテル結合を形成する酸素原子である。
「ポリフルオロ(ポリ)エーテル基」とは、ポリフルオロアルキル基において、エーテル性酸素原子を1つ有するポリフルオロエーテル基と、エーテル性酸素原子を複数有するポリフルオロポリエーテル基の総称である。
「加水分解性シリル基」とは、加水分解反応することによってシラノール基(Si−OH)を形成し得る基である。例えば、化合物1の−SiR 3−m である。
ラジカル開始剤の「10時間半減期温度」とは、ベンゼン中0.1モル/リットルの濃度で10時間後にラジカル開始剤の濃度が半分となる温度を意味し、ラジカル開始剤の適用温度を決めるための指標の1つである。
有機過酸化物の「10時間半減期温度」とは、ベンゼン中0.1モル/リットルの濃度で10時間後に有機過酸化物の濃度が半分となる温度を意味し、有機過酸化物の適用温度を決めるための指標の1つである。
「ガスクロマトグラフ法による純度」とは、FID検出器を備えたガスクロマトグラフで分析して得られたガスクロマトグラムのピーク面積から求めた純度[%]を意味する。
[含フッ素化合物]
本発明の含フッ素化合物は、化合物1である。化合物1は、隣接する2個の炭素原子(C−C)のそれぞれに、1個の水素原子が直接結合し、1個の加水分解性シリル基がRを介して結合し、さらに1個のRfで表される含フッ素基がメチレン基を介して、結合した構造を有する。
Figure 2019039083
ただし、Rは炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、Yは加水分解性基またはZであり、Rは単結合または炭素数1〜6のアルキレン基であり、mは1〜3の整数であり、Zは−RSiR 3−n であり、Rは炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、Yは、加水分解性基であり、Rは、炭素数1〜6のアルキレン基であり、nは1〜3の整数であり、Rfは式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基であり、複数ある場合のR、R、R、R、Y、Y、m、nおよびRfはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
化合物1は対称な構造を有することが好ましい。すなわち複数あるR、R、Y、mおよびRfはそれぞれ同じであることが好ましい。特に複数あるシリル基は、製造の容易性、加水分解・縮合反応の均一性の観点から、同じであることが好ましい。
化合物1が有する含フッ素基(Rf)は、後述するシラノール基が関与する加水分解・縮合反応に関与せず表面層の表面(基材とは反対側の面)に存在する。これにより表面層の表面は、撥水性、撥油性、防汚性、低指紋付着性、指紋除去性、低摩擦性等の特性を有する。また化合物1はフッ素含有量が多いため、表面層が低屈折率、低誘電率となりやすく、反射防止材料や、電子部品、電子デバイスまたは電線被覆における絶縁材料として使用できる。
化合物1においては、加水分解性シリル基が隣接する2個の炭素原子にそれぞれ結合しているため、化合物1が基材に強固に密着しやすい。また化合物1は、2個の含フッ素基を有することから、表面層に含フッ素基が緻密に配向される。
化合物1、組成物またはコーティング液による表面処理においては、化合物1中の加水分解性シリル基が加水分解反応することによってシラノール基が形成され、該シラノール基が分子間で反応してSi−O−Si結合が形成され、または該シラノール基が基材の表面の水酸基(基材−OH)と脱水縮合反応して化学結合(基材−O−Si)が形成される。すなわち、本発明における表面層は、化合物1を、化合物1の加水分解性シリル基の一部または全部が加水分解反応し、かつ脱水縮合反応した状態で含む。
は、炭素数1〜6の1価の炭化水素基である。炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリル基、フェニル基が挙げられる。Rとしては、合成が簡便である点から、1価のアルキル基が好ましく、その炭素数は1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
は、加水分解性基またはZである。Yが加水分解性基の場合、加水分解性基は、加水分解反応によって水酸基となる基である。すなわち、化合物1のSi−Yは、加水分解反応によってシラノール基(Si−OH)となる。シラノール基は、さらに分子間で反応してSi−O−Si結合を形成する。また、シラノール基は、基材の表面の水酸基(基材−OH)と脱水縮合反応して、化学結合(基材−O−Si)を形成する。
加水分解性基であるYとしては、アルコキシ基、ハロゲン原子、アシル基、イソシアナート基(−NCO)が挙げられる。アルコキシ基としては、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、塩素原子が特に好ましい。
加水分解性基であるYとしては、化合物1の製造をしやすい点から、アルコキシ基またはハロゲン原子が好ましい。加水分解性基であるYとしては、塗布時のアウトガスが少なく、化合物1の保存安定性に優れる点から、炭素数1〜4のアルコキシ基が好ましく、化合物1の長期の保存安定性が必要な場合にはエトキシ基が特に好ましく、塗布後の反応時間を短時間とする場合にはメトキシ基が特に好ましい。
Zは−RSiR 3−n である。
は、炭素数1〜6の1価の炭化水素基である。Rの好ましい形態は、Rの好ましい形態と同様である。
は、加水分解性基である。Yの好ましい形態は、Yが加水分解性基の場合の好ましい形態と同様である。
は、炭素数1〜6のアルキレン基である。Rとしては、合成が簡便である点から、直鎖のアルキレン基が好ましく、その炭素数は2〜4が好ましく、3が特に好ましい。
mは1〜3の整数である。mは2または3が好ましく、3がより好ましい。基(−SiR 3−m )中にYが複数存在することによって、基材の表面との結合がより強固になりやすい。mが2以上である場合、1分子中に存在する複数のYは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。原料を入手しやすく、製造が容易であるため、互いに同じであることが好ましい。
nは1〜3の整数である。nは2または3が好ましく、3がより好ましい。加水分解性シリル基(−SiR 3−n )中にYが複数存在することによって、基材の表面との結合がより強固になりやすい。nが2以上である場合、1分子中に存在する複数のYは互いに同じであってもよく、異なっていてもよい。原料を入手しやすく、製造が容易であるため、互いに同じであることが好ましい。
基(−SiR 3−m )が加水分解性シリル基である場合(Yが加水分解性基である場合)、該基としては、−Si(OCH、−SiCH(OCH、−Si(OCHCH、−SiCl、−Si(OC(O)CH、−Si(NCO)が好ましい。工業的な製造における取扱いやすさの点から、−Si(OCHが特に好ましい。
基(−SiR 3−m )においてYがZである場合、−SiCH(CHCHCH−Si(OCH、−SiCH(CHCHCH−SiCH(OCH、−Si(CHCHCH−Si(OCH、−Si(CHCHCH−SiCH(OCH、−Si(CHCHCH−Si(OCHCHが好ましい。
は、単結合、または、炭素数1〜6のアルキレン基である。Rとしては、後述するカップリング反応の観点から、単結合または直鎖のアルキレン基が好ましく、単結合が特に好ましい。
Rfは、式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有してもよいポリフルオロアルキル基である。すなわちRfは、所定の式量を有するポリフルオロアルキル基またはポリフルオロ(ポリ)エーテル基である。化合物1における2個のRfは、同じであっても異なってもよい。製造の容易性、および後述する表面層の均一性の観点から、同じであることが好ましい。
Rfの式量は、51〜6000が好ましく、69〜1000がより好ましい。Rfの結合末端(メチレン基と結合する部位。すなわちシリル基側の結合部位。)は、ジフルオロメチレン基(−FC−)、または、トリフルオロメチルフルオロメチレン基(−(CF)FC−)であることが好ましい。
Rfは、化学的な耐久性から、エーテル性酸素原子を有してもよいペルフルオロアルキル基であることが好ましい。Rfが(エーテル性酸素原子を有しない)ペルフルオロアルキル基である場合、下記RF1で表される炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基であることが好ましい。
Rfは、化学的な耐久性、製造の容易さから、基2(ポリフルオロ(ポリ)エーテル基)であることが好ましい。
F1−(ORf1− 2
ただし、RF1は、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基であり、Rf1は、フルオロアルキレン基であり、jは、2〜500の整数であり、複数の(ORf1)は、炭素数の異なる2種以上の(ORf1)からなるものであってもよい。
F1は、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基である。ペルフルオロアルキル基は直鎖が好ましい。表面層における潤滑性および耐摩擦性がさらに優れる点からは、炭素数1〜10のペルフルオロアルキル基が好ましく、炭素数1〜6のペルフルオロアルキル基がより好ましく、炭素数1〜3のペルフルオロアルキル基が特に好ましい。
具体的なRF1としては、CF−、CFCF−、CFCFCF−、CFCFCFCF−、CFCFCFCFCF−、CFCFCFCFCFCF−、CFCF(CF)−等が挙げられる。表面層における初期の撥水撥油性、耐摩擦性、指紋汚れ除去性がさらに優れる点から、CF−、CFCF−、CFCFCF−が好ましい。
f1は、フルオロアルキレン基である。Rf1の炭素数は、表面層の耐摩擦性および指紋汚れ除去性がさらに優れる点から、1〜6が好ましい。Rf1としては、表面層の耐摩擦性および潤滑性がさらに優れる点から、ペルフルオロアルキレン基が好ましく、直鎖のペルフルオロアルキレン基がより好ましい。
全Rf1のうちのペルフルオロアルキレン基の割合は、表面層の耐摩擦性および潤滑性がさらに優れる点から、60モル%以上が好ましく、80モル%以上がより好ましく、100モル%が特に好ましい。
jは、2〜200の整数が好ましく、5〜150の整数がより好ましく、10〜100の整数が特に好ましい。jが前記範囲の下限値以上であれば、表面層の撥水撥油性がさらに優れる。jが前記範囲の上限値以下であれば、表面層の耐摩擦性がさらに優れる。すなわち、化合物1の数平均分子量が大きすぎると、単位分子量あたりに存在する加水分解性シリル基の数が減少し、表面層の耐摩擦性が低下する。
(ORf1において、2種以上のORf1が存在する場合、各ORf1の結合順序は限定されない。例えば、OCFとOCFCFが存在する場合、OCFとOCFCFがランダム、交互、ブロックに配置されてもよい。
2種以上のORf1が存在するとは、炭素数の異なる2種以上のORf1が存在すること、水素原子数が異なる2種以上のORf1が存在すること、水素原子の位置が異なる2種以上のORf1が存在すること、および炭素数が同一であっても側鎖の有無や側鎖の種類(側鎖の数や側鎖の炭素数等)が異なる2種以上のORf1が存在することをいう。
2種以上のORf1の配置については、例えば、{(OCFj1(OCFCFj2}で表される構造は、j1個の(OCF)とj2個の(OCFCF)とがランダムに配置されていることを表す。また、(OCFCF−OCFCFCFCFj3で表される構造は、j3個の(OCFCF)とj3個の(OCFCFCFCF)とが交互に配置されていることを表す。
(ORf1としては、(ORf1の少なくとも一部に下記の構造を有するものが好ましい。
{(OCFj1(OCFCFj2}、
(OCFCFj3
(OCFCFCFj4
(OCFCF−OCFCFCFCFj5
(OCFCFCFCFCFj6(OCFj7
(OCFCFCFCFCFj6(OCFCFj7
(OCFCFCFCFCFCFj6(OCFj7
(OCFCFCFCFCFCFj6(OCFCFj7
(OCFCFCFCFCF−OCFj8
(OCFCFCFCFCF−OCFCFj8
(OCFCFCFCFCFCF−OCFj8
(OCFCFCFCFCFCF−OCFCFj8
(OCF−OCFCFCFCFCFj8
(OCF−OCFCFCFCFCFCFj8
(OCFCF−OCFCFCFCFCFj8
(OCFCF−OCFCFCFCFCFCFj8
ただし、j1は1以上の整数であり、j2は1以上の整数であり、j1+j2は2〜500の整数であり、j3およびj4は、それぞれ、2〜500の整数であり、j5は、1〜250の整数であり、j6およびj7は、それぞれ1以上の整数であり、j6+j7は、2〜500の整数であり、j8は、1〜250の整数である。
(ORf1としては、化合物1を製造しやすい点から、下記のものが好ましい。
{(OCFj1(OCFCFj2}、
(OCFCF{(OCFj1(OCFCFj2−2}、
(OCFCFCFj4
(OCFCF−OCFCFCFCFj5−1OCFCF
(OCFCFCFCFCF−OCFj8
(OCFCFCFCFCFCF−OCFj8
(OCFCF−OCFCFCFCFCFj8−1OCFCF
(OCFCF−OCFCFCFCFCFCFj8−1OCFCF
ただし、j2−2、j5−1およびj8−1が1以上の整数となるように、j2、j5およびj8の数は選択される。
Rfは、炭素原子に結合した水素原子を有するポリフルオロアルキル基であってもよい。該ポリフルオロアルキル基としては、基6、基7が例示できる。
F2−CHCH−(CFr1− 6
ただし、RF2は、炭素数p1の直鎖状のペルフルオロアルキル基であり、p1は2〜6の整数であり、r1は1以上の整数であり、p1+r1は6以上の整数である。
基6として、具体的には、CF(CF−CHCH−(CF−、CFCF−CHCH−(CF−、CF(CF−CHCH−(CF−、CF(CF−CHCH−(CF−、CF(CF−CHCH−(CF−が挙げられる。
F3−(CHCF−(CFCF− 7
ただし、RF3は、炭素数p2の直鎖状のペルフルオロアルキル基であり、p2は2〜6の整数であり、−(CHCF−(CFCF−は、s個の−(CHCF)−単位と、t個の−(CFCF)−単位が、記載された順序で連なった構造であり、sは1〜20の整数であり、tは1〜10の整数であり、p2+2s+2tは8以上の整数である。
基7として、具体的には、CFCF−CHCF−(CFCF−、CF(CF−CHCF−CFCF−、CF(CF−CHCF−(CFCF−、CF(CF−(CHCF−CFCF−、CF(CF−(CHCF−(CFCF−、CF(CF−CHCF−CFCF−が挙げられる。
化合物1の好ましい態様としては、−SiR 3−m が、−Si(ORであり、Rが、単結合であり、Rfが、基2であって式量が50〜10000である態様が挙げられる。ただし、Rは炭素数1〜4の直鎖アルキル基または炭素数3または4の分岐を有するアルキル基であり、炭素数1〜2の直鎖アルキル基が好ましい。
[化合物11の製造方法]
本発明の製造方法は、含ヨウ素化合物3をカップリング反応させる、含フッ素化合物11の製造方法である。
なお化合物1においてYが加水分解性基である場合には、化合物11の製造方法は化合物1の製造方法となる。また化合物1においてYがZである場合には、後述するように化合物11をさらに反応させることにより化合物1が得られる。
Figure 2019039083
ただし、R、R、mおよびRfは前述の通りであり、Y11は、加水分解性基である。複数ある場合のR、R、Y11、mおよびRfはそれぞれ同じであっても異なっていてもよい。
カップリング反応は、脱ヨウ素カップリング反応である。このカップリング反応の方法は特に制限されない。例えば、有機過酸化物および含水素有機化合物を用いる方法、銅化合物を用いる方法等が挙げられる。
カップリング反応としては、有機過酸化物および含水素有機化合物を用いるカップリング反応(以下、「カップリング反応A」ともいう。)が遷移金属類を用いることなく安価に反応できる点で好ましい。含水素有機化合物としては、基8を有する化合物(以下、「化合物81」という。)が好ましい。
−CHR11−CHR12−CHR13− 8
ただし、R11、R12、R13はそれぞれ独立に水素原子またはアルキル基を示す。
カップリング反応Aは、以下のように進行すると想定される。まず、有機過酸化物が含水素有機化合物から水素原子を引き抜いてラジカルを生成する。次いで、含水素有機化合物由来のラジカルが化合物3からヨウ素原子を引き抜いて化合物3由来のラジカルを生成する。そして、化合物3由来のラジカル2分子が結合して化合物11を生成する。
化合物3として、1種の化合物を用いると、対称な化合物11(2つずつあるRf、R、および−SiR 3−m11 がそれぞれ同じ化合物)が得られる。化合物3として2種以上の化合物を用いると、非対称な化合物11が得られる。
なおカップリング反応Aにおいては、化合物3由来のラジカルに水素ラジカルが付加することにより、化合物9が副生する副反応が存在するので、該副反応を抑制することが好ましい。ただし、R、R、m、RfおよびY11は前述の通りである。
Figure 2019039083
なお、カップリング反応において、得られる中間物質や副生物、目的物質は、H−NMR、13C−NMR、19F−NMRの測定、FT−IR、GC−MS、元素分析等の、一般的な方法により同定、確認できる。
含ヨウ素化合物3の製造方法は特に制限されない。例えば、ラジカル開始剤の存在下、含ヨウ素化合物4と含ケイ素化合物5とを反応させて含ヨウ素化合物3が製造できる。
Rf−I 4
CH=CH−R−SiR 3−m11
ただし、R、R、Y11、Rfおよびmは前述の通りである。
化合物4と化合物5とを反応させる割合は、化合物4の1モルに対して、化合物5が0.8〜10モルとなる割合が好ましく、1〜5モルとなる割合がより好ましい。上記割合とすることで、化合物4の反応率を高め、未反応の化合物5の量を抑制しやすいため好ましい。
ラジカル開始剤としては、例えば、過酸化物、アゾ化合物が挙げられる。過酸化物としては、例えば、ペルオキシケタール、ジアシルペルオキサイド、ペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル、ハイドロペルオキサイド、ジアルキルペルオキサイド、ケトンペルオキサイド、無機過酸化物、含フッ素過酸化物が挙げられる。アゾ化合物としては、例えば、アゾニトリル、アゾアミド、アゾアミジン、アゾイミダゾリンが挙げられる。
ラジカル開始剤の10時間半減期温度は0〜150℃であることが好ましく、20〜100℃がより好ましく、30〜80℃がさらに好ましい。上記半減期温度が上記範囲内であれば、反応速度を制御しやすい。
ラジカル開始剤の添加量は、化合物4の100モル%に対して0.001〜2モル%が好ましく、0.01〜1モル%がより好ましい。
含ヨウ素化合物3の製造の反応においては溶媒を用いることが好ましい。溶媒としては、有機溶媒が好ましく、含フッ素有機溶媒がより好ましい。含フッ素有機溶媒としては、以下に説明するカップリング反応Aで用いられる溶媒と同様の溶媒を使用できる。溶媒量は、反応液の全量に対して、0〜99.9質量%が好ましい。
含ヨウ素化合物3の製造の反応においては、ラジカル開始剤の分解温度を勘案して、効率的に反応させるために加熱することが好ましい。加熱温度としては、ラジカル開始剤の10時間半減期温度をT℃とするとき、(T−10)〜(T+50)℃が好ましく、T〜(T+30)℃がさらに好ましく、操作上の観点から、40〜120℃が好ましい。上記温度範囲内であれば、化合物3の収率が高くなりやすい。
また、加熱時間は、1〜24時間が好ましい。急激なラジカル開始剤の分解を避けるため、1時間以上であることが好ましく、生産性の観点から、24時間以内であることが好ましい。
含ヨウ素化合物3の製造において、化合物4と化合物5を反応させて得られる反応液から、化合物3を通常の方法で精製して、カップリング反応に供することができる。化合物4と化合物5の反応率が高い場合には、精製せずにカップリング反応に供しても良い。この場合、化合物4と化合物5の反応率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
必要に応じて、得られた化合物3のY11を、異なる種類のY11に変換してから、カップリング反応に供してもよい。例えば、Y11が、Cl、BrまたはIである化合物4を用いて、Y11が、Cl、BrまたはIである化合物3を得た後、カップリング反応の前に化合物3のY11をOR(Rは上記のとおりである。)に変換した化合物3を得てからカップリング反応を行ってもよい。これにより、Y11がORである化合物11が得られる。
また、化合物3をカップリング反応に供し、化合物11を得た後で、化合物11のY11を、化合物3のY11と異なる種類のY11に変換してもよい。例えば、Y11が、Cl、BrまたはIである化合物4を用いて、Y11がCl、BrまたはIである化合物3を得て、次いでカップリング反応を行い、Y11がCl、BrまたはIである化合物11を得た後、化合物11のY11をORに変換して、Y11がORである化合物11を得てもよい。これにより、Y11がORである化合物11が得られる。
(有機過酸化物)
カップリング反応Aに用いる有機過酸化物としては、例えば、ジアルキルペルオキサイド、ペルオキシケタール、ジアシルペルオキサイド、ジアルキルペルオキシジカーボネート、ペルオキシエステル、ペルオキシモノカーボネート、ビス(フルオロアシル)ペルオキシド、ビス(クロロフルオロアシル)ペルオキシド、ペルオキシエステルが挙げられる。
これらの有機過酸化物の具体例としては、ジ−tert−ブチルペルオキサイド、ペルフルオロジ−tert−ブチルペルオキサイド、tert−ブチルクミルペルオキサイド、ジクミルペルオキサイドなどのジアルキルペルオキサイド、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,4−ジ−tert−ブチルペルオキシシクロヘキシル)プロパン、2,2−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ブタンなどのペルオキシケタール、イソブチリルペルオキサイド、アセチルペルオキサイド、3,3,5−トリメチルヘキサノイルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、ベンゾイルペルオキサイド、(Q(CFCOO)(ここで、Qは水素原子、フッ素原子または塩素原子であり、pは1〜10の整数である。)などの含フッ素ジアシルペルオキサイド、ペルフルオロプロピルジアシルペルオキサイド、などのジアシルペルオキサイド、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジイソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルペルオキシジカーボネート、ジ−メトキシブチルペルオキシジカーボネートなどのジアルキルペルオキシジカーボネート、クミルペルオキシネオデカネート、1,1,3,3−テトラメチルブチルペルオキシネオデカネート、tert−ヘキシルペルオキシネオデカネート、tert−アミルペルオキシネオデカネート、tert−ブチルペルオキシネオデカネート、tert−ブチルペルオキシネオオクタネ−ト、tert−ブチルペルオキシネオヘキサネート、tert−ブチルペルオキシピバレ−ト、tert−ブチル−2−エチルヘキサネート、tert−ブチルペルオキシソブチレート、tert−ブチルペルオキシラウレート、tert−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサネート、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシアセテートなどのペルオキシエステル、tert−ブチルペルオキシソプロピルモノカーボネート、tert−ブチルペルオキシアリルモノカーボネートなどのペルオキシモノカーボネートが挙げられる。
有機過酸化物の10時間半減期温度は、10〜150℃が好ましく、15〜120℃がより好ましく、20〜80℃がさらに好ましい。上記半減期温度が上記範囲内であれば、反応速度を制御しやすい。
有機過酸化物は、反応温度を制御しやすいため、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートやtert−ブチルペルオキシピバレ−トが好ましい。
カップリング反応Aに用いる有機過酸化物の全モル数は、化合物3のヨウ素原子の全モル数に対して、0.0005〜5倍であることが好ましい。上記範囲内であると、反応の転化率を調整しやすい。0.005〜3倍がより好ましく、0.05〜2倍がさらに好ましく、0.1〜1倍が特に好ましい。また、有機過酸化物の反応液中の濃度は、適度な反応速度に調整しやすいため、5質量%以下が好ましく、1質量%以下がより好ましい。有機過酸化物の添加量が多いほど、副反応を抑制しやすい。化合物3に由来するラジカルが速やかに発生し、化合物3に由来するラジカル同士の反応が促進され、副反応が抑制されやすいためと推定される。有機過酸化物の添加量は、0.05質量%以上が好ましく、0.1質量%以上がより好ましい。
(含水素有機化合物81)
含水素有機化合物81は、基8を有する含水素有機化合物である。R11、R12およびR13はそれぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、水素原子、メチル基またはエチル基がより好ましい。
含水素有機化合物81は基8を有する化合物であれば特に制限されず、エーテル性酸素原子や他の官能基を有する化合物であってもよい。含水素有機化合物81としては、直鎖または分岐の鎖式飽和炭化水素(アルカン)、または置換基を有してもよい飽和の脂環式炭化水素が、取り扱いが容易で反応活性が高く、副反応を起こしにくい点で好ましい。含水素有機化合物81の炭素数は、反応性が良好である点から、3〜16が好ましく、4〜12がより好ましい。
上記アルカンとしては、例えば、n−ペンタン、2−メチルブタン、n−ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、n−ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,4−ジメチルペンタン、n−オクタン、2−メチルヘプタン、3−メチルヘプタン、4−メチルヘプタン、2,2−ジメチルヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン、3,3−ジメチルヘキサン、2−メチル−3−エチルペンタン、3−メチル−3−エチルペンタン、2,3,3−トリメチルペンタン、2,3,4−トリメチルペンタン、2,2,3−トリメチルペンタン、2−メチルヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、n−デカン、n−ドデカン、が挙げられる。
上記置換基を有してもよい飽和の脂環式炭化水素としては、例えば、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ビシクロヘキサンが挙げられる。
カップリング反応Aに用いる含水素有機化合物81の全モル数は、化合物3中の全ヨウ素原子の全モル数に対して、2〜500倍であることが好ましい。含水素有機化合物81の量が2倍以上であると化合物3におけるヨウ素を引き抜きやすく化合物11の反応収率が向上しやすい。また含水素有機化合物81の量が500倍以下であるとフッ素含有の化合物3を溶解しやすく、化合物3の濃度が薄くなりにくい。5〜300倍がより好ましく、10〜100倍がさらに好ましい。
(溶媒)
カップリング反応Aにおいて、化合物3は、溶媒に溶解または分散させて処理されることが好ましい。溶媒としては、有機溶媒が挙げられ、含フッ素有機溶媒が好ましい。
含フッ素有機溶媒としては、例えば、ペルフルオロカーボン、ハイドロクロロフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、ハイドロフルオロエーテルが挙げられる。
ペルフルオロカーボンとしては、例えば、n−ペルフルオロヘキサン、n−ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロシクロブタン、ペルフルオロシクロヘキサン、ペルフルオロベンゼンが挙げられる。
ハイドロクロロフルオロカーボンとしては、例えば、2,2−ジクロロ−1,1,1−トリフルオロエタン、1,1−ジクロロ−1−フルオロエタン、1,1−ジクロロ−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパン、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンが挙げられる。
ハイドロフルオロカーボンとしては、例えば、1,1,2,2−テトラフルオロシクロブタン、CFCFCHCH、CFCHF(CFF、CF(CFH、CFCFCHF(CFF、CF(CHF)(CFF、CHFCHF(CFF、CF(CFH、CFCH(CF)(CFF、CFCF(CF)CHF(CFF、CFCF(CF)(CHF)CF、CFCH(CF)CHF(CFF、CF(CF(CHHが挙げられる。
ハイドロフルオロエーテルとしては、例えば、CFCHO(CFH、CHFCFCHO(CFH、CHO(CFH、CHOCFCF(CF、CFCHFCFOCFが挙げられる。
これらの中で反応基質であるフッ素含有の化合物3と添加する含水素有機化合物81の両方が相溶する溶媒が好ましく、そのような溶媒としては、ハイドロクロロフルオロカーボンが好ましく、例えば、1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパンが挙げられる。
(処理条件)
カップリング反応Aにおいて、溶媒を用いる場合の化合物3の濃度は、反応液の全量に対して、0.1〜50質量%が好ましい。生産性の観点から0.1質量%以上が好ましく、反応開始時の急激な発熱を防止する観点から50質量%以下が好ましい。1〜30質量%がより好ましい。化合物3の濃度が高いほうが化合物8の生成を抑制しやすい。化合物8の生成を抑制しやすいため、化合物3の濃度は、0.5質量%以上が好ましく、3質量%以上がより好ましい。
溶媒を用いる場合の含水素有機化合物81の濃度は、反応液の全量に対して、0.1〜50質量%であることが好ましい。0.1質量%以上であると、適度な反応速度となりやすい。化合物3が含水素有機化合物81と自由に混合可能な場合は、含水素有機化合物81を、溶媒を兼ねて用いることも可能である。化合物3との相溶性を確保するという観点から含水素有機化合物81の濃度は、50質量%以下が好ましく、1〜30質量%がより好ましい。
カップリング反応Aは、有機過酸化物の分解温度を勘案して、効率的に処理するために加熱するのが好ましい。この際の加熱温度としては、有機過酸化物の10時間半減期温度をT℃とするとき、T〜(T+80)℃が好ましく、(T+10)〜(T+50)℃がさらに好ましく、操作上の観点から、50〜150℃が好ましい。加熱温度が高いほうが、副生成物の生成を抑制しやすい。有機過酸化物の分解が速やかに起こり、化合物3に由来するラジカルが発生しやすく、化合物3に由来するラジカル同士の反応が起こりやすくなるためと推定される。副生成物の生成を抑制しやすいため、加熱温度は50℃以上が好ましく、55℃以上がより好ましい。また、加熱時間は、1〜24時間が好ましい。急激な有機過酸化物の分解を避けるため、1時間以上が好ましい。また、生産性の観点から、24時間以内であることが好ましい。
有機過酸化物および含水素有機化合物を用いるカップリング反応Aは、金属触媒を必要としない。したがって、この方法で得られた化合物11は、ハイドロシリレーション反応に通常用いられる白金のような金属触媒を用いることなく安価に製造できる。
カップリング反応Aにおいて、得られる化合物11を含む反応液を、通常の方法で精製することで化合物11を得てもよい。
化合物1においてYがZである場合、化合物11を得た後、Y11をさらに反応させることにより、YがZである化合物1が得られる。例えばZが−SiCH(CHCHCH−SiCH(OCH(化合物1−A1)および−Si(CHCHCH−Si(OCH(化合物1−B1)は、下記ルートで合成できる。
Figure 2019039083
Figure 2019039083
例えば具体的には、化合物1として化合物1−Aを得る。これにグリニヤール試薬を反応させ、続いてヒドロシリル化を行えば化合物1−A1が得られる。
化合物1−Aとしてはアルキルジアルコキシシリル基(具体的にはメチルジメトキシシリル基)の代わりにアルキルジハロゲノシリル基(具体的にはメチルジクロロシリル基)であってもよい。また化合物1−Bとしてはトリアルコキシシリル基(具体的にはトリメトキシシリル基)の代わりにトリハロゲノシリル基(具体的にはトリクロロシリル基)であってもよい。
グリニヤール試薬としては、アリルマグネシウムクロリドやアリルマグネシウムブロミドが挙げられる。
ヒドロシリル化は、例えば塩化白金酸等の白金化合物触媒を用い、トリアルコキシシラン(上記の例ではトリメトキシシラン)を反応させればよい。
これらの反応は、例えば国際公開WO2014/069592、日本特許第6296200号等に記載されている。
[組成物]
本発明の組成物は、化合物1を含む。なお、本発明の組成物は液状媒体を含有しない。
組成物は、化合物1以外の含フッ素化合物を含んでいてもよい。他の含フッ素化合物とは、化合物1の製造工程で副生する含フッ素化合物(以下、「副生含フッ素化合物」という。)、化合物1と同様の用途に用いられる公知の含フッ素化合物、未反応の原料などの製造上不可避の化合物が挙げられる。他の含フッ素化合物としては、化合物1の特性を低下させるおそれが少ない化合物が好ましい。副生含フッ素化合物としては、前記化合物9が挙げられる。
また組成物は、加水分解性シリル基の加水分解と縮合反応を促進する酸触媒や塩基性触媒等の、上記含フッ素化合物以外の公知の添加剤を含んでいてもよい。酸触媒としては、塩酸、硝酸、酢酸、硫酸、燐酸、スルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。塩基性触媒としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。
上記添加剤の含有量は、本組成物のうち、0〜10質量%が好ましく、0〜1質量%が特に好ましい。
カラム精製、高真空条件下での蒸留などの公知の精製方法で精製し、組成物における化合物1の含有量を上げられる。
上記組成物中の化合物1の含有量は、組成物全量に対する化合物1のガスクロマトグラフ法による純度として60%以上が好ましく、70%以上がより好ましい。上記組成物中の化合物1の含有量が上記範囲であれば、上記組成物を基材のコーティングに用いたときに撥水撥油性、低屈折率等の化合物1の特性が十分に発揮されやすい。
[コーティング液]
本発明のコーティング液は、化合物1または本発明の組成物と液状媒体とを含む。液状媒体とは、溶媒や分散媒を意味する。
上記コーティング液は、溶液でもよく分散液でもよい。均一な表面層が得られるため、溶液が好ましい。溶媒としては、有機溶媒が好ましい。有機溶媒は、含フッ素有機溶媒であってもよく、非フッ素有機溶媒であってもよく、両方の溶媒を含んでもよい。
含フッ素有機溶媒としては、フッ素化アルカン、フッ素化芳香族化合物、フルオロアルキルエーテル、フッ素化アルキルアミン、フルオロアルコール等が挙げられる。
フッ素化アルカンとしては、炭素数4〜8の化合物が好ましい。市販品としては、例えばC13H(旭硝子社製、アサヒクリン(登録商標)AC−2000)、C13(旭硝子社製、アサヒクリン(登録商標)AC−6000)、CCHFCHFCF(ケマーズ社製、バートレル(登録商標)XF)等が挙げられる。
フッ素化芳香族化合物としては、例えばヘキサフルオロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、ペルフルオロトルエン、ビス(トリフルオロメチル)ベンゼン等が挙げられる。
フルオロアルキルエーテルとしては、炭素数4〜12の化合物が好ましい。市販品としては、例えばCFCHOCFCFH(旭硝子社製、アサヒクリン(登録商標)AE−3000)、COCH(3M社製、ノベック(登録商標)7100)、COC(3M社製、ノベック(登録商標)7200)、CCF(OCH)C(3M社製、ノベック(登録商標)7300)等が挙げられる。
フッ素化アルキルアミンとしては、例えばペルフルオロトリプロピルアミン、ペルフルオロトリブチルアミン等が挙げられる。
フルオロアルコールとしては、例えば2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、ヘキサフルオロイソプロパノール等が挙げられる。
含フッ素有機溶媒としては、上記カップリング反応Aで用いられる含フッ素有機溶媒を用いてもよい。
非フッ素有機溶媒としては、水素原子および炭素原子のみからなる化合物と、水素原子、炭素原子および酸素原子のみからなる化合物が好ましく、炭化水素有機溶媒、アルコール、ケトン、エーテル、エステルが挙げられる。
炭化水素有機溶媒としては、ヘキサン、へプタン、シクロヘキサン、トルエン、キシレンが好ましい。アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノールが好ましい。ケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンが好ましい。エーテルとしては、テトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテルが好ましい。エステルとしては、酢酸エチル、酢酸ブチルが好ましい。非フッ素有機溶媒としては、化合物1の溶解性の点で、ケトンが好ましい。
化合物1または本発明の組成物の含有量は、本コーティング液のうち、0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。
液状媒体の含有量は、本コーティング液のうち、90〜99.999質量%が好ましく、99〜99.99質量%が特に好ましい。
[物品]
本発明の物品(以下、「本物品」とも記す。)は、化合物1または本発明の組成物から形成された表面層を基材の表面に有する。
表面層は、化合物1を、化合物1の加水分解性シリル基の一部または全部が加水分解反応し、かつ脱水縮合反応した状態で含む。
表面層の厚さは、1〜100nmが好ましく、1〜50nmが特に好ましい。表面層の厚さが前記範囲の下限値以上であれば、表面処理による効果が充分に得られやすい。表面層の厚さが前記範囲の上限値以下であれば、利用効率が高い。表面層の厚さは、薄膜解析用X線回折計(RIGAKU社製、ATX−G)を用いて、X線反射率法によって反射X線の干渉パターンを得て、該干渉パターンの振動周期から算出できる。
基材は、撥水撥油性の付与が求められている基材であれば特に限定されない。基材の材料としては、ガラス、プラスチック、セラミック、石英、サファイヤ、金属、金属酸化物、紙、布、石、これらの複合材料が挙げられる。ガラスは化学強化されていてもよい。基材の表面にはSiO膜等の下地膜が形成されていてもよい。
基材としては、タッチパネル用基材、ディスプレイ用基材が好適であり、タッチパネル用基材が特に好適である。すなわち物品としては、タッチパネルの指で触れる面を構成する部材の表面に表面層を有する物品が好ましい。タッチパネル用基材の材料としては、ガラスまたは透明樹脂が好ましい。
[物品の製造方法]
本物品は、例えば、下記の方法で製造できる。
・化合物1または本発明の組成物を用いたドライコーティング法によって基材の表面を処理して、化合物1または本発明の組成物からなる表面層を基材の表面に形成する方法。
・ウェットコーティング法によってコーティング液を基材の表面に塗布し、乾燥させて、化合物1または本発明の組成物からなる表面層を基材の表面に形成する方法。
ドライコーティング法としては、真空蒸着、CVD、スパッタリング等の手法が挙げられる。化合物1の分解を抑える点、および装置の簡便さの点から、真空蒸着法が好ましい。真空蒸着時には、鉄や鋼等の金属多孔体に化合物1または本発明の組成物を含浸させたペレット状物質を使用してもよい。
ウェットコーティング法としては、スピンコート法、ワイプコート法、スプレーコート法、スキージーコート法、ディップコート法、ダイコート法、バーコート法、インクジェット法、フローコート法、ロールコート法、キャスト法、ラングミュア・ブロジェット法、グラビアコート法等が挙げられる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。例1〜8は実施例である。
実施例に用いた化合物の略号は以下のとおりである。また、ガスクロマトグラフィー分析は、以下の方法で行った。
(Rf基)
Figure 2019039083
なお、(HFPO)−の式量は451であり、PHVE−の式量は451である。
(有機過酸化物)
IPP:ジイソプロピルペルオキシジカーボネート
(ラジカル開始剤)
AIBN:2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)
(溶媒)
AK225G:1,3−ジクロロ−1,1,2,2,3−ペンタフルオロプロパン(CClFCFCHClF、アサヒクリンAK225G(旭硝子社登録商標))
(ガスクロマトグラフ法(GC)分析)
FID検出器を備えたガスクロマトグラフ(GC−2010Plus、島津製作所)を用いた。試料注入部温度は170℃、FID検出器の温度は250℃で、カラムはDB−1301、長さ60m、内径0.25μm、膜厚1μm(アジレント・テクノロジー)を使用した。試料注入後、40℃で5分保持した後、10℃/分で昇温し、240℃で25分保持した。ただし、例7においては、カラムにDB−1、長さ60m、内径0.25μm、膜厚1μm(アジレント・テクノロジー)を使用した。
[例1:化合物1−1の製造]
Figure 2019039083
式中、Meは−CHを示す(以下同様。)。n−C−基の式量は、219(小数点以下第一位を四捨五入、以下同様。)である。
以下に説明するとおり、化合物3−1を合成し、得られた化合物3−1を用いて化合物1−1を製造した。
n−C−CH−CHI−Si(OCH 3−1
(化合物3−1の合成)
オートクレーブにn−C−Iの9.00g(26.0mmol)、ビニルトリメトキシシラン(CH=CHSi(OCH)の3.86g(26.0mmol)、AIBNの0.214g(1.30mmol)、AK225Gの4.93gを仕込み、得られた反応前の混合液をGC分析にかけた後、速やかにオートクレーブを密閉した。液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した。オートクレーブの内温を約0℃として、窒素ガスを内圧が0.1MPaG(Gはゲージ圧を表す。以下同様である。)になるように導入した。
次いで、オートクレーブを水浴中で昇温し、内温75℃で7時間撹拌した。オートクレーブを水浴から取り出して一晩静置して、化合物3−1を含む反応液aを得た。
n−C−Iおよびビニルトリメトキシシランの反応率は、GCを用いた分析により、反応後のそれぞれの化合物の面積のAK225Gの面積に対する比率の、反応前のそれぞれの化合物の面積のAK225Gの面積に対する比率に対する割合として算出した。n−C−Iの反応率は96.3%であり、ビニルトリメトキシシランの反応率は98.7%であった。反応液aのH−NMRを測定したところ、化合物3−1のピークが次のように現れた。H−NMR:2.34〜2.61ppm(m):1H、2.75〜2.98(m):1H、3.04ppm(s)と3.07ppm(s)の合計として1H、3.57ppm(s):9H。
(化合物1−1の製造)
オートクレーブに、反応液aの6.00g、IPPの1.79g(8.67mmol)、n−ヘキサンの14.95g(173mmol)、AK225Gの37.27gを仕込んだ。上記反応において化合物3−1の収率が100%であったと仮定したときの反応液a中の化合物3−1の濃度は、7.14質量%であった。
反応前の混合液をGC分析にかけた後、速やかにオートクレーブを密閉した。液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した。オートクレーブの内温を約0℃として、窒素ガスを内圧が0.3MPaGになるように導入した。その後、オートクレーブを水浴中で昇温し、内温70℃で7時間撹拌した。オートクレーブを水浴から取り出して一晩静置して化合物1−1を含む反応液Aを得た。反応液AをGC分析したところ、化合物3−1のピークは消失しており、後述の方法で化合物1−1と同定された生成物Aと化合物9−1が含まれることが確認された。反応液A中の生成物A(化合物1−1)と化合物9−1の面積の比率は64.6:35.4であった。
n−C−CH−CH−Si(OCH 9−1
ナスフラスコに、得られた反応液Aと撹拌子を入れ、減圧下において40℃で1時間、溶媒等の低沸点成分を留去した。ナスフラスコに残った成分(組成物A)は2.41gであった。組成物Aにおける生成物A(化合物1−1)のGC純度は75%であり、GC面積%を質量%と仮定して求めた生成物A(化合物1−1)の収率は60%であった。
組成物Aから生成物Aを分離し構造の特定を行った。生成物Aについて、CI法によるマススペクトル測定では[M-OCH]に由来するm/z=703の明瞭なピークが観測され、CI法、EI法のマススペクトル測定及びNMR測定により、上記式1−1に示す構造であることが確認された。NMR測定は、H−NMR、13C−NMR、H−13C HMQC法、H−13C HMBC法、および13C DEPT法を組み合わせて解析した。
H−NMR:1.84〜1.98ppm(m):2H、2.06〜2.80ppm(m):4H、3.69ppm(s):18H。
[例2]
例1においてIPP添加量を上記の3割(0.536g)とし、添加するAK225Gを38.52gに変えた以外は例1と同様に反応したところ、化合物3−1の反応率は61.2%であった。反応により化合物1−1および含フッ素化合物9−1を得た。
[例3:化合物1−2の製造]
Figure 2019039083
以下に説明するとおり、下記方法で、化合物3−2を合成し、得られた化合物3−2を用いて化合物1−2を製造した。
(HFPO)−CH−CHI−Si(OCH 3−2
(化合物3−2の合成)
オートクレーブに、Russian Journal of General Chemistry,81(9),1829−1833,(2011)に記載の方法で合成された(HFPO)−Iの9.00g(15.6mmol)、ビニルトリメトキシシランの2.31g(15.6mmol)、AIBNの0.128g(0.779mmol)、AK225Gの6.56gを仕込み、得られた混合液をGCで分析した後、速やかにオートクレーブを密閉し、液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した。オートクレーブの内温を約0℃として、窒素ガスを内圧が0.2MPaGになるように導入した。
次いで、オートクレーブを水浴中で昇温し、内温75℃で7時間撹拌した。オートクレーブを水浴から取り出して一晩静置して、化合物3−2を含む反応液bを得た。例1と同様に反応率を算出した。(HFPO)−Iの反応率は、98.2%であり、ビニルトリメトキシシランの反応率は、97.9%であった。反応液bのH−NMRを測定したところ、化合物3−2のピークが次のように現れた。H−NMR:2.50〜2.78ppm(m):1H、2.80〜3.13(m):2H、3.62ppn(s):9H。
(化合物1−2の製造)
オートクレーブに、6.00gの反応液b、IPPの1.07g(5.19mmol)、n−ヘキサンの8.95(104mmol)、AK225Gの43.99gを仕込んだ。化合物3−2の収率が100%と仮定したときの反応液b中の化合物3−2の濃度は、6.28質量%であった。
反応前の混合液をGCで分析した後、速やかにオートクレーブを密閉した。液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した。オートクレーブの内温を約0℃として、窒素ガスを内圧が0.3MPaGになるように導入した。その後、オートクレーブを水浴中で昇温し、内温70℃で7時間撹拌した。オートクレーブを水浴から取り出して一晩静置して化合物1−2を含む反応液Bを得た。得られた反応液BをGCで分析したところ、化合物3−2のピークは消失しており、後述の方法で化合物1−2と同定された生成物Bと化合物9−2が含まれることが確認された。反応液B中の生成物B(化合物1−2)と化合物9−2のGC面積の比率は69.9:30.1であった。
(HFPO)−CH−CH−Si(OCH 9−2
ナスフラスコに、得られた反応液Bと撹拌子を入れ、減圧下で47℃、2時間、次いで70℃、6時間、次いで100℃、6時間加熱して、溶媒等の低沸点成分を留去し、化合物1−2を含む組成物Bを得た。ナスフラスコ中に得られた組成物Bは2.51gであった。組成物Bにおける生成物B(化合物1−2)のGC純度は87%であり、GC面積%を質量%と仮定して求めた生成物B(化合物1−2)の収率は70%であった。
組成物Bから生成物Bを分離し構造の特定を行った。生成物Bについて、CI法によるマススペクトル測定では[M-OCH]に由来するm/z=1167の明瞭なピークが観測され、CI法、EI法のマススペクトル測定及びNMR測定により、上記式1−2に示す構造であることが確認された。NMR測定は、H−NMR、13C−NMR、H−13C HMQC法、H−13C HMBC法、および13C DEPT法を組み合わせて解析した。
H−NMR:1.78〜2.12ppm(m):2H、2.21〜3.24ppm(m):4H、3.85ppmと3.87ppmのピークの合計:18H。
[例4:化合物1−3の製造]
Figure 2019039083
以下に説明するとおり、下記の方法で、化合物3−3を合成し、得られた化合物3−3を用いて化合物1−3を製造した。
PHVE−CH−CHI−Si(OCH 3−3
(化合物3−3の合成)
オートクレーブに、特開平4−235934に記載の方法で合成されたPHVE−Iの0.900g(1.56mmol)、ビニルトリメトキシシランの0.231g(1.56mmol)、IPPの0.0642g(0.311mmol)、AK225Gの16.81gを仕込み、得られた混合液をGCで分析した後、速やかにオートクレーブを密閉し、液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した。オートクレーブの内温を約0℃とし、窒素ガスを内圧が0.1MPaGになるように導入した。
次いで、オートクレーブを水浴中で、内温45℃で1時間、50℃で2時間、60℃で2時間、撹拌した。オートクレーブを水浴から取り出して、常温とした後開封し、一晩静置して、化合物3−3を含む反応液cを得た。例1と同様にして、各成分の反応率を算出した。PHVE−Iの反応率は97.8%であり、ビニルトリメトキシシランの反応率は97.3%であった。反応液cのH−NMRを測定したところ、化合物3−3のピークが次のように現れた。H−NMR:2.35〜2.64ppm(m):1H、2.79〜3.02(m):1H、3.11ppm(s)と3.14ppm(s)の合計として1H、3.65ppm(s):9H。
(化合物1−3の製造)
オートクレーブに、反応液cの10.8g、IPPの0.193g(0.934mmol)、n−ヘキサンの1.61g(18.7mmol)、AK225Gの5.40gを仕込んだ。化合物3−3の収率が100%と仮定したときの反応液c中の化合物3−3の濃度は、3.77質量%であった。
反応前の混合液をGCで分析した後、速やかにオートクレーブを密閉した。液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した。オートクレーブの内温を約0℃とし、窒素ガスを内圧が0.3MPaGになるように導入した。次いで、オートクレーブを水浴中で昇温し、内温70℃で7時間撹拌した。オートクレーブを水浴から取り出して、化合物1−3を含む反応液Cを得た。
得られた反応液CをGC分析したところ、化合物3−3のピークは消失しており、後述の方法で化合物1−3と同定された生成物Cと化合物9−3が含まれることが確認された。反応液C中の生成物C(化合物1−3)と化合物9−3のGC面積の比率は75.1:24.9であった。
PHVE−CH−CH−Si(OCH 9−3
反応液Cから生成物Cを分離し構造の特定を行った。生成物Cについて、CI法によるマススペクトル測定では[M-OCH]に由来するm/z=1167の明瞭なピークと[M−F]に由来するm/z=1179の弱いピークが観測され、マススペクトルにより、上記式1−3に示す構造であることが確認された。
[例5]
下記条件とする他は例4と同様にして、下記の方法で、化合物3−3を合成し、得られた化合物3−3を用いて化合物1−3を製造した。
(化合物3−3の合成)
オートクレーブにPHVE−Iの1.80g(3.11mmol)、ビニルトリメトキシシランの0.462g(3.11mmol)、IPPの0.0642g(0.311mmol)、AK225Gの33.67gを仕込み、得られた混合液をGC分析にかけた後、速やかにオートクレーブを密閉し、液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した。オートクレーブの内温を約0℃とし、窒素ガスを内圧が0.1MPaGになるように導入した。
次いで、オートクレーブを水浴中で昇温し、内温50℃で2時間、60℃で2時間、70℃で2時間撹拌した。オートクレーブを水浴から取り出して常温に戻した後、化合物3−3を含む反応液dを得た。反応液dをGCで分析して例1と同様にして反応率を算出した。PHVE−Iの反応率は93.3%であり、ビニルトリメトキシシランの反応率は、99.6%であった。反応液dのGC分析において、化合物3−3のピークが例4と同じ保持時間のところに現れた。
(化合物1−3の製造)
オートクレーブに、反応液dの1.80g、IPPの0.0321g(0.156mmol)、n−ヘキサンの0.268g(3.11mmol)、AK225Gの15.90gを仕込んだ。化合物3−3の収率が100%と仮定したときの反応液dにおける化合物3−3の濃度は、0.63質量%であった。同様の仮定をしたときの化合物3−3/IPP/n−ヘキサンのモル比は1/1/20であった。反応前の混合液をGC分析にかけた後、速やかにオートクレーブを密閉した。液体窒素を用いて凍結脱気を2回繰り返した。オートクレーブの内温を約0℃として、窒素ガスを内圧が0.3MPaGになるように導入した。
その後、オートクレーブを水浴中で昇温し、内温70℃で7時間撹拌した。オートクレーブを水浴から取り出して常温として化合物1−3を含む反応液Dを得た。反応液DをGCで分析して、例1と同様にして反応率を算出した。化合物3−3の反応率は、89.9%であり、化合物1−3と化合物9−3のGC面積の比率は65.6:34.4であった。
[例6]
例5で得られた反応液dを用いた。例5と同様の仮定をしたときの化合物3−3/IPP/n−ヘキサンのモル比を1/0.2/20に変更した以外は例5と同様に反応を行った。化合物3−3の反応率は、10.4%であった。化合物1−3化合物9−3のGC面積の比率は53.2:46.8であった。
[例7]
例5において、n−ヘキサンをイソヘキサンに変更した以外は同様にして反応を行ったところ、化合物3−3の反応率は、83.3%であり、化合物1−3と化合物9−3のGC面積の比率は66.0:34.0であった。
[例8]
例5において、反応温度と時間を50℃、2時間、次いで60℃、2時間、次いで70℃、2時間に変更した以外は例5と同様にして反応を行ったところ、化合物3−3の反応率は、96.4%であり、化合物1−3と化合物9−3のGC面積の比率は56.8:43.2であった。
以上のように簡便に1分子あたり加水分解性シリル基を2個以上有する含フッ素化合物を合成できた。
本発明の含フッ素化合物は、潤滑性や撥水撥油性の付与が求められている各種の用途に用いることができる。例えばタッチパネル等の表示入力装置、透明なガラス製または透明なプラスチック製部材の表面保護コート、メガネレンズ、カメラレンズ、胃カメラ等の医療機器、複写機、キッチン用防汚コート、電子機器、熱交換器、電池等の撥水防湿コートや防汚コート、トイレタリー用防汚コート、導通しながら撥液が必要な部材へのコート、熱交換機の撥水・防水・滑水コート、振動ふるいやシリンダ内部等の表面低摩擦コート等に用いることができる。より具体的な使用例としては、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイ等の前面保護板、反射防止板、偏光板、アンチグレア板、あるいはそれらの表面に反射防止膜処理を施したもの、カーナビゲーション、カーオーディオ、タブレットPC、スマートフォン、ウェアラブル端末、デジタルカメラ、ポータブルオーディオプレーヤー、携帯電話、携帯情報端末等の機器のタッチパネルシートやタッチパネルディスプレイ等人の指あるいは手のひらで画面上の操作を行う表示入力装置を有する各種機器、トイレ、風呂、洗面所、キッチン等の水周りの装飾建材、配線板用防水コーティング熱交換機の撥水・防水コート、太陽電池の撥水コート、プリント配線板の防水・撥水コート、電子機器筐体や電子部品用の防水・撥水コート、送電線の絶縁性向上コート、各種フィルタの防水・撥水コート、電波吸収材や吸音材の防水性コート、風呂、厨房機器、トイレタリー用防汚コート、熱交換機の撥水・防水・滑水コート、振動ふるいやシリンダ内部等の表面低摩擦コート、機械部品、真空機器部品、ベアリング部品、自動車部品、工具等の表面保護コート等が挙げられる。
なお、2017年08月22日に出願された日本特許出願2017−159225号の明細書、特許請求の範囲および要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (15)

  1. 下式1で表される含フッ素化合物。
    Figure 2019039083
    ただし、Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、
    は、加水分解性基またはZであり、
    は、単結合、または、炭素数1〜6のアルキレン基であり、
    mは、1〜3の整数であり、
    Zは−RSiR 3−n であり、
    は、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、
    は、加水分解性基であり、
    は、炭素数1〜6のアルキレン基であり、
    nは、1〜3の整数であり、
    Rfは、式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基であり、
    複数ある場合のR、R、R、R、Y、Y、m、nおよびRfは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
  2. 前記Rfが、エーテル性酸素原子を有していてもよいペルフルオロアルキル基である、請求項1に記載の含フッ素化合物。
  3. 前記Rfが下式2で表される基である、請求項1に記載の含フッ素化合物。
    F1−(ORf1− 2
    ただし、RF1は、炭素数1〜20のペルフルオロアルキル基であり、
    f1は、フルオロアルキレン基であり、
    jは、2〜500の整数であり、
    複数の(ORf1)は、炭素数の異なる2種以上の(ORf1)からなるものであってもよい。
  4. 前記Rf1がペルフルオロアルキレン基である、請求項3に記載の含フッ素化合物。
  5. 前記Yが加水分解性基であり、前記Rが単結合である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の含フッ素化合物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の含フッ素化合物を、組成物全量に対して、該化合物のガスクロマトグラフ法による純度が60%以上となる割合で含む組成物。
  7. 前記組成物が下式9で表される化合物を含む、請求項6に記載の組成物。
    Figure 2019039083
    ただし、Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、
    11は、加水分解性基であり、
    は、単結合、または、炭素数1〜6のアルキレン基であり、
    mは、1〜3の整数であり、
    Rfは、式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基であり、
    複数ある場合のR、R、Y11、mおよびRfは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の含フッ素化合物または請求項6もしくは7に記載の組成物と、液状媒体とを含む、コーティング液。
  9. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の含フッ素化合物または請求項6もしくは7に記載の組成物から形成された表面層を基材の表面に有する、物品。
  10. タッチパネルの指で触れる面を構成する部材の表面に前記表面層を有する、請求項9に記載の物品。
  11. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の含フッ素化合物または請求項6もしくは7に記載の組成物を用いたドライコーティング法によって基材の表面を処理して、表面層を前記基材の表面に形成する、物品の製造方法。
  12. ウェットコーティング法によって請求項8に記載のコーティング液を基材の表面に塗布し、液状媒体を除去して、表面層を前記基材の表面に形成する、物品の製造方法。
  13. 下式3で表される含ヨウ素化合物をカップリング反応させる、下式11で表される含フッ素化合物の製造方法。
    Figure 2019039083
    ただし、Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、
    11は、加水分解性基であり、
    は、単結合、または、炭素数1〜6のアルキレン基であり、
    mは、1〜3の整数であり、
    Rfは、式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基であり、
    複数ある場合のR、R、Y11、mおよびRfは、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
  14. 前記カップリング反応が、有機過酸化物および含水素有機化合物を用いるカップリング反応である、請求項13に記載の製造方法。
  15. ラジカル開始剤の存在下、下式4で表される含ヨウ素化合物と、下式5で表される含ケイ素化合物とを反応させる、下式3で表される含ヨウ素化合物の製造方法。
    Figure 2019039083
    ただし、Rは、炭素数1〜6の1価の炭化水素基であり、
    11は、加水分解性基であり、
    は、単結合、または、炭素数1〜6のアルキレン基であり、
    mは、1〜3の整数であり、
    Rfは、式量50〜10000のエーテル性酸素原子を有していてもよいポリフルオロアルキル基であり、
    複数ある場合のRおよびY11は、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
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