JPWO2019026347A1 - 温熱治療器 - Google Patents

温熱治療器 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2019026347A1
JPWO2019026347A1 JP2019533892A JP2019533892A JPWO2019026347A1 JP WO2019026347 A1 JPWO2019026347 A1 JP WO2019026347A1 JP 2019533892 A JP2019533892 A JP 2019533892A JP 2019533892 A JP2019533892 A JP 2019533892A JP WO2019026347 A1 JPWO2019026347 A1 JP WO2019026347A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
optical fiber
light
resin layer
reflected light
resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019533892A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6915905B2 (ja
Inventor
深野 秀樹
秀樹 深野
周路 田上
周路 田上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okayama University NUC
Original Assignee
Okayama University NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okayama University NUC filed Critical Okayama University NUC
Publication of JPWO2019026347A1 publication Critical patent/JPWO2019026347A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6915905B2 publication Critical patent/JP6915905B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61BDIAGNOSIS; SURGERY; IDENTIFICATION
    • A61B18/00Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body
    • A61B18/18Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body by applying electromagnetic radiation, e.g. microwaves
    • A61B18/20Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body by applying electromagnetic radiation, e.g. microwaves using laser
    • A61B18/22Surgical instruments, devices or methods for transferring non-mechanical forms of energy to or from the body by applying electromagnetic radiation, e.g. microwaves using laser the beam being directed along or through a flexible conduit, e.g. an optical fibre; Couplings or hand-pieces therefor
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01KMEASURING TEMPERATURE; MEASURING QUANTITY OF HEAT; THERMALLY-SENSITIVE ELEMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01K11/00Measuring temperature based upon physical or chemical changes not covered by groups G01K3/00, G01K5/00, G01K7/00 or G01K9/00
    • G01K11/32Measuring temperature based upon physical or chemical changes not covered by groups G01K3/00, G01K5/00, G01K7/00 or G01K9/00 using changes in transmittance, scattering or luminescence in optical fibres
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01KMEASURING TEMPERATURE; MEASURING QUANTITY OF HEAT; THERMALLY-SENSITIVE ELEMENTS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G01K5/00Measuring temperature based on the expansion or contraction of a material
    • G01K5/48Measuring temperature based on the expansion or contraction of a material the material being a solid
    • G01K5/50Measuring temperature based on the expansion or contraction of a material the material being a solid arranged for free expansion or contraction
    • G01K5/52Measuring temperature based on the expansion or contraction of a material the material being a solid arranged for free expansion or contraction with electrical conversion means for final indication

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Surgery (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Medical Informatics (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • Electromagnetism (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Heart & Thoracic Surgery (AREA)
  • Otolaryngology (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Measuring Temperature Or Quantity Of Heat (AREA)
  • Laser Surgery Devices (AREA)

Abstract

温度計測を行いながら加温治療を同時に行える本発明の温熱治療器を提供する。波長帯域の広い光を出射する投光器(22)と、この光が入射されることで第1の反射光と第2の反射光を生じさせる光ファイバ装置(24)と、光ファイバ装置(24)から出射された第1の反射光と第2の反射光の干渉光を受光する受光器(26)と、受光器(26)から出力された信号を解析する解析器(27)とを備えた温熱治療器であって、光ファイバ装置(24)は、前記光を伝搬させる光ファイバ(24a)と、この光ファイバ(24a)が挿通されることで同光ファイバを囲繞するチューブ(24b)と、このチューブ(24b)内に充填した樹脂(24c)とを有し、光ファイバ(24a)の先端側には樹脂(24c)で形成した樹脂層(24c')を設け、光ファイバ(24a)から出射された前記光を樹脂層(24c')の先端側で反射させて第2の反射光とを生じさせる温熱治療器とする。

Description

本発明は、温度を計測しながら温熱治療を実施可能とした温熱治療器に関する。
ガンの治療方法の一つとして温熱療法が知られている。温熱療法では、ガン細胞が正常細胞と比較して、40〜45℃の温度範囲において生存率が低いという現象を利用しており、対象患部を加温することで治療を行っている。
患部を所定の温度とする加温手段としては、一般的には、熱風、温水、赤外線などの熱伝導による外部加温手段が用いられている。しかし、外部加温手段による加温では、体内のガン細胞を局所的に加温することが困難な場合が多い。そこで、最近では、マイクロ波や電磁波を電極針を通じて照射して加温する方法や、超音波を照射して加温する方法などの内部加温手段が検討されている。
外部加温手段を用いた温熱療法の場合でも、内部加温手段を用いた温熱療法の場合でも、目的の患部を加温すると同時に、患部の加温状態を確認するための温度計測を行うことは、非常に難しい。温度計測が必要な場合には、加温手段による患部の加熱を一旦停止して温度センサ等で温度を計測しなければならなかった。そのため、加温の停止による温度計測部位での温度低下の影響が生じやすく、比較的長い時間にわたって安定的に一定温度を維持することが重要な温熱療法に最適な状況となっていなかった。特に、内部加温手段を用いた温熱療法では、マイクロ波や電磁波あるいは超音波等を利用して加温を行っていることにより、加温中の温度計測において温度センサが電磁的あるいは振動的な干渉を受けることで正常動作しないこともあり、温度計測をより困難としていた。
このような電磁的あるいは振動的な干渉を受ける環境下での温度の計測方法として、光ファイバとレーザ光を利用した温度の計測方法が知られている(例えば、特許文献1参照。)。光ファイバとレーザ光を利用した温度計測では、干渉光を生じさせてその強度変化を検出することで温度変化を検出することとしている。
特表平09−508468号公報
既存の光ファイバとレーザ光を利用した温度計測では、干渉光の強度変化が比較的小さいという問題があった。そのため、温度変化の分解能を大きくすることが困難であり、実用に耐えなかった。
本発明者らは、このような現状に鑑み、干渉光の強度変化を大きくすべく研究開発を行う中で、温度計測を行いながら加温治療を同時に行える本発明の温熱治療器を発明するに至った。
本発明の温熱治療器は、波長帯域の広い光を出射する投光器と、この光が入射されることで第1の反射光と第2の反射光を生じさせる光ファイバ装置と、光ファイバ装置から出射された第1の反射光と第2の反射光の干渉光を受光する受光器と、受光器から出力された信号を解析する解析器とを備えた温熱治療器であって、光ファイバ装置は、前記光を伝搬させる光ファイバと、この光ファイバが挿通されることで同光ファイバを囲繞するチューブと、このチューブ内に充填した樹脂とを有している温熱治療器としている。
特に、本発明の温熱治療器では、光ファイバの先端側には樹脂で形成した樹脂層を設け、光ファイバから出射された前記光を樹脂層の先端側で反射させて第2の反射光を生じさせている。
さらに、本発明の温熱治療器では、以下の点にも特徴を有するものである。
(1)樹脂は、光ファイバの長手方向における樹脂層の長さが、温度によって変動する樹脂であること。
(2)樹脂層の先端端面を球面状として、第2の反射光を光ファイバのコアに向けて集光させていること。
(3)光ファイバの先端側に、光ファイバのコアと同一材料であって、光ファイバのコアよりも太径の円柱状とした太径コア体を設け、この太径コア体の先端側に樹脂層を設けていること。
(4)太径コア体の先端には、第2の反射光を光ファイバのコアに向けて集光する湾曲面を形成していること。
(5)光ファイバの先端から樹脂層の先端までの樹脂層の長さを60μm以下としていること。
(6)波長帯域の広い光にレーザ光を合波して、このレーザ光で患部を加温可すること。
本発明によれば、干渉光を生じさせる第1の反射光と第2の反射光のうち、第2の反射光を、光ファイバの先端側に設けた樹脂層の先端側で反射させることで生じさせるているので、第2の反射光は、第1の反射光よりも温度変化の影響を受けた光とすることができる。したがって、温度変化に起因した干渉光の強度変化を大きくすることができるので、温度計測の精度を向上させることができる。さらに、樹脂層の先端側で反射せずに透過した光で患部の加温が可能であり、患部の加温と温度計測を同時に行える温熱治療器を提供できる。
第1実施形態の温熱治療器の概略構成図である。 第1実施形態の温熱治療器の光ファイバ装置の模式図である。 第1実施形態の温熱治療器の光ファイバ装置で計測した光スペクトルのグラフである。 第1実施形態の温熱治療器の温度計測性能を試験したグラフである。 第1実施形態の温熱治療器の加温性能を試験したグラフである。 光ファイバ装置の変容例の模式図である。 第2実施形態の温熱治療器の概略構成図である。 第2実施形態の温熱治療器の光ファイバ装置の模式図である。 第2実施形態の温熱治療器の光ファイバ装置で計測した光スペクトルのグラフである。 第2実施形態の温熱治療器の温度計測性能を試験したグラフである。 第2実施形態の温熱治療器の加温性能を試験したグラフである。
本発明の温熱治療器は、波長帯域の広い光を出射する投光器と、この光が入射されることで第1の反射光と第2の反射光を生じさせる光ファイバ装置と、光ファイバ装置から出射された第1の反射光と第2の反射光の干渉光を受光する受光器と、受光器から出力された信号を解析する解析器とを備えた温熱治療器である。
特に、光ファイバ装置は、波長帯域の広い光を伝搬させる光ファイバと、この光ファイバが挿通されることで同光ファイバを囲繞するチューブと、このチューブ内に充填した樹脂とで構成している。そして、光ファイバの先端側には樹脂で形成した樹脂層を設けて、光ファイバから出射された光を樹脂層の先端側で反射させて第2の反射光を生じさせている。
以下において、図面を用いながら詳説する。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の温熱治療器の概略構成図である。本実施形態の温熱治療器では、患部を加温するために用いるレーザ光を出射する第1投光器11と、温度計測に用いる波長帯域の広い光を出射する第2投光器12を備えている。
第1投光器11から出射したレーザ光と第2投光器12から出射した波長帯域の広い光は、それぞれ適宜の光ファイバを介して波長多重分離装置15に入射させている。波長多重分離装置15では、第1投光器11から出射したレーザ光と第2投光器12から出射した光とを合波して合波光として出射している。
波長多重分離装置15から出射した合波光は、適宜の光ファイバを介してファイバ型光サーキュレータ13に入射させている。ファイバ型光サーキュレータ13は、波長多重分離装置15から入射された合波光を光ファイバ装置14に出射している。
光ファイバ装置14では、後述するように、第1の反射光と第2の反射光とを生じさせるとともに、この第1の反射光と第2の反射光をファイバ型光サーキュレータ13に入射させている。
光ファイバ装置14からファイバ型光サーキュレータ13に入射された第1の反射光と第2の反射光は、適宜の光ファイバを介してファイバ型光サーキュレータ13から波長多重分離装置15に入射させている。
波長多重分離装置15では、ファイバ型光サーキュレータ13から入射された光に対して、第2投光器12から入力された波長帯域医の広い光の波長成分のみを波長分離して、この波長分離した光、すなわち、光ファイバ装置14から出射された第1の反射光と第2の反射光とによって生じる干渉光を受光器16に入射させている。
受光器16は、光スペクトラムアナライザの機能を有しており、入射された第1の反射光と第2の反射光とによって生じる干渉光に基づいて、各波長成分の光強度に比例した電気信号を生成して、解析器17に入力している。
解析器17は、本実施形態ではパーソナルコンピュータで構成し、受光器16に入力された第1の反射光と第2の反射光とによって生じる干渉光の波長毎の光強度の出力信号を検出し、波長シフト量を検出することで温度変化を計測することとしている。本実施形態では、解析器17はパーソナルコンピュータで構成しているが、専用の処理を実行する装置を構築してもよい。
光ファイバ装置14は、図2に示すように、シングルモードのレーザ光を伝搬させる光ファイバ14aと、この光ファイバ14aが挿通されることで同光ファイバ14aを囲繞するチューブ14bと、このチューブ14b内に充填した樹脂14cとで構成している。
特に、光ファイバ14aの先端側には樹脂14cで形成した樹脂層14c'を設けている。この樹脂層14c'は、光ファイバ14aのコアと接しており、樹脂層14c'と光ファイバ14aのコアとの境界面により、樹脂層14c'に入射される光の一部が反射して第1の反射光L1を生じさせている。
樹脂層14c'に入射された光は、光の回折により広がり角をもって樹脂層14c'内を進行する。説明の便宜上、広がり角をもって樹脂層14c'内を進行する入射光を「回折光」と呼ぶことにする。
回折光の一部は、樹脂層14c'の先端側で反射することで第2の反射光L2となり、残りの回折光は樹脂層14c'の先端側を透過している。
本実施形態では、光ファイバ14aは、コア径が8.2μmで、クラッド径が125μmである光ファイバを用い、チューブ14bは、テフロン(登録商標)製のチューブを用いている。
樹脂14cは、光ファイバ14aの長手方向における樹脂層14c'の長さが、温度によって変動する樹脂であり、本実施形態では、フッ素樹脂を用いている。フッ素樹脂以外にもフッ素化アクリル樹脂等を用いることができる。また、本実施形態では、樹脂層14c'の長さ、すなわち光ファイバ14aの先端から樹脂層14c'の先端までの長さは、約350μmであった。この樹脂層14c'の長さのことを、説明の便宜上、「センサ長」と呼ぶこととする。
第2の反射光L2は、樹脂層14c'内を往復する際に、樹脂層14c'の長さが温度によって変化することで、光路長が変動することとなっている。したがって、温度による光路長の変動を受けにくい第1の反射光L1と、温度による光路長の変動を受ける第2の反射光L2とで、温度の影響を受けた干渉光を生じさせることができる。
特に、第2の反射光L2を生じさせる樹脂層14c'の先端端面は、図2に示すように球面状として凹ミラーの効果を生じさせ、第2の反射光L2を光ファイバ14aのコアに向けて集光させている。
このように、第2の反射光L2を生じさせる樹脂層14c'の先端端面を外側に向けて凸状とした球面状とすることで、光ファイバ14aのコアに集光される第2の反射光L2を格段に増大させることができる。
樹脂層14c'の先端端面を球面状とする際には、チューブ14b内に充填した樹脂14cを硬化させる際の条件を調整することで、樹脂14cの表面張力を利用して球面状としている。なお、第2の反射光L2を生じさせる樹脂層14c'の先端端面は、球面状となっている場合に限定するものではなく、回折光の樹脂層14c'の先端端面での反射光が光ファイバ14aのコアに向かうように角度を調整した傾斜面であってもよい。本発明では、このような傾斜面で構成される場合も球面状の反射面に含むものとする。
光ファイバ装置14の先端側をお湯に漬けて、樹脂層14c'部分の温度を36℃とした場合の、光スペクトルを図3に示す。第1の反射光L1と第2の反射光L2の干渉による光強度の凹凸が明瞭に見られ、その凹凸の大きさである消光比は約3dBと十分な測定精度が得られる信号となっていた。ここで、光強度の凹凸において、凸部分の最高部を「ピーク」、凹部分の最低部を「ディップ」と呼んでいる。樹脂層14c'の先端端面を球面状とするのではなく、光ファイバ14aのコアの延伸方向と直交する平面とした場合には、消光比が1 dB程度以下となり、ノイズの影響が大きくなり、十分な測定精度が得られないことが明らかとなった。
また、光ファイバ装置14の先端側を水に漬けて、水を加温することで周囲温度を変化させながらスペクトルの波長シフト量を測定した結果を図4に示す。図4に示すように、温度の上昇に伴い大きな波長シフトが得られている。これは、樹脂層14c'の熱膨張に伴う光路長の増大だけでなく、樹脂層14c'の屈折率変化によっても第2の反射光L2の位相が大きく変化し、干渉条件が変化することによって干渉波長の変化が現れているためであると考えられる。従って、干渉波長の変化から逆に周囲温度を見積もることができ、温度センサとして利用できることがわかる。温度分解能は、約0.06℃と良好な値が得られた。ちなみに、スペクトルの波長シフト量は、所定のピークあるいはディップのシフト量として測定している。
また、光ファイバ装置14の先端側を水に漬けて、第1投光器11から入射光強度24.3 mWのレーザ光を出射した際の水温の上昇をサーモカメラで測定し、その温度上昇値の時間応答を四角マークでプロットしたものを図5に示す。
光ファイバ装置14の先端側を水に漬けた状態で第1投光器11からレーザ光を射出させると、射出されたレーザ光により光ファイバ装置14の先端近傍の水を発熱させて、時間とともに暖めることができることが確認できた。しかも、約10℃の温度上昇値で飽和する特性を得た。
人体の体温を36℃とした場合、45℃に加温するには9℃の温度上昇幅があればよく、本発明の光ファイバ装置14を備えた温熱治療器が、十分な実用性を有していることが確認できた。
なお、図4に示したように、スペクトルの波長シフト量から温度を特定しているが、スペクトルの波長シフト量としては、実際には、所定のピークまたはディップのシフト量を計測している。ここで、図3に示すように、隣り合ったピークまたはディップは所定の波長間隔で並んでいるため、シフト量がこの波長間隔に近い値となった場合に、ピークまたはディップを誤検出することで、計測エラーを生じさせるおそれがある。
干渉の性質上、隣り合う二つのピークの間隔、及び隣り合う二つのディップの間隔はセンサ長に依存しているので、計測エラーを生じさせないためには、センサ長は60μm以下とすることが望ましい。
上述した実施形態において、チューブ14bはテフロン(登録商標)製としているが、例えばX線耐性の大きな4フッ化エチレンとポリエチレンの共重合体を用いたり、あるいはガラス製としてもよい。
また、図2に示したように、上述した実施形態では、第2の反射光L2を生じさせる樹脂層14c'の先端端面をチューブ14bの先端から飛び出させた構造としているが、図6に示すように、樹脂層14c'の先端端面よりもチューブ14bの先端の方を飛び出させてもよい。樹脂層14c'の先端端面よりもチューブ14bの先端を飛び出させることで、樹脂層14c'に予測不能な衝撃が作用する事を防止でき、保護することができる。なお、この場合においてチューブ14bをガラス製とした場合には、チューブ14bの外側面に保護層を設けて二重構造としてもよく、保護層にはテフロン(登録商標)や、4フッ化エチレンとポリエチレンの共重合体等を適宜用いることができる。
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の温熱治療器の概略構成図である。本実施形態の温熱治療器でも、患部を加温するために用いるレーザ光を出射する第1投光器21と、温度計測に用いる波長帯域の広い光を出射する第2投光器22を備えている。
第1投光器21から出射したレーザ光と第2投光器22から出射した光は、それぞれ適宜の光ファイバを介して波長多重分離装置25に入射させている。波長多重分離装置25では、第1投光器21から出射したレーザ光と第2投光器22から出射した光とを合波して合波光として出射している。
波長多重分離装置25から出射した合波光は、適宜の光ファイバを介してファイバ型光サーキュレータ23に入射させている。ファイバ型光サーキュレータ23は、波長多重分離装置25から入射された合波光を光ファイバ装置24に出射している。
光ファイバ装置24では、後述するように、第1の反射光と第2の反射光とを生じさせるとともに、この第1の反射光と第2の反射光をファイバ型光サーキュレータ23に入射させている。
光ファイバ装置24からファイバ型光サーキュレータ23に入射された第1の反射光と第2の反射光は、適宜の光ファイバを介してファイバ型光サーキュレータ23から波長多重分離装置25に入射させている。
波長多重分離装置25では、ファイバ型光サーキュレータ23から入射された光に対して、第2投光器22から入力された波長帯域の広い光の波長成分のみを波長分離して、この波長分離した光、すなわち、光ファイバ装置24から出射された第1の反射光と第2の反射光とによって生じる干渉光を受光器26に入射させている。
受光器26は、光スペクトラムアナライザの機能を有しており、入射された第1の反射光と第2の反射光とによって生じる干渉光に基づいて、各波長成分の光強度に比例した電気信号を生成して、解析器27に入力している。
解析器27は、本実施形態ではパーソナルコンピュータで構成し、受光器26に入力された第1の反射光と第2の反射光とによって生じる干渉光の波長毎の光強度の出力信号を検出し、波長シフト量を検出することで温度変化を計測することとしている。本実施形態では、解析器27はパーソナルコンピュータで構成しているが、専用の処理を実行する装置を構築してもよい。
光ファイバ装置24は、図8に示すように、シングルモードのレーザ光を伝搬させる光ファイバ24aと、この光ファイバ24aが挿通されることで同光ファイバ24aを囲繞するチューブ24bと、このチューブ24b内に充填した樹脂24cと、光ファイバ24aの先端側に装着した太径コア体24dとで構成している。
太径コア体24dは、光ファイバ24aのコアと同一材料であって、光ファイバ24aのコアよりも太径の円柱状としている。太径コア体24dは、光ファイバ24aのコアと同一材料としていることで、光ファイバ24aのコアと太径コア体24dとの境界面で反射光が生じることはない。
太径コア体24dの先端は、中央部分は、光ファイバ24aのコアの延伸方向と直交する平坦面として、その周囲に湾曲面24eを形成している。この湾曲面24eは、円柱状とした太径コア体24dの先端を熱溶融させることで容易に形成できる。湾曲面24eの内側の平坦面を、説明の便宜上「中央平面」と呼ぶことにする。
さらに、太径コア体24dの先端側には、樹脂24cで形成した樹脂層24c'を設けている。
本実施形態では、光ファイバ24aは、コア径が8.2μmで、クラッド径が125μmである光ファイバを用い、太径コア体24dは、直径125μmで長さ約1mmの円柱状とし、チューブ24bは、テフロン(登録商標)製のチューブを用いている。
樹脂24cは、光ファイバ24aの長手方向における樹脂層24c'の長さが、温度によって変動する樹脂であり、本実施形態では、フッ素樹脂を用いている。フッ素樹脂以外にもフッ素化アクリル樹脂等を用いることができる。また、本実施形態では、樹脂層24c'の長さは、約200μmとしている。
光ファイバ24aから太径コア体24dに入射された光の一部は、入射方向に沿って直進し、残りの光は光の回折により広がり角をもって進行する。説明の便宜上、直進する入射光を「直進光」、広がり角をもって進行する入射光を「回折光」と呼ぶことにする。
さらに、本実施形態の場合、広がり角の大きさによって回折光には3種類があり、第1の回折光は、広がり角が小さいために、太径コア体24d内を進んだ際に、太径コア体24dの先端の中央平面に達する回折光である。第2の回折光は、第1の回折光よりも広がり角が大きく、太径コア体24d内を進んだ際に、太径コア体24dの先端の湾曲面24eに達する回折光である。第3の回折光は、第2の回折光よりもさらに広がり角が大きく、太径コア体24d内を進んだ際に、太径コア体24dの側面に達する回折光である。
第2の回折光と第3の回折光は、その進行先において反射が生じても、その反射光が光ファイバ24aのコアに向けて進む光となることは期待できないので、以下における回折光は、第1の回折光のみを想定して説明する。
直進光は、太径コア体24d内を直進して、太径コア体24dの先端の中央平面における太径コア体24dと樹脂層24c'との境界面で一部が反射して第1の反射光L1'を生じさせている。
回折光も、太径コア体24d内を直進して、太径コア体24dの先端の中央平面における太径コア体24dと樹脂層24c'との境界面で一部が反射するが、この反射光は、第2の回折光及び第3の回折光の場合と同様に、光ファイバ24aのコアに向けて進む光となることは期待できないので、本実施形態において計測に寄与しない光となっている。
太径コア体24dと樹脂層24c'との境界面で反射せずに透過した回折光は、樹脂層24c'内に入射され、さらに樹脂層24c'内を広がり角を維持したまま直進して、樹脂層24c'の先端端面に達し、この先端端面で一部が反射することで第2の反射光L2'を生じさせている。
樹脂層24c'の先端端面は、太径コア体24dの中央平面と平行な平面としており、第2の反射光L2'は、広がり角を維持したまま樹脂層24c'を直進し、太径コア体24dの湾曲面24eに達した場合に、湾曲面24eのレンズ効果によって光ファイバ24aのコアに向けて進む光となる。
このように、第2の反射光L2'は、太径コア体24dと樹脂層24c'との境界面を透過して、樹脂層24c'の先端端面で反射した光であり、特に、太径コア体24dの湾曲面24eによる集光作用によってより多くの第2の反射光L2'を利用可能となっている。
なお、、第2の反射光L2'には、第1の反射光L1'とはならずに、太径コア体24dと樹脂層24c'との境界面を透過した直進光であって、樹脂層24c'の先端端面で反射した光も含まれている。
このように、本実施形態の光ファイバ装置24では、湾曲面24eを有する太径コア体24dを設けていることにより、光ファイバ24aのコアに戻ってくる反射光の量を格段に増大させることができる。
なお、太径コア体24dに形成する湾曲面24eは、湾曲面状のみに限定するものではなく、太径コア体24dの前端端面に達した第2の反射光L2'を光ファイバ24aのコアに向かうように角度を調整した傾斜面であってもよく、本発明では、このような傾斜面で構成される場合も湾曲面24eに含むものとする。
本実施形態の光ファイバ装置24の先端側をお湯に漬けて、樹脂層24c'部分の温度を30℃とした場合の、光スペクトルを図9に示す。第1の反射光L1'と第2の反射光L2'の干渉による光強度の凹凸が明瞭に見られ、その凹凸の大きさである消光比は4dBと十分な測定精度が得られる信号となっていた。ちなみに、湾曲面24eを形成していない太径コア体24dを用いた場合には、消光比が1 dB程度以下となり、ノイズの影響が大きくなり、十分な測定精度が得られなことが明らかとなった。
また、光ファイバ装置24の先端側を水に漬けて、水を加温することで周囲温度を変化させながらスペクトルの波長シフト量を測定した結果を図10に示す。図10に示すように、温度の上昇に伴い大きな波長シフトが得られている。これは、樹脂層24c'の熱膨張に伴う光路長の増大だけでなく、樹脂層24c'の屈折率変化によって第2の反射光L2'の位相が大きく変化し、干渉条件が変化することによって干渉波長の変化が現れているためであると考えられる。従って、干渉波長の変化から逆に周囲温度を見積もることができ、温度センサとして利用できることがわかる。温度分解能は、約0.06℃と良好な値が得られた。
また、光ファイバ装置24の先端側を水に漬けて、第1投光器21から1.48μm波長のレーザ光を出射した際の水温の上昇をサーモカメラで測定した結果を図11に示す。
光ファイバ装置24の先端側を水に漬けた状態で第1投光器21からレーザ光を射出させると、射出されたレーザ光により光ファイバ装置24の先端近傍の水を発熱させて、時間と共に暖めることができることが確認できた。
人体の体温を36℃とした場合、45℃に加温するには9℃の温度上昇幅があればよく、本発明の光ファイバ装置24を備えた温熱治療器が、十分な実用性を有していることが確認できた。
上述した実施形態において、チューブ24bはテフロン(登録商標)製としているが、例えばX線耐性の大きな4フッ化エチレンとポリエチレンの共重合体を用いたり、あるいはガラス製としてもよく、適宜の素材を用いることができる。
また、図8に示したように、上述した実施形態では、チューブ24bの先端を第2の反射光L2'を生じさせる樹脂層24c'の先端端面に一致させているが、チューブ24bの先端を樹脂層24c'の先端端面から飛び出させてもよい。
11,21 第1投光器
12,22 第2投光器
13,23 ファイバ型光サーキュレータ
14,24 光ファイバ装置
15,25 波長多重分離装置
16,26 受光器
17,27 解析器
14a,24a 光ファイバ
14b,24b チューブ
14c,24c 樹脂
14c',24c' 樹脂層
24d 太径コア体
24e 湾曲面

Claims (7)

  1. 波長帯域の広い光を出射する投光器と、
    前記光が入射されることで第1の反射光と第2の反射光を生じさせる光ファイバ装置と、
    前記光ファイバ装置から出射された前記第1の反射光と前記第2の反射光の干渉光を受光する受光器と、
    前記受光器から出力された信号を解析する解析器と
    を備えた温熱治療器であって、
    前記光ファイバ装置は、
    前記光を伝搬させる光ファイバと、
    この光ファイバが挿通されることで前記光ファイバを囲繞するチューブと、
    このチューブ内に充填した樹脂と、
    を有し、
    前記光ファイバの先端側には前記樹脂で形成した樹脂層を設け、前記光ファイバから出射された光を前記樹脂層の先端側で反射させて前記第2の反射光とを生じさせている温熱治療器。
  2. 前記樹脂は、前記光ファイバの長手方向における前記樹脂層の長さが、温度によって変動する樹脂である請求項1に記載の温熱治療器。
  3. 前記樹脂層の先端端面を球面状として、前記第2の反射光を前記光ファイバのコアに向けて集光する請求項1または請求項2に記載の温熱治療器。
  4. 前記光ファイバの先端側には、前記光ファイバのコアと同一材料であって、前記光ファイバのコアよりも太径の円柱状とした太径コア体を設け、
    この太径コア体の先端側に前記樹脂層を設けた請求項1または請求項2に記載の温熱治療器。
  5. 太径コア体の先端には、前記第2の反射光を前記光ファイバのコアに向けて集光する湾曲面を形成している請求項4に記載の温熱治療器。
  6. 前記光ファイバの先端から前記樹脂層の先端まで前記樹脂層の長さを60μm以下としている請求項1〜5のいずれか1項に記載の温熱治療器。
  7. 前記波長帯域の広い光にレーザ光を合波して、このレーザ光で患部を加温する請求項1〜6のいずれか1項に記載の温熱治療器。
JP2019533892A 2017-07-30 2018-03-30 温熱治療器 Active JP6915905B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017147302 2017-07-30
JP2017147302 2017-07-30
PCT/JP2018/013869 WO2019026347A1 (ja) 2017-07-30 2018-03-30 温熱治療器

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2019026347A1 true JPWO2019026347A1 (ja) 2020-07-02
JP6915905B2 JP6915905B2 (ja) 2021-08-04

Family

ID=65233515

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019533892A Active JP6915905B2 (ja) 2017-07-30 2018-03-30 温熱治療器

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP6915905B2 (ja)
WO (1) WO2019026347A1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7429405B2 (ja) 2019-10-18 2024-02-08 国立大学法人 岡山大学 温度変化検出装置及び温熱治療装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01250271A (ja) * 1987-12-04 1989-10-05 Olympus Optical Co Ltd 医用レーザ照射装置
WO2011008559A1 (en) * 2009-06-29 2011-01-20 University Of Massachusetts Lowell Optical fiber pressure sensor with uniform diaphragm and method of fabricating same
JP2011191113A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Tokyo Electron Ltd 温度測定用プローブ、温度測定システム及びこれを用いた温度測定方法
JP2017102107A (ja) * 2015-11-19 2017-06-08 国立大学法人 岡山大学 光ファイバ装置及びセンサシステム

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01250271A (ja) * 1987-12-04 1989-10-05 Olympus Optical Co Ltd 医用レーザ照射装置
WO2011008559A1 (en) * 2009-06-29 2011-01-20 University Of Massachusetts Lowell Optical fiber pressure sensor with uniform diaphragm and method of fabricating same
JP2011191113A (ja) * 2010-03-12 2011-09-29 Tokyo Electron Ltd 温度測定用プローブ、温度測定システム及びこれを用いた温度測定方法
JP2017102107A (ja) * 2015-11-19 2017-06-08 国立大学法人 岡山大学 光ファイバ装置及びセンサシステム

Also Published As

Publication number Publication date
WO2019026347A1 (ja) 2019-02-07
JP6915905B2 (ja) 2021-08-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI276790B (en) Tapered fiber optic strain gauge using cavity ring-down spectroscopy
US11255723B2 (en) Beam power measurement with widening
US9645322B2 (en) Optical probe for optical coherence tomography and manufacturing method therefor
JP2008511872A (ja) 広帯域光ファイバタップ
US10234344B2 (en) Compact multicore fiberoptic device for sensing components of force
CN103998963A (zh) 光纤部件及激光装置
JP6681070B2 (ja) 光ファイバ装置及びセンサシステム
JP6915905B2 (ja) 温熱治療器
Liehr et al. Femtosecond laser structuring of polymer optical fibers for backscatter sensing
JP5786191B2 (ja) 温度感応体、光学式温度センサ、温度計測装置及び熱流束計測装置
JP5728793B2 (ja) 非接触計測装置
Selvas-Aguilar et al. Noncontact optical fiber sensor for measuring the refractive index of liquids
JP2020058481A (ja) 温熱治療器
JP2018068673A (ja) 加熱治療器
JP2004020337A (ja) 温度測定装置
JP7006964B2 (ja) 光ファイバ式計測装置及び光ファイバ式計測方法
JP7429405B2 (ja) 温度変化検出装置及び温熱治療装置
Zhou et al. Fabrication of Optical Fiber Sensors Based on Femtosecond Laser Micro Machining
JP2021043052A (ja) 光ファイバセンサ
KR101824475B1 (ko) 광섬유 센서 및 그를 포함하는 측정 장치
Wang et al. Field-tracing modeling of the ultra-small gradient-index fiber probe
JP2016038395A (ja) 光導波路への光の入射方法
Rashid et al. Evanescent field study on a U-shaped silica fiber absorption sensor using non-sequential ray tracing
KR102611019B1 (ko) Otdr을 적용한 온도감지장치
JPS6082831A (ja) 光フアイバのνa測定方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200110

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20200110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210119

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210319

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210615

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210708

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6915905

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150