JPWO2019009061A1 - 内燃機関の吸気構造 - Google Patents
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Abstract
Description
燃焼室においてタンブル過流を生成するためには、吸気弁の排気弁寄りの傘部背面と燃焼室の天井面との間に、タンブル流路からの吸気を導くことが好ましい。そのため、下記特許文献1に記載の吸気構造ではタンブル流路の出口を燃焼室の天井面に指向させている。
下記特許文献1に記載の吸気構造では、仕切板が直線状に形成されており、このため、シリンダヘッドのタンブル流路と主流路の通路形状と配置に制約が生じる。
前記シリンダヘッドの前記仕切部は、前記シリンダブロック側に向けて屈曲する下流側端部を有し、前記タンブル流路の下流端は、前記内燃機関の燃焼室の天井面を指向するとともに、前記シリンダヘッドの前記タンブル流路は、前記シリンダブロックのシリンダ軸線方向において前記シリンダブロック側に向けて凹状に湾曲する第1湾曲部と、同シリンダブロック側に向けて凸状に湾曲する第2湾曲部とを備えることを特徴とする内燃機関の吸気構造を提供する。
その構成によれば、シリンダヘッドのタンブル流路が複数の湾曲部を有する場合でも、シリンダヘッドの仕切部の厚さを変化させることによって、シリンダヘッドのタンブル流路と主流路の断面面積の調整設定が容易になり、タンブル流路の通路形状と配置の自由度を向上させることができる。
その構成によれば、シリンダヘッドの吸気ポートとインレットパイプとの接続面の領域において、吸気通路が接続面に対して直交しているため、シリンダヘッドへのインレットパイプの取付けが容易となる。
その構成によれば、インレットパイプが、シリンダヘッドとの接続部から車両後方に湾曲して延出され、吸気通路が湾曲する場合であっても、インレットパイプの仕切部の厚さを変化させることによって、インレットパイプのタンブル流路と主流路の断面面積の調整設定が容易となり、タンブル流路の通路形状の自由度を向上させることができる。
その構成によれば、シリンダヘッドのインレットパイプとの接続面の下流側に曲率半径の小さい第1湾曲部が設けられることで、接続面におけるタンブル流路を主流路に近付けて配置でき、タンブル流路と主流路の配置をコンパクトにできるので、各フランジ部の大きさを小さくすることができる。
つまり、インレットパイプが車両後方に延出される吸気構造において、タンブル過流を生成させるため、シリンダヘッドのタンブル流路の下流端が燃焼室の天井面を指向するようにすると、シリンダヘッドのインレットパイプとの接続面でのタンブル流路がシリンダ軸線方向でシリンダブロック側に寄って位置しやすく、接続面を拡大する必要を生じる。
それにより、接続面の構造が複雑になり、締結部材を多くする必要が生じ、部品点数も増加する恐れがある。
しかし、上流側の第1湾曲部の曲率半径を、第2湾曲部の曲率半径より小さくすることで、接続面におけるタンブル流路を主流路に近付けて配置でき、かかる第1湾曲部の下流側に第2湾曲部が接続することで、タンブル流路の下流端を燃焼室の天井面に指向させてタンブル過流を強化でき、かつ、接続面を小さくすることができ、構造の複雑化、部品点数の増加を防止できる。
その構成によれば、シリンダヘッドのタンブル流路のシリンダヘッド側内壁部に曲率の異なる複数の屈曲部を設けることで、タンブル流路の通路形状の自由度を向上させることができる。
その構成によれば、タンブル流路の下流端の開口を拡大した場合の吸気が吸気弁の傘部の背部全般に拡散することが防がれ、吸気弁の排気弁寄りの傘部の背面と燃焼室の天井面との間にタンブル流路からの吸気を導くことを強化され、燃焼室におけるタンブル過流の強化が図られる。
なお、本明細書および特許請求の範囲における前後左右上下等の向きは、本実施形態に係る内燃機関の吸気構造を備えたパワーユニットを、車両に搭載した状態での車両の向きに従うものとする。本実施形態において車両は小型車両であり、具体的には自動二輪車である。
ただし、スロットルボディ7の吸気路70および吸気通路80(図3、図4参照)に関しては、それらを吸気流れ方向に沿って分割する仕切部81の上方を「上」側、下方を「下」側として記載する。
また、図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
以上のことは、図7に示す実施形態2において同様である
本実施形態の自動二輪車1は、いわゆるスクータ型自動二輪車であり、車体前部1Aと車体後部1Bとが、低いフロア部1Cを介して連結されており、車体の骨格をなす車体フレーム2は、図2に示すように概ねダウンチューブ21とメインパイプ22とからなる。
すなわち、車体前部1Aのヘッドパイプ20からダウンチューブ21が下方へ延出し、ダウンチューブ21は、下端で水平に屈曲してフロア部1Cの下方を後方へ延び、図2に示されるようにその後端において、車幅方向に配設された連結フレーム23を介して、左右一対のメインパイプ22に連結され、メインパイプ22は連結フレーム23から傾斜部22aをなして斜め後方に立ち上がって、途中、傾斜をゆるめるように屈曲して後方に延びている。
一方、車体前部1Aにおいては、ヘッドパイプ20に軸支されて上方にハンドル14が設けられ、下方にフロントフォーク15が延びてその下端に前輪16が軸支されている。
パワーユニット3は、その前部が単気筒4ストロークサイクルの空冷式内燃機関(以下、単に「内燃機関」という。)30であり、クランクケース部50aを構成するパワーユニットケース50の前部に、クランク軸51を車幅方向に配して回転自在に軸支し、シリンダ軸C線を略水平に近い状態、例えば水平に対して1/2直角以下、にまで大きく前傾した姿勢にあって、パワーユニットケース50の下端から前方に突出したハンガアーム52の端部が、メインパイプ22のブラケット24に取付けられたリンク部材25を介して上下揺動自在に連結される。
すなわち、パワーユニット3はいわゆるスイングユニットであり、パワーユニット3の後部の動力伝動ケース部55と、メインパイプ22の後部との間には図示しないリヤクッションが介装されている。
一方、シリンダヘッド32の下部から下方に延出した排気管38は、後方へ屈曲し右側に偏って後方に延びて後輪16の右側のマフラ39に接続される。
パワーユニット3における内燃機関30は、シリンダブロック31、シリンダヘッド32、シリンダヘッドカバー33の左半面の断面が示され、パワーユニットケース50は、左ケース半体50Lが、図示しない右ケース半体との合わせ面50bを図示手前に向けて示される。
減速ギヤ機構57は、動力伝達ケース部55の後部の右側開放面55Rの内部に収納され、図示しない減速機ケースにより覆われる。減速ギヤ機構57の出力軸は、後輪17の後車軸56である。
而して、内燃機関30のクランクケース部50aのクランク軸51の回転動力は、動力伝達ケース部55内のベルト式無段変速機と減速ギヤ機構57を介して、後輪17に伝達される。
シリンダブロック31のシリンダボア31a内に摺動自在に嵌合されるピストン34の頂面34aと、頂面34aが対向するシリンダヘッド32の燃焼室天井面(「天井面」)32aとの間には燃焼室36が構成される。
シリンダヘッドカバー33内の動弁機構9に動力伝達を行うため、図示しない無端状のカムチェーンが、クランクケース部50a、シリンダブロック31、シリンダヘッド32のクランク軸51方向の一方側に設けられた図示しないカムチェーン室を通って、カム軸91とクランク軸51との間に架設され、カム軸91はクランク軸51に同期して1/2の回転速度で回転する。
なお、シリンダヘッド32において前記カムチェーン室と反対側(クランク軸51方向の他方側)から燃焼室36内に向かって図示しない点火プラグが嵌挿されている。
吸気ポート42の上流端は、シリンダヘッド32の上方に向けて開口し、インレットパイプ6と接続して、連続した吸気通路80が構成され、インレットパイプ6の上流側に、スロットルボディ7が接続される。
排気ポート43の下流端は、シリンダヘッド32の下方に向けて開口し、排気管38(図2参照)に連結される。
また、シリンダヘッド32における排気ポート43の湾曲外壁部43aに一体に嵌着された排気弁ガイド45に摺動可能に支持された排気弁47が、排気ポート43の燃焼室36に臨む排気弁口41を開閉する。
すなわち、内燃機関30の吸気ポート42の上流端には、インシュレ−タ61を介してインレットパイプ6が接続して、連続した断面略円形の吸気通路80が構成され、インレットパイプ6の上流側に、スロットルボディ7が接続される。
スロットルボディ7は、内燃機関30の燃焼室36に連なる吸気通路80の一部を構成する断面略円形の吸気路70を有し、その上流側は、コネクティングチューブ85を介して、エアクリーナ装置86(図2参照)に接続している。
スロットル弁75は運転者の操作等により、図3、図4図示において時計回りに開弁方向に回動可能となっているとともに、弁体77は図示しない復帰ばねにより、回動する一端部77Aが吸気路70の内面70aに当接するとともに、回動する他端部77Bが吸気路70の内面70aに当接する全閉位置に位置するように、閉弁方向に反時計回りに付勢されている。
本実施形態では、スロットルボディ7の吸気路70は略水平に配向しており、下端側弁体が一端部77Aであり、上端側弁体が他端部77Bである
また、本明細書において、吸気通路80や吸気路70、スロットル弁75についての「上、下」とは、シリンダ軸線C方向においてシリンダヘッドカバー33方向を「上」、シリンダブロック31方向を「下」といい、空間上の絶対的な「上、下」の意味ではない。
図示上側の主流路80Bと図示下側のタンブル流路80Aとは、インレットパイプ6から吸気ポート42へ縦通し仕切部81により、スロットル弁75の下流側の吸気通路80を図示上下に区画することで、各々断面略半円状に画成される。
なお、仕切部81の吸気通路80幅方向の面とスロットル弁軸76とは平行である。
なお、インレットパイプ6には、主流路80BPに上方外部から貫通して、吸気弁口40に向けて燃料を噴射供給するように配置された燃料噴射弁87が取り付けられる。
そのため、タンブル流路80AHを流れる吸気を、図4中小矢印が示すように、吸気弁46の傘部46aの上方を通過させたうえで、吸気弁46の排気弁47寄りの傘部46aの背面と燃焼室天井面32aとの間からシリンダボア31a内に流入させことができるので、燃焼室36内においてタンブル渦流Tが発生しやすくすることができる。そのように、タンブル流路80Aは、通過した吸気がタンブル渦流Tを発生させるように構成されている。
なお、本明細書で記載する「徐開」とは、スロットル弁全閉時から内燃機関低負荷時における所定開度までのことであり、低負荷における内燃機関の特性により任意に設定することができる。本実施形態では、スロットル弁全閉時からスロットル開度30%までの領域を想定しているが、その開度に限定されることはない。
何れにおいても、本発明は、吸気通路80のタンブル流路80Aと主流路80Bとを仕切る仕切部81、およびタンブル流路80Aの構成等に特徴を有する。
そしてさらに、図4の部分詳細図である図5、および、シリンダヘッド32のタンブル流路80AHの模式的断面を示す図6に示されるように、シリンダヘッド32のタンブル流路80Aは、シリンダ軸線C方向においてシリンダブロック31側に向けて凹状に湾曲する第1湾曲部82と、第1湾曲部82の下流側においてシリンダブロック31側に向けて凸状に湾曲する第2湾曲部83とを備えて、いわばS字形状をなしている。
これは、目的とする形状を有した仕切部材をシリンダヘッド32の鋳造時に鋳込むとか、目的とする形状を有した中子を用いてシリンダヘッド32の鋳造を行うとか、適宜の製造方法で実現可能である。
なお、シリンダヘッド32のタンブル流路80AHは、図6(a)部に模式的に示すような、第1湾曲部82と第2湾曲部83の二つの湾曲部のみで形成されるS字形状であってもよいが、それに限らず、図6(b)部に模式的に示すように、第1湾曲部82の下流側延出方向を第2湾曲部83で変更した後、タンブル流路80AHが直線状部80Acを備えて下流端80Abに至るように形成されてもよい。
第1湾曲部82と第2湾曲部83は、局所的な湾曲部であってもよい。
また、上記の「S字形状」とは、第1湾曲部82と第2湾曲部83とが直接接続するものに限られず、図示しないが、第1湾曲部82と第2湾曲部83との間に直線状の流路部分が介在するものであってもよい。
そのため、シリンダヘッド32へのインレットパイプ6の取付けが容易である。
そして、シリンダヘッド32のタンブル流路80AHの第1湾曲部82は、第2湾曲部83より上流側に設けられるとともに、シリンダヘッド32のインレットパイプ6との接続面32bの下流側に設けられ、第1湾曲部82の、シリンダ軸線Cを含み吸気通路80を縦断する断面上、すなわち図5に示される断面上の曲率半径R1は、第2湾曲部R2の同断面上の曲率半径R2より小さく形成されている
それにより、接続面32b′の構造が複雑になり、図5中に2点鎖線で示すように、締結部材65′を吸気通路80(80H、80P)の後方(図5図示左方)にも設ける等、多くする必要が生じ、部品点数が増加する。
そのため、タンブル流路80AHの下流端80Abの開口を拡大した場合に起きる、吸気の吸気弁46の傘部46aの背部全般への拡散が防がれ、吸気弁46の排気弁47寄りの傘部46aの背面と燃焼室天井面32aとの間にタンブル流路80AHからの吸気を導くことが強化され、燃焼室36におけるタンブル過流Tの強化が図られている。
例えば、図7に示されるようなシリンダ軸線Cの立ち上がった内燃機関、所謂縦型の内燃機関130を備えた車載用のパワーユニット103においても本発明に係る内燃機関の吸気構造は同様な効果を奏して適用される。
それを、実施形態2として以下説明する。
本実施形態2に係るパワーユニット103においては、内燃機関130はSOHC型式の2バルブシステムを採用している。
パワーユニットケース150の後部には、クランク軸51と平行なメイン軸158a、カウンタ軸158bを有するギヤ変速装置158が備えられ、カウンタ軸158bが出力軸となっている。
インレットパイプ6内の吸気通路80Pには、実施形態1と同様に仕切部81が設けられ、スロットル弁75の下端側弁体、すなわち一端部77Aの下流側で吸気通路80Pの下側にタンブル流路80APが配置され、タンブル流路80Aを除く部分が主流路80BPとなっている。
インレットパイプ6の下流側にはシリンダヘッド32の吸気ポート42が接続し、シリンダヘッド32における吸気通路80Hを構成する。シリンダヘッド32の吸気通路80Hは、実施形態1と同様にタンブル流路80AHと主流路80BHに仕切られ、タンブル流路80AHは同様に第1湾曲部82と第2湾曲部83(図6参照)を備えて形成され、その下流端80Abは燃焼室天井部32aを指向し、実施形態1で説明した特徴を同様に備えている。
タンブル流路80Aと主流路80Bを仕切る仕切部81は、実施形態1で説明した特徴を同様に備えている。
したがって、実施形態2においても図7に示すように、実施形態1と同様の本発明の内燃機関の吸気構造が備えられ、同様の作用効果を奏することができる。
なお、説明の便宜上、図示の実施形態の左右配置のものについて説明したが、左右配置の異なるものであっても、発明の要旨の範囲であれば本発明に含まれる。
燃焼室においてタンブル渦流を生成するためには、吸気弁の排気弁寄りの傘部背面と燃焼室の天井面との間に、タンブル流路からの吸気を導くことが好ましい。そのため、下記特許文献1に記載の吸気構造ではタンブル流路の出口を燃焼室の天井面に指向させている。
下記特許文献1に記載の吸気構造では、仕切板が直線状に形成されており、このため、シリンダヘッドのタンブル流路と主流路の通路形状と配置に制約が生じる。
前記シリンダヘッドの前記仕切部は、前記シリンダブロック側に向けて曲がる下流側端部を有し、前記タンブル流路の下流端は、前記内燃機関の燃焼室の天井面を指向するとともに、前記シリンダヘッドの前記タンブル流路は、前記シリンダブロックのシリンダ軸線方向において前記シリンダブロック側に向けて凹状に湾曲する第1湾曲部と、同シリンダブロック側に向けて凸状に湾曲する第2湾曲部とを備えることを特徴とする内燃機関の吸気構造を提供する。
その構成によれば、シリンダヘッドの吸気ポートとインレットパイプとの接続面の領域において、吸気通路が接続面に対して直交しているため、シリンダヘッドへのインレットパイプの取付けが容易となる。
その構成によれば、シリンダヘッドのインレットパイプとの接続面の下流側に曲率半径の小さい第1湾曲部が設けられることで、接続面におけるタンブル流路を主流路に近付けて配置でき、タンブル流路と主流路の配置をコンパクトにできるので、各フランジ部の大きさを小さくすることができる。
つまり、インレットパイプが車両後方に延出される吸気構造において、タンブル渦流を生成させるため、シリンダヘッドのタンブル流路の下流端が燃焼室の天井面を指向するようにすると、シリンダヘッドのインレットパイプとの接続面でのタンブル流路がシリンダ軸線方向でシリンダブロック側に寄って位置しやすく、接続面を拡大する必要を生じる。
それにより、接続面の構造が複雑になり、締結部材を多くする必要が生じ、部品点数も増加する恐れがある。
しかし、上流側の第1湾曲部の曲率半径を、第2湾曲部の曲率半径より小さくすることで、接続面におけるタンブル流路を主流路に近付けて配置でき、かかる第1湾曲部の下流側に第2湾曲部が接続することで、タンブル流路の下流端を燃焼室の天井面に指向させてタンブル渦流を強化でき、かつ、接続面を小さくすることができ、構造の複雑化、部品点数の増加を防止できる。
その構成によれば、シリンダヘッドのタンブル流路のシリンダヘッド側内壁部に曲率の異なる複数の曲がり部を設けることで、タンブル流路の通路形状の自由度を向上させることができる。
その構成によれば、タンブル流路の下流端の開口を拡大した場合の吸気が吸気弁の傘部の背部全般に拡散することが防がれ、吸気弁の排気弁寄りの傘部の背面と燃焼室の天井面との間にタンブル流路からの吸気を導くことを強化され、燃焼室におけるタンブル渦流の強化が図られる。
減速ギヤ機構57は、動力伝動ケース部55の後部の右側開放面55Rの内部に収納され、図示しない減速機ケースにより覆われる。減速ギヤ機構57の出力軸は、後輪17の後車軸56である。
而して、内燃機関30のクランクケース部50aのクランク軸51の回転動力は、動力伝動ケース部55内のベルト式無段変速機と減速ギヤ機構57を介して、後輪17に伝達される。
シリンダヘッドカバー33内の動弁機構9に動力伝達を行うため、図示しない無端状のカムチェーンが、クランクケース部50a、シリンダブロック31、シリンダヘッド32のクランク軸51方向の一方側に設けられた図示しないカムチェーン室を通って、カム軸91とクランク軸51との間に架設され、カム軸91はクランク軸51に同期して1/2の回転速度で回転する。
なお、シリンダヘッド32において前記カムチェーン室と反対側(クランク軸51方向の他方側)から燃焼室36内に向かって図示しない点火プラグが嵌挿されている。
なお、インレットパイプ6には、主流路80BPに上方外部から貫通して、吸気弁口40に向けて燃料を噴射供給するように配置された燃料噴射弁87が取り付けられる。
そのため、タンブル流路80AHを流れる吸気を、図4中小矢印が示すように、吸気弁46の傘部46aの上方を通過させたうえで、吸気弁46の排気弁47寄りの傘部46aの背面と燃焼室天井面32aとの間からシリンダボア31a内に流入させことができるので、燃焼室36内においてタンブル渦流Tが発生しやすくすることができる。そのように、タンブル流路80Aは、通過した吸気がタンブル渦流Tを発生させるように構成されている。
そしてさらに、図4の部分詳細図である図5、および、シリンダヘッド32のタンブル流路80AHの模式的断面を示す図6に示されるように、シリンダヘッド32のタンブル流路80Aは、シリンダ軸線C方向においてシリンダブロック31側に向けて凹状に湾曲する第1湾曲部82と、第1湾曲部82の下流側においてシリンダブロック31側に向けて凸状に湾曲する第2湾曲部83とを備えて、いわばS字形状をなしている。
なお、シリンダヘッド32のタンブル流路80AHは、図6(a)部に模式的に示すような、第1湾曲部82と第2湾曲部83の二つの湾曲部のみで形成されるS字形状であってもよいが、それに限らず、図6(b)部に模式的に示すように、第1湾曲部82の下流側延出方向を第2湾曲部83で変更した後、タンブル流路80AHが直線状部80Acを備えて下流端80Abに至るように形成されてもよい。
第1湾曲部82と第2湾曲部83は、局所的な湾曲部であってもよい。
また、上記の「S字形状」とは、第1湾曲部82と第2湾曲部83とが直接接続するものに限られず、図示しないが、第1湾曲部82と第2湾曲部83との間に直線状の流路部分が介在するものであってもよい。
そして、シリンダヘッド32のタンブル流路80AHの第1湾曲部82は、第2湾曲部83より上流側に設けられるとともに、シリンダヘッド32のインレットパイプ6との接続面32bの下流側に設けられ、第1湾曲部82の、シリンダ軸線Cを含み吸気通路80を縦断する断面上、すなわち図5に示される断面上の曲率半径R1は、第2湾曲部83の同断面上の曲率半径R2より小さく形成されている
それにより、接続面32b′の構造が複雑になり、図5中に2点鎖線で示すように、締結部材65′を吸気通路80(80H、80P)の後方(図5図示左方)にも設ける等、多くする必要が生じ、部品点数が増加する。
そのため、タンブル流路80AHの下流端80Abの開口を拡大した場合に起きる、吸気の吸気弁46の傘部46aの背部全般への拡散が防がれ、吸気弁46の排気弁47寄りの傘部46aの背面と燃焼室天井面32aとの間にタンブル流路80AHからの吸気を導くことが強化され、燃焼室36におけるタンブル渦流Tの強化が図られている。
Claims (7)
- シリンダブロック(31)に連結されたシリンダヘッド(32)の吸気通路(80H)に吸気流れ方向(F)に沿って仕切部(81)が設けられ、前記吸気通路(80H)が前記仕切部(81)によってタンブル流路(80AH)と主流路(80BH)とに仕切られた内燃機関(30)の吸気構造において、
前記シリンダヘッド(32)の前記仕切部(81)は、前記シリンダブロック(31)側に向けて屈曲する下流側端部(81b)を有し、前記タンブル流路(80AH)の下流端(80Ab)は、前記内燃機関(30)の燃焼室(36)の天井面(32a)を指向するとともに、
前記シリンダヘッド(32)の前記タンブル流路(80AH)は、前記シリンダブロック(31)のシリンダ軸線(C)方向において前記シリンダブロック(31)側に向けて凹状に湾曲する第1湾曲部(82)と、同シリンダブロック(31)側に向けて凸状に湾曲する第2湾曲部(83)とを備えることを特徴とする内燃機関の吸気構造。 - 前記シリンダヘッド(32)の前記仕切部(81)は吸気流れ方向(F)の上流側から下流側に向かうにつれて変化する厚さ(d1)を有することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記シリンダヘッド(32)は、前記シリンダヘッド(32)の吸気ポート(42)の上流端に、吸気用インレットパイプ(6)が接続される接続面(32b)を備え、同接続面(32b)の領域において前記吸気通路(80H,80P)は、同接続面(32b)に対して直交することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記内燃機関(30)は、前記シリンダ軸線(C)を水平近くにまで前傾させて車両(1)に搭載された内燃機関(30)であり、
前記インレットパイプ(6)は、前記シリンダヘッド(32)との接続部(6b)から車両後方に湾曲して延出され、同インレットパイプ(6)内の吸気通路(80P)は、吸気流れ方向(F)に沿って設けられた仕切部(81)によってタンブル流路(80AP)と主流路(80BP)とに仕切られ、
前記インレットパイプ(6)の仕切部(81)は、吸気流れ方向(F)の上流側から下流側に向かうにつれて変化する厚さ(d2)を有することを特徴とする請求項3に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記シリンダヘッド(32)と前記インレットパイプ(6)の間にインシュレータ(61) が介装され、前記シリンダヘッド(32)、前記インレットパイプ(6)および前記インシュレータ(61)のそれぞれにフランジ部(32c,6c,61c)が設けられ、同フランジ部の螺入部(32d,6d,61d)に螺入された締結部材(65)により、前記インレットパイプ(6)が前記シリンダヘッド(32)に締結接合され、
前記シリンダヘッド(32)のタンブル流路(80AH)の前記第1湾曲部(82)は、前記第2湾曲部(83)より吸気流れ方向(F)の上流側に設けられるとともに、前記シリンダヘッド(32)の前記インレットパイプ(6)との接続面(32b)の下流側に設けられ、
前記第1湾曲部(82)の曲率半径(R1)は、前記第2湾曲部(83)の曲率半径(R2)より小さいことを特徴とする請求項4に記載の内燃機関の吸気構造。 - 前記シリンダヘッド(32)の前記タンブル流路(80AH)は、そのシリンダブロック(31)側内壁部(32e)に曲率の異なる複数の屈曲部(37)を備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気構造。
- 前記シリンダヘッド(32)の前記タンブル流路(80AH)の下流端(80Ab)は、前記燃焼室(36)の前記天井面(32a)を指向する方向性を端縁において有するように、端縁流路壁(84)により形成され、前記タンブル流路下流端(80Ab)は、それにより案内された吸気が前記吸気ポート(42)の主流路(80BH)により案内された吸気に合流するように、前記吸気ポート(42)の主流路(80BH)に開口することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関の吸気構造。
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