JPWO2019009054A1 - 基板処理システム、基板洗浄方法および記憶媒体 - Google Patents

基板処理システム、基板洗浄方法および記憶媒体 Download PDF

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Abstract

実施形態に係る基板処理システムは、保持部と、剥離処理液供給部と、溶解処理液供給部とを備える。保持部は、有機溶媒に可溶なフェノール樹脂を含有する処理膜が形成された基板を保持する。剥離処理液供給部は、処理膜を基板から剥離させる剥離処理液を処理膜に対して供給する。溶解処理液供給部は、処理膜を溶解させる溶解処理液を処理膜に対して供給する。

Description

開示の実施形態は、基板処理システム、基板洗浄方法および記憶媒体に関する。
従来、シリコンウェハや化合物半導体ウェハ等の基板からパーティクルを除去するための各種の手法が提案されている。
例えば、特許文献1に記載の基板洗浄方法は、アクリル樹脂を成分とする成膜処理液を基板へ供給して基板上に処理膜を形成した後、処理膜に対して剥離処理液を供給して処理膜をパーティクルとともに基板から剥離させる。その後、特許文献1に記載の基板洗浄方法は、処理膜に対して溶解処理液を供給して処理膜を溶解させることによって処理膜およびパーティクルを基板上から除去する。かかる基板洗浄方法によれば、基板の表面に影響を与えることなく、基板に付着したパーティクルを除去することができる。
特開2016−036012号公報
実施形態の一態様は、基板に付着したパーティクルの除去に用いられる処理膜の厚膜化を安価に実現することができる技術を提供する。
実施形態の一態様に係る基板処理システムは、保持部と、剥離処理液供給部と、溶解処理液供給部とを備える。保持部は、有機溶媒に可溶なフェノール樹脂を含有する処理膜が形成された基板を保持する。剥離処理液供給部は、処理膜を基板から剥離させる剥離処理液を処理膜に対して供給する。溶解処理液供給部は、処理膜を溶解させる溶解処理液を処理膜に対して供給する。
実施形態の一態様によれば、基板に付着したパーティクルの除去に用いられる処理膜の厚膜化を安価に実現することができる。
図1Aは、本実施形態に係る基板洗浄方法の説明図である。 図1Bは、本実施形態に係る基板洗浄方法の説明図である。 図1Cは、本実施形態に係る基板洗浄方法の説明図である。 図1Dは、本実施形態に係る基板洗浄方法の説明図である。 図1Eは、本実施形態に係る基板洗浄方法の説明図である。 図2は、本実施形態に係る基板洗浄システムの構成を示す模式図である。 図3は、本実施形態に係る基板洗浄装置の構成を示す模式図である。 図4Aは、第1液供給部に接続される処理液供給系の構成の一例を示す図である。 図4Bは、第2液供給部に接続される処理液供給系の構成の一例を示す図である。 図5は、本実施形態に係る基板洗浄システムが実行する基板洗浄処理の処理手順を示すフローチャートである。 図6は、アルカリに可溶な成膜処理液を用いる場合における除去処理の処理手順を示すフローチャートである。 図7は、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合における除去処理の処理手順を示すフローチャートである。 図8は、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合における除去処理の変形例(その1)を示すフローチャートである。 図9は、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合における除去処理の変形例(その2)を示すフローチャートである。 図10は、除去処理の変形例を示すフローチャートである。 図11は、剥離処理液として希釈有機溶剤を用いる場合における除去処理の変形例を示すフローチャートである。 図12Aは、希釈有機溶剤供給処理の説明図(その1)である。 図12Bは、希釈有機溶剤供給処理の説明図(その2)である。 図12Cは、希釈有機溶剤供給処理の説明図(その3)である。 図13は、その他の実施形態に係る基板洗浄システムが実行する基板洗浄処理の処理手順を示すフローチャートである。 図14Aは、第1の成膜促進処理の説明図である。 図14Bは、第1の成膜促進処理を実行する場合における基板洗浄システムの構成を示す模式図である。 図15Aは、第2の成膜促進処理の説明図(その1)である。 図15Bは、第2の成膜促進処理の説明図(その2)である。 図15Cは、第2の成膜促進処理の説明図(その3)である。 図15Dは、第2の成膜促進処理を実行する場合における基板洗浄システムの構成を示す模式図(その1)である。 図15Eは、第2の成膜促進処理を実行する場合における基板洗浄システムの構成を示す模式図(その2)である。 図15Fは、第2の成膜促進処理を実行する場合における基板洗浄システムの構成を示す模式図(その3)である。 図16Aは、第3の成膜促進処理の説明図である。 図16Bは、第3の成膜促進処理を実行する場合における基板洗浄システムの構成を示す模式図である。 図17は、チャンバ洗浄処理の手順を示すフローチャートである。 図18Aは、チャンバ洗浄処理の動作例を示す図(その1)である。 図18Bは、チャンバ洗浄処理の動作例を示す図(その2)である。 図18Cは、チャンバ洗浄処理の動作例を示す図(その3)である。 図18Dは、チャンバ洗浄処理の動作例を示す図(その4)である。 図18Eは、チャンバ洗浄処理の動作例を示す図(その5)である。 図18Fは、チャンバ洗浄処理の動作例を示す図(その6)である。 図18Gは、チャンバ洗浄処理の動作例を示す図(その7)である。 図18Hは、チャンバ洗浄処理の動作例を示す図(その8)である。
以下、添付図面を参照して、本願の開示する基板処理システム、基板洗浄方法および記憶媒体の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態により本開示による基板処理システム、基板洗浄方法および記憶媒体が限定されるものではない。
特許文献1に記載の基板洗浄方法は、アクリル樹脂を成分とする成膜処理液を基板へ供給して基板上に処理膜を形成した後、処理膜に対して剥離処理液を供給して処理膜をパーティクルとともに基板から剥離させる。その後、特許文献1に記載の基板洗浄方法は、処理膜に対して溶解処理液を供給して処理膜を溶解させることによって処理膜およびパーティクルを基板上から除去する。かかる基板洗浄方法によれば、基板の表面に影響を与えることなく、基板に付着したパーティクルを除去することができる。しかしながら、特許文献1に記載の基板洗浄方法には、処理膜の厚膜化を安価に実現するという点でさらなる改善の余地がある。
例えば、アクリル樹脂を成分とする成膜処理液は厚膜化が難しく、基板上に形成されるパターンの深さによっては、パターンの上部が処理膜から露出することで、パターンの上部に付着したパーティクルが適切に除去されないおそれがある。また、厚膜化できたとしても、処理膜を厚くするほど成膜処理液中のアクリル樹脂の含有量が増えるため、処理コストが増加するおそれがある。そこで、基板に付着したパーティクルの除去に用いられる処理膜の厚膜化を安価に実現することができる技術の提供が期待されている。
<基板洗浄方法の内容>
まず、本実施形態に係る基板洗浄方法の内容について図1A〜図1Eを用いて説明する。図1A〜図1Eは、本実施形態に係る基板洗浄方法の説明図である。
図1Aに示すように、本実施形態に係る基板洗浄方法では、シリコンウェハや化合物半導体ウェハ等の基板(以下、「ウェハW」と記載する場合もある)のパターン形成面に対し、「成膜処理液」を供給する。本実施形態に係る成膜処理液は、[A]溶媒と、[B]フェノール樹脂とを含有する。
ウェハWのパターン形成面に供給された成膜処理液は、固化または硬化して処理膜となる。これにより、ウェハW上に形成されたパターンやパターンに付着したパーティクルPがこの処理膜に覆われた状態となる(図1B参照)。なお、ここでいう「固化」とは、固体化することを意味し、「硬化」とは、分子同士が連結して高分子化すること(例えば架橋や重合等)を意味する。
つづいて、図1Bに示すように、ウェハW上の処理膜に対して剥離処理液が供給される。剥離処理液とは、前述の処理膜をウェハWから剥離させる処理液である。
剥離処理液は、処理膜上に供給された後、処理膜中に浸透していき処理膜とウェハWとの界面に到達する。このように、処理膜とウェハWとの界面に剥離処理液が入り込むことで、処理膜は「膜」の状態でウェハWから剥離し、これに伴い、パターン形成面に付着したパーティクルPが処理膜とともにウェハWから剥離する(図1C参照)。
つづいて、図1Dに示すように、ウェハWから剥離された処理膜に対し、処理膜を溶解させる溶解処理液が供給される。これにより、処理膜は溶解し、処理膜に取り込まれていたパーティクルPは、溶解処理液中に浮遊した状態となる。その後、溶解処理液や溶解した処理膜を純水等で洗い流すことにより、パーティクルPは、ウェハW上から除去される(図1E参照)。
このように、本実施形態に係る基板洗浄方法では、ウェハW上に形成された処理膜をウェハWから「膜」の状態で剥離させることで、パターン等に付着したパーティクルPを処理膜とともにウェハWから除去することとした。
したがって、本実施形態に係る基板洗浄方法によれば、化学的作用を利用することなくパーティクル除去を行うため、エッチング作用等による下地膜の侵食を抑えることができる。
また、本実施形態に係る基板洗浄方法によれば、従来の物理力を利用した基板洗浄方法と比較して弱い力でパーティクルPを除去することができるため、パターン倒れを抑制することもできる。
さらに、本実施形態に係る基板洗浄方法によれば、従来の物理力を利用した基板洗浄方法では除去が困難であった、粒子径が小さいパーティクルPを容易に除去することが可能となる。
上述したように、本実施形態に係る成膜処理液は、[A]溶媒と、[B]フェノール樹脂とを含有する。[B]フェノール樹脂は、従来の成膜処理液に用いられるアクリル樹脂と比較して安価である。また、[B]フェノール樹脂を成分とする本成膜処理液は、従来のアクリル樹脂を成分とする成膜処理液と比較して厚膜化が容易である。したがって、本実施形態に係る基板洗浄方法によれば、ウェハWに付着したパーティクルPの除去に用いられる処理膜の厚膜化を安価に実現することができる。処理膜を厚膜化することで、パターンの上部が処理膜から露出しにくくなるため、パターンの上部に付着したパーティクルPが除去されずに残存することを防止することができる。
また、[B]フェノール樹脂を含有する本実施形態に係る処理膜は、アクリル樹脂を含有する従来の処理膜と比べて、溶解処理液としての有機溶剤(後述するシンナーやIPAなど)に溶けにくい。このため、[B]フェノール樹脂を含有する本実施形態に係る処理膜は、有機溶剤が供給された後、「膜」の状態が保たれる時間が従来の処理膜よりも長い。このため、本実施形態に係る処理膜を用いることで、従来の処理膜を用いた場合と比べ、処理膜をより「膜」の状態のままウェハWから剥離させることができる。すなわち、図1Cに示す状態を長く継続させることができる。これにより、剥離力が向上するため、パーティクルをより確実にウェハWから除去することができる。
なお、本実施形態に係る基板洗浄方法において、処理膜は、ウェハWに成膜された後、パターン露光を行うことなくウェハWから全て除去される。したがって、洗浄後のウェハWは、成膜処理液を塗布する前の状態、すなわち、パターン形成面が露出した状態となる。
成膜処理液は、さらに低分子有機酸(以下、単に「[C]有機酸」ともいう)を含有することができる。ここで低分子有機酸とは一分子内に1つ以上の炭素原子を含み、かつ重合または縮合反応により生ずる繰り返し構造を有しない酸をいう。分子量は限定されないが、一般的には40以上2000以下である。成膜処理液は、[C]有機酸を含有することにより、ウェハW表面からのパーティクルPの除去がさらに容易となる。
成膜処理液は[A]〜[C]成分以外に、本開示による効果を損なわない範囲において、任意成分を含有していてもよい。
以下、各成分について説明する。
<[A]溶媒>
[A]溶媒は、[B]フェノール樹脂を溶解する成分である。[C]有機酸を添加する場合、[C]有機酸を溶解するものであることが好ましい。
[A]溶媒としては、例えば、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等の有機溶媒;水等が挙げられる。
アルコール系溶媒の例としては、たとえば、炭素数1〜18の1価のアルコールが挙げられる。炭素数1〜18の1価のアルコールとしては、たとえば、エタノール、イソプロピルアルコール、アミルアルコール、4−メチル−2−ペンタノール、シクロヘキサノール等が挙げられる。また、炭素数1〜18の1価のアルコールとしては、たとえば、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノール、フルフリルアルコール、ベンジルアルコール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。また、アルコール系溶媒の例としては、たとえば、炭素数2〜12の2価のアルコールが挙げられる。炭素数2〜12の2価のアルコールとしては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール等が挙げられる。また、アルコール系溶媒の例としては、炭素数1〜18の1価のアルコールまたは炭素数2〜12の2価のアルコールの部分エーテルなどが挙げられる。
エーテル系溶媒の例としては、たとえば、ジアルキルエーテル系溶媒が挙げられる。ジアルキルエーテル系溶媒としては、たとえば、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソアミルエーテル等が挙げられる。また、エーテル系溶媒の例としては、たとえば、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等の環状エーテル系溶媒、ジフェニルエーテル、アニソール等の芳香環含有エーテル系溶媒等が挙げられる。
ケトン系溶媒の例としては、たとえば、鎖状ケトン系溶媒が挙げられる。鎖状ケトン系溶媒としては、たとえば、アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン等が挙げられる。また、鎖状ケトン系溶媒としては、メチル−iso−ブチルケトン、2−ヘプタノン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン等が挙げられる。また、ケトン系溶媒の例としては、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒、2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン、アセトフェノン等が挙げられる。
アミド系溶媒の例としては、たとえば、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン、N−メチルピロリドン等の環状アミド系溶媒が挙げられる。また、アミド系溶媒の例としては、たとえば、鎖状アミド系溶媒が挙げられる。鎖状アミド系溶媒としては、たとえば、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等が挙げられる。
エステル系溶媒の例としては、たとえば、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸ベンジル、酢酸シクロヘキシル、乳酸エチル等の1価アルコールカルボキシレート系溶媒が挙げられる。また、エステル系溶媒の例としては、たとえば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボキシレート、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルのモノカルボキシレート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒が挙げられる。また、エステル系溶媒の例としては、たとえば、ブチロラクトン等の環状エステル系溶媒、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒、シュウ酸ジエチル、フタル酸ジエチル等の多価カルボン酸アルキルエステル系溶媒等が挙げられる。
炭化水素系溶媒としては、たとえば、脂肪族炭化水素系溶媒が挙げられる。脂肪族炭化水素系溶媒としては、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等が挙げられる。また、炭化水素系溶媒としては、芳香族炭化水素系溶媒が挙げられる。芳香族炭化水素系溶媒としては、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン等が挙げられる。また、芳香族炭化水素系溶媒としては、たとえば、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等が挙げられる。
これらの中で、有機溶媒が好ましい。有機溶媒としては、アルコール系溶媒、エーテル系溶媒が好ましく、モノアルコール系溶媒、ジアルキルエーテル系溶媒がより好ましい。また、有機溶媒としては、4−メチル−2−ペンタノール、ジイソアミルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エトキシプロパノール、乳酸エチルがさらに好ましい。
[A]溶媒中の水の含有率としては、20質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、2質量%以下がさらに好ましく、0質量%が特に好ましい。[A]溶媒中の水の含有率を上記上限以下とすることで、形成される処理膜の強度をより適度に低下させることができ、その結果パーティクル除去性能を向上させることができる。
[A]溶媒の含有量の下限としては、50質量%が好ましく、60質量%がより好ましく、70質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、99.9質量%が好ましく、99質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。[A]溶媒の含有量を上記下限と上限との間とすることで、成膜処理液は、窒化ケイ素基板に対するパーティクル除去性能がより向上する。成膜処理液は、[A]溶媒を1種又は2種以上含有していてもよい。
<[B]フェノール樹脂>
[B]フェノール樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾールフェノール樹脂等が挙げられる。これらの中で、ノボラック型フェノール樹脂(以下、ノボラック樹脂と記載する)が好ましい。ノボラック樹脂としては、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂等が挙げられる。
<[C]有機酸>
成膜処理液は、さらに[C]有機酸を含むことができる。[C]有機酸を加えることにより、基板表面に形成された処理膜の除去がより容易となる。[C]有機酸の分子量の上限としては、例えば、500であり、400が好ましく、300がより好ましい。[C]有機酸の分子量の下限としては、例えば、50であり、55が好ましい。
[C]有機酸としては、たとえば、モノカルボン酸が挙げられる。モノカルボン酸としては、たとえば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキシル酢酸、1−アダマンタンカルボン酸、安息香酸、フェニル酢酸等が挙げられる。また、[C]有機酸としては、たとえば、フッ素原子含有モノカルボン酸が挙げられる。フッ素原子含有モノカルボン酸としては、たとえば、ジフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロパン酸、ヘプタフルオロブタン酸、フルオロフェニル酢酸、ジフルオロ安息香酸等が挙げられる。また、[C]有機酸としては、たとえば、ヘテロ原子含有モノカルボン酸が挙げられる。ヘテロ原子含有モノカルボン酸としては、たとえば、10−ヒドロキシデカン酸、チオール酢酸、5−オキソヘキサン酸、3−メトキシシクロヘキサンカルボン酸、カンファーカルボン酸、ジニトロ安息香酸、ニトロフェニル酢酸等が挙げられる。また、[C]有機酸としては、たとえば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、ケイ皮酸等の二重結合含有モノカルボン酸などのモノカルボン酸が挙げられる。また、[C]有機酸としては、たとえば、ポリカルボン酸が挙げられる。ポリカルボン酸としては、たとえば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ドデカンジカルボン酸、プロパントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸等が挙げられる、また、ポリカルボン酸としては、たとえば、ヘキサフルオログルタル酸、シクロヘキサンヘキサカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等が挙げられる。また、[C]有機酸としては、たとえば、上記ポリカルボン酸の部分エステル化物などが挙げられる。
[C]有機酸の25℃における水に対する溶解度の下限としては、5質量%が好ましく、7質量%がより好ましく、10質量%がさらに好ましい。上記溶解度の上限としては、50質量%が好ましく、40質量%がより好ましく、30質量%がさらに好ましい。上記溶解度を上記下限と上記上限の間とすることで、形成される処理膜の除去をより容易にすることができる。
[C]有機酸は、25℃において固体であることが好ましい。[C]有機酸が25℃において固体であると、成膜処理液から形成された処理膜中に固体状の[C]有機酸が析出すると考えられ、除去性がより向上する。
[C]有機酸としては、処理膜の除去をより容易とする観点から、多価カルボン酸が好ましく、シュウ酸、リンゴ酸、クエン酸がより好ましい。
成膜処理液中の[C]有機酸の含有量の下限としては、0.01質量%が好ましく、0.05質量%がより好ましく、0.1質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、30質量%が好ましく、20質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。
成膜処理液中の全固形分に対する[C]有機酸の含有量の下限としては、0.5質量%が好ましく、1質量%がより好ましく、3質量%がさらに好ましい。上記含有量の上限としては、30質量%が好ましく、20質量%がより好ましく、5質量%がさらに好ましい。
[C]有機酸の含有量を上記下限と上記上限との間とすることで、処理膜の除去をより容易とすることができる。具体的には、[C]有機酸の含有量を0.1質量%以上とすることで、処理膜中への剥離処理液の浸透性を高めることができ、処理膜をより「膜」の状態のままウェハWから剥離させることができる。つまり、剥離力を向上させることができる。また、[C]有機酸の含有量を5質量%以下とすることで、処理膜の強度が低下することによる剥離力の低下を抑えることができる。
<任意成分>
成膜処理液は、上記[A]〜[C]成分以外の任意成分を含有していてもよい。任意成分としては、例えば、界面活性剤等が挙げられる。
上記界面活性剤としては、たとえば、ノニオン系界面活性剤が挙げられる。ノニオン系界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンn−オクチルフェニルエーテル等が挙げられる。また、ノニオン系界面活性剤としては、たとえば、ポリオキシエチレンn−ノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等が挙げられる。
上記界面活性剤の含有量としては、通常、2質量%以下であり、1質量%以下が好ましい。
<基板洗浄システムの構成>
次に、本実施形態に係る基板洗浄システムの構成について図2を用いて説明する。図2は、本実施形態に係る基板洗浄システムの構成を示す模式図である。なお、以下においては、位置関係を明確にするために、互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸を規定し、Z軸正方向を鉛直上向き方向とする。
図2に示すように、基板洗浄システム1は、搬入出ステーション2と、処理ステーション3とを備える。搬入出ステーション2と処理ステーション3とは隣接して設けられる。
搬入出ステーション2は、キャリア載置部11と、搬送部12とを備える。キャリア載置部11には、複数枚のウェハWを水平状態で収容可能な複数の搬送容器(以下、「キャリアC」と記載する)が載置される。
搬送部12は、キャリア載置部11に隣接して設けられる。搬送部12の内部には、基板搬送装置121と、受渡部122とが設けられる。
基板搬送装置121は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置121は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いてキャリアCと受渡部122との間でウェハWの搬送を行う。
処理ステーション3は、搬送部12に隣接して設けられる。処理ステーション3は、搬送部13と、複数の基板洗浄装置14とを備える。複数の基板洗浄装置14は、搬送部13の両側に並べて設けられる。
搬送部13は、内部に基板搬送装置131を備える。基板搬送装置131は、ウェハWを保持するウェハ保持機構を備える。また、基板搬送装置131は、水平方向および鉛直方向への移動ならびに鉛直軸を中心とする旋回が可能であり、ウェハ保持機構を用いて受渡部122と基板洗浄装置14との間でウェハWの搬送を行う。
基板洗浄装置14は、上述した基板洗浄方法に基づく基板洗浄処理を実行する装置である。かかる基板洗浄装置14の具体的な構成については、後述する。
また、基板洗浄システム1は、制御装置4を備える。制御装置4は、基板洗浄システム1の動作を制御する装置である。かかる制御装置4は、例えばコンピュータであり、制御部15と記憶部16とを備える。記憶部16には、基板洗浄処理等の各種の処理を制御するプログラムが格納される。制御部15は、記憶部16に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって基板洗浄システム1の動作を制御する。制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processor Unit)等であり、記憶部16は、例えばROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等である。
なお、かかるプログラムは、コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体に記録されていたものであって、その記憶媒体から制御装置4の記憶部16にインストールされたものであってもよい。コンピュータによって読み取り可能な記憶媒体としては、例えばハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルディスク(MO)、メモリカードなどがある。
上記のように構成された基板洗浄システム1では、まず、搬入出ステーション2の基板搬送装置121が、キャリアCからウェハWを取り出し、取り出したウェハWを受渡部122に載置する。受渡部122に載置されたウェハWは、処理ステーション3の基板搬送装置131によって受渡部122から取り出されて基板洗浄装置14へ搬入され、基板洗浄装置14によって基板洗浄処理が施される。洗浄後のウェハWは、基板搬送装置131により基板洗浄装置14から搬出されて受渡部122に載置された後、基板搬送装置121によってキャリアCに戻される。
<基板洗浄装置の構成>
次に、基板洗浄装置14の構成について図3、図4Aおよび図4Bを参照して説明する。図3は、本実施形態に係る基板洗浄装置14の構成を示す模式図である。また、図4Aは、第1液供給部に接続される処理液供給系の構成の一例を示す図であり、図4Bは、第2液供給部に接続される処理液供給系の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、基板洗浄装置14は、チャンバ20と、基板保持機構30と、液供給部40と、回収カップ50とを備える。
チャンバ20は、基板保持機構30と液供給部40と回収カップ50とを収容する。チャンバ20の天井部には、FFU(Fan Filter Unit)21が設けられる。FFU21は、チャンバ20内にダウンフローを形成する。
FFU21は、バルブ22を介してダウンフローガス供給源23に接続される。FFU21は、ダウンフローガス供給源23から供給されるダウンフローガス(例えば、ドライエア)をチャンバ20内に吐出する。
基板保持機構30は、回転保持部31と、支柱部32と、駆動部33とを備える。回転保持部31は、チャンバ20の略中央に設けられる。回転保持部31の上面には、ウェハWを側面から保持する保持部材311が設けられる。ウェハWは、かかる保持部材311によって回転保持部31の上面からわずかに離間した状態で水平保持される。
支柱部32は、鉛直方向に延在する部材であり、基端部が駆動部33によって回転可能に支持され、先端部において回転保持部31を水平に支持する。駆動部33は、支柱部32を鉛直軸まわりに回転させる。
かかる基板保持機構30は、駆動部33を用いて支柱部32を回転させることによって支柱部32に支持された回転保持部31を回転させ、これにより、回転保持部31に保持されたウェハWを回転させる。
液供給部40は、第1液供給部40_1と、第2液供給部40_2とを含む。第1液供給部40_1は、基板保持機構30に保持されたウェハWに対して各種の処理液を供給する。かかる第1液供給部40_1は、ノズル41_1〜41_3と、ノズル41_1〜41_3を水平に支持するアーム42_1と、アーム42_1を旋回および昇降させる旋回昇降機構43_1とを備える。
図4Aに示すように、ノズル41_1は、流量調整器46aおよびバルブ44aを介して酸系処理液供給源45aに接続される。
かかるノズル41_1からは、酸系処理液供給源45aから供給される酸系処理液が吐出される。酸系処理液は、例えば、SPM(硫酸と過酸化水素水との混合液)である。
ノズル41_2は、流量調整器46bおよびバルブ44bを介してアルカリ系処理液供給源45bに接続され、アルカリ系処理液供給源45bから供給されるアルカリ系処理液を吐出する。アルカリ系処理液は、例えば、SC1(アンモニア、過酸化水素および水の混合液)である。
ノズル41_3は、流量調整器46cおよびバルブ44cを介して前処理液供給源45cに接続され、前処理液供給源45cから供給される前処理液を吐出する。前処理液は、例えば成膜処理液に含まれる[A]溶媒である。[A]溶媒は、ウェハW上に成膜処理液を広げ易くするために、成膜処理液が供給される前のウェハWに供給される。また、前処理液は、例えばオゾン水であってもよい。オゾン水は、ウェハWの表面を親水化する親水化処理に用いられる。
また、ノズル41_3は、流量調整器46dおよびバルブ44dを介してA+B供給源45dに、流量調整器46eおよびバルブ44eを介してC供給源45eに、それぞれ接続される。
A+B供給源45dからは、[A]溶媒および[B]フェノール樹脂の混合液が供給され、C供給源45eからは[C]有機酸が供給される。[A]溶媒および[B]フェノール樹脂の混合液と[C]有機酸とは、ノズル41_3へ至る流路内で混合されて成膜処理液となりノズル41_3から吐出される。[A]溶媒および[B]フェノール樹脂の混合液と[C]有機酸との混合比率は、制御部15が流量調整器46d,46eを制御することによって調整される。
[A]溶媒、[B]フェノール樹脂および[C]有機酸をはじめから混合しておくと、経時変化によって[C]有機酸が析出する可能性がある。このため、上記のように[A]溶媒および[B]フェノール樹脂の混合液と[C]有機酸とをノズル41_3から吐出する直前に混合する構成とすることで、[C]有機酸の析出を抑えることができる。
なお、上記流路の中途部に混合槽を設け、この混合槽内で[A]溶媒および[B]フェノール樹脂の混合液と[C]有機酸とを混合させてもよい。
第2液供給部40_2は、ノズル41_4〜41_6と、ノズル41_4〜41_6を水平に支持するアーム42_2と、アーム42_2を旋回および昇降させる旋回昇降機構43_2とを備える。
図4Bに示すように、ノズル41_4は、流量調整器46fおよびバルブ44fを介してDIW供給源45fに接続される。また、ノズル41_4は、流量調整器46gおよびバルブ44gを介してアルカリ水溶液供給源45gに接続される。また、ノズル41_4は、流量調整器46hおよびバルブ44hを介して有機溶剤供給源45hに接続される。
かかるノズル41_4からは、DIW供給源45fから供給されるDIW、アルカリ水溶液供給源45gから供給されるアルカリ水溶液または有機溶剤供給源45hから供給される有機溶剤が吐出される。また、例えばバルブ44fとバルブ44gとが開くことにより、DIWとアルカリ水溶液との混合液すなわち希釈されたアルカリ水溶液がノズル41_4から吐出される。また、例えばバルブ44fとバルブ44hとが開くことにより、DIWと有機溶剤との混合液すなわち希釈された有機溶剤がノズル41_4から吐出される。これらの混合比率は、制御部15が流量調整器46f〜46hを制御することによって調整される。
DIWは、処理膜をウェハWから剥離させる剥離処理液の一例である。アルカリ水溶液は、処理膜を溶解させる溶解処理液の一例である。アルカリ水溶液は、例えばアルカリ現像液である。アルカリ現像液としては、例えばアンモニア水、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH:Tetra Methyl Ammonium Hydroxide)等の4級水酸化アンモニウム水溶液、コリン水溶液、の少なくとも一つを含んでいればよい。
有機溶剤は、処理膜を溶解させる溶解処理液の他の一例である。有機溶剤としては、例えばシンナー、IPA(イソプロピルアルコール)、MIBC(4−メチル−2−ペンタノール)、トルエン、酢酸エステル類、アルコール類、グリコール類(プロピレングリコールモノメチルエーテル)などを用いることができる。
ノズル41_5は、流量調整器46iおよびバルブ44iを介してDIW供給源45iに接続され、DIW供給源45iから供給されるDIWを吐出する。ノズル41_5から吐出されるDIWは、後述するリンス処理において用いられるリンス処理液の一例である。
ノズル41_6は、流量調整器46jおよびバルブ44jを介してIPA供給源45jに接続され、IPA供給源45jから供給されるIPAを吐出する。ノズル41_6から吐出されるIPAは、後述する乾燥処理において用いられる乾燥溶媒の一例である。
ノズル41_4、アーム42_2、旋回昇降機構43_2、バルブ44f、流量調整器46fおよびDIW供給源45fは、「剥離処理液供給部」の一例である。また、ノズル41_4、アーム42_2、旋回昇降機構43_2、バルブ44g(バルブ44h)、流量調整器46g(流量調整器46h)およびアルカリ水溶液供給源45g(有機溶剤供給源45h)は、「溶解処理液供給部」の一例である。
また、ノズル41_3、アーム42_1、旋回昇降機構43_1、バルブ44d,44e、A+B供給源45d、C供給源45eおよび流量調整器46d,46eは、「成膜処理液供給部」の一例である。
ここでは、第1液供給部40_1が複数のノズル41_1〜41_3を備え、第2液供給部40_2が複数のノズル41_4〜41_6を備えることとしたが、第1液供給部40_1および第2液供給部40_2は、それぞれノズルを1つずつ備えてもよい。また、複数のノズル41_1〜41_6は、1つのアームに設けられてもよい。
回転保持部31の周縁部には、回転保持部31とともに一体的に回転する第1、第2回転カップ101,102が設けられる。図3に示すように、第2回転カップ102は、第1回転カップ101よりも内側に配置される。
これら第1回転カップ101や第2回転カップ102は、全体的にはリング状に形成される。第1、第2回転カップ101,102は、回転保持部31とともに回転させられると、回転するウェハWから飛散した処理液を回収カップ50へ案内する。
回収カップ50は、回転保持部31によって保持され回転するウェハWの回転中心に近い内側から順に、第1カップ50aと、第2カップ50bと、第3カップ50cとを備える。また、回収カップ50は、第1カップ50aの内周側に、ウェハWの回転中心を中心とする円筒状の内壁部54dを備える。
第1〜第3カップ50a〜50cおよび内壁部54dは、回収カップ50の底部53の上に設けられる。具体的には、第1カップ50aは、第1周壁部54aと、第1液受部55aとを備える。
第1周壁部54aは、底部53から立設されるとともに、筒状(例えば円筒状)に形成される。第1周壁部54aと内壁部54dとの間には空間が形成され、かかる空間は、処理液などを回収して排出するための第1排液溝501aとされる。第1液受部55aは、第1周壁部54aの上面54a1の上方に設けられる。
また、第1カップ50aは、第1昇降機構56を備え、かかる第1昇降機構56によって昇降可能に構成される。詳しくは、第1昇降機構56は、第1支持部材56aと、第1昇降駆動部56bとを備える。
第1支持部材56aは、複数(例えば3本。図3では1本のみ図示)の長尺状の部材である。第1支持部材56aは、第1周壁部54a内に形成される挿通孔に移動可能に挿通される。なお、第1支持部材56aとしては、例えば円柱状のロッドを用いることができるが、これに限定されるものではない。
第1支持部材56aは、上端が第1周壁部54aの上面54a1から露出するように位置されるとともに、第1液受部55aの下面に接続されて第1液受部55aを下方から支持する。一方、第1支持部材56aの下端には、第1昇降駆動部56bが接続される。
第1昇降駆動部56bは、第1支持部材56aを例えばZ軸方向に昇降させ、これにより第1支持部材56aは、第1液受部55aを第1周壁部54aに対して昇降させる。なお、第1昇降駆動部56bとしては、エアシリンダを用いることができる。また、第1昇降駆動部56bは、制御装置4によって制御される。
第1昇降駆動部56bによって駆動される第1液受部55aは、回転するウェハWから飛散した処理液を受ける処理位置と、処理位置から下方側に退避した退避位置との間で移動させられることとなる。
詳しくは、第1液受部55aが処理位置にあるとき、第1液受部55aの上端の内側に開口が形成され、開口から第1排液溝501aへと通じる流路が形成される。
他方、図3に示すように、内壁部54dは、回転保持部31の周縁部へ向けて傾斜するようにして延設される延設部54d1を備える。第1液受部55aは、退避位置にあるとき、内壁部54dの延設部54d1に当接し、上端内側の開口が閉じて第1排液溝501aへと通じる流路が閉塞される。
第2カップ50bは、第1カップ50aと同様な構成とされる。具体的には、第2カップ50bは、第2周壁部54bと、第2液受部55bと、第2昇降機構57とを備え、第1カップ50aの第1周壁部54a側に隣接して配置される。
第2周壁部54bは、底部53において第1周壁部54aの外周側に立設され、筒状に形成される。そして、第2周壁部54bと第1周壁部54aとの間に形成される空間が、処理液などを回収して排出するための第2排液溝501bとされる。
第2液受部55bは、第1液受部55aの外周側に位置されるとともに、第2周壁部54bの上面54b1の上方に設けられる。
第2昇降機構57は、第2支持部材57aと、第2昇降駆動部57bとを備える。第2支持部材57aは、複数(例えば3本。図3では1本のみ図示)の長尺状の部材であり、第2周壁部54b内に形成される挿通孔に移動可能に挿通される。なお、第2支持部材57aとしては、例えば円柱状のロッドを用いることができるが、これに限られない。
第2支持部材57aは、上端が第2周壁部54bの上面54b1から露出するように位置されるとともに、第2液受部55bの下面に接続されて第2液受部55bを下方から支持する。なお、第2周壁部54bの上面54b1は、第1周壁部54aの上面54a1に対して鉛直方向において下方となるように位置される。
第2支持部材57aの下端には、第2昇降駆動部57bが接続される。第2昇降駆動部57bは、第2支持部材57aを例えばZ軸方向に昇降させる。これにより、第2支持部材57aは、第2液受部55bを第2周壁部54bに対して昇降させる。
なお、第2昇降駆動部57bとしては、エアシリンダを用いることができる。また、第2昇降駆動部57bも、制御装置4によって制御される。
そして、第2液受部55bも処理位置と退避位置との間で移動させられることとなる。詳しくは、第2液受部55bが処理位置にあり、かつ、第1液受部55aが退避位置にあるとき、第2液受部55bの上端の内側に開口が形成され、開口から第2排液溝501bへと通じる流路が形成される。
他方、図3に示すように、第2液受部55bは、退避位置にあるとき、第1液受部55aに当接し、上端内側の開口が閉じて第2排液溝501bへと通じる流路が閉塞される。なお、上記では、退避位置の第2液受部55bは、第1液受部55aに当接するようにしたが、これに限られず、例えば内壁部54dに当接して上端内側の開口を閉じるようにしてもよい。
第3カップ50cは、第3周壁部54cと、第3液受部55cとを備え、第2カップ50bに対して第1カップ50aとは反対側に隣接して配置される。第3周壁部54cは、底部53において第2周壁部54bの外周側に立設され、筒状に形成される。そして、第3周壁部54cと第2周壁部54bとの間の空間が、処理液などを回収して排出するための第3排液溝501cとされる。
第3液受部55cは、第3周壁部54cの上端から連続するように形成される。第3液受部55cは、回転保持部31に保持されたウェハWの周囲を囲むとともに、第1液受部55aや第2液受部55bの上方まで延びるように形成される。
第3液受部55cは、図3に示すように、第1、第2液受部55a,55bがともに退避位置にあるとき、第3液受部55cの上端の内側に開口が形成され、開口から第3排液溝501cへと通じる流路が形成される。
一方、第3液受部55cは、第2液受部55bが上昇させられた位置にある場合、または第1液受部55aおよび第2液受部55bの両方が上昇させられた位置にある場合、第2液受部55bが当接する。これにより、上端内側の開口が閉じて第3排液溝501cへと通じる流路が閉塞される。
上記した第1〜第3カップ50a〜50cに対応する底部53、正確には第1〜第3排液溝501a〜501cに対応する底部53にはそれぞれ、排液口51a〜51cが、回収カップ50の円周方向に沿って間隔をあけつつ形成される。
ここで、排液口51aから排出される処理液が酸系処理液、排液口51bから排出される処理液がアルカリ系処理液、排液口51cから排出される処理液が有機系処理液(成膜処理液、有機溶剤など)である場合を例にとって説明する。なお、上記した各排液口51a〜51cから排出される処理液の種類は、あくまでも例示であって限定されるものではない。
排液口51aは、排液管91aに接続される。排液管91aは、途中にバルブ62aが介挿され、かかるバルブ62aの位置で第1排液管91a1と第2排液管91a2とに分岐される。なお、バルブ62aとしては、例えば、閉弁位置と、排出経路を第1排液管91a1側に開放する位置と、第2排液管91a2側に開放する位置との間で切り替え可能な三方弁を用いることができる。
上記した酸系処理液が再利用可能である場合、第1排液管91a1は、酸系処理液供給源45a(例えば酸系処理液を貯留するタンク)に接続され、排液を酸系処理液供給源45aへ戻す。すなわち、第1排液管91a1は、循環ラインとして機能する。なお、第2排液管91a2については後述する。
排液口51bは、排液管91bに接続される。排液管91bの途中には、バルブ62bが介挿される。また、排液口51cは、排液管91cに接続される。排液管91cの途中には、バルブ62cが介挿される。なお、バルブ62b,62cは、制御装置4によって制御される。
そして、基板洗浄装置14は、基板処理を行う際、基板処理中の各処理にて使用する処理液の種類などに応じて、第1カップ50aの第1液受部55aや第2カップ50bの第2液受部55bを昇降させ、排液口51a〜51cの切り替えを実行する。
例えば、酸系処理液をウェハWへ吐出してウェハWを処理する場合、制御装置4は、第1カップ50aおよび第2カップ50bを上昇させておく。すなわち、制御装置4は、第1、第2昇降駆動部56b,57bを介して第1、第2支持部材56a,57aを上昇させ、第1液受部55aを処理位置まで上昇させる。これにより、制御装置4は、第1液受部55aの上端内側の開口から第1排液溝501aへと通じる流路を形成しておく。これにより、ウェハWへ供給された酸系処理液は、第1排液溝501aに流れ込むこととなる。
また、制御装置4は、バルブ62aを制御して排出経路を第1排液管91a1側に開放するようにしておく。これにより、第1排液溝501aに流れ込んだ酸系処理液は、排液管91aおよび第1排液管91a1を介して酸系処理液供給源45aへ戻される。そして、酸系処理液供給源45aへ戻された酸系処理液は、ウェハWへ再び供給される。このように、第1カップ50aは、回収した酸系処理液を循環させてウェハWへ再度供給する循環ラインに接続される。
また、例えばアルカリ系処理液をウェハWへ吐出してウェハWを処理する場合、制御装置4は、第2カップ50bのみを上昇させておく。すなわち、制御装置4は、第2昇降駆動部57bを介して第2支持部材57aを上昇させ、第2液受部55bを処理位置まで上昇させることで、第2液受部55bの上端内側の開口から第2排液溝501bへと通じる流路を形成しておく。なお、ここで第1カップ50aは、下降しているものとする。これにより、ウェハWへ供給されたアルカリ系処理液は、第2排液溝501bに流れ込むこととなる。
また、制御装置4は、バルブ62bを開放しておく。これにより、第2排液溝501bのアルカリ系処理液は、排液管91bを介して基板洗浄装置14の外部へ排出される。このように、排液管91bは、回収したアルカリ系処理液を基板洗浄装置14外部へ排出する排液ラインとして機能する。
また、例えば有機系処理液をウェハWへ吐出してウェハWを処理する場合、制御装置4は、第1、第2カップ50a,50bを下降させておく(図3参照)。すなわち、制御装置4は、第1、第2昇降駆動部56b,57bを介して第1、第2支持部材56a,57aを下降させ、第1、第2液受部55a,55bを退避位置まで下降させる。このようにすることで、第3液受部55cの上端内側の開口から第3排液溝501cへと通じる流路を形成しておく。これにより、ウェハWへ供給された有機系処理液は、第3排液溝501cに流れ込むこととなる。
また、制御装置4は、バルブ62cを開放しておき、よって第3排液溝501cの有機系処理液は、排液管91cを介して基板洗浄装置14の外部へ排出される。
回収カップ50の底部53、第1周壁部54aおよび第2周壁部54bにはそれぞれ、排気口52a,52b,52cが形成される。また、排気口52a,52b,52cは、1本の排気管に接続され、かかる排気管は排気の下流側において第1〜第3排気管93a〜93cに分岐される。また、第1排気管93aにはバルブ64aが介挿され、第2排気管93bにはバルブ64bが、第3排気管93cにはバルブ64cが介挿される。
第1排気管93aは酸性の排気用の排気管であり、第2排気管93bはアルカリ性の排気用、第3排気管93cは有機系排気用の排気管である。これらは、基板処理の各処理に応じて制御装置4によって切り替えられる。
例えば、酸性の排気を生じる処理の実行に際しては、第1排気管93aへの切り替えが制御装置4によって行われ、バルブ64aを介して酸性の排気が排出される。同様に、アルカリ性の排気を生じる処理の場合、第2排気管93bへの切り替えが制御装置4によって行われ、バルブ64bを介してアルカリ性の排気が排出される。また、有機系排気を生じる処理の場合、第3排気管93cへの切り替えが制御装置4によって行われ、バルブ64cを介して有機系排気が排出される。
<基板洗浄システムの具体的動作>
次に、基板洗浄装置14の具体的動作について図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係る基板洗浄システム1が実行する基板洗浄処理の処理手順を示すフローチャートである。基板洗浄システム1が備える各装置は、制御部15の制御に従って図5に示す各処理手順を実行する。
図5に示すように、基板洗浄装置14では、まず、基板搬入処理が行われる(ステップS101)。かかる基板搬入処理では、基板搬送装置131(図2参照)によってチャンバ20内に搬入されたウェハWが基板保持機構30の保持部材311により保持される。このときウェハWは、パターン形成面が上方を向いた状態で保持部材311に保持される。その後、駆動部33によって回転保持部31が回転する。これにより、ウェハWは、回転保持部31に水平保持された状態で回転保持部31とともに回転する。
つづいて、基板洗浄装置14では、前処理が行われる(ステップS102)。まず、第1液供給部40_1のノズル41_1がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44aが所定時間開放されることにより、レジストが形成されていないウェハWのパターン形成面に対して酸系処理液が供給される。ウェハWへ供給された酸系処理液は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWのパターン形成面に広がる。これにより、ウェハWのパターン形成面が酸系処理液によって処理される。その後、第2液供給部40_2のノズル41_5がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44iが所定時間開放されることにより、ウェハWのパターン形成面にDIWが供給される。これにより、ウェハWに残存する酸系処理液がDIWによって洗い流される。
なお、酸系処理液の供給時においては、第1カップ50aおよび第2カップ50bを上昇させることで、第1液受部55aの上端内側の開口から第1排液溝501aへと通じる流路を形成しておく。これにより、ウェハWへ供給された酸系処理液は、第1排液溝501aに流れ込むこととなる。
つづいて、第1液供給部40_1のノズル41_2がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44bが所定時間開放されることにより、ウェハWのパターン形成面に対してアルカリ系処理液が供給される。ウェハWへ供給されたアルカリ系処理液は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWのパターン形成面に広がる。これにより、ウェハWのパターン形成面がアルカリ系処理液によって処理される。その後、第2液供給部40_2のノズル41_5がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44iが所定時間開放されることにより、ウェハWのパターン形成面にDIWが供給される。これにより、ウェハWに残存するアルカリ系処理液がDIWによって洗い流される。
なお、アルカリ系処理液の供給時においては、第2カップ50bのみを上昇させることで、第2液受部55bの上端内側の開口から第2排液溝501bへと通じる流路を形成しておく。これにより、ウェハWへ供給されたアルカリ系処理液は、第2排液溝501bに流れ込むこととなる。
つづいて、前処理としてプリウェット処理を行う場合、第1液供給部40_1のノズル41_3がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44cが所定時間開放されることにより、レジストが形成されていないウェハWのパターン形成面に対して前処理液である[A]溶媒が供給される。ウェハWへ供給された[A]溶媒は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWのパターン形成面に広がる。
このように、成膜処理液と親和性のある[A]溶媒を事前にウェハWに塗り広げておくことで、後述する成膜処理液供給処理(ステップS103)において、成膜処理液がウェハWの上面に広がり易くなるとともに、パターンの隙間にも入り込み易くなる。したがって、成膜処理液の使用量を削減することができるとともに、パターンの隙間に入り込んだパーティクルPをより確実に除去することが可能となる。また、成膜処理液供給処理の処理時間の短縮化を図ることもできる。
また、前処理として親水化処理を行う場合、第1液供給部40_1のノズル41_3がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44cが所定時間開放されることにより、レジストが形成されていないウェハWのパターン形成面に対して前処理液であるオゾン水が供給される。ウェハWへ供給されたオゾン水は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWのパターン形成面に広がる。これにより、ウェハWのパターン形成面が親水化される。
このように、親水化処理を行うことで、親水化されたウェハWの界面(パターン形成面)に剥離処理液が浸透し易くなるため、処理膜の除去性をさらに向上させることができる。なお、親水化処理を前処理として行う場合、オゾン水に代えて、例えば過酸化水素水を前処理液として使用してもよい。なお、ステップS102の前処理は、必ずしも行われることを要しない。
つづいて、基板洗浄装置14では、成膜処理液供給処理が行われる(ステップS103)。かかる成膜処理液供給処理では、第1液供給部40_1のノズル41_3がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44d,44eが所定時間開放されることにより、ノズル41_3へ至る流路に、[A]溶媒および[B]フェノール樹脂の混合液と[C]有機酸とがそれぞれ供給される。これらは、上記流路内で混合されて成膜処理液となり、レジストが形成されていないウェハWのパターン形成面に供給される。このように、成膜処理液は、レジストを介することなくウェハW上に供給される。
ウェハWへ供給された成膜処理液は、ウェハWの回転に伴う遠心力によってウェハWの表面に広がる。これにより、ウェハWのパターン形成面に成膜処理液の液膜が形成される。形成される処理膜の膜厚は、10nm〜5,000nmが好ましく、20nm〜500nmがより好ましい。上述したように、[B]フェノール樹脂を成分とする本実施形態に係る成膜処理液は、従来のアクリル樹脂を成分とする成膜処理液と比較して厚膜化が容易である。また、フェノール樹脂はアクリル樹脂と比較して安価である。したがって、本実施形態に係る基板洗浄方法によれば、ウェハWに付着したパーティクルPの除去に用いられる処理膜の厚膜化を安価に実現することができる。
つづいて、基板洗浄装置14では、乾燥処理が行われる(ステップS104)。かかる乾燥処理では、例えばウェハWの回転速度を所定時間増加させることによって成膜処理液を乾燥させる。これにより、例えば成膜処理液に含まれる有機溶媒の一部または全部が気化して成膜処理液に含まれる固形分が固化または硬化し、ウェハWのパターン形成面に処理膜が形成される。
なお、ステップS104の乾燥処理は、例えば、図示しない減圧装置によってチャンバ20内を減圧状態にする処理であってもよいし、FFU21から供給されるダウンフローガスによってチャンバ20内の湿度を低下させる処理であってもよい。これらの処理によっても、成膜処理液を固化または硬化させることができる。
また、基板洗浄装置14は、成膜処理液が自然に固化または硬化するまでウェハWを基板洗浄装置14で待機させてもよい。また、ウェハWの回転を停止させたり、成膜処理液が振り切られてウェハWの表面が露出することがない程度の回転数でウェハWを回転させたりすることによって成膜処理液を固化または硬化させてもよい。
つづいて、基板洗浄装置14では、除去処理が行われる(ステップS105)。かかる除去処理では、ウェハW上に形成された処理膜が除去される。これにより、ウェハW上のパーティクルPが処理膜とともに除去される。かかる除去処理の具体的な内容については、後述する。
つづいて、基板洗浄装置14では、ステップS105でリンス処理まで行われたウェハWに対して乾燥処理が行われる(ステップS106)。かかる乾燥処理では、第2液供給部40_2のノズル41_6がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44jが所定時間開放されることにより、ウェハW上に乾燥溶媒であるIPAが供給される。これにより、ウェハW上のDIWがIPAに置換される。また、乾燥処理では、ウェハWの回転速度を所定時間増加させることによって、ウェハWの表面に残存するIPAを振り切ってウェハWを乾燥させる。その後、ウェハWの回転が停止する。
つづいて、基板洗浄装置14では、基板搬出処理が行われる(ステップS107)。かかる基板搬出処理では、基板搬送装置131(図2参照)によって、基板洗浄装置14のチャンバ20からウェハWが取り出される。その後、ウェハWは、受渡部122および基板搬送装置121を経由して、キャリア載置部11に載置されたキャリアCに収容される。かかる基板搬出処理が完了すると、1枚のウェハWについての基板洗浄処理が完了する。
次に、ステップS105の除去処理の具体例について説明する。以下では、アルカリに可溶な成膜処理液を用いる場合の除去処理と、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合の除去処理とについてそれぞれ説明する。
まず、アルカリに可溶な成膜処理液を用いる場合の除去処理の例について図6を参照して説明する。図6は、アルカリに可溶な成膜処理液を用いる場合における除去処理の処理手順を示すフローチャートである。
図6に示すように、基板洗浄装置14では、まず、DIW供給処理が行われる(ステップS201)。かかるDIW供給処理では、第2液供給部40_2のノズル41_4がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44fが所定時間開放されることにより、ウェハW上に形成された処理膜に対して剥離処理液であるDIWが供給される。処理膜へ供給されたDIWは、ウェハWの回転に伴う遠心力によって処理膜上に広がる。
DIWは、処理膜中に浸透し、処理膜とウェハWとの界面に到達して、処理膜をウェハWから剥離させる。これにより、ウェハWのパターン形成面に付着したパーティクルPが処理膜とともにウェハWから剥離される。
つづいて、基板洗浄装置14では、アルカリ水溶液供給処理が行われる(ステップS202)。かかるアルカリ水溶液供給処理では、バルブ44gが所定時間開放されることにより、ウェハWから剥離された処理膜に対して溶解処理液であるアルカリ水溶液が供給される。これにより、処理膜は溶解する。
溶解処理液としてアルカリ水溶液を用いた場合、ウェハWおよびパーティクルPに同一極性のゼータ電位を生じさせることができる。これにより、ウェハWとパーティクルPとが反発し合うようになるため、パーティクルPのウェハWへの再付着を防止することができる。
つづいて、基板洗浄装置14では、リンス処理が行われる(ステップS203)。かかるリンス処理では、第2液供給部40_2のノズル41_5がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44iが所定時間開放されることにより、回転するウェハWに対してDIWがリンス液として供給される。これにより、溶解した処理膜やアルカリ水溶液中に浮遊するパーティクルPが、DIWとともにウェハWから除去される。これにより、除去処理が終了し、ステップS106の乾燥処理へ移行する。
このように、アルカリに可溶な成膜処理液を用いる場合には、溶解処理液としてアルカリ水溶液を用いることで、処理膜を溶解させることができる。
次に、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合の除去処理の例について図7を参照して説明する。図7は、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合における除去処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7に示すように、基板洗浄装置14では、まず、上述したステップS201と同様のDIW供給処理が行われる(ステップS301)。
つづいて、基板洗浄装置14では、有機溶剤供給処理が行われる(ステップS302)。かかる有機溶剤供給処理では、バルブ44hが所定時間開放されることにより、ウェハWから剥離された処理膜に対して溶解処理液である有機溶剤が供給される。これにより、処理膜は溶解する。
つづいて、基板洗浄装置14では、ステップS203と同様のリンス処理が行われる(ステップS303)。これにより、除去処理が終了し、ステップS106の乾燥処理へ移行する。
このように、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合には、溶解処理液としてシンナーなどの有機溶剤を用いることで、処理膜を溶解させることができる。また、アルカリ水溶液を使用しないため、ウェハWや下地膜へのダメージをさらに抑制することができる。
なお、ここでは、有機溶剤供給処理(ステップS302)の後に、リンス処理(ステップS303)を行うこととしたが、有機溶剤はウェハW上で揮発するため、リンス処理(ステップS303)は必ずしも行われることを要しない。
次に、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合における除去処理の変形例について図8を参照して説明する。図8は、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合における除去処理の変形例(その1)を示すフローチャートである。
図8に示すように、基板洗浄装置14では、まず、DIW供給処理(ステップS401)を行い、つづいて、有機溶剤供給処理(ステップS402)を行う。これらの処理は、上述したステップS301およびステップS302の処理と同様である。
つづいて、基板洗浄装置14では、アルカリ水溶液供給処理(ステップS403)が行われる。かかるアルカリ水溶液供給処理では、第2液供給部40_2のノズル41_4がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44gが所定時間開放されることにより、ウェハWに対してアルカリ水溶液が供給される。その後、基板洗浄装置14では、ステップS303と同様のリンス処理(ステップS404)が行われて、除去処理が終了する。
このように、有機溶剤供給処理後のウェハWに対してアルカリ水溶液を供給してもよい。アルカリ水溶液を供給することで、ウェハWおよびパーティクルPに同一極性のゼータ電位を生じさせることができる。これにより、ウェハWとパーティクルPとが反発し合うようになるため、パーティクルPのウェハWへの再付着を防止することができる。
つづいて、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合における除去処理のその他の変形例について図9を参照して説明する。図9は、アルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合における除去処理の変形例(その2)を示すフローチャートである。
図9に示すように、基板洗浄装置14では、まず、ステップS301と同様のDIW供給処理が行われる(ステップS501)。
つづいて、基板洗浄装置14では、アルカリ水溶液供給処理が行われる(ステップS502)。かかるアルカリ水溶液供給処理では、第2液供給部40_2のノズル41_4がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44gが所定時間開放されることにより、ウェハWに対してアルカリ水溶液が供給される。その後、基板洗浄装置14では、ステップS302と同様の有機溶剤供給処理(ステップS503)およびステップS303と同様のリンス処理(ステップS504)が行われて、除去処理が終了する。なお、ステップS504のリンス処理は、省略してもよい。
このように、DIW供給処理後のウェハWに対してアルカリ水溶液を供給してもよい。DIW供給処理後のウェハWには、処理膜に含まれる特定の成分が部分的に残存する可能性がある。この特定の成分のなかには、アルカリ水溶液に可溶な成分も含まれる。これに対し、本変形例のように、DIW供給処理後のウェハWに対してアルカリ水溶液を供給することで、ウェハWに残存する処理膜の成分のうちアルカリ水溶液に可溶な成分を溶解して除去することができる。したがって、本変形例によれば、処理膜の膜残りを抑えることができる。
なお、基板洗浄装置14は、有機溶剤供給処理(ステップS503)の後に、ステップS403と同様のアルカリ水溶液供給処理を行ってもよい。
上述した各除去処理の例では、DIW供給処理によってウェハW上の処理膜をウェハWから剥離させ、その後、アルカリ水溶液供給処理または有機溶剤供給処理を行うことによって処理膜を溶解させることとした。しかし、これに限らず、処理膜をウェハWから剥離する処理と、剥離した処理膜を溶解する処理とを1つの工程で並行して行ってもよい。かかる点について図10を参照して説明する。
図10は、除去処理の変形例を示すフローチャートである。なお、図10に示す除去処理の処理手順は、アルカリに可溶な成膜処理液を用いる場合およびアルカリに難溶な成膜処理液を用いる場合の両方に適用することができる。
図10に示すように、基板洗浄装置14では、除去液供給処理を行う(ステップS601)。かかる除去液供給処理では、第2液供給部40_2のノズル41_4がウェハWの中央上方に位置する。その後、バルブ44gおよびバルブ44hの一方とバルブ44fとが所定時間開放されることにより、ウェハWに対して希釈されたアルカリ水溶液または有機溶剤が供給される。
かかるアルカリ水溶液または有機溶剤は、低濃度であるため、処理膜をほとんど溶解させることなく、ウェハWから剥離させることができる。このため、DIWを供給した場合と同様、パーティクルPは、処理膜とともにウェハWから剥離される。そして、その後、ウェハWから剥離した処理膜は、低濃度のアルカリ水溶液または有機溶剤によって溶解される。その後、ステップS303と同様のリンス処理(ステップS602)が行われて、除去処理が終了する。なお、希釈した有機溶剤を除去液として用いる場合、ステップS602のリンス処理は、必ずしも行われることを要しない。
このように、DIWで希釈したアルカリ水溶液または有機溶剤を除去液として用いることにより、処理膜をウェハWから剥離する処理と、剥離した処理膜を溶解する処理とを1つの工程で並行して行うことができる。これにより、基板洗浄処理に要する時間を短縮させることができる。
なお、基板洗浄装置14では、流量調整器46f〜46hの何れかを制御することにより、アルカリ水溶液または有機溶剤の濃度を徐々に高くしてもよい。例えば、基板洗浄装置14は、第1濃度のアルカリ水溶液または有機溶剤を供給した後、第2濃度(>第1濃度)のアルカリ水溶液または有機溶剤を供給してもよい。
上述してきたように、本実施形態に係る基板処理システム(例えば基板洗浄システム1に相当)は、保持部(例えば基板保持機構30に相当)と、剥離処理液供給部(例えばノズル41_4、アーム42_2、旋回昇降機構43_2、バルブ44f、流量調整器46fおよびDIW供給源45fに相当)と、溶解処理液供給部(例えばノズル41_4、アーム42_2、旋回昇降機構43_2、バルブ44g,44h、アルカリ水溶液供給源45g、有機溶剤45hおよび流量調整器46g,46hに相当)とを備える。保持部は、有機溶媒(例えばIPA)に可溶なフェノール樹脂(例えばノボラック樹脂)を含有する処理膜が形成された基板(例えばウェハWに相当)を保持する。剥離処理液供給部は、処理膜を基板から剥離させる剥離処理液を処理膜に対して供給する。溶解処理液供給部は、処理膜を溶解させる溶解処理液を処理膜に対して供給する。
したがって、本実施形態に係る基板処理システム1によれば、基板に付着したパーティクルPの除去に用いられる処理膜の厚膜化を安価に実現することができる。
(その他の実施形態)
上述してきた実施形態では、「成膜処理液供給部」と「除去液供給部」とが1つのチャンバ20内に設けられる場合の例を示したが、「成膜処理液供給部」と「除去液供給部」とは、それぞれ別々のチャンバ内に設けられてもよい。例えば、基板洗浄システム1は、図3に示す基板洗浄装置14から第2液供給部40_2を取り除いたチャンバ(第1チャンバ)と、図3に示す基板洗浄装置14から第1液供給部40_1を取り除いたチャンバ(第2チャンバ)とを備えてもよい。
また、基板洗浄システム1は、必ずしも「成膜処理液供給部」を備えることを要しない。すなわち、基板洗浄システム1は、処理膜が形成されたウェハWを外部から搬入して図5に示すステップS105〜S107の処理を行うものであってもよい。
また、上述してきた実施形態では、液体状のDIWを剥離処理液として用いる場合の例について説明したが、剥離処理液は、ミスト状のDIWであってもよい。
また、上述してきた実施形態では、ノズルを用いることによって、DIWを処理膜に直接供給する場合の例について説明したが、例えば加湿装置などを用いてチャンバ内の湿度を高めることによって、処理膜に対してDIWを間接的に供給するようにしてもよい。
また、上述してきた実施形態では、常温の純水であるDIWを剥離処理液として用いる場合の例について説明したが、例えば加熱された純水を剥離処理液として用いてもよい。これにより、処理膜の除去性をさらに高めることができる。
また、上述してきた実施形態では、剥離処理液としてDIWを用いる場合の例について説明した。しかし、ウェハW上に形成された処理膜を溶解させることなく(あるいは、溶解させる前に)剥離させるプロセスが実行可能な組合せであれば、剥離処理液の種類は問わない。例えば、剥離処理液は、CO2水(CO2ガスが混合されたDIW)、酸またはアルカリ性の水溶液、界面活性剤添加水溶液、HFE(ハイドロフルオロエーテル)等のフッ素系溶剤、希釈IPA(純水で希釈されたIPA:イソプロピルアルコール)、の少なくとも一つを含んでいればよい。
例えば、ウェハWとの密着性が低く、剥離しやすい処理膜が形成されるように成膜処理液を組成したものとする。かかる場合、形成される処理膜は、剥離しやすくなる反面、撥水性が高まってDIWのみでは浸透しにくくなる可能性がある。このため、このような場合、剥離処理液として、希釈IPAのような純水で希釈された有機溶剤(以下、「希釈有機溶剤」と言う)を用いることが好ましい。
かかる剥離処理液として希釈有機溶剤を用いる場合について図11〜図12Cを用いて説明する。図11は、剥離処理液として希釈有機溶剤を用いる場合における除去処理の変形例を示すフローチャートである。図12A〜図12Cは、希釈有機溶剤供給処理の説明図(その1)〜(その3)である。なお、図11は、既に示した図7に対応している。また、図12A〜図12Cでは、バルブの図示を省略している。
図11に示すように、剥離処理液として希釈有機溶剤を用いる場合、基板洗浄装置14では、まず、上述した図7のステップS301のDIW供給処理に代えて、希釈有機溶剤供給処理が行われる(ステップS701)。
かかる希釈有機溶剤供給処理では、ウェハW上に形成された処理膜を溶解させることなく処理膜へ浸透する程度の濃度、例えば希釈IPAであれば10%以下の濃度である希釈有機溶剤が、ウェハWへ供給される。
これにより、ウェハW上に形成されたパターンの深部にまで到達した処理膜に対しても剥離処理液を浸透させることが可能となるので、パターンが形成されたウェハWであっても高いパーティクル除去性能を得ることができる。
つづいて、基板洗浄装置14では、ステップS302と同様の有機溶剤供給処理が行われる(ステップS702)。
そして、基板洗浄装置14では、ステップS303と同様のリンス処理が行われる(ステップS703)。これにより、除去処理が終了し、ステップS106の乾燥処理へ移行する。
なお、希釈有機溶剤の具体的な供給方法としては、例えば図12Aに示すように、希釈有機溶剤供給源45kを設けることとしたうえで、かかる希釈有機溶剤供給源45kからノズル41_4を介して直接にウェハWへ希釈有機溶剤を供給することができる。
また、例えば図12Bに示すように、DIW供給源45fからDIWを、有機溶剤供給源45hから有機溶剤を供給することで、内部混合した希釈有機溶剤をノズル41_4からウェハWへ供給してもよい。
また、例えば図12Cに示すように、DIW供給源45fからDIWをウェハWへ供給した後に、有機溶剤供給源45hから有機溶剤をウェハWへ供給し、ウェハW上で混合することで、希釈有機溶剤を生成することとしてもよい。また、この場合、DIWと有機溶剤とが同時にウェハWへ供給されてもよい。
このように、浸透性が低い成膜処理液を用いる場合には、剥離処理液として希釈有機溶剤を用いることで、処理膜へ剥離処理液をより浸透させることができる。また、これにより、パターンが形成されたウェハWであっても高いパーティクル除去性能を得ることができる。
また、上述してきた実施形態では、成膜処理液供給処理から乾燥処理が行われた後、除去処理が行われる場合の例について説明した(図5のステップS103〜ステップS105参照)。しかし、これに限らず、除去処理が行われる前に、成膜処理液の固化または硬化を促進させる「成膜促進処理」を行うこととしてもよい。
かかるその他の実施形態について、図13〜図16Bを用いて説明する。まず、図13は、その他の実施形態に係る基板洗浄システム1’が実行する基板洗浄処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、図13は、既に示した図5に対応している。
図13に示すように、基板洗浄システム1’の基板洗浄装置14では、まず、上述した図5のステップS101〜ステップS104と同様の、基板搬入処理、前処理、成膜処理液供給処理および乾燥処理が行われる(ステップS801〜ステップS804)。
つづいて、基板洗浄装置14では、成膜促進処理が行われる(ステップS805)。かかる成膜促進処理では、ウェハWの表面へ供給された成膜処理液の固化または硬化を促進させる処理、一例としてウェハWの加熱等の処理が行われる。かかる処理の具体的な態様については、図14A以降を用いて後述する。
かかる成膜促進処理を経ることにより、例えばウェハWに形成されたパターンの深部にまで到達した成膜処理液を確実に固化または硬化させ、処理膜とパーティクルとの付着力を向上させることができる。すなわち、パターンが形成されたウェハWであっても、かかるパターンの深部にあるパーティクルまでも確実に処理膜へ付着させ、高いパーティクル除去性能を得ることができる。
そして、基板洗浄装置14では、ステップS105〜ステップS107と同様の、除去処理、乾燥処理および基板搬出処理が行われ(ステップS806〜ステップS808)、1枚のウェハWについての基板洗浄処理が完了する。
次に、成膜促進処理の具体的な態様について説明する。まず、第1の態様としての成膜促進処理について説明する。図14Aは、第1の成膜促進処理の説明図である。また、図14Bは、第1の成膜促進処理を実行する場合における基板洗浄システム1’の構成を示す模式図である。なお、以下では、基板洗浄装置14を「_番号」の形式で付番して、複数の基板洗浄装置14のそれぞれを区別する場合がある。
図14Aに示すように、第1の成膜促進処理では、例えばベイク装置60を設けることとしたうえで、かかるベイク装置60によりウェハWをベイクすることでウェハWへ供給された成膜処理液を加熱し、成膜処理液の固化または硬化を促進させる。なお、第1の成膜促進処理は、上述したステップS804の乾燥処理の前に行ってもよい。また、ウェハWをベイクする条件は、温度を70°〜120°、時間を60秒以下程度とすることが好ましい。
第1の態様として、かかる第1の成膜促進処理を行う場合、ベイク装置60を含む「成膜促進部」は、少なくとも成膜処理液供給処理が行われるチャンバ20とは別のチャンバ20に設けられる。これにより、ベイク処理を高性能化することができ、また、ベイク処理と成膜処理液供給処理とを別々のチャンバで並行処理することができるようになる。
具体的には、図14Bに示すように、例えば成膜処理液供給処理を基板洗浄装置14_3〜14_6にて行い、除去処理を基板洗浄装置14_9〜14_12にて行う配置とする。この場合、これらとは別のチャンバ20を有する基板洗浄装置14_1、14_2、14_7および14_8へベイク装置60を収容し、かかる基板洗浄装置14_1、14_2、14_7および14_8にて第1の成膜促進処理を行うとよい。
次に、第2の態様としての成膜促進処理について説明する。図15A〜図15Cは、第2の成膜促進処理の説明図(その1)〜(その3)である。また、図15D〜図15Fは、第2の成膜促進処理を実行する場合における基板洗浄システム1’の構成を示す模式図(その1)〜(その3)である。
図15Aに示すように、第2の成膜促進処理では、例えば基板保持機構30において、支柱部32を介してノズル41_7を設けることとした。そして、そのうえで、保持部材311によって回転保持部31の上面から離間した状態で水平保持されたウェハWの裏面側へ、ノズル41_7から高温のDIWを供給することによってウェハWの表面側の成膜処理液を加熱する。
これにより、ウェハWの表面側の成膜処理液の固化または硬化を間接的に促進させることができる。なお、ノズル41_7から供給するのはDIWに限らず高温の流体であればよく、例えば高温の窒素ガスであったり、水蒸気であったりしてもよい。
また、ウェハWの裏面からに限らず、ウェハWの表面側へ供給された成膜処理液に対し、図15Bに示すように、ノズル41を介してウェハWの表面側から高温の流体を供給することによって、成膜処理液を直接的に加熱することとしてもよい。
また、図15Aおよび図15Bに示す第2の成膜促進処理は、成膜処理液の供給中に、すなわち成膜処理液供給処理と並行して行われてもよい。
また、図15Aおよび図15Bでは、成膜処理液が供給された後あるいは供給中に第2の成膜促進処理を行う場合の例を示した。これに限らず、図15Cに示すように、成膜処理液がウェハWへ供給される前に、ウェハWへノズル41あるいはノズル41_7から高温の流体を供給することによってウェハWを予め加熱し、間接的に成膜処理液を加熱することとしてもよい。
このような第2の成膜促進処理を行う場合、例えばノズル41_7やノズル41を含む「成膜促進部」は、成膜処理液供給処理や除去処理が行われるチャンバ20と同一のチャンバ20に設けることができる。
具体的には、図15Dに示すように、例えば成膜処理液供給処理、第2の成膜促進処理および除去処理をあわせて、基板洗浄装置14_1〜14_12のそれぞれにて行う配置とすることができる。
また、図15Eに示すように、例えば成膜処理液供給処理を基板洗浄装置14_1〜14_6にて行う配置とした場合、これとは別のチャンバ20を有する基板洗浄装置14_7〜14_12にて第2の成膜促進処理および除去処理を行う配置とすることができる。
また、図15Fに示すように、例えば成膜処理液供給処理および第2の成膜促進処理をあわせて基板洗浄装置14_1〜14_6にて行い、除去処理を基板洗浄装置14_7〜14_12にて行う配置としたものとする。この場合、基板洗浄装置14_1〜14_6の基板保持機構30がウェハWをバキュームチャック等で保持する場合には、少なくともウェハWの表面側からの第2の成膜促進処理(図15B,15C)を各基板洗浄装置14_1〜14_6にて行うことができる。
次に、第3の態様としての成膜促進処理について説明する。図16Aは、第3の成膜促進処理の説明図である。また、図16Bは、第3の成膜促進処理を実行する場合における基板洗浄システム1’の構成を示す模式図である。
図16Aに示すように、第3の成膜促進処理では、例えば搬送部12,13のいずれかの位置に「成膜促進部」としての熱源70を設けることとした。そのうえで、第3の成膜促進処理では、表面へ成膜処理液が供給されたウェハWが熱源70の近傍を通過する際に、かかる熱源70の熱により成膜処理液を加熱する。これにより、ウェハWの表面側の成膜処理液の固化または硬化を促進させることができる。なお、成膜処理液は、ウェハWの表面側および裏面側のいずれから加熱されてもよい。
図16Bに示す熱源70は、例えばハロゲンランプ等である。基板洗浄装置14_1〜14_6にて成膜処理液供給処理を行い、基板洗浄装置14_7〜14_12にて除去処理を行う配置とした場合、熱源70は、たとえば、搬送部13における搬送経路や基板搬送装置131のウェハ保持機構に設けることができる。また、熱源70は、搬送部12の受渡部122等に設けることができる。熱源70は、基板搬送装置131のウェハ保持機構に設けられた場合、成膜処理液が供給されたウェハWがこのウェハ保持機構により保持される間に、成膜処理液を加熱する。
なお、かかる第3の成膜促進処理では、熱源70に限らず、熱源70に代えて例えばUV(Ultraviolet)光源を設けることとしたうえで、かかるUV光源による紫外光の照射により、成膜処理液の固化または硬化を促進させることとしてもよい。
また、上述してきた各実施形態では、溶解処理液としてアルカリ現像液を用いる場合の例について説明してきたが、溶解処理液は、アルカリ現像液に過酸化水素水を加えたものであってもよい。このように、アルカリ現像液に過酸化水素水を加えることによって、アルカリ現像液によるウェハW表面の面荒れを抑制することができる。また、溶解処理液は、酢酸、蟻酸、ヒドロキシ酢酸等の酸性現像液であってもよい。
さらに、溶解処理液は、界面活性剤を含んでいてもよい。界面活性剤には表面張力を弱める働きがあるため、パーティクルPのウェハW等への再付着を抑制することができる。また、除去対象の不要物としてはパーティクルPに限らず、例えばドライエッチング後またはアッシング後に基板上に残存するポリマー等の他の物質でも良い。
ところで、成膜処理液供給処理および除去処理が行われる基板洗浄装置14においては、ウェハWから飛散した成膜処理液が処理膜となってチャンバ20内の各場所に付着することによってチャンバ20内が汚染されるおそれがある。
このため、例えば定期的にチャンバ20の内部を洗浄することが望ましい。しかし、本実施形態に係る成膜処理液はDIWに難溶であるため、洗浄液としてDIWを供給しただけではチャンバ20内から処理膜を除去することは困難である。
そこで、以下では、チャンバ20の内部に付着した処理膜を適切に除去するためのチャンバ洗浄処理について説明する。図17は、チャンバ洗浄処理の手順を示すフローチャートである。
図17に示すように、チャンバ洗浄処理においては、まず、希釈有機溶剤供給処理が行われる(ステップS901)。希釈有機溶剤供給処理は、チャンバ20内におけるウェハW以外の場所に対して希釈有機溶剤を供給する処理である。希釈有機溶剤は、剥離処理液と溶解処理液との混合液の一例であり、例えば、DIWとIPAとの混合液である。
希釈有機溶剤は、DIWと比べて表面張力が低く、処理膜への浸透性が高い。このため、チャンバ20における処理膜の付着面と処理膜との界面部分にDIWを容易に浸透させることができる。つまり、処理膜がチャンバ20内の付着面から剥離し易い状態とすることができる。
つづいて、DIW供給処理が行われる(ステップS902)。DIW供給処理は、チャンバ20内におけるウェハW以外の場所に対し、DIWを供給する処理である。DIWは、剥離処理液の一例である。
上述した希釈有機溶剤供給処理によって、処理膜はチャンバ20内の付着面から剥離し易い状態となっているため、DIWを供給することによってかかる処理膜をチャンバ20内の付着面から容易に除去することができる。
このように、チャンバ洗浄処理においては、チャンバ20内におけるウェハW以外の場所に対し、剥離処理液と溶解処理液との混合液である希釈有機溶剤を供給した後で剥離処理液であるDIWを供給する。これにより、チャンバ20の内部に付着した処理膜を適切に除去することができる。
次に、上述したチャンバ洗浄処理の具体的な動作例について図18A〜図18Hを参照して説明する。図18A〜図18Hは、チャンバ洗浄処理の動作例を示す図である。
例えば、図18Aに示すように、チャンバ洗浄処理は、回転保持部31、保持部材311、第1回転カップ101および第2回転カップ102を洗浄する処理であってもよい。この場合、例えば、回転保持部31を回転させた状態で、ノズル41_4を回転保持部31の中心部と外周部との間で往復させながら、ノズル41_4から希釈有機溶剤およびDIWを順次供給する。これにより、回転保持部31および回転保持部31の外周部に配置される保持部材311、第1回転カップ101および第2回転カップ102に付着した処理膜を除去することができる。
なお、図18Aに示す例において、ノズル41_4は、チャンバ20内に配置され、チャンバ20内におけるウェハW以外の場所に対して洗浄液(希釈有機溶剤およびDIW)を供給する洗浄液供給部の一例である。
また、図18Bに示すように、チャンバ洗浄処理は、第1〜第3排液溝501a〜501cを洗浄する処理であってもよい。この場合、基板洗浄装置14は、第1排液溝501aに洗浄液(希釈有機溶剤およびDIW)を供給する洗浄液供給部80_1を備える。
洗浄液供給部80_1は、洗浄液供給管81a,81bと、バルブ82a,82bと、流量調整器84a,84bとを備える。洗浄液供給管81aは、一端がDIW供給源45fに接続され、他端が第1カップ50aの排液口51aに接続される。洗浄液供給管81bは、一端が洗浄液供給管81aに接続され、他端が有機溶剤供給源45hに接続される。
バルブ82aおよび流量調整器84aは、洗浄液供給管81aに設けられ、制御装置4によって制御される。また、バルブ82bおよび流量調整器84bは、洗浄液供給管81bに設けられ、制御装置4によって制御される。
図18Bに示すチャンバ洗浄処理では、バルブ82aおよびバルブ82bを所定時間開放することにより、第1排液溝501aに希釈有機溶剤を供給する。これにより、第1排液溝501aに希釈有機溶剤が貯留され、第1排液溝501aに貯留された希釈有機溶剤が第1周壁部54aの上面54a1を乗り越えて、第2排液溝501bへオーバーフローすることにより、第2排液溝501bに希釈有機溶剤が貯留される。さらに、第2排液溝501bに貯留された希釈有機溶剤が第2周壁部54bの上面54b1を乗り越えて、第3排液溝501cへオーバーフローすることにより、第3排液溝501cにも希釈有機溶剤が貯留される。
つづいて、各排液口51a〜51cから希釈有機溶剤を排出した後、バルブ82aのみを所定時間開放することにより、第1排液溝501aにDIWを供給する。これにより、第1〜第3排液溝501a〜501cにDIWが貯留される。その後、各排液口51a〜51cからDIWを排出する。これにより、第1〜第3排液溝501a〜501cに付着した処理膜を除去することができる。
また、図18Cに示すように、チャンバ20の内部には、第3カップ50cのさらに外周に排気カップ50dが配置され、排気カップ50dのさらに外周にミストガード50eが配置される場合がある。排気カップ50dは、外周筒部50d1と、外周筒部50d1の上端部から外周筒部50d1の径方向内側に張り出す張出部50d2とを備える。同様に、ミストガード50eも、外周筒部50e1と、外周筒部50e1の上端部から外周筒部50e1の径方向内側に張り出す張出部50e2とを備える。なお、排気カップ50dは不動であり、ミストガード50eは図示しない昇降機構によって昇降可能である。
このような場合、チャンバ洗浄処理は、例えば、第3カップ50cと排気カップ50dとの間に形成される排気経路505を洗浄する処理であってもよい。例えば、ノズル41_4を第1回転カップ101のさらに外周側に配置させ、第1回転カップ101と排気カップ50dの張出部50d2との間に形成される空間(すなわち、排気経路505の入り口)に対して希釈有機溶剤およびDIWを順次供給する。これにより、排気経路505に付着した処理膜を除去することができる。また、第1回転カップ101と第3カップ50cとの隙間から希釈有機溶剤およびDIWが漏れ出ることで、かかる隙間に付着した処理膜や延設部54d1等に付着した処理膜も除去することができる。
また、図18Dに示すように、チャンバ洗浄処理は、ミストガード50eの張出部50e2の下面と排気カップ50dの張出部50d2の上面とを洗浄する処理であってもよい。この場合、基板洗浄装置14は、例えば、ミストガード50eの張出部50e2の下面に対して洗浄液を供給する洗浄液供給部80_2を備える。
洗浄液供給部80_2は、ノズル41_8を備える。ノズル41_8は、例えば、排気カップ50dの張出部50d2の上面に設けられる。ノズル41_8は、洗浄液供給管81a、流量調整器84aおよびバルブ82aを介してDIW供給源45fに接続され、洗浄液供給管81a,81b、流量調整器84bおよびバルブ82bを介して有機溶剤供給源45hに接続される。
図18Dに示すチャンバ洗浄処理では、ノズル41_8から希釈有機溶剤を供給することにより、ミストガード50eの張出部50e2と排気カップ50dの張出部50d2との間の空間に希釈有機溶剤を貯留する。その後、図示しない排液経路から希釈有機溶剤を排出した後、ノズル41_8からDIWを供給することにより、ミストガード50eの張出部50e2と排気カップ50dの張出部50d2との間の空間にDIWを貯留する。その後、図示しない排液経路からDIWを排出する。これにより、ミストガード50eの張出部50e2の下面および排気カップ50dの張出部50d2の上面に付着した処理膜を除去することができる。
また、図18Eに示すように、チャンバ洗浄処理は、基板保持機構30の回転保持部31の下面を洗浄する処理であってもよい。この場合、基板洗浄装置14は、回転保持部31の下面に対して洗浄液を供給する洗浄液供給部80_3を備える。
洗浄液供給部80_3は、ノズル41_9を備える。ノズル41_9は、例えば、内壁部54dの上端部に設けられる。ノズル41_9は、洗浄液供給管81a、流量調整器84aおよびバルブ82aを介してDIW供給源45fに接続され、洗浄液供給管81a,81b、流量調整器84bおよびバルブ82bを介して有機溶剤供給源45hに接続される。
図18Eに示すチャンバ洗浄処理では、回転する回転保持部31の下面に対してノズル41_9から希釈有機溶剤およびDIWを順次供給する。これにより、回転保持部31の下面に付着した処理膜を除去することができる。
また、図18Fに示すように、チャンバ洗浄処理は、排気経路を洗浄する処理であってもよい。この場合、基板洗浄装置14は、各排気口52a〜52cから排出された排気が合流する合流部601の内部および合流部601に接続されるダクト602に対して洗浄液を供給する洗浄液供給部80_4を備える。なお、合流部601およびダクト602は、図3に示すH部に設けられる。
洗浄液供給部80_4は、ノズル41_10およびノズル41_11を備える。ノズル41_10は、例えば、合流部601の天井部に設けられる。また、ノズル41_11は、例えば、ダクト602の上昇部分の壁面に設けられる。ノズル41_10およびノズル41_11は、洗浄液供給管81a、流量調整器84aおよびバルブ82aを介してDIW供給源45fに接続され、洗浄液供給管81a,81b、流量調整器84bおよびバルブ82bを介して有機溶剤供給源45hに接続される。
図18Fに示すチャンバ洗浄処理では、ノズル41_10およびノズル41_11から回転する回転保持部31の下面に対して希釈有機溶剤およびDIWを順次供給する。これにより、合流部601およびダクト602に付着した処理膜を除去することができる。
また、図18Gに示すように、チャンバ20の内部には、ノズル41_4〜41_6を洗浄するノズル洗浄部603が配置される場合がある。ノズル洗浄部603は、洗浄液の貯留槽を備え、貯留槽に貯留された洗浄液にノズル41_4〜41_6を浸漬させることにより、ノズル41_4〜41_6を洗浄する。
このようにチャンバ20の内部にノズル洗浄部603が配置される場合、かかるノズル洗浄部603を洗浄液供給部80_5として用いてもよい。洗浄液供給部80_5としてのノズル洗浄部603は、洗浄液供給管81a、流量調整器84aおよびバルブ82aを介してDIW供給源45fに接続される。また、洗浄液供給部80_5としてのノズル洗浄部603は、洗浄液供給管81a,81b、流量調整器84bおよびバルブ82bを介して有機溶剤供給源45hに接続される。
図18Gに示すチャンバ洗浄処理では、ノズル洗浄部603の貯留槽に希釈有機溶剤を貯留し、貯留槽に貯留された希釈有機溶剤にノズル41_4〜41_6を所定時間浸漬させた後、貯留槽から希釈有機溶剤を排出する。つづいて、ノズル洗浄部603の貯留槽にDIWを貯留し、貯留槽に貯留されたDIWにノズル41_4〜41_6を所定時間浸漬させる。これにより、ノズル41_4〜41_6に付着した処理膜を除去することができる。
また、洗浄液供給部80_5は、ノズル洗浄部603の上方に位置するチャンバ20の天井部にノズル41_12を備えていてもよい。ノズル41_12は、洗浄液供給管81a、流量調整器84aおよびバルブ82aを介してDIW供給源45fに接続され、洗浄液供給管81a,81b、流量調整器84bおよびバルブ82bを介して有機溶剤供給源45hに接続される。
この場合、ノズル41_4〜41_6をノズル洗浄部603において浸漬洗浄させている間に、ノズル41_12からアーム42_2に対して希釈有機溶剤およびDIWを順次供給する。これにより、ノズル41_4〜41_6に付着した処理膜だけでなくアーム42_2に付着した処理膜も除去することができる。
また、図18Hに示すように、チャンバ洗浄処理は、チャンバ20内の空間を全体的に洗浄する処理であってもよい。この場合、基板洗浄装置14は、チャンバ20内の空間に対して洗浄液を全体的に供給する洗浄液供給部80_6を備える。
洗浄液供給部80_6は、ノズル41_13を備える。ノズル41_13は、例えば、チャンバ20の天井部近傍の内壁部に対して複数設けられる。ノズル41_13は、洗浄液供給管81a、流量調整器84aおよびバルブ82aを介してDIW供給源45fに接続され、洗浄液供給管81a,81b、流量調整器84bおよびバルブ82bを介して有機溶剤供給源45hに接続される。
図18Hに示すチャンバ洗浄処理では、ノズル41_13から希釈有機溶剤およびDIWを順次供給する。これにより、チャンバ20の内部を全体的に洗浄することができる。
このように、希釈有機溶剤供給処理およびDIW供給処理を含むチャンバ洗浄処理を行うことで、チャンバ20内の各場所に付着した処理膜を適切に除去することができる。
今回開示された実施形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。実に、上記した実施形態は多様な形態で具現され得る。また、上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその趣旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。
W ウェハ
P パーティクル
1,1’ 基板洗浄システム
2 搬入出ステーション
3 処理ステーション
4 制御装置
14 基板洗浄装置
20 チャンバ
21 FFU
30 基板保持機構
40_1,40_2 液供給部
45a 酸系処理液供給源
45b アルカリ径処理液供給源
45c 前処理液供給源
45d A+B供給源
45e C供給源
45f DIW供給源
45g アルカリ水溶液供給源
45h 有機溶剤供給源
45i DIW供給源
45j IPA供給源

Claims (10)

  1. 有機溶媒に可溶なフェノール樹脂を含有する処理膜が形成された基板を保持する保持部と、
    前記処理膜を前記基板から剥離させる剥離処理液を前記処理膜に対して供給する剥離処理液供給部と、
    前記処理膜を溶解させる溶解処理液を前記処理膜に対して供給する溶解処理液供給部と
    を備える、基板処理システム。
  2. 前記処理膜は、前記フェノール樹脂としてノボラック樹脂を含有する、請求項1に記載の基板処理システム。
  3. 前記基板に対して前記フェノール樹脂と前記有機溶媒とを含有する成膜処理液を供給する成膜処理液供給部
    を備え、
    前記基板上に、前記供給された成膜処理液が固化または硬化することにより前記処理膜が形成される、請求項1または2に記載の基板処理システム。
  4. 前記成膜処理液は、低分子有機酸をさらに含有する、請求項3に記載の基板処理システム。
  5. 前記成膜処理液における前記低分子有機酸の濃度は、
    0.1質量%以上5質量%以下である、請求項4に記載の基板処理システム。
  6. 前記保持部、前記成膜処理液供給部、前記剥離処理液供給部および前記溶解処理液供給部を収容するチャンバと、
    前記チャンバ内に配置され、前記チャンバ内における前記基板以外の場所に対して洗浄液を供給する洗浄液供給部と
    を備え、
    前記洗浄液供給部は、
    前記チャンバ内における前記基板以外の場所に対し、前記剥離処理液と前記溶解処理液との混合液を供給した後で前記剥離処理液を供給する、請求項3〜5のいずれか一つに記載の基板処理システム。
  7. 前記剥離処理液は、純水である、請求項1〜5のいずれか一つに記載の基板処理システム。
  8. 前記溶解処理液は、有機溶剤である、請求項1〜5のいずれか一つに記載の基板処理システム。
  9. 有機溶媒に可溶なフェノール樹脂を含有する処理膜を基板上に形成する処理膜形成工程と、
    前記基板上の処理膜に対して前記処理膜を除去する除去液を供給する除去液供給工程と
    を含む、基板洗浄方法。
  10. コンピュータ上で動作し、基板処理システムを制御するプログラムが記憶されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
    前記プログラムは、実行時に、請求項9に記載の基板洗浄方法が行われるように、コンピュータに前記基板処理システムを制御させる、記憶媒体。
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