JPWO2018211584A1 - 分析システム及びネットワークシステム - Google Patents

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Abstract

送液ポンプ稼働モニタは、送液ポンプによる送液対象液の残量を計測する残量計と、前記残量計により計測された前記送液対象液の残量の減少を検知し、それに基づいて前記送液ポンプの稼働を検知するように構成された稼働検知部と、を備えている。

Description

本発明は、液体クロマトグラフなどの分析装置において使用される送液ポンプの稼働状況を監視する送液ポンプ稼働モニタに関するものである。
液体クロマトグラフのように液を流しながら分析を行なう分析装置では、送液ポンプが必須の構成要素とともに稼働時間に伴って劣化する消耗品である。送液ポンプ内には稼働時の摺動によって送液ポンプの稼働時間とともに劣化するシール部品が存在する。例えばプランジャポンプでは、ポンプ室からの液漏れを防止するためのプランジャシールと呼ばれるリング状の樹脂シールが用いられているが、送液ポンプの稼働中はそのプランジャシールがプランジャの外周面と常に摺動しているため、稼働時間の蓄積により劣化する。プランジャシールが劣化するとポンプ室からの液漏れが起こりやすくなり、送液精度が低下して分析精度が悪化する。そのため、シール部品の交換といった送液ポンプのメンテナンス作業を適切な時期に実施する必要がある。
送液ポンプのメンテナンス作業を実施するための適切なタイミングを把握するためには、送液ポンプの稼働状況を監視しておく必要がある。装置の稼働状況を監視する方法として、装置の消費電力を測定し、その消費電力が予め定められた判定基準と比較して装置の稼働の有無を判定する方法がある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2004−070424号公報
一般的に、送液ポンプや送液ポンプの動作管理を行なう管理装置などには、送液ポンプの稼働の有無や稼働率といった稼働状況を監視する機能が備えられており、送液ポンプの稼働状況に関する情報は管理装置やデータサーバで管理されるようになっている。
しかし、送液ポンプは複数のメーカによって製造されており、送液ポンプの稼働状況を管理する管理装置やデータサーバはメーカごとに存在する。そのため、ユーザが複数のメーカの送液ポンプを用いて分析システムを構築している場合には、各送液ポンプの稼働状況が複数の管理装置やデータサーバに散在することになり、一元的に管理することが困難である。
特許文献1のように、消費電力を測定することによって複数の送液ポンプの稼働状況を監視しようした場合、各送液ポンプに消費電力測定装置を取り付け、各送液ポンプに対して判定基準を設定する必要があり、設置コストが増大するとともに設置作業や設定作業が煩雑になるという問題がある。また、送液ポンプの種類によっては運転状態で消費電力がほとんど変化しないものもあり、消費電力に基づいて稼働の有無を判定することができない場合もある。
本発明は上記の問題に鑑みてなされたものであり、送液ポンプのメーカによらず、送液ポンプの稼働状況を容易に監視することができるようにすることを目的とするものである。
本発明に係る送液ポンプ稼働モニタは、送液ポンプによる送液対象液の残量を計測する残量計と、前記残量計により計測された前記送液対象液の残量の減少を検知し、それに基づいて前記送液ポンプの稼働を検知するように構成された稼働検知部と、を備えている。
本発明の送液ポンプ稼働モニタにおいては、前記稼働検知部により前記送液ポンプの稼働が検知された時間を積算して当該送液ポンプの稼働時間を求めるように構成された稼働時間算出部をさらに備えていることが好ましい。そうすれば、その送液ポンプの稼働時間を監視することができ、送液ポンプのメンテナンス時期の把握などが容易になる。
さらに、前記送液ポンプの電源が投入されている時間を積算するように構成された電源投入時間算出部と、前記稼働時間算出部により算出された稼働時間と前記電源投入時間算出部により算出された電源投入時間に基づいて、当該送液ポンプの稼働率を算出するように構成された稼働率算出部と、をさらに備えていることが好ましい。そうすれば、ユーザは送液ポンプの稼働率を知ることができる。送液ポンプの稼働率を知ることができれば、分析装置の使用状況に基づいて送液ポンプの稼働時間の推移を予測することも可能になる。
好ましい実施形態では、稼働検知部は、前記残量計により計測される前記送液対象液の残量の時間変化率を求め、その時間変化率が所定値以下であるときに、前記送液ポンプが稼働していることを検知するように構成されている。所定値とは、例えば0以下の値であり、予め設定されたしきい値である。この所定値は固定値であってもよいし、ユーザが任意に設定した値であってもよい。
残量計の一例は、前記送液対象液が収容されている容器の重量を計測するものである。そのような残量計として電子天秤を利用したものが挙げられる。
また、残量計の他の例として、前記送液対象液の液面高さを計測するものであってもよい。そのような残量計として非接触式の液面センサを利用したものが挙げられる。
本発明に係る送液ポンプ稼働モニタでは、消費電力のような送液ポンプ自身からの情報ではなく、その送液ポンプの送液対象となっている液の残量という残量計からの情報に基づいて送液ポンプの稼働の有無を検知するので、送液ポンプのメーカによらず、どのような送液ポンプであっても稼働の有無を容易に検知することができる。複数種類の送液ポンプを用いる場合でも、それらの送液ポンプの稼働の有無を同じ残量計からの情報に基づいて検知することができるので、送液ポンプが稼働しているか否かの判定基準を共通化することができ、送液ポンプごとに判定基準を設定するという煩雑な作業も不要である。
ところで、複数の分析装置を共通のデータサーバにネットワーク接続し、ネットワーク上にある分析装置の稼働状況をそのデータサーバを通じて管理するということが行われる場合がある。このような場合に、各分析装置のシステムが立ち上がっていても、その分析装置が実際に分析動作を行なっているのか否かをデータサーバを介して把握することは困難であった。
例えば、液体クロマトグラフのように移動相を送液しながら分析を行なう分析装置では、分析装置のシステムが立ち上がっていても、その分析装置が実際に分析動作を行なっているとは限らない。しかし、その分析装置のシステムが立ち上がっているか否かのみを監視していては、その分析装置が実際に分析動作を行なっているか否かを把握することはできない。しかし、液体クロマトグラフのような分析装置は、送液ポンプが稼働していればその分析装置が必ず稼働していると判断することができる。したがって、上述の送液ポンプ稼働モニタの情報を用いれば、液体クロマトグラフなどの分析装置の稼働状況を把握することが可能になる。
送液ポンプ稼働モニタの一実施例を示す概略構成図である。 分析システムのネットワーク構成を概略的に示すブロック図である。 同実施例における残量計の信号波形の一例を示すグラフである。 同実施例の送液ポンプ稼働モニタにより求められる稼働時間データの一例である。 同実施例の送液ポンプ稼働モニタにより求められる特定の送液ポンプの稼働率推移データの一例である。 同実施例の送液ポンプ稼働モニタを利用して求められる各液の試料量データの一例である。 同実施例の送液ポンプ稼働モニタを利用して求められる特定の液の使用量推移データの一例である。 送液ポンプの稼働を検知する動作及び稼働時間の積算動作の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る送液ポンプ稼働モニタの一実施例について、図面を参照しながら説明する。
図1は、分析システム1に組み込まれた送液ポンプ稼働モニタの構成の一例を示している。分析システム1は分析装置2とシステム管理装置10によって構成されている。システム管理装置10は専用のコンピュータ又は汎用のパーソナルコンピュータによって実現される。
分析装置2は、例えば液体クロマトグラフのように液を送液しながら分析を行なうものである。この実施例の分析装置2は、送液ポンプ4a〜4dを用いて必要な液を容器6a〜6dから汲み上げて送液するようになっている。容器6a〜6dにはそれぞれ、送液ポンプ4a〜4dによる送液対象液が収容されている。
分析システム1は送液ポンプ4a〜4dの稼働状況を監視する送液ポンプ稼働モニタ3を備えている。送液ポンプ稼働モニタ3は、残量計8a〜8dとシステム管理装置10によって実現されている。残量計8a〜8dはそれぞれ、容器6a〜6dに収容されている送液ポンプ4a〜4dの送液対象液の残量を計測するものである。この実施例では、残量計8a〜8dとして容器6a〜6dの重量を計測する電子天秤が用いられている。ただし、残量計8a〜8dは、容器6a〜6d内の液面高さを計測する非接触型の液面センサによって実現することもできる。
残量計8a〜8dで得られた計測データは一定時間ごとにシステム管理装置10に取り込まれる。システム管理装置10には、稼働検知部12、稼働時間算出部14、電源投入時間算出部16、及び稼働率算出部18が設けられている。これらはマイクロコンピュータなどの演算素子がプログラムを実行することによって得られる機能である。
稼働検知部12は残量計8a〜8dの計測値に基づき、各容器6a〜6dに収容されている液の残量が減少したときにその液を送液対象とする送液ポンプ6a〜6dの稼働を検知するように構成されている。システム管理装置10において、送液ポンプ4a〜4dと容器6a〜6dとが互いに対応付けられており、各容器6a〜6dに収容されている液の残量変動に基づいて、各送液ポンプ4a〜4dの稼働が検知されるようになっている。各容器6a〜6dに収容されている液の残量が減少したか否かは、例えば、各液の残量の時間変化率を一定時間間隔で求め、その時間変化率が所定値(0以下の値)以下となるか否かによって判断することができる。
この場合、残量計8a〜8dから出力される信号値は、図3に示されているようにノイズを含んだものとなるので、平均化処理などのノイズ除去処理を施した値を時間変化率の算出に用いることが好ましい。そして、その時間変化率(傾き)が所定値以下であれば、その容器の液を送液対象としている送液ポンプが稼働していると判断することができる。
稼働時間算出部14は各送液ポンプ4a〜4dの稼働時間を求めるように構成されている。各送液ポンプ4a〜4dの稼働時間は、各送液ポンプ4a〜4dの稼働が稼働検知部12によって検知されている時間を積算することによって求められる。すなわち、稼働時間算出部14は、残量計の計測値の時間変化率が所定値以下となったときに稼働時間の積算を開始し、その時間変化率が所定値を超えたときにその積算を停止する。この積算処理を繰り返して、各送液ポンプ4a〜4dの通算の稼働時間を算出する。
電源投入時間算出部18は各送液ポンプ4a〜4dの電源投入時間を求めるように構成されている。各送液ポンプ4a〜4dの電源投入時間は、各送液ポンプ4a〜4dに実際に電源が投入されている時間を積算することによって求めてもよい。ただし、送液ポンプ4a〜4dと残量計8a〜8dの電源投入は同じようなタイミングで行なわれるため、残量計8a〜8dの電源が投入されている時間を積算することによって各送液ポンプ4a〜4dの電源投入時間を求めてもよい。
稼働率算出部18は、稼働時間算出部14によって求められた各送液ポンプ4a〜4dの稼働時間と、電源投入時間算出部18によって求められた各送液ポンプ4a〜4dの電源投入時間を用いて、各送液ポンプ4a〜4dの稼働率を求めるように構成されている。具体的には以下に式によって各送液ポンプ4a〜4dの稼働率を求めることができる。
稼働率(%)=(稼働時間/電源投入時間)×100
なお、各送液ポンプ4a〜4dの稼働時間、電源投入時間及び稼働率は、ユーザが任意のタイミングで0にリセットすることができる。各送液ポンプ4a〜4dの稼働時間、電源投入時間及び稼働率を0にリセットするタイミングは、例えば、その送液ポンプのシール部品の交換といったメンテナンスを行なう前後のタイミングである。このようなタイミングで各送液ポンプ4a〜4dの稼働時間、電源投入時間及び稼働率を0にリセットすることで、各送液ポンプ4a〜4dが前回のメンテナンスからどれだけ稼働しているかを監視することができ、次のメンテナンス時期を把握することができる。
ここで、稼働検知部12及び稼働時間算出部14によって実行される動作について、図8のフローチャートを用いて説明する。
残量計8a〜8dからの信号がシステム管理装置10に取り込まれると(ステップS1)、システム管理装置10内においてノイズを除去するための平均化処理等のノイズ処理が実行される(ステップS2)。稼働検知部12は、ノイズ処理された信号を用いて各残量計8a〜8dからの各信号値の時間変化率を求め(ステップS3)、各時間変化率を所定値(≦0)と比較する(ステップS4)。求めた時間変化率が所定値以下であるときは、その残量計に対応する送液ポンプが稼働していることを検知する(ステップS5)。稼働時間算出部14は、稼働が検知された送液ポンプの稼働時間の積算をまだ開始していない場合はその送液ポンプの稼働時間の積算を開始し(ステップS6、S7)、すでに稼働時間の積算を開始している場合にはそのまま積算を続行する(ステップS6)。
また、稼働検知部12は、求めた時間変化率が所定値を超えている場合(ステップS4)、その送液ポンプの稼働時間を積算していたときはその積算を停止する(ステップS8、S9)。
以上において説明した送液ポンプ稼働モニタ3の機能により、図4に示されているような、一定期間内における各送液ポンプ4a〜4d(図ではポンプA〜Dと表記)の電源投入時間(電源オン時間)と稼働時間に関するデータや、図5に示されているような、特定の送液ポンプの一定期間ごと(図では月ごと)の稼働率の推移データを得ることができる。
また、送液ポンプ4a〜4dの稼働状況とは直接的には関係しないが、残量計8a〜8dの計測値に基づいて各容器6a〜6dの液の減少量を積算するようにすれば、図6に示されているような各容器6a〜6dの液の一定期間内における総使用量のデータや、図7に示されているような特定の容器の液の一定期間ごと(図では月ごと)の使用量の推移データを得ることも可能である。
ユーザは、上記のようなデータに対して、システム管理装置10又はシステム管理装置10に電気的に接続された別の端末を通じてアクセスすることができる。
また、図2に示されているように、複数の分析システム1−1〜1−nが共通のデータサーバ20に接続されてネットワークが構築される場合、各分析システム1−1〜1−nの送液ポンプ稼働モニタ3−1〜3−nによって得られた各分析システム1−1〜1−nの送液ポンプの稼働状況についてのデータがデータサーバ20に収集されるようになっていることが好ましい。そうすれば、ユーザは任意の端末22−1〜22−nを通じてデータサーバ20に収集された各分析システム1−1〜1−nの送液ポンプの稼働状況のデータにアクセスすることができる。
既述のように、液体クロマトグラフのように移動相を送液しながら分析を行なう分析装置では、送液ポンプが稼働していれば分析装置が稼働していると判断することができることから、ユーザは、データサーバ20に収集された各分析システム1−1〜1−nの送液ポンプの稼働状況に基づいて、各分析システム1−1〜1−nの実際の稼働状況を把握することが可能になる。
以上において説明した実施例では、稼働検知部12、稼働時間算出部14、電源投入時間算出部16及び稼働率算出部18がシステム管理装置10に設けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの一部又は全部が残量計8a〜8dやデータサーバ20に設けられていてもよい。
1,1−1〜1−n 分析システム
2 分析装置
3,3−1〜3−n 送液ポンプ稼働モニタ
4a〜4d 送液ポンプ
6a〜6d 容器
8a〜8d 残量計
10 システム管理装置
12 稼働検知部
14 稼働時間算出部
16 電源投入時間算出部
18 稼働率算出部
20 データサーバ
22−1〜22−n 端末

Claims (6)

  1. 送液ポンプによる送液対象液の残量を計測する残量計と、
    前記残量計により計測された前記送液対象液の残量の減少を検知し、それに基づいて前記送液ポンプの稼働を検知するように構成された稼働検知部と、を備えた送液ポンプ稼働モニタ。
  2. 前記稼働検知部により前記送液ポンプの稼働が検知された時間を積算して当該送液ポンプの稼働時間を求めるように構成された稼働時間算出部をさらに備えている請求項1に記載の送液ポンプ稼働モニタ。
  3. 前記送液ポンプの電源が投入されている時間を積算するように構成された電源投入時間算出部と、
    前記稼働時間算出部により算出された稼働時間と前記電源投入時間算出部により算出された電源投入時間に基づいて、当該送液ポンプの稼働率を算出するように構成された稼働率算出部と、をさらに備えている請求項2に記載の送液ポンプ稼働モニタ。
  4. 前記稼働検知部は、前記残量計により計測される前記送液対象液の残量の時間変化率を求め、その時間変化率が所定値以下であるときに前記送液ポンプが稼働していることを検知するように構成されている請求項1から3のいずれか一項に記載の送液ポンプ稼働モニタ。
  5. 前記残量計は、前記送液対象液が収容されている容器の重量を計測するものである請求項1から4のいずれか一項に記載の送液ポンプ稼働モニタ。
  6. 前記残量計は、前記送液対象液の液面高さを計測するものである請求項1から4のいずれか一項に記載の送液ポンプ稼働モニタ。
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