JPWO2018207923A1 - 間葉系幹細胞の製造方法、およびその応用 - Google Patents

間葉系幹細胞の製造方法、およびその応用 Download PDF

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Abstract

本発明の課題は、簡便な工程による、脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞の製造方法、および間葉系幹細胞を提供すること、さらに、上記した間葉系幹細胞の製造方法を利用した、分化誘導された細胞の製造方法、分化誘導された細胞、および脂肪細胞への分化抑制剤を提供することである。本発明によれば、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地において間葉系幹細胞を培養する工程を含む、脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞の製造方法が提供される。

Description

本発明は、簡便な工程による、脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞の製造方法に関する。本発明は、分化誘導培地において、上記の脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞を培養する工程を含む、分化誘導された細胞の製造方法に関する。本発明は、上記の方法により製造される間葉系幹細胞および分化誘導された細胞に関する。本発明はさらに、脂肪細胞への分化抑制剤に関する。
生体内における脂肪細胞蓄積に伴う肥満およびメタボリック症候群の発症の基盤は、蓄積した脂肪細胞に存在するマクロファージによる炎症反応である。脂肪細胞の起源は、間葉系幹細胞であり、間葉系幹細胞から骨細胞、軟骨細胞、心筋細胞および脂肪細胞などが誘導される。間葉系幹細胞の分化を抑制する方法が検討されている。
特許文献1には、剛性が150〜750kPaの範囲にあるゲルおよびマトリックスを用いて間葉系幹細胞集団を保存する方法が記載されている。特許文献2には、RANK(NF−κBの受容体アクティベーター)のシステインリッチドメインの一つに類似した配列を有する環状ペプチドを有効成分として含む脂肪分化抑制剤が記載されている。特許文献3には、特定されたアミノ酸配列を有し、ヒト骨髄幹細胞の増殖・分化の抑制を誘導する活性をもつペプチドが記載されている。特許文献4には、ヒトDelta1の配列より得られたポリペプチドを原核生物細胞内において最少単位で発現させ、変性剤および還元剤を用いて精製することにより得られる、幹細胞分化抑制活性を有するポリペプチドが記載されている。
一方、再生医療における代表的な足場材料として、ゼラチンが知られている。ゼラチンは生体適合性が高く、安全性の高い材料として知られ、医療用途での応用の実績が高い。特許文献5には、遺伝子組み換えゼラチン(リコンビナントゼラチン)から構成され、所定の特性を有する多孔質体から構成される細胞支持体が記載されている。
特開2015−43780号公報 特開2014−198686号公報 特開平3−228683号公報 特開2007−326834号公報 国際公開WO2011/108537号
特許文献1においては、アクリルアミドとビスアクリルアミドを所定の範囲内の比率で混合し、ゲル化することにより所定の剛性を有するゲルを作製しているが、操作が煩雑である。特許文献2〜4には、ペプチドまたはポリペプチドを用いて脂肪への分化を抑制することが記載されているが、更に簡便な工程により、間葉系幹細胞から脂肪細胞への分化を抑制する手法が望まれている。
本発明の課題は、簡便な工程による、脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞の製造方法、および上記方法により製造される間葉系幹細胞を提供することである。本発明の別の課題は、上記した間葉系幹細胞の製造方法を利用した、分化誘導された細胞の製造方法、および上記方法により製造される分化誘導された細胞を提供することである。本発明のさらに別の課題は、脂肪細胞への分化抑制剤を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討した結果、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地において間葉系幹細胞を培養することによって、脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞を製造できることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成したものである。
即ち、本発明によれば、以下の発明が提供される。
<1> コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地において間葉系幹細胞を培養する工程を含む、脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞の製造方法。
<2> リコンビナントゼラチンが、コラーゲンに特徴的なGly−X−Yで示される配列の繰り返しを有し、XおよびYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、複数個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、リコンビナントゼラチンの分子量が2kDa以上100kDa以下である、<1>に記載の方法。
<3> リコンビナントゼラチンが、コラーゲンに特徴的なGly−X−Yで示される配列の繰り返しを有し、XおよびYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、複数個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、リコンビナントゼラチンの分子量が10kDa以上90kDa以下である、<1>または<2>に記載の方法。
<4> リコンビナントゼラチンが、コラーゲンに特徴的なGly−X−Yで示される配列の繰り返しを有し、XおよびYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、複数個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、リコンビナントゼラチンが細胞接着シグナルを一分子中に2配列以上含む、<1>から<3>の何れか一に記載の方法。
<5> 細胞接着シグナルがArg−Gly−Aspで示されるアミノ酸配列である、<4>に記載の方法。
<6> リコンビナントゼラチンのアミノ酸配列が、下記式で示される、<1>から<5>の何れか一に記載の方法。
A−[(Gly−X−Y)nm−B式中、Aは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示し、Bは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示し、n個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、n個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、nは3〜100の整数を示し、mは2〜10の整数を示す。なお、n個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
<7> リコンビナントゼラチンのアミノ酸配列が、下記式で示される、<1>から<6>の何れか一に記載の方法。
Gly−Ala−Pro−[(Gly−X−Y)633−Gly式中、63個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、63個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す。なお、63個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
<8> リコンビナントゼラチンが、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列、または(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有し、細胞接着性を有するアミノ酸配列を有する、<1>から<7>の何れか一に記載の方法。
<9> 間葉系幹細胞が、骨髄由来細胞または軟骨由来細胞である、<1>から<8>の何れか一に記載の方法。
<10> コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地が、未分化維持用の液体培地である、<1>から<9>の何れか一に記載の方法。
<11> コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地中の濃度が、0.01μg/mL〜500μg/mLである、<1>から<10>の何れか一に記載の方法。
<12> コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地中の濃度が、0.02μg/mL〜300μg/mLである、<1>から<10>の何れか一に記載の方法。
<13> <1>から<12>の何れか一に記載の方法により脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞を製造する工程、および分化誘導培地において、上記の脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞を培養する工程を含む、分化誘導された細胞の製造方法。
<14> <1>から<12>の何れか一に記載の方法により製造される間葉系幹細胞。
<15> <13>に記載の方法により製造される分化誘導された細胞。
<16> コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンを含む、脂肪細胞への分化抑制剤。
本発明による間葉系幹細胞の製造方法によれば、簡便な工程により、脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞を製造することができる。上記した間葉系幹細胞の製造方法を利用した、分化誘導された細胞の製造方法によれば、簡便な工程により、所望の細胞を製造することができる。本発明の方法により製造される間葉系幹細胞および分化誘導された細胞は、再生医療などにおいて有用である。また、本発明による脂肪細胞への分化抑制剤によれば、簡便な工程により、脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞を製造することができる。
図1は、細胞がUDE BMであり、培地がMesenProである場合について、細胞をオイルレッドで染色して脂肪細胞への分化を確認した結果を示す。 図2は、細胞がUDE BMであり、培地がDMEMである場合について、細胞をオイルレッドで染色して脂肪細胞への分化を確認した結果を示す。 図3は、細胞がUDE BMであり、培地がPRIME−XVである場合について、細胞をオイルレッドで染色して脂肪細胞への分化を確認した結果を示す。 図4は、細胞がYub2505であり、培地がPRIME−XVである場合について、細胞をオイルレッドで染色して脂肪細胞への分化を確認した結果を示す。 図5は、細胞がBMSC(Lonza:PT-2501)であり、 培地がMesenProである場合についてリコンビナントゼラチン添加量を変えて培養した後、 Lonza(図5の上段のA)あるいはPromoCell(図5の下段のB)の脂肪分化誘導培地を用いて脂肪分化させた細胞を、ナイルレッドで染色して脂肪細胞への分化を確認した結果を示す。 図6は、図5の顕微鏡写真について、脂肪へ分化した細胞数をカウントした結果を示す。図6の上段のAは、Lonzaの脂肪分化誘導培地を用いて脂肪分化させた場合であり、図6の下段のBは、PromoCellの脂肪分化誘導培地を用いて脂肪分化させた場合である。 図7は、細胞がBMSC(Lonza:PT-2501)であり、 培地がMesenProである場合について、リコンビナントゼラチン添加量を変えて培養し、細胞数を計測した結果を示す。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞の製造方法に関するものであり、特に、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地において間葉系幹細胞を培養する工程を含む方法である。
本発明によれば、間葉系幹細胞が脂肪細胞に分化することを抑制することができる。
間葉系幹細胞を用いた細胞治療を行う場合、生体内において周囲の微小環境に影響を受けやすい間葉系幹細胞の意図しない方向(例えば、脂肪細胞)への組織分化を避けることが、治療効果を担保する意味で重要である。本発明の方法により得られる細胞は、例えば再生医療における骨組織修復または軟骨組織修復などに利用することができる。
本発明においては、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地において間葉系幹細胞を培養する。リコンビナントゼラチンが溶解した液体培地において間葉系幹細胞を培養するタイミングとしては、特に限定されず、間葉系幹細胞の維持または拡大培養時、間葉系幹細胞の分化誘導培養時の何れか一方でもよいし、上記の両方でもよい。
好ましくは、間葉系幹細胞の維持または拡大培養時において、リコンビナントゼラチンが溶解した液体培地において間葉系幹細胞を培養することができる。上記の好ましい態様によれば、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地は、未分化維持用の液体培地である。上記の好ましい態様によれば、間葉系幹細胞の維持または拡大培養時においてのみ培地中にリコンビナントゼラチンを添加するという簡便な操作(分化誘導培地へのリコンビナントゼラチンの添加は不要)により、間葉系幹細胞の脂肪細胞への分化を抑制することができる。
<リコンビナントゼラチン>
本発明で言うリコンビナントゼラチンとは、遺伝子組み換え技術により作られたゼラチン類似のアミノ酸配列を有するポリペプチドもしくは蛋白様物質を意味する。本発明で用いることができるリコンビナントゼラチンは、コラーゲンに特徴的なGly−X−Yで示される配列(XおよびYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す)の繰り返しを有するものが好ましい。ここで、複数個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。好ましくは、細胞接着シグナルが一分子中に2配列以上含まれている。リコンビナントゼラチンとしては、ヒトコラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するゼラチンを用いることができる。例えばEP1014176、US特許6992172号、国際公開WO2004/85473、国際公開WO2008/103041等に記載のものを用いることができるが、これらに限定されるものではない。本発明で用いるリコンビナントゼラチンとして好ましいものは、以下の態様のゼラチンである。
リコンビナントゼラチンは、天然のゼラチン本来の性能から、生体親和性に優れ、且つ天然由来ではないことで牛海綿状脳症(BSE)などの懸念がなく、非感染性に優れている。リコンビナントゼラチンは動物由来成分を含まないため、血清不使用(Serum free)および動物由来成分不使用(Xeno free) の条件下で間葉系幹細胞を培養することができる。また、リコンビナントゼラチンは天然ゼラチンと比べて均一であり、配列が決定されているので、精密に設計することが可能である。
リコンビナントゼラチンの分子量は、特に限定されないが、好ましくは2000以上100000以下(2kDa以上100kDa以下)であり、より好ましくは2500以上95000以下(2.5kDa以上95kDa以下)であり、さらに好ましくは5000以上90000以下(5kDa以上90kDa以下)であり、最も好ましくは10000以上90000以下(10kDa以上90kDa以下)である。
リコンビナントゼラチンは、コラーゲンに特徴的なGly−X−Yで示される配列の繰り返しを有することが好ましい。ここで、複数個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。Gly−X−Y において、Glyはグリシンを表し、XおよびYはそれぞれ独立に、任意のアミノ酸(好ましくは、グリシン以外の任意のアミノ酸)を表す。コラーゲンに特徴的なGly−X−Yで示される配列とは、ゼラチン・コラーゲンのアミノ酸組成および配列における、他のタンパク質と比較して非常に特異的な部分構造である。この部分においてはグリシンが全体の約3分の1を占め、アミノ酸配列では3個に1個の繰り返しとなっている。グリシンは最も簡単なアミノ酸であり、分子鎖の配置への束縛も少なく、ゲル化に際してのヘリックス構造の再生に大きく寄与している。XおよびYで表されるアミノ酸にはイミノ酸(プロリン、オキシプロリン)が多く含まれ、全体の10%〜45%を占めることが好ましい。好ましくは、リコンビナントゼラチンの配列の80%以上、更に好ましくは95%以上、最も好ましくは99%以上のアミノ酸が、Gly−X−Yの繰り返し構造である。
一般的なゼラチンは、極性アミノ酸のうち電荷を持つものと無電荷のものが1:1で存在する。ここで、極性アミノ酸とは具体的にシステイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニン、チロシンおよびアルギニンを指し、このうち極性無電荷アミノ酸とはシステイン、アスパラギン、グルタミン、セリン、スレオニンおよびチロシンを指す。本発明で用いるリコンビナントゼラチンにおいては、構成する全アミノ酸のうち、極性アミノ酸の割合が10〜40%であり、好ましくは20〜30%である。且つ上記極性アミノ酸中の無電荷アミノ酸の割合が5%以上20%未満、好ましくは10%未満であることが好ましい。さらに、セリン、スレオニン、アスパラギン、チロシンおよびシステインのうちいずれか1種のアミノ酸、好ましくは2種以上のアミノ酸を配列上に含まないことが好ましい。
一般にポリペプチドにおいて、細胞接着シグナルとして働く最小アミノ酸配列が知られている(例えば、株式会社永井出版発行「病態生理」Vol.9、No.7(1990年)527頁)。本発明で用いるリコンビナントゼラチンは、これらの細胞接着シグナルを1分子中に2以上有することが好ましい。
具体的な配列としては、接着する細胞の種類が多いという点で、アミノ酸一文字表記で表される、RGD配列、LDV配列、REDV配列、YIGSR配列、PDSGR配列、RYVVLPR配列、LGTIPG配列、RNIAEIIKDI配列、IKVAV配列、LRE配列、DGEA配列、およびHAV配列の配列が好ましい。さらに好ましくはRGD配列、YIGSR配列、PDSGR配列、LGTIPG配列、IKVAV配列およびHAV配列、特に好ましくはRGD配列である。RGD配列のうち、好ましくはERGD配列である。細胞接着シグナルを有するリコンビナントゼラチンを用いることにより、細胞の基質産生量を向上させることができる。例えば、細胞として、間葉系幹細胞を用いた軟骨分化の場合には、グリコサミノグリカン(GAG)の産生を向上させることができる。
本発明で用いるリコンビナントゼラチンにおけるRGD配列の配置としては、RGD間のアミノ酸数が0〜100の間、好ましくは25〜60の間で均一でないことが好ましい。
この最小アミノ酸配列の含有量は、細胞接着・増殖性の観点から、タンパク質1分子中3〜50個が好ましく、さらに好ましくは4〜30個、特に好ましくは5〜20個である。最も好ましくは12個である。
本発明で用いるリコンビナントゼラチンにおいて、アミノ酸総数に対するRGDモチーフの割合は少なくとも0.4%であることが好ましい。ゼラチンが350以上のアミノ酸を含む場合、350のアミノ酸の各ストレッチが少なくとも1つのRGDモチーフを含むことが好ましい。アミノ酸総数に対するRGDモチーフの割合は、更に好ましくは少なくとも0.6%であり、更に好ましくは少なくとも0.8%であり、更に好ましくは少なくとも1.0%であり、更に好ましくは少なくとも1.2%であり、最も好ましくは少なくとも1.5%である。ペプチド内のRGDモチーフの数は、250のアミノ酸あたり、好ましくは少なくとも4、更に好ましくは少なくとも6、更に好ましくは少なくとも8、更に好ましくは12以上16以下である。RGDモチーフの0.4%という割合は、250のアミノ酸あたり、少なくとも1つのRGD配列に対応する。RGDモチーフの数は整数であるので、少なくとも0.4%の特徴を満たすには、251のアミノ酸からなるゼラチンは、少なくとも2つのRGD配列を含まなければならない。好ましくは、本発明におけるゼラチンは、250のアミノ酸あたり、少なくとも2つのRGD配列を含み、より好ましくは250のアミノ酸あたり、少なくとも3つのRGD配列を含み、さらに好ましくは250のアミノ酸あたり、少なくとも4つのRGD配列を含む。本発明におけるゼラチンのさらなる態様としては、少なくとも4つのRGDモチーフ、好ましくは少なくとも6つ、より好ましくは少なくとも8つ、さらに好ましくは12以上16以下のRGDモチーフを含む。
リコンビナントゼラチンは部分的に加水分解されていてもよい。
好ましくは、本発明で用いるリコンビナントゼラチンのアミノ酸配列は、式:A−[(Gly−X−Y)nm−Bで示されるものである。n個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、n個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す。mは好ましくは2〜10の整数を示し、より好ましくは3〜5の整数を示す。nは3〜100の整数が好ましく、15〜70の整数がさらに好ましく、50〜65の整数が最も好ましい。Aは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示し、Bは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示す。なお、n個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
より好ましくは、本発明で用いるリコンビナントゼラチンのアミノ酸配列は、式:Gly−Ala−Pro−[(Gly−X−Y)633−Gly(式中、63個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、63個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す。なお、63個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。)で示されるものである。
繰り返し単位には天然に存在するコラーゲンの配列単位を複数結合することが好ましい。ここで言う天然に存在するコラーゲンとは天然に存在するものであればいずれでも構わないが、好ましくはI型、II型、III型、IV型、またはV型コラーゲンである。より好ましくは、I型、II型、またはIII型コラーゲンである。別の形態によると、上記コラーゲンの由来は好ましくは、ヒト、ウシ、ブタ、マウスまたはラットであり、より好ましくはヒトである。
本発明で用いるリコンビナントゼラチンの等電点は、好ましくは5〜10であり、より好ましくは6〜10であり、さらに好ましくは7〜9.5である。リコンビナントゼラチンの等電点の測定は、公知の等電点を測定できる方法であれば限定されないが、例えば、等電点電気泳動法(Maxey,C.R.(1976;Phitogr.Gelatin 2,Editor Cox,P.J.Academic,London,Engl.参照)に従って、1質量%ゼラチン溶液をカチオンおよびアニオン交換樹脂の混晶カラムに通したあとのpHを測定することで実施することができる。
好ましくは、リコンビナントゼラチンは脱アミン化されていない。
好ましくは、リコンビナントゼラチンはテロペプタイドを有さない。
好ましくは、リコンビナントゼラチンは、アミノ酸配列をコードする核酸により調製された実質的に純粋なポリペプチドである。
本発明で用いるリコンビナントゼラチンは、特に好ましくは、
(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列、または
(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上(さらに好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、最も好ましくは98%以上)の配列同一性を有し、細胞接着性を有するアミノ酸配列を有する。
本発明で用いるリコンビナントゼラチンの親水性値「1/IOB」値は、0から1.0が好ましい。より好ましくは、0から0.6であり、さらに好ましくは0から0.4である。IOBとは、藤田穆により提案された有機化合物の極性/非極性を表す有機概念図に基づく、親疎水性の指標であり、その詳細は、例えば、"Pharmaceutical Bulletin", vol.2, 2, pp.163-173(1954)、「化学の領域」vol.11, 10, pp.719-725(1957)、「フレグランスジャーナル」, vol.50, pp.79-82(1981)等で説明されている。簡潔に言えば、全ての有機化合物の根源をメタン(CH4)とし、他の化合物はすべてメタンの誘導体とみなして、その炭素数、置換基、変態部、環等にそれぞれ一定の数値を設定し、そのスコアを加算して有機性値(OV)、無機性値(IV)を求め、この値を、有機性値をX軸、無機性値をY軸にとった図上にプロットしていくものである。有機概念図におけるIOBとは、有機概念図における有機性値(OV)に対する無機性値(IV)の比、すなわち「無機性値(IV)/有機性値(OV)」をいう。有機概念図の詳細については、「新版有機概念図−基礎と応用−」(甲田善生等著、三共出版、2008)を参照されたい。本明細書中では、IOBの逆数をとった「1/IOB」値で親疎水性を表している。「1/IOB」値が小さい(0に近づく)程、親水性であることを表す表記である。
本発明で用いるリコンビナントゼラチンは、Grand average of hydropathicity(GRAVY)値で表される親疎水性指標が、0.3以下、マイナス9.0以上であることが好ましく、0.0以下、マイナス7.0以上であることがさらに好ましい。Grand average of hydropathicity(GRAVY)値は、『Gasteiger E., Hoogland C., Gattiker A., Duvaud S., Wilkins M.R., Appel R.D., Bairoch A.;Protein Identification and Analysis Tools on the ExPASy Server;(In) John M. Walker (ed): The Proteomics Protocols Handbook, Humana Press (2005). pp. 571-607』および『Gasteiger E., Gattiker A., Hoogland C., Ivanyi I., Appel R.D., Bairoch A.; ExPASy: the proteomics server for in-depth protein knowledge and analysis.; Nucleic Acids Res. 31:3784-3788(2003).』の方法により得ることができる。
本発明で用いるリコンビナントゼラチンは、当業者に公知の遺伝子組み換え技術によって製造することができ、例えばEP1014176A2号公報、米国特許第6992172号公報、国際公開WO2004/85473号、国際公開WO2008/103041号等に記載の方法に準じて製造することができる。具体的には、所定のリコンビナントゼラチンのアミノ酸配列をコードする遺伝子を取得し、これを発現ベクターに組み込んで、組み換え発現ベクターを作製し、これを適当な宿主に導入して形質転換体を作製する。得られた形質転換体を適当な培地で培養することにより、リコンビナントゼラチンが産生されるので、培養物から産生されたリコンビナントゼラチンを回収することにより、本発明で用いるリコンビナントゼラチンを得ることができる。
本発明においては、リコンビナントゼラチンを、間葉系細胞培養時の液体培地中に添加する。リコンビナントゼラチンが溶解した液体培地におけるリコンビナントゼラチンの含有量は本発明の効果を達成できる限り特に限定されないが、一般的には0.1ng/mL〜500μg/mLであり、好ましくは1ng/mL〜300μg/mLである。本発明における液体培地中のリコンビナントゼラチンの含有量は、先行技術文献に記載されているペプチドの含有量と比較して大幅に低く(約1/100,000倍量)、本発明によれば、より少量の添加量であっても優れた効果(脂肪細胞への分化の抑制)を達成することができる。なお、本発明においては、リコンビナントゼラチンを培養器材にコートすることは不要である。
リコンビナントゼラチンが溶解した液体培地におけるリコンビナントゼラチン濃度は、特に限定されないが、脂肪細胞への分化を抑性能の点から0.01μg/mL以上が好ましく、0.02μm/mL以上がより好ましく、0.01μg/mL以上が更に好ましく、1μg/mL以上が最も好ましい。リコンビナントゼラチン濃度は、細胞増殖率の点から、500μg/mL未満が好ましく、300μg/mL未満がより好ましく、50μg/mL未満が更に好ましく、10μg/mL未満が最も好ましい。
リコンビナントゼラチンが溶解した液体培地におけるリコンビナントゼラチン濃度は、0.01μg/mL以上500μg/mL未満が好ましく、0.02μg/mL以上300μg/mL未満が好ましく、1μg/mL以上50μg/mL未満が更に好ましく、1μg/以上10μL未満が最も好ましい。
<培地>
液体培地の種類は、間葉系幹細胞を維持培養または拡大培養できる培地であれば、その種類は特に限定されないが、例えば、MesenPro(2%血清含有、ライフテクノロジーズ)、ダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)/F12(20%FBS(ウシ胎児血清)(Gibco)含有、ライフテクノロジーズ)、DMEM(10%FBS(Gibco)含有、SIGMA)、PRIME−XV XSFM(無血清、JXエネルギー)、MSCGM BulletKit(商標)(タカラバイオ)、Mesencult−ACF(動物由来成分不含)及びMesencult−SF(無血清、何れもベリタス)、MSCGM BullrtKit(血清含有、Lonza)などを挙げることができる。
<間葉系幹細胞>
本発明で使用する間葉系幹細胞(MSC)は、未分化細胞としての複製能力を有し、かつ骨細胞、軟骨細胞、心筋細胞および脂肪細胞などへの分化能を有する細胞である。
間葉系幹細胞の起源は特に限定されず、ヒト間葉系幹細胞でもよいし、マウス、ラット、ネコ、またはイヌ等の非ヒト動物由来の間葉系幹細胞でもよい。
間葉系幹細胞は,骨髄、軟骨、脂肪組織,胎盤組織、臍帯組織、 歯髄等の種々の組織から取得できることが知られており、その由来は特に限定されないが、間葉系幹細胞は好ましくは、骨髄由来細胞、軟骨由来細胞または脂肪由来細胞である。
間葉系幹細胞は、投与する患者の自家細胞でもよいし、他家細胞でもよい。
各組織から間葉系幹細胞を単離する方法としては、従来公知の方法を採用することが可能であり、例えば、コラゲナーゼ法によって組織から間葉系幹細胞を好適に分離することができる。 例えば、間葉系幹細胞は、細胞表面マーカー(CD105、CD73、CD90など)を指標として回収することができる。
<培養>
リコンビナントゼラチンが溶解した液体培地において間葉系幹細胞を培養する際の培養条件としては、一般的な細胞培養の条件を選択すればよい。37℃、5%CO2の条件などが例示される。培養中は適切な間隔(好ましくは1日から7日に1回、より好ましくは3日から4日に1回)で培地を交換することが好ましい。培養期間は特に限定されず1日〜20日間、好ましくは3日〜15日間、より好ましくは3日〜10日間培養することができる。
培養には、プレート、ディッシュ、細胞培養用フラスコ、細胞培養用バッグ等の細胞培養容器を使用することができる。なお、細胞培養用バッグとしては、ガス透過性を有するものが好適である。大量の細胞を必要とする場合には、大型培養槽を使用してもよい。培養は開放系または閉鎖系のどちらでも実施することができる。
<脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞>
本発明の方法により製造される脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞とは、リコンビナントゼラチンを含有しない液体培地において培養した間葉系幹細胞と比較して、脂肪細胞への分化能が抑制されている間葉系幹細胞のことを意味する。
脂肪細胞への分化能は、脂肪細胞分化培地において間葉系幹細胞を培養することによって脂肪細胞への分化誘導を行った後に、脂肪細胞への分化を確認することにより、評価することができる。脂肪細胞は、例えば、細胞の形態的変化、脂肪細胞の特徴的性質、または特異的マーカーを利用して検出することができる。脂肪細胞は、細胞内に脂肪を蓄積する。従って、オイルレッドOを用いた細胞内脂肪の染色によって脂肪細胞を検出することができる。また、(褐色)脂肪細胞の特異的マーカーとしては、UCP1、EVOL3(Elongation of very long chain fatty acid protein 3)、PGC1A(PPAR gamma coactivator1−alpha)、PRDM16(PRD1−BF1−RIZ1 homologous domain containing 16)、CIDEA(Cell Death−Inducing DFFA−Like Effector A)等が挙げられ、これらを指標として脂肪細胞を検出することができる。なお、UCP1は、脱共役タンパク質(Uncoupling protein)の一種である。特異的マーカーの検出には、検疫的方法(抗体による検出)を利用できるが、タンパク質分子に関してはそのmRNA量の定量により検出を実施してもよい。
本発明によれば、本発明の製造方法により製造される間葉系幹細胞が提供される。本発明の方法により製造される間葉系幹細胞は、細胞移植のために使用することができる。具体的には、本発明の細胞は、疾患部位に細胞移植の目的で使用できる。移植方法としては、切開または内視鏡などが使用可能である。
<分化誘導された細胞の製造方法>
本発明によれば、上記した本発明の方法により脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞を製造する工程、および分化誘導培地において、上記の脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞を培養する工程を含む、細胞の製造方法が提供される。上記の方法によれば、間葉系幹細胞から分化誘導することができる細胞である限り、所望の細胞を製造することができる。間葉系幹細胞から分化誘導することができる細胞としては、骨細胞、軟骨細胞、心筋細胞および脂肪細胞などを挙げることができるが特に限定されない。
分化誘導培地は、分化誘導すべき所望の細胞の種類に応じて適宜選択することができる。
骨細胞への分化誘導を行う場合には、Lonza:Human Mesenchymal Stem Cell Osteogenic Differentiation Medium BulletKit等を使用することができる。
軟骨細胞への分化誘導を行う場合には、Lonza:Human Mesenchymal Stem Cell Chondrogenic Differentiation Medium BulletKit等を使用することができる。
心筋細胞への分化誘導を行う場合には、例えば特開2009−136209に記載の方法等を使用することができる。
脂肪細胞への分化誘導を行う場合には、Lonza:Human Mesenchymal Stem Cell Adipogenic Differentiation Medium BulletKit、PromoCell:Mesenchymal Stem Cell Adipogenic Differentiation Medium等を使用することができる。
分化誘導のための培養条件(培地以外の培養条件)は、リコンビナントゼラチンが溶解した液体培地において間葉系幹細胞を培養する際の培養条件と同様である。分化誘導のための培養期間も特に限定されないが、一般的には3日〜21日であり、好ましくは7日〜18日である。
本発明によればさらに、上記の細胞の製造方法により製造される分化誘導された細胞が提供される。上記した本発明の細胞は、細胞移植のために使用することができる。具体的には、本発明の分化誘導された細胞は、疾患部位に細胞移植の目的で使用できる。移植方法としては、切開または内視鏡などが使用可能である。
<脂肪細胞への分化抑制剤>
本発明によれば、コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンを含む、脂肪細胞への分化抑制剤が提供される。リコンビナントゼラチンの詳細は本明細書中に記載した通りである。リコンビナントゼラチンは、本明細書中に記載した通り、間葉系幹細胞の培養のための液体培地に溶解することによって、脂肪細胞への分化抑制剤として使用することができる。リコンビナントゼラチンを脂肪細胞への分化抑制剤として提供する場合の形態は特に限定されず、リコンビナントゼラチンを溶液または粉末として提供してもよいし、リコンビナントゼラチンを液体培地に溶解させた状態で提供してもよい。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されるものではない。
[参考例1]リコンビナントゼラチン
リコンビナントゼラチンとして以下のCBE3を用意した(国際公開WO2008/103041号公報に記載)。
CBE3:分子量:51.6kD構造: Gly−Ala−Pro[(Gly−X−Y)633−Glyアミノ酸数:571個
RGD配列:12個イミノ酸含量:33%ほぼ100%のアミノ酸がGly−X−Yの繰り返し構造である。
CBE3のアミノ酸配列には、セリン、スレオニン、アスパラギン、チロシンおよびシステインは含まれていない。
CBE3はERGD配列を有している。
等電点:9.34
GRAVY値:−0.682
1/IOB値:0.323アミノ酸配列(配列表の配列番号1)(国際公開WO2008/103041号公報の配列番号3と同じ。但し末尾のXは「P」に修正)
GAP(GAPGLQGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPIGPPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPIGPPGPAGAPGAPGLQGMPGERGAAGLPGPKGERGDAGPKGADGAPGKDGVRGLAGPP)3G
[実施例1]軟骨由来細胞Yub2505および骨髄由来細胞UDE BMを用いた脂肪分化誘導実験
(1)実験1:CBE3添加(添加量:28ng/mL)
実験2:CBE3無添加
(2)材料
使用細胞:
Yub2505(国立成育医療研究センター(以降、成育研)で樹立された軟骨由来細胞)
Yub2505は参考文献(Nasu M, Takayama S, Umezawa A. Endochondral ossification model system: designed cell fate of human epiphyseal chondrocytes during long−term implantation.J.Cell Physiol.2015;230:1376−1388)に記載の方法に準じて樹立した。
UDE BM(成育研で樹立された骨髄由来細胞)
UDE BMは以下の方法で樹立した。骨から骨髄液を取り出し、密度勾配遠心分離によって細胞を集めた。回収した細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、DMEM(10%FBS含有)培地中に播種して培養した。培養容器に接着した細胞を回収した。
使用培地:
MesenPro(2%血清含有、ライフテクノロジーズ):Yub2505、UDE BM
DMEM/F12(20%FBS(Gibco)含有、ライフテクノロジーズ):Yub2505
DMEM(10%FBS(Gibco)含有、SIGMA):UDE BM
PRIME−XV XSFM(無血清、JXエネルギー):Yub2505、UDE BM
脂肪分化誘導培地:Human Mesenchymal Stem Cell Adipogenic Differentiation Medium BulletKit(Lonza)
0.1質量%CBE3水溶液:cellnest(登録商標) (富士フイルム)
(3)方法
以下の細胞の培養は全て、37℃5%CO2にて行った。
直径10cmの培養皿にMesenPro培地8mLを分注して各細胞を維持培養した。細胞播種量は1×106cell/培養皿とし、培養期間は5〜7日間とした。
MesenPro(8mL)で培地交換した。その際、CBE3を28ng/mLになるよう添加した。Controlには、CBE3の代わりにPBS(ナカライテスク)を添加した。培養期間は7日間とした。
各培地(MesenPro、DMEM、PRIME−XV XSFM)2mLへCBE3を28ng/mLになるよう添加したものを使用し(ControlはCBE3の代わりにPBS(ナカライテスク)を添加したものを使用)、6well plateに継代して、前培養を実施した。細胞播種量は0.2×106cell/wellとし、培養期間は3日間とした。
脂肪分化誘導培地(2mL)に培地交換して、分化誘導を開始した。その際、3,4日毎に分化誘導し、培地と維持培地を交互に交換した。分化誘導期間は2週間とした。
維持培地(2mL)に培地交換して、維持培養を行った。維持培養期間は7日間とした。
細胞をオイルレッドで染色し、25画面分を顕微鏡で撮影することにより、脂肪細胞への分化を確認した。
(4)結果
脂肪への分化を確認した結果を図1〜図4に示す。
細胞がUDE BMであり、培地がMesenProである場合(図1)、細胞がUDE BMであり、培地がDMEMである場合(図2)、細胞がUDE BMであり、培地がPRIME−XVである場合(図3)、細胞がYub2505であり、培地がPRIME−XVである場合(図4)の何れの組み合わせにおいても、実験2(CBE3無添加)に比べて実験1(CBE3添加)は脂肪への分化が抑制されていた。
[実施例2]ヒト骨髄由来細胞BMSCを用いた脂肪分化誘導実験
(1)実験:CBE3添加(添加量:0、0.028、2.8、28、280μg/mL)
(2)材料
使用細胞:
ヒト骨髄由来細胞BMSC(Lonza:PT-2501)
使用培地:
MesenPro(2%血清含有、ライフテクノロジーズ)
脂肪分化誘導培地:Human Mesenchymal Stem Cell Adipogenic Differentiation Medium BulletKit(Lonza)、PromoCell:Mesenchymal Stem Cell Adipogenic Differentiation Medium
0.1質量%CBE3水溶液:cellnest(登録商標)(富士フイルム)
(3)方法
以下の細胞の培養は全て、37℃5%CO2にて行った。
直径10cmの培養皿にMesenPro培地8mLを分注してBMSC細胞を維持培養した。細胞播種量は5×105cell/wellとし、培養期間は6日間とした。
MesenPro培地2mLへCBE3を0〜280μg/mLになるよう添加したものを使用し(ControlはCBE3の代わりにPBS(ナカライテスク)を添加したものを使用)、6well plate(Falcon TC)に継代して、前培養を実施した。細胞播種量は1.5×105cell/wellとし、培養期間は4日間とした。
脂肪分化誘導培地(Lonza/PromoCell)2mLに培地交換して、分化誘導を開始した。Lonza培地では3、4日毎に分化誘導し、培地と維持培地を交互に交換した。PromoCell培地では、3、4日毎に分化誘導培地を交換した。分化誘導期間は17日間とした。
維持培地(2mL)に培地交換して、維持培養を行った。維持培養期間は1日間とした。
細胞をナイルレッドで染色し、25画面分を顕微鏡(キーエンスBZ-X700)で撮影することにより、脂肪細胞への分化を確認した。300μm2以下の検出オブジェクトは脂肪細胞としてカウントせず、300μm2を超えたものをカウントした。
(4)結果
脂肪への分化を確認した結果を図5、6に示す。(図5の脂肪細胞染色写真より、脂肪細胞に誘導された細胞数をカウントした結果が図6である)
細胞がBMSCであり、培地がMesenProである場合、脂肪分化誘導培地がLonza,PromoCellの何れの場合においても、CBE3添加によって脂肪分化が抑制されていた。CBE3添加量が2.8〜280μg/mLである場合に顕著に脂肪分化抑制された。
[実施例3]ヒト骨髄由来細胞BMSCを用いた細胞増殖実験
(1)実験:CBE3添加(添加量:0、0.028、2.8、28μg/mL)
(2)材料
使用細胞:
ヒト骨髄由来細胞BMSC(Lonza:PT-2501)
使用培地:MesenPro(2%血清含有、ライフテクノロジーズ)
0.1質量%CBE3水溶液:cellnest(登録商標)(富士フイルム)
(3)方法
以下の細胞の培養は全て、37℃5%CO2にて行った。
直径10cmの培養皿にMesenPro培地8mLを分注して、passage5(第五継代細胞)まで維持培養した。細胞播種量は0.4〜1.0×106cell/培養皿とし、培養期間は各継代毎に7日間前後とした。
MesenPro培地2mLへCBE3を0〜28μg/mLになるよう添加したものを使用し(ControlはCBE3の代わりにPBS(ナカライテスク)を添加したものを使用)、10cm培養皿(住友ベークライト製)にpassage6(第六継代細胞)として継代した。細胞播種量は0.4×106cell/培養皿とし、培養期間は7日間とした。7日間経過後に細胞数をVi-Cell(BECKMAN COULTER)を用いて計測した。
(4)結果
細胞数を計測した結果を図7に示す。各々のCBE3濃度においてN=3で培養を行い、測定した結果の平均値を表す。CBE3無添加に比べ、CBE3の添加により7日間培養後の細胞数は増加した。細胞数の増加は2.8μg/mLのときがピークであり、更に高濃度とすることで細胞数は、減少傾向を示した。

Claims (16)

  1. コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地において間葉系幹細胞を培養する工程を含む、脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞の製造方法。
  2. リコンビナントゼラチンが、コラーゲンに特徴的なGly−X−Yで示される配列の繰り返しを有し、XおよびYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、複数個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、リコンビナントゼラチンの分子量が2kDa以上100kDa以下である、請求項1に記載の方法。
  3. リコンビナントゼラチンが、コラーゲンに特徴的なGly−X−Yで示される配列の繰り返しを有し、XおよびYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、複数個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、リコンビナントゼラチンの分子量が10kDa以上90kDa以下である、請求項1または2に記載の方法。
  4. リコンビナントゼラチンが、コラーゲンに特徴的なGly−X−Yで示される配列の繰り返しを有し、XおよびYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、複数個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよく、リコンビナントゼラチンが細胞接着シグナルを一分子中に2配列以上含む、請求項1から3の何れか一項に記載の方法。
  5. 細胞接着シグナルがArg−Gly−Aspで示されるアミノ酸配列である、請求項4に記載の方法。
  6. リコンビナントゼラチンのアミノ酸配列が、下記式で示される、請求項1から5の何れか一項に記載の方法。
    A−[(Gly−X−Y)nm−B式中、Aは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示し、Bは任意のアミノ酸またはアミノ酸配列を示し、n個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、n個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、nは3〜100の整数を示し、mは2〜10の整数を示す。なお、n個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
  7. リコンビナントゼラチンのアミノ酸配列が、下記式で示される、請求項1から6の何れか一項に記載の方法。
    Gly−Ala−Pro−[(Gly−X−Y)633−Gly式中、63個のXはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示し、63個のYはそれぞれ独立にアミノ酸の何れかを示す。なお、63個のGly−X−Yはそれぞれ同一でも異なっていてもよい。
  8. リコンビナントゼラチンが、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列、または(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列と80%以上の配列同一性を有し、細胞接着性を有するアミノ酸配列を有する、請求項1から7の何れか一項に記載の方法。
  9. 間葉系幹細胞が、骨髄由来細胞または軟骨由来細胞である、請求項1から8の何れか一項に記載の方法。
  10. コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地が、未分化維持用の液体培地である、請求項1から9の何れか一項に記載の方法。
  11. コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地中の濃度が、0.01μg/mL〜500μg/mLである、請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
  12. コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンが溶解した液体培地中の濃度が、0.02μg/mL〜300μg/mLである、請求項1から10の何れか一項に記載の方法。
  13. 請求項1から12の何れか一項に記載の方法により脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞を製造する工程、および分化誘導培地において、前記の脂肪細胞への分化が抑制された間葉系幹細胞を培養する工程を含む、分化誘導された細胞の製造方法。
  14. 請求項1から12の何れか一項に記載の方法により製造される間葉系幹細胞。
  15. 請求項13に記載の方法により製造される分化誘導された細胞。
  16. コラーゲンの部分アミノ酸配列に由来するアミノ酸配列を有するリコンビナントゼラチンを含む、脂肪細胞への分化抑制剤。
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