JPWO2018202257A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、車両の運転支援システムに用いられるレーダシステムに関する。本レーダシステムは、本発明による、連続する同種の送信信号の周波数位置を解析して監視する手段および方法を備える。周波数位置のプロファイルが連続する送信信号に関するその所望のプロファイルからあまりにも大幅に外れる場合、補正措置がとられるか、運転支援システムを部分的または完全に停止するかのどちらかである。
センサシステムを用いて周辺を認識し、このようにして認識された交通状況から乗物の自動反応を導出し、かつ/または運転者に指示し、特に警告する、運転支援システムを装備する車両が増えている。この場合、快適機能と安全機能は区別される。
快適機能として、現在の開発ではFSRA(Full Speed Range Adaptive Cruise Control:全車速域アダプティブクルーズコントロール)が重要な役割を果たす。乗物は、交通状況が許す限り、自車速度を運転者により予め定められた所望の速度に基づいて制御し、もしそうでなければ、自車速度は自動的に交通状況に適合される。
一方、安全機能には様々な形態がある。ここで、1つのグループは、緊急事態において制動距離または停止距離を低減する機能を構成する。対応する運転支援機能の範囲は、制動レイテンシを低減するための制動機のプレフィル(Prefill)から、改善された制動支援(BAS+)にわたり、自律緊急制動にまで至る。さらなるグループは、車線変更機能である。それらは、運転者が危険な車線変更を実施しようとする場合、つまり隣接車線の乗物が、死角に位置するか(BSD―「Blind Spot Detection:ブラインドスポット検出」)、後方から高速接近してくるか(LCA―「Lane Change Assist:車線変更支援」と呼ばれる)のどちらかの場合、運転者に警告するか、操舵に介入する。
しかし近い将来、運転者がただ支援されるだけではなく、運転者のタスクはますます自律的に乗物自体により処理され、言い換えると、運転者はますます代理されることになる。自律走行のことである。
上記のようなシステムには、レーダセンサがしばしば他の技術のセンサ、例えばカメラセンサと融合しても用いられる。レーダセンサは、不良な気象条件下でも確実に動作し、オブジェクトとの距離に加えて、直接的にドップラー効果に関するその動径相対速度も測定できるという有利な点を有する。ここで、送信周波数として24GHz、77GHzおよび79GHzが用いられる。
そのようなシステムの機能的範囲および介入が大きくなってきていることから、確実性に関してセンサに対する要求が持続的に高まっている。レーダ画像は現実に対応する必要があり、言い換えると、オブジェクト値、特に距離、相対速度および角度が正確である必要があり、オブジェクトの見落としがなく、実際には全く存在しない、いわゆるゴーストオブジェクトを報知してはならない。
レーダセンサの中心的要素は、距離と相対速度を測定可能にするための、送信周波数の変調である。ここで、最も一般的な変調方式は周波数変調、特に周波数の線形変化であり、しばしば連続する同種の線形被変調送信信号が用いられる。個別の送信信号の誤った周波数位置(つまり例えば中心周波数)により(例えば個別の回路素子の故障もしくは機能不全、周波数不安定性または周波数ドリフトにより)、上記のエラー、つまりオブジェクト値の誤測定、不検出オブジェクトそしてゴーストオブジェクトが発生する。これにより、レーダシステムを用いて実装された運転支援機能は機能エラーを有する可能性があり、緊急制動支援では例えばゴーストオブジェクトにより不当な緊急制動が作動される場合があり、その結果、後続する乗物による追突事故による深刻な結果、そして死亡事故にまで至る可能性がある。
ドイツ特許出願公開第102016214808号公報には、各送信信号開始時に初期化され(つまりフリーランではない)、その値が各送信信号終了時に読み取られる周期カウンタに基づいて連続する同種の送信信号の周波数位置のプロファイルを解析する構成および方法が記載されている。送信信号に関する周波数位置のプロファイルが所望のプロファイルからあまりにも大幅に外れる場合、補正措置がとられるか、運転支援システムを部分的または完全に停止するかのどちらかである。そこで提案される方法では、高周波のカウンタは実現するのが難しいか高コストであり(特に時間に正確な読み取り)、高電力消費である(その場合比較的カウンタ長さが大きいことにも起因する)ことを考慮する必要がある。カウンタの周波数を低減するのに、周波数分周か周波数混合かのどちらかを上流で行うことができる。しかし上流で行われる分周には、分周比が上昇すると周波数解析の正確性が低下するという不利な点があり、上流で行われる混合は、高周波領域のさらなる信号を生成する必要があり、したがって大きなコストを必要とする。
本発明の課題は、ドイツ特許出願公開第102016214808号公報に記載の方法とは異なり、技術的な境界条件と実装技術の態様に基づいてより有利でありえるかまたは有利である、レーダシステム用の、連続する同種の送信信号の周波数位置を解析する構成および方法を提案することである。特に、大きな分周比を用いて動作できるか、カウンタの新規初期化を含まないかのどちらかである方法が提案される。
本課題は、請求項1~14に記載の方法またはレーダシステムを用いることで根本的に解決される。
本発明の有利な点は、レーダシステムの周波数位置の監視が可能になることで、周波数位置のプロファイルが所望のプロファイルからあまりにも大幅に外れる場合、補正措置をとるか、運転支援システムを部分的または完全に停止するかのどちらかが可能であることにより、運転支援システムの機能不全を回避できるという事実から見出される。
本発明によると、車両の周辺を認識し、運転支援用および/または自律走行操作用の機能を実現するレーダシステム用の方法は、制御可能または調整可能な発振器を用いて周波数変調を行うステップと、連続するK0(K0>1)個の送信周波数が変調された送信信号を生成するステップであって、送信信号はそれぞれ、必要に応じて周波数位置の変動、つまり特に開始周波数したがって同等の中心周波数の変動を除いた、同一の所望の周波数プロファイルを有するステップと、送信手段を用いて送信信号を放射するステップと、受信手段を用いてオブジェクトにおいて反射した送信信号を受信するステップと、送信信号の周波数位置を解析するステップと、信号処理手段を用いて受信信号を特にオブジェクトを検出するために評価するステップと、を備え、K0個の送信信号にわたって生じる、周波数位置の実際のプロファイル、つまり特に送信信号の開始周波数、中心周波数もしくは平均周波数の実際のプロファイル、またはその例えば周波数不安定性もしくは周波数ドリフトの影響を受けた、所望のプロファイルとの偏差が絶対的または相対的に算出されるのであって、送信信号ごとに、それぞれ送信信号の周波数プロファイルの情報を含み、好ましくはそれぞれアナログ信号の標本化またはフリーランカウンタの読み出しにより所定の時点で生成される、離散時間信号が用いられ、K0個の送信信号の離散時間信号がその位相および/またはその初期値の位置に関して正規化されていなく、離散時間信号の評価中、明示的に正規化が実施されるか、または暗黙的にその位相および/またはその初期値の位置の影響が除去され、このようにして算出された実際のプロファイルおよび/またはこのようにして算出された、周波数位置の所望のプロファイルとの実際のプロファイルの偏差および/またはそれに基づいて導出された品質基準の偏差に応じて、発振器の制御の補正ならびに/または受信信号の評価の補正ならびに/または運転支援用および/または自律走行操作用の機能の調整が実施され、又は当該補正及び/又は当該調整の停止が実施される。
好ましくは、本レーダシステム用の方法は、解析のために、送信信号に対してファクタがT>1の分周および/または周波数の混合により低減される信号が用いられ、送信信号に関して生成する低周波信号が必要に応じてフィルタ処理後に標本化され、送信信号に関して生成する被標本化信号に基づいて、必要に応じてさらなるフィルタ処理後に、それぞれ1つまたは複数の期間において送信信号ごとに、複素数値が、特に期間それぞれの標本値が、そこでの送信信号の所望の周波数プロファイルに基づいて生成される、少なくとも略予想される位相前進だけ補正され、位相被補正標本値が期間ごとに累積される、ことにより決定されるのであって、K0個の送信信号の1つまたは複数の期間が好ましくは少なくとも略同一の位置を有し、K0個の送信信号の周波数位置の実際のプロファイル、またはこのようにして決定された複素数値を用いて所望のプロファイルとの偏差が、特に値の位相位置に基づいて特徴づけられ、これにより値は以下において位相特性とも称されることを特徴とするようにさらに構成されてよい。
また、好ましくは、レーダシステム用の方法において、被標本化信号は実数値であり、検討期間において少なくとも略その解析信号に、つまり正または負の周波数成分のみを有する複素数値信号に変換されるのであって、さらに、好ましくは、周波数被変調信号期間の中心周波数それぞれの略負または正の零点を有する1次のヒルベルトフィルタが用いられてよい。
有利な形態においては、レーダシステム用の方法において、ヒルベルトフィルタ処理と位相被補正標本値の累積が期間のそれぞれに関して、標本値と好ましくは予め算出されるパラメータベクトルとの内積により実現されてよい。
好ましくは、レーダシステム用の方法において、位相特性ペアに関してそれぞれその位相差が構成されるのであって、各ペアの2つの値がそれぞれ送信信号に関して同種の位置の期間に属し、少なくとも略両期間間それぞれに同一の時間間隔と同一の周波数プロファイルが位置し、位相差または送信信号にわたるその変化に基づいて周波数位置のプロファイルが絶対的または相対的に決定されてよい。
さらに好ましくは、レーダシステム用の方法において、位相特性ペアがそれぞれ同一送信信号に基づいて構成されるのであって、好ましくは第1値が送信信号の前方領域の期間に基づいて、第2値が送信信号の後方領域の期間に基づいて構成されてよい。
本発明のさらなる形態においては、レーダシステム用の方法において、位相特性ペアがそれぞれ、異なる送信信号に基づいて、例えば連続する送信信号に基づいて構成されるのであって、両値が送信信号に関して同種の位置の期間に属してよい。
有利な形態においては、レーダシステム用の方法において、被放射送信信号の周波数が線形変調されてよく、オブジェクトにおける送信信号の反射による受信信号が、その周波数が現在の送信周波数に対応するかまたはそれと一定のファクタだけ異なる信号との混合により低周波領域に伝送され、低周波受信信号が等距離ラスタにおいてNA回標本化され、NA個の標本値に関してそれぞれ第1スペクトル解析が特に離散フーリエ変換の形態で構成され、これにより特にオブジェクトの距離測定と、複数のオブジェクトの同時認識の分離を実現することができ、第1スペクトル解析の周波数格子点においてそれぞれ第2スペクトル解析が特に離散フーリエ変換を用いて実施され、周波数格子点は周波数格子点それぞれにおいてK0個の送信信号中に生じる値のすべてまたは部分集合にわたって存在し、これにより特にオブジェクトの相対速度測定と、複数のオブジェクトの同時認識の分離を実現することができる。
好ましくは、レーダシステム用の方法において、K0個の送信信号にわたる、決定された実際の周波数位置に基づいて距離rで相対速度0の目標点の第2スペクトル解析の予想スペクトルが決定されてよく、その結果得られるスペクトルまたはその値が直接品質基準を導出するために用いられてよく、そして/または、距離rで相対速度0の目標点の、所望の周波数位置における予想スペクトルとのスペクトルの偏差に基づいて品質基準が導出されてよいのであって、両スペクトル解析には同じ窓関数が用いられ、その結果得られるスペクトルが比較のために同一のレベルに関連付けられる。
さらに好ましくは、レーダシステム用の方法において、品質基準に基づいて、所望の周波数位置とのK0個の送信信号にわたる実際の周波数位置の偏差による検出が他の被検出オブジェクトに基づいて発生したかどうかが導出されてよく、その場合検出が必要に応じてすべて除去されるか、または潜在的な仮検出として特徴づけられてよい。
有利な形態においては、レーダシステム用の方法において、周波数位置の所望のプロファイルと実際のプロファイルとの差分に関して回帰が実施されてよく、補正関数のパラメータおよび/または偏差、特に実際のプロファイルと補正関数との間の標準偏差が品質基準として用いられてよい。
好ましくは、レーダシステム用の方法において、周波数位置の所望のプロファイルに対する実際のプロファイルの偏差が、直接または第1および第2スペクトル解析間複素単位ベクトルを用いた乗算による回帰の実施後に、補正されてよいのであって、複素単位ベクトルの位相は偏差に比例し、第1スペクトル解析の周波数格子点それぞれの周波数に比例する。
さらに好ましくは、レーダシステム用の方法において、送信信号の中心周波数、または所望の中心周波数とのその偏差が決定され、オブジェクトの相対速度および/または角位置を算出するために用いられてよい。
本発明によると、レーダシステムは上記の好ましい形態による方法を実施するように構成される。
図1に概略的に示されるレーダシステムの例示の実施形態が記載される。レーダシステムは、送信信号を放射する2つの送信アンテナTX0およびTX1と、オブジェクトにおいて反射した送信信号を受信する4つの受信アンテナRX0~RX3を有する。アンテナは、平らな基板1.1上にプレーナ技術でパッチアンテナとして構成され、この基板は水平方向および垂直方向に関して乗物において図示のように方向付けられている。すべてのアンテナ(送信アンテナおよび受信アンテナ)はそれぞれ仰角および方位角が同じ放射特性を有する。4つの受信アンテナ(したがってその位相中心、つまり放射中心)はそれぞれ同じ横方向つまり水平方向の相互間隔d=λ/2=6.2mmを有し、λ=c/24,15GHz=12.4mmは放射される信号の平均波長である。両送信アンテナの水平方向の相互間隔は4倍の大きさ、つまり4d=2λである。
マルチプレクサ1.3および1.4を介して、それぞれ両送信アンテナの1つおよび4つの受信アンテナの1つをそれぞれ選択できる。
それぞれ選択される送信アンテナで放射される送信信号は、制御電圧V制御を介してその周波数が変化可能な24GHz帯の高周波発振器1.2から得られる。制御電圧は制御手段1.9において生成され、発振器の周波数プロファイルが所望の周波数変調に少なくとも略対応するように制御されるこの制御手段は、例えば位相同期回路またはデジタルアナログ変換回路を含む。発振器周波数プロファイルを解析するため、これが回路ブロック1.11で低減され(分周および/または混合による)、その結果得られる信号が回路ブロック1.12でデジタル化され、さらに下流においてデジタル化用の2つの異なる構成、つまり一方ではアナログデジタル変換回路および他方ではカウンタが図示され、発振器周波数に関するこのデジタル情報の評価は、デジタル信号処理ユニット1.10で行われる。
それぞれ選択される受信アンテナにより受信される信号は、実数ミキサ1.5において、同様に発振器1.2の信号とともに低周波帯へと混合される。その後、受信信号は、図示の伝達関数を有するバンドパスフィルタ1.6、増幅器1.7およびアナログ/デジタル変換回路1.8を通り、続いてデジタル信号処理ユニット1.10でさらに処理される。
オブジェクトの距離を測定可能とするため、図2に示すように、高周波発振器したがって送信信号の周波数は、非常に速やかに線形に変化され(8μsで187.5MHz)、この場合は周波数ランプに関する。周波数ランプは周期的に反復され(10μsごと)、合計ですべて同一の所望の周波数プロファイルを有する2048個の周波数ランプがある。周波数ランプにわたって、2つの送信アンテナと4つの受信アンテナから成る8つの組み合わせが、TX0/RX0、TX0/RX1、TX0/RX2、TX0/RX3、TX1/RX0、TX1/RX1、TX1/RX2およびTX1/RX3の順序で周期的に反復され、各周波数ランプの前でそれぞれ次の組み合わせが選択される。図2において、kは各アンテナ組み合わせに対して2048/8=256個の周波数ランプについての制御変数であり、m=4・mTX+mRXは8つのアンテナ組み合わせTXmTX/RXmRXについての制御変数である。
個別の点状のオブジェクトの受信信号は、混合後、したがって各周波数ランプおよび8つのアンテナ組み合わせそれぞれのためのA/D変換回路においても、正弦振動である。これは図2を用いて以下のように説明できる。オブジェクトがレーダシステムに対して動径相対速度0を有する場合、被送信信号と被受信信号の周波数差Δfは一定であり、この場合、信号伝搬時間Δtに比例し、したがって動径距離r=c・Δt/2に比例し、ここでcは光速度であり、ファクタ1/2は伝搬時間Δtが波の往復に関係することを考慮しており、周波数差Δfは、上記構成ではΔf=2r/c・187.5MHz/8μs=r・156.250kHz/mとなる。被受信信号は発振器周波数、したがって送信周波数と実数値で混合されるので、ミキサの後、周波数Δfを有する正弦振動が生じる。この周波数はMHz帯にあり、動径相対速度が消失しない場合さらにドップラー周波数だけ偏移されるが、ドップラー周波数はkHz帯にのみ位置するため、周波数成分に対してオブジェクト距離により略無視可能である。複数のオブジェクトがあると、受信信号は異なる周波数の複数の正弦振動の重ね合わせである。
各周波数ランプ中、受信信号はA/D変換回路で256回それぞれ25nsの間隔(したがって40MHz)で標本化され(図2参照)、標本化はつねにランプ開始に対して同じ時点で開始する。図2から明らかなように、信号標本化は、オブジェクトの受信信号が意義のある距離範囲に達する時間領域においてのみ有意義であり、よってランプ開始後少なくとも最大に意義のある距離に対応する伝搬時間を待たねばならない(最大に意義のある99mの距離では、これは0.66μsに対応する)。ここで、そして以下において、距離とは動径距離として理解されることに注意されたい。
そして、各周波数ランプの256個の標本値にわたって、離散形フーリエ変換(DFT)が高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)の形態で構成される。そこにより異なる周波数を生じる異なる距離にあるオブジェクトを分離することができ(図3参照、左は2つのオブジェクトが存在する場合のDFT前の信号s(i,k,m)、右はDFTの結果の値|e(j,k,m)|)、ここで、kはアンテナ組み合わせあたりの周波数ランプについての制御変数であり、mは8つのアンテナ組み合わせTXmTX/RXmRXについての制御変数である。DFTの離散周波数格子点jのそれぞれは距離rに対応し、したがってパルスレーダと同様に距離ゲートとも称することができる。上記構成では、距離ゲートはちょうど1つの間隔、したがって1メートルの幅Δrを有する(Δr・156.250kHz/m=1/(6,4μs)から得られる)。オブジェクトが存在する距離ゲートにおいて、DFTに出力ピークが生じる。被標本化受信信号は実数値であり(このときDFTの上半分には対称性ゆえさらなる情報はない)、図1のアナログバンドパスフィルタ1.6の上部遷移域は8.75MHzの周波数帯域幅を有するため(56個の周波数格子点の領域に対応する)、256個の離散周波数格子点のうち100個のみがさらに処理可能である(フィルタの任意に狭い遷移域は実現可能ではないことに注意されたい。)フィルタ1.6は低周波数、したがって近いオブジェクトの受信信号を減衰して、増幅器1.7およびA/D変換回路1.8の過制御を回避する(アンテナで受信される信号は、オブジェクト間隔が小さくなると強くなる)。
256個の周波数ランプ(k=0,1,・・・,255)にわたって、各距離ゲートj(つまり100個の上記周波数格子点のそれぞれ)について8つのアンテナ組み合わせ(m=0,1,・・・7)のそれぞれに複素スペクトル値e(j,k,m)が生じる。1つの距離ゲートに対応する距離にちょうど1つのオブジェクトがある場合、この距離ゲートjで複素スペクトル値が、8つのアンテナ組み合わせm=0,1,・・・7それぞれの256個の周波数ランプにわたってドップラー周波数とともに回転するのは、周波数ランプから周波数ランプへと距離(mm領域又はそれ以下)したがって対応する振動の位相位置が均一に変化するからである(図4参照。図示の周波数ランプごとの45°の位相変化はオブジェクトのλ/(8・2)=0.78mmのオブジェクトの距離減少に対応し、波長はλ=c/24.15GHz=12.4mmであり、ここで分母のファクタ2は波の往復を考慮しており、これに基づいて動径相対速度v相対=0.78mm/80μs=35km/hが得られ、動径相対速度の正符号は離隔と定義される)。同じ距離ゲートで異なる動径相対速度を有する複数のオブジェクトは、256個の周波数ランプに生じる複素スペクトル値に関する各アンテナ組み合わせと各距離ゲートについて、2次DFTが算出されることにより、分離される。この2次DFTの各離散周波数格子点Iは、1組のドップラー周波数に対応し(ドップラー周波数の標本化のため、それはその標本化周波数の未知の整数倍までに限り決定可能である)、それによりオブジェクトの1組の動径相対速度v相対に対応するので、2次DFTの離散周波数格子点を相対速度ゲートと称することができ、動径相対速度について、以下用語簡略化のため、「動径」の付記が省略される。相対速度の一義性範囲は2・v相対,EB・80μs=12.4mmからv相対,EB=280km/hとなる。よって、相対速度ゲートlに相対速度v相対=(l/256+p)・280km/hが割り当てられ、ここでpは整数である。
2次DFTは相対速度を算出するのに役立つだけでなく、その積分により検出感度も、256個の周波数ランプでは約10・log10(256)=24dBだけ向上させる。
相対速度についての2次DFT後、各アンテナ組み合わせmについて2次元複素スペクトルv(j,l,m)が生じ、ここで個々のセルは距離相対速度ゲートと称することができ、オブジェクトにより、出力ピークがそれぞれ対応する距離相対速度ゲートに生じる(図5参照)。
最後に、さらに8つのアンテナ組み合わせに基づく情報が融合される。両送信アンテナに由来し個々の点状オブジェクトにおいて反射した波が、異なる位相位置を有する方位角αAzに応じて4つの受信アンテナに到達するのは、オブジェクトと送信アンテナおよび受信アンテナとの間の距離がわずかに異なるためである。これらは以下詳細に説明されるが、ここで上記オブジェクトはまずセンサに対して静止しており、つまり相対速度0を有する。図6では、直立投影図において、アンテナの位相中心、および大きく離間しセンサに対して静止しているオブジェクトとの間の方位角αAZ<0(正のαAzは基板面に対する垂直面の右を意味する)および仰角αEl=0(基板面に対する垂直面に平行である)における放射経路が示され、オブジェクトは、放射経路が平行であると仮定できるほど大きく離間しており、つまりオブジェクトはアンテナ構成の遠隔領域にある。送信アンテナTXmTXからオブジェクトまで、そして受信アンテナRXmRXまで戻る、アンテナ組み合わせm=4・mTX+mRXの経路長r(m)は次式である:
r(m)=2・rRP + sin(-αAz)・(a+mTX・4d+a+d/2+mRX・d)=2・rRP + sin(-αAz)・(2a+d/2+m・d)
ここで、rRPはアンテナ基板上の基準点RPからオブジェクトまでの経路長、aは基準点と送信アンテナTX0との水平方向の間隔である。この関係式から、間隔がアンテナ組み合わせの数mとともに線形に変化することがわかる。(2a+d/2+m・d)の値はアンテナ組み合わせmのいわゆる相対位相中心の、基準点RPとの水平方向の間隔を示し、対応する送信アンテナおよび受信アンテナの、基準点との水平方向の間隔からなる和である(送信アンテナと受信アンテナの組み合わせの相対位相中心は、ここでは、基準点から送信アンテナおよび受信アンテナの位相中心への両方のベクトルの和と定義される)。
r(m)=2・rRP + sin(-αAz)・(a+mTX・4d+a+d/2+mRX・d)=2・rRP + sin(-αAz)・(2a+d/2+m・d)
ここで、rRPはアンテナ基板上の基準点RPからオブジェクトまでの経路長、aは基準点と送信アンテナTX0との水平方向の間隔である。この関係式から、間隔がアンテナ組み合わせの数mとともに線形に変化することがわかる。(2a+d/2+m・d)の値はアンテナ組み合わせmのいわゆる相対位相中心の、基準点RPとの水平方向の間隔を示し、対応する送信アンテナおよび受信アンテナの、基準点との水平方向の間隔からなる和である(送信アンテナと受信アンテナの組み合わせの相対位相中心は、ここでは、基準点から送信アンテナおよび受信アンテナの位相中心への両方のベクトルの和と定義される)。
アンテナ組み合わせm=0,1,・・・,7の受信波とアンテナ組み合わせm=0の受信波との位相差φ(m)-φ(0)は、異なる経路長r(m)に基づいて次式
φ(m)-φ(0)=-2π/λ・[r(m)- r(0)]
= -2π/λ・[2・rRP + sin(-αAz)・(2a+d/2+m・d)-2・rRP -sin(-αAz)・(2a+d/2+0・d)]
=-2π/λ・sin(-αAz)・d・m=2π/λ・sin(αAz)・d・m
により得られ、したがって同様にアンテナ組み合わせの数mとともに線形に変化する。異なるアンテナ組み合わせで受信される信号の振幅が一定なのは、すべてのアンテナは同一の放射特性を有し、アンテナの、大きく離間したオブジェクトとの間隔は、レベルを考慮するには無視できるほどわずかにしか異ならないからである。
φ(m)-φ(0)=-2π/λ・[r(m)- r(0)]
= -2π/λ・[2・rRP + sin(-αAz)・(2a+d/2+m・d)-2・rRP -sin(-αAz)・(2a+d/2+0・d)]
=-2π/λ・sin(-αAz)・d・m=2π/λ・sin(αAz)・d・m
により得られ、したがって同様にアンテナ組み合わせの数mとともに線形に変化する。異なるアンテナ組み合わせで受信される信号の振幅が一定なのは、すべてのアンテナは同一の放射特性を有し、アンテナの、大きく離間したオブジェクトとの間隔は、レベルを考慮するには無視できるほどわずかにしか異ならないからである。
直ちに明らかなように、図7bの直立投影図を有する図7aに記載のアンテナ構成について、図1の上記構成とまさに同じ関係が、経路長r(m)および位相差φ(m)-φ(0)について得られ、図7aの構成は1つのみの送信アンテナTX0と8つの等距離受信アンテナRX0~RX7を有し、ここでのアンテナ組み合わせm=mRXは送信アンテナと受信アンテナRXmRXで構成される。アンテナ組み合わせの同一の個別アンテナおよび同一の位相関係から、両アンテナ構成は角度測定性能に関して同等である。しかし、上記図1の構成は、図7aの従来の構成と比較して略半分の水平方向の大きさしか有さないことにより、センサの大きさを著しく減少することができるという利点を有する。
8つのアンテナ組み合わせmについて線形に増加又は減少し方位角に依存する位相差φ(m)-φ(0)は、場合によって一定、したがって補償可能な位相偏移(例えば異なる配線長さに起因する)を除いて、2次DFTの後まで維持され、距離相対速度ゲート(j,l)に1つのオブジェクトしか存在しない場合、8つのアンテナ組み合わせm=0,1,・・・,7のそこでの複素スペクトル値v(j,l,m)は、一定の、方位角に依存する回転速度(例として図8a参照)で回転する。よって、各距離相対速度ゲートにおいて、方位角方向についてデジタルビームフォーミングを実施できる。さらに、線形に変化する位相を有する1組の複素ファクタを用いてそれぞれ乗算される、8つのアンテナ組み合わせに関する複素数値の和を形成し、各ファクタ組の線形位相変化に応じて、異なる放射方向を有する放射ローブが結果として得られる。これらの放射ローブの放射幅は、個別アンテナの放射幅よりも著しく小さい。上記加算は16点DFTにより実現され、ここでは8つのアンテナ組み合わせの8つの値は8つの0により補足される。このDFTの離散周波数値n=0.1,・・・,15は、隣接するアンテナ組み合わせ間の異なる位相差Δφ=φ(m)-φ(m-1)=2π・mod(n,16)/16に対応し(mod(n,16)はここでは対称性剰余演算、つまり領域-8…+8の写像)、したがって異なる位相角αAz=arcsin(Δφ・λ/(2πd))=arcsin(n・λ/(16d))に対応し、よって角度ゲートと称することができる。図8bには、方位角αAz=14.5°での点状オブジェクトに関する(π/4に相当する45°の隣接するアンテナ組み合わせ間の図示の位相差にn=2が対応し、d=λ/2においてαAz=arcsin(π/4)=14.5°)、図8aの関係についての3次DFTのスペクトルのプロファイルw(j,l,n)が数値で示される。3次DFTは方位角を算出するのに役立つだけでなく、その積分により検出感度も、8つのアンテナ組み合わせでは約10・log10(8)=9dBだけ向上させる。
以上では方位角を決定するために、オブジェクトが相対速度0を有すると仮定した。そうでない場合、2つの間でそれぞれ40μsだけ時間的にずれて動作される送信アンテナについての受信信号間の位相は、またさらに、以下において一定と仮定する相対速度に比例して変化するのは、距離がこの時間中にそれぞれわずかに変化するからである。それぞれ3次DFTが1つの距離相対速度ゲート、したがって特定の相対速度に属しているため、8つのアンテナ組み合わせについての相対速度により生成される線形位相変化を、3次DFTの前又は後に補償することができる。DFTの前の補償の際は複素入力値の位相を偏移し、DFTの後の補償の際は出力値に属する離散周波数値nを変化させる必要がある。相対速度の上記多義性のため、この補償は多義性相対速度に用いられる仮定に応じて異なる方位角を生じる。
方位角用のこの3次DFT(アンテナ組み合わせについての相対速度により生成される線形位相変化の補償を含む)の後、3次元複素スペクトルw(j,l,n)が得られ、ここで、個々のセルを距離相対速度角度ゲートと称することができ、オブジェクトにより出力ピークがそれぞれ対応する距離相対速度角度ゲートに生じる(図9参照。左は3次元DFT前のデータ構成、右はその後のデータ構成)。
したがって、出力ピークを決定することにより、オブジェクトを検出し、その尺度、つまり距離、相対速度(場合によって存在する多義性を除く。上記参照)および方位角(相対速度の各多義性仮定に対応する値。図9参照)を算出できる。出力ピークはDFTの窓掛けにより隣接セルにもさらにレベルを有するため、オブジェクト尺度をこのレベルに応じた補間によりゲート幅よりも大幅に正確に求めることができる。一方では、出力ピークが幅広になりすぎず(十分なオブジェクト分離のため)、他方でも、窓スペクトルのサイドローブが高くなりすぎないように(強く反射するオブジェクトが存在する際に弱く反射するオブジェクトも認識できるように)、3つのDFTの窓関数が選択されることに注意されたい。出力ピークの高さに基づいて、第4のオブジェクト尺度として、オブジェクトがレーダ波をどの強さで反射するかを示す、その反射断面をさらに評価することができる。各システムに存在する雑音により(例えば熱雑音により)、3次元DFT後、オブジェクト反射が受信されなくても若干の出力レベルが生じ、統計的影響により若干の尺度において異なるこの雑音レベルは検出能力の物理的下限を意味する。その上側で出力ピークに基づいてオブジェクトが構成される検出閾値は、平均雑音より約12dB高く設定される。
以上では、主に、一定の動径相対速度を有し水平方向に移動しない点状オブジェクト(つまり幅にも長さにも広がりを有さない)が検討された。ここで、出力ピークは3次元フーリエ変換後には「鋭く」、その形状は速度、距離および角度という3つのオブジェクト値の位置に移される、窓関数の3次元離散フーリエ変換に対応し、速度、距離および角度のそれぞれ次元の1つに関して出力ピークの形状は、各オブジェクト値に移される、各窓関数の1次元離散フーリエ変換である。上記条件が該当しないオブジェクトは、3次元フーリエ変換後に「ぼやけた」出力ピークを有する。
上述のオブジェクト検出と対応するオブジェクト尺度の決定は、測定サイクルを表し、そして周辺の瞬時画像を提供し、これは約40msごとのサイクルで反復される。周辺状況を判断するために、瞬時画像が連続するサイクルにわたって追跡され、フィルタ処理され、評価される。その理由は特に:
いくつかの値は直接1つのサイクルで決定できるのではなく、連続するサイクルにわたる変化に基づくことのみにより決定でき(例えば縦方向の加速度と横方向の速度)、
オブジェクトの動きは複数のサイクルにわたってプロージビリティチェックされ、その結果一層ロバストで確実な周辺記述が得られ、こうして例えば連続するサイクルにわたって生じる(動径)距離の変化が、測定される(動径)相対速度に合致することになり、それにより周辺記述における冗長性したがってさらなる確実性が得られ、
複数のサイクルにわたる時間のフィルタ処理により測定雑音を減少させるからである。
いくつかの値は直接1つのサイクルで決定できるのではなく、連続するサイクルにわたる変化に基づくことのみにより決定でき(例えば縦方向の加速度と横方向の速度)、
オブジェクトの動きは複数のサイクルにわたってプロージビリティチェックされ、その結果一層ロバストで確実な周辺記述が得られ、こうして例えば連続するサイクルにわたって生じる(動径)距離の変化が、測定される(動径)相対速度に合致することになり、それにより周辺記述における冗長性したがってさらなる確実性が得られ、
複数のサイクルにわたる時間のフィルタ処理により測定雑音を減少させるからである。
連続するサイクルにわたるオブジェクト検出の追跡およびフィルタ処理は、トラッキングとも称される。ここで、各オブジェクトについて、現在のサイクルのトラッキングされるオブジェクト尺度に基づいて、次のサイクルの値が予想される。この予想は、次のサイクルにおいてスナップショットとして検出されるオブジェクトとそのオブジェクト尺度と比較され、これらを互いに合致するように割り当てる。そして、同じオブジェクトに属する予想されたオブジェクト尺度と測定されたオブジェクト尺度とが融合され、その結果、こうして連続するサイクルにわたってフィルタ処理される値を示す、現在のトラッキングされたオブジェクト尺度が得られる。1つのサイクルにおいて決定されるオブジェクト尺度が一義的決定できない場合、トラッキングにおいて異なる仮定が考慮される。トラッキングされるオブジェクトおよび関連してトラッキングされるオブジェクト尺度に基づいて、各運転支援機能用の周辺状況が解析および解釈され、それに基づいて、対応する動作を導く。
以上では、一定の動径相対速度を有し水平方向に移動しない点状オブジェクトについて、3次元フーリエ変換後に「鋭い」出力ピークが得られることが記載され、その形状は速度、距離および角度という3つのオブジェクト値の位置に移される、窓関数の3次元離散フーリエ変換に対応し、速度、距離および角度のそれぞれ次元の1つに関して出力ピークの形状は、この場合、各オブジェクト値に移される、各窓関数の1次元離散フーリエ変換である。しかし、このことは理想回路、特に理想アンテナと理想周波数変調のみにしか該当しない。実際に、例えば熱雑音などの物理的雑音の影響、または熱的または電気的な過渡応答、または、量子化に起因する(例えば、発振器の制御電圧を直接生成する、または位相同期回路つまりPLLの制御設定用デジタルアナログ変換回路の最終的な分解能に起因する)デジタル回路およびデジタルアナログ変換の最終的な正確性を理由に、周波数変調は完全であることは決してない。そのような内在的な誤差に加えて、理想的でない回路により、個別の回路素子の故障もしくは機能不全に起因して、さらに周波数変調の大幅に大きな誤差に至る可能性がある。
以下、連続する送信信号に関して基準値から外れる周波数位置に至る、周波数変調の誤差のみが検討され、ここで送信信号の周波数位置とは、特にその中心周波数により特徴付けられる。よって、検討されるのは、周波数変調の直線性誤差(つまり送信信号内の送信周波数の実際のプロファイルの、所望の勾配を有する線形回帰との偏差)ではなく、周波数ランプが互いにずれているかどうか、またはどのように周波数ランプが互いにずれているかが検討され、そのようなずれは緩やかな周波数変化、例えば供給電圧の低周波外乱により引き起こされる場合がある。
そのような誤差を含む周波数位置(つまり例えば一定の所望中心周波数における変化する中心周波数)により、点状オブジェクトにおいても相対速度次元の出力ピークがぼやけるか、またはばらばらになる結果、誤差を含む測定相対速度、より大きなオブジェクトによるより小さなオブジェクトの遮蔽そしてゴーストオブジェクトの発生に至ることがある。これにより、レーダシステムを用いて実装された運転支援機能は機能エラーを有する可能性があり、緊急制動支援では例えばゴーストオブジェクトにより不当な緊急制動が作動される場合があり、その結果、後続する乗物による追突事故による深刻な結果、そして死亡事故にまで至る可能性がある。
よって、周波数位置の品質が持続的に監視され、発生する誤差が補正されるか、運転支援機能を必要に応じて停止するかのどちらかであることが重要である。
周波数位置の監視を実現するため、以下においてまず、発振器信号が、図1の回路ブロック1.11でファクタT=2048の分周により周波数について低減され、その後回路ブロック1.12で実数値のアナログデジタル変換回路によりサンプリングレートfA=40MHzでデジタル化される場合を検討する。
ファクタT=2048の分周後、その周波数が(24.15GHz±187.5/2)/2048=11.8MHz±45.8kHzの領域にある信号が得られ、発振器周波数が一定の線形勾配と一定の周波数位置(つまり一定の開始周波数としたがって中心周波数)を有する図1のその所望のプロファイルに対応する限り、各周波数ランプにおいて分周された信号の周波数が下値から上値へと、つまり91.6kHzだけ線形変化し、周波数ランプの開始時点をそれぞれt=0と定義する場合、8つのアンテナ組み合わせ(m=0,1,…,7)のそれぞれのK=256の周波数ランプ(k=0,1,…,K-1)のそれぞれにおいて、分周された周波数に以下が適用される:
fT(t,k,m)=fTM+bT・(t-4μs)= fTS+bT・t 0≦t≦8μsのとき
ここでfTM=11.8MHz、 fTS=11.75MHzおよびbT=91.6kHz/8μs
fT(t,k,m)=fTM+bT・(t-4μs)= fTS+bT・t 0≦t≦8μsのとき
ここでfTM=11.8MHz、 fTS=11.75MHzおよびbT=91.6kHz/8μs
一般に、分周器の出力信号は矩形プロファイルを有し、図10に部分図が示される(実線プロファイル)。正弦状プロファイルを達成するために、この信号は、矩形信号の高調波を抑制するローパスを用いてフィルタ処理され(高調波は基本周波数の奇数倍、つまり3・11.8MHz=35.4MHz,5・11.8MHz= 59MHz,…である)、さらに、ここで例えばその基本周波数が標本化周波数の半分、つまり20MHzである一般のアンチエイリアシングローパスを用いてよい。そのときに得られる正弦状信号は同様に図10に示される(破線プロファイル)。この正弦状信号sT(t,k,m)の位相プロファイルφT(t,k,m)は、分周された周波数fT(t,k,m)の積分により得られ、以下が適用される:
sT(t,k,m)=As・cos(φT(t,k,m))
ここでφT(t,k,m)=2π・[fTS・t + bT/2・t2]+φ0(k,m),
ここでφ0(k,m)は各ランプ開始時(つまりt=0)の位相を表し、一般に周波数ランプから周波数ランプへと変化し、Asは信号の振幅である。
sT(t,k,m)=As・cos(φT(t,k,m))
ここでφT(t,k,m)=2π・[fTS・t + bT/2・t2]+φ0(k,m),
ここでφ0(k,m)は各ランプ開始時(つまりt=0)の位相を表し、一般に周波数ランプから周波数ランプへと変化し、Asは信号の振幅である。
正弦状信号sT(t,k,m)を25nsの間隔で標本化後(サンプリングレートfA=40MHz)、同様に図10に示される値が得られ、標本化された信号には以下が適用される:
sTA(n,k,m)=As・cos(2π・[fTS/fA・n+bT/2/fA 2・n2] +φ0(k,m)).
sTA(n,k,m)=As・cos(2π・[fTS/fA・n+bT/2/fA 2・n2] +φ0(k,m)).
この合計K0=2048個の信号(周波数ランプあたり1信号)は、デジタル形態でデジタル信号処理ユニット1.10においてさらに処理され、そこから周波数位置の品質を決定するが、このことは以下に記載する。
標本化され分周された信号sTA(n,k,m)の上記関係式は、理想的な場合、つまり周波数の実際のプロファイルが一定の周波数位置を有する線形の所望のプロファイルに対応し、信号に雑音が重ね合わされていないことを表しているが、実際には想定できないものである。ここでは検討されないシステムの直線性誤差に加えて、特に、周波数ランプにわたって変化する(例えば熱の過渡効果または電圧供給の外乱による)周波数位置の誤差、よって開始周波数または中心周波数の誤差が発生する可能性があり、周波数ランプ中、この誤差ΔfE(k,m)は略単純化されており一定として検討される。標本化され分周された信号において、これは分周比T=2018により、より小さい誤差を意味する
ΔfET(k,m)=ΔfE(k,m)/T,
誤差は、周波数ランプ中は一定だが、ランプごとに変化する。さらに、実信号sTA(n,k,m)も、例えば発振器の位相雑音とA/D変換回路での量子化により発生する雑音成分r(n,k,m)を有する。よって、合計で得られる実信号sTA(n,k,m)は:
sTA(n,k,m)=As・cos(2π・[fTS/fA・n+bT/2/fA 2・n2+ΔfET(k,m)/fA・n]+φ0(k,m))+r(n,k,m),
ここで0≦n≦8μs・fA,つまり0≦n≦320。
ΔfET(k,m)=ΔfE(k,m)/T,
誤差は、周波数ランプ中は一定だが、ランプごとに変化する。さらに、実信号sTA(n,k,m)も、例えば発振器の位相雑音とA/D変換回路での量子化により発生する雑音成分r(n,k,m)を有する。よって、合計で得られる実信号sTA(n,k,m)は:
sTA(n,k,m)=As・cos(2π・[fTS/fA・n+bT/2/fA 2・n2+ΔfET(k,m)/fA・n]+φ0(k,m))+r(n,k,m),
ここで0≦n≦8μs・fA,つまり0≦n≦320。
周波数誤差ΔfET(k,m)を決定するために、実信号sTA(n,k,m)の位相経過を所望のプロファイルについて予想される位相経過と比較できる。そのために、実数値の信号sTA(n,k,m)はまずその対応する複素数値の信号、つまりその解析信号sTAC(n,k,m)に変換する:
測定と処理により算出された複素数値sTAC(n,k,m)と既知のパラメータfTS、 bTおよびfAから位相プロファイル
φTEmess(n,k,m)=2π・ΔfET(k,m)/fA・n+φ0(k,m)+φr(n,k,m)
を求めることができ、ここでφr(n,k,m)は未知の位相雑音成分である。2つの時点(指数n1およびn2)間の位相差を形成する場合、これは以下のように記載される
φTEmess(n2,k,m)-φTEmess(n1,k,m)=2π・ΔfET(k,m)/fA・(n2-n1)+φr(n2,k,m)-φr(n1,k,m);
ランプについて一般に変化する開始位相φ0(k,m)は除法により暗黙的に消去されることに注意されたい。測定により決定される周波数誤差ΔfEmess(k,m)は、したがって以下の関係式の値を求めることにより得られる。
ΔfEmess(k,m)=(φTEmess(n2,k,m)-φTEmess(n1,k,m))・ T・fA/(2π・(n2-n1)),
この測定された周波数誤差ΔfEmess(k,m)は、実際の周波数ΔfE(k,m)とは測定誤差分だけ異なる
ΔfEmessE(k,m)=(φr(n2,k,m)-φr(n1,k,m))・T・fA/(2π・(n2-n1))
φTEmess(n,k,m)=2π・ΔfET(k,m)/fA・n+φ0(k,m)+φr(n,k,m)
を求めることができ、ここでφr(n,k,m)は未知の位相雑音成分である。2つの時点(指数n1およびn2)間の位相差を形成する場合、これは以下のように記載される
φTEmess(n2,k,m)-φTEmess(n1,k,m)=2π・ΔfET(k,m)/fA・(n2-n1)+φr(n2,k,m)-φr(n1,k,m);
ランプについて一般に変化する開始位相φ0(k,m)は除法により暗黙的に消去されることに注意されたい。測定により決定される周波数誤差ΔfEmess(k,m)は、したがって以下の関係式の値を求めることにより得られる。
ΔfEmess(k,m)=(φTEmess(n2,k,m)-φTEmess(n1,k,m))・ T・fA/(2π・(n2-n1)),
この測定された周波数誤差ΔfEmess(k,m)は、実際の周波数ΔfE(k,m)とは測定誤差分だけ異なる
ΔfEmessE(k,m)=(φr(n2,k,m)-φr(n1,k,m))・T・fA/(2π・(n2-n1))
これによりこの測定誤差が可能な限り小さくなると、大幅に離間する2つの時点n1およびn2を選択でき、例えば一方はランプ終了時(n2=320)、他方は受信信号の標本化時間の開始時(n1=65)である。
なお、位相は2πの整数倍までのみ厳密に決定でき、よってΔfEmessE(k,m)の決定は2πに関する剰余演算において実施され、周波数誤差の一義的に決定される領域はT・fA/(n2-n1)「のみ」であり、しかしこれは本例では321MHzより大きく、したがって期待誤差よりも大幅に大きい。
厳密に言うと、緩やかな周波数ドリフトにより中心周波数の変化だけでなく、すでに周波数ランプ中に、システムの観点からは一般的には決定的ではないが、線形の所望の周波数プロファイルに対して非常に小さな歪みが生じる。ここで、測定により決定される周波数誤差ΔfEmess(k,m)は、周波数ランプ中の平均周波数誤差を示す(測定誤差ΔfEmessE(k,m)は除かれる)。
実際には、周波数変調の小さなシステムの直線性誤差が生じる可能性があり(つまり送信信号内の送信周波数の実際のプロファイルの、所望の勾配を有する線形回帰との偏差)、その原因は電気的な過渡効果である可能性がある。上記例のように各周波数ランプにおいて同様の時点n1およびn2を位相差の決定に用いると、そのようなシステムの直線性誤差は周波数誤差ΔfE(k,m)の決定に影響を与えないが、仮に異なる時点を用いると、もはやあてはまらなくなるのは、直線性誤差により、測定された平均周波数誤差の変化が小さくなるからである(この場合、平均周波数誤差は選択される時間間隔[n1,n2]に依存する。よって、好ましくは各周波数ランプにおいて同様の時点n1およびn2を用いることができる)。
上記式において、位相雑音φr(n,k,m)により生じる測定誤差ΔfEmessE(k,m)は大きすぎる場合がある。選択される時間間隔[n1,n2]の開始時と終了時にそれぞれ位相誤差測定値φTEmess(n,k,m)の1つを用いるだけでなく、複数を用いて、位相雑音をより良好に平均化することにより改善を達成できる。位相誤差測定値の直接的な平均化はしかし不利であるのは、それらが一方では2πの倍数のみで一義的である(つまり位相ジャンプを生じさせることができる)からであり、これは他方では信号理論の観点からは平均化は非線形次元になるからである。よって、位相誤差測定値φTEmess(n,k,m)をより良好には非直接的に対応する複素数値のユニットポインタ
平均化のために位相誤差測定値φTEmess(n,k,m)を明示的に決定する必要はないのは、位相ポインタ
ΔφTEmess(k,m)=2π・ΔfET(k,m)/fA・(n2-n1-(N-1))+Δφr(k,m);
ここでNは期間ごとに平均化のために用いられる値の数であり、Δφr(k,m)は、未知の位相雑音成分を示すが、位相雑音成分は期間あたりN個の値による平均化により低減される。ランプについて一般に変化する開始位相φ0(k,m)は再び暗黙的に消去されることに注意されたい。
測定により決定される周波数誤差ΔfEmess(k,m)は、したがって以下の関係式の値を求めることにより得られる。
ΔfEmess(k,m)=ΔφTEmess(k,m)・T・fA/(2π・(n2-n1-(N-1))),
この測定された周波数誤差ΔfEmess(k,m)は、実際の周波数ΔfE(k,m)とは測定誤差分だけ異なる
ΔfEmessE(k,m)=Δφr(k,m)・T・fA/(2π・(n2-n1-(N-1))).
ΔfEmess(k,m)=ΔφTEmess(k,m)・T・fA/(2π・(n2-n1-(N-1))),
この測定された周波数誤差ΔfEmess(k,m)は、実際の周波数ΔfE(k,m)とは測定誤差分だけ異なる
ΔfEmessE(k,m)=Δφr(k,m)・T・fA/(2π・(n2-n1-(N-1))).
上記位相特性P1(k,m)およびP2(k,m)の演算において、信号sTAC(n,k,m)は対応する位相ポインタを用いた乗算により周波数正規化(つまり所望周波数プロファイルを導出)され、そして期間ごとそれぞれの値が累積された。乗算と累積は、ともに1つのステップでスカラー積として定式化または決定でき、この場合、一方のベクトルは検討される期間の信号sTAC(n,k,m)からなり、他方のベクトルは対応する位相ポインタからなる。信号sTAC(n,k,m)は1次の複素数値のヒルベルトフィルタ処理により実数値の信号sTA(n,k,m)から生じたのもので、つまり2つの値sTA(n,k,m)およびsTA(n-1,k,m)の重み付け加算によるものである。このフィルタ処理とフィルタ処理された値に基づいて決定されるスカラー積は単一のスカラー積と考えてよい。これにより、位相特性はスカラー積を介して直接的に実数値の信号sTA(n,k,m)に基づいて決定され、この場合、一方のベクトルは検討される期間の信号sTA(n,k,m)に加えて前の値(つまり検討期間が実質的に1つの時点分延長される)からなり、他方のベクトルは位相ポインタの略総和について構成され(フィルタ係数は位相ポインタでもある)、これにより、このパラメータベクトルを一度アプリオリに決定すれば充分であるのは、それがすべての周波数ランプについて同一だからである。
以上では、1次ヒルベルトフィルタ処理はその零点をつねに所望のミッドバンドの負、つまり-fTM=-11.8MHzに有するとされた。原則として、零点を周波数ランプについても変更することができ、その結果、零点はつねに各所望周波数の負に位置し、したがってスカラー積のパラメータベクトルを算出する。パラメータベクトルをつねに各時期の中心周波数に関係するように近づけることができ、そのために、それぞれこの中心周波数がヒルベルトフィルタそして周波数正規化の位相ポインタにも用いられる(周波数正規化の位相ポインタの直交成分は除去される)。
以上、周波数ランプあたり2つの期間、1つは前方領域に1つは後方領域に存在する場合が検討され、各周波数ランプの周波数位置の誤差が位相特性の比較により両期間において算出された。これは、しかし、周波数ランプあたり1つのみの期間を用いて算出することも可能であり(例えば各周波数ランプの終了時)、この場合、2つの連続する周波数ランプの位相特性、つまり第2ランプの位相特性を第1ランプの位相特性と、第3ランプの位相特性を第2ランプの位相特性となど比較する。このようにして周波数位置の絶対誤差決定するために、理想位置(つまり外乱がない)で生じる周波数ランプ間の周波数プロファイルを厳密に識別する必要があり、したがって周波数正規化ではランプごとに検討してよい(2つの期間の間の厳密な位相前進については厳密な周波数プロファイルが必要)。しかし周波数プロファイルが特に周波数の戻りにおいて実際にどう見えるかは一般に厳密には知られないのは、例えばPLLの過渡挙動に依存するからである。しかし、周波数ランプ間の周波数プロファイルはつねに同一であり、したがって、周波数位置の相対的な決定、つまりランプに関するその変化の決定は可能であり、一定の成分のみが未決定に留まるが、これは監視についてはほとんど決定的ではないのは、非常に大きな一定の周波数位置誤差(一般には発生しない)のみが決定的でありこれはまた他の方法により決定可能だからである。この場合、周波数正規化を各周波数ランプにおいて同一の位相ポインタを用いて実施する、つまり、外乱がない位置で発生する未知だが一定のランプごとの位相前進は検討されないままである。これにより、位相特性は外乱がない位置でランプごとに一定の値だけ変化し(ちょうどこの補償されない一定の位相前進分)、上記と同様に位相特性について決定される2つの連続する期間、つまりランプの間の位相差ΔφTEmess(k,m)はしたがって外乱がない位置では一定である。しかし周波数位置の変化がある場合、測定される位相差ΔφTEmess(k,m)は変化し、位相差を第1値ΔφTEmess(0,1)で、つまり第1および第2ランプの位相差を正規化する場合、測定される位相差ΔφTEmess(k,m)についてその第1値ΔφTEmess(0,1)で正規化されたものを得る:
ΔfEmessR(k,m)=ΔfEmess(k,m)-ΔfEmess(0,1)=(ΔφTEmess(k,m)-ΔφTEmess(0,1))・T/(2π・ΔtC),
ここでΔtC=10μsは2つの周波数ランプの間隔である。したがって、周波数ランプの位相位置の変化を決定した場合、ここでは連続するランプの開始時の周波数位置に関する。周波数位置の相対誤差ΔfEmessR(k,m)は各2つの期間の間の平均値を示し(2つの連続するランプの終了時に位置する)、これにより周波数ランプk,mの受信信号の標本化時間の平均誤差を若干前押しする。これは次の値を用いた補間によりまだ補正できるが、周波数位置の緩やかな変化においては無視できるものである。
ΔfEmessR(k,m)=ΔfEmess(k,m)-ΔfEmess(0,1)=(ΔφTEmess(k,m)-ΔφTEmess(0,1))・T/(2π・ΔtC),
ここでΔtC=10μsは2つの周波数ランプの間隔である。したがって、周波数ランプの位相位置の変化を決定した場合、ここでは連続するランプの開始時の周波数位置に関する。周波数位置の相対誤差ΔfEmessR(k,m)は各2つの期間の間の平均値を示し(2つの連続するランプの終了時に位置する)、これにより周波数ランプk,mの受信信号の標本化時間の平均誤差を若干前押しする。これは次の値を用いた補間によりまだ補正できるが、周波数位置の緩やかな変化においては無視できるものである。
この式の有利な点は、2つの検討される期間の間の時間がより長く、したがって例えばA/D変換回路の量子化効果により生じる位相雑音Δφr(k,m)の影響がより小さくなる(測定誤差はΔφr(k,m)・T/(2π・ΔtC)であり、よって両期間の中心間の時間に反比例する)。測定誤差をさらに低減するために、相対誤差ΔfEmessR(k,m)をフィルタ処理でき、または2つの用いられる期間の間の時間を8つのアンテナ組み合わせのすべてについて拡張することができる(つまり指数ごとに周波数位置誤差のみが算出され、これは緩やかな周波数ドリフトにおける例えば熱の過渡効果で足りる)
なお、相対周波数位置を決定するために、異なる周波数ランプから2つの期間を用いる場合、2つの期間の間においてそれぞれ同一の周波数プロファイルが存在する必要があり(決定すべき外乱を除く)、つまり、周波数生成における基準値(つまり例えばPLLの制御信号)が同一である必要がある。つまり、周波数プロファイルにおいて変数パラメータを用いる場合、これらを任意にではなく変化させてよく、周波数ランプの間隔の変動において、他の周波数ランプにおける間隔が固定値を有する一方で各第2周波数ランプについてのみ変化した間隔を用いることは可能な方法である。この場合、周波数位置の誤差はそれぞれ一定の間隔を有するペアに基づいて決定し、変化する間隔を有するペアを用いるのではなく、そこでの誤差を両隣の値に基づいて補間する。
それぞれ1つのランプから2つの期間を用いる上記例について、さらに以下で言及するが、その場合における位相正規化において2つの期間の間の厳密な位相前進を検討しない場合、再び周波数位置の相対変化のみも可能だが、周波数正規化の位相ポインタはここでは両期間において任意の開始値を有してよく、ただすべての周波数ランプについて同一である必要がある(例えばつねに零の開始位相)。
以上では、すべての送信信号が同一の所望の周波数位置を有するとされた。しかし、周波数ランプの周波数位置、つまりその開始周波数したがって同等のその中心周波数が意図的に送信信号にわたって変化される構成もある。このことは原則的に周波数正規化において検討できるが、絶対的または相対的に測定された実際の周波数位置の所望の周波数位置との偏差を除法により簡単に決定することもできる。
以下、上記のように決定される周波数位置誤差ΔfE(k,m)のさらなる処理について記載される(なお、測定された周波数誤差ΔfEmess(k,m)と実際の周波数誤差ΔfE(k,m)との間はもはや区別されないのは、十分厳密な決定が想定されているからである)。
好ましい方法は、周波数位置誤差ΔfE(k,m)を補償することである。変化した周波数位置により受信された信号の位相位置が変化するのは、オブジェクトとの間の往復に波列の変化した数が適合するからである。例えば周波数位置が1MHzだけ上昇し伝搬時間が1μsである場合(オブジェクトとの距離は150m)、ちょうど波列がより適合するため、位相が2πだけ変化し、効果はオブジェクトの距離rと周波数位置変化ΔfE(k,m)に比例する。したがって、受信信号の位相位置変化Δφ(k,m)は一般に
Δφ(k,m)=2π・ΔfE(k,m)/1MHz・r/150m.
Δφ(k,m)=2π・ΔfE(k,m)/1MHz・r/150m.
この位相偏移は1次DFT(距離用)後に存在し、つまり距離rに対応する距離ゲートの出力ピークの複素数値がこの位相偏移を有する。補償のために、ここでたんに複素単位ベクトルを用いて位相-Δφ(k,m)と乗算できる。1次DFT後にはどの距離ゲートにオブジェクトがあるかまだ分からないため、すべての距離ゲートj(1mの長さを有する)において関連する位相補正ベクトルを用いて乗算する
ここで、絶対周波数位置誤差ΔfE(k,m)の代わりに相対的にのみ周波数位置誤差を決定する場合、周波数位置の変化を補償したが、これで一般には十分である。周波数位置の変化を補償しない場合、これにより2次DFT(相対速度用)のプロファイルに歪みが生じるが、これについては後述する。
周波数位置の一定の誤差、つまり周波数ランプの中心周波数のその所望値との一定の偏差は平均波長を変化させ、これにより算出されるオブジェクトの相対速度および角位置(導出については上記参照)に影響を与える。所望の中心周波数の代わりに実際の中心周波数を用いることで、誤差を回避できるが、これは偏差が大きい場合のみ必要とされるは、この場合のみ、結果として得られる誤差が意義を有するからである(周波数ランプについて変化する中心周波数において影響ははるかに大きくなる)。
なお、位相補正ベクトルPK(j,k,m)の算出のために、フィルタ処理または平滑化された周波数位置誤差も用いることができる(例えば回帰曲線による測定された周波数位置誤差ΔfE(k,m)の平滑化)。
周波数位置誤差ΔfE(k,m)が補償されない場合、検出品質へのその影響がまだ許容範囲にあるか、つまり許容されない機能的な制限には至らないかどうかを評価し、そうでなければ、運転支援および/または自立走行操作用の関連する機能を制限するか、または停止する必要がある。
一例として、一定の所望のプロファイルに対して湾曲し、さらに周期的な外乱を有する、周波数位置の実際のプロファイルが検討され、図11には対応する周波数位置誤差ΔfE(k,0)が示される。そのような偏差を評価するために、回帰を実施し(例えば1次または2次多項式回帰)、補正関数(例えば多項式)のパラメータおよび/または偏差、特に実際のプロファイルと補正関数との間の標準偏差を品質基準として用いることができる。しかし、これらの値は検出品質の劣化についての大まかなヒントを与えるに過ぎない(周波数位置誤差が補償されない、ここで検討される場合に関して)。
より厳密に評価するために、さらなる解析を実施する必要がある。補償されない周波数位置誤差ΔfE(k,m)は主に、各距離ゲートj=0,…,99および角アンテナ組み合わせm=0,1,…,7において周波数ランプk=0,1,…,K-1にわたって存在する入力値e(j,k,m)について演算される、2次DFT(相対速度用)に影響を与える。目標点について、距離ゲートjにおいて、相対速度v相対は:
目標点について、消失する相対速度(つまりv相対=0)を用いて、2次DFTの入力信号は
図11の周波数位置誤差ΔfE(k,m)について、図12aにはDFT後に生じる速度スペクトルv(99,l,0)が数値で示され(実線、対数グラフ、つまりdBあたり)、ここで指数lは相対速度ゲートを示す。比較のため、図12aは、所望の周波数プロファイルにおいて目標点について同一振幅、同一距離および同一v相対=0において生じる(破線、窓関数w(k)によるDFT)速度スペクトルも示す。周波数位置の実際のプロファイルの湾曲により、小さい偏移に加えて目標点に関する出力ピークがl=0の周りで拡大することにより、例えば、大きい目標点の周辺のより小さい目標点がもはや検出不可能になる(それらが同一の距離と略同一の角度を有している場合に限られるのは、そうでなければそれらはこれらの尺度により分離可能だからである)。出力が「ぼやけて」幅広の出力ピークになることで、レベルも低減される結果、検出感度が低下し、これにより、さらに距離のある、より小さいオブジェクトが一般にもはや検出できなくなる。周波数位置の周期的な外乱により、さらなるより小さな出力ピークがl=11およびl=243で発生し、これが特に決定的であるのは、これにより同一の距離の実際のオブジェクトが、別の相対速度を有するゴーストオブジェクトを生成する可能性があり、それによって、(ゴーストオブジェクトが緩やかな速度を有しているようにみえるときに)強い制動が発生する可能性があるからである。
周波数位置の品質を評価するために、実際の周波数位置に関して算出された速度スペクトルv(99,l,0)を例えば数値により限界曲線で検討でき、または、実際の周波数位置と所望の周波数位置との速度スペクトルの差の値を限界曲線で検討してもよい。図12bでは、上記例の速度スペクトルの差の値が示され、ここで速度スペクトルが所望の周波数位置の速度スペクトルの最大値を用いて正規化されてdB単位で示され、所望の周波数位置の速度スペクトルの最大値を用いた正規化により、相対的な差の値についても扱うことになる。限界曲線での検討はバイナリの品質基準を示し(つまり良好または不良という2つの結果位置を用いる)、または、例えば、実際の周波数位置と所望の周波数位置との速度スペクトルの最大相対差の値など、アナログの品質基準が定義されてもよい。
図11および図12の例では、周波数位置の周期的な誤差によりさらなるより小さい出力ピークが実際のオブジェクトの周りで出現し、これが実際のオブジェクトと同一の距離にあるゴーストオブジェクトを生じさせる可能性がある。そのような外乱の線がどれだけ高いかまたは高い可能性があるか、実際の周波数位置の解析から知られる場合、外乱の線が誤った周波数位置により、同一距離の別の検出に基づいて出現したのか、または出現した可能性があるのかどうかを各検出について検査してよく、この検出をここでは必要に応じてすべて除去するか、または潜在的な仮検出として特徴付けてよい。
以上の検討においては、実際の送信信号中の周波数位置が監視された(つまりその関連する受信信号を周辺認識のために評価される送信信号について)。分周された発振器信号のデジタル化のためのさらなるA/D変換回路を節減するために、このために、受信信号を標本化するために用いられるA/D変換回路を用いてもよい。しかし、この場合、周波数位置の監視は周辺認識と並行してはできず、つまり周波数位置の監視のみのために同一の周波数プロファイルを有するさらなる連続する送信信号を導入することになり、この場合、周波数位置の監視と周辺認識は、2つの互いに連続するブロックで配置されるか、好ましくは互いにネスティングにより配置されるかのどちらかである、異なる周波数ランプでなされることになる。周波数位置の監視のために用いられるランプにおいて、送信出力をオフにしてもよい(出力を節約するためであり、これが周波数位置の誤差に影響を与えない限りにおいてである)。
以上、周波数が低減された発振器信号をデジタル化するために、A/D変換回路が用いられる場合が検討されたが、その代わりに図1の回路ブロック1.12にカウンタを用いてよい。この場合、発振器信号は回路ブロック1.11でなおファクタT=4のみで分周される結果、中心周波数がfT=6.04GHzに位置する。カウンタは分周された矩形信号の各ポジティブエッジにおいてその値を1だけインクリメントし、分周された信号の周期数もカウントする。カウンタは各周波数ランプの開始時に新規初期化されるのではなく、周波数ランプ間においてもたんに続けてさらにカウントし、つまりインターバルでの初期化を必要としないフリーランカウンタであってよい。
8個のアンテナの組み合わせ(m=0,1,…,7)ごとのそれぞれ8μs持続するK=256個の周波数ランプ(k=0,1,…,K-1)の場合、カウンタは2つのそれぞれ同じ時点で読み出され、例えばランプ開始後t1=1.6μsおよびt2=8μsで読み出され(したがって受信信号の標本化時間の開始時と終了時)、読み出された両カウンタ値はz1(k,m)およびz2(k,m)と呼ばれる。そして、それぞれ両カウンタ値の差Δz(k,m)を形成する(そのため、絶対的なカウンタ状態は関係がなく、つまりランプ開始時の新規初期化が必要とされない):
Δz(k,m)=z2(k,m)-z1(k,m).
Δz(k,m)=z2(k,m)-z1(k,m).
カウンタの差はファクタT=4で分周された信号について時間間隔[t1,t2]の周期数を示し、発振器信号はこの期間に、この場合、ファクタT=4多い周期を有する。平均周波数は時間間隔の長さで除算される周期数に基づいて算出される:
fM(k,m)=4・Δz(k,m)/(t2-t1).
fM(k,m)=4・Δz(k,m)/(t2-t1).
周波数位置の誤差はこの測定により決定される中心周波数とその所望値の偏差として得られる。カウンタの最大測定誤差は分周された信号に関する周期であり、この場合、発振器の周波数位置に関してこれは4/(t2-t1)=625kHzの最大誤差を意味する。測定誤差を減少させるために、異なる周波数ランプに位置する2つの時点のカウンタ値をまた再び比較してよい(測定誤差は両読み出し時点の間隔に反比例する)。一般に、A/D変換回路を用いたデジタル化について詳細に上記した方法をここでも同様に転用できる。
なお、実際のカウンタはその長さ、つまりその最大カウントが限定されており、これによりオーバーランが発生する場合があり、つまりカウンタが最大カウントに達する場合、カウンタは次のカウントするエッジとともに再び0に戻る。これは剰余演算に対応し、カウンタの評価、つまり除算を剰余演算においても実施する場合、2つの両時点t1およびt2間のカウントする周期数がカウンタ長さ(つまり最大カウント)を超過しない限り、オーバーランによって結果に歪みがでることはなく、時間差t2-t1=6.4μsのとき、このためには16bitのカウンタで十分である。カウンタがより短い場合、中心周波数を一義的に測定することはもはや不可能である。しかし、既知の所望値および/または周波数ランプの変化との偏差のみを測定する場合、MHz領域の一義性で十分であり、160MHzの一義性領域においては8bitのカウンタで十分である。
上記導出から明らかなように、分周比Tが上昇すると測定の厳密性は低下する。他方で、周波数がより小さく分周されるほどカウンタは速くなるが、速いカウンタは回路技術の点では実装するのに高コストであり、大きな電力消費を必要とする。周波数混合がこの問題を回避できるのは、測定の厳密性に影響を与えないからであるが、24GHz領域に第2信号を生成するのは高コストである。したがって、分周と混合の組み合わせも実装できる。このために、例えば発振器信号がまずファクタ4で約6.04GHzの領域で分周され、そして5.8GHzの固定周波数で混合されてよく、その結果、カウンタはさらに略200MHzの領域で動作する必要があるのみである。
分周比Tを減少させるさらなる方法は、分周された信号のポジティブエッジそしてまたネガティブエッジをカウントするカウンタである。
最後に、上で述べた周波数が低減された発振器信号のデジタル化の両方法の有利な点または不利な点を手短に記載する。A/D変換回路はカウンタの方法と比較して、原則として周波数または位相をより厳密に測定できるため(入力信号が同一周波数である場合)、より大きな分周比を用いて動作できるという有利な点を有する。しかしこのために、A/D変換回路は一般にカウンタよりも実現するのに高コストであり(入力信号が同一周波数である場合)、A/D変換回路の評価はカウンタ値の評価よりも高コストである。
なお、上記例に基づいて示された本発明の考察および実施形態は一般的な測定およびパラメータ構成に転用でき、言い換えると、他の数値でも適用可能である。このように、本発明の方法は例えば77GHz領域のレーダにも適用可能である。
Claims (14)
- 車両の周辺を認識し、運転支援用および/または自律走行操作用の機能を実現するレーダシステム用の方法において、
‐制御可能または調整可能な発振器を用いて周波数変調を行うステップと、
‐連続するK0(K0>1)個の送信周波数が変調された送信信号を生成するステップであって、前記送信信号はそれぞれ、必要に応じて周波数位置の変動、つまり特に開始周波数にしたがって同等の中心周波数の変動を除いた、同一の所望の周波数プロファイルを有するステップと、
‐送信手段を用いて送信信号を放射するステップと、
‐受信手段を用いてオブジェクトにおいて反射した送信信号を受信するステップと、
‐前記送信信号の周波数位置を解析するステップと、
‐信号処理手段を用いて前記受信信号を特にオブジェクトを検出するために評価するステップと、を備え、
前記K0個の送信信号にわたって生じる、周波数位置の実際のプロファイル、つまり特に前記送信信号の開始周波数、中心周波数もしくは平均周波数の実際のプロファイル、またはその例えば周波数不安定性もしくは周波数ドリフトの影響を受けた、前記所望のプロファイルとの偏差が絶対的または相対的に算出されるのであって、
‐送信信号ごとに、それぞれ前記送信信号の周波数プロファイルの情報を含み、好ましくはそれぞれアナログ信号の標本化またはフリーランカウンタの読み出しにより所定の時点で生成されていて、離散時間信号が用いられ、
‐前記K0個の送信信号の前記離散時間信号がその位相および/またはその初期値の位置に関して正規化されていなく、
‐前記離散時間信号の評価中、明示的に正規化が実施されるか、または暗黙的にその位相および/またはその初期値の前記位置の影響が除去され、
このようにして算出された実際のプロファイルおよび/またはこのようにして算出された、周波数位置の前記所望のプロファイルとの実際のプロファイルの偏差および/またはそれに基づいて導出された品質基準の偏差に応じて、前記発振器の制御の補正ならびに/または前記受信信号の評価の補正ならびに/または運転支援用および/または自律走行操作用の前記機能の調整が実施され、又は当該補正及び/又は当該調整の停止が実施されることを特徴とする、レーダシステム用の方法。 - ‐解析のために、前記送信信号に対してファクタがT>1の分周および/または周波数の混合により低減される信号が用いられ、
‐前記送信信号に関して生成する前記低周波信号が必要に応じてフィルタ処理後に標本化され、
‐前記送信信号に関して生成する前記被標本化信号に基づいて、必要に応じてさらなるフィルタ処理後に、それぞれ1つまたは複数の期間において送信信号ごとに、複素数値が、特に
‐前記期間それぞれの標本値が、そこでの前記送信信号の前記所望の周波数プロファイルに基づいて生成される、少なくとも略予想される位相前進だけ補正され、
‐前記位相被補正標本値が期間ごとに累積される、
ことにより決定されるのであって、
‐前記K0個の送信信号の前記1つまたは複数の期間が好ましくは少なくとも略同一の位置を有し、
‐前記K0個の送信信号の周波数位置の実際のプロファイル、またはこのようにして決定された複素数値を用いて前記所望のプロファイルとの偏差が、特に前記値の位相位置に基づいて特徴づけられ、これにより前記値は以下において位相特性とも称されることを特徴とする、請求項1に記載のレーダシステム用の方法。 - 前記被標本化信号は実数値であり、前記検討期間において少なくとも略その解析信号に、つまり正または負の周波数成分のみを有する複素数値信号に変換されるのであって、さらに、好ましくは、前記周波数被変調信号期間の中心周波数それぞれの略負または正の零点を有する1次のヒルベルトフィルタが用いられる、請求項2に記載のレーダシステム用の方法。
- ヒルベルトフィルタ処理と前記位相被補正標本値の累積が前記期間のそれぞれに関して、前記標本値と好ましくは予め算出されるパラメータベクトルとの内積により実現される、請求項3に記載のレーダシステム用の方法。
- ‐位相特性ペアに関してそれぞれその位相差が構成されるのであって、各前記ペアの前記2つの値がそれぞれ前記送信信号に関して同種の位置の期間に属し、少なくとも略前記両期間間それぞれに同一の時間間隔と同一の周波数プロファイルが位置し、
‐前記位相差または前記送信信号にわたるその変化に基づいて周波数位置のプロファイルが絶対的または相対的に決定される、請求項2~4のいずれか1項に記載のレーダシステム用の方法。 - 前記位相特性ペアがそれぞれ前記同一送信信号に基づいて構成されるのであって、好ましくは第1値が前記送信信号の前方領域の期間に基づいて、第2値が前記送信信号の後方領域の期間に基づいて構成される、請求項5に記載のレーダシステム用の方法。
- 前記位相特性ペアがそれぞれ、異なる送信信号に基づいて、例えば連続する送信信号に基づいて構成されるのであって、両値が前記送信信号に関して同種の位置の期間に属する、請求項5に記載のレーダシステム用の方法。
- ‐前記被放射送信信号の周波数が線形変調され、
‐オブジェクトにおける前記送信信号の反射による前記受信信号が、その周波数が現在の送信周波数に対応するかまたはそれと一定のファクタだけ異なる信号との混合により低周波領域に伝送され、
‐前記低周波受信信号が等距離ラスタにおいてNA回標本化され、
‐前記NA個の標本値に関してそれぞれ第1スペクトル解析が特に離散フーリエ変換の形態で構成され、これにより特にオブジェクトの距離測定と、複数のオブジェクトの同時認識の分離を実現することができ、
‐前記第1スペクトル解析の、当該距離に対応する周波数格子点においてそれぞれ第2スペクトル解析が特に離散フーリエ変換を用いて実施され、前記周波数格子点は前記周波数格子点それぞれにおいて前記K0個の送信信号中に生じる値のすべてまたは部分集合にわたって存在し、これにより特にオブジェクトの相対速度測定と、複数のオブジェクトの同時認識の分離を実現することができる、請求項1~7のいずれか1項に記載のレーダシステム用の方法。 - ‐前記K0個の送信信号にわたる、決定された実際の周波数位置に基づいて距離rで相対速度0の目標点の前記第2スペクトル解析の予想スペクトルが決定され、
‐その結果得られるスペクトルまたはその値が直接品質基準を導出するために用いられ、そして/または、
‐距離rで相対速度0の目標点の、前記所望の周波数位置における予想スペクトルとのスペクトルの偏差に基づいて品質基準が導出されるのであって、両前記スペクトル解析には同じ窓関数が用いられ、その結果得られるスペクトルが比較のために同一のレベルに関連付けられる、請求項1および8に記載のレーダシステム用の方法。 - 品質基準に基づいて、前記所望の周波数位置との前記K0個の送信信号にわたる実際の周波数位置の偏差による検出が他の被検出オブジェクトに基づいて発生したかどうかが導出され、その場合前記検出が必要に応じてすべて除去されるか、または潜在的な仮検出として特徴づけられる、請求項9に記載のレーダシステム用の方法。
- 周波数位置の前記所望のプロファイルと実際のプロファイルとの差分に関して回帰が実施され、補正関数のパラメータおよび/または偏差、特に実際のプロファイルと補正関数との間の標準偏差が品質基準として用いられる、請求項1~10のいずれか1項に記載のレーダシステム用の方法。
- 周波数位置の前記所望のプロファイルに対する実際のプロファイルの偏差が、直接または第1および第2スペクトル解析間複素単位ベクトルを用いた乗算による回帰の実施後に、補正されるのであって、前記複素単位ベクトルの位相は前記偏差に比例し、前記第1スペクトル解析の、当該距離に対応する前記周波数格子点それぞれの周波数に比例する、請求項8に記載のレーダシステム用の方法。
- 前記送信信号の中心周波数、または所望の中心周波数とのその偏差が決定され、オブジェクトの相対速度および/または角位置を算出するために用いられる、請求項1~12のいずれか1項に記載のレーダシステム用の方法。
- 請求項1~13のいずれか1項に記載の方法を実施するように構成されるレーダシステム。
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