JPWO2018186103A1 - レンズユニット - Google Patents

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Abstract

レンズユニットは、無機繊維を含有する樹脂材料から成る筒状の鏡筒と、鏡筒内に光軸方向に並んで収容された複数のレンズを含み、少なくとも1枚のレンズが樹脂材料から成る収容部品と、を有し、鏡筒の光軸方向における熱膨張量は、収容部品の光軸方向における熱膨張量の総和と等しく、又は、鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張量は、樹脂材料から成るレンズの光軸方向に垂直な方向における熱膨張量と等しくされている。

Description

本開示は、レンズユニットに関する。
近年、低コスト化や成形性などの観点から、レンズユニットの鏡筒又はレンズを樹脂材料で構成することが試みられている。例えば、特開2016−184081号公報には、ガラス繊維(無機繊維)で強化された樹脂材料で構成された鏡筒を有するレンズユニットが開示されている。
しかしながら、樹脂材料から成る鏡筒は、一般的にアルミ等の金属から成る鏡筒と比較して熱膨張係数が大きく、特に鏡筒が無機繊維を含有する樹脂材料から成る場合には、成形時の樹脂材料が流れる方向とそれに直交する方向とで熱膨張係数に異方性が生じる。このため、外部温度の上昇によって鏡筒及び鏡筒内に収容されたレンズ等の収容部品が熱膨張した際に、例えば鏡筒の熱膨張量が収容部品の熱膨張量より大きい場合には、レンズ間の間隔が広がることによりレンズの位置がずれる虞がある。
一方、例えば収容部品の熱膨張量が鏡筒の熱膨張量より大きい場合には、レンズに圧縮応力が生じることでレンズが塑性変形し易く、外部温度が室温に戻った際にレンズ間に間隔が空くことでレンズの位置がずれる虞がある。特に、収容部品であるレンズが樹脂材料から成る場合、鏡筒とレンズとの熱膨張量差により、レンズの熱膨張が鏡筒によって拘束されることでレンズに圧縮応力が生じ易い。
本開示は、上記事実を考慮して、外部温度の上昇時にレンズに圧縮応力が生じることを抑制することができるレンズユニットを提供することを目的とする。
本開示の第1態様に係るレンズユニットは、無機繊維を含有する樹脂材料から成る筒状の鏡筒と、鏡筒内に光軸方向に並んで収容された複数のレンズを含み、少なくとも1枚のレンズが樹脂材料から成る収容部品と、を有し、鏡筒の光軸方向における熱膨張量は、収容部品の光軸方向における熱膨張量の総和と等しくされている。
特に鏡筒が無機繊維を含有する樹脂材料から成る場合、鏡筒の熱膨張係数に異方性が生じるため、収容部品であるレンズの位置がずれたり、レンズの熱膨張が鏡筒によって拘束されることでレンズに圧縮応力が生じたりし易い。
ここで、上記構成によれば、鏡筒の光軸方向における熱膨張量を収容部品の光軸方向における熱膨張量の総和と等しくすることで、レンズ間に間隔が空いたり、レンズに圧縮応力が生じたりすることを抑制することができる。なお、「光軸方向における熱膨張量が等しくされている」とは、熱膨張量差が±15μm以内とされていることをいう。また、熱膨張量は、部材の長さに部材の熱膨張係数を乗じることによって算出される。
本開示の第2態様に係るレンズユニットは、無機繊維を含有する樹脂材料から成る筒状の鏡筒と、鏡筒内に光軸方向に並んで収容された複数のレンズを含み、少なくとも1枚のレンズが樹脂材料から成る収容部品と、を有し、鏡筒の光軸方向における熱膨張量は、収容部品の光軸方向における熱膨張量の総和と等しく、かつ、鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張量は、樹脂材料から成るレンズの光軸方向に垂直な方向における熱膨張量と等しくされている。
上記構成によれば、鏡筒の光軸方向における熱膨張量が、収容部品の光軸方向における熱膨張量の総和と等しくされ、鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張量が、樹脂材料から成るレンズの光軸方向に垂直な方向における熱膨張量と等しくされている。このため、光軸方向の熱膨張量及び光軸に垂直な方向の熱膨張量のどちらか一方のみを等しくする構成と比較して、レンズのずれをより抑制することができ、レンズに圧縮応力が生じることをより抑制することができる。
本開示の第3態様に係るレンズユニットは、第1態様又は第2態様に係るレンズユニットにおいて、収容部品の光軸方向における熱膨張量の総和から鏡筒の光軸方向における熱膨張量を差し引いた熱膨張量差は、0μm以上10μm以下とされている。
上記構成によれば、収容部品の光軸方向における熱膨張量の総和から鏡筒の光軸方向における熱膨張量を差し引いた熱膨張量差が、0μm以上10μm以下とされている。このため、熱膨張量差が0μmより小さい場合と比較してレンズの位置ずれを抑制することができ、熱膨張量差が10μmより大きい場合と比較してレンズに圧縮応力が生じることを抑制することができる。
本開示の第4態様に係るレンズユニットは、無機繊維を含有する樹脂材料から成る筒状の鏡筒と、鏡筒内に光軸方向に並んで収容された複数のレンズを含み、少なくとも1枚のレンズが樹脂材料から成る収容部品と、を有し、鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張量は、樹脂材料から成るレンズの光軸方向に垂直な方向における熱膨張量と等しくされている。
上記構成によれば、鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張量を樹脂材料から成るレンズの光軸方向に垂直な方向における熱膨張量と等しくすることで、レンズ同士の軸がずれたり、レンズに圧縮応力が生じたりすることを抑制することができる。なお、「光軸方向に垂直な方向における熱膨張量が等しくされている」とは、熱膨張量差が±10μm以内とされていることを言う。
本開示の第5態様に係るレンズユニットは、第4態様に係るレンズユニットにおいて、樹脂材料から成るレンズの光軸方向に垂直な方向における熱膨張量から鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張量を差し引いた熱膨張量差は、0μm以上10μm以下とされている。
上記構成によれば、樹脂材料から成るレンズの光軸方向に垂直な方向における熱膨張量から鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張量を差し引いた熱膨張量差が、0μm以上10μm以下とされている。このため、熱膨張量差が0μmより小さい場合と比較してレンズ同士の軸がずれることを抑制することができ、熱膨張量差が10μmより大きい場合と比較してレンズに圧縮応力が生じることを抑制することができる。
本開示の第6態様に係るレンズユニットは、第1態様〜第3態様のいずれか1つの態様に係るレンズユニットにおいて、収容部品は、ガラス材料から成るレンズを有している。
一般的に、ガラス材料から成るレンズは樹脂材料から成るレンズ及び鏡筒と比較して熱膨張係数が小さい。ここで、上記構成によれば、収容部品がガラス材料から成るレンズを有しているため、ガラス材料から成るレンズによって収容部品の光軸方向の熱膨張量の総和を調整することができる。
本開示の第7態様に係るレンズユニットは、第6態様に係るレンズユニットにおいて、鏡筒の光軸方向における熱膨張係数は、樹脂材料から成るレンズの光軸方向における熱膨張係数より小さく、かつガラス材料から成るレンズの光軸方向における熱膨張係数より大きい。
上記構成によれば、鏡筒の光軸方向における熱膨張係数が樹脂材料から成るレンズの光軸方向における熱膨張係数より小さく、ガラス材料から成るレンズの光軸方向における熱膨張係数より大きい。このため、ガラス材料から成るレンズと樹脂材料から成るレンズとで、鏡筒の熱膨張量に対する収容部品の光軸方向の熱膨張量の総和を調整することができる。
本開示の第8態様に係るレンズユニットは、第1態様〜第3態様、第6態様、第7態様のいずれか1つの態様に係るレンズユニットにおいて、収容部品は、無機繊維を含有する樹脂材料から成り、かつ複数のレンズ間の間隔を規定する間隔環を有している。
上記構成によれば、無機繊維を含有する樹脂材料から成る間隔環がレンズ間に設けられている。このため、間隔環の熱膨張量を調整することで、収容部品の光軸方向の熱膨張量の総和を調整することができる。
本開示の第9態様に係るレンズユニットは、第8態様に係るレンズユニットにおいて、レンズ又は間隔環は、光軸方向に垂直な方向に延びる平坦面を有しており、レンズと間隔環、又はレンズ同士は、平坦面で互いに接触している。
上記構成によれば、レンズと間隔環、又はレンズ同士が光軸垂直方向に延びる平坦面で互いに面接触している。このため、レンズと間隔環、又はレンズ同士が互いに点接触している構成と比較して、レンズ又は間隔環の熱膨張時にレンズ又は間隔環の一点に応力が集中ことを抑制することができ、レンズ又は間隔環が光軸に対して傾くことを抑制することができる。
本開示の第10態様に係るレンズユニットは、第1態様〜第9態様のいずれか1つの態様に係るレンズユニットにおいて、鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張係数は、鏡筒の光軸方向における熱膨張係数より大きい。
上記構成によれば、鏡筒の光軸垂直方向の熱膨張係数が光軸方向の熱膨張係数より大きいため、鏡筒の光軸方向の熱膨張を抑制しつつ、光軸垂直方向の熱膨張を許容することができる。
本開示の第11態様に係るレンズユニットは、第1態様〜第10態様のいずれか1つの態様に係るレンズユニットにおいて、鏡筒の熱膨張係数は、含有されている無機繊維の量又は無機繊維の配向を変えることで調整される。
上記構成によれば、含有されている無機繊維の量又は無機繊維の方向を調整することで、鏡筒の熱膨張量を収容部品の熱膨張量に合わせることができる。
本開示の第12態様に係るレンズユニットは、第1態様〜第10態様のいずれか1つの態様に係るレンズユニットであって、鏡筒は、少なくとも二種以上の樹脂材料から成る。
無機繊維の含有量を調整することで鏡筒の熱膨張係数を調整する場合には調整範囲に限界があり、無機繊維の配向を調整することで鏡筒の熱膨張係数を調整する場合にはゲートの位置を調整する等、手間がかかる。ここで、上記構成によれば、鏡筒が二種以上の樹脂材料から成るため、熱膨張係数の異なる複数の種類の樹脂材料を混合させることで鏡筒の熱膨張係数を調整することができる。このため、無機繊維の含有量や無機繊維の配向を調整する場合と比較して、熱膨張係数を容易に調整することができる。
本開示の第13態様に係るレンズユニットは、第1態様〜第12態様のいずれか1つの態様に係るレンズユニットであって、車載用カメラ又は監視用カメラに搭載される。
本開示のレンズユニットは、車内に設置される車載用カメラや屋外に設置される監視用カメラ等の、高温に晒される可能性があり結像性能の維持が難しい環境下で用いられるカメラに搭載されるレンズユニットとして特に有用である。
本開示によれば、外部温度の上昇時にレンズに圧縮応力が生じることを抑制することができる。
実施形態の一例に係るレンズユニットの全体構成を示す分解断面図である。 実施形態の一例に係るレンズユニットの熱膨張前の状態を示す断面図である。 実施形態の一例に係るレンズユニットの熱膨張後の状態を示す断面図である。
以下、本開示に係るレンズユニットの実施形態の一例について、図1、図2A及び図2Bを用いて説明する。なお、図中において、Z方向は光軸に水平な方向、すなわち光軸方向を指し、Y方向は光軸に垂直な方向、すなわち光軸垂直方向あるいは径方向を指す。
本実施形態におけるレンズユニット10は、例えば屋外に設置される監視用カメラや車両の内部に設置される車載用カメラ等の、高温に晒される可能性があり結像性能の維持が難しい環境下で用いられるカメラに搭載される。図1に示すように、レンズユニット10は、鏡筒12と、鏡筒12内に収容された収容部品14と、鏡筒12に固定された撮像モジュール16と、を備えている。
<鏡筒の構成>
鏡筒12は、一例として、光軸方向(Z方向)を中心軸方向とする円筒であり、無機繊維を含有する樹脂材料(以下、「無機含有樹脂」という。)を射出成形することにより構成されている。無機繊維としては、例えばガラス繊維や炭素繊維、無機フィラー等が挙げられ、無機繊維によって鏡筒12の強度が高められている。
本実施形態の鏡筒12において、無機繊維の配向は光軸方向と略同一とされている。一般的に樹脂材料は、無機繊維の繊維方向に垂直な方向と比較して繊維方向に水平な方向は膨張し難い。このため、鏡筒12は、光軸垂直方向における熱膨張係数が光軸方向における熱膨張係数より大きくなっている。
なお、例えば鏡筒12の成形時に、樹脂射出用のゲートを撮像モジュール16側(光軸方向他端側)に形成し、樹脂材料を光軸方向に沿って流すことにより、無機繊維を光軸方向に配向させることができる。具体的には、例えば鏡筒12の光軸方向における熱膨張係数は10ppm〜30ppm程度とされ、光軸垂直方向における熱膨張係数は50ppm〜60ppm程度とされている。
鏡筒12を構成する樹脂材料として、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリロニトリルブダジエンスチレン、ポリオレフィン、及び各々の変性ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種、又は当該群から選択される少なくとも一種を含むポリマーアロイなどを用いることができる。
なお、鏡筒12は、上記の樹脂材料のうち、熱膨張係数の異なる少なくとも二種以上の樹脂材料で構成されていることがより好ましい。混ぜ合わされた二種以上の樹脂材料で鏡筒12を構成することにより、鏡筒12の熱膨張係数を調整することができる。
さらに、鏡筒12は、高い遮光性及び光吸収性が要求されるため、使用する樹脂材料は黒色であることが好ましく、上記の樹脂材料は黒色顔料又は黒色染料を含むことが好ましい。黒色顔料又は黒色染料を含む樹脂材料により鏡筒12を構成することにより、鏡筒12の内周面12Aを黒色とすることができ、鏡筒12の内周面12Aにおける可視光の反射をより有効に抑制することができる。
鏡筒12は、光の入射側である光軸方向一端側(図1における左端側)に開口部18Aを有する筒部18と、筒部18の光の出射側である光軸方向他端側(図1における右端側)を覆う底壁部20とを有している。
鏡筒12の筒部18の開口部18Aの周縁部分には、熱カシメにより鏡筒12の径方向内側に向けて屈曲されるカシメ部18Bが形成されており、熱カシメ後の状態において、開口部18Aは光軸方向から見て円形状とされている。一方、鏡筒の底壁部20には、開口部18Aよりも内径が小さい開口部20Aが光軸方向に貫通形成されている。
鏡筒12の内周面12Aは、光軸方向から見て円形状とされており、鏡筒12の光軸方向一端側から光軸方向他端側へ向かって内径が段階的に小さくなっている。また、鏡筒12内の開口部18Aから開口部20Aまでの間には、収容部品14を収容する収容部22が形成されている。
<収容部品の構成>
図1に示すように、収容部品14は、一例として、鏡筒12の収容部22内に光軸方向一端側から順に配置された第1レンズ24、第2レンズ26、第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32を備えている(以下、第1レンズ24〜第5レンズ32をまとめて「レンズ24、26、28、30、32」と呼ぶことがある。)。
また、鏡筒12の収容部22内における第1レンズ24と第2レンズ26、第2レンズ26と第3レンズ28、第4レンズ30と第5レンズ32の間には、それぞれ間隔環34、36、38が設けられている。
第1レンズ24及び第2レンズ26は、一例として、ガラス材料から成り、光軸方向から見てそれぞれ円形状とされている。なお、ガラス材料から成る第1レンズ24及び第2レンズ26の光軸方向における熱膨張係数と光軸垂直方向における熱膨張係数は一様とされており、第1レンズ24及び第2レンズ26の熱膨張係数は、鏡筒12の光軸方向における熱膨張係数より小さくなっている。具体的には、例えば第1レンズ24及び第2レンズ26の熱膨張係数は7ppm程度とされている。
第1レンズ24は、一例として、光軸方向一端面が凸面、光軸方向他端面が平坦面24Cとされた平凸レンズとされており、外周面には第1レンズ24の径方向内側に窪んだ段差部24Aが形成されている。なお、図2A、図2Bに示すように、段差部24Aには、全周にわたってゴム製のシール材40が嵌められている。
図1に示すように、第2レンズ26は、レンズ部26Aと、レンズ部26Aから径方向外側に張り出された周縁部26Bとを備えている。なお、第2レンズ26のレンズ部26Aは、一例として、光軸方向両端面がともに非球面の凸面とされた非球面凸レンズとされている。また、第2レンズ26の周縁部26Bの光軸方向における両端面は、それぞれ光軸方向に垂直な方向に延びる平坦面26Cとされている。
第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32は、一例として、樹脂材料から成り、光軸方向から見てそれぞれ円形状とされている。なお、樹脂材料から成る第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32の光軸方向における熱膨張係数と光軸垂直方向における熱膨張係数は一様とされており、第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32の熱膨張係数は、鏡筒12の光軸方向における熱膨張係数より大きくなっている。具体的には、例えば第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32の熱膨張係数は70ppm程度とされている。
また、第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32は、レンズ部28A、30A、32Aと、レンズ部28A、30A、32Aから径方向外側に張り出された周縁部28B、30B、32Bと、をそれぞれ備えている。
第3レンズ28のレンズ部28A、及び第5レンズ32のレンズ部32Aは、一例として、光軸方向一端面が凸面、光軸方向他端面が水平面とされた平凸レンズとされている。第4レンズ30のレンズ部30Aは、一例として、光軸方向両端面が凸面とされた両凸レンズとされている。
また、第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32の周縁部28B、30B、32Bの光軸方向における両端面は、それぞれ光軸方向に垂直な方向に延びる平坦面28C、30C、32Cとされており、第3レンズ28と第4レンズ30は平坦面28C、30Cで互いに当接している。
間隔環34、36、38は、光軸方向から見て環状の部材であり、一例として無機含有樹脂から成る。間隔環34、36、38を構成する樹脂材料及び無機繊維は、鏡筒12を構成する樹脂材料及び無機繊維と同じ材料を用いてもよく、また、異なる材料を用いてもよい。
具体的には、鏡筒12と同様に、間隔環34、36、38を構成する樹脂材料として、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリロニトリルブダジエンスチレン、ポリオレフィン、及び各々の変性ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種、又は当該群から選択される少なくとも一種を含むポリマーアロイ等を用いることができる。
なお、間隔環34、36、38は、アルミ等の金属材料で構成されていてもよく、この場合、間隔環34、36、38の熱膨張係数は、例えば23ppm程度とされる。また、間隔環34、36、38のうち、1つ又は2つを無機含有樹脂で構成し、その他を金属材料で構成してもよい。
間隔環34、36、38の光軸方向両端面は、それぞれ光軸方向に垂直な方向に延びる平坦面34A、36A、38Aとされている。これにより、間隔環34の平坦面34Aが第1レンズ24の平坦面24C及び第2レンズ26の平坦面26Cにそれぞれ当接することで、光軸方向における第1レンズ24と第2レンズ26との間隔を規定している。
同様に、間隔環36の平坦面36Aが第2レンズ26の平坦面26C及び第3レンズ28の平坦面28Cにそれぞれ当接することで、光軸方向における第2レンズ26と第3レンズ28との間隔を規定している。また、間隔環38の平坦面38Aが第4レンズ30の平坦面30C及び第5レンズ32の平坦面32Cにそれぞれ当接することで、光軸方向における第4レンズ30と第5レンズ32との間隔を規定している。
ここで、収容部品14の光軸方向における熱膨張量の総和は、鏡筒12の光軸方向における熱膨張量と等しくされている。また、収容部品14のうち、光軸垂直方向における熱膨張量が最も大きい樹脂材料から成る第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32の熱膨張量は、鏡筒12の光軸垂直方向における熱膨張量と等しくされている。
具体的には、図2Aに示すように、レンズユニット10の外部温度が室温(一例として40℃)時の鏡筒12の収容部22の光軸方向における長さをP1、収容部22(鏡筒12の最小内径部分)の光軸垂直方向における幅をQ1とする。また、収容部品14の光軸方向における長さの総和、すなわち第1レンズ24、第2レンズ26、第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32、及び間隔環34、36、38の光軸方向における長さR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8の総和をS1、第5レンズ32の光軸垂直方向における幅をT1とする。
一方、図2Bに示すように、レンズユニット10の外部温度が高温(一例として125℃)時の鏡筒12の収容部22の光軸方向における長さをP2、収容部22(鏡筒12の最小内径部分)の光軸垂直方向における幅をQ2とする。また、収容部品14の光軸方向における長さの総和をS2、第5レンズ32の光軸垂直方向における幅をT2とする。
このとき、収容部品14の光軸方向における熱膨張量の総和、すなわち高温時と室温時の収容部品14の光軸方向における長さの差S2−S1は、鏡筒12の光軸方向における熱膨張量、すなわち高温時と室温時の鏡筒12の光軸方向における長さの差P2−P1と等しくされている。
本実施形態において、「光軸方向における熱膨張量が等しくされている」とは、収容部品14の光軸方向における熱膨張量の総和S2−S1から鏡筒12の光軸方向における熱膨張量P2−P1を差し引いた熱膨張量差(S2−S1)−(P2−P1)が、±15μm以内とされていることを言う。
光軸方向における熱膨張量差が±15μm以内とされていることで、レンズユニット10の解像度を高めることができ、ミドルエンドモデルに対応可能な解像度を有するレンズユニット10とすることができる。ここで、「ミドルエンドモデル」とは、画素数が1.3M程度以上の性能を有しているものを指す。
なお、収容部品14の光軸方向における熱膨張量の総和S2−S1から鏡筒12の光軸方向における熱膨張量P2−P1を差し引いた熱膨張量差(S2−S1)−(P2−P1)は、0μm以上10μm以下とされていることがより好ましい。光軸方向における熱膨張量差を0μm以上10μm以下とすることで、熱膨張量差が0μmより小さい場合と比較して鏡筒12内でのレンズ24、26、28、30、32の位置ずれを抑制することができる。
また、熱膨張量差が10μmより大きい場合と比較してレンズ24、26、28、30、32に圧縮応力が生じることを抑制することができる。これにより、レンズユニット10の解像度を高めることができ、ハイエンドモデルに対応可能な解像度を有するレンズユニット10とすることができる。ここで、「ハイエンドモデル」とは、画素数が2.0M程度以上の性能を有しているものを指す。
また、第5レンズ32(及び第3レンズ28、第4レンズ30)の光軸垂直方向における熱膨張量、すなわち高温時と室温時の第5レンズ32(及び第3レンズ28、第4レンズ30)の光軸垂直方向における幅の差T2−T1は、鏡筒12の光軸垂直方向における熱膨張量、すなわち高温時と室温時の鏡筒12の光軸垂直方向における幅の差Q2−Q1と等しくされている。
本実施形態において、「光軸垂直方向における熱膨張量が等しくされている」とは、樹脂材料から成るレンズ、すなわち第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32の光軸垂直方向における熱膨張量T2−T1から鏡筒12の光軸垂直方向における熱膨張量Q2−Q1を差し引いた熱膨張量差(T2−T1)−(Q2−Q1)が、±10μm以内とされていることを言う。
光軸垂直方向における熱膨張量差が±10μm以内とされていることで、レンズユニット10の解像度を高めることができ、ミドルエンドモデルに対応可能な解像度を有するレンズユニット10とすることができる。
なお、第5レンズ32の光軸垂直方向における熱膨張量T2−T1から鏡筒12の光軸垂直方向における熱膨張量Q2−Q1を差し引いた熱膨張量差(T2−T1)−(Q2−Q1)は、0μm以上10μm以下とされていることがより好ましい。光軸垂直方向における熱膨張量差を0μm以上10μm以下とすることで、熱膨張量差が0μmより小さい場合と比較して鏡筒12内でレンズ24、26、28、30、32同士の軸がずれることを抑制することができる。
また、熱膨張量差が10μmより大きい場合と比較してレンズ24、26、28、30、32に圧縮応力が生じることを抑制することができる。これにより、レンズユニット10の解像度を高めることができ、ハイエンドモデルに対応可能な解像度を有するレンズユニット10とすることができる。
<撮像モジュールの構成>
撮像モジュール16は、収容部品14を通して到達した光(図2A、図2Bに示す物体Mの像)を電気信号に変換するものであり、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ等の撮像素子16Aを有している。なお、変換された電気信号は、画像データであるアナログデータやデジタルデータに変換される。
また、撮像モジュール16は、図示しないホルダによって支持されて鏡筒12の底壁部20より光軸方向他端側(光の出射側)に固定されており、撮像素子16Aは鏡筒12内における収容部品14の光学系の結像点に配置されている。
<組立方法>
レンズユニット10を組立てる場合、図1に示すように、鏡筒12の収容部22内に底壁部20側(光軸方向他端側)から順に、第5レンズ32、間隔環38、第4レンズ30、第3レンズ28、間隔環36、第2レンズ26、間隔環34、シール材40が嵌められた第1レンズ24が嵌め込まれる。このとき、シール材40が径方向に圧縮されることで、第1レンズ24と鏡筒12の内周面12Aとの隙間が密閉される。
その後、図示しない治具によって鏡筒12の筒部18の開口部18Aの周縁部分を熱カシメすることにより、カシメ部18Bを形成する。このとき、カシメ部18Bにより、収容部品14が鏡筒12の収容部22内に固定される。また、撮像モジュール16を図示しないホルダによって鏡筒12に固定する。
<作用及び効果>
本実施形態によれば、鏡筒12の光軸方向における熱膨張量が収容部品14の光軸方向における熱膨張量の総和と等しくされている。このため、レンズ24、26、28、30、32間に間隔が空いたり、レンズ24、26、28、30、32に圧縮応力が生じたりすることを抑制することができる。
また、鏡筒12の光軸垂直方向における熱膨張量が樹脂材料から成る第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32の光軸垂直方向における熱膨張量と等しくされている。このため、レンズ24、26、28、30、32同士の軸がずれたり、レンズ24、26、28、30、32に圧縮応力が生じたりすることを抑制することができる。
本実施形態では、鏡筒12の光軸方向における熱膨張量と収容部品14の光軸方向における熱膨張量の総和とが等しくされるとともに、鏡筒12の光軸垂直方向における熱膨張量と第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32の光軸垂直方向における熱膨張量とが等しくされている。
このため、光軸方向における熱膨張量及び光軸垂直方向における熱膨張量のどちらか一方のみが等しくされている構成と比較して、レンズ24、26、28、30、32の位置ずれをより抑制することができ、レンズ24、26、28、30、32に圧縮応力が生じることをより抑制することができる。これにより、レンズユニット10の解像度の低下を抑制することができ、車載用カメラや屋外に設置される監視用カメラ等に搭載されるレンズユニット10として特に有用となる。
また、本実施形態によれば、鏡筒12の光軸垂直方向の熱膨張係数が光軸方向の熱膨張係数より大きくされている。このため、鏡筒12の光軸方向の熱膨張を抑制しつつ、光軸垂直方向の熱膨張を許容することができる。
なお、鏡筒12の熱膨張係数(熱膨張量)を調整する方法としては、例えば、含有されている無機繊維の量又は無機繊維の配向を変える方法が挙げられる。また、鏡筒12を構成する樹脂材料の種類又は混合割合を変える方法が挙げられる。
無機繊維の含有量を調整することで鏡筒12の熱膨張係数を調整する場合には調整範囲に限界があり、無機繊維の配向を調整することで鏡筒12の熱膨張係数を調整する場合には樹脂材料射出用のゲートの位置を調整する等、手間がかかる。ここで、二種以上の樹脂材料を混合させて鏡筒12を構成することで、無機繊維の含有量や無機繊維の配向を調整する場合と比較して、熱膨張係数を容易に調整することができる。
また、収容部品14の光軸方向における熱膨張量を調整する方法としては、例えばレンズ24、26、28、30、32の材料、数を変えたり、レンズ24、26、28、30、32間の間隔(間隔環34、36、38の光軸方向における長さ)を変えたりする方法が挙げられる。
具体的には、鏡筒12の光軸方向における熱膨張係数は、樹脂材料から成る第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32より小さく、ガラス材料から成る第1レンズ24、第2レンズ26より大きくされている。
このため、例えば樹脂材料から成るレンズ28、30、32と、ガラス材料から成るレンズ24、26の枚数を調整することで、樹脂材料から成るレンズ28、30、32の熱膨張量をガラス材料から成るレンズ24、26の熱膨張量で相殺し、収容部品14の光軸方向の熱膨張量の総和を鏡筒12の光軸方向における熱膨張量に合わせることができる。
また、無機含有樹脂から成る間隔環34、36、38を金属材料で構成する、含有されている無機繊維の量又は配向を調整する、又は間隔環34、36、38を構成する樹脂材料の種類又は混合割合を変えることにより、間隔環34、36、38の熱膨張量を調整し、収容部品14の光軸方向の熱膨張量の総和を調整することもできる。
また、本実施形態では、鏡筒12の収容部22内において、レンズ24、26、28、30、32と間隔環34、36、38とが、光軸垂直方向に延びる平坦面24C、26C、28C、30C、32C、34A、36A、38Aで互いに面接触している。
このため、レンズ24、26、28、30、32と間隔環34、36、38とが互いに点接触している構成と比較して、熱膨張時にレンズ24、26、28、30、32又は間隔環34、36、38の一点に応力が集中することを抑制することができ、レンズ24、26、28、30、32又は間隔環34、36、38が光軸に対して傾くことを抑制することができる。
(その他の実施形態)
なお、本開示について実施形態の一例を説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されるものではなく、本開示の範囲内にて他の種々の実施形態が可能である。
例えば、上記実施形態において、収容部品14は5枚のレンズ24、26、28、30、32を有していたが、レンズの数は5枚に限られない。また、第1レンズ24及び第2レンズ26が樹脂材料で構成されていてもよく、第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32がガラス材料で構成されていてもよい。
また、間隔環34、36、38、及びシール材40の数も上記実施形態には限られず、レンズ24、26、28、30、32と間隔環34、36、38との間に図示しない固定部材が設けられていてもよい。固定部材は、例えばレンズ24、26、28、30、32の平坦面24C、26C、28C、30C、32Cに取り付けられた、黒色の樹脂(ポリエチレンテレフタレート)製の薄膜とされている。その他、図示しない絞り部材や遮光板が設けられていてもよい。
また、上記実施形態では、鏡筒12の光軸方向における熱膨張量と収容部品14の光軸方向における熱膨張量の総和とが等しくされるとともに、鏡筒12の光軸垂直方向における熱膨張量と第3レンズ28、第4レンズ30、及び第5レンズ32の光軸垂直方向における熱膨張量とが等しくされていた。
しかし、光軸方向における熱膨張量及び光軸垂直方向における熱膨張量のどちらか一方が等しくされていればよい。どちらか一方を等しくすることで、光軸方向における熱膨張量及び光軸垂直方向における熱膨張量が等しくされていない構成と比較して、レンズユニット10の解像度の低下を抑制することができる。
また、上記実施形態では、レンズ24、26、28、30、32と間隔環34、36、38とが、平坦面24C、26C、28C、30C、32C、34A、36A、38Aで互いに面接触していた。しかし、例えば間隔環34、36、38の平坦面34A、36A、38Aに複数の凸部を突出形成し、凸部がレンズ24、26、28、30、32に当接する構成としてもよい。
間隔環34、36、38に凸部を形成してレンズ24、26、28、30、32と間隔環34、36、38とを点接触させることで、面接触させる構成と比較して接触部分、すなわち凸部の先端の寸法精度を高めることが容易となるとともに、レンズ24、26、28、30、32に生じる圧縮応力を低減させることができる。
また、上記実施形態では、光軸方向から見て鏡筒12の内周面12Aが円形状とされていた。しかし、例えば光軸方向から見て鏡筒12の内周面12Aを多角形状とし、鏡筒12の内周面12Aとレンズ24、26、28、30、32の外周面とを多点接触させる構成としてもよい。
これにより、内周面12A全体がレンズ24、26、28、30、32に面接触している構成と比較して、レンズ24、26、28、30、32の光軸垂直方向における熱膨張が鏡筒12によって拘束されることでレンズ24、26、28、30、32に圧縮応力が生じることを抑制することができる。
以下に実施例を挙げて、本開示の実施形態の一例を詳細に説明する。本開示の実施形態の一例は、以下に示す実施例により限定的に解釈されるべきものではない。
[比較例1]
比較例1では、光軸方向における熱膨張量及び光軸垂直方向における熱膨張量がともに等しくされていないレンズユニットを用いた。レンズユニットは、一種の無機含有樹脂から成る鏡筒と、樹脂材料から成るレンズ、ガラス材料から成るレンズ、及び樹脂材料から成る間隔環を含む収容部品と、を有している。
[実施例1]
実施例1では、光軸垂直方向における熱膨張量のみが等しくされているレンズユニットを用いた。レンズユニットの鏡筒は二種の無機含有樹脂から成り、鏡筒以外の構成は比較例1のレンズユニットと同様とされている。具体的には、鏡筒の無機繊維の含有量を調整することにより、鏡筒の光軸垂直方向における熱膨張量を樹脂材料から成るレンズの光軸垂直方向における熱膨張量に合わせた。
[実施例2]
実施例2では、光軸方向における熱膨張量及び光軸垂直方向における熱膨張量がともに等しくされているレンズユニットを用いた。レンズユニットの間隔環は無機含有樹脂から成り、間隔環以外の構成は実施例1のレンズユニットと同様とされている。具体的には、実施例1の条件に加え、間隔環の無機繊維の含有量を調整することにより、収容部品の光軸方向における熱膨張量を鏡筒の光軸方向における熱膨張量に合わせた。
[実施例3]
実施例3では、実施例1の条件に加え、アルミ製の間隔環を用いることで、収容部品の光軸方向における熱膨張量を鏡筒の光軸方向における熱膨張量により合わせたレンズユニットを用いた。なお、間隔環以外の構成は、実施例1、実施例2のレンズユニットと同様とされている。
ここで、鏡筒、間隔環、及びレンズの熱膨張量は、鏡筒、間隔環、及びレンズの長さに鏡筒、間隔環、及びレンズの熱膨張係数を乗じることによってそれぞれ算出される。また、熱膨張係数は、実際に成形した鏡筒、間隔環、及びレンズの各部材について、外部温度を23℃から125℃に変化させた場合の光軸方向及び光軸垂直方向の寸法変化量をそれぞれ測定し、寸法変化量を単位温度あたりの寸法変化率に換算することで算出される。
<耐熱試験による解像度劣化量の評価方法>
レンズユニットの耐熱試験前後の解像度劣化量を以下の手順で評価した。まず、耐熱試験前のレンズユニットの解像度を測定する。次に、レンズユニットを105℃、もしくは125℃の恒温装置内に1000時間保管し、さらに室温に取り出して2時間放置した後で解像度を測定し、これを耐熱試験後の解像度とする。15個のレンズユニットについて、耐熱試験前から耐熱試験後の解像度の劣化量を算出し、劣化量が最も多いレンズユニットの劣化量を、解像度劣化量の評価値として採用する。なお、本評価における解像度は、MTF(Modulation transfer function)測定機を用いて行い、レンズユニットの中心画角における空間周波数60lp/mmで測定したMTF値を解像度の評価値とした。
<解像度劣化量の比較>
まず、実施例1及び比較例1のレンズユニットを用い、105℃の耐熱試験における解像度劣化量を比較した。解像度劣化量が0%〜−5%である場合を評価A、解像度劣化量が−5%〜−30%である場合を評価B、解像度劣化量が−30%〜−60%である場合を評価Cとした。なお、評価Aは、収容部品のレンズが全てガラス材料から成る場合と同等の性能となっている。比較結果を表1に示す。
表1より、光軸垂直方向における熱膨張量のみが等しくされているレンズユニットは、光軸方向における熱膨張量及び光軸垂直方向における熱膨張量がともに等しくされていないレンズユニットと比較して、解像度の低下(劣化)が抑制されていることが分かる。
次に、実施例1〜3のレンズユニットを用い、125℃の耐熱試験における解像度劣化量を比較した。解像度劣化量が0%〜−10%である場合を評価A、解像度劣化量が−10%〜−40%である場合を評価B、解像度劣化量が−40%〜−60%である場合を評価Cとした。なお、評価Aは、収容部品のレンズが全てガラス材料から成る場合と同等の性能となっている。比較結果を表2に示す。
表2より、光軸垂直方向における熱膨張量に加えて光軸方向における熱膨張量が等しくされたレンズユニットは、光軸垂直方向における熱膨張量のみが等しくされたレンズユニットと比較して、解像度の低下(劣化)がより抑制されていることが分かる。
2017年4月5日に出願された日本国特許出願2017−075493の開示は、その全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10 レンズユニット
12 鏡筒
12A 内周面
14 収容部品
16 撮像モジュール
16A 撮像素子
18 筒部
18A 開口部
18B カシメ部
20 底壁部
20A 開口部
22 収容部
24 第1レンズ
24A 段差部
24C 平坦面
26 第2レンズ
26A レンズ部
26B 周縁部
26C 平坦面
28 第3レンズ
28A レンズ部
28B 周縁部
28C 平坦面
30 第4レンズ
30A レンズ部
30B 周縁部
30C 平坦面
32 第5レンズ
32A レンズ部
32B 周縁部
32C 平坦面
34 間隔環
34A 平坦面
36 間隔環
36A 平坦面
38 間隔環
38A 平坦面
40 シール材

Claims (13)

  1. 無機繊維を含有する樹脂材料から成る筒状の鏡筒と、
    前記鏡筒内に光軸方向に並んで収容された複数のレンズを含み、少なくとも1枚のレンズが樹脂材料から成る収容部品と、
    を有し、
    前記鏡筒の光軸方向における熱膨張量は、前記収容部品の光軸方向における熱膨張量の総和と等しくされている、
    レンズユニット。
  2. 無機繊維を含有する樹脂材料から成る筒状の鏡筒と、
    前記鏡筒内に光軸方向に並んで収容された複数のレンズを含み、少なくとも1枚のレンズが樹脂材料から成る収容部品と、
    を有し、
    前記鏡筒の光軸方向における熱膨張量は、前記収容部品の光軸方向における熱膨張量の総和と等しく、かつ、前記鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張量は、樹脂材料から成る前記レンズの光軸方向に垂直な方向における熱膨張量と等しくされている、
    レンズユニット。
  3. 前記収容部品の光軸方向における熱膨張量の総和から前記鏡筒の光軸方向における熱膨張量を差し引いた熱膨張量差は、0μm以上10μm以下とされている、請求項1又は2に記載のレンズユニット。
  4. 無機繊維を含有する樹脂材料から成る筒状の鏡筒と、
    前記鏡筒内に光軸方向に並んで収容された複数のレンズを含み、少なくとも1枚のレンズが樹脂材料から成る収容部品と、
    を有し、
    前記鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張量は、樹脂材料から成る前記レンズの光軸方向に垂直な方向における熱膨張量と等しくされている、
    レンズユニット。
  5. 樹脂材料から成る前記レンズの光軸方向に垂直な方向における熱膨張量から前記鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張量を差し引いた熱膨張量差は、0μm以上10μm以下とされている、請求項4に記載のレンズユニット。
  6. 前記収容部品は、ガラス材料から成るレンズを有している、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  7. 前記鏡筒の光軸方向における熱膨張係数は、樹脂材料から成る前記レンズの光軸方向における熱膨張係数より小さく、かつガラス材料から成る前記レンズの光軸方向における熱膨張係数より大きい、請求項6に記載のレンズユニット。
  8. 前記収容部品は、無機繊維を含有する樹脂材料から成り、かつ複数の前記レンズ間の間隔を規定する間隔環を有している、請求項1〜3、6、7のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  9. 前記レンズ又は前記間隔環は、光軸方向に垂直な方向に延びる平坦面を有しており、
    前記レンズと前記間隔環、又は前記レンズ同士は、前記平坦面で互いに接触している、請求項8に記載のレンズユニット。
  10. 前記鏡筒の光軸方向に垂直な方向における熱膨張係数は、前記鏡筒の光軸方向における熱膨張係数より大きい、請求項1〜9のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  11. 前記鏡筒の熱膨張係数は、含有されている無機繊維の量又は無機繊維の配向を変えることで調整される、請求項1〜10のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  12. 前記鏡筒は、少なくとも二種以上の樹脂材料から成る、請求項1〜10のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  13. 車載用カメラ又は監視用カメラに搭載される、請求項1〜12のいずれか1項に記載のレンズユニット。
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