JP6499608B2 - レンズユニット - Google Patents

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Description

本発明は、レンズユニットに関する。
従来、レンズユニットは、射出成形した鏡筒にレンズを圧入することで組み立てられる。特許文献1及び特許文献2には、鏡筒の内周を多角形状に形成して、鏡筒に円形状のレンズを圧入する構造が開示されている。
特開2006−201378号公報 特開2015−1688号公報
鏡筒の射出成形における樹脂注入用のゲートが鏡筒の側面側に配置された構成では、鏡筒の射出成形に用いる金型における鏡筒とレンズとの接触部に対応する部位が、ゲートから注入された樹脂によって圧力を受けて摩耗し易い。金型が摩耗すると、鏡筒とレンズとの接触部の寸法精度が低下するため、レンズと接触部が接触した場合にレンズが傾くなどして、レンズユニットの光学特性が低下する可能性がある。
鏡筒の射出成形における樹脂注入用のゲートが、光軸方向に見て光軸中心と鏡筒のレンズとの接触部とを結ぶ線上に形成された構成では、ゲートから注入された樹脂が接触部に向かって流れ易くなるため、接触部に対応する金型の部位に作用する圧力が高くなり易い。さらに、ゲートから樹脂が注入された場合に、樹脂の流れがゲートに対する両側の肉厚が薄い箇所によって遮られるため、金型のゲート付近に作用する圧力が高くなり易い。金型の接触部に対応する部位に作用する圧力が高くなると、金型が摩耗し易い。金型が摩耗すると、鏡筒とレンズとの接触部の寸法精度が低下するため、レンズと接触部が接触した場合にレンズが傾くなどして、レンズユニットの光学特性が低下する可能性がある。
本発明は、上記事実を考慮して、鏡筒のレンズに接触する接触部にゲート部が形成されている構成に比べて、光学特性の低下を抑制することができるレンズユニットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1態様に係るレンズユニットは、円形の外周面を有するレンズと、筒状の側面と、側面に対し垂直な端面を備えた、レンズを収容する鏡筒であって、内周面の少なくとも一部が光軸を向く多角形状の各辺を形成する平面とされ、平面がレンズと接触部を形成する鏡筒と、鏡筒の射出成形により形成されたゲート部であって、光軸方向から見た場合に、鏡筒の端面において、周方向に隣り合う接触部の間に形成されているゲート部と、を有する。
第1態様に係るレンズユニットによれば、射出成形により鏡筒を成形する場合に、鏡筒の金型におけるレンズと接触する接触部に相当する部位が、ゲートから注入された樹脂の流入口からずれた位置に配置される。また、鏡筒の厚肉部は薄肉部に比べて空間が広いため、樹脂が流れやすいが、鏡筒ではゲート部に対して周方向の両側が厚肉部となるため、ゲートから注入された樹脂が拡散し易く、金型に作用する圧力が、鏡筒の径方向及び周方向で均等になり易い。金型に作用する圧力が、鏡筒の径方向及び周方向で均等になり易いことで、金型における接触部に対応する部位の摩耗が抑制されるので、鏡筒のレンズとの接触部の寸法精度の低下が抑制される。鏡筒のレンズとの接触部の寸法精度の低下が抑制されることで、鏡筒の接触部にゲート部が形成されている構成に比べて、レンズユニットの光学特性の低下を抑制することができる。
本発明の第2態様に係るレンズユニットは、ゲート部が複数個からなり、光軸方向から見た場合に、複数のゲート部が光軸を挟んで対向して形成されている。
第2態様に係るレンズユニットによれば、金型における光軸を挟んで対向するゲート周辺の摩耗量が同程度になるので、金型により成形される鏡筒の内周面の寸法精度が、光軸を挟んで同程度となる。鏡筒の内周面の寸法精度が光軸を挟んで同程度となることにより、鏡筒の接触部に圧入されたレンズの光軸に対して非対称となる位置ずれを抑制することができる。
本発明の第3態様に係るレンズユニットのゲート部は、光軸方向から見た場合に、回転対称に形成されている。
第3態様に係るレンズユニットによれば、ゲートから注入された樹脂圧が鏡筒の周方向で均等になり易く、接触部に対応する金型の部位の摩耗が抑制されるので、ゲート部が回転対称に形成されない構成に比べて、レンズユニットの光学特性を維持することができる。
本発明の第4態様に係るレンズユニットの鏡筒の端面は、光軸方向に対して垂直な垂直方向に延在した延在部を含み、延在部にゲート部が形成されている。
第4態様に係るレンズユニットによれば、鏡筒の射出成形において、ゲートから注入された樹脂は、金型における鏡筒の筒部に相当する部位ではなく、延在部に相当する部位に流れ込む。鏡筒の筒部には、レンズと接触する接触部が形成される。つまり、ゲートから注入された樹脂は、鏡筒の接触部に相当する部位に流れ込まず、接触部から離れた延在部に流れ込むので、金型における接触部に相当する部位に樹脂の圧力が集中することが抑制される。樹脂の圧力が集中することが抑制されることにより、金型における接触部に相当する部位の摩耗が抑制されるので、鏡筒の延在部にゲート部が形成されない構成に比べて、接触部の寸法精度を上げることができる。
本発明の第5態様に係るレンズユニットの延在部は、鏡筒の接触部に対して径方向の内側に張り出され、ゲート部は、延在部における径方向の内側部分に形成されている。
第5態様に係るレンズユニットによれば、金型のゲートの位置が、接触部の接触面に対応する位置から径方向の内側に離れる。ゲートの位置が接触面に対応する位置から離れることで、ゲート部が延在部の接触部側にある構成に比べて、接触部に対応する金型の部位の摩耗が抑制されるので、レンズユニットの光学特性を維持することができる。
本発明の第6態様に係るレンズユニットの延在部は、鏡筒の接触部に対して径方向の外側に張り出されている。
第6態様に係るレンズユニットによれば、金型のゲートの位置が、接触部の接触面に対応する位置から径方向の外側に離れる。ゲートの位置が接触面に対応する位置から離れることで、ゲート部が延在部の接触部側にある構成に比べて、接触部に対応する金型の部位の摩耗が抑制されるので、レンズユニットの光学特性を維持することができる。
本発明の第7態様に係るレンズユニットのレンズは、樹脂レンズである。
第7態様に係るレンズユニットによれば、鏡筒のレンズとの接触部の寸法精度の低下が抑制される。レンズユニットの外部温度が上昇して樹脂レンズが熱膨張した場合でも、接触部にゲート部が形成されている構成に比べて鏡筒の接触部の寸法精度が維持されやすいので、レンズユニットの光学特性を維持することができる。
本発明の第8態様に係るレンズユニットの多角形状は、八角以上の多角形状である。
第8態様に係るレンズユニットによれば、鏡筒の内周面の形状が八角以上の多角形状となることで、鏡筒の内周面が光軸方向に見て円形に近い形状となる。鏡筒の内周面が円形に近い形状となることで、八角よりも少ない多角形の構成に比べて、鏡筒のゲート部周辺の径方向の幅が広くなるので、ゲートから注入された樹脂が拡散され易くなり、金型の摩耗が抑制され、レンズユニットの光学特性を維持することができる。
本発明の第9態様に係るレンズユニットのゲート部は、光軸方向から見た場合に、周方向に隣り合う接触部の間の中央に形成されている。
第9態様に係るレンズユニットによれば、ゲート部から周方向に隣り合う接触部までの距離が同等となるため、ゲート部が一方の接触部に片寄っている構成に比べて、隣り合うそれぞれの接触部にバランス良く樹脂を流すことができる。
本発明の第10態様に係るレンズユニットの鏡筒は、無機物を含む樹脂で構成されている。
樹脂に含まれる無機物は、樹脂よりも硬度が高く、射出成形において金型の内面と接触することで金型を摩耗させる。第10態様に係るレンズユニットによれば、鏡筒の強度を向上させるために樹脂が無機物を含む場合でも、接触部にゲート部が形成されている構成に比べて、金型の接触部に対応する部位の摩耗が抑制されるので、レンズユニットの光学特性を維持することができる。
本発明の第11態様に係るレンズユニットの無機物は、無機繊維である。
本発明の第11態様に係るレンズユニットによれば、鏡筒の射出成形においてゲートから注入された樹脂が、鏡筒の接触部に対応する金型の部位まで流れる間に、樹脂に含まれる無機繊維の向きがそろい易くなる。樹脂に含まれる無機繊維の向きがそろい易くなることで、接触部にゲート部が形成されている構成に比べて、無機繊維と金型との接触機会が減り、金型の摩耗が抑制されるので、レンズユニットの光学特性を維持することができる。
本発明の第12態様に係るレンズユニットは、第1態様から第11態様のいずれか1つに記載のレンズユニットであって、車載用又は監視用のレンズユニットである。
第12態様に係る車載用や監視用のレンズユニットでは、レンズユニットが高温に晒される場合ある。レンズユニットでは、レンズユニットが高温に晒されてレンズが膨張して、鏡筒のレンズとの接触部に力が作用しても、接触部の寸法精度が高められているので、レンズの位置ずれを抑制して、レンズユニットの光学特性を維持することができる。
本発明におけるゲート部とは、鏡筒の射出成形時に溶融している樹脂材を成形金型内に導入する導入部(ゲート)の痕跡の一部が、成形後の鏡筒に残存している場合に限らず、痕跡を残さないために鏡筒のゲート跡を全て切断除去した場合も含む。
本発明によれば、鏡筒のレンズに接触する接触部にゲート部が形成されている構成に比べて、光学特性の低下を抑制することができるレンズユニットを提供できる。
第1実施形態に係るレンズユニットの全体構成及び撮像モジュールを示す説明図である。 (A)第1実施形態に係るレンズユニットの一部を示す横断面図(図1の2A−2A断面)である。(B)第1実施形態に係る鏡筒及びレンズの一部を拡大して示す説明図である。 (A)、(B)第1実施形態に係る鏡筒を成形装置を用いて成形する状態を示す説明図である。 (A)第2実施形態に係るレンズユニットの一部を示す横断面図である。(B)第2実施形態に係るレンズユニットの第1変形例を示す横断面図である。 第2実施形態に係るレンズユニットの第2変形例を示す横断面図である。 (A)第3実施形態に係るレンズユニットの一部を示す横断面図である。(B)第3実施形態の変形例に係るレンズユニットの一部を示す横断面図である。
以下、本発明に係るレンズユニットの実施形態の一例について説明する。なお、本実施形態におけるレンズユニットは、監視用カメラや車載用カメラなどの高温に晒される可能性があり結像性能の維持が難しい環境下で用いられ、性能劣化を少なくできるレンズユニットに関する。監視用のレンズユニットとは、建物などに設けられ、周囲の物体などを見るためのレンズユニットである。車載用のレンズユニットとは、車両(主に車室内)に設けられて車両の外部の物体などを見るためのレンズユニットである。
[第1実施形態]
図1には、撮像装置10が示されている。撮像装置10は、一例として、車載カメラに用いられる装置である。また、撮像装置10は、撮像モジュール20と、レンズユニット30とを有している。さらに、撮像装置10は、物体12の像をレンズユニット30を介して撮像モジュール20に結像する。
なお、以後の説明では、レンズユニット30における光の光軸方向でありかつ後述する鏡筒32の中心軸方向をZ方向と称する。さらに、レンズユニット30の後述するレンズ群34の径方向でありZ方向に対して垂直な垂直方向(直交方向)のうち、一方向をY方向と称し、Z方向及びY方向に直交する方向をX方向と称する。また、レンズユニット30に物体側から入射する光の光軸をKと称し、一点鎖線又は点を表す印で図示する。X方向及びY方向を区別せずに単に径方向という場合にはD方向と称する。D方向は、Z方向に対して垂直な垂直方向である。
〔撮像モジュール〕
撮像モジュール20は、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサやCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサなどの撮像素子22を有している。撮像素子22は、後述するレンズユニット30の光学系の結像点に配置されており、X方向にレンズユニット30と対向する像面22Aを有している。像面22Aは、X−Y面に沿って配置された面である。なお、以後の説明では、Z方向における物体側を+Z側と称し、像面側を−Z側と称する。
また、撮像モジュール20は、レンズユニット30に取り付けられた図示しないホルダに支持されている。さらに、撮像モジュール20は、レンズユニット30を通して到達した光を電気信号に変換する。変換された電気信号は、画像データであるアナログデータやデジタルデータに変換される。
〔レンズユニット〕
レンズユニット30は、一例として、鏡筒32と、レンズ群34と、間隔環36、38、40と、シール材48とを有している。レンズ群34、間隔環36、38、40及びシール材48は、鏡筒32の内側に収容されている。
<鏡筒>
図1に示す鏡筒32は、筒状に形成されており、Z方向を中心軸(光軸)方向として配置されている。具体的には、鏡筒32は、Z方向に開口した筒部35と、筒部35の−Z側の端部の内周面からD方向内側に張り出されて延在するフランジ状の延在部37とを備えている。筒部35は、Z方向に見て円形でありZ方向に円筒状に延びる側面32Aを有している。筒部35及び延在部37の−Z側には、端面32Bが形成されている。端面32Bは、延在部37の−Z側の面を含んでいる。また、端面32Bは、側面32Aに対して垂直に配置されている。
端面32Bにおける延在部37よりもD方向外側の部位には、端面32Bから−Z側に突出したゲート部39が形成されている。なお、ゲート部39の詳細については後述する。鏡筒32を構成する素材は、無機物の一例としての無機繊維を含む樹脂である。
筒部35の+Z側の端部には、熱カシメ後の状態において、Z方向に見て円形の開口部32Cが形成されている。端面32Bの延在部37には、Z方向に貫通され開口部32Cよりも内径が小さい開口部32Dが形成されている。また、鏡筒32における開口部32Cから開口部32Dまでの間には、レンズ群34、間隔環36、間隔環38、間隔環40及びシール材48を収容する収容部33が形成されている。
収容部33は、一例として、鏡筒32の内側に+Z側から−Z側へ向けて順番に形成された第1収容部33A、第2収容部33B、第3収容部33C、第4収容部33D、第5収容部33E、第6収容部33F、第7収容部33G及び第8収容部33Hを有している。
第1収容部33Aには、後述するレンズ52及びシール材48が収容されている。第2収容部33Bには、間隔環36が収容されている。第3収容部33Cには、後述するレンズ54が収容されている。第4収容部33Dには、間隔環38が収容されている。第5収容部33Eには、後述するレンズ56が収容されている。第6収容部33Fには、後述するレンズ58が収容されている。第7収容部33Gには、間隔環40が収容されている。第8収容部33Hには、後述するレンズ62が収容されている。
第1収容部33Aの内壁、第2収容部33Bの内壁、第4収容部33Dの内壁及び第7収容部33Gの内壁は、一例として、Z方向に見て円形に形成されている。図示は省略するが、第2収容部33Bの内径da、第4収容部33Dの内径db、第7収容部33Gの内径dcは、da>db>dcとなっている。
第3収容部33Cの内壁、第5収容部33Eの内壁、第6収容部33Fの内壁、第8収容部33Hの内壁(後述する内周面42)は、一例として、Z方向に見て正八角形状に形成されている。また、第3収容部33Cの内側の空間、第5収容部33Eの内側の空間、第6収容部33Fの内側の空間、第8収容部33Hの内側の空間は、順番に小さくされており、第8収容部33Hの空間が最も小さい空間となっている。
鏡筒32における開口部32Cの周縁部は、一例として、熱カシメにより光軸K側に向けて屈曲される熱カシメ部32Eとされている。
図2(A)に示す鏡筒32の第8収容部33Hにおける内周面42は、Z方向に見て、多角形状の一例として、光軸Kを中心とする正八角形状に形成されている。具体的には、内周面42は、鏡筒32をZ方向に見て、正八角形の各辺を形成し光軸Kを向く8つの平面42Aと、8つの曲面42Bとを有している。なお、本明細書における多角形状とは、多角形の形状だけでなく、多角形の角部がC面取り又はR面取りされた形状も含む。
平面42Aは、Z方向に見て、後述するレンズ62の外周面62Cを表す円の接線として配置されている。つまり、平面42Aは、Z方向に見て、それぞれ、レンズ62の外周面62Cの一部と点接触している。平面42Aがレンズ62の外周面62Cと接触する部位を接触部44と称する。
曲面42Bは、鏡筒32の周方向において、それぞれ隣り合う2つの平面42Aを繋いでいる。また、それぞれの曲面42Bは、Z方向に見て、図示しない1つの仮想円上に配置されている。曲面42Bが配置される仮想円の直径は、後述するレンズ62の直径よりも大きくなっている。以後、鏡筒32の周方向をR方向と称する。
(ゲート部)
ゲート部39は、後述する成形装置70のゲート72B(図3(A)参照)の位置に合わせて、鏡筒32の射出成形により形成されている。なお、ゲート部39とは、鏡筒32の射出成形時に溶融している樹脂を成形金型内に導入する導入部(ゲート)の痕跡の一部が、成形後の鏡筒32に残存している場合の痕跡に限らない。成形の痕跡を残さないために鏡筒32のゲート跡を全て切断除去した場合においては、鏡筒32のゲート跡に対応する部位がゲート部39となる。
図2(A)に示す鏡筒32をZ方向に見て、4つのゲート部39は、円形に形成され、図示しない仮想円上でR方向に間隔をあけて配置されている。具体的には、4つのゲート部39は、光軸Kを挟んで対向する2つのゲート部39が、合計2対形成されることにより構成されている。さらに、4つのゲート部39は、一例として、1つのゲート部39を基準として、他の3つのゲート部39が、R方向に135〔°〕、180〔°〕、315〔°〕ずれた位置に配置されている。加えて、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、鏡筒32の端面32B(図1参照)において、R方向に隣り合う接触部44の間に形成されている。
図2(B)に示すゲート部39は、Z方向に見て、一の接触部44の中央と光軸Kとを結ぶ仮想線LAと、隣り合う他の接触部44の中央と光軸Kとを結ぶ仮想線LBとの間の範囲内で、鏡筒32に形成されている。具体的には、ゲート部39と仮想線LAとの距離は、ゲート部39と仮想線LBとの距離とほぼ等しくなっている。つまり、ゲート部39は、Z方向から見た場合に、R方向に隣り合う接触部44の間の中央に形成されている。
(鏡筒の成形方法)
図3(A)には、鏡筒32(図1参照)を成形する成形装置70の一部が示されている。成形装置70は、延在部37(図1参照)を成形する金型72と、筒部35(図1参照)のZ方向中央よりも延在部37側を成形する金型74と、筒部35のZ方向中央よりも熱カシメ部32E側を成形する金型76とを有している。
金型72は、樹脂を供給するランナー72Aと、ランナー72Aの一端から4つ(図示は2つ)に分岐されたゲート72Bとを有している。ゲート72Bの一端は、金型72のキャビティ78側端面に開口されている。金型72と金型76とは、Z方向に相対移動可能とされている。金型74は、Z方向における金型72と金型76との間で、Y方向に移動可能とされている。
図3(A)に示す成形装置70では、金型72、金型74、金型76をZ方向に接触させた状態において、ランナー72A及びゲート72Bを介して、樹脂A(矢印で示す)がキャビティ78内へ注入(射出)される。そして、樹脂Aが固化される。
図3(B)に示す成形装置70では、樹脂A(図3(A)参照)が固化した後、金型76に対して金型72及び金型74が移動して離れることで、成形品である鏡筒32が形成される。鏡筒32では、金型72の移動によりゲート72Bの開口部付近で樹脂Aが切断されるため、切断された部位がゲート部39として鏡筒32に残存する。
<レンズ群>
図1に示すレンズ群34は、一例として、+Z側から順に配置された、レンズ52と、レンズ54と、レンズ56と、レンズ58と、レンズ62とを有している。レンズ52には、光軸K側に窪んだ段差53が形成されており、Z方向に見て環状のシール材48が嵌められている。レンズ52、54、56、58、62は、+Z側から入射された光を−Z側に出射させる。
レンズ62は、樹脂製であり、一例として、レンズ部62Aと張出部62Bとを備えている。また、レンズ62は、鏡筒32の第8収容部33Hに収容されている。レンズ部62Aは、Z方向に沿った中心軸が光軸Kとされている。また、レンズ部62Aは、Z方向に見て円形に形成されている。さらに、レンズ部62Aは、+Z側及び−Z側に光学面(入射面及び出射面)を有している。
張出部62Bは、Z方向に見て、レンズ部62Aの光学面の周縁部からD方向に張り出されている。また、張出部62Bは、一例として、Z方向に見て環状に形成されており、Z方向を厚さ方向とする周縁部とされている。つまり、レンズ62は、Z方向に見て円形の外周面62Cを有している。張出部62Bの−Z側の端部には、Z方向と直交する方向に沿った平面である端面62Dが形成されている。端面62Dは、延在部37の+Z側の面と接触している。
<間隔環>
間隔環36、38、40は、Z方向に見て環状の部材である。間隔環36は、レンズ52とレンズ54とのZ方向の間隔を規定している。間隔環38は、レンズ54とレンズ56とのZ方向の間隔を規定している。間隔環40は、レンズ58とレンズ62とのZ方向の間隔を規定している。
<シール材>
シール材48は、一例として、ゴム製でありZ方向に見て環状に形成されたOリング部材である。また、シール材48は、レンズ52に取り付けられた状態でレンズ52が第1収容部33Aに収容されることで、レンズ52と第1収容部33Aの内壁とに挟まれ、レンズ52と鏡筒32との間を密封している。
<レンズユニットの組み立て>
レンズユニット30の組み立てでは、鏡筒32の収容部33内に端面32B側から順に、レンズ62、間隔環40、レンズ58、レンズ56、間隔環38、レンズ54、間隔環36、シール材48付きのレンズ52が嵌め込まれ、Z方向に重ねられる。そして、シール材48が圧縮されることで、レンズ52と鏡筒32の内壁との隙間が密閉される。
鏡筒32の熱カシメ部32Eは、レンズ52が第1収容部33A内に収容された後で、図示しない治具により熱カシメされることにより光軸K側に屈曲される。そして、レンズ52が熱カシメ部32Eにより−Z側へ押し付けられる。つまり、熱カシメ部32Eにより、レンズ52、間隔環36、レンズ54、間隔環38、レンズ56、レンズ58、間隔環40、レンズ62が、鏡筒32の収容部33内に固定される。レンズユニット30が組み立てられた状態では、レンズ群34の光軸Kが鏡筒32の筒部35の中心軸と一致している。
〔作用〕
次に、第1実施形態のレンズユニット30の作用について説明する。なお、成形装置70の構成については、図3(A)を参照する。
図2(A)に示すレンズユニット30の鏡筒32では、ゲート部39がR方向に隣り合う接触部44の間に形成されている。言い換えると、成形装置70を用いた射出成形により鏡筒32を成形する場合には、金型72における接触部44に相当する部位が、ゲート72Bから注入された樹脂の流入口からずれた位置に配置される。金型72における接触部44に相当する部位が樹脂の流入口からずれた位置に配置されることで、流入する樹脂の圧力が接触部44に相当する部位に直接、作用することが抑制されるので、金型72の接触部44に相当する部位の摩耗が抑制される。
また、鏡筒32における厚肉部は、薄肉部に比べてキャビティ78の空間が広くなるため、キャビティ78内を樹脂が流れやすい。鏡筒32では、薄肉部のゲート部39に対してR方向の両側が厚肉部である接触部44となっており、ゲート72Bから注入された樹脂が拡散し易いので、金型72に作用する樹脂の圧力が、鏡筒32のD方向及びR方向で均等になり易い。金型72に作用する樹脂の圧力が均等になり易いことにより、金型72の接触部44に相当する部位の摩耗が抑制される。
金型72の接触部44に相当する部位の摩耗が抑制されることで、鏡筒32の接触部44にゲート部39が形成された構成に比べて、接触部44の寸法精度が上がるので、レンズユニット30の光学特性の低下を抑制することができる。
また、レンズユニット30では、ゲート部39が光軸Kを挟んで対向して形成されており、金型72における光軸Kを挟んで対向するゲート72B周辺の摩耗量が、それぞれ同程度になる。ゲート72B周辺の摩耗量が4箇所で同程度となることにより、鏡筒32の内周面の寸法精度が、光軸Kを挟んで同程度となる。鏡筒32の内周面の寸法精度が光軸Kを挟んで同程度となることにより、鏡筒32の接触部44に圧入されたレンズ62の光軸Kに対して非対称となる位置ずれを抑制することができる。
さらに、レンズユニット30では、レンズ62が樹脂製のレンズである。レンズユニット30の外部温度が上昇してレンズ62が熱膨張した場合でも、接触部44にゲート部39が形成されている構成に比べて、鏡筒32の接触部44の寸法精度が維持されやすいので、レンズユニット30の光学特性を維持することができる。
加えて、レンズユニット30では、鏡筒32の内周面42が八角の多角形状となっている。鏡筒32の内周面42の形状が八角形状となることで、内周面42がZ方向に見て円形に近い形状となる。鏡筒32の内周面42が円形に近い形状となることで、八角よりも少ない多角形の構成に比べて、鏡筒32のゲート部39周辺のD方向の幅が広くなる。ゲート部39周辺の幅が広くなることで、ゲート72Bから注入された樹脂がR方向に拡散され易くなるので、金型72の摩耗が抑制され、鏡筒32を有するレンズユニット30の光学特性を維持することができる。
鏡筒32では、ゲート部39が、隣り合う接触部44の間の中央に形成されている。隣合う接触部44の間の中央は、D方向の幅が最も狭い部位である。ゲート部39が、隣り合う接触部44の間の中央に配置されていることで、ゲート部39が一方の接触部44に片寄っている構成に比べて、ゲート部39からR方向に隣り合う接触部44までの距離が同等となる。ゲート部39から接触部44までの距離が同等となることで、それぞれの接触部44にバランス良く樹脂を流すことができる。
鏡筒32は、鏡筒32の強度を向上させるために、無機物を含む樹脂で構成されている。樹脂に含まれる無機物は、樹脂よりも硬度が高く、射出成形において金型72の内面と接触することで金型72を摩耗させる。しかし、鏡筒32では、ゲート部39が接触部44から離れて配置されているので、金型72のゲート72Bが、接触部44に対応する部位から離れている。つまり、ゲート72Bが無機物により摩耗しても、接触部44にゲート部39が形成されている構成に比べて、金型72の接触部44に対応する部位の摩耗が抑制されるので、接触部44の寸法精度が上がる。接触部44の寸法精度が上がることで、接触部44と接触するレンズ62の傾きなどが抑制されるので、レンズユニット30の光学特性を維持することができる。
鏡筒32を構成する樹脂に含まれる無機物は、無機繊維である。鏡筒32では、ゲート部39が接触部44から離れて配置されているので、金型72のゲート72Bから注入された樹脂が接触部44に対応する部位に到達するまでの時間が、接触部44にゲート部39が形成されている構成に比べて、長くなる。つまり、ゲート72Bから注入された樹脂が、金型72の鏡筒32の接触部44に対応する部位まで流れる間に、樹脂に含まれる無機繊維の向きがそろい易くなる。無機繊維の向きがそろい易くなることで、接触部にゲート部が形成されている構成に比べて、無機繊維と金型72との接触機会が減り、金型72の摩耗が抑制されるので、金型72により形成される鏡筒32を有するレンズユニット30の光学特性を維持することができる。
レンズユニット30では、一例として、車載カメラに用いた場合に、レンズユニット30が高温に晒される可能性がある。しかし、レンズユニット30では、接触部44の寸法精度が高められている。つまり、レンズユニット30が高温に晒されてレンズ62が膨張して、鏡筒32のレンズ62との接触部44に力が作用しても、レンズ62の位置ずれが抑制されるので、レンズユニット30の光学特性を維持することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態のレンズユニット80について説明する。なお、第1実施形態と同一の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図4(A)に示すレンズユニット80は、レンズユニット30(図1参照)において、鏡筒32(図1参照)を鏡筒82に置き換えた構成とされている。鏡筒82以外の構成は、レンズユニット30と同一の構成とされている。鏡筒82は、鏡筒32(図2(A)参照)とは4つのゲート部39の配置が異なっているが、他の構成は鏡筒32と同一の構成とされている。また、鏡筒82は、成形装置70(図3(A)参照)によって成形されるが、成形装置70のゲート72B(図3(A)参照)の配置は、第1実施形態とは異なっている。
鏡筒82をZ方向に見て、4つのゲート部39は、円形に形成され、図示しない仮想円上でR方向に間隔をあけて配置されている。また、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、光軸Kを挟んで対向する2つのゲート部39が2対形成された構成とされている。さらに、4つのゲート部39は、R方向に等間隔に配置されている。つまり、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、回転対称に形成されている。加えて、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、鏡筒32の端面32Bにおいて、R方向に隣り合う接触部44の間の中央に形成されている。
〔作用〕
次に、第2実施形態のレンズユニット80の作用について説明する。なお、成形装置70の構成については、図3(A)を参照する。
レンズユニット80では、4つのゲート部39が、Z方向から見た場合に回転対称に形成されているので、4つのゲート部39がR方向に均等な間隔で配置される。そして、4つのゲート部39に対応する金型72の4つのゲート72Bが、R方向に均等な間隔で配置される。4つのゲート72Bが均等な間隔で配置されることにより、ゲート72Bから注入された樹脂の圧力(樹脂圧)が、鏡筒82のR方向で均等になり易い。言い換えると、鏡筒82の各接触部44に対応する金型72の部位に作用する樹脂圧に偏りが生じることが抑制され、金型72の摩耗が抑制されるので、成形された鏡筒82の各接触部44の寸法精度が上がる。つまり、レンズユニット80では、鏡筒82の各接触部44の寸法精度が上がるので、鏡筒82にゲート部39が回転対称に形成されない構成に比べて、レンズユニット80の光学特性を維持することができる。
図4(B)には、レンズユニット80(図4(A)参照)の第1変形例として、レンズユニット90が示されている。レンズユニット90は、レンズユニット80において、鏡筒82(図4(A)参照)を鏡筒92に置き換えた構成とされている。鏡筒92以外の構成は、レンズユニット80と同一の構成とされている。鏡筒92は、鏡筒82(図4(A)参照)とは異なり8つのゲート部39が形成されているが、他の構成は鏡筒82と同一の構成とされている。また、鏡筒92は、成形装置70(図3(A)参照)によって成形されるが、成形装置70のゲート72B(図3(A)参照)の配置が異なっている。
鏡筒92をZ方向に見て、8つのゲート部39は、円形に形成され、図示しない仮想円上でR方向に間隔をあけて配置されている。また、8つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、光軸Kを挟んで対向して形成されている。さらに、8つのゲート部39は、R方向に等間隔に配置されている。つまり、8つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、回転対称に形成されている。加えて、8つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、鏡筒32の端面32Bにおいて、R方向に隣り合う接触部44の間の中央に形成されている。
レンズユニット90では、8つのゲート部39が、Z方向から見た場合に回転対称に形成されているので、8つのゲート部39がR方向に均等な間隔で配置される。そして、8つのゲート部39に対応する金型72の8つのゲート72B(図3(A)参照)が、R方向に均等な間隔で配置される。8つのゲート72Bが均等な間隔で配置されることにより、ゲート72Bから注入された樹脂の圧力(樹脂圧)が、鏡筒92のR方向で均等になり易い。言い換えると、鏡筒92の各接触部44に対応する金型72の部位に作用する樹脂圧に偏りが生じることが抑制され、金型72の摩耗が抑制されるので、成形された鏡筒92の各接触部44の寸法精度が上がる。つまり、レンズユニット90では、鏡筒92の各接触部44の寸法精度が上がるので、鏡筒92にゲート部39が回転対称に形成されない構成に比べて、レンズユニット90の光学特性を維持することができる。
図5には、レンズユニット80(図4(A)参照)の第2変形例として、レンズユニット100が示されている。レンズユニット100は、レンズユニット80において、鏡筒82(図4(A)参照)を鏡筒102に置き換えた構成とされている。鏡筒102以外の構成は、レンズユニット80と同一の構成とされている。鏡筒102は、第8収容部33Hの形状が鏡筒82とは異なっているが、他の構成は鏡筒82と同一の構成とされている。
鏡筒102の第8収容部33Hにおける内周面104は、Z方向に見て、多角形状の一例として、光軸Kを中心とする正十二角形状に形成されている。具体的には、内周面104は、鏡筒102をZ方向に見て、正十二角形の各辺を形成する12の平面104Aを有している。
平面104Aは、Z方向に見て、レンズ62の外周面62Cを表す円の接線として配置されている。つまり、平面104Aは、Z方向に見て、それぞれ、レンズ62の外周面62Cの一部と点接触している。平面104Aがレンズ62の外周面62Cと接触する部位は、接触部44である。平面104Aは、光軸Kを向いている。
鏡筒102をZ方向に見て、4つのゲート部39は、円形に形成され、図示しない仮想円上でR方向に間隔をあけて配置されている。また、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、光軸Kを挟んで対向して形成されている。さらに、4つのゲート部39は、R方向に等間隔に配置されている。つまり、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、回転対称に形成されている。加えて、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、鏡筒102の端面32Bにおいて、R方向に隣り合う接触部44の間の中央に形成されている。
レンズユニット100では、4つのゲート部39が、Z方向から見た場合に回転対称に形成されており、R方向に隣り合う接触部44の間の中央に形成されている。つまり、成形時に樹脂圧がR方向に均等に作用する構成とされているので、鏡筒102の各接触部44の寸法精度が上がり、レンズユニット100の光学特性を維持することができる。
[第3実施形態]
次に、第3実施形態のレンズユニット110について説明する。なお、第1実施形態及び第2実施形態と同一の構成については、第1実施形態及び第2実施形態と同一の符号を付して説明を省略する。
図6(A)に示すレンズユニット110は、レンズユニット30(図1参照)において、鏡筒32(図1参照)を鏡筒112に置き換えた構成とされている。鏡筒112以外の構成は、レンズユニット30と同一の構成とされている。
鏡筒112は、4つのゲート部39の形成位置が鏡筒32とは異なっているが、他の構成は鏡筒32と同一の構成とされている。また、鏡筒112は、Z方向に対して垂直な垂直方向に延在した延在部37を有しており、延在部37に4つのゲート部39が形成されている。延在部37は、鏡筒112の接触部44よりもD方向内側に張り出されている。
鏡筒112をZ方向に見て、4つのゲート部39は、円形に形成され、図示しない仮想円上でR方向に間隔をあけて配置されている。また、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、光軸Kを挟んで対向する2つのゲート部39が合計2対形成された構成とされている。さらに、4つのゲート部39は、R方向に等間隔に配置されている。つまり、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、回転対称に形成されている。
加えて、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、鏡筒32の端面32Bにおいて、R方向に隣り合う接触部44の間の中央に形成されている。さらに、4つのゲート部39は、延在部37におけるD方向の中央よりも内側部分に形成されている。図6(A)には、延在部37におけるD方向の中央を表す仮想線RAの一部が示されている。なお、延在部37におけるD方向の中央とは、一例として、図1に示す延在部37の傾斜部分を除く平坦部におけるD方向の中央としている。
仮想線RAは、Z方向に見て円形となっている。また、仮想線RAは、正八角形の各角部における延在部37のD方向の中央を繋いだ仮想線である。ゲート部39が延在部37におけるD方向の中央よりも内側部分に配置される状態とは、鏡筒112をZ方向に見て、円形のゲート部39の図示しない中心位置が、仮想線RAよりもD方向内側に位置する状態を意味している。
〔作用〕
次に、第3実施形態のレンズユニット110の作用について説明する。なお、成形装置70の構成については、図3(A)を参照する。
レンズユニット110における鏡筒112の射出成形において、ゲート72Bから注入された樹脂は、金型72における鏡筒112の筒部35(図1参照)に相当する部位ではなく、筒部35よりもD方向内側の延在部37に相当する部位に先に流れ込む。鏡筒112の筒部35には、レンズ62(図1参照)と接触する接触部44が形成される。つまり、ゲート72Bから注入された樹脂は、鏡筒112の接触部44に相当する部位に流れ込まず、接触部44から離れた延在部37に流れ込むので、金型72における接触部44に相当する部位に樹脂の圧力が集中することが抑制される。樹脂の圧力が集中することが抑制されることにより、金型72における接触部44に相当する部位の摩耗が抑制されるので、鏡筒112の延在部37にゲート部39が形成されない構成に比べて、接触部44の寸法精度を上げることができる。
また、レンズユニット110では、ゲート部39が延在部37におけるD方向の中央よりも内側部分に形成されているので、金型72のゲート72Bの位置が、接触部44の接触面に対応する位置からD方向の内側に離れる。ゲート72Bの位置が接触部44の接触面に対応する位置から離れることで、鏡筒112の接触部44に対応する金型72の部位まで樹脂が流れる間に、樹脂に含まれる無機繊維の向きがそろい易くなる。無機繊維の向きがそろい易くなることで、ゲート部39が延在部37の中央よりも外側にある構成に比べて、接触部44に対応する金型72の部位の摩耗が抑制されるので、接触部44の寸法精度が上がる。接触部44の寸法精度が上がることにより、レンズユニット110の光学特性を維持することができる。
図6(B)には、レンズユニット110(図6(A)参照)の変形例として、レンズユニット120が示されている。レンズユニット120は、レンズユニット110において、鏡筒112(図6(A)参照)を鏡筒122に置き換えた構成とされている。鏡筒122以外の構成は、レンズユニット110と同一の構成とされている。
鏡筒122は、鏡筒112(図6(A)参照)の端面32Bが筒部35の接触部44(図1参照)よりもD方向外側に張り出されることで形成された延在部124を有している。延在部124は、Z方向に見て、光軸Kを中心とする円環状に形成されている。また、鏡筒122には、筒部35よりもD方向内側に延びる延在部37が形成されている。
鏡筒122をZ方向に見て、4つのゲート部39は、延在部124に形成されており、延在部37には形成されていない。また、4つのゲート部39は、Z方向に見て、円形に形成され、図示しない仮想円上でR方向に等間隔で配置されている。さらに、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、光軸Kを挟んで対向する2つのゲート部39が合計2対形成された構成とされている。つまり、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、回転対称に形成されている。
また、4つのゲート部39は、Z方向から見た場合に、鏡筒122の端面32Bにおいて、R方向に隣り合う接触部44の間の中央に形成されている。具体的には、4つのゲート部39は、内周面42の正八角形の角の1つと光軸Kとを結ぶ図示しない仮想線上に配置されている。
レンズユニット120では、4つのゲート部39が、Z方向から見た場合に回転対称に形成されており、R方向に隣り合う接触部44の間の中央に形成されている。つまり、成形時に樹脂圧がR方向に均等に作用する構成とされているので、鏡筒122の各接触部44の寸法精度が上がり、レンズユニット120の光学特性を維持することができる。
また、レンズユニット120では、鏡筒122の射出成形において、ゲート72Bから注入された樹脂は、金型72における鏡筒122の筒部35(図1参照)に相当する部位ではなく、D方向外側の延在部124に相当する部位に先に流れ込む。つまり、ゲート72Bから注入された樹脂は、鏡筒122の接触部44に相当する部位に流れ込まず、接触部44から離れた延在部124に流れ込むので、金型72における接触部44に相当する部位に樹脂の圧力が集中することが抑制される。樹脂の圧力が集中することが抑制されることにより、金型72における接触部44に相当する部位の摩耗が抑制されるので、鏡筒122の延在部124にゲート部39が形成されない構成に比べて、接触部44の寸法精度を上げることができる。
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
レンズユニット30、80、90、100、110、120には、レンズ及び間隔環の他に、絞り部材や遮光板を設けてもよい。
レンズユニット30、80、90、100、110、120を監視用カメラに用いてもよい。
ゲート部39の形状は、Z方向に見て円形に限らず、多角形状であってもよい。また、ゲート部39の数は、4つや8つに限らず、R方向に2つ以上の複数で形成されていてもよい。さらに、ゲート部39の数は、鏡筒の内周面の多角形の角の数と同じ数、異なる数のいずれであってもよい。
レンズユニット110において、ゲート部39の数は、1つ、2つ、3つであってもよく、5つ以上であってもよい。レンズユニット110において、ゲート部39が光軸Kを挟んで対向配置されていなくてもよい。レンズユニット110において、ゲート部39が回転対称に配置されていなくてもよい。レンズユニット110において、延在部37にゲート部39が無くてもよい。レンズユニット110において、延在部37の中央よりも外側にゲート部39が形成されていてもよい。レンズユニット110において、レンズ62がガラスレンズであってもよい。
レンズユニット110において、鏡筒112の内周面42の形状は、Z方向に見て八角形よりも少ない角形であってもよい。レンズユニット110において、ゲート部39は、隣り合う接触部44の中央からR方向にずれて配置されていてもよい。鏡筒112は、無機物(一例として無機繊維)を含まなくてもよい。
鏡筒32、82、92、102、112、122又は間隔環36、38、40は、一例として、ガラス繊維と無機フィラーを含有するポリフェニレンスルファイドで構成されてもよい。鏡筒32、82、92、102、112、122又は間隔環36、38、40は、ガラス繊維等を含有する繊維強化プラスチック製とすることにより、より機械的強度が高くなる。使用する樹脂としては、例えば、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、シンジオタクチックポリスチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンスルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリロニトリルブダジエンスチレン、ポリオレフィン及び各々の変性ポリマーからなる群より選択される少なくとも一種、又は当該群から選択される少なくとも一種を含むポリマーアロイなどを用いることができる。繊維としては、ガラス繊維や炭素繊維、繊維強化プラスチック、無機フィラー等を用いることができる。
また、繊維強化プラスチック等、上記の樹脂材料には、必要に応じてガラス繊維、炭素繊維、無機フィラー等を含有させてもよい。ガラス繊維等を含有する繊維強化プラスチック製の鏡筒又は間隔環とすることにより、より機械的強度の高い鏡筒又は間隔環を得ることができる。
なお、鏡筒は、高い遮光性及び光吸収性が要求される。使用する樹脂は黒色であることが好ましく、上記の樹脂材料は黒色顔料又は黒色染料を含むことが好ましい。黒色顔料又は黒色染料を含む樹脂材料により鏡筒を構成することにより、鏡筒の内壁面を黒色とすることができ、鏡筒の内壁面における可視光の反射をより有効に抑制することができる
10 撮像装置、12 物体、20 撮像モジュール、22 撮像素子、22A 像面、30 レンズユニット、32 鏡筒、32A 側面、32B 端面、32C 開口部、32D 開口部、32E 熱カシメ部、33 収容部、33A 収容部、33B 収容部、33C 収容部、33D 収容部、33E 収容部、33F 収容部、33G 収容部、33H 収容部、34 レンズ群、35 筒部、36 間隔環、37 延在部、38 間隔環、39 ゲート部、40 間隔環、42 内周面、42A 平面、42B 曲面、44 接触部、48 シール材、52 レンズ、53 段差、54 レンズ、56 レンズ、58 レンズ、62 レンズ、62A レンズ部、62B 張出部、62C 外周面、62D 端面、70 成形装置、72 金型、72A ランナー、72B ゲート、74 金型、76 金型、78 キャビティ、80 レンズユニット、82 鏡筒、90 レンズユニット、92 鏡筒、100 レンズユニット、102 鏡筒、104 内周面、104A 平面、110 レンズユニット、112 鏡筒、120 レンズユニット、122 鏡筒、124 フランジ部、A 樹脂、K 光軸、LA 仮想線、LB 仮想線、RA 仮想線

Claims (12)

  1. 円形の外周面を有するレンズと、
    筒状の側面と、該側面に対し垂直な端面を備えた、前記レンズを収容する鏡筒であって、内周面の少なくとも一部が光軸を向く多角形状の各辺を形成する平面とされ、前記平面が前記レンズと接触部を形成する鏡筒と、
    前記鏡筒の射出成形により形成されたゲート部であって、光軸方向から見た場合に、前記鏡筒の端面において、周方向に隣り合う前記接触部の間に形成されているゲート部と、
    を有するレンズユニット。
  2. 前記ゲート部が複数個からなり、光軸方向から見た場合に、複数の前記ゲート部が前記光軸を挟んで対向して形成されている請求項1に記載のレンズユニット。
  3. 前記ゲート部は、光軸方向から見た場合に、回転対称に形成されている請求項1又は請求項2に記載のレンズユニット。
  4. 前記鏡筒の前記端面は、前記光軸方向に対して垂直な垂直方向に延在した延在部を含み、前記延在部に前記ゲート部が形成された請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  5. 前記延在部は、前記鏡筒の前記接触部に対して径方向の内側に張り出され、
    前記ゲート部は、前記延在部における前記径方向の内側部分に形成された請求項4に記載のレンズユニット。
  6. 前記延在部は、前記鏡筒の前記接触部に対して径方向の外側に張り出されている請求項4に記載のレンズユニット。
  7. 前記レンズは、樹脂レンズである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  8. 前記多角形状は、八角以上の多角形状である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  9. 前記ゲート部は、前記光軸方向から見た場合に、周方向に隣り合う前記接触部の間の中央に形成されている請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  10. 前記鏡筒は、無機物を含む樹脂で構成されている請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のレンズユニット。
  11. 前記無機物は、無機繊維である請求項10に記載のレンズユニット。
  12. 請求項1から請求項11のいずれか1項に記載のレンズユニットであって、車載用又は監視用のレンズユニット。
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