JPWO2018180697A1 - 欠陥検出装置、欠陥検出方法及びプログラム - Google Patents

欠陥検出装置、欠陥検出方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

フェイズドアレイ探触子(110)の一部のn個の超音波振動子(111)からなる送信超音波振動子(112)から溶接部(210)に向けて超音波ビーム(113)を送信する送信部(131)と、溶接部(210)を含む溶接鋼管(200)で反射した反射超音波ビームを、送信超音波振動子(112)に係るn個の超音波振動子を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子(111)で構成された受信超音波振動子(114)を介して受信する受信部(132)と、受信部(132)で受信した反射超音波ビームに基づいて溶接部(210)に欠陥が存在するか否かを判定する欠陥判定部(124)を備える。

Description

本発明は、溶接鋼管の管軸方向に沿って形成された溶接部に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置及び欠陥検出方法、当該欠陥検出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムに関するものである。
電縫鋼管等の溶接鋼管では、溶接部(溶接面)の品質が非常に重要である。この溶接鋼管の溶接部に欠陥が存在するか否かを判定する技術として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。具体的に、特許文献1には、フェイズドアレイ探触子を構成する複数の超音波振動子のうちの一部の超音波振動子からなる探傷用超音波振動子群から、溶接鋼管の外表面を介して溶接部に向けて超音波ビームを送信し、溶接部を含む溶接鋼管で反射した超音波ビームを、当該超音波ビームを送信した探傷用超音波振動子群を介して受信し、当該受信した超音波ビームに基づき溶接部に欠陥が存在するか否かを判定する技術が記載されている。
特開2016−38361号公報
溶接鋼管の製造工程において溶接部の欠陥検査を行う際に、溶接鋼管によっては溶接部の位置が溶接鋼管の周方向にずれることがある。この点、特許文献1に記載の技術では、溶接部に向けて超音波ビームを送信した超音波振動子群と同じ超音波振動子群を用いて、溶接部を含む溶接鋼管で反射した反射超音波ビームを受信しているため、溶接部の位置が想定していた位置に対して溶接鋼管の周方向にずれていた場合には、溶接部に存在する欠陥からの反射超音波ビームを適切に受信することが困難であった。即ち、特許文献1に記載の技術では、溶接部の位置が想定していた位置に対して溶接鋼管の周方向にずれていた場合には、欠陥の検出精度が低下してしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、フェイズドアレイ探触子を用いて溶接鋼管の溶接部の欠陥検査を行う際に、溶接部の位置が想定していた位置に対して溶接鋼管の周方向にずれていた場合に欠陥の検出精度の低下を抑制できる仕組みを提供することを目的とする。
本発明の欠陥検出装置は、溶接鋼管の管軸方向に沿って形成された溶接部に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置であって、前記溶接鋼管の外表面の外側に設置され、複数の超音波振動子が配列されたフェイズドアレイ探触子と、前記フェイズドアレイ探触子を構成する前記複数の超音波振動子のうちの一部のn個の超音波振動子を送信超音波振動子とし、前記送信超音波振動子から前記溶接鋼管の外表面を介して前記溶接部に向けて超音波ビームを送信する送信手段と、前記溶接部を含む前記溶接鋼管で反射した前記超音波ビームである反射超音波ビームを、前記フェイズドアレイ探触子を構成する前記複数の超音波振動子の中から、前記n個の超音波振動子を含み且つ前記n個よりも大きいm個の超音波振動子で構成された受信超音波振動子を介して受信する受信手段と、前記受信手段で受信した前記反射超音波ビームに基づいて、前記溶接部に欠陥が存在するか否かを判定する欠陥判定手段と、を有する。
また、本発明は、上述した欠陥検出装置による欠陥検出方法、及び、当該欠陥検出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを含む。
本発明によれば、フェイズドアレイ探触子を用いて溶接鋼管の溶接部の欠陥検査を行う際に、溶接部の位置が想定していた位置に対して溶接鋼管の周方向にずれていた場合に欠陥の検出精度の低下を抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置の概略構成の一例を示す図である。 図2Aは、本発明の実施形態を示し、図1に示す溶接部の位置の特定方法の一例を示す図である。 図2Bは、本発明の実施形態を示し、図1に示す溶接部の位置の特定方法の一例を示す図である。 図2Cは、本発明の実施形態を示し、図1に示す溶接部の位置の特定方法の一例を示す図である。 図3Aは、図2Cに示す方法で特定した溶接部の位置に対して、図1に示すフェイズドアレイ探触子から超音波ビームを送信した場合の様子を示す図である。 図3Bは、図2Cに示す方法で特定した溶接部の位置に対して、図1に示すフェイズドアレイ探触子から超音波ビームを送信した場合の様子を示す図である。 図4は、本発明の実施形態を示し、図1の送受信制御部による超音波ビームの送信に係る送信超音波振動子の送信遅延パターン及び反射超音波ビームの受信に係る受信超音波振動子の受信遅延パターンの設定例を示す図である。 図5は、本発明の実施形態を示し、図1の溶接鋼管を校正するための校正管に対して図1のフェイズドアレイ探触子から超音波ビームを送信する様子を示す図である。 図6は、参考例を示し、図5に示す送信超音波振動子の数nを逐次変更するとともに、受信超音波振動子を送信超音波振動子と同じとした場合の、人工欠陥からの反射超音波ビームに係るSN比を示す図である。 図7は、本発明の実施形態を示し、図5に示す送信超音波振動子の数nを所定数とするとともに、フェイズドアレイ探触子の各超音波振動子で受信した反射超音波ビームに係るBスキャン画像を示す図である。 図8は、本発明の実施形態を示し、図7の場合においてフェイズドアレイ探触子の各超音波振動子(素子番号が1ch〜64ch)で受信した欠陥エコーの最大信号強度を欠陥エコー強度として示した図である。 図9Aは、本発明の実施形態を示し、図1の記憶部に記憶するSN比情報の取得処理の一例を示す図である。 図9Bは、本発明の実施形態を示し、図1の記憶部に記憶するSN比情報の取得処理の一例を示す図である。 図9Cは、本発明の実施形態を示し、図1の記憶部に記憶するSN比情報の取得処理の一例を示す図である。 図9Dは、本発明の実施形態を示し、図1の記憶部に記憶するSN比情報の取得処理の一例を示す図である。 図10は、本発明の実施形態を示し、図1の記憶部に記憶されているSN比情報の一例を示す図である。 図11は、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置による欠陥検出方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 図12Aは、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置において、溶接鋼管の厚み方向における所定の集束領域に超音波ビームを集束させて欠陥検出処理を行う場合の第1例を示す図である。 図12Bは、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置において、溶接鋼管の厚み方向における所定の集束領域に超音波ビームを集束させて欠陥検出処理を行う場合の第1例を示す図である。 図12Cは、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置において、溶接鋼管の厚み方向における所定の集束領域に超音波ビームを集束させて欠陥検出処理を行う場合の第1例を示す図である。 図13Aは、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置において、溶接鋼管の厚み方向における所定の集束領域に超音波ビームを集束させて欠陥検出処理を行う場合の第2例を示す図である。 図13Bは、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置において、溶接鋼管の厚み方向における所定の集束領域に超音波ビームを集束させて欠陥検出処理を行う場合の第2例を示す図である。 図13Cは、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置において、溶接鋼管の厚み方向における所定の集束領域に超音波ビームを集束させて欠陥検出処理を行う場合の第2例を示す図である。 図14は、図11のステップS4における受信超音波振動子の第1の設定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。 図15は、図11のステップS4における受信超音波振動子の第2の設定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。 図16は、図11のステップS4における受信超音波振動子の第3の設定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。 図17は、図11のステップS4における受信超音波振動子の第4の設定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置100の概略構成の一例を示す図である。この欠陥検出装置100は、電縫鋼管等の溶接鋼管200の管軸方向に沿って形成された溶接部(溶接面)210に存在する欠陥211を検出するための装置である。また、図1には、溶接鋼管200の断面(より詳細には、溶接鋼管200の断面のうちの溶接部210付近)を示している。なお、図1では、説明を分かりやすくするために、溶接部210の内部に欠陥211が存在している例を示しているが、溶接鋼管200によっては溶接部210の内部に欠陥211が存在していないものもある。また、本実施形態においては、溶接鋼管200の外径は、例えば38.1mm〜114.3mmが好適であり、溶接鋼管200の厚み(外表面200Gと内表面200Nとの間の長さ)は、例えば1.6mm〜10mmが好適である。
本実施形態に係る欠陥検出装置100は、図1に示すように、フェイズドアレイ探触子110、制御・処理部120、送受信部130、記憶部140、入力部150、及び、表示部160を有して構成されている。
フェイズドアレイ探触子110は、溶接鋼管200の外表面200Gの外側に設置され、複数の超音波振動子111が配列されて形成されている。具体的に、図1には、フェイズドアレイ探触子110を構成する複数の超音波振動子111として、ch1からchNまでのN個の超音波振動子が形成されている例を示している。また、図1には、フェイズドアレイ探触子110を構成する複数の超音波振動子111のうち、溶接鋼管200の外表面200Gを介して溶接部210に向けて超音波ビーム113を送信する送信超音波振動子112が示されている。この際、図1に示す超音波ビーム113は、溶接部210の1点に集束するように描かれているが、これは飽くまでも設定上の経路を示しているものであり、実際にはフェイズドアレイ探触子110の仕様(例えば、超音波振動子111の幅や周波数、個数等)によっては、溶接部210の1点に集束しないこともあり得る。そのため、本実施形態では、溶接鋼管200の厚み方向において、超音波ビーム113が溶接部210に集束する部分を集束領域として記載する。さらに、図1には、フェイズドアレイ探触子110を構成する複数の超音波振動子111のうち、溶接部210を含む溶接鋼管200で反射した超音波ビーム113である反射超音波ビーム(以下、単に「反射超音波ビーム」と記載することがある。)を受信する受信超音波振動子114が示されている。また、フェイズドアレイ探触子110と溶接鋼管200の外表面200Gとの間には、超音波ビーム113を効率的に伝播させるための媒体として、例えば水が存在している。
制御・処理部120は、例えば入力部150から入力された入力情報に基づいて、欠陥検出装置100の各構成部を制御し、欠陥検出装置100の動作を統括的に制御する。また、制御・処理部120は、例えば入力部150から入力された入力情報に基づいて、各種の処理を行う。この制御・処理部120は、図1に示すように、送信超音波振動子設定部121、受信超音波振動子設定部122、送受信制御部123、欠陥判定部124、及び、表示制御部125を有して構成されている。
送信超音波振動子設定部121は、例えば入力部150から入力された入力情報に基づいて、フェイズドアレイ探触子110を構成する複数(図1に示す例ではN個)の超音波振動子111のうちの一部のn個の超音波振動子を送信超音波振動子112として設定する。
受信超音波振動子設定部122は、例えば入力部150から入力された入力情報に基づいて、フェイズドアレイ探触子110を構成する複数の超音波振動子111の中から、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子を受信超音波振動子114として設定する。この際、受信超音波振動子設定部122は、記憶部140に記憶されているSN比情報141を考慮して、受信超音波振動子114を設定する。
送受信制御部123は、例えば入力部150から入力された入力情報、並びに、送信超音波振動子設定部121及び受信超音波振動子設定部122で設定された情報に基づいて、送受信部130の制御を行う。具体的に、送受信制御部123は、送受信部130の送信部131に対して、送信超音波振動子設定部121で設定された送信超音波振動子112から超音波ビーム113を送信させる制御を行う。また、送受信制御部123は、送受信部130の受信部132に対して、受信超音波振動子設定部122で設定された受信超音波振動子114に反射超音波ビームを受信させる制御を行う。
欠陥判定部124は、送受信部130の受信部132で受信した反射超音波ビームに基づいて、溶接部210に欠陥211が存在するか否かを判定する。
表示制御部125は、欠陥判定部124による欠陥211の判定結果を表示部160に表示する制御を行う。さらに、表示制御部125は、必要に応じて、各種の情報を表示部160に表示する制御を行う。
送受信部130は、送受信制御部123の制御に基づいて、溶接鋼管200との間で超音波ビームの送受信を行う。この送受信部130は、送信部131、及び、受信部132を有して構成されている。送信部131は、フェイズドアレイ探触子110を構成する複数の超音波振動子111のうち、送信超音波振動子設定部121で設定された送信超音波振動子112から、超音波ビーム113を送信する処理を行う。本実施形態では、送信部131は、送受信制御部123の制御に基づいて、溶接鋼管200の外表面200Gから溶接鋼管内に入射した超音波ビーム113が溶接鋼管200の内表面200Nで反射することなく溶接部210に対して略垂直に直接入射し且つ溶接部210で集束するように、送信超音波振動子112から超音波ビーム113を送信する処理を行う。具体的に、本実施形態では、送信部131は、送信超音波振動子112から超音波ビーム113を送信して、この超音波ビーム113を、溶接鋼管200の外表面200Gにおける入射軸113aに対して角度θ(図1に示す例では、約70°)で屈折させて、溶接鋼管200の内表面200Nで反射させることなく直接溶接部210に略垂直に入射させる。また、受信部132は、フェイズドアレイ探触子110を構成する複数の超音波振動子111のうち、受信超音波振動子設定部122で設定された受信超音波振動子114を介して、反射超音波ビームを受信する処理を行う。
記憶部140は、受信超音波振動子設定部122が受信超音波振動子114を設定する際に用いるSN比情報141を記憶している。このSN比情報141については、図10を用いて後述する。さらに、記憶部140は、制御・処理部120で用いる各種の情報やプログラム等、また、制御・処理部120の処理で得られた各種の情報等を記憶する。
入力部150は、例えば、ユーザにより操作入力された入力情報を制御・処理部120に入力する。
表示部160は、表示制御部125の制御に基づいて、欠陥判定部124による欠陥211の判定結果を表示する。さらに、表示部160は、表示制御部125の制御に基づいて、各種の情報を表示する。
次に、溶接鋼管200の周方向における溶接部210の位置ずれについて、図2A〜図2C、図3を用いて説明する。
図2A〜図2Cは、本発明の実施形態を示し、図1に示す溶接部210の位置の特定方法の一例を示す図である。図2Aは、例えば帯状の鋼板(帯鋼)を溶接部210で溶接して溶接鋼管200を製造した場合の一例を示す模式図である。この図2Aに示すように、溶接時には、溶接部210にビードと呼ばれる盛り上がった部分が形成される。
図2Bは、溶接部210の位置を特定するための一例として、図2Aに示すビードを切削して当該切削面に対して光照射を行った上で当該切削面をラインカメラで撮影する様子を示す図である。また、図2Cは、図2Bに示すラインカメラで撮影された切削面画像の輝度プロファイルの一例を示す図である。この際、切削面の中心点では、照射した光がより乱反射すること等に起因して輝度が低下するため、この図2Cに示す例では、輝度が最も低下する位置を溶接部210の位置として特定する。即ち、この図2Cでは、切削面における切削幅の中心点を溶接部210の位置として特定する例を示している。この図2A〜図2Cに示す方法で溶接部210の位置を特定するのは、ビードを切削した後に溶接部210の位置を直接計測して決定することが困難である場合が多いからである。
図3A及び図3Bは、図2Cに示す方法で特定した溶接部210の位置に対して、図1に示すフェイズドアレイ探触子110から超音波ビーム113を送信した場合の様子を示す図である。図3Aは、図2Cに示す方法で特定した溶接部210の位置(切削幅中心)に、実際に溶接部210が位置する場合を示している。この図3Aに示す場合、図2Cに示す方法で特定した溶接部210の位置に実際に溶接部210が位置しているため、図2Cに示す方法で特定した溶接部210の位置に超音波ビーム113が集束するように制御することにより、実際の溶接部210の位置に超音波ビーム113の集束位置113bを設定することができる。これに対して、図3Bは、図2Cに示す方法で特定した溶接部210の位置(切削幅中心)に対して、実際の溶接部210の位置が溶接鋼管200の周方向にずれている場合を示している。この図3Bに示す場合、図2Cに示す方法で特定した溶接部210の位置に対して実際の溶接部210の位置が溶接鋼管200の周方向にずれているため、図2Cに示す方法で特定した溶接部210の位置に超音波ビーム113が集束するように制御すると、実際の溶接部210の位置に超音波ビーム113の集束位置113bを設定することができない。このため、この図3Bに示す場合には、欠陥211の検出精度の低下が懸念される。そして、この図3Bに示す場合において欠陥211の検出精度の低下を抑制すべく、本実施形態においては、受信超音波振動子設定部122において、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子を受信超音波振動子114として設定するようにしている。
次に、送受信制御部123による超音波ビーム113の送信に係る送信超音波振動子112の送信遅延パターン及び反射超音波ビームの受信に係る受信超音波振動子114の受信遅延パターンの設定について、図4を用いて説明する。
図4は、本発明の実施形態を示し、図1の送受信制御部123による超音波ビーム113の送信に係る送信超音波振動子112の送信遅延パターン410及び反射超音波ビームの受信に係る受信超音波振動子114の受信遅延パターン420の設定例を示す図である。なお、図4に示す送信遅延パターン410及び受信遅延パターン420は、飽くまでも一例を示したものであり、本実施形態においては、この図4に示す態様に限定されるものではない。
具体的に、送受信制御部123は、例えば以下の要素を考慮して、送信遅延パターン410及び受信遅延パターン420を設定する。
・送信超音波振動子112の数(n)
・受信超音波振動子114の数(m)
・溶接鋼管200の外径
・溶接鋼管200の厚み(外表面200Gと内表面200Nとの間の長さ)
・フェイズドアレイ探触子110と溶接鋼管200の幾何学的位置関係
・角度θと超音波ビーム113の集束位置113b
・フェイズドアレイ探触子110の仕様(周波数、ピッチ、素子数、素子サイズ等)
・フェイズドアレイ探触子110と溶接鋼管200の外表面200Gとの間に存在する媒体(水)の物性値(超音波ビーム113が伝搬する音速等)
・溶接鋼管200の鋼材の物性値(超音波ビーム113が伝搬する音速等)
具体的に、本実施形態では、送受信制御部123は、超音波ビーム113を、溶接鋼管200の外表面200Gにおける入射軸113aに対して角度θ(図4に示す例では、約70°)で屈折させて、溶接鋼管200の内表面200Nで反射させることなく直接溶接部210に略垂直に入射させるべく、送信遅延パターン410を設定する。
この際、フェイズドアレイ探触子110の位置は、例えば以下のようにして設定する。
まず、指定された超音波ビーム113の集束位置113bに基づき溶接部210に直交する線を溶接鋼管200の外表面200Gに向かって延長する。そして、溶接鋼管200の外表面200Gにおいてスネルの法則に基づく屈折角度θで線をフェイズドアレイ探触子110の方向に延長する。そして、当該延長線上にフェイズドアレイ探触子110の中心が位置し、且つ、当該延長線と超音波振動子111の配置面とが直交するように、フェイズドアレイ探触子110を配置する。
また、フェイズドアレイ探触子110と溶接鋼管200の外表面200Gとの間の距離(水距離)は、溶接部210に存在する欠陥211からの反射超音波ビームの伝搬時間によって影響される検査時間(水距離が長ければ伝搬時間、即ち検査時間が長くなる)や、フェイズドアレイ探触子110と溶接鋼管200の外表面200Gとの間で往復する残響エコーの影響が無視できること等を考慮して決定する。
次に、記憶部140に記憶するSN比情報141について、図5〜図10を用いて説明する。
図5は、本発明の実施形態を示し、図1の溶接鋼管200を校正するための校正管300に対して図1のフェイズドアレイ探触子110から超音波ビーム113を送信する様子を示す図である。この図5に示す校正管(calibration pipe)300は、図1に示す溶接鋼管200を校正するための鋼管であって、溶接鋼管200の溶接部210に相当する第2溶接部310に人工欠陥311を形成した鋼管である。この際、人工欠陥311としては、所定の大きさの貫通穴を形成する。
図6は、参考例を示し、図5に示す送信超音波振動子112の数nを逐次変更するとともに、受信超音波振動子114を送信超音波振動子112と同じとした場合の、人工欠陥311からの反射超音波ビームに係るSN比を示す図である。この図6の縦軸のSN比に関して、第1レベル値〜第6レベル値が示されているが、第kレベル値のkの値が大きくなる程、SN比が大きいことを示している。
一般的に、集束型のフェイズドアレイ探触子110と集束位置113bにおける音圧・感度の関係は、フェイズドアレイ探触子110から集束位置113bまでの距離が一定であれば、駆動させる超音波振動子111の数(送受信ch数)が大きいほど音圧・感度が高くなると考えられる。即ち、駆動させる超音波振動子111の数(送受信ch数)が大きいほど、SN比が大きくなると予想される。しかしながら、図6では、駆動させる超音波振動子111の数(送受信ch数)が増加するにつれてある範囲ではSN比が増加して最大となるが、その後は、駆動させる超音波振動子111の数(送受信ch数)が増加するにつれてSN比が減少している。これは、駆動させる超音波振動子111の数(送受信ch数)を増加させることに伴ってフェイズドアレイ探触子110の中心から離れる方向に駆動させる超音波振動子111を増やすことになり、そのため、ある範囲を超えて増加する超音波振動子111はSN比の向上に寄与せずに、むしろノイズの増加の要因になっていると考えられる。また、駆動させる超音波振動子111の位置によっては、発信する超音波が図5の外表面300Gに入射する角度が異なり、それによる往復音圧通過率が変化することも要因の1つである(例えば、入射角度が大きくなる外側(具体的にはchNに向かう方向)の超音波振動子111では通過率が小さくなる)。
図7は、本発明の実施形態を示し、図5に示す送信超音波振動子112の数nを所定数とするとともに、フェイズドアレイ探触子110の各超音波振動子111で受信した反射超音波ビームに係るBスキャン画像を示す図である。具体的に、図7では、フェイズドアレイ探触子110として、超音波振動子111の総数が64のものを使用した。また、図7では、送信超音波振動子112を、24個の超音波振動子111(具体的には、素子番号が21ch〜44ch)とした。また、図7では、校正管300の厚み方向の中央部に対して、屈折角度θ=70°で超音波ビーム113が集束するように設定した送信遅延パターン410で送信超音波振動子112から超音波ビーム113を送信した。そして、図7は、上述した条件で、フェイズドアレイ探触子110の各超音波振動子111(素子番号が1ch〜64ch)において受信した反射超音波ビームの波形に基づくBスキャン画像を示したものである。
図7において、外表面エコーと記載された領域において色の付された部分が、フェイズドアレイ探触子110の各超音波振動子111において、校正管300の外表面300Gからの反射超音波ビームを受信したことを示している。また、図7において、欠陥エコーと記載された領域において色の付された部分が、フェイズドアレイ探触子110の各超音波振動子111において、φ0.5mmの人工欠陥311からの反射超音波ビームを受信したことを示している。
図8は、本発明の実施形態を示し、図7の場合においてフェイズドアレイ探触子110の各超音波振動子111(素子番号が1ch〜64ch)で受信した欠陥エコーの最大信号強度を欠陥エコー強度として示した図である。具体的に、図8では、横軸をフェイズドアレイ探触子110の各超音波振動子111(素子番号が1ch〜64ch)とし、縦軸を欠陥エコー強度としている。
図8によれば、送信超音波振動子112として設定した素子番号が21ch〜44ch)において信号強度が大きい欠陥エコーが観測されるが、それ以外の超音波振動子111(ch1〜ch20,ch45〜ch64)においても、一定以上の信号強度の欠陥エコーが観測されることがわかる。このことは、送信超音波振動子112として設定した超音波振動子111に加えて、送信超音波振動子112以外の超音波振動子111を受信超音波振動子114に含めることにより、人工欠陥311からの反射超音波ビーム(欠陥エコー)に係るSN比の向上に寄与しうることが推測される。
図9A〜図9Dは、本発明の実施形態を示し、図1の記憶部140に記憶するSN比情報141の取得処理の一例を示す図である。
図9Aは、図1の溶接鋼管200を校正するための校正管300に対して図1のフェイズドアレイ探触子110から超音波ビーム113を送信する様子を示す図である。この図9Aにおいて、図5に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。また、この図9Aでは、第2溶接部310の位置が校正管300の周方向にずれた場合も示しており、フェイズドアレイ探触子110に対する第2溶接部310の基準位置を第1位置901とし、第2溶接部310の位置が第1位置901から校正管300の周方向に時計回りに角度α(時計回りを+方向とすると、角度+α)だけずれた位置を第2位置902とし、第2溶接部310の位置が第1位置901から校正管300の周方向に反時計回りに角度β(時計回りを+方向とすると、角度−β)だけずれた位置を第3位置903としている。また、超音波ビーム113の集束位置113bは、第2溶接部310が第1位置901にある場合に第2溶接部310に位置するように設定している。
図9Bは、図9Aに示す第1位置901に第2溶接部310が存在する場合(即ち、フェイズドアレイ探触子110に対する第2溶接部310の基準位置からのずれ角度が0°の場合)に、フェイズドアレイ探触子110の各超音波振動子111(素子番号が1ch〜64ch)で受信した欠陥エコーの最大信号強度を欠陥エコー強度として示した図である。この図9Bでは、図8の場合と同様に、送信超音波振動子112としては、素子番号が21ch〜44chの24個の超音波振動子111を用いている。
図9Cは、図9Aに示す第2位置902に第2溶接部310が存在する場合(即ち、フェイズドアレイ探触子110に対する第2溶接部310の基準位置からのずれ角度が+αの場合)に、フェイズドアレイ探触子110の各超音波振動子111(素子番号が1ch〜64ch)で受信した欠陥エコーの最大信号強度を欠陥エコー強度として示した図である。この図9Cでは、図8の場合と同様に、送信超音波振動子112としては、素子番号が21ch〜44chの24個の超音波振動子111を用いている。また、この図9Cでは、ずれ角度+αを+4°としている。このずれ角度+α=+4°は、例えば、溶接鋼管200の製造工程における溶接部210とフェイズドアレイ探触子110との位置関係に基づく誤差を考慮したものである。
図9Dは、図9Aに示す第3位置903に第2溶接部310が存在する場合(即ち、フェイズドアレイ探触子110に対する第2溶接部310の基準位置からのずれ角度が−βの場合)に、フェイズドアレイ探触子110の各超音波振動子111(素子番号が1ch〜64ch)で受信した欠陥エコーの最大信号強度を欠陥エコー強度として示した図である。この図9Dでは、図8の場合と同様に、送信超音波振動子112としては、素子番号が21ch〜44chの24個の超音波振動子111を用いている。また、この図9Dでは、ずれ角度−βを−4°(=−α)としている。このずれ角度−β=−4°は、例えば、溶接鋼管200の製造工程における溶接部210とフェイズドアレイ探触子110との位置関係に基づく誤差を考慮したものである。
図9Bに示す、第1位置901に第2溶接部310が存在する場合(即ち、フェイズドアレイ探触子110に対する第2溶接部310の基準位置からのずれ角度が0°の場合)には、欠陥エコー強度のピークは、フェイズドアレイ探触子110の中心付近の超音波振動子111に存在している。
また、図9Cに示す、第2位置902に第2溶接部310が存在する場合(即ち、フェイズドアレイ探触子110に対する第2溶接部310の基準位置からのずれ角度が+αの場合)には、欠陥エコー強度のピークは、フェイズドアレイ探触子110の中心付近よりも素子番号が小さい超音波振動子111に存在している。
また、図9Dに示す、第3位置903に第2溶接部310が存在する場合(即ち、フェイズドアレイ探触子110に対する第2溶接部310の基準位置からのずれ角度が−β(=−α)の場合)には、欠陥エコー強度のピークは、フェイズドアレイ探触子110の中心付近よりも素子番号が大きい超音波振動子111に存在している。
以上のことから、従来技術のように受信超音波振動子114として送信超音波振動子112と同じ超音波振動子111を用いた場合には、この図9B〜図9Dに示す欠陥エコー強度のピークの移動に伴い、欠陥からの反射超音波ビーム(欠陥エコー)に係るSN比が低下してしまうことがわかった。そこで、本実施形態では、この図9B〜図9Dに示す欠陥エコー強度のピークの移動を考慮して、受信超音波振動子設定部122は、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子を受信超音波振動子114として設定し、欠陥からの反射超音波ビーム(欠陥エコー)に係るSN比の低下を抑制することとした。この受信超音波振動子設定部122が受信超音波振動子114を設定する際に用いるSN比情報141について、図10を用いて説明する。
図10は、本発明の実施形態を示し、図1の記憶部140に記憶されているSN比情報141の一例を示す図である。この図10の縦軸のSN比に関して、第1レベル値〜第6レベル値が示されているが、第kレベル値のkの値が大きくなる程、SN比が大きいことを示している。この図10では、SN比情報141として、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111に対して受信超音波振動子114に係るm個の超音波振動子111におけるmの値を変更して取得したSN比に係る情報を示している。具体的に、図10では、図9に示した場合と同様に、フェイズドアレイ探触子110としては64個の超音波振動子111(素子番号が1ch〜64ch)を備えたものを使用し、また、送信超音波振動子112としては素子番号が21ch〜44chの24個(即ち、n=24)の超音波振動子111を用いている。
また、図10では、受信超音波振動子114に係るm個の超音波振動子111として、素子番号が27ch〜38chの12個の超音波振動子111を用いた場合、素子番号が21ch〜44chの24個の超音波振動子111を用いた場合(即ち、送信超音波振動子112と同じ超音波振動子111を用いた場合)、素子番号が17ch〜48chの32個の超音波振動子111を用いた場合、素子番号が9ch〜56chの48個の超音波振動子111を用いた場合、素子番号が1ch〜64chの64個の超音波振動子111を用いた場合のそれぞれについてのSN比に係る情報を示している。
また、図10では、受信超音波振動子114に係るm個の超音波振動子111におけるmの値を、上述した12,24,32,48,64のそれぞれに変更して取得したSN比に係る情報として、図9Aに示す第2溶接部310を校正管300の周方向の第1位置901(ずれ角度=0°)に配置した場合の人工欠陥311からの反射超音波ビームに係るSN比である第1のSN比1001と、図9Aに示す第2溶接部310を校正管300の周方向に第1位置901から時計回りに角度α(ずれ角度=+α=+4°)だけずらした第2位置902に配置した場合の人工欠陥311からの反射超音波ビームに係るSN比である第2のSN比1002と、図9Aに示す第2溶接部310を校正管300の周方向に第1位置901から反時計回りに角度β(ずれ角度=−β=−4°(=−α))だけずらした第3位置903に配置した場合の人工欠陥311からの反射超音波ビームに係るSN比である第3のSN比1003を示している。また、図10では、受信超音波振動子114に係るm個の超音波振動子111におけるmの値を、上述した12,24,32,48,64のそれぞれに変更したそれぞれの場合について、第1のSN比1001と第2のSN比1002との差、及び、第1のSN比1001と第3のSN比1003との差も、記載している。
この図10によれば、受信超音波振動子114として送信超音波振動子112と同じ超音波振動子111を用いた場合(送信超音波振動子112がn=24で受信超音波振動子114がm=24の場合)よりも、受信超音波振動子114として送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子を用いた場合(送信超音波振動子112がn=24で受信超音波振動子114がm=32の場合や、送信超音波振動子112がn=24で受信超音波振動子114がm=48の場合、送信超音波振動子112がn=24で受信超音波振動子114がm=64の場合)の方が、第1のSN比1001と第2のSN比1002または第3のSN比1003との差が小さくなることがわかった。このことから、受信超音波振動子設定部122において、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子を受信超音波振動子114として設定すれば、第2溶接部310(換言すれば、溶接部210)の位置が校正管300(換言すれば、溶接鋼管200)の周方向にずれていた場合においても、人工欠陥311(換言すれば、欠陥211)からの反射超音波ビーム(欠陥エコー)に係るSN比の低下を抑制できることがわかる。
なお、図10では、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111として、n=24の場合のSN比情報を示したが、本実施形態においては、図1の記憶部140にSN比情報141として記憶されているSN比情報はこのn=24の場合に限定されるものではなく、このn=24の場合のSN比情報に加えて、他のnの値(例えば、nの値が12や32等)の場合のSN比情報も記憶されているものとする。そして、受信超音波振動子設定部122は、この記憶部140に記憶されているSN比情報141を使用して、m個の超音波振動子111からなる受信超音波振動子114を設定する。この受信超音波振動子設定部122による受信超音波振動子114の具体的な設定例については、図14〜図17を用いて後述する。
また、図9及び図10に示す例では、ずれ角度βをずれ角度αと同じ角度とした例について説明を行ったが、本発明においてはこの形態に限定されるものではなく、ずれ角度βをずれ角度αと異なる角度とする形態も、本発明に含まれるものである。
次に、本実施形態に係る欠陥検出装置100による欠陥検出方法の処理手順について説明する。
図11は、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置100による欠陥検出方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、図11のステップS1において、送受信制御部123は、例えば入力部150から入力された入力情報に基づいて、溶接鋼管200の厚み方向において超音波ビーム113を集束させる集束領域の数を示す集束領域数Rを設定する。
図12A〜図12Cは、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置100において、溶接鋼管200の厚み方向における所定の集束領域に超音波ビーム113を集束させて欠陥検出処理を行う場合の第1例を示す図である。
この図12A〜図12Cでは、溶接鋼管200の厚み方向を3つの集束領域r1〜r3に分けて超音波ビーム113を走査(スキャン)する場合を示しており、この場合、上述した図11のステップS1において集束領域数Rが3と設定されることになる。具体的に、図12Aは、3つの集束領域r1〜r3のうち、溶接鋼管200の外表面200Gに近い集束領域r1の欠陥検出処理を行うために、フェイズドアレイ探触子110の素子番号が小さい側(ch1側)のn個の超音波振動子111で構成される送信超音波振動子112から超音波ビーム113を送信する場合を示している。また、図12Bは、3つの集束領域r1〜r3のうち、溶接鋼管200の厚み方向の中央部に位置する集束領域r2の欠陥検出処理を行うために、フェイズドアレイ探触子110の中心付近のn個の超音波振動子111で構成される送信超音波振動子112から超音波ビーム113を送信する場合を示している。また、図12Cは、3つの集束領域r1〜r3のうち、溶接鋼管200の内表面200Nに近い集束領域r3の欠陥検出処理を行うために、フェイズドアレイ探触子110の素子番号が大きい側(chN側)のn個の超音波振動子111で構成される送信超音波振動子112から超音波ビーム113を送信する場合を示している。即ち、図12A〜図12Cに示す第1例では、フェイズドアレイ探触子110における送信超音波振動子112の位置を順次変更することによって、溶接鋼管200の厚み方向における各集束領域r1〜r3に超音波ビーム113を走査(スキャン)する場合を示している。
この図12A〜図12Cに示す第1例の場合、図1の記憶部140には、集束領域r1〜r3ごとに、図10に示すSN比情報141が記憶されている形態を採る。
図13A〜図13Cは、本発明の実施形態に係る欠陥検出装置100において、溶接鋼管200の厚み方向における所定の集束領域に超音波ビーム113を集束させて欠陥検出処理を行う場合の第2例を示す図である。
この図13A〜図13Cにおいても、上述した図12A〜図12Cの場合と同様に、溶接鋼管200の厚み方向を3つの集束領域r1〜r3に分けて超音波ビーム113を走査(スキャン)する場合を示しており、この場合、上述した図11のステップS1において集束領域数Rが3と設定されることになる。具体的に、図13Aは、3つの集束領域r1〜r3のうち、溶接鋼管200の外表面200Gに近い集束領域r1の欠陥検出処理を行うために送信遅延パターン410を調整して、フェイズドアレイ探触子110の中心付近のn個の超音波振動子111で構成される送信超音波振動子112から超音波ビーム113を送信する場合を示している。また、図13Bは、3つの集束領域r1〜r3のうち、溶接鋼管200の厚み方向の中央部に位置する集束領域r2の欠陥検出処理を行うために送信遅延パターン410を調整して、フェイズドアレイ探触子110の中心付近のn個の超音波振動子111で構成される送信超音波振動子112から超音波ビーム113を送信する場合を示している。また、図13Cは、3つの集束領域r1〜r3のうち、溶接鋼管200の内表面200Nに近い集束領域r3の欠陥検出処理を行うために送信遅延パターン410を調整して、フェイズドアレイ探触子110の中心付近のn個の超音波振動子111で構成される送信超音波振動子112から超音波ビーム113を送信する場合を示している。即ち、図13A〜図13Cに示す第2例では、フェイズドアレイ探触子110における送信超音波振動子112の位置を中央部に固定して送信遅延パターン410を順次変更することによって、溶接鋼管200の厚み方向における各集束領域r1〜r3に超音波ビーム113を走査(スキャン)する場合を示している。
この図13A〜図13Cに示す第2例の場合、図1の記憶部140には、集束領域r1〜r3ごとに、図10に示すSN比情報141が記憶されている形態を採る。
ここで、再び、図11の説明に戻る。
ステップS1の処理が終了すると、続いて、ステップS2において、送受信制御部123は、溶接鋼管200の厚み方向における送信対象の集束領域を表す変数rに1を設定する。これにより、送信対象の集束領域rに1が設定される。例えば、図12A〜図12Cに示す第1例の場合には図12Aに示す集束領域r1が設定され、図13A〜図13Cに示す第2例の場合には図13Aに示す集束領域r1が設定されることになる。
続いて、ステップS3において、送信超音波振動子設定部121は、例えば入力部150から入力された入力情報に基づいて、集束領域rにおける送信超音波振動子112を設定する。具体的に、送信超音波振動子設定部121は、フェイズドアレイ探触子110を構成する複数(図1に示す例ではN個)の超音波振動子111のうちの一部のn個の超音波振動子を送信超音波振動子112として設定する。ここでは、図10の説明と整合を図るため、フェイズドアレイ探触子110を構成するch1〜ch64の64個の超音波振動子111のうち、素子番号が21ch〜44chの24個の超音波振動子111を送信超音波振動子112として設定するものとする。
続いて、ステップS4において、受信超音波振動子設定部122は、記憶部140に記憶されている集束領域rのSN比情報141を用いて、集束領域rにおける受信超音波振動子114を設定する。具体的に、受信超音波振動子設定部122は、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定する。この受信超音波振動子設定部122による受信超音波振動子114の具体的な設定例については、図14〜図17を用いて後述する。
続いて、ステップS5において、送信部131は、送受信制御部123の制御に基づいて、ステップS3で設定された送信超音波振動子112から、溶接鋼管200の外表面200Gを介して溶接部210の集束領域rに向けて超音波ビーム113を送信する処理を行う。具体的に、送信部131は、例えば図12A〜図12C或いは図13A〜図13Cに示すように、超音波ビーム113を、溶接鋼管200の内表面200Nで反射させることなく直接溶接部210に略垂直に入射させる。
続いて、ステップS6において、受信部132は、送受信制御部123の制御に基づいて、溶接部210を含む溶接鋼管200で反射した超音波ビーム113である反射超音波ビームを、ステップS4で設定された受信超音波振動子114を介して受信する処理を行う。
続いて、ステップS7において、欠陥判定部124は、ステップS6で受信した反射超音波ビームに基づいて、溶接部210の集束領域rに欠陥211が存在するか否かを判定する。この欠陥判定部124による反射超音波ビームに基づく欠陥211の判定は、例えば特許文献1にも記載されているように公知の技術であるため、その詳細な説明は省略する。一例としては、例えば図7に示す欠陥エコーの時間帯領域に、反射超音波ビームに基づく信号を受信したか否かに応じて、溶接部210の集束領域rに欠陥211が存在するか否かを判定することが考えられる。なお、例えば、図12A〜図12C或いは図13A〜図13Cに示す例では、集束領域r2の欠陥検出処理の際に欠陥211が存在すると判定され、集束領域r1及びr3の欠陥検出処理の際に欠陥211が存在しないと判定されることになる。
続いて、ステップS8において、表示制御部125は、ステップS7による欠陥211の有無に関する判定結果を表示部160に表示する制御を行う。
続いて、ステップS9において、送受信制御部123は、送信対象の集束領域を表す変数rが、ステップS1で設定した集束領域数R未満であるか否かを判断する。
ステップS9の判断の結果、送信対象の集束領域を表す変数rが、ステップS1で設定した集束領域数R未満である場合には(S9/YES)、全ての集束領域については未だ欠陥検出処理を行っていないと判断し、ステップS10に進む。
ステップS10に進むと、送受信制御部123は、溶接鋼管200の厚み方向における送信対象の集束領域を表す変数rに1を加算する。これにより、新たな送信対象の集束領域rが設定される。その後、ステップS3に戻り、ステップS10において新たに設定された集束領域rについて、ステップS3以降の処理を行う。
一方、ステップS9の判断の結果、送信対象の集束領域を表す変数rが、ステップS1で設定した集束領域数R未満でない場合には(S9/NO)、全ての集束領域について欠陥検出処理を行ったと判断し、図11のフローチャートの処理を終了する。
次に、図11のステップS4における受信超音波振動子114の設定処理の詳細な処理手順について、図14〜図17を用いて説明する。
図14は、図11のステップS4における受信超音波振動子114の第1の設定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図14に示す第1の設定処理では、まず、ステップS411おいて、受信超音波振動子設定部122は、記憶部140に記憶されているSN比情報141の中から、図11のステップS3で設定された送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子に対応するSN比情報を取得する。上述した図11のステップS3の説明では、素子番号が21ch〜44chの24個の超音波振動子111を送信超音波振動子112として設定するものとしたため、ここでは、送信超音波振動子112に係るn=24個の超音波振動子に対応するSN比情報である図10に示すSN比情報を取得するものとする。また、このSN比情報を取得するのに際しては、送信対象の集束領域rも考慮して取得する。
続いて、ステップS412において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS411で取得したSN比情報において、第1のSN比が所定の閾値以上となるmの値を抽出する。具体的に、ここでは、図10に示すSN比情報において、第1のSN比1001が所定の閾値である第4レベル値以上となるmの値として、m=24,32,48,64を抽出する。この際、所定の閾値として設定した第4レベル値は、欠陥211の検出精度の観点から定めたSN比の一例である。
続いて、ステップS413において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS412で抽出したmの値の中から、第1のSN比と第2のSN比との差及び第1のSN比と第3のSN比との差のうちの少なくともいずれか一方の差が最も小さくなるmの値を選択する。ここで、図10に示す例では、ステップS412で抽出したm(m=24,32,48,64)の値の中から、第1のSN比1001と第2のSN比1002との差及び第1のSN比1001と第3のSN比1003との差のうちの少なくともいずれか一方の差が最も小さくなるmの値を選択する。具体的に、図10に示す例では、m=64の場合、第1のSN比1001と第3のSN比1003との差が0.6dBと最も小さくなるため、本ステップでは、m=64が選択される。
続いて、ステップS414において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS413で選択したmの値に基づいて、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定する。上述したステップS413では、図10においてm=64を選択しているため、ここでは、受信超音波振動子114として、ch1〜ch64のm=64個の超音波振動子111が設定されることになる。このステップS414の処理が終了すると、図14に示す受信超音波振動子114の第1の設定処理が終了する。
図15は、図11のステップS4における受信超音波振動子114の第2の設定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図15に示す第2の設定処理では、まず、図14のステップS411と同様に、受信超音波振動子設定部122は、記憶部140に記憶されているSN比情報141の中から、図11のステップS3で設定された送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子に対応するSN比情報を取得する。ここでは、図14のステップS411で説明したものと同様に、送信超音波振動子112に係るn=24個の超音波振動子に対応するSN比情報である図10に示すSN比情報を取得するものとする。また、このSN比情報を取得するのに際しては、送信対象の集束領域rも考慮して取得する。
続いて、ステップS421において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS411で取得したSN比情報において、第1のSN比、第2のSN比及び第3のSN比が所定の閾値以上となるmの値を抽出する。具体的に、ここでは、図10に示すSN比情報において、第1のSN比1001、第2のSN比1002及び第3のSN比1003が所定の閾値である第4レベル値以上となるmの値として、m=48,64を抽出する。この際、所定の閾値として設定した第4レベル値は、欠陥211の検出精度の観点から定めたSN比の一例である。
続いて、ステップS422において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS421で抽出したmの値の中から、第1のSN比と第2のSN比との差及び第1のSN比と第3のSN比との差のうちの少なくともいずれか一方の差が最も小さくなるmの値を選択する。ここで、図10に示す例では、ステップS421で抽出したm(m=48,64)の値の中から、第1のSN比1001と第2のSN比1002との差及び第1のSN比1001と第3のSN比1003との差のうちの少なくともいずれか一方の差が最も小さくなるmの値を選択する。具体的に、図10に示す例では、m=64の場合、第1のSN比1001と第3のSN比1003との差が0.6dBと最も小さくなるため、本ステップでは、m=64が選択される。
続いて、ステップS423において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS422で選択したmの値に基づいて、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定する。上述したステップS422では、図10においてm=64を選択しているため、ここでは、受信超音波振動子114として、ch1〜ch64のm=64個の超音波振動子111が設定されることになる。このステップS423の処理が終了すると、図15に示す受信超音波振動子114の第2の設定処理が終了する。
図16は、図11のステップS4における受信超音波振動子114の第3の設定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図16に示す第3の設定処理では、まず、図14のステップS411と同様に、受信超音波振動子設定部122は、記憶部140に記憶されているSN比情報141の中から、図11のステップS3で設定された送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子に対応するSN比情報を取得する。ここでは、図14のステップS411で説明したものと同様に、送信超音波振動子112に係るn=24個の超音波振動子に対応するSN比情報である図10に示すSN比情報を取得するものとする。また、このSN比情報を取得するのに際しては、送信対象の集束領域rも考慮して取得する。
続いて、図14のステップS412と同様に、受信超音波振動子設定部122は、ステップS411で取得したSN比情報において、第1のSN比が所定の閾値以上となるmの値を抽出する。具体的に、ここでは、図10に示すSN比情報において、第1のSN比1001が所定の閾値である第4レベル値以上となるmの値として、m=24,32,48,64を抽出する。
続いて、ステップS431において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS412で抽出したmの値の中から、第1のSN比と第2のSN比との差及び第1のSN比と第3のSN比との差における合計が最も小さくなるmの値を選択する。ここで、図10に示す例では、ステップS412で抽出したm(m=24,32,48,64)の値の中から、第1のSN比1001と第2のSN比1002との差及び第1のSN比1001と第3のSN比1003との差における合計が最も小さくなるmの値を選択する。具体的に、図10に示す例では、m=64の場合、第1のSN比1001と第2のSN比1002との差が0.8dBであり、また、第1のSN比1001と第3のSN比1003との差が0.6dBであり、これらの差の合計が1.4dBと最も小さくなるため、本ステップでは、m=64が選択される。
続いて、ステップS432において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS431で選択したmの値に基づいて、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定する。上述したステップS431では、図10においてm=64を選択しているため、ここでは、受信超音波振動子114として、ch1〜ch64のm=64個の超音波振動子111が設定されることになる。このステップS432の処理が終了すると、図16に示す受信超音波振動子114の第3の設定処理が終了する。
図17は、図11のステップS4における受信超音波振動子114の第4の設定処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
図17に示す第4の設定処理では、まず、図14のステップS411と同様に、受信超音波振動子設定部122は、記憶部140に記憶されているSN比情報141の中から、図11のステップS3で設定された送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子に対応するSN比情報を取得する。ここでは、図14のステップS411で説明したものと同様に、送信超音波振動子112に係るn=24個の超音波振動子に対応するSN比情報である図10に示すSN比情報を取得するものとする。また、このSN比情報を取得するのに際しては、送信対象の集束領域rも考慮して取得する。
続いて、図15のステップS421と同様に、受信超音波振動子設定部122は、ステップS411で取得したSN比情報において、第1のSN比、第2のSN比及び第3のSN比が所定の閾値以上となるmの値を抽出する。具体的に、ここでは、図10に示すSN比情報において、第1のSN比1001、第2のSN比1002及び第3のSN比1003が所定の閾値である第4レベル値以上となるmの値として、m=48,64を抽出する。
続いて、ステップS441において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS421で抽出したmの値の中から、第1のSN比と第2のSN比との差及び第1のSN比と第3のSN比との差における合計が最も小さくなるmの値を選択する。ここで、図10に示す例では、ステップS421で抽出したm(m=48,64)の値の中から、第1のSN比1001と第2のSN比1002との差及び第1のSN比1001と第3のSN比1003との差における合計が最も小さくなるmの値を選択する。具体的に、図10に示す例では、m=64の場合、第1のSN比1001と第2のSN比1002との差が0.8dBであり、また、第1のSN比1001と第3のSN比1003との差が0.6dBであり、これらの差の合計が1.4dBと最も小さくなるため、本ステップでは、m=64が選択される。
続いて、ステップS442において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS441で選択したmの値に基づいて、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定する。上述したステップS441では、図10においてm=64を選択しているため、ここでは、受信超音波振動子114として、ch1〜ch64のm=64個の超音波振動子111が設定されることになる。このステップS442の処理が終了すると、図17に示す受信超音波振動子114の第4の設定処理が終了する。
なお、図10に示すSN比情報141は、図9Aに示すように校正管300の厚み方向の中央部に超音波ビーム113を送信した場合のSN比情報であるため、図12B或いは図13Bに示す集束領域r2の欠陥検出処理を行うために用いられるSN比情報に相当する。この場合、図12A或いは図13Aに示す集束領域r1の欠陥検出処理を行うために用いられるSN比情報や、図12C或いは図13Cに示す集束領域r3の欠陥検出処理を行うために用いられるSN比情報は、図10に示す集束領域r2の欠陥検出処理を行うために用いられるSN比情報とは異なる場合があり得る。例えば、送信超音波振動子112の素子数nと受信超音波振動子114の素子数mとの関係は、図10に示す集束領域r2の場合と異なる場合があり得る(即ち、mが変わる可能性がある)。また、上述した図12A〜図12Cや図13A〜図13Cでは、集束領域数Rが3である場合の例を示したが、本実施形態においてはこの態様に限定されるものではなく、例えば、集束領域数Rとして3以外の複数を使用する態様も、本実施形態に適用可能である。
以上説明しましたように、本実施形態に係る欠陥検出装置100では、送信部131は、フェイズドアレイ探触子110を構成する複数の超音波振動子111のうちの一部のn個の超音波振動子111を送信超音波振動子112とし、送信超音波振動子112から溶接鋼管200の外表面200Gを介して溶接部210に向けて超音波ビーム113を送信するようにしている。また、受信超音波振動子設定部122は、フェイズドアレイ探触子110に対して溶接部210が溶接鋼管200の周方向にずれた場合の反射超音波ビームに係るSN比を考慮して(具体的には、記憶部140に記憶されているSN比情報141(例えば、図10に示すSN比情報)を参照して)、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定するようにしている。そして、受信部132は、溶接部210を含む溶接鋼管200で反射した超音波ビーム113である反射超音波ビームを受信超音波振動子114を介して受信し、欠陥判定部124は、受信部132で受信した反射超音波ビームに基づいて溶接部210に欠陥211が存在するか否かを判定するようにしている。
かかる構成によれば、フェイズドアレイ探触子110に対して溶接部210が溶接鋼管200の周方向にずれた場合の反射超音波ビームに係るSN比を考慮して受信超音波振動子114を設定しているため、図10を用いて説明したように、溶接部210の位置が想定していた位置に対して溶接鋼管200の周方向にずれていた場合に欠陥211の検出精度の低下を抑制することができる。
≪本実施形態の変形例≫
上述した本発明の実施形態では、受信超音波振動子設定部122は、フェイズドアレイ探触子110に対して溶接部210が溶接鋼管200の周方向にずれた場合の反射超音波ビームに係るSN比を考慮して(具体的には、記憶部140に記憶されているSN比情報141(例えば、図10に示すSN比情報)を参照して)、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定するものであった。しかしながら、本発明においてはこの形態に限定されるものではない。例えば、上述した反射超音波ビームにおけるノイズレベルが極めて低く、ノイズを無視できると見なせる場合には、上述した本発明の実施形態における反射超音波ビームに係るSN比に換えて、反射超音波ビームに係るエコー強度を適用することが可能である。以下、本実施形態の変形例として、この反射超音波ビームに係るエコー強度を適用する場合について説明する。
まず、本実施形態の変形例の場合、図1に示す記憶部140には、SN比情報141に換えてエコー強度情報を記憶する形態を採る。そして、このエコー強度情報を採用する場合、図10に示す縦軸は、SN比に換えてエコー強度を採る。この際、このエコー強度は、図8や図9B〜図9Dの縦軸に示すエコー強度と同じ概念である。
次に、本実施形態の変形例を採用した場合の、図11のステップS4における受信超音波振動子114の設定処理の詳細な処理手順について、図14〜図17を用いて説明する。
始めに、図14を用いて、本実施形態の変形例において、図11のステップS4における受信超音波振動子114の第1の設定処理の詳細な処理手順について説明する。
図14に示す第1の設定処理では、まず、ステップS411おいて、受信超音波振動子設定部122は、記憶部140に記憶されているSN比情報141に換えて適用したエコー強度情報の中から、図11のステップS3で設定された送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子に対応するエコー強度情報を取得する。上述した図11のステップS3の説明では、素子番号が21ch〜44chの24個の超音波振動子111を送信超音波振動子112として設定するものとしたため、ここでは、送信超音波振動子112に係るn=24個の超音波振動子に対応するエコー強度情報である、図10に示すSN比情報に換えて適用したエコー強度情報を取得するものとする。また、このエコー強度情報を取得するのに際しては、送信対象の集束領域rも考慮して取得する。
続いて、ステップS412において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS411で取得したエコー強度情報において、上述した第1のSN比に換えて適用した第1のエコー強度が所定の閾値以上となるmの値を抽出する。具体的に、ここでは、図10に示す第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度が所定の閾値である第4レベル値以上となるmの値として、m=24,32,48,64を抽出する。この際、所定の閾値として設定した第4レベル値は、欠陥211の検出精度の観点から定めたエコー強度の一例である。
続いて、ステップS413において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS412で抽出したmの値の中から、第1のSN比に換えて適用した第1のエコー強度と第2のSN比に換えて適用した第2のエコー強度との差及び第1のエコー強度と第3のSN比に換えて適用した第3のエコー強度との差のうちの少なくともいずれか一方の差が最も小さくなるmの値を選択する。ここで、図10に示す例では、ステップS412で抽出したm(m=24,32,48,64)の値の中から、第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第2のSN比1002に換えて適用した第2のエコー強度との差及び第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第3のSN比1003に換えて適用した第3のエコー強度との差のうちの少なくともいずれか一方の差が最も小さくなるmの値を選択する。具体的に、図10に示す例では、m=64の場合、第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第3のSN比1003に換えて適用した第3のエコー強度との差が最も小さくなるため、本ステップでは、m=64が選択される。
続いて、ステップS414において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS413で選択したmの値に基づいて、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定する。上述したステップS413では、図10においてm=64を選択しているため、ここでは、受信超音波振動子114として、ch1〜ch64のm=64個の超音波振動子111が設定されることになる。このステップS414の処理が終了すると、図14に示す受信超音波振動子114の第1の設定処理が終了する。
次に、図15を用いて、本実施形態の変形例において、図11のステップS4における受信超音波振動子114の第2の設定処理の詳細な処理手順について説明する。
図15に示す第2の設定処理では、まず、図14のステップS411と同様に、受信超音波振動子設定部122は、記憶部140に記憶されているSN比情報141に換えて適用したエコー強度情報の中から、図11のステップS3で設定された送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子に対応するエコー強度情報を取得する。ここでは、図14のステップS411で説明したものと同様に、送信超音波振動子112に係るn=24個の超音波振動子に対応するエコー強度情報である、図10に示すSN比情報に換えて適用したエコー強度情報を取得するものとする。また、このエコー強度情報を取得するのに際しては、送信対象の集束領域rも考慮して取得する。
続いて、ステップS421において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS411で取得したエコー強度情報において、上述した第1のSN比に換えて適用した第1のエコー強度、第2のSN比に換えて適用した第2のエコー強度及び第3のSN比に換えて適用した第3のエコー強度が所定の閾値以上となるmの値を抽出する。具体的に、ここでは、図10に示す第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度、第2のSN比1002に換えて適用した第2のエコー強度及び第3のSN比1003に換えて適用した第3のエコー強度が所定の閾値である第4レベル値以上となるmの値として、m=48,64を抽出する。この際、所定の閾値として設定した第4レベル値は、欠陥211の検出精度の観点から定めたSN比の一例である。
続いて、ステップS422において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS421で抽出したmの値の中から、第1のSN比に換えて適用した第1のエコー強度と第2のSN比に換えて適用した第2のエコー強度との差及び第1のエコー強度と第3のSN比に換えて適用した第3のエコー強度との差のうちの少なくともいずれか一方の差が最も小さくなるmの値を選択する。ここで、図10に示す例では、ステップS421で抽出したm(m=48,64)の値の中から、第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第2のSN比1002に換えて適用した第2のエコー強度との差及び第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第3のSN比1003に換えて適用した第3のエコー強度との差のうちの少なくともいずれか一方の差が最も小さくなるmの値を選択する。具体的に、図10に示す例では、m=64の場合、第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第3のSN比1003に換えて適用した第3のエコー強度との差が最も小さくなるため、本ステップでは、m=64が選択される。
続いて、ステップS423において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS422で選択したmの値に基づいて、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定する。上述したステップS422では、図10においてm=64を選択しているため、ここでは、受信超音波振動子114として、ch1〜ch64のm=64個の超音波振動子111が設定されることになる。このステップS423の処理が終了すると、図15に示す受信超音波振動子114の第2の設定処理が終了する。
次に、図16を用いて、本実施形態の変形例において、図11のステップS4における受信超音波振動子114の第3の設定処理の詳細な処理手順について説明する。
図16に示す第3の設定処理では、まず、図14のステップS411と同様に、受信超音波振動子設定部122は、記憶部140に記憶されているSN比情報141に換えて適用したエコー強度情報の中から、図11のステップS3で設定された送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子に対応するエコー強度情報を取得する。ここでは、図14のステップS411で説明したものと同様に、送信超音波振動子112に係るn=24個の超音波振動子に対応するエコー強度情報である、図10に示すSN比情報に換えて適用したエコー強度情報を取得するものとする。また、このエコー強度情報を取得するのに際しては、送信対象の集束領域rも考慮して取得する。
続いて、図14のステップS412と同様に、受信超音波振動子設定部122は、ステップS411で取得したエコー強度情報において、上述した第1のSN比に換えて適用した第1のエコー強度が所定の閾値以上となるmの値を抽出する。具体的に、ここでは、図10に示す第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度が所定の閾値である第4レベル値以上となるmの値として、m=24,32,48,64を抽出する。
続いて、ステップS431において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS412で抽出したmの値の中から、第1のSN比に換えて適用した第1のエコー強度と第2のSN比に換えて適用した第2のエコー強度との差及び第1のエコー強度と第3のSN比に換えて適用した第3のエコー強度との差における合計が最も小さくなるmの値を選択する。ここで、図10に示す例では、ステップS412で抽出したm(m=24,32,48,64)の値の中から、第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第2のSN比1002に換えて適用した第2のエコー強度との差及び第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第3のSN比1003に換えて適用した第3のエコー強度との差における合計が最も小さくなるmの値を選択する。具体的に、図10に示す例では、m=64の場合、第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第2のSN比1002に換えて適用した第2のエコー強度との差及び第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第3のSN比1003に換えて適用した第3のエコー強度との差における合計が最も小さくなるため、本ステップでは、m=64が選択される。
続いて、ステップS432において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS431で選択したmの値に基づいて、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定する。上述したステップS431では、図10においてm=64を選択しているため、ここでは、受信超音波振動子114として、ch1〜ch64のm=64個の超音波振動子111が設定されることになる。このステップS432の処理が終了すると、図16に示す受信超音波振動子114の第3の設定処理が終了する。
次に、図17を用いて、本実施形態の変形例において、図11のステップS4における受信超音波振動子114の第4の設定処理の詳細な処理手順について説明する。
図17に示す第4の設定処理では、まず、図14のステップS411と同様に、受信超音波振動子設定部122は、記憶部140に記憶されているSN比情報141に換えて適用したエコー強度情報の中から、図11のステップS3で設定された送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子に対応するエコー強度情報を取得する。ここでは、図14のステップS411で説明したものと同様に、送信超音波振動子112に係るn=24個の超音波振動子に対応するエコー強度情報である、図10に示すSN比情報に換えて適用したエコー強度情報を取得するものとする。また、このエコー強度情報を取得するのに際しては、送信対象の集束領域rも考慮して取得する。
続いて、図15のステップS421と同様に、受信超音波振動子設定部122は、ステップS411で取得したエコー強度情報において、上述した第1のSN比に換えて適用した第1のエコー強度、第2のSN比に換えて適用した第2のエコー強度及び第3のSN比に換えて適用した第3のエコー強度が所定の閾値以上となるmの値を抽出する。具体的に、ここでは、図10に示す第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度、第2のSN比1002に換えて適用した第2のエコー強度及び第3のSN比1003に換えて適用した第3のエコー強度が所定の閾値である第4レベル値以上となるmの値として、m=48,64を抽出する。
続いて、ステップS441において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS421で抽出したmの値の中から、第1のSN比に換えて適用した第1のエコー強度と第2のSN比に換えて適用した第2のエコー強度との差及び第1のエコー強度と第3のSN比に換えて適用した第3のエコー強度との差における合計が最も小さくなるmの値を選択する。ここで、図10に示す例では、ステップS421で抽出したm(m=48,64)の値の中から、第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第2のSN比1002に換えて適用した第2のエコー強度との差及び第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第3のSN比1003に換えて適用した第3のエコー強度との差における合計が最も小さくなるmの値を選択する。具体的に、図10に示す例では、m=64の場合、第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第2のSN比1002に換えて適用した第2のエコー強度との差及び第1のSN比1001に換えて適用した第1のエコー強度と第3のSN比1003に換えて適用した第3のエコー強度との差における合計が最も小さくなるため、本ステップでは、m=64が選択される。
続いて、ステップS442において、受信超音波振動子設定部122は、ステップS441で選択したmの値に基づいて、送信超音波振動子112に係るn個の超音波振動子111を含み且つn個よりも大きいm個の超音波振動子111を受信超音波振動子114として設定する。上述したステップS441では、図10においてm=64を選択しているため、ここでは、受信超音波振動子114として、ch1〜ch64のm=64個の超音波振動子111が設定されることになる。このステップS442の処理が終了すると、図17に示す受信超音波振動子114の第4の設定処理が終了する。
以上説明した本実施形態の変形例においても、上述した本発明の実施形態と同様に、図10を用いて説明したように、溶接部210の位置が想定していた位置に対して溶接鋼管200の周方向にずれていた場合に欠陥211の検出精度の低下を抑制することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、または、その主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。

Claims (14)

  1. 溶接鋼管の管軸方向に沿って形成された溶接部に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置であって、
    前記溶接鋼管の外表面の外側に設置され、複数の超音波振動子が配列されたフェイズドアレイ探触子と、
    前記フェイズドアレイ探触子を構成する前記複数の超音波振動子のうちの一部のn個の超音波振動子を送信超音波振動子とし、前記送信超音波振動子から前記溶接鋼管の外表面を介して前記溶接部に向けて超音波ビームを送信する送信手段と、
    前記溶接部を含む前記溶接鋼管で反射した前記超音波ビームである反射超音波ビームを、前記フェイズドアレイ探触子を構成する前記複数の超音波振動子の中から、前記n個の超音波振動子を含み且つ前記n個よりも大きいm個の超音波振動子で構成された受信超音波振動子を介して受信する受信手段と、
    前記受信手段で受信した前記反射超音波ビームに基づいて、前記溶接部に欠陥が存在するか否かを判定する欠陥判定手段と、
    を有することを特徴とする欠陥検出装置。
  2. 前記受信超音波振動子は、
    前記溶接鋼管を校正するための鋼管であって前記溶接部に相当する第2溶接部に人工欠陥を形成した校正管を用いて、前記送信超音波振動子に係る前記n個の超音波振動子に対して前記受信超音波振動子に係る前記m個の超音波振動子におけるmの値を変更して取得した前記反射超音波ビームに係るSN比であって、前記mの値ごとに、前記フェイズドアレイ探触子に対して前記第2溶接部を前記校正管の周方向の第1位置に配置した場合の前記人工欠陥からの前記反射超音波ビームに係るSN比である第1のSN比と、前記フェイズドアレイ探触子に対して前記第2溶接部を前記校正管の周方向に前記第1位置から時計回りに角度αだけずらした第2位置に配置した場合の前記人工欠陥からの前記反射超音波ビームに係るSN比である第2のSN比と、前記フェイズドアレイ探触子に対して前記第2溶接部を前記校正管の周方向に前記第1位置から反時計回りに角度βだけずらした第3位置に配置した場合の前記人工欠陥からの前記反射超音波ビームに係るSN比である第3のSN比とに基づいて、設定されたことを特徴とする請求項1に記載の欠陥検出装置。
  3. 前記受信超音波振動子は、前記第1のSN比と前記第2のSN比との差および前記第1のSN比と前記第3のSN比との差のうちの少なくともいずれか一方の差が最も小さくなる前記mの値に基づいて、設定されたことを特徴とする請求項2に記載の欠陥検出装置。
  4. 前記受信超音波振動子は、前記第1のSN比と前記第2のSN比との差および前記第1のSN比と前記第3のSN比との差における合計が最も小さくなる前記mの値に基づいて、設定されたことを特徴とする請求項2に記載の欠陥検出装置。
  5. 前記受信超音波振動子は、前記第1のSN比が所定の閾値以上となる前記mの値を抽出し、当該抽出したmの値の中から前記最も小さくなるmの値を選択し、当該選択したmの値に基づいて、設定されたことを特徴とする請求項3または4に記載の欠陥検出装置。
  6. 前記受信超音波振動子は、前記第1のSN比、前記第2のSN比および前記第3のSN比が所定の閾値以上となる前記mの値を抽出し、当該抽出したmの値の中から前記最も小さくなるmの値を選択し、当該選択したmの値に基づいて、設定されたことを特徴とする請求項3または4に記載の欠陥検出装置。
  7. 前記受信超音波振動子は、
    前記溶接鋼管を校正するための鋼管であって前記溶接部に相当する第2溶接部に人工欠陥を形成した校正管を用いて、前記送信超音波振動子に係る前記n個の超音波振動子に対して前記受信超音波振動子に係る前記m個の超音波振動子におけるmの値を変更して取得した前記反射超音波ビームに係るエコー強度であって、前記mの値ごとに、前記フェイズドアレイ探触子に対して前記第2溶接部を前記校正管の周方向の第1位置に配置した場合の前記人工欠陥からの前記反射超音波ビームに係るエコー強度である第1のエコー強度と、前記フェイズドアレイ探触子に対して前記第2溶接部を前記校正管の周方向に前記第1位置から時計回りに角度αだけずらした第2位置に配置した場合の前記人工欠陥からの前記反射超音波ビームに係るエコー強度である第2のエコー強度と、前記フェイズドアレイ探触子に対して前記第2溶接部を前記校正管の周方向に前記第1位置から反時計回りに角度βだけずらした第3位置に配置した場合の前記人工欠陥からの前記反射超音波ビームに係るエコー強度である第3のエコー強度とに基づいて、設定されたことを特徴とする請求項1に記載の欠陥検出装置。
  8. 前記受信超音波振動子は、前記第1のエコー強度と前記第2のエコー強度との差および前記第1のエコー強度と前記第3のエコー強度との差のうちの少なくともいずれか一方の差が最も小さくなる前記mの値に基づいて、設定されたことを特徴とする請求項7に記載の欠陥検出装置。
  9. 前記受信超音波振動子は、前記第1のエコー強度と前記第2のエコー強度との差および前記第1のエコー強度と前記第3のエコー強度との差における合計が最も小さくなる前記mの値に基づいて、設定されたことを特徴とする請求項7に記載の欠陥検出装置。
  10. 前記受信超音波振動子は、前記第1のエコー強度が所定の閾値以上となる前記mの値を抽出し、当該抽出したmの値の中から前記最も小さくなるmの値を選択し、当該選択したmの値に基づいて、設定されたことを特徴とする請求項8または9に記載の欠陥検出装置。
  11. 前記受信超音波振動子は、前記第1のエコー強度、前記第2のエコー強度および前記第3のエコー強度が所定の閾値以上となる前記mの値を抽出し、当該抽出したmの値の中から前記最も小さくなるmの値を選択し、当該選択したmの値に基づいて、設定されたことを特徴とする請求項8または9に記載の欠陥検出装置。
  12. 前記送信手段は、前記溶接鋼管の外表面から前記溶接鋼管内に入射した超音波ビームが前記溶接鋼管の内表面で反射することなく前記溶接部に対して略垂直に直接入射し且つ前記溶接部で集束するように、前記超音波ビームを送信することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の欠陥検出装置。
  13. 溶接鋼管の外表面の外側に設置され、複数の超音波振動子が配列されたフェイズドアレイ探触子を備え、前記溶接鋼管の管軸方向に沿って形成された溶接部に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置による欠陥検出方法であって、
    前記フェイズドアレイ探触子を構成する前記複数の超音波振動子のうちの一部のn個の超音波振動子を送信超音波振動子とし、前記送信超音波振動子から前記溶接鋼管の外表面を介して前記溶接部に向けて超音波ビームを送信する送信ステップと、
    前記溶接部を含む前記溶接鋼管で反射した前記超音波ビームである反射超音波ビームを、前記フェイズドアレイ探触子を構成する前記複数の超音波振動子の中から、前記n個の超音波振動子を含み且つ前記n個よりも大きいm個の超音波振動子で構成された受信超音波振動子を介して受信する受信ステップと、
    前記受信ステップで受信した前記反射超音波ビームに基づいて、前記溶接部に欠陥が存在するか否かを判定する欠陥判定ステップと、
    を有することを特徴とする欠陥検出方法。
  14. 溶接鋼管の外表面の外側に設置され、複数の超音波振動子が配列されたフェイズドアレイ探触子を備え、前記溶接鋼管の管軸方向に沿って形成された溶接部に存在する欠陥を検出する欠陥検出装置による欠陥検出方法をコンピュータに実行させるためのプログラムであって、
    前記フェイズドアレイ探触子を構成する前記複数の超音波振動子のうちの一部のn個の超音波振動子を送信超音波振動子とし、前記送信超音波振動子から前記溶接鋼管の外表面を介して前記溶接部に向けて超音波ビームを送信する送信ステップと、
    前記溶接部を含む前記溶接鋼管で反射した前記超音波ビームである反射超音波ビームを、前記フェイズドアレイ探触子を構成する前記複数の超音波振動子の中から、前記n個の超音波振動子を含み且つ前記n個よりも大きいm個の超音波振動子で構成された受信超音波振動子を介して受信する受信ステップと、
    前記受信ステップで受信した前記反射超音波ビームに基づいて、前記溶接部に欠陥が存在するか否かを判定する欠陥判定ステップと、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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