以下、本発明に係る医療用コネクタの実施形態について、図1〜図11を参照して説明する。各図において共通する部材・部位には同一の符号を付している。
図1は、本発明に係る医療用コネクタの一実施形態としての閉鎖式オスコネクタ1と、この閉鎖式オスコネクタ1に接続可能なメスコネクタ2と、を示す側面図である。図2は、図1のI-I線に沿う断面図である。図1及び図2に示す閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2は、相互に接続される前の各々単体の状態を示している。以下、閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2において、輸液ラインにて薬液等の液体の流路下流側(図1の上方)となる一端側を「遠位端」側、輸液ラインにて液体の流路上流側(図1の下方)となる他端側を「近位端」側と記載する。
図1及び図2に示すように、閉鎖式オスコネクタ1は、ハウジング10と、内筒部材20と、弾性弁体30と、を備えている。
ハウジング10は流路管部11を備えている。流路管部11は、メスコネクタ2の挿入開口42cに挿入可能である。
内筒部材20は、内筒部材20の中心軸線Oに平行する方向(以下、単に「軸方向A」と記載する。)に移動可能にハウジング10に対して保持されている。また、内筒部材20は接続筒部21を備えている。接続筒部21は、流路管部11の径方向Bの周囲を覆い、メスコネクタ2の先端フランジ47に螺合可能な雌ねじ部21aを備えている。
弾性弁体30は、接続筒部21内において、流路管部11の流路11aの遠位端側の開口11a1を覆う閉鎖形態と、開口11a1を開放する開放形態と、の間で形態を変化可能である。具体的に、本実施形態の弾性弁体30にはスリット32aが形成されており、本実施形態の閉鎖形態は、流路管部11の先端が弾性弁体30に覆われている状態である。また、本実施形態の開放形態は、流路管部11の先端がスリット32aを通じて弾性弁体30を貫通した状態である。
メスコネクタ2は、2016年のISO80369−7に準拠するロック式のメスコネクタである。図1及び図2に示すように、メスコネクタ2は、ハウジング40と、弾性弁体50と、を備えている。
以下、閉鎖式オスコネクタ1のハウジング10と、メスコネクタ2のハウジング40と、を区別するために、説明の便宜上、閉鎖式オスコネクタ1のハウジング10を「第1ハウジング10」と記載し、メスコネクタ2のハウジング40を「第2ハウジング40」と記載する。また、閉鎖式オスコネクタ1の弾性弁体30と、メスコネクタ2の弾性弁体50と、を区別するために、説明の便宜上、閉鎖式オスコネクタ1の弾性弁体30を「第1弾性弁体30」と記載し、メスコネクタ2の弾性弁体50を「第2弾性弁体50」と記載する。
第2ハウジング40は中空部41を区画している。中空部41の一端が、閉鎖式オスコネクタ1の流路管部11を挿入可能な挿入開口42cである。つまり、閉鎖式オスコネクタ1の流路管部11は、挿入開口42cを通じて中空部41内に挿入される。中空部41は、第2弾性弁体50が保持されている保持空間41aと、この保持空間41aに連通する流路41bと、で構成されている。また、第2ハウジング40は、閉鎖式オスコネクタ1の接続筒部21の雌ねじ部21aと螺合可能な先端フランジ47を備えている。
具体的に、第2ハウジング40は、キャップ42と、ホルダ43と、を備えており、上述の中空部41は、キャップ42が区画する保持空間41aと、キャップ42及びホルダ43が区画する流路41bと、で構成されている。
キャップ42の外壁に上述の先端フランジ47が形成されている。本実施形態の先端フランジ47は、キャップ42の外壁に形成されている雄ねじ部46のねじ山46aの一部を構成している。先端フランジ47の詳細は後述する(図2、図5等参照)。
第2弾性弁体50は、第2ハウジング40の中空部41内に位置し、中空部41を閉塞している。具体的に、第2弾性弁体50は、上述したように、中空部41のうちキャップ42が区画する保持空間41aに位置しており、キャップ42に天面50a及び底面50bから挟み込まれて圧縮された状態とされることで、挟持されている。第2弾性弁体50には、閉鎖式オスコネクタ1の流路管部11が挿通可能なスリット51が形成されている。
図1及び図2に示す閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2を接続する際には、まず、上述した閉鎖式オスコネクタ1の接続筒部21の雌ねじ部21aに対して、メスコネクタ2の先端フランジ47を含む雄ねじ部46を螺合する。この際、閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30が、メスコネクタ2の挿入開口42cの縁部42c1に当接するまで、雌ねじ部21aと雄ねじ部46とを螺合する。以下、閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30が、メスコネクタ2の挿入開口42cの縁部42c1に当接する状態を「当接状態」と記載する。
次に、当接状態で、閉鎖式オスコネクタ1の接続筒部21を備える内筒部材20を、閉鎖式オスコネクタ1の第1ハウジング10に対して、軸方向Aに移動させる。これにより、第1弾性弁体30に対して、閉鎖式オスコネクタ1の流路管部11を、軸方向Aに相対的に移動させることができる。そのため、流路管部11の先端を、第1弾性弁体30を貫通するように移動させることができる。その結果、流路管部11を、メスコネクタ2の中空部41内に進入させることができる。この接続動作の詳細については後述する(図6、図7参照)。
雌ねじ部21aは、上述の当接状態で、先端フランジ47を挟み込む谷部29aを備えている。そのため、同じ当接状態で先端フランジが挟み込まれていない構成と比較して、摩擦力の増加により先端フランジ47が雌ねじ部21aに対して回動し難くなる。つまり、先端フランジ47及び雌ねじ部21aのねじ結合を緩み難くすることができる。この詳細については後述する(図8、図9参照)。
以下、閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2それぞれの詳細について説明する。
<閉鎖式オスコネクタ1>
本実施形態の閉鎖式オスコネクタ1は、上述したように、第1ハウジング10と、内筒部材20と、第1弾性弁体30と、を備えている。以下、各部材の詳細について説明する。
[第1ハウジング10]
第1ハウジング10は、ホルダ部材12と、外筒部材13と、を備えている。
ホルダ部材12は、上述の流路管部11と、この流路管部11の近位端から径方向Bに突出するフランジ部14と、このフランジ部14から近位端側に向かって突出し、医療用チューブ等の医療器具と接続可能な接続部15と、フランジ部14から遠位端側に、流路管部11の径方向Bの外側を取り囲むように突設されている環状の突出部16と、を備えている。
流路管部11は、図2に示すように、外筒部材13内で外筒部材13の中心軸線に平行する方向に延在している。すなわち、流路管部11の中心軸線に平行する方向は、外筒部材13の中心軸線に平行する方向と略同じである。また、図2に示すように、流路管部11の中心軸線に平行する方向、及び、外筒部材13の中心軸線に平行する方向は、後述する内筒部材20の軸方向Aと略同じである。換言すれば、図2に示すように、本実施形態の流路管部11の中心軸線、外筒部材13の中心軸線、及び、内筒部材20の中心軸線Oは、略一致している。したがって、以下、説明の便宜上、流路管部11の中心軸線に平行する方向、外筒部材13の中心軸線に平行する方向、及び内筒部材20の軸方向Aを、全て「軸方向A」と記載する。
更に、流路管部11、外筒部材13及び内筒部材20それぞれの径方向も略一致している。また更に、流路管部11、外筒部材13及び内筒部材20それぞれの周方向も略一致している。したがって、以下、説明の便宜上、流路管部11、外筒部材13及び内筒部材20の径方向を全て「径方向B」と記載する。また、説明の便宜上、流路管部11、外筒部材13及び内筒部材20の周方向を全て「周方向C」と記載する。
図2に示すように、流路管部11は、内部に流路11aを区画している。流路管部11の流路11aは軸方向Aに延在している。流路管部11の遠位端部には、径方向Bに貫通する開口11a1が形成されている。流路管部11の遠位端は閉鎖されている。また、流路管部11の近位端は閉鎖されておらず開放されており、流路管部11の近位端に開口11a2が形成されている。つまり、流路管部11の流路11aは、流路管部11の近位端側の開口11a2から遠位端側の開口11a1まで延在している。
流路管部11は、メスコネクタ2との接続時に、メスコネクタ2の挿入開口42cに挿入される。この詳細は後述する(図7参照)。
フランジ部14は、流路管部11の径方向Bの外側の位置で、後述する第1弾性弁体30の近位端を支持している。より具体的に、フランジ部14は、径方向Bにおいて流路管部11と突出部16との間の位置で、第1弾性弁体30の近位端と当接することにより、第1弾性弁体30を支持している。
接続部15は、フランジ部14から近位端側に突設された筒部であり、例えば医療器具としての医療用チューブが内嵌めされることにより、医療用チューブと接続可能になっている。筒状の接続部15は、遠位端が上述の流路管部11の流路11aと連通すると共に近位端が外部に開放された中空部15aを区画している。
図2に示す本実施形態の接続部15は、2016年のISO80369−7に準拠するメスコネクタ部を構成している。そのため、上述した嵌合による医療用チューブの接続のみならず、本実施形態の接続部15には、2016年のISO80369−7に準拠するロック式のオスコネクタを接続可能である。更に、本実施形態の接続部15は、閉鎖式オスコネクタ1と同形状の閉鎖式コネクタの遠位端とも接続することができる。
環状の突出部16は、内筒部材20と当接し、内筒部材20の軸方向Aの近位端側への移動を制限する。具体的には、内筒部材20の外壁に形成されている凸部21bが、突出部16の先端である遠位端に当接することにより、内筒部材20の近位端側への移動が規制される。この詳細については後述する(図4、図7等参照)。
後述の外筒部材13は、その近位端部が環状の突出部16に外嵌めされた状態で、フランジ部14に支持されている。但し、外筒部材13を、環状の突出部16の外面上に密着させるように突出部16に嵌合し、外筒部材13を、フランジ部14と共に、又は、フランジ部14に代えて、突出部16で支持させる構成としてもよい。
また、図2に示すように、突出部16の軸方向Aの長さは、流路管部11の軸方向Aの長さ、及び、外筒部材13の軸方向Aの長さ、よりも短い。換言すれば、流路管部11及び外筒部材13は、突出部16よりも遠位端側まで延在している。更に言えば、流路管部11は、外筒部材13よりも遠位端側まで延在している。
更に、本実施形態では環状の突出部16を用いているが、内筒部材20と当接し、内筒部材20の軸方向Aの近位端側への移動を制限する構成であれば、この構成に限られない。したがって、フランジ部14から突設され、周方向Cに沿って配置される複数の突起により突出部を構成してもよい。かかる場合の突起は、軸方向Aに延在する棒状の突起であってもよく、軸方向Aと直交する断面が円弧形状を有する曲面板状の突起であってもよい。
ホルダ部材12の材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等のポリオレフィン;エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA);ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン;ポリスチレン;ポリアミド;ポリイミド;ポリアミドイミド;ポリカーボネート;ポリ−(4−メチルペンテン−1);アイオノマー;アクリル樹脂;ポリメチルメタクリレート;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS樹脂);アクリロニトリル−スチレン共重合体(AS樹脂);ブタジエン−スチレン共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリシクロヘキサンテレフタレート(PCT)等のポリエステル;ポリエーテル;ポリエーテルケトン(PEK);ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリエーテルイミド;ポリアセタール(POM);ポリフェニレンオキシド;変性ポリフェニレンオキシド;ポリサルフォン;ポリエーテルサルフォン;ポリフェニレンサルファイド;ポリアリレート;芳香族ポリエステル(液晶ポリマー);ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、その他フッ素系樹脂;などの各種樹脂材料が挙げられる。また、これらのうちの1種以上を含むブレンド体やポリマーアロイなどでもよい。その他に、各種ガラス材、セラミックス材料、金属材料であってもよい。
本実施形態のホルダ部材12は、単一の材料により一体で形成されているが、上述の流路管部11、フランジ部14、接続部15、及び、突出部16を少なくとも備える構成であればよく、複数の部材を組み付けることにより形成してもよい。
外筒部材13は、流路管部11の径方向Bの周囲を取り囲んだ状態で、ホルダ部材12に対して取り付けられている。具体的に、外筒部材13は略円筒状の形状を有しており、流路管部11に対して径方向Bの外側で、軸方向Aと直交する断面において流路管部11と同心円状となるように、流路管部11の周囲を取り囲んでいる。更に、外筒部材13は、突出部16に対しても径方向Bの外側で、軸方向Aと直交する断面において環状の突出部16と同心円状となるように、突出部16の周囲を取り囲んでいる。この状態で、外筒部材13の近位端部は、超音波溶着や接着等により、フランジ部14に対して取り付けられている。
また、外筒部材13内には内筒部材20が嵌合している。具体的に、内筒部材20は、外筒部材13内で、外筒部材13に対して軸方向Aに移動可能に保持されている。本実施形態の外筒部材13の内壁には、雌ねじ部13aが形成されている。換言すれば、外筒部材13の内壁には、螺旋状に延在する溝13a1が形成されている。その一方で、後述する内筒部材20の外壁には凸部21bが形成されている(図4参照)。この凸部21bは、上述の溝13a1に沿って移動可能である。つまり、外筒部材13に対して内筒部材20を相対的に周方向Cに移動させることにより、凸部21bを、溝13a1内で、溝13a1の延在方向に沿って移動させることができる。これにより、内筒部材20を、外筒部材13に対して軸方向Aに移動させることができる。この詳細についても後述する(図4参照)。
ここで図3は、図2のII-II線の位置での閉鎖式オスコネクタ1の断面図である。図1、図3に示すように、外筒部材13の周壁には、切り込み状の隙間17により囲まれる部分で構成される、径方向Bに弾性変形可能な変形部18が設けられている。より具体的に、図3に示す本実施形態では、周方向Cに等間隔を空けて4箇所の位置それぞれに、隙間17が形成されており、外筒部材13のうち各隙間17により囲まれる部分により変形部18が形成されている。換言すれば、本実施形態では、約90度の中心角ごとに変形部18を配置し、合計4つの変形部18が設けられている。
より具体的に、本実施形態の変形部18は、近位端側が外筒部材13の周壁と連続し、遠位端側が隙間17を挟み外筒部材13の周壁と連続していない。また、変形部18の周方向Cの両側も、隙間17を挟み外筒部材13の周壁と連続していない。このような構成の変形部18は、近位端側に対して遠位端側が径方向Bに弾性変形可能である。
変形部18の遠位端部には、径方向Bの内側に突出する突起18aが設けられている。この外筒部材13の変形部18における突起18aは、内筒部材20をホルダ部材12から離間した所定位置で係止可能な係止部である。上述したように、変形部18は径方向Bに弾性変形することができる。突起18aは、変形部18の径方向Bの弾性変形により、径方向Bの位置を変動可能である。このように、変形部18を径方向Bに弾性変形させることにより、内筒部材20を係止する係止位置と、内筒部材20の係止を解除する係止解除位置と、の間で、突起18aの径方向Bの位置を変動させる。図2に示す係止部としての突起18aは、係止位置にある状態である。この動作の詳細は後述する(図6、図7参照)。
外筒部材13の材料としては、例えば、上述したホルダ部材12として利用可能な材料と同様の材料を挙げることができる。
[内筒部材20]
図2に示すように、内筒部材20は、内壁に雌ねじ部21aが形成されている接続筒部21と、この接続筒部21の内壁のうち雌ねじ部21aよりも近位端側の位置で径方向Bの内側に突出する第1環状フランジ部22と、接続筒部21内に位置し、第1環状フランジ部22の内縁部から軸方向Aの遠位端側に突出する保持筒部23と、第1環状フランジ部22の内縁部から軸方向Aの近位端側に突出する、接続筒部21よりも外径が細い細筒部24と、この細筒部24の近位端から径方向B外側に突出する第2環状フランジ部25と、この第2環状フランジ部25の外縁から軸方向Aの近位端側に突出する基端筒部26と、を備えている。
図4は、閉鎖式オスコネクタ1から内筒部材20を分離した状態を示す図である。具体的に、図4では、分離された内筒部材20を斜視図で示し、閉鎖式オスコネクタ1の残りの部分を断面斜視図で示している。図4に示すように、接続筒部21、細筒部24及び基端筒部26は略円筒状の形状を有している。そして、内筒部材20の外周面は、細筒部24の位置で括れており、周方向Cに延在する環状溝24aが形成されている。
図2に示す接続前の状態(以下、「非接続状態」と記載する。)で、内筒部材20の第1環状フランジ部22、細筒部24、第2環状フランジ部25、及び、基端筒部26は、外筒部材13内に嵌合している。その一方で、図2に示す非接続状態で、内筒部材20の接続筒部21及び保持筒部23は、外筒部材13よりも遠位端側、すなわち、第1ハウジング10よりも遠位端側に突出している。
図2に示す非接続状態で、内筒部材20の外壁に形成されている環状溝24aには、外筒部材13の係止部としての突起18aが嵌り込んでいる。すなわち、突起18aが係止位置にある。そのため、内筒部材20は、突起18aを係止位置から係止解除位置に移動させない限り、外筒部材13に対して軸方向Aの近位端側に移動できない。詳細は後述するが、突起18aは、内筒部材20に対して軸方向Aの近位端側へ所定値以上の力が作用すると、係止位置から係止解除位置に移動するようになっている。
また、図4に示すように、内筒部材20の外壁には凸部21bが形成されている。より具体的に、凸部21bは、内筒部材20の基端筒部26の外壁に形成されている。この凸部21bが、外筒部材13の内壁に形成されている雌ねじ部13aの螺旋状の溝13a1内を移動可能である。これにより、内筒部材20が外筒部材13に対して軸方向Aに移動可能となる。
本実施形態では、図4に示すように2つの凸部21bが径方向Bで対向する位置に設けられている。また、2つの凸部21bに対応するように、外筒部材13の螺旋状の溝13a1についても2つ設けられている。
図2に示すように、保持筒部23及び細筒部24は、第1弾性弁体30を内部に保持している。具体的に、保持筒部23及び細筒部24は、第1弾性弁体30の後述する先端部32を収容する収容空間27を区画している。収容空間27を区画する内壁には、径方向Bの内側に突出する環状の突起28が形成されている。この環状の突起28は、第1弾性弁体30の先端部32に対してめり込み、先端部32が収容空間27から抜け落ちることを抑制している。また、第1弾性弁体30は、保持筒部23の遠位端に形成された遠位端開口23aから突出している。
内筒部材20の材料としては、例えば、上述したホルダ部材12として利用可能な材料と同様の材料を挙げることができる。
[第1弾性弁体30]
第1弾性弁体30は、流路管部11を覆っている。具体的に、本実施形態の第1弾性弁体30は、軸方向Aに折り畳まれるように弾性変形可能な蛇腹筒部31と、この蛇腹筒部31の中空部の遠位端側を閉鎖するように蛇腹筒部31に連続する円柱状の先端部32と、蛇腹筒部31の遠位端部の位置で、径方向Bの外側に突出するフランジ部33と、を備えている。
蛇腹筒部31の近位端は、第1ハウジング10のホルダ部材12のフランジ部14に当接している。先端部32は、内筒部材20の保持筒部23及び細筒部24が区画する収容空間27内に保持されている。
フランジ部33は、先端部32が収容空間27に収容されている状態で、内筒部材20の第2環状フランジ部25に当接している。これにより、先端部32が、収容空間27から遠位端側に抜け出ない。上述したように、収容空間27を区画する内壁には、環状の突起28が形成されている。そのため、先端部32は、近位端側にも抜け落ち難い。
円柱状の先端部32には、近位端側から遠位端側に貫通するスリット32aが形成されている。また、先端部32は、保持筒部23の遠位端に形成された遠位端開口23aから突出している。換言すれば、第1弾性弁体30は、遠位端開口23aから突出する突出部34を備えている。本実施形態の突出部34の遠位端側の端面である先端面34aは、凸状の曲面を有している。先端面34aが凸状の曲面を有することにより、後述するメスコネクタ2の第2弾性弁体50の天面50aと密着しやすくなる。
突出部34は、メスコネクタ2の挿入開口42cの径D4(図8参照)よりも大きい外径D5(図8参照)を有している。このような構成にすることにより、メスコネクタ2との接続時において、メスコネクタ2の挿入開口42cの縁部42c1全体を、突出部34により覆い易くなる。詳細は後述する(図8、図9参照)。
本実施形態の突出部34の先端面34aは、図2の断面視において円弧状となる1つの曲面により構成されているが、スリット32aの周囲のみが凸状の曲面になっている構成であってもよい。
また、図2に示すように、遠位端側の開口11a1を含む流路管部11の遠位端部は、第1弾性弁体30の先端部32により、軸方向Aの遠位端側及び径方向B外側が覆われている。更にスリット32aも閉鎖されている状態である。つまり、図2に示す第1弾性弁体30は、開口11a1を覆う閉鎖形態を示している。
図2に示す非接続状態から内筒部材20を軸方向Aの近位端側に移動させると、蛇腹筒部31が圧縮するように弾性変形する。これに伴い、遠位端側の開口11a1を含む流路管部11の遠位端部は、第1弾性弁体30の先端部32のスリット32aを通じて、先端部32を軸方向Aに貫通する。つまり、第1弾性弁体30が、開口11a1が開放される開放形態となる。このように、本実施形態の第1弾性弁体30は、第1ハウジング10に対する内筒部材20の軸方向Aにおける移動に伴って、閉鎖形態と開放形態との間で形態を変化可能である。
本実施形態の第1弾性弁体30は、蛇腹筒部31及び先端部32を備える構成であるが、流路管部11の流路11aの遠位端側の開口11a1を覆う閉鎖形態と開口11a1を開放する開放形態との間で形態を変化可能な構成であれば、この構成に限られない。そのため、本実施形態の第1弾性弁体30では、蛇腹筒部31が軸方向Aに弾性変形することにより閉鎖形態と開放形態との間で形態を変化可能であるが、例えば、弾性変形に加えて、又は、弾性変形に代えて、軸方向Aに移動することにより閉鎖形態と開放形態との間で形態を切り替え可能な構成としてもよい。
第1弾性弁体30は、硬度がショアA硬度10以上70以下であることが好ましく、ショアA硬度20以上50以下であることがより好ましい。硬度がショアA硬度10より小さいと、流路11a内の圧力が高まったときに、薬液等の流体が外部に漏れ出すおそれがある。硬度がショアA硬度70より大きいと、第1弾性弁体30と接続されたメスコネクタ2の第2弾性弁体50との当接が不十分になるおそれがあり、接続されたメスコネクタ2が抜去される際に、薬液等の流体が外部に漏れ出す可能性がある。また、第1弾性弁体30は、硬度がショアA硬度20以上50以下であれば、メスコネクタ2との好適な密着性を確保することができ、接続されたメスコネクタ2が抜去される際に、薬液等の流体が外部に漏れ出すことをより確実に抑制することができる。
第1弾性弁体30は、金型成形され、弾性変形可能に形成される。この第1弾性弁体30の材料としては、例えば、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、ニトリルゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、アクリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、ヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムのような各種ゴム材料や、スチレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系、トランスポリイソプレン系、フッ素ゴム系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合した材料であってもよい。第1弾性弁体30を、別々の材料により形成しても、同一の材料により形成してもよい。
<メスコネクタ2>
次に、図1及び図2を参照して、メスコネクタ2の詳細について説明する。
[第2ハウジング40]
第2ハウジング40は、上述したように、キャップ42と、このキャップ42を支持するホルダ43と、を備えている。
キャップ42は、中空部41のうち第2弾性弁体50を収容する保持空間41aを区画する筒部42aと、この筒部42aの遠位端部に設けられ、ホルダ43上に支持されるフランジ部42bと、を備えている。より具体的に、本実施形態のキャップ42は、天面キャップ44と、底面キャップ45と、を備えている。天面キャップ44及び底面キャップ45は、いずれも筒部とフランジ部とを備えるハット形状であり、キャップ42は、天面キャップ44及び底面キャップ45を重ね合わせ、両者の接触面を超音波溶着等により接合することで形成されている。つまり、キャップ42の筒部42aは、天面キャップ44及び底面キャップ45の重ね合わされた筒部同士により構成されている。また、キャップ42のフランジ部42bは、天面キャップ44及び底面キャップ45の重ね合わされたフランジ部同士により構成されている。
第2弾性弁体50は、天面キャップ44及び底面キャップ45により、天面50a側及び底面50b側から圧縮、挟持されて中空部41内、より具体的には保持空間41a内、での位置が固定されている。第2ハウジング40が区画する中空部41には、第2弾性弁体50に形成されているスリット51を通じて、外方から閉鎖式オスコネクタ1の流路管部11を挿入可能である。
図5は、メスコネクタ2を、キャップ42の近位端側の端面である天面48側から見た図である。図5に示すように、キャップ42の天面48には、挿入開口42cが形成されている。閉鎖式オスコネクタ1の流路管部11は、この挿入開口42cを通じて、中空部41内に挿入される(図7参照)。
閉鎖式オスコネクタ1の流路管部11を、メスコネクタ2の中空部41内に挿入して、閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2の接続を完了した状態(以下、「接続完了状態」と記載する。)において、流路管部11は、挿入開口42cを区画する縁部42c1により、径方向Bの内側に圧縮されない。つまり、接続完了状態において、挿入開口42cの位置にある流路管部11の部分の外径は、縁部42c1の径よりも小さい。接続完了状態についての詳細は後述する(図7参照)。
また、図2及び図5に示すように、キャップ42の筒部42aの外面には、雄ねじ部46が形成されている。そして、雄ねじ部46のねじ山46aは、筒部42aの外面における近位端の位置まで螺旋状に延在しており、ねじ山46aの近位端部が、ISO80369−7に準拠するロック式のメスコネクタとして寸法が規定されている先端フランジ47を構成している。換言すれば、本実施形態の先端フランジ47は、雄ねじ部46のねじ山46aの一部として、ねじ山46aと一体で形成されている。
ここで言う「ISO80369−7に準拠するロック式のメスコネクタとして寸法が規定されている先端フランジ」とは、軸方向Aの端部の位置で、かつ、径方向Bに対向する位置に2つ設けられるフランジであり、2つのフランジ間の径方向Bの最大径(最大長さ)が7.73〜7.83mmに規定されていると共に、最大径となる一径方向に対して直交する別の一径方向における各フランジの幅が3.4〜3.5mmに規定される。図5に示すように、本実施形態の先端フランジ47については、径方向Bの最大径W1が7.83mm(寸法公差−0.005〜0mm)となっている。また、図5に示すように、最大径となる一径方向に対して直交する別の一径方向における各フランジの幅W2が3.5(寸法公差−0.01〜0mm)となっている。
図2に示すように、ホルダ43は、キャップ42を支持している。また、ホルダ43は、キャップ42が区画する保持空間41aと連通する流路41bを区画するオスルアー部43aと、このオスルアー部43aの径方向Bの外側の周囲を取り囲み、内面に雌ねじ部43b1が形成されている筒部43bと、を備えている。
第2ハウジング40のホルダ43、天面キャップ44及び底面キャップ45の材料としては、例えば、上述した閉鎖式オスコネクタ1のホルダ部材12として利用可能な材料と同様の材料を挙げることができる。
本実施形態の第2ハウジング40は、ホルダ43、天面キャップ44及び底面キャップ45を備える構成であるが、この構成に限られず、例えば、本実施形態のホルダ43と底面キャップ45とを単一材料から成形した単一部材としてもよい。また、本実施形態のホルダ43、天面キャップ44及び底面キャップ45のいずれかを複数の部材の組み合わせにより形成してもよい。このように、第2ハウジング40は、本実施形態で示す構成に限られず、例えば、1部材又は2部材から構成してもよく、4部材以上から構成してもよい。
[第2弾性弁体50]
図2に示すように、第2弾性弁体50は、天面50a側から見た場合に略円形の外形を有する、円形扁平なディスク状弁体である。第2弾性弁体50は、第2ハウジング40により、天面50a及び底面50bを挟み込むことで挟持され、中空部41内での位置が固定されている。
また、第2弾性弁体50は、天面50a側から見た場合に、中央部にスリット51を有している。スリット51は、オスコネクタが中空部41に挿入及び抜去される際に第2弾性弁体50が弾性変形することにより開閉する。第2弾性弁体50は、スリット51が形成されている中央部よりも径方向外側に位置する周縁部の位置で、第2ハウジング40により、天面50a及び底面50bを挟み込んで挟持されている。
第2弾性弁体50についても、上述した閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30と同様、金型成形され、弾性変形可能に形成される。また、第2弾性弁体50の材料としては、例えば、上述した閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30として利用可能な材料と同様の材料を挙げることができる。
また、第2弾性弁体50の硬度は、第2弾性弁体50が適度な弾性力を確保するような硬度とすることが好ましい。第2弾性弁体50の硬度は、ISO80369−7に準拠するオスルアー部が中空部41に挿入される際にスリット51を開放するように弾性変形可能な硬度とする。また、ISO80369−7に準拠するオスルアー部がスリット51を通じて中空部41内に挿入されている状態で、オスルアー部の外壁に密着し、液密な連結状態を実現可能な硬度とする。更に、ISO80369−7に準拠するオスルアー部が中空部41から抜去される際にスリット51が閉鎖されるように第2ハウジング40内で復元可能な硬度とする。このような性能を保持する硬度であれば、第2弾性弁体50の硬度は特に限定されないが、本実施形態では20〜60°(A硬度)の硬度としている。
メスコネクタ2のホルダ43のオスルアー部43aは、ISO80369−7に準拠しており、6/100のテーパー形状を有する。
また、本実施形態ではメスコネクタ2が第2弾性弁体50を備えるが、第2弾性弁体50を有さないメスコネクタを用いてもよい。
<閉鎖式オスコネクタ1とメスコネクタ2との接続動作>
次に、閉鎖式オスコネクタ1とメスコネクタ2とを接続する際の各部の動作について説明する。図6は、閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2を接続する途中の状態を示す断面図である。また、図7は、図6の状態から閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2の接続を更に進行させ、閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2の接続を完了した状態を示す断面図である。より具体的に、図6は、閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30がメスコネクタ2の挿入開口42cの縁部42c1に当接する当接状態であるが、流路管部11がメスコネクタ2の流路41bに連通していない接続途中の状態を示している。また、図7は、当接状態であって、かつ、閉鎖式オスコネクタ1の流路管部11が、第1弾性弁体30及び第2弾性弁体50を貫通してメスコネクタ2の流路41bと連通し、接続が完了した接続完了状態を示している。図7では、閉鎖式オスコネクタ1とメスコネクタ2とでコネクタ接続体300が構成されている。
図2に示す非接続状態から閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2を軸方向Aに近づけ、メスコネクタ2を閉鎖式オスコネクタ1に対して、右回り(図2の白抜き矢印参照)に相対的に回動させると、メスコネクタ2の先端フランジ47を含む雄ねじ部46を、閉鎖式オスコネクタ1の雌ねじ部21aに螺合させることができる。これにより、閉鎖式オスコネクタ1とメスコネクタ2とをねじ結合させることができる。閉鎖式オスコネクタ1の中心軸線Oと、メスコネクタ2の中心軸線O´と、は略一致した状態となっている。
図6に示すように、メスコネクタ2の先端フランジ47を含む雄ねじ部46と、閉鎖式オスコネクタ1の雌ねじ部21aとを螺合していくと、保持筒部23の遠位端開口23aから突出する第1弾性弁体30の突出部34の先端面34aが、第2弾性弁体50の天面50aに当接し当接領域60を形成する。更に、図6に示すように、突出部34の先端面34aが、挿入開口42cの縁部42c1に対して周方向C全域で当接する。これにより、縁部42c1の位置から液体が外部に漏出することを抑制でき、縁部42c1の位置でのシール性を確保することができる。
当接領域60は、第1弾性弁体30の突出部34の先端面34aの全面を含むように形成されている必要はない。また、当接領域60は、第2弾性弁体50の天面50aの全面を含むように形成されている必要もない。つまり、先端面34a及び天面50aの流路管部11が通過する部分が少なくとも当接して当接領域を形成していればよい。本実施形態では、第1弾性弁体30のスリット32aの周辺と、第2弾性弁体50のスリット51の周辺と、が少なくとも当接して当接領域60を形成していればよい。
また、図2に示す非接続状態から図6に示す接続途中状態にするまでの間、係止部としての突起18aは、環状溝24aに嵌合した係止位置の状態のままになっている。つまり、非接続状態(図2参照)から当接状態が実現される接続途中状態(図6参照)となるまで、内筒部材20は、第1ハウジング10に対して周方向Cに回動せず、軸方向Aにも移動していない。
本実施形態での当接状態(図6参照)は、内筒部材20の接続筒部21の遠位端がメスコネクタ2のキャップ42のフランジ部42bに当接した状態でもある。換言すれば、内筒部材20の接続筒部21の遠位端がメスコネクタ2のキャップ42のフランジ部42bに当接するまで、雄ねじ部46と雌ねじ部21aとを螺合することを、当接状態が実現されたことを外部から確認できる目印としてもよい。
内筒部材20の遠位端がメスコネクタ2のキャップ42のフランジ部42bに当接して当接状態が実現される構成(図6参照)に代えて、保持筒部23の遠位端がメスコネクタ2のキャップ42の縁部42c1を含む天面48に当接して当接状態が実現される構成としてもよい。
図6に示す接続途中状態から、メスコネクタ2を閉鎖式オスコネクタ1に対して更に相対的に右回り(図6の白抜き矢印参照)に回転させる。すると、内筒部材20の遠位端がメスコネクタ2のキャップ42のフランジ部42bに当接した状態となっているため、内筒部材20が、メスコネクタ2と一体的に、第1ハウジング10の外筒部材13に対して、相対的に右回りに回転しようとする。そのため、係止部としての突起18aと環状溝24aとの嵌合状態が解除される。換言すると、係止部としての突起18aは、閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30がメスコネクタ2の挿入開口42cの縁部42c1に当接する当接状態(図6参照)を維持したまま、内筒部材20を係止して移動を規制する係止位置から内筒部材20の係止を解除し、内筒部材20の移動を許容する係止解除位置へと変位する。より詳細には、図2、図6に示すように、突起18aの遠位端側の端面は、径方向Bの内側に向かうにつれて近位端側に向かうように傾斜している。そのため、この傾斜する端面は、軸方向Aの近位端側に進行しようとする内筒部材20により径方向Bの外側に押圧される。そうすると、突起18aが環状溝24aから抜け出るように、変形部18が径方向Bの外側へ弾性変形する。このようにして突起18aを係止位置から係止解除位置へと移動させることができる。
突起18aが係止解除位置に変位した後、メスコネクタ2を閉鎖式オスコネクタ1に対して更に相対的に右回りに回転させると、内筒部材20の外壁に形成されている凸部21b(図4参照)が、外筒部材13の内壁に形成されている螺旋状の溝13a1に沿って、遠位端側から近位端側に向かって移動する。これにより、内筒部材20を、外筒部材13に対して相対的に、軸方向Aの近位端側に移動させることができる。より具体的に、内筒部材20は、係止部としての突起18aに係止される第1位置(図2、図6参照)から、ホルダ部材12に当接する第2位置(図7参照)まで、第1ハウジング10に対して軸方向Aにおいて移動する。
これにより、閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30がメスコネクタ2の挿入開口42cの縁部42c1に当接する当接状態を維持したまま、流路管部11が第1弾性弁体30を貫通せずに開口11a1が第1弾性弁体30に閉鎖される状態(図6参照)から、流路管部11が第1弾性弁体30を貫通して開口11a1が第1弾性弁体30から開放される状態へと形態を変化させることができる。より具体的には、図6に示す接続途中状態から、内筒部材20が外筒部材13に対して近位端側に移動することにより、当接状態が維持されたまま、流路管部11が、第1弾性弁体30及び第2弾性弁体50を貫通する。その結果、図7に示すように、閉鎖式オスコネクタ1の流路管部11の流路11aが、メスコネクタ2の流路41bと液密に連通する接続完了状態が実現される。
逆に、図7に示す接続完了状態で、メスコネクタ2を閉鎖式オスコネクタ1に対して相対的に左回り(図7の白抜き矢印の逆方向)に回転させると、内筒部材20は、凸部21b(図4参照)が螺旋状の溝13a1に沿って移動することにより、当接状態を維持したまま、メスコネクタ2と一体的に、軸方向Aにおいて第1ハウジング10から離間する方向に移動する。これにより、内筒部材20は、図7に示す接続完了状態から、図6に示す接続途中状態へと変化する。つまり、流路管部11は、当接領域60を通じて第2弾性弁体50から抜去される。また、第1弾性弁体30が、流路管部11の流路11aの遠位端側の開口11a1を開放する開放形態から、開口11a1を覆う閉鎖形態へと、形態を変化させる。このようにして、図7に示す接続完了状態から図6に示す接続途中状態へと移行する。
第1弾性弁体30は、図7に示す接続完了状態では、内筒部材20の近位端側への移動によって軸方向Aに圧縮されており、復元力により内筒部材20を遠位端側に付勢している。そのため、図7に示す接続完了状態から図6に示す接続途中状態に変化させる際は、図6に示す接続途中状態から図7に示す接続完了状態に変化させる場合と比較して、弱い外力を加えることで状態を変化させることができる。そして、内筒部材20の環状溝24aが外筒部材13の突起18aの位置に到達すると、突起18aが環状溝24aに嵌合して係止位置となる。
図6に示す接続途中状態から、メスコネクタ2を閉鎖式オスコネクタ1に対して更に相対的に左回り(図6の白抜き矢印の逆方向)に回転させると、内筒部材20は突起18aを介して第1ハウジング10の外筒部材13に移動が規制されているため、メスコネクタ2の雄ねじ部46と、閉鎖式オスコネクタ1の内筒部材20の雌ねじ部21aと、のねじ結合が緩む方向に回動する。その結果、メスコネクタ2が内筒部材20に対して相対的に軸方向Aで離間する方向(図6では上方向)に移動する。より詳細には、突起18aは、近位端側の端面に、径方向と略平行になる平面を有している。そのため、遠位端側に進行しようとする内筒部材20によっても径方向Bの外側には押し出されず、係止位置に留まり続ける。このとき、メスコネクタ2の第2弾性弁体50の天面50aと閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30の先端面34aとの当接は解除される。すなわち、当接領域60がなくなる。更に、突出部34の先端面34aと、挿入開口42cの縁部42c1の周方向C全域と、の当接も解除される。そして、メスコネクタ2の雄ねじ部46と閉鎖式オスコネクタ1の内筒部材20の雌ねじ部21aとの螺合が解除され、メスコネクタ2を内筒部材20に対して相対的に遠位端側に引き抜くことで、図2に示すような非接続状態となる。
以上のように、閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2によれば、接続時において、突出部34の先端面34aと、挿入開口42cの縁部42c1の周方向C全域と、が当接する当接状態を維持したまま、流路管部11を、メスコネクタ2の中空部41内へと挿入することができる。更に、閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2によれば、接続解除時においても、当接状態を維持したまま、流路管部11を、メスコネクタ2の中空部41から抜去することができる。そのため、閉鎖式オスコネクタ1とメスコネクタ2とを液密に連通させることができる。
また、本実施形態の閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2によれば、接続時において、メスコネクタ2の第2弾性弁体50の天面50aと閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30の先端面34aとの当接領域60を通じて、流路管部11を、メスコネクタ2の中空部41内へと挿入することができる。更に、本実施形態の閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2によれば、接続解除時においても、当接領域60を通じて、流路管部11を、メスコネクタ2の中空部41から抜去することができる。このように、流路管部11を、当接領域60を通じて挿入及び抜去することができる。したがって、閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2を接続完了状態(図7参照)から非接続状態(図2参照)にする際、すなわち、両者の接続を解除する際に、接続解除後に外部に露出する、メスコネクタ2の第2弾性弁体50の天面50a、及び、閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30の先端面34aに、薬液等の液体の液滴が残ることを抑制することができる。つまり、医療従事者が薬液等の液体に触れてしまう危険性を軽減することができる。
<閉鎖式オスコネクタ1の雌ねじ部21aとメスコネクタ2の雄ねじ部46>
上述したように、突出部34の先端面34aと、挿入開口42cの縁部42c1の周方向C全域と、が当接する当接状態は、閉鎖式オスコネクタ1の雌ねじ部21aとメスコネクタ2の雄ねじ部46とのねじ結合が維持されることにより実現されている。以下、ねじ結合が維持され易い構成を有する、雌ねじ部21a及び雄ねじ部46の詳細について詳細に説明する。
図8は、図2において雌ねじ部21a及び雄ねじ部46の部分を拡大した拡大断面図である。また図9は、図7において雌ねじ部21a及び雄ねじ部46の部分を拡大した拡大断面図である。
図9に示すように、雌ねじ部21aは、近位端側の端部に一体で形成されている先端フランジ47を含む雄ねじ部46と螺合し、第1弾性弁体30をメスコネクタ2の挿入開口42cの縁部42c1に当接させた当接状態となっている。そして、雌ねじ部21aの谷部29aは、図9に示す状態で、先端フランジ47を挟み込んでいる。より具体的に、本実施形態の谷部29aは、径方向Bにおいて対向する位置に設けられている2つの先端フランジ47と径方向Bの外側から当接している。そのため、谷部29aと先端フランジ47との間では、両者が当接していない構成と比較して、摩擦抵抗が生じる。その結果、谷部29aに対して先端フランジ47が相対的に回動することを抑制し、雌ねじ部21aと先端フランジ47との螺合が緩むことや解除されることを抑制することができる。
特に、本実施形態の谷部29aは、2つの先端フランジ47を、径方向Bの内側、すなわち2つの先端フランジ47の対向方向、に向かって所定値以上の圧力で圧縮している。そのため、谷部29aと先端フランジ47との間の摩擦抵抗を、両者が互いに押圧することなく単に接触している状態と比較して、より大きくすることができる。つまり、雌ねじ部21aと先端フランジ47との螺合の緩みや解除を、より一層生じ難くすることができる。
換言すれば、図8に示す本実施形態の谷部29aは、先端フランジ47の回動軌跡により規定される最大回転外径D1よりも小さい谷径D2を有する挟込部29a1を備えている。そして、挟込部29a1の少なくとも一部は、図9に示す当接状態において、先端フランジ47に対して径方向Bの外側に位置している。つまり、先端フランジ47は、図9に示す当接状態において、挟込部29a1により径方向Bの内側に向かって圧縮されている。先端フランジ47の「最大回転外径D1」とは、図5に示すように、ISO80369−7に準拠するロック式のメスコネクタとして寸法が規定されている先端フランジ47のうち径方向Bの最も外側に位置する点Qが、メスコネクタ2全体の中心軸線O´と一致する筒部42aの中心軸線の周りを回動することにより形成する軌跡の直径を意味する。すなわち、図5に示す最大径W1と等しい長さである。
図9に示すように、本実施形態の先端フランジ47は、挟込部29a1により径方向Bの内側に押圧され、圧縮変形している。
また、図8及び図9に示すように、本実施形態の谷部29aは、挟込部29a1よりも遠位端側に位置し、先端フランジ47の最大回転外径D1以上の谷径D3を有する非挟込部29a2を備えている。そして、谷部29aのうち、挟込部29a1よりも遠位端側は、非挟込部29a2のみから構成されている。このような構成とすれば、先端フランジ47を雌ねじ部21aに螺合する際に、先端フランジ47が、図9に示す当接状態に至る前の螺合途中において谷部29aにより圧縮されることを抑制することができ、接続時の操作性を向上させることができる。
更に、本実施形態において、非挟込部29a2の谷径D3は、近位端側から遠位端側に向かって漸増している。そのため、先端フランジ47は、先端フランジ47と雌ねじ部21aとの螺合開始時に、谷部29a内に収まり易い。つまり、螺合開始のきっかけとなる先端フランジ47と雌ねじ部21aの谷部29aとの係合が実現し易くなり、接続時の操作性を更に向上させることができる。
また更に、本実施形態では、挟込部29a1の谷径D2についても、近位端側から遠位端側に向かって漸増している。このようにすれば、先端フランジ47を雌ねじ部21aに螺合する際に、先端フランジ47が、図9に示す当接状態に近づくにつれて、谷部29aからより強く圧縮される構成となる。そのため、図9に示す当接状態となる前に、先端フランジ47が過度に不要に圧縮されることが抑制される。その結果、接続時の操作性を更に向上させることができる。
雌ねじ部21aは、隣接するねじ山の間の部分から構成される上述の谷部29aに加えて、ねじ山から構成される山部29bを備えている。そして、図8に示すように、雌ねじ部21aの山部29bのうち、谷部29aの挟込部29a1に隣接する位置でのねじ高さH1は、先端フランジ47の突出高さH2よりも小さい。ねじ高さH1は、挟込部29a1に軸方向Aで隣接するねじ山の、その隣接する挟込部29a1の最小外径となる位置に対する径方向Bの高さを意味している。また、先端フランジ47の突出高さH2は、先端フランジ47が形成されている筒部42aのうち先端フランジ47と隣接する位置での周面に対する先端フランジ47の径方向Bの最大高さを意味している。
上述したように、第1弾性弁体30は、遠位端開口23aから突出する突出部34を備えている。そして、図8に示すように、本実施形態の突出部34は、メスコネクタ2の挿入開口42cの径D4よりも大きい外径D5を有している。突出部34の外径D5とは、突出部34を先端面34a側から見た場合の、突出部34の外縁の外径を意味している。このような構成にすることにより、メスコネクタ2との接続時において、突出部34が、メスコネクタ2の挿入開口42cの縁部42c1の周方向C全域と当接し易い。つまり、図9に示す当接状態を容易に実現し易くなる。
本実施形態では、先端フランジ47が、筒部42aの外壁に設けられている雄ねじ部46の近位端側の一部として形成されているが、ISO80369−7に準拠するロック式のメスコネクタとして寸法が規定されている先端フランジがあればよく、この構成に限られない。したがって、例えば、筒部42aの外壁の近位端の位置に先端フランジ47のみが形成されている構成としてもよい。
また、本実施形態では、谷部29aの挟込部29a1の谷径D2及び非挟込部29a2の谷径D3と同様、山部29bの山径も、近位端側から遠位端側に向かって漸増する構成であるが、この構成に限られず、山部の山径が軸方向Aの位置によらず一定の構成としてもよい。
本実施形態の雌ねじ部21aによれば、上述したように、谷部29aが先端フランジ47を挟み込むため、接続完了状態が維持され易い。その一方で、接続時において、図9の当接状態となる前に、先端フランジ47が谷部29aにより挟み込まれる状態が発生すると、その挟み込みの圧縮力の大きさによっては、当接状態が実現される前に、内筒部材20の外筒部材13に対する回動が開始される可能性がある。そして、当接状態が実現されずに、メスコネクタ2の中空部41へ流路管部11が挿入されるおそれがある。同様に、当接状態が実現されずに、流路管部11が中空部41から抜去されるおそれがある。このような場合には、当接状態が実現されていない状況で、流路管部11の挿入及び抜去が行われるため、挿入開口42cから液体が外部に漏出し易い。
そこで、図9に示す当接状態をより確実に実現できる構成とすることが望ましい。図10は、上述した閉鎖式オスコネクタ1の変形例としての閉鎖式オスコネクタ1´単体の断面図である。図10に示す閉鎖式オスコネクタ1´の断面は、図2に示す閉鎖式オスコネクタ1の断面と同位置での断面である。図10に示す閉鎖式オスコネクタ1´においても、上述した閉鎖式オスコネクタ1と同様、第1弾性弁体30は、第1ハウジング10に対する内筒部材20´の軸方向Aにおける移動に伴って、閉鎖形態と開放形態との間で形態を変化させることができる。そして、内筒部材20´は、第1ハウジング10の遠位端、より具体的に図10に示す例では外筒部材13の遠位端、から突出可能に設けられている。図10に示す閉鎖式オスコネクタ1´では、この内筒部材20´の突出可能長さL1が、第1ハウジング10に対する内筒部材20´の軸方向Aにおける移動可能長さL2以上となっている。
つまり、内筒部材20´は、常に、第1ハウジング10の遠位端よりも突出する状態となっている。このような構成とすれば、当接状態が実現される前に、内筒部材20´が第1ハウジング10に対して軸方向Aの近位端側へ移動したとしても、この移動は、内筒部材20´が第1ハウジング10の遠位端よりも突出した状態で止まる。つまり、内筒部材20´が第1ハウジング10に対して軸方向Aの近位端側に最大限移動した後で、更にメスコネクタ2(図8、図9等参照)を閉鎖式オスコネクタ1´に対して回動させれば、メスコネクタ2の先端フランジ47を含む雄ねじ部46(図8、図9等参照)を、閉鎖式オスコネクタ1´の雌ねじ部21a´に螺合させることができる。その結果、メスコネクタ2のフランジ部42b(図8、図9等参照)が内筒部材20´の接続筒部21´の遠位端に突き当たるまで、雄ねじ部46と雌ねじ部21a´を螺合させることができる。つまり、当接状態が実現されずに内筒部材20´が第1ハウジング10に対して回動し始めてしまったとしても、内筒部材20´の第1ハウジング10に対する移動が終了した後で、当接状態を実現することができる。
より具体的に、図10に示す内筒部材20´は、第1ハウジング10の係止部としての突起18aに係止される第1位置(図10参照)から、ホルダ部材12に当接する第2位置まで、第1ハウジング10に対して軸方向Aに移動可能である。図10に示す例における上述の突出可能長さL1は、内筒部材20´が係止部としての突起18aに係止されている状態(図10参照)での内筒部材20´の突出長さを意味する。また、内筒部材20´の第2位置は、内筒部材20´の外壁に設けられている凸部21b´(図4、図7の「凸部21b」と同様である。)の近位端側の面が、ホルダ部材12の突出部16の遠位端面に突き当たる位置である。図10では、内筒部材20´が第1位置にある状態での、内筒部材20´の近位端の軸方向Aの位置を二点鎖線X1で示している。また、図10では、内筒部材20´が第2位置にある状態での、内筒部材20´の近位端の軸方向Aの位置を二点鎖線X2で示している。換言すれば、軸方向Aにおける二点鎖線X1と二点鎖線X2との距離が、上述の移動可能長さL2である。
<輸液セット100>
最後に、上述した医療用コネクタとしての閉鎖式オスコネクタ1を備える輸液セット100について説明する。図11は、閉鎖式オスコネクタ1を備える輸液セット100を、上述したメスコネクタ2を備える別の輸液セット110に接続する様子を示す図である。輸液セット100及び別の輸液セット110は、生体に薬液等の液体を投与するために用いられる。図11に示すように、輸液セット100は、液体容器200と接続される接続器具102と、この接続器具102よりも下流側(遠位端側)に位置する閉鎖式オスコネクタ1と、接続器具102と閉鎖式オスコネクタ1とを繋ぐ医療用チューブ103と、を備えている。また、医療用チューブ103の途中には、その部分を閉塞するクランプ104が装着されていてもよい。このクランプ104は、医療用チューブ103を外側から挟持するように押圧して、医療用チューブ103内を圧閉するよう構成されている。
このような構成の輸液セット100では、クランプ104を取り外した状態で、液体容器200内の薬液等の液体が接続器具102から医療用チューブ103を通じて閉鎖式オスコネクタ1に流入する。そして、閉鎖式オスコネクタ1が、例えば、混注ポートとして上述したメスコネクタ2を備える別の輸液セット110に、メスコネクタ2を介して接続されている場合には、閉鎖式オスコネクタ1に流入した液体は、閉鎖式オスコネクタ1及びメスコネクタ2内を通過し、別の輸液セット110へと流入し、生体まで供給される。
接続器具102は、近位端部に位置し、液体容器200に接続される第1接続部105と、遠位端部に位置し、医療用チューブ103に接続される第2接続部106と、外壁から側方に向かって突出して設けられ、シリンジが接続される第3接続部107と、を備えている。接続器具102内には、第1接続部105から第2接続部106まで連通し、液体容器200内の液体を医療用チューブ103へと輸送可能なメイン流路と、第1接続部105と第3接続部107との間で連通し、液体容器200と第3接続部107に接続されるシリンジとの間で液体の輸送が可能なサブ流路と、が区画されている。
したがって、例えば抗癌剤を含む薬液が内部に収容されたシリンジを、接続器具102の第3接続部107と接続することにより、シリンジ内の薬液を接続器具102のサブ流路を介して液体容器200へと輸送することができる。そして、液体容器200内に収容された抗癌剤を含む薬液は、接続器具102のメイン流路及び医療用チューブ103内を通じて、閉鎖式オスコネクタ1まで供給される。
上述したように、閉鎖式オスコネクタ1の遠位端側にメスコネクタ2を接続し、抗癌剤を含む薬液を別の輸液セット110内へ供給することにより、抗癌剤を含む薬液を生体へと投与することができる。そして、薬液投与が完了し、閉鎖式オスコネクタ1とメスコネクタ2との接続を解除する際には、閉鎖式オスコネクタ1の第1弾性弁体30が閉鎖するため、閉鎖式オスコネクタ1の遠位端から抗癌剤を含む薬液が漏れ出ることが抑制される。
ここでは閉鎖式オスコネクタ1を備える医療器具として輸液セット100を例示したが、閉鎖式オスコネクタ1は、輸液セットに限らず、他の医療器具に用いることも可能である。例えば、シリンジ本体の先端部に閉鎖式オスコネクタ1を備えるシリンジとしてもよい。かかる場合には、例えば、上述した接続器具102の第3接続部107をメスコネクタ2と同様の構成とし、閉鎖式オスコネクタ1を備えるシリンジを、第3接続部107に接続するようにすればよい。
本発明に係る医療用コネクタは、上述した実施形態に示す具体的な構成に限られず、特許請求の範囲に記載の発明の趣旨を逸脱しない限り、種々の変形・変更が可能である。例えば、上述の実施形態の医療用コネクタとしての閉鎖式オスコネクタ1では、外筒部材13の内壁に螺旋状に延在する溝13a1が形成され、内筒部材20の外壁に、外筒部材13に対して内筒部材20を相対的に周方向Cに移動させることにより溝13a1内を移動する凸部21bが形成されているが、この構成に限られない。内筒部材20の外壁に螺旋状に延在する溝を設け、この溝内を移動する凸部を外筒部材の内壁に形成してもよい。